説明

虫類車室内進入阻止システム及びプログラム

【課題】車室内に虫類が進入するのを阻止することができるようにする。
【解決手段】車室内に配設された環境形成部と、車両のドア及び窓の開閉を監視し、ドア又は窓が開かれたかどうかを判断する開閉部材監視処理手段と、ドア又は窓が開かれた場合に、前記環境形成部を駆動し、虫類が嫌う環境を形成する環境形成処理手段とを有する。ドア又は窓が開かれた場合に環境形成部が駆動され、虫類が嫌う環境が形成されるので、開かれたドア又は窓を介して虫類が車室内に進入するのを阻止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虫類車室内進入阻止システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蚊、ハエ等の虫類が生息する場所で、車両を停車又は駐車させてドアを開いたり、車両を走行させながら窓を開いたりすると、開かれたドア又は窓を介して虫類が車室内に進入することがある。その場合、一旦車室内に進入した虫類は、容易には車外に出ていかず、運転者等の乗員を刺したり、フロントガラス上を移動して運転の邪魔をしたりする。
【0003】
そこで、車室内に殺虫剤を噴霧し、虫類を駆除する殺虫方法が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−47524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の殺虫方法においては、殺虫剤が車室内に噴霧されるようになっているので、車室内が汚れるだけでなく、衛生上好ましくない。
【0005】
本発明は、前記従来の殺虫方法の問題点を解決して、車室内に虫類が進入するのを阻止することができる虫類車室内進入阻止システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の虫類車室内進入阻止システムにおいては、車室内に配設された環境形成部と、車両のドア及び窓の開閉を監視し、ドア又は窓が開かれたかどうかを判断する開閉部材監視処理手段と、ドア又は窓が開かれた場合に、前記環境形成部を駆動し、虫類が嫌う環境を形成する環境形成処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両のドア及び窓の開閉が監視され、ドア又は窓が開かれたかどうかが判断され、ドア又は窓が開かれた場合に環境形成部が駆動される。
【0008】
したがって、虫類が嫌う環境が形成されるので、開かれたドア又は窓を介して虫類が車室内に進入するのを阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、虫類車室内進入阻止システムとしてのナビゲーションシステムについて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【0011】
図において、10は車両の全体の制御を行う車両制御装置、14は情報端末としての、かつ、車載装置としてのナビゲーション装置、63はネットワーク、51は情報提供者としての情報センタであり、前記車両制御装置10、ナビゲーション装置14、ネットワーク63、情報センタ51等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0012】
前記ナビゲーション装置14は、車両の現在地及び方位、並びに時刻を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいてナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に対して通知を行うための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって運転者に対して通知を行うための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備える。そして、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。なお、前記時刻は年月日及び時分秒で検出される。
【0013】
また、前記ナビゲーション処理部17に、前記車両制御装置10、バッテリ18、及び環境形成部としての、かつ、音波発生部としての超音波発生器21が接続され、前記車両制御装置10に、起動操作部としての、かつ、電源操作部としてのアクセサリスイッチACC、前記バッテリ18、第1の開閉操作要素としてのドアスイッチ19、第2の開閉操作要素としてのウィンドウスイッチ20、及び車速を検出する車速検出部としての車速センサ44が接続される。なお、図において、前記ドアスイッチ19及びウィンドウスイッチ20は、いずれも、一つのスイッチで表されているが、実際は第1の開閉部材としての図示されない各ドアにドアスイッチ19が、第2の開閉部材としての図示されない各窓にウィンドウスイッチ20が配設される。そして、前記超音波発生器21は各ドア及び各窓に隣接させて車室内に配設され、音波としての超音波を発生させる。なお、超音波の周波数は、蚊、ハエ等の虫類が嫌う範囲に設定される。
【0014】
前記データ記録部16には地図データが記録され、該地図データには、地形に関する地形データ、道路リンクに関する道路データ、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ、地物に関する地物データ、所定の情報を音声出力部37によって出力するための音声データ、渋滞を予測するための統計データ、車両の走行履歴に関する走行履歴データ、虫類の生息地に関する生息地データ等が含まれる。
【0015】
前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクのほかに、メモリカード等を備えるとともに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。そして、前記ディスク、メモリカード等によって記憶装置又は記録媒体が構成される。
【0016】
