著作権侵害されたメディアを追跡するためのマーキング技術
ソースマテリアルからフォレンティックマーキング画像データを生成するシステム及び方法。生成されたフォレンシックマークは、選ばれたフォレンシックマーキング技術及びソース画像データをコピーごとに変化させるフォレンシックマーキングパラメータを利用することによって、コピーごとに可変とされる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、フォレンシックマーキング(forensic marking)の技術分野に関し、特に大量に複製されたメディアに対するフォレンシックマークを生成する技術に関する。
【0002】
発明の背景
映画スタジオや音楽会社により作成される作品の著作権侵害が、大きな関心事になってきている。作品のコピーにより生成されるコンテンツを配布するのに利用されるコンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ビデオテープなどの記憶媒体は、容易に複製される。多くの著作権侵害は、CD/DVDバーナー(burner)やビデオテープレコーダ(VTR)などのツールを用いて、CD、DVDやビデオテープを他のCD、DVD及びビデオテープや他のタイプの物理的メディアに直接コピーする。
【0003】
さらに現在では、映像キャプチャ及び圧縮の進歩により、DVDから映画を抽出し、抽出したコンテンツをインターネットを介し送信することが可能である。この抽出または「切り取られた」映画は、ユーザがクライアントプログラムの簡単な利用を通じて他のユーザに切り取られた映画を送信することを可能にするピア・ツー・ピアネットワークと呼ばれるアーキテクチャを介し容易に配信される。このため、著作権侵害者が1つのCDやDVDから世界中にコンテンツを配信することは極めて容易である。このため、エンターテイメント企業や複製メディアを製造する企業は、メディアの不法な移転に対する保護を可能にするCD、DVD及びビデオテープを作成するシステムアーキテクチャを利用することを所望するであろう。
【0004】
発明の概要
ソースマテリアルから生成されたコピーをフォレンシックマーキングするシステム及び方法が開示される。具体的には、これらのコピーは各種フォレンシックマーキング技術を用いて様々なフォレンシックマークにより一意的にマーキングされる。選ばれたフォレンシックマークは、ソースマテリアルのコピーごとに異なるものとなる。
【0005】
実施例の詳細な説明
この詳細な説明において、メディアの作成者または再生者が当該メディアの配布を追跡することを可能にするフォレンティックマークとして知られるセキュリティマークの利用が説明される。好ましくは、フォレンティックマークは、ロウバストなものである必要があり、コンテンツ再生中に必然的に実行される、デジタルキャプチャ(アナログ信号の量子化)、圧縮(MPEG、DV)、映像ノイズ除去、フィルムのテレビフレームレートへのフレームレート変換、ディスプレイ・デ・テレシン(display de−telecine)処理、25/30Hz、30/25Hz、24/30Hzなどのテレビ送信フレームレート変換などの各種映像処理変換に耐えうるものでなければならない。著作権侵害中には、例えば、マークを検索し、当該マークを検出不能なものにしようとするなどの他の逆映像処理変換を行うことが可能である。
【0006】
不法に複製されたコンテンツが検出されると、「キー(key)」が復元され、コンテンツの窃盗が発生したソース(プログラムコピー宛先)に一致するシリアル番号と一致することが可能となるように、マークが検出される必要がある。目に見えないフォレンシックマークと、実行中のプログラムの目に見えないマーキング形成部のための技術を利用した各種構成が、他の者により実現されてきた。
【0007】
ここで開示される本発明の構成が、フィルム、CD、DVDディスク及びVHSテープの物理的媒体としてのコンテンツ配布に関して説明される。しかしながら、本発明によるコンセプト及びアルゴリズムは、それに限定されるものではなく、配布媒体とは関係なく任意の映像信号に大部分は等しく適用可能である。
【0008】
図1は、記録可能及び読出し専用DVDプレーヤーと互換的な一例となるトップレベルの汎用的DVDデータフォーマットを示す。ハイレベルの階層的な汎用的データフォーマットは、ファイル位置及びパスを規定するボリューム及びファイル構造セクション400と、他のボリュームあるいはファイル構造情報の挿入用セクション403とから構成される。最上位のレベルはまた、プログラム映像コンテンツ及びプログラムガイド/メニューコンテンツを含む映像ゾーン405と、補助的データなどのための他のゾーン407を含む。映像ゾーン405は、映像マネージャ409と映像ゾーン411とから構成される。さらに、映像マネージャ409は、ナビゲーション情報414と、ナビゲーション情報及び他のデータをセクション420に挿入するためのデータセクション418とから階層的に構成される。映像ゾーン411は、ナビゲーション情報422と、後処理モードにおいて生成されたナビゲーション情報及び他のデータをセクション427に挿入するためのデータセクション424とから構成される。
【0009】
図1の汎用的フォーマットの範囲内に含まれるファイル構造及びナビゲーションパラメータは、MPEG互換的なGOP(Group Of Picture)やDVDビデオ・オブジェクト・ユニット(VOBU)内の画像を介しナビゲーションをサポートする。これらのパラメータはまた、単独のプログラム、あるいは音声プログラム、インターネットウェブページデータ、テキストデータ及びプログラムガイドを含む各種プログラム間及び異なるMPEGエレメンタリストリームの画像間のナビゲーションをサポートする。具体的には、ナビゲーションパラメータは、例えば、個々のGOP、ビデオ・オブジェクト・ユニット(VOBU)におけるGOPの個数または画像データ位置情報を特定するパラメータを含むものであってもよい。さらに、そのような位置情報は、画像を表すデータのサイズ、VOBUやGOPのMPEG基準フレーム、あるいはデータスタートまたはエンドアドレスを表す画像を特定するデータを含むようにしてもよい。さらに、ナビゲーションパラメータはまた、トリック再生モード選択情報を含むものであってもよい。
【0010】
図2は、各種動作モードに対し映像プログラム画像シーケンスの復号化及びナビゲートにおいて利用されるナビゲーション情報の位置及び構造を示すDVD階層的データフォーマットの一実施例を示す。最上位レベルの階層的読出し専用データフォーマットは、ボリューム及びファイル構造データ191、映像マネージャセクション(VMG)200、及び映像プログラムコンテンツを含む映像タイトル(プログラム)セット(VTS)203〜205から構成される。各VTSは、1以上の映像プログラム(タイトル)の映像タイトルセット情報(VTSI)213、プログラムメニュー情報217、プログラムコンテンツ情報223、及びバックアップVTSIデータ225と階層的に関連付けされている。さらに、プログラムメニュー情報217とプログラムコンテンツ情報223は、ビデオ・オブジェクト(VOB)260−262から構成され、各VOB(VOB260など)は、セル264−266から構成されている。セル264などの各セルは、1秒から、例えば映画全体などの長さまで可変的な期間のプログラムデータを表す。セル264はビデオ・オブジェクト・ユニット(VOBU)268〜270から構成され、各ビデオ・オブジェクト・ユニットは、映像プログラムの0.4〜1.2秒の再生を表す。各ビデオ・オブジェクト・ユニット(ユニット272、274〜276により例示される)は、映像、音声及びサブ画像データ(例えば、字幕や補助テキストなどから構成される)と共にナビゲーションパック情報を含むものであってもよい。各ナビゲーションパックは、ユニット280〜294に示されるように、ヘッダ、サブストリーム_ids、提示制御情報(PCI)データ及びデータ検索情報(DSI)を含む。
【0011】
映像マネージャセクション(VMG)200のDVDディスクのメインメニューは、任意的なものである。このメインメニューは、DVDディスクにアクセスするとユーザが見ることができる最初の画像を表す。VMG200は、映像マネージャ制御データ207、ディスクメニュー209及び映像マネージャバックアップ情報210に階層的に関連付けされている。さらに、制御データ207は、情報管理テーブル230、タイトルサーチポインタテーブル233、メニュープログラムチェーン情報ユニットテーブル235、ペアレンタル管理情報テーブル237、ビデオタイトルセット属性テーブル239、テキストデータマネージャ242、メニューセルアドレステーブル244及びメニュービデオ・オブジェクト・ユニットアドレスマップ246から構成される。具体的には、アイテム230〜246は、VMG情報のサイズ及びスタートアドレス、映像マネージャメニューのビデオ・オブジェクトの属性、映像プログラムサーチ情報、メニュー言語情報、ペアレンタルレーティング制御情報、重複映像プログラム属性情報、及びプログラム識別名(ボリューム、アルバムまたは作成者名など)から構成される。さらに、タイトルサーチポインタテーブル233は、各々がプログラムタイプ、プログラム番号、カメラアングル数、ペアレンタルレーティング識別子及び各プログラムのディスク上のプログラムスタートアドレスを特定するサーチ情報アイテム253、255、257及び259を含む。タイトルサーチポインタテーブル233はまた、サーチポインタテーブルのサイズと位置を規定するパラメータをアイテム248に含む。
【0012】
図3は、再生中のDVDをフォレンシックにマークするDVD複製のためのシステムアーキテクチャ300の図である。当該アーキテクチャは、VOBがDVDメディアに記録される前に、フォレンシックマークをGOPに挿入することによって、DVDを生成するのに利用されるVOBファイルのGOPを変更する。GOPに使用されるフォレンシックマークは、図8〜12に関して説明されるようなものであってもよい。
【0013】
記憶装置305は好ましくは、ギガバイト(GB)またはテラバイト(TB)の映像及び音声情報を格納可能な記憶装置である。DVDのソースマテリアルが記憶装置305にロードされると、システムコントローラ310とコンピュータシステム315は共に、そのようなマテリアルの存在を認識し、この結果、ソースマテリアルはDVDにコピーされるかもしれない。ソースマテリアルは、WINDOWS(登録商標)、LINUX、UNIX(登録商標)などのオペレーティングシステムに関するファイルとして表されている。
【0014】
システムコントローラ310は好ましくは、コンピュータまたはWINDOWS(登録商標)あるいはLINUXベースソフトウェアを実行可能な他のタイプの処理手段である。好適な実施例では、システムコントローラ310は、WIN32ベースユーザインタフェースとソフトウェアリソースマネージャモジュールを用いて、イーサネット(登録商標)、ファイアウォール、T1またはT3コネクションなどネットワーク接続を介しアーキテクチャ300のその他のコンポーネントを実行する。ユーザインタフェースは、現在及び過去のジョブ状態を表示し、新しいジョブを生成するための情報を収集し、ジョブを管理するための制御を提供する。警告がまた、オペレータにジョブの完了やジョブの実行による問題を通知するため、ユーザインタフェースを介し表示される。
【0015】
処理手段としてのシステムコントローラ310は、リソースマネージャソフトウェアを用いて、DVDコントローラ320とコンピュータシステムとの間の接続をモニタし、アーキテクチャ300のアクティブなリソースをリストしたMICROSOFT ACCESSデータベースを実行する。具体的には、このデータベースはODBCやJBDCを利用して、システムアーキテクチャにおいて実行されるアプリケーションにより求められる永続的データを読み書きする。
【0016】
コンピュータシステム315は好ましくは、記憶装置305上のソースマテリアルのDVDコントローラ320への複製を制御するプログラムを実行するネットワーク上で動作可能なコンピュータである。これらの処理の一部は、変更されたDVD画像を生成するDVDに書き込まれるVOBへの実際のフォレンシックマーキング、変更されたDVD画像のDVDコントローラ320への移送、DVDコントローラ320に移送された画像へのシリアル番号の割当て、及びDVD上に物理的に印刷されたラベルグラフィックを含む。好ましくは、シリアル番号は、DVD上に印刷されたグラフィックの一部としてのバーコードとして印刷される。
【0017】
