説明

薄型筐体の固定構造

【課題】薄型筐体の係合凸部と係合凹部との分解時に係合凸部が破損するのを抑制することが可能な薄型筐体の固定構造を提供する。
【解決手段】この発明による薄型筐体の固定構造は、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際に、前側係合凸部12を撓ませながら、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点が取外し用傾斜部12bに沿って移動することにより、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態が解除されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薄型筐体の固定構造に関し、特に、係合凸部および係合凹部を備える薄型筐体の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、係合凸部および係合凹部を備える薄型筐体の固定構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、平板状のプリント基板やケース蓋部等の被係止部材(係合凹部)を電子機器本体内の所定の位置に固定するための係止用フックが開示されている。この係止用フックは、略直線的に上方に向かって延びるストレート部と、ストレート部の先端に設けられたフック部(係合凸部)とを備えている。また、フック部は、ストレート部の延びる方向に対して所定の角度で下方に向かって傾斜する傾斜面(摺接面)と、ストレート部の延びる方向に対して略直交する方向に延びる平坦面状の係合面(平面的に見て、矩形状の係合面)とを有している。上記特許文献1では、被係止部材とフック部とを固定する(取り付ける)際には、被係止部材がフック部の傾斜面に接触しながら下方(取付方向)に押し込まれることによって、被係止部材の上面がフック部の係合面と係合される。これにより、被係止部材の上面とフック部の係合面とは、平面的に見て、矩形状の係合領域(係合面)を有するように係合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−77870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、被係止部材とフック部とを固定する(取り付ける)際には、被係止部材は、フック部の傾斜面に沿って取り付けられるので、フック部と被係止部材とを容易に係合させることが可能である。その一方で、被係止部材とフック部とを分解する(取り外す)際には、被係止部材とフック部との取付方向とは反対方向(分解方向)に力が加えられた場合に、被係止部材がフック部に引っ掛ってしまうことにより、分解方向に加えられた力が被係止部材の上面とフック部の係合面との矩形状の係合領域(係合面)に集中するという不都合がある。その結果、フック部が破損してしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、薄型筐体の係合用フック(係合凸部)と被係止部材(係合凹部)との分解時に係合凸部が破損するのを抑制することが可能な薄型筐体の固定構造を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面による薄型筐体の固定構造は、係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方を含む薄型の第1筐体と、第1筐体の係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方と係合する係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも他方を含む薄型の第2筐体とを備え、係合凸部または係合凹部のうちの一方の係合面には、係合凸部と係合凹部との係合方向から見て、係合方向と略直交する方向の一方端部近傍から他方端部近傍までの領域にわたって、係合凸部または係合凹部のうちの他方の係合面の端辺に対して交差して傾斜する第1傾斜部が形成され、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際には、係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方が撓みながら、第1傾斜部と端辺との交点が第1傾斜部に沿って移動することにより、係合凸部と係合凹部との係合状態が解除されるように構成されている。
【0008】
この一の局面による薄型筐体の固定構造では、上記のように、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際に、係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方を撓ませながら、第1傾斜部と端辺との交点を第1傾斜部に沿って移動させることにより、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除するように構成する。これにより、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除(分解)する際に、第1傾斜部と端辺との交点を第1傾斜部に沿って移動させながら係合凸部と係合凹部との係合状態が解除されるので、係合凸部が係合凹部に引っ掛からないようにすることができる。その結果、分解方向に加えられた力が係合凸部と係合凹部との係合面に集中するのを抑制することができるので、薄型筐体の係合凸部と係合凹部との分解時に係合凸部が破損するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による薄型筐体の固定構造において、好ましくは、係合凸部と係合凹部とが係合した状態において、第1傾斜部と端辺との交点よりも第1傾斜部の一方端部側では、係合凸部と係合凹部とが当接するように配置されているとともに、第1傾斜部と端辺との交点よりも第1傾斜部の他方端部側では、係合凸部と係合凹部とが当接しないように配置されている。このように構成すれば、係合凸部と係合凹部とが係合した状態において、係合凸部と係合凹部とが当接している領域では、係合凸部と係合凹部との保持力(係合状態)を維持することができる。また、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際に、係合凸部と係合凹部とが当接していない領域を起点として、係合凸部と係合凹部とに大きな力を加えることなく、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除することができる。
