説明

蒸し器および蒸し器付きテーブル

【課題】蒸気発生部に循環してくる蒸気量を少なくして、各種食材を使用した場合であっても、匂いが混じらず、本来の風味を味わうことができる蒸し器および蒸し器付きテーブルを提供する。
【解決手段】蒸気発生部と、邪魔板と、蒸気加工部と、を有する蒸し器および蒸し器付きテーブルにおいて、蒸気発生部の下方に、加熱装置を配置するとともに、蒸気発生部の上方に、蒸気発生部の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介して、蒸気加工部を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸し器および蒸し器付きテーブルに関する。特に、各種食材に使用した場合であっても、匂いが混じらない、簡易かつ小型の蒸し器およびそのような蒸し器付きテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中華料理において食事代わりにとる軽い食材を蒸気で蒸すためのレストランの調理システムであって、各客席において、食材の種類に応じた蒸し調理がおこなえる調理システムが提案されている(特許文献1参照)。
より具体的には、図11に示すように、客室の外部に設けてある蒸気発生装置と、各客席のテーブル102に設けた蒸気噴出口103と、を調理用の蒸気を供給する蒸気配管104にて接続した調理システム100である。そして、テーブル102の近傍に、蒸気噴出口103を開閉する開閉弁を操作する操作部を設けてあり、この操作部には蒸気の噴出時間を調整して調理時間を調整するための調理時間設定部が設けてある。また、蒸気噴出口103を形成した周部には、蒸し器を載置する調理台107が形成してあり、この調理台107の上方には、蒸し器を通過した蒸気を屋外等に排気するための排出手段108が設けてある。
【0003】
また、家庭であっても、手軽に蒸し料理が出来る土鍋が提案されている(特許文献2参照)。
より具体的には、図12に示すように、土鍋の身201の中程に、蒸気を通す穴203aの開いた仕切り板203を設け、蓋202を盛り上げた形状として、この蓋202と、仕切り板203の間に食材204を置き、土鍋の身201の中で、水205を沸騰させてなる蒸気により、仕切り板203の上の食材204を加熱調理するようにした蒸し料理ができる土鍋200の構成である。
【特許文献1】特開平11−276350号公報(特許請求の範囲、図1)
【特許文献2】特開平11−164776号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたレストランの調理システム100では、設備が大規模にならざるを得ない上に、蒸気発生部が厨房に配置されていることから、蒸気配管104の途中における結露が生じやすくて、効率的かつ短時間で、蒸し料理が得られないばかりか、衛生上も問題が生じやすいという問題があった。
したがって、食材の蒸し時間(処理時間)が長くなって、レストランにおける調理システムとしては、実用的でないばかりか、経済的にも不利益であるという問題が見られた。
また、特許文献2に開示された土鍋200では、蒸気を通す穴203aの開いた仕切り板203の上に、蒸し材料としての食材204が載置してあり、かかる食材204から飛散した蒸気が、土鍋の身201に循環し、食材204の種類によっては、アミン臭やメルカプト臭等が混じって、食味を低下させやすいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、蒸し器および蒸し器付きテーブルにおいて、蒸気発生部と、蒸気加工部との間に、邪魔板に、所定面積を有する蒸気通過部を備えることによって、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、簡易かつ小型の蒸し器および蒸し器付きテーブルであって、蒸気発生部に循環する蒸気量を少なくして、各種食材に使用した場合であっても、匂い等が混じらず、かつ短時間で蒸し料理が可能な蒸し器および蒸し器付きテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、蒸気発生部と、邪魔板と、蒸気加工部と、を有する蒸し器付きテーブルにおいて、蒸気発生部の下方に、加熱装置を配置するとともに、蒸気発生部の上方に、蒸気発生部の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介して、蒸気加工部を配置することを特徴とする蒸し器付きテーブルが提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、蒸気発生部と、蒸気加工部と、の間に、所定の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介することによって、蒸気発生部に循環してくる蒸気量を少なくして、各種食材に使用した場合であっても、匂いが混じらない状態で、短時間で蒸し料理が可能な、簡易かつ小型の蒸し器付きテーブルを提供することができる。
また、食材の種類に応じて、セイロ等の蒸気加工部の大きさを変える場合であっても、邪魔板を介することによって、かかる邪魔板が支持材の機能を果たすため、そのままセイロ等を載置して、適用することができる。
さらに、邪魔板を介して、セイロ等の蒸気加工部を配置することにより、セイロ等の蒸気加工部を交換する際や、蒸気発生部に水を追加する際に、蒸気発生部が全面的に露出することがなくなり、突沸現象による沸騰水の飛散を有効に防止することができる。
【0007】
なお、蒸気発生部と、蒸気加工部と、の間に、所定の邪魔板を設けると、邪魔板の表面凹凸等に起因して、蒸気が外部に漏れやすい場合がある。