DVDコントローラ320は、DVD画像データのDVDへの複製を制御するネットワーク対応装置である。DVDコントローラ320は、DVDコントローラ320は、好ましくは1394ベース接続を介しコントローラ320に接続されるDVDバーナー330を実行する。DVDコントローラ330は、本明細書で説明されるセッションマネージャ、UDPファイルコピークライアント及びインタフェースドライバの3つのコンポーネントから構成される。記憶装置325は、DVDコントローラ325により受信されるDVD画像を表すデータを格納可能な大容量記憶装置である。DVDバーナー330はDVDを複製するのに用いられる複製手段の一例であり、VTRはビデオテープを複製するのに用いられる複製手段の一例である。
【0018】
複製対象となるソースマテリアルに関するパラメータをシステムコントローラ310を介しユーザが入力することにより、複製プロセス及び複製ジョブに利用されるフォレンティックマーキング方法の概観が始められる。複製処理には、システムコントローラ310により追跡されるジョブが割当てられる。複製ジョブがスタートすると、システムコントローラ310は、コンピュータシステム315にコピー数、使用されるフォレンシック生成方法、ラベルのグラフィック情報、複製対象となるDVD画像などのジョブに必要とされる要件をコンピュータシステム315に通知する。当該要件に応答して、コンピュータシステム315は、ジョブサービス方法に関して1以上のDVDコントローラ320と通信する。適切なリソースが複製ジョブに利用可能でないと判断されると(利用可能なDVD装置330またはメモリが十分でない)、システムコントローラ310は、リソースが利用可能になるまでジョブを待機キューにおく。
【0019】
適切なリソースが利用可能である場合、コンピュータシステム315は、記憶装置305からDVDコントローラ320へのソースマテリアルの送信を調整するDVDコントローラ320との接続を確立する。好ましくは、この複製はPostel J.による「User Datagram Protocol(Request For Comments 768,USC,Information Sciences Institute,August 1980)に説明されるようなユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)ベースアーキテクチャを介し行われる。ソースマテリアルのVOBファイルをDVDコントローラ320に複製する前、コンピュータシステム315は、ソースマテリアルからGOPを抽出し、フォレンシックマークをGOPに適用する。使用されるフォレンシックマークは、他のフォレンシックマーキング技術と同様に、図8〜12に提示されるマーキング技術の何れかであってもよい。
【0020】
GOPがマークされると、コンピュータシステム315は、マークされたVOBファイルをDVDコントローラ320に送信する。DVD焼付けプロセスは、DVDコントローラ320により起動され、DVDバーナーソフトウェアプログラム(RIMAGEにより製造されているような)を利用して焼付けを制御するスレッドを生成する。具体的には、コールバックを用いてソフトウェアプログラムはスレッドに焼付けの状態動作を通知するアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)として動作する。この状態情報は、そのような情報を格納し、ユーザインタフェースシステムを介し示される何れかの通知に基づくものとして当該情報を利用するシステムコントローラ310に転送される。DVDの焼付けが実行されると、DVDコントローラ320は、焼付け対象となる次の画像をダウンロードする。
【0021】
図4は、DVD複製プロセスを管理するのにシステムコントローラ310によって使用されるシステムコンポーネントのブロック図を表す。データベース350は、MICROSOFT ACCESS、ODBC(Open Database Connection)データフォーマットを利用した他のリレーショナルデータベース、あるいはJAVA(登録商標)データベース・コネクティビティ(JBDC)データフォーマットなどのプログラムを用いて、ユーザインタフェース360とリソースマネージャ370の両方に求められる永続的データを読み書きする。データベース350は、複製ジョブに対しユーザにより選択された選択肢に関するシステムアーキテクチャ情報、複製処理中に実行される複製ジョブ、システムアラート、ジョブ状態及びシステム300に関するコンフィギュレーションデータを格納する。データベースはまたコンピュータサーバ315及びDVDコントローラ320からのシステムメッセージを格納する。
【0022】
上述のように、ユーザインタフェースは、ODBC接続を介しジョブ及びコンフィギュレーション情報用のデータベース350にアクセスするMFC(Microsoft Foundation Class)アプリケーションである。複製ジョブがスタートすると、ユーザインタフェース360は、ソケット接続を介し複製ジョブをスタートするよう要求するため、リソースマネージャ370に接続する。
【0023】
ユーザインタフェースから複製ジョブの開始を示す情報を受信すると、リソースマネージャ370は、当該複製ジョブを処理するDVDコントローラ320を選択するため、ソケット接続を介し通信し、当該複製ジョブを実行するのに利用可能なコンピュータシステム315に接続する。リソースマネージャ370はまた、ユーザインタフェース360から受信したメッセージに基づき、複製ジョブを中断またはキャンセルする。
【0024】
図5は、システム300のコンピュータサーバ315の動作のシステム図である。具体的には、セッションマネージャ380は、システムコントローラ310とDVDコントローラ320との間の通信を担当するコンピュータシステムのソフトウェアプログラムである。セッションマネージャ380は、リソースマネージャ370とのソケット接続を確立し、最終的なDVD焼付けプロセスのため、データをマークし、DVDバーナー330に転送するのに利用されるファイル転送スレット(threat)を開始する。
【0025】
リソースマネージャ370からセッションマネージャ380への複製ジョブをスタートするコマンドは、複製対象となるDVDの画像が存在する記憶装置305にネットワークファイル共有ディレクトリへの参照を含む。このコマンドはまた、DVDの焼付けに利用されるDVDコントローラ320のインターネットプロトコルアドレスと、DVDコピーのスタートシリアル番号、ロゴインサータ390により挿入されるフォレンシックマーキングのタイプ、複製されるDVDコピーの個数などの制御情報を含む。その後、セッションマネージャ380とDVDコントローラ320との間の接続が確立される。
【0026】
セッションマネージャ380はまた、記憶装置305からローカルストレージ387にDVD画像を複製するためのものである。ローカルストレージ387へのDVD画像の複製が完了すると、リソースマネージャ370に通知される。その後、リソースマネージャ370は、セッションマネージャ380にDVD焼付けジョブを開始するよう指示する。
【0027】
DVD焼付けジョブが開始される前、セッションマネージャ380は、マークされたVOBコピー385にローカルストレージ387に格納されているVOBの一部を取得するよう通知し、フォレンシックマーキング技術を用いてロゴインサータ390によるVOBのマーキングに進む。好ましくは、フォレンシックマークは、図8〜12に示されるマークの何れかである。あるいは、選ばれたマークは、DVD画像を最終的に焼き付けるDVDバーナー30のNIC(Network Identification Control)番号と、DVDの焼付けが開始または終了した時間に対応するロゴまたはシリアル番号である。このマークは、時間の長さに対してVOBの各フレームに挿入されるか、あるいは後述されるフォレンシックマーキング技術に従って挿入されるであろう。マークされたVOBコピー385は、ロゴインサータ390によりマークされたマークが付されたVOBコピーを格納する。
【0028】
セッションマネージャ380がマークが付されたVOBコピー385から、DVD画像のVOBの作成が完了したという通知を受信すると、セッションマネージャ380は、DVDコントローラ320にDVD焼付けプロセスを開始するよう指示する。セッションマネージャ380は、UDPファイルコピー393を用いてマークが付されたVOBコピー385からDVDコントローラ320へのマークが付されたDVDコピーの転送を調整するため、マークが付されたVOBコピー385を制御する。UDPファイルコピー393は、DVDコントローラ320のどのIPアドレスに接続すべきかに関して通知され、これにより、マークが付されたDVDコピーはUDP接続を介しUDPファイルコピークライアント395に送信される。DVDコントローラ320のセッションマネージャ382は、マークが付されたDVDの転送成功を確実にするため、セッションマネージャ380と共に動作する。
【0029】
図6は、DVDコントローラ320の動作に関するシステム図である。セッションマネージャ382は、DVDコントローラ320の状態を通知するため、リソースマネージャ370と通信する。リソースマネージャ370に通知された情報は、DVDコントローラ320のIPアドレス、利用可能なポート番号、DVDバーナー330の個数などのパラメータを含む。セッションマネージャ382はまた、UDPファイルコピークライアント395と、コピースレッドを用いてコピーAPI398を介しDVDバーナー330を制御するインタフェースドライバ397を実行する。
【0030】
セッションマネージャ382は、マークが付されたDVD画像の焼付けを開始するため、セッションマネージャ380(コンピュータシステム315の)からの接続を待機する。当該リクエストに応答して、セッションマネージャ382は、UDPファイルコピークライアント395に当該リクエストを通知する。UDPファイルコピークライアント395がマークが付されたDVD画像を受け取ると、セッションマネージャ382は、インタフェースドライバ397にDVDバーナー330によるDVD画像の実際の焼付けを開始するよう指示する。セッションマネージャ382はまた、受信したコマンドに応答してDVD画像の焼付けを終了し、当該ジョブの終了をリソースマネージャ370に通知する。
【0031】
UDPファイルコピークライアント395は、UDPソケットを介しコンピュータシステム315からマークが付されたDVD画像と指示を受信する。この指示は、作成するファイル名、ファイルマーカーのエンド及びセッション標識のエンドから構成される。クライアント395はまた、要求されたファイルを作成し、マークが付されたDVD画像データをDVDバーナー330に複製するためのものである。セッションマネージャ382は、クライアント395がデータを読み込むため(UDPソケットとして)拘束するIPアドレスを提供することによって、クライアント395の処理のためのものである。マークが付されたすべてのDVD画像データが受信されると、UDPソケットはクローズされ、セッションマネージャ382には転送が完了したことが通知される。システムコントローラ310には、最終的には転送の完了が通知される。
【0032】
インタフェースドライバ397は、コピーAPI398を用いてDVD焼付けジョブを開始し、コピーAPI398からのコールバックのすべてをモニタするためのものである。セッションマネージャ382は、インタフェースドライバ397にマークが付されたDVD画像データの格納場所のディレクトリを通知する。インタフェースドライバ397は、コピーAPI398を呼び出してコピージョブファンクションをスタートし、これにより、API398はDVDバーナー330により焼付けされたDVDへの画像データの実際の複製を調整することができる。このコールバックは、複製プロセスの開始、終了及び説明を行うのに利用され、インタフェースドライバ397からセッションマネージャ382にソケットメッセージとして送り返される。焼付け処理が完了すると、セッションマネージャ382は、以降の複製ジョブのさらなる指示を待機するため、ソケットメッセージをコンピュータシステム315に送り返す。
【0033】
任意的に、DVD画像データはDVDコントローラ320によりローカル記憶装置325に格納される。ハードディスクのアレイなどの大容量記憶装置、またはギガバイトまたはテラバイトデータを格納可能なサーバとすることによって、記憶装置325は、複数のDVDの画像データを格納することができる。DVDコントローラ320は、これら複数の画像ファイルを用いて、第1のDVD画像からDVDバーナー330を介しDVDを作成し、第2のDVD画像から第2のDVDバーナー330を介し第2のDVDを生成するようにしてもよい。
【0034】
