薄膜型太陽電池及びその製造方法
【課題】背面電極内に光透過部をパターン形成することによって光透過部を通して太陽光が透過されるようにし、従来の薄膜型太陽電池に比べて光透過領域が増加し、ガラス窓の代用とするのに充分な可視圏を確保できる薄膜型太陽電池を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に所定間隔離間して形成される前面電極と、前面電極上にコンタクト部または分離部を介在して離間して形成される半導体層と、コンタクト部を通じて前面電極と連結され、分離部を介在して離間して形成される背面電極と、を含んでなり、ここで、光透過領域を増大させるために、所定部分に光透過部が設けられるように背面電極がパターン形成されたことを特徴とする薄膜型太陽電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に所定間隔離間して形成される前面電極と、前面電極上にコンタクト部または分離部を介在して離間して形成される半導体層と、コンタクト部を通じて前面電極と連結され、分離部を介在して離間して形成される背面電極と、を含んでなり、ここで、光透過領域を増大させるために、所定部分に光透過部が設けられるように背面電極がパターン形成されたことを特徴とする薄膜型太陽電池及びその製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜型太陽電池(Solar Cell)に関するもので、より具体的には、建物のガラス窓の代用として使用可能なように広い光透過領域が確保された薄膜型太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、半導体の性質を用いて光エネルギーを電気エネルギーに変換させる装置である。
【0003】
太陽電池の構造及び原理について簡単に説明すると、太陽電池は、P(positive)型半導体とN(negative)型半導体とを接合させたPN接合構造とされており、このような構造の太陽電池に太陽光が入射すると、入射した太陽光が持っているエネルギーにより半導体内で正孔(hole)及び電子(electron)が発生するが、この時、PN接合において発生した電場により正孔(+)はP型半導体側に移動し、電子(−)はN型半導体側に移動することで電位が発生し、これにより電力生産が可能になるという原理を有する。
【0004】
このような太陽電池は、基板型太陽電池と薄膜型太陽電池とに区分することができる。
【0005】
基板型太陽電池は、シリコンのような半導体物質自体を基板として用いてなる太陽電池で、薄膜型太陽電池は、ガラスなどの基板上に薄膜状に半導体を形成してなる太陽電池である。
【0006】
基板型太陽電池は、薄膜型太陽電池に比べて効率面で多少優れているが、工程上、厚さを最小化するのには限界があり、高価である半導体基板を用いるため製造コストが上昇する短所があり、光透過領域の確保が難しいため建物のガラス窓の代用とすることが難しい。
【0007】
一方、薄膜型太陽電池は、基板型太陽電池に比べて効率面では多少劣るが、薄い厚さで製造可能であり、安価である材料の使用によって製造コストが減少するため量産に好適であり、光透過領域の確保が相対的に容易なため、建物のガラス窓の代用とすることができる。
【0008】
以下、添付の図面を参照しつつ、従来の薄膜型太陽電池について説明する。
【0009】
図1は、従来の薄膜型太陽電池を示す概略斜視図である。
【0010】
図1に示すように、従来の薄膜型太陽電池は、基板10上に所定間隔離間して前面電極20が形成されており、前面電極20上に半導体層30及び透明導電層40が順次に形成されている。半導体層30及び透明導電層40のそれぞれには、コンタクト部35及び分離部55が形成されている。そして、透明導電層40上に背面電極50が形成されている。ここで、背面電極50は、コンタクト部35を通じて前面電極20と電気的に連結されており、分離部55を介して所定間隔離間して形成されている。
【0011】
このような従来の薄膜型太陽電池を建物のガラス窓の代用とするには下記のような問題点があった。
【0012】
第一に、建物のガラス窓は、可視圏が保障されなければならないため、建物のガラス窓の代用に薄膜型太陽電池を使用するには、ある程度の光透過領域を確保しなければならない。ところが、前面電極20は透明金属を用いるが、背面電極50は不透明金属を用いるため、従来の薄膜型太陽電池において光透過領域は背面電極50同士間の領域である分離部55に限定される。このため、従来は、光透過領域が極めて限定され、可視圏が保障されないという問題点があった。
【0013】
第二に、光透過領域を増加させる目的で背面電極50間の領域である分離部55の幅を増加させることが考えられるが、そうすると、電池効率の低下及び工程時間の増加という問題につながる。すなわち、分離部55の幅を増加させると、その分だけ、電力生産のための有効領域が減少し、電池効率が低下してしまう。なお、分離部55はレーザースクライビング工程を用いて形成するので、分離部55の幅を増大させるにはレーザースクライビング工程を数回行なわねばならず、工程時間が長くかかってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記従来の薄膜型太陽電池の問題点を解決するためのもので、その目的は、電池効率の低下及び工程時間の増加を防止しながらも広い光透過領域を確保することによって、建物のガラス窓の代用として容易に使用できる薄膜型太陽電池及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明は、基板と、前記基板上に所定間隔離間して形成される前面電極と、前記前面電極上にコンタクト部または分離部を介在して離間して形成される半導体層と、前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成される背面電極と、を含んでなり、ここで、光透過領域を増大させるために、所定部分に光透過部が設けられるように前記背面電極がパターン形成されたことを特徴とする薄膜型太陽電池を提供する。
【0016】
本発明は、基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部及び分離部を形成する工程と、前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法を提供する。
【0017】
本発明は、基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部を形成する工程と、前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部内の半導体層を除去すると共に前記分離部内の半導体層を除去する工程と、を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記の本発明によると、下記の効果を奏することができる。
【0019】
第一に、本発明による薄膜型太陽電池は、背面電極内に光透過部をパターン形成するため、該光透過部を通して太陽光が透過されることができ、従来の薄膜型太陽電池に比べて光透過領域が増大し、ガラス窓の代用とするのに充分な可視圏を確保することができる。
【0020】
第二に、本発明による薄膜型太陽電池の製造方法は、様々な印刷方法を用いて背面電極をパターン形成するため、従来のレーザースクライビング工程によりパターン形成する場合に比べて、工程が単純化し、基板が汚染される恐れも減る。また、印刷方法を用いて背面電極をパターン形成するため、光透過部の全体面積を容易に調節でき、太陽電池の光透過領域を所望の範囲に容易に設定でき、必要によって可視領域を適切に変更することが可能になる。
【0021】
第三に、本発明による薄膜型太陽電池の一形態では、光透過部に露出される透明導電層と半導体層を除去し、この光透過部に前面電極を露出させているため、基板下部から入射する太陽光が光透過部を通して透過される時に、基板と前面電極のみを経由し、光の透過率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の薄膜型太陽電池の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の斜視図である。
【図3a】図2のA−A矢視断面図である。
【図3b】図2のB−B矢視断面図である。
【図3c】図2のC−C矢視断面図である。
【図4a】本発明による光透過部の様々なパターンを示す平面図である。
【図4b】本発明による光透過部の様々なパターンを示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の斜視図である。
【図6a】図5のA−A矢視断面図である。
【図6b】図5のB−B矢視断面図である。
【図6c】図5のC−C矢視断面図である。
【図7a】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図7b】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図7c】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図7d】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施例によるレーザースクライビング装備の概略を示す模式図である。
【図9a】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9b】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9c】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9d】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9e】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図10a】本発明の様々な実施例による湿式エッチング方法を示す概念図である。
【図10b】本発明の様々な実施例による湿式エッチング方法を示す概念図である。
【図11】湿式エッチング工程時に過剰エッチングが発生する様子を示す断面図である。
【図12a】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12b】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12c】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12d】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12e】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0024】
