説明

薬剤蒸散装置

【課題】 蒸散した薬剤の液滴化を抑制して蒸散効率を高めることができる薬剤蒸散装置を提供する。
【解決手段】薬剤を含浸させた担持体14を加熱して薬剤を蒸散させる薬剤蒸散装置1であって、発熱体12を有する装置本体10と、装置本体10に取り付けられた保護カバー20と、発熱体12と保護カバー20との間に担持体14を保持する保持手段22を備え、保持手段22は、使用状態で担持体14を起立保持すると共に、担持体14と保護カバー20との間に空間部Sを形成し、空間部Sは、少なくとも上部が外部と連通するように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤蒸散装置に関し、より詳しくは、薬剤を含浸させた担持体を加熱して薬剤を蒸散させる薬剤蒸散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤蒸散装置は、殺虫、殺菌、芳香、消臭など種々の目的のために従来から使用されている。薬剤蒸散装置の構成として、薬剤を含浸させた板状の担持体をヒータ等の発熱体により加熱することで、薬剤を蒸散させるものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図8に示すように、薬剤を含有するマット状の薬剤含有体51が、装置本体52に設けられた発熱体53の上面に水平に配置され、これら薬剤含有体51及び発熱体53が半球状のカバー体54で覆われるように構成された薬剤加熱蒸散装置50が開示されている。カバー体54は、中央に蒸散孔55を有しており、発熱体53の加熱によって薬剤含有体51から蒸散した薬剤が、蒸散孔55を介して外部に放出される。
【特許文献1】特開平7−322798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した薬剤加熱蒸散装置50は、蒸散孔55を人の指などが入りにくい程度の大きさとすることで高温部との不用意な接触を防止している一方、これによって蒸散孔55の大きさが必然的に小さくなっていた。このため、薬剤含有体51から上方に蒸散する薬剤の一部がカバー体54の内面と接触して液滴化するという現象が生じ、蒸散効率の低下や、カバー体54の変色・劣化などの問題を有していた。
【0005】
そこで、本発明は、蒸散した薬剤の液滴化を抑制して蒸散効率を高めることができる薬剤蒸散装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、薬剤を含浸させた担持体を加熱して薬剤を蒸散させる薬剤蒸散装置であって、発熱体を有する装置本体と、前記装置本体に取り付けられた保護カバーと、前記発熱体と前記保護カバーとの間に前記担持体を保持する保持手段を備え、前記保持手段は、使用状態で前記担持体を起立保持すると共に、前記担持体と前記保護カバーとの間に空間部を形成し、前記空間部は、少なくとも上部が外部と連通するように形成される薬剤蒸散装置により達成される。
【0007】
この薬剤蒸散装置において、前記空間部は、前記担持体と前記保護カバーとの間隔が3mm以上となるように形成されることが好ましい。
【0008】
また、前記保護カバーは、使用状態で前記担持体よりも上方に延出する延出部を有することが可能である。この場合、前記延出部は、前記担持体表面の直上位置を超えない範囲で前記担持体側に向けて張り出すように形成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記保持手段は、前記担持体の裏面全体が前記発熱体の発熱面と接触するように前記担持体を保持することが好ましい。
【0010】
また、前記装置本体は、前記担持体が保持される面とは反対側の面に電源プラグを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の薬剤蒸散装置によれば、蒸散した薬剤の液滴化を抑制して蒸散効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤蒸散装置の概略構成を一部断面で示す側面図であり、図2はその平面図である。図1及び図2に示すように、薬剤蒸散装置1は、装置本体10と、装置本体10に取り付けられた保護カバー20とを備えている。
【0013】
