説明

船外機

【課題】変速ユニットを小型化すると共に、構造を簡単にでき、且つ、大減速を可能とする船外機を提供する。
【解決手段】エンジンの動力をプロペラに伝達する動力伝達機構25には、エンジンからの出力を変化させてプロペラに伝達させる変速用遊星歯車列35を備え、変速用遊星歯車列35は、変速用太陽歯車35a、変速用ダブル遊星歯車35b、変速用内歯歯車35cを備え、変速用太陽歯車35aが、エンジン側の入力側軸29aに第1クラッチ35eを介して接続されると共に、変速用太陽歯車35aがハウジング39に第2ワンウェイクラッチ35dを介して接続され、変速用ダブル遊星歯車35bが、エンジン側の入力側軸29aに第2クラッチ35gを介して接続されると共に、変速用ダブル遊星歯車35bがハウジング39に第1ワンウェイクラッチ35fを介して接続され、変速用内歯歯車35cがプロペラ側の出力側軸29bに接続された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンの動力をプロペラに伝達する動力伝達機構を有する船外機、特に、その動力伝達機構には、エンジンからの出力を変化させてプロペラに伝達させる変速構造を備えた船外機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものとしては、例えば特許文献1に記載されたようなものがある。この特許文献1には、エンジンの出力軸に第1のドライブシャフトが連結され、この第1のドライブシャフトに変速ユニットを介して第2のドライブシャフトが同軸上に配設され、この第2のドライブシャフトに伝達された回転力をプロペラシャフトに伝達する減速逆転機構が配設された船外機が開示されている。
【0003】
その変速ユニットは、第1乃至第2の遊星歯車列により構成すると共に、これら第1及び第2の遊星歯車列が、太陽歯車と複数の遊星歯車とこれらの各遊星歯車が噛合する内歯歯車とにより構成されている。
【0004】
その第1及び第2の遊星歯車列の各太陽歯車の回転中心軸を回転支軸にて連結し、両者を一体化すると共に、この回転支軸に外部からの操作が可能なブレーキ機構が併設され、その第1のドライブシャフトは、その回転力を前記第1の遊星歯車列の内歯歯車に伝達すると共に、これによって回転する当該第1の遊星歯車列の遊星歯車用アームの回転を第2のドライブシャフトに伝達する構成とし、第1の遊星歯車列の遊星歯車用アームと第2の遊星歯車列の内歯歯車とを一体化すると共に、第2の遊星歯車列の遊星歯車用アームの所定方向への回転を許容するワンウェイクラッチを装備する。
【0005】
これにより、ブレーキ機構が作動した場合に、第2のドライブシャフトに伝達される回転力の減速比が当該ブレーキ機構の作動前に比較して小さくなるように構成した旨開示されている。
【0006】
一方、船舶に搭載される船外機には、例えば特許文献2、特許文献3に開示されるように、前後に対向して配設された第1プロペラと第2プロペラとを備え、プロペラ2重反転機構により第1プロペラと第2プロペラとを互いに逆方向に回転するものがある。
【0007】
特許文献2および特許文献3では水中に排気するが、加速時には特許文献2ではプロペラ筒内から排気し、特許文献3ではプロペラ筒外から排気するようになっている。
【特許文献1】特許第2686517号公報
【特許文献2】特開平7−144695号公報
【特許文献3】特開平9−263294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来のものにあっては、変速ユニットが上下2段の第1及び第2の遊星歯車列を有しているため、構造が複雑であると共に、配設スペースの大型化を招く、という問題がある。
【0009】
また、一般的に比較的直径が大きく、ピッチの深いプロペラをゆっくり駆動させることがプロペラ効率上は好ましく最高速向上や航走燃費向上に繋がるが、ピッチを深くすることは加速時にはより大きなプロペラ駆動トルクが必要になり、ターボチャージャー等のような低速トルク向上策では、ピッチを深くするプロペラ高ピッチ化による航走性能向上の改善効果はあまり期待できない。
