説明

蒸着装置及び蒸着方法

【課題】大型の成膜対象物の表面に分布が均一な成膜を簡素な構成の装置で行うことができる技術を提供する。
【解決手段】本発明の蒸着装置100は、真空槽100aと、真空槽100aの外部に設けられたホスト材料蒸発源70h、第1及び第2のドーパント材料蒸発源80d、90dと、ホスト材料蒸発源70h、第1及び第2のドーパント材料蒸発源80d、90dから供給された蒸発材料の蒸気を基板5に向って放出する蒸気放出器8とを備える。蒸気放出器8は、同心状に配置された径の異なる第1〜第5の筒状の蒸気拡散部11〜15を有するとともに、隣接する蒸気拡散部が、蒸発材料の蒸気が通過可能な第1〜第4の連通口21〜24を介して互いに接続されている。蒸気放出器8は、基板5に対し、蒸気放出器8の延びる方向と直交する方向に移動するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機ELディスプレイや有機EL照明デバイスや蒸着重合膜等を作製するための蒸着技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の成膜装置としては、例えば特許文献1に記載されたようなものが知られている。
この従来技術は、互いに接続された2系統の分岐管群によって構成され、面状に原料ガスを放出して基板上に成膜を行うように構成されている。
しかし、この従来技術では、異なる蒸発材料の蒸気を混合することができず、有機EL素子の発光層に必要なホスト材料とドーパント材料の共蒸着を行うことができないという問題がある。
【0003】
また、従来技術においては、原料ガスを加熱する手段を有していないため、蒸発材料の蒸気が管内に凝集し、基板に到達しないことがあるという問題がある。特に、この従来技術では、曲管によって構成されているため、加熱手段を設けた場合であっても、均一的な加熱を行うことが困難であり、このため加熱温度の相違によって膜厚分布の均一性に影響を及ぼすことがある。
また、従来技術では、曲管によって構成されているため、装置が大型化し、製造コスト並びに装置コストが高くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−79904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、大型の成膜対象物の表面に分布が均一な成膜を簡素な構成の装置で行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明は、成膜対象物が配置される真空槽と、前記真空槽の外部に設けられ蒸発材料の蒸気を発生させるための蒸発源と、前記蒸発源から供給された蒸発材料の蒸気を前記成膜対象物に向って放出する蒸気放出器とを備え、前記蒸気放出器は、同心状に配置された径の異なる複数の筒状の蒸気拡散部を有するとともに、当該複数の蒸気拡散部は、隣接する蒸気拡散部が、前記蒸発材料の蒸気が通過可能な連通口を介して互いに接続され、前記蒸気放出器は、前記成膜対象物に対し、当該蒸気放出器の延びる方向と交差する方向に相対的に移動するように構成されている蒸着装置である。
本発明では、前記蒸発源は、異なる蒸発材料の蒸気を発生させる複数の蒸発源を有するとともに、前記蒸気放出器に、前記複数の蒸発源から供給された異なる蒸発材料の蒸気を混合する蒸気混合部を有することも効果的である。
本発明では、前記蒸気放出器における蒸気拡散部の連通口は、前記蒸発材料の蒸気の導入側から放出側に向って数が増加するように構成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口は、前記蒸発材料の蒸気の導入側から放出側に向って2n-1個(nは自然数)で増加するように構成されている場合にも効果的である。
本発明では、前記蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口は、隣接する蒸気拡散部の連通口が、互いに対向しない位置に設けられている場合にも効果的である。
本発明では、前記蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口は、隣接する蒸気拡散部の連通口が、通過する蒸発材料の蒸気の方向が互いに反対方向となる位置に設けられている場合にも効果的である。
本発明では、前記蒸気放出器の蒸気拡散部に、互いの雰囲気を隔離するための隔壁部が設けられている場合にも効果的である。
本発明では、前記蒸気放出器に、前記蒸発材料の蒸気を加熱するための加熱手段が設けられている場合にも効果的である。
また、本発明は、上述したいずれかの蒸着装置を用い、真空中で成膜対象物表面に有機膜を形成する方法であって、当該蒸発材料として、有機EL装置の有機薄膜層を形成するためのホスト材料とドーパント材料を用いるものである。
