説明

蓄電装置の劣化評価システム、車両、蓄電装置の劣化評価方法およびその劣化評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体

【課題】車両に搭載された蓄電装置の劣化を確実に評価可能な劣化評価システムを提供する。
【解決手段】劣化評価システム100は、蓄電装置を搭載した車両10と、充電ステーション30と、車両10を充電ステーション30に接続するための接続ケーブル20と、サーバ40とを備える。車両10は、充電ステーション30から蓄電装置を充電することができる。充電ステーション30は、劣化評価装置32を含む。劣化評価装置32は、充電ステーション30から蓄電装置の充電時、蓄電装置の電圧や充電電流、温度などのデータを収集し、その収集データおよびサーバ40から取得される評価用データを用いて蓄電装置の劣化状態を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004−14403号公報(特許文献1)は、二次電池の劣化判定装置を開示する。この劣化判定装置は、二次電池を流れる電流に基づいて二次電池に対する負荷の履歴を推定する負荷履歴推定手段と、二次電池を流れる電流が充電状態または放電状態から略0となったときであって、かつ、負荷履歴推定手段により推定された負荷履歴が所定の履歴とみなせる範囲内にあるとき、二次電池の端子間電圧に基づいて二次電池の劣化を判定する劣化判定手段とを備える。
【0003】
この劣化判定装置によれば、二次電池の負荷履歴が所定の履歴とみなせる範囲内にあるときに限って二次電池の劣化判定を行なうので、正確な劣化判定を行なうことができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−14403号公報
【特許文献2】特開平5−227669号公報
【特許文献3】特開平9−233720号公報
【特許文献4】特開平10−134847号公報
【特許文献5】特開2006−36003号公報
【特許文献6】特開平6−163084号公報
【特許文献7】特開2004−79316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特開2004−14403号公報に開示された劣化判定装置では、二次電池の負荷履歴が所定の履歴とみなせる範囲内にあるとき二次電池の劣化判定が行なわれるが、電気自動車やハイブリッド車両などの電動車両に搭載された二次電池の劣化判定を行なう場合、走行中に二次電池の負荷履歴が特定の履歴になる機会は少ないものと想定される。
【0006】
特に、モータおよびエンジンを動力源とするハイブリッド車両の場合、駆動用モータによる車両駆動力の発生時および発電用モータを用いたエンジン始動時には、二次電池は放電し、エンジン動力を用いた発電用モータによる回生発電時および駆動用モータによる回生制動時には、二次電池は充電される。このように、ハイブリッド車両においては、車両の走行状態に応じて二次電池の充放電が頻繁に行なわれるため、上記公報に開示された劣化判定装置では、二次電池の劣化状態を十分に評価できない可能性がある。
【0007】
また、そのような二次電池の劣化状態の推移を利用者に対して適切に表示することは、利用者が二次電池の劣化状態を把握し、かつ、その劣化状態を考慮しつつ車両を利用できるようになり、利用者が車両を利用する際の有益な情報となり得る。
【0008】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を確実に評価可能な劣化評価システムおよび車両を提供することである。
【0009】
また、この発明の別の目的は、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を利用者に適切に表示可能な劣化評価システムおよび車両を提供することである。
【0010】
また、この発明の別の目的は、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を確実に評価可能な劣化評価方法、およびその劣化評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。
【0011】
また、この発明の別の目的は、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を利用者に適切に表示可能な劣化評価方法、およびその劣化評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明によれば、劣化評価システムは、車両に搭載された蓄電装置の劣化評価システムであって、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力を授受可能なように構成された車両と、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力が授受されているときに収集されるデータを用いて蓄電装置の劣化状態を評価する劣化評価装置とを備える。
【0013】
好ましくは、劣化評価装置は、車両外部の電源から蓄電装置の充電が行なわれているときに収集されるデータを用いて蓄電装置の劣化状態を評価する。
【0014】
好ましくは、車両は、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力変換可能なように構成された電力変換装置と、電力変換装置を車両外部の電源または電気負荷と電気的に接続可能なように構成された接続装置と、電力変換装置を制御する制御装置とを含む。制御装置は、少なくともデータが収集されているとき、電力変換装置を一定の条件で制御する。
【0015】
さらに好ましくは、制御装置は、データが収集されているとき、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で授受される電力が規定値よりも大きくなるように電力変換装置を制御する。
【0016】
好ましくは、劣化評価装置は、車両またはその周囲の環境が規定条件を満たしているとき、蓄電装置の劣化状態を評価する。
【0017】
好ましくは、劣化評価装置は、充電モード選択部と、表示部とをさらに備える。充電モード選択部は、車両外部の電源から蓄電装置の充電を第1の充電レートで行なう通常充電モード、および第1の充電レートよりも高い第2の充電レートで車両外部の電源から蓄電装置の充電を行なう急速充電モードのいずれかを選択可能である。表示部は、通常充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態と急速充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態とを表示可能である。
【0018】
さらに好ましくは、表示部は、車両外部の電源から蓄電装置の充電中、蓄電装置の充電状態を表示するとともに、充電状態の推移に連動して蓄電装置の劣化状態の推移を表示する。
【0019】
また、この発明によれば、車両は、車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な車両であって、蓄電装置と、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力変換可能なように構成された電力変換装置と、電力変換装置を車両外部の電源または電気負荷と電気的に接続可能なように構成された接続装置と、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で接続装置を介して電力が授受されているときに収集されるデータを用いて蓄電装置の劣化状態を評価する劣化評価装置とを備える。
【0020】
好ましくは、劣化評価装置は、車両外部の電源から蓄電装置の充電が行なわれているときに収集されるデータを用いて蓄電装置の劣化状態を評価する。
【0021】
好ましくは、車両は、電力変換装置を制御する制御装置をさらに備える。制御装置は、少なくともデータが収集されているとき、電力変換装置を一定の条件で制御する。
【0022】
さらに好ましくは、制御装置は、データが収集されているとき、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で授受される電力が規定値よりも大きくなるように電力変換装置を制御する。
【0023】
好ましくは、劣化評価装置は、当該車両またはその周囲の環境が規定条件を満たしているとき、蓄電装置の劣化状態を評価する。
【0024】
好ましくは、車両は、充電モード選択部と、表示装置とをさらに備える。充電モード選択部は、車両外部の電源から蓄電装置の充電を第1の充電レートで行なう通常充電モード、および第1の充電レートよりも高い第2の充電レートで車両外部の電源から蓄電装置の充電を行なう急速充電モードのいずれかを選択可能である。表示装置は、通常充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態と急速充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態とを表示可能である。
【0025】
さらに好ましくは、表示装置は、車両外部の電源から蓄電装置の充電中、蓄電装置の充電状態を表示するとともに、充電状態の推移に連動して蓄電装置の劣化状態の推移を表示する。
【0026】
また、この発明によれば、劣化評価方法は、車両に搭載された蓄電装置の劣化評価方法である。車両は、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力を授受可能なように構成される。そして、劣化評価方法は、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力が授受されているとき、蓄電装置の劣化状態を評価するためのデータを収集する第1のステップと、その収集されたデータを用いて蓄電装置の劣化状態を評価する第2のステップとを備える。
【0027】
好ましくは、第1のステップにおいて、データは、車両外部の電源から蓄電装置の充電が行なわれているときに収集される。
【0028】
好ましくは、車両は、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力変換可能なように構成された電力変換装置と、電力変換装置を車両外部の電源または電気負荷と電気的に接続可能なように構成された接続装置とを含む。劣化評価方法は、少なくともデータが収集されているとき、電力変換装置を一定の条件で制御する第3のステップをさらに備える。
【0029】
