説明

航空機のセキュリティ装置、システムおよび方法

【課題】
【解決手段】 ユーザを同定するセキュリティ機構であって、所定の航空機を操縦させる権限を与えられた人物などの、権限を与えられたユーザに操作を制限する。このセキュリティ機構は、ユーザによって操作できるコントローラと;コントローラを操作しようとしているユーザを同定する一又はそれ以上のセキュリティデバイスと;同定されたユーザがコントローラを操作する権限を与えられているかどうかを決定する一又はそれ以上のモニタデバイスと;を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、一般的にセキュリティ機構に関し、特に、航空機のセキュリティ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
航空業界は、半世紀以上にわたって、多数の旅行者をデイリーベースで世界中の到着地に輸送してきた。この間の航空業界の主な問題は、旅客と航空機の安全を維持することであった。長い年月の間に、一般公共の、ほとんどの航空会社の旅客は、航空会社の安全性に肯定的な感覚を持っていた。統計的にいえば、空の旅は、その他の安全であるとされている行動より安全であると考えられている。たとえば、自動車事故や拳銃事故、火事などに巻き込まれる人の数は、航空機事故に巻き込まれる人より多い。たまに起こるハイジャックは、最終的に旅客は傷つかず、航空機のダメージもないため、重大な脅しであるとは考えられていなかった。
【0003】
空の旅に対する姿勢は、ニューヨーク州ニューヨークの世界貿易センターと、ワシントンDCのペンタゴンが想像もできなかったようなテロリストの攻撃目的となった2001年9月11日の朝に変わった。当日、ハイジャッカは4台の別々の航空機の制御を奪って、そのうちの3台を大量殺人兵器としてビル内へ突撃させ、そのビルと周辺のビルと、3台の航空機全てを破壊した。4台目の航空機は、航空機を取り戻すために旅客が勇敢に戦ったものの、ピッツバーグ郊外の野原に激突した。悲劇的なことに、4台すべての航空機の乗客全員と地上にいた何千人もの人々がその日亡くなった。
【0004】
「911」の余波の結果、現在は、航空機のハイジャックを防止しようとして、航空会社のセキュリティの改善がかつてより大幅に強化されている。この努力はほとんど、チェックインの際により厳重な検査を行う、武装した係りの者を搭乗させる、飛行機の乗客領域とコックピット領域を分けるドアをより安全なものにするなど、ハイジャック成功のチャンスを減らすことに向けられている。しかしながら、これらの努力は、ハイジャッカが航空機の制御を奪うという、問題の源にほとんど迫っていない。
【0005】
この観点から、航空機のハイジャックの発生を減らすことができる方法を改善する必要がある。
【0006】
発明の概要
本発明によれば、一の実施例では個人を同定するセキュリティ機構を具え、所定の航空機を操縦する権限が与えられている人物など、権限のある者のみに操作を制限するようにした。このセキュリティ機構は、ユーザによって動作可能なコントローラと、このコントローラを動作させようとするユーザを同定する一またはそれ以上のセキュリティデバイスと、前記同定されたユーザが前記コントローラを操作する権限があるかどうかを決定する一またはそれ以上のモニタデバイスを具える。
【0007】
本発明の実施例によれば、航空機、自動車あるいはその他の装置またはシステムの操作を権限のある人物にのみ制限する装置、システムおよび方法を開示する。この目的のためには、一般的に、図1に示すように、コントローラ112がユーザによって操作することができ、生物測定リーダなどの一またはそれ以上のセキュリティデバイス114がコントローラ112に関連して設けられており、コンピュータなどの一またはそれ以上のモニタシステム116が前記セキュリティデバイス114と通信するように設けられており、一またはそれ以上の制御機構118が前記モニタシステム116と通信するように設けられている。たとえば、指紋、網膜、顔の特徴、DNA特性など、あらゆる好適な生物測定特性をこの目的に利用することができる。一またはそれ以上の生物測定リーダ114は、コントローラ112に載置するあるいは組み込む、あるいは別のデバイスとして、といったさまざまな方法で用いることができる。以下に、飛行機あるいはヘリコプタなど、航空機に適用した例示的な実施例を述べる。
【0008】
図2は、指紋リーダおよび網膜リーダの形式の生物測定リーダ119および121が、航空機のコントローラなどの方向舵112に関連している実施例の斜視図である。一の好ましい実施例では、指紋リーダ119がパルスセンサも組み込んだタイプのものである。図に示す実施例では、指紋/パルスリーダ119が、方向舵制御アーム122aと122bの一方、あるいは双方に設けられている。網膜リーダ121は、二つの直立型方向舵アーム122a/122bの間の中央に配置されている。理解されるように、指紋/パルスリーダ119と網膜リーダ121は、指紋/パルスリーダ119を別の部材に関連させる、あるいは網膜リーダ121をコックピット内の別の位置に載置するなど、所望の別の位置で用いることもできる。指紋/パルスリーダ119と、網膜リーダ121は、市場で入手可能なあらゆる部材などの従来のデバイスであってもよく、あるいは、所望の場合、特別に作られたハードウエア及び/又はソフトウエアであってもよい。理解されるように、所望の場合は代替として別のタイプの生物測定センサを用いてもよい。図3に、方向舵コントロール312の別の例示的な実施例を示す。この実施例では、指紋/パルスリーダ319は、ユーザの指をおく一連になった4つの内側に丸い部分330と、親指リーダ332を具える。その他の部分は図2に示すものと同様である。理解されるように、方向舵コントロールは、図2および図3に示すデザインに限定されると考えるべきでなく、別の形状と構成を具えるものであってもよい。たとえば、単一のストレートアーム、円形ステアリングホイールタイプのデザイン、又はT字型であってもよい。