装置本体10は、筐体状に形成され、前面上部の中央を窪ませるようにして段部11が形成されており、段部11には、PTCヒータなどの電熱ヒータからなる面状の発熱体12が設けられている。発熱体12は、発熱面12aが前方側に位置するように背面側が段部11に固定されており、装置本体10の後面に設けられた電源プラグ13を介して通電加熱できるように構成されている。発熱体温度は40〜170℃の間で適宜選定することが可能であり、芳香剤として使用する場合は好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜90℃である。殺虫剤として使用する場合は好ましくは100〜150℃であり、より好ましくは120〜140℃である。
【0014】
段部11における発熱体12の前方には、薬剤を含浸させた平板状の担持体14が着脱自在に取り付けられる装着部15が形成されている。装着部15は、矢示のように担持体14を上方から挿入して段部11の両側面11aに沿って摺動させ、担持体14の下端部を段部11の下面11bに当接させることにより、担持体14を発熱体12の発熱面12aと近接状態で保持する。担持体14が装着部15に保持された状態においては、担持体14の上端が保護カバー20の上端よりも若干低い位置になることが好ましい。担持体14の表面積(発熱体12と対向する裏面側の面積)は、発熱体12の発熱面12aの面積と同程度か、若干小さい程度であることが好ましい。
【0015】
薬剤担持体14としては、無機及び/又は有機粉末を主剤とする粘着体及び/又は焼結体及び/又は打錠体、パルプを主剤とする紙及び/又は不織布、プラスチックを主剤とする不織布及び/又は織物、その他動植物由来物質を主剤とする不織布及び/又は織物、プラスチックを主剤とするフォーム、プラスチック錬り込み体、植物乾燥体、ゲル体、の少なくとも一つから選ぶことができ、殺虫剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤などの液状の各種薬剤に適宜添加剤を含むものを含浸保持する。薬剤担持体14は、2種以上を用いることも可能であり、この場合、それぞれが混在してもよいし、層状にして重ねあわせるなどしてもよい。
【0016】
各種薬剤は特に限定はされないが、例えば、芳香剤用香料としては、サンダルウッド油、セダーウッド油、パイン油、サイプレス油、安息香油特など、常温(30℃以下)では揮散しにくい沸点220℃以上の成分及び/又はそれら成分を含有する天然及び/又は合成香料が好ましい。これらの香料組成物は常温揮散性が低く、一旦液滴化した薬剤はその後揮散することがなく蓄積するので、従来の蒸散装置を用い続けた場合には、薬剤の液ダレが生じ住居の床材などを侵食する恐れがあるが、本実施形態の薬剤蒸散装置によれば、後述するように、この問題を効果的に解消することができる。また、薬剤担持体に含浸させる薬剤には酸化防止剤、pH調整剤、着色料、界面活性剤、紫外線吸収剤等を適宜添加することができる。
【0017】
保護カバー20は、平板状の部材からなり、装置本体10の前面と間隔をあけて対向するように装置本体10の下部に回動軸21を介して取り付けられ、矢示方向に回動自在に構成されている。保護カバー20の大きさは、装置本体10の前面と略同じ大きさとされており、装着部15に装着された担持体14に対応する内面側の位置に2つの押圧突起22,22を備えている。押圧突起22,22は、それぞれ保護カバー20を閉じた状態で担持体14の表面と当接し、担持体14の裏面を発熱体12の発熱面12a全体に密着させる。これにより、担持体14は、前面側が装置本体10の前面と略面一となり、保護カバー20との間に空間部Sが形成された状態で保持される。押圧突起22,22の個数は、単一であってもよく、或いは、3つ以上設けてもよい。
【0018】
次に、上記構成を有する薬剤蒸散装置1の作動を説明する。本実施形態の薬剤蒸散装置1は、装着部15に担持体14を装着して保護カバー20を閉じた後、図3に示すように、家庭やオフィスなどの壁面40に設置されたコンセント41に電源プラグ13を差し込んで、使用することができる。担持体14は、装着部15及び押圧突起22により起立保持され、発熱体12への通電により加熱される。
【0019】
本実施形態においては、押圧突起22による担持体14の押圧により、担持体14の裏面全体が発熱体12の発熱面12aと接触するように構成しているので、発熱体12による担持体14の加熱効率を高めて省電力化を図っている。
