説明

荷物配送支援システムおよび荷物配送方法

【課題】 配送車両のドライバーが配達先の地理や配達先の詳細およびその周辺の状況に詳しくない場合でも、荷物を配達指定時刻に正確に届けることができるようにする。
【解決手段】 配送拠点のセンターに置かれた配送管理装置(0001)と配送車両に搭載されるPDA等の配送用端末(0002)とを備えた配送支援システムであって、配達先の詳細情報を含む配達先情報および地図データに基づいて荷物の配送計画を作成するステップと、前記配送計画情報を配送管理装置から配送用端末へ送信するステップと、配送用端末で前記配送計画情報に基づく配達先位置および配送経路並びに自車位置が示された案内地図を表示するステップと、配送中に配達先の詳細情報を表示するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送業者において、荷物を効率的に宅配等するための荷物配送支援システムおよび荷物配送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、貨物自動車を用いた物流の活発化に伴って種々の配送支援方法が開発されている。
【0003】
例えば、配送管理のための装置において、道路網データ上で複数地点を指定し、それらの位置データと、互いに接続関係にある地点間の距離データを含む経路データを作成し、この作成された経路データに基づいて複数の経路を探索し、最終的に最短距離または最短時間の経路を決定するようにした配送支援方法が知られている。
【0004】
また、地図データ、店舗と工場の位置データ、各店舗からの注文量等や配送元での配送計画に必要な各種データを記憶しておき、配送範囲を予め網目状に分割し、この網目状の配送範囲において、配送先の店舗等の位置を順次特定して、最終的に最適配送ルートを算出・決定するようにした配送支援方法も知られている。
【0005】
更に、基点(集配センター)からの相対的な距離と基点と特定点とを結ぶ基線からの相対的な角度で表示される配送先等の情報を予め記憶装置に格納しておいた上、受注情報と当該配送先等の情報に基づいて、配送総重量等を算出し、該配送総重量等の情報と必要車両台数等に基づいて配送コース角度等を算出し、かかる配送コース角度等に基づいた配送コース上で配送先への最短距離経路を決定するようにした配車支援方法も知られている。
【0006】
そして、全体的なシステム構成としては、配送拠点のセンターに置かれた配送管理用コンピューターで作成された配送計画データを配送貨物自動車に搭載したカーナビゲーション装置へ転送して該ナビゲーション装置の案内に従って配送するものや、汎用のオペレーティングシステムが搭載されたカーナビゲーション装置で、そのICメモリに配送先データを取り込ませ、最適ルートが決定された後、これに基づいて配送案内を行うものが知られている。
【特許文献1】特開平6−273181号公報
【特許文献2】特開平9−305669号公報
【特許文献3】特開平10−134300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したいずれの配送支援方法も、複数の荷物を順次効率的に配送して行くためのものであるが、実際に前述した配送支援方法を用いて予定された配達指定時刻に荷物を正確に届けるには、配送貨物自動車のドライバーが配送ルートの地理に詳しく、且つ配達先やその周辺の状況等を知っていることが要求される。そのため、配送業務の割り当ての都合で前述したような配送ルートにおける地理や配達先の周辺状況等をよく知らないドライバーが配送を行った場合、配達予定時刻から大幅に遅れるおそれがあった。
【0008】
そして、例えば近年、需要が増えている高級食材配送等の夜間配送では、配達先の防犯面から指定時刻に正確に配達する必要性が高いため、前述した配達時刻の遅れが問題となっている。
【0009】
本発明の目的は、配送貨物自動車のドライバーが配達ルートの地理や配達先およびその周辺の状況を熟知していなくても、配達予定時刻に正確に配達することができる荷物配送方法および荷物配送支援システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明は、配送管理装置で、配達先の詳細情報を含む配達先情報および地図データに基づいて荷物の配送計画を作成するステップと、前記配送計画情報を配送管理装置から配送用端末へ送信するステップと、配送用端末で前記配送計画情報に基づく配達先位置および配送経路並びに自車位置が示された案内地図を表示するステップと、配送中に配達先の詳細情報を表示するステップとを有する荷物配送方法に関するものである。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の荷物配送方法について、配送管理装置における配送計画の作成が配達先情報に加えて配達指定時刻に基づいて作成されることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の本発明は、前記請求項1または請求項2記載の荷物配送方法について、配送管理装置で配送計画にある配達先が一覧表示された配送リストを作成するステップを更に有し、配送計画情報が前記配送リスト情報をも含むものであり、配送用端末では前記配送リスト情報を表示するステップを更に有することを特徴とするものである。