さらに、本発明は、上述したいずれかの蒸着装置を用い、真空中で成膜対象物表面に膜を形成する方法であって、蒸発材料として、フッ化リチウム、フッ化セシウム又は三酸化モリブデンを用いるものである。
【0007】
本発明の場合、蒸気放出器が、同心状に配置された径の異なる複数の筒状の蒸気拡散部を有し、隣接する蒸気拡散部が蒸発材料の蒸気が通過可能な連通口を介して互いに接続されていることから、構成がコンパクトで装置及び製造コストが安い蒸着装置を提供することができる。
さらに、本発明においては、蒸気放出器が、成膜対象物に対し、蒸気放出器の延びる方向と交差する方向に相対的に移動するように構成されていることから、大きな面積の成膜対象物に対して均一な成膜を行うことができる。
本発明において、蒸発源が、異なる蒸発材料の蒸気を発生させる複数の蒸発源を有するとともに、蒸気放出器に、複数の蒸発源から供給された異なる蒸発材料を混合する蒸気混合部を有する場合には、蒸発材料の蒸気を十分に混合拡散して成膜対象物に向って放出することができるので、成膜対象物上においてより均一な膜を形成することができる。
本発明において、蒸気放出器における蒸気拡散部の連通口が、蒸発材料の蒸気の導入側から放出側に向って例えば2n-1個(nは自然数)で数が増加するように構成されている場合には、蒸気拡散部の連通口を通過する際に蒸発材料の蒸気が蒸気拡散部の壁面に衝突する回数を段階的に増加させることができ、これにより、蒸発材料の蒸気の拡散を促進することができるため、蒸気放出器内における蒸発材料の蒸気の均一性をより向上させることができる。
本発明において、蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口について、隣接する蒸気拡散部の連通口が、互いに対向しない位置、例えば、通過する蒸発材料の蒸気の方向が互いに反対方向となる位置に設けられている場合には、連通口を通過した蒸発材料の蒸気を、隣接する蒸気拡散部の壁面に確実に衝突させてその拡散を促進することができるため、蒸気放出器内における蒸発材料の蒸気の均一性をより向上させることができる。
本発明において、蒸気放出器の蒸気拡散部に、互いの雰囲気を隔離するための隔壁部が設けられている場合には、蒸発材料の蒸気を、隔壁部に衝突させてその拡散を促進させることができるため、蒸気放出器内における蒸発材料の蒸気の均一性をより向上させることができる。
本発明において、蒸気放出器に、蒸発材料の蒸気を加熱するための加熱手段が設けられている場合には、蒸気放出器内において、蒸発材料の蒸気の成分が析出することなく、より均一な状態で蒸発材料の蒸気を放出することができる。
一方、上述したいずれかの蒸着装置を用い、真空中で基板表面に有機膜を形成する際に、蒸発材料として、有機EL装置の有機薄膜層を形成するためのホスト材料とドーパント材料を用いる場合には、大型基板を用いる有機EL装置の有機薄膜層を均一且つ高速で形成することができる。
また、上述したいずれかの蒸着装置を用い、真空中で基板表面に膜を形成する際に、蒸発材料として、フッ化リチウム、フッ化セシウム、リチウムを用いる場合には、大型基板を用いる有機EL装置の電子注入層及び電子輸送層を均一且つ高速で形成することができる。
さらに、上述したいずれかの蒸着装置を用い、真空中で基板表面に膜を形成する際に、蒸発材料として、三酸化モリブデンを用いる場合には、大型基板を用いる有機EL装置の陽極バッファ層を均一且つ高速で形成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、大型の成膜対象物の表面に分布が均一な成膜を簡素な構成の装置で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を実施するための有機EL製造装置の実施の形態の全体構成を示す平面図
【図2】(a):同実施の形態における蒸気放出器の内部構成を示す正面図(b):同蒸気放出器の内部構成を示す側面図
【図3】本発明の実施の形態の蒸着装置を示す概略構成図
【図4】本発明の蒸着装置における移動動作の例を模式的に示す図
【図5】本発明の蒸着装置における移動動作の他の例を模式的に示す図
【図6】本発明の蒸着装置の他の実施の形態を示す概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明を実施するための有機EL製造装置の実施の形態の全体構成を示す平面図である。
図1に示すように、本実施の形態の有機EL製造装置1は、マルチチャンバー方式のものであり、図示しない真空排気系に接続された搬送室2を有している。
【0011】
