蓄電池ユニット、表示システム
【課題】蓄電池ユニット内の温度上昇を抑えることを課題とする。
【解決手段】
蓄電池と、該蓄電池を収納する筐体と、筐体の背面に設けられた吸気口、筐体の両側面に設けられた排気口、該筐体内の排気口近傍に設けられた複数のファン、該筐体内に設けられ、温度を測定する複数の温度測定部材、ファンの制御を行う制御部、を備え、制御部は、前記複数の温度測定部材の温度測定結果に基づいて、前記複数のファンのうちのいずれのファンを駆動するかを決定することを特徴とする。
【解決手段】
蓄電池と、該蓄電池を収納する筐体と、筐体の背面に設けられた吸気口、筐体の両側面に設けられた排気口、該筐体内の排気口近傍に設けられた複数のファン、該筐体内に設けられ、温度を測定する複数の温度測定部材、ファンの制御を行う制御部、を備え、制御部は、前記複数の温度測定部材の温度測定結果に基づいて、前記複数のファンのうちのいずれのファンを駆動するかを決定することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池ユニットを備えた表示システムに関する。特に太陽電池及び商用電力により駆動される表示装置を備えた表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージと呼ばれる、屋外等に配置され、広告や様々な情報を表示する大型の表示装置が普及しつつある(特許文献1、2など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−294284号公報
【特許文献2】特開2009−296105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、出願人は、太陽電池を備えた表示システムをデジタルサイネージ用に開発中である(例えば、特願2010−147775(2010年6月3日出願)、特願2010−266333(2010年11月30日出願))。このシステムでは、表示装置(大型モニタ)の上部に太陽電池を設け、表示装置と太陽電池が一体化した構成となっている。また、該システムでは、昼間に太陽電池で発電した電力を夜間に利用できるよう、蓄電池ユニットも搭載している。この蓄電池ユニットでは、ケース内の中に蓄電池の他、蓄電池からの直流電力を交流電力に変換するインバータを収納している。
【0005】
しかし、インバータの発熱などにより、ケース内の温度が上昇し、その結果、蓄電池の保障温度を超えてしまう場合がある。ケースで熱がこもることを防ぐために、インバータや蓄電池をケース外に配備することも考えられるが、防塵の観点からは好ましくない。そこで、本発明は、上述した問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の蓄電池ユニットは、蓄電池と、該蓄電池を収納する筐体と、筐体の背面に設けられた吸気口、筐体の両側面に設けられた排気口、該筐体内の排気口近傍に設けられた複数のファン、該筐体内に設けられ、温度を測定する複数の温度測定部材、ファンの制御を行う制御部、を備え、制御部は、前記複数の温度測定部材の温度測定結果に基づいて、前記複数のファンのうちのいずれのファンを駆動するかを決定することを特徴とする。
【0007】
本発明の表示システムは、上記の蓄電池ユニットに加えて、太陽電池と、表示装置と、を備え、該蓄電池ユニットは、太陽電池の発電量と表示装置の消費電力に応じて、太陽電池の発電電力を蓄電池と表示装置に供給すべき割合を制御する第2制御部を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄電池ユニット内の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】表示システム100を示す図である。
【図2】蓄電池ユニット10の前方斜視図である。
【図3】蓄電池ユニット10の後方斜視図である。
【図4】前方扉21を開いた時の蓄電池ユニット10の前方斜視図である。
【図5】後方蓋22を外した時の蓄電池ユニット10の後方斜視図である。
【図6】後方蓋22を外した時の蓄電池ユニット10の後方斜視図である。
【図7】蓄電池ユニット10の側方図である。
【図8】側方蓋27Lを外した時の蓄電池ユニット10の側面図である。
【図9】蓄電池ユニット10のケース20内部の冷却の模式図である。
【図10】蓄電池ユニット10の冷却に関する制御ブロック図である。
【図11】他の態様に係る蓄電池ユニット80の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
先ず図1は、表示システム100を示す図である。表示システム100は、太陽電池ユニット1、表示装置2、及び蓄電池ユニット10を備える。表示装置2は、収納ボックス400内に収納される。太陽電池ユニット1は、その上部に太陽光パネルを有しており、この太陽光パネルを支柱で支える構造となっている。なお、太陽光パネルは図1の三角柱部分の斜面(表示装置とは反対側の斜面)に配備され、同図では隠れる位置に配備される。
【0011】
表示装置2は、情報を表示するディスプレイで構成され、典型的には液晶パネルを備えたLCDディスプレイである。この表示装置2は、屋外配置に備えるべく、防水、防塵、耐熱対策が施されている。また、ユーザからの入力を受け付けるためのタッチパネルを表示パネルの前面側に備えていても良い。
【0012】
蓄電池ユニット10は、太陽電池ユニット1の太陽電池で発電された電力を蓄電する蓄電池を有している。よって、この表示システム100では、例えば昼間は太陽電池で発電した電力を使って表示装置2を駆動しつつ、その余剰電力を蓄電池に蓄え、太陽電池による発電できない夜間は蓄電池に蓄えられた電力を使って表示装置2を駆動することができる。
【0013】
なお、図1で示すように、太陽電池ユニット1、表示装置2は屋外や公共場所に配置することが想定され、蓄電池ユニット10は屋内の非公共場所に配置されることが測定される。例えば、太陽電池ユニット1、表示装置2は公園内や、駅、建物のホールなどに配備される。一方、蓄電池ユニット10は、屋内であって、一般の人々が通常立ち入りできないような施設管理者が管理するスペースなどに配備される。したがって、蓄電池ユニット10は、太陽電池ユニット1及び表示装置2から離れた位置に配置されることとなるので、蓄電池ユニット10と太陽電池ユニット1、表示装置2の間は電力線や制御のための通信線が敷設されることとなる。
