説明

落雷電流計測装置および落雷電流計測システム

【課題】
長波標準電波を良好に受信できるようにして正確な検出時間を検出するような落雷電流計測装置および落雷電流計測システムを提供する。
【解決手段】
CPU8aに電波時計7が接続され、電波時計7から時間データがCPU8aに入力される落雷電流計測装置100であって、電波時計7が長波標準電波を受信する際、CPU8aの動作クロックを通常動作周波数から、長波標準電波の搬送周波数よりも低い受信用動作周波数へ切り換えて受信する落雷電流計測装置100とした。またこの落雷電流計測装置100を用いる落雷電流計測システム1000とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雷サージ電流値を計測する落雷電流計測装置および落雷電流計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
落雷の対策を施す場合、落雷時の雷サージ電流値を把握する必要がある。この落雷は自然現象であって気象条件によって大きく左右されるため、雷サージ電流値を理論的に推定することは困難である。そこで、通常は雷サージ電流値を実測する落雷電流計測装置により実際の落雷による実測雷サージ電流値を多数取得し、これら実測雷サージ電流値を統計的手法で分析して推定した推定雷サージ電流値を落雷対策に用いている。
【0003】
このような落雷電流計測装置についての従来技術として、例えば、本出願人の特許出願に係る特許文献1(発明の名称:落雷電流検出装置)に記載された従来技術では、雷サージ電流の通路を囲むようにロゴスキーコイルを配置し、このロゴスキーコイルの両端間に整流回路を接続し、整流回路の出力電圧を保持する充電回路と、整流回路の出力電圧が所定値を越えた場合にトリガ信号を発生するトリガ回路とを備え、トリガ信号が発生した場合にトリガ信号の発生回数を積算して記憶し、かつ現在時刻を検出時間として記憶し、かつ充電回路に保持されている電圧値を雷サージ電流値とみなしてA/D変換して記憶するとともにその電流値を積算して積算電流値を得るというものである。
この特許文献1の落雷電流検出装置では、発生回数、検出時間(つまり落雷時間)、電流値およびその積算電流値を出力している。
【0004】
【特許文献1】特開2001−349908号公報(段落番号0010,0011,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の落雷電流検出装置では、検出時間(落雷時間)を計測しているが、CPU内蔵の時計を用いていた。しかしながら、CPU内蔵の時計では誤差が累積していって時間が正確でなく、正確に検出時間を計測する必要がある用途では使用できなかった。
【0006】
また、他の従来技術の落雷電流検出装置では、内部に実装したクオーツ時計にて検出時間(落雷時間)を正確に計測しようとするものもあった。
しかしながら、クオーツ時計は周囲温度の変化により時間のずれが大きく、自然環境により寒暖の差が大きい箇所に設置された落雷電流検出装置では、検出時間が正確でなくなる場合もあった。
【0007】
そこで本発明者は、落雷電流検出装置に電波時計を実装することで周囲環境に影響されずに正確な検出時間を得られるという着想を得た。
しかしながら、電波時計を実装した落雷電流検出装置では、長波標準電波(長波帯JJY:東日本の40kHz長波標準電波,西日本の60kHz長波標準電波)を受信する際、受信感度が高くない場合があるという現象を知見した。
【0008】
この現象について調査した結果は、装置本体に使用しているCPUの動作クロックの動作周波数(4MHz)による高周波ノイズにより自己妨害され、受信感度が低下するというものであった。
そこで、CPUの動作クロックの動作周波数を低くすることも考えられるが、この場合単に低くすればよいというものではなく、CPUの動作クロックによるn次高調波またはn次低調波の周波数が、長波標準電波(東日本の40kHz長波標準電波,西日本の60kHz長波標準電波)の搬送周波数と一致するような場合も、受信感度を僅かながら低下させるというものであった。特に一次高調波(CPUの動作クロックの動作周波数が20kHzなら一次高調波は40kHzとなり東日本では長波標準電波の搬送周波数と一致する。)や一次低調波(CPUの動作クロックの動作周波数が80kHzなら一次高調波は40kHzとなり東日本では長波標準電波の搬送周波数と一致する。)による妨害では受信感度の低下が顕著であった。
これらのような混信が起こると時間データの受信ができなくなるというものであり、混信を排する必要があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、長波標準電波を良好に受信できるようにして正確な検出時間を検出するような落雷電流計測装置および落雷電流計測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る落雷電流計測装置は、