搬送室2内には搬送ロボット3が設けられており、この搬送室2の周囲に設けられた仕込み/取り出し室4A、マスク室4B、基板前処理室4C、有機層成膜室4D、電極成膜室4E、封止室4Fとの間において、搬送ロボット3を用いて基板(成膜対象物)5及びマスク(図示せず)の受け渡しを行うように構成されている。
【0012】
なお、仕込み/取り出し室4A、マスク室4B、基板前処理室4C、有機層成膜室4D、電極成膜室4E、封止室4Fと搬送室2との間には、それぞれ図示しない仕切り弁が設けられている。
これら仕込み/取り出し室4A、マスク室4B、基板前処理室4C、有機層成膜室4D、電極成膜室4E、封止室4Fは、それぞれ図示しない真空排気系に接続され、独立して真空排気を行うようになっている。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態においては、有機層成膜室4D内に、正孔注入層用蒸気放出器8、正孔輸送層用蒸気放出器8A、補助用蒸気放出器8Bが配設されている。
本実施の形態の正孔注入層用蒸気放出器8は、図中矢印X方向に延びる細長形状に形成された本体部8aを有している。この本体部8aは、有機層成膜室4Dの外部に設けられた正孔注入層用蒸発源80に、正孔注入層用蒸気放出器8と直交する方向(図中矢印Y方向)に直線状に延びる長尺の導入管8bを介して接続されている。
【0014】
ここで、正孔注入層用蒸気放出器8は、導入管8bと共に導入管8bの延びる方向(図中Y方向)へ移動するように構成されている。なお、有機層成膜室4Dの外部の導入管8bの周囲にはベローズ8eが設けられ、これにより大気に対して雰囲気が遮断されるようになっている。
また、正孔注入層用蒸発源80も導入管8bと共に移動するように構成されている。
【0015】
正孔注入層用蒸発源80は、ホスト材料蒸発源80hとドーパント材料蒸発源80dとを有している。
正孔輸送層用蒸気放出器8Aは、図中矢印X方向に延びる細長形状に形成された本体部8cを有している。この本体部8cは、有機層成膜室4Dの外部に設けられた正孔輸送層用蒸発源82に、正孔輸送層用蒸気放出器8Aと直交する方向(図中矢印Y方向)に直線状に延びる長尺の導入管8dを介して接続されている。
【0016】
ここで、正孔輸送層用蒸気放出器8Aは、導入管8dと共に導入管8dの延びる方向(図中Y方向)へ移動するように構成されている。なお、有機層成膜室4Dの外部の導入管8dの周囲にはベローズ8fが設けられ、これにより大気に対して雰囲気が遮断されるようになっている。
【0017】
また、正孔輸送層用蒸発源82も導入管8dと共に移動するように構成されている。
正孔輸送層用蒸発源82は、ホスト材料蒸発源82hとドーパント材料蒸発源82dとを有している。
【0018】
図2(a)(b)は、本実施の形態における蒸気放出器の内部構成を示すもので、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。
以下、蒸気放出器の上下関係については図2(a)(b)に示す構成に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
図2(a)(b)に示すように、本実施の形態の正孔注入層用蒸気放出器8(以下、「蒸気放出器8」という)は、本体部8aの内部に、蒸発材料である有機材料の蒸気を導入する長尺の筒状(例えば円筒形状)の蒸気導入部10を有している。
この蒸気導入部10は、例えばステンレス等の金属からなるもので、例えば上述したホスト材料蒸発源80h、82h又はドーパント材料蒸発源80d、82dに接続され、ホスト材料蒸発源80h、82h又はドーパント材料蒸発源80d、82dにおいて得られた有機材料の蒸気をそれぞれ導入するように構成されている。
【0020】
この蒸気導入部10の本体部側の部分には、蒸気拡散部として筒状(例えば円筒形状)の第1の蒸気拡散部11が設けられ、この第1の蒸気拡散部11の周囲には、それぞれ径の異なる筒状(例えば円筒形状)の複数個(本実施の形態では4個)の蒸気拡散部、すなわち、第2〜第5の蒸気拡散部12、13、14、15が同心状に設けられている。
【0021】
第2〜第5の蒸気拡散部12〜15は、例えばステンレス等の金属からなるもので、同一の長さを有するとともに、第1の蒸気拡散部11の外径より大きい外径を有している。本実施の形態では、第1の蒸気拡散部11から第5の蒸気拡散部15に対し順次外径が大きくなるように構成されている。
【0022】
本実施の形態の第2〜第5の蒸気拡散部12〜15は、それぞれ両端部が塞がれており、同心状に配置固定されている。
そして、第1〜第5の蒸気拡散部11〜15には、以下に説明するように、蒸発材料の導入側から放出側に向って2n-1個(nは自然数)で増加する数の連通口並びに蒸気放出口、即ち第1〜第4の連通口21〜24並びに蒸気放出口25が設けられている。
