薄膜検査方法及び薄膜検査装置
【課題】溶液中の薄膜の拡散状態を好適に検査することの出来る薄膜検査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の薄膜検査方法は、溶液中における薄膜材料の拡散状態を検査する薄膜検査方法であって、基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記基板を溶液に浸漬する溶液浸漬工程と、溶液中の前記基板に対して垂直に前記蛍光粒子に対する励起光を照射する励起光照射工程と、励起光を照射したまま基板近傍の画像を取得する画像取得工程と、前記画像から蛍光粒子の輝度分布を取得する輝度分布取得工程と、前記輝度分布より溶液に拡散した薄膜材料の拡散度を算出する算出工程と、を備える。本発明によれば、薄膜材料に蛍光粒子を混合することから、薄膜材料の拡散に伴う蛍光粒子の拡散を励起光を用いて追跡観察することが出来る。
【解決手段】本発明の薄膜検査方法は、溶液中における薄膜材料の拡散状態を検査する薄膜検査方法であって、基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記基板を溶液に浸漬する溶液浸漬工程と、溶液中の前記基板に対して垂直に前記蛍光粒子に対する励起光を照射する励起光照射工程と、励起光を照射したまま基板近傍の画像を取得する画像取得工程と、前記画像から蛍光粒子の輝度分布を取得する輝度分布取得工程と、前記輝度分布より溶液に拡散した薄膜材料の拡散度を算出する算出工程と、を備える。本発明によれば、薄膜材料に蛍光粒子を混合することから、薄膜材料の拡散に伴う蛍光粒子の拡散を励起光を用いて追跡観察することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜検査方法、および該薄膜検査方法の実施に適した薄膜検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細加工技術であるリソグラフィ法では、現像解像度の向上が求められている。リソグラフィ法では、基板上にレジストを塗布し、レジストに露光光を照射し、極性または分子量の差を利用してレジストを現像剤に溶解させ、任意の形状に形成する。このとき、レジスト形状の高い解像性を達成するために、露光光の露光量と現像速度などのレジスト特性との関係性を評価し、最適化することが求められている。
【0003】
レジストのような薄膜の特性を評価する方法として、種々の薄膜検査装置が提案されている。
【0004】
例えば、光学的手段を用いた薄膜検査装置が提案されている(特許文献1参照)。
図1に示すように、光源から照射された光3の内、レジスト薄膜1の表面で反射した光4と透過して基板2に反射した光5との光路差によって起きる干渉を利用し、膜厚を測定する。これより、現像剤へのレジストの溶解による膜厚変化を測定し、現像特性を評価することが出来る。
【0005】
しかしながら、光学的手段を用いた薄膜検査装置では、原理的にレーザー光の干渉できる範囲の膜厚に限定され、レーザー光の干渉できる範囲外の膜厚の場合、十分な精度で測定することができない。また、測定部位はレーザー光が当たる狭い範囲に限定される。このため、基板に形成された薄膜の溶液への空間的な拡散を観察することは困難であった。
【0006】
例えば、水晶振動子を用いた薄膜検査装置が提案されている(特許文献2参照)。
図2に示すように、水晶振動子を用いた方法では、電極板7の付属した水晶の振動子6にレジストなどの物質を塗布し、電極8に電圧をかけ、水晶の圧電気性質による電気的共振周波数の変化を測定し、膜厚の変化を測定することができる。
【0007】
しかしながら、水晶振動子を用いた薄膜検査装置では、水晶の圧電気性質を利用するため、基板には水晶しか用いることはできず、従って被加工膜の材料は水晶に塗布できるものに限られ、水晶以外の基板上に膜形成した薄膜について評価することが出来ない。また、基板自体が微小に揺動するため、基板に形成された薄膜の溶液への拡散を正確に評価することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−71924号公報
【特許文献2】特開2001−349816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したような従来の薄膜検査装置では、溶液中における薄膜材料の拡散状態を観察することは困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することの出来る薄膜検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の本発明は、溶液中における薄膜材料の拡散状態を検査する薄膜検査方法であって、基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記基板を溶液に浸漬する溶液浸漬工程と、溶液中の前記基板に対して垂直に前記蛍光粒子に対する励起光を照射する励起光照射工程と、励起光を照射したまま基板近傍の画像を取得する画像取得工程と、前記画像から蛍光粒子の輝度分布を取得する輝度分布取得工程と、前記輝度分布より溶液に拡散した薄膜材料の拡散度を算出する算出工程と、を備えたことを特徴とする薄膜検査方法である。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記複数の画像の輝度分布から、所定部位の単位面積あたりの輝度を取得し、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出することを特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法である。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布における輝度の積算から、溶液に拡散した薄膜材料の全体量を算出し、残存する基板表面の薄膜の膜厚を算出することを特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法である。