【0010】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、変速ユニットを小型化すると共に、構造を簡単にでき、且つ、大減速を可能とする船外機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの動力をプロペラに伝達する動力伝達機構を有する船外機において、前記動力伝達機構には、前記エンジンからの出力を変化させて前記プロペラに伝達させる変速用遊星歯車列を備え、前記変速用遊星歯車列は、変速用太陽歯車、変速用ダブル遊星歯車、変速用内歯歯車を備え、前記変速用ダブル遊星歯車の一方の変速用遊星歯車が前記変速用太陽歯車に噛み合い、他方の変速用遊星歯車が前記変速用内歯歯車に噛み合い、前記変速用太陽歯車が、前記エンジン側の入力側軸に第1クラッチを介して接続されると共に、該変速用太陽歯車が固定部に第2ワンウェイクラッチを介して接続され、前記変速用ダブル遊星歯車が、前記エンジン側の入力側軸に第2クラッチを介して接続されると共に、該変速用ダブル遊星歯車が固定部に第1ワンウェイクラッチを介して接続され、前記変速用内歯歯車が前記プロペラ側の出力側軸に接続され、前記第1クラッチが接続され、前記第2クラッチが切断されることにより、前記変速用ダブル遊星歯車が前記第1ワンウェイクラッチにて回転が拘束され、前記変速用太陽歯車が自転すると共に、前記変速用内歯歯車が、前記変速用ダブル遊星歯車の自転する各変速用遊星歯車を介して前記変速用太陽歯車と同方向に回転して前記プロペラ側の出力側軸側に第1の出力として供給され、前記第2クラッチが接続され、前記第1クラッチが切断されることにより、前記変速用太陽歯車が前記第2ワンウェイクラッチにて回転が拘束され、前記変速用ダブル遊星歯車が前記変速用太陽歯車の周囲を公転すると共に、前記変速用内歯歯車が前記変速用ダブル遊星歯車の公転方向と同方向に回転して前記プロペラ側の出力側軸側に第2の出力として供給され、
【0012】
前記第1クラッチ及び前記第2クラッチが接続されることにより、前記変速用太陽歯車、前記変速用ダブル遊星歯車、前記変速用内歯歯車が一体となって回転して前記入力側軸からの速度が等速で前記プロペラ側の出力側軸側に第3の出力として供給されるように構成した船外機としたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記変速用遊星歯車列の下側に、シフト切替用遊星歯車列が設けられ、該シフト切替用遊星歯車列は、シフト用太陽歯車、シフト用ダブル遊星歯車、シフト用内歯歯車を備え、前記シフト用ダブル遊星歯車が、前記変速用内歯歯車に接続され、前記シフト用太陽歯車が前記プロペラ側の出力側軸に接続され、前記シフト用内歯歯車が固定部に、後進・ニュートラル用クラッチを介して接続され、前記シフト用ダブル遊星歯車と前記シフト用内歯歯車とが前進用クラッチにより接続され、前記前進用クラッチが接続され、前記後進・ニュートラル用クラッチが切断されることにより、前記シフト用太陽歯車、前記シフト用ダブル遊星歯車及び前記シフト用内歯歯車が一体となって回転し、前記変速用遊星歯車列の前記変速用遊星歯車と、前記シフト用遊星歯車列の前記シフト用太陽歯車とが、同方向に同じ速度で回転して前進状態となり、前記前進クラッチ及び前記後進・ニュートラル用クラッチが切断されることにより、前記シフト用太陽歯車、前記シフト用ダブル遊星歯車及び前記シフト用内歯歯車がそれぞれ自由に回転し、前記変速用遊星歯車列の前記変速用内歯歯車から入力され、前記シフト用遊星歯車列の前記シフト用太陽歯車からの出力が零となって中立状態となり、前記前進クラッチが切断され、前記後進クラッチが接続されることにより、前記シフト用内歯歯車が固定状態となり、前記シフト用ダブル遊星歯車及び前記シフト用太陽歯車が回転し、前記変速用遊星歯車列の前記変速用内歯歯車と、前記シフト用遊星歯車列の前記シフト用太陽歯車とが、逆方向に回転して後進状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記出力側軸の周囲に筒状のウオータポンプ用動力軸が回転自在に配設され、該ウオータポンプ用動力軸が前記シフト用ダブル遊星歯車に接続され、該ウオータポンプ用動力軸にウオータポンプが駆動連結されたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記各クラッチは、多板クラッチであることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、エンジンの動力を第1プロペラと第2プロペラに伝達する動力伝達機構と、前記第1プロペラと前記第2プロペラを互いに逆方向に回転するプロペラ2重反転機構とを有し、前記動力伝達機構に、入力側と出力側の変速比を変化させる前記変速用遊星歯車列を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加え、前記プロペラ2重反転機構は、前記第1プロペラと前記第2プロペラをそれぞれ駆動するための2つの被駆動ギヤと、この2つの被駆動ギヤを同時に駆動するピニオンギヤとを有し、前記動力伝達機構の出力側軸を前記ピニオンギヤに結合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、エンジンの動力をプロペラに伝達する動力伝達機構には、エンジンからの出力