【0014】
また、日照時間が短く太陽電池ユニット1が十分に発電できない状態が続く場合や、表示装置2の消費電力が大きい状態が続く場合、蓄電池ユニット10の蓄電池に蓄えられた電力だけでは賄えない場合もありうる。そこで、この表示システム100は、必要に応じて商用電力からの電力を利用することもできる構成となっている。
【0015】
図2は、蓄電池ユニット10の前方斜視図である。蓄電池ユニット10は蓄電池31(後述の図6等参照)などを収納するケース(筐体)20を備える。ケース20の前面には前方扉21、前方扉21に設けられた鍵穴23がある。前方扉21は、その下辺側を軸に開閉可能になっている。また、鍵穴23は、前方扉21の開閉を制限するためのものである。また、ケース20下面の四隅近傍には、蓄電池ユニット10を移動容易にするためのキャスター41がそれぞれ備わっている。特にメンテナンス作業等で蓄電池ユニット10を移動させる必要がある場合に有益である。また、ケース20の側面には排気口27(同図では右側面の排気口ということで排気口27Rとしている)、及び蓋28Rを備えている。この排気口27の内側には排気用のファン51が配備される(後述の図8、9を参照)。
【0016】
図3は、蓄電池ユニット10の後方斜視図である。ケース20の背面には後方蓋22がある。この後方蓋22には、前方扉と同様、鍵穴23が設けられる。更に、後方蓋には、左右一対の吸気口24(L、R)、コンセント25、端子部26が備わっている。コンセント25は、商用電力を入力する目的ではなく、逆に、蓄電池ユニット10から他の装置に電源を供給する目的で設けられたものである。
【0017】
また、端子部26は、太陽電池ユニット1からの電力を入力するための電源端子、表示装置2に対し制御信号を伝送するための(或いは、表示装置2からの信号を受け取るための)通信線(RS232−C、RS−485方式のものなど)が接続される通信用端子、照度センサの検出信号を入力するためのセンサ入力端子などを備えている。また、端子部26に接続される通信線を使って、ユニット10内の蓄電状態などの情報を表示装置2へ伝送し、これを表示装置2の画面上に表示させることもできる。なお、上述のRS−485方式のインタフェースによれば、1キロメートル離れた地点間の通信も可能であるので、これにより、表示装置2、太陽電池ユニット1、及び蓄電池ユニット10の設置の自由度が増す。
【0018】
上記の照度センサは、太陽光が照射しているかどうかを測定するためのものである。この検知結果は、蓄電池ユニット10のバッテリ(蓄電池)制御に活用される。なお、照度センサを使わなくても太陽電池の出力電流をモニタリングすることで、太陽電池の発電状況を知ることも可能である。しかし、そのためには電流モニタ用の回路を別途設ける必要があるので、回路規模が大型化/複雑化する。むしろ、照度センサの出力に基づいて太陽電池の発電状況を検知する方が、簡便な構成・方式で実現できるので、本表示システム100では照度センサを採用している。
【0019】
なお、本実施形態の蓄電池ユニット10は屋内に設置することを想定しているため、特段の防水対策は施されていない。しかし、埃が内部に侵入することは好ましくないため、防塵対策の為、準密閉構造としている。即ち、ケース20内外の換気(通気)は、吸気口24及び排気口27のみを通して行う構成としている。
【0020】
なお、図2、図3から分かるように、蓄電池ユニット10では、ケース20の両側面(左右の側面に排気口27が設けられている。即ち、蓄電池ユニット10はケース20の背面側から吸気し、両側面から排気を行うことにより、ケース20内の換気(冷却)を行う構成となっている。背面側に吸気口を設けているのは、この蓄電池ユニット10は、背面を壁側にして設置されることが想定されるためであり、熱風が排出される排気口を背面側に設けるのはでは適切ではないからである。
【0021】
図4は、前方扉21を開いた時の蓄電池ユニット10の前方斜視図である。同図に示すように、蓄電池ユニット10のケース20の内部には、左右のラック(棚)に蓄電池31A〜C、保護ユニット32、PMU33などが収納される。
【0022】
図5及び図6は、後方蓋22を外した時の蓄電池ユニット10の後方斜視図である。同図に示すように、蓄電池ユニット10のケース20の内部には、2つのラックに蓄電池31A〜C、保護ユニット32、PMU33に加え、更にインバータ34、AC/DC(交流/直流)変換回路35、ファン制御AC/DC変換回路36が収納されている。
【0023】
図6で示すように(背面から見て)右側のラックには、下から順に蓄電池31B、31A、そして一段空けて、最上段にはインバータ34が配備される。インバータ34が最上段に配備されるのは、インバータ34の発熱量が蓄電池31の発熱量と比して大きいからである。仮に、発熱量の大きいインバータ34を蓄電池31の下方に配備すると、熱は上方に伝わるという自然法則の性質から、インバータ34の熱により蓄電池31が過熱してしまう。そこで、蓄電池ユニット10ではインバータ34を上側に収納しているのである。
【0024】
また、右側のラックにおいて蓄電池31Aとインバータ34の間を一段空けているのは、自然法則によれば熱は上方に伝わるのであるが、ケース20の上側が閉じているため、熱の一部はインバータ34の下側にも伝わる。この熱により蓄電池31が過熱するのを防ぐために、一段空けて蓄電池31を配置しているのである。
【0025】
次に、蓄電池ユニット10内に収納される各構成部材の機能等を説明する。蓄電池31A〜Cは、例えばリチウムイオン電池である。保護ユニット32は、蓄電池31の過充電、過放電を検知すると蓄電池31を電力ラインから遮断して蓄電池31を保護する等の機能を有する。PMU(Power Management Unit)33は、太陽電池ユニット1からの電力及び商用電力のいずれか一方からの電力を蓄電池31に充電させる制御を行ったりする。インバータ34は、蓄電池31に充電された電力(直流)を交流電力に変換して外部機器(例えば、表示装置2など)へ出力する。AC/DC変換回路35は、交流である商用電力を蓄電池31に充電させるために直流に変換する。ファン制御AC/DC変換回路36は、ファン51の回転制御を行う。
