航空機LEDウォッシュライトシステムおよびその制御方法
モジュール式エリア照明システムを用いて車両内部の照明を行う方法および関連の照明システムが提供される。モジュール式エリア照明システムは、システム制御装置と、複数のインテリジェントライトモジュールグループとを含み、各々のインテリジェントライトモジュールグループは、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源と、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を送受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含み、この方法は、固有のアドレスをそれぞれのモジュールグループに割り当てるために、各モジュールグループを初期化するステップと、システム制御装置によって、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、このコマンドは色および照明値と、設定とに関連するステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2008年9月24日に出願された、「An Aircraft LED Washlight System and Method for Controlling Same」という名称の米国仮特許出願第61/099,713号、および2008年10月15日に出願された、「An Aircraft LED Washlight System and Method for Controlling Same」という名称の米国仮特許出願第61/105,506号に基づく優先権を主張する、2009年9月24日に出願された米国特許出願第12/566,146号の一部継続出願である。本願は、上記出願の優先権を主張し、2010年2月25日に出願された、「Lighting System for Vehicle Cabin」という名称の米国仮特許出願第61/308,171号、2010年4月2日に出願された、「Lighting System for Vehicle Cabin」という名称の米国仮特許出願第61/320,545号、および2010年5月17日に出願された、「Lighting System for Vehicle Cabin」という名称の米国仮特許出願第61/345,378号の優先権も主張する。上記出願は全て、その全ての記載内容を本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002]ウォッシュライトは、通常、間接照明(すなわち、あるエリアは、好ましくは乗客の直接的視線から隠され、かつ通常別の面から反射されるムラのない均一な光の波である照明光源からの光によって主に照らされる)によって照明のアクセントを提供するために用いられる。車両全般に関して、特に本明細書では航空機に関して、ウォッシュライトを用いることによって、特にカラー照明が用いられる場合に、様々な雰囲気やシーンを作り出すことができる。
【0003】
[0003]発光ダイオード(LED)技術の向上により、低電力な照明の解決策が望まれる場合に、それらが理想的な光源となっており、このことは、利用可能な電力が制限される航空機において特に当てはまる。しかしながら、公知のシステムでは、LEDおよび同様の特性を持つ光源を用いた場合に可能な最大限の制御範囲に対して、洗練度合いに欠ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004]従って、モジュールおよびモジュールグループが、複数の色を有することが可能で、特定の照明シナリオおよび雰囲気効果を生み出すLED列を含むモジュール式照明システムが提供される。モジュールまたはモジュールグループは、効率的な照明制御を可能にする制御回路を備える点でインテリジェントである。
【0005】
[0005]理想的には、このモジュール式照明システムは、最小限の中断および努力で旧システムを交換または改修できるように、白熱電球または蛍光灯および/または取付け器具等の既存の照明構造物を利用するように設計可能である。
【0006】
[0006]インテリジェントライトモジュールグループは、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源と、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報の送受信および電力の供給を行うためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを有する。このシステムはさらに、a)ユーザーインターフェースとして機能する乗務員制御パネルと、b)モジュールグループ制御装置インターフェースに接続されたシステム制御装置インターフェースとを含んでもよい。
【0007】
[0007]本発明の様々な実施形態は、車両内部の照明を行うための照明システムおよび方法に関する。従って、モジュール式エリア照明システムを用いて車両内部の照明を行うための方法が提供され、このモジュール式エリア照明システムは、システム制御装置と、複数のインテリジェントライトモジュールグループとを含み、各インテリジェントライトモジュールグループは、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源および電力インターフェースと、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含み、この方法は、固有のアドレスをそれぞれのモジュールグループに割り当てるために、各モジュールグループを初期化するステップと;システム制御装置によって、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループへと送信するステップであって、このコマンドは色および照明値に関連するステップと;モジュールグループによってコマンドを受信し、関連する色に対する照明光源の色および照明の調整、並びに、オン/オフの切換え、または1つのシーンまたはモードから別のシーンまたはモードへの移行時間の調整を行うステップと;セルフチェックを行い、BIT/BITE情報を提供するステップとを含む。
【0008】
[0008]関連するモジュール式エリア照明システムも提供され、このモジュール式エリア照明システムは、システム制御装置と、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源と、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを各々が含む複数のインテリジェントライトモジュールグループと、それぞれのモジュールグループへの固有のアドレスの割り当てを開始するステップと、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、このコマンドは色および照明値に関連するステップとを行うためのシステム制御装置の初期化モジュールと、コマンドを受信し、照明光源の色および照明を関連する色に調整するステップを行うためのモジュールグループ制御装置の初期化モジュールとを含む。
【0009】
図面の説明
[0009]本発明の様々な実施形態を例示する図面を参照して、本明細書を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】照明システムコンポーネントの構成例を示すブロック図である。
【図1B】照明モジュールグループの主なコンポーネントを示すブロック図である。
【図1C】照明の異なるレベルを示す階層ツリー図である。
【図1D】モジュールの領域別グループ分けを示すブロック図である。
【図2A】照明モジュール例の上面図である。
【図2B】図2Aに示した照明モジュールの側断面図である。
【図3A】そのプラグアセンブリを示す照明モジュール例の絵画図である。
【図3B】照明モジュールグループ例の絵画図である。
【図4A】U字形に接続された照明モジュールグループ例の側面図である。
【図4B】U字形に接続された照明モジュールグループ例の上面図である。
【図4C】U字形に接続された照明モジュールグループ例の斜視図である。
【図5】照明モジュールグループの様々な構成を示すブロック図である。
【図6】ACPを使用したシーン変更のフローチャート例である。
【図7】アドレッシングと、RS485通信バスへのライン交換式ユニット(LRU)の接続例とを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
概要および構造的階層
[0010]モジュールまたはモジュールグループがインテリジェント制御装置を備えるモジュール式照明システムが提供される。図1Aは、航空機照明システム10において用いることが可能なグループ分け階層の編成例である。照明システムは、航空機上で使用可能な異なるアドレッシングが可能な照明領域20に分割することができる。例えば、航空機における領域には、側壁照明、一般キャビン照明(天井ウォッシュまたはビン照明としても知られる)、翼上出口照明、天井照明、ダイレクト照明等が含まれ得る。照明システムの領域別分割により、航空機の広範なエリアにわたる照明制御が可能となる。
【0012】
[0011]これらの領域20の各々の中で、1つまたは複数の照明モジュールグループ60を設けることができる。これらのモジュールグループ60は、迅速な組み立て、メンテナンス、および交換を可能にするように、ライン交換式ユニット(LRU)として形成されてもよい。例えば、1つのモジュールグループ60は、10〜15列目のメインキャビンのビン照明に関するものであり得る。本明細書では、LRUという用語は、モジュールグループ60という用語と置き換え可能であると見なすことができる。
【0013】
[0012]航空機照明システム10はさらに、フライト中(フライトの地上部分も含む)並びにメンテナンスのために照明を制御する乗務員用の主要ユーザーインターフェースとして、例えばACP40を用いることが可能なシステム制御装置30を含む。本明細書では通常、システム制御装置30およびACP40の用語は置き換え可能に使用されるが、ACP40は、システム制御装置30用の主要ユーザーインターフェースであることを理解されたい。
【0014】
[0013]システム内のLEDモジュールは、モジュールグループへと、互いに相互接続されるように設計される。照明モジュールグループ60の各々は、航空機の電力をモジュールグループ80によって利用可能な電力へと変換する電源70を含み、有害なノイズおよび他の信号を除去するフィルター80を含んでいてもよい。各モジュールグループは、好ましくは、システム制御装置30からの高度な命令をインテリジェントに処理することが可能で、場合によってはシステム制御装置30へと有用な情報を返信できるモジュールグループ制御装置90を含む。航空機コネクタインターフェース50は、電源70と制御装置90との間に設けられる。
【0015】
[0014]照明モジュールグループ60は、各々が、次にはLEDグループ120へと編成され得る複数のLED130を含む、1つまたは複数の照明モジュール110を含み得る。なお、個々のLED130は、2つ以上のグループ120に属し得る。例えば、1つのLED130は、製造業者に基づいて、1つのグループに応じて配置でき、かつ、その色、輝度、順電圧Vf、順電流If、LEDビン、演色評価数(CRI)、および他の考えられるパラメータに基づいて、別のグループに配置できる。
【0016】
[0015]照明モジュールグループ60が、単一の照明モジュール110を含む場合には、特性(電源70、フィルター80、および制御装置90等の)は、モジュール110自体に関連付けることができる。つまり、グループ60内に単一のモジュール110のみが存在する場合は、照明モジュールグループ60および照明モジュール110は、同じものであると解釈することができる。
【0017】
[0016]各モジュール110は、以下の内の1つまたは複数を含むように設計することができる:a)グループ60において、モジュールおよび場合によっては他の取り付けられたスレーブモジュール110’を制御するための制御回路90;b)LEDウォッシュライトを例えば115VAC、400HZの電源から機能できるようにする電源回路70。電源70は、例えば、115VAC、400Hzを受け取り、それを、28VDC、12VDC、5VDC、またはLEDおよび電子機器の作動に通常必要などのようなDC電圧も含む低電圧ACおよびDCへと変換できる。電源70の設計は、好ましくはスイッチング電源であるが、約75%〜85%以上の効率を有する線形または他のトポロジーでもよく、約7.5〜15Wを受け取り、LED、マイクロコントローラ、および他の電子機器負荷へと5.7〜11.4Wを供給し得る;およびc:)モジュールへと入ってくる電力をフィルタリングし、かつ、問題のある高調波放射、スパイク、または他の望ましくない電力状態が航空機の電力バスへと逆導入されることがないように保証するフィルタリング回路80。
【0018】
[0017]モジュール内のLED130は、場合によっては、モジュール内の特定のグループ分けのLED120内で個々に、あるいは集合的に(モジュール内の全てのLED)制御することができる。グループ分け120は、任意数のLEDを含むことができ、あるいは、エリアゾーン、色、LED特性、または他のスキームに応じてグループ分けされることが可能である。
【0019】
[0018]図1Cは、ある設計例における全体的な階層構造を示すが、階層の様々なレベルが必ずしも各実施形態において存在する必要はないことに留意されたい。図1Dは、多数の領域別照明構成20に接続されるACP40(本明細書におけるACP40の記述は、関連するシステム制御装置30への言及も暗示し得る)を示す構成例である。ACP40は、RS-485ポート等のポート、または例えば、Ethernet、TCP/IP等を用いたネットワークポートを介して通信できる。図1Dは、異なる照明コンポーネントが、照明モジュールグループ60または個々の照明モジュール110自体(これは、単一の照明モジュール110を有するモジュールグループ60としても解釈可能)であり得ることを示す。
【0020】
[0019]図2Aは、照明モジュール110の一例の上面図である。図に示すように、個々のLED130A1.1および130A1.4は、LEDグループに編成され得る(記載した2個のLEDは、LEDグループ120A1に属する。LED130は、互いに同一(色または他の動作特性に関して)でもよく、あるいは、それらは異なっていてもよい。同様に、LEDグループ120は、互いに同一でもよく(例えば、120A1、120A2)、あるいは、それらは互いに異なっていてもよい(例えば、120A1、120B1)。LEDは、どのような構成に配置されてもよい。図2Bは、図2Aに示したモジュール110の側断面図であり、モジュールケース内の回路コンポーネントのレイアウト例を示している。図2Bでは、電源70、フィルター80、およびモジュールグループ制御装置90がPCB上の特定の位置に配置されて示されているが、コンポーネントの実際の位置は、工学的設計原理に基づいて変更可能である。例えば、電源または他のコンポーネントは、熱伝達を促進し、反対側のLEDに対するどのような悪影響も最小限に抑え、かつ端から端までの温度差を可能な限り低く、好ましくは5℃を下回るように維持するために、裏側の基板上に裏返すことができる。
【0021】
[0020]図3Aは、電源および通信プラグアセンブリ112と、モジュール110を追加のモジュール110につなげるために使用できる終端コネクタ114とを備えた、LRUとして構成されたモジュール110を示す。
【0022】
[0021]上記のように、モジュール110は、モジュールグループ60へと、例えば、3つのモジュール110を1つのモジュールグループ60へと一緒にまとめてもよい。図3Bは、1つのグループ60として配置されたこのような3つのモジュール110の集合体を示す。図4A〜4Cは、モジュールグループ60へのモジュール110の別の配置を示し、モジュール110は、U字形の並列構成で配置されている。
【0023】
[0022]図4A〜4Cは、各々が押し出し成形ハウジングを有し、プラグを介して相互接続される個々のモジュール110を示している。しかしながら、モジュールグループ60が、共通のハウジングを含み、個々のモジュール110が、ハウジング内でプリント配線基板として実現され、例えば、ジャンパー基板または他の形態のプラグを介して互いに接合されることも可能である。これらの設計により、アセンブリの容易さおよび修理の容易さが促進され、ハウジングおよび取り付けブラケットを備えたモジュール式構成により、非常に簡単で効率的な設置および除去が可能となる。
【0024】
[0023]図5に示すように、モジュールグループ60は、各々が外部の制御装置に対して外的に接続され、互いに独立して制御されるマスターモジュールを全て含んでもよい(構成1)。あるいは、(構成2)このグループは、外部の制御装置に直接接続され、それによって制御されるマスターモジュールと、接続されたマスターモジュール110を介して通信を受信し、信号を制御するスレーブモジュール110’との任意の組み合わせを含んでもよい。RS-485等の特定の通信アーキテクチャが使用される場合、ノードの1つは、終端ノード110’’(図7)として指定することができる。
【0025】
[0024]構成Aは、各モジュール110が、電源70、フィルター80、および制御装置90を含むモジュールグループ60を示す。しかしながら、構成Bでは、第1のモジュール110がフィルターのみを含み、第2のモジュール110は、電源70および制御装置を含み、最後に、第3のモジュール110が、電源70、フィルター80、または制御装置90を含まないことが分かる。この例では、第3のモジュール110は、グループ内の別のモジュールから電力および制御を受けるのみのダミーである。
【0026】
[0025]1つのモジュールグループ60に関して、ユニット当たり1つの電源70、あるいは、好ましくはデバイスの両端において、また好ましくはウォッシュライト押し出し成形品内またはウォッシュライトの各端部のブラケットエリア内に適合して、ユニット当たり2つの電源70が存在してもよい。より多くの電力が必要であれば、電源70は、照明ユニットを1つのアセンブリへと共に接続するブラケットエリアにまで延在することも可能であり、これにより、電源出力性能を向上できる。
【0027】
[0026]LED130は、線形アレイ、直列および並列構成、個々あるいはグループのLED、交流のLED130またはU字形アレイ、あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれかで、一方または両方の電源70から給電されることが可能である。これらの構成は、LED130の電源が投入された際、またはLEDの1つのストリングが機能しなくなると、異なる方法で無視する。
【0028】
[0027]2つの線形ストリップアレイの方法により、光のレベルを増分的かつ独立して増加させることも可能となり、このことは、各電源70の動作を交互に行うことによって、各電源70が最大レベルよりも低いレベルで動作すること、および/または電源70の冷却を可能にする期間の間オフとなることが可能となるので、デバイスの耐用年限を延長する助けとなるはずである。ある特定のLED130への電力は、LEDに対する電圧/電流レベルを変更することによって、あるいは、パルス幅変調、LEDドライバーまたは制御回路等のスキームによって制御することができる。
【0029】
[0028]また、好ましくはブラケットエリア内に位置する追加の外部電源70は、上記と同様に追加および制御されてもよく、その結果、デバイスの全体的な電源出力および耐用年限が向上する。
【0030】
[0029]上記のように、モジュール110自体またはモジュールグループ60を、マスターまたはシステム制御装置30によって集合的に制御することができる。このようなマスター制御装置30により、従来可能であったレベルよりもはるかに高度な機能レベルでのモジュール110またはモジュールグループ60の動作が可能となる。
【0031】
所定のカラーポイントの使用
[0030]モジュール110は、異なるLED(赤色、青色、緑色、白色、温白色、黄色、アンバー色)に対して電力を異ならせることによって、理論上、CIE1931色度図内の色に連続的に調整可能であり、CIE1931色空間内のXY座標によって定義可能ないずれの色も可能にするモジュール110またはモジュールのいずれのグループ分けに対してもコマンドを出すことができる。しかしながら、色を検出するカラーセンサーおよび光出力を検出するフォトトランジスタを使用し、センサー、フォトレジスタ等を用いたフィードバックメカニズムによって、適切な色および光度を維持することが可能ではあるが、適切な較正を行わなければ、ある色のLED表示は、おおよそのものでしかないであろう。
【0032】
[0031]しかしながら、主に色の一貫性を確実にするためのLEDの較正および使用を支援するために、CIE1931色度図上のポイントを表す1組の離散した色のみが許可されることが好ましい。CIE1931色空間内から選択された1組の所定のカラーポイントは、エンドユーザーによる定義が可能である。
【0033】
[0032]この1組の所定のカラーポイントは、古いモジュールと交換するために持ち込まれた新品のモジュールがそうであるように、車両のいずれの部分のモジュールも「カラーポイント5(CP5)」を一貫して表示できるように、あるシステム内の全てのモジュールに共通のものである必要がある。ある好ましい実施形態では、それよりも多いまたは少ないカラーポイントの組を用いることが可能ではあるが、1組のカラーポイントは、64色に限定されている。より多くの色の組は、より高い柔軟性をもたらすが、追加のカラーポイントの較正を行う必要があるので、より大規模な較正手順も必要とする。より少ない色の組は、柔軟性を低下させるが、較正を行う際の努力が少なくて済む。近接し得るターゲットカラーポイントおよびCIEチャート上で類似したLED特性および挙動を有するターゲットカラーポイントのグループ分け、あるいは、より狭いLEDビニングにより、グループまたは幾つかのターゲットカラーポイントを一緒に較正することが可能になり、必ずしも個別に較正する必要がないので、例えば8個のCPのグループ内で1つのCPのみが較正される必要があり、主要CPに行われたのと同じ調整を用いて、他の7個のCPを自動的に較正することができる。
【0034】
[0033]ある好ましい実施形態では、モジュール110は、各カラーポイントに関するレコードを有するテーブルを含む。各レコードに関連するのは、光度値が適用され、以下に説明する較正値に応じて補正される際に、カラーポイントに達するために必要な各カラーLEDの駆動電力の表示である。駆動電力は、例えば、あるモジュール中の各カラーグループに送信された信号のデューティサイクルの割合の形式で表されてもよい。例えば、ある特定の光度のCP5は、0.35の赤色のデューティサイクル、0.6の青色のデューティサイクル、0.2の緑色のデューティサイクル、および0.15の白色のデューティサイクルに関連し得る。このモジュール中のLEDを駆動させるための電力は、モジュール110にも関連し、現在温度並びにLEDの年数に対する補償値を含む較正テーブルから得られた値に基づいて調整される。ある実施形態では、所望のカラーポイントおよび/または光度値を包含したメッセージをモジュールに送信でき(例えば、「光度値50でCP3に変更」)、モジュールは、要求されたカラーポイントおよび光度に関連し、再び較正、温度、および年数値によって補正された色値へと変更することによって応答する。
【0035】
シーンの使用
[0034]非常に高度な制御は、例えば飛行機全体に適用可能な特定の照明特性を決定する様々な「シーン」の定義に関与する。これらの高度なシーンの利用により、複雑な照明制御を大幅に簡略化することができ、システム/主制御装置30に接続されたACP40を用いて、例えば客室乗務員が幾つかの基本シーンの中から1つのシーンを選択することによって、特定の照明パターンを作り出すことが可能となる。
【0036】
[0035]例えば、「入場/退場」または「清掃/メンテナンス」と指定されたシーンは、最大レベルの白色照明(例えば、5,000ケルビン)を指定し得るが、「昼光の飛行中」シーンでは、黄色成分をより多く有する、より低い色温度(例えば、3,000ケルビン)の中程度の照明を指定し得る。「夜間睡眠」のシーンでは、非常に薄暗い青色照明を指定し得る。このように、特定の所定のシーンを用いることによって、キャビンの照明を簡単に制御することができる。主制御装置のユーザーインターフェースから各カラーグループの特定のレベルを操作できるオーバライドを与えることが可能である。
【0037】
[0036]ある好ましい実施形態では、同じカラーポイントをキャビン全体のあらゆるライトに用いる必要はないが、シーンは、所定のカラーポイントの組に関してのみ定義される。すぐ前の段落の例を用いると、CP1は、純白照明を定義し、CP2は、黄色を定義し、CP3は空色を定義し得る。「入場/退場」のシーンは、全てのモジュールグループを最大光度でCP1に設定し、「昼光の飛行中」のシーンでは、翼上の出口照明を第1の光度値でCP1に設定し、ビン照明は、第2の光度値でCP3に設定してもよい。
【0038】
[0037]ある好ましい実施形態では、高度な所定のシーンに関するメッセージ(例えば、「入場/退場シーンへの変更」)をモジュール110に送信できる。次にモジュール110は、モジュール内に配置されたテーブルをチェックすることによって、入場/退場シーンが光度値1でCP3に対応することを理解し、適切な色へと変更を行うことができる。しかしながら、上記のように、各モジュール110またはモジュールグループは、あるシーンに関連する異なるカラーポイントを有する場合があるので、翼上出口にあるモジュール110に対する「入場/退場シーンへの変更」のシーンコマンドは、一般キャビンまたはビン照明に関連するモジュール110とは異なる色および光度値に関連する場合がある。
【0039】
[0038]好ましくは、所定の標準シーンセットは、モジュール110にロードされ、客室乗務員は、例えば、ACPのディスプレイ上のリストからシーンを選択することによって所望のシーンを設定する。しかしながら、カスタムシーン(例えば、「カスタムシーン1」)を、ACPまたは他の機器およびソフトウェアを用いて定義することも可能である。このシーンに関連するカラーポイントが定義され、各モジュール110またはモジュールグループ分けにダウンロードされることが可能である。
【0040】