図7は、上述のシステム300に用いられる複製プロセスの方法を提供する。ステップ405は、リソースマネージャ370がコンピュータシステム315に複製ジョブを要求することによって開始される。その後ステップ410において、リソースマネージャ370は、指定されたDVD画像を記憶装置305からコンピュータシステム310に複製する。その後ステップ415において、コンピュータシステム315は、DVDコントローラ320に複製ジョブを開始するよう通知する。当該ステップ中、コンピュータシステム315は、ソースDVD画像をマークが付された画像データにし、当該データをDVDコントローラ320に送信する。
【0035】
DVDコントローラが画像データの複製を終了すると、ステップ425において、コンピュータシステム315には完了が通知される。その後ステップ430において、コンピュータシステム315は、DVDコントローラ320にマークが付された画像データの焼付けを開始するようDVDバーナー330を介し指示する。DVDコントローラは、コンピュータシステム315に焼付けがステップ440において開始されたことを通知し、次にステップ445においてリソースマネージャ370と通信される。
【0036】
DVDコントローラ320がマークが付されたDVD画像データの焼付けを完了すると、ステップ445において、コントローラ320はコンピュータシステム315に複製ジョブの完了について通知する。その後ステップ455において、焼付けジョブが完了したというメッセージをコンピュータシステム315により受信し、リソースマネージャ370は、ステップ405と同様に新たな複製ジョブを開始することができる。図1〜7において説明されるシステムは、マークにおいて知られている目に見えない透かしを利用するようにしてもよい。
【0037】
図8〜12は、DVD画像ファイルのVOBを作成するため、ロゴインサータ390により利用可能なフォレンシックマークの各種実施例を示す。これらの実施例はまた、ケーブル、衛星、地上波またはネットワークを介しプログラミングを送信する放送局によってなど、他のシステムにおいて利用されてもよい。理想的には、送信ネットワークの一部は、放送局から送信された映像に説明したフォレンシックマークを付加することが可能である。送信用の映像信号を符号化するのに用いられるエンコーダはまた、符号化された映像信号の一部の利用と同様に、説明されたフォレンシックマークを追加するようにしてもよい。本発明の原理に従って、他の挿入技術が利用されるべきである。
【0038】
具体的には、説明されたフォレンシックマーキング技術が、コンテンツ自体の内部のX座標平面、Y座標平面、時間次元などの5次元(5D)において、著作権侵害者には明らかでない隠されたマーキング方法により実行される。これらの5Dマーキング技術は、目に見えるテキストまたはオブジェクトを映像コンテンツのアクティブな映像領域の内部に配置する。最初の4つの次元の値は、侵害者が生成されたフォレンシックマークを取り除くため、自動化されたシステムを生成することができないように変動される。生成されたフォレンシックマークは、ソース画像データの各コピーから変更されるフォレンシックマーキングパラメータを参照して実行される。このような変更は、数学的アルゴリズムなどに従って、予め選択されたランダムなものである。
【0039】
本発明の例示的実施例では、DVD画像データなどの映像コンテンツは、フレームまたは画像系列から構明細書では、「フレーム」という用語は、「画像」という用語と互換的に用いられる。後述されるフォレンシックマーキング技術はまた、MPEG−2(Motion Picture Standards Group Standard ISO/IEC 13818−1:2000)及びITU−T H.264/MPEG AVC(ISO/IEC 14496−10)圧縮映像データを用いて、当該技術において既知のイントラフレーム及びインタフレーム符号化としての技術を利用する画像または映像画像シーケンスに符号化される映像データに対して利用されてもよい。「フレーム」という用語はまた、フレームシーケンスが映画や映像シーケンスを生成するのに利用した映画フレームまたは静止画像を表す。フレームという用語の他の定義は、当該技術分野において知られているものと同様に用いられるかもしれない。生成されたフォレンシックマークの表現は、図8〜12に示されるような仮想映像画面を利用することにより示される。フォレンシックマークは、オン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)生成装置などの表示手段を用いて、もとのソース画像データの映像画像に重ねられる。
【0040】
各フレームは、画像シーケンスのフレームの位置を表す番号として参照されてもよい。例えば、フレーム値が100であるということは、フレーム位置が画像シーケンスの第1フレームから1000番目であることを意味する。「フレームカウント」という用語は、フレームのインターバルを表す。例えば、1000から2000までのフレームカウントは、画像シーケンスの1000番目のフレーム位置から2000番目のフレーム位置までのフレームを表す。典型的には、フレームカウントは、フォレンシックマークが映像画面に表示される時間と期間を決定するのに利用される。「フレームレート」という用語は、1秒間に表示されるフレーム数を表す。例えば、30個のフレームのフレームレートを用いた映像は、毎秒30個のフレームが表示されることを意味する。
【0041】
図8は、アンカーポイントからのフォレンシックマークのオフセットを変えるフォレンシックマーキング技術の実施例を説明する。映像画面805は、本発明の例示的実施例を表す。ここでZは、フォレンシックマークが生成される他のアンカー位置を表す。本実施例では、Zは左上、右上、左下及び右下を表すアンカー位置である。選択されたアンカー位置から、生成されたマークが選択された位置からオフセットされる。このオフセットは上述されたような隠された次元として知られ、DVDやVHSテープの各コピーのオフセットは異なるものとなる。
【0042】
フォレンシックマークは、ロゴ、テキストまたは他の任意の視覚的オブジェクトなどのグラフィック要素であってもよい。本発明は、異なるタイプのフォレンシックマークが同一のソースマテリアルのコピーに対し生成されてもよいということを提供する。さらに、表示されたフォレンシックマークは、フォントタイプ、フォントサイズ、フォントカラーなどの表示テキストの属性を有してもよく、またフォント向きは、コピーごとに異なるものであってもよい。例えば、焼付けされるDVDに対応するシリアル番号は、フォレンシックマークに用いられる視覚情報であってもよい。このフォレンシックマークは、12ポイントArialフォントによるシリアル番号として示される。焼付けされる第2のDVDは、フォレンシックマークとしてそれのシリアル番号を利用するであろう。この場合、シリアル番号は、16ポイントTimes New Romanフォントなどの異なるフォントサイズ及びフォントタイプにより表示されるであろう。表示されるフォレンシックマークのバリエーションが、本発明の原理に従って選択されてもよい。
【0043】
マーキングされるコピー、コピーがマーキングされる時間、マーキングされるコピーの物理的サイズ、あるいはマーキングされるコピーに関する他の任意の属性に対応するシリアル番号などの情報を利用して、オフセットが生成される。この値またはマーキングされるコピーに関する値の組み合わせが、式の結果が選択されたアンカーポイントからのオフセットを表す式に代入される。例えば、マーキングされるコピーに対応するシリアル番号の平方根をとることによって、オフセットが計算されるかもしれない。このとき、オフセットの量は、選択されたアンカーポイントから離れた画素量に関連する。このオフセットは好ましくは、フォレンシックマークがアンカーポイントからオフセットされたX軸及びY軸の画素量である。他のオフセットの計算は、本発明の原理に従って利用されてもよい。
【0044】
映像画面810は、アンカーポイントXからオフセットされた映像画面を生成されたマークMにより表す。映像画面815は、映像画面810と異なるオフセットにより第2の映像画面を表す。従って、表示されたフォレンシックマークM´はアンカーポイントXからフォレンシックマークMとは異なる位置に配置される。
【0045】
本発明は、画像シーケンス内部の任意のフレームインターバルに対してフォレンシックマークの生成に利用されてもよい。本実施例では、フォレンシックマークM及びM´は、フレームFからF+Iの期間に表示される(Fは、映像コンテンツの任意のフレームであり、I=任意の正の整数)。好ましくは、FからF+Iの期間中、フォレンシックマークはそれのオフセットから映像画面上の第2の位置まで移動する。この向きはランダムとされてもよいし、あるいは上述のように第2の式に従って生成されてもよい。マークを移動させることは、著作権侵害者が認識を困難にするマークを空白または毛羽立たせることを困難にする。
【0046】
映像画面820は、フォレンシクマークMが映像画面810のマーク位置から左下方に移動したことを示す。同様に、映像画面825は、フォレンシックマークM´が映像画面815のマーク位置から左上方に移動したことを示す。マークM及びM´の移動は、フレームPからP+I(PはフレームFの後のフレーム位置)までのフレームインターバルの最中は継続する。表示のオフセット及び各種フォレンシックマークの関連する動きパラメータの変化は、任意的には、システムコントローラ310に利用されるようなデータベースに格納されてもよい。
【0047】
図9は、異なる期間における生成されたフォレンシックマークの位置を変位させるフォレンシックマーキング技術の実施例を説明する。映像画面905は、異なる4つの位置Z1、Z2、Z3及びZ4を示す映像画面を表す。本実施例では、フォレンシックマークはフレームインターバルの第1位置と第2フレームインターバルの第2位置との間で移動される。選択される位置は、共通のソースから生成される各コピーに一意的なものとすることができる。
【0048】
例えば、ソースマテリアルの第1コピーの映像画面910は、フレームFからフレームF+Iの期間にZ1の位置にあるフォレンシックマークを示す。同一のソースマテリアルから生成される第2コピーに対応する映像画面915は、フォレンシックマークがフレームFからF+Iの期間にZ3の位置にあることを示す。第1コピーの映像画面920は、フォレンシックマークがフレームF+IからF+I+Jの期間において第2位置であるZ2に移動することを示す(J=任意の正の整数、ここで、利用可能な画像シーケンスのトータルの画像量は、F+I+Jより大きい)。第2コピーに対応する映像画面925は、フォレンシックマークが映像画面920に用いられる位置とは異なる位置であるZ1に移動されることを示す。
【0049】
フォレンシックマークが移動される位置は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに一意的なフォレンシックコードを生成するのに利用されてもよい。本例では、第1コピーは(Z1,Z2)のフォレンシックコードを有し、第2コピーは(Z3,Z1)のフォレンシックコードを有するであろう。当該技術は、侵害者が表示されているフォレンシックマークの表示を削除するため映像を削るフレーム削除に対し役に立つ。フォレンシックマークの位置、マークが表示される時間、及びそのようなフォレンシックマークに用いられる位置の変化は、本発明の原理に従って変化する。任意的に、各種フォレンシックマークの表示位置の変化は、システムコントローラ310に用いられるようなデータベースに格納されてもよい。
【0050】
本発明の任意的実施例では、フォレンシックマーキングパラメータを利用することにより生成されるフォレンシックコードは、パリティビット、ハッシュコードなどのあるタイプの誤り訂正を採用するようにしてもよい。システムは、新会社が画像データのコピーを改ざんしたことを示す誤り訂正における障害を認識することができる。例えば、図9に用いられるフォレンシックマーキング技術は、生成されたフォレンシックマークが2つのフレームインターバルにおいて同一の位置にある場合、エラー状態を生じさせるであろう。マーク付けされた画像データを有するデータの物理的属性(画像データファイルのサイズなど)もまた、データが改ざんされたか判断するのにハッシュ処理されてもよい。他の誤り訂正技術が、本発明の原理に従って利用される。
【0051】
誤り訂正の各種スキームが、本発明の原理に従って追加されてもよい。
【0052】
図10は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに対しフォレンシックマークが表示される期間を変更するフォレンシックマーキング技術の実施例を示す。映像画面1005(第1コピーに対応する)と1010(第2コピーに対応する)は、それぞれフォレンシックマークMとM´を示す。好適な実施例では、フォレンシックマークは、本発明の原理に従う他の任意の方法により画面上に配置されてもよいが、アンカーポイントからオフセットされる。