【0026】
例えば、太陽電池ユニット1で発電された電力(直流)は、まずPMU33に入力され、保護ユニット32を経て蓄電池31に充電される。一方、商用電力(交流)は、AC/DC変換回路35で直流に変換されてからPMU33に入力され、保護ユニット32を経て蓄電池31に充電される。また、蓄電池31に充電された電力は、保護ユニット32、インバータ34を経て表示装置2に供給される。
【0027】
なお、PMU33は、太陽電池ユニット1からの電力又はAC/DC変換回路35からの電力のいずれかを選択的に入力するための第1スイッチ(又はスイッチ群)、保護ユニット32へ電力を保護ユニット32へ入力させるか否かを切り替える第2スイッチ、保護ユニット32又はAC/DC変換回路35からの電力のいずれかを選択的にインバータ34へ供給するための第3スイッチなども備えており、これらのスイッチは太陽電池ユニット1の発電状況、蓄電池31の充電状況、表示装置2の稼働状況に応じて適宜制御される。なお、この制御動作に関しては、本出願人による他の特許出願に詳述している。これらのスイッチ切り替えにより、例えば、日常的に夜間電力を充電しておき、昼間の電力ピーク時にタイマーで供給し、ピーク時電力の削減、料金の削減に使用することができる。
【0028】
蓄電池ユニット10で、ケース20の前面側の前方扉21が下辺を軸に開閉可能となっているのに対し、ケース20の後方蓋22が着脱可能となっているのは、蓄電池31等の部材をケース20内に挿入する作業を容易化する目的である。蓄電池31は、比較的重量が大きい。仮に図4のように前方扉21が下方で開いた状態だと、作業員が蓄電池31をケース内に挿入する際、開いた状態の前方扉21の前方に足場を置く必要があり、腕を大きく伸ばした状態で蓄電池31を保持するか、あるいは腰を前かがみにしないと蓄電池31をケース20内に収納することができない。そこで、図5、6に示すように後方蓋22は、ケース20に対して着脱可能な構成としている。そうすれば、作業員は、足場をケース20の近くに置くことができるので、手を伸ばしたり腰を大きく屈めたりしなくても蓄電池31をケース20内に収納したり、あるいはケース20から取り外したりすることができる。換言すれば、この蓄電池ユニット10では、ケース20の背面側から蓄電池31等の部材を取り外しできるよう、ケース20内のラックは設計されている。
【0029】
また、蓄電池ユニット10は、設置やメンテナンスを容易化すべく、前面、背面を扉で構成した、ほぼ直方体のシンプルな箱型(ボックス)筐体としており、底部にキャスターを装備している。また、設置スペースを有効利用できるよう、いわゆるローボードスタイルとしており、上面を平坦なフリースペースとしている。
【0030】
図7は、蓄電池ユニット10の側面図である。同図に示すように蓄電池ユニット10のケース20の側面には排気口27が設けられる。この排気口27は、(比較的サイズの大きな)ゴミの侵入等を防ぐべく、多数の小孔が網目状に設けられた態様になっている。なお、図7は、右方から見た側面図であるが、ケース20の左側面にも同様に排気口27が設けられる。
【0031】
図7は、蓄電池ユニット10の側面図である。同図に示すように蓄電池ユニット10のケース20の側面には排気口28が設けられる。この排気口28は、(比較的サイズの大きな)ゴミの侵入等を防ぐべく、多数の小孔が網目状に設けられた態様になっている。なお、図7は、左方から見た側面図であるが、ケース20の右側面にも同様に排気口28が設けられる。なお、同図では、排気口28Lとしているが、これは左(Left)側面に設けられた排気口28という意図で符号を付したものである。
【0032】
図8は、(図7の)側方蓋27Lを外した時の蓄電池ユニット10の側面図である。同図に示すように排気口28Lの内側には3つの排気用ファン51A〜Cが上から順に配備される。なお、同様に、ケース20の右側面にも取り外し可能な側方蓋27R(不図示)があり、また排気口27Rの内側には3つの排気ファン51D〜F(不図示)が配備される。
【0033】
図9は、蓄電池ユニット10のケース20内部の冷却の模式図である。なお、同図は蓄電池ユニット10を背面側から見たと仮定した場合の各部材の配置を簡易的に記したものである。ケース20の左側面に配備されるファン51A〜Cが同図では右側に示されるのはこの理由による。以下、左右に関しては図9内での表示を基準とする。
【0034】
ファン51A〜Cは、ファン51A、B、Cの順に上から配備される。ファン51Aは、インバータ34の右下の位置に配置される。ファン51Bは、蓄電池31Aの右上に配置される。ファン51Cは、蓄電池31Aの右下、蓄電池31Bの右上に配置される。即ち、ファン51Cは、蓄電池31A、31Bの間の空間に風が流れるように配置される。ファン51Bは、蓄電池31Aの上側を風が流れるように配置される。ファン51Aは、インバータ34の下側を風が流れるように配置される。
【0035】
ファン51D〜Fは、ファン51D、E、Fの順に上から配備される。ファン51Dは、ファン制御AC/DC変換回路36の左下、PMU33の左上の位置に配置される。ファン51Eは、PMU33の左下、保護ユニット32の左上に配置される。ファン51Fは、保護ユニット32の左下、蓄電池31Cの左上に配置される。即ち、ファン51Dは、ファン制御AC/DC変換回路36(或いはAC/DC変換回路35)とPMU33の間の空間に風が流れるように配置される。ファン51Eは、PMU33と保護ユニット32の間の空間を風が流れるように配置される。ファン51Fは、保護ユニット32と蓄電池31Cの間の空間を風が流れるように配置される。
【0036】
更に、ケース20の内部には温度を測定するセンサとして機能するサーミスタ61A〜Gが配備される。一例として、サーミスタ61A、B、Cはそれぞれ、インバータ34、蓄電池31A、Bの近傍に配備される。サーミスタ61D〜Gはそれぞれ、ファン制御AC/DC変換回路36、PMU33、保護ユニット32、蓄電池31Cの近傍に配備される。詳細は後述するが、蓄電池ユニット10では、各サーミスタ61で検出された温度に応じて選択的にファン51を駆動させる。