【0010】
上記一の局面による薄型筐体の固定構造において、好ましくは、係合凸部または係合凹部のうちの一方の係合面には、係合凸部と係合凹部との係合を容易にするために係合方向に対して傾斜する第2傾斜部が形成され、係合凸部または係合凹部のうちの一方の係合面の第1傾斜部の傾斜角度は、第2傾斜部の傾斜角度よりも小さくなるように形成されている。このように構成すれば、第1傾斜部の傾斜角度が第2傾斜部の傾斜角度よりも大きくなるように形成されている場合と比べて、第1傾斜部の傾斜角度が比較的小さい(緩やかな)分、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際に、第1傾斜部と端辺との交点を第1傾斜部に沿って移動させ易くすることができるので、容易に、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、係合凸部または係合凹部のうちの一方の係合面の第1傾斜部の延びる方向の幅は、第2傾斜部の延びる方向の幅よりも大きくなるように構成されている。このように構成すれば、係合凸部または係合凹部のうちの一方の係合面の第1傾斜部の延びる方向の幅が第2傾斜部の延びる方向の幅よりも小さくなるように構成されている場合と比べて、係合面の第1傾斜部の延びる方向の幅が比較的大きい分、容易に、第1傾斜部の傾斜角度を比較的小さくすることができる。
【0012】
上記一の局面による薄型筐体の固定構造において、好ましくは、係合凸部と係合凹部とが係合した状態において、係合方向から見て、第1傾斜部の他方端部と、係合凸部または係合凹部のうちの他方の係合面の端辺との間には、隙間が形成されている。このように構成すれば、第1傾斜部の他方端部と、係合凸部または係合凹部のうちの他方の係合面の端辺との間に隙間がない場合と異なり、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する方向に力が加えられた際に、第1傾斜部を撓み易くさせることができるので、係合凸部と係合凹部との係合状態をより解除し易くすることができる。
【0013】
上記一の局面による薄型筐体の固定構造において、好ましくは、係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方は、第1筐体の外周辺に沿って複数形成され、係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも他方は、第2筐体の外周辺に沿って複数形成され、複数の係合凸部または係合凹部のうちの一方の係合面の第1傾斜部は、それぞれ、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際の起点となる位置から順次取り外す方向に沿って傾斜方向が統一されるように形成されている。このように構成すれば、第1筐体と第2筐体とを取り外す方向に力を加えた(引っ張った)場合に、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際の起点となる位置から取り外す方向に沿って係合凸部と係合凹部との係合状態を順番に連続して円滑に解除することができる。
【0014】
上記一の局面による薄型筐体の固定構造において、好ましくは、係合凸部または係合凹部のうちの一方の第1傾斜部の形状は、直線状および曲線状を含む。このように構成すれば、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際に、第1傾斜部と端辺との交点を直線状または曲線状の第1傾斜部に沿って滑らかに移動させることができるので、容易に、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除することができる。
【0015】
上記一の局面による薄型筐体の固定構造において、好ましくは、第1傾斜部は、係合凸部側の係合面に形成されているとともに、係合凸部と係合凹部との係合方向から見て、係合方向と略直交する方向の一方端部近傍から他方端部近傍にわたって、略一定の傾斜角度で直線状に延び、かつ、係合凹部の係合面の端辺に対して交差するように構成され、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除する際には、係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方が撓みながら、直線状の第1傾斜部と端辺との交点が直線状の第1傾斜部に沿って移動することにより、係合凸部と係合凹部との係合状態が解除されるように構成されている。このように構成すれば、係合凸部と係合凹部との係合状態を解除(分解)する際に、直線状の第1傾斜部と端辺との交点を直線状の第1傾斜部に沿って移動させながら係合凸部と係合凹部との係合状態が解除されるので、矩形状の係合凸部が係合凹部に引っ掛からないようにすることができる。その結果、分解方向に加えられた力が係合凸部と係合凹部との係合面に集中するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態によるポータブルBD(Blu−ray Disc:ブルーレイディスク)プレーヤの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの正面図である。