[0039]あるシーンから別のシーンへの変更は、好ましくは、ACPを介して客室乗務員によって手動で行われるが、同様に様々なシーンへの自動の移行を提供することも可能である。自動システムは、システム制御装置30において実現でき、ある特定の時間(例えば、「午後8時半」または「飛行開始の20分後」または「前回の移行の20分後」)に基づいて、あるいは、ある特定の飛行段階(「巡航高度に達した時」−これは、飛行システムとの何らかのインターフェースを必要とする)、または他の事象(例えば、乱気流の検出−これは、センサー/検出器/他の航空機システムとのさらなるインターフェースを必要とする)に基づいて移行を行うことができる。
【0041】
[0040]上記のように、制御装置30自体は、LED130の正確な調整を可能にし、例えば、年数のたったLED130、色ずれ、光出力等を経時的に補償できる補正アルゴリズムを有していてもよい。同様に、補正アルゴリズムは、モジュールグループ60内またはモジュール110自体に存在し得る。
【0042】
[0041]さらに、あるシーンから移行する際に、あるいは色/レベル設定時であっても、スムーズな移行を生じさせるために、特定のアルゴリズムを実施することができる−これは、必ずしもそれぞれの色の線形調整ではなく、対数の離散したステップ等でもよい。従って、白色から青色への、100%の明るさから20%の明るさへの調節を行うために、線形調整は、望ましくない赤色成分を移行中に導入する場合がある。従って、ある実施形態においては、移行中に適切に調整を行うために必要な輝度値を包含する制御プロセッサ(システム制御装置30、および/またはグループ/モジュール制御装置90)によって使用される特定のルックアップテーブル(LUT)を提供してもよい。この制御は、シーンを作り出すため、および移行を制御するために特別に設計されたソフトウェアアルゴリズムを用いて達成することができる。
【0043】
[0042]代わりに、あるいは追加的に、あるシーンから別のシーンへの移行は、使用予定の一連のカラーポイントに関して予め定義することができる。つまり、CP2での夕食シーンからCP9での夜間シーンへの移行は、CP4およびCP8を経て移行し、CP9に到達すると定義づけることが可能である。
【0044】
電力制御
[0043]さらに、電力(総電力、実電力、および無効電力)の使用に対して一定の制約が与えられる場合には、全体的な電力消費をある特定の限度内に制限する能力を備えた制御回路を(システム30および/またはグループ/モジュール制御装置90内に)設けることが望ましい場合があり、この制限は、航空機の状況に応じて異なり得る。これにより、システムの総体的な電力消費が所定の限度を超過し得るとしても、システムの正確な制御が可能となる。
【0045】
[0044]例えば、照明システムは、最高輝度の構成に全面的に従事している時には、2,000Wを消費し得る。しかしながら、地上にいる際、およびパーキング中は、2,000W全ての使用が許容されるが、飛行中は、使用される電力に対して1,000Wの制限が課せられ得る。この場合には、制御装置により、飛行機が空中にいる際は、照明システムへと送られる電力が1,000Wを超えないことを確実にできる。
【0046】
[0045]これを達成する1つの方法は、マスター制御装置30に関連する各モジュール110に関する電力消費特性のデータベースを有することである。許容値を超える要求を受け取った場合には、マスター制御装置30は、必要な限度内にシステムを維持するために、光のレベルを適切に低下させることができる。例えば、客室乗務員が、2,000Wの最大照明所要量を伴う「入場/退場」シーンを不注意で選択した場合には、マスター制御装置は、これが不適切であることを検出し、1,000Wの上限が維持されるようにレベルを50%以下に制限することができる。このことは、単一性のない力率電源にも当てはまり、実電力(ワット)および無効電力(VAR)を含む総電力(VA)を制限する。
【0047】
[0046]照明システム10全体、与えられたアプリケーションの種類、LRUまたはデバイスに対して一定または可変の総電力消費を超えるシーンまたはモードが存在しないことを確実にするために、シーン開発者のソフトウェアを提供することができる。このソフトウェアは、ワット数またはVA負荷を自動的に調節し、限度が近づいていること、限度に達したこと、または限度を超えた旨をユーザーまたはプログラマ等に知らせることができ、一旦限度に達すると、それ以上デバイスを追加することができない。
【0048】
[0047]さらに、制御装置30は、照明アプリケーション、LRU、またはデバイスに対してランダムおよび/または識別可能な優先順位を設定することができる別の選択肢を有することが可能で、それによって、選択されたアプリケーションに対する総電力を低下させ、その結果、優先順位の低いアプリケーションに対してはライトの出力を自動的に減らし、その他のアプリケーションに対しては、より多くを配分することによって最大電力を超過しないようにできる。
【0049】
[0048]これは、線形のもの、対数のもの、または離散したものでもよく、あるいは、より複雑な関係およびアルゴリズムおよび各負荷タイプに対する重み付け係数を用いてもよい。これは、好ましくは、ユーザーの介入なしに自動的に行われ、ディスプレイおよびメモリテーブルを用いて、それぞれ電流引き込み、ワット数またはVA消費量、優先順位設定等に関するルックアップ値を表示および保存することができ、この情報は、最終構成と共に、製造機器、現場の客室乗務員パネル等に表示することができる。このソフトウェアは、マスター制御装置30またはACP40のLCDディスプレイに保存されてもよく、要件としての個々の照明負荷に関する情報も送信され(あるいは予めロードされ)、必要に応じて、照明デバイス(モジュールグループ60および/またはモジュール110)自体に保存されることが可能である。
【0050】
[0049]要約し、より詳しく言うと、航空機照明システム10は、各々が複数のLED130を含む多数のモジュール(モジュール110またはグループ60)を組み込むことが可能である。このシステム10では、以下の特性が提供できる:どのようなレベルのライトおよびグループ分け(LED130、LEDグループ120、モジュール110、モジュールグループ60、領域20、およびシステム全体10)も、必ずしもその必要はないが、個々にアドレッシングが可能である。
【0051】
[0050]有利に、ライトおよびモジュールの「グループ」または「ゾーン」の階層は、制御がより簡単なように、およびライトが一緒に機能できるように設けられる。システム10は、経時的に変化する動的シーンを提供でき、これらのシーンは、ACP40に関連する制御論理30を介して簡単に制御することができる。
【0052】
[0051]ある実施形態では、ライン交換式ユニット(LRU)としての照明ユニット(モジュール110またはモジュールグループ60)は、事前設定されたシーン情報が既に保存された状態で工場から出荷することができる。上記のような基本シーンセットは、簡単に既存のシステムに組み込むことができるように、モジュール110またはグループ60内にプログラミングすることができる。システム10は、シーン開発者が独自のシーンおよびシーン間の移行を設計することを可能にするシーン作成ツールを含むこともできる。これを電力管理ツールと一体化することによって、最大許容電力を超過しないことを確実にする一助、または電力消費コストを削減する一助とすることもできる。さらに、ある実施形態では、同じシーンに関して複数の輝度を指定することができる。例えば、飛行中シーンは、高/中/低/夜間/オフ設定で提供することができる。
【0053】
[0052]ある好ましい実施形態では、何らかのシステムインテリジェンスを、グループ60の制御装置90のシーン生成ツール内に配置することができる。このような設計では、制御装置90内の照明LRU60のファームウェアは単純かつ同じものである。システム10は、現場でのLRU60の電気的消去可能(E2)メモリの更新を禁止するように設計することができる(この設計ガイドの下では、工場に返されたデバイスは、工場から出荷された時と同じ構成であるものとする)。この場合には、制御装置の通信が最小限に抑えられ、より小さいバンド幅を実現することができる。
【0054】
[0053]シーンデータのLRUのE2メモリレイアウトの一例を以下に示す:(この例示については、高=0、中=1、低=2、夜間=3、およびオフ(不図示)である)。もちろんこれは、各シーンに対して4つの輝度設定(オフを数に入れると、5つ)が提供される(従って、全てのシーンは、各々がメモリレイアウトで、4行に相当するデータを実際に有する)ことを前提としているが、この数は変化し得る。例えば、10以上の異なる薄暗さの設定が存在してもよく、例えば0.01%という低さの輝度レベル設定を設けることができる。
【0055】
[0054]使用されていないシーンおよび/または輝度のバリエーションは、単純に、全ての光量値に対して0を有することができる(その選択に関して、それらがオフであることを確実にする)。全ての列が全てのライトタイプによって使用される訳ではないが、全ての列は、全ての照明ユニットLRU60に存在する。照明LRU60のタイプは、好ましくは、ユニットが生産現場を離れる矢先の最終的な較正段階において(較正データと共に)E2メモリに書き込まれる。ユニットのシリアルナンバーを提供することができ、後の参照用に、その特性の関連付けおよび保存を行うことができる。照明LRUのファームウェアは、どの値を使用するかを決定するために、E2メモリ内のライトタイプを使用することができる。
【0056】
[0055]以下の表は、シーンテーブルを保存するための配置例を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
[0056]この考え方を利用すれば、シーンテーブル全体で、12シーンの場合、E2メモリの約708バイトを占有し得る。較正データは、同様に(以下のサンプルテーブルに示すように)保存してもよい。
【0059】
【表2】
【0060】
[0057]従って、各輝度グループに対して1つのバイアステーブル項目(較正オフセット)が存在してもよい。4つの輝度を示したこの例の場合、テーブル全体で、4つの行(48バイトを占有)を有する。必要であれば、初めから組み込まれたシーンの各々が、独自のバイアス項目を有するように、バイアステーブルを拡張することができる。
【0061】
[0058]好ましい動作では、LRU60の電源が投入されると、ファームウェアが起動デフォルト状態をロードする、あるいは、30秒等のある所定時間後に、不通信デフォルト状態をロードする。これらのデフォルト状態は共に、いつでも設定可能であるが、好ましくは、較正時に設定される。LRU60は、RS-485等の通信リンク上でACP40との通信を確立しようと試み、所定の時間間隔内でのACP40との通信の確立が失敗すると、上記のように、不通信デフォルトシーンが起動される。これにより、ACP40が故障した、紛失した、または機能しない場合のフェイルセーフモードが提供され、航空機内に明かりが存在することが可能となる。「フェイルセーフ」として、メモリ要件への影響がほとんどない余分のシーンを提供することができる。シーンの選択または輝度を変更するための有効なコマンドをACP40から受け取ると、適切なテーブル項目をファームウェアによってRAMへとロードすることができ、シーンの移行が開始される。
【0062】
[0059]このスキームの下では、ACP40は、デフォルトの「予め準備されたシーン」に関連することを全く「知る」必要がない。それは単に、全てのその通信(例えば、RS-485)ポート上で、輝度レベルYでシーン#Xへと変更する旨のブロードキャストメッセージを、領域20、モジュールグループ60、またはモジュール120レベルの要素に送信する。例えば、シーン1=搭乗/降機、2=セーフティビデオ、3=地上走行/離陸/上昇等の、一回限りの相関をACP40において行うことによって、ディスプレイの起動により、内部テーブルに包含されたデータに対応する正しいシーン番号を送信することができる。この単純なスキームは、基本システムの要件を全て満たす。
【0063】
モジュールの初期化
[0060]照明システムの操作前に、初期化を行う必要がある。初期化操作では、(好ましくは、メンテナンスモードで行われる)、システム制御装置30は、どのボードが利用可能であるかを調べ、全ての利用可能なボードのアドレッシングを行うために、全てのライトボードをポーリングする。
【0064】
[0061]ある好ましい実施形態では、制御装置30は、「あなたがモジュール1である」旨を示すメッセージをシステム内の第1のモジュール110.1へと送信し、次に、第1のモジュール110.1が、「あなたがモジュール2である」というメッセージを第2のモジュール110.2へと送信し、システム内のあらゆるモジュール、あるいは少なくともシステム制御装置30のある特定のポートに接続されたグループ内のモジュールに対して、これが反復されるというシーケンスを実行する。ある実施形態では、照明モジュールに対して2つの回線が存在する−1つ目は、ある特定のモジュールに対して送信権を与え、かつ、モジュール110が、自身がRS-485データ回線上で話しかけられているモジュールであることが分かるようにするトークンが渡されるトークン回線である。2つ目の回線は、データ送信を可能にする実際のRS-485データ回線である。システム制御装置30は、トークン回線を起動させ、第1のライトにそれが第1のアドレスであることを伝える。全てのモジュールが、RS-485を介して送られた「あなたがモジュール1である」というメッセージを「聞く」が、第1のモジュールのみが、自身のトークン回線がアクティブであり、従って、そのメッセージが自分に向けられたこと理解する。他のモジュールは、それらのトークン回線が非アクティブであることを理解して、メッセージを無視するのみである。ライトモジュールは、アドレッシングメッセージの受信が成功したことを認識し、「私のアドレッシングは成功しました」という旨の応答をシステム制御装置30へと返す。次に、システム制御装置は、トークン回線を解除し、第1のライトは、第2のライトに対してそのトークン回線をアサートし、同じプロセスを行う。
【0065】
[0062]この初期化は、インストールごとに一度、電源を切る/メンテナンスモードごとに一回、あるいは、飛行機の整備員が必要であると判断するその他の頻度で行うことができる。
【0066】
[0063]いったん全てのLRUまたはモジュールが適切にアドレッシングされると、システム制御装置30は、ゾーンに応じて、直接ライトに対して、あるいは、直接ライトのグループに対して通信を行うことができる。
【0067】
[0064]次に、システム制御装置30は、各ライトボードがライトに応じてゾーンと関連するように、飛行機をゾーンに分割する。次に、実際にはライトボードの制御装置に送られたメッセージに対するシステム制御装置30の所定のカラーポイントのマッピングであるシーンコンテンツ情報が送られる。システム制御装置30は、例えば、押された際に、ある特定のシーンを選択するボタンを有する。
【0068】
[0065]システムの電源が投入されると、各モジュールグループ60は、シーン選択メッセージ(Scene Selection Message)を受信するために30秒間待機し得る。この期間内に何も受信しなければ、モジュールグループ60は、自動的に100%白色光、またはその他のデフォルト設定へと移行するものとする。
【0069】
プロトコルの考察
[0066]上記のように、ACP40は、「箱から出してすぐの」システム10に対して特別なことを何も行う必要がない。それは、現在のシーン番号および輝度値を同報通信および反復(所定の間隔で)するだけでよい。ある特定のライトタイプが、そのシーンに関与していない場合には、そのテーブル項目は、全て0となり、それらのライトは、オフのままである、あるいは、デフォルトまたは以前の状態となる。
【0070】
[0067]プロトコルは、BIT/BITE、LRUグループ分けまたはゾーン、カスタムシーン、およびメンテナンスモードが可能となるように構成することができる。BIT/BITEシーケンスは、かなり単純化されたものである−これは、アドレスステータス要求および応答である。応答が受信されなければ、フォールトがログ記録/表示される。グループ分け、またはゾーンは、好ましくはACP40から行われる。
【0071】
[0068]アドレッシングされた各LRU60,110に対して、それがどのグループに属するかを知らせるメカニズムを設けることができる(例えば、照明LRU60,110内のRAMに保持される)。これは、好ましくは、各システムの起動時および変更時に(ACP40がゾーンの動的移動を許容すると仮定して)、ACP40によって再送信される。ACP40から照明LRU60,110へと送信されたメッセージは、その後、シーン/輝度変更の指示がなされたグループ番号を組み込むことができる。そのグループまたはゾーンの一員であるように構成された照明LRU60,110のみが、シーン変更の要求に対して実際に応答する。
【0072】
[0069]ある好ましい実施形態では、最小パケットサイズは6バイトであり、最大パケットサイズは256バイトである。
【0073】
[0070]ACP40で開始された各シーン変更の結果、所定のミリ秒数の間隔をあけて3回、各LRU60,110へと通知メッセージを同報通信することができる。ACP40は、例えば、所定のミリ秒数の間、シーン選択をデバウンス(連続したボタン押下)できる。ACP40は、周期的に所定の間隔で、現在のシーン選択を再び同報通信することができる。
【0074】
[0071]ゾーンが用いられる場合は、全ての照明ユニットを強制的に動作させるために、グループ値「全て(ALL)」を含むことも可能である。カスタムシーン部分に関しては、新しいシーンを追加するために、照明ユニットを取り外して、工場に返すことは望ましくないので、ACP40が、再び関与する必要がある。
【0075】
[0072]基本的に、カスタムシーンが選択されると、ACP40は、カスタム輝度値を照明LRU60,110へと送信するためのメッセージを使用することができる。照明LRU60,110がこれらのコマンドを受け取ると、データをRAM内に入れ、シーン移行を開始する。カスタムシーンは、それらが製造設備で開発されていない、および均一性のために較正されていない場合があるので、それらに適用されるいかなるバイアスまたは較正も有する必要がない。メンテナンスモードを同様に設けることができる。
【0076】
シーン生成
[0073]パソコンベースのシーン生成ツールは、システムの頭脳として用いることができ、温度および輝度のバリエーションのために、補償方程式のいずれかを組み込むことができる。これは、簡単に、期待値のデータベースを測定値と比較することができ、所望の結果を得るために必要なバイアスを計算することができるので、好ましくは、工場から出荷される際にLRUの較正が行われる場所である。これはまた、システムの物理的温度および電流引き込みを制限するために用いることもできる。このツールが作成し得るテーブルは、これら全ての因子を考慮に入れることができ、個々の照明LRU60,110に最終的に保存されるものであり得る。
【0077】
一般キャビン照明通信プロトコル
[0074]上記のように、一般キャビン照明システム10は、航空機の内部キャビンの照明を行うために使用される。システム10は、2つの主要部である、照明ユニット(グループ60またはモジュール110)およびACP40を含み得る。ACP40は、客室乗務員および整備員用の主なインターフェースポイントとして使用してもよい。これにより、ユーザーからの入力が、航空機キャビン内で様々なキャビン照明シナリオを実行させることが可能となる。照明ユニット60,110は、選択された照明シナリオで航空機キャビンの照明を行うために使用される、航空機全体に設置された物理的ユニットである。
【0078】
[0075]以下の異なる通信機能の説明は、4つのセクションに分かれる:通常動作、アドレッシング動作、BIT/BITE動作、および生じ得る他の各種動作(通信の喪失、復元等)。
【0079】
【表3】
【0080】
[0076]なお、ある照明ユニットは、別のファミリーのウォッシュライトと完全に同じ様に挙動する。例えば、9250−XXXファミリーのウォッシュライトは、必ずしもではないが、理想的には115VACの航空機電源およびLRU内の他の電源から直流的に絶縁された別個の専用6VDC非常用電力線によって電力を供給され、制御される追加の白色LEDを除き、9200ファミリーのウォッシュライトと実質的に同一である。
【0081】
[0077]図6は、通常動作を示すフローチャートである。システムは、アイドル状態にあり、ACPが作動されるまで待機する(S210)。一旦作動されると、照明シーンが作動されたか否かを判別し(S212)、作動されていれば、プロセスを継続する。ACPは、選択されたシーンに関する照明データベースにアクセスし(S214)、次に、データベースをパースし、各LRUへの輝度および色のコマンドの伝送を開始する(S216)。
【0082】
[0078]照明LRUは、コマンドを受信し、受信した色/輝度への移行を開始する(S218)。選択されたシーンに関する全てのメッセージの再同報通信が行われてもよく(S220)、一旦必要な再同報通信が完了すると、シーン伝送が完了し得る(S220)。ACP40および関連の制御装置30は、非常に基本的なレベルでは、LRU60,110に対する情報(可能であれば、輝度レベル、色情報)を、例えば個々のLED130のアドレスへと渡すことができる。これは、LEDグループ120に対して情報を送信することもできる。より高いレベルでは、どのシーンが作動され、提供されるべきかに関する情報も同様に送信できる。
【0083】
[0079]ある好ましい実施形態では、グループ60、モジュール110、システム制御装置30等への、およびそれらの間の通信は、最大255のデバイスを115,200bpsの速度で処理することのできるRS-485マルチドロップバスを介して行うことができる。RS-485に類似した規格(例えば、電圧差の状況をフォローしない)を利用することもできる。有線(例えば、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバー)、および無線(例えば、BluetoothおよびWi-Fi)を含む他の通信スキームも使用できる。送信されたメッセージは、モジュールのアドレス割り当て、ゾーンの設定、シーンの選択、構成および診断の照会およびテスト、所定シーン、およびカスタムシーンに関連するものを含み得る。
【0084】
[0080]通信は、コマンドの形式で行うことができる。コマンド例を以下に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
アドレッシング動作:
[0081]上記のように、各照明ユニットは、アドレスを組み込むことができる。このアドレスは、航空機内の照明ユニットの場所の識別に役立つ。旅客設備の照明レイアウト(lighting layout of passenger accommodation)(LOPA)を用いて、個人が、航空機内のライトの正確な位置を判断することができる。各ライトをアドレッシングすることによって、システムが照明の複数のゾーンを扱うことが可能となり、システムが、故障したLRUの場所を特定するために、組込み試験装置(BITE)の試験を行うことも可能となる。
【0088】
[0082]ACP40および関連の制御装置30は、ウォッシュライトのアドレッシングを制御できる。ACP40は、ウォッシュライトのアドレッシングを助けるために、RS485回線に加えて、トークン通信回線を使用することができる。各ウォッシュライトLRUは、RS485トランシーバー、トークンイン(Token-In)およびトークンアウト(Token-Out)回線を有していてもよい。
【0089】
[0083]トークン回線は、どのウォッシュライトが現在アドレッシングされているかを識別するために使用できる。あるウォッシュライトのトークンイン回線がアクティブであれば、そのウォッシュライトが現在アドレッシングされており、いずれのアドレス入力メッセージ(Address Input Messages)も、そのデバイスのみに向けられたものである。ウォッシュライトがアドレス入力メッセージを受信すると、それは、アドレス確認応答メッセージ(Address ACK Message)を用いてアドレスの受信を確認応答することができる。これは、そのデバイスに関するアドレッシングが完了し、次のデバイスに移る時であることを示す。次に、ACP40は、列内の次のウォッシュライトのアドレッシングを可能にするトークンパスコマンド(Pass Token Command)を送信することによってトークンを渡すことができる。これを受信した時点で、現在アドレッシングされているウォッシュライトが、そのトークンアウト回線をアクティブに設定するので、次の順番のウォッシュライトをアドレッシングすることができる。併せて、以前にアドレッシングされたデバイスが、そのトークンアウト回線を非アクティブに設定することによって、現在アドレッシングされているユニットのアドレッシング動作が完了する。
【0090】
[0084]図7は、このアドレッシングを示す。図7では、中央のLRU60が通信ネットワーク150上で現在アドレッシングされており、その理由は、そのトークンイン回線152が、以前にアドレッシングされたLRU60によってアクティブとなっている(グランドに引き込まれている)からである。この通信の仕様は、以下の通りである:
制御方法:RS485半二重
RS485トランシーバー負荷:1/8負荷、最大可能デバイス数=255
通信速度:115,200bps
通信速度許容範囲:±185bps
メッセージ頻度:アドレスモードのメッセージは、コマンド間に50ミリ秒の休止を有するものとする。
トークン回線VIH:ウォッシュライトトークン基準回線に関して最小で4.7VDC
トークン回線VIL:ウォッシュライトトークン基準回線に関して最大で0.3VDC
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
BIT/BITE動作
[0085]制御装置30を備えたACP40は、BIT/BITEが開始される時を制御する。ACPは、RS485回線を用いることにより、ウォッシュライトが依然アクティブか否かを判断するためのシステム内の各ウォッシュライトのポーリングを支援することができる。各デバイスのポーリングに加えて、ACPは、各LRUの各LEDをオンにするランプ試験メッセージを送信できるので、目視検査も行うことができる。
【0095】
【表9】
【0096】
【表10】
【0097】
各種動作
[0086]システム10によって、多数の各種動作も提供することができる。
【0098】
チェックサム計算:
[0087]伝送されたデータの整合性を確実にする助けとして、チェックサム計算が提供される。チェックサム計算は、SOTバイトからチェックサム値前の最後のバイトまでを含む全てのバイトの1バイトXORチェックサムとすることができる。チェックサムは、0x55のXOR PRESETを有する。チェックサム計算の完了後、バイトは、値のASCII表現に分割される。従って、値=0xA3の場合、メッセージプロトコルのチェックサム値は、0x41および0x33となる。以下は、メッセージに対してXsum計算を行うCコード、およびそれを2進数に変換する方法である。
【0099】
復元信号:
[0088]ウォッシュライトは、直接復元信号メッセージを持たない。ACPが復元信号を受信すると、ACPは、全ての照明ユニットに対して、100%白色輝度コマンドを単に送信するものとする。
【0100】
通信の喪失
[0089]LRUは、ACPとの通信を失った場合、コマンドを受けた最後の状態を維持してもよく、あるいは、ある所定のデフォルト状態へと移るように構成されてもよい。
【0101】
デバイス較正
[0090]補正アルゴリズムおよびルックアップテーブルを利用することによって、色の整合、白色温度整合、様々な輝度にわたる整合、経年劣化、熱補償、波長シフト、および様々なLED製造業者の利用に関して、照明デバイスを較正することができる。これは、個々のデバイス、LRU、サブアセンブリおよび完全なアプリケーションレベルで行うことが可能である。照明デバイス、LRUおよび/またはマスター制御装置を含む他のリモートデバイス等で補正を行い、それらを保存することができる。
【0102】
[0091]補正アルゴリズムおよびルックアップテーブルを利用することによって、色の整合、白色温度整合、様々な輝度にわたる整合および様々なLED製造業者の利用(製造業者間での差異に対応するために)に関して、照明デバイスを較正することができる。これは、個々のデバイス(LED130、LEDグループ120)、LRU(モジュール110、モジュールグループ60)、サブアセンブリ(モジュールグループ60、領域照明グループ20)および完全なアプリケーション(システム10)レベルで行うことが可能である。照明デバイス、LRU60,110および/またはマスター制御装置30を含む他のリモートデバイス等で補正を行い、それらを保存することができる。
【0103】
[0092]照明デバイス130は、経時的に変化し得ること、および使用量(電力)および環境条件に基づいて変化し得ることが認識されている。例えば、LEDの耐用年限にわたる変化が分かっている場合には、モジュール110の動作時間を追跡し、経時的変化に対する補償および調整を行うためのルックアップテーブルを提供することができる。従って、LEDが200時間の使用の後に98%の明るさにまで低下することが分かっている場合には、モジュールの時間を追跡し、200時間の時点で、そのモジュールに対して新しい調整値を適用することができる、あるいは、LEDグループや、単一のLEDさえもがアドレッシング可能であるので、所望であれば、単一のLEDレベルにまで新しい調整値を決定することが可能である。ルックアップテーブル(LUT)を使用することにより、経時的なLEDの公知の変化特性を補償することができる。上記のように、これらのテーブルは、システムレベルではシステム制御装置30に、モジュールグループ/モジュールレベルではグループ制御装置90に内在でき、あるいは、これら2つの間で共有されてもよい。
【0104】
[0093]同様に、温度に関して変化する特性も、LUTまたは他の何らかのデータベース形式で同様に提供することができる。従って、モジュール110は、製造業者からの出荷準備が整うと、初期較正プロシージャを行うことにより、正確な色波長または色度図上のx,y座標を決定することができ、製造されたデバイスを出荷する前に、LEDの年数が経つにつれ、あるいはLEDが異なる温度で作動される際にLEDの補正を行うことが可能な所定のテーブルを提供することができる。
【0105】
[0094]さらに、LUTまたは他のデータベースパラメータは、固定してもよく、あるいは、好ましくは、LEDビン境界条件と、色座標、フラックスおよび輝度の定格、および製造業者の部品試験許容差を含むパラメータとを含むLEDの新しい特性が習得されると、それに応じてテーブルを調整できるように更新可能としてもよい。この様にして、LEDビン特性、温度、およびモジュールの耐用年限にわたる使用に基づいた補正調整を提供することができる。
【0106】
[0095]ある実施形態では、較正は、モジュール110またはモジュールグループ60によって生成された色および輝度の情報を正確に読み取る内部および/または外部光センサーを介して行うことができ、調整情報は、このフィードバックに基づいて決定することができる。次に、更新された調整情報は、照明デバイス、LRU60,110、マスター制御装置30等へ直接または間接的に提供することができる。
【0107】
追加の実施形態例
[0096]追加の実施形態例およびシステムの実施のための通信を以下に説明する。ACPは、客室乗務員および整備員用の主なインターフェースポイントであり、これによって、ユーザーからの入力により、航空機キャビン内の様々なキャビン照明シナリオの実行、アドレスの構成、およびそのLCDタッチスクリーンインターフェースからBIT情報を見ることが可能となる。
【0108】
[0097]この実施形態では、全ての照明LRUは、それらのシーン情報をLRU内でローカルに維持する。ACPは、キャビンクルーによって選択された特定のシーンに関するコマンドを照明システムに出す責任を負う。照明アセンブリは、RS485を介してACPからメッセージを受信する機能を有する。照明アセンブリは、個々にアドレッシング可能であり、ACPが各照明アセンブリと個々に通信できるようにする、あるいは、照明アセンブリのグループと通信できるようにする。照明アセンブリは、アセンブリが現在もシステムと通信中であるか否かを検出するために、BIT試験を受ける機能も有する。その後、照明システムからのBIT情報は、ACP上で見ることができる。
【0109】
[0098]この実施形態では、照明LRUは、16の予めプログラムされたシーンと、16の再プログラム可能なシーンを有する機能を備える。予めプログラムされたシーンは、変更できる機能を持たない。再プログラム可能なシーンは、作業台上でのデバイスの作り替えを行う必要なく、航空機に搭載された状態でACPによって変更することが可能である。照明シナリオは、静的なものであり、可変速度での移行は、シーン間で5分を超えることはない。この実施形態では、物理層要件は以下の通りである:
通信方法:RS485マルチドロップバス(2線+シールド)
RS485信号:RS485A、RS485BおよびRS485シールド
RS485トランシーバー負荷:1/8負荷、最大可能LRU数=255(物理的限界)
通信速度:115,200bps
通信速度許容範囲:±185bps
デュプレックス:半二重
トークン信号:トークンイン、トークンアウトおよびトークン基準
【0110】
【表11】
【0111】
ACPプロトコル要件
[0099]ACPは、照明システムの制御の中心である。プロトコル要件は、本発明のある実施形態において、照明システムを正確に動作させるためにACPが従うタイミングおよび伝送ガイドラインである。
1)ACPで開始された各シーン変更は、照明システムに同報通信される通知メッセージをもたらす。このメッセージは、3回繰り返され、メッセージ間は50ミリ秒の間隔である。
2)ACPは、照明システムに送信される連続したメッセージ間の間隔が50ミリ秒を下回らないように保証する。
3)ACPは、10秒間隔で、現在のシーン選択を周期的に再同報通信する。
4)照明LRUからACPへの応答は全て、50ミリ秒以内に生じる。
5)チェックサム計算は、<SOT>バイトを含んで開始され、<ASCII XOR XSUM>バイトまで継続される。
6)未知の<CMD>を持つメッセージはいずれも廃棄される。
7)特定の<CMD>に関して不正または未使用の値を含むフィールドを持つメッセージはいずれも廃棄されるものとする。
8)LRUが、アクティブなそのトークン入力信号(Input Token Signal)を有する場合、アドレス割り当てメッセージ(Address Assignment Message)を除く全てのメッセージが廃棄されるものとする。
【0112】
[00100]この実施形態における各照明LRUは、個々の固有のアドレスを組み込む。このアドレスは、航空機内の照明LRUの位置を識別する助けとなる。照明LOPAを用いることにより、個人が航空機内のライトの正確な位置を割り出すことができる。シーン選択メッセージにより、ある特定のLRU、ライトゾーンまたは航空機全体に関する照明シーンをACPが選択することが可能となる。シーン選択メッセージにより、予めロードされた航空機照明シーンまたは顧客固有の照明シーンのいずれかをACPが選択することが可能となる。
シーン選択
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)照明アセンブリは、プログラムされていないシーンを選択するいずれのシーン選択メッセージも無視する。
2)システムの電源が投入されると、各LRUは、シーン選択メッセージを受信するために30秒間待機するものとする。この期間内に何も受信されなければ、LRUは、100%白色光へと自動的に移行する。
3)シーン選択メッセージを受信すると、進行中であり得るいずれのBIT/BITEモードも取消/終了するものとする。
4)照明アセンブリは、シーンのダウンロードを行っている間、あるいは、アドレッシングが行われている間は、このメッセージを無視するものとする。
【0113】
【表12】
【0114】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30-0x32]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
0x31=グループ/ゾーンメッセージ
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=[0x20-0xFF]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<DEST MODE>=0x31:
<DEST>=[0x31-0xFF]−ゾーン選択
<DEST MODE>=0x32:
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<CMD>=0x20
<DATA>=2バイト<SCENE><INTENSITY>
<SCENE>=シーン選択バイト。LRUに保存されたシーン情報を示す。ACPは、このバイトの最初のニブルを変更することによって、標準航空機シーンまたは顧客固有シーンのいずれか一方を選択することができる。
標準シーン:0x30オフセット+4ビットシーン番号。最大16シーン。
顧客固有シーン:0xC0オフセット+4ビットシーン番号。最大16シーン。
<INTENSITY>[0x31-0x34]−選択されたシーンの相対的輝度設定を示す。
0x31=高
0x32=中
0x33=低
0x34=夜間
【0115】
アドレッシング動作:
[00101]一般的に、ACPはウォッシュライトのアドレッシングを制御するが、ACPが、個々あるいはグループのLRU専用の特定ポートを備える場合には、ライトのアドレッシングは、これらが全てACP上の専用ポートへと「帰ってくる(home run)」ため、必要とされない場合もある。アドレッシングが必要な場合は、ウォッシュライトのアドレッシングを支援するために、ACPは、RS485回線に加えてトークン回線を使用することができる。この実施形態では、各ウォッシュライトLRUは、RS485トランシーバー、トークンインおよびトークンアウト回線を有する。
【0116】
[00102]トークン回線は、現在どのウォッシュライトがアドレッシングされているかを識別するために使用される。あるウォッシュライトのトークンイン回線がアクティブである場合、そのウォッシュライトが現在アドレッシングされており、いずれのアドレス割り当てメッセージも、そのLRUのみを対象としている。ウォッシュライトがアドレス入力メッセージを受信すると、アドレス応答メッセージ(Address Response Message)を用いて、アドレスの受信を確認応答する。これは、そのLRUに対するアドレッシングが完了し、次のLRUに移る時であることを示す。
【0117】
[00103]次に、ACPは、列内の次のウォッシュライトのアドレッシングを可能にするトークンパスコマンドを送信することによって、トークンを渡すことができる。これを受信した時点で、現在アドレッシングされているウォッシュライトが、そのトークンアウト回線をアクティブに設定するので、次の順番のウォッシュライトをアドレッシングすることができる。併せて、以前にアドレッシングされたLRUが、そのトークンアウト回線を非アクティブに設定することにより、現在アドレッシングされているLRUのアドレッシング動作を完了するものである。
プロトコル−アドレス割り当てメッセージ
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)アドレッシングメッセージは、トークンイン回線がアクティブな照明アセンブリによってのみ処理される。
2)ACPは、第1のアドレス割り当てメッセージの送信を開始する前に、そのトークンアウト回線をアクティブにアサートする。
3)照明アセンブリは、航空機に搭載された状態でLRUが交換される際にはいつでも、再割り当てが行われる。
4)トークン回線は、これらの信号がトークン基準回線(グランド)の電位を有する場合、アクティブであるとみなされる。
【0118】
【表13】
【0119】
コマンド設定記述
<SOT>=[0x01]−伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
アドレス割り当てメッセージ:
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=[0x10]−このコマンドは、ウォッシュライトアドレスを設定する。
<DATA>=<Address><Group/Zone>
<Address>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<Group/Zone>=[0x30-0xFF]−グループ/ゾーン割り当て
プロトコル−アドレス応答メッセージ
ソースデバイス:アドレッシングされた照明LRU−宛先デバイス:ACP
1)ACPは、アドレス割り当てメッセージの送信後、50ミリ秒以内にアドレス応答メッセージが受信されなければ、「アドレッシングモード」を終了するものとする。
2)ACPは、正しいライトタイプが該当するアドレスにあることを確認するために、アドレス応答メッセージで返された情報と、その内部データベースとを比較するものとする。これにより、シリアルナンバー、ハードウェアバージョン番号、およびファームウェアバージョン番号を検証することも可能である。返された情報に何らかの相違があれば、ACPのアドレッシングモードを停止し、オペレーターに問題を警告するものとする。
【0120】
【表14】
【0121】
コマンド設定記述
<ACK SOT>=[0x06]−伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
アドレス応答メッセージ:
<CMD>=[0x1F]−このコマンドは、ウォッシュライトからの確認応答メッセージである。
<DATA>=<Address><Device ID><Serial #><Hardware Rev><Firmware Rev>
<Address>=[0x21-0xFF]−新しく割り当てられたLRUのアドレス
0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<Device ID>=[0x41-0x43]−LRUタイプ
[0x41]=9100ダイレクトライト(W+A)
[0x42]=9150ビンウォッシュライト(W+A)
[0x42]=9150COSウォッシュライト(W+A)
[0x43]=9200天井ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200側壁ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200コーブウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9250翼上出口ウォッシュライト(RGB+WW)
<Serial #>=LRUシリアルナンバーを示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Hardware Rev>=LRUハードウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Firmware Rev>=LRUファームウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
プロトコル−トークンパスコマンド
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
<Addressing Complete>=最後のウォッシュライトがアドレッシングされている時は、0x31
【0122】
【表15】
【0123】
コマンド設定記述
<SOT>=[0x01]−伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
トークンパスコマンド:
<DEST MODE>=[0x32]−宛先モード選択バイト
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=[0x20-0xFF]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x32:
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<CMD>=[0x11]−このコマンドは、ウォッシュライトにトークンを渡すように伝える
<DATA>=<Addressing Complete>
<Addressing Complete>=アドレッシングが完了したことを示す1バイト
[0x30]=アドレッシング未完了
[0x31]=アドレッシング完了
【0124】
【表16】
【0125】
BIT/BITE動作
[00104]ACPは、BIT/BITEが開始される時を制御できる。ACPは、例えばRS485回線を使用して、ウォッシュライトが現在もアクティブか否かを判断するために、システム内の各ウォッシュライトをポーリングすることができる。各LRUのポーリングに加えて、ウォッシュライトがBIT要求を受信すると、これは、目視のランプ試験機能性を提供する特定のレベルにライトの輝度および色を設定する。50ミリ秒以内に、全てのBIT/BITE要求が処理され、照明LRUから確認応答を受けるものとする。
プロトコル−BIT/BITE要求メッセージ
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)シーン選択メッセージを受信すると、進行中であり得るいずれのBIT/BITEモードも取消/終了するものとする。
2)照明アセンブリは、シーンのダウンロードを行っている間、あるいは、アドレッシングが行われている間は、BIT/BITEメッセージを無視する。
3)ACPは、<DEST MODE>を0x32に設定し、<DEST>を現在ポーリングされている照明LRUの宛先アドレスに設定することによって、各LRUをポーリングする。
【0126】
【表17】
【0127】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30-0x32]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
0x31=グループ/ゾーンメッセージ
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=[0x30-0xFF]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<DEST MODE>=0x31:
<DEST>=[0x31-0xFF]−ゾーン選択
<DEST MODE>=0x32:
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<CMD>=0x30
プロトコル−BIT/BITE確認応答メッセージ(BIT/BITE ACK MESSAGE)
ソースデバイス:アドレッシングされた照明LRU−宛先デバイス:ACP
1)BIT/BITE要求メッセージの<DEST MODE>が0x32の場合には、要求の<DEST>が照明アセンブリのアドレスと一致すれば、LRUは、BIT/BITE要求メッセージを受信すると直ちにBIT/BITE確認応答メッセージで応答する。
2)ACPは、BIT/BITE要求メッセージの送信の50ミリ秒以内に、BIT/BITE確認応答メッセージを受信するものとする。
3)BIT/BITE要求メッセージの<DEST MODE>が0x30の場合には、各照明アセンブリは、50ミリ秒間隔の遅延後、BIT/BITE確認応答メッセージで応答する。なお、LRUアドレスは、各LRUがそのBIT/BITE確認応答メッセージの伝送前に待機する時間の長さを決定するためのシード値として使用することができる。
4)BIT/BITE要求メッセージの<DEST MODE>が0x31の場合には、各照明アセンブリは、50ミリ秒間隔の遅延後、BIT/BITE確認応答メッセージで応答する。なお、LRUアドレスは、各LRUがそのBIT/BITE確認応答メッセージの伝送前に待機する時間の長さを決定するためのシード値として使用することができる。
5)ACPは、照明アセンブリ内の情報が正しいことを確認するために、BIT/BITE確認応答メッセージで返された情報と、その内部データベースとを比較するものとする。返された情報に何らかの相違があれば、オペレーターに問題を警告するものとする。
【0128】
【表18】
【0129】
コマンド設定記述
<ACK SOT>=[0x06]−確認応答メッセージの伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
アドレス応答メッセージ:
<CMD>=[0x3F]−このコマンドは、ウォッシュライトからの確認応答メッセージである。
<DATA>=<Address><Device ID><Serial #><Hardware Rev><Firmware Rev>
<B Scene Rev><User Scene Rev><Cal Flag>
<Address>=[0x21-0xFF]−新しく割り当てられたLRUのアドレス
0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<Device ID>=[0x41-0x43]−LRUタイプ
[0x41]=9100ダイレクトライト(W+A)
[0x42]=9150ビンウォッシュライト(W+A)
[0x42]=9150COSウォッシュライト(W+A)
[0x43]=9200天井ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200側壁ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200コーブウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9250翼上出口ウォッシュライト(RGB+WW)
<Serial #>=LRUシリアルナンバーを示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Hardware Rev>=LRUハードウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Firmware Rev>=LRUファームウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<B Scene Rev>=LRU航空機シーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<User Scene Rev>=LRUユーザーシーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Cal Flag>=ウォッシュライトが較正されることを示す1バイト
0x30=ウォッシュライトは較正されない
0x31=ウォッシュライトは較正される
【0130】
シーンダウンロード動作
[00105]シーンダウンロード動作を用いて、照明LRUにおいてローカルに保存されたシーンを更新する。ACPは、シーンダウンロード動作が開始される時を制御する。ACPは、システム内の各ウォッシュライトへのシーン情報の保存を支援するために、RS485回線を用いることができる。ACPは、最初に、システム内の全てのウォッシュライトに対して、シーンダウンロード要求メッセージ(SCENE DOWNLOAD REQUEST message)を送信する。これは、保護されたEEPROM空間を変更できるようにウォッシュライトに指示する。次に、ACPは、各シーンに関するシーンコンテンツメッセージ(SCENE CONTENT message)を伝送することができる。シーンコンテンツメッセージは、1度に1シーンのシーン情報を含む。
【0131】
[00106]全ての新しいシーンが伝送されると、ACPは、シーンクエリー要求メッセージ(SCENE QUERY REQUEST message)を用いて各ウォッシュライトをポーリングすることができる。シーンクエリーメッセージは、ウォッシュライトに全てのシーンを受信したか否かを問うことができる。ウォッシュライトは、全ての情報を受信した/受信していない旨をACPに通知するシーンクエリー応答メッセージ(SCENE QUERY REPLY message)を用いて応答する。ウォッシュライトは、情報を受信した場合には、全てのシーン情報を不揮発性EEPROMに記憶するものとする。ウォッシュライトが全ての情報を受け取っていない旨の応答をした場合には、ACPは、シーンコンテンツメッセージを再び全てのウォッシュライトへと再送し、ウォッシュライトの再クエリーを再開するものとする。
【0132】
[00107]全てのシーンクエリー要求メッセージは、50ミリ秒以内に、照明LRUによって処理および確認応答が行われるものとする。
プロトコル−シーンダウンロード要求
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)照明アセンブリは、シーンのダウンロードを行っている間、あるいは、アドレッシングが行われている間は、BIT/BITEメッセージを無視するものとする。