一方、蒸気発生部については頻繁に清掃するために、蒸気発生部と、邪魔板との間を、永久的にシール固定できないという事情がある。
よって、そのような場合、例えば、蒸気発生部と、所定の邪魔板との間に、シール用パッキンやO−リング、あるいは蒸気吸収材(吸水性樹脂、布部材、水溶性粘土等を含む)等の緩衝部材を設けて、分離可能に機械的固定することにより、かかる問題を有効に回避することができる。
さらには、蒸気が外部に漏れるのを防止するために、蒸気発生部と、所定の邪魔板との間を、アルミテープなどを用いてシールすることも好ましい。
【0008】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、邪魔板と、蒸気加工部との間に、蒸気が拡散するための空間部を設けることが好ましい。
このように構成することにより、かかる空間部の拡散効果のために、蒸気加工部に対して、十分かつ均一な蒸気を提供することができ、短時間で蒸し料理が可能なばかりか、蒸気発生部に循環してくる蒸気を、当該空間部に、液滴(水滴)として効率的に貯留することができる。
【0009】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気通過部が、邪魔板の中央部あるいはその周辺に設けてあることが好ましい。
このように構成することにより、蒸気加工部にさらに均一に蒸気を提供することができ、短時間で蒸し料理が可能なばかりか、蒸気発生部に循環してくる蒸気を低減することができる。
【0010】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気通過部の平面形状が、円形、楕円形および多角形(三角形や四角形等)からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
このように構成することにより、蒸気通過部の形成が容易になるばかりか、蒸気通過部の面積についての調整も容易になる。
【0011】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気通過部の平面形状が円形である場合、その直径を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、の良好なバランスをとることができる。
【0012】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気通過部の面積を変えるための面積調整部が設けてあることが好ましい。
このように構成することにより、蒸し料理の種類によって、蒸し料理の処理時間を調整することができる。
【0013】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気通過部における蒸気放出面の周囲に、凝結水分の逆流を防止するための突起または吸収部材が設けてあることが好ましい。
このように構成することにより、蒸気発生部に循環してくる蒸気を確実に低減することができる。
【0014】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気通過部の下方に、蒸気導入を促進するためのテーパ状部材を設けることが好ましい。
このように構成することにより、蒸し料理の種類が変わった場合であっても、テーパ状部材の角度や大きさを変えることによって、一定の処理時間とすることができる。
【0015】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、邪魔板が、ひのき材から構成してあることが好ましい。
このように構成することにより、蒸し料理に対して、ひのきの匂いを付加することができるとともに、食事をする人に対して、ひのきの香りを付与して、食欲等を増進することができる。
【0016】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、邪魔板の厚さを、0.5〜2cmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、所定のオリフィス効果を付与することができ、短時間で蒸し料理が可能なばかりか、蒸気発生部に循環してくる蒸気をさらに低減することができる。
【0017】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、邪魔板に傾斜部を設けることが好ましい。
このように構成することにより、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、の良好なバランスをとることができる。
また、このように構成することにより、邪魔板が、ひのき材から構成してある場合に、蒸気中に、ひのきの香りをさらに含有させることができる。
【0018】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気加工部が、すだれを備えたセイロであることが好ましい。
このように構成することにより、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、の良好なバランスをとることができる。また、
【0019】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、蒸気発生部と、邪魔板との間に、シール部材を設けることが好ましい。
このように構成することにより、邪魔板の存在に起因して、邪魔板の周囲から外部に漏れやすい蒸気の飛散を有効に防止することができる。