【0037】
図10は、蓄電池ユニット10の回路ブロック図である。本図は特に冷却制御に着目して記述したブロック図である。実際には、蓄電池ユニット10は、電力の供給制御など、その他の諸々の制御も行うのであるが、これらに関してはここでは言及しないこととする。
【0038】
ファン制御AC/DC変換回路36は、ファン51A〜Fを駆動させる。これらのファンを駆動させるためには、当然ながらファン制御AC/DC変換回路36に電力を供給する必要があるが、この電力はインバータ34から交流電力の形で供給される。既に述べたが、このインバータ34は、表示装置2にも電力を供給するものであり、蓄電池31等からの直流電力を交流に変換するものである。同図では、太陽電池ユニット1やAC/DC変換回路35からの電力が保護回路32に直接入力されるかごとく示されているが、実際にはPMU33を経由して保護回路32に入力されるようにしても良い。
【0039】
また、ファン制御AC/DC変換回路36は、各サーミスタ61の温度検出結果に応じてファン51A〜Fのうちのいずれかを選択的に駆動するような制御も行う。例としては以下の制御を行う。
(1)蓄電池31の動作保障温度の上限が40℃であることに鑑み、例えば蓄電池31Aの近傍に配備されるサーミスタ61Bで検出された温度が、例えば35℃程度になった場合は、ファン51B及び51CをONにして、蓄電池31Aの上側及び下側に風を流すことにより冷却を行う。
(2)インバータ34の温度が上昇し、サーミスタ61Aの検出温度が高い場合はファン51Aを駆動させ、インバータ34の下側に風を流すことで冷却を行う。
(3)蓄電池ユニット10を設置する場所(部屋)自体の温度が高く、全てのサーミスタ61の検出温度が高い場合(例えば35℃以上の場合)は、全てのファン51を駆動させる。
(4)サーミスタ61C、61Gにより、蓄電池31B及び31Cの近傍の温度が高いと検出された場合は、ファン51C、51Fを駆動させる。
(5)また、サーミスタ61Cにより、蓄電池31B近傍の温度は高いが、サーミスタ61Gにより、蓄電池31C近傍の温度は高くないと検出された場合(例えば、蓄電池31Bのみが動作していて、蓄電池31Cは動作していない場合とか、ケース20の右側の環境温度が高い場合など)、原則的にはファン51Cのみを駆動させればよい。但し、ファン51C、51Fをペアで駆動させた方が、蓄電池31B上方の風速を向上させることができると考えられるので、蓄電池31Cの温度が高くなくても、蓄電池31C側のファン51Fも駆動させても良い。
【0040】
上記の(1)〜(5)の制御はPMU33内のCPUに記憶された制御プログラム等に基づいて実行される。
【0041】
上記のように、蓄電池ユニット10では、発熱部位に応じて選択的にファンを駆動させるので、ファンによる消費電力を低減しつつ、ケース20内の適切な冷却を行うことができる。
【0042】
また、ファンは単なるオン/オフ制御だけでなく、回転速度を段階的に変更させるような制御としても良い。
【0043】
(第2の実施形態)
第1実施形態の蓄電池ユニット10は、ケース20内部に2つのラック(収納部)があり、各々のラックに各部材が収納される構成であるが、これに代えて、図11に示す蓄電池ユニット80ように一つのラックに各部材を収容する構成、いわゆるタワー型の構成としても良い。タワー型の構成とすることで、蓄電池ユニットの設置床面積を減らすことができ(単純には、蓄電池ユニット10の凡そ半分とできる)、省スペース化を図ることができる。
【0044】
図11に示すように、蓄電池ユニット80内の収納ラックには、下から順に蓄電池21A、31B、31C、保護ユニット32、PMU33、インバータ34が収納される。また各部材の左右にはサーミスタ61、ファン51が配備される。インバータ34を一番上に配備しているのは、第1実施形態の蓄電池ユニット10と同様、インバータ34の発熱量が蓄電池31等と比して大きいからである。
【0045】
蓄電池ユニット80では、蓄電池ユニット10と同様、発熱部位に応じて選択的にファン51が駆動される。例えば、インバータ34近傍の温度が高いと、サーミスタ61が検出したとき、一対のファン51A、Fが駆動される。
【0046】
本構成によれば、いわゆるタワー型構成としているので、設置スペースの節約が図れる他、ケースの左右側面間の距離を、蓄電池ユニット10よりも小さくでき、左右一対のファン間の距離が短くなる。従い、蓄電池ユニット10と同性能のファンを同じ回転速度で駆動させた場合でも風速を高くすることができるので、冷却効率を向上させることもできる。
【0047】
以上、本発明における実施の形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【0048】
上記では蓄電池ユニットは、表示装置に電力を供給するものとして記述したが、他のものに供給するものでも良い。更には表示装置2のような特定の装置のみならず。例えば家庭や建物に電力を供給するための制御を行うユニットとして利用されるものも本願発明の範疇に含まれるものとする。
【0049】
また、蓄電池ユニットの利用態様として、昼間は太陽電池で発電した電力を表示装置の駆動と蓄電池への充電に使用し、夜間は蓄電池の電力を使って表示装置を駆動する例を示したが、これ以外の利用態様もある。例えば、電灯線(商用系統)や太陽電池などの外部発電装置からケース内に内蔵される高容量の2次電池(蓄電池)に一旦充電し、災害なので突然停電になった場合に、一定時間(他の装置に)給電できるユニットとしての利用することもできる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池ユニットを備えた表示システムに関する。特に太陽電池及び商用電力により駆動される表示装置を備えた表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージと呼ばれる、屋外等に配置され、広告や様々な情報を表示する大型の表示装置が普及しつつある(特許文献1、2など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−294284号公報