2)その他の全てのシーンダウンロードコマンドは、シーンダウンロード要求が送信されない限りは無視されるものとする。
3)シーンダウンロード要求は、ブロードキャストメッセージでもよい。各照明LRUは、このメッセージを受信する。
【0133】
【表19】
【0134】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=0x50
<DATA>=<User Scene Rev><Total Scenes Num><Empty>
<User Scene Rev>=LRUユーザーシーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Total Scenes Num>=[0x31-0x40]−1(0x31)から16(0x40)までの更新されるシーン総数。
<Empty>=0x30
プロトコル−シーンコンテンツメッセージ
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
シーンコンテンツメッセージは、ブロードキャストメッセージでもよい。各照明LRUは、このメッセージを受信するものとする。
【0135】
【表20】
【0136】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=0x51
<DATA>=S1,R1,R2,G1,G2,B1,B2,W1,W2,E1,E2,A1,A2,T1,T2
S1=[0x31-45]−シーン選択バイト。LRUに保存されたシーン情報、0x30オフセット+4ビットシーン番号を示す。最大16シーン。
Rx−赤色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのR1およびR2に分割される。
R1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(RED)
R2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(RED)
Gx−緑色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのG1およびG2に分割される。G1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(GREEN)
G2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(GREEN)
Bx=青色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのB1およびB2に分割される。
B1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(BLUE)
B2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(BLUE)
Wx=白色輝度値(RGB+Wウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのW1およびW2に分割される。
W1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
W2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ex=白色輝度値(W+Aウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのE1およびE2に分割される。
E1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
E2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ax=アンバー色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのA1およびA2に分割される。
A1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(AMBER)
A2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(AMBER)
Tx−シーン移行時間は、シーンが移行にかかる秒数を表す。これは、12ビット幅の値であり、2バイトのT1およびT2に分割される。
T1=0x40オフセット+12ビットの最上位6
T2=0x40オフセット+12ビットの最下位6
プロトコル−シーンクエリー要求
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)シーンクエリー要求メッセージの受信後、照明アセンブリは、通常動作を再開できる。
2)ACPは、<DEST MODE>を0x32に設定し、<DEST>を現在ポーリングされている照明LRUの宛先アドレスに設定することによって、各LRUをポーリングできる。
3)各照明LRUのクエリーが行われるものとする。
【0137】
【表21】
【0138】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x32]−宛先モード選択バイト
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=宛先アドレス
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<CMD>=0x52
プロトコル−シーンクエリー応答
ソースデバイス:アドレッシングされた照明LRU−宛先デバイス:ACP
1)ACPは、シーンクエリー要求メッセージの送信の50ミリ秒以内に、シーンクエリー応答メッセージを受信するものとする。
2)照明LRUがシーンクエリー要求に応答しない場合には、ACPは、オペレーターに問題を警告するものとする。
3)ACPは、正しい情報が照明アセンブリに保存されていることを確認するために、シーンクエリー応答メッセージで返された情報と、その内部データベースとを比較するものとする。返された情報に何らかの相違があれば、オペレーターに問題を警告するものとする。
【0139】
【表22】
【0140】
コマンド設定記述
<ACK SOT>=[0x06]−確認応答メッセージの伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
シーンクエリー応答メッセージ:
<CMD>=[0x5F]−このコマンドは、ウォッシュライトからの確認応答メッセージである。
<DATA>=<Address><B Scene Rev><User Scene Rev>
<Address>=[0x21-0xFF]−クエリーが行われたウォッシュライトのアドレス
0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<B Scene Rev>=LRU航空機シーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<User Scene Rev>=LRUユーザーシーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
【0141】
シーン構成データベース
[00108]シーン構成データベースは、カスタム照明シーンに関する情報を保存するファイルである。このデータベースは、キャビン照明設計者プログラム(Cabin Lighting Designer program)を用いて外的に生成してもよい。このデータベースは、例えば、ASCII復帰改行によって分離される16のシーンコンテンツメッセージを含む。
【0142】
【表23】
【0143】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=0x51
<DATA>=S1,R1,R2,G1,G2,B1,B2,W1,W2,E1,E2,A1,A2,T1,T2
S1=[0x30-3F]−シーン選択バイト。LRUに保存されたシーン情報、0x30オフセット+4ビットシーン番号を示す。最大16シーン。
Rx−赤色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのR1およびR2に分割される。
R1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(RED)
R2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(RED)
Gx−緑色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのG1およびG2に分割される。G1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(GREEN)
G2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(GREEN)
Bx=青色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのB1およびB2に分割される。
B1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(BLUE)
B2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(BLUE)
Wx=白色輝度値(RGB+Wウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのW1およびW2に分割される。
W1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
W2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ex=白色輝度値(W+Aウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのE1およびE2に分割される。
E1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
E2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ax=アンバー色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのA1およびA2に分割される。
A1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(AMBER)
A2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(AMBER)
Tx−シーン移行時間は、シーンが移行にかかる秒数を表す。これは、12ビット幅の値であり、2バイトのT1およびT2に分割される。
T1=0x40オフセット+12ビットの最上位6
T2=0x40オフセット+12ビットの最下位6
【0144】
照明LOPA構成データベース
[00109]照明LOPA構成データベースは、航空機上での正確なライトレイアウトの構成を支援する。これは、各照明LRU、ステーション位置、およびファームウェア/ハードウェアおよびデータベース改訂情報に関する記載を有することができる。データベースファイルフォーマットは、ASCII復帰改行によって分離される複数のデバイスタイプ()を含むことが可能である。ACPは、ファイルの最後で、XSUM計算を用いてデータベースの妥当性をチェックすることができる。
【0145】
【表24】
【0146】
[00110]上記では、航空機内での照明としての使用に関して説明を行ったが、本発明はこれに限定されず、他の応用にも同様に適用可能である。本明細書で使用した「航空機」という用語は、あらゆる乗用車またはあらゆる照明エリアの代用として理解されるものである。同様に、LEDまたは発光ダイオードという用語は、本明細書に記載した方法と同様の方法で制御可能なあらゆる照明光源の代用として理解されるものである。
【0147】
[00111]このシステムまたは複数のこのシステムは、任意の1つまたは複数の汎用コンピュータ上で実施されてもよく、コンポーネントは、専用アプリケーションとして、あるいは、ウェブベースアーキテクチャを含むクライアント−サーバアーキテクチャにおいて実施されてもよい。いずれのコンピュータも、プロセッサと、プログラムデータを保存および実行するメモリと、ディスクドライブ等の永久ストレージ、外部デバイスとの通信を処理するための通信ポートと、ディスプレイ、キーボード、マウス等を含むユーザーインターフェースデバイスとを含み得る。ソフトウェアモジュールが関与する場合には、これらのソフトウェアモジュールは、テープ、CD−ROM等の媒体上でプロセッサに対して実行可能なプログラム命令として保存されてもよく、この媒体は、コンピュータによる読み取り、メモリ内への保存、およびプロセッサによる実行が可能である。
【0148】
[00112]本発明の原理の理解を促すために、図面に示した好ましい実施形態を参照し、これらの実施形態を説明するために特定の用語を使用した。しかしながら、この特定の用語によって、本発明の範囲が限定されることは意図されておらず、本発明は、当業者であれば通常思い付くであろう全ての実施形態を包含すると解釈されるものである。
【0149】
[00113]本発明は、機能ブロックコンポーネントおよび様々な処理ステップに関して説明を行うことができる。このような機能ブロックは、指定された機能を行うように構成された任意数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントによって実現されてもよい。例えば本発明は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは他の制御デバイスの制御下で様々な機能を実行できる、例えばメモリ素子、処理要素、論理素子、ルックアップテーブル等の様々な集積回路コンポーネントを用いることができる。同様に、本発明の要素が、ソフトウェアプログラミングまたはソフトウェア要素を用いて実施される場合には、本発明は、データ構造、オブジェクト、プロセス、ルーチン、または他のプログラミング要素の任意の組み合わせで実施される様々なアルゴリズムを用いて、C、C++、Java、アセンブラ等の任意のプログラミングまたはスクリプト言語で実施されてもよい。さらに、本発明は、電子機器構成、信号処理および/または制御、データ処理等に関して、任意数の従来の技術を使用することができる。メカニズムという語は、幅広く用いられ、機械的または物理的実施形態に限定されず、プロセッサ等と連動したソフトウェアルーチンを含むことができる。
【0150】
[00114]本明細書に示され、説明された特定の実施形態は、本発明の例示であり、本発明の範囲を他の形で限定することは決して意図されていない。簡潔さを目的として、従来の電子機器、制御システム、ソフトウェア開発およびシステムの他の機能面(およびシステムの個々のオペレーティングコンポーネントの構成要素)は、詳細に説明されていない場合がある。さらに、提示した様々な図面に示された接続線またはコネクタは、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的または論理的結合を表すことを意図している。多くの代替または追加の機能的関係、物理的接続または論理的接続が、実際のデバイス内に存在し得ることに留意されたい。さらに、要素が「必須」または「重要(critical)」と明確に記載されていない限り、本発明の実施に必須のアイテムまたは構成要素は存在しない。
【0151】
[00115]本発明を説明する中で(特に以下の特許請求の範囲の関連で)、「a」、「an」および「the」の用語、および同様の指示語の使用は、単数および複数の両方を対象とすると解釈されるものである。さらに、本明細書における値の範囲の記述は、本明細書において他に指示のない限りは、単に、その範囲内の1つ1つの値を個別に参照することの省略方法として機能することを意図し、1つ1つの値は、あたかも本明細書において個々に記載されているかのように本明細書に包含される。最後に、本明細書に記載した全ての方法のステップは、本明細書に他に指示のない限り、あるいは、文脈によって明らかに矛盾しない限りは、任意の適切な順序で行うことができる。
【0152】
[00116]本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多数の修正および適合が当業者には容易に明らかとなるであろう。
【符号の説明】
【0153】
10 航空機照明システム
20 領域照明
30 航空機照明システム制御装置
40 乗務員制御パネル(ACP)
50 航空機コネクタインターフェース
60 インテリジェント照明モジュールグループ(または、ライン交換式ユニットLRU)
70 電源
80 フィルター
90 モジュールグループ制御装置
110 モジュール(マスターモジュール)
110’ スレーブモジュール
110’’ 終端モジュール/ノード
112 電源プラグアセンブリ
114 終端コネクタ
120 LEDグループ
130 LED/照明光源素子
150 モジュール通信ネットワーク(例えば、RS-485)
152 通信トークン回線
【図1AB】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2008年9月24日に出願された、「An Aircraft LED Washlight System and Method for Controlling Same」という名称の米国仮特許出願第61/099,713号、および2008年10月15日に出願された、「An Aircraft LED Washlight System and Method for Controlling Same」という名称の米国仮特許出願第61/105,506号に基づく優先権を主張する、2009年9月24日に出願された米国特許出願第12/566,146号の一部継続出願である。本願は、上記出願の優先権を主張し、2010年2月25日に出願された、「Lighting System for Vehicle Cabin」という名称の米国仮特許出願第61/308,171号、2010年4月2日に出願された、「Lighting System for Vehicle Cabin」という名称の米国仮特許出願第61/320,545号、および2010年5月17日に出願された、「Lighting System for Vehicle Cabin」という名称の米国仮特許出願第61/345,378号の優先権も主張する。上記出願は全て、その全ての記載内容を本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002]ウォッシュライトは、通常、間接照明(すなわち、あるエリアは、好ましくは乗客の直接的視線から隠され、かつ通常別の面から反射されるムラのない均一な光の波である照明光源からの光によって主に照らされる)によって照明のアクセントを提供するために用いられる。車両全般に関して、特に本明細書では航空機に関して、ウォッシュライトを用いることによって、特にカラー照明が用いられる場合に、様々な雰囲気やシーンを作り出すことができる。
【0003】
[0003]発光ダイオード(LED)技術の向上により、低電力な照明の解決策が望まれる場合に、それらが理想的な光源となっており、このことは、利用可能な電力が制限される航空機において特に当てはまる。しかしながら、公知のシステムでは、LEDおよび同様の特性を持つ光源を用いた場合に可能な最大限の制御範囲に対して、洗練度合いに欠ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
[0004]従って、モジュールおよびモジュールグループが、複数の色を有することが可能で、特定の照明シナリオおよび雰囲気効果を生み出すLED列を含むモジュール式照明システムが提供される。モジュールまたはモジュールグループは、効率的な照明制御を可能にする制御回路を備える点でインテリジェントである。
【0005】
[0005]理想的には、このモジュール式照明システムは、最小限の中断および努力で旧システムを交換または改修できるように、白熱電球または蛍光灯および/または取付け器具等の既存の照明構造物を利用するように設計可能である。
【0006】
[0006]インテリジェントライトモジュールグループは、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源と、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報の送受信および電力の供給を行うためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを有する。このシステムはさらに、a)ユーザーインターフェースとして機能する乗務員制御パネルと、b)モジュールグループ制御装置インターフェースに接続されたシステム制御装置インターフェースとを含んでもよい。
【0007】
[0007]本発明の様々な実施形態は、車両内部の照明を行うための照明システムおよび方法に関する。従って、モジュール式エリア照明システムを用いて車両内部の照明を行うための方法が提供され、このモジュール式エリア照明システムは、システム制御装置と、複数のインテリジェントライトモジュールグループとを含み、各インテリジェントライトモジュールグループは、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源および電力インターフェースと、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含み、この方法は、固有のアドレスをそれぞれのモジュールグループに割り当てるために、各モジュールグループを初期化するステップと;システム制御装置によって、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループへと送信するステップであって、このコマンドは色および照明値に関連するステップと;モジュールグループによってコマンドを受信し、関連する色に対する照明光源の色および照明の調整、並びに、オン/オフの切換え、または1つのシーンまたはモードから別のシーンまたはモードへの移行時間の調整を行うステップと;セルフチェックを行い、BIT/BITE情報を提供するステップとを含む。
【0008】
[0008]関連するモジュール式エリア照明システムも提供され、このモジュール式エリア照明システムは、システム制御装置と、各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、電源と、a)照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを各々が含む複数のインテリジェントライトモジュールグループと、それぞれのモジュールグループへの固有のアドレスの割り当てを開始するステップと、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、このコマンドは色および照明値に関連するステップとを行うためのシステム制御装置の初期化モジュールと、コマンドを受信し、照明光源の色および照明を関連する色に調整するステップを行うためのモジュールグループ制御装置の初期化モジュールとを含む。
【0009】
図面の説明
[0009]本発明の様々な実施形態を例示する図面を参照して、本明細書を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】照明システムコンポーネントの構成例を示すブロック図である。
【図1B】照明モジュールグループの主なコンポーネントを示すブロック図である。
【図1C】照明の異なるレベルを示す階層ツリー図である。
【図1D】モジュールの領域別グループ分けを示すブロック図である。
【図2A】照明モジュール例の上面図である。
【図2B】図2Aに示した照明モジュールの側断面図である。
【図3A】そのプラグアセンブリを示す照明モジュール例の絵画図である。
【図3B】照明モジュールグループ例の絵画図である。
【図4A】U字形に接続された照明モジュールグループ例の側面図である。
【図4B】U字形に接続された照明モジュールグループ例の上面図である。
【図4C】U字形に接続された照明モジュールグループ例の斜視図である。
【図5】照明モジュールグループの様々な構成を示すブロック図である。
【図6】ACPを使用したシーン変更のフローチャート例である。
【図7】アドレッシングと、RS485通信バスへのライン交換式ユニット(LRU)の接続例とを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
概要および構造的階層
[0010]モジュールまたはモジュールグループがインテリジェント制御装置を備えるモジュール式照明システムが提供される。図1Aは、航空機照明システム10において用いることが可能なグループ分け階層の編成例である。照明システムは、航空機上で使用可能な異なるアドレッシングが可能な照明領域20に分割することができる。例えば、航空機における領域には、側壁照明、一般キャビン照明(天井ウォッシュまたはビン照明としても知られる)、翼上出口照明、天井照明、ダイレクト照明等が含まれ得る。照明システムの領域別分割により、航空機の広範なエリアにわたる照明制御が可能となる。
【0012】
[0011]これらの領域20の各々の中で、1つまたは複数の照明モジュールグループ60を設けることができる。これらのモジュールグループ60は、迅速な組み立て、メンテナンス、および交換を可能にするように、ライン交換式ユニット(LRU)として形成されてもよい。例えば、1つのモジュールグループ60は、10〜15列目のメインキャビンのビン照明に関するものであり得る。本明細書では、LRUという用語は、モジュールグループ60という用語と置き換え可能であると見なすことができる。
【0013】
[0012]航空機照明システム10はさらに、フライト中(フライトの地上部分も含む)並びにメンテナンスのために照明を制御する乗務員用の主要ユーザーインターフェースとして、例えばACP40を用いることが可能なシステム制御装置30を含む。本明細書では通常、システム制御装置30およびACP40の用語は置き換え可能に使用されるが、ACP40は、システム制御装置30用の主要ユーザーインターフェースであることを理解されたい。
【0014】