【図3】図2に示すポータブルBDプレーヤの100−100線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との係合状態を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体を裏面側から見た平面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体に形成された係合凸部を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの後側筐体を裏面側から見た平面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの後側筐体に形成された係合凹部を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの後側筐体に形成された係合凸部を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との係合状態を説明するための平面図である。
【図11】図10に示すポータブルBDプレーヤの300−300線に沿った断面図である。
【図12】図10に示すポータブルBDプレーヤの400−400線に沿った断面図である。
【図13】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との分解時の取り外し方向を説明するための図である。
【図14】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との取付前の様子を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との取付中の様子を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との取付後の様子を説明するための図である。
【図17】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との分解前の様子を説明するための平面図および平面図の500−500線に沿った断面図である。
【図18】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との分解中の様子を説明するための平面図および平面図の600−600線に沿った断面図である。
【図19】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との分解中の様子を説明するための平面図および平面図の700−700線に沿った断面図である。
【図20】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との分解後の様子を説明するための平面図および平面図の800−800線に沿った断面図である。
【図21】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体または後側筐体に形成された係合凸部の形状の第1変形例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体または後側筐体に形成された係合凸部の形状の第2変形例を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体または後側筐体に形成された係合凸部の形状の第3変形例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体または後側筐体に形成された係合凹部の形状の第4変形例を示す図である。
【図25】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体または後側筐体に形成された係合凹部の形状の第5変形例を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの後側筐体に形成される係合凸部の第6変形例を示す図である。
【図27】本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤの前側筐体と後側筐体との分解時の取り外し方向を説明するための第7変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態によるポータブルBD(Blu−ray Disc:ブルーレイディスク)プレーヤ100の構成を説明する。
【0019】
本発明の一実施形態によるポータブルBDプレーヤ100は、図1および図2に示すように、表示部側本体1と、ディスク駆動部側本体2とを備えている。また、表示部側本体1と、ディスク駆動部側本体2とは、ヒンジ部3によって支持されている。表示部側本体1は、ヒンジ部3を回動中心として、ディスク駆動部側本体2に対して開閉可能(回動可能)に構成されている。
【0020】
また、表示部側本体1には、スピーカ(図示せず)からの音声を出力するための音響孔4と、各種操作を行うための操作ボタン5とが設けられている。また、ディスク駆動部側本体2の内部には、BD(Blu−ray Disk:ブルーレイディスク)6に記録された内容を再生するためのディスク駆動部7が内蔵されている。また、ディスク駆動部側本体2の側面には、LANケーブル、USBケーブルおよびイヤホンなどを接続するための複数の接続端子8が設けられている。
【0021】
また、図3に示すように、表示部側本体1は、比較的薄型でかつ小型の前側筐体9と、比較的薄型でかつ小型の後側筐体10とを含んでいる。なお、前側筐体9は、本発明の「第1筐体」の一例であり、後側筐体10は、本発明の「第2筐体」の一例である。また、前側筐体9および後側筐体10は、樹脂からなる。また、前側筐体9と後側筐体10との間には、液晶ディスプレイなどの表示パネル11が設けられている。また、図3および図4に示すように、前側筐体9の外周辺(外縁部)と、後側筐体10の外周辺(外縁部)とが係合することにより、前側筐体9と後側筐体10とが固定されるように構成されている。