を変化させてプロペラに伝達させる変速用遊星歯車列を備え、前記変速用遊星歯車列は、変速用太陽歯車、変速用ダブル遊星歯車、変速用内歯歯車を備え、前記変速用ダブル遊星歯車の一方の変速用遊星歯車が前記変速用太陽歯車に噛み合い、他方の変速用遊星歯車が前記変速用内歯歯車に噛み合い、前記変速用太陽歯車が、前記エンジン側の入力側軸に第1クラッチを介して接続されると共に、該変速用太陽歯車が固定部に第2ワンウェイクラッチを介して接続され、前記変速用ダブル遊星歯車が、前記エンジン側の入力側軸に第2クラッチを介して接続されると共に、該変速用ダブル遊星歯車が固定部に第1ワンウェイクラッチを介して接続され、前記変速用内歯歯車が前記プロペラ側の出力側軸に接続され、プロペラ側の出力側軸側に第1の出力、第2の出力、第3の出力として供給されるように構成したため、変速部分を小型化できると共に、構造を簡単にでき、且つ、大減速を可能にできる。
【0020】
また、変速用太陽歯車、変速用ダブル遊星歯車、変速用内歯歯車を備える変速用遊星歯車列にて変速操作を行うことができるようにしているため、変速中に動力を遮断したり歯車の噛み合いを変えないで変速でき、プロペラ駆動に対して動力が途切れることがないために、走行抵抗が陸上輸送車両に対して非常に大きい船舶の場合、加速途中でも容易に変速操作が可能となり、最適な変速タイミングを実現できる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、変速用遊星歯車列の下側に設けられ、シフト用太陽歯車、シフト用ダブル遊星歯車、シフト用内歯歯車を備えた一列のシフト用遊星歯車列を有し、シフト切替が行えるようになっているため、変速機構とシフト機をよりコンパクトに纏めることができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、出力側軸の周囲に筒状のウオータポンプ用動力軸が回転自在に配設され、このウオータポンプ用動力軸がシフト用ダブル遊星歯車に接続され、このウオータポンプ用動力軸にウオータポンプが駆動連結されているため、このウオータポンプ用動力軸は常に同方向に回転することから、ウオータポンプの機能を確保することができる。逆回転する場合には、通常、ポンプの機能を果たさない。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、各クラッチを多板クラッチとすることにより、構成を簡単にできる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、動力伝達機構に、エンジン回転速度に応じて入力側と出力側の変速比を変化させる変速用遊星歯車列を備え、特に低速時に大減速比を選択することで、十分な駆動トルク特性を得ることができ、そのプロペラ性能を最大限発揮させることで、発進加速性能及び逆制動停止性能を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0025】
また、一方で、プロペラ高効率を狙ってプロペラピッチを深くする手段をとっても、低速側では駆動トルクを大きく取れるため、加速性の低下を防止でき、合わせて高ピッチプロペラの効果で航走燃費や最高速の向上も同時に図ることができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、変速用遊星歯車列の出力側をピニオンギヤに結合したことで、ピニオンギヤと被駆動ギヤとの間で変速する必要がなくなり、ギヤ設計の自由度が向上してコンパクトな設計が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の船外機の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
図1乃至図12には、この発明の実施の形態を示す。
【0029】
まず、構成を説明すると、図1に示すように、船舶11の船体12には船尾板12aにクランプブラケット13が固定され、このクランプブラケット13にはスイベルブラケット14が上下方向に回動可能に取り付けられている。このスイベルブラケット14には船外機15が左右方向へ回動可能に取り付けられ、この船外機15にはプロペラ16が備えられている。
【0030】
この船外機15は、アッパカウル18、ボトムカウル19及びケーシング20を有している。このアッパカウル18及びボトムカウル19内にはエンジン21が配置されている。ケーシング20はアッパケース22及びロアケース23から構成され、アッパケース22の上部はエプロン24で覆われている。
【0031】
ケーシング20を構成するアッパケース22及びロアケース23の内部には、エンジン21の動力をプロペラ16へ伝達する動力伝達機構25が備えられている。