【0013】
請求項4記載の本発明は、前記請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法について、配送用端末での案内地図を表示するステップで案内地図表示と共に音声案内を行うことを特徴とするものである。
【0014】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法について、配達先情報における詳細情報が配達先の基本情報に付加されたものであり、配送管理装置で、配達先の基本情報に詳細情報を付加するステップを更に有し、配送用端末で、配達先の詳細情報が配達先到着時に表示されることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法について、配達先の基本情報が、少なくとも配達先の名前、住所、電話番号、住所位置に対応する緯度および経度および荷物数或いは更に配達指定時刻を含むものであり、配達先の詳細情報が、少なくとも配達先の建物の種別、建物への進入方法、荷物の届け方法を含むものであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法について、配送管理装置で、配達先情報或いは更に配達指定時刻を入力するステップと、入力した配達先情報を記憶するステップとを更に有することを特徴とするものである。
【0017】
請求項8記載の本発明は、前記請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法について、配送用端末で、配送状況を入力するステップと、配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配達実績を記憶するステップと、配送実績を配送用端末から配送管理装置へ送信するステップとを更に有し、配送管理装置で、配送用端末から受信した配達実績を記憶しておくステップを更に有することを特徴とするものである。
【0018】
請求項9記載の本発明は、配送管理装置で作成された配送計画情報が、配達先の名前、住所、電話番号、住所位置に対応する緯度および経度、配送種別、荷物数、配達先の建物の種別、建物への進入方法および荷物の届け方法、或いは更に配達指定時刻をインターフェース項目として、配送用端末で配送案内が行われることを特徴とする荷物配送方法に関するものである。
【0019】
請求項10記載の本発明は、配送拠点に置かれた配送管理装置と、配送車両に搭載される配送用端末とを備えた配送支援システムであって、配送管理装置は、配達先に関する詳細情報を含む配達先情報を入力する配達先情報入力部と、入力された配達先情報を記憶する配達先情報記憶部と、配送計画の作成に必要な道路網を含む地図データが記憶された地図データ記憶部と、前記配達先情報と地図データに基づいて配送計画を作成する配送計画作成部と、作成された配送計画を記憶しておく配送計画記憶部とを有し、配送用端末は、前記配送計画を記憶しておく配送計画記憶部と、配送案内に必要な地図データが記憶された案内地図データ記憶部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、自車位置、配達先および配達先への経路を含む案内地図を表示する案内表示部と、配達先情報を表示する配達先情報表示部とを有する配送支援システムに関するものである。
【0020】
請求項11記載の本発明は、前記請求項10記載の配送支援システムについて、配送管理装置の配送計画作成部が、配達先までの距離と配送車両の予定速度とから配達先への到着予定時刻をも算出するものであり、配送計画には各配送先についてそれらの到着予定時刻が含まれていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項12記載の本発明は、前記請求項10または請求項11記載の配送支援システムについて、配送管理装置が、実際の配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配送実績を記憶しておく配送実績記憶部を更に有し、配送用端末が、実際の配送状況を入力する配送状況入力部と、入力された配送状況および実際に配達先へ到着した時刻を記憶しておく配送実績記憶部とを更に有するものである。
【0022】