【0022】
また、図5に示すように、前側筐体9は、平面的に見て(上面から見て)、略矩形形状を有する。前側筐体9の裏面側には、前側筐体9の外周辺に沿って7つの前側係合凸部12が形成されている。前側係合凸部12は、図6に示すように、略矩形形状の前側筐体9の外側から内側に向かって突出するように形成されている。また、図5に示すように、前側係合凸部12は、前側筐体9の外周辺のうち矢印X1方向の外周辺に2つ、前側筐体9の外周辺のうち矢印X2方向の外周辺に2つ、および、前側筐体9の外周辺のうち矢印Y1方向の外周辺に3つ形成されている。つまり、前側筐体9の外周辺には、合計7つの前側係合凸部12が形成されている。また、前側筐体9の外周辺のうち矢印Y2方向の外周辺には、2つの前側係合凹部13が形成されている。
【0023】
また、前側筐体9の矢印X1方向の外周辺に形成された前側係合凸部12は、係合方向から見て、矢印Y2方向側に先細りする形状を有している。また、前側筐体9の矢印Y1方向の外周辺に形成された前側係合凸部12は、係合方向から見て、矢印X1方向側に先細りする形状を有している。前側筐体9の矢印X2方向の外周辺に形成された前側係合凸部12は、係合方向から見て、矢印Y1方向側に先細りする形状を有している。
【0024】
また、図7および図8に示すように、後側筐体10の裏面側には、後側筐体10の外周辺に沿って7つの後側係合凹部14が形成されている。具体的には、後側係合凹部14は、後側筐体10の外周辺のうち矢印X1方向の外周辺に2つ形成されているとともに、後側筐体10の外周辺のうち矢印X2方向の外周辺に2つ形成され、かつ、後側筐体10の外周辺のうち矢印Y1方向の外周辺に3つ形成されている。つまり、後側筐体10の外周辺には、合計7つの後側係合凹部14が形成されている。また、後側筐体10の外周辺のうち矢印Y2方向の外周辺には、2つの後側係合凸部15が形成されている。この2つの後側係合凸部15は、図9に示すように、前側筐体9と後側筐体10との係合方向から見て、後側筐体10の内側から外側に向かって突出するように形成されている。また、図7に示すように、後側筐体10の矢印Y2方向の2つの後側係合凸部15は、それぞれ、係合方向から見て、ヒンジ部3(図2参照)とは反対方向に向かって先細りするように形成されている。
【0025】
なお、図4に示すように、前側筐体9と後側筐体10とを係合させた(組み立てた)状態では、前側筐体9の7つの前側係合凸部12は、それぞれ、後側筐体10の7つの後側係合凹部14に係合するように構成されている。また、後側筐体10の2つの後側係合凸部15(図7参照)は、それぞれ、前側筐体9の2つの前側係合凹部13(図5参照)に係合するように構成されている。
【0026】
ここで、本実施形態では、図10に示すように、前側係合凸部12の係合面12aは、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合方向(Z方向(図6参照))から見て、矢印Y2方向に向かって先細りするような三角形(直角三角形)形状に形成されている。
【0027】
また、本実施形態では、前側係合凸部12の係合面12aの係合方向と略直交する方向(Y方向)の一方端部12c近傍から他方端部12d近傍までの領域にわたって略直線状の取外し用傾斜部12bが形成されている。なお、取外し用傾斜部12bは、本発明の「第1傾斜部」の一例である。また、前側係合凸部12の頂部12eは、略平坦面状に形成されている。また、前側係合凸部12の取外し用傾斜部12bは、後側係合凹部14の係合面14aの端辺14bと所定の傾斜角度θで交差するように配置されている。
【0028】
また、前側係合凸部12の取外し用傾斜部12bの延びる方向(Y方向)の幅W1は、約4mmである。また、取外し用傾斜部12bの延びる方向に略直交する方向(X方向)の最大幅W2は、約0.5mmである。
【0029】
また、図11および図12に示すように、前側係合凸部12の係合面12aには、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合を容易にするために係合方向(Z方向)に対して傾斜する取付用傾斜部12fが形成されている。なお、取付用傾斜部12fは、本発明の「第2傾斜部」の一例である。この取付用傾斜部12fのZ方向から見た場合のX方向の幅W3は、約0.45mmである。また、取付用傾斜部12fのZ方向の幅W4は、約0.25mmである。また、取付用傾斜部12fの下端部から取外し用傾斜部12bの係合面12aまでの幅W5は、約0.3mmである。また、後側係合凹部14には、前側係合凸部12との係合を容易にするために係合方向(Z方向)に対して傾斜する取付用傾斜部14cが形成されている。
【0030】
また、図10に示すように、取外し用傾斜部12bの端辺14bに対する傾斜角度θは、約4度以上約8度以下である。また、図11に示すように、取付用傾斜部12fの係合面13a(係合面12a)に対する傾斜角度θは、約23度以上約27度以下である。つまり、取外し用傾斜部12bの端辺14bに対する傾斜角度θは、取付用傾斜部12fの傾斜角度θよりも小さくなるように形成されている。
【0031】
また、図10に示すように、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが係合した状態において、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点よりも取外し用傾斜部12bの一方端部12c側(矢印Y1方向側)では、前側係合凸部12は、後側係合凹部14と係合面12a(係合面14a)において当接するように配置されている。
【0032】