【0020】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、邪魔板に溝部が設けてあり、当該溝部に、シール部材を設けることが好ましい。
このように構成することにより、邪魔板の存在に起因して、邪魔板の周囲から外部に漏れやすい蒸気の飛散をさらに有効に防止することができる。
【0021】
また、本発明の蒸し器付きテーブルを構成するにあたり、邪魔板の溝部と、蒸気発生部の一部とが、嵌合することが好ましい。
このように構成することにより、邪魔板の存在に起因して、邪魔板の周囲から外部に漏れやすい蒸気の飛散をさらに有効に防止することができる。
【0022】
また、本発明の別の態様は、蒸気発生部と、邪魔板と、蒸気加工部と、を有する蒸し器において、蒸気発生部の下方に、加熱装置を配置するとともに、蒸気発生部の上方に、蒸気発生部の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介して、蒸気加工部を配置することを特徴とする蒸し器である。
すなわち、蒸気発生部と、蒸気加工部と、の間に、所定の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介することによって、蒸気発生部に循環してくる蒸気量を少なくして、各種食材に使用した場合であっても、匂いが混じらない状態で、短時間で蒸し料理が可能な、簡易かつ小型の蒸し器を提供することができる。
また、食材の種類に応じて、セイロ等の蒸気加工部の大きさを変える場合であっても、邪魔板を介することによって、かかる邪魔板が支持材の機能を果たすため、そのままセイロ等を載置して、適用することができる。
さらに、邪魔板を介して、セイロ等の蒸気加工部を配置することにより、セイロ等の蒸気加工部を交換する際や、蒸気発生部に水を追加する際に、蒸気発生部が全面的に露出することがなくなり、突沸現象による沸騰水の飛散を有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、図1に例示するように、蒸気発生部12と、邪魔板14と、蒸気加工部16と、を有する蒸し器付きテーブル10において、蒸気発生部12の下方に、加熱装置12b、cを配置するとともに、蒸気発生部12の上方に、蒸気発生部12の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部14aを備えた邪魔板14を介して、蒸気加工部16を配置することを特徴とする蒸し器付きテーブル10である。
また、本発明は、図1に部分的に、あるいは図2(a)〜(c)に分解して示すように、蒸気発生部12と、邪魔板14と、蒸気加工部16と、を有する蒸し器10´において、蒸気発生部12の下方に、加熱装置12b、cを配置するとともに、蒸気発生部12の上方に、蒸気発生部12の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部14aを備えた邪魔板14を介して、蒸気加工部16を配置することを特徴とする蒸し器10´である。
【0024】
なお、図1は、蒸気発生部12と、邪魔板14と、蒸気加工部16と、を有する蒸し器10´を備えた蒸し器付きテーブル10の概略断面図である。
また、図2(a)は、かかる蒸し器付きテーブル10において、テーブルの筐体18に組み込まれた蒸気発生部(図示せず)の上に、緩衝部材17を介して、邪魔板14と、蒸気加工部16の一部としてのセイロ16が配置してある状態を示す斜視図である。
また、図2(b)は、蒸し器付きテーブル10において、テーブルの筐体18に組み込まれた蒸気発生部(図示せず)の上に、緩衝部材17を介して、邪魔板14が配置してある状態を示す斜視図である。
さらに、図2(c)は、邪魔板14と、蒸気発生部12とが、アルミテープ等のシール部材17aを介して、取り付けられた状態を、裏側から示す斜視図である。
【0025】
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の蒸し器付きテーブルについて具体的に説明する。但し、かかる実施形態は、本発明の蒸し器付きテーブルあるいはそれに含まれる蒸し器の一態様を示すものであって、特に理由なく限定するものではなく、本発明の目的の範囲内で任意に変更することが可能である。
【0026】
1.蒸し器
(1)蒸気発生部
図1および図2(c)に例示する蒸気発生部12、12aの構成は、水等を収容した状態で、加熱可能な容器であるとともに、蒸気を発生できる態様であれば特に制限されるものではないが、例えば、鍋、釜、蒸発用パン等が挙げられる。
なお、図1および図2(c)に例示するように、蒸気発生部12、12aが、平底の鍋であれば、電磁誘導加熱装置(IH加熱装置)に適しており、急速かつ経済的加熱が可能であることから、より好ましい態様である。
【0027】
(2)邪魔板
また、邪魔板14は、図1および図2(a)〜(c)に例示するように、蒸気発生部12と、蒸気加工部16と、の間に配置される板状物であるが、上述した蒸気発生部12の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部14aを備えることを特徴とする。
この理由は、蒸気発生部と、蒸気加工部と、の間に、所定の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介することによって、蒸気発生部に循環してくる蒸気量を少なくして、各種食材に使用した場合であっても、匂いが混じらない状態で、短時間で蒸し料理が可能な、簡易かつ小型の蒸し器付きテーブルを提供することができるためである。
【0028】