【0032】
その動力伝達機構25は、図2に示すように、ドライブ軸29を有し、このドライブ軸29はアッパケース22及びロアケース23の内部に上下方向に配置されている。このドライブ軸29には、途中に変速・シフト切替ユニット30が備えられ、この変速・シフト切替ユニット30は、エンジン回転速度やエンジン運転条件に応じて入力側と出力側の変速比を変化させると共に、前進,中立及び後進のシフト切替が行われるように構成されている。
【0033】
そのドライブ軸29の入力側軸29a,出力側軸29bがクランク軸32と同一軸上に設けられている。その入力側軸29aにエンジン21の動力がクランク軸32を介して伝達されるようになっていると共に、変速・シフト切替ユニット30からの出力が出力側軸29bを介してプロペラ16に伝達されるように構成されている。
【0034】
この変速・シフト切替ユニット30は、変速を行う変速用遊星歯車列35と、この変速用遊星歯車列35の下側に設けられ、シフト切替を行うシフト切替用遊星歯車列36とが設けられており、このシフト切替用遊星歯車列36が設けられたことにより、従来から設けられているシフトロッド,シフトカム,偏心ピン,ドッグクラッチ及び一方の被駆動ギヤが廃止されている。
【0035】
その変速・シフト切替ユニット30の変速用遊星歯車列35は、図3乃至図6に示すように、ハウジング39内に、変速用太陽歯車35a、変速用ダブル遊星歯車35b、変速用内歯歯車35c等を備えている。
【0036】
その変速用ダブル遊星歯車35bは、図4に示すように、互いに噛み合う複数対の第1,第2変速用遊星歯車35b1,35b2がキャリア35nで連結され、その第1変速用遊星歯車35b1は変速用太陽歯車35aに噛み合い、又、第2変速用遊星歯車35b2は変速用内歯歯車35cに噛み合っている。
【0037】
その変速用太陽歯車35aは、「固定部」であるハウジング39に第2ワンウェイクラッチ35dを介して接続され、一方向への回動が許容され、他方向への回動が規制されるようになっている。また、この変速用太陽歯車35aは、第1クラッチ35eを介して、入力側軸29aに接続されている。
【0038】
さらに、変速用ダブル遊星歯車35bが「固定部」であるハウジング39に第1ワンウェイクラッチ35fを介して接続され、一方向への回動が許容され、他方向への回動が規制されるようになっている。また、この変速用ダブル遊星歯車35bは、第2クラッチ35gを介して入力側軸29aに接続されている。
【0039】
それら第2クラッチ35g及び第1クラッチ35eは、図3に示すように、それぞれ「多板クラッチ」であり、接続又は切断されるように構成されている。
【0040】
これら第2クラッチ35g及び第1クラッチ35eは、それぞれピストン35h1,35h2が油圧によりスプリング35i1,35i2の付勢力に抗して押し下げられることにより、クラッチ板35j1,35j2同士が互いに圧接されて接続されるようになっている。
【0041】
それらのピストン35h1,35h2には、入力側軸29aに設けられた図示省略のオイルポンプの駆動により、制御弁を介して油圧が作用するように構成されている。この制御弁は、図示してないECU(エンジンコントロールユニット)により所定時に開閉するように制御され、変速用遊星歯車列35及び各クラッチ35g等により、1速、2速及び3速の変速制御が行われるようになっている。なお、具体的な変速制御の説明は後述する。
【0042】
一方、そのシフト切替用遊星歯車列36は、図3乃至図6等に示すように、シフト切替用太陽歯車36a、シフト切替用ダブル遊星歯車36b及びシフト切替用内歯歯車36cを有し、シフト切替用ダブル遊星歯車36bは第1シフト切替用遊星歯車36b1及び第2シフト切替用遊星歯車36b2を有し、これら第1シフト切替用遊星歯車36b1及び第2シフト切替用遊星歯車36b2同士は互いに噛み合うと共に、その第1シフト切替用遊星歯車36b1はシフト切替用太陽歯車36aに、又、第2シフト切替用遊星歯車36b2はシフト切替用内歯歯車36cにそれぞれ噛み合うようになっている。
【0043】
そして、このシフト切替用遊星歯車列36は、図3乃至図6に示すように、シフト切替用ダブル遊星歯車36bが前記変速用内歯歯車35cに接続されている。また、このシフト切替用ダブル遊星歯車36bがシフト切替用内歯歯車36cに前進用クラッチ36dを介して接続され、このシフト切替用内歯歯車36cが後進・ニュートラル用クラッチ36eを介して接続されている。
【0044】
その両クラッチ36d,36eには、図3に示すように、それぞれピストン36f1,36f2が配設され、これら各ピストン36f1,36f2に、図示省略のオイルポンプから制御弁を介して油圧が作用するように構成されている。この制御弁は図示省略のECUに接続されて制御されるようになっている。また、そのピストン36f1はスプリング36jにより付勢されて配設されている。