また、図12に示すように、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが係合した状態において、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点よりも取外し用傾斜部12bの他方端部12d側(矢印Y2方向側)では、前側係合凸部12は、後側係合凹部14とは当接しないように配置されている。また、図10に示すように、取外し用傾斜部12bの他方端部12dと、端辺14bとの間には、所定の間隔を隔てて隙間が形成されている。
【0033】
また、図13に示すように、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが係合した状態において、後側筐体10側から前側筐体9側を見た場合には、前側係合凸部12および後側係合凸部15(9番目)の傾斜方向は、それぞれ、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際の起点となる位置(起点A)から順次取り外す方向に沿って統一されるように形成されている。また、後側係合凸部15(10番目)の傾斜方向は、起点Aから後側係合凸部15(10番目)に向かって取り外す方向に沿って傾斜するように形成されている。
【0034】
具体的には、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する最初(1番目)の位置を起点Aとした場合に、2番目〜9番目に係合状態を解除する前側係合凸部12の傾斜方向は、起点Aを基準にして、反時計回り方向に沿って傾斜方向が同じ方向を向くように統一して形成されている。また、10番目に係合状態を解除する後側係合凸部15は、係合状態を解除する際の起点となる位置(起点A)を基準にして、起点Aから時計回り方向に沿って傾斜するように形成されている。
【0035】
なお、後側筐体10の後側係合凸部15は、前側筐体9の前側係合凸部12と同様の構成を有する。また、前側筐体9の前側係合凹部13は、後側筐体10の後側係合凹部14と同様の構成を有する。
【0036】
次に、図14〜図16を参照して、前側筐体9と後側筐体10との組み立てについて説明する。
【0037】
まず、図14に示すように、前側筐体9と後側筐体10との組み立て時には、前側筐体9および後側筐体10に係合方向(Z方向)の力が加えられることによって、図15に示すように、前側係合凸部12の取付用傾斜部12fが後側係合凹部14の取付用傾斜部14cと当接する。
【0038】
その後、さらに前側筐体9および後側筐体10に係合方向(Z方向)の力が加えられることによって、前側係合凸部12の取付用傾斜部12fと、後側係合凹部14の取付用傾斜部14cとが当接した状態で、前側係合凸部12が矢印X1方向に撓み始める。そして、さらに前側筐体9および後側筐体10に係合方向(Z方向)の力が加えられることによって、図16に示すように、前側係合凸部12が後側係合凹部14に嵌まり込むことにより、前側筐体9と後側筐体10とが係合される(組み立てられる)。
【0039】
次に、図17〜図20を参照して、前側筐体9と後側筐体10との分解(取外し)について説明する。
【0040】
まず、図17に示すように、前側係合凸部12と、後側係合凹部14とが係合されている状態から、前側筐体9および後側筐体10に互いに離間する方向に力が加えられる。
【0041】
そして、図18に示すように、前側係合凸部12の取外し用傾斜部12bが矢印X1方向に撓み始めるとともに、取外し用傾斜部12bと、後側係合凹部14の係合面14aの端辺14bとの交点Aが取外し用傾斜部12bに沿って徐々に取外し用傾斜部12bの一方端部12c方向(矢印Y1方向)へ移動する。このとき、前側係合凸部12の取外し用傾斜部12bは、係合面14aの端辺14bから徐々に矢印X1方向に外れ始める。
【0042】
さらに、前側筐体9と後側筐体10とが互いに離間する方向に力が加えられることによって、図19に示すように、取外し用傾斜部12bと、端辺14bとの交点が頂部12eまで移動した後に、図20に示すように、前側係合凸部12の取外し用傾斜部12bと、後側係合凹部14の係合面14aの端辺14bとが完全に離間することによって、前側係合凸部12と、後側係合凹部14との係合状態が解除される。つまり、前側筐体9と後側筐体10とが分解される。
【0043】
本実施形態では、上記のように、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際に、前側係合凸部12を撓ませながら、直線状の取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点を直線状の取外し用傾斜部12bに沿って移動させることにより、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除するように構成する。これにより、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除(分解)する際に、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点を取外し用傾斜部12bに沿って移動させながら前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態が解除されるので、前側係合凸部12が後側係合凹部14に引っ掛からないようにすることができる。