〈薄膜型太陽電池〉
図2は、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の斜視図であり、図3aは、図2のA−A矢視断面図であり、図3bは図2のB−B矢視断面図であり、図3cは図2のC−C矢視断面図である。
【0025】
図2及び図3a〜図3cに示すように、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池は、基板100、前面電極200、半導体層300、透明導電層400、及び背面電極500を含んでいる。
【0026】
基板100は、ガラスまたは透明なプラスチックからなることができる。
【0027】
前面電極200は、基板100上に所定間隔で形成され、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:F、ITO(Indium Tin Oxide)などのような透明な導電物質からなることができる。前面電極200は、太陽光が入射する面である点から、入射する太陽光が太陽電池の内部に最大限に吸収されるようにすることが重要であり、そのために、前面電極200は凹凸構造にすると良い。前面電極200が凹凸構造とされる場合、入射する太陽光が太陽電池外に反射される割合は減少する一方で、入射される太陽光の散乱により太陽電池内に太陽光が吸収される割合は増加し、太陽電池の効率が増大するという効果がある。
【0028】
半導体層300は、前面電極200上にコンタクト部350または分離部550を介在させて、互いに離間して形成される。半導体層300は、シリコン系半導体物質からなることができ、P型半導体層、I型半導体層及びN型半導体層が順次積層されたPIN構造とされることができる。このように、半導体層300をPIN構造とすれば、I型半導体層がP型半導体層とN型半導体層により空乏(depletion)されて内部に電場が発生し、太陽光により生成される正孔及び電子が電場によりドリフト(drift)され、それぞれP型半導体層及びN型半導体層で収集されることとなる。一方、半導体層300がPIN構造とされる場合には、前面電極200の上部にP型半導体層を形成し、続いてI型半導体層及びN型半導体層を形成することが好ましい。これは、一般的に正孔のドリフト移動度(drift mobility)が電子のドリフト移動度に比べて低い点から、入射光による収集効率を極大化するためにP型半導体層を受光面の近くに形成するからである。
【0029】
一方、半導体層300は、図2の拡大図に示すように、第1半導体層310、バッファー層320、及び第2半導体層330が順次積層され、いわゆるタンデム(tandem)構造に形成されてもよい。
【0030】
第1半導体層310及び第2半導体層330はいずれも、P型半導体層、I型半導体層及びN型半導体層が順次積層されたPIN構造となる。
【0031】
第1半導体層310は、PIN構造の非晶質半導体物質からなり、第2半導体層330は、PIN構造の微晶質半導体物質からなることができる。
【0032】
非晶質半導体物質は短波長の光をよく吸収し、微晶質半導体物質は長波長の光をよく吸収する特性があるため、非晶質半導体物質と微晶質半導体物質とを組み合わせる場合、光吸収率が増大することができる。ただし、必ずしもこれに限定されるわけではなく、第1半導体層310として非晶質半導体/ゲルマニウム、微晶質半導体物質など様々な変更が可能であり、第2半導体層330として非晶質半導体物質、非晶質半導体/ゲルマニウムなど様々な変更が可能である。
【0033】
バッファー層320は、第1半導体層310及び第2半導体層330との間でトンネル接合により正孔及び電子の移動を円滑にする役割を担うもので、ZnOのような透明な物質からなる。
【0034】
また、半導体層300は、タンデム構造の他に、第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層、及びそれぞれの半導体層間に形成されたバッファー層を含むトリプル(triple)構造に形成されても良い。
【0035】
透明導電層400は、半導体層300上において半導体層300と同じパターンで形成される。すなわち、透明導電層400も同様に、コンタクト部350または分離部550を介在させて、互いに離間して形成される。透明導電層400は、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、ZnO:H、Agのような透明な導電物質からなることができる。透明導電層400は省略しても良いが、太陽電池の効率増大の面では、透明導電層400を形成することが好ましい。これは、透明導電層400を形成すると、半導体層300を透過した太陽光が透明導電層400を通過しながら散乱により様々な角度で進行され、よって、背面電極500で反射されて半導体層300に再入射する光の割合を増加できるためである。
【0036】
コンタクト部350と分離部550は、半導体層300及び透明導電層400の所定領域が除去されてなり、互いに隔たって交互に形成される。
【0037】
背面電極500は、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在させて離間して形成される。この背面電極500は、Ag、Al、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cuなどのような金属からなることができる。
【0038】
背面電極500は、所定部分に光透過部570が設けられるようにパターン形成されている。光透過部570は、背面電極500を構成する金属が形成されていない領域である。したがって、光透過部570には透明導電層400が露出されており、露出された透明導電層400の下には、太陽光が透過されうる半導体層300、前面電極200及び基板100が順次に形成されている。このため、基板100の下部から入射する太陽光は、光透過部570を通じて透過されることができるため、太陽電池の光透過領域が増大することとなる。ここで、もし、半導体層300上に透明導電層400が形成されずに省かれたとすれば、光透過部570には半導体層300が露出される。
【0039】
光透過部570は、図2のように直線形パターンにしても良いが、これに限定されず、背面電極500において様々なパターンにしても良い。図4a及び図4bは、光透過部570の様々なパターンを示す図で、図2の平面図に該当する。光透過部570は、図4aのように曲線形パターンにしても良く、図4bのように文字パターンにしても良い。また、図示してはいないが、光透過部570は記号パターンにしても良く、必要によって多様に変更して形成されることができる。
【0040】
このように、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池は、分離部550に加えて光透過部570を通して太陽光が透過可能なため、光透過領域が従来に比べて増加し、よって、ガラス窓の代用とするのに充分な可視圏を確保することが可能となる。特に、光透過部570の全体面積を調節することで太陽電池の光透過領域を設定できるため、必要によって可視領域を適切に変更可能である。また、光透過部570を文字パターンまたは記号パターンとすることによって、必要によって広告効果も奏することができる。
【0041】
図5は、本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の斜視図で、図6aは図5のA−A矢視断面図で、図6bは図5のB−B矢視断面図で、図6cは図5のC−C矢視断面図である。図5に示す本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池は、前述した図2に示す薄膜型太陽電池において光透過部570内に露出された透明導電層400及びその下部の半導体層300を除去することによって、光透過率をより増大させたものである。この光透過部570内における構成以外は、前述した図2に示す薄膜型太陽電池と同一であり、したがって、同一構成については同一の図面符号を付し、その同一構成についての具体的な説明は省略する。
【0042】
図5及び図6a〜図6cに示すように、本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池は、背面電極500内に光透過部570が設けられており、この光透過部570には前面電極200が露出されている。したがって、基板100の下部から入射する太陽光が、光透過部570を通して透過される時、太陽光が基板100と前面電極200のみを経由するため、前述した図2による薄膜型太陽電池に比べて光の透過率が増大することができる。
【0043】
一方、図5には、光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300が共に除去され、光透過部570に前面電極200が露出された様子を示すが、必ずしもこれに限定されることはなく、光透過部570内の透明導電層400のみが除去され、光透過部570に半導体層300が露出されるようにしても良い。
【0044】
〈薄膜型太陽電池の製造方法〉
図7a〜図7dは、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図で、前述した図2に示す薄膜型太陽電池を製造する方法に関する。
【0045】
まず、図7aに示すように、基板100上に所定間隔で前面電極200を形成する。
【0046】
前面電極200を形成する工程は、スパッタリング(Sputtering)法またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などを用いて基板100の全面にZnO、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:F、ITO(Indium Tin Oxide)などのような透明な導電物質層を形成した後、レーザースクライビング法を用いて導電物質層の所定領域を除去する工程からなることができる。
【0047】
前面電極200は、太陽光が入射する面である点から、入射する太陽光を太陽電池の内部に最大限に吸収させるためにテキスチャ(texturing)加工工程により凹凸構造にすれば良い。テキスチャ加工工程は、物質表面を凸凹状の構造に形成し、あたかも織物の表面のような形状に加工する工程で、フォトリソグラフィ法(photolithography)を用いたエッチング工程、化学溶液を用いた異方性エッチング工程(anisotropic etching)、または機械的スクライビング(mechanical scribing)を用いた溝形成工程などにより行なうことができる。
【0048】
次に、図7bに示すように、基板100の全面に半導体層300及び透明導電層400を順に形成する。
【0049】
半導体層300は、シリコン系半導体物質をプラズマCVD法などを用いてPIN構造に形成することができる。