【0014】
請求項4に記載の本発明は、前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布から、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出することを特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法である。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、基板と、前記基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて形成された薄膜と、前記基板を浸漬する溶液槽と、前記溶液槽内に対し励起光を照射する光源と、前記溶液槽内の画像を取得する画像取得機構と、前記画像取得機構で取得した画像の輝度分布から溶液内の薄膜材料の拡散度を算出する計算機構と、を備えたことを特徴とする薄膜検査装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の薄膜検査方法は、薄膜材料に蛍光粒子を混合することから、薄膜材料の拡散に伴う蛍光粒子の拡散を励起光を用いて追跡観察することが出来る。このとき、蛍光粒子の輝度分布は薄膜材料の濃度と相関を持つことから、蛍光粒子の輝度分布から観察時点における溶液内の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。よって、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することの出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の光学的手段を用いた薄膜検査装置を示す概略図である。
【図2】従来の水晶振動子を用いた薄膜検査装置を示す概略図である。
【図3】本発明の薄膜検査方法の一実施形態を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の薄膜検査装置に係る斜視概略図である。
【図5】本発明の薄膜検査装置に係る概略図である。
【図6】本発明の薄膜検査装置に係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の薄膜検査方法について説明を行なう。
【0019】
<薄膜形成工程>
まず、基板に対し、蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する。
【0020】
基板は、検査対象である薄膜を支持できる程度の機械強度を備えていれば良く、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、シリコン基板、石英基板、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、などを用いても良い。
【0021】
蛍光粒子は、後述する励起光の照射により発光を行なう粒子である。蛍光を示す材料を担持体に担持させ粒子状にしたものであり、粒径は20nm〜300μm程度であれば良い。このとき、担持体としては、シリカ、ポリスチレンなどの樹脂、などを用いることが出来る。
【0022】
薄膜形成方法は、検査対象の薄膜に用いる薄膜材料の特性に応じて適宜公知の薄膜形成方法を用いて良い。具体的には、例えば、ディップコート法、キャスト法、スピンコート法、真空蒸着法、電界重合法、などの薄膜形成方法が挙げられる。
また、薄膜形成前に、基板にHMDS(Hexamethyldisilazane)処理、UV処理、などの表面処理を施しても良い。
【0023】
<溶液浸漬工程>
次に、薄膜が形成された基板を溶液に浸漬する。
【0024】
溶液は、検査対象の薄膜に用いる薄膜材料に対応した溶液であればよく、検査環境に応じて適宜設定してよい。例えば、レジスト材料を検査評価する場合には、該レジスト材料の現像液を用いれば良い。
【0025】
また、溶液は攪拌状態の溶液であっても良い。本発明の薄膜検査方法では、蛍光粒子の輝度分布より薄膜材料の拡散度を評価することから、溶液が攪拌された状態であっても、薄膜材料が溶液内をどのように拡散していくかを観察することが出来る。
従来の薄膜評価装置は浸漬式であることから、このような攪拌状態の溶液に対し薄膜材料がどのように拡散していくかを評価することは困難であった。
半導体における現像プロセスでは、レジストの塗布された基板はパドル式などで現像処理されることが多く、レジスト薄膜表面での現像剤の置換効率は高い。このため、本発明の薄膜検査方法は、特に、レジスト材料の現像液の拡散状態を評価することに好適に用いることが出来る。
【0026】
<励起光照射工程>
次に、溶液内に蛍光粒子に対する励起光を照射し、蛍光粒子を発光させる。励起光を照射することにより、蛍光粒子を発光させることが出来る。
【0027】
励起光は、用いた蛍光粒子に対応する波長の光であれば良い。
【0028】
<画像取得工程>
次に、溶液内の蛍光粒子の発光を画像として取得する。
【0029】