さらに好ましくは、第3のステップにおいて、電力変換装置は、データが収集されているとき、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で授受される電力が規定値よりも大きくなるように制御される。
【0030】
好ましくは、劣化評価方法は、車両またはその周囲の環境が規定条件を満たしているか否かを判定する第4のステップをさらに含む。第2のステップにおいて、環境が規定条件を満たしていると判定されたとき、蓄電装置の劣化状態が評価される。
【0031】
好ましくは、劣化評価方法は、第5および第6のステップをさらに備える。第5のステップでは、車両外部の電源から蓄電装置の充電を第1の充電レートで行なう通常充電モード、および第1の充電レートよりも高い第2の充電レートで車両外部の電源から蓄電装置の充電を行なう急速充電モードのいずれかが選択される。第6のステップでは、通常充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態、および急速充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態の少なくとも一方が表示される。
【0032】
さらに好ましくは、車両外部の電源から蓄電装置の充電中、第6のステップにおいて、蓄電装置の充電状態が表示されるとともに、充電状態の推移に連動して蓄電装置の劣化状態の推移が表示される。
【0033】
また、この発明によれば、コンピュータ読取可能な記録媒体は、上述したいずれかの劣化評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0034】
この発明においては、車両は、車両に搭載された蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力を授受可能なように構成される。そして、劣化評価装置は、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力が授受されているときに収集されるデータを用いて蓄電装置の劣化状態を評価するので、安定した条件で収集されるデータを用いて蓄電装置の劣化状態が評価される。
【0035】
したがって、この発明によれば、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を確実に評価することができる。また、蓄電装置の劣化状態を正確に評価することができる。
【0036】
また、この発明においては、通常充電モードおよび急速充電モードのいずれかを選択することができ、通常充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態と急速充電モードで充電が行なわれる場合の蓄電装置の劣化状態とを表示することができる。
【0037】
したがって、この発明によれば、車両に搭載された蓄電装置の劣化状態を利用者に適切に表示することができる。その結果、利用者は、二次電池の劣化状態を考慮したうえで、車両外部の電源から蓄電装置を充電する際の充電モードを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1による劣化評価システムの全体図である。
【図2】図1に示す劣化評価装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示す表示部に表示される劣化評価の一例を示した図である。
【図4】図1に示す劣化評価装置の制御構造を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す車両の概略構成図である。
【図6】図5に示す動力出力装置の機能ブロック図である。
【図7】図6に示すインバータおよびモータジェネレータのゼロ相等価回路図である。
【図8】実施の形態1の変形例1における表示部に表示される劣化評価を示した図である。
【図9】実施の形態1の変形例2における蓄電装置の充電レートを示した図である。
【図10】実施の形態1の変形例2における表示部に表示される劣化評価を示した図である。
【図11】実施の形態1の変形例2における劣化評価装置の制御構造を説明するためのフローチャートである。
【図12】実施の形態1の変形例3における劣化評価装置の制御構造を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施の形態1の変形例4における劣化評価装置の機能ブロック図である。
【図14】車両の走行可能時間および走行可能距離を示した図である。
【図15】実施の形態2における車両の概略構成図である。
【図16】実施の形態3における車両の概略構成図である。
【図17】図16に示す車両ECUの機能ブロック図である。
【図18】実施の形態4における劣化評価装置の機能ブロック図である。
【図19】実施の形態4における劣化評価装置の制御構造を説明するためのフローチャートである。
【図20】急速充電モードで充電が行なわれる場合の表示状態の一例を示した図である。
【図21】充電中の表示状態の一例を示した図である。
【図22】実施の形態5における車両の概略構成図である。
【図23】図22に示す車両ECUの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0040】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による劣化評価システムの全体図である。図1を参照して、劣化評価システム100は、車両10と、充電ステーション30と、サーバ40とを備える。
【0041】
車両10は、動力源として蓄電装置およびモータを搭載した電動車両であり、たとえば、電気自動車やハイブリッド車両などから成る。なお、この実施の形態1では、特に蓄電装置の充放電が頻繁に行なわれるハイブリッド車両の場合について説明する。車両10は、接続ケーブル20によって充電ステーション30に接続可能であり、後述のように、充電ステーション30から電力の供給を受けて蓄電装置を充電することができる。
【0042】
接続ケーブル20は、充電ステーション30から車両10へ充電電力を供給するための電力線である。また、接続ケーブル20は、充電ステーション30と車両10との間のデータ通信媒体としても用いられる。充電ステーション30は、接続ケーブル20によって接続された車両10の蓄電装置を充電するための設備であり、商用電力系統(図示せず)からの電力を接続ケーブル20を介して車両10へ供給する。
【0043】
充電ステーション30は、劣化評価装置32と、電流センサ34と、電圧センサ36とを含む。電流センサ34は、充電ステーション30から車両10へ供給される電流Isを検出する。電圧センサ36は、充電ステーション30から車両10へ出力される電圧Vsを検出する。劣化評価装置32は、充電ステーション30から車両10の充電が行なわれているとき、電流センサ34、電圧センサ36および車両10において収集される各種データを用いて、車両10の蓄電装置の劣化状態を評価する。
【0044】
サーバ40は、充電ステーション30に接続可能な車両の蓄電装置の劣化状態を評価するための評価用データを車種別に有しており、劣化評価装置32からの要求に応じて、充電ステーション30に接続されている車両10に対応する評価用データを劣化評価装置32へ出力する。なお、サーバ40を設けることなく、上記評価用データを充電ステーション30が有してもよい。
【0045】
図2は、図1に示した劣化評価装置32の機能ブロック図である。図2を参照して、劣化評価装置32は、データ取得部52と、劣化評価部54と、記憶部56と、表示部58とを含む。
【0046】
データ取得部52は、電流センサ34および電圧センサ36からそれぞれ電流Isおよび電圧Vsを取得し、接続ケーブル20の接続状態および取得した電流Isおよび電圧Vsに基づいて、充電ステーション30から車両10の充電が行なわれているか否かを判定する。そして、データ取得部52は、車両10の充電時、予め設定された期間(たとえば、充電が開始されてから規定時間経過後の規定期間)、接続ケーブル20を介して車両10へ出力されるフラグFLGを活性化する。ここで、フラグFLGは、車両10に搭載された蓄電装置の劣化状態を評価するために収集される各種データを劣化評価装置32へ送信するように指示するための信号である。なお、収集データには、たとえば、車両10に搭載された蓄電装置の電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tbなどが含まれる。そして、データ取得部52は、フラグFLGの活性化に対する応答信号ACKを車両10から受けると、車両10から接続ケーブル20を介して送信されてくるデータを取得する。
【0047】
劣化評価部54は、データ取得部52によって取得されたデータを用いて、車両10の蓄電装置の劣化状態を評価可能な劣化データを演算する。具体的には、劣化評価部54は、データ取得部52によって取得された収集データを用いて充電効率を演算する。ここで、充電効率とは、充電ステーション30から車両10への供給電力量に対して車両10の蓄電装置に実際に蓄電された電力量の比であり、蓄電装置が劣化するほど充電効率は低下する。
【0048】
また、劣化評価部54は、車両10の識別コードIDに基づいて、車両10の蓄電装置の劣化状態を評価するための評価用データをサーバ40から取得する。具体的には、評価用データは、蓄電装置の劣化が相当程度進んでいることを示す第1の充電効率レベル値、および蓄電装置のオーバーホールが必要であることを示す第2の充電効率レベル値を含む。そして、劣化評価部54は、演算した劣化データおよびサーバ40から取得した評価用データを車両10の識別コードIDおよびデータ収集日時と対応付けて記憶部56へ出力する。
【0049】
記憶部56は、不揮発性メモリから成り、充電ステーション30から車両10の充電が行なわれるごとに、劣化評価部54から受ける劣化データおよび評価用データを識別コードIDおよびデータ収集日時と対応付けて記憶する。
【0050】
表示部58は、車両10の識別コードIDに基づいて、車両10に対応するデータ(今回充電時のデータだけでなく、過去の充電時のデータも含む。)を記憶部56から読出し、その読出したデータを利用者に対して表示する。また、表示部58は、今回および過去の充電時のデータに基づいて、将来の劣化状態も予測し、その予測結果も表示する。たとえば、今回および過去の充電時のデータを用いて算出される回帰曲線を外挿することにより、将来の劣化状態を予測することができる。
【0051】