その結果、分解方向(係合方向)に加えられた力が前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合面12a(14a)に集中するのを抑制することができるので、薄型の前側筐体9と薄型の後側筐体10との分解時に前側係合凸部12が破損するのを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが係合した状態において、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点よりも取外し用傾斜部12bの一方端部12c側で、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが当接するように配置するとともに、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点よりも取外し用傾斜部12bの他方端部12d側で、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが当接しないように配置すれば、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが係合した状態において、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが当接している領域では、前側係合凸部12と後側係合凹部14との保持力(係合状態)を維持することができる。また、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際に、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが当接していない領域を起点として、前側係合凸部12と後側係合凹部14とに大きな力を加えることなく、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、前側係合凸部12の係合面12aの取外し用傾斜部12bの傾斜角度θを、取付用傾斜部12fの傾斜角度θよりも小さくなるように形成すれば、取外し用傾斜部12bの傾斜角度θが取付用傾斜部12fの傾斜角度θよりも大きくなるように形成されている場合と比べて、取外し用傾斜部12bの傾斜角度θが比較的小さい(緩やかな)分、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際に、取外し用傾斜部12bと端辺14bとの交点を取外し用傾斜部12bに沿って移動させ易くすることができるので、容易に、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、前側係合凸部12の係合面12aの取外し用傾斜部12bの延びる方向の幅W1を、取付用傾斜部12fの延びる方向の幅W4よりも大きくなるように構成すれば、前側係合凸部12の係合面12aの取外し用傾斜部12bの延びるY方向の幅W1が取付用傾斜部12fの延びるZ方向の幅W4よりも小さくなるように構成されている場合と比べて、係合面12aの取外し用傾斜部12bの延びるY方向の幅W1が比較的大きい分、容易に、取外し用傾斜部12bの傾斜角度θを比較的小さくすることができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、前側係合凸部12と後側係合凹部14とが係合した状態において、係合方向(Z方向)から見て、取外し用傾斜部12bの他方端部12dと、後側係合凹部14の係合面14aの端辺14bとの間に、隙間を形成すれば、取外し用傾斜部12bの他方端部12dと、後側係合凹部14の端辺14bとの間に隙間がない場合と異なり、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する方向(Z方向)に力が加えられた際に、取外し用傾斜部12bを撓み易くさせることができるので、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態をより解除し易くすることができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、9つの前側係合凸部12の係合面12aの取外し用傾斜部12bを、それぞれ、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際の起点となる位置から順次取り外す方向に沿って傾斜方向を統一するように形成すれば、前側筐体9と後側筐体10とを取り外す方向に力を加えた(引っ張った)場合に、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する際の起点となる位置(起点A)から取り外す方向に沿って前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を順番に連続して円滑に解除することができる。
【0049】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0050】
たとえば、上記実施形態では、本発明の薄型筐体の固定構造をポータブルBDプレーヤの前側筐体および後側筐体に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、薄型でかつ小型の筐体を備えていれば、PC(Personal Computer)、携帯電話機および電子書籍などにも適用可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、本発明の第1筐体の一例として前側筐体を適用するとともに、本発明の第2筐体の一例として後側筐体を適用したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の第1筐体を後側筐体とするとともに、本発明の第2筐体を前側筐体としてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、前側筐体に7つの前側係合凸部および2つの係合凹部を形成するとともに、後側筐体に7つの後側係合凹部および2つの後側係合凸部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、前側筐体に7つ以外の係合凸部を形成するとともに、後側筐体に7つ以外の係合凹部を形成してもよい。