請求項13記載の本発明は、前記請求項10〜請求項12のうちのいずれか一項記載の配送支援システムについて、配送管理装置が、配送計画にある配達先のリストを作成する配送リスト作成部を更に有し、配送用端末が、前記配送リストを表示する配送リスト表示部を更に有することを特徴とするものである。
【0023】
請求項14記載の本発明は、前記請求項10〜請求項13のうちのいずれか一項記載の配送支援システムについて、配送用端末が、配送経路の案内表示と共に音声案内を行う音声案内出力部を更に有するものである。
【0024】
請求項15記載の本発明は、前記請求項10〜請求項14のうちのいずれか一項記載の配送支援システムについて、配送用端末が、メニュー表示された操作を選択指示する操作指示部と、荷物の未着情報を入力する未着情報入力部とを更に有するものである。
【0025】
請求項16記載の本発明は、配達先に関する詳細情報を含む配達先情報を入力する配達先情報入力部と、入力された配達先情報を記憶する配達先情報記憶部と、配送計画の作成に必要な道路網を含む地図データが記憶された地図データ記憶部と、前記配達先情報と地図データに基づいて配送計画を作成する配送計画作成部と、作成された配送計画を記憶しておく配送計画記憶部とを有する配送管理装置に関するものである。
【0026】
請求項17記載の本発明は、前記請求項16記載の配送管理装置について、配送管理装置の配送計画作成部が、配達先までの距離と配送車両の速度とから配達先への到着予定時刻をも算出するものであり、配送計画には各配送先についてそれらの到着予定時刻が含まれていることを特徴とするものである。
【0027】
請求項18記載の本発明は、前記請求項16または請求項17記載の配送管理装置について、配送管理装置が、配送計画にある配達先のリストを作成する配送リスト作成部と、実際の配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配送実績を記憶しておく配送実績記憶部を更に有することを特徴とするものである。
【0028】
請求項19記載の本発明は、配送計画を記憶しておく配送計画記憶部と、配送案内に必要な地図データが記憶された案内地図データ記憶部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、自車位置、配達先および配達先への経路を含む案内地図を表示する案内表示部と、配達先情報を表示する配達先情報表示部とを有する配送用端末に関するものである。
【0029】
請求項20記載の本発明は、前記請求項19記載の配送用端末について、配送リストを表示する配送リスト表示部と、実際の配送状況を入力する配送状況入力部と、入力された配送状況および実際に配達先へ到着した時刻を記憶しておく配送実績記憶部とを更に有することを特徴とするものである。
【0030】
請求項21記載の本発明は、前記請求項19または請求項20記載の配送用端末について、配送経路の案内表示と共に音声案内を行う音声案内出力部を更に有するものである。
【0031】
請求項22記載の本発明は、前記請求項19〜請求項21のうちのいずれか一項記載の配送用端末について、操作メニューに基づく操作を指示する操作指示部と、荷物の未着情報を入力する未着情報入力部とを更に有するものである。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、配送計画に基づく荷物配達の際、配達先の詳細情報として、住宅種別、配達先への進入方法、荷物の届け方法等が配送ドライバーに提供されるため、配送ドライバーが配送ルートにおける経験が少なく、配達先の地理や配達先周辺の状況を熟知していない場合でも、荷物を迅速に配達することができる。そして、このような荷物配達の容易化に伴って、配達先の指定時刻に対して精度の高い配達が実現され得る。そのため、配達先の防犯面から配達指定時刻の厳守が求められる夜間配達においても、分単位の正確な配送が行える。
【0033】
また、実際に行った配達実績をフィードバックする本発明によれば、配送計画と実際の配送との誤差が検出されて、その後の配送計画に反映されるため、更に精度の高い配送が可能となる。この他、配送実績の作成にあたり、荷物の未着原因が含まれるようにした本発明によれば、荷主や配達先等からの問い合わせに対して、詳細な未着情報が提供され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
次に、本発明の実施形態を述べるが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0035】
先ず、以下に述べる実施形態の全体構成について説明すると、図1に示すように、配送支援システムは、配送拠点のセンターに置かれた配送管理装置(0001)と、配送車両に搭載される配送用端末(0002)とを備えている。
【0036】