【特許文献2】特開2009−296105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、出願人は、太陽電池を備えた表示システムをデジタルサイネージ用に開発中である(例えば、特願2010−147775(2010年6月3日出願)、特願2010−266333(2010年11月30日出願))。このシステムでは、表示装置(大型モニタ)の上部に太陽電池を設け、表示装置と太陽電池が一体化した構成となっている。また、該システムでは、昼間に太陽電池で発電した電力を夜間に利用できるよう、蓄電池ユニットも搭載している。この蓄電池ユニットでは、ケース内の中に蓄電池の他、蓄電池からの直流電力を交流電力に変換するインバータを収納している。
【0005】
しかし、インバータの発熱などにより、ケース内の温度が上昇し、その結果、蓄電池の保障温度を超えてしまう場合がある。ケースで熱がこもることを防ぐために、インバータや蓄電池をケース外に配備することも考えられるが、防塵の観点からは好ましくない。そこで、本発明は、上述した問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の蓄電池ユニットは、蓄電池と、該蓄電池を収納する筐体と、筐体の背面に設けられた吸気口、筐体の両側面に設けられた排気口、該筐体内の排気口近傍に設けられた複数のファン、該筐体内に設けられ、温度を測定する複数の温度測定部材、ファンの制御を行う制御部、を備え、制御部は、前記複数の温度測定部材の温度測定結果に基づいて、前記複数のファンのうちのいずれのファンを駆動するかを決定することを特徴とする。
【0007】
本発明の表示システムは、上記の蓄電池ユニットに加えて、太陽電池と、表示装置と、を備え、該蓄電池ユニットは、太陽電池の発電量と表示装置の消費電力に応じて、太陽電池の発電電力を蓄電池と表示装置に供給すべき割合を制御する第2制御部を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄電池ユニット内の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】表示システム100を示す図である。
【図2】蓄電池ユニット10の前方斜視図である。
【図3】蓄電池ユニット10の後方斜視図である。
【図4】前方扉21を開いた時の蓄電池ユニット10の前方斜視図である。
【図5】後方蓋22を外した時の蓄電池ユニット10の後方斜視図である。
【図6】後方蓋22を外した時の蓄電池ユニット10の後方斜視図である。
【図7】蓄電池ユニット10の側方図である。
【図8】側方蓋27Lを外した時の蓄電池ユニット10の側面図である。
【図9】蓄電池ユニット10のケース20内部の冷却の模式図である。
【図10】蓄電池ユニット10の冷却に関する制御ブロック図である。
【図11】他の態様に係る蓄電池ユニット80の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
先ず図1は、表示システム100を示す図である。表示システム100は、太陽電池ユニット1、表示装置2、及び蓄電池ユニット10を備える。表示装置2は、収納ボックス400内に収納される。太陽電池ユニット1は、その上部に太陽光パネルを有しており、この太陽光パネルを支柱で支える構造となっている。なお、太陽光パネルは図1の三角柱部分の斜面(表示装置とは反対側の斜面)に配備され、同図では隠れる位置に配備される。
【0011】
表示装置2は、情報を表示するディスプレイで構成され、典型的には液晶パネルを備えたLCDディスプレイである。この表示装置2は、屋外配置に備えるべく、防水、防塵、耐熱対策が施されている。また、ユーザからの入力を受け付けるためのタッチパネルを表示パネルの前面側に備えていても良い。
【0012】
蓄電池ユニット10は、太陽電池ユニット1の太陽電池で発電された電力を蓄電する蓄電池を有している。よって、この表示システム100では、例えば昼間は太陽電池で発電した電力を使って表示装置2を駆動しつつ、その余剰電力を蓄電池に蓄え、太陽電池による発電できない夜間は蓄電池に蓄えられた電力を使って表示装置2を駆動することができる。
【0013】
なお、図1で示すように、太陽電池ユニット1、表示装置2は屋外や公共場所に配置することが想定され、蓄電池ユニット10は屋内の非公共場所に配置されることが測定される。例えば、太陽電池ユニット1、表示装置2は公園内や、駅、建物のホールなどに配備される。一方、蓄電池ユニット10は、屋内であって、一般の人々が通常立ち入りできないような施設管理者が管理するスペースなどに配備される。したがって、蓄電池ユニット10は、太陽電池ユニット1及び表示装置2から離れた位置に配置されることとなるので、蓄電池ユニット10と太陽電池ユニット1、表示装置2の間は電力線や制御のための通信線が敷設されることとなる。
【0014】
また、日照時間が短く太陽電池ユニット1が十分に発電できない状態が続く場合や、表示装置2の消費電力が大きい状態が続く場合、蓄電池ユニット10の蓄電池に蓄えられた電力だけでは賄えない場合もありうる。そこで、この表示システム100は、必要に応じて商用電力からの電力を利用することもできる構成となっている。
【0015】
図2は、蓄電池ユニット10の前方斜視図である。蓄電池ユニット10は蓄電池31(後述の図6等参照)などを収納するケース(筐体)20を備える。ケース20の前面には前方扉21、前方扉21に設けられた鍵穴23がある。前方扉21は、その下辺側を軸に開閉可能になっている。また、鍵穴23は、前方扉21の開閉を制限するためのものである。また、ケース20下面の四隅近傍には、蓄電池ユニット10を移動容易にするためのキャスター41がそれぞれ備わっている。特にメンテナンス作業等で蓄電池ユニット10を移動させる必要がある場合に有益である。また、ケース20の側面には排気口27(同図では右側面の排気口ということで排気口27Rとしている)、及び蓋28Rを備えている。この排気口27の内側には排気用のファン51が配備される(後述の図8、9を参照)。
【0016】
図3は、蓄電池ユニット10の後方斜視図である。ケース20の背面には後方蓋22がある。この後方蓋22には、前方扉と同様、鍵穴23が設けられる。更に、後方蓋には、左右一対の吸気口24(L、R)、コンセント25、端子部26が備わっている。コンセント25は、商用電力を入力する目的ではなく、逆に、蓄電池ユニット10から他の装置に電源を供給する目的で設けられたものである。