【0050】
一方、図示せぬが、図2の拡大図で上述したように、第1半導体層310、バッファー層320、及び第2半導体層330を順次積層し、いわゆるタンデム(tandem)構造に半導体層300を形成することができる。
【0051】
透明導電層400は、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、Agのような透明な導電物質を用いてスパッタリング(Sputtering)法またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などにより形成することができる。透明導電層400は省略可能である。
【0052】
次に、図7cに示すように、半導体層300及び透明導電層400の所定領域を除去して、コンタクト部350及び分離部550を形成する。
【0053】
コンタクト部350及び分離部550を形成する工程は、レーザースクライビング法を用いることができる。コンタクト部350をまず形成し、分離部550を後で形成することもでき、分離部550をまず形成し、コンタクト部350を後で形成することもでき、コンタクト部350と分離部550を同時に形成することもできる。
【0054】
特に、1回のレーザービームの照射によりコンタクト部350と分離部550を同時に形成できるが、これについて図8を参照して説明すると、下記の通りである。
【0055】
図8は、本発明の一実施例によるレーザースクライビング装備の概略を示す模式図である。図8に示すように、本発明によるレーザースクライビング装備は、レーザー発振器600、第1ミラー610、第2ミラー630、第1レンズ650、及び第2レンズ670からなる。レーザー発振器600からレーザービームが放出されると、放出されたレーザービームが第1ミラー610に入射する。この時、第1ミラー610は、入射するレーザービームの一部、好ましくは半分は通過させ、入射するレーザービームの残りは反射させる。したがって、第1ミラー610を通過したレーザービームは、第1レンズ650を通して対象物に照射され、第1ミラー610で反射されたレーザービームは、第2ミラー630を経て第2レンズ670を通して対象物に照射される。この時、第2ミラー630は、入射するレーザービームの全部を反射させる。
【0056】
結果として、1個のレーザー発振器600から放出されたレーザービームは2つに分割されて照射され、このように2つに分割されたレーザービームにより、コンタクト部350及び分離部550を同時に形成できるわけである。
【0057】
次に、図7dに示すように、背面電極500をパターン形成することで、前述した図2に示す薄膜型太陽電池を完成する。
【0058】
背面電極500は、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在させて互いに離間しており、その内部には光透過領域の増大のために光透過部570が設けられるようにパターン形成される。
【0059】
このようなパターンの背面電極500は、印刷法を用いて一回の工程で形成することができる。すなわち、背面電極500は、Ag、Al、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cuなどのような金属ペースト(Paste)を用いて、スクリーンプリンティング(screen printing)、インクジェットプリンティング(inkjet printing)、グラビアプリンティング(gravure printing)、グラビアオフセットプリンティング(gravure offset printing)、リバースオフセットプリンティング(reverse offset printing)、フレキソプリンティング(flexo printing)、またはマイクロコンタクトプリンティング(microcontact printing)工程でパターン形成できる。
【0060】
このように、印刷法を用いて背面電極500をパターン形成すると、工程が単純化され、レーザースクライビング工程を用いてパターン形成する場合に比べて基板が汚染される可能性が減り、基板の汚染防止のための洗浄工程も減ることとなる。
【0061】
図9a〜図9eは、本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図で、前述した図5に示す薄膜型太陽電池を製造する方法に関する。前述した一実施例によって製造された薄膜型太陽電池は、光透過部570に透明導電層400が露出される(もし、透明導電層400を形成しない場合には半導体層300が露出される)ので、本実施例は、光透過部570に露出される透明導電層400と半導体層300をさらに除去することによって光透過率の増大した薄膜型太陽電池が得られるようにする。以下、本実施例における説明において、前述した一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程と同一の構成についての具体的な説明は省略するものとする。
【0062】
まず、図9aに示すように、基板100上に所定間隔で前面電極200を形成する。
【0063】
次に、図9bに示すように、基板100の全面に半導体層300及び透明導電層400を順に形成する。透明導電層400は省略しても良い。
【0064】
続いて、図9cに示すように、半導体層300及び透明導電層400の所定領域を除去してコンタクト部350及び分離部550を形成する。
【0065】
次いで、図9dに示すように、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在して離間して形成され、その内部には光透過領域を増大させるための光透過部570が設けられるように背面電極500をパターン形成する。
【0066】
次に、図9eに示すように、光透過部570内に露出された透明導電層400及びその下部の半導体層300を除去して、前述した図5に示す薄膜型太陽電池を完成する。
【0067】
図9eによる工程では、光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300を共に除去し、光透過部570に前面電極200を露出させる様子について示したが、必ずしもこれに限定されるわけではなく、光透過部570内の透明導電層400のみを除去し、光透過部570に半導体層300を露出させることも可能である。
【0068】
光透過部570に露出された透明導電層400及び半導体層300の除去は、乾式エッチング工程を用いて行うことができる。この時、エッチングガスを調節して透明導電層400と半導体層300を同時に除去しても良く、エッチングガスを二回にわたって供給することによって、透明導電層400をまず除去してから、半導体層300を除去することも可能である。
【0069】
透明導電層400を除去するためのエッチングガスは、CH4、C2H6、BCl3、Cl2、Ar、及びH2の中から選ばれる少なくとも一つのガスを使用することができる。
【0070】
半導体層300を除去するためのエッチングガスは、フルオロ系ガス、塩素系ガス、またはフルオロ系ガスと塩素系ガスとの混合ガスを使用することができる。この場合、フルオロ系ガスは、C2F6、SF6、CF4、及びC4F8のうち少なくとも一つのガスを使用でき、塩素系ガスは、Cl2、BCl3、及びSiCl4のうち少なくとも一つのガスを使用することができる。
【0071】
このように、乾式エッチング工程を用いて透明導電層400及び半導体層300を除去した後には、略80〜150℃範囲のオーブンで乾燥する工程を行なうことができる。ただし、この乾燥する工程は省略しても良い。
【0072】
光透過部570に露出された透明導電層400及び半導体層300を除去する工程は、背面電極500をマスクとして湿式エッチング方法を用いて行なうこともできる。
【0073】
この湿式エッチング方法は、図10aに示すように、エッチング槽710に所定のエッチング液700を貯留し、このエッチング液700に基板を浸漬する方式としても良く、図10bに示すように、ノズル720を用いて基板上に所定のエッチング液700を吹き付ける方式としても良い。特に、図10bのように基板上に所定のエッチング液700を吹き付ける時、基板を移送ローラ730により移送することによってエッチング工程を連続的に行なうことも可能である。
【0074】
このように湿式エッチング方法を利用すると、一般的な乾式エッチング方法に比べて低コストとなり、工程速度も増加して生産性が向上するという効果が得られるが、このような効果を奏するには、適切な湿式エッチング工程条件を見出す必要がある。そこで、本発明者は実験を重ねた結果、好適な湿式エッチング工程条件を見出すに至った。具体的には、好適なエッチング液の組成を見出すとともに、そのようなエッチング液の組成を用いてエッチング工程を行なうに当ってエッチング液温度及びエッチング時間なども好適な条件を見いだすことができた。
【0075】
まず、好適なエッチング液の組成について説明すると、NaOH、KOH、HCl、HNO3、H2SO4、H3PO3、H2O2、及びC2H2O4からなる群より選ばれる少なくとも一つのエッチング物質を含むエッチング液を使用することが好ましい。また、エッチング物質を水に希釈し、このエッチング物質の水溶液をエッチング液とすることができるが(エッチング物質が固体状態のものである場合は、必ず水に希釈して使用する)、この場合、エッチング物質と水を0.1:9.9〜9.9:0.1の重量比で含むことが好ましく、より好ましくは、エッチング物質と水を1:9〜9:1の重量比で含むと良い。
【0076】
エッチング物質と水の重量比が、0.1:9.9未満(例えば、0.01:9.99)の場合には、エッチングが円滑に行なわれず、エッチング工程に長時間がかかるという問題が生じるかもしれず、エッチング物質と水の重量比が9.9:0.1を超過(例えば、9.99:0.01)する場合には、粉末状態のエッチング物質を使用するときに、水へのエッチング物質の溶解が円滑に進まないという問題が生じ得る。
【0077】
次に、好適なエッチング液温度及びエッチング時間について説明すると、エッチング液の温度は20〜200℃に保つことが好ましく、より好ましくは、エッチング液の温度を50〜100℃に保つと良い。エッチング液の温度を20℃未満にするとエッチングが円滑に行なわれず、エッチング工程に長時間がかかるという問題につながり、エッチング液の温度が200℃を超過するとエッチングが急速に進み、エッチング工程コントロールが難しくなり、結果として過剰エッチング(over-etching)が発生しうる。
【0078】
すなわち、図11を参照すると、背面電極500をマスクとして光透過部570内の透明導電層400及び半導体層300を除去し、その下部の前面電極200を露出させる時、エッチングが急速に進み、所望の量を超過してエッチングされると、透明導電層400と半導体層300が過度にエッチングされるという問題が生じるかもしれず、さらには背面電極500が剥離するという問題もありうる。
【0079】