【0023】
まず、第1の蒸気拡散部11には、第1の蒸気拡散部11のZ軸方向上側(以下、「上側」という。)で、かつ、本体部8aの中央部を通る基準線Lと重なるように、1個の第1の連通口21が設けられている。
また、第2の蒸気拡散部12には、第2の連通口22が2個設けられ、これら第2の連通口22によって第1の蒸気拡散部11と第2の蒸気拡散部12とが接続されている。
本例の場合、第2の連通口22は、第2の蒸気拡散部12のZ軸方向下側(以下、「下側」という。)において、本体部8aの基準線Lに対して線対称となる位置に配置されている。
【0024】
また、本発明の場合、特に限定されることはないが、蒸発材料の蒸気の逆流れを生じさせない、即ち圧力勾配を保持する観点からは、第2の連通口22の面積の和が、第1の連通口21の面積の和より大きくならない(小さくなる)ように設定することが好ましい。
更には、蒸気流を均等に分配する観点からは、第2の連通口22の面積並びに形状を同一にすることがより好ましい。
【0025】
さらに、第3の蒸気拡散部13には、第3の連通口23が4個設けられ、これら第3の連通口23によって第3の蒸気拡散部13と第4の蒸気拡散部14とが接続されている。
本例の場合、第3の連通口23は、第3の蒸気拡散部13の上側において、X軸方向に関し、本体部8aの基準線Lに対して線対称となる位置に等間隔で配置されている。
そして、このような構成により、上述した第2の連通口22が、X軸方向に関し、それぞれ第3の連通口23の間において、第3の連通口23からそれぞれ等距離の位置に配置されるようになっている。
【0026】
また、本発明の場合、特に限定されることはないが、蒸発材料の蒸気の逆流れを生じさせない、即ち圧力勾配を保持する観点からは、第3の連通口23の面積の和が、第2の連通口22の面積の和より大きくならない(小さくなる)ように設定することが好ましい。
更には、蒸気流を均等に分配する観点からは、第3の連通口23の面積並びに形状を同一にすることがより好ましい。
【0027】
一方、第4の蒸気拡散部14には、第4の連通口24が8個設けられ、これら第4の連通口24によって第4の蒸気拡散部14と第5の蒸気拡散部15とが接続されている。
これら第4の連通口24は、第4の蒸気拡散部14の下側において、X軸方向に関し、本体部8aの基準線Lに対して線対称となる位置に等間隔で配置されている。
そして、このような構成により、上述した第3の連通口23が、X軸方向に関し、それぞれ第4の連通口24の間において、第4の連通口24からそれぞれ等距離の位置に配置されるようになっている。
【0028】
また、本発明の場合、特に限定されることはないが、蒸発材料の蒸気の逆流れを生じさせない、即ち圧力勾配を保持する観点からは、第4の連通口24の面積の和が、第3の連通口23の面積の和より大きくならない(小さくなる)ように設定することが好ましい。
更には、蒸気流を均等に分配する観点からは、第4の連通口24の面積並びに形状を同一にすることがより好ましい。
【0029】
また、第5の蒸気拡散部15には、蒸気放出口25が16個設けられている。
これら蒸気放出口25は、第5の蒸気拡散部15の上側において、X軸方向に関し一列に並べられ、本体部8aの基準線Lに対して線対称となる位置に等間隔で配置されている。
そして、このような構成により、上述した第4の連通口24が、X軸方向に関し、それぞれ蒸気放出口25の間において、蒸気放出口25からそれぞれ等距離の位置に配置されるようになっている。
【0030】
また、本発明の場合、特に限定されることはないが、蒸発材料の蒸気の逆流れを生じさせない、即ち圧力勾配を保持する観点からは、蒸気放出口25の面積の和が、第4の連通口24の面積の和より大きくならない(小さくなる)ように設定することが好ましい。
更には、蒸気流を均等に分配する観点からは、蒸気放出口25の面積並びに形状を同一にすることがより好ましい。
【0031】
本実施の形態の場合、図2(b)に示すように、上述した第1〜第4の連通口21〜24並びに蒸気放出口25は、Z軸方向に関し、一直線上に並ぶように配置されている。
一方、本実施の形態においては、図2(a)に示すように、本体部8aの中央部に、第1及び第2の蒸気拡散部11,12の間の空間、第2及び第3の蒸気拡散部12,13の間の空間、並びに第3及び第4の蒸気拡散部13,14の間の空間を仕切るための第1の隔壁部31が設けられている。
【0032】
また、本体部8aの両端部と第1の隔壁部31との間の中央部には、第2及び第3の蒸気拡散部12,13の間の空間、並びに第3及び第4の蒸気拡散部13,14の間の空間を仕切るための第2の隔壁部32がそれぞれ設けられている。