図3は、図2に示した表示部58に表示される劣化評価の一例を示した図である。図3を参照して、縦軸は、充電ステーション30から車両10の充電時の充電効率を示し、横軸は、時間(日単位)を示す。実線部は、現在までの充電効率の推移を示し、点線部は、これまでの充電効率の推移に基づいて予測される将来の充電効率の推移を示す。なお、時刻t0が現在に対応する。
【0052】
第1レベルLVL1および第2レベルLVL2は、サーバ40から取得される評価用データに対応し、第1レベルLVL1は、蓄電装置の劣化が相当程度進んでいることを示すレベルであり、第2レベルLVL2は、蓄電装置のオーバーホールが必要なレベルを示す。これにより、利用者は、蓄電装置の劣化状態を認識することができる。
【0053】
図4は、図1に示した劣化評価装置32の制御構造を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
【0054】
図4および図1を参照して、劣化評価装置32は、接続ケーブル20の接続状態ならびに電流センサ34および電圧センサ36の検出値に基づいて、充電ステーション30から車両10の充電が行なわれているか否かを判定する(ステップS10)。劣化評価装置32は、充電中でないと判定すると(ステップS10においてNO)、ステップS80へ処理を進める。
【0055】
一方、ステップS10において充電中であると判定されると(ステップS10においてYES)、劣化評価装置32は、蓄電装置の劣化状態を評価するためのデータ収集を実施するか否かを判定する(ステップS20)。なお、上述のように、データ収集は、予め設定された期間(たとえば、充電が開始されてから規定時間経過後の規定期間)に実施される。
【0056】
そして、劣化評価装置32は、データ収集を実施するものと判定すると(ステップS20においてYES)、フラグFLGを活性化し、その応答信号ACKが活性化されると、車両10に搭載される蓄電装置の電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tbを車両10から接続ケーブル20を介して取得し、電流センサ34および電圧センサ36からそれぞれ電流Isおよび電圧Vsを取得する(ステップS30)。また、劣化評価装置32は、充電ステーション30に接続される車両10の識別コードIDも車両10から取得する。一方、ステップS20においてデータ収集を実施しないと判定されると(ステップS20においてNO)、劣化評価装置32は、ステップS40へ処理を進める。
【0057】
次いで、劣化評価装置32は、データ収集が完了したか否かを判定する(ステップS40)。劣化評価装置32は、データ収集が完了していないと判定すると(ステップS40においてNO)、ステップS80へ処理を進める。
【0058】
一方、ステップS40においてデータ収集が完了したと判定されると(ステップS40においてYES)、劣化評価装置32は、車両10に対応する評価用データをサーバ40から取得する(ステップS50)。そして、評価用データが取得されると、劣化評価装置32は、ステップS30において収集されたデータを用いて、車両10の蓄電装置の劣化状態を評価する(ステップS60)。具体的には、劣化評価装置32は、ステップS30において収集されたデータを用いて、蓄電装置の劣化状態を評価可能な劣化データ(この実施の形態1では充電効率)を算出する。
【0059】
そして、劣化評価装置32は、今回の充電において算出した劣化データとともに、過去の充電時に算出した劣化データ、将来の劣化予測データ、およびサーバ40から取得した評価用データを併せて表示することにより、蓄電装置の劣化状態の推移を利用者に対して表示する(ステップS70)。
【0060】
図5は、図1に示した車両10の概略構成図である。図5を参照して、車両10は、動力出力装置110と、モデム130と、車両ECU(Electronic Control Unit)140と、電力線ACL1,ACL2と、コネクタ150とを含む。なお、電力線ACL1,ACL2は、図1に示した接続ケーブル20に対応する。
【0061】
動力出力装置110は、車両10の駆動力を出力する。また、動力出力装置110は、車両ECU140からの信号ACが活性化されているとき、コネクタ150に接続される充電ステーション30(図示せず)から電力線ACL1,ACL2に与えられる商用電力(充電電力)を直流電力に変換して蓄電装置(図示せず)の充電を行なう。なお、蓄電装置の充電時、動力出力装置110は、車両ECU140からの電流指令IRに基づいて一定の充電レートで蓄電装置の充電を行なう。動力出力装置110の構成については、後ほど説明する。モデム130は、電力線ACL1,ACL2に接続され、コネクタ150に接続される充電ステーション30と電力線ACL1,ACL2を介してデータ通信を行なうための通信装置である。
【0062】
車両ECU140は、コネクタ150が充電ステーション30に接続されておらず、かつ、車両が走行可能なとき、動力出力装置110へ出力される信号ACを非活性化するとともに、動力出力装置110に含まれるモータジェネレータのトルク指令値TR1,TR2を生成し、その生成したトルク指令値TR1,TR2を動力出力装置110へ出力する。
【0063】
また、車両ECU140は、充電ステーション30から動力出力装置110内の蓄電装置の充電時、信号ACを活性化するとともに、充電ステーション30からの充電電流の目標値である電流指令IRを生成して動力出力装置110へ出力する。
【0064】
さらに、車両ECU140は、蓄電装置の充電中、モデム130によって受信される充電ステーション30からのフラグFLGが活性化されると、モデム130を介して応答信号ACKを充電ステーション30へ出力する。そして、車両ECU140は、動力出力装置110内の蓄電装置の電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tbを収集してモデム130を介して充電ステーション30へ送信する。また、車両ECU140は、当該車両10の識別コードIDも充電ステーション30へ送信する。
【0065】
図6は、図5に示した動力出力装置110の機能ブロック図である。図6を参照して、動力出力装置110は、エンジン204と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構203と、車輪202とを含む。また、動力出力装置110は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ210と、インバータ220,230と、MG−ECU240と、コンデンサC1,C2と、正極線PL1,PL2と、負極線NL1,NL2とをさらに含む。さらに、動力出力装置110は、電圧センサ252,258と、電流センサ254,260と、温度センサ256とをさらに含む。
【0066】
動力分割機構203は、エンジン204とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割機構203としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を用いることができる。
【0067】
モータジェネレータMG1は、エンジン204によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン204の始動を行ない得る電動機として動作するものとして動力出力装置110に組込まれ、モータジェネレータMG2は、駆動輪である車輪202を駆動する電動機として動力出力装置110に組込まれる。
【0068】
モータジェネレータMG1,MG2の各々は、図示されないY結線された3相コイルをステータコイルとして含む。そして、モータジェネレータMG1の3相コイルの中性点N1に電力線ACL1が接続され、モータジェネレータMG2の3相コイルの中性点N2に電力線ACL2が接続される。
【0069】
蓄電装置Bは、充電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池から成る。蓄電装置Bは、直流電力を昇圧コンバータ210へ出力する。また、蓄電装置Bは、昇圧コンバータ210から出力される電力を受けて充電される。
【0070】
コンデンサC1は、正極線PL1と負極線NL1との間の電圧変動を平滑化する。昇圧コンバータ210は、MG−ECU240からの信号PWCに基づいて、蓄電装置Bから受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を正極線PL2へ出力する。また、昇圧コンバータ210は、信号PWCに基づいて、正極線PL2を介してインバータ220,230から受ける直流電圧を蓄電装置Bの電圧レベルに降圧して蓄電装置Bを充電する。昇圧コンバータ210は、たとえば、昇降圧型のチョッパ回路などによって構成される。
【0071】
コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NL2との間の電圧変動を平滑化する。インバータ220は、MG−ECU240からの信号PWM1に基づいて、正極線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。また、インバータ220は、エンジン204の出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極線PL2へ出力する。
【0072】
インバータ230は、MG−ECU240からの信号PWM2に基づいて、正極線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。これにより、モータジェネレータMG2は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ230は、車両の回生制動時、車輪202からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極線PL2へ出力する。
【0073】
また、インバータ220,230は、充電ステーション30(図示せず)から供給される商用電力を用いて蓄電装置Bを充電するとき、充電ステーション30から電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる商用電力を信号PWM1,PWM2に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力を正極線PL2へ出力する。
【0074】