【0053】
フォレンシックマークM及びM´は、フレームFからF+Iまでの期間において映像画面上に表示される(F=正の整数、トータルの画像量はF+Iより大きい)。F+Iのフレームカウント後、フォレンシックマークMとM´が削除され、5分間の間、フォレンシックマークは示されない。
【0054】
映像画面1015(第1コピー)と1020(第2コピー)は、フレームGに対応する(G=Fより大きな正の整数)5分間の経過後にフォレンシックマークMとM´を表示する。このとき、MとM´は異なる期間に表示され、映像画面1015に対して、MはフレームGからG+120まで表示され、M´はフレームGからG+180まで表示される。1分後、これらのマークは削除され、フォレンシックマークが異なる期間再び表示される。第1コピーに対応する映像画面1025は、フレームHからH+180(H=Gより大きな正の整数)までマークMを表示する。同一のソースマテリアルの第2コピーに対応する映像画面1030は、フレームHからH+240までの期間にマークM´を表示する。本発明の原理に従って、任意の期間が選択可能である。各種フォレンシックマークの表示期間及び/または位置の変動は、システムコントローラ310に利用されるようなデータベースに任意的に格納されてもよい。
【0055】
図11は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに対しフォレンシックマークが表示される期間を変化させるフォレンシックマーキング技術の実施例を示す。具体的には、本発明の実施例は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーの間でフォレンシックマークが表示される期間を変化させるものである。本実施例では、映像画面1105、1115及び1125は、ソースマテリアルの第1のマーク付けされたコピーに対応し、映像画面1110、1120及び1130は、同一のソースマテリアルの第2のマーク付けされたコピーに対応する。
【0056】
映像画面1105と1110は、フレームFからF´までの期間にそれぞれフォレンシックマークMとM´を表示していた。2分後、映像画面1120はGからG+120の期間にフォレンシックマークM´を表示し、映像画面1115に示されるように、当該フレーム期間中にはフォレンシックマークMは表示されない。G+120の1分後、映像画面1125に示されるように、MがフレームHからH+240まで示され、映像画面1130に示されるように、当該フレーム期間中はフォレンシックマークM´は表示されない。この技術は、フレームがソースマテリアルの侵害されたコピーから削除されると、著作権所有者に警告がなされる。
【0057】
本発明の原理によると、マークが可視的またはそうでない期間は、任意に選択されてもよい。フォレンシックマークが可視的であるか否かにかかわらず、表示期間及び/または各種フォレンシックマークの位置の変化は、任意的にシステムコントローラ310に利用されるようなデータベースに格納されてもよい。
【0058】
図12は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに対しフォレンシックマークとしてクレジットを変化させるフォレンシックマーキング技術の実施例を示す。映像画面1205、1210及び1215は、各コピーが異なるフォレンシックマークを利用する同一のソースマテリアルの異なるマーク付けされたコピーに対応する。
【0059】
映像画像1205は、各タイトルの始めに添付された「#」文字による特定の順序により、サンプルタイトルである「タイトル1」、「タイトル2」、「タイトル3」及び「タイトル4」を表示する。映像画面1210は、同じ順序によりタイトルを表示するが、各タイトルの終わりには異なる文字が配置される。対照的に、映像画面1215は、異なる順序により、各タイトルの始まりまたは終わりに文字を追加することなく、サンプルタイトルを表示する。
【0060】
映像画面1220と1225は、ソースマテリアルから生成されるマーク付けされたコピーに対するクレジットを表示するのに利用可能な異なる技術を表示する。この場合、クレジットは、第1クレジットグループが映像画面1220に示される異なるグループに分割される(タイトル1とタイトル4)。第2のクレジットグループ(タイトル2とタイトル3)が、同一のコピーに対する映像画面1225(タイトル2とタイトル3)に示されるように以降において示される。クレジットの順序の並び替え、クレジットの始めまたは終わりに添付される文字、及びクレジットのグループ化は、本発明の原理に従ってコピーごとに可変とされてもよい。クレジットの順序及び変更の変動は、任意的には、システムコントローラ310に利用されるようなデータベースに格納されてもよい。
【0061】
以下に示されるように、「テーブル1」は、DVD画像データまたはビデオテープ画像データの各コピーに対しフォレンシックマークを生成するのに利用され、データベース350に格納されるサンプルフォレンシックマーキングパラメータの例示的な実施例である。シリアル番号は、複製される画像に対応するシリアル番号を参照するものである。アンカー位置は、表示されたマークのベース部分に対し選択されるアンカー位置(図8に示される)を参照する。
【0062】
オフセットは、指定されたアンカー位置から離れてマークが存在するユニットまたは画素量に関するマークの位置からの位置オフセットを表す。このオフセットは、正または負の整数とすることが可能なX軸とY軸の座標として表現される。オフセット方向は、フォレンシックマークがそれの指定されたオフセット位置から移動する方法を示す(X軸及びY軸座標により表される)。マークが移動する動きレートは、本発明の原理に従って可変とされてもよい。
【0063】
フレーム「スタートA」と「エンドA」は共に、フォレンシックマーキングされた画像シーケンスのスタート及びエンド位置を示す値を表す。同様に、フレーム「スタートB」と「エンドB」は、フォレンシックマーキングされた画像シーケンスのスタート及びエンド位置を示す。視覚的マークは、利用されているフォレンシックマークを表す。データベース350に格納されている他の値の変動は、本発明の原理に従って選択される。これらのフォレンシックマーキングパラメータはまた、上述のように、誤り訂正符号の基礎を構成するのに利用されてもよい。
【0064】
【表1】
本発明は、コンピュータにより実現されるプロセス及び当該プロセスを実現する装置の形式により実現されてもよい。本発明はまた、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、実行されるとき、本発明を実現する装置となるような、フロッピー(登録商標)ディスケット、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM、ハードドライブ、高密度ディスクあるいは他の任意のコンピュータ可読記憶媒体などの有形の媒体に実現されるコンピュータプログラムコードの形態により実現されてもよい。本発明はまた、例えば、記憶媒体に格納され、コンピュータにロード及び/または実行され、あるいは、電気配線またはケーブル、光ファイバあるいは電磁放射などの送信媒体を介し送信されるかにかかわらず、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、実行されるとき、本発明を実現する装置となるようなコンピュータプログラムコードの形態により実現されてもよい。汎用プロセッサ上で実現されるとき、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を形成するようプロセッサを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の実施例による記録可能及び読出し専用DVDプレーヤーと互換性を有する一例となる最上位レベルの汎用DVDデータフォーマットを示す。
【図2】図2は、本発明の実施例によるボリューム/ファイル構造及び映像プログラムナビゲーション情報を示す読出し専用DVDデータフォーマットを示す。
【図3】図3は、本発明の実施例によるフォレンシックマーキングされたDVDを複製するためのシステム図を示す。
【図4】図4は、本発明の実施例によるシステムコントローラのシステム図を示す。
【図5】図5は、本発明の実施例によるコンピュータシステムのシステム図を示す。
【図6】図6は、本発明の実施例によるDVDを作成するのに利用されるDVDコントローラのシステム図を示す。
【図7】図7は、本発明の実施例によるDVDの複製及びフォレンシックマーキングを行うのに利用されるシステム方法のフローチャートを示す。
【図8】図8は、本発明の実施例によるアンカーポイント及びオフセットを利用するフォレンシックマーキング技術を示す。
【図9】図9は、本発明の実施例による様々なアンカーポイントに存在するフォレンシックマークを利用したフォレンシックマーキング技術を示す。
【図10】図10は、本発明の実施例によるフォレンシックマークを表示するフレームインターバルを可変とするフォレンシックマーキング技術を示す。
【図11】図11は、本発明の実施例によるフォレンシックマークを表示するフレームインターバル間の期間を可変とするフォレンシックマーキング技術を示す。
【図12】図12は、本発明の実施例によるクレジット表示を可変とするフォレンシックマーキング技術を示す。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、フォレンシックマーキング(forensic marking)の技術分野に関し、特に大量に複製されたメディアに対するフォレンシックマークを生成する技術に関する。
【0002】
発明の背景
映画スタジオや音楽会社により作成される作品の著作権侵害が、大きな関心事になってきている。作品のコピーにより生成されるコンテンツを配布するのに利用されるコンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ビデオテープなどの記憶媒体は、容易に複製される。多くの著作権侵害は、CD/DVDバーナー(burner)やビデオテープレコーダ(VTR)などのツールを用いて、CD、DVDやビデオテープを他のCD、DVD及びビデオテープや他のタイプの物理的メディアに直接コピーする。
【0003】
さらに現在では、映像キャプチャ及び圧縮の進歩により、DVDから映画を抽出し、抽出したコンテンツをインターネットを介し送信することが可能である。この抽出または「切り取られた」映画は、ユーザがクライアントプログラムの簡単な利用を通じて他のユーザに切り取られた映画を送信することを可能にするピア・ツー・ピアネットワークと呼ばれるアーキテクチャを介し容易に配信される。このため、著作権侵害者が1つのCDやDVDから世界中にコンテンツを配信することは極めて容易である。このため、エンターテイメント企業や複製メディアを製造する企業は、メディアの不法な移転に対する保護を可能にするCD、DVD及びビデオテープを作成するシステムアーキテクチャを利用することを所望するであろう。
【0004】
発明の概要
ソースマテリアルから生成されたコピーをフォレンシックマーキングするシステム及び方法が開示される。具体的には、これらのコピーは各種フォレンシックマーキング技術を用いて様々なフォレンシックマークにより一意的にマーキングされる。選ばれたフォレンシックマークは、ソースマテリアルのコピーごとに異なるものとなる。
【0005】
実施例の詳細な説明
この詳細な説明において、メディアの作成者または再生者が当該メディアの配布を追跡することを可能にするフォレンティックマークとして知られるセキュリティマークの利用が説明される。好ましくは、フォレンティックマークは、ロウバストなものである必要があり、コンテンツ再生中に必然的に実行される、デジタルキャプチャ(アナログ信号の量子化)、圧縮(MPEG、DV)、映像ノイズ除去、フィルムのテレビフレームレートへのフレームレート変換、ディスプレイ・デ・テレシン(display de−telecine)処理、25/30Hz、30/25Hz、24/30Hzなどのテレビ送信フレームレート変換などの各種映像処理変換に耐えうるものでなければならない。著作権侵害中には、例えば、マークを検索し、当該マークを検出不能なものにしようとするなどの他の逆映像処理変換を行うことが可能である。
【0006】
不法に複製されたコンテンツが検出されると、「キー(key)」が復元され、コンテンツの窃盗が発生したソース(プログラムコピー宛先)に一致するシリアル番号と一致することが可能となるように、マークが検出される必要がある。目に見えないフォレンシックマークと、実行中のプログラムの目に見えないマーキング形成部のための技術を利用した各種構成が、他の者により実現されてきた。