配送管理装置(0001)と配送用端末(0002)は、図2に示すような構成となされている。すなわち、配送管理装置(0001)は、種々の演算処理を行うCPU(2001)と、ディスプレイ等の表示部(2002)と、キーボード等の入力部(2003)と、ハードディスク等の記憶部(2004)と、配送用端末(0002)との接続のためのコネクタ等のポート(2005)を備えている。また、配送用端末(0002)は、CPU(2006)と、ディスプレイ等の表示部(2007)と、地磁気センサ(2008)と、ジャイロスコープ(2009)と、距離センサ(2010)と、GPS受信機(2011)と、ボタン等の入力部(2012)と、ハードディスクやICカード等の記憶部(2013)と、配送管理装置(0001)との接続のためのポート(2014)等を備えている。
【0037】
なお、前記配送管理装置(0001)と配送用端末(0002)間のデータの入出力は、ポート(2005)(2014)により有線で行われるが、ポート(2005)(2014)に代えて送受信部を設けて無線通信するようにしても良い。
【0038】
図3に示すように、配送管理装置(0001)は、配達先の詳細情報を含む配達先情報が記憶された配達先情報記憶部(3001)と、配送計画の作成に必要な道路網を含む地図データ等が記憶された地図データ記憶部(3002)と、前記配達先情報と地図データに基づいて配送計画を作成する配送計画作成部(3003)と、作成された配送計画を記憶しておく配送計画記憶部(3004)と、配送計画にある配達先のリストを作成する配送リスト作成部(3005)と、実際の配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配送実績を記憶しておく配送実績記憶部(3006)と、配達先の情報を入力する配達先情報入力部(3007)とを有するものである。
【0039】
前記配達先情報記憶部(3001)は、配達先の名前、住所、電話番号、住所位置に対応する緯度および経度、荷物数および配達指定時刻よりなる配達先基本情報と、配達先の建物の種別、建物への進入方法、荷物の届け方法よりなる配達先詳細情報が記憶されたものであり、記憶するソフトウエアとハードディスク等の記録媒体により実現される。
【0040】
前記建物の種別とは、例えば一戸建て、マンション、団地、店舗、工場、事務所等である。建物への進入方法とは、玄関、勝手口(裏口)等の入口や犬の有無、警備システムの有無等の進入のための情報である。荷物の届け方法とは、直接の手渡しや特定場所へ置いておく等の情報である。
【0041】
なお、前記配達先情報における基本情報と詳細情報は、一体のものとして構成しても良いし、基本情報に対して詳細情報を付加したデータ構成としても良い。
【0042】
地図データ記憶部(3002)とは、前述した通り、配送計画の作成に必要な道路網を含む地図データ等が記憶されたものであり、記憶するソフトウエアとハードディスク等の記録媒体により実現される。
【0043】
配送計画作成部(3003)は、前述した通り、配達先情報と地図データに基づいて配送計画を作成するが、具体的には複数の配達先における配達順序と、配達先までの距離と配送車両の予定速度に基づく配達先への到着予定時刻を含む配送計画を作成するものであり、ソフトウエアにより実現され得る。通常、到着予定時刻は時間単位で設定されるが、本実施形態の配送支援システムによれば、配達精度が高いため、分単位の到達予定時刻設定も可能である。
【0044】
なお、配送において、例えば当日中に配達すれば良く、特に配達時間が指定されていない場合には、前記到着予定時刻の算出がされない場合もある。また、配達先が比較的少数である場合には、配送先リスト作成部(3005)を省略しても良い。更に、配達先情報入力部(3007)も予め配達先情報が入力されたCD−ROM等の記録媒体を当該配送管理装置(0001)で読み込むような場合には省略され得る。また、配送実績記憶部(3006)は、例えば配達先が他の配送センター等の決まった場所であり、配達が確実に行われ得るような場合には省略される。
【0045】
配送計画記憶部(3004)は、前述した通り、配送計画作成部(3003)で作成された配送計画を記憶しておくものであるが、記憶するソフトウエアとハードディスク等の記録媒体により実現される。
【0046】
配送リスト作成部(3005)は、配送計画にある配達先のリストを作成する機能を有するものであり、ソフトウエアにより実現される。配送先リストとは、例えば図4に示すように、配達順、配達先名、到着予定時刻、住所(所在地を含む)および荷物の個数等が一覧表示されたものである。
【0047】
なお、前記配送先リストの項目は、配達する荷物等の関係で、適宜変更されることは勿論である。
【0048】
配送実績記憶部(3006)は、前述した通り、実際の配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配送実績を記憶しておくものであるが、具体的には記憶するソフトウエアとハードディスク等の記録媒体により実現される。
【0049】