【0009】
さらに、図2に示すコンピュータなどの一またはそれ以上のモニタリングシステム116が、指紋/パルスリーダ119と網膜リーダ121と通信するように設けられていることが好ましい。ここで使用されている「コンピュータ」の用語は、情報を受信し、送信し及び/又は使用することができ、限定するものではないが、プロセッサ、マイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、ネットワークを通じて並列処理を行う分散コンピューティングシステム、ネットワークコンピューティング、メインフレームを含むと、広く解釈すべきである。
【0010】
上述したとおり、モニタリングシステム116も、たとえば、方向舵コントロール112、方向舵コントロール112で制御されるすべてのシステム、自動操縦制御システム、航空機に配置された及び/又は一またはそれ以上の生物測定センサ内に組み込まれたGPSチップなどの全地球測位システム(GPS)、あるいは、航空機に設けたあらゆる従来のシステムなど、航空機の一またそれ以上の制御機構118と通信することが好ましい。モニタシステム116は、航空機内に搭載しているコンピュータシステムを具えていてもよく、または、航空機自体に、または航空運行管理センタなどの航空機の外の所定の位置に配置されている別のコンピュータシステムを具えていてもよく、これは、機内のコンピュータシステムに通信するかあるいは航空機のセキュリティデバイス114及び/又は制御機構118と直接通信する。
【0011】
さらに、モニタシステム116は、たとえば航空機の制御機構118の所定の機構など、航空機の特定の動作を制御するために、指紋/パルスリーダ119及び/又は網膜リーダ121から受信したデータに応答するように権限のある人物によってプログラムされていてもよい。いくつかの例示的な実施例では、モニタシステム116は特別な課題用に航空機を操縦する許可を所定の人物に与えるようにプログラムされている。たとえば、所定のフライトの所定の操縦士および副操縦士にのみ航空機を操縦させる能力を許可する、所定の乗員に、航空機のビーコンシステムをオン及び/又はオフする能力を許可する、所定の地上乗務員とメンテナンス要員に航空機をサービスする能力を与える、などである。このように、所望の場合、さまざまなタイプの許可をさまざまなカテゴリの人物に与えることができる。航空機の操縦に制限が必要なところにはどこでも生物測定センサを利用することができる。たとえば、ビーコンコントロールシステムの操作や指定の領域へのアクセスには、航空機を操縦させるために生物測定認証が要求されるところで利用できる。例えば、航空機自体に、コックピット領域内は及び/又は航空機の下の貨物領域などのストレージコンパートメントへのアクセスする、サボタージュに無防備な航空機のあらゆる領域へのアクセスを提供する生物測定インターロックドア、パネル、及び/又はハッチなどを介して、所定の領域へのアクセスに生物測定認証が要求されるところで利用できる。この実施例及びその他の実施例では、たとえば、権限のない人物が飛行機を操縦しようとする、飛行機が正常なコースから外れるといった、航空機で生じるさまざまな出来事に反応して、たとえば地上コントロールなどの所定の位置へ位置情報を送ることによって、GPSシステムを稼動させることができる。本実施例の例示的なアプリケーションを、図4のフローチャートに示し、この詳細を以下に述べる。
【0012】
図4のステップ210に示すように、フライトの前に、あらかじめ権限を授けられたパイロットと乗員は、機内のコンピュータなどの、所定のモニタリングシステム116に指紋と網膜の生物測定情報をロードしている。上述したとおり、航空機にあるいは航空機の外に配置した別のコンピュータシステムを用いてもよい。ロードされた生物測定データは、個人個人からあらかじめ採取されており、電子フォームでデータベースに保存しておいて、飛行機のコンピュータに転送するようにしてもよい。代替的に、ロードするべき生物測定データは、搭乗時など、現場でこれらの人物から読み取るようにして、その時点で機内のコンピュータシステム内にロードするようにしてもよい。さらに、破線で囲ったステップ212に示すように、所望の場合に、機内に乗り込む前に操縦士と乗員から得たアイデンティティを認証するために、所定の人物の保存されている生物測定データと比較することのできる指紋チェックなど別の生物測定チェックを実行してもよい。
【0013】