画像取得手段としては、適宜公知の画像取得手段を用いてよく、光学的なカメラで静止画像を取得してよい。また、一定の単位時間毎に連続して画像を取得することにより、経過時間毎の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。また、画像取得手段は、動画であっても良い。
【0030】
<算出工程>
次に、画像取得工程にて取得した画像から、蛍光粒子の輝度分布を取得し、該輝度分布から、薄膜材料の拡散度を算出する。
蛍光粒子の拡散度合いと、薄膜材料の拡散度合いは、ほぼ同等と見なすことができることから、蛍光粒子の輝度分布は薄膜材料の濃度と相関を持つことになる。このため、蛍光粒子の輝度分布から観察時点における溶液内の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。よって、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することの出来る。
本発明は、蛍光粒子の輝度分布と、薄膜材料の濃度と、の相関を利用するものであるから、溶解域全体の輝度の積算と、溶解したレジスト薄膜の体積を照らし合わせ、それらの関係の相関基準データを作成することにより、未知の蛍光粒子の輝度より、薄膜材料の濃度を算出することが出来る。
【0031】
例えば、「前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記複数の画像の輝度分布から、所定部位の単位面積あたりの輝度を取得し、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出」しても良い。
取得した画像の指定部位における蛍光粒子の輝度の経時変化は、指定部位の薄膜材料の濃度の経時変化と相関することから、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出することが出来る。
【0032】
例えば、「前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布における輝度の積算から、溶液に拡散した薄膜材料の全体量を算出し、残存する基板表面の薄膜の膜厚を算出」しても良い。
蛍光粒子の輝度分布は蛍光粒子の濃度分布と相関がある。このとき、溶液内の蛍光粒子の数は、拡散前の薄膜の状態と、溶液に拡散した状態と、で同一であることから、蛍光粒子の輝度分布において輝度の積算は常に一定値である。このため、溶液内の輝度分布を積算することにより、溶液内に溶出した薄膜材料の全体量を算出することが出来る。また、拡散前の薄膜の状態における蛍光粒子の輝度分布の輝度の積算値から、溶液内の蛍光粒子の輝度分布の輝度の積算値を、引くことにより、基板上に残存している蛍光粒子の数量を算出することが出来、これにより、基板上に残存している蛍光粒子の数量から、基板に残存している薄膜材料の量(基板に残存している薄膜の膜厚)を求めることが出来る。
【0033】
例えば、「前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布から、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出」しても良い。
取得した画像において、蛍光粒子の発光に由来する輝度の変化があった部位は、拡散した薄膜材料が到達した部位と見なすことが出来る。このため、画像において、蛍光粒子の発光に由来する輝度の変化があった部位の経時変化より、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出することが出来る。
【0034】
図3に、一例として、レジスト薄膜を検査する場合における、本発明の薄膜検査方法のフローチャート図を示す。
まず、基板に蛍光粒子を含むレジスト薄膜を形成する。
次に、基板を現像剤に浸漬する。
次に、浸漬したままで、基板に対して垂直に励起光を照射する。
次に、照射したままレジスト薄膜の拡散状態の画像を取得する。
次に、画像から蛍光粒子の輝度の分布を取得する。
次に、取得した輝度分布から現像剤に溶解したレジスト薄膜の体積を算出する。
【0035】
以上より、本発明の薄膜検査方法を実施することが出来る。
本発明の薄膜検査方法によれば、蛍光粒子の輝度分布より、溶液内の薄膜における膜厚や薄膜材料の拡散度合いを観察し評価することが出来る。
【0036】
以下、本発明の薄膜検査装置について説明を行なう。
本発明の薄膜検査装置は、基板と、前記基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて形成された薄膜と、前記基板を浸漬する溶液槽と、前記溶液槽内に対し励起光を照射する光源と、前記溶液槽内の画像を取得する画像取得機構と、前記画像取得機構で取得した画像の輝度分布から溶液内の薄膜材料の拡散度を算出する計算機構と、を備える。
【0037】
本発明の薄膜検査装置によれば、溶液内を拡散する蛍光粒子を、励起光を照射することにより発光させ、蛍光粒子の発光を画像として取得することが出来る。このとき、取得した画像の輝度分布は拡散した蛍光粒子の濃度分布と相関しており、画像の輝度分布から蛍光粒子の輝度分布から観察時点における溶液内の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。よって、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することが出来る。
【0038】
図4に、本発明の薄膜検査装置に基板2を設置した概略図を示す。図4において、基板2、基板2上に形成されたレジスト薄膜1、レジスト薄膜1のパターン露光部であるレジスト薄膜の露光部分16、観察部位に励起光を照射する励起光の光源9、光源9から照射された励起光10、観察部位を撮像するカメラ11、である。