【0017】
また、端子部26は、太陽電池ユニット1からの電力を入力するための電源端子、表示装置2に対し制御信号を伝送するための(或いは、表示装置2からの信号を受け取るための)通信線(RS232−C、RS−485方式のものなど)が接続される通信用端子、照度センサの検出信号を入力するためのセンサ入力端子などを備えている。また、端子部26に接続される通信線を使って、ユニット10内の蓄電状態などの情報を表示装置2へ伝送し、これを表示装置2の画面上に表示させることもできる。なお、上述のRS−485方式のインタフェースによれば、1キロメートル離れた地点間の通信も可能であるので、これにより、表示装置2、太陽電池ユニット1、及び蓄電池ユニット10の設置の自由度が増す。
【0018】
上記の照度センサは、太陽光が照射しているかどうかを測定するためのものである。この検知結果は、蓄電池ユニット10のバッテリ(蓄電池)制御に活用される。なお、照度センサを使わなくても太陽電池の出力電流をモニタリングすることで、太陽電池の発電状況を知ることも可能である。しかし、そのためには電流モニタ用の回路を別途設ける必要があるので、回路規模が大型化/複雑化する。むしろ、照度センサの出力に基づいて太陽電池の発電状況を検知する方が、簡便な構成・方式で実現できるので、本表示システム100では照度センサを採用している。
【0019】
なお、本実施形態の蓄電池ユニット10は屋内に設置することを想定しているため、特段の防水対策は施されていない。しかし、埃が内部に侵入することは好ましくないため、防塵対策の為、準密閉構造としている。即ち、ケース20内外の換気(通気)は、吸気口24及び排気口27のみを通して行う構成としている。
【0020】
なお、図2、図3から分かるように、蓄電池ユニット10では、ケース20の両側面(左右の側面に排気口27が設けられている。即ち、蓄電池ユニット10はケース20の背面側から吸気し、両側面から排気を行うことにより、ケース20内の換気(冷却)を行う構成となっている。背面側に吸気口を設けているのは、この蓄電池ユニット10は、背面を壁側にして設置されることが想定されるためであり、熱風が排出される排気口を背面側に設けるのはでは適切ではないからである。
【0021】
図4は、前方扉21を開いた時の蓄電池ユニット10の前方斜視図である。同図に示すように、蓄電池ユニット10のケース20の内部には、左右のラック(棚)に蓄電池31A〜C、保護ユニット32、PMU33などが収納される。
【0022】
図5及び図6は、後方蓋22を外した時の蓄電池ユニット10の後方斜視図である。同図に示すように、蓄電池ユニット10のケース20の内部には、2つのラックに蓄電池31A〜C、保護ユニット32、PMU33に加え、更にインバータ34、AC/DC(交流/直流)変換回路35、ファン制御AC/DC変換回路36が収納されている。
【0023】
図6で示すように(背面から見て)右側のラックには、下から順に蓄電池31B、31A、そして一段空けて、最上段にはインバータ34が配備される。インバータ34が最上段に配備されるのは、インバータ34の発熱量が蓄電池31の発熱量と比して大きいからである。仮に、発熱量の大きいインバータ34を蓄電池31の下方に配備すると、熱は上方に伝わるという自然法則の性質から、インバータ34の熱により蓄電池31が過熱してしまう。そこで、蓄電池ユニット10ではインバータ34を上側に収納しているのである。
【0024】
また、右側のラックにおいて蓄電池31Aとインバータ34の間を一段空けているのは、自然法則によれば熱は上方に伝わるのであるが、ケース20の上側が閉じているため、熱の一部はインバータ34の下側にも伝わる。この熱により蓄電池31が過熱するのを防ぐために、一段空けて蓄電池31を配置しているのである。
【0025】
次に、蓄電池ユニット10内に収納される各構成部材の機能等を説明する。蓄電池31A〜Cは、例えばリチウムイオン電池である。保護ユニット32は、蓄電池31の過充電、過放電を検知すると蓄電池31を電力ラインから遮断して蓄電池31を保護する等の機能を有する。PMU(Power Management Unit)33は、太陽電池ユニット1からの電力及び商用電力のいずれか一方からの電力を蓄電池31に充電させる制御を行ったりする。インバータ34は、蓄電池31に充電された電力(直流)を交流電力に変換して外部機器(例えば、表示装置2など)へ出力する。AC/DC変換回路35は、交流である商用電力を蓄電池31に充電させるために直流に変換する。ファン制御AC/DC変換回路36は、ファン51の回転制御を行う。
【0026】
例えば、太陽電池ユニット1で発電された電力(直流)は、まずPMU33に入力され、保護ユニット32を経て蓄電池31に充電される。一方、商用電力(交流)は、AC/DC変換回路35で直流に変換されてからPMU33に入力され、保護ユニット32を経て蓄電池31に充電される。また、蓄電池31に充電された電力は、保護ユニット32、インバータ34を経て表示装置2に供給される。
【0027】
なお、PMU33は、太陽電池ユニット1からの電力又はAC/DC変換回路35からの電力のいずれかを選択的に入力するための第1スイッチ(又はスイッチ群)、保護ユニット32へ電力を保護ユニット32へ入力させるか否かを切り替える第2スイッチ、保護ユニット32又はAC/DC変換回路35からの電力のいずれかを選択的にインバータ34へ供給するための第3スイッチなども備えており、これらのスイッチは太陽電池ユニット1の発電状況、蓄電池31の充電状況、表示装置2の稼働状況に応じて適宜制御される。なお、この制御動作に関しては、本出願人による他の特許出願に詳述している。これらのスイッチ切り替えにより、例えば、日常的に夜間電力を充電しておき、昼間の電力ピーク時にタイマーで供給し、ピーク時電力の削減、料金の削減に使用することができる。
【0028】