また、前側筐体に7つ以外の係合凹部を形成するとともに、後側筐体に7つ以外の係合凸部を形成してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、図13に示したように、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する最初(1番目)の位置を起点Aとした場合に、起点Aに最も近い前側係合凸部12の係合状態を2番目に解除するとともに、起点Aに最も近い後側係合凸部15の係合状態を10番目に解除する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、前側係合凸部12と後側係合凹部14との係合状態を解除する最初(1番目)の位置を起点Aとした場合に、起点Aに最も近い後側係合凸部15の係合状態を2番目に解除するとともに、起点Aに最も近い前側係合凸部12の係合状態を3番目に解除してもよい。また、起点Aに最も近い後側係合凸部15と、起点Aに最も近い前側係合凸部12との係合状態を略同時に2番目に解除してもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、前側筐体に係合方向から見て直角三角形形状の前側係合凸部(後側係合凸部)を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図21に示す第1変形例のように、前側筐体9aに二等辺三角形形状の係合凸部91aを形成してもよい。この場合、前側筐体9aと後側筐体10aとを分解する際には、係合凸部91aの2つの傾斜部92aおよび93aと、後側筐体10aの係合面の端辺101aとの2つの交点が2つの傾斜部92aおよび93aに沿って移動することにより、2つの傾斜部92aおよび93aと、端辺101aとの係合状態が解除される。
【0055】
また、上記実施形態では、前側筐体に係合方向から見て直角三角形形状の前側係合凸部(後側係合凸部)を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図22に示す第2変形例のように、前側筐体9bに台形形状の係合凸部91bを形成してもよい。この場合、前側筐体9bと後側筐体10bとを分解する際には、係合凸部91bの2つの傾斜部92bおよび93bと、後側筐体10bの係合面の端辺101bとの2つの交点が2つの傾斜部92bおよび93bに沿って移動することにより、2つの傾斜部92bおよび93bと、端辺101bとの係合状態が解除される。
【0056】
また、上記実施形態では、前側筐体に係合方向から見て直線状を有する第1傾斜部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図23に示す第3変形例のように、前側筐体9cに曲線状を有する係合凸部91cを形成してもよい。この場合、前側筐体9cと後側筐体10cとを分解する際には、係合凸部91cの傾斜部92cと、後側筐体10cの係合面の端辺101cとの交点が曲線状の傾斜部92cに沿って移動することにより、傾斜部92cと、端辺101cとの係合状態が解除される。
【0057】
また、上記実施形態では、前側係合凸部(後側係合凸部)に第1傾斜部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図24に示す第4変形例のように、前側筐体9dに形成された係合凸部91dを係合方向から見て略矩形形状に形成するとともに、後側筐体10dに形成された係合凹部101dの係合面に直線状の傾斜部102dを形成してもよい。この場合、前側筐体9dと後側筐体10dとを分解する際には、係合凸部91dの端辺92dと、後側筐体10dの係合面の傾斜部102dとの交点が直線状の傾斜部102dに沿って移動することにより、傾斜部102dと、端辺92dとの係合状態が解除される。
【0058】
また、上記実施形態では、前側係合凸部(後側係合凸部)に第1傾斜部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図25に示す第5変形例のように、前側筐体9eに形成された係合凸部91eを係合方向から見て略矩形形状に形成するとともに、後側筐体10eに形成された係合凹部101eの係合面に曲線状の傾斜部102eを形成してもよい。この場合、前側筐体9eと後側筐体10eとを分解する際には、係合凸部91eの端辺92eと、後側筐体10eの係合面の傾斜部102eとの交点が曲線状の傾斜部102eに沿って移動することにより、傾斜部102eと、端辺92eとの係合状態が解除される。
【0059】
また、上記実施形態では、前側係合凸部を前側筐体の外側から内側(表示パネル側)に向かって突出するように形成するとともに、後側係合凸部を後側筐体の内側から外側に向かって形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図26に示す第6変形例のように、前側係合凸部12を前側筐体の外側から内側に向かって突出するように形成するとともに、後側係合凸部15を後側筐体の外側から内側に向かって突出するように形成してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、前側係合凸部(後側係合凸部)と後側係合凹部(前側係合凹部)との係合状態を解除する最初の位置を起点Aとした場合に、反時計回り方向に取り外す順番(2番目〜9番目)に沿って傾斜方向が同じ方向を向くように形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図27に示す第7変形例のように、前側係合凸部(後側係合凸部)と前側係合凹部(前側係合凹部)との係合状態を解除する最初(1番目)の位置を起点Bとした場合に、2番目〜9番目に係合状態を解除する前側係合凸部(後側係合凸部)の傾斜方向は、起点Bを基準にして、時計回り方向に沿って傾斜方向が同じ方向を向くように統一して形成してもよい。また、10番目に係合状態を解除する後側筐体の後側係合凸部は、係合状態を解除する際の起点となる位置(起点B)を基準にして、反時計回り方向に沿って傾斜するように形成するとよい。