【0039】
図5は、図4のy軸方向から見た、本発明の薄膜検査装置の概略図である。図5において、現像液13が満たされた溶液槽12は、基板2に対し、y軸の延長線上に配置されており、基板2を浸漬するにあたり、基板2を現像液13内に浸す。
【0040】
図6は、図4のx軸方向から見た、本発明の薄膜検査装置の概略図である。
【0041】
図6において、観察範囲をz方向に長く、y方向に短い観察範囲14とした場合、取得した画像から、y方向と、z方向に変化する輝度の空間分布が得られる。レジスト薄膜が等方的に時間変化すると仮定すると、z方向への輝度分布の時間変化は、レジスト薄膜の拡散距離の時間変化に対応する。従って、レジスト薄膜の時間に対する拡散長を算出することが出来る。
【0042】
図6において、観察範囲をレジスト薄膜表面付近でz方向とy方向に短い観察範囲15とした場合、レジスト薄膜が現像剤に溶解し、選択した領域の面積あたりの輝度は高くなる。このため、画像の輝度分布と相関基準データから、選択した領域における現像剤に対するレジスト薄膜の濃度変化を算出できる。
【0043】
図6において、観察範囲をレジスト薄膜の溶解する全域とした場合、全域を撮像した画像の溶解域全域における輝度の積算と、上記基準データから、溶解したレジスト薄膜の全体積を算出し、基板に残ったレジスト薄膜の膜厚を算出できる。また、このとき、上記レジスト薄膜の溶解域の全域の経時変化を取得することで、レジスト薄膜の膜厚の時間変化を算出することが出来る。
【実施例】
【0044】
以下、本発明の薄膜検査方法について、具体的に説明を行なう。
【0045】
まず、ポジ型のレジスト薄膜1に蛍光粒子を混合した。
蛍光粒子は、波長542nmの単一波長光を照射すると色がレッドに発光するPSL(ポリスチレン)粒子であり、粒子径0.025μm、粒子密度1.05g/cm2のものを選択した。また、混合比は、レジスト薄膜に対し体積比で5%であった。
【0046】
次に、ガラス基板2に、蛍光粒子を混合したポジ型のレジスト薄膜1を塗布した。
このとき、塗布方法としてはレジストコート法を用いた。レジストコート法の条件としては、温度23℃、湿度50%、回転数1000rpm、膜厚0.7μm程度であった。
また、レジストを塗布した後に120℃で10分の加熱処理を施した。
【0047】
次に、レジスト薄膜1が形成された基板2に電子線露光でパターン描画した。
このとき、レジスト薄膜1の露光光源としては電子線を用いた。また、3mm角の正方形パターンを描画した。
また、描画した後に、110℃で10分の加熱処理を施した。
【0048】
次に、レジスト薄膜1を塗布し描画した基板2を、現像剤13に浸漬した。
このとき、現像剤13として、TMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide)を用いた。
【0049】
次に、現像剤13内での、レジスト薄膜1の溶出状態をカメラにより画像として取得した。
【0050】
次に、得られた画像に対し、画像処理を行い、画像内の輝度分布を取得した。
【0051】
次に、取得した輝度分布より、カメラで撮像した範囲内の、レジスト材料の濃度を算出し、膜厚の経時変化をデータとして取得できた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の薄膜検査方法は、溶液中の薄膜の拡散状態を検査することが求められる分野に利用できる。具体的には、例えば、微細加工技術であるリソグラフィ法におけるレジスト材料の現像液の拡散状態を評価することに利用することが出来る。
【符号の説明】
【0053】
1……レジスト薄膜
2……基板
3……露光光
4……レジスト薄膜表面の反射光
5……レジスト薄膜を透過した反射光
6……水晶振動子
7……電極板
8……電極
9……光源
10……励起光
11……カメラ
12……現像剤用槽
13……現像剤
14……観察範囲
15……観察範囲
16……レジスト薄膜の露光部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜検査方法、および該薄膜検査方法の実施に適した薄膜検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細加工技術であるリソグラフィ法では、現像解像度の向上が求められている。リソグラフィ法では、基板上にレジストを塗布し、レジストに露光光を照射し、極性または分子量の差を利用してレジストを現像剤に溶解させ、任意の形状に形成する。このとき、レジスト形状の高い解像性を達成するために、露光光の露光量と現像速度などのレジスト特性との関係性を評価し、最適化することが求められている。
【0003】
レジストのような薄膜の特性を評価する方法として、種々の薄膜検査装置が提案されている。
【0004】
例えば、光学的手段を用いた薄膜検査装置が提案されている(特許文献1参照)。
図1に示すように、光源から照射された光3の内、レジスト薄膜1の表面で反射した光4と透過して基板2に反射した光5との光路差によって起きる干渉を利用し、膜厚を測定する。これより、現像剤へのレジストの溶解による膜厚変化を測定し、現像特性を評価することが出来る。
【0005】
しかしながら、光学的手段を用いた薄膜検査装置では、原理的にレーザー光の干渉できる範囲の膜厚に限定され、レーザー光の干渉できる範囲外の膜厚の場合、十分な精度で測定することができない。また、測定部位はレーザー光が当たる狭い範囲に限定される。このため、基板に形成された薄膜の溶液への空間的な拡散を観察することは困難であった。
【0006】