配送状況とは、配達完了か未配達かの状況をいう。また、実際の到着時刻は、配送計画にある到着予定時刻と比較するために、事後的に記憶しておくものであり、これが次回の配送計画における配達予定時刻設定に反映される。
【0050】
配達先情報入力部(3007)は、前述した配達先の基本情報および詳細情報を入力するものであり、キーボード、テンキー等により実現され得る。
【0051】
次に、前記配送管理装置(0001)における処理の一例を述べると、図5に示すように、先ず配達先情報の入力を検知し(ステップS5001)、入力があった場合には、これら配達先情報を蓄積する(ステップS5002)。その後、前記蓄積された複数の配達先情報と地図データに基づいて配送計画および配送リストを作成し(ステップS5003)、これらを記憶しておく(ステップS5004)。
【0052】
また、配送実績情報の受信の有無を検知し、受信した場合にはこれを記憶しておく(図示せず)。
【0053】
図6に示すように、配送用端末(0002)は、配送計画および配送リストを記憶しておく配送計画記憶部(6001)と、配送案内に必要な地図データが記憶された案内地図データ記憶部(6002)と、自車位置を検出する自車位置検出部(6003)と、自車位置、配達先および配達先への経路を含む案内地図を表示する案内表示部(6004)と、
と、案内表示と共に音声案内を行う音声案内出力部(6012)と、配達先情報を表示する配達先情報表示部(6005)と、実際の配送状況を入力する配送状況入力部(6006)と、入力された配送状況および実際に配達先へ到着した時刻を記憶しておく配送実績記憶部(6007)と、配送リストを表示する配送リスト表示部(6008)と、当該配送用端末(0002)での操作メニューボタンよりなる操作指示部(6009)と、配送における未着の場合の原因を入力するための未着情報入力部(6011)とを有するものである。
【0054】
なお、配送用端末(0002)としては、携帯情報端末(PDA)やナビゲーション装置が挙げられる。また、配送用端末(0002)の前面は、タッチスクリーンとなされている。
【0055】
前記配送計画記憶部(6001)は、前述したように、配送計画および配送リストを記憶する機能を有するものであって、記憶するソフトウエアとハードディスク等の記憶媒体により構成される。また、本実施形態では、当該配送計画記憶部(6001)において、前記配送計画に前記配達先の詳細情報が付加されて記憶されている。
【0056】
案内地図データ記憶部(6002)は、配送先のルート案内に必要な地図データが記憶されたものであり、記憶するソフトウエアとハードディスク等の記憶媒体により構成される。
【0057】
自車位置検出部(6003)は、配送車両の現在位置を検出する機能を有するものであり、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサおよびGPS受信機等により構成される。
【0058】
案内表示部(6004)は、自車位置、配達先および配達先への経路を含む案内地図を表示する機能を有するものであり、ディスプレイ等により実現される。
【0059】
配達先情報表示部(6005)は、図7に示すように、配達番号、配達先名、住所、電話番号、配達指定時刻といった配達先基本情報の他、配送先の建物の種別、建物への進入方法、荷物の届け方法といった配達先の詳細情報をも表示するものであり、ディスプレイ等により実現される。
【0060】
配送状況入力部(6006)は、配達が完了したか否かの情報を入力する機能を有するものであり、タッチスクリーンとソフトウエアにより構成される。具体的には、図8に示すように、配送ルートの案内画面で目的地に到着したときに、案内画面に配達完了ボタン(8001)、未着入力ボタン(8002)が表示され、配達完了ボタン(8001)を押した場合には前記配送実績記憶部(6007)に、到着した配達先に関して配送完了の情報が記憶される。一方、荷物が配達できなかった場合には、前記案内画面上の未着入力ボタン(8002)を押すことで、前記未着情報入力部(6011)の機能によって、図9に示すように、配達先の不在ボタン(9001)、受け取り拒否ボタン(9002)、荷物の破損ボタン(9003)、事故等の入力ボタン(9004)が表示され、これらボタンのいずれかを押すことで、未着情報にその原因が付された情報が前記配送実績記憶部(6007)に記憶されることとなる。
【0061】
なお、前記図8に示すように、配達先到着時の案内画面には、配達完了ボタン(8001)、未着入力ボタン(8002)の他、配達先情報ボタン(8003)も表示される。そして、この配達先情報ボタン(8003)を押すことで前述した配達先情報が表示され、特に前述した配達先の詳細情報も表示されるため、配送するドライバーは、配達先の建物をいち早く見つけ、適切な進入場所から建物に入り、荷物を手渡す場合にはインターホン等を押して顧客に直接荷物を渡し、所定場所に置いておく場合には、荷物を置いて帰ることができる。また、配達先の詳細情報に犬や警備システム有りの情報が含まれている場合には、配達先の方で配達指定時刻にそれらが配達の障害とならないように事前に解除されるようにしておく。