前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、探索経路の案内、すなわち、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリを備える。
【0017】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、ナビゲーション装置14において各種の機能を実現させるためのものであり、ナビゲーション装置14の筐(きょう)体等に形成されるほかに、ナビゲーション装置14とは独立させて配設されたリモコン、キーボード、マウス等に形成され、操作要素としてスイッチ、ボタン、キー、ダイヤル等を備える。そして、運転者がスイッチ、ボタン、キー等を押下したり、ダイヤルを回転させることによって、所定の入力操作を行うことができる。
【0018】
また、前記表示部35は、ディスプレイ、タッチパネル等に形成された各画面に各種の情報を表示するためのものであり、本実施の形態においては、タッチパネルが使用される。該タッチパネルは、操作部としても機能し、その場合、画面に操作要素としてのキー、スイッチ、ボタン等が画像によって表示され、運転者がキー、スイッチ、ボタン等をタッチ(押下)することによって、所定の入力操作を行うことができる。
【0019】
前記音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から各種の情報が音声で出力される。
【0020】
前記通信部38は、情報提供者としてのVICS(登録商標)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等から送られる交通情報、一般情報等の各種の情報を受信するためのビーコンレシーバ、ラジオ放送を受信するためのラジオ受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気予報等が含まれる。
【0021】
また、前記通信部38は、前記情報センタ51を介して前記交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。そのために、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。また、前記データベース58に、前記データ記録部16に記録された各種のデータと同様のデータが記録される。
【0022】
なお、前記ナビゲーションシステム、車両制御装置10、ナビゲーション処理部17、CPU31、54、サーバ53等は、単独で、又は組み合わせることによって、各種のプログラム、データ等に基づいて動作するコンピュータとして機能する。また、データ記録部16、RAM32、55、ROM33、56、データベース58、フラッシュメモリ等によって記憶装置又は記録媒体が構成される。そして、演算装置として、CPU31、54に代えてMPU等を使用することもできる。
【0023】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0024】
まず、運転者によってアクセサリスイッチACCがオンにされ、車両制御装置10が起動され、それに伴ってナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、GPSセンサ15によって検出された現在地及び車両の方位を読み込み、現在地の軌跡、及び現在地の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行い、車両の現在地を自車位置として、車両の方位を自車方位として特定する。
【0025】
続いて、CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。なお、地図データを情報センタ51等から取得する場合、前記情報取得処理手段は、受信した地図データをフラッシュメモリにダウンロードする。
【0026】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に各種の画面を形成する。例えば、表示処理手段の地図表示処理手段は、地図表示処理を行い、表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に周辺の地図を表示するとともに、自車位置及び自車方位を表示する。
【0027】
したがって、運転者は、前記地図、自車位置及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0028】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。
【0029】
続いて、運転者が操作部34を操作して探索条件を入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、探索条件を設定する。
【0030】
このようにして、目的地及び探索条件が設定されると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記自車位置、目的地、探索条件等を読み込むともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、自車位置、目的地、探索データ等に基づいて、自車位置を出発地とし、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。このとき、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。なお、自車位置とは異なる地点を出発地として設定することもできる。
【0031】
また、前記情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は自車位置、出発地、目的地、探索条件等を情報センタ51に送信し、該情報センタ51において、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、自車位置、出発地、目的地、探索データ等に基づいて、出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。次に、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをナビゲーション装置14に送信する。