例えば、水晶振動子を用いた薄膜検査装置が提案されている(特許文献2参照)。
図2に示すように、水晶振動子を用いた方法では、電極板7の付属した水晶の振動子6にレジストなどの物質を塗布し、電極8に電圧をかけ、水晶の圧電気性質による電気的共振周波数の変化を測定し、膜厚の変化を測定することができる。
【0007】
しかしながら、水晶振動子を用いた薄膜検査装置では、水晶の圧電気性質を利用するため、基板には水晶しか用いることはできず、従って被加工膜の材料は水晶に塗布できるものに限られ、水晶以外の基板上に膜形成した薄膜について評価することが出来ない。また、基板自体が微小に揺動するため、基板に形成された薄膜の溶液への拡散を正確に評価することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−71924号公報
【特許文献2】特開2001−349816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したような従来の薄膜検査装置では、溶液中における薄膜材料の拡散状態を観察することは困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することの出来る薄膜検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の本発明は、溶液中における薄膜材料の拡散状態を検査する薄膜検査方法であって、基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記基板を溶液に浸漬する溶液浸漬工程と、溶液中の前記基板に対して垂直に前記蛍光粒子に対する励起光を照射する励起光照射工程と、励起光を照射したまま基板近傍の画像を取得する画像取得工程と、前記画像から蛍光粒子の輝度分布を取得する輝度分布取得工程と、前記輝度分布より溶液に拡散した薄膜材料の拡散度を算出する算出工程と、を備えたことを特徴とする薄膜検査方法である。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記複数の画像の輝度分布から、所定部位の単位面積あたりの輝度を取得し、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出することを特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法である。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布における輝度の積算から、溶液に拡散した薄膜材料の全体量を算出し、残存する基板表面の薄膜の膜厚を算出することを特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法である。
【0014】
請求項4に記載の本発明は、前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布から、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出することを特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法である。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、基板と、前記基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて形成された薄膜と、前記基板を浸漬する溶液槽と、前記溶液槽内に対し励起光を照射する光源と、前記溶液槽内の画像を取得する画像取得機構と、前記画像取得機構で取得した画像の輝度分布から溶液内の薄膜材料の拡散度を算出する計算機構と、を備えたことを特徴とする薄膜検査装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の薄膜検査方法は、薄膜材料に蛍光粒子を混合することから、薄膜材料の拡散に伴う蛍光粒子の拡散を励起光を用いて追跡観察することが出来る。このとき、蛍光粒子の輝度分布は薄膜材料の濃度と相関を持つことから、蛍光粒子の輝度分布から観察時点における溶液内の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。よって、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することの出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の光学的手段を用いた薄膜検査装置を示す概略図である。
【図2】従来の水晶振動子を用いた薄膜検査装置を示す概略図である。
【図3】本発明の薄膜検査方法の一実施形態を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の薄膜検査装置に係る斜視概略図である。
【図5】本発明の薄膜検査装置に係る概略図である。
【図6】本発明の薄膜検査装置に係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の薄膜検査方法について説明を行なう。
【0019】
<薄膜形成工程>
まず、基板に対し、蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する。
【0020】
基板は、検査対象である薄膜を支持できる程度の機械強度を備えていれば良く、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、シリコン基板、石英基板、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、などを用いても良い。