【0062】
配送実績記憶部(6007)は、前述した通り、配送が完了したか否かの情報および配送車両が実際に配達先位置に到着した時刻を記憶しておく機能を有するものであり、記憶するソフトウエアとハードディスク等の記録媒体により実現され得る。
【0063】
配送リスト表示部(6008)は、配送管理装置(0001)で作成された図4に示すような配送リストを表示する機能を有するものである。
【0064】
操作指示部(6009)は、図10に示すように、配送計画データの受信ボタン(1001)、配送リスト表示ボタン(1002)、ナビゲーションボタン(1003)、配送実績データの送信ボタン(1004)および初期設定ボタン(1005)といった操作メニューを表示する機能を有するものであり、タッチスクリーン等により実現される。
【0065】
なお、前述した配送用端末(0002)における各部のうち、前記配送管理装置(0001)において省略されるものがある場合、これと関連するものは同様に省略される。
【0066】
本実施形態では、前記配送管理装置(0001)と配送用端末(0002)間における情報処理は、図11に示すように、配達番号、配達先の名前、住所、電話番号、住所位置に対応する緯度および経度、管理番号、配送種別、荷物個数、備考(配達先の建物の種別、建物への進入方法、荷物の届け方法等)、配達指定時刻、配送状況、完了日時等をインターフェース項目として行われる。
【0067】
次に、配送用端末(0002)における処理の一例について説明するが、以下に述べる各処理は、前記図10に示したタッチスクリーンにおけるボタン操作に基づいて行われる。
すなわち、図12に示すように、先ず配送管理装置(0001)で作成された配送計画データの受信指示があるまで待機し(ステップS1201)、受信指示があった場合には、配送計画を受信する(ステップS1202)。この際、例えば図13に示すように、受信中を示す表示(1301)と受信件数表示(1302)等が現れるようにしても良い。
【0068】
その後、配送リストの表示指示を検知し(ステップS1203)、表示指示があった場合には、前記図4に示した配送リストを表示し(ステップS1204)、次に指定した配達先について、同図画面下にある地図表示ボタン(0401)を押すことにより、図14に示すように、自車位置(1401)と配送経路(1402)と配達先位置(1403)が示された案内地図(1405)が表示される(ステップS1205)。その後、前記案内地図に基づいて、画面および音声でルート案内が行われ(ステップS1206)、そして、配達先に到着した場合には、図8に示すように、案内地図の下部に配達完了ボタン(8001)、未着ボタン(8002)および配達先情報ボタン(8003)が表示される(ステップS1207)。次に、配達先情報ボタン(8003)を押すことにより、図7に示す配達先情報が表示される(ステップS1208)。その後、前記配達完了ボタン(8001)または未着ボタン(8002)の操作を検知し(ステップS1209)、配達が済んで配達完了ボタン(8001)が押された場合には、その旨と配達先到着時刻を記憶する(ステップS1210)、一方、配達が完了しなかった場合には、未着入力ボタン(8002)が押され、図9に示す未着画面が表示され(ステップS1211)、配送ドライバーがいずれかのボタンを押すことにより、その未着原因と配達先到着時刻とを記憶する(ステップS1212)。そして、配送計画にある全ての配達先について、前述した処理を繰り返した後、配送車両が配送拠点のセンターに帰着した場合、配送管理装置(0001)で配送実績データを受信する。
【0069】
なお、本実施形態の配送管理装置(0001)および配送用端末(0002)における図2記載の記憶部、入力部、表示部等は、一つの機能を行う場合の他、前述した各機能を実行し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の荷物配送方法および荷物配送支援システムは、配達先における詳細情報の活用により精度の高い荷物配達が容易に行えるため、特に配達指定時刻の厳守が求められる種々の配送分野で利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施形態に係る配送支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】配送管理装置と配送用端末との関係を示す図である。
【図3】配送管理装置の機能ブロック図である。
【図4】配送リストの一例を示す図である。