さらに、本体部8aの両端部と第2の隔壁部32との間の中央部、並びに第1の隔壁部31と第2の隔壁部32の間の中央部には、第3及び第4の蒸気拡散部13,14の間の空間を仕切るための第3の隔壁部33がそれぞれ設けられている。
【0033】
図3は、本実施の形態の蒸着装置を示す概略構成図である。
図3に示すように、本実施の形態の蒸着装置100は、基板5が配置される真空槽100a内に、上述した蒸気放出器8が配置されて構成されている。
【0034】
本実施の形態においては、第5の蒸気拡散部15の基板5と対向する部分に設けられた蒸気放出口25に、それぞれノズル25aが設けられている。
一方、蒸気放出器8の本体部8aの外壁の全体に、蒸気加熱用の加熱手段26が設けられている。
また、蒸気放出器8の本体部8aの基板5と対向する部分には、加熱手段26からの熱輻射を防止するための熱輻射防止板27が設けられている。
【0035】
本実施の形態の蒸着装置100の蒸気放出器8は、真空槽100aの外部に設けられた複数(本例では3個)のホスト材料蒸発源70h、第1のドーパント材料蒸発源80d、第2のドーパント材料蒸発源90dに接続されている。
ここで、ホスト材料蒸発源70hの蒸発容器71内には、有機EL素子の有機薄膜形成用のホスト材料71hが収容されている。
【0036】
そして、ホスト材料蒸発源70hの周囲には、例えば抵抗加熱方式の加熱手段72が配設されている。
一方、第1のドーパント材料蒸発源80d、第2のドーパント材料蒸発源90dの蒸発容器内81、91内には、有機EL素子の有機薄膜形成用のドーパント材料81d、91dがそれぞれ収容されている。
そして、第1のドーパント材料蒸発源80d、第2のドーパント材料蒸発源90dの周囲には、例えば抵抗加熱方式の加熱手段82、92がそれぞれ配設されている。
【0037】
また、ホスト材料蒸発源70h、第1のドーパント材料蒸発源80d、第2のドーパント材料蒸発源90dは、それぞれキャリアガス制御装置73、83、93に接続され、キャリアガス源15から供給される所定量のキャリアガスが、それぞれホスト材料蒸発源70h、第1のドーパント材料蒸発源80d、第2のドーパント材料蒸発源90dに供給されるように構成されている。
【0038】
他方、本実施の形態の場合、真空槽100a内において、本体部8aの一方の端部から第1の蒸気拡散部11に接続されたドーパント材料導入部10dが突出するように設けられ、このドーパント材料導入部10dの周囲を取り囲むように、ホスト材料導入部10hが設けられている。
【0039】
ここで、ドーパント材料導入部10dには連通口10aが設けられており、この連通口10aを介してドーパント材料導入部10dとホスト材料導入部10hとが接続されている。そして、ドーパント材料導入部10dと第1の蒸気拡散部11との間には蒸気混合部10bが設けられている。
これらドーパント材料導入部10d及びホスト材料導入部10hの周囲には、蒸気加熱用の加熱手段28が設けられている。
【0040】
本例の場合、ホスト材料蒸発源70hは、バルブ74を介してホスト材料導入部10hに接続されている。なお、バルブ74には、加熱手段75が設けられている。
一方、第1のドーパント材料蒸発源80d、第2のドーパント材料蒸発源90dは、それぞれバルブ84、94を介してドーパント材料導入部10dに接続されている。なお、バルブ84、94には、それぞれ加熱手段85、95が設けられている。
【0041】
他方、ホスト材料導入部10hには、コンダクタンスの小さい蒸気放出ノズル16が設けられ、この蒸気放出ノズル16から放出される有機材料の蒸気の量を膜厚センサ17によって測定するように構成されている。
また、ドーパント材料導入部10dには、コンダクタンスの小さい蒸気放出ノズル18が設けられ、この蒸気放出ノズル18から放出される有機材料の蒸気の量を膜厚センサ19によって測定するように構成されている。
【0042】
このような構成を有する本実施の形態において、基板5上に有機材料の膜を蒸着形成する場合には、真空槽100a内の圧力を所定の圧力にした状態で、ホスト材料蒸発源70hからホスト材料導入部10h及びドーパント材料導入部10dを介してホスト材料の蒸気を第1の蒸気拡散部11内に導入する。
また、第1のドーパント材料蒸発源80d及び第2のドーパント材料蒸発源90dからドーパント材料導入部10dを介してドーパント材料の蒸気を第1の蒸気拡散部11内に導入する。
【0043】
本実施の形態においては、ドーパント材料導入部10dとホスト材料導入部10hとが連通口10aを介して接続されていることから、ドーパント材料導入部10dの蒸気混合部10b並びに第1の蒸気拡散部11内においてホスト材料及びドーパント材料の蒸気が十分に混合され拡散され、第1の連通口21を介して第2の蒸気拡散部12内に導入される。