【0021】
蛍光粒子は、後述する励起光の照射により発光を行なう粒子である。蛍光を示す材料を担持体に担持させ粒子状にしたものであり、粒径は20nm〜300μm程度であれば良い。このとき、担持体としては、シリカ、ポリスチレンなどの樹脂、などを用いることが出来る。
【0022】
薄膜形成方法は、検査対象の薄膜に用いる薄膜材料の特性に応じて適宜公知の薄膜形成方法を用いて良い。具体的には、例えば、ディップコート法、キャスト法、スピンコート法、真空蒸着法、電界重合法、などの薄膜形成方法が挙げられる。
また、薄膜形成前に、基板にHMDS(Hexamethyldisilazane)処理、UV処理、などの表面処理を施しても良い。
【0023】
<溶液浸漬工程>
次に、薄膜が形成された基板を溶液に浸漬する。
【0024】
溶液は、検査対象の薄膜に用いる薄膜材料に対応した溶液であればよく、検査環境に応じて適宜設定してよい。例えば、レジスト材料を検査評価する場合には、該レジスト材料の現像液を用いれば良い。
【0025】
また、溶液は攪拌状態の溶液であっても良い。本発明の薄膜検査方法では、蛍光粒子の輝度分布より薄膜材料の拡散度を評価することから、溶液が攪拌された状態であっても、薄膜材料が溶液内をどのように拡散していくかを観察することが出来る。
従来の薄膜評価装置は浸漬式であることから、このような攪拌状態の溶液に対し薄膜材料がどのように拡散していくかを評価することは困難であった。
半導体における現像プロセスでは、レジストの塗布された基板はパドル式などで現像処理されることが多く、レジスト薄膜表面での現像剤の置換効率は高い。このため、本発明の薄膜検査方法は、特に、レジスト材料の現像液の拡散状態を評価することに好適に用いることが出来る。
【0026】
<励起光照射工程>
次に、溶液内に蛍光粒子に対する励起光を照射し、蛍光粒子を発光させる。励起光を照射することにより、蛍光粒子を発光させることが出来る。
【0027】
励起光は、用いた蛍光粒子に対応する波長の光であれば良い。
【0028】
<画像取得工程>
次に、溶液内の蛍光粒子の発光を画像として取得する。
【0029】
画像取得手段としては、適宜公知の画像取得手段を用いてよく、光学的なカメラで静止画像を取得してよい。また、一定の単位時間毎に連続して画像を取得することにより、経過時間毎の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。また、画像取得手段は、動画であっても良い。
【0030】
<算出工程>
次に、画像取得工程にて取得した画像から、蛍光粒子の輝度分布を取得し、該輝度分布から、薄膜材料の拡散度を算出する。
蛍光粒子の拡散度合いと、薄膜材料の拡散度合いは、ほぼ同等と見なすことができることから、蛍光粒子の輝度分布は薄膜材料の濃度と相関を持つことになる。このため、蛍光粒子の輝度分布から観察時点における溶液内の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。よって、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することの出来る。
本発明は、蛍光粒子の輝度分布と、薄膜材料の濃度と、の相関を利用するものであるから、溶解域全体の輝度の積算と、溶解したレジスト薄膜の体積を照らし合わせ、それらの関係の相関基準データを作成することにより、未知の蛍光粒子の輝度より、薄膜材料の濃度を算出することが出来る。
【0031】
例えば、「前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記複数の画像の輝度分布から、所定部位の単位面積あたりの輝度を取得し、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出」しても良い。
取得した画像の指定部位における蛍光粒子の輝度の経時変化は、指定部位の薄膜材料の濃度の経時変化と相関することから、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出することが出来る。
【0032】
例えば、「前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布における輝度の積算から、溶液に拡散した薄膜材料の全体量を算出し、残存する基板表面の薄膜の膜厚を算出」しても良い。
蛍光粒子の輝度分布は蛍光粒子の濃度分布と相関がある。このとき、溶液内の蛍光粒子の数は、拡散前の薄膜の状態と、溶液に拡散した状態と、で同一であることから、蛍光粒子の輝度分布において輝度の積算は常に一定値である。このため、溶液内の輝度分布を積算することにより、溶液内に溶出した薄膜材料の全体量を算出することが出来る。また、拡散前の薄膜の状態における蛍光粒子の輝度分布の輝度の積算値から、溶液内の蛍光粒子の輝度分布の輝度の積算値を、引くことにより、基板上に残存している蛍光粒子の数量を算出することが出来、これにより、基板上に残存している蛍光粒子の数量から、基板に残存している薄膜材料の量(基板に残存している薄膜の膜厚)を求めることが出来る。
【0033】
例えば、「前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布から、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出」しても良い。