【0045】
さらに、ピストン36f2に油圧が作用して、後進・ニュートラル用クラッチ36eのクラッチ板36g2同士が圧接されることにより、シフト切替用内歯歯車36cがハウジング39に固定されるようになっていると共に、ピストン36f1に油圧が作用して、前進用クラッチ36dのクラッチ板36g1同士が圧接されることにより、シフト切替用内歯歯車36cとシフト切替用ダブル遊星歯車36bとが固定されるようになっている。油圧が作用しないときには、各クラッチ36d,36eのクラッチ板36g1,36g2同士が圧接されることなく、シフト切替用内歯歯車36c等、それぞれが自由に回動するように構成されている。
【0046】
さらにまた、シフト切替用太陽歯車36aには、下方に延びる出力側軸29bが設けられ、この出力側軸29bの周囲に、筒状のウオータポンプ用動力軸36hが設けられ、このウオータポンプ用動力軸36hがシフト切替用遊星歯車36bに接続されている。
【0047】
そして、このウオータポンプ用動力軸36hの下端部に、ウオータポンプ36iが接続され、エンジン12に冷却水を供給するようにしている。このウオータポンプ36iは、ウオータポンプ用動力軸36hの同軸上に配設する場合や、ウオータポンプ用動力軸36hにギヤ等を介して連結される場合がある。
【0048】
また、その出力側軸29bの下端部には、図2に示すように、ピニオンギヤ41が出力側軸29bに一体回転可能に設けられ、このピニオンギヤ41がプロペラ16を駆動するための被駆動ギヤ42に噛み合っている。これらピニオンギヤ41,被駆動ギヤ42には、それぞれベベルギヤが用いられ、互いに噛み合っている。これにより、ピニオンギヤ41、被駆動ギヤ42、プロペラ軸43及びプロペラ16の順で、動力が伝達されるようになっている。
【0049】
次に、船外機15の変速及びシフト動作について説明する。
【0050】
エンジン21が駆動されると、このエンジン21の動力はクランク軸32からドライブ軸29の入力側軸29aに伝達され、変速・シフト切替ユニット30で変速又はシフト切替えされて出力側軸29が任意の方向に、任意の速度で回転駆動され、この出力側軸29の回転はピニオンギヤ41を介して被駆動ギヤ42に伝達されて回転駆動されることにより、プロペラ16がプロペラ軸43を介して任意の方向に、任意の速度で回転駆動される。
【0051】
ここで、まず、変速動作について説明する。
[1速の場合]
【0052】
制御弁がECUにて制御されて、図7に示すように、その第1クラッチ35eが接続されると、入力側軸29aからの駆動力が変速用太陽歯車35aに伝達され、この変速用太陽歯車35aは図7(a)中矢印f方向に回転する一方、変速用ダブル遊星歯車35bは、第1ワンウェイクラッチ35fにより、破線の矢印g方向には、回転が規制されているため、各第1,第2変速用遊星歯車35b1,35b2がそれぞれ矢印h,i方向に回転し、変速用内歯歯車35cがj方向に回転する。
【0053】
この変速用内歯歯車35cの回転が、シフト切替用遊星歯車列36に伝達される。
[2速の場合]
【0054】
制御弁がECUにて制御されて、図8に示すように、その第2クラッチ35gが接続されると、入力側軸29aからの駆動力が変速用ダブル遊星歯車35bに伝達され、この変速用ダブル遊星歯車35bは図8(a)中矢印a方向に回転する一方、変速用太陽歯車35aが破線の矢印b方向には、第2ワンウェイクラッチ35dにより、回転が規制されているため、変速用太陽歯車35aは回転せず、各第1,第2変速用遊星歯車35b1,35b2がそれぞれ矢印c,d方向に自転しながら矢印a方向に移動し、これにより、入力側軸29aの回転より減速させられて、変速用内歯歯車35cが矢印e方向に回転する。
【0055】
この変速用内歯歯車35cの回転が、シフト切替用遊星歯車列36に伝達される。
[3速の場合]
【0056】
制御弁がECUにて制御されて、図9に示すように、第2クラッチ35g及び第1クラッチ35eがそれぞれ接続されると、変速用遊星歯車列35は、全体が一体となって矢印k方向に回転し、その変速用内歯歯車35cの回転が、シフト切替用遊星歯車列36に伝達される。
【0057】
かかる場合には、λ(変速用太陽歯車35a/変速用内歯歯車35cの歯数比)=0.42の時、1速のGR(減速比)=2.38、2速のGR(減速比)=1.72、3速のGR=1となり、大きな減速比が得られる。
【0058】
なお、ここでは、図7に示すように、第1クラッチ35e及び第1ワンウェイクラッチ35fを接続して1速用としている場合の減速比の方が、図8に示すように、第2クラッチ35g及び第2ワンウェイクラッチ35dを接続して2速用としている場合の減速比より大きいが、これに限らず、各歯車の歯数比等を変えることにより減速比を、後者の方を大きくすることもできる。