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン204の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ220へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ220から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン204の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ230から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ230へ出力する。
【0075】
電圧センサ252は、蓄電装置Bの電圧Vbを検出し、その検出値を車両ECU140(図示せず)へ出力する。電流センサ254は、蓄電装置Bの充電電流Ibを検出し、その検出値を車両ECU140へ出力する。温度センサ256は、蓄電装置Bの温度Tbを検出し、その検出値を車両ECU140へ出力する。電圧センサ258は、電力線ACL1,ACL2間の電圧Vacを検出し、その検出値をMG−ECU240へ出力する。電流センサ260は、電力線ACL2に流れる電流Iacを検出し、その検出値をMG−ECU240へ出力する。
【0076】
MG−ECU240は、車両ECU140からの信号ACが非活性化されているとき、車両ECU140からのトルク指令値TR1,TR2に基づいて、昇圧コンバータ210を駆動するための信号PWCおよびインバータ220,230をそれぞれ駆動するための信号PWM1,PWM2を生成し、その生成した信号PWC,PWM1,PWM2をそれぞれ昇圧コンバータ210およびインバータ220,230へ出力する。
【0077】
また、MG−ECU240は、車両ECU140からの信号ACが活性化されているとき、充電ステーション30から電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる商用電力を直流電力に変換して蓄電装置Bの充電が行なわれるように、インバータ220,230および昇圧コンバータ210をそれぞれ制御するための信号PWM1,PWM2,PWCを生成する。
【0078】
なお、MG−ECU240は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時、電圧センサ258からの電圧Vacおよび電流センサ260からの電流Iacに基づいて、充電ステーション30から供給される電流が車両ECU140からの電流指令IRと一致するようにインバータ220,230を制御する。
【0079】
図7は、図6に示したインバータ220,230およびモータジェネレータMG1,MG2のゼロ相等価回路を示す。3相インバータであるインバータ220,230の各々においては、6個のトランジスタのオン/オフの組合わせは8パターン存在する。その8つのスイッチングパターンのうち2つは相間電圧がゼロとなり、そのような電圧状態はゼロ電圧ベクトルと称される。ゼロ電圧ベクトルについては、上アームの3つのトランジスタは互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3つのトランジスタも互いに同じスイッチング状態とみなすことができる。したがって、この図7では、インバータ220の上アームの3つのトランジスタは上アーム220Aとしてまとめて示され、インバータ220の下アームの3つのトランジスタは下アーム220Bとしてまとめて示されている。同様に、インバータ230の上アームの3つのトランジスタは上アーム230Aとしてまとめて示され、インバータ230の下アームの3つのトランジスタは下アーム230Bとしてまとめて示されている。
【0080】
図7に示されるように、このゼロ相等価回路は、電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる単相交流の商用電力を入力とする単相PWMコンバータとみることができる。そこで、インバータ220,230の各々においてゼロ電圧ベクトルを変化させ、インバータ220,230を単相PWMコンバータの各相アームとしてそれぞれ動作するようにスイッチング制御することによって、電力線ACL1,ACL2から入力される交流の商用電力を直流電力に変換して正極線PL2へ出力することができる。
【0081】
再び図5を参照して、この車両10においては、コネクタ150に接続される充電ステーション30から動力出力装置110内の蓄電装置Bを充電することができる。充電ステーション30からの充電電流は、電流指令IRに基づいて任意に制御することができるが、車両ECU140は、充電ステーション30からモデム130を介して受けるフラグFLGが活性化されている間は、少なくとも一定の充電レートで充電が行なわれるように電流指令IRを生成する。
【0082】
そして、フラグFLGが活性化されているとき、車両ECU140は、蓄電装置Bの電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tbを収集し、その収集したデータをモデム130を介して充電ステーション30へ送信する。
【0083】
すなわち、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時は、車両10の走行時に比べて蓄電装置Bの環境(温度など)が安定しており、かつ、蓄電装置Bの充電条件(充電レートなど)も任意に設定できるので、この実施の形態1では、蓄電装置Bの状態が安定している充電時に蓄電装置Bのデータを収集し、その収集データに基づいて蓄電装置Bの劣化を評価することとしたものである。
【0084】
以上のように、この実施の形態1においては、劣化評価装置32は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時に収集されるデータを用いて蓄電装置Bの劣化を評価するので、安定した条件で収集されるデータを用いて蓄電装置Bの劣化が評価される。したがって、この実施の形態1によれば、車両10に搭載された蓄電装置Bの劣化を確実に評価することができる。また、蓄電装置Bの劣化を正確に評価することができる。
【0085】
また、この実施の形態1においては、充電ステーション30において蓄電装置Bの劣化を評価するようにしたので、充電ステーション30に接続可能な多種の車両の評価データを一括して管理することができる。また、車両側のコスト増も抑えることができる。
【0086】
[実施の形態1の変形例1]
実施の形態1では、蓄電装置Bの劣化状態を評価可能な劣化データとして充電効率を用いたが、充電効率に代えて別のデータを用いることもできる。たとえば、二次電池は、満充電状態になると温度が上昇し、さらに、劣化が進行するほど、満充電時の温度上昇が大きくなるという性質を一般に有する。そこで、蓄電装置Bが満充電状態となったときの温度Tbを収集し、その収集された温度Tbを用いて蓄電装置Bの劣化状態を評価することができる。
【0087】
図8は、実施の形態1の変形例1における表示部に表示される劣化評価を示した図である。図8を参照して、縦軸は、蓄電装置Bの満充電時における温度Tbを示し、横軸は、時間(日単位)を示す。実線部は、現在までの満充電時の温度Tbの推移を示し、点線部は、これまでの満充電時の温度Tbの推移に基づいて予測される将来の満充電時の温度Tbの推移を示す。なお、時刻t0が現在に対応する。
【0088】
第1レベルLVL1および第2レベルLVL2は、サーバ40から取得される評価用データに対応し、第1レベルLVL1は、蓄電装置Bの劣化が相当程度進んでいることを示す温度であり、第2レベルLVL2は、蓄電装置Bのオーバーホールが必要な温度を示す。これにより、利用者は、蓄電装置Bの劣化状態を認識することができる。
【0089】
[実施の形態1の変形例2]
充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時は、車両10の走行中とは異なり、所望の充電条件(充電レート)を設定することができる。ここで、蓄電装置Bの電圧Vbは、蓄電装置Bの充電とともに上昇するが、蓄電装置Bの劣化が進行すると、内部抵抗の増加により抵抗ロスが増大するため、電圧Vbの上昇率は低下する。また、抵抗ロスは、充電電流の2乗に比例するので、電圧Vbの上昇率の低下は、充電レートが大きいほど顕著に現われる。そこで、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時における電圧Vbの上昇率に基づいて蓄電装置Bの劣化状態を評価することができる。
【0090】
図9は、実施の形態1の変形例2における蓄電装置Bの充電レートを示した図である。図9を参照して、車両10は、通常、たとえば1Ah(1時間あたり1アンペア)の充電レートで充電を行なう。蓄電装置Bの電圧VbがVb1に到達すると、充電ステーション30は、フラグFLGを活性化する。そうすると、車両10は、充電レートを規定値よりも高い一定値(たとえば2Ah)に上昇させる。そして、電圧VbがVb2(>Vb1)に到達すると、充電ステーション30は、フラグFLGを非活性化し、充電レートを1Ahに復帰する。
【0091】
充電ステーション30は、フラグFLGが活性化されている時間(フラグFLGの応答信号ACKが活性化されている期間)すなわち電圧VbがVb1からVb2まで上昇するのに要した時間Δtを計時し、その所要時間Δtに基づいて蓄電装置Bの劣化状態を評価する。
【0092】
図10は、実施の形態1の変形例2における表示部に表示される劣化評価を示した図である。図10を参照して、縦軸は、蓄電装置Bの電圧がVb1からVb2まで上昇するのに要した時間Δtを示し、横軸は、時間(日単位)を示す。実線部は、過去および今回の充電時における所要時間Δtの推移を示し、点線部は、これまでの所要時間Δtの推移に基づいて予測される将来の所要時間Δtの推移を示す。なお、時刻t0が現在に対応する。
【0093】
第1レベルLVL1および第2レベルLVL2は、サーバ40から取得される評価用データに対応し、第1レベルLVL1は、蓄電装置Bの劣化が相当程度進んでいることを示すレベルであり、第2レベルLVL2は、蓄電装置Bのオーバーホールが必要なレベルを示す。これにより、利用者は、蓄電装置Bの劣化状態を認識することができる。
【0094】
図11は、実施の形態1の変形例2における劣化評価装置の制御構造を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートの処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
【0095】