ステップ214に示すように、操縦士は方向舵コントロール112を保持することが要求されるので、操縦士の指紋/パルスを指紋/パルスリーダ119によって検出し、アイデンティティを認証する単純なモニタリングシステム116に通信することができる。権限が与えられた操縦士は、ステップ216に示すように航空機を操縦することができる。さもなければ、ステップ218に示すように、方向舵コントロール112は正常に機能せず、その人物は飛行機を操縦することができない。たとえば、一の実施例では、モニタシステム116は、ステップ220に示すように自動操縦モードにキックバックする。ここで用いられている「操縦」なる用語は、エアフライトと同様に、航空機のスタートアップ、航空機を固定位置から移動させる、航空機の離陸、着陸、航空機のタキシングといった航空機のフライトのあらゆる曲面に言及すると広く解釈すべきである。従って、その他の例示的な実施例では、航空機が地上にある場合、たとえば、モニタシステム116は権限のない操縦士が検出された場合は、たとえば、エンジンをかけられないようにする、方向舵コントロール112をロックするなどして、離陸を禁止するように動作する。さらに、権限のない人物が航空機を飛ばそうとして方向舵コントロール112の上に手を置くと、ステップ222に示すように、たとえば、モニタシステム116が権限のない操縦士を通知する、あるいは災害警報信号を地上コントロールに送るなどして、その情報を所定の当局に通信するようにする。同時に、モニタシステム116は、ステップ224に示すように、権限のない人物の生物測定データを所定の当局に送って、次の生物測定チェックを実行してその人物のアイデンティティを取り出すようにすることもできる。この実施例では、指紋/パルスリーダ119のパルスセンサが作動して、パルスが存在するか否かといった方向舵コントロール112を握っている人物の状態に関する更なる情報を検出して、方向舵コントロールの上におかれた手が生きている人物のものであることを認識する、または、パルスが早い、あるいは不規則な場合は、その人物が弱っていることを認識する。ステップ226に示すように、モニタシステム116は、通常でないパルスを読み出した場合は、操縦士が弱っていることの通知、あるいは災害警報などで、地上コントロールなどの当局に通知するようにプログラムしてもよい。
【0014】
さらに、網膜リーダ121も、自動操縦とする、あるいは自動操縦を解除する権限を与えるようにモニタシステム116と通信する、追加のセキュリティレベルとして本実施例で用いることができる。たとえば、ステップ228−232に示すように、網膜リーダ121は権限のあるパイロットが席についているかどうかを認証することができ、所望であれば、自動操縦を解除することを許可してその情報に基づいて次の動作を制御することができる。所望の場合は、網膜リーダ121に代えて別の好適な生物測定デバイスを使用することができる。たとえば、熱署名(Heat Signature)デバイス、操縦士席に配置したカメラなどである。所定の実施例では、網膜リーダ121は、特定の場合に、指定された人物の網膜の生物測定読み取りを行うことができるように構成した一又はそれ以上の商業的に入手可能なカメラを具えていてもよい。たとえば、そのカメラは動作が感知される度に生物測定読取りを行うように始動される種類のカメラであってもよい。たとえば、そのカメラをコックピット領域に載置して、操縦士が移動する度に網膜の読み取りを行うように動作させることができる。さらに、同じカメラで、あるいは別のカメラを設けて、網膜の読み取りを行うと同時に所定の人物の写真を撮影することができる。所望の場合は、操縦士用、副操縦士用というように、複数のカメラを用いることもできる。さらに、本実施例およびその他の実施例では、たとえば、権限のない人物がコントローラを握ったり、あるいは特定の領域にアクセスしようとして、不規則パルスが検出されたり、その他の弱った状態が検出される場合は、所望の回数、所定の人物の写真を撮るようにアクティベートすることができる。この写真はその他のあらゆる所望の情報と共に、サテライト、セルラ、あるいは個人用送信機などで、所望の場所に送信することができる。所望の場所の例は、限定するものではないが、上述したとおり、航空会社、アメリカ国防総省及び/又は米国国土安全保障省などである。
【0015】
いくつかの実施例では、当然、あるいは緊急の場合に、もともと権限のなかった所定の人物に航空機の操縦を制限して権限を与える、あるいは全権を与えることが必要なことがある。たとえば、ある乗員が病気になった、あるいはフライト中に資格がなくなったというような場合に、たとえば非番の乗員や、いずれかの乗客など、更なる人物に所定の航空機を操作する権限を与えて、航空機を操縦する必要がある。このような場合、航空機を操作する権限を与える前に、生物測定チェックを行って、追加する人物のアイデンティティを認証することができる。生物測定チェックは、航空機の上で行って、機内のコンピュータに含まれている航空機に保存されている生物測定情報、あるいは、この航空会社、航空業界、あるいは中央の報告データベースなど、航空機の外に位置するデータベースに保存されている生物測定情報と比較することができる。生物測定チェックは、指紋/パルスリーダ119及び/又は網膜リーダ121など、航空機内の別の生物測定デバイスを用いることによって、あるいは、上述した既存の生物測定デバイスのいずれかを用いることによって行うことができる。
【0016】