CPUに電波時計が接続され、電波時計から時間データがCPUに入力される落雷電流計測装置であって、
電波時計が長波標準電波を受信する際、CPUの動作クロックを通常動作周波数から、長波標準電波の搬送周波数よりも低いような受信用動作周波数へ切り換えて受信する手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る落雷電流計測装置は、
請求項1に記載の落雷電流計測装置において、
受信用動作周波数の動作クロックにより発生するn次高調波およびn次低調波の周波数と、長波標準電波の搬送周波数と、が不一致となるように、前記CPUの動作クロックの受信用動作周波数を設定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る落雷電流計測装置は、
請求項1または請求項2に記載の落雷電流計測装置において、
前記長波標準電波の搬送周波数がCPUの動作クロックの受信用動作周波数を上回り、かつ、前記長波標準電波の搬送周波数がCPUの受信用動作周波数の動作クロックによる一次高調波の周波数を下回るように、前記CPUの動作クロックの受信用動作周波数を設定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る落雷電流計測装置は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の落雷電流計測装置において、
前記CPUは、電波時計が長波標準電波を受信する前でCPUの動作クロックを受信用動作周波数に切り換えた上で受信し、電波時計が長波標準電波を受信終了した後にCPUの動作クロックを通常動作周波数に戻す手段であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5に係る落雷電流計測装置は、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の落雷電流計測装置において、
雷サージ電流の通路を囲むように配置されて雷サージ電流の大きさに応じた誘起電圧を発生する検出部と、
この検出部からの誘起電圧信号を積分して積分電圧信号を出力する積分器と、
積分器からの積分電圧信号を整流して整流電圧信号を出力する整流器と、
整流器からの整流電圧信号を減衰して雷電圧信号を出力するアッテネータと、
アッテネータから出力される雷電圧信号を保持する充電部と、
整流器からの整流電圧信号が所定電圧値を越えた場合にトリガ信号を発生するトリガ回路と、
時間データを出力する電波時計と、
前記CPUとしての機能を有し、トリガ信号が発生した場合にトリガ信号を積算して発生回数として記憶し、かつ電波時計の時間データを参照して現在時刻を検出時間として記憶し、かつ充電部に保持されている雷電圧信号の電圧値を雷サージ電流値とみなしA/D変換して記憶するとともにその雷サージ電流値を記憶する中央処理部と、
記憶している発生回数、検出時間、雷サージ電流値およびその積算電流値を表示する表示器と、
発生回数、検出時間、雷サージ電流値およびその積算電流値を外部へ出力する出力部と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係る落雷電流計測システムは、
請求項5に記載の落雷電流計測装置と、
落雷電流計測装置に接続された警報出力部と、
遠隔地にある他の警報出力部と、
を備え、計測データを遠隔地の警報出力部へ送信して利用できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明によれば、長波標準電波を良好に受信できるようにして正確な検出時間を検出するような落雷電流計測装置および落雷電流計測システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の落雷電流計測装置および落雷電流計測システムを実施するための最良の形態について図に基づき以下に説明する。図1は本形態の落雷電流計測装置の構成図である。
落雷電流計測装置100は、図1で示すように、検出部(詳しくはロゴウスキーコイル)1と、本体50とがケーブルを介して接続されている。この本体50には、積分回路2、整流器3、アッテネータ4、充電部5、放電部6、電波時計7、中央処理部8、トリガ回路9、液晶表示器10、D/D変換部11、E/O変換部12、テストスイッチ13、ディスプレイスイッチ14、電池15を備える。中央処理部8は、CPU8a、A/D変換部8b、メモリ8cを備えている。
【0018】
続いてこれら構成についてそれぞれ説明する。
検出部(ロゴウスキーコイル)1は、小型・軽量の防水型のため鉄塔の塔脚に容易に取付可能であり、雷サージ電流通路を囲むように配置され、雷サージ電流の大きさに応じた誘起電圧を発生して、誘起電圧信号を出力する。この誘起電圧信号はケーブルなどを介して積分回路2へ入力される。