図11を参照して、このフローチャートは、図4に示したフローチャートにおいて、ステップS20,S30,S40に代えてステップS22,S32,S34,S42,S44を含む。すなわち、ステップS10において蓄電装置Bの充電中であると判定されると(ステップS10においてYES)、劣化評価装置32は、蓄電装置Bの電圧VbがVb1よりも高くVb2よりも低いか否かを判定する(ステップS22)。劣化評価装置32は、電圧VbがVb1以下またはVb2以上であると判定すると(ステップS22においてNO)、後述のステップS42へ処理を進める。
【0096】
一方、ステップS22において電圧VbがVb1よりも高くVb2よりも低いと判定されると(ステップS22においてYES)、劣化評価装置32は、車両10へ出力されるフラグFLGを活性化する。そうすると、車両10は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電レートを規定値よりも高い一定値に上昇させる(ステップS32)。そして、劣化評価装置32は、フラグFLGを活性化している時間(すなわち充電レートが上昇している時間)をカウントする(ステップS34)。
【0097】
次いで、劣化評価装置32は、電圧VbがVb2以上になったか否かを判定する(ステップS42)。劣化評価装置32は、電圧VbがVb2よりも低いと判定すると(ステップS42においてNO)、ステップS80へ処理を進める。一方、ステップS42において電圧VbがVb2以上になったと判定されると(ステップS42においてYES)、劣化評価装置32は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電レートを通常レートに復帰する(ステップS44)。そして、劣化評価装置32は、ステップS50へ処理を進める。
【0098】
以上のように、実施の形態1の変形例2においては、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時に一定の充電条件(充電レート)が設定され、そのときに収集されるデータに基づいて蓄電装置Bの劣化状態が評価される。したがって、この変形例2によれば、蓄電装置Bの劣化をより正確に評価することができる。また、データ収集時、充電レートを上昇させるので、蓄電装置Bの劣化状態を確実に捉えることができる。
【0099】
[実施の形態1の変形例3]
蓄電装置Bの劣化をより正確に評価するには、データ収集時の充電条件を揃えるとともに、データ収集時の環境(温度など)も揃えることが望ましい。ここで、充電ステーション30からの充電時は、車両10は停止しており、また、車庫での充電も可能であるので、車両10の走行時に比べて車両10の周囲環境が安定していることが想定される。そこで、この実施の形態1の変形例3では、充電時の環境が規定条件のときデータ収集が行なわれ、その収集データに基づいて蓄電装置Bの劣化状態が評価される。
【0100】
図12は、実施の形態1の変形例3における劣化評価装置の制御構造を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートの処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
【0101】
図12を参照して、このフローチャートは、図4に示したフローチャートにおいてステップS20に代えてステップS24を含む。すなわち、ステップS10において蓄電装置Bの充電中であると判定されると、劣化評価装置32は、蓄電装置Bの温度Tbがしきい値Tth1よりも高く、かつ、しきい値Tth2(<Tth1)よりも低いか否かを判定する(ステップS24)。
【0102】
劣化評価装置32は、温度Tbがしきい値Tth1以下またはしきい値Tth2以上であると判定すると(ステップS24においてNO)、ステップS40へ処理を進める。一方、ステップS24において温度Tbがしきい値Tth1よりも高く、かつ、しきい値Tth2よりも低いと判定されると(ステップS24においてYES)、劣化評価装置32は、ステップS30へ処理を進め、車両10に搭載される蓄電装置の電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tbを車両10から接続ケーブル20を介して取得する。
【0103】
なお、上記においては、蓄電装置Bの温度Tbが規定範囲内にあるとき、蓄電装置Bの劣化状態を評価するためのデータを収集するようにしたが、車両またはその周囲の環境(たとえば車両周囲の気温)が規定条件を満たしているときにデータを収集するようにしてもよい。
【0104】
以上のように、この実施の形態1の変形例3においては、充電時の環境が規定条件のとき、蓄電装置Bの劣化状態を評価するためのデータが収集される。したがって、この変形例3によれば、より正確に蓄電装置Bの劣化状態を評価することができる。
【0105】
[実施の形態1の変形例4]
上記においては、蓄電装置Bの劣化状態の評価結果は、充電ステーション30において表示されたが、この実施の形態1の変形例4では、評価の結果は、充電ステーション30から車両10へ送信され、車両10において表示される。
【0106】
図13は、実施の形態1の変形例4における劣化評価装置の機能ブロック図である。図13を参照して、この劣化評価装置32Aは、図2に示した実施の形態1における劣化評価装置32の構成において、データ送信部60をさらに含む。データ送信部60は、表示部58に表示されるデータを表示部58から取得し、その取得したデータを予め設定された変換マップに従って変換する。
【0107】
たとえば、データ送信部60は、予め準備された変換マップを用いて、表示部58から取得した蓄電装置Bの充電効率のデータを、図14に示されるように車両10の走行可能時間および走行可能距離に変換する。そして、データ送信部60は、車両10の走行可能時間および走行可能距離に関するデータを車両10へ送信し、車両10において走行可能時間および走行可能距離が利用者に対して表示される。
【0108】
以上のように、この実施の形態1の変形例4においては、蓄電装置Bの劣化状態の評価結果が充電ステーション30から車両10へ送信され、車両10において評価の結果が表示される。したがって、この変形例4によれば、車両10の利用者に対して蓄電装置Bの劣化状態をより強く意識付けることができる。
【0109】
[実施の形態2]
実施の形態2では、利用者に対して表示される劣化評価の結果に基づいて、充電ステーション30から蓄電装置Bを充電する際の充電モードを利用者が選択可能とする。具体的には、利用者は、最大充電レートで蓄電装置Bを充電する急速充電モード、または蓄電装置Bの劣化の進行を抑制可能な低充電レートで蓄電装置Bを充電する低レート充電モードを選択することができる。
【0110】
図15は、実施の形態2における車両10Aの概略構成図である。図15を参照して、車両10Aは、図5に示した実施の形態1における車両10の構成において、充電モード選択部160をさらに含む。充電モード選択部160は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時、最大充電モードまたは低レート充電モードを利用者が選択するための入力装置である。
【0111】
そして、車両ECU140は、充電モード選択部160によって最大充電モードが選択されると、電流指令IRを最大充電レート(たとえば2Ah)に設定する。そうすると、動力出力装置110は、その最大充電レートで、コネクタ150に接続される充電ステーション30(図示せず)から蓄電装置B(図示せず)の充電を行なう。
【0112】
一方、車両ECU140は、充電モード選択部160によって低レート充電モードが選択されると、電流指令IRを低充電レート(たとえば1Ahよりも低い充電レート)に設定する。そうすると、動力出力装置110は、その低充電レートで、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電を行なう。
【0113】
以上のように、この実施の形態2によれば、蓄電装置Bの劣化状態の評価結果に基づいて利用者の判断で充電モードを選択することができるので、利便性が向上する。
【0114】
[実施の形態3]
実施の形態1およびその各変形例ならびに実施の形態2では、充電ステーション30において蓄電装置Bの劣化状態を評価するものとしたが、実施の形態3では、全て車両側で実施される。
【0115】
図16は、実施の形態3における車両の概略構成図である。図16を参照して、車両10Bは、図5に示した実施の形態1における車両10の構成において、モデム130を含まず、車両ECU140に代えて車両ECU140Aを含む。
【0116】
車両ECU140Aは、コネクタ150に接続される充電ステーション30から動力出力装置110内の蓄電装置Bの充電時、蓄電装置Bの電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tbを収集するとともに、電力線ACL1,ACL2間の電圧Vacおよび電力線ACL1,ACL2に流れる電流Iacを収集する。そして、車両ECU140Aは、収集された上記データを用いて、蓄電装置Bの劣化状態を評価し、その評価結果を利用者に対して表示する。
【0117】
なお、車両ECU140Aのその他の機能は、図5に示した実施の形態1における車両ECU140と同じである。また、車両10Bのその他の構成は、車両10と同じである。
【0118】
図17は、図16に示した車両ECU140Aの機能ブロック図である。なお、この図17では、蓄電装置Bの劣化評価に関する機能部分のみが示される。図17を参照して、車両ECU140Aは、充電制御部172と、データ収集部174と、劣化評価部176と、記憶部178と、表示部180とを含む。
【0119】
充電制御部172は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電を行なうか否かを判定し、充電実行時、動力出力装置110へ出力される信号ACを活性化するとともに、電流指令IRを動力出力装置110へ出力する。また、充電制御部172は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時、データ収集部174にデータ収集を指示する。
【0120】
データ収集部174は、充電制御部172からデータ収集の指示を受けると、動力出力装置110から各種データを収集する。具体的には、データ収集部174は、蓄電装置Bの電圧Vb、充電電流Ibおよび温度Tb、ならびに電圧Vacおよび電流Iacを収集する。
【0121】