【0032】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。
【0033】
ところで、前記経路案内においては、所定の交差点で車両を右左折させる必要がある場合、前記交差点が案内点として、かつ、案内交差点として設定される。
【0034】
そのために、前記案内処理手段の案内交差点設定処理手段は、案内交差点設定処理を行い、経路データに従って、すなわち、前記探索経路に基づいて、車両を右左折させる必要がある交差点があるかどうかを判断し、車両を右左折させる必要がある交差点がある場合、該交差点を案内交差点として設定する。
【0035】
続いて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、経路案内を音声出力部37から音声で出力する。そのために、前記案内処理手段の経路案内地点設定処理手段は、経路案内地点設定処理を行い、探索経路上の前記案内交差点より手前(車両側)の、あらかじめ設定された距離だけ離れた一つ以上の地点を、経路案内地点として設定する。また、前記案内処理手段の地点案内処理手段は、地点案内処理を行い、各経路案内地点に車両が到達すると、案内交差点について、経路案内地点ごとにあらかじめ設定された内容、例えば、自車位置から案内交差点までの距離、案内交差点における右左折等について経路案内を行う。
【0036】
そして、前記案内処理手段の案内点拡大図表示処理手段は、案内点拡大図表示処理を行い、交差点データを読み出し、車両が案内交差点に到達する前に、地図画面の所定の領域に案内交差点の拡大図、すなわち、交差点拡大図を表示し、交差点拡大図による経路案内を行う。この場合、前記交差点拡大図に、案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標が表示される。
【0037】
このようにして、運転者は、経路案内に従い、探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0038】
ところで、蚊、ハエ等の虫類が生息する場所で、車両を停車又は駐車させてドアを開いたり、車両を走行させながら窓を開いたりすることがあるが、その場合、開かれたドア又は窓を介して虫類が車室内に進入すると、容易には車外に出ていかず、運転者等の乗員を刺したり、フロントガラス上を移動して運転の邪魔をしたりする。
【0039】
そこで、本実施の形態において、前記CPU31の図示されない虫類車室内進入阻止処理手段は、虫類車室内進入阻止処理を行い、ドア又は窓を開いたときに、虫類が車室内に進入するのを阻止する。
【0040】
図2は本発明の実施の形態における虫類車室内進入阻止処理手段の動作を示すフローチャート、図3は本発明の実施の形態における生息時期マップの例を示す図である。なお、図3において、1〜12は月を表す。
【0041】
まず、虫類車室内進入阻止処理手段の第1の条件判断処理手段としての時期的条件判断処理手段は、第1の条件判断処理としての時期的条件判断処理を行い、第1の進入阻止条件としての時期的条件が成立するかどうかを、現在、虫類が生息する時期、すなわち、生息時期であるかどうかによって判断する。そのために、前記時期的条件判断処理手段は、自車位置及び時刻を読み込み、データ記録部16の図3に示される生息時期マップを参照して、自車位置が存在する地域に対応する生息時期を読み出し、現在、生息時期であるかどうか、例えば、自車位置が「ABC」地域に存在する場合、5月〜11月であるかどうかを判断する。前記生息時期マップには、各地域(ABC、DEF、GHI…)と、各地域における虫類の月で表される生息時期が対応させてあらかじめ記録される。
【0042】
なお、本実施の形態において、地域は、例えば、都道府県等によって表され、生息時期は、月単位で表される。また、運転者が前記生息時期マップを編集し、地域を分割したり、統合したりすることができ、生息時期を変更することができる。さらに、前記時期的条件が成立するかどうかを、現在、生息時期であるかどうかの判断のほかに、現在、虫類が活動する時間帯、例えば、夕方であるかどうかの判断を行うこともできる。
【0043】
現在、生息時期である場合、前記虫類車室内進入阻止処理手段の第2の条件判断処理手段としての位置的条件判断処理手段は、第2の条件判断処理としての位置的条件判断処理を行い、第2の進入阻止条件としての位置的条件が成立するかどうかを、車両が、虫類が生息する場所、すなわち、生息地に存在するかどうかを判断する。そのために、前記位置的条件判断処理手段は、自車位置を読み込み、データ記録部16の生息地情報としての生息地データを参照して、自車位置が、山、草むら、公園等の中、又は河川、湖、池等の周辺の生息地に存在するかどうかを判断する。本実施の形態においては、生息地データに山、草むら、公園等の中、又は河川、湖、池等の周辺のデータが含まれるようになっているが、地図データにおける山、草むら、河川、湖、池等のデータに、生息地であること、周辺に生息地があること等を表す指標を付与することができる。なお、前記山の生息地データに標高を加えることができる。その場合、標高が閾(しきい)値より大きい領域においては、虫類が生息していないと考えられるので、生息地とはされない。
【0044】
車両が生息地に存在する場合、前記虫類車室内進入阻止処理手段の開閉部材監視処理手段は、開閉部材監視処理を行い、ドアスイッチ19及びウィンドウスイッチ20の信号、すなわち、開閉信号を車両制御装置10を介して読み込み、ドア及び窓の開閉を監視、本実施の形態においては、常時監視し、各ドアのうちの少なくとも一つのドア、又は各窓のうちの少なくとも一つの窓が開かれたかどうかを判断する。
【0045】
そして、各ドアのうちの少なくとも一つのドア、又は各窓のうちの少なくとも一つの窓が開かれると、前記虫類車室内進入阻止処理手段の環境形成処理手段としての音波発生処理手段は、環境形成処理としての音波発生処理を行い、超音波発生器21を駆動し、虫類が嫌う環境を形成、本実施の形態においては、超音波を発生させる。
【0046】
続いて、すべてのドア及びすべての窓が閉じられると、前記音波発生処理手段は、超音波の発生を停止させる。
