説明

蛋白質キナーゼ阻害活性を有する2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物

【課題】蛋白質キナーゼ阻害活性を有する2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、その薬学的に許容可能な塩、及びその化合物を有効性分として含有する非正常細胞成長により誘発される疾患の予防及び治療用薬学的組成物を提供する。
【解決手段】本発明による新規な2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物は、成長因子信号伝達に関与する様々な蛋白質キナーゼに対して優れた抑制効果を示すため、これら蛋白質キナーゼにより誘発される非正常細胞成長疾患の予防及び治療剤として有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質キナーゼ阻害活性を有する2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、その薬学的に許容可能な塩、及びその化合物を有効性分として含有する非正常細胞成長により誘発される疾患の予防及び治療用薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
蛋白質キナーゼは、蛋白質のチロシン、セリン、及びトレオニン残基に位置するヒドロキシ群のリン酸化を触媒する酵素であって、細胞の成長、分化、及び増殖を誘発する成長因子信号の伝達に重要な役割を担当している。
【0003】
生体の恒常性を維持するために生体内の信号伝達体系は、円滑にオン・オフのバランスを取らなければならない。しかし、特定蛋白質キナーゼの突然変異や過剰発現は、正常細胞内の信号伝達体系を崩壊して癌、炎症、代謝性疾患、脳疾患などの様々な病気を誘発する。非正常細胞成長疾患を誘発する代表的な蛋白質キナーゼは、Raf、KDR、Fms、Tie2、SAPK2a、Ret、Abl、Abl(T315I)、ALK、Aurora A、Bmx、CDK/cyclinE、Kit、Src、EGFR、EphA1、FGFR3、Flt3、Fms、IGF−1R、IKKb、IR、Itk、JAK2、KDR、Met、mTOR、PDGFRa、Plk1、Ret、Syk、Tie2、TrtBなどがある。
【0004】
人間の蛋白質キナーゼは、人間の全遺伝子の約1.7%に該当する518種が存在すると推定される(非特許文献1)。人間の蛋白質キナーゼは、チロシン蛋白質キナーゼ(90種以上)とセリン/トレオニン蛋白質キナーゼに大きく分けられる。チロシン蛋白質キナーゼは、20個の亜科に分けられる58種の受容体チロシンキナーゼと、10個の亜科に分けられる32種の細胞質/非受容体がある。受容体チロシンキナーゼは、細胞表面に成長因子を受容できるドメインと、細胞質にチロシン残基をリン酸化できる活性部位を有する。成長因子が受容体チロシンキナーゼ細胞表面の成長因子受容体の位置に結合されると、受容体チロシンキナーゼは重合体を形成し、細胞質のチロシン残基は自己リン酸化する。そして、下流蛋白質の順次的なリン酸化により信号が核内に伝達され、結局、癌を誘発する転写因子が過剰発現される。
【0005】
局所接着キナーゼ(focal adhesion kinase;FAK)は、細胞質に存在する125kDのチロシン蛋白質キナーゼである。FAKは、インテグリン(integrin)と成長因子信号伝達体系を調節して細胞の移動、増殖、生存に決定的な役割をする。FAK蛋白質とFAK mRNAは、扁平細胞癌腫(squamous cell carcinoma)、浸潤性直膓癌/乳癌、移転性前立腺癌、黒色腫、神経膠腫(glioma)のような様々な癌細胞により過剰発現/活性化されることが確認された。また、ノバルティス(Novartis)のFAK阻害剤のTAE226(非特許文献2)は3種類(HeyA8、SKOV3ip1、及びHeyA8−MDR)の動物モデルにより乳癌に効能がある(非特許文献3)ことが立証された。また、ファイザー(Pfizer)のFAK阻害剤のPF−573,228(非特許文献4)は、現在成功的に臨床試験中であり、前立腺癌(PC−3M)、乳癌(BT474)、すい臓癌(BxPc3)、肺癌(H460)、脳癌(U87MG)などの動物モデルから効能が認められた。さらに、FAK阻害剤(TAE226)とドセタキセル(docetaxel