第2の蒸気拡散部12内に導入されたホスト材料及びドーパント材料の蒸気は、第2の蒸気拡散部12の内壁に衝突して十分に拡散された後、第2の連通口22を介して第3の蒸気拡散部13内に導入される。
【0044】
そして、第3の蒸気拡散部13内において十分に拡散されたホスト材料及びドーパント材料の蒸気は、第3の連通口23を介して第4の蒸気拡散部14内に導入され十分に拡散された後、第4の連通口24を介して第5の蒸気拡散部15内に導入され、第5の蒸気拡散部15内において十分に拡散された後、蒸気放出口25から基板5に向って放出される。
この時点で例えば図1に示すように蒸気放出器8をY軸方向へ移動させることにより、基板5全表面に、ホスト材料及びドーパント材料の共蒸着膜が形成される。
【0045】
以上述べた本実施の形態においては、蒸気放出器8が、同心状に配置された径の異なる円筒形状の第1〜第5の蒸気拡散部11〜15を有し、第1〜第5の蒸気拡散部11〜15のうち隣接するものが第1〜第4の連通口21〜24を介して互いに接続されていることから、構成がコンパクトで装置及び製造コストが安い蒸着装置100を提供することができる。
【0046】
また、本実施の形態においては、蒸気混合部10bにおいてホスト材料及びドーパント材料の蒸気を確実に混合した後に、第1〜第5の蒸気拡散部11〜15においてホスト材料及びドーパント材料の蒸気を十分に拡散して基板5に向って放出することができるので、基板5上において均一な膜を形成することができる。
さらに、本実施の形態においては、蒸気放出器8が、蒸気放出器8の延びる方向と直交する方向に移動するように構成されていることから、大きな面積の基板5に対して均一な成膜を行うことができる。
【0047】
さらにまた、本実施の形態においては、蒸気放出器8における第1〜第4の蒸気拡散部11〜14の第1〜第4の連通口21〜24並びに第5の蒸気拡散部15の蒸気放出口25が、蒸発材料の蒸気の導入側から放出側に向って2n-1個(nは自然数)で数が増加するように構成されていることから、第1〜第4の蒸気拡散部11〜14の第1〜第4の連通口21〜24を通過する際に蒸発材料の蒸気が第1〜第5の蒸気拡散部11〜15の壁面に衝突する回数を段階的に増加させることができ、これにより、蒸発材料の蒸気の拡散を促進することができるため、蒸気放出器8内における蒸発材料の蒸気の均一性をより向上させることができる。
【0048】
加えて、本実施の形態においては、蒸気放出器8における第1〜第4の蒸気拡散部11〜14の第1〜第4の連通口21〜24について、隣接する第1及び第2の連通口21,22、第2及び第3の連通口22,23、第3及び第4の連通口23,24が、互いに対向しない位置、即ち通過する蒸発材料の蒸気の方向が互いに反対方向となる位置に設けられていることから、第1〜第4の連通口21〜24を通過した蒸発材料の蒸気を、隣接する蒸気拡散部の壁面に確実に衝突させてその拡散を促進することができるため、蒸気放出器8内における蒸発材料の蒸気の均一性をより向上させることができる。
【0049】
さらにまた、本実施の形態においては、蒸気放出器8の第1〜第5の蒸気拡散部11〜15に、互いの雰囲気を隔離するための第1〜第3の隔壁部31〜33が設けられていることから、蒸発材料の蒸気を、第1〜第3の隔壁部31〜33に衝突させてその拡散を促進させることができるため、蒸気放出器8内における蒸発材料の蒸気の均一性をより向上させることができる。
【0050】
さらにまた、本実施の形態においては、蒸気放出器8に、蒸発材料の蒸気を加熱するための加熱手段26が設けられていることから、蒸気放出器8内において、蒸発材料の蒸気の成分が析出することなく、より均一な状態で蒸発材料の蒸気を放出することができる。
【0051】
図4は、本発明の蒸着装置における移動動作の例を模式的に示すものである。
図4に示すように、本例の蒸着装置200は、真空槽200a内において、ホスト材料蒸気放出手段201h及びドーパント材料蒸気放出手段201dを同期させて基板5に対して平行方向(Y軸方向)へ移動させるものである。
【0052】
ここで、ホスト材料蒸気放出手段201h及びドーパント材料蒸気放出手段201dは、同一の構成を有している。
ホスト材料蒸気放出手段201hは、図示しないホスト材料蒸発源に接続された蒸気放出器202を有している。この蒸気放出器202は、上述した蒸気放出器8と同一の構成を有するもので、基板5と対向する部分に、ノズル状の蒸気放出口204が設けられている。
【0053】
また、蒸気放出器202の外周面には、蒸気加熱用の加熱手段206が設けられている。
そして、蒸気放出器202の周囲を取り囲むように箱状の輻射防止部材208が設けられている。
【0054】