積分回路2は、検出部1から出力された微分波形である誘起電圧信号を積分して積分電圧信号に変換して出力する。
整流器3は、積分電圧信号を、極性を持つ一方向の電圧値である整流電圧信号に変換して出力する。
【0019】
アッテネータ4は、整流器3からの整流電圧信号を減衰し、後段の回路で飽和しないように所定電圧範囲内に入れた雷電圧信号に変換して出力する。
充電部5は、アッテネータ4から出力された雷電圧信号の電圧を蓄える。この雷電圧信号はCPU8aが読み取るまで保持される。
放電部6は、後述するがCPU8aからの信号により充電部5に蓄えられた雷電圧信号を放電させて充電部5をリセットする。
電波時計7は、長波標準電波(長波帯JJY:東日本の40kHz長波標準電波,西日本の60kHz長波標準電波)を受信して、長波標準電波に含まれる時刻情報をデコードして時間データを生成し、CPU8aへ送る。CPU8aは時間データに基づいて検出時間データを生成する。これにより雷サージの侵入時間が正確になる。
【0020】
中央処理部8では、CPU8aにA/D変換部8bおよびメモリ8cが接続されている。CPU8aは、通常ではスリープモードで電池の消費を最小にし、落雷時に発生するトリガ信号により立ち上がる。CPU8aは、まずこのトリガ信号入力をカウントする。このカウントは発生回数として積算されて記憶する。続いてCPU8aは、電波時計7からの時間データを参照して現在時刻を検出時間データとして記憶する。また、充電部5の雷電圧信号をA/D変換部8bにより雷電圧データに変換した上で読み出し、この雷電圧データを雷サージ電流データとみなして登録する。そして、CPU8aは、これら回数データ、検出時間データ、雷サージ電流データ、および、雷サージ電流値についての積算電流値データをまとめて計測データとし、この計測データをメモリ8cに蓄えるとともにE/O変換部12へ出力した後、放電部6に信号を送って充電部5の放電を行った後、再度スリープモードになる。なお、計測データは他にも各種データを含ませることができる。このCPU8aの処理についてはフローチャートを用いて後述する。
【0021】
トリガ回路9は、整流器3からの整流電圧信号が所定電圧値を超える場合に電圧が発生したと検出してCPU8aを立ち上げるトリガ信号を生成して出力する。
液晶表示器10は、CPU8aから計測データが入力され、発生回数、検出時間、雷サージ電流値、積算電流値を表示する。
D/D変換部11は、CPU8aに接続され、DC電源である電池15を液晶表示器10の電源回路に合わせて変換する。
【0022】
E/O変換部12は、CPU8aに接続され、CPU8aから出力された計測データを光信号に変換して外部へ出力する。
テストスイッチ13は、CPU8aに接続され、回路全体の検出動作をテストするスイッチである。
ディスプレイスイッチ14は、CPU8aに接続され、液晶表示器10に表示を実行させるスイッチである。
【0023】
続いて各部について図を参照しつつ説明する。図2は雷電流計測処理を説明するフローチャートである。落雷電流計測装置100は、図2で示すようなフローにより計測処理を行う。図示しないリセットスイッチなどを押して動作を開始させると、CPU8aの初期化の開始(図2のステップS1)や、電源の安定化(図2のステップS2)を行ったのち、時間データを受信するための初期設定を行う(図2のステップS3)。先に述べた長波標準電波(長波帯JJY)は東日本の40kHz長波標準電波か、西日本の60kHz長波標準電波か、であるため、受信した長波標準電波の搬送周波数から以後の初期設定を40kHz用の初期設定か、60kHz用の初期設定か、を選択する。本形態では説明の具体化のため東日本の40kHz長波標準電波に設定するものとする。
【0024】
続いて、時計変更処理を開始する(図2のステップS4)。まずCPU8aは、内蔵する発振子から入力される動作クロックを通常動作周波数の4MHzから受信用動作周波数の32kHzに切り換えて変更する(図2のステップS5)。
このように電波時計7が長波標準電波を受信する際、CPU8aの通常動作周波数(4MHz)から、長波標準電波の搬送周波数よりも低いような受信用動作周波数(32kHz)へ切り換えて受信するため、4MHzの通常動作周波数時で問題となっていた高周波ノイズの影響がなくなり、この点で良好な受信を実現する。
また、受信用動作周波数(32kHz)であるCPU8aの動作クロックにより一次高調波(周波数は64kHz)、および、一次低調波(周波数は16kHz)が発生するが、何れも長波標準電波の搬送周波数(40kHz)と不一致となっており、これにより一次高調波や一次低調波が受信に影響することもなく、この点でも良好な受信を実現する。