【0059】
次いで、シフト動作について説明する。
[前進時]
【0060】
シフト切替用遊星歯車列36は、前進時には、制御弁がECUにて制御されて、図10に示すように、後進・ニュートラル用クラッチ36eが切断状態で、前進用クラッチ36dが接続状態とされると、シフト切替用内歯歯車36c、シフト切替用ダブル遊星歯車36b及びシフト切替用太陽歯車36aが一体となって図10(a)中矢印m方向に回転して、変速用遊星歯車列35側と同回転で回転して前進する。
[中立時]
【0061】
中立時には、制御弁がECUにて制御されて、図11に示すように、前進用クラッチ36d及び後進・ニュートラル用クラッチ36eがそれぞれ切断状態とされると、シフト切替用内歯歯車36c、第1,第2シフト切替用遊星歯車36b1,36b2及びシフト切替用太陽歯車36aがそれぞれ自由に回転するため、変速用遊星歯車列35側からシフト切替用ダブル遊星歯車36b側に回転力が入力したとしても、出力側軸29bへは出力は伝達されず、中立状態となる。
[後進時]
【0062】
後進時には、制御弁がECUにて制御されて、図12に示すように、後進・ニュートラル用クラッチ36eが接続状態で、前進用クラッチ36dが切断状態となると、シフト切替用内歯歯車36cがハウジング39に固定され、変速用遊星歯車列35側からシフト切替用ダブル遊星歯車36b側に回転力が入力した場合には、このシフト切替用ダブル遊星歯車36bの第1,第2シフト切替用遊星歯車36b1,36b2は互いに、シフト切替用内歯歯車36c内を図12(a)中矢印o方向に移動しながら、互いに逆方向(矢印p、q方向)に回転し、シフト切替用太陽歯車36aの回転方向(図中矢印r方向)は、シフト切替用ダブル遊星歯車36bの回転方向(図中矢印o方向)に対して逆方向に回転して後進する。
【0063】
また、ウオータポンプ用動力軸36hは、シフト切替用ダブル遊星歯車36bに取り付けられ、常に同方向に回転するため、このウオータポンプ用動力軸36hに設けられたウオータポンプ36iは常に同方向に回転することから、ウオータポンプ36iの機能を常時確保することができる。ちなみに、かかるウオータポンプ36iは、一方向に回転している場合は、ポンプとしての機能を発揮するが、逆方向に回転するとポンプとしての機能を発揮しなくなるものである。
【0064】
このようなものにあっては、変速用ダブル遊星歯車35bを有する変速用遊星歯車列35に各種クラッチ35d…を組み合わせることにより、一段の変速用遊星歯車列35にて1速、2速、3速の3段変速ができるため、小型で、且つ、大減速の変速を行うことができ、容量の大きなプロペラ16を効率よく回転することにより、加速及び燃費を向上させることができる。
【0065】
また、変速用太陽歯車35a、変速用ダブル遊星歯車35b、変速用内歯歯車35cを有する一列の変速用遊星歯車列35とすることで、変速中に動力を遮断したり歯車の噛み合いを変えないで変速でき、プロペラ駆動に対して動力が途切れることがないために、走行抵抗が陸上輸送車両に対して非常に大きい船舶の場合、加速途中でも容易に変速操作が可能となり、最適な変速タイミングを実現できる。
【0066】
さらに、特に低速時に高変速比を選択することで、十分な駆動トルク特性を得ることができ、そのプロペラ性能を最大限発揮させることで、発進加速性能及び逆制動停止性能を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0067】
さらにまた、一方で、プロペラ高効率を狙ってプロペラピッチを深くする手段をとっても、低速側では駆動トルクを大きく取れるため、加速性の低下を防止でき、合わせて高ピッチプロペラの効果で航走燃費や最高速の向上も同時に図ることができる。
【0068】
また、上側に変速用遊星歯車列35を、下側にシフト切替用遊星歯車列36が配設されているため、よりコンパクトに配設することができ、ドッグクラッチ及びこのドッグクラッチを駆動させる機構等が必要ないと共に、一対ではなく一つの被駆動ギヤ42を配設すれば良く、構造を極めて簡単にできる。
【0069】
なお、ここでは、変速用遊星歯車列35の下側に、シフト切替用遊星歯車列36を配置しているが、これに限らず、シフト切替用遊星歯車列36を用いず、シフト切替は従来のドッグクラッチを用いたものを使用することもできる。
[発明の実施の形態2]
【0070】
図13には、この発明の実施の形態2を示す。この図は、船外機15の下部側の構造を示すものであり、この上側の構造は、実施の形態1と同様で、変速用遊星歯車列35及びシフト切替用遊星歯車列36を有している。