理解されるように、上述した実施例には、さまざまな変形、変更が可能である。たとえば、セキュリティデバイスは、本発明の実施例に関連していくつ使用してもよく、生物測定リーダも何台あってもよい。たとえば、図に示す実施例では、一又はそれ以上の生物測定リーダが必要に応じて用いられており、生物測定リーダは、指紋/パルスリーダ、及び/又は、網膜リーダなど、ここに示すあらゆる所望のタイプのものであってもよく、あるいはその他のあらゆる所望のタイプの生物測定リーダ装置であってもよい。さらに、所定の実施例では、生物測定式セキュリティデバイスと、非生物測定式セキュリティデバイスを組み合わせて用いてもよく、あるいは生物測定タイプのセキュリティデバイスを用いなくともよい。さらに、ここで用いられている「コントローラ」なる用語は、動作を調整するためのあらゆる好適なタイプのデバイス、システム、方法を含むものであると広く解釈するべきである。たとえば、上述したあらゆる好適なタイプの方向舵コントロール、キーボード、トリガ、ボタン、トラッキングボール、シングルあるいはデュアルジョイスティック、レバー、ホイール、を含む。さらに、ここで説明した実施例は航空機に関して述べられているが、軍用車両、商用車両(列車、バス、トラック、タクシーなど)、自家用車両(乗用車)などの車両、あるいは、核反応炉あるいは軍事用兵器、コンピュータターミナル、小火器などあらゆる製品、装置を含むものと解することができる。本発明の実施例は、ハードウエアあるいはソフトウエア、所望の場合はこれらのあらゆる組み合わせを用いて実装することができる。さまざまな実施例が、商業的に入手可能な技術を用いて実装することができる。従って、本発明は、説明した特定の実施例に限定されるものではなく、添付の請求項の全精神と範囲内、およびその均等物にあると解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明にかかるセキュリティシステムの一実施例のブロック図である。
【図2】図2は、図1に示すシステムの部分的な線図および部分的なブロック図である。
【図3】図3は、図2に示す方向舵コントロールのさらに例示的な実施例を示す図である。
【図4】図4は、図1に示すシステムの例示的なアプリケーションのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
権限を与えられたユーザを同定するセキュリティ機構において:
ユーザによって操作可能なコントローラと;
前記コントローラを操作しようとしているユーザを同定する一又はそれ以上のセキュリティデバイスと;
前記同定されたユーザが前記コントローラを操作する権限が与えられているかどうかを決定する一又はそれ以上のモニタデバイスと;
を具えることを特徴とするセキュリティ機構。
【請求項2】
請求項1に記載のセキュリティ機構において、前記一又はそれ以上のセキュリティデバイスが少なくとも一の生物測定デバイスを具えることを特徴とするセキュリティ機構。
【請求項3】
請求項2に記載のセキュリティ機構において、前記少なくとも一の生物測定デバイスが、前記コントロールの指紋/パルスリーダであることを特徴とするセキュリティ機構。
【請求項4】
請求項3に記載のセキュリティ機構において、前記少なくとも一の生物測定デバイスが、前記コントロールの網膜リーダであることを特徴とするセキュリティ機構。
【請求項5】
請求項1に記載のセキュリティ機構において、前記コントローラが航空機の方向舵コントロールを具えることを特徴とするセキュリティ機構。
【請求項6】
請求項1に記載のセキュリティ機構において、前記一又はそれ以上のモニタデバイスは、少なくとも一のコンピュータを具え、前記一又はそれ以上のデバイスが、少なくとも一の生物測定デバイスを具え、当該少なくとも一の生物測定デバイスが、前記少なくとも一のコンピュータに保存されている生物測定情報と比較した前記ユーザの特徴を読み取ることと特徴とするセキュリティ機構。
【請求項7】
請求項6に記載のセキュリティ機構が更に、前記一又はそれ以上のモニタデバイスと通信する一又はそれ以上の制御機構を具え、前記一又はそれ以上のモニタデバイスが前記一又はそれ以上の制御機構を、前記ユーザが前記コントローラを操作する権限を与えられているかどうかに基づいて操作を制限するよう調整することを特徴とするセキュリティ機構。
【請求項8】
航空機の操作を制限するセキュリティシステムにおいて:
前記航空機を操作しようとしている人物の生物測定情報を読み取るための一又はそれ以上の生物測定デバイスと;
前記一又はそれ以上の生物測定デバイスと通信する一又はそれ以上のモニタシステムであって、当該一又はそれ以上のモニタシステムが、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスで読み取った生物測定情報を前記航空機を操作する権限を与えられている人物について保存されている生物測定情報と比較するように構成された一又はそれ以上のモニタシステムと;
権限を与えられた人物が同定されたか否かに基づいて前記航空機の操作を調整するために、前記一又はそれ以上のモニタシステムと通信する一又はそれ以上の制御機構と;
を具えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のセキュリティシステムにおいて、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが、前記航空機の方向舵コントロール、コックピット領域へアクセスするドア、あるいは貨物コンパートメントへアクセスするドア、の少なくとも一つに設けた指紋リーダを具えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のセキュリティシステムにおいて、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが、前記航空機の方向舵コントロール、コックピット領域へアクセスするドア、あるいは貨物コンパートメントへアクセスするドア、の少なくとも一つに設けたパルスリーダを具えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のセキュリティシステムにおいて、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが、コックピット領域内、あるいは前記航空機の方向舵コントロールに載置した網膜リーダを具えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項12】