【0047】
このように、本実施の形態においては、虫類が生息する場所で、車両を停車又は駐車させてドアを開いたり、車両を走行させながら窓を開いたりすると、超音波が発生させられるので、開かれたドア又は窓を介して虫類が車室内に進入するのを阻止することができる。
【0048】
なお、前述されたように、ナビゲーション処理部17は直接バッテリ18と接続されているので、アクセサリスイッチACCがオンにされていても、オフにされていても、バッテリ18からナビゲーション処理部17の図示されない電源部に電力が供給される。したがって、運転者がアクセサリスイッチACCをオフにして車両から離れても、前記開閉部材監視処理手段は、ドア及び窓の開閉を監視し続けることができる。その結果、運転者が乗車時においてアクセサリスイッチACCをオンにする前にドアが開かれると、超音波が発生させられるので、開かれたドア又は窓を介して虫類が車室内に進入するのを阻止することができる。
【0049】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 現在、生息時期であるかどうかを判断する。現在、生息時期である場合はステップS2に進み、現在、生息時期でない場合は処理を終了する。
ステップS2 車両が生息地に存在しているかどうかを判断する。車両が生息地に存在している場合はステップS3に進み、車両が生息地に存在していない場合は処理を終了する。
ステップS3 ドア及び窓の開閉を監視する。
ステップS4 ドア又は窓が開かれたかどうかを判断する。ドア又は窓が開かれた場合はステップS5に進み、ドア又は窓が開かれていない場合は処理を終了する。
ステップS5 超音波を発生させる。
ステップS6 ドア又は窓が閉じられたかどうかを判断する。ドア又は窓が閉じられた場合はステップS7に進み、ドア又は窓が閉じられていない場合はステップS5に戻る。
ステップS7 超音波の発生を停止させ、処理を終了する。
【0050】
本実施の形態において、前記開閉部材監視処理手段は、ナビゲーション処理部17のCPU31に配設されるようになっているが、車両制御装置10の図示されないCPUに配設することができる。その場合、ドア又は窓が開かれると、車両制御装置10において開閉部材監視処理手段は、ドア又は窓が開かれたと判断し、開放信号を発生させ、CPU31に送る。そして、前記音波発生処理手段は、開放信号を受けると、超音波発生器21を駆動し、超音波を発生させる。
【0051】
また、本実施の形態においては、ドア又は窓が開かれた場合に、超音波を発生させるようになっているが、超音波発生器21に代えて、環境形成部としての、かつ、匂い発生部としての匂い発生器を配設し、虫類が嫌う匂いを発生させることができる。その場合、環境形成処理手段としての匂い発生処理手段は、環境形成処理としての匂い発生処理を行い、ドア又は窓が開かれた場合に、匂い発生部を駆動し、匂いを発生させる。
【0052】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における虫類車室内進入阻止処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における生息時期マップの例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 車両制御装置
14 ナビゲーション装置
21 超音波発生器
31 CPU
51 情報センタ
63 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に配設された環境形成部と、車両のドア及び窓の開閉を監視し、ドア又は窓が開かれたかどうかを判断する開閉部材監視処理手段と、ドア又は窓が開かれた場合に、前記環境形成部を駆動し、虫類が嫌う環境を形成する環境形成処理手段とを有することを特徴とする虫類車室内進入阻止システム。
【請求項2】
現在、虫類の生息時期であるかどうかを判断する時期的条件判断処理手段を有するとともに、前記環境形成処理手段は、ドア又は窓が開かれた場合であり、かつ、現在、虫類の生息時期である場合に、前記環境形成部を駆動する請求項1に記載の虫類車室内進入阻止システム。
【請求項3】
現在地を検出する現在地検出部と、情報記録部を参照し、現在地に基づいて車両が虫類の生息地に存在しているかどうかを判断する位置的条件判断処理手段とを有するとともに、前記環境形成処理手段は、ドア又は窓が開かれた場合であり、かつ、車両が虫類の生息地に存在している場合に、前記環境形成部を駆動する請求項1又は2に記載の虫類車室内進入阻止システム。
【請求項4】
前記環境形成部は音波発生部であり、前記環境形成処理手段は、ドア又は窓が開かれた場合に、前記音波発生部を駆動し、音波を発生させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の虫類車室内進入阻止システム。
【請求項5】
前記環境形成部は匂い発生部であり、前記環境形成処理手段は、ドア又は窓が開かれた場合に、前記匂い発生部を駆動し、匂いを発生させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の虫類車室内進入阻止システム。
【請求項6】
前記環境形成処理手段は、ドア又は窓が閉じられるまで前記環境形成部を駆動する請求項1〜5のいずれか1項に記載の虫類車室内進入阻止システム。
【請求項7】
車室内に配設された環境形成部を有する虫類車室内進入阻止システムのプログラムにおいて、コンピュータを、車両のドア及び窓の開閉を監視し、ドア又は窓が開かれたかどうかを判断する開閉部材監視処理手段、並びにドア又は窓が開かれた場合に、前記環境形成部を駆動し、虫類が嫌う環境を形成する環境形成処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−149727(P2010−149727A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330502(P2008−330502)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】