【0007】
ここで開示される本発明の構成が、フィルム、CD、DVDディスク及びVHSテープの物理的媒体としてのコンテンツ配布に関して説明される。しかしながら、本発明によるコンセプト及びアルゴリズムは、それに限定されるものではなく、配布媒体とは関係なく任意の映像信号に大部分は等しく適用可能である。
【0008】
図1は、記録可能及び読出し専用DVDプレーヤーと互換的な一例となるトップレベルの汎用的DVDデータフォーマットを示す。ハイレベルの階層的な汎用的データフォーマットは、ファイル位置及びパスを規定するボリューム及びファイル構造セクション400と、他のボリュームあるいはファイル構造情報の挿入用セクション403とから構成される。最上位のレベルはまた、プログラム映像コンテンツ及びプログラムガイド/メニューコンテンツを含む映像ゾーン405と、補助的データなどのための他のゾーン407を含む。映像ゾーン405は、映像マネージャ409と映像ゾーン411とから構成される。さらに、映像マネージャ409は、ナビゲーション情報414と、ナビゲーション情報及び他のデータをセクション420に挿入するためのデータセクション418とから階層的に構成される。映像ゾーン411は、ナビゲーション情報422と、後処理モードにおいて生成されたナビゲーション情報及び他のデータをセクション427に挿入するためのデータセクション424とから構成される。
【0009】
図1の汎用的フォーマットの範囲内に含まれるファイル構造及びナビゲーションパラメータは、MPEG互換的なGOP(Group Of Picture)やDVDビデオ・オブジェクト・ユニット(VOBU)内の画像を介しナビゲーションをサポートする。これらのパラメータはまた、単独のプログラム、あるいは音声プログラム、インターネットウェブページデータ、テキストデータ及びプログラムガイドを含む各種プログラム間及び異なるMPEGエレメンタリストリームの画像間のナビゲーションをサポートする。具体的には、ナビゲーションパラメータは、例えば、個々のGOP、ビデオ・オブジェクト・ユニット(VOBU)におけるGOPの個数または画像データ位置情報を特定するパラメータを含むものであってもよい。さらに、そのような位置情報は、画像を表すデータのサイズ、VOBUやGOPのMPEG基準フレーム、あるいはデータスタートまたはエンドアドレスを表す画像を特定するデータを含むようにしてもよい。さらに、ナビゲーションパラメータはまた、トリック再生モード選択情報を含むものであってもよい。
【0010】
図2は、各種動作モードに対し映像プログラム画像シーケンスの復号化及びナビゲートにおいて利用されるナビゲーション情報の位置及び構造を示すDVD階層的データフォーマットの一実施例を示す。最上位レベルの階層的読出し専用データフォーマットは、ボリューム及びファイル構造データ191、映像マネージャセクション(VMG)200、及び映像プログラムコンテンツを含む映像タイトル(プログラム)セット(VTS)203〜205から構成される。各VTSは、1以上の映像プログラム(タイトル)の映像タイトルセット情報(VTSI)213、プログラムメニュー情報217、プログラムコンテンツ情報223、及びバックアップVTSIデータ225と階層的に関連付けされている。さらに、プログラムメニュー情報217とプログラムコンテンツ情報223は、ビデオ・オブジェクト(VOB)260−262から構成され、各VOB(VOB260など)は、セル264−266から構成されている。セル264などの各セルは、1秒から、例えば映画全体などの長さまで可変的な期間のプログラムデータを表す。セル264はビデオ・オブジェクト・ユニット(VOBU)268〜270から構成され、各ビデオ・オブジェクト・ユニットは、映像プログラムの0.4〜1.2秒の再生を表す。各ビデオ・オブジェクト・ユニット(ユニット272、274〜276により例示される)は、映像、音声及びサブ画像データ(例えば、字幕や補助テキストなどから構成される)と共にナビゲーションパック情報を含むものであってもよい。各ナビゲーションパックは、ユニット280〜294に示されるように、ヘッダ、サブストリーム_ids、提示制御情報(PCI)データ及びデータ検索情報(DSI)を含む。
【0011】
映像マネージャセクション(VMG)200のDVDディスクのメインメニューは、任意的なものである。このメインメニューは、DVDディスクにアクセスするとユーザが見ることができる最初の画像を表す。VMG200は、映像マネージャ制御データ207、ディスクメニュー209及び映像マネージャバックアップ情報210に階層的に関連付けされている。さらに、制御データ207は、情報管理テーブル230、タイトルサーチポインタテーブル233、メニュープログラムチェーン情報ユニットテーブル235、ペアレンタル管理情報テーブル237、ビデオタイトルセット属性テーブル239、テキストデータマネージャ242、メニューセルアドレステーブル244及びメニュービデオ・オブジェクト・ユニットアドレスマップ246から構成される。具体的には、アイテム230〜246は、VMG情報のサイズ及びスタートアドレス、映像マネージャメニューのビデオ・オブジェクトの属性、映像プログラムサーチ情報、メニュー言語情報、ペアレンタルレーティング制御情報、重複映像プログラム属性情報、及びプログラム識別名(ボリューム、アルバムまたは作成者名など)から構成される。さらに、タイトルサーチポインタテーブル233は、各々がプログラムタイプ、プログラム番号、カメラアングル数、ペアレンタルレーティング識別子及び各プログラムのディスク上のプログラムスタートアドレスを特定するサーチ情報アイテム253、255、257及び259を含む。タイトルサーチポインタテーブル233はまた、サーチポインタテーブルのサイズと位置を規定するパラメータをアイテム248に含む。
【0012】
図3は、再生中のDVDをフォレンシックにマークするDVD複製のためのシステムアーキテクチャ300の図である。当該アーキテクチャは、VOBがDVDメディアに記録される前に、フォレンシックマークをGOPに挿入することによって、DVDを生成するのに利用されるVOBファイルのGOPを変更する。GOPに使用されるフォレンシックマークは、図8〜12に関して説明されるようなものであってもよい。
【0013】
記憶装置305は好ましくは、ギガバイト(GB)またはテラバイト(TB)の映像及び音声情報を格納可能な記憶装置である。DVDのソースマテリアルが記憶装置305にロードされると、システムコントローラ310とコンピュータシステム315は共に、そのようなマテリアルの存在を認識し、この結果、ソースマテリアルはDVDにコピーされるかもしれない。ソースマテリアルは、WINDOWS(登録商標)、LINUX、UNIX(登録商標)などのオペレーティングシステムに関するファイルとして表されている。
【0014】
システムコントローラ310は好ましくは、コンピュータまたはWINDOWS(登録商標)あるいはLINUXベースソフトウェアを実行可能な他のタイプの処理手段である。好適な実施例では、システムコントローラ310は、WIN32ベースユーザインタフェースとソフトウェアリソースマネージャモジュールを用いて、イーサネット(登録商標)、ファイアウォール、T1またはT3コネクションなどネットワーク接続を介しアーキテクチャ300のその他のコンポーネントを実行する。ユーザインタフェースは、現在及び過去のジョブ状態を表示し、新しいジョブを生成するための情報を収集し、ジョブを管理するための制御を提供する。警告がまた、オペレータにジョブの完了やジョブの実行による問題を通知するため、ユーザインタフェースを介し表示される。
【0015】
処理手段としてのシステムコントローラ310は、リソースマネージャソフトウェアを用いて、DVDコントローラ320とコンピュータシステムとの間の接続をモニタし、アーキテクチャ300のアクティブなリソースをリストしたMICROSOFT ACCESSデータベースを実行する。具体的には、このデータベースはODBCやJBDCを利用して、システムアーキテクチャにおいて実行されるアプリケーションにより求められる永続的データを読み書きする。
【0016】
コンピュータシステム315は好ましくは、記憶装置305上のソースマテリアルのDVDコントローラ320への複製を制御するプログラムを実行するネットワーク上で動作可能なコンピュータである。これらの処理の一部は、変更されたDVD画像を生成するDVDに書き込まれるVOBへの実際のフォレンシックマーキング、変更されたDVD画像のDVDコントローラ320への移送、DVDコントローラ320に移送された画像へのシリアル番号の割当て、及びDVD上に物理的に印刷されたラベルグラフィックを含む。好ましくは、シリアル番号は、DVD上に印刷されたグラフィックの一部としてのバーコードとして印刷される。
【0017】
DVDコントローラ320は、DVD画像データのDVDへの複製を制御するネットワーク対応装置である。DVDコントローラ320は、DVDコントローラ320は、好ましくは1394ベース接続を介しコントローラ320に接続されるDVDバーナー330を実行する。DVDコントローラ330は、本明細書で説明されるセッションマネージャ、UDPファイルコピークライアント及びインタフェースドライバの3つのコンポーネントから構成される。記憶装置325は、DVDコントローラ325により受信されるDVD画像を表すデータを格納可能な大容量記憶装置である。DVDバーナー330はDVDを複製するのに用いられる複製手段の一例であり、VTRはビデオテープを複製するのに用いられる複製手段の一例である。
【0018】
複製対象となるソースマテリアルに関するパラメータをシステムコントローラ310を介しユーザが入力することにより、複製プロセス及び複製ジョブに利用されるフォレンティックマーキング方法の概観が始められる。複製処理には、システムコントローラ310により追跡されるジョブが割当てられる。複製ジョブがスタートすると、システムコントローラ310は、コンピュータシステム315にコピー数、使用されるフォレンシック生成方法、ラベルのグラフィック情報、複製対象となるDVD画像などのジョブに必要とされる要件をコンピュータシステム315に通知する。当該要件に応答して、コンピュータシステム315は、ジョブサービス方法に関して1以上のDVDコントローラ320と通信する。適切なリソースが複製ジョブに利用可能でないと判断されると(利用可能なDVD装置330またはメモリが十分でない)、システムコントローラ310は、リソースが利用可能になるまでジョブを待機キューにおく。
【0019】
適切なリソースが利用可能である場合、コンピュータシステム315は、記憶装置305からDVDコントローラ320へのソースマテリアルの送信を調整するDVDコントローラ320との接続を確立する。好ましくは、この複製はPostel J.による「User Datagram Protocol(Request For Comments 768,USC,Information Sciences Institute,August 1980)に説明されるようなユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)ベースアーキテクチャを介し行われる。ソースマテリアルのVOBファイルをDVDコントローラ320に複製する前、コンピュータシステム315は、ソースマテリアルからGOPを抽出し、フォレンシックマークをGOPに適用する。使用されるフォレンシックマークは、他のフォレンシックマーキング技術と同様に、図8〜12に提示されるマーキング技術の何れかであってもよい。
【0020】
GOPがマークされると、コンピュータシステム315は、マークされたVOBファイルをDVDコントローラ320に送信する。DVD焼付けプロセスは、DVDコントローラ320により起動され、DVDバーナーソフトウェアプログラム(RIMAGEにより製造されているような)を利用して焼付けを制御するスレッドを生成する。具体的には、コールバックを用いてソフトウェアプログラムはスレッドに焼付けの状態動作を通知するアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)として動作する。この状態情報は、そのような情報を格納し、ユーザインタフェースシステムを介し示される何れかの通知に基づくものとして当該情報を利用するシステムコントローラ310に転送される。DVDの焼付けが実行されると、DVDコントローラ320は、焼付け対象となる次の画像をダウンロードする。
【0021】