より具体的には、邪魔板における蒸気通過部の面積が、蒸気発生部の蒸発面積に対して、0.1%未満になると、食材の蒸し具合が過度にばらついたり、処理時間が過度に長くなったりするためである。
一方、邪魔板における蒸気通過部の面積が、蒸気発生部の蒸発面積に対して、30%を超えると、蒸気発生部に循環してくる蒸気量が多くなり、各種食材の匂いが混じって、食味が低下したりするためである。
したがって、邪魔板における蒸気通過部の面積を、蒸気発生部の蒸発面積を100%としたときに、0.5〜20%の範囲内の値とすることが好ましく、1〜10%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0029】
ここで、図3を参照して、蒸気発生部の蒸発面積に対する蒸気通過部の面積割合(%)と、蒸し料理の処理時間および蒸し料理の風味との関係を説明する。
すなわち、図3の横軸には、蒸気通過部の面積割合(%)が採って示してあり、左縦軸には、蒸し料理の風味(評価点)が採って示してあり、ラインAがその関係を示す特性曲線である。また、右縦軸には、蒸し料理の処理時間(分)が採って示してあり、ラインBがその関係を示す特性曲線である。
そして、蒸し料理の処理時間(分)は、図1に示す蒸し器付きテーブル10を用いて、蒸気通過部の面積割合を5〜50%の範囲内で変えた状態で、食材としての大根(50g)が蒸されて、箸が容易にささる程度になるまでの時間を示している。
【0030】
また、蒸し料理の風味(評価点)は、蒸気通過部の面積割合を5〜50%の範囲内で変えた状態で、魚肉としてのサワラ(50g)を60分間蒸した後、大根(50g)を2分間蒸し、それをパネラー5人が試食したときに、以下の基準で風味を評価した場合の平均点を示したものである。
評価点5:全く魚肉の風味がなく、大根独自の風味を味わうことができる。
評価点3:わずかに魚肉の風味があるものの、大根独自の風味を味わうことができる。
評価点1:少々魚肉の風味があり、大根独自の風味を味わうことが容易でない。
評価点0:顕著な魚肉の風味があり、大根独自の風味に付随している。
【0031】
かかる図3に示す特性曲線Aから理解できるように、蒸気通過部の面積割合が20%以下であれば、蒸し料理の風味に関して、優れた評価点(評価点5)が得られている。それが、蒸気通過部の面積割合が20%を越えて、30%程度になると、評価点が2〜3点まで急激に低下する傾向が見られている。そして、蒸気通過部の面積割合が30%を超えると、さらに評価点が低下し、魚肉の風味が、大根の風味に移行していることを示している。
よって、蒸し料理の風味の評価から判断すれば、蒸気通過部の面積割合を30%以下とすることが好ましく、より好ましいのは20%以下とすることである。
【0032】
一方、図3に示す特性曲線Bから理解できるように、蒸気通過部の面積割合が40%以下であれば、蒸し料理の処理時間に関して、3分以内の所要時間であることが判明している。それが、蒸気通過部の面積割合が40%を越えると、蒸し料理の処理時間が5分程度に長くなる傾向が見られている。
よって、蒸し料理の処理時間から判断すれば、蒸気通過部の面積割合を40%以下とすることが好ましく、より好ましいのは30%以下とすることである。
【0033】
また、図4(a)〜(c)に示すように、邪魔板14における蒸気通過部14aが、邪魔板14の中央部あるいはその周辺に設けてあることが好ましい。より具体的には、図4(a)は、蒸気通過部14aが、邪魔板14の中央部のみに一つある例である。また、図4(b)は、比較的大きな蒸気通過部14aが、邪魔板14の中央部に設けてあるとともに、その周辺に、比較的小さな蒸気通過部14aが複数個設けてある例である。さらに、図4(c)は、比較的大きな蒸気通過部14aが、邪魔板14の中央部に設けてあるとともに、その周辺に、棒状の比較的小さな蒸気通過部14aが、4辺に沿って設けてある例である。
すなわち、このように蒸気通過部14aを配置する理由は、蒸気加工部16に対して、さらに均一に蒸気を提供することができ、短時間で蒸し料理が可能なばかりか、蒸気発生部12に循環してくる蒸気を低減することができるためである。
また、食材の種類に応じて、セイロ等の蒸気加工部の大きさを変える場合であっても、邪魔板の中央部等に蒸気通過部が設けてあることにより、セイロ等の蒸気加工部の位置合わせが容易にできるためである。
さらに、邪魔板の中央部等に蒸気通過部が設けてあることにより、セイロ等の蒸気加工部を交換する際や、水を追加する際に、蒸気発生部の位置が容易に特定されるため、突沸現象による沸騰水の飛散をさらに有効に防止することができるためである。
【0034】
また、邪魔板14における蒸気通過部14aの平面形状が、円形、楕円形、四角形、および三角形からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、蒸気通過部の成形が容易になるばかりか、蒸気通過部の面積の調整が容易になるためである。
したがって、例えば、図5(a)〜(f)に示すような蒸気通過部の形状とすることが好ましい。
【0035】
また、邪魔板14における蒸気通過部14aの平面形状が円形である場合、その直径(円相当径)を10〜50mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような直径であれば、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、の良好なバランスをとることができるためである。
より具体的には、邪魔板における蒸気通過部の円相当径が10mm未満になると、食材の蒸し具合が過度にばらついたり、処理時間が過度に長くなったりするためである。一方、邪魔板における蒸気通過部の円相当径が50mmを超えると、蒸気発生部に循環してくる蒸気量が多くなり、各種食材の匂いが混じって、食味が低下したりするためである。