【0071】
この実施の形態2は、実施の形態1と比較すると、一対の互いに反対方向に回動するプロペラ16,17が設けられている点で、実施の形態1と異なっている。
【0072】
この実施の形態2は、前方の被駆動ギヤ47が第1プロペラ軸48に、一体となって回転するように接続され、この第1プロペラ軸48が第2プロペラ46まで延長されて、この第2プロペラ46が第1プロペラ軸48に接続されている。また、後方の被駆動ギヤ50が第2プロペラ軸49に、一体となって回転するように接続され、この第2プロペラ軸49が第1プロペラ45まで延長されて、この第1プロペラ45が第2プロペラ軸49に接続されている。
【0073】
それら両被駆動ギヤ47,50に、出力側軸29bの下端部に取り付けられたピニオンギヤ41が同時に噛合し、このピニオンギヤ41が所定方向に回転することにより、両被駆動ギヤ47,50が互いに逆方向に回転し、第1,第2プロペラ45,46が互いに逆方向に回転するようになっている。
【0074】
かかる構造のものにおいては、変速用遊星歯車列35を制御することにより、各プロペラ45,46は互いに異なった方向に、異なった3段階の速度で回転させることができると共に、シフト切替用遊星歯車列36を制御することにより、各第1,第2プロペラ45,46を前進状態、中立状態、後進状態にシフト切替えさせることができる。
【0075】
このようなものにあっては、ピニオンギヤ41と両被駆動ギヤ47,50とは常時噛み合っているため、変速中に動力を遮断したり歯車の噛み合いを変えないで変速でき、プロペラ駆動に対して動力が途切れることがないために、走行抵抗が陸上輸送車両に対して非常に大きい船舶の場合、加速途中でも容易に変速操作が可能となり、最適な変速タイミングを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる船舶に備えた船外機の側面図である。
【図2】同実施の形態1にかかる船外機の断面図である。
【図3】同実施の形態1にかかる動力伝達機構を示す断面図である。
【図4】同実施の形態1にかかる動力伝達機構の変速用遊星歯車列の概略平面図である。
【図5】同実施の形態1にかかるワンウェイクラッチを示す概略図である。
【図6】同実施の形態1にかかる動力伝達機構を示す概略図である。
【図7】同実施の形態1にかかる動力伝達機構の変速用遊星歯車列の1速の場合を示す説明図である。
【図8】同実施の形態1にかかる動力伝達機構の変速用遊星歯車列の2速の場合を示す説明図である。
【図9】同実施の形態1にかかる動力伝達機構の変速用遊星歯車列の3速の場合を示す説明図である。
【図10】同実施の形態1にかかる動力伝達機構のシフト切替用遊星歯車列の前進状態を示す説明図である。
【図11】同実施の形態1にかかる動力伝達機構のシフト切替用遊星歯車列の中立状態を示す説明図である。
【図12】同実施の形態1にかかる動力伝達機構のシフト切替用遊星歯車列の後進状態を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態2にかかる船外機の下部側を示す断面図である。
【符号の説明】
【0077】
15 船外機
16 プロペラ
25 動力伝達機構
29 ドライブ軸
29a 入力側軸
29b 出力側軸
30 変速・シフト切替ユニット
32 クランク軸
35 変速用遊星歯車列
35a 変速用太陽歯車
35b 変速用ダブル遊星歯車
35b1 第1変速用遊星歯車
35b2 第2変速用遊星歯車
35c 変速用内歯歯車
35d 第2ワンウェイクラッチ
35e 第1クラッチ
35f 第1ワンウェイクラッチ
35g 第2クラッチ
36 シフト切替用遊星歯車列
36a シフト切替用太陽歯車
36b シフト切替用ダブル遊星歯車
36b1 第1シフト切替用遊星歯車
36b2 第2シフト切替用遊星歯車
36c シフト切替用内歯歯車
36d 前進用クラッチ
36e 後進・ニュートラル用クラッチ
36h ウオータポンプ用動力軸
36i ウオータポンプ
39 ハウジング(固定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの動力をプロペラに伝達する動力伝達機構を有する船外機において、
前記動力伝達機構には、前記エンジンからの出力を変化させて前記プロペラに伝達させる変速用遊星歯車列を備え、
前記変速用遊星歯車列は、変速用太陽歯車、変速用ダブル遊星歯車、変速用内歯歯車を備え、前記変速用ダブル遊星歯車の一方の変速用遊星歯車が前記変速用太陽歯車に噛み合い、他方の変速用遊星歯車が前記変速用内歯歯車に噛み合い、
前記変速用太陽歯車が、前記エンジン側の入力側軸に第1クラッチを介して接続されると共に、該変速用太陽歯車が固定部に第2ワンウェイクラッチを介して接続され、