エッチング時間は、30秒〜10分にすることが好ましく、より好ましくは2分〜5分間維持することが好ましい。エッチング時間が30秒未満である場合は、所望分のエッチングが行なわれず、結果として光透過領域が増大しない可能性があり、エッチング時間が10分を超過すると、図11に示すように、透明導電層400と半導体層300が過度にエッチングされる問題及び背面電極500が剥離するという問題が生じうる。
【0080】
図12a〜図12eは、本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図で、前述した図5による薄膜型太陽電池の製造工程に関する。以下、本実施例の説明において、前述した他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程と同一の構成についての具体的な説明は省略する。
【0081】
まず、図12aに示すように、基板100上に所定間隔で前面電極200を形成する。
【0082】
続いて、図12bに示すように、基板100の全面に半導体層300及び透明導電層400を順に形成する。この透明導電層400は省略可能である。
【0083】
次に、図12cに示すように、半導体層300及び透明導電層400の所定領域を除去してコンタクト部350を形成する。コンタクト部350を形成する工程は、レーザースクライビング法を用いて行なうことができる。
【0084】
このように、本発明のさらに他の実施例によると、半導体層300及び透明導電層400にコンタクト部350を形成する工程時に、分離部(図9cの図面符号550参照)を形成しない。したがって、分離部550の形成工程が省略されることによって、レーザースクライビング装備を縮減することができ、工程が単純化するという長所がある。
【0085】
次に、図12dに示すように、背面電極500をパターン形成する。
【0086】
背面電極500は、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在させて、互いに離間して形成されるとともに、その内部には光透過領域を増大させるための光透過部570が設けられるようにパターン形成される。
【0087】
次に、図12eに示すように、背面電極500をマスクとして光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300を除去する。これで、光透過部570内に前面電極200が露出される。また、背面電極500をマスクとするので、光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300の他に、分離部550内の透明導電層400及びその下部の半導体層300も共に除去される。これで、図5に示す薄膜型太陽電池が完成する。
【0088】
透明導電層400及びその下部の半導体層300の除去工程には、前述した乾式エッチング工程または湿式エッチング工程を用いる。
【符号の説明】
【0089】
100 基板
200 前面電極
300 半導体層
350 コンタクト部
400 透明導電層
500 背面電極
550 分離部
570 光透過部
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜型太陽電池(Solar Cell)に関するもので、より具体的には、建物のガラス窓の代用として使用可能なように広い光透過領域が確保された薄膜型太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、半導体の性質を用いて光エネルギーを電気エネルギーに変換させる装置である。
【0003】
太陽電池の構造及び原理について簡単に説明すると、太陽電池は、P(positive)型半導体とN(negative)型半導体とを接合させたPN接合構造とされており、このような構造の太陽電池に太陽光が入射すると、入射した太陽光が持っているエネルギーにより半導体内で正孔(hole)及び電子(electron)が発生するが、この時、PN接合において発生した電場により正孔(+)はP型半導体側に移動し、電子(−)はN型半導体側に移動することで電位が発生し、これにより電力生産が可能になるという原理を有する。
【0004】
このような太陽電池は、基板型太陽電池と薄膜型太陽電池とに区分することができる。
【0005】
基板型太陽電池は、シリコンのような半導体物質自体を基板として用いてなる太陽電池で、薄膜型太陽電池は、ガラスなどの基板上に薄膜状に半導体を形成してなる太陽電池である。
【0006】
基板型太陽電池は、薄膜型太陽電池に比べて効率面で多少優れているが、工程上、厚さを最小化するのには限界があり、高価である半導体基板を用いるため製造コストが上昇する短所があり、光透過領域の確保が難しいため建物のガラス窓の代用とすることが難しい。
【0007】
一方、薄膜型太陽電池は、基板型太陽電池に比べて効率面では多少劣るが、薄い厚さで製造可能であり、安価である材料の使用によって製造コストが減少するため量産に好適であり、光透過領域の確保が相対的に容易なため、建物のガラス窓の代用とすることができる。
【0008】
以下、添付の図面を参照しつつ、従来の薄膜型太陽電池について説明する。
【0009】
図1は、従来の薄膜型太陽電池を示す概略斜視図である。
【0010】
図1に示すように、従来の薄膜型太陽電池は、基板10上に所定間隔離間して前面電極20が形成されており、前面電極20上に半導体層30及び透明導電層40が順次に形成されている。半導体層30及び透明導電層40のそれぞれには、コンタクト部35及び分離部55が形成されている。そして、透明導電層40上に背面電極50が形成されている。ここで、背面電極50は、コンタクト部35を通じて前面電極20と電気的に連結されており、分離部55を介して所定間隔離間して形成されている。
【0011】
このような従来の薄膜型太陽電池を建物のガラス窓の代用とするには下記のような問題点があった。
【0012】
第一に、建物のガラス窓は、可視圏が保障されなければならないため、建物のガラス窓の代用に薄膜型太陽電池を使用するには、ある程度の光透過領域を確保しなければならない。ところが、前面電極20は透明金属を用いるが、背面電極50は不透明金属を用いるため、従来の薄膜型太陽電池において光透過領域は背面電極50同士間の領域である分離部55に限定される。このため、従来は、光透過領域が極めて限定され、可視圏が保障されないという問題点があった。
【0013】
第二に、光透過領域を増加させる目的で背面電極50間の領域である分離部55の幅を増加させることが考えられるが、そうすると、電池効率の低下及び工程時間の増加という問題につながる。すなわち、分離部55の幅を増加させると、その分だけ、電力生産のための有効領域が減少し、電池効率が低下してしまう。なお、分離部55はレーザースクライビング工程を用いて形成するので、分離部55の幅を増大させるにはレーザースクライビング工程を数回行なわねばならず、工程時間が長くかかってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記従来の薄膜型太陽電池の問題点を解決するためのもので、その目的は、電池効率の低下及び工程時間の増加を防止しながらも広い光透過領域を確保することによって、建物のガラス窓の代用として容易に使用できる薄膜型太陽電池及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明は、基板と、前記基板上に所定間隔離間して形成される前面電極と、前記前面電極上にコンタクト部または分離部を介在して離間して形成される半導体層と、前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成される背面電極と、を含んでなり、ここで、光透過領域を増大させるために、所定部分に光透過部が設けられるように前記背面電極がパターン形成されたことを特徴とする薄膜型太陽電池を提供する。
【0016】
本発明は、基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部及び分離部を形成する工程と、前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法を提供する。
【0017】
本発明は、基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部を形成する工程と、前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部内の半導体層を除去すると共に前記分離部内の半導体層を除去する工程と、を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記の本発明によると、下記の効果を奏することができる。
【0019】
第一に、本発明による薄膜型太陽電池は、背面電極内に光透過部をパターン形成するため、該光透過部を通して太陽光が透過されることができ、従来の薄膜型太陽電池に比べて光透過領域が増大し、ガラス窓の代用とするのに充分な可視圏を確保することができる。
【0020】
第二に、本発明による薄膜型太陽電池の製造方法は、様々な印刷方法を用いて背面電極をパターン形成するため、従来のレーザースクライビング工程によりパターン形成する場合に比べて、工程が単純化し、基板が汚染される恐れも減る。また、印刷方法を用いて背面電極をパターン形成するため、光透過部の全体面積を容易に調節でき、太陽電池の光透過領域を所望の範囲に容易に設定でき、必要によって可視領域を適切に変更することが可能になる。
【0021】
第三に、本発明による薄膜型太陽電池の一形態では、光透過部に露出される透明導電層と半導体層を除去し、この光透過部に前面電極を露出させているため、基板下部から入射する太陽光が光透過部を通して透過される時に、基板と前面電極のみを経由し、光の透過率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の薄膜型太陽電池の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の斜視図である。
【図3a】図2のA−A矢視断面図である。
【図3b】図2のB−B矢視断面図である。
【図3c】図2のC−C矢視断面図である。
【図4a】本発明による光透過部の様々なパターンを示す平面図である。
【図4b】本発明による光透過部の様々なパターンを示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の斜視図である。
【図6a】図5のA−A矢視断面図である。
【図6b】図5のB−B矢視断面図である。
【図6c】図5のC−C矢視断面図である。