図4は、DVD複製プロセスを管理するのにシステムコントローラ310によって使用されるシステムコンポーネントのブロック図を表す。データベース350は、MICROSOFT ACCESS、ODBC(Open Database Connection)データフォーマットを利用した他のリレーショナルデータベース、あるいはJAVA(登録商標)データベース・コネクティビティ(JBDC)データフォーマットなどのプログラムを用いて、ユーザインタフェース360とリソースマネージャ370の両方に求められる永続的データを読み書きする。データベース350は、複製ジョブに対しユーザにより選択された選択肢に関するシステムアーキテクチャ情報、複製処理中に実行される複製ジョブ、システムアラート、ジョブ状態及びシステム300に関するコンフィギュレーションデータを格納する。データベースはまたコンピュータサーバ315及びDVDコントローラ320からのシステムメッセージを格納する。
【0022】
上述のように、ユーザインタフェースは、ODBC接続を介しジョブ及びコンフィギュレーション情報用のデータベース350にアクセスするMFC(Microsoft Foundation Class)アプリケーションである。複製ジョブがスタートすると、ユーザインタフェース360は、ソケット接続を介し複製ジョブをスタートするよう要求するため、リソースマネージャ370に接続する。
【0023】
ユーザインタフェースから複製ジョブの開始を示す情報を受信すると、リソースマネージャ370は、当該複製ジョブを処理するDVDコントローラ320を選択するため、ソケット接続を介し通信し、当該複製ジョブを実行するのに利用可能なコンピュータシステム315に接続する。リソースマネージャ370はまた、ユーザインタフェース360から受信したメッセージに基づき、複製ジョブを中断またはキャンセルする。
【0024】
図5は、システム300のコンピュータサーバ315の動作のシステム図である。具体的には、セッションマネージャ380は、システムコントローラ310とDVDコントローラ320との間の通信を担当するコンピュータシステムのソフトウェアプログラムである。セッションマネージャ380は、リソースマネージャ370とのソケット接続を確立し、最終的なDVD焼付けプロセスのため、データをマークし、DVDバーナー330に転送するのに利用されるファイル転送スレット(threat)を開始する。
【0025】
リソースマネージャ370からセッションマネージャ380への複製ジョブをスタートするコマンドは、複製対象となるDVDの画像が存在する記憶装置305にネットワークファイル共有ディレクトリへの参照を含む。このコマンドはまた、DVDの焼付けに利用されるDVDコントローラ320のインターネットプロトコルアドレスと、DVDコピーのスタートシリアル番号、ロゴインサータ390により挿入されるフォレンシックマーキングのタイプ、複製されるDVDコピーの個数などの制御情報を含む。その後、セッションマネージャ380とDVDコントローラ320との間の接続が確立される。
【0026】
セッションマネージャ380はまた、記憶装置305からローカルストレージ387にDVD画像を複製するためのものである。ローカルストレージ387へのDVD画像の複製が完了すると、リソースマネージャ370に通知される。その後、リソースマネージャ370は、セッションマネージャ380にDVD焼付けジョブを開始するよう指示する。
【0027】
DVD焼付けジョブが開始される前、セッションマネージャ380は、マークされたVOBコピー385にローカルストレージ387に格納されているVOBの一部を取得するよう通知し、フォレンシックマーキング技術を用いてロゴインサータ390によるVOBのマーキングに進む。好ましくは、フォレンシックマークは、図8〜12に示されるマークの何れかである。あるいは、選ばれたマークは、DVD画像を最終的に焼き付けるDVDバーナー30のNIC(Network Identification Control)番号と、DVDの焼付けが開始または終了した時間に対応するロゴまたはシリアル番号である。このマークは、時間の長さに対してVOBの各フレームに挿入されるか、あるいは後述されるフォレンシックマーキング技術に従って挿入されるであろう。マークされたVOBコピー385は、ロゴインサータ390によりマークされたマークが付されたVOBコピーを格納する。
【0028】
セッションマネージャ380がマークが付されたVOBコピー385から、DVD画像のVOBの作成が完了したという通知を受信すると、セッションマネージャ380は、DVDコントローラ320にDVD焼付けプロセスを開始するよう指示する。セッションマネージャ380は、UDPファイルコピー393を用いてマークが付されたVOBコピー385からDVDコントローラ320へのマークが付されたDVDコピーの転送を調整するため、マークが付されたVOBコピー385を制御する。UDPファイルコピー393は、DVDコントローラ320のどのIPアドレスに接続すべきかに関して通知され、これにより、マークが付されたDVDコピーはUDP接続を介しUDPファイルコピークライアント395に送信される。DVDコントローラ320のセッションマネージャ382は、マークが付されたDVDの転送成功を確実にするため、セッションマネージャ380と共に動作する。
【0029】
図6は、DVDコントローラ320の動作に関するシステム図である。セッションマネージャ382は、DVDコントローラ320の状態を通知するため、リソースマネージャ370と通信する。リソースマネージャ370に通知された情報は、DVDコントローラ320のIPアドレス、利用可能なポート番号、DVDバーナー330の個数などのパラメータを含む。セッションマネージャ382はまた、UDPファイルコピークライアント395と、コピースレッドを用いてコピーAPI398を介しDVDバーナー330を制御するインタフェースドライバ397を実行する。
【0030】
セッションマネージャ382は、マークが付されたDVD画像の焼付けを開始するため、セッションマネージャ380(コンピュータシステム315の)からの接続を待機する。当該リクエストに応答して、セッションマネージャ382は、UDPファイルコピークライアント395に当該リクエストを通知する。UDPファイルコピークライアント395がマークが付されたDVD画像を受け取ると、セッションマネージャ382は、インタフェースドライバ397にDVDバーナー330によるDVD画像の実際の焼付けを開始するよう指示する。セッションマネージャ382はまた、受信したコマンドに応答してDVD画像の焼付けを終了し、当該ジョブの終了をリソースマネージャ370に通知する。
【0031】
UDPファイルコピークライアント395は、UDPソケットを介しコンピュータシステム315からマークが付されたDVD画像と指示を受信する。この指示は、作成するファイル名、ファイルマーカーのエンド及びセッション標識のエンドから構成される。クライアント395はまた、要求されたファイルを作成し、マークが付されたDVD画像データをDVDバーナー330に複製するためのものである。セッションマネージャ382は、クライアント395がデータを読み込むため(UDPソケットとして)拘束するIPアドレスを提供することによって、クライアント395の処理のためのものである。マークが付されたすべてのDVD画像データが受信されると、UDPソケットはクローズされ、セッションマネージャ382には転送が完了したことが通知される。システムコントローラ310には、最終的には転送の完了が通知される。
【0032】
インタフェースドライバ397は、コピーAPI398を用いてDVD焼付けジョブを開始し、コピーAPI398からのコールバックのすべてをモニタするためのものである。セッションマネージャ382は、インタフェースドライバ397にマークが付されたDVD画像データの格納場所のディレクトリを通知する。インタフェースドライバ397は、コピーAPI398を呼び出してコピージョブファンクションをスタートし、これにより、API398はDVDバーナー330により焼付けされたDVDへの画像データの実際の複製を調整することができる。このコールバックは、複製プロセスの開始、終了及び説明を行うのに利用され、インタフェースドライバ397からセッションマネージャ382にソケットメッセージとして送り返される。焼付け処理が完了すると、セッションマネージャ382は、以降の複製ジョブのさらなる指示を待機するため、ソケットメッセージをコンピュータシステム315に送り返す。
【0033】
任意的に、DVD画像データはDVDコントローラ320によりローカル記憶装置325に格納される。ハードディスクのアレイなどの大容量記憶装置、またはギガバイトまたはテラバイトデータを格納可能なサーバとすることによって、記憶装置325は、複数のDVDの画像データを格納することができる。DVDコントローラ320は、これら複数の画像ファイルを用いて、第1のDVD画像からDVDバーナー330を介しDVDを作成し、第2のDVD画像から第2のDVDバーナー330を介し第2のDVDを生成するようにしてもよい。
【0034】
図7は、上述のシステム300に用いられる複製プロセスの方法を提供する。ステップ405は、リソースマネージャ370がコンピュータシステム315に複製ジョブを要求することによって開始される。その後ステップ410において、リソースマネージャ370は、指定されたDVD画像を記憶装置305からコンピュータシステム310に複製する。その後ステップ415において、コンピュータシステム315は、DVDコントローラ320に複製ジョブを開始するよう通知する。当該ステップ中、コンピュータシステム315は、ソースDVD画像をマークが付された画像データにし、当該データをDVDコントローラ320に送信する。
【0035】
DVDコントローラが画像データの複製を終了すると、ステップ425において、コンピュータシステム315には完了が通知される。その後ステップ430において、コンピュータシステム315は、DVDコントローラ320にマークが付された画像データの焼付けを開始するようDVDバーナー330を介し指示する。DVDコントローラは、コンピュータシステム315に焼付けがステップ440において開始されたことを通知し、次にステップ445においてリソースマネージャ370と通信される。
【0036】
DVDコントローラ320がマークが付されたDVD画像データの焼付けを完了すると、ステップ445において、コントローラ320はコンピュータシステム315に複製ジョブの完了について通知する。その後ステップ455において、焼付けジョブが完了したというメッセージをコンピュータシステム315により受信し、リソースマネージャ370は、ステップ405と同様に新たな複製ジョブを開始することができる。図1〜7において説明されるシステムは、マークにおいて知られている目に見えない透かしを利用するようにしてもよい。
【0037】
図8〜12は、DVD画像ファイルのVOBを作成するため、ロゴインサータ390により利用可能なフォレンシックマークの各種実施例を示す。これらの実施例はまた、ケーブル、衛星、地上波またはネットワークを介しプログラミングを送信する放送局によってなど、他のシステムにおいて利用されてもよい。理想的には、送信ネットワークの一部は、放送局から送信された映像に説明したフォレンシックマークを付加することが可能である。送信用の映像信号を符号化するのに用いられるエンコーダはまた、符号化された映像信号の一部の利用と同様に、説明されたフォレンシックマークを追加するようにしてもよい。本発明の原理に従って、他の挿入技術が利用されるべきである。
【0038】
具体的には、説明されたフォレンシックマーキング技術が、コンテンツ自体の内部のX座標平面、Y座標平面、時間次元などの5次元(5D)において、著作権侵害者には明らかでない隠されたマーキング方法により実行される。これらの5Dマーキング技術は、目に見えるテキストまたはオブジェクトを映像コンテンツのアクティブな映像領域の内部に配置する。最初の4つの次元の値は、侵害者が生成されたフォレンシックマークを取り除くため、自動化されたシステムを生成することができないように変動される。生成されたフォレンシックマークは、ソース画像データの各コピーから変更されるフォレンシックマーキングパラメータを参照して実行される。このような変更は、数学的アルゴリズムなどに従って、予め選択されたランダムなものである。
【0039】