したがって、邪魔板における蒸気通過部の円相当径を15〜45mmの範囲内の値とすることが好ましく、18〜40mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0036】
また、図6(a)〜(c)に示すように、邪魔板14における蒸気通過部14aの面積を変えるための面積調整部材14bが設けてあることが好ましい。より具体的には、図6(a)は、蒸気通過部14aの直径よりも、小さな直径の開口部を有するプレートを面積調整部材14bとして、貼り付けた例である。また、図6(b)は、蒸気通過部14aの直径よりも、小さな直径の開口部を有するプレートを面積調整部材14bとして、ガイド14b´に沿って、移動可能とした例である。さらに、図6(c)は、蒸気通過部14aを部分的に覆うことが可能なプレートを面積調整部材14bとして設け、ガイド14b´に沿って、移動可能とした例である。
すなわち、このように面積調整部材14bを設ける理由は、蒸し料理の種類によって、面積調整部材14bにより蒸気通過部14aの面積を変えることができ、蒸し料理の処理時間をほぼ一定範囲に調整することができるためである。
【0037】
また、図7(a)〜(c)に示すように、邪魔板14における蒸気通過部14aの蒸気放出面の周囲に、凝結水分の逆流を防止するための逆流防止部材14cとして、突起や吸収部材等が設けてあることが好ましい。より具体的には、図7(a)は、断面が半円形の逆流防止部材14cを設けた例である。また、図7(b)は、断面が三角形の逆流防止部材14cを設けた例である。さらに、図7(c)は、断面がロート状の逆流防止部材14cを設け、蒸気通過部14aに一部挿入した例である。
すなわち、このように逆流防止部材14cを設ける理由は、蒸し料理の種類等を変えた場合であっても、蒸気発生部12に循環してくる蒸気量を確実に減少させることが可能になるためである。したがって、各種食材の匂いが混じって、食味が低下するのを有効に防止することができる。
【0038】
また、図7(d)に示すように、邪魔板14における蒸気通過部14aの下方に、蒸気導入を促進するためのテーパ状部材14dを設けることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、蒸し料理の種類が変わった場合であっても、テーパ状部材の角度や大きさを変えることによって、一定の処理時間とすることができるためである。
なお、蒸気導入を促進し、蒸気をさらに集中させることができるとともに、交換も容易なため、図7(d)に示すように、蒸気通過部14aに一部挿入可能な態様とすることが好ましい。
【0039】
また、邪魔板14の構成部材については特に制限されるものではないが、例えば、ひのき材から構成してあることが好ましい。
この理由は、ひのき材を用いることにより、蒸し料理に対して、ひのきの匂いを付加することができるとともに、食事をする人に対して、ひのきの香りを付与して、食欲等を増進することができるためである。
また、ひのき材であれば、所定の耐久性や耐湿性を有しているため、経済的にも有利なためである。
なお、ひのき材を用いる場合であっても、かかるひのき材の耐久性をさらに向上させるために、ひのき材の表面、特に、蒸気発生部側に、樹脂フィルムや耐水性樹脂、さらには、穴あき金属箔等を積層することも好ましい。
【0040】
また、邪魔板14の厚さを、0.5〜2cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、所定のオリフィス効果を付与することができ、短時間で蒸し料理が可能なばかりか、蒸気発生部に循環してくる蒸気をさらに低減することができるためである。
より具体的には、邪魔板の厚さが0.5cm未満になると、機械的強度が低下するばかりか、蒸気発生部に循環してくる蒸気量が多くなり、各種食材の匂いが混じって、食味が低下したりするためである。
一方、邪魔板の厚さが50mmを超えると、テーブルに対する負荷が大きくなったり、食材の蒸し具合が過度にばらついたり、さらには、処理時間が過度に長くなったりするためである。
したがって、邪魔板の厚さを、0.8〜1.8cmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜1.5mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、邪魔板が所定範囲の厚さを有することにより、蒸気通過部に、上方に向かって口径が小さくなるようなテーパを設けたり、あるいは、蒸気通過部に、角度や大きさが異なるようにテーパ状物を装着したりすることも容易になる。
すなわち、テーパの角度や大きさ等を調整した邪魔板や、角度や大きさが異なるテーパ状物を装着した邪魔板を数種類準備しておき、食材の種類や量に対応して、その邪魔板の種類を適宜選択することにより、一定の処理時間とすることができる。
【0041】
また、図8(a)〜(b)に示すように、邪魔板14に傾斜部14eを設けることが好ましい。より具体的には、図8(a)は、邪魔板14の末端に向かって持ち上がるような傾斜部が設けてあり、図8(b)は、逆に、邪魔板14の末端に向かって下がるような傾斜部が設けてある例である。
すなわち、このように邪魔板14に傾斜部14eを設ける理由は、蒸気の方向性や拡散性を制御することができ、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、の良好なバランスをとることができるためである。