【図7a】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図7b】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図7c】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図7d】本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施例によるレーザースクライビング装備の概略を示す模式図である。
【図9a】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9b】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9c】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9d】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図9e】本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図10a】本発明の様々な実施例による湿式エッチング方法を示す概念図である。
【図10b】本発明の様々な実施例による湿式エッチング方法を示す概念図である。
【図11】湿式エッチング工程時に過剰エッチングが発生する様子を示す断面図である。
【図12a】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12b】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12c】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12d】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【図12e】本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0024】
〈薄膜型太陽電池〉
図2は、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の斜視図であり、図3aは、図2のA−A矢視断面図であり、図3bは図2のB−B矢視断面図であり、図3cは図2のC−C矢視断面図である。
【0025】
図2及び図3a〜図3cに示すように、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池は、基板100、前面電極200、半導体層300、透明導電層400、及び背面電極500を含んでいる。
【0026】
基板100は、ガラスまたは透明なプラスチックからなることができる。
【0027】
前面電極200は、基板100上に所定間隔で形成され、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:F、ITO(Indium Tin Oxide)などのような透明な導電物質からなることができる。前面電極200は、太陽光が入射する面である点から、入射する太陽光が太陽電池の内部に最大限に吸収されるようにすることが重要であり、そのために、前面電極200は凹凸構造にすると良い。前面電極200が凹凸構造とされる場合、入射する太陽光が太陽電池外に反射される割合は減少する一方で、入射される太陽光の散乱により太陽電池内に太陽光が吸収される割合は増加し、太陽電池の効率が増大するという効果がある。
【0028】
半導体層300は、前面電極200上にコンタクト部350または分離部550を介在させて、互いに離間して形成される。半導体層300は、シリコン系半導体物質からなることができ、P型半導体層、I型半導体層及びN型半導体層が順次積層されたPIN構造とされることができる。このように、半導体層300をPIN構造とすれば、I型半導体層がP型半導体層とN型半導体層により空乏(depletion)されて内部に電場が発生し、太陽光により生成される正孔及び電子が電場によりドリフト(drift)され、それぞれP型半導体層及びN型半導体層で収集されることとなる。一方、半導体層300がPIN構造とされる場合には、前面電極200の上部にP型半導体層を形成し、続いてI型半導体層及びN型半導体層を形成することが好ましい。これは、一般的に正孔のドリフト移動度(drift mobility)が電子のドリフト移動度に比べて低い点から、入射光による収集効率を極大化するためにP型半導体層を受光面の近くに形成するからである。
【0029】
一方、半導体層300は、図2の拡大図に示すように、第1半導体層310、バッファー層320、及び第2半導体層330が順次積層され、いわゆるタンデム(tandem)構造に形成されてもよい。
【0030】
第1半導体層310及び第2半導体層330はいずれも、P型半導体層、I型半導体層及びN型半導体層が順次積層されたPIN構造となる。
【0031】
第1半導体層310は、PIN構造の非晶質半導体物質からなり、第2半導体層330は、PIN構造の微晶質半導体物質からなることができる。
【0032】
非晶質半導体物質は短波長の光をよく吸収し、微晶質半導体物質は長波長の光をよく吸収する特性があるため、非晶質半導体物質と微晶質半導体物質とを組み合わせる場合、光吸収率が増大することができる。ただし、必ずしもこれに限定されるわけではなく、第1半導体層310として非晶質半導体/ゲルマニウム、微晶質半導体物質など様々な変更が可能であり、第2半導体層330として非晶質半導体物質、非晶質半導体/ゲルマニウムなど様々な変更が可能である。
【0033】
バッファー層320は、第1半導体層310及び第2半導体層330との間でトンネル接合により正孔及び電子の移動を円滑にする役割を担うもので、ZnOのような透明な物質からなる。
【0034】
また、半導体層300は、タンデム構造の他に、第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層、及びそれぞれの半導体層間に形成されたバッファー層を含むトリプル(triple)構造に形成されても良い。
【0035】
透明導電層400は、半導体層300上において半導体層300と同じパターンで形成される。すなわち、透明導電層400も同様に、コンタクト部350または分離部550を介在させて、互いに離間して形成される。透明導電層400は、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、ZnO:H、Agのような透明な導電物質からなることができる。透明導電層400は省略しても良いが、太陽電池の効率増大の面では、透明導電層400を形成することが好ましい。これは、透明導電層400を形成すると、半導体層300を透過した太陽光が透明導電層400を通過しながら散乱により様々な角度で進行され、よって、背面電極500で反射されて半導体層300に再入射する光の割合を増加できるためである。
【0036】
コンタクト部350と分離部550は、半導体層300及び透明導電層400の所定領域が除去されてなり、互いに隔たって交互に形成される。
【0037】
背面電極500は、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在させて離間して形成される。この背面電極500は、Ag、Al、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cuなどのような金属からなることができる。
【0038】
背面電極500は、所定部分に光透過部570が設けられるようにパターン形成されている。光透過部570は、背面電極500を構成する金属が形成されていない領域である。したがって、光透過部570には透明導電層400が露出されており、露出された透明導電層400の下には、太陽光が透過されうる半導体層300、前面電極200及び基板100が順次に形成されている。このため、基板100の下部から入射する太陽光は、光透過部570を通じて透過されることができるため、太陽電池の光透過領域が増大することとなる。ここで、もし、半導体層300上に透明導電層400が形成されずに省かれたとすれば、光透過部570には半導体層300が露出される。
【0039】
光透過部570は、図2のように直線形パターンにしても良いが、これに限定されず、背面電極500において様々なパターンにしても良い。図4a及び図4bは、光透過部570の様々なパターンを示す図で、図2の平面図に該当する。光透過部570は、図4aのように曲線形パターンにしても良く、図4bのように文字パターンにしても良い。また、図示してはいないが、光透過部570は記号パターンにしても良く、必要によって多様に変更して形成されることができる。
【0040】
このように、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池は、分離部550に加えて光透過部570を通して太陽光が透過可能なため、光透過領域が従来に比べて増加し、よって、ガラス窓の代用とするのに充分な可視圏を確保することが可能となる。特に、光透過部570の全体面積を調節することで太陽電池の光透過領域を設定できるため、必要によって可視領域を適切に変更可能である。また、光透過部570を文字パターンまたは記号パターンとすることによって、必要によって広告効果も奏することができる。
【0041】
図5は、本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の斜視図で、図6aは図5のA−A矢視断面図で、図6bは図5のB−B矢視断面図で、図6cは図5のC−C矢視断面図である。図5に示す本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池は、前述した図2に示す薄膜型太陽電池において光透過部570内に露出された透明導電層400及びその下部の半導体層300を除去することによって、光透過率をより増大させたものである。この光透過部570内における構成以外は、前述した図2に示す薄膜型太陽電池と同一であり、したがって、同一構成については同一の図面符号を付し、その同一構成についての具体的な説明は省略する。
【0042】
図5及び図6a〜図6cに示すように、本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池は、背面電極500内に光透過部570が設けられており、この光透過部570には前面電極200が露出されている。したがって、基板100の下部から入射する太陽光が、光透過部570を通して透過される時、太陽光が基板100と前面電極200のみを経由するため、前述した図2による薄膜型太陽電池に比べて光の透過率が増大することができる。
【0043】
一方、図5には、光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300が共に除去され、光透過部570に前面電極200が露出された様子を示すが、必ずしもこれに限定されることはなく、光透過部570内の透明導電層400のみが除去され、光透過部570に半導体層300が露出されるようにしても良い。
【0044】