取得した画像において、蛍光粒子の発光に由来する輝度の変化があった部位は、拡散した薄膜材料が到達した部位と見なすことが出来る。このため、画像において、蛍光粒子の発光に由来する輝度の変化があった部位の経時変化より、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出することが出来る。
【0034】
図3に、一例として、レジスト薄膜を検査する場合における、本発明の薄膜検査方法のフローチャート図を示す。
まず、基板に蛍光粒子を含むレジスト薄膜を形成する。
次に、基板を現像剤に浸漬する。
次に、浸漬したままで、基板に対して垂直に励起光を照射する。
次に、照射したままレジスト薄膜の拡散状態の画像を取得する。
次に、画像から蛍光粒子の輝度の分布を取得する。
次に、取得した輝度分布から現像剤に溶解したレジスト薄膜の体積を算出する。
【0035】
以上より、本発明の薄膜検査方法を実施することが出来る。
本発明の薄膜検査方法によれば、蛍光粒子の輝度分布より、溶液内の薄膜における膜厚や薄膜材料の拡散度合いを観察し評価することが出来る。
【0036】
以下、本発明の薄膜検査装置について説明を行なう。
本発明の薄膜検査装置は、基板と、前記基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて形成された薄膜と、前記基板を浸漬する溶液槽と、前記溶液槽内に対し励起光を照射する光源と、前記溶液槽内の画像を取得する画像取得機構と、前記画像取得機構で取得した画像の輝度分布から溶液内の薄膜材料の拡散度を算出する計算機構と、を備える。
【0037】
本発明の薄膜検査装置によれば、溶液内を拡散する蛍光粒子を、励起光を照射することにより発光させ、蛍光粒子の発光を画像として取得することが出来る。このとき、取得した画像の輝度分布は拡散した蛍光粒子の濃度分布と相関しており、画像の輝度分布から蛍光粒子の輝度分布から観察時点における溶液内の薄膜材料の拡散度合いを評価することが出来る。よって、溶液中の薄膜材料の拡散状態を好適に検査することが出来る。
【0038】
図4に、本発明の薄膜検査装置に基板2を設置した概略図を示す。図4において、基板2、基板2上に形成されたレジスト薄膜1、レジスト薄膜1のパターン露光部であるレジスト薄膜の露光部分16、観察部位に励起光を照射する励起光の光源9、光源9から照射された励起光10、観察部位を撮像するカメラ11、である。
【0039】
図5は、図4のy軸方向から見た、本発明の薄膜検査装置の概略図である。図5において、現像液13が満たされた溶液槽12は、基板2に対し、y軸の延長線上に配置されており、基板2を浸漬するにあたり、基板2を現像液13内に浸す。
【0040】
図6は、図4のx軸方向から見た、本発明の薄膜検査装置の概略図である。
【0041】
図6において、観察範囲をz方向に長く、y方向に短い観察範囲14とした場合、取得した画像から、y方向と、z方向に変化する輝度の空間分布が得られる。レジスト薄膜が等方的に時間変化すると仮定すると、z方向への輝度分布の時間変化は、レジスト薄膜の拡散距離の時間変化に対応する。従って、レジスト薄膜の時間に対する拡散長を算出することが出来る。
【0042】
図6において、観察範囲をレジスト薄膜表面付近でz方向とy方向に短い観察範囲15とした場合、レジスト薄膜が現像剤に溶解し、選択した領域の面積あたりの輝度は高くなる。このため、画像の輝度分布と相関基準データから、選択した領域における現像剤に対するレジスト薄膜の濃度変化を算出できる。
【0043】
図6において、観察範囲をレジスト薄膜の溶解する全域とした場合、全域を撮像した画像の溶解域全域における輝度の積算と、上記基準データから、溶解したレジスト薄膜の全体積を算出し、基板に残ったレジスト薄膜の膜厚を算出できる。また、このとき、上記レジスト薄膜の溶解域の全域の経時変化を取得することで、レジスト薄膜の膜厚の時間変化を算出することが出来る。
【実施例】
【0044】
以下、本発明の薄膜検査方法について、具体的に説明を行なう。
【0045】
まず、ポジ型のレジスト薄膜1に蛍光粒子を混合した。
蛍光粒子は、波長542nmの単一波長光を照射すると色がレッドに発光するPSL(ポリスチレン)粒子であり、粒子径0.025μm、粒子密度1.05g/cm2のものを選択した。また、混合比は、レジスト薄膜に対し体積比で5%であった。
【0046】
次に、ガラス基板2に、蛍光粒子を混合したポジ型のレジスト薄膜1を塗布した。
このとき、塗布方法としてはレジストコート法を用いた。レジストコート法の条件としては、温度23℃、湿度50%、回転数1000rpm、膜厚0.7μm程度であった。
また、レジストを塗布した後に120℃で10分の加熱処理を施した。
【0047】
次に、レジスト薄膜1が形成された基板2に電子線露光でパターン描画した。
このとき、レジスト薄膜1の露光光源としては電子線を用いた。また、3mm角の正方形パターンを描画した。
また、描画した後に、110℃で10分の加熱処理を施した。
【0048】
次に、レジスト薄膜1を塗布し描画した基板2を、現像剤13に浸漬した。
このとき、現像剤13として、TMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide)を用いた。
【0049】
次に、現像剤13内での、レジスト薄膜1の溶出状態をカメラにより画像として取得した。
【0050】
次に、得られた画像に対し、画像処理を行い、画像内の輝度分布を取得した。
【0051】
次に、取得した輝度分布より、カメラで撮像した範囲内の、レジスト材料の濃度を算出し、膜厚の経時変化をデータとして取得できた。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の薄膜検査方法は、溶液中の薄膜の拡散状態を検査することが求められる分野に利用できる。具体的には、例えば、微細加工技術であるリソグラフィ法におけるレジスト材料の現像液の拡散状態を評価することに利用することが出来る。