本発明の例示的実施例では、DVD画像データなどの映像コンテンツは、フレームまたは画像系列から構明細書では、「フレーム」という用語は、「画像」という用語と互換的に用いられる。後述されるフォレンシックマーキング技術はまた、MPEG−2(Motion Picture Standards Group Standard ISO/IEC 13818−1:2000)及びITU−T H.264/MPEG AVC(ISO/IEC 14496−10)圧縮映像データを用いて、当該技術において既知のイントラフレーム及びインタフレーム符号化としての技術を利用する画像または映像画像シーケンスに符号化される映像データに対して利用されてもよい。「フレーム」という用語はまた、フレームシーケンスが映画や映像シーケンスを生成するのに利用した映画フレームまたは静止画像を表す。フレームという用語の他の定義は、当該技術分野において知られているものと同様に用いられるかもしれない。生成されたフォレンシックマークの表現は、図8〜12に示されるような仮想映像画面を利用することにより示される。フォレンシックマークは、オン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)生成装置などの表示手段を用いて、もとのソース画像データの映像画像に重ねられる。
【0040】
各フレームは、画像シーケンスのフレームの位置を表す番号として参照されてもよい。例えば、フレーム値が100であるということは、フレーム位置が画像シーケンスの第1フレームから1000番目であることを意味する。「フレームカウント」という用語は、フレームのインターバルを表す。例えば、1000から2000までのフレームカウントは、画像シーケンスの1000番目のフレーム位置から2000番目のフレーム位置までのフレームを表す。典型的には、フレームカウントは、フォレンシックマークが映像画面に表示される時間と期間を決定するのに利用される。「フレームレート」という用語は、1秒間に表示されるフレーム数を表す。例えば、30個のフレームのフレームレートを用いた映像は、毎秒30個のフレームが表示されることを意味する。
【0041】
図8は、アンカーポイントからのフォレンシックマークのオフセットを変えるフォレンシックマーキング技術の実施例を説明する。映像画面805は、本発明の例示的実施例を表す。ここでZは、フォレンシックマークが生成される他のアンカー位置を表す。本実施例では、Zは左上、右上、左下及び右下を表すアンカー位置である。選択されたアンカー位置から、生成されたマークが選択された位置からオフセットされる。このオフセットは上述されたような隠された次元として知られ、DVDやVHSテープの各コピーのオフセットは異なるものとなる。
【0042】
フォレンシックマークは、ロゴ、テキストまたは他の任意の視覚的オブジェクトなどのグラフィック要素であってもよい。本発明は、異なるタイプのフォレンシックマークが同一のソースマテリアルのコピーに対し生成されてもよいということを提供する。さらに、表示されたフォレンシックマークは、フォントタイプ、フォントサイズ、フォントカラーなどの表示テキストの属性を有してもよく、またフォント向きは、コピーごとに異なるものであってもよい。例えば、焼付けされるDVDに対応するシリアル番号は、フォレンシックマークに用いられる視覚情報であってもよい。このフォレンシックマークは、12ポイントArialフォントによるシリアル番号として示される。焼付けされる第2のDVDは、フォレンシックマークとしてそれのシリアル番号を利用するであろう。この場合、シリアル番号は、16ポイントTimes New Romanフォントなどの異なるフォントサイズ及びフォントタイプにより表示されるであろう。表示されるフォレンシックマークのバリエーションが、本発明の原理に従って選択されてもよい。
【0043】
マーキングされるコピー、コピーがマーキングされる時間、マーキングされるコピーの物理的サイズ、あるいはマーキングされるコピーに関する他の任意の属性に対応するシリアル番号などの情報を利用して、オフセットが生成される。この値またはマーキングされるコピーに関する値の組み合わせが、式の結果が選択されたアンカーポイントからのオフセットを表す式に代入される。例えば、マーキングされるコピーに対応するシリアル番号の平方根をとることによって、オフセットが計算されるかもしれない。このとき、オフセットの量は、選択されたアンカーポイントから離れた画素量に関連する。このオフセットは好ましくは、フォレンシックマークがアンカーポイントからオフセットされたX軸及びY軸の画素量である。他のオフセットの計算は、本発明の原理に従って利用されてもよい。
【0044】
映像画面810は、アンカーポイントXからオフセットされた映像画面を生成されたマークMにより表す。映像画面815は、映像画面810と異なるオフセットにより第2の映像画面を表す。従って、表示されたフォレンシックマークM´はアンカーポイントXからフォレンシックマークMとは異なる位置に配置される。
【0045】
本発明は、画像シーケンス内部の任意のフレームインターバルに対してフォレンシックマークの生成に利用されてもよい。本実施例では、フォレンシックマークM及びM´は、フレームFからF+Iの期間に表示される(Fは、映像コンテンツの任意のフレームであり、I=任意の正の整数)。好ましくは、FからF+Iの期間中、フォレンシックマークはそれのオフセットから映像画面上の第2の位置まで移動する。この向きはランダムとされてもよいし、あるいは上述のように第2の式に従って生成されてもよい。マークを移動させることは、著作権侵害者が認識を困難にするマークを空白または毛羽立たせることを困難にする。
【0046】
映像画面820は、フォレンシクマークMが映像画面810のマーク位置から左下方に移動したことを示す。同様に、映像画面825は、フォレンシックマークM´が映像画面815のマーク位置から左上方に移動したことを示す。マークM及びM´の移動は、フレームPからP+I(PはフレームFの後のフレーム位置)までのフレームインターバルの最中は継続する。表示のオフセット及び各種フォレンシックマークの関連する動きパラメータの変化は、任意的には、システムコントローラ310に利用されるようなデータベースに格納されてもよい。
【0047】
図9は、異なる期間における生成されたフォレンシックマークの位置を変位させるフォレンシックマーキング技術の実施例を説明する。映像画面905は、異なる4つの位置Z1、Z2、Z3及びZ4を示す映像画面を表す。本実施例では、フォレンシックマークはフレームインターバルの第1位置と第2フレームインターバルの第2位置との間で移動される。選択される位置は、共通のソースから生成される各コピーに一意的なものとすることができる。
【0048】
例えば、ソースマテリアルの第1コピーの映像画面910は、フレームFからフレームF+Iの期間にZ1の位置にあるフォレンシックマークを示す。同一のソースマテリアルから生成される第2コピーに対応する映像画面915は、フォレンシックマークがフレームFからF+Iの期間にZ3の位置にあることを示す。第1コピーの映像画面920は、フォレンシックマークがフレームF+IからF+I+Jの期間において第2位置であるZ2に移動することを示す(J=任意の正の整数、ここで、利用可能な画像シーケンスのトータルの画像量は、F+I+Jより大きい)。第2コピーに対応する映像画面925は、フォレンシックマークが映像画面920に用いられる位置とは異なる位置であるZ1に移動されることを示す。
【0049】
フォレンシックマークが移動される位置は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに一意的なフォレンシックコードを生成するのに利用されてもよい。本例では、第1コピーは(Z1,Z2)のフォレンシックコードを有し、第2コピーは(Z3,Z1)のフォレンシックコードを有するであろう。当該技術は、侵害者が表示されているフォレンシックマークの表示を削除するため映像を削るフレーム削除に対し役に立つ。フォレンシックマークの位置、マークが表示される時間、及びそのようなフォレンシックマークに用いられる位置の変化は、本発明の原理に従って変化する。任意的に、各種フォレンシックマークの表示位置の変化は、システムコントローラ310に用いられるようなデータベースに格納されてもよい。
【0050】
本発明の任意的実施例では、フォレンシックマーキングパラメータを利用することにより生成されるフォレンシックコードは、パリティビット、ハッシュコードなどのあるタイプの誤り訂正を採用するようにしてもよい。システムは、新会社が画像データのコピーを改ざんしたことを示す誤り訂正における障害を認識することができる。例えば、図9に用いられるフォレンシックマーキング技術は、生成されたフォレンシックマークが2つのフレームインターバルにおいて同一の位置にある場合、エラー状態を生じさせるであろう。マーク付けされた画像データを有するデータの物理的属性(画像データファイルのサイズなど)もまた、データが改ざんされたか判断するのにハッシュ処理されてもよい。他の誤り訂正技術が、本発明の原理に従って利用される。
【0051】
誤り訂正の各種スキームが、本発明の原理に従って追加されてもよい。
【0052】
図10は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに対しフォレンシックマークが表示される期間を変更するフォレンシックマーキング技術の実施例を示す。映像画面1005(第1コピーに対応する)と1010(第2コピーに対応する)は、それぞれフォレンシックマークMとM´を示す。好適な実施例では、フォレンシックマークは、本発明の原理に従う他の任意の方法により画面上に配置されてもよいが、アンカーポイントからオフセットされる。
【0053】
フォレンシックマークM及びM´は、フレームFからF+Iまでの期間において映像画面上に表示される(F=正の整数、トータルの画像量はF+Iより大きい)。F+Iのフレームカウント後、フォレンシックマークMとM´が削除され、5分間の間、フォレンシックマークは示されない。
【0054】
映像画面1015(第1コピー)と1020(第2コピー)は、フレームGに対応する(G=Fより大きな正の整数)5分間の経過後にフォレンシックマークMとM´を表示する。このとき、MとM´は異なる期間に表示され、映像画面1015に対して、MはフレームGからG+120まで表示され、M´はフレームGからG+180まで表示される。1分後、これらのマークは削除され、フォレンシックマークが異なる期間再び表示される。第1コピーに対応する映像画面1025は、フレームHからH+180(H=Gより大きな正の整数)までマークMを表示する。同一のソースマテリアルの第2コピーに対応する映像画面1030は、フレームHからH+240までの期間にマークM´を表示する。本発明の原理に従って、任意の期間が選択可能である。各種フォレンシックマークの表示期間及び/または位置の変動は、システムコントローラ310に利用されるようなデータベースに任意的に格納されてもよい。
【0055】
図11は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに対しフォレンシックマークが表示される期間を変化させるフォレンシックマーキング技術の実施例を示す。具体的には、本発明の実施例は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーの間でフォレンシックマークが表示される期間を変化させるものである。本実施例では、映像画面1105、1115及び1125は、ソースマテリアルの第1のマーク付けされたコピーに対応し、映像画面1110、1120及び1130は、同一のソースマテリアルの第2のマーク付けされたコピーに対応する。
【0056】
映像画面1105と1110は、フレームFからF´までの期間にそれぞれフォレンシックマークMとM´を表示していた。2分後、映像画面1120はGからG+120の期間にフォレンシックマークM´を表示し、映像画面1115に示されるように、当該フレーム期間中にはフォレンシックマークMは表示されない。G+120の1分後、映像画面1125に示されるように、MがフレームHからH+240まで示され、映像画面1130に示されるように、当該フレーム期間中はフォレンシックマークM´は表示されない。この技術は、フレームがソースマテリアルの侵害されたコピーから削除されると、著作権所有者に警告がなされる。
【0057】
本発明の原理によると、マークが可視的またはそうでない期間は、任意に選択されてもよい。フォレンシックマークが可視的であるか否かにかかわらず、表示期間及び/または各種フォレンシックマークの位置の変化は、任意的にシステムコントローラ310に利用されるようなデータベースに格納されてもよい。
【0058】
図12は、同一のソースマテリアルから生成される各コピーに対しフォレンシックマークとしてクレジットを変化させるフォレンシックマーキング技術の実施例を示す。映像画面1205、1210及び1215は、各コピーが異なるフォレンシックマークを利用する同一のソースマテリアルの異なるマーク付けされたコピーに対応する。
【0059】