請求項8に記載のセキュリティシステムにおいて、前記一又はそれ以上のモニタシステムが、少なくとも一のコンピュータと、指紋リーダ、パルスリーダ、網膜リーダのうちの少なくとも一つを具えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のセキュリティシステムにおいて、前記一又はそれ以上の制御機構が、自動操縦制御システム、方向舵コントロール、航空機ビーコンシステム、GPSシステム、または前記方向舵コントロールによって制御されるいずれかのシステムのうちの少なくとも一つを具えることを特徴とするセキュリティシステム。
【請求項14】
航空機の操作を調整する方法において:
航空機を操作する権限を与えられた所定のフライトに関わる人物に関する生物測定情報を電子的に保存するステップと;
航空機を操作しようとしているすべての人物から生物測定情報を読み取るステップと;
前記読み取った生物測定情報を、前記保存してある生態測定情報と比較して、前記航空機を操作しようとしている人物が当該航空機を操作する権限が与えられているものであるかどうかを決定するステップと;
権限の与えられている人物に航空機の操作を許可するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法が更に、前記航空機を操作する権限が与えられている人物の生物測定チェックをフライトに先立って実行するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、操作が、航空機を操縦させること、コックピット領域へのアクセスドアを開くこと、貨物コンパートメントへのアクセスドアを開くこと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記航空機を操縦させようとする行為が、方向舵コントロールを握る行為を具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、生物測定情報を読み取るステップが、航空機を操縦させようとしている人物が方向舵コントロールを握っているとき、あるいはコックピット領域へのアクセスドアを開けようとしているとき、あるいは貨物コンパートメントへのアクセスドアを開けようとしているときに、当該人物の指紋の読み取り、パルスの読み取り、または網膜の読み取りを行うステップのうちの少なくとも一つを具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記生物情報を読み取るステップが更に、前記人物が方向舵コントロールを握っているときに、当該人物の指紋、パルス、および網膜を読み取るステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法が更に、前記人物が航空機を操縦する権限を与えられていないと決定した場合に前記方向舵コントロールを制限する機能を具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法が更に、権限を与えられていない人物が航空機を操縦しようとするときに、航空機を自動航行モードで操作するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法が更に、権限を与えられていない人物が航空機を操縦しようとするときに、航空機外の当局に警報を発するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法が更に、権限が与えられていない人物から読み取った生物測定情報あるいは写真のうちの少なくとも一つを航空機外の当局に送信するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法において、前記生物測定情報を読み取るステップが、前記人物が方向舵コントロールを握っているときに当該人物の指紋を読み取るステップを具え、前記方法が更に、当該人物から異常なパルスを読み取った場合に、航空機の外の当局に警報を発するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、前記生物測定情報を読み取るステップが、前記航空機を操縦しようとしている人物が操縦士席あるいは副操縦士席に座ったときに、当該人物の網膜を読み取るステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法が更に、権限を与えられている人物が操縦士席あるいは副操縦士席にいることを決定した場合に、自動操縦にするか自動操縦を解除するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項27】
航空機の操作を調整するシステムにおいて:
所定のフライトの航空機を操作する権限を与えられた人物に関する生物測定情報を電子的に保存する手段と;
前記航空機を操作しようとするすべての人物から生物測定情報を読み取る手段と;
前記読み取った生物測定情報を前記保存している生物測定情報と比較して、当該航空機を操作しようとしている人物がその航空機を操縦する権限が与えられているかどうかを決定する手段と;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項27に記載システムが更に、航空機を操作する権限を与えられた人物の生物測定チェックをフライトに先立って行う手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項27に記載のシステムにおいて、操作が、航空機の操縦、コックピット領域へのアクセスドアを開ける、あるいは貨物コンパートメントへのアクセスドアを開けること、のいずれかを具えることを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムが更に、前記航空機を操縦させようとしている人物によって握られる方向舵コントロールを具えることを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムにおいて、前記生物測定読み取り手段が、方向舵コントロール、コックピット領域へのアクセスドア、貨物コンパートメントへのアクセスドアのうちの少なくとも一つに設けた、指紋リーダ、パルスリーダ、網膜リーダのうちの少なくとも一つを具えることを特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記生物測定読み取り手段が更に、方向舵コントロール、コックピット領域へのアクセスドア、貨物コンパートメントへのアクセスドアのうちの少なくとも一つに設けた、指紋リーダ、パルスリーダ、網膜リーダを具えることを特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項30に記載のシステムが更に、前記人物が前記航空機を操縦させる権限が与えられていないと決定された場合、前記方向舵の機能を制限する手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項30に記載のシステムが更に、前記権限が与えられていない人物が航空機を操縦させようとした場合に、当該航空機を自動操縦モードで操作する手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項30に記載のシステムが更に、前記権限が与えられていない人物が航空機を操縦させようとした場合に、当該航空機の外の当局に警報を発する手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項36】
請求項30に記載のシステムが更に、権限が与えられていない人物から読み取った生物測定情報又は写真の少なくとも一つを、前記航空機の外の当局に送信する手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項30に記載のシステムにおいて、前記生物測定読み取り手段が、前記人物が前記方向舵コントロールを握っているときに前記人物のパルスを読み取るパルスリーダを具え、前記システムがさらに、前記人物から読み取っているパルスが異常である場合に前記航空機の外の当局に警報を発する手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項29に記載のシステムにおいて、前記生物測定読み取り手段が、前記航空機を操縦させようとしている人物が操縦士席か副操縦士席のいずれかに座ったときに、前記人物の網膜を読み取る網膜リーダを具えることを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムが更に、権限が与えられている人物が操縦士席あるいは副操縦士席にいることが決定した場合に、自動操縦にするあるいは自動操縦を解除する手段を具えることを特徴とするシステム。
【請求項40】
航空機において:
前記航空機を操縦させる操作可能なコントローラと;
前記航空機を操縦するために前記コントローラを操作しようとしている人物からの生物測定情報を読み取る、前記コントローラに設けた一又はそれ以上の生物測定デバイスと;
前記一又はそれ以上の生物測定デバイスから読み取った生物測定情報を受信し、前記読み取った生物測定情報を前記航空機を操縦する権限を与えられた人物の保存されている生物測定情報と比較する一又はそれ以上のモニタシステムと;
前記一又はそれ以上のモニタシステムと通信を行って、権限を与えられている人物が同定されたか否かに基づいて前記航空機の操縦を人物に許可するあるいは許可しないことによって、前記航空機の操作を調整する一又はそれ以上の制御システムと;
を具えることを特徴とする航空機。
【請求項41】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが前記航空機のコントローラに設けた指紋リーダを具えることを特徴とする航空機。
【請求項42】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが、前記航空機のコントローラに設けたパルスリーダを具えることを特徴とする航空機。