蓄電池ユニット10で、ケース20の前面側の前方扉21が下辺を軸に開閉可能となっているのに対し、ケース20の後方蓋22が着脱可能となっているのは、蓄電池31等の部材をケース20内に挿入する作業を容易化する目的である。蓄電池31は、比較的重量が大きい。仮に図4のように前方扉21が下方で開いた状態だと、作業員が蓄電池31をケース内に挿入する際、開いた状態の前方扉21の前方に足場を置く必要があり、腕を大きく伸ばした状態で蓄電池31を保持するか、あるいは腰を前かがみにしないと蓄電池31をケース20内に収納することができない。そこで、図5、6に示すように後方蓋22は、ケース20に対して着脱可能な構成としている。そうすれば、作業員は、足場をケース20の近くに置くことができるので、手を伸ばしたり腰を大きく屈めたりしなくても蓄電池31をケース20内に収納したり、あるいはケース20から取り外したりすることができる。換言すれば、この蓄電池ユニット10では、ケース20の背面側から蓄電池31等の部材を取り外しできるよう、ケース20内のラックは設計されている。
【0029】
また、蓄電池ユニット10は、設置やメンテナンスを容易化すべく、前面、背面を扉で構成した、ほぼ直方体のシンプルな箱型(ボックス)筐体としており、底部にキャスターを装備している。また、設置スペースを有効利用できるよう、いわゆるローボードスタイルとしており、上面を平坦なフリースペースとしている。
【0030】
図7は、蓄電池ユニット10の側面図である。同図に示すように蓄電池ユニット10のケース20の側面には排気口27が設けられる。この排気口27は、(比較的サイズの大きな)ゴミの侵入等を防ぐべく、多数の小孔が網目状に設けられた態様になっている。なお、図7は、右方から見た側面図であるが、ケース20の左側面にも同様に排気口27が設けられる。
【0031】
図7は、蓄電池ユニット10の側面図である。同図に示すように蓄電池ユニット10のケース20の側面には排気口28が設けられる。この排気口28は、(比較的サイズの大きな)ゴミの侵入等を防ぐべく、多数の小孔が網目状に設けられた態様になっている。なお、図7は、左方から見た側面図であるが、ケース20の右側面にも同様に排気口28が設けられる。なお、同図では、排気口28Lとしているが、これは左(Left)側面に設けられた排気口28という意図で符号を付したものである。
【0032】
図8は、(図7の)側方蓋27Lを外した時の蓄電池ユニット10の側面図である。同図に示すように排気口28Lの内側には3つの排気用ファン51A〜Cが上から順に配備される。なお、同様に、ケース20の右側面にも取り外し可能な側方蓋27R(不図示)があり、また排気口27Rの内側には3つの排気ファン51D〜F(不図示)が配備される。
【0033】
図9は、蓄電池ユニット10のケース20内部の冷却の模式図である。なお、同図は蓄電池ユニット10を背面側から見たと仮定した場合の各部材の配置を簡易的に記したものである。ケース20の左側面に配備されるファン51A〜Cが同図では右側に示されるのはこの理由による。以下、左右に関しては図9内での表示を基準とする。
【0034】
ファン51A〜Cは、ファン51A、B、Cの順に上から配備される。ファン51Aは、インバータ34の右下の位置に配置される。ファン51Bは、蓄電池31Aの右上に配置される。ファン51Cは、蓄電池31Aの右下、蓄電池31Bの右上に配置される。即ち、ファン51Cは、蓄電池31A、31Bの間の空間に風が流れるように配置される。ファン51Bは、蓄電池31Aの上側を風が流れるように配置される。ファン51Aは、インバータ34の下側を風が流れるように配置される。
【0035】
ファン51D〜Fは、ファン51D、E、Fの順に上から配備される。ファン51Dは、ファン制御AC/DC変換回路36の左下、PMU33の左上の位置に配置される。ファン51Eは、PMU33の左下、保護ユニット32の左上に配置される。ファン51Fは、保護ユニット32の左下、蓄電池31Cの左上に配置される。即ち、ファン51Dは、ファン制御AC/DC変換回路36(或いはAC/DC変換回路35)とPMU33の間の空間に風が流れるように配置される。ファン51Eは、PMU33と保護ユニット32の間の空間を風が流れるように配置される。ファン51Fは、保護ユニット32と蓄電池31Cの間の空間を風が流れるように配置される。
【0036】
更に、ケース20の内部には温度を測定するセンサとして機能するサーミスタ61A〜Gが配備される。一例として、サーミスタ61A、B、Cはそれぞれ、インバータ34、蓄電池31A、Bの近傍に配備される。サーミスタ61D〜Gはそれぞれ、ファン制御AC/DC変換回路36、PMU33、保護ユニット32、蓄電池31Cの近傍に配備される。詳細は後述するが、蓄電池ユニット10では、各サーミスタ61で検出された温度に応じて選択的にファン51を駆動させる。
【0037】
図10は、蓄電池ユニット10の回路ブロック図である。本図は特に冷却制御に着目して記述したブロック図である。実際には、蓄電池ユニット10は、電力の供給制御など、その他の諸々の制御も行うのであるが、これらに関してはここでは言及しないこととする。
【0038】
ファン制御AC/DC変換回路36は、ファン51A〜Fを駆動させる。これらのファンを駆動させるためには、当然ながらファン制御AC/DC変換回路36に電力を供給する必要があるが、この電力はインバータ34から交流電力の形で供給される。既に述べたが、このインバータ34は、表示装置2にも電力を供給するものであり、蓄電池31等からの直流電力を交流に変換するものである。同図では、太陽電池ユニット1やAC/DC変換回路35からの電力が保護回路32に直接入力されるかごとく示されているが、実際にはPMU33を経由して保護回路32に入力されるようにしても良い。
【0039】
また、ファン制御AC/DC変換回路36は、各サーミスタ61の温度検出結果に応じてファン51A〜Fのうちのいずれかを選択的に駆動するような制御も行う。例としては以下の制御を行う。
(1)蓄電池31の動作保障温度の上限が40℃であることに鑑み、例えば蓄電池31Aの近傍に配備されるサーミスタ61Bで検出された温度が、例えば35℃程度になった場合は、ファン51B及び51CをONにして、蓄電池31Aの上側及び下側に風を流すことにより冷却を行う。
(2)インバータ34の温度が上昇し、サーミスタ61Aの検出温度が高い場合はファン51Aを駆動させ、インバータ34の下側に風を流すことで冷却を行う。