前記変速用ダブル遊星歯車が、前記エンジン側の入力側軸に第2クラッチを介して接続されると共に、該変速用ダブル遊星歯車が固定部に第1ワンウェイクラッチを介して接続され、
前記変速用内歯歯車が前記プロペラ側の出力側軸に接続され、
前記第1クラッチが接続され、前記第2クラッチが切断されることにより、前記変速用ダブル遊星歯車が前記第1ワンウェイクラッチにて回転が拘束され、前記変速用太陽歯車が自転すると共に、前記変速用内歯歯車が、前記変速用ダブル遊星歯車の自転する各変速用遊星歯車を介して前記変速用太陽歯車と同方向に回転して前記プロペラ側の出力側軸側に第1の出力として供給され、
前記第2クラッチが接続され、前記第1クラッチが切断されることにより、前記変速用太陽歯車が前記第2ワンウェイクラッチにて回転が拘束され、前記変速用ダブル遊星歯車が前記変速用太陽歯車の周囲を公転すると共に、前記変速用内歯歯車が前記変速用ダブル遊星歯車の公転方向と同方向に回転して前記プロペラ側の出力側軸側に第2の出力として供給され、
前記第1クラッチ及び前記第2クラッチが接続されることにより、前記変速用太陽歯車、前記変速用ダブル遊星歯車、前記変速用内歯歯車が一体となって回転して前記入力側軸からの速度が等速で前記プロペラ側の出力側軸側に第3の出力として供給されるように構成したことを特徴とする船外機。
【請求項2】
前記変速用遊星歯車列の下側に、シフト切替用遊星歯車列が設けられ、該シフト切替用遊星歯車列は、シフト用太陽歯車、シフト用ダブル遊星歯車、シフト用内歯歯車を備え、前記シフト用ダブル遊星歯車が、前記変速用内歯歯車に接続され、前記シフト用太陽歯車が前記プロペラ側の出力側軸に接続され、
前記シフト用内歯歯車が固定部に、後進・ニュートラル用クラッチを介して接続され、前記シフト用ダブル遊星歯車と前記シフト用内歯歯車とが前進用クラッチにより接続され、
前記前進用クラッチが接続され、前記後進・ニュートラル用クラッチが切断されることにより、前記シフト用太陽歯車、前記シフト用ダブル遊星歯車及び前記シフト用内歯歯車が一体となって回転し、前記変速用遊星歯車列の前記変速用遊星歯車と、前記シフト用遊星歯車列の前記シフト用太陽歯車とが、同方向に同じ速度で回転して前進状態となり、
前記前進クラッチ及び前記後進・ニュートラル用クラッチが切断されることにより、前記シフト用太陽歯車、前記シフト用ダブル遊星歯車及び前記シフト用内歯歯車がそれぞれ自由に回転し、前記変速用遊星歯車列の前記変速用内歯歯車から入力され、前記シフト用遊星歯車列の前記シフト用太陽歯車からの出力が零となって中立状態となり、
前記前進クラッチが切断され、前記後進クラッチが接続されることにより、前記シフト用内歯歯車が固定状態となり、前記シフト用ダブル遊星歯車及び前記シフト用太陽歯車が回転し、前記変速用遊星歯車列の前記変速用内歯歯車と、前記シフト用遊星歯車列の前記シフト用太陽歯車とが、逆方向に回転して後進状態となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
前記出力側軸の周囲に筒状のウオータポンプ用動力軸が回転自在に配設され、該ウオータポンプ用動力軸が前記シフト用ダブル遊星歯車に接続され、該ウオータポンプ用動力軸にウオータポンプが駆動連結されたことを特徴とする請求項2に記載の船外機。
【請求項4】
前記各クラッチは、多板クラッチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の船外機。
【請求項5】
エンジンの動力を第1プロペラと第2プロペラに伝達する動力伝達機構と、前記第1プロペラと前記第2プロペラを互いに逆方向に回転するプロペラ2重反転機構とを有し、
前記動力伝達機構に、入力側と出力側の変速比を変化させる前記変速用遊星歯車列を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の船外機。
【請求項6】
前記プロペラ2重反転機構は、前記第1プロペラと前記第2プロペラをそれぞれ駆動するための2つの被駆動ギヤと、この2つの被駆動ギヤを同時に駆動するピニオンギヤとを有し、
前記動力伝達機構の出力側軸を前記ピニオンギヤに結合したことを特徴とする請求項5に記載の船外機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−223934(P2008−223934A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64919(P2007−64919)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000176213)ヤマハマリン株式会社 (256)
【Fターム(参考)】