〈薄膜型太陽電池の製造方法〉
図7a〜図7dは、本発明の一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図で、前述した図2に示す薄膜型太陽電池を製造する方法に関する。
【0045】
まず、図7aに示すように、基板100上に所定間隔で前面電極200を形成する。
【0046】
前面電極200を形成する工程は、スパッタリング(Sputtering)法またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などを用いて基板100の全面にZnO、ZnO:B、ZnO:Al、SnO2、SnO2:F、ITO(Indium Tin Oxide)などのような透明な導電物質層を形成した後、レーザースクライビング法を用いて導電物質層の所定領域を除去する工程からなることができる。
【0047】
前面電極200は、太陽光が入射する面である点から、入射する太陽光を太陽電池の内部に最大限に吸収させるためにテキスチャ(texturing)加工工程により凹凸構造にすれば良い。テキスチャ加工工程は、物質表面を凸凹状の構造に形成し、あたかも織物の表面のような形状に加工する工程で、フォトリソグラフィ法(photolithography)を用いたエッチング工程、化学溶液を用いた異方性エッチング工程(anisotropic etching)、または機械的スクライビング(mechanical scribing)を用いた溝形成工程などにより行なうことができる。
【0048】
次に、図7bに示すように、基板100の全面に半導体層300及び透明導電層400を順に形成する。
【0049】
半導体層300は、シリコン系半導体物質をプラズマCVD法などを用いてPIN構造に形成することができる。
【0050】
一方、図示せぬが、図2の拡大図で上述したように、第1半導体層310、バッファー層320、及び第2半導体層330を順次積層し、いわゆるタンデム(tandem)構造に半導体層300を形成することができる。
【0051】
透明導電層400は、ZnO、ZnO:B、ZnO:Al、Agのような透明な導電物質を用いてスパッタリング(Sputtering)法またはMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などにより形成することができる。透明導電層400は省略可能である。
【0052】
次に、図7cに示すように、半導体層300及び透明導電層400の所定領域を除去して、コンタクト部350及び分離部550を形成する。
【0053】
コンタクト部350及び分離部550を形成する工程は、レーザースクライビング法を用いることができる。コンタクト部350をまず形成し、分離部550を後で形成することもでき、分離部550をまず形成し、コンタクト部350を後で形成することもでき、コンタクト部350と分離部550を同時に形成することもできる。
【0054】
特に、1回のレーザービームの照射によりコンタクト部350と分離部550を同時に形成できるが、これについて図8を参照して説明すると、下記の通りである。
【0055】
図8は、本発明の一実施例によるレーザースクライビング装備の概略を示す模式図である。図8に示すように、本発明によるレーザースクライビング装備は、レーザー発振器600、第1ミラー610、第2ミラー630、第1レンズ650、及び第2レンズ670からなる。レーザー発振器600からレーザービームが放出されると、放出されたレーザービームが第1ミラー610に入射する。この時、第1ミラー610は、入射するレーザービームの一部、好ましくは半分は通過させ、入射するレーザービームの残りは反射させる。したがって、第1ミラー610を通過したレーザービームは、第1レンズ650を通して対象物に照射され、第1ミラー610で反射されたレーザービームは、第2ミラー630を経て第2レンズ670を通して対象物に照射される。この時、第2ミラー630は、入射するレーザービームの全部を反射させる。
【0056】
結果として、1個のレーザー発振器600から放出されたレーザービームは2つに分割されて照射され、このように2つに分割されたレーザービームにより、コンタクト部350及び分離部550を同時に形成できるわけである。
【0057】
次に、図7dに示すように、背面電極500をパターン形成することで、前述した図2に示す薄膜型太陽電池を完成する。
【0058】
背面電極500は、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在させて互いに離間しており、その内部には光透過領域の増大のために光透過部570が設けられるようにパターン形成される。
【0059】
このようなパターンの背面電極500は、印刷法を用いて一回の工程で形成することができる。すなわち、背面電極500は、Ag、Al、Ag+Mo、Ag+Ni、Ag+Cuなどのような金属ペースト(Paste)を用いて、スクリーンプリンティング(screen printing)、インクジェットプリンティング(inkjet printing)、グラビアプリンティング(gravure printing)、グラビアオフセットプリンティング(gravure offset printing)、リバースオフセットプリンティング(reverse offset printing)、フレキソプリンティング(flexo printing)、またはマイクロコンタクトプリンティング(microcontact printing)工程でパターン形成できる。
【0060】
このように、印刷法を用いて背面電極500をパターン形成すると、工程が単純化され、レーザースクライビング工程を用いてパターン形成する場合に比べて基板が汚染される可能性が減り、基板の汚染防止のための洗浄工程も減ることとなる。
【0061】
図9a〜図9eは、本発明の他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図で、前述した図5に示す薄膜型太陽電池を製造する方法に関する。前述した一実施例によって製造された薄膜型太陽電池は、光透過部570に透明導電層400が露出される(もし、透明導電層400を形成しない場合には半導体層300が露出される)ので、本実施例は、光透過部570に露出される透明導電層400と半導体層300をさらに除去することによって光透過率の増大した薄膜型太陽電池が得られるようにする。以下、本実施例における説明において、前述した一実施例による薄膜型太陽電池の製造工程と同一の構成についての具体的な説明は省略するものとする。
【0062】
まず、図9aに示すように、基板100上に所定間隔で前面電極200を形成する。
【0063】
次に、図9bに示すように、基板100の全面に半導体層300及び透明導電層400を順に形成する。透明導電層400は省略しても良い。
【0064】
続いて、図9cに示すように、半導体層300及び透明導電層400の所定領域を除去してコンタクト部350及び分離部550を形成する。
【0065】
次いで、図9dに示すように、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在して離間して形成され、その内部には光透過領域を増大させるための光透過部570が設けられるように背面電極500をパターン形成する。
【0066】
次に、図9eに示すように、光透過部570内に露出された透明導電層400及びその下部の半導体層300を除去して、前述した図5に示す薄膜型太陽電池を完成する。
【0067】
図9eによる工程では、光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300を共に除去し、光透過部570に前面電極200を露出させる様子について示したが、必ずしもこれに限定されるわけではなく、光透過部570内の透明導電層400のみを除去し、光透過部570に半導体層300を露出させることも可能である。
【0068】
光透過部570に露出された透明導電層400及び半導体層300の除去は、乾式エッチング工程を用いて行うことができる。この時、エッチングガスを調節して透明導電層400と半導体層300を同時に除去しても良く、エッチングガスを二回にわたって供給することによって、透明導電層400をまず除去してから、半導体層300を除去することも可能である。
【0069】
透明導電層400を除去するためのエッチングガスは、CH4、C2H6、BCl3、Cl2、Ar、及びH2の中から選ばれる少なくとも一つのガスを使用することができる。
【0070】
半導体層300を除去するためのエッチングガスは、フルオロ系ガス、塩素系ガス、またはフルオロ系ガスと塩素系ガスとの混合ガスを使用することができる。この場合、フルオロ系ガスは、C2F6、SF6、CF4、及びC4F8のうち少なくとも一つのガスを使用でき、塩素系ガスは、Cl2、BCl3、及びSiCl4のうち少なくとも一つのガスを使用することができる。
【0071】
このように、乾式エッチング工程を用いて透明導電層400及び半導体層300を除去した後には、略80〜150℃範囲のオーブンで乾燥する工程を行なうことができる。ただし、この乾燥する工程は省略しても良い。
【0072】
光透過部570に露出された透明導電層400及び半導体層300を除去する工程は、背面電極500をマスクとして湿式エッチング方法を用いて行なうこともできる。
【0073】
この湿式エッチング方法は、図10aに示すように、エッチング槽710に所定のエッチング液700を貯留し、このエッチング液700に基板を浸漬する方式としても良く、図10bに示すように、ノズル720を用いて基板上に所定のエッチング液700を吹き付ける方式としても良い。特に、図10bのように基板上に所定のエッチング液700を吹き付ける時、基板を移送ローラ730により移送することによってエッチング工程を連続的に行なうことも可能である。
【0074】
このように湿式エッチング方法を利用すると、一般的な乾式エッチング方法に比べて低コストとなり、工程速度も増加して生産性が向上するという効果が得られるが、このような効果を奏するには、適切な湿式エッチング工程条件を見出す必要がある。そこで、本発明者は実験を重ねた結果、好適な湿式エッチング工程条件を見出すに至った。具体的には、好適なエッチング液の組成を見出すとともに、そのようなエッチング液の組成を用いてエッチング工程を行なうに当ってエッチング液温度及びエッチング時間なども好適な条件を見いだすことができた。
【0075】
まず、好適なエッチング液の組成について説明すると、NaOH、KOH、HCl、HNO3、H2SO4、H3PO3、H2O2、及びC2H2O4からなる群より選ばれる少なくとも一つのエッチング物質を含むエッチング液を使用することが好ましい。また、エッチング物質を水に希釈し、このエッチング物質の水溶液をエッチング液とすることができるが(エッチング物質が固体状態のものである場合は、必ず水に希釈して使用する)、この場合、エッチング物質と水を0.1:9.9〜9.9:0.1の重量比で含むことが好ましく、より好ましくは、エッチング物質と水を1:9〜9:1の重量比で含むと良い。