劣化評価部176は、データ収集部174によるデータ収集が終了すると、収集されたデータを用いて、蓄電装置Bの劣化状態を評価可能な劣化データを演算する。具体的には、劣化評価部176は、データ収集部174によって収集されたデータを用いて充電効率を演算する。そして、劣化評価部176は、劣化データを記憶部178へ出力する。
【0122】
記憶部178は、不揮発性メモリから成り、充電ステーション30から車両10Bの充電が行なわれるごとに、劣化評価部176から受ける劣化データをデータ収集日時と対応付けて記憶する。また、記憶部178は、蓄電装置Bの劣化状態を評価するための評価用データを記憶する。なお、この評価用データは、予め記憶部178に記憶しておいてもよいし、外部のサーバから取得してもよい。
【0123】
表示部180は、蓄電装置Bの劣化データおよび評価用データを記憶部178から読出し、その読出したデータを利用者に対して表示する。また、表示部180は、今回および過去の充電時の劣化データに基づいて、将来の劣化の進行も予測し、その予測結果も表示する。
【0124】
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、車両10Bに搭載された蓄電装置Bの劣化状態を確実に評価することができる。また、蓄電装置Bの劣化状態を正確に評価することができる。
【0125】
また、この実施の形態3においては、車両側において蓄電装置Bの劣化状態を評価するようにしたので、車両10Bの外部において特別な装置を必要としない。すなわち、充電ステーションに劣化評価装置を備える必要がない。
【0126】
なお、上記の実施の形態3においては、上記の実施の形態1に対応しているが、実施の形態1の変形例1〜4および実施の形態2と同様の機能を車両側で実現するようにしてもよい。すなわち、説明が重複するので詳細な説明は省略するが、実施の形態3の変形例1として、充電効率に代えて満充電時の蓄電装置Bの温度を用いて蓄電装置Bの劣化状態を評価するようにしてもよい。
【0127】
また、実施の形態3の変形例2として、データ収集時、充電レートを規定値よりも高い一定値に上昇させ、蓄電装置Bの電圧Vbの上昇率に基づいて蓄電装置Bの劣化状態を評価してもよい。さらに、実施の形態3の変形例3として、充電時の環境が規定条件のときデータ収集を実行し、その収集データに基づいて蓄電装置Bの劣化状態を評価するようにしてもよい。また、さらに、実施の形態2で説明した充電モード選択部を設け、急速充電モードまたは低レート充電モードを利用者が選択できるようにしてもよい。
【0128】
[実施の形態4]
実施の形態4では、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時、通常の充電レートで充電を行なう通常充電モードと、通常の充電レートよりも高い充電レートで充電を行なう急速充電モードとを利用者が選択可能とする。そして、選択された充電モードに応じて、蓄電装置Bの劣化状態の推移が利用者に対して表示される。
【0129】
この実施の形態4における劣化評価システムの全体構成は、図1に示した劣化評価システム100と同じである。
【0130】
図18は、実施の形態4における劣化評価装置の機能ブロック図である。図18を参照して、劣化評価装置32Bは、図2に示した実施の形態1における劣化評価装置32の構成において、充電モード選択部62と、表示制御部64とをさらに含み、劣化評価部54に代えて劣化評価部54Aを含む。
【0131】
充電モード選択部62は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時、充電モードの選択、充電レートの設定および充電開始の指示を利用者が行なうための入力部である。すなわち、利用者は、充電ステーション30から蓄電装置Bの充電時、通常の充電レートで充電を行なう通常充電モードと、充電時間の短縮を目的として、通常の充電レートよりも高い充電レートで充電を行なう急速充電モードとを選択することができる。また、利用者は、急速充電モードを選択した場合、充電レート(たとえば単位時間当りの充電電流量)を設定することができる。さらに、利用者は、車両10のコネクタを充電ステーション30に接続した後、充電の開始を指示することができる。
【0132】
そして、充電モード選択部62は、選択された充電モードおよび設定された充電レートに基づいて、充電ステーション30から蓄電装置Bへの充電時の充電レートを指示する信号Rを接続ケーブル20(図示せず)を介して車両10へ送信する。具体的には、充電モード選択部62は、通常充電モードが選択されているとき、予め設定された通常充電レート(たとえば1Ah以下の所定値)を車両10に対して指示する。また、充電モード選択部62は、急速充電モードが選択されているときは、利用者により設定された充電レートを車両10に対して指示する。なお、利用者によって充電レートが特に設定されていないときは、充電モード選択部62は、予め設定された急速充電レート(たとえば蓄電装置Bが許容可能な最高充電レート)を車両10に対して指示する。
【0133】
また、充電モード選択部62は、利用者により充電の開始が指示されると、充電の実行を指示する信号STを接続ケーブル20を介して車両10へ送信する。さらに、充電モード選択部62は、表示制御部64および劣化評価部54Aへ信号Rを出力するとともに、選択された充電モードを示す信号MDを表示制御部64へ出力する。
【0134】
表示制御部64は、表示部58の表示内容を制御する。具体的には、表示部58には、蓄電装置Bの劣化状態の推移が表示されるところ、表示制御部64は、車両10の識別コードIDに基づいて、車両10に対応するデータを記憶部56から読出して表示部58に表示する。そして、表示制御部64は、信号MDが通常充電モードを示しているとき、車両10について過去に通常充電モードで充電が行なわれたときのデータを記憶部56から読出し、その読出されたデータに基づいて、通常充電モードで今後の充電が行なわれる場合の劣化状態の推移を予測する。そして、表示制御部64は、その予測した劣化状態の推移を、記憶部56から読出された過去の劣化状態の推移とともに表示部58に表示する。
【0135】
また、表示制御部64は、信号MDが急速充電モードを示しているとき、信号Rで示される充電レートで過去に充電が行なわれたときのデータを記憶部56から読出し、その読出されたデータに基づいて、急速充電モードで今後の充電が行なわれる場合の劣化状態の推移を予測する。そして、表示制御部64は、その予測した劣化状態の推移を過去の劣化状態の推移とともに表示部58に表示する。
【0136】
劣化評価部54Aは、データ取得部52によって取得されたデータを用いて、車両10の蓄電装置Bの劣化状態を評価可能な劣化データを演算する。そして、劣化評価部54Aは、その演算した劣化データを、信号Rで示されるそのときの充電レートと対応付けて記憶部56へ出力する。なお、劣化評価部54Aのその他の機能は、図2に示した劣化評価部54と同じである。
【0137】
なお、信号R,STを受信した車両10の車両ECU140(図5)は、信号Rに基づいて電流指令IRを生成し、信号STに基づいて信号ACを活性化する。これにより、信号Rで示される充電レートで充電ステーション30から蓄電装置Bの充電が行なわれる。
【0138】
図19は、実施の形態4における劣化評価装置32Bの制御構造を説明するためのフローチャートである。なお、この図19では、劣化評価装置32Bが行なう制御のうち劣化状態の表示に関する部分の制御構造が示される。データ収集および劣化評価に関する部分の制御構造は、図4に示したフローチャートにより示される制御構造と同じである。なお、このフローチャートの処理も、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
【0139】
図19を参照して、劣化評価装置32Bは、利用者により通常充電モードが選択されているか、それとも急速充電モードが選択されているかを判定する(ステップS110)。通常充電モードが選択されていると判定されると(ステップS110において「通常」)、劣化評価装置32Bは、通常充電モードで充電が行なわれる場合の劣化状態の推移を表示部に表示する(ステップS120)。具体的には、劣化評価装置32Bは、車両10に対応するデータを記憶部から読出して表示するとともに、通常充電モードで今後の充電を行なう場合の劣化状態の推移を過去のデータに基づき予測して表示する。
【0140】
一方、ステップS110において急速充電モードが選択されていると判定されると(ステップS110において「急速」)、劣化評価装置32Bは、利用者により設定された充電レートを読込む(ステップS130)。なお、利用者により充電レートが設定されていない場合、劣化評価装置32Bは、予め設定された急速充電レートを設定する。そして、劣化評価装置32Bは、急速充電モードで充電が行なわれる場合の劣化状態の推移を表示部に表示する(ステップS140)。具体的には、劣化評価装置32Bは、車両10に対応するデータを記憶部から読出して表示するとともに、急速充電モードで今後の充電を行なう場合の劣化状態の推移を過去のデータに基づき予測して表示する。
【0141】
ステップS120またはS140において蓄電装置Bの劣化状態が表示されると、劣化評価装置32Bは、利用者により充電の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS150)。充電開始が指示されたと判定されると(ステップS150においてYES)、劣化評価装置32Bは、充電レートを指示する信号Rおよび充電の実行を指示する信号STを車両10へ出力する(ステップS160)。一方、ステップS150において充電開始は指示されていないと判定されると(ステップS150においてNO)、劣化評価装置32Bは、ステップS160を実行することなくステップS170へ処理を移行する。
【0142】
図20は、急速充電モードで充電が行なわれる場合の表示状態の一例を示した図である。なお、この図20では、蓄電装置Bの劣化状態を評価可能なデータとして充電効率が表示される場合について示される。図20を参照して、実線k1は、現在までの充電効率の推移を示し、点線k2は、利用者により設定された充電レートで充電を行なう場合に予測される将来の充電効率の推移を示す。なお、図に示されるように、利用者により設定された充電レートよりも所定レート低い充電レートで充電を行なう場合の充電効率の推移を示す点線k3、および設定充電レートよりも所定レート高い充電レートで充電を行なう場合の充電効率の推移を示す点線k4を併せて表示してもよい。
【0143】
なお、通常充電モードで充電が行なわれる場合の表示状態は、たとえば図3に示したとおりである。