(3)蓄電池ユニット10を設置する場所(部屋)自体の温度が高く、全てのサーミスタ61の検出温度が高い場合(例えば35℃以上の場合)は、全てのファン51を駆動させる。
(4)サーミスタ61C、61Gにより、蓄電池31B及び31Cの近傍の温度が高いと検出された場合は、ファン51C、51Fを駆動させる。
(5)また、サーミスタ61Cにより、蓄電池31B近傍の温度は高いが、サーミスタ61Gにより、蓄電池31C近傍の温度は高くないと検出された場合(例えば、蓄電池31Bのみが動作していて、蓄電池31Cは動作していない場合とか、ケース20の右側の環境温度が高い場合など)、原則的にはファン51Cのみを駆動させればよい。但し、ファン51C、51Fをペアで駆動させた方が、蓄電池31B上方の風速を向上させることができると考えられるので、蓄電池31Cの温度が高くなくても、蓄電池31C側のファン51Fも駆動させても良い。
【0040】
上記の(1)〜(5)の制御はPMU33内のCPUに記憶された制御プログラム等に基づいて実行される。
【0041】
上記のように、蓄電池ユニット10では、発熱部位に応じて選択的にファンを駆動させるので、ファンによる消費電力を低減しつつ、ケース20内の適切な冷却を行うことができる。
【0042】
また、ファンは単なるオン/オフ制御だけでなく、回転速度を段階的に変更させるような制御としても良い。
【0043】
(第2の実施形態)
第1実施形態の蓄電池ユニット10は、ケース20内部に2つのラック(収納部)があり、各々のラックに各部材が収納される構成であるが、これに代えて、図11に示す蓄電池ユニット80ように一つのラックに各部材を収容する構成、いわゆるタワー型の構成としても良い。タワー型の構成とすることで、蓄電池ユニットの設置床面積を減らすことができ(単純には、蓄電池ユニット10の凡そ半分とできる)、省スペース化を図ることができる。
【0044】
図11に示すように、蓄電池ユニット80内の収納ラックには、下から順に蓄電池21A、31B、31C、保護ユニット32、PMU33、インバータ34が収納される。また各部材の左右にはサーミスタ61、ファン51が配備される。インバータ34を一番上に配備しているのは、第1実施形態の蓄電池ユニット10と同様、インバータ34の発熱量が蓄電池31等と比して大きいからである。
【0045】
蓄電池ユニット80では、蓄電池ユニット10と同様、発熱部位に応じて選択的にファン51が駆動される。例えば、インバータ34近傍の温度が高いと、サーミスタ61が検出したとき、一対のファン51A、Fが駆動される。
【0046】
本構成によれば、いわゆるタワー型構成としているので、設置スペースの節約が図れる他、ケースの左右側面間の距離を、蓄電池ユニット10よりも小さくでき、左右一対のファン間の距離が短くなる。従い、蓄電池ユニット10と同性能のファンを同じ回転速度で駆動させた場合でも風速を高くすることができるので、冷却効率を向上させることもできる。
【0047】
以上、本発明における実施の形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。
【0048】
上記では蓄電池ユニットは、表示装置に電力を供給するものとして記述したが、他のものに供給するものでも良い。更には表示装置2のような特定の装置のみならず。例えば家庭や建物に電力を供給するための制御を行うユニットとして利用されるものも本願発明の範疇に含まれるものとする。
【0049】
また、蓄電池ユニットの利用態様として、昼間は太陽電池で発電した電力を表示装置の駆動と蓄電池への充電に使用し、夜間は蓄電池の電力を使って表示装置を駆動する例を示したが、これ以外の利用態様もある。例えば、電灯線(商用系統)や太陽電池などの外部発電装置からケース内に内蔵される高容量の2次電池(蓄電池)に一旦充電し、災害なので突然停電になった場合に、一定時間(他の装置に)給電できるユニットとしての利用することもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と、
該蓄電池を収納する筐体と、
筐体の背面に設けられた吸気口、
筐体の両側面に設けられた排気口、
該筐体内の排気口近傍に設けられた複数のファン、
該筐体内に設けられ、温度を測定する複数の温度測定部材、
ファンの制御を行う制御部、を備え、
制御部は、前記複数の温度測定部材の温度測定結果に基づいて、前記複数のファンのうちのいずれのファンを駆動するかを決定することを特徴とする、蓄電池ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の蓄電池ユニットを備える表示システムであって、更に
太陽電池と、
表示装置と、を備え、
該蓄電池ユニットは、太陽電池の発電量と表示装置の消費電力に応じて、太陽電池の発電電力を蓄電池と表示装置に供給すべき割合を制御する第2制御部を更に備えることを特徴とする、表示システム。
【請求項1】
蓄電池と、
該蓄電池を収納する筐体と、
筐体の背面に設けられた吸気口、
筐体の両側面に設けられた排気口、
該筐体内の排気口近傍に設けられた複数のファン、
該筐体内に設けられ、温度を測定する複数の温度測定部材、
ファンの制御を行う制御部、を備え、
制御部は、前記複数の温度測定部材の温度測定結果に基づいて、前記複数のファンのうちのいずれのファンを駆動するかを決定することを特徴とする、蓄電池ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の蓄電池ユニットを備える表示システムであって、更に
太陽電池と、
表示装置と、を備え、
該蓄電池ユニットは、太陽電池の発電量と表示装置の消費電力に応じて、太陽電池の発電電力を蓄電池と表示装置に供給すべき割合を制御する第2制御部を更に備えることを特徴とする、表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−89317(P2013−89317A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225991(P2011−225991)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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