[0013]システム内のLEDモジュールは、モジュールグループへと、互いに相互接続されるように設計される。照明モジュールグループ60の各々は、航空機の電力をモジュールグループ80によって利用可能な電力へと変換する電源70を含み、有害なノイズおよび他の信号を除去するフィルター80を含んでいてもよい。各モジュールグループは、好ましくは、システム制御装置30からの高度な命令をインテリジェントに処理することが可能で、場合によってはシステム制御装置30へと有用な情報を返信できるモジュールグループ制御装置90を含む。航空機コネクタインターフェース50は、電源70と制御装置90との間に設けられる。
【0015】
[0014]照明モジュールグループ60は、各々が、次にはLEDグループ120へと編成され得る複数のLED130を含む、1つまたは複数の照明モジュール110を含み得る。なお、個々のLED130は、2つ以上のグループ120に属し得る。例えば、1つのLED130は、製造業者に基づいて、1つのグループに応じて配置でき、かつ、その色、輝度、順電圧Vf、順電流If、LEDビン、演色評価数(CRI)、および他の考えられるパラメータに基づいて、別のグループに配置できる。
【0016】
[0015]照明モジュールグループ60が、単一の照明モジュール110を含む場合には、特性(電源70、フィルター80、および制御装置90等の)は、モジュール110自体に関連付けることができる。つまり、グループ60内に単一のモジュール110のみが存在する場合は、照明モジュールグループ60および照明モジュール110は、同じものであると解釈することができる。
【0017】
[0016]各モジュール110は、以下の内の1つまたは複数を含むように設計することができる:a)グループ60において、モジュールおよび場合によっては他の取り付けられたスレーブモジュール110’を制御するための制御回路90;b)LEDウォッシュライトを例えば115VAC、400HZの電源から機能できるようにする電源回路70。電源70は、例えば、115VAC、400Hzを受け取り、それを、28VDC、12VDC、5VDC、またはLEDおよび電子機器の作動に通常必要などのようなDC電圧も含む低電圧ACおよびDCへと変換できる。電源70の設計は、好ましくはスイッチング電源であるが、約75%〜85%以上の効率を有する線形または他のトポロジーでもよく、約7.5〜15Wを受け取り、LED、マイクロコントローラ、および他の電子機器負荷へと5.7〜11.4Wを供給し得る;およびc:)モジュールへと入ってくる電力をフィルタリングし、かつ、問題のある高調波放射、スパイク、または他の望ましくない電力状態が航空機の電力バスへと逆導入されることがないように保証するフィルタリング回路80。
【0018】
[0017]モジュール内のLED130は、場合によっては、モジュール内の特定のグループ分けのLED120内で個々に、あるいは集合的に(モジュール内の全てのLED)制御することができる。グループ分け120は、任意数のLEDを含むことができ、あるいは、エリアゾーン、色、LED特性、または他のスキームに応じてグループ分けされることが可能である。
【0019】
[0018]図1Cは、ある設計例における全体的な階層構造を示すが、階層の様々なレベルが必ずしも各実施形態において存在する必要はないことに留意されたい。図1Dは、多数の領域別照明構成20に接続されるACP40(本明細書におけるACP40の記述は、関連するシステム制御装置30への言及も暗示し得る)を示す構成例である。ACP40は、RS-485ポート等のポート、または例えば、Ethernet、TCP/IP等を用いたネットワークポートを介して通信できる。図1Dは、異なる照明コンポーネントが、照明モジュールグループ60または個々の照明モジュール110自体(これは、単一の照明モジュール110を有するモジュールグループ60としても解釈可能)であり得ることを示す。
【0020】
[0019]図2Aは、照明モジュール110の一例の上面図である。図に示すように、個々のLED130A1.1および130A1.4は、LEDグループに編成され得る(記載した2個のLEDは、LEDグループ120A1に属する。LED130は、互いに同一(色または他の動作特性に関して)でもよく、あるいは、それらは異なっていてもよい。同様に、LEDグループ120は、互いに同一でもよく(例えば、120A1、120A2)、あるいは、それらは互いに異なっていてもよい(例えば、120A1、120B1)。LEDは、どのような構成に配置されてもよい。図2Bは、図2Aに示したモジュール110の側断面図であり、モジュールケース内の回路コンポーネントのレイアウト例を示している。図2Bでは、電源70、フィルター80、およびモジュールグループ制御装置90がPCB上の特定の位置に配置されて示されているが、コンポーネントの実際の位置は、工学的設計原理に基づいて変更可能である。例えば、電源または他のコンポーネントは、熱伝達を促進し、反対側のLEDに対するどのような悪影響も最小限に抑え、かつ端から端までの温度差を可能な限り低く、好ましくは5℃を下回るように維持するために、裏側の基板上に裏返すことができる。
【0021】
[0020]図3Aは、電源および通信プラグアセンブリ112と、モジュール110を追加のモジュール110につなげるために使用できる終端コネクタ114とを備えた、LRUとして構成されたモジュール110を示す。
【0022】
[0021]上記のように、モジュール110は、モジュールグループ60へと、例えば、3つのモジュール110を1つのモジュールグループ60へと一緒にまとめてもよい。図3Bは、1つのグループ60として配置されたこのような3つのモジュール110の集合体を示す。図4A〜4Cは、モジュールグループ60へのモジュール110の別の配置を示し、モジュール110は、U字形の並列構成で配置されている。
【0023】
[0022]図4A〜4Cは、各々が押し出し成形ハウジングを有し、プラグを介して相互接続される個々のモジュール110を示している。しかしながら、モジュールグループ60が、共通のハウジングを含み、個々のモジュール110が、ハウジング内でプリント配線基板として実現され、例えば、ジャンパー基板または他の形態のプラグを介して互いに接合されることも可能である。これらの設計により、アセンブリの容易さおよび修理の容易さが促進され、ハウジングおよび取り付けブラケットを備えたモジュール式構成により、非常に簡単で効率的な設置および除去が可能となる。
【0024】
[0023]図5に示すように、モジュールグループ60は、各々が外部の制御装置に対して外的に接続され、互いに独立して制御されるマスターモジュールを全て含んでもよい(構成1)。あるいは、(構成2)このグループは、外部の制御装置に直接接続され、それによって制御されるマスターモジュールと、接続されたマスターモジュール110を介して通信を受信し、信号を制御するスレーブモジュール110’との任意の組み合わせを含んでもよい。RS-485等の特定の通信アーキテクチャが使用される場合、ノードの1つは、終端ノード110’’(図7)として指定することができる。
【0025】
[0024]構成Aは、各モジュール110が、電源70、フィルター80、および制御装置90を含むモジュールグループ60を示す。しかしながら、構成Bでは、第1のモジュール110がフィルターのみを含み、第2のモジュール110は、電源70および制御装置を含み、最後に、第3のモジュール110が、電源70、フィルター80、または制御装置90を含まないことが分かる。この例では、第3のモジュール110は、グループ内の別のモジュールから電力および制御を受けるのみのダミーである。
【0026】
[0025]1つのモジュールグループ60に関して、ユニット当たり1つの電源70、あるいは、好ましくはデバイスの両端において、また好ましくはウォッシュライト押し出し成形品内またはウォッシュライトの各端部のブラケットエリア内に適合して、ユニット当たり2つの電源70が存在してもよい。より多くの電力が必要であれば、電源70は、照明ユニットを1つのアセンブリへと共に接続するブラケットエリアにまで延在することも可能であり、これにより、電源出力性能を向上できる。
【0027】
[0026]LED130は、線形アレイ、直列および並列構成、個々あるいはグループのLED、交流のLED130またはU字形アレイ、あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれかで、一方または両方の電源70から給電されることが可能である。これらの構成は、LED130の電源が投入された際、またはLEDの1つのストリングが機能しなくなると、異なる方法で無視する。
【0028】
[0027]2つの線形ストリップアレイの方法により、光のレベルを増分的かつ独立して増加させることも可能となり、このことは、各電源70の動作を交互に行うことによって、各電源70が最大レベルよりも低いレベルで動作すること、および/または電源70の冷却を可能にする期間の間オフとなることが可能となるので、デバイスの耐用年限を延長する助けとなるはずである。ある特定のLED130への電力は、LEDに対する電圧/電流レベルを変更することによって、あるいは、パルス幅変調、LEDドライバーまたは制御回路等のスキームによって制御することができる。
【0029】
[0028]また、好ましくはブラケットエリア内に位置する追加の外部電源70は、上記と同様に追加および制御されてもよく、その結果、デバイスの全体的な電源出力および耐用年限が向上する。
【0030】
[0029]上記のように、モジュール110自体またはモジュールグループ60を、マスターまたはシステム制御装置30によって集合的に制御することができる。このようなマスター制御装置30により、従来可能であったレベルよりもはるかに高度な機能レベルでのモジュール110またはモジュールグループ60の動作が可能となる。
【0031】
所定のカラーポイントの使用
[0030]モジュール110は、異なるLED(赤色、青色、緑色、白色、温白色、黄色、アンバー色)に対して電力を異ならせることによって、理論上、CIE1931色度図内の色に連続的に調整可能であり、CIE1931色空間内のXY座標によって定義可能ないずれの色も可能にするモジュール110またはモジュールのいずれのグループ分けに対してもコマンドを出すことができる。しかしながら、色を検出するカラーセンサーおよび光出力を検出するフォトトランジスタを使用し、センサー、フォトレジスタ等を用いたフィードバックメカニズムによって、適切な色および光度を維持することが可能ではあるが、適切な較正を行わなければ、ある色のLED表示は、おおよそのものでしかないであろう。
【0032】
[0031]しかしながら、主に色の一貫性を確実にするためのLEDの較正および使用を支援するために、CIE1931色度図上のポイントを表す1組の離散した色のみが許可されることが好ましい。CIE1931色空間内から選択された1組の所定のカラーポイントは、エンドユーザーによる定義が可能である。
【0033】
[0032]この1組の所定のカラーポイントは、古いモジュールと交換するために持ち込まれた新品のモジュールがそうであるように、車両のいずれの部分のモジュールも「カラーポイント5(CP5)」を一貫して表示できるように、あるシステム内の全てのモジュールに共通のものである必要がある。ある好ましい実施形態では、それよりも多いまたは少ないカラーポイントの組を用いることが可能ではあるが、1組のカラーポイントは、64色に限定されている。より多くの色の組は、より高い柔軟性をもたらすが、追加のカラーポイントの較正を行う必要があるので、より大規模な較正手順も必要とする。より少ない色の組は、柔軟性を低下させるが、較正を行う際の努力が少なくて済む。近接し得るターゲットカラーポイントおよびCIEチャート上で類似したLED特性および挙動を有するターゲットカラーポイントのグループ分け、あるいは、より狭いLEDビニングにより、グループまたは幾つかのターゲットカラーポイントを一緒に較正することが可能になり、必ずしも個別に較正する必要がないので、例えば8個のCPのグループ内で1つのCPのみが較正される必要があり、主要CPに行われたのと同じ調整を用いて、他の7個のCPを自動的に較正することができる。
【0034】
[0033]ある好ましい実施形態では、モジュール110は、各カラーポイントに関するレコードを有するテーブルを含む。各レコードに関連するのは、光度値が適用され、以下に説明する較正値に応じて補正される際に、カラーポイントに達するために必要な各カラーLEDの駆動電力の表示である。駆動電力は、例えば、あるモジュール中の各カラーグループに送信された信号のデューティサイクルの割合の形式で表されてもよい。例えば、ある特定の光度のCP5は、0.35の赤色のデューティサイクル、0.6の青色のデューティサイクル、0.2の緑色のデューティサイクル、および0.15の白色のデューティサイクルに関連し得る。このモジュール中のLEDを駆動させるための電力は、モジュール110にも関連し、現在温度並びにLEDの年数に対する補償値を含む較正テーブルから得られた値に基づいて調整される。ある実施形態では、所望のカラーポイントおよび/または光度値を包含したメッセージをモジュールに送信でき(例えば、「光度値50でCP3に変更」)、モジュールは、要求されたカラーポイントおよび光度に関連し、再び較正、温度、および年数値によって補正された色値へと変更することによって応答する。
【0035】
シーンの使用
[0034]非常に高度な制御は、例えば飛行機全体に適用可能な特定の照明特性を決定する様々な「シーン」の定義に関与する。これらの高度なシーンの利用により、複雑な照明制御を大幅に簡略化することができ、システム/主制御装置30に接続されたACP40を用いて、例えば客室乗務員が幾つかの基本シーンの中から1つのシーンを選択することによって、特定の照明パターンを作り出すことが可能となる。
【0036】
[0035]例えば、「入場/退場」または「清掃/メンテナンス」と指定されたシーンは、最大レベルの白色照明(例えば、5,000ケルビン)を指定し得るが、「昼光の飛行中」シーンでは、黄色成分をより多く有する、より低い色温度(例えば、3,000ケルビン)の中程度の照明を指定し得る。「夜間睡眠」のシーンでは、非常に薄暗い青色照明を指定し得る。このように、特定の所定のシーンを用いることによって、キャビンの照明を簡単に制御することができる。主制御装置のユーザーインターフェースから各カラーグループの特定のレベルを操作できるオーバライドを与えることが可能である。
【0037】
[0036]ある好ましい実施形態では、同じカラーポイントをキャビン全体のあらゆるライトに用いる必要はないが、シーンは、所定のカラーポイントの組に関してのみ定義される。すぐ前の段落の例を用いると、CP1は、純白照明を定義し、CP2は、黄色を定義し、CP3は空色を定義し得る。「入場/退場」のシーンは、全てのモジュールグループを最大光度でCP1に設定し、「昼光の飛行中」のシーンでは、翼上の出口照明を第1の光度値でCP1に設定し、ビン照明は、第2の光度値でCP3に設定してもよい。
【0038】
[0037]ある好ましい実施形態では、高度な所定のシーンに関するメッセージ(例えば、「入場/退場シーンへの変更」)をモジュール110に送信できる。次にモジュール110は、モジュール内に配置されたテーブルをチェックすることによって、入場/退場シーンが光度値1でCP3に対応することを理解し、適切な色へと変更を行うことができる。しかしながら、上記のように、各モジュール110またはモジュールグループは、あるシーンに関連する異なるカラーポイントを有する場合があるので、翼上出口にあるモジュール110に対する「入場/退場シーンへの変更」のシーンコマンドは、一般キャビンまたはビン照明に関連するモジュール110とは異なる色および光度値に関連する場合がある。
【0039】
[0038]好ましくは、所定の標準シーンセットは、モジュール110にロードされ、客室乗務員は、例えば、ACPのディスプレイ上のリストからシーンを選択することによって所望のシーンを設定する。しかしながら、カスタムシーン(例えば、「カスタムシーン1」)を、ACPまたは他の機器およびソフトウェアを用いて定義することも可能である。このシーンに関連するカラーポイントが定義され、各モジュール110またはモジュールグループ分けにダウンロードされることが可能である。
【0040】
[0039]あるシーンから別のシーンへの変更は、好ましくは、ACPを介して客室乗務員によって手動で行われるが、同様に様々なシーンへの自動の移行を提供することも可能である。自動システムは、システム制御装置30において実現でき、ある特定の時間(例えば、「午後8時半」または「飛行開始の20分後」または「前回の移行の20分後」)に基づいて、あるいは、ある特定の飛行段階(「巡航高度に達した時」−これは、飛行システムとの何らかのインターフェースを必要とする)、または他の事象(例えば、乱気流の検出−これは、センサー/検出器/他の航空機システムとのさらなるインターフェースを必要とする)に基づいて移行を行うことができる。
【0041】
[0040]上記のように、制御装置30自体は、LED130の正確な調整を可能にし、例えば、年数のたったLED130、色ずれ、光出力等を経時的に補償できる補正アルゴリズムを有していてもよい。同様に、補正アルゴリズムは、モジュールグループ60内またはモジュール110自体に存在し得る。
【0042】
[0041]さらに、あるシーンから移行する際に、あるいは色/レベル設定時であっても、スムーズな移行を生じさせるために、特定のアルゴリズムを実施することができる−これは、必ずしもそれぞれの色の線形調整ではなく、対数の離散したステップ等でもよい。従って、白色から青色への、100%の明るさから20%の明るさへの調節を行うために、線形調整は、望ましくない赤色成分を移行中に導入する場合がある。従って、ある実施形態においては、移行中に適切に調整を行うために必要な輝度値を包含する制御プロセッサ(システム制御装置30、および/またはグループ/モジュール制御装置90)によって使用される特定のルックアップテーブル(LUT)を提供してもよい。この制御は、シーンを作り出すため、および移行を制御するために特別に設計されたソフトウェアアルゴリズムを用いて達成することができる。
【0043】
[0042]代わりに、あるいは追加的に、あるシーンから別のシーンへの移行は、使用予定の一連のカラーポイントに関して予め定義することができる。つまり、CP2での夕食シーンからCP9での夜間シーンへの移行は、CP4およびCP8を経て移行し、CP9に到達すると定義づけることが可能である。
【0044】
電力制御
[0043]さらに、電力(総電力、実電力、および無効電力)の使用に対して一定の制約が与えられる場合には、全体的な電力消費をある特定の限度内に制限する能力を備えた制御回路を(システム30および/またはグループ/モジュール制御装置90内に)設けることが望ましい場合があり、この制限は、航空機の状況に応じて異なり得る。これにより、システムの総体的な電力消費が所定の限度を超過し得るとしても、システムの正確な制御が可能となる。
【0045】
[0044]例えば、照明システムは、最高輝度の構成に全面的に従事している時には、2,000Wを消費し得る。しかしながら、地上にいる際、およびパーキング中は、2,000W全ての使用が許容されるが、飛行中は、使用される電力に対して1,000Wの制限が課せられ得る。この場合には、制御装置により、飛行機が空中にいる際は、照明システムへと送られる電力が1,000Wを超えないことを確実にできる。
【0046】
[0045]これを達成する1つの方法は、マスター制御装置30に関連する各モジュール110に関する電力消費特性のデータベースを有することである。許容値を超える要求を受け取った場合には、マスター制御装置30は、必要な限度内にシステムを維持するために、光のレベルを適切に低下させることができる。例えば、客室乗務員が、2,000Wの最大照明所要量を伴う「入場/退場」シーンを不注意で選択した場合には、マスター制御装置は、これが不適切であることを検出し、1,000Wの上限が維持されるようにレベルを50%以下に制限することができる。このことは、単一性のない力率電源にも当てはまり、実電力(ワット)および無効電力(VAR)を含む総電力(VA)を制限する。
【0047】
[0046]照明システム10全体、与えられたアプリケーションの種類、LRUまたはデバイスに対して一定または可変の総電力消費を超えるシーンまたはモードが存在しないことを確実にするために、シーン開発者のソフトウェアを提供することができる。このソフトウェアは、ワット数またはVA負荷を自動的に調節し、限度が近づいていること、限度に達したこと、または限度を超えた旨をユーザーまたはプログラマ等に知らせることができ、一旦限度に達すると、それ以上デバイスを追加することができない。
【0048】
[0047]さらに、制御装置30は、照明アプリケーション、LRU、またはデバイスに対してランダムおよび/または識別可能な優先順位を設定することができる別の選択肢を有することが可能で、それによって、選択されたアプリケーションに対する総電力を低下させ、その結果、優先順位の低いアプリケーションに対してはライトの出力を自動的に減らし、その他のアプリケーションに対しては、より多くを配分することによって最大電力を超過しないようにできる。
【0049】
[0048]これは、線形のもの、対数のもの、または離散したものでもよく、あるいは、より複雑な関係およびアルゴリズムおよび各負荷タイプに対する重み付け係数を用いてもよい。これは、好ましくは、ユーザーの介入なしに自動的に行われ、ディスプレイおよびメモリテーブルを用いて、それぞれ電流引き込み、ワット数またはVA消費量、優先順位設定等に関するルックアップ値を表示および保存することができ、この情報は、最終構成と共に、製造機器、現場の客室乗務員パネル等に表示することができる。このソフトウェアは、マスター制御装置30またはACP40のLCDディスプレイに保存されてもよく、要件としての個々の照明負荷に関する情報も送信され(あるいは予めロードされ)、必要に応じて、照明デバイス(モジュールグループ60および/またはモジュール110)自体に保存されることが可能である。
【0050】
[0049]要約し、より詳しく言うと、航空機照明システム10は、各々が複数のLED130を含む多数のモジュール(モジュール110またはグループ60)を組み込むことが可能である。このシステム10では、以下の特性が提供できる:どのようなレベルのライトおよびグループ分け(LED130、LEDグループ120、モジュール110、モジュールグループ60、領域20、およびシステム全体10)も、必ずしもその必要はないが、個々にアドレッシングが可能である。
【0051】
[0050]有利に、ライトおよびモジュールの「グループ」または「ゾーン」の階層は、制御がより簡単なように、およびライトが一緒に機能できるように設けられる。システム10は、経時的に変化する動的シーンを提供でき、これらのシーンは、ACP40に関連する制御論理30を介して簡単に制御することができる。
【0052】
[0051]ある実施形態では、ライン交換式ユニット(LRU)としての照明ユニット(モジュール110またはモジュールグループ60)は、事前設定されたシーン情報が既に保存された状態で工場から出荷することができる。上記のような基本シーンセットは、簡単に既存のシステムに組み込むことができるように、モジュール110またはグループ60内にプログラミングすることができる。システム10は、シーン開発者が独自のシーンおよびシーン間の移行を設計することを可能にするシーン作成ツールを含むこともできる。これを電力管理ツールと一体化することによって、最大許容電力を超過しないことを確実にする一助、または電力消費コストを削減する一助とすることもできる。さらに、ある実施形態では、同じシーンに関して複数の輝度を指定することができる。例えば、飛行中シーンは、高/中/低/夜間/オフ設定で提供することができる。
【0053】
[0052]ある好ましい実施形態では、何らかのシステムインテリジェンスを、グループ60の制御装置90のシーン生成ツール内に配置することができる。このような設計では、制御装置90内の照明LRU60のファームウェアは単純かつ同じものである。システム10は、現場でのLRU60の電気的消去可能(E2)メモリの更新を禁止するように設計することができる(この設計ガイドの下では、工場に返されたデバイスは、工場から出荷された時と同じ構成であるものとする)。この場合には、制御装置の通信が最小限に抑えられ、より小さいバンド幅を実現することができる。
【0054】
[0053]シーンデータのLRUのE2メモリレイアウトの一例を以下に示す:(この例示については、高=0、中=1、低=2、夜間=3、およびオフ(不図示)である)。もちろんこれは、各シーンに対して4つの輝度設定(オフを数に入れると、5つ)が提供される(従って、全てのシーンは、各々がメモリレイアウトで、4行に相当するデータを実際に有する)ことを前提としているが、この数は変化し得る。例えば、10以上の異なる薄暗さの設定が存在してもよく、例えば0.01%という低さの輝度レベル設定を設けることができる。
【0055】
[0054]使用されていないシーンおよび/または輝度のバリエーションは、単純に、全ての光量値に対して0を有することができる(その選択に関して、それらがオフであることを確実にする)。全ての列が全てのライトタイプによって使用される訳ではないが、全ての列は、全ての照明ユニットLRU60に存在する。照明LRU60のタイプは、好ましくは、ユニットが生産現場を離れる矢先の最終的な較正段階において(較正データと共に)E2メモリに書き込まれる。ユニットのシリアルナンバーを提供することができ、後の参照用に、その特性の関連付けおよび保存を行うことができる。照明LRUのファームウェアは、どの値を使用するかを決定するために、E2メモリ内のライトタイプを使用することができる。
【0056】
[0055]以下の表は、シーンテーブルを保存するための配置例を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
[0056]この考え方を利用すれば、シーンテーブル全体で、12シーンの場合、E2メモリの約708バイトを占有し得る。較正データは、同様に(以下のサンプルテーブルに示すように)保存してもよい。
【0059】
【表2】
【0060】
[0057]従って、各輝度グループに対して1つのバイアステーブル項目(較正オフセット)が存在してもよい。4つの輝度を示したこの例の場合、テーブル全体で、4つの行(48バイトを占有)を有する。必要であれば、初めから組み込まれたシーンの各々が、独自のバイアス項目を有するように、バイアステーブルを拡張することができる。
【0061】