【0020】
担持体14が加熱されると、担持体14に含浸された薬剤は、担持体14と保護カバー20との間に形成された空間部Sに蒸散し、加熱された空気と共に上昇して、担持体14と保護カバー20との上部隙間を介して外部に拡散される。このように、本実施形態の薬剤蒸散装置1は、担持体14を起立状態で保持すると共に、担持体14と保護カバー20との間に空間部Sを形成しているので、保護カバー20は、使用者の指などが発熱体12や担持体14などの高温部に接触するのを有効に防止しつつ、薬剤の上昇流との衝突を回避することができる。この結果、保護カバー20の内面における薬剤の液滴化を抑制することができ、蒸散効率の向上や、保護カバー20の変色・劣化の防止を図ることができる。
【0021】
担持体14と保護カバー20との間に形成される空間部Sは、少なくとも上部が外部と連通するように形成されている必要があるが、より好ましくは、担持体14と保護カバー20との上部隙間に薬剤の上昇流と衝突するおそれがある障害物を何ら介在させないように、薬剤蒸散装置1を構成することが好ましい。一方、空間部Sの両側部及び下部は、薬剤の上昇流に伴い外気が空間部Sに導入されるように構成される限り、一部又は全部を閉塞してもよい。空間部Sの両側部及び下部の全体を閉塞した場合、例えば、保護カバー20の下部に多数の小孔を形成することで、空間部Sへ外気を導入することができる。
【0022】
図3に示す空間部Sにおける担持体14と保護カバー20との間隙幅aは、小さすぎると、担持体14から蒸散した薬剤が上昇流となる前に保護カバー20の内面に衝突して液滴化するおそれがある。後述する実験結果によれば、カバー20内面における薬剤の液滴化を有効に防止するためには、間隙幅aは3mm以上であることが好ましい。一方、間隙幅aが大きくなりすぎると、担持体14と保護カバー20との間に指が入るおそれがあることから、本実施形態の構成においては、間隙幅aは5mm以下であることが好ましい。
【0023】
本実施形態の薬剤蒸散装置1は、電源プラグ13が、装置本体10における担持体14が保持される面とは反対側の面に設けられているので、壁面40から離隔した位置に薬剤を蒸散させることができ、薬剤が壁面40に付着して液滴化するのを防止することができる。但し、本実施形態の構成においても、図3に示す使用状態において壁面40から担持体14の前面までの張り出し距離bが小さすぎると、装置本体10の上方へ拡散した薬剤が壁面40で液滴化するおそれがある。後述する実験結果によれば、壁面40における薬剤の液滴化を有効に防止するためには、張り出し距離bを17.5mm以上とすることが好ましい。一方、張り出し距離bが大きくなりすぎると、使用上邪魔になり易いことから、実用的には30mm以下とすることが好ましい。
【0024】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、本実施形態においては、壁面40に設置されたコンセント41に電源プラグ13を差し込んで使用する構成とすることで、使用時の省スペース化を図っているが、例えば、装置本体10の下部に支持台などを設けて床面やテーブル等に載置し、装置本体10に装着した電池等から発熱体12の電源をとるように構成することもできる。
【0025】
また、本実施形態においては、発熱体12及び担持体14をいずれも平板状に形成しているが、波板状、円盤状、リング状など種々の形状とすることができる。
【0026】
また、本実施形態においては、担持体14を起立状態で保持するための保持手段を、装着部15及び押圧突起22により構成しているが、担持体14は必ずしも発熱体12に密着させる必要はなく、押圧突起22を設けずに装着部15のみから保持手段を構成することもできる。
【0027】
担持体14を保持する保持手段の具体的な構成は、保持を確実に行うことができる限り種々の変形が可能である。例えば、図4に示すように、装置本体10の前面に設置された発熱体12から前方に延びる保持ロッド101,101を設け、担持体14に形成した挿通孔141,141に保持ロッド101,101を挿通することにより、担持体14を発熱体12の近傍に配置することができる。この場合、保持ロッド101,101をボルトとして、担持体14の前面側からナットを締結することにより、担持体14を発熱体12に密着させることができる。或いは、図5に示すように、発熱体12の下方から前方に張り出すL字状の保持金具102を設け、担持体14の下端部を保持金具102の先端部と発熱体12との間に挟持するように構成することもできる。