一方、ホスト材料蒸気放出手段201dは、図示しないホスト材料蒸発源に接続された蒸気放出器203を有している。この蒸気放出器203は、上述した蒸気放出器8と同一の構成を有するもので、基板5と対向する部分に、ノズル状の蒸気放出口205が設けられている。
また、蒸気放出器203の外周面には蒸気加熱用の加熱手段207が設けられるとともに、蒸気放出器203の周囲を取り囲むように箱状の輻射防止部材209が設けられている。
【0055】
このような構成を有する本例の蒸着装置200によれば、個別の蒸気放出器202、203が設けられ、蒸気放出器202、203にそれぞれ加熱手段206、207が設けられているため、分解温度の異なるホスト材料とドーパント材料を用いる場合に蒸発材料の分解を防止することができるとともに、ホスト材料とドーパント材料の相互汚染を防止することができるという効果がある。
【0056】
図5は、本発明の蒸着装置における移動動作の他の例を模式的に示すものである。
本例の蒸着装置300は、いわゆるインライン方式のもので、図5に示すように、真空槽300a内に蒸気放出手段301が設けられ、複数の基板(例えば、5a〜5d)を移動させながら基板5a〜5d上に成膜を行うものである。
【0057】
本例の蒸気放出手段301は、それぞれ図示しないホスト材料蒸発源又はドーパント材料蒸発源に接続されたホスト材料蒸気放出器302h及びドーパント材料蒸気放出器302dを有している。
これらホスト材料蒸気放出器302h及びドーパント材料蒸気放出器302dは、上述した蒸気放出器8と同一の構成を有するものである。
【0058】
ここで、ホスト材料蒸気放出器302h及びドーパント材料蒸気放出器302dは、それぞれ蒸気放出口303、304を有している。そして、ホスト材料蒸気放出器302h及びドーパント材料蒸気放出器302dを取り囲むように箱状の蒸気拡散部材305が設けられ、この蒸気拡散部材305の基板5と対向する部分に、ノズル状の蒸気放出口306が設けられている。
【0059】
本例の場合は、ホスト材料及びドーパント材料の蒸気を十分に拡散させるため、ホスト材料蒸気放出器302hの蒸気放出口303及びドーパント材料蒸気放出器302dの蒸気放出口304が、蒸気拡散部材305の蒸気放出口306と対向しないように、すなわち、蒸気拡散部材305の内壁と対向するように設けられている。
そして、蒸気拡散部材305の外壁には、蒸気加熱用の加熱手段307が設けられ、さらに、蒸気拡散部材305の周囲を取り囲むように箱状の輻射防止部材308が設けられている。
【0060】
このような構成を有する本例の蒸着装置300によれば、ホスト材料とドーパント材料の蒸気を十分に混合することができるため、有機EL装置の有機薄膜層を均一に形成することができ、また、ホスト材料とドーパント材料の相互汚染を防止することができるという効果がある。
【0061】
図6は、本発明の蒸着装置の他の実施の形態を示す概略構成図であり、以下、上記実施の形態と対応する部分には、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施の形態の蒸着装置100Aは、蒸気放出器8において第1〜第3の隔壁部31〜33を設けないものであり、その他の構成は上述した蒸気放出器8と同一の構成を有している。
【0062】
本実施の形態によれば、蒸気放出器8内において蒸発材料の蒸気の分布が不平衡状態になった場合において、蒸発材料の蒸気の分布を平衡状態に戻すことができる。
また、本実施の形態によれば、より構成が簡素でコストを抑えることが可能になる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、蒸気放出器の蒸気拡散部の数並びに各蒸気拡散部における連通口(蒸気放出口)の数は上述した実施の形態のものには限られず、適宜変更することができる。
【0063】
また、上記実施の形態においては、有機EL装置の有機層のホスト材料及びドーパント材料を蒸着する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られず、例えば切換バルブを介して例えば図1に示すように4個以上の蒸発源を蒸気放出器に接続し、切換バルブを切り換えることによって種々の有機材料の蒸気を蒸気放出器に供給するように構成することもできる。このような構成によれば、例えば光の三原色の有機材料の蒸気を用いてフルカラーや白色の有機層を積層形成することが可能になる。
【0064】
さらに、上記実施の形態においては、成膜対象物である基板の下側から蒸気を放出させて基板上に蒸着を行うようにしたが、本発明はこれに限られず、鉛直方向に対して傾けた基板に対して蒸気を放出させることもでき、また、水平方向に向けて配置した基板に対して上方から蒸気を放出し、いわゆるデポダウンの成膜を行うように構成することもできる。
【0065】