[0058]好ましい動作では、LRU60の電源が投入されると、ファームウェアが起動デフォルト状態をロードする、あるいは、30秒等のある所定時間後に、不通信デフォルト状態をロードする。これらのデフォルト状態は共に、いつでも設定可能であるが、好ましくは、較正時に設定される。LRU60は、RS-485等の通信リンク上でACP40との通信を確立しようと試み、所定の時間間隔内でのACP40との通信の確立が失敗すると、上記のように、不通信デフォルトシーンが起動される。これにより、ACP40が故障した、紛失した、または機能しない場合のフェイルセーフモードが提供され、航空機内に明かりが存在することが可能となる。「フェイルセーフ」として、メモリ要件への影響がほとんどない余分のシーンを提供することができる。シーンの選択または輝度を変更するための有効なコマンドをACP40から受け取ると、適切なテーブル項目をファームウェアによってRAMへとロードすることができ、シーンの移行が開始される。
【0062】
[0059]このスキームの下では、ACP40は、デフォルトの「予め準備されたシーン」に関連することを全く「知る」必要がない。それは単に、全てのその通信(例えば、RS-485)ポート上で、輝度レベルYでシーン#Xへと変更する旨のブロードキャストメッセージを、領域20、モジュールグループ60、またはモジュール120レベルの要素に送信する。例えば、シーン1=搭乗/降機、2=セーフティビデオ、3=地上走行/離陸/上昇等の、一回限りの相関をACP40において行うことによって、ディスプレイの起動により、内部テーブルに包含されたデータに対応する正しいシーン番号を送信することができる。この単純なスキームは、基本システムの要件を全て満たす。
【0063】
モジュールの初期化
[0060]照明システムの操作前に、初期化を行う必要がある。初期化操作では、(好ましくは、メンテナンスモードで行われる)、システム制御装置30は、どのボードが利用可能であるかを調べ、全ての利用可能なボードのアドレッシングを行うために、全てのライトボードをポーリングする。
【0064】
[0061]ある好ましい実施形態では、制御装置30は、「あなたがモジュール1である」旨を示すメッセージをシステム内の第1のモジュール110.1へと送信し、次に、第1のモジュール110.1が、「あなたがモジュール2である」というメッセージを第2のモジュール110.2へと送信し、システム内のあらゆるモジュール、あるいは少なくともシステム制御装置30のある特定のポートに接続されたグループ内のモジュールに対して、これが反復されるというシーケンスを実行する。ある実施形態では、照明モジュールに対して2つの回線が存在する−1つ目は、ある特定のモジュールに対して送信権を与え、かつ、モジュール110が、自身がRS-485データ回線上で話しかけられているモジュールであることが分かるようにするトークンが渡されるトークン回線である。2つ目の回線は、データ送信を可能にする実際のRS-485データ回線である。システム制御装置30は、トークン回線を起動させ、第1のライトにそれが第1のアドレスであることを伝える。全てのモジュールが、RS-485を介して送られた「あなたがモジュール1である」というメッセージを「聞く」が、第1のモジュールのみが、自身のトークン回線がアクティブであり、従って、そのメッセージが自分に向けられたこと理解する。他のモジュールは、それらのトークン回線が非アクティブであることを理解して、メッセージを無視するのみである。ライトモジュールは、アドレッシングメッセージの受信が成功したことを認識し、「私のアドレッシングは成功しました」という旨の応答をシステム制御装置30へと返す。次に、システム制御装置は、トークン回線を解除し、第1のライトは、第2のライトに対してそのトークン回線をアサートし、同じプロセスを行う。
【0065】
[0062]この初期化は、インストールごとに一度、電源を切る/メンテナンスモードごとに一回、あるいは、飛行機の整備員が必要であると判断するその他の頻度で行うことができる。
【0066】
[0063]いったん全てのLRUまたはモジュールが適切にアドレッシングされると、システム制御装置30は、ゾーンに応じて、直接ライトに対して、あるいは、直接ライトのグループに対して通信を行うことができる。
【0067】
[0064]次に、システム制御装置30は、各ライトボードがライトに応じてゾーンと関連するように、飛行機をゾーンに分割する。次に、実際にはライトボードの制御装置に送られたメッセージに対するシステム制御装置30の所定のカラーポイントのマッピングであるシーンコンテンツ情報が送られる。システム制御装置30は、例えば、押された際に、ある特定のシーンを選択するボタンを有する。
【0068】
[0065]システムの電源が投入されると、各モジュールグループ60は、シーン選択メッセージ(Scene Selection Message)を受信するために30秒間待機し得る。この期間内に何も受信しなければ、モジュールグループ60は、自動的に100%白色光、またはその他のデフォルト設定へと移行するものとする。
【0069】
プロトコルの考察
[0066]上記のように、ACP40は、「箱から出してすぐの」システム10に対して特別なことを何も行う必要がない。それは、現在のシーン番号および輝度値を同報通信および反復(所定の間隔で)するだけでよい。ある特定のライトタイプが、そのシーンに関与していない場合には、そのテーブル項目は、全て0となり、それらのライトは、オフのままである、あるいは、デフォルトまたは以前の状態となる。
【0070】
[0067]プロトコルは、BIT/BITE、LRUグループ分けまたはゾーン、カスタムシーン、およびメンテナンスモードが可能となるように構成することができる。BIT/BITEシーケンスは、かなり単純化されたものである−これは、アドレスステータス要求および応答である。応答が受信されなければ、フォールトがログ記録/表示される。グループ分け、またはゾーンは、好ましくはACP40から行われる。
【0071】
[0068]アドレッシングされた各LRU60,110に対して、それがどのグループに属するかを知らせるメカニズムを設けることができる(例えば、照明LRU60,110内のRAMに保持される)。これは、好ましくは、各システムの起動時および変更時に(ACP40がゾーンの動的移動を許容すると仮定して)、ACP40によって再送信される。ACP40から照明LRU60,110へと送信されたメッセージは、その後、シーン/輝度変更の指示がなされたグループ番号を組み込むことができる。そのグループまたはゾーンの一員であるように構成された照明LRU60,110のみが、シーン変更の要求に対して実際に応答する。
【0072】
[0069]ある好ましい実施形態では、最小パケットサイズは6バイトであり、最大パケットサイズは256バイトである。
【0073】
[0070]ACP40で開始された各シーン変更の結果、所定のミリ秒数の間隔をあけて3回、各LRU60,110へと通知メッセージを同報通信することができる。ACP40は、例えば、所定のミリ秒数の間、シーン選択をデバウンス(連続したボタン押下)できる。ACP40は、周期的に所定の間隔で、現在のシーン選択を再び同報通信することができる。
【0074】
[0071]ゾーンが用いられる場合は、全ての照明ユニットを強制的に動作させるために、グループ値「全て(ALL)」を含むことも可能である。カスタムシーン部分に関しては、新しいシーンを追加するために、照明ユニットを取り外して、工場に返すことは望ましくないので、ACP40が、再び関与する必要がある。
【0075】
[0072]基本的に、カスタムシーンが選択されると、ACP40は、カスタム輝度値を照明LRU60,110へと送信するためのメッセージを使用することができる。照明LRU60,110がこれらのコマンドを受け取ると、データをRAM内に入れ、シーン移行を開始する。カスタムシーンは、それらが製造設備で開発されていない、および均一性のために較正されていない場合があるので、それらに適用されるいかなるバイアスまたは較正も有する必要がない。メンテナンスモードを同様に設けることができる。
【0076】
シーン生成
[0073]パソコンベースのシーン生成ツールは、システムの頭脳として用いることができ、温度および輝度のバリエーションのために、補償方程式のいずれかを組み込むことができる。これは、簡単に、期待値のデータベースを測定値と比較することができ、所望の結果を得るために必要なバイアスを計算することができるので、好ましくは、工場から出荷される際にLRUの較正が行われる場所である。これはまた、システムの物理的温度および電流引き込みを制限するために用いることもできる。このツールが作成し得るテーブルは、これら全ての因子を考慮に入れることができ、個々の照明LRU60,110に最終的に保存されるものであり得る。
【0077】
一般キャビン照明通信プロトコル
[0074]上記のように、一般キャビン照明システム10は、航空機の内部キャビンの照明を行うために使用される。システム10は、2つの主要部である、照明ユニット(グループ60またはモジュール110)およびACP40を含み得る。ACP40は、客室乗務員および整備員用の主なインターフェースポイントとして使用してもよい。これにより、ユーザーからの入力が、航空機キャビン内で様々なキャビン照明シナリオを実行させることが可能となる。照明ユニット60,110は、選択された照明シナリオで航空機キャビンの照明を行うために使用される、航空機全体に設置された物理的ユニットである。
【0078】
[0075]以下の異なる通信機能の説明は、4つのセクションに分かれる:通常動作、アドレッシング動作、BIT/BITE動作、および生じ得る他の各種動作(通信の喪失、復元等)。
【0079】
【表3】
【0080】
[0076]なお、ある照明ユニットは、別のファミリーのウォッシュライトと完全に同じ様に挙動する。例えば、9250−XXXファミリーのウォッシュライトは、必ずしもではないが、理想的には115VACの航空機電源およびLRU内の他の電源から直流的に絶縁された別個の専用6VDC非常用電力線によって電力を供給され、制御される追加の白色LEDを除き、9200ファミリーのウォッシュライトと実質的に同一である。
【0081】
[0077]図6は、通常動作を示すフローチャートである。システムは、アイドル状態にあり、ACPが作動されるまで待機する(S210)。一旦作動されると、照明シーンが作動されたか否かを判別し(S212)、作動されていれば、プロセスを継続する。ACPは、選択されたシーンに関する照明データベースにアクセスし(S214)、次に、データベースをパースし、各LRUへの輝度および色のコマンドの伝送を開始する(S216)。
【0082】
[0078]照明LRUは、コマンドを受信し、受信した色/輝度への移行を開始する(S218)。選択されたシーンに関する全てのメッセージの再同報通信が行われてもよく(S220)、一旦必要な再同報通信が完了すると、シーン伝送が完了し得る(S220)。ACP40および関連の制御装置30は、非常に基本的なレベルでは、LRU60,110に対する情報(可能であれば、輝度レベル、色情報)を、例えば個々のLED130のアドレスへと渡すことができる。これは、LEDグループ120に対して情報を送信することもできる。より高いレベルでは、どのシーンが作動され、提供されるべきかに関する情報も同様に送信できる。
【0083】
[0079]ある好ましい実施形態では、グループ60、モジュール110、システム制御装置30等への、およびそれらの間の通信は、最大255のデバイスを115,200bpsの速度で処理することのできるRS-485マルチドロップバスを介して行うことができる。RS-485に類似した規格(例えば、電圧差の状況をフォローしない)を利用することもできる。有線(例えば、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバー)、および無線(例えば、BluetoothおよびWi-Fi)を含む他の通信スキームも使用できる。送信されたメッセージは、モジュールのアドレス割り当て、ゾーンの設定、シーンの選択、構成および診断の照会およびテスト、所定シーン、およびカスタムシーンに関連するものを含み得る。
【0084】
[0080]通信は、コマンドの形式で行うことができる。コマンド例を以下に示す。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
アドレッシング動作:
[0081]上記のように、各照明ユニットは、アドレスを組み込むことができる。このアドレスは、航空機内の照明ユニットの場所の識別に役立つ。旅客設備の照明レイアウト(lighting layout of passenger accommodation)(LOPA)を用いて、個人が、航空機内のライトの正確な位置を判断することができる。各ライトをアドレッシングすることによって、システムが照明の複数のゾーンを扱うことが可能となり、システムが、故障したLRUの場所を特定するために、組込み試験装置(BITE)の試験を行うことも可能となる。
【0088】
[0082]ACP40および関連の制御装置30は、ウォッシュライトのアドレッシングを制御できる。ACP40は、ウォッシュライトのアドレッシングを助けるために、RS485回線に加えて、トークン通信回線を使用することができる。各ウォッシュライトLRUは、RS485トランシーバー、トークンイン(Token-In)およびトークンアウト(Token-Out)回線を有していてもよい。
【0089】
[0083]トークン回線は、どのウォッシュライトが現在アドレッシングされているかを識別するために使用できる。あるウォッシュライトのトークンイン回線がアクティブであれば、そのウォッシュライトが現在アドレッシングされており、いずれのアドレス入力メッセージ(Address Input Messages)も、そのデバイスのみに向けられたものである。ウォッシュライトがアドレス入力メッセージを受信すると、それは、アドレス確認応答メッセージ(Address ACK Message)を用いてアドレスの受信を確認応答することができる。これは、そのデバイスに関するアドレッシングが完了し、次のデバイスに移る時であることを示す。次に、ACP40は、列内の次のウォッシュライトのアドレッシングを可能にするトークンパスコマンド(Pass Token Command)を送信することによってトークンを渡すことができる。これを受信した時点で、現在アドレッシングされているウォッシュライトが、そのトークンアウト回線をアクティブに設定するので、次の順番のウォッシュライトをアドレッシングすることができる。併せて、以前にアドレッシングされたデバイスが、そのトークンアウト回線を非アクティブに設定することによって、現在アドレッシングされているユニットのアドレッシング動作が完了する。
【0090】
[0084]図7は、このアドレッシングを示す。図7では、中央のLRU60が通信ネットワーク150上で現在アドレッシングされており、その理由は、そのトークンイン回線152が、以前にアドレッシングされたLRU60によってアクティブとなっている(グランドに引き込まれている)からである。この通信の仕様は、以下の通りである:
制御方法:RS485半二重
RS485トランシーバー負荷:1/8負荷、最大可能デバイス数=255
通信速度:115,200bps
通信速度許容範囲:±185bps
メッセージ頻度:アドレスモードのメッセージは、コマンド間に50ミリ秒の休止を有するものとする。
トークン回線VIH:ウォッシュライトトークン基準回線に関して最小で4.7VDC
トークン回線VIL:ウォッシュライトトークン基準回線に関して最大で0.3VDC
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
BIT/BITE動作
[0085]制御装置30を備えたACP40は、BIT/BITEが開始される時を制御する。ACPは、RS485回線を用いることにより、ウォッシュライトが依然アクティブか否かを判断するためのシステム内の各ウォッシュライトのポーリングを支援することができる。各デバイスのポーリングに加えて、ACPは、各LRUの各LEDをオンにするランプ試験メッセージを送信できるので、目視検査も行うことができる。
【0095】
【表9】
【0096】
【表10】
【0097】
各種動作
[0086]システム10によって、多数の各種動作も提供することができる。
【0098】
チェックサム計算:
[0087]伝送されたデータの整合性を確実にする助けとして、チェックサム計算が提供される。チェックサム計算は、SOTバイトからチェックサム値前の最後のバイトまでを含む全てのバイトの1バイトXORチェックサムとすることができる。チェックサムは、0x55のXOR PRESETを有する。チェックサム計算の完了後、バイトは、値のASCII表現に分割される。従って、値=0xA3の場合、メッセージプロトコルのチェックサム値は、0x41および0x33となる。以下は、メッセージに対してXsum計算を行うCコード、およびそれを2進数に変換する方法である。
【0099】
復元信号:
[0088]ウォッシュライトは、直接復元信号メッセージを持たない。ACPが復元信号を受信すると、ACPは、全ての照明ユニットに対して、100%白色輝度コマンドを単に送信するものとする。
【0100】
通信の喪失
[0089]LRUは、ACPとの通信を失った場合、コマンドを受けた最後の状態を維持してもよく、あるいは、ある所定のデフォルト状態へと移るように構成されてもよい。
【0101】
デバイス較正
[0090]補正アルゴリズムおよびルックアップテーブルを利用することによって、色の整合、白色温度整合、様々な輝度にわたる整合、経年劣化、熱補償、波長シフト、および様々なLED製造業者の利用に関して、照明デバイスを較正することができる。これは、個々のデバイス、LRU、サブアセンブリおよび完全なアプリケーションレベルで行うことが可能である。照明デバイス、LRUおよび/またはマスター制御装置を含む他のリモートデバイス等で補正を行い、それらを保存することができる。
【0102】
[0091]補正アルゴリズムおよびルックアップテーブルを利用することによって、色の整合、白色温度整合、様々な輝度にわたる整合および様々なLED製造業者の利用(製造業者間での差異に対応するために)に関して、照明デバイスを較正することができる。これは、個々のデバイス(LED130、LEDグループ120)、LRU(モジュール110、モジュールグループ60)、サブアセンブリ(モジュールグループ60、領域照明グループ20)および完全なアプリケーション(システム10)レベルで行うことが可能である。照明デバイス、LRU60,110および/またはマスター制御装置30を含む他のリモートデバイス等で補正を行い、それらを保存することができる。
【0103】
[0092]照明デバイス130は、経時的に変化し得ること、および使用量(電力)および環境条件に基づいて変化し得ることが認識されている。例えば、LEDの耐用年限にわたる変化が分かっている場合には、モジュール110の動作時間を追跡し、経時的変化に対する補償および調整を行うためのルックアップテーブルを提供することができる。従って、LEDが200時間の使用の後に98%の明るさにまで低下することが分かっている場合には、モジュールの時間を追跡し、200時間の時点で、そのモジュールに対して新しい調整値を適用することができる、あるいは、LEDグループや、単一のLEDさえもがアドレッシング可能であるので、所望であれば、単一のLEDレベルにまで新しい調整値を決定することが可能である。ルックアップテーブル(LUT)を使用することにより、経時的なLEDの公知の変化特性を補償することができる。上記のように、これらのテーブルは、システムレベルではシステム制御装置30に、モジュールグループ/モジュールレベルではグループ制御装置90に内在でき、あるいは、これら2つの間で共有されてもよい。
【0104】
[0093]同様に、温度に関して変化する特性も、LUTまたは他の何らかのデータベース形式で同様に提供することができる。従って、モジュール110は、製造業者からの出荷準備が整うと、初期較正プロシージャを行うことにより、正確な色波長または色度図上のx,y座標を決定することができ、製造されたデバイスを出荷する前に、LEDの年数が経つにつれ、あるいはLEDが異なる温度で作動される際にLEDの補正を行うことが可能な所定のテーブルを提供することができる。
【0105】
[0094]さらに、LUTまたは他のデータベースパラメータは、固定してもよく、あるいは、好ましくは、LEDビン境界条件と、色座標、フラックスおよび輝度の定格、および製造業者の部品試験許容差を含むパラメータとを含むLEDの新しい特性が習得されると、それに応じてテーブルを調整できるように更新可能としてもよい。この様にして、LEDビン特性、温度、およびモジュールの耐用年限にわたる使用に基づいた補正調整を提供することができる。
【0106】
[0095]ある実施形態では、較正は、モジュール110またはモジュールグループ60によって生成された色および輝度の情報を正確に読み取る内部および/または外部光センサーを介して行うことができ、調整情報は、このフィードバックに基づいて決定することができる。次に、更新された調整情報は、照明デバイス、LRU60,110、マスター制御装置30等へ直接または間接的に提供することができる。
【0107】
追加の実施形態例
[0096]追加の実施形態例およびシステムの実施のための通信を以下に説明する。ACPは、客室乗務員および整備員用の主なインターフェースポイントであり、これによって、ユーザーからの入力により、航空機キャビン内の様々なキャビン照明シナリオの実行、アドレスの構成、およびそのLCDタッチスクリーンインターフェースからBIT情報を見ることが可能となる。
【0108】
[0097]この実施形態では、全ての照明LRUは、それらのシーン情報をLRU内でローカルに維持する。ACPは、キャビンクルーによって選択された特定のシーンに関するコマンドを照明システムに出す責任を負う。照明アセンブリは、RS485を介してACPからメッセージを受信する機能を有する。照明アセンブリは、個々にアドレッシング可能であり、ACPが各照明アセンブリと個々に通信できるようにする、あるいは、照明アセンブリのグループと通信できるようにする。照明アセンブリは、アセンブリが現在もシステムと通信中であるか否かを検出するために、BIT試験を受ける機能も有する。その後、照明システムからのBIT情報は、ACP上で見ることができる。
【0109】
[0098]この実施形態では、照明LRUは、16の予めプログラムされたシーンと、16の再プログラム可能なシーンを有する機能を備える。予めプログラムされたシーンは、変更できる機能を持たない。再プログラム可能なシーンは、作業台上でのデバイスの作り替えを行う必要なく、航空機に搭載された状態でACPによって変更することが可能である。照明シナリオは、静的なものであり、可変速度での移行は、シーン間で5分を超えることはない。この実施形態では、物理層要件は以下の通りである:
通信方法:RS485マルチドロップバス(2線+シールド)
RS485信号:RS485A、RS485BおよびRS485シールド
RS485トランシーバー負荷:1/8負荷、最大可能LRU数=255(物理的限界)
通信速度:115,200bps
通信速度許容範囲:±185bps
デュプレックス:半二重
トークン信号:トークンイン、トークンアウトおよびトークン基準
【0110】
【表11】
【0111】
ACPプロトコル要件
[0099]ACPは、照明システムの制御の中心である。プロトコル要件は、本発明のある実施形態において、照明システムを正確に動作させるためにACPが従うタイミングおよび伝送ガイドラインである。
1)ACPで開始された各シーン変更は、照明システムに同報通信される通知メッセージをもたらす。このメッセージは、3回繰り返され、メッセージ間は50ミリ秒の間隔である。
2)ACPは、照明システムに送信される連続したメッセージ間の間隔が50ミリ秒を下回らないように保証する。
3)ACPは、10秒間隔で、現在のシーン選択を周期的に再同報通信する。
4)照明LRUからACPへの応答は全て、50ミリ秒以内に生じる。
5)チェックサム計算は、<SOT>バイトを含んで開始され、<ASCII XOR XSUM>バイトまで継続される。
6)未知の<CMD>を持つメッセージはいずれも廃棄される。
7)特定の<CMD>に関して不正または未使用の値を含むフィールドを持つメッセージはいずれも廃棄されるものとする。
8)LRUが、アクティブなそのトークン入力信号(Input Token Signal)を有する場合、アドレス割り当てメッセージ(Address Assignment Message)を除く全てのメッセージが廃棄されるものとする。
【0112】
[00100]この実施形態における各照明LRUは、個々の固有のアドレスを組み込む。このアドレスは、航空機内の照明LRUの位置を識別する助けとなる。照明LOPAを用いることにより、個人が航空機内のライトの正確な位置を割り出すことができる。シーン選択メッセージにより、ある特定のLRU、ライトゾーンまたは航空機全体に関する照明シーンをACPが選択することが可能となる。シーン選択メッセージにより、予めロードされた航空機照明シーンまたは顧客固有の照明シーンのいずれかをACPが選択することが可能となる。
シーン選択
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)照明アセンブリは、プログラムされていないシーンを選択するいずれのシーン選択メッセージも無視する。
2)システムの電源が投入されると、各LRUは、シーン選択メッセージを受信するために30秒間待機するものとする。この期間内に何も受信されなければ、LRUは、100%白色光へと自動的に移行する。
3)シーン選択メッセージを受信すると、進行中であり得るいずれのBIT/BITEモードも取消/終了するものとする。
4)照明アセンブリは、シーンのダウンロードを行っている間、あるいは、アドレッシングが行われている間は、このメッセージを無視するものとする。
【0113】
【表12】
【0114】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30-0x32]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
0x31=グループ/ゾーンメッセージ
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=[0x20-0xFF]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<DEST MODE>=0x31:
<DEST>=[0x31-0xFF]−ゾーン選択
<DEST MODE>=0x32:
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<CMD>=0x20
<DATA>=2バイト<SCENE><INTENSITY>
<SCENE>=シーン選択バイト。LRUに保存されたシーン情報を示す。ACPは、このバイトの最初のニブルを変更することによって、標準航空機シーンまたは顧客固有シーンのいずれか一方を選択することができる。