【0028】
保持手段の種々のバリエーションにおいて、例えば図4に示すように、発熱体12の発熱面12a上縁と装置本体10の前面上縁との間に非加熱領域Aが形成される場合、この領域の高さcが大きくなりすぎると、蒸散した薬剤がこの非加熱領域Aで液滴化するおそれがある。後述する実験結果によれば、非加熱領域Aにおける薬剤の液滴化を有効に防止するためには、非加熱領域Aの高さcを5mm以下とすることが好ましい。
【0029】
また、本実施形態において、担持体14は、使用状態で鉛直方向に延びるように起立保持されるが、本明細書における起立保持とは、必ずしも鉛直方向の保持のみに限定されず、図6に示すように、担持体14が傾斜状態で保持される場合も含む。この場合、鉛直方向に対する担持体14の傾斜角θが大きくなりすぎると、担持体14の上端と保護カバー20との間隔が大きくなり指などが入りやすくなることから、傾斜角θは、0〜10°であることが好ましい。
【0030】
保持手段による担持体14の保持位置は発熱体12の近傍であることが好ましいが、発熱体12と保護カバー20との間に担持体14を保持可能である限り、上記以外の構成にすることも可能である。例えば、保護カバー20の内面側(発熱体12との対向面側)に、挟持や吊持などの適宜手段で担持体14を保持し、保護カバー20に支持された担持体14を、装置本体10の発熱体12で加熱するように構成することもできる。
【0031】
また、図7に示すように、保護カバー20が、担持体14よりも上方に延出する延出部20aを備えた構成として、この延出部20aが担持体14側に向けて張り出すように構成してもよい。この場合、空間部Sの間隙幅を拡げても、担持体14と保護カバー20との間に指などがより入りにくくなるので、空間部Sの十分なスペースの確保が容易になる。但し、延出部20aの先端が担持体14の表面の直上位置(図7の破線で示す位置)を超えて張り出すと、この超えた部分の内面に、蒸散した薬剤が付着して液滴化するおそれがあるので、延出部20aは、担持体14表面の直上位置を超えない範囲で張り出すように構成することが好ましい。延出部20aの張り出しは、本実施形態のように傾斜させてもよく、或いは、先端部を水平方向に折り曲げてもよい。同様に、保護カバー20の両側面にも担持体14側に向けて張り出す延出部を設けてもよい。
【0032】
また、保護カバー20は、装置本体10に対して取り付け可能であればよく、例えば、本実施形態のように回動自在とする代わりに、装置本体10に着脱自在に取り付けられるように構成されていてもよい。更に、担持体14の起立保持が可能である限り、保護カバー20が装置本体10に固定されていてもよい。
【実施例】
【0033】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
図3に示す構成の薬剤蒸散装置1において、担持体14と保護カバー20との間隙幅aと、保護カバー20内面における薬剤液滴化の有無との関係を調べた。発熱体12の発熱面12aは、面積を20mm×40mmとし、表面温度を約80℃に維持した。また、担持体14は、面積を20mm×40mm、厚みを1mmとし、サンダルウッド精油を0.1g含浸させた。保護カバー20は、ポリプロピレン製で厚みを2mmとした。常温雰囲気下でサンダルウッド精油の蒸散がほぼ終了した後(99%以上蒸散した後)、保護カバー20内面に薬剤の液滴が発生したか否かを調べた。この結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

表1は、保護カバー20の内面に薬剤の液滴が生じた場合を「×」、液滴が生じなかった場合を「○」で表示している。表1から明らかなように、間隙幅aが3mm以上の場合は、薬剤の液滴が生じておらず良好な結果が得られているが、間隙幅aが2mm以下の場合には、薬剤の液滴が生じる結果となった。
【0036】
同様の試験を、図6に示す担持体14が傾斜状態で保持される薬剤蒸散装置1でも行い(傾斜角θ:10°)、担持体14の下端と保護カバー20との間隙幅と、薬剤の液滴付着との関係を調べたところ、表1と同じ結果となった。

(実施例2)