映像画像1205は、各タイトルの始めに添付された「#」文字による特定の順序により、サンプルタイトルである「タイトル1」、「タイトル2」、「タイトル3」及び「タイトル4」を表示する。映像画面1210は、同じ順序によりタイトルを表示するが、各タイトルの終わりには異なる文字が配置される。対照的に、映像画面1215は、異なる順序により、各タイトルの始まりまたは終わりに文字を追加することなく、サンプルタイトルを表示する。
【0060】
映像画面1220と1225は、ソースマテリアルから生成されるマーク付けされたコピーに対するクレジットを表示するのに利用可能な異なる技術を表示する。この場合、クレジットは、第1クレジットグループが映像画面1220に示される異なるグループに分割される(タイトル1とタイトル4)。第2のクレジットグループ(タイトル2とタイトル3)が、同一のコピーに対する映像画面1225(タイトル2とタイトル3)に示されるように以降において示される。クレジットの順序の並び替え、クレジットの始めまたは終わりに添付される文字、及びクレジットのグループ化は、本発明の原理に従ってコピーごとに可変とされてもよい。クレジットの順序及び変更の変動は、任意的には、システムコントローラ310に利用されるようなデータベースに格納されてもよい。
【0061】
以下に示されるように、「テーブル1」は、DVD画像データまたはビデオテープ画像データの各コピーに対しフォレンシックマークを生成するのに利用され、データベース350に格納されるサンプルフォレンシックマーキングパラメータの例示的な実施例である。シリアル番号は、複製される画像に対応するシリアル番号を参照するものである。アンカー位置は、表示されたマークのベース部分に対し選択されるアンカー位置(図8に示される)を参照する。
【0062】
オフセットは、指定されたアンカー位置から離れてマークが存在するユニットまたは画素量に関するマークの位置からの位置オフセットを表す。このオフセットは、正または負の整数とすることが可能なX軸とY軸の座標として表現される。オフセット方向は、フォレンシックマークがそれの指定されたオフセット位置から移動する方法を示す(X軸及びY軸座標により表される)。マークが移動する動きレートは、本発明の原理に従って可変とされてもよい。
【0063】
フレーム「スタートA」と「エンドA」は共に、フォレンシックマーキングされた画像シーケンスのスタート及びエンド位置を示す値を表す。同様に、フレーム「スタートB」と「エンドB」は、フォレンシックマーキングされた画像シーケンスのスタート及びエンド位置を示す。視覚的マークは、利用されているフォレンシックマークを表す。データベース350に格納されている他の値の変動は、本発明の原理に従って選択される。これらのフォレンシックマーキングパラメータはまた、上述のように、誤り訂正符号の基礎を構成するのに利用されてもよい。
【0064】
【表1】
本発明は、コンピュータにより実現されるプロセス及び当該プロセスを実現する装置の形式により実現されてもよい。本発明はまた、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、実行されるとき、本発明を実現する装置となるような、フロッピー(登録商標)ディスケット、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM、ハードドライブ、高密度ディスクあるいは他の任意のコンピュータ可読記憶媒体などの有形の媒体に実現されるコンピュータプログラムコードの形態により実現されてもよい。本発明はまた、例えば、記憶媒体に格納され、コンピュータにロード及び/または実行され、あるいは、電気配線またはケーブル、光ファイバあるいは電磁放射などの送信媒体を介し送信されるかにかかわらず、コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、実行されるとき、本発明を実現する装置となるようなコンピュータプログラムコードの形態により実現されてもよい。汎用プロセッサ上で実現されるとき、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を形成するようプロセッサを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の実施例による記録可能及び読出し専用DVDプレーヤーと互換性を有する一例となる最上位レベルの汎用DVDデータフォーマットを示す。
【図2】図2は、本発明の実施例によるボリューム/ファイル構造及び映像プログラムナビゲーション情報を示す読出し専用DVDデータフォーマットを示す。
【図3】図3は、本発明の実施例によるフォレンシックマーキングされたDVDを複製するためのシステム図を示す。
【図4】図4は、本発明の実施例によるシステムコントローラのシステム図を示す。
【図5】図5は、本発明の実施例によるコンピュータシステムのシステム図を示す。
【図6】図6は、本発明の実施例によるDVDを作成するのに利用されるDVDコントローラのシステム図を示す。
【図7】図7は、本発明の実施例によるDVDの複製及びフォレンシックマーキングを行うのに利用されるシステム方法のフローチャートを示す。
【図8】図8は、本発明の実施例によるアンカーポイント及びオフセットを利用するフォレンシックマーキング技術を示す。
【図9】図9は、本発明の実施例による様々なアンカーポイントに存在するフォレンシックマークを利用したフォレンシックマーキング技術を示す。
【図10】図10は、本発明の実施例によるフォレンシックマークを表示するフレームインターバルを可変とするフォレンシックマーキング技術を示す。
【図11】図11は、本発明の実施例によるフォレンシックマークを表示するフレームインターバル間の期間を可変とするフォレンシックマーキング技術を示す。
【図12】図12は、本発明の実施例によるクレジット表示を可変とするフォレンシックマーキング技術を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースマテリアルに対応する映像画像データをフォレンシックマーキングする方法であって、
フォレンシックマークを選択するステップと、
フォレンシックマーキングパラメータを利用することにより、前記映像画像データの各コピーに対する前記フォレンシックマークを変更するステップと、
前記フォレンシックマークを前記映像画像データに挿入するステップと、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックパラメータは、
アンカーポイントに対応する値と、
前記アンカーポイントからの位置に対応するオフセットと、
を有し、
前記フォレンシックマークは、前記アンカーポイントからの位置に配置される、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、X軸コンポーネントとY軸コンポーネントとを有するオフセット方法値に対応する方向に移動することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、フレームインターバルにおいて第1アンカー位置に表示され、
前記フォレンシックマークは、第2フレームインターバルにおいて第2アンカーポイントに表示される、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
前記第1アンカーポイントと前記第2アンカーポイントとは異なることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、
フォレンシックマークが表示される期間に対応するフレームインターバルは、前記映像画像データのコピーごとに可変とされることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、前記映像画像データの第1コピーのフレームインターバルに表示され、
前記フォレンシックマークは、前記画像データの第2コピーの前記フレームインターバルにおいて不可視状態にされる、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、前記画像データに対応する表示されたクレジットの変形であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、
前記変形は、前記クレジットの順序の変更、前記クレジットに先行する文字の変更、前記クレジットに後続する文字の変更、前記クレジットに利用されるフォントの変更、及び前記表示されたクレジットから選択されたクレジットグループの表示の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9何れか一項記載の方法に対し前記マーキングパラメータを格納することを特徴とするデータベース。
【請求項11】
請求項1乃至9何れか一項記載の方法のステップの何れかを実現することを特徴とするフォレンシックマーキングシステム。
【請求項1】
ソースマテリアルに対応する映像画像データをフォレンシックマーキングする方法であって、
フォレンシックマークを選択するステップと、
フォレンシックマーキングパラメータを利用することにより、前記映像画像データの各コピーに対する前記フォレンシックマークを変更するステップと、
前記フォレンシックマークを前記映像画像データに挿入するステップと、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックパラメータは、
アンカーポイントに対応する値と、
前記アンカーポイントからの位置に対応するオフセットと、
を有し、
前記フォレンシックマークは、前記アンカーポイントからの位置に配置される、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、X軸コンポーネントとY軸コンポーネントとを有するオフセット方法値に対応する方向に移動することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、フレームインターバルにおいて第1アンカー位置に表示され、
前記フォレンシックマークは、第2フレームインターバルにおいて第2アンカーポイントに表示される、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
前記第1アンカーポイントと前記第2アンカーポイントとは異なることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、
フォレンシックマークが表示される期間に対応するフレームインターバルは、前記映像画像データのコピーごとに可変とされることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、前記映像画像データの第1コピーのフレームインターバルに表示され、
前記フォレンシックマークは、前記画像データの第2コピーの前記フレームインターバルにおいて不可視状態にされる、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、
前記フォレンシックマークは、前記画像データに対応する表示されたクレジットの変形であることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、
前記変形は、前記クレジットの順序の変更、前記クレジットに先行する文字の変更、前記クレジットに後続する文字の変更、前記クレジットに利用されるフォントの変更、及び前記表示されたクレジットから選択されたクレジットグループの表示の少なくとも1つから選ばれることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9何れか一項記載の方法に対し前記マーキングパラメータを格納することを特徴とするデータベース。
【請求項11】
請求項1乃至9何れか一項記載の方法のステップの何れかを実現することを特徴とするフォレンシックマーキングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−525729(P2007−525729A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513308(P2006−513308)
【出願日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/012748
【国際公開番号】WO2004/097828
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/012748
【国際公開番号】WO2004/097828
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
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