標準シーン:0x30オフセット+4ビットシーン番号。最大16シーン。
顧客固有シーン:0xC0オフセット+4ビットシーン番号。最大16シーン。
<INTENSITY>[0x31-0x34]−選択されたシーンの相対的輝度設定を示す。
0x31=高
0x32=中
0x33=低
0x34=夜間
【0115】
アドレッシング動作:
[00101]一般的に、ACPはウォッシュライトのアドレッシングを制御するが、ACPが、個々あるいはグループのLRU専用の特定ポートを備える場合には、ライトのアドレッシングは、これらが全てACP上の専用ポートへと「帰ってくる(home run)」ため、必要とされない場合もある。アドレッシングが必要な場合は、ウォッシュライトのアドレッシングを支援するために、ACPは、RS485回線に加えてトークン回線を使用することができる。この実施形態では、各ウォッシュライトLRUは、RS485トランシーバー、トークンインおよびトークンアウト回線を有する。
【0116】
[00102]トークン回線は、現在どのウォッシュライトがアドレッシングされているかを識別するために使用される。あるウォッシュライトのトークンイン回線がアクティブである場合、そのウォッシュライトが現在アドレッシングされており、いずれのアドレス割り当てメッセージも、そのLRUのみを対象としている。ウォッシュライトがアドレス入力メッセージを受信すると、アドレス応答メッセージ(Address Response Message)を用いて、アドレスの受信を確認応答する。これは、そのLRUに対するアドレッシングが完了し、次のLRUに移る時であることを示す。
【0117】
[00103]次に、ACPは、列内の次のウォッシュライトのアドレッシングを可能にするトークンパスコマンドを送信することによって、トークンを渡すことができる。これを受信した時点で、現在アドレッシングされているウォッシュライトが、そのトークンアウト回線をアクティブに設定するので、次の順番のウォッシュライトをアドレッシングすることができる。併せて、以前にアドレッシングされたLRUが、そのトークンアウト回線を非アクティブに設定することにより、現在アドレッシングされているLRUのアドレッシング動作を完了するものである。
プロトコル−アドレス割り当てメッセージ
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)アドレッシングメッセージは、トークンイン回線がアクティブな照明アセンブリによってのみ処理される。
2)ACPは、第1のアドレス割り当てメッセージの送信を開始する前に、そのトークンアウト回線をアクティブにアサートする。
3)照明アセンブリは、航空機に搭載された状態でLRUが交換される際にはいつでも、再割り当てが行われる。
4)トークン回線は、これらの信号がトークン基準回線(グランド)の電位を有する場合、アクティブであるとみなされる。
【0118】
【表13】
【0119】
コマンド設定記述
<SOT>=[0x01]−伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
アドレス割り当てメッセージ:
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=[0x10]−このコマンドは、ウォッシュライトアドレスを設定する。
<DATA>=<Address><Group/Zone>
<Address>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<Group/Zone>=[0x30-0xFF]−グループ/ゾーン割り当て
プロトコル−アドレス応答メッセージ
ソースデバイス:アドレッシングされた照明LRU−宛先デバイス:ACP
1)ACPは、アドレス割り当てメッセージの送信後、50ミリ秒以内にアドレス応答メッセージが受信されなければ、「アドレッシングモード」を終了するものとする。
2)ACPは、正しいライトタイプが該当するアドレスにあることを確認するために、アドレス応答メッセージで返された情報と、その内部データベースとを比較するものとする。これにより、シリアルナンバー、ハードウェアバージョン番号、およびファームウェアバージョン番号を検証することも可能である。返された情報に何らかの相違があれば、ACPのアドレッシングモードを停止し、オペレーターに問題を警告するものとする。
【0120】
【表14】
【0121】
コマンド設定記述
<ACK SOT>=[0x06]−伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
アドレス応答メッセージ:
<CMD>=[0x1F]−このコマンドは、ウォッシュライトからの確認応答メッセージである。
<DATA>=<Address><Device ID><Serial #><Hardware Rev><Firmware Rev>
<Address>=[0x21-0xFF]−新しく割り当てられたLRUのアドレス
0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<Device ID>=[0x41-0x43]−LRUタイプ
[0x41]=9100ダイレクトライト(W+A)
[0x42]=9150ビンウォッシュライト(W+A)
[0x42]=9150COSウォッシュライト(W+A)
[0x43]=9200天井ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200側壁ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200コーブウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9250翼上出口ウォッシュライト(RGB+WW)
<Serial #>=LRUシリアルナンバーを示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Hardware Rev>=LRUハードウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Firmware Rev>=LRUファームウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
プロトコル−トークンパスコマンド
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
<Addressing Complete>=最後のウォッシュライトがアドレッシングされている時は、0x31
【0122】
【表15】
【0123】
コマンド設定記述
<SOT>=[0x01]−伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
トークンパスコマンド:
<DEST MODE>=[0x32]−宛先モード選択バイト
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=[0x20-0xFF]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x32:
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<CMD>=[0x11]−このコマンドは、ウォッシュライトにトークンを渡すように伝える
<DATA>=<Addressing Complete>
<Addressing Complete>=アドレッシングが完了したことを示す1バイト
[0x30]=アドレッシング未完了
[0x31]=アドレッシング完了
【0124】
【表16】
【0125】
BIT/BITE動作
[00104]ACPは、BIT/BITEが開始される時を制御できる。ACPは、例えばRS485回線を使用して、ウォッシュライトが現在もアクティブか否かを判断するために、システム内の各ウォッシュライトをポーリングすることができる。各LRUのポーリングに加えて、ウォッシュライトがBIT要求を受信すると、これは、目視のランプ試験機能性を提供する特定のレベルにライトの輝度および色を設定する。50ミリ秒以内に、全てのBIT/BITE要求が処理され、照明LRUから確認応答を受けるものとする。
プロトコル−BIT/BITE要求メッセージ
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)シーン選択メッセージを受信すると、進行中であり得るいずれのBIT/BITEモードも取消/終了するものとする。
2)照明アセンブリは、シーンのダウンロードを行っている間、あるいは、アドレッシングが行われている間は、BIT/BITEメッセージを無視する。
3)ACPは、<DEST MODE>を0x32に設定し、<DEST>を現在ポーリングされている照明LRUの宛先アドレスに設定することによって、各LRUをポーリングする。
【0126】
【表17】
【0127】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30-0x32]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
0x31=グループ/ゾーンメッセージ
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=[0x30-0xFF]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<DEST MODE>=0x31:
<DEST>=[0x31-0xFF]−ゾーン選択
<DEST MODE>=0x32:
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<CMD>=0x30
プロトコル−BIT/BITE確認応答メッセージ(BIT/BITE ACK MESSAGE)
ソースデバイス:アドレッシングされた照明LRU−宛先デバイス:ACP
1)BIT/BITE要求メッセージの<DEST MODE>が0x32の場合には、要求の<DEST>が照明アセンブリのアドレスと一致すれば、LRUは、BIT/BITE要求メッセージを受信すると直ちにBIT/BITE確認応答メッセージで応答する。
2)ACPは、BIT/BITE要求メッセージの送信の50ミリ秒以内に、BIT/BITE確認応答メッセージを受信するものとする。
3)BIT/BITE要求メッセージの<DEST MODE>が0x30の場合には、各照明アセンブリは、50ミリ秒間隔の遅延後、BIT/BITE確認応答メッセージで応答する。なお、LRUアドレスは、各LRUがそのBIT/BITE確認応答メッセージの伝送前に待機する時間の長さを決定するためのシード値として使用することができる。
4)BIT/BITE要求メッセージの<DEST MODE>が0x31の場合には、各照明アセンブリは、50ミリ秒間隔の遅延後、BIT/BITE確認応答メッセージで応答する。なお、LRUアドレスは、各LRUがそのBIT/BITE確認応答メッセージの伝送前に待機する時間の長さを決定するためのシード値として使用することができる。
5)ACPは、照明アセンブリ内の情報が正しいことを確認するために、BIT/BITE確認応答メッセージで返された情報と、その内部データベースとを比較するものとする。返された情報に何らかの相違があれば、オペレーターに問題を警告するものとする。
【0128】
【表18】
【0129】
コマンド設定記述
<ACK SOT>=[0x06]−確認応答メッセージの伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
アドレス応答メッセージ:
<CMD>=[0x3F]−このコマンドは、ウォッシュライトからの確認応答メッセージである。
<DATA>=<Address><Device ID><Serial #><Hardware Rev><Firmware Rev>
<B Scene Rev><User Scene Rev><Cal Flag>
<Address>=[0x21-0xFF]−新しく割り当てられたLRUのアドレス
0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<Device ID>=[0x41-0x43]−LRUタイプ
[0x41]=9100ダイレクトライト(W+A)
[0x42]=9150ビンウォッシュライト(W+A)
[0x42]=9150COSウォッシュライト(W+A)
[0x43]=9200天井ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200側壁ウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9200コーブウォッシュライト(RGB+W)
[0x43]=9250翼上出口ウォッシュライト(RGB+WW)
<Serial #>=LRUシリアルナンバーを示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Hardware Rev>=LRUハードウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Firmware Rev>=LRUファームウェアRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<B Scene Rev>=LRU航空機シーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<User Scene Rev>=LRUユーザーシーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Cal Flag>=ウォッシュライトが較正されることを示す1バイト
0x30=ウォッシュライトは較正されない
0x31=ウォッシュライトは較正される
【0130】
シーンダウンロード動作
[00105]シーンダウンロード動作を用いて、照明LRUにおいてローカルに保存されたシーンを更新する。ACPは、シーンダウンロード動作が開始される時を制御する。ACPは、システム内の各ウォッシュライトへのシーン情報の保存を支援するために、RS485回線を用いることができる。ACPは、最初に、システム内の全てのウォッシュライトに対して、シーンダウンロード要求メッセージ(SCENE DOWNLOAD REQUEST message)を送信する。これは、保護されたEEPROM空間を変更できるようにウォッシュライトに指示する。次に、ACPは、各シーンに関するシーンコンテンツメッセージ(SCENE CONTENT message)を伝送することができる。シーンコンテンツメッセージは、1度に1シーンのシーン情報を含む。
【0131】
[00106]全ての新しいシーンが伝送されると、ACPは、シーンクエリー要求メッセージ(SCENE QUERY REQUEST message)を用いて各ウォッシュライトをポーリングすることができる。シーンクエリーメッセージは、ウォッシュライトに全てのシーンを受信したか否かを問うことができる。ウォッシュライトは、全ての情報を受信した/受信していない旨をACPに通知するシーンクエリー応答メッセージ(SCENE QUERY REPLY message)を用いて応答する。ウォッシュライトは、情報を受信した場合には、全てのシーン情報を不揮発性EEPROMに記憶するものとする。ウォッシュライトが全ての情報を受け取っていない旨の応答をした場合には、ACPは、シーンコンテンツメッセージを再び全てのウォッシュライトへと再送し、ウォッシュライトの再クエリーを再開するものとする。
【0132】
[00107]全てのシーンクエリー要求メッセージは、50ミリ秒以内に、照明LRUによって処理および確認応答が行われるものとする。
プロトコル−シーンダウンロード要求
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)照明アセンブリは、シーンのダウンロードを行っている間、あるいは、アドレッシングが行われている間は、BIT/BITEメッセージを無視するものとする。
2)その他の全てのシーンダウンロードコマンドは、シーンダウンロード要求が送信されない限りは無視されるものとする。
3)シーンダウンロード要求は、ブロードキャストメッセージでもよい。各照明LRUは、このメッセージを受信する。
【0133】
【表19】
【0134】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=0x50
<DATA>=<User Scene Rev><Total Scenes Num><Empty>
<User Scene Rev>=LRUユーザーシーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<Total Scenes Num>=[0x31-0x40]−1(0x31)から16(0x40)までの更新されるシーン総数。
<Empty>=0x30
プロトコル−シーンコンテンツメッセージ
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
シーンコンテンツメッセージは、ブロードキャストメッセージでもよい。各照明LRUは、このメッセージを受信するものとする。
【0135】
【表20】
【0136】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=0x51
<DATA>=S1,R1,R2,G1,G2,B1,B2,W1,W2,E1,E2,A1,A2,T1,T2
S1=[0x31-45]−シーン選択バイト。LRUに保存されたシーン情報、0x30オフセット+4ビットシーン番号を示す。最大16シーン。
Rx−赤色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのR1およびR2に分割される。
R1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(RED)
R2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(RED)
Gx−緑色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのG1およびG2に分割される。G1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(GREEN)
G2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(GREEN)
Bx=青色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのB1およびB2に分割される。
B1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(BLUE)
B2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(BLUE)
Wx=白色輝度値(RGB+Wウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのW1およびW2に分割される。
W1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
W2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ex=白色輝度値(W+Aウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのE1およびE2に分割される。
E1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
E2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ax=アンバー色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのA1およびA2に分割される。
A1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(AMBER)
A2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(AMBER)
Tx−シーン移行時間は、シーンが移行にかかる秒数を表す。これは、12ビット幅の値であり、2バイトのT1およびT2に分割される。
T1=0x40オフセット+12ビットの最上位6
T2=0x40オフセット+12ビットの最下位6
プロトコル−シーンクエリー要求
ソースデバイス:ACP−宛先デバイス:照明LRU
1)シーンクエリー要求メッセージの受信後、照明アセンブリは、通常動作を再開できる。
2)ACPは、<DEST MODE>を0x32に設定し、<DEST>を現在ポーリングされている照明LRUの宛先アドレスに設定することによって、各LRUをポーリングできる。
3)各照明LRUのクエリーが行われるものとする。
【0137】
【表21】
【0138】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x32]−宛先モード選択バイト
0x32=アドレスメッセージ
<DEST>=宛先アドレス
<DEST>=[0x21-0xFF] 0x20オフセット+アドレス、最大可能LRU数=222
<CMD>=0x52
プロトコル−シーンクエリー応答
ソースデバイス:アドレッシングされた照明LRU−宛先デバイス:ACP
1)ACPは、シーンクエリー要求メッセージの送信の50ミリ秒以内に、シーンクエリー応答メッセージを受信するものとする。
2)照明LRUがシーンクエリー要求に応答しない場合には、ACPは、オペレーターに問題を警告するものとする。
3)ACPは、正しい情報が照明アセンブリに保存されていることを確認するために、シーンクエリー応答メッセージで返された情報と、その内部データベースとを比較するものとする。返された情報に何らかの相違があれば、オペレーターに問題を警告するものとする。
【0139】
【表22】
【0140】
コマンド設定記述
<ACK SOT>=[0x06]−確認応答メッセージの伝送文字の開始
<EOT>=[0x04]−伝送文字の終了
シーンクエリー応答メッセージ:
<CMD>=[0x5F]−このコマンドは、ウォッシュライトからの確認応答メッセージである。
<DATA>=<Address><B Scene Rev><User Scene Rev>
<Address>=[0x21-0xFF]−クエリーが行われたウォッシュライトのアドレス
0x20オフセット+アドレス値、最大可能LRU数=222
<B Scene Rev>=LRU航空機シーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
<User Scene Rev>=LRUユーザーシーンP/NおよびRev番号を示す20ASCIIバイト(LRU不揮発性メモリに保存される)
【0141】
シーン構成データベース
[00108]シーン構成データベースは、カスタム照明シーンに関する情報を保存するファイルである。このデータベースは、キャビン照明設計者プログラム(Cabin Lighting Designer program)を用いて外的に生成してもよい。このデータベースは、例えば、ASCII復帰改行によって分離される16のシーンコンテンツメッセージを含む。
【0142】
【表23】
【0143】
コマンド設定記述
<SOT>=0x01−伝送文字の開始
<EOT>=0x04−伝送文字の終了
<DEST MODE>=[0x30]−宛先モード選択バイト
0x30=ブロードキャストメッセージ
<DEST>=[0x30]−宛先アドレス
<DEST MODE>=0x30:
<DEST>=[0x30]−無関係
<CMD>=0x51
<DATA>=S1,R1,R2,G1,G2,B1,B2,W1,W2,E1,E2,A1,A2,T1,T2
S1=[0x30-3F]−シーン選択バイト。LRUに保存されたシーン情報、0x30オフセット+4ビットシーン番号を示す。最大16シーン。
Rx−赤色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのR1およびR2に分割される。
R1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(RED)
R2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(RED)
Gx−緑色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのG1およびG2に分割される。G1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(GREEN)
G2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(GREEN)
Bx=青色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのB1およびB2に分割される。
B1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(BLUE)
B2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(BLUE)
Wx=白色輝度値(RGB+Wウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのW1およびW2に分割される。
W1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
W2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ex=白色輝度値(W+Aウォッシュライト)は、12ビット幅であり、2バイトのE1およびE2に分割される。
E1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(WHITE)
E2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(WHITE)
Ax=アンバー色輝度値は、12ビット幅であり、2バイトのA1およびA2に分割される。
A1=0x40オフセット+12ビットの最上位6(AMBER)
A2=0x40オフセット+12ビットの最下位6(AMBER)
Tx−シーン移行時間は、シーンが移行にかかる秒数を表す。これは、12ビット幅の値であり、2バイトのT1およびT2に分割される。