【0144】
なお、特に図示しないが、通常充電モードで充電を行なう場合の劣化状態の推移と、急速充電モードで充電を行なう場合の劣化状態の推移とを同一画面上に表示してもよい。その際、通常充電モードで充電を行なう場合の充電効率の推移を示すラインと、急速充電モードで充電を行なう場合の充電効率の推移を示すラインとを色分け表示してもよい。また、蓄電装置Bの劣化状態が相当程度進んでいることを示す第1レベルLVL1をたとえば黄色で表示し、蓄電装置Bのオーバーホールが必要なレベルを示す第2レベルLVL2をたとえば赤色で表示するなどして、蓄電装置Bの劣化状態を利用者に強く喚起するようにしてもよい。
【0145】
図21は、充電中の表示状態の一例を示した図である。図21を参照して、領域66は、蓄電装置Bの充電状態(SOC)を表示し、領域66に表示される充電中のSOCの推移に連動して充電効率の推移が表示される。時刻t0は、充電開始時点を示し、時刻t1は、現時点を示す。時刻t2は、予想充電完了時点を示す。点線k11は、充電開始時に予測された充電効率の推移を示し、実線k12は、時刻t0から現時刻t1までの実際の充電効率の推移を示す。
【0146】
なお、実線k12で示される実際の充電効率と点線k11で示される予想充電効率との差が所定値を超えた場合には、実線k12を赤色表示したり点滅表示するなどして、利用者に注意を喚起するようにしてもよい。
【0147】
なお、上記において、表示部58に表示されるデータを接続ケーブル20を介して車両10へ送信し、車両側で蓄電装置Bの劣化状態の推移を表示するようにしてもよい。また、表示部58に表示されるデータを充電ステーション30の外部へ出力し、家庭内のパソコンなどで表示するようにしてもよい。
【0148】
以上のように、この実施の形態4においては、通常充電モードで充電を行なう場合の蓄電装置Bの劣化状態の推移と、急速充電モードで充電を行なう場合の劣化状態の推移とが表示部58に表示される。したがって、この実施の形態4によれば、利用者は、蓄電装置Bの劣化状態を考慮したうえで、充電ステーション30から蓄電装置を充電する際の充電モード(および充電レート)を決定することができる。
【0149】
[実施の形態5]
実施の形態4では、充電ステーション30側において充電モードの選択や蓄電装置Bの劣化状態を表示するものとしたが、実施の形態5では、全て車両側で実施される。
【0150】
図22は、実施の形態5における車両10Cの概略構成図である。図22を参照して、車両10Cは、図16に示した実施の形態3における車両10Bの構成において、充電モード選択部160Aと、表示装置190とをさらに含み、車両ECU140Aに代えて車両ECU140Bを含む。
【0151】
充電モード選択部160Aは、図18に示した充電モード選択部160と同様の機能を有する。そして、充電モード選択部160Aは、選択された充電モードを示す信号MD、および充電レートを指示する信号Rを車両ECU140Bへ出力する。
【0152】
表示装置190は、車両ECU140Bから表示データを受け、蓄電装置Bの劣化状態の推移を表示する。具体的には、表示装置190は、通常充電モードが選択されているとき、通常充電モードで充電を行なう場合に予測される劣化状態の推移を過去の劣化状態の推移とともに表示する。また、表示装置190は、急速充電モードが選択されているとき、急速充電モードで充電を行なう場合に予測される劣化状態の推移を過去の劣化状態の推移とともに表示する。なお、各充電モードが選択されているときの実際の表示状態は、図3(通常充電モード時)や図20(急速充電モード時)で示したとおりである。
【0153】
図23は、図22に示した車両ECU140Bの機能ブロック図である。図23を参照して、車両ECU140Bは、図17に示した実施の形態3における車両ECU140Aの構成において、充電制御部172、劣化評価部176および表示部180に代えて、充電制御部172A、劣化評価部176Aおよび表示制御部182をそれぞれ含む。
【0154】
充電制御部172Aは、充電モード選択部160A(図示せず)からの信号MDが通常充電モードを示しているとき、動力出力装置110へ出力される電流指令IRを予め設定された通常充電レートに設定する。一方、充電制御部172Aは、信号MDが急速充電モードを示しているとき、充電モード選択部160Aからの信号Rで示される充電レートに基づいて電流指令IRを設定する。なお、充電制御部172Aのその他の機能は、図17に示した実施の形態3における充電制御部172と同じである。
【0155】
劣化評価部176Aは、データ収集部174によるデータ収集が終了すると、収集されたデータを用いて、蓄電装置Bの劣化状態を評価可能な劣化データを演算する。そして、劣化評価部176Aは、その演算した劣化データを、信号Rで示されるそのときの充電レートと対応付けて記憶部178へ出力する。なお、劣化評価部176Aのその他の機能は、図17に示した劣化評価部176と同じである。
【0156】
表示制御部182は、図18に示した表示制御部64と同様の機能を有する。そして、表示制御部182は、蓄電装置Bの劣化状態の推移を示すデータを表示装置190へ出力する。
【0157】
なお、上記において、表示装置190に表示されるデータを接続ケーブル20を介して充電ステーション30へ送信し、充電ステーション側で蓄電装置Bの劣化状態の推移を表示するようにしてもよい。また、表示データを充電ステーション30から外部へさらに出力し、家庭内のパソコンなどで表示するようにしてもよい。
【0158】
以上のように、この実施の形態5によっても、実施の形態4と同様の効果を得ることができる。また、車両側において蓄電装置Bの劣化状態が評価され、かつ、表示されるので、車両の外部において特別な装置を設ける必要はない。
【0159】
なお、上記の実施の形態4,5においても、実施の形態1の変形例1と同様に、充電効率に代えて満充電時の蓄電装置Bの温度を用いて蓄電装置Bの劣化状態を評価し、その評価データを表示部58または表示装置190に表示するようにしてもよい。また、実施の形態1の変形例3と同様に、充電時の環境が規定条件のときにデータ収集を実行し、その収集データに基づいて蓄電装置Bの劣化状態を評価し、その評価データを表示部58または表示装置190に表示するようにしてもよい。
【0160】
なお、上記の各実施の形態においては、充電ステーション30から車両10,10A〜10Cの蓄電装置Bを充電するものとしたが、車両10,10A〜10Cから充電ステーション30へ電力を逆潮流し、または、コネクタ150に接続される電気負荷へ車両10,10A〜10Cから電力を供給するようにしてもよい。そして、車両10,10A〜10Cから充電ステーション30または電気負荷への電力供給時も、充電時と同様に、車両10,10A〜10Cの走行時に比べて蓄電装置Bの環境(温度など)が安定しており、かつ、蓄電装置Bからの給電条件もある程度自由に設定できるので、車両10,10A〜10Cから充電ステーション30または電気負荷への電力供給時に蓄電装置Bのデータを収集し、その収集データに基づいて蓄電装置Bの劣化を評価するようにしてもよい。
【0161】
なお、再び図7を参照して、ゼロ相等価回路は、正極線PL2から供給される直流電圧を用いて中性点N1,N2に単相交流電圧を生じさせる単相PWMインバータとみることもできる。そこで、インバータ320,330の各々においてゼロ電圧ベクトルを変化させ、インバータ320,330を単相PWMインバータの各相アームとしてそれぞれ動作するようにスイッチング制御することによって、正極線PL2からの直流電力を交流電力に変換して電力線ACL1,ACL2へ出力することができる。
【0162】
また、上記の各実施の形態においては、車両10,10A〜10Cは、モータジェネレータMG1,MG2を含み、充電ステーション30との電力授受時、モータジェネレータMG1,MG2の中性点N1,N2を介して電力が入出力されるものとしたが、蓄電装置Bと充電ステーション30に接続されるコネクタ150との間で電力授受を行なう専用のインバータを別途備えてもよい。
【0163】
また、上記においては、車両10,10A〜10Cは、動力源としてエンジンおよびモータジェネレータを搭載したハイブリッド車両としたが、車両は、蓄電装置を搭載し、かつ、蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力を授受可能なように構成されたものであればよい。
【0164】
なお、上記において、劣化評価装置32,32A,32Bおよび車両ECU140,140A,140Bにおける処理は、実際には、CPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、上記フローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して上記フローチャートに従って処理を実行する。したがって、ROMは、上記フローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取可能な記録媒体に相当する。
【0165】
なお、上記において、劣化評価装置32,32A,32Bおよび車両ECU140A,140Bの各々は、この発明における「劣化評価装置」に対応し、モータジェネレータMG1,MG2、インバータ220,230および昇圧コンバータ210は、この発明における「電力変換装置」を形成する。また、電力線ACL1,ACL2およびコネクタ150は、この発明における「接続装置」を形成し、MG−ECU240は、この発明における「制御装置」に対応する。
【0166】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0167】
10,10A〜10C 車両、20 接続ケーブル、30 充電ステーション、32,32A,32B 劣化評価装置、34,254,260 電流センサ、36,252,258 電圧センサ、40 サーバ、52 データ取得部、54,54A,176,176A 劣化評価部、56,178 記憶部、58,180 表示部、60 データ送信部、62 充電モード選択部、64,182 表示制御部、66 領域、100 劣化評価システム、110 動力出力装置、130 モデム、140,140A,140B 車両ECU、150 コネクタ、160,160A 充電モード選択部、172,172A 充電制御部、174 データ収集部、190 表示装置、202 車輪、203 動力分割機構、204 エンジン、210 昇圧コンバータ、220,230 インバータ、220A,230A 上アーム、220B,230B 下アーム、240 MG−ECU、256 温度センサ、ACL1,ACL2 電力線、B 蓄電装置、C1,C2 コンデンサ、PL1,PL2 正極線、NL1,NL2 負極線、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1,N2 中性点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された蓄電装置の劣化評価システムであって、