【0076】
エッチング物質と水の重量比が、0.1:9.9未満(例えば、0.01:9.99)の場合には、エッチングが円滑に行なわれず、エッチング工程に長時間がかかるという問題が生じるかもしれず、エッチング物質と水の重量比が9.9:0.1を超過(例えば、9.99:0.01)する場合には、粉末状態のエッチング物質を使用するときに、水へのエッチング物質の溶解が円滑に進まないという問題が生じ得る。
【0077】
次に、好適なエッチング液温度及びエッチング時間について説明すると、エッチング液の温度は20〜200℃に保つことが好ましく、より好ましくは、エッチング液の温度を50〜100℃に保つと良い。エッチング液の温度を20℃未満にするとエッチングが円滑に行なわれず、エッチング工程に長時間がかかるという問題につながり、エッチング液の温度が200℃を超過するとエッチングが急速に進み、エッチング工程コントロールが難しくなり、結果として過剰エッチング(over-etching)が発生しうる。
【0078】
すなわち、図11を参照すると、背面電極500をマスクとして光透過部570内の透明導電層400及び半導体層300を除去し、その下部の前面電極200を露出させる時、エッチングが急速に進み、所望の量を超過してエッチングされると、透明導電層400と半導体層300が過度にエッチングされるという問題が生じるかもしれず、さらには背面電極500が剥離するという問題もありうる。
【0079】
エッチング時間は、30秒〜10分にすることが好ましく、より好ましくは2分〜5分間維持することが好ましい。エッチング時間が30秒未満である場合は、所望分のエッチングが行なわれず、結果として光透過領域が増大しない可能性があり、エッチング時間が10分を超過すると、図11に示すように、透明導電層400と半導体層300が過度にエッチングされる問題及び背面電極500が剥離するという問題が生じうる。
【0080】
図12a〜図12eは、本発明のさらに他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程を示す斜視図で、前述した図5による薄膜型太陽電池の製造工程に関する。以下、本実施例の説明において、前述した他の実施例による薄膜型太陽電池の製造工程と同一の構成についての具体的な説明は省略する。
【0081】
まず、図12aに示すように、基板100上に所定間隔で前面電極200を形成する。
【0082】
続いて、図12bに示すように、基板100の全面に半導体層300及び透明導電層400を順に形成する。この透明導電層400は省略可能である。
【0083】
次に、図12cに示すように、半導体層300及び透明導電層400の所定領域を除去してコンタクト部350を形成する。コンタクト部350を形成する工程は、レーザースクライビング法を用いて行なうことができる。
【0084】
このように、本発明のさらに他の実施例によると、半導体層300及び透明導電層400にコンタクト部350を形成する工程時に、分離部(図9cの図面符号550参照)を形成しない。したがって、分離部550の形成工程が省略されることによって、レーザースクライビング装備を縮減することができ、工程が単純化するという長所がある。
【0085】
次に、図12dに示すように、背面電極500をパターン形成する。
【0086】
背面電極500は、コンタクト部350を通じて前面電極200と連結され、分離部550を介在させて、互いに離間して形成されるとともに、その内部には光透過領域を増大させるための光透過部570が設けられるようにパターン形成される。
【0087】
次に、図12eに示すように、背面電極500をマスクとして光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300を除去する。これで、光透過部570内に前面電極200が露出される。また、背面電極500をマスクとするので、光透過部570内の透明導電層400及びその下部の半導体層300の他に、分離部550内の透明導電層400及びその下部の半導体層300も共に除去される。これで、図5に示す薄膜型太陽電池が完成する。
【0088】
透明導電層400及びその下部の半導体層300の除去工程には、前述した乾式エッチング工程または湿式エッチング工程を用いる。
【符号の説明】
【0089】
100 基板
200 前面電極
300 半導体層
350 コンタクト部
400 透明導電層
500 背面電極
550 分離部
570 光透過部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に所定間隔離間して形成される前面電極と、
前記前面電極上にコンタクト部または分離部を介在して離間して形成される半導体層と、
前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成される背面電極と、
を含んでなり、
ここで、光透過領域を増大させるために、所定部分に光透過部が設けられるように前記背面電極がパターン形成されたことを特徴とする薄膜型太陽電池。
【請求項2】
前記光透過部には、前記半導体層が露出されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項3】
前記露出されている半導体層が除去され、前記光透過部には前記前面電極が露出されていることを特徴とする請求項2に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項4】
前記半導体層上に透明導電層がさらに形成されており、前記光透過部には前記透明導電層が露出されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項5】
前記露出されている透明導電層が除去され、前記光透過部には前記半導体層が露出されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項6】
前記露出されている半導体層が除去され、前記光透過部には前記前面電極が露出されていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項7】
前記透明導電層は、前記半導体層と同じパターンで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項8】
前記光透過部は、直線形パターン、曲線形パターン、文字パターン、または記号パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項9】
前記半導体層は、第1半導体層、バッファー層、及び第2半導体層が順次に積層して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項10】
基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、
前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部及び分離部を形成する工程と、
前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、
を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記光透過部に前記前面電極を露出させるために、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部に形成された半導体層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項12】
前記半導体層形成工程の後に、前記半導体層上に透明導電層を形成する工程をさらに含み、前記コンタクト部及び分離部の形成工程時に、前記半導体層と前記透明導電層の所定領域を一緒に除去することを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記光透過部に前記半導体層を露出させるために、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部に形成された透明導電層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記光透過部に前記前面電極を露出させるために、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部に形成された透明導電層及び半導体層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記光透過部に形成された透明導電層及び半導体層を除去する工程は、乾式エッチング工程を用いて行なうことを特徴とする請求項14に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記光透過部に形成された透明導電層を乾式エッチング工程を用いて除去する工程は、CH4、C2H6、BCl3、Cl2、Ar、及びH2の中から選ばれる少なくとも一つのガスを使用して行い、
前記光透過部に形成された半導体層を乾式エッチング工程を用いて除去する工程は、フルオロ系ガス、塩素系ガス、またはフルオロ系ガスと塩素系ガスとの混合ガスを使用して行なうことを特徴とする請求項15に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記光透過部に形成された透明導電層及び半導体層を除去する工程は、湿式エッチング工程を用いて行なうことを特徴とする請求項14に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記湿式エッチング工程は、NaOH、KOH、HCl、HNO3、H2SO4、H3PO3、H2O2、及びC2H2O4からなる群より選ばれる少なくとも一つのエッチング物質を含むエッチング液を使用して行なうことを特徴とする請求項17に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項19】
前記エッチング液の温度は、20〜200℃に保つことを特徴とする請求項18に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項20】
前記湿式エッチング工程は、前記基板を前記エッチング液に浸漬する、あるいは、前記基板上に前記エッチング液を吹き付ける工程により行なうことを特徴とする請求項18に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項21】
前記コンタクト部及び分離部を形成する工程は、1個のレーザー発振器から放出されたレーザービームを複数のレーザービームに分割して照射することによって、1回のレーザービーム照射で前記コンタクト部及び分離部を同時に形成することを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項22】