【図5】配送管理装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】配送用端末の機能ブロック図である。
【図7】配達先情報の表示例を示す図である。
【図8】配達先到着時における案内画面を示す図である。
【図9】未着入力例を示す図である。
【図10】配送用端末におけるメニュー表示例を示す図である。
【図11】インターフェース項目の一例を示すテーブルである。
【図12】配送用端末における処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】配送計画情報の受信状態を示す図である。
【図14】配送ルートの案内表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
(0001) 配送管理装置
(0002) 配送用端末
(3001) 配達先情報記憶部
(3002) 地図データ記憶部
(3003) 配送計画作成部
(3004) 配送管理装置の配送計画記憶部
(3005) 配送リスト作成部
(3006) 配送管理装置の配送実績記憶部
(3007) 配送先情報入力部
(6001) 配送用端末の配送計画記憶部
(6002) 案内地図データ記憶部
(6003) 自車位置検出部
(6004) 案内表示部
(6005) 配達先情報表示部
(6006) 配送状況入力部
(6007) 配送用端末の配送実績記憶部
(6008) 配送リスト表示部
(6009) 操作表示部
(6011) 未着情報入力部
(6012) 音声案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送管理装置で、配達先の詳細情報を含む配達先情報および地図データに基づいて荷物の配送計画を作成するステップと、前記配送計画情報を配送管理装置から配送用端末へ送信するステップと、配送用端末で前記配送計画情報に基づく配達先位置および配送経路並びに自車位置が示された案内地図を表示するステップと、配送中に配達先の詳細情報を表示するステップとを有する、荷物配送方法。
【請求項2】
配送管理装置における配送計画の作成が配達先情報に加えて配達指定時刻に基づいて作成されることを特徴とする、請求項1記載の荷物配送方法。
【請求項3】
配送管理装置で配送計画にある配達先が一覧表示された配送リストを作成するステップを更に有し、配送計画情報が前記配送リスト情報をも含むものであり、配送用端末では前記配送リスト情報を表示するステップを更に有することを特徴とする、請求項1または請求項2記載の荷物配送方法。
【請求項4】
配送用端末での案内地図を表示するステップで案内地図表示と共に音声案内を行うことを特徴とする、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法。
【請求項5】
配達先情報における詳細情報が配達先の基本情報に付加されたものであり、配送管理装置で、配達先の基本情報に詳細情報を付加するステップを更に有し、配送用端末で、配達先の詳細情報が配達先到着時に表示されることを特徴とする、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法。
【請求項6】
配達先の基本情報が、少なくとも配達先の名前、住所、電話番号、住所位置に対応する緯度および経度および荷物数或いは更に配達指定時刻を含むものであり、配達先の詳細情報が、少なくとも配達先の建物の種別、建物への進入方法、荷物の届け方法を含むものであることを特徴とする、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法。
【請求項7】
配送管理装置で、配達先情報或いは更に配達指定時刻を入力するステップと、入力した配達先情報を記憶するステップとを更に有することを特徴とする、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法。
【請求項8】
配送用端末で、配送状況を入力するステップと、配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配達実績を記憶するステップと、配送実績を配送用端末から配送管理装置へ送信するステップとを更に有し、配送管理装置で、配送用端末から受信した配達実績を記憶しておくステップを更に有することを特徴とする、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項記載の荷物配送方法。
【請求項9】
配送管理装置で作成された配送計画情報が、配達先の名前、住所、電話番号、住所位置に対応する緯度および経度、配送種別、荷物数、配達先の建物の種別、建物への進入方法および荷物の届け方法、或いは更に配達指定時刻をインターフェース項目として、配送用端末で配送案内が行われることを特徴とする、荷物配送方法。
【請求項10】