また、このように構成することにより、邪魔板が、ひのき材から構成してある場合、邪魔板に傾斜部を設けることによって、蒸気との接触時間が長くなって、ひのきの香りをさらに含有させることができるためである。
【0042】
また、邪魔板に傾斜部を設ける場合、水平方向に対して、図8(a)に示すように、角度θ1をプラス0.1〜15°、あるいは図8(b)に示すように、角度θ2をマイナス0.1〜15°の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような角度の傾斜部を設けることにより、蒸気の方向性や拡散性をさらに制御することができ、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、のさらなる良好なバランスをとることができるためである。
なお、邪魔板に傾斜部を設けた場合、セイロとの接触面に隙間が生じやすいが、図8(c)に示すように、所定の切り込み14fを入れたり、係合部を設けたりすることにより、そのような隙間を埋めることができる。
また、図8(a)および(c)のように、角度θ2をマイナスにつける場合には、逆流防止部材14cを設けて、蒸気発生部に循環してくる蒸気量を、確実に減少させることが好ましい。
【0043】
(3)蒸気加工部
また、蒸気加工部16の構成や種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、図2(a)に示すように、すだれ16aを備えたセイロ16であることが好ましい。
この理由は、このようなセイロであれば、蒸し料理の処理時間と、蒸気発生部に循環してくる蒸気量の低減と、の良好なバランスをとることができるためである。
なお、蒸気加工部16の大きさ(容量)は、蒸し料理の種類や量に応じて適宜変更することができる。但し、セイロの内部に収容可能なスペーサーを設けることにより、セイロ等の蒸気加工部を交換することなく、蒸し料理の種類や量に、適切に対応することができる。
【0044】
(4)加熱装置
また、加熱装置の構成や種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、電磁誘導加熱装置(IH加熱装置)、電熱線ヒーター、赤外線ヒーター、セラミックヒーター、面状ヒーター、ハロゲンランプ、赤外線ランプ、ガスコンロ、石油コンロ、炭火等の少なくとも一つの加熱手段が挙げられる。
特に、図9(a)〜(b)に示すような電磁加熱装置12bの場合、火気を使用することなく、消費電力が1〜10kwであっても、十分急速かつ経済的加熱が可能であり、かつ清掃も容易であることから衛生上も好ましい態様である。なお、図9(a)は、テーブル18の開口部から平面的に見える電磁加熱装置12bを示しており、図9(b)は、テーブル18の開口部の周囲に、タオル等の緩衝部材17を敷き詰めた状態で、その開口部から平面的に見える電磁加熱装置12bを示している。
【0045】
一方、加熱装置に対して、あるいは飲食者に対して、邪魔板の存在に起因して、邪魔板の周囲から外部に漏れてふりかからないように、図10(a)に示すように、蒸気発生部12と、邪魔板14との間に、シール部材14gを設けることが好ましい。
すなわち、このようにシール部材を設けることにより、邪魔板の存在に起因して、蒸気発生部と、邪魔板との接触面であって、邪魔板の周囲(縁部)から外部に漏れやすい蒸気の飛散を有効に防止することができる。
なお、このようなシール部材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の耐熱性材料から構成することが好ましい。
また、このようなシール部材の厚さ(t)としては、0.1〜8mmの範囲内の値が好ましく、さらに、このようなシール部材の幅(w1)としては、0.5〜30mmの範囲内の値が好ましい。
【0046】
また、図10(b)に示すように、邪魔板14に溝部14hが設けてあり、当該溝部14hに、シール部材14gを設けることが好ましい。
すなわち、このように邪魔板に溝部を設けて、そこにシール部材を設けることにより、邪魔板の存在に起因して、邪魔板の周囲から外部に漏れやすい蒸気の飛散をさらに有効に防止することができる。
なお、このような邪魔板の溝部の態様としては、深さ(d)を0.1〜8mmの範囲内の値とすることが好ましく、さらに、このような溝部の幅(w2)を0.6〜40mmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0047】
また、図10(c)に示すように、シール部材14gを溝部14hの内部に配置するとともに、邪魔板14の溝部14hと、蒸気発生部12の一部とが、嵌合することが好ましい。
すなわち、このように邪魔板の溝部と、蒸気発生部の一部とが、嵌合することにより、邪魔板の存在に起因して、邪魔板の周囲から外部に漏れやすい蒸気の飛散をさらに有効に防止することができる。
なお、邪魔板の溝部と、蒸気発生部の一部とが、少なくとも0.1mm以上の長さで嵌合することが好ましく、0.5〜10mmの長さで嵌合することがより好ましい。
【0048】
(5)空間部
また、図1に示すように、邪魔板14と、蒸気加工部16との間に、蒸気が拡散するための空間部15aを設けることが好ましい。
この理由は、かかる空間部の拡散効果のために、蒸気加工部に対して、十分かつ均一な蒸気を提供することができるためである。また、短時間で蒸し料理が可能なばかりか、蒸気発生部に循環してくる蒸気を、当該空間部に、液滴(水滴)として効率的に貯留することができるためである。
さらには、図示しないものの、かかる空間部に、ルーバーや邪魔板等を設けることにより、蒸気の拡散効果や指向性をさらに高めたりすることができる。
【0049】