【符号の説明】
【0053】
1……レジスト薄膜
2……基板
3……露光光
4……レジスト薄膜表面の反射光
5……レジスト薄膜を透過した反射光
6……水晶振動子
7……電極板
8……電極
9……光源
10……励起光
11……カメラ
12……現像剤用槽
13……現像剤
14……観察範囲
15……観察範囲
16……レジスト薄膜の露光部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液中における薄膜材料の拡散状態を検査する薄膜検査方法であって、
基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記基板を溶液に浸漬する溶液浸漬工程と、
溶液中の前記基板に対して垂直に前記蛍光粒子に対する励起光を照射する励起光照射工程と、
励起光を照射したまま基板近傍の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像から蛍光粒子の輝度分布を取得する輝度分布取得工程と、
前記輝度分布より溶液に拡散した薄膜材料の拡散度を算出する算出工程と、
を備えたことを特徴とする薄膜検査方法。
【請求項2】
前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、
前記算出工程にあたり、前記複数の画像の輝度分布から、所定部位の単位面積あたりの輝度を取得し、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法。
【請求項3】
前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布における輝度の積算から、溶液に拡散した薄膜材料の全体量を算出し、残存する基板表面の薄膜の膜厚を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法。
【請求項4】
前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、
前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布から、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法。
【請求項5】
基板と、
前記基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて形成された薄膜と、
前記基板を浸漬する溶液槽と、
前記溶液槽内に対し励起光を照射する光源と、
前記溶液槽内の画像を取得する画像取得機構と、
前記画像取得機構で取得した画像の輝度分布から溶液内の薄膜材料の拡散度を算出する計算機構と、
を備えたことを特徴とする薄膜検査装置。
【請求項1】
溶液中における薄膜材料の拡散状態を検査する薄膜検査方法であって、
基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記基板を溶液に浸漬する溶液浸漬工程と、
溶液中の前記基板に対して垂直に前記蛍光粒子に対する励起光を照射する励起光照射工程と、
励起光を照射したまま基板近傍の画像を取得する画像取得工程と、
前記画像から蛍光粒子の輝度分布を取得する輝度分布取得工程と、
前記輝度分布より溶液に拡散した薄膜材料の拡散度を算出する算出工程と、
を備えたことを特徴とする薄膜検査方法。
【請求項2】
前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、
前記算出工程にあたり、前記複数の画像の輝度分布から、所定部位の単位面積あたりの輝度を取得し、溶液に拡散した薄膜材料の単位時間あたりの濃度変化を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法。
【請求項3】
前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布における輝度の積算から、溶液に拡散した薄膜材料の全体量を算出し、残存する基板表面の薄膜の膜厚を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法。
【請求項4】
前記画像取得工程にあたり、単位時間ごとに画像を取得することにより複数の画像を取得し、
前記算出工程にあたり、前記画像の輝度分布から、拡散した薄膜材料の単位時間に対する拡散長を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の薄膜検査方法。
【請求項5】
基板と、
前記基板上に蛍光粒子を含む薄膜材料を用いて形成された薄膜と、
前記基板を浸漬する溶液槽と、
前記溶液槽内に対し励起光を照射する光源と、
前記溶液槽内の画像を取得する画像取得機構と、
前記画像取得機構で取得した画像の輝度分布から溶液内の薄膜材料の拡散度を算出する計算機構と、
を備えたことを特徴とする薄膜検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2010−223779(P2010−223779A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71774(P2009−71774)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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