なお、本形態のようにCPU8aの動作クロックによる受信用動作周波数(32kHz)と、この受信用動作周波数による動作クロックの一次高調波の周波数(64kHz)と、の間に、長波標準電波の周波数(40kHz)があり、混信を防ぐとともにCPUの動作クロックとして可能な限り十分に高い周波数を確保する。
これら条件を満たすような設定により受信感度が向上し、正確な落雷時刻を検出することが可能となる。
【0025】
続いて電波時計7に時間データを受信させるコマンドを送信して受信処理を行う(図2のステップS6)。そしてCPU8aは電波時計7から出力された時間データを得る。
そしてCPU8aは、内蔵する発振子から入力される動作クロックを、受信用動作周波数の32kHzから通常動作周波数の4MHzに切り換えて変更する(図2のステップS7)。
続いてCPU8aは、テスト動作処理を行う(図2のステップS8)。これは上記したような計測データを得る処理である。
【0026】
続いてCPU8aは、ディスプレイ動作処理を行う(図2のステップS9)。これは上記したような計測データの表示処理である。上記のように発生回数、検出時間、雷サージ電流値、積算電流値を表示する。
続いてCPU8aは、タスク処理を行う(図2のステップS10)。詳しくはLCD制御、サージ電流表示、電池残量表示、電池インジケート表示、キースキャンなどを行う。
続いて継続するか否かを判定し(図2のステップS11)、継続する場合にはステップS4の先頭にジャンプし、継続しない場合にはステップS12へ進み、スリープモードに入る(図2のステップS12)。
【0027】
スリープモードでは動作が停止しているが、外部から入力がなされた場合には、ステップS4の先頭にジャンプし、ステップS4〜ステップS11までの動作を行い、再度スリープモードで停止する。このような動作が繰り返される。
なお、外部からの入力としては、サージ電流が流れたときにトリガ回路9が整流器3に電圧が発生したことを検出してCPU8aを立ち上げるトリガ信号が挙げられる。また、テストスイッチ13、ディスプレイスイッチ14による入力も外部入力となる。これは作業員による動作確認のための操作時に行われる。
このような落雷電流計測装置100によれば、落雷を計測したときの時間が正確になるという利点がある。
【0028】
続いてこの落雷電流計測装置100による落雷電流計測システムについて図を参照しつつ説明する。図3は本形態の落雷電流計測システム1000の一例であるシステム構成図、図4は落雷電流計測システム1000の実際の設置例の説明図である。
落雷電流計測システム1000は、落雷電流計測装置100、警報出力部200、パソコン300、交換機400,500、警報出力部600、パソコン700を備えている。
【0029】
落雷電流計測装置100から出力される計測データを警報出力部200へ送信する。警報出力部200は、音声または表示による警報を出力する。また、USB接続されたパソコン300と交換機400とに計測データを出力する。パソコン300では計測データ(テキストファイル)を保存することができる。
【0030】
計測データは、交換機400、電話回線、交換機500を経て、警報出力部600へ転送される。なお、ここでは、交換機400,500を経る、つまり、アナログ信号を念頭においたが、例えば、サーバを介してインターネットプロトコルにより計測データを警報出力部600へ出力したり、あるいは、長距離敷設された光ケーブルを介して計測データを警報出力部600へ出力するようにしても良い。
また、無線・携帯電話・PHS等の既存の通信回線を利用できるようにし、現地のインフラ設備状況に応じて、電話回線・光ケーブル・無線・携帯電話・PHSによる通信回線から一つ選択したり、または、ある箇所を無線、他の箇所を電話回線というように複数の通信回線を組み合わせてもよい。
【0031】
このような遠方からの計測データは光ケーブルを介して警報出力部600へ送信される。警報出力部600も、警報出力部200と同様に、音声または表示による警報を出力する。また、USB接続されたパソコン700に計測データを出力する。パソコン700では計測データ(テキストファイル)を保存することができる。
【0032】
このような落雷電流計測システム1000の実際の設置例では、例えば、図4で示すように、雷サージ電流の通路である山頂無線中継所の塔脚を囲むように検出部(ロゴウスキーコイル)1を貫通させ、また鉄塔の塔脚付近に本体50を配置する。そして、本体50と接続された光ケーブルを山頂無線中継所のシェルタ内に引き込んで、警報出力部200と接続する。警報出力部200にはパソコン300がUSB接続されている。警報出力部200は遠く離れた遠方電気所の警報出力部600と光ケーブルを介して接続される。遠方電気所の警報出力部600にはパソコン700が接続されている。
このような落雷電流計測システム1000によれば、遠く離れた箇所でも、警報出力を確認でき、また、計測データを収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の落雷電流計測装置の構成図である。