また、かかる空間部を利用して、透過してくる蒸気と、レモンやゆず等の果汁とを接触させたり、あるいは漢方剤と接触させたりすることも好ましい。
この理由は、透過してくる蒸気に対して、所定の香りや漢方効果を付加させることができ、レストランの客の食欲をさらに増進することができるためである。
なお、所定の香り等を付加させるに際して、果汁や漢方剤を予め、不織布や脱脂綿、あるいはシリカゲルや活性炭等に吸着させておくことが好ましい。
【0050】
さらには、かかる空間部に、銀イオンを放出する抗菌性ガラス、活性炭、やしがら、あるいは炭等の抗菌付与剤や脱臭剤を載置することも好ましい。
この理由は、透過してくる蒸気と、抗菌性ガラスや活性炭等とを接触させることによって、蒸気に抗菌効果を付与したり、蒸気から悪臭成分を除去したりすることができるためである。
【0051】
なお、図1または図2(b)に示すように、かかる空間部の大きさは、邪魔板14の一部に、所定の高さおよび幅を有する突起15やスペーサー等を設けることによって、容易に調整することができる。
あるいは、蒸気加工部としてのセイロ等の下方に、同様の突起やスペーサーを設けることによっても、容易に形成することができる。
すなわち、図2(b)に示すように、所定の空間部を形成するために、一例ではあるが、約30cm×30cmの四角状の邪魔板の周囲に沿って、高さ1〜5cm、幅0.5〜2cmの矩形状の木製突起を設けることが好ましい。
【0052】
2.テーブル
また、テーブルの構成や種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、図1に示すように、平面形状が四角状や、あるいは、図示しないものの、円形状のテーブルとすることが好ましい。また、テーブルの高さについても、テーブルの脚先から、天板間での距離として、通常、30〜120cmの範囲内の値とすることが好ましい。例えば、高さが30cm程度のテーブルであれば、和室等に好適であるし、高さが90cm程度のテーブルであれば、洋室等に好適である。
また、テーブルの一部に、加熱装置のスイッチや制御板、あるいは加熱防止のための安全スイッチを取り付けることにより、レストラン等の客や従業員が、蒸し器を容易に操作することができる。
さらに、蒸し器付きテーブルとして、全体的に装飾性を高めるために、テーブル用のイスについても、テーブルと共通するデザイン部分を有することが好ましい。例えば、テーブルが木目調模様を有しているのであれば、テーブル用のイスについても、木目調模様を施すことが好ましい。
【0053】
3.蒸し調理
食材のメニューに応じて、ウエイトレス等のレストラン側の人、あるいはレストランの客が、メニューに応じて、蒸し器による調理時間をタイマー設定し、蒸し器を容易に操作することができる。
しかして、客席において、食材の蒸し調理を目前で実施することができることから、蒸し終えた食材を客席に運ぶことによる賞味温度や風味等の低下を有効に防止することができる。
【0054】
なお、一般的な食材の処理量(10g〜100g程度)における蒸し時間を例示すると、以下のようである。すなわち、野菜類:2分、根菜類:3分、シュウマイ:2分、ショウロンポー:2分、肉マン:2分、ギョウザ:2分、チマキ:2分、ロールキャベツ:3分、スープ類:1分、魚肉:8分、茶碗蒸し:10分程度である。
また、これらの食材を、陶器や金属容器の内部に入れた状態で蒸しても、陶器等も急速加熱されるため、蒸し時間が特に長くなることはなく、むしろ取り扱いが便利になるという利点がある。
したがって、以上のような蒸し時間であれば、客からの注文された未調理の食材を蒸し器(セイロ)に入れ、短時間で食することができ、気持的に、客を待たせるようなことが少なくなる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明によれば、蒸気発生部と、蒸気加工部と、の間に、所定の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介することによって、蒸気発生部に循環する蒸気量を少なくして、各種食材に使用した場合であっても、匂いが混じらない簡易かつ小型の蒸し器および蒸し器付きテーブルを提供することができるようになった。
すなわち、所定の蒸し器および蒸し器付きテーブルによって、レストラン等の客に対して、目前で食材を調理する感覚を抱かせつつ、各種食材が本来有する風味を、短時間で味わうようにすることができる。
【0056】
また、食材の種類や処理等に応じて、セイロ等の蒸気加工部の大きさを変える場合であっても、邪魔板を介することによって、かかる邪魔板が支持材の機能を果たすため、そのままセイロ等を載置して、適用することができるようになった。
したがって、所定の蒸し器および蒸し器付きテーブルによって、各種食材であっても処理時間をほぼ一定にすることが可能となり、レストラン等の客席において、客に対して、本来有する風味を残したまま、各種食材を、一定時間で提供することができる。
【0057】
さらに、邪魔板を介して、セイロ等の蒸気加工部を配置することにより、セイロ等の蒸気加工部を交換する際や、水を追加する際に、蒸気発生部が全面的に露出することを防止することができるようになった。
したがって、所定の蒸し器および蒸し器付きテーブルの蒸気発生部において、突沸現象による沸騰水の飛散等を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】蒸し器付きテーブルを説明するために供する図である。
【図2】(a)〜(c)は、蒸気発生部の上に、緩衝部材を介して、邪魔板と、蒸気加工部が配置してある状態を示す斜視図およびその分解図である。