T1=0x40オフセット+12ビットの最上位6
T2=0x40オフセット+12ビットの最下位6
【0144】
照明LOPA構成データベース
[00109]照明LOPA構成データベースは、航空機上での正確なライトレイアウトの構成を支援する。これは、各照明LRU、ステーション位置、およびファームウェア/ハードウェアおよびデータベース改訂情報に関する記載を有することができる。データベースファイルフォーマットは、ASCII復帰改行によって分離される複数のデバイスタイプ()を含むことが可能である。ACPは、ファイルの最後で、XSUM計算を用いてデータベースの妥当性をチェックすることができる。
【0145】
【表24】
【0146】
[00110]上記では、航空機内での照明としての使用に関して説明を行ったが、本発明はこれに限定されず、他の応用にも同様に適用可能である。本明細書で使用した「航空機」という用語は、あらゆる乗用車またはあらゆる照明エリアの代用として理解されるものである。同様に、LEDまたは発光ダイオードという用語は、本明細書に記載した方法と同様の方法で制御可能なあらゆる照明光源の代用として理解されるものである。
【0147】
[00111]このシステムまたは複数のこのシステムは、任意の1つまたは複数の汎用コンピュータ上で実施されてもよく、コンポーネントは、専用アプリケーションとして、あるいは、ウェブベースアーキテクチャを含むクライアント−サーバアーキテクチャにおいて実施されてもよい。いずれのコンピュータも、プロセッサと、プログラムデータを保存および実行するメモリと、ディスクドライブ等の永久ストレージ、外部デバイスとの通信を処理するための通信ポートと、ディスプレイ、キーボード、マウス等を含むユーザーインターフェースデバイスとを含み得る。ソフトウェアモジュールが関与する場合には、これらのソフトウェアモジュールは、テープ、CD−ROM等の媒体上でプロセッサに対して実行可能なプログラム命令として保存されてもよく、この媒体は、コンピュータによる読み取り、メモリ内への保存、およびプロセッサによる実行が可能である。
【0148】
[00112]本発明の原理の理解を促すために、図面に示した好ましい実施形態を参照し、これらの実施形態を説明するために特定の用語を使用した。しかしながら、この特定の用語によって、本発明の範囲が限定されることは意図されておらず、本発明は、当業者であれば通常思い付くであろう全ての実施形態を包含すると解釈されるものである。
【0149】
[00113]本発明は、機能ブロックコンポーネントおよび様々な処理ステップに関して説明を行うことができる。このような機能ブロックは、指定された機能を行うように構成された任意数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントによって実現されてもよい。例えば本発明は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは他の制御デバイスの制御下で様々な機能を実行できる、例えばメモリ素子、処理要素、論理素子、ルックアップテーブル等の様々な集積回路コンポーネントを用いることができる。同様に、本発明の要素が、ソフトウェアプログラミングまたはソフトウェア要素を用いて実施される場合には、本発明は、データ構造、オブジェクト、プロセス、ルーチン、または他のプログラミング要素の任意の組み合わせで実施される様々なアルゴリズムを用いて、C、C++、Java、アセンブラ等の任意のプログラミングまたはスクリプト言語で実施されてもよい。さらに、本発明は、電子機器構成、信号処理および/または制御、データ処理等に関して、任意数の従来の技術を使用することができる。メカニズムという語は、幅広く用いられ、機械的または物理的実施形態に限定されず、プロセッサ等と連動したソフトウェアルーチンを含むことができる。
【0150】
[00114]本明細書に示され、説明された特定の実施形態は、本発明の例示であり、本発明の範囲を他の形で限定することは決して意図されていない。簡潔さを目的として、従来の電子機器、制御システム、ソフトウェア開発およびシステムの他の機能面(およびシステムの個々のオペレーティングコンポーネントの構成要素)は、詳細に説明されていない場合がある。さらに、提示した様々な図面に示された接続線またはコネクタは、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的または論理的結合を表すことを意図している。多くの代替または追加の機能的関係、物理的接続または論理的接続が、実際のデバイス内に存在し得ることに留意されたい。さらに、要素が「必須」または「重要(critical)」と明確に記載されていない限り、本発明の実施に必須のアイテムまたは構成要素は存在しない。
【0151】
[00115]本発明を説明する中で(特に以下の特許請求の範囲の関連で)、「a」、「an」および「the」の用語、および同様の指示語の使用は、単数および複数の両方を対象とすると解釈されるものである。さらに、本明細書における値の範囲の記述は、本明細書において他に指示のない限りは、単に、その範囲内の1つ1つの値を個別に参照することの省略方法として機能することを意図し、1つ1つの値は、あたかも本明細書において個々に記載されているかのように本明細書に包含される。最後に、本明細書に記載した全ての方法のステップは、本明細書に他に指示のない限り、あるいは、文脈によって明らかに矛盾しない限りは、任意の適切な順序で行うことができる。
【0152】
[00116]本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多数の修正および適合が当業者には容易に明らかとなるであろう。
【符号の説明】
【0153】
10 航空機照明システム
20 領域照明
30 航空機照明システム制御装置
40 乗務員制御パネル(ACP)
50 航空機コネクタインターフェース
60 インテリジェント照明モジュールグループ(または、ライン交換式ユニットLRU)
70 電源
80 フィルター
90 モジュールグループ制御装置
110 モジュール(マスターモジュール)
110’ スレーブモジュール
110’’ 終端モジュール/ノード
112 電源プラグアセンブリ
114 終端コネクタ
120 LEDグループ
130 LED/照明光源素子
150 モジュール通信ネットワーク(例えば、RS-485)
152 通信トークン回線
【図1AB】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式エリア照明システムを用いて車両内部の照明を行う方法であって、前記モジュール式エリア照明システムは、
システム制御装置と、
複数のインテリジェントライトモジュールグループであって、各々のグループが、
各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、
電源と、
a)前記照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含む複数のインテリジェントライトモジュールグループと、
を含み、
前記方法は、
固有のアドレスをそれぞれのモジュールグループに割り当てるために、前記モジュールグループの各々を初期化するステップと、
前記システム制御装置によって、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、前記コマンドは色および照明値に関連するステップと、
モジュールグループによって前記コマンドを受信し、前記照明光源の色および照明を前記関連する色に調整するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
モジュールグループ内のモジュールは、個々にアドレッシングが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モジュールグループの前記初期化ステップは、
前記システム制御装置によって第1のアドレスを第1のモジュールグループに割り当てるステップと、
既に自身のアドレスが割り当てられている(n−1)番目のモジュールグループによってn番目のアドレスをn番目のモジュールグループに割り当てるステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モジュールグループの前記インターフェースは、RS-485インターフェースであり、前記アドレスの割り当ては、RS-485のプロトコルを利用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記モジュールグループの前記インターフェースは、トークン回線をさらに含み、前記トークン回線は、RS-485のメッセージが特定のモジュールグループを対象とすることを示すために利用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
所定の1組のカラーポイントを生成するように前記照明光源を駆動させることに関連する情報を備えた1組のレコードを含むカラーポイントテーブルを各モジュールグループに設けるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記駆動に関連する情報は、前記照明光源に送信された電力信号のデューティサイクルの調整に関する情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
シーンをカラーポイントに関連付ける1組のレコードを含むシーンテーブルを各モジュールグループに設けるステップと、
前記システム制御装置から直接的または非直接的に各モジュールグループへと一貫したシーン情報を送信するステップと、
前記モジュールグループによって前記シーンデータを入力し、前記シーンテーブルから関連のカラーポイントを取得するステップと、
前記モジュールグループ制御装置を用いて前記照明光源を駆動させることによって、前記関連のカラーポイントを生成するステップと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記モジュールまたはモジュールグループに関連する照明光源較正データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記モジュールまたはモジュールグループにおいて測定された温度データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記モジュールまたはモジュールグループに関連する年数データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記モジュールまたはに関連する照明光源較正データ、温度データ、および年数データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
乗務員制御パネル上でシーンデータを手動で選択するステップと、
前記選択されたシーンデータを前記モジュールグループへと送信するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
タイミングまたは外部のイベント情報に基づいて、所定のスクリプトに従って、前記システム制御装置から前記モジュールグループへと直接的または非直接的に一連のシーンを自動的に送信するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
第1のシーンから第2のシーンへと段階的移行を提供するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のシーンから前記第2のシーンへの前記段階的移行は、連続的な一連のカラーポイントに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記照明システムは、複数の照明領域を含み、
各照明領域は、1つまたは複数のモジュールグループを含み、そして
第1の照明領域におけるシーンに関連する第1のカラーポイントは、第2の照明領域における前記シーンに関連する第2のカラーポイントとは異なる、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
モジュール式エリア照明システムであって、前記モジュール式エリア照明システムは、
システム制御装置と、
複数のインテリジェントライトモジュールグループであって、各々のグループが、
各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、
電源と、
a)前記照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含む複数のインテリジェントライトモジュールグループと、
前記システム制御装置の初期化モジュールであって、
それぞれのモジュールグループへの固有のアドレスの割り当てを開始するステップと、
直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、前記コマンドは色および照明値に関連するステップと、
を行うための前記システム制御装置の初期化モジュールと、
前記コマンドを受信し、前記照明光源の色および照明を前記関連する色に調整するステップを行うための前記モジュールグループ制御装置の初期化モジュールと、
を含むシステム。
【請求項19】
モジュールグループは、固有のアドレスを含む、請求項18に記載の照明システム。
【請求項20】
前記モジュールグループの前記インターフェースは、アドレッシング情報およびコマンドがそれによって提供されるデータ入力と、前記データ入力に関して存在する通信がそのモジュールグループを対象とすることを示すためのトークン入力との2つの入力を含む、請求項18に記載の照明システム。
【請求項21】
前記モジュールグループの前記データ入力は、RS-485インターフェースである、請求項20に記載の照明システム。
【請求項22】
各モジュールグループは、所定の1組のカラーポイントを生成するように前記照明光源を駆動させることに関連する情報を備えた1組のレコードを含むカラーポイントテーブルをさらに含む、請求項18に記載の照明システム。
【請求項23】
前記駆動に関連する情報は、前記電源によって前記照明光源へと送信された電力信号のデューティサイクルの調整に関する情報を含む、請求項22に記載の照明システム。
【請求項24】
各モジュールグループは、
シーンをカラーポイントに関連付ける1組のレコードを含むシーンテーブルと、
前記システム制御装置から直接的または非直接的に提供されたシーン情報を受信し、前記シーンテーブルから関連のカラーポイントを取得し、前記電源と一緒に、前記照明光源が前記関連のカラーポイントにあるように前記照明光源を駆動する前記モジュールグループ制御装置で実行されるアルゴリズムと、
をさらに含む、請求項22に記載の照明システム。
【請求項25】
各モジュールグループは、
以前の較正プロセスから得られた較正データテーブルと、
前記データテーブル内の較正データに基づいて、前記電源の駆動を調整するためのアルゴリズムと、
をさらに含む、請求項24に記載の照明システム。
照明光源較正データに基づいて、前記照明光源の駆動を補償するステップ。
【請求項26】
前記シーンテーブルは、
エンドユーザーが変更できない予めプログラムされたシーンを保存する第1の部分と、
エンドユーザーが変更可能な再プログラム可能なシーンを保存する第2の部分と、
を含む、請求項24に記載の照明システム。
【請求項27】
前記シーンテーブルのユーザーが変更可能な部分は、カラーポイントをシーンに割り当てるための前記システム制御装置内のアルゴリズムによって編集可能であり、前記システム制御装置に取り付けられた乗務員制御パネルを介してアクセス可能である、請求項24に記載の照明システム。
【請求項28】
モジュールグループは、電源投入がなされると、シーンメッセージを受信するために所定の期間待機し、前記所定の期間内にシーンメッセージを受信しなかった場合には、デフォルトの色および輝度を表示する、請求項18に記載の照明システム。
【請求項1】
モジュール式エリア照明システムを用いて車両内部の照明を行う方法であって、前記モジュール式エリア照明システムは、
システム制御装置と、
複数のインテリジェントライトモジュールグループであって、各々のグループが、
各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、
電源と、
a)前記照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含む複数のインテリジェントライトモジュールグループと、
を含み、
前記方法は、
固有のアドレスをそれぞれのモジュールグループに割り当てるために、前記モジュールグループの各々を初期化するステップと、
前記システム制御装置によって、直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、前記コマンドは色および照明値に関連するステップと、
モジュールグループによって前記コマンドを受信し、前記照明光源の色および照明を前記関連する色に調整するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
モジュールグループ内のモジュールは、個々にアドレッシングが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モジュールグループの前記初期化ステップは、
前記システム制御装置によって第1のアドレスを第1のモジュールグループに割り当てるステップと、
既に自身のアドレスが割り当てられている(n−1)番目のモジュールグループによってn番目のアドレスをn番目のモジュールグループに割り当てるステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記モジュールグループの前記インターフェースは、RS-485インターフェースであり、前記アドレスの割り当ては、RS-485のプロトコルを利用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記モジュールグループの前記インターフェースは、トークン回線をさらに含み、前記トークン回線は、RS-485のメッセージが特定のモジュールグループを対象とすることを示すために利用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
所定の1組のカラーポイントを生成するように前記照明光源を駆動させることに関連する情報を備えた1組のレコードを含むカラーポイントテーブルを各モジュールグループに設けるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記駆動に関連する情報は、前記照明光源に送信された電力信号のデューティサイクルの調整に関する情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
シーンをカラーポイントに関連付ける1組のレコードを含むシーンテーブルを各モジュールグループに設けるステップと、
前記システム制御装置から直接的または非直接的に各モジュールグループへと一貫したシーン情報を送信するステップと、
前記モジュールグループによって前記シーンデータを入力し、前記シーンテーブルから関連のカラーポイントを取得するステップと、
前記モジュールグループ制御装置を用いて前記照明光源を駆動させることによって、前記関連のカラーポイントを生成するステップと、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記モジュールまたはモジュールグループに関連する照明光源較正データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記モジュールまたはモジュールグループにおいて測定された温度データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記モジュールまたはモジュールグループに関連する年数データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記モジュールまたはに関連する照明光源較正データ、温度データ、および年数データに基づいて、前記照明光源の前記駆動を補償するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
乗務員制御パネル上でシーンデータを手動で選択するステップと、
前記選択されたシーンデータを前記モジュールグループへと送信するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
タイミングまたは外部のイベント情報に基づいて、所定のスクリプトに従って、前記システム制御装置から前記モジュールグループへと直接的または非直接的に一連のシーンを自動的に送信するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
第1のシーンから第2のシーンへと段階的移行を提供するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のシーンから前記第2のシーンへの前記段階的移行は、連続的な一連のカラーポイントに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記照明システムは、複数の照明領域を含み、
各照明領域は、1つまたは複数のモジュールグループを含み、そして
第1の照明領域におけるシーンに関連する第1のカラーポイントは、第2の照明領域における前記シーンに関連する第2のカラーポイントとは異なる、請求項6に記載の方法。
【請求項18】
モジュール式エリア照明システムであって、前記モジュール式エリア照明システムは、
システム制御装置と、
複数のインテリジェントライトモジュールグループであって、各々のグループが、
各々が複数の別個の照明光源を含む1つまたは複数のライトモジュールと、
電源と、
a)前記照明光源の照明レベルを制御する回路、およびb)情報を受信するためのインターフェースを含むインテリジェントモジュールグループ制御装置とを含む複数のインテリジェントライトモジュールグループと、
前記システム制御装置の初期化モジュールであって、
それぞれのモジュールグループへの固有のアドレスの割り当てを開始するステップと、
直接的または非直接的にコマンドを各モジュールグループに送信するステップであって、前記コマンドは色および照明値に関連するステップと、
を行うための前記システム制御装置の初期化モジュールと、
前記コマンドを受信し、前記照明光源の色および照明を前記関連する色に調整するステップを行うための前記モジュールグループ制御装置の初期化モジュールと、
を含むシステム。
【請求項19】
モジュールグループは、固有のアドレスを含む、請求項18に記載の照明システム。
【請求項20】
前記モジュールグループの前記インターフェースは、アドレッシング情報およびコマンドがそれによって提供されるデータ入力と、前記データ入力に関して存在する通信がそのモジュールグループを対象とすることを示すためのトークン入力との2つの入力を含む、請求項18に記載の照明システム。
【請求項21】
前記モジュールグループの前記データ入力は、RS-485インターフェースである、請求項20に記載の照明システム。
【請求項22】
各モジュールグループは、所定の1組のカラーポイントを生成するように前記照明光源を駆動させることに関連する情報を備えた1組のレコードを含むカラーポイントテーブルをさらに含む、請求項18に記載の照明システム。
【請求項23】
前記駆動に関連する情報は、前記電源によって前記照明光源へと送信された電力信号のデューティサイクルの調整に関する情報を含む、請求項22に記載の照明システム。
【請求項24】
各モジュールグループは、
シーンをカラーポイントに関連付ける1組のレコードを含むシーンテーブルと、
前記システム制御装置から直接的または非直接的に提供されたシーン情報を受信し、前記シーンテーブルから関連のカラーポイントを取得し、前記電源と一緒に、前記照明光源が前記関連のカラーポイントにあるように前記照明光源を駆動する前記モジュールグループ制御装置で実行されるアルゴリズムと、
をさらに含む、請求項22に記載の照明システム。
【請求項25】
各モジュールグループは、
以前の較正プロセスから得られた較正データテーブルと、
前記データテーブル内の較正データに基づいて、前記電源の駆動を調整するためのアルゴリズムと、
をさらに含む、請求項24に記載の照明システム。
照明光源較正データに基づいて、前記照明光源の駆動を補償するステップ。
【請求項26】
前記シーンテーブルは、
エンドユーザーが変更できない予めプログラムされたシーンを保存する第1の部分と、
エンドユーザーが変更可能な再プログラム可能なシーンを保存する第2の部分と、
を含む、請求項24に記載の照明システム。
【請求項27】
前記シーンテーブルのユーザーが変更可能な部分は、カラーポイントをシーンに割り当てるための前記システム制御装置内のアルゴリズムによって編集可能であり、前記システム制御装置に取り付けられた乗務員制御パネルを介してアクセス可能である、請求項24に記載の照明システム。
【請求項28】
モジュールグループは、電源投入がなされると、シーンメッセージを受信するために所定の期間待機し、前記所定の期間内にシーンメッセージを受信しなかった場合には、デフォルトの色および輝度を表示する、請求項18に記載の照明システム。
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−521171(P2013−521171A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555178(P2012−555178)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026209
【国際公開番号】WO2011/106623
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
2.BLUETOOTH
3.JAVA
【出願人】(500413696)ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026209
【国際公開番号】WO2011/106623
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
2.BLUETOOTH
3.JAVA
【出願人】(500413696)ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】
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