【請求項43】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが、前記航空機のコントローラに設けた網膜リーダを具えることを特徴とする航空機。
【請求項44】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上のモニタシステムが、少なくとも一のコンピュータと、指紋リーダ、パルスリーダ、網膜リーダのうちの少なくとも一つを具える、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項45】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の制御機構が、自動操縦制御システム、方向舵コントロール、航空機ビーコンシステム、GPSシステム、または前記方向舵コントロールによって制御されるいずれかのシステムのうちの少なくとも一つを具えることを特徴とする航空機。
【請求項46】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の制御機構が、前記人物が航空機を操縦する権限を与えられていないと決定した場合に前記方向舵コントロールの機能を制限するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項47】
請求項40に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の制御機構が、権限を与えられていない人物が航空機を操縦しようとすると、自動操縦モードで航空機を操作するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項48】
請求項40に記載の航空機が更に、権限を与えられていない人物が航空機を操縦しようとするときに、航空機外の当局に警報を発するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項49】
請求項40に記載の航空機が更に、航空機外の当局に権限が与えられていない人物から読み取った生物測定情報あるいは写真のうちの少なくとも一つを送信するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項50】
請求項40記載の航空機において、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが、前記人物が方向舵コントロールを握っているときに当該人物のパルスを読み取るデバイスを具え、前記航空機が更に、当該人物から異常なパルスを読み取った場合に、航空機の外の当局に警報を発するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項51】
請求項40に記載の航空機が更に、前記航空機を操縦しようとしている人物が操縦士席あるいは副操縦士席に座ったときに、当該人物の網膜を読み取るために、操縦士席あるいは副操縦士席の手元側に載置された網膜リーダを具えることを特徴とする航空機。
【請求項52】
請求項51に記載の航空機が更に、権限を与えられている人物が操縦士席あるいは副操縦士席にいることを決定した場合に、自動操縦にするか自動操縦を解除するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項53】
請求項40に記載の航空機が更に、前記一又はそれ以上のモニタシステムと通信するGPSシステムを具え、権限のない人物が同定された場合、あるいは航空機が通常のコースから外れて航行する場合のうちの少なくとも一方の場合に、位置情報を指定の場所に送信することを特徴とする航空機。
【請求項54】
請求項40に記載の航空機が更に、コックピット領域へのドアあるいは貨物コンパートメントへのドアのうちの少なくとも一方と関連する一又はそれ以上の生物測定デバイスを具え、所定の人物へのアクセスを制限することを特徴とする航空機。
【請求項55】
請求項54に記載の航空機において、前記一又はそれ以上の生物測定デバイスが指紋リーダを具えることを特徴とする航空機。
【請求項56】
請求項54に記載の航空機が更に、所定の人物の検知した動きに反応して所定の人物の網膜の読み取りを行う、あるいは所定の人物の写真をとること、の少なくとも一方を行うように構成されたカメラであって、前記コックピット領域に載置されたカメラを具えることを特徴とする航空機。
【請求項57】
請求項56に記載の航空機が更に、前記航空機の外の当局に前記写真を送信するデバイスを具えることを特徴とする航空機。
【請求項58】
請求項40に記載の航空機が更に、前記一又はそれ以上のモニタシステムと通信する航空機ビーコンシステムを具え、権限のない人物が前記航空機ビーコンシステムのスイッチを切ることができないことを特徴とする航空機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−521171(P2007−521171A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507943(P2005−507943)
【出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/041408
【国際公開番号】WO2005/016747
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505456986)
【Fターム(参考)】