【図3】蒸気発生部の蒸発面積に対する蒸気通過部の面積割合と、蒸し料理の処理時間および蒸し料理の風味との関係を説明するために供する図である。
【図4】(a)〜(c)は、蒸気通過部の配置を説明するために供する図である。
【図5】(a)〜(f)は、蒸気通過部の平面形状を説明するために供する図である。
【図6】(a)〜(c)は、面積調整部材を説明するために供する図である。
【図7】(a)〜(c)は、逆流防止部材を説明するために供する図であり、(d)は、テーパ状部材を説明するために供する図である。
【図8】(a)〜(c)は、邪魔板における傾斜部を説明するために供する図である。
【図9】(a)〜(b)は、電磁加熱装置を説明するために供する図である。
【図10】(a)〜(c)は、邪魔板におけるシール部材の適用を説明するために供する図である。
【図11】従来の調理システムを説明するために供する図である。
【図12】従来の蒸し料理ができる土鍋を説明するために供する図である。
【符号の説明】
【0059】
10:蒸し器付きテーブル
10´:蒸し器
12:蒸気発生部
12a:鍋
12b:加熱装置(電磁誘導加熱装置)
14:邪魔板
14a:蒸気通過部
14b:面積調整部材
14b´:ガイド
14c:逆流防止部材
14d:テーパ状部材
14e:傾斜部
14f:切り込み
14g:シール部材
14h:溝部
16:蒸気加工部(セイロ)
16a:すだれ
17:緩衝部材
17a:シール部材(アルミテープ)
18:テーブルの筐体
18a:テーブルの脚
18b:テーブルの土台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生部と、邪魔板と、蒸気加工部と、を有する蒸し器付きテーブルにおいて、
前記蒸気発生部の下方に、加熱装置を配置するとともに、前記蒸気発生部の上方に、蒸気発生部の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介して、前記蒸気加工部を配置することを特徴とする蒸し器付きテーブル。
【請求項2】
前記邪魔板と、前記蒸気加工部との間に、蒸気を拡散するための空間部を設けることを特徴とする請求項1に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項3】
前記蒸気通過部が、邪魔板の中央部あるいはその周辺に設けてあることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項4】
前記蒸気通過部の平面形状が、円形、楕円形および多角形からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項5】
前記蒸気通過部の平面形状が円形である場合、その直径を10〜50mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項6】
前記蒸気通過部の面積を変えるための面積調整部が設けてあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項7】
前記蒸気通過部における蒸気放出面の周囲に、凝結水分の逆流を防止するための突起または吸収部材が設けてあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項8】
前記蒸気通過部の下方に、前記蒸気発生部からの蒸気導入を促進するためのテーパ状部材を設けることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項9】
前記邪魔板が、ひのき材から構成してあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項10】
前記邪魔板の厚さを、0.5〜2cmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項11】
前記邪魔板に傾斜部を設けることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項12】
前記蒸気加工部が、すだれを備えたセイロであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項13】
前記蒸気発生部と、前記邪魔板との間に、シール部材を設けることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項14】
前記邪魔板に溝部が設けてあり、当該溝部に、前記シール部材を設けることを特徴とする請求項13に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項15】
前記邪魔板の溝部と、前記蒸気発生部の一部とが、嵌合することを特徴とする請求項14に記載の蒸し器付きテーブル。
【請求項16】
蒸気発生部と、邪魔板と、蒸気加工部と、を有する蒸し器において、
前記蒸気発生部の下方に、加熱装置を配置するとともに、前記蒸気発生部の上方に、蒸気発生部の蒸発面積を100%としたときに、当該蒸発面積の0.1〜30%の面積を有する蒸気通過部を備えた邪魔板を介して、前記蒸気加工部を配置することを特徴とする蒸し器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−206957(P2008−206957A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195557(P2007−195557)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(507022846)株式会社せいろ屋 (1)
【Fターム(参考)】