さらにまた、本発明は、複数の原料モノマーを用いて蒸着重合を行う装置にも適用することができる。
加えて、本発明は、有機材料のみならず、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、リチウム(Li)、三酸化モリブデン(MoO3)等の無機材料についても適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…有機EL製造装置
5…基板(成膜対象物)
8…正孔注入層用蒸気放出器(蒸気放出器)
10a…連通口
10b…蒸気混合部
10d…ドーパント材料導入部
10h…ホスト材料導入部
11…第1の蒸気拡散部(蒸気拡散部)
12…第2の蒸気拡散部(蒸気拡散部)
13…第3の蒸気拡散部(蒸気拡散部)
14…第4の蒸気拡散部(蒸気拡散部)
15…第5の蒸気拡散部(蒸気拡散部)
21…第1の連通口(連通口)
22…第2の連通口(連通口)
23…第3の連通口(連通口)
24…第4の連通口(連通口)
25…蒸気放出口
70h…ホスト材料蒸発源(蒸発源)
80d…(第1の)ドーパント材料蒸発源(蒸発源)
90d…第2のドーパント材料蒸発源(蒸発源)
100…蒸着装置
100a…真空槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜対象物が配置される真空槽と、
前記真空槽の外部に設けられ蒸発材料の蒸気を発生させるための蒸発源と、
前記蒸発源から供給された蒸発材料の蒸気を前記成膜対象物に向って放出する蒸気放出器とを備え、
前記蒸気放出器は、同心状に配置された径の異なる複数の筒状の蒸気拡散部を有するとともに、当該複数の蒸気拡散部は、隣接する蒸気拡散部が、前記蒸発材料の蒸気が通過可能な連通口を介して互いに接続され、
前記蒸気放出器は、前記成膜対象物に対し、当該蒸気放出器の延びる方向と交差する方向に相対的に移動するように構成されている蒸着装置。
【請求項2】
前記蒸発源は、異なる蒸発材料の蒸気を発生させる複数の蒸発源を有するとともに、前記蒸気放出器に、前記複数の蒸発源から供給された異なる蒸発材料の蒸気を混合する蒸気混合部を有する請求項1記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記蒸気放出器における蒸気拡散部の連通口は、前記蒸発材料の蒸気の導入側から放出側に向って数が増加するように構成されている請求項1又は2のいずれか1項記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口は、前記蒸発材料の蒸気の導入側から放出側に向って2n-1個(nは自然数)で増加するように構成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸着装置。
【請求項5】
前記蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口は、隣接する蒸気拡散部の連通口が、互いに対向しない位置に設けられている請求項1乃至4のいずれか1項記載の蒸着装置。
【請求項6】
前記蒸気放出器における蒸気拡散部の複数の連通口は、隣接する蒸気拡散部の連通口が、通過する蒸発材料の蒸気の方向が互いに反対方向となる位置に設けられている請求項5記載の蒸着装置。
【請求項7】
前記蒸気放出器の蒸気拡散部に、互いの雰囲気を隔離するための隔壁部が設けられている請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸着装置。
【請求項8】
前記蒸気放出器に、前記蒸発材料の蒸気を加熱するための加熱手段が設けられている請求項1乃至7のいずれか1項記載の蒸着装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の蒸着装置を用い、真空中で成膜対象物表面に有機膜を形成する方法であって、
当該蒸発材料として、有機EL装置の有機薄膜層を形成するためのホスト材料とドーパント材料を用いる蒸着方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の蒸着装置を用い、真空中で成膜対象物表面に膜を形成する方法であって、
蒸発材料として、フッ化リチウム、フッ化セシウム(CsF)、リチウム(Li)、又は三酸化モリブデンを用いる蒸着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−174609(P2012−174609A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37495(P2011−37495)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】