配送拠点に置かれた配送管理装置と、配送車両に搭載される配送用端末とを備えた配送支援システムであって、配送管理装置は、配達先に関する詳細情報を含む配達先情報を入力する配達先情報入力部と、入力された配達先情報を記憶する配達先情報記憶部と、配送計画の作成に必要な道路網を含む地図データが記憶された地図データ記憶部と、前記配達先情報と地図データに基づいて配送計画を作成する配送計画作成部と、作成された配送計画を記憶しておく配送計画記憶部とを有し、配送用端末は、前記配送計画を記憶しておく配送計画記憶部と、配送案内に必要な地図データが記憶された案内地図データ記憶部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、自車位置、配達先および配達先への経路を含む案内地図を表示する案内表示部と、配達先情報を表示する配達先情報表示部とを有する、配送支援システム。
【請求項11】
配送管理装置の配送計画作成部が、配達先までの距離と配送車両の予定速度とから配達先への到着予定時刻をも算出するものであり、配送計画には各配送先についてそれらの到着予定時刻が含まれていることを特徴とする、請求項10記載の配送支援システム。
【請求項12】
配送管理装置が、実際の配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配送実績を記憶しておく配送実績記憶部を更に有し、配送用端末が、実際の配送状況を入力する配送状況入力部と、入力された配送状況および実際に配達先へ到着した時刻を記憶しておく配送実績記憶部とを更に有する、請求項10または請求項11記載の配送支援システム。
【請求項13】
配送管理装置が、配送計画にある配達先のリストを作成する配送リスト作成部を更に有し、配送用端末が、前記配送リストを表示する配送リスト表示部を更に有することを特徴とする、請求項10〜請求項12のうちのいずれか一項記載の配送支援システム。
【請求項14】
配送用端末が、配送経路の案内表示と共に音声案内を行う音声案内出力部を更に有する、
請求項10〜請求項13のうちのいずれか一項記載の配送支援システム。
【請求項15】
配送用端末が、メニュー表示された操作を選択指示する操作指示部と、荷物の未着情報を入力する未着情報入力部とを更に有する、請求項10〜請求項14のうちのいずれか一項記載の配送支援システム。
【請求項16】
配達先に関する詳細情報を含む配達先情報を入力する配達先情報入力部と、入力された配達先情報を記憶する配達先情報記憶部と、配送計画の作成に必要な道路網を含む地図データが記憶された地図データ記憶部と、前記配達先情報と地図データに基づいて配送計画を作成する配送計画作成部と、作成された配送計画を記憶しておく配送計画記憶部とを有する配送管理装置。
【請求項17】
配送管理装置の配送計画作成部が、配達先までの距離と配送車両の速度とから配達先への到着予定時刻をも算出するものであり、配送計画には各配送先についてそれらの到着予定時刻が含まれていることを特徴とする、請求項16記載の配送管理装置。
【請求項18】
配送管理装置が、配送計画にある配達先のリストを作成する配送リスト作成部と、実際の配送状況および配達先への実際の到着時刻を含む配送実績を記憶しておく配送実績記憶部を更に有することを特徴とする、請求項16または請求項17記載の配送管理装置。
【請求項19】
配送計画を記憶しておく配送計画記憶部と、配送案内に必要な地図データが記憶された案内地図データ記憶部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、自車位置、配達先および配達先への経路を含む案内地図を表示する案内表示部と、配達先情報を表示する配達先情報表示部とを有する、配送用端末。
【請求項20】
配送リストを表示する配送リスト表示部と、実際の配送状況を入力する配送状況入力部と、入力された配送状況および実際に配達先へ到着した時刻を記憶しておく配送実績記憶部とを更に有することを特徴とする、請求項19記載の配送用端末。
【請求項21】
配送経路の案内表示と共に音声案内を行う音声案内出力部を更に有する、請求項19または請求項20記載の配送用端末。
【請求項22】
操作メニューに基づく操作を指示する操作指示部と、荷物の未着情報を入力する未着情報入力部とを更に有する、請求項19〜請求項21のうちのいずれか一項記載の配送用端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−168914(P2006−168914A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363822(P2004−363822)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(503396321)タカラ物流システム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】