前記半導体層を形成する工程は、第1半導体層、バッファー層、及び第2半導体層を順次に積層する工程からなることを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項23】
基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、
前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部を形成する工程と、
前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、
前記背面電極をマスクとして、前記光透過部内の半導体層を除去すると同時に前記分離部内の半導体層を除去する工程と、
を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項24】
前記半導体層形成工程の後に、前記半導体層上に透明導電層を形成する工程をさらに含み、前記コンタクト部形成工程時に、前記半導体層及び前記透明導電層の所定領域を一緒に除去し、前記光透過部及び前記分離部内の半導体層を除去する工程時に、前記透明導電層の所定領域も一緒に除去することを特徴とする請求項23に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項25】
前記半導体層を形成する工程は、第1半導体層、バッファー層、及び第2半導体層を順次に積層する工程からなることを特徴とする請求項23に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に所定間隔離間して形成される前面電極と、
前記前面電極上にコンタクト部または分離部を介在して離間して形成される半導体層と、
前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成される背面電極と、
を含んでなり、
ここで、光透過領域を増大させるために、所定部分に光透過部が設けられるように前記背面電極がパターン形成されたことを特徴とする薄膜型太陽電池。
【請求項2】
前記光透過部には、前記半導体層が露出されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項3】
前記露出されている半導体層が除去され、前記光透過部には前記前面電極が露出されていることを特徴とする請求項2に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項4】
前記半導体層上に透明導電層がさらに形成されており、前記光透過部には前記透明導電層が露出されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項5】
前記露出されている透明導電層が除去され、前記光透過部には前記半導体層が露出されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項6】
前記露出されている半導体層が除去され、前記光透過部には前記前面電極が露出されていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項7】
前記透明導電層は、前記半導体層と同じパターンで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項8】
前記光透過部は、直線形パターン、曲線形パターン、文字パターン、または記号パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項9】
前記半導体層は、第1半導体層、バッファー層、及び第2半導体層が順次に積層して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜型太陽電池。
【請求項10】
基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、
前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部及び分離部を形成する工程と、
前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、前記分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、
を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記光透過部に前記前面電極を露出させるために、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部に形成された半導体層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項12】
前記半導体層形成工程の後に、前記半導体層上に透明導電層を形成する工程をさらに含み、前記コンタクト部及び分離部の形成工程時に、前記半導体層と前記透明導電層の所定領域を一緒に除去することを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記光透過部に前記半導体層を露出させるために、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部に形成された透明導電層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記光透過部に前記前面電極を露出させるために、前記背面電極をマスクとして、前記光透過部に形成された透明導電層及び半導体層を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記光透過部に形成された透明導電層及び半導体層を除去する工程は、乾式エッチング工程を用いて行なうことを特徴とする請求項14に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記光透過部に形成された透明導電層を乾式エッチング工程を用いて除去する工程は、CH4、C2H6、BCl3、Cl2、Ar、及びH2の中から選ばれる少なくとも一つのガスを使用して行い、
前記光透過部に形成された半導体層を乾式エッチング工程を用いて除去する工程は、フルオロ系ガス、塩素系ガス、またはフルオロ系ガスと塩素系ガスとの混合ガスを使用して行なうことを特徴とする請求項15に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記光透過部に形成された透明導電層及び半導体層を除去する工程は、湿式エッチング工程を用いて行なうことを特徴とする請求項14に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記湿式エッチング工程は、NaOH、KOH、HCl、HNO3、H2SO4、H3PO3、H2O2、及びC2H2O4からなる群より選ばれる少なくとも一つのエッチング物質を含むエッチング液を使用して行なうことを特徴とする請求項17に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項19】
前記エッチング液の温度は、20〜200℃に保つことを特徴とする請求項18に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項20】
前記湿式エッチング工程は、前記基板を前記エッチング液に浸漬する、あるいは、前記基板上に前記エッチング液を吹き付ける工程により行なうことを特徴とする請求項18に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項21】
前記コンタクト部及び分離部を形成する工程は、1個のレーザー発振器から放出されたレーザービームを複数のレーザービームに分割して照射することによって、1回のレーザービーム照射で前記コンタクト部及び分離部を同時に形成することを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項22】
前記半導体層を形成する工程は、第1半導体層、バッファー層、及び第2半導体層を順次に積層する工程からなることを特徴とする請求項10に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項23】
基板上に所定間隔離間する前面電極を形成する工程と、
前記前面電極を含む基板の全面に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の所定領域を除去してコンタクト部を形成する工程と、
前記コンタクト部を通じて前記前面電極と連結され、分離部を介在して離間して形成され、その内部に光透過領域を増大させるための光透過部が設けられるように背面電極をパターン形成する工程と、
前記背面電極をマスクとして、前記光透過部内の半導体層を除去すると同時に前記分離部内の半導体層を除去する工程と、
を含むことを特徴とする薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項24】
前記半導体層形成工程の後に、前記半導体層上に透明導電層を形成する工程をさらに含み、前記コンタクト部形成工程時に、前記半導体層及び前記透明導電層の所定領域を一緒に除去し、前記光透過部及び前記分離部内の半導体層を除去する工程時に、前記透明導電層の所定領域も一緒に除去することを特徴とする請求項23に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【請求項25】
前記半導体層を形成する工程は、第1半導体層、バッファー層、及び第2半導体層を順次に積層する工程からなることを特徴とする請求項23に記載の薄膜型太陽電池の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図9e】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図9e】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【公開番号】特開2010−157687(P2010−157687A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217860(P2009−217860)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(504210651)ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(504210651)ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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