【図2】雷電流計測処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明を実施するための最良の形態の落雷電流計測システムの一例であるシステム構成図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態の落雷電流計測システムの実際の設置例の説明図である。
【符号の説明】
【0034】
100:落雷電流計測装置
1:検出部(ロゴウスキーコイル)
2:積分回路
3:整流器
4:アッテネータ
5:充電部
6:放電部
7:電波時計
8:中央処理部
8a:CPU
8b:A/D変換部
8c:メモリ
9:トリガ回路
10:液晶表示器
11:D/D変換部
12:E/O変換部
13:テストスイッチ
14:ディスプレイスイッチ
15:電池
50:本体
200:警報出力部
300:パソコン
400:交換機
500:交換機
600:警報出力部
700:パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUに電波時計が接続され、電波時計から時間データがCPUに入力される落雷電流計測装置であって、
電波時計が長波標準電波を受信する際、CPUの動作クロックを通常動作周波数から、長波標準電波の搬送周波数よりも低いような受信用動作周波数へ切り換えて受信する手段を備えることを特徴とする落雷電流計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の落雷電流計測装置において、
受信用動作周波数の動作クロックにより発生するn次高調波およびn次低調波の周波数と、長波標準電波の搬送周波数と、が不一致となるように、前記CPUの動作クロックの受信用動作周波数を設定することを特徴とする落雷電流計測装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の落雷電流計測装置において、
前記長波標準電波の搬送周波数がCPUの動作クロックの受信用動作周波数を上回り、かつ、前記長波標準電波の搬送周波数がCPUの受信用動作周波数の動作クロックによる一次高調波の周波数を下回るように、前記CPUの動作クロックの受信用動作周波数を設定することを特徴とする落雷電流計測装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の落雷電流計測装置において、
前記CPUは、電波時計が長波標準電波を受信する前でCPUの動作クロックを受信用動作周波数に切り換えた上で受信し、電波時計が長波標準電波を受信終了した後にCPUの動作クロックを通常動作周波数に戻す手段であることを特徴とする落雷電流計測装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の落雷電流計測装置において、
雷サージ電流の通路を囲むように配置されて雷サージ電流の大きさに応じた誘起電圧を発生する検出部と、
この検出部からの誘起電圧信号を積分して積分電圧信号を出力する積分器と、
積分器からの積分電圧信号を整流して整流電圧信号を出力する整流器と、
整流器からの整流電圧信号を減衰して雷電圧信号を出力するアッテネータと、
アッテネータから出力される雷電圧信号を保持する充電部と、
整流器からの整流電圧信号が所定電圧値を越えた場合にトリガ信号を発生するトリガ回路と、
時間データを出力する電波時計と、
前記CPUとしての機能を有し、トリガ信号が発生した場合にトリガ信号を積算して発生回数として記憶し、かつ電波時計の時間データを参照して現在時刻を検出時間として記憶し、かつ充電部に保持されている雷電圧信号の電圧値を雷サージ電流値とみなしA/D変換して記憶するとともにその雷サージ電流値を記憶する中央処理部と、
記憶している発生回数、検出時間、雷サージ電流値およびその積算電流値を表示する表示器と、
発生回数、検出時間、雷サージ電流値およびその積算電流値を外部へ出力する出力部と、
を備えることを特徴とする落雷電流計測装置。
【請求項6】
請求項5に記載の落雷電流計測装置と、
落雷電流計測装置に接続された警報出力部と、
遠隔地にある他の警報出力部と、
を備え、計測データを遠隔地の警報出力部へ送信して利用できるようにしたことを特徴とする落雷電流計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−98086(P2006−98086A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281392(P2004−281392)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000145954)株式会社昭電 (22)
【Fターム(参考)】