図3に示す構成の薬剤蒸散装置1の使用状態において、壁面40から担持体14の前面までの張り出し距離bと、壁面40における薬剤液滴化の有無との関係を調べた。壁面40は壁紙によって形成しており、この壁紙の変色の有無も調べた。試験条件は、実施例1と同様とした。この結果を表2に示す。
【0037】
【表2】

表2は、壁面40に薬剤の液滴が生じた場合、又は、壁紙の変色が生じた場合を「×」、壁面40の液滴や壁紙の変色がいずれも生じなかった場合を「○」で表示している。表2から明らかなように、張り出し距離bが17.5mm以上の場合は、薬剤の液滴及び壁紙の変色のいずれも生じておらず、良好な結果が得られているが、張り出し距離bが15mm以下の場合には、薬剤の液滴及び壁紙の変色が生じる結果となった。
【0038】
同様の試験を、図6に示す担持体14が傾斜状態で保持される薬剤蒸散装置1でも行い(傾斜角θ:10°)、壁面40から担持体14の前面上端までの張り出し距離と、薬剤の液滴付着及び壁紙の変色との関係を調べたところ、表2と同じ結果となった。
【0039】
(実施例3)
図4に示す構成の薬剤蒸散装置1において、非加熱領域Aの高さcと、この非加熱領域Aにおける薬剤液滴化の有無との関係を調べた。試験条件は、実施例1と同様とし、非加熱領域Aはポリプロピレンにより形成した。この結果を表3に示す。
【0040】
【表3】

表3は、非加熱領域Aに薬剤の液滴が生じた場合を「×」、液滴が生じなかった場合を「○」で表示している。表3から明らかなように、高さcが3mm以下の場合は、薬剤の液滴が生じておらず良好な結果が得られているが、高さcが5mm以上の場合には、薬剤の液滴が生じる結果となった。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る薬剤蒸散装置の概略構成を一部断面で示す側面図である。
【図2】図1に示す薬剤蒸散装置の平面図である。
【図3】図1に示す薬剤蒸散装置の使用状態を示す側面図である。
【図4】図1に示す薬剤蒸散装置の変形例を示す要部斜視図である。
【図5】図1に示す薬剤蒸散装置の他の変形例を示す要部側面図である。
【図6】図1に示す薬剤蒸散装置の更に他の変形例を示す側面図である。
【図7】図1に示す薬剤蒸散装置の更に他の変形例を示す側面図である。
【図8】従来の薬剤蒸散装置の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 薬剤蒸散装置
10 装置本体
11 段部
12 発熱体
12a 発熱面
13 電源プラグ
14 担持体
15 装着部
20 保護カバー
20a 延出部
22 押圧突起
S 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を含浸させた担持体を加熱して薬剤を蒸散させる薬剤蒸散装置であって、
発熱体を有する装置本体と、
前記装置本体に取り付けられた保護カバーと、
前記発熱体と前記保護カバーとの間に前記担持体を保持する保持手段を備え、
前記保持手段は、使用状態で前記担持体を起立保持すると共に、前記担持体と前記保護カバーとの間に空間部を形成し、
前記空間部は、少なくとも上部が外部と連通するように形成される薬剤蒸散装置。
【請求項2】
前記空間部は、前記担持体と前記保護カバーとの間隔が3mm以上となるように形成される請求項1に記載の薬剤蒸散装置。
【請求項3】
前記保護カバーは、使用状態で前記担持体よりも上方に延出する延出部を有しており、
前記延出部は、前記担持体表面の直上位置を超えない範囲で前記担持体側に向けて張り出すように形成されている請求項1又は2に記載の薬剤蒸散装置。
【請求項4】
前記保持手段は、前記担持体の裏面全体が前記発熱体の発熱面と接触するように前記担持体を保持する請求項1から3のいずれかに記載の薬剤蒸散装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記担持体が保持される面とは反対側の面に電源プラグを有する請求項1から4のいずれかに記載の薬剤蒸散装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−202510(P2007−202510A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27218(P2006−27218)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】