前記蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力を授受可能なように構成された車両と、
前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で電力が授受されているときに収集されるデータを用いて前記蓄電装置の劣化状態を評価する劣化評価装置とを備える、蓄電装置の劣化評価システム。
【請求項2】
前記劣化評価装置は、前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電が行なわれているときに収集されるデータを用いて前記蓄電装置の劣化状態を評価する、請求項1に記載の劣化評価システム。
【請求項3】
前記車両は、
前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で電力変換可能なように構成された電力変換装置と、
前記電力変換装置を前記車両外部の電源または電気負荷と電気的に接続可能なように構成された接続装置と、
前記電力変換装置を制御する制御装置とを含み、
前記制御装置は、少なくとも前記データが収集されているとき、前記電力変換装置を一定の条件で制御する、請求項1または請求項2に記載の劣化評価システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記データが収集されているとき、前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で授受される電力が規定値よりも大きくなるように前記電力変換装置を制御する、請求項3に記載の劣化評価システム。
【請求項5】
前記劣化評価装置は、前記車両またはその周囲の環境が規定条件を満たしているとき、前記蓄電装置の劣化状態を評価する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の劣化評価システム。
【請求項6】
前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電を第1の充電レートで行なう通常充電モード、および前記第1の充電レートよりも高い第2の充電レートで前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電を行なう急速充電モードのいずれかを選択可能な充電モード選択部と、
前記通常充電モードで充電が行なわれる場合の前記蓄電装置の劣化状態と前記急速充電モードで充電が行なわれる場合の前記蓄電装置の劣化状態とを表示可能な表示部とをさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の劣化評価システム。
【請求項7】
前記表示部は、前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電中、前記蓄電装置の充電状態を表示するとともに、前記充電状態の推移に連動して前記蓄電装置の劣化状態の推移を表示する、請求項6に記載の劣化評価システム。
【請求項8】
車両外部の電源または電気負荷と電力を授受可能な車両であって、
蓄電装置と、
前記蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力変換可能なように構成された電力変換装置と、
前記電力変換装置を前記車両外部の電源または電気負荷と電気的に接続可能なように構成された接続装置と、
前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で前記接続装置を介して電力が授受されているときに収集されるデータを用いて前記蓄電装置の劣化状態を評価する劣化評価装置とを備える車両。
【請求項9】
前記劣化評価装置は、前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電が行なわれているときに収集されるデータを用いて前記蓄電装置の劣化状態を評価する、請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記電力変換装置を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、少なくとも前記データが収集されているとき、前記電力変換装置を一定の条件で制御する、請求項8または請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記制御装置は、前記データが収集されているとき、前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で授受される電力が規定値よりも大きくなるように前記電力変換装置を制御する、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記劣化評価装置は、当該車両またはその周囲の環境が規定条件を満たしているとき、前記蓄電装置の劣化状態を評価する、請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の車両。
【請求項13】
前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電を第1の充電レートで行なう通常充電モード、および前記第1の充電レートよりも高い第2の充電レートで前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電を行なう急速充電モードのいずれかを選択可能な充電モード選択部と、
前記通常充電モードで充電が行なわれる場合の前記蓄電装置の劣化状態と前記急速充電モードで充電が行なわれる場合の前記蓄電装置の劣化状態とを表示可能な表示装置とをさらに備える、請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の車両。
【請求項14】
前記表示装置は、前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電中、前記蓄電装置の充電状態を表示するとともに、前記充電状態の推移に連動して前記蓄電装置の劣化状態の推移を表示する、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
車両に搭載された蓄電装置の劣化評価方法であって、
前記車両は、前記蓄電装置と車両外部の電源または電気負荷との間で電力を授受可能なように構成され、
前記劣化評価方法は、
前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で電力が授受されているとき、前記蓄電装置の劣化状態を評価するためのデータを収集する第1のステップと、
その収集されたデータを用いて前記蓄電装置の劣化状態を評価する第2のステップとを備える、蓄電装置の劣化評価方法。
【請求項16】
前記第1のステップにおいて、前記データは、前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電が行なわれているときに収集される、請求項15に記載の劣化評価方法。
【請求項17】
前記車両は、
前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で電力変換可能なように構成された電力変換装置と、
前記電力変換装置を前記車両外部の電源または電気負荷と電気的に接続可能なように構成された接続装置とを含み、
前記劣化評価方法は、少なくとも前記データが収集されているとき、前記電力変換装置を一定の条件で制御する第3のステップをさらに備える、請求項15または請求項16に記載の劣化評価方法。
【請求項18】
前記第3のステップにおいて、前記電力変換装置は、前記データが収集されているとき、前記蓄電装置と前記車両外部の電源または電気負荷との間で授受される電力が規定値よりも大きくなるように制御される、請求項17に記載の劣化評価方法。
【請求項19】
前記車両またはその周囲の環境が規定条件を満たしているか否かを判定する第4のステップをさらに備え、
前記第2のステップにおいて、前記環境が前記規定条件を満たしていると判定されたとき、前記蓄電装置の劣化状態が評価される、請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の劣化評価方法。
【請求項20】
前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電を第1の充電レートで行なう通常充電モード、および前記第1の充電レートよりも高い第2の充電レートで前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電を行なう急速充電モードのいずれかを選択する第5のステップと、
前記通常充電モードで充電が行なわれる場合の前記蓄電装置の劣化状態、および前記急速充電モードで充電が行なわれる場合の前記蓄電装置の劣化状態の少なくとも一方を表示する第6のステップとをさらに備える、請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の劣化評価方法。
【請求項21】
前記車両外部の電源から前記蓄電装置の充電中、前記第6のステップにおいて、前記蓄電装置の充電状態が表示されるとともに、前記充電状態の推移に連動して前記蓄電装置の劣化状態の推移が表示される、請求項20に記載の劣化評価方法。
【請求項22】
請求項15から請求項21のいずれか1項に記載の劣化評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−247428(P2012−247428A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−149792(P2012−149792)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2007−117(P2007−117)の分割
【原出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】