【符号の説明】
【0061】
9 前側筐体(第1筐体)
10 後側筐体(第2筐体)
12 前側係合凸部(係合凸部)
12b 取外し用傾斜部(第1傾斜部)
12c 一方端部
12d 他方端部
12f 取付用傾斜部(第2傾斜部)
14 後側係合凹部(係合凹部)
14a 係合面
14b 端辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合凸部または係合凹部のうちの少なくとも一方を含む薄型の第1筐体と、
前記第1筐体の前記係合凸部または前記係合凹部のうちの少なくとも一方と係合する前記係合凸部または前記係合凹部のうちの少なくとも他方を含む薄型の第2筐体とを備え、
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの一方の係合面には、前記係合凸部と前記係合凹部との係合方向から見て、係合方向と略直交する方向の一方端部近傍から他方端部近傍までの領域にわたって、前記係合凸部または前記係合凹部のうちの他方の係合面の端辺に対して交差して傾斜する第1傾斜部が形成され、
前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態を解除する際には、前記係合凸部または前記係合凹部のうちの少なくとも一方が撓みながら、前記第1傾斜部と前記端辺との交点が前記第1傾斜部に沿って移動することにより、前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態が解除されるように構成されている、薄型筐体の固定構造。
【請求項2】
前記係合凸部と前記係合凹部とが係合した状態において、前記第1傾斜部と前記端辺との交点よりも前記第1傾斜部の一方端部側では、前記係合凸部と前記係合凹部とが当接するように配置されているとともに、前記第1傾斜部と前記端辺との交点よりも前記第1傾斜部の他方端部側では、前記係合凸部と前記係合凹部とが当接しないように配置されている、請求項1に記載の薄型筐体の固定構造。
【請求項3】
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの一方の係合面には、前記係合凸部と前記係合凹部との係合を容易にするために係合方向に対して傾斜する第2傾斜部が形成され、
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの一方の係合面の前記第1傾斜部の傾斜角度は、前記第2傾斜部の傾斜角度よりも小さくなるように形成されている、請求項1または2に記載の薄型筐体の固定構造。
【請求項4】
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの一方の係合面の前記第1傾斜部の延びる方向の幅は、前記第2傾斜部の延びる方向の幅よりも大きくなるように構成されている、請求項3に記載の薄型筐体の固定構造。
【請求項5】
前記係合凸部と前記係合凹部とが係合した状態において、係合方向から見て、前記第1傾斜部の他方端部と、前記係合凸部または前記係合凹部のうちの他方の係合面の端辺との間には、隙間が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄型筐体の固定構造。
【請求項6】
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの少なくとも一方は、前記第1筐体の外周辺に沿って複数形成され、
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの少なくとも他方は、前記第2筐体の外周辺に沿って複数形成され、
前記複数の前記係合凸部または前記係合凹部のうちの一方の係合面の前記第1傾斜部は、それぞれ、前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態を解除する際の起点となる位置から順次取り外す方向に沿って傾斜方向が統一されるように形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄型筐体の固定構造。
【請求項7】
前記係合凸部または前記係合凹部のうちの一方の前記第1傾斜部の形状は、直線状および曲線状を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄型筐体の固定構造。
【請求項8】
前記第1傾斜部は、前記係合凸部側の係合面に形成されているとともに、前記係合凸部と前記係合凹部との係合方向から見て、係合方向と略直交する方向の一方端部近傍から他方端部近傍にわたって、略一定の傾斜角度で直線状に延び、かつ、前記係合凹部の係合面の端辺に対して交差するように構成され、
前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態を解除する際には、前記係合凸部または前記係合凹部のうちの少なくとも一方が撓みながら、前記直線状の第1傾斜部と前記端辺との交点が前記直線状の第1傾斜部に沿って移動することにより、前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態が解除されるように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄型筐体の固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−145125(P2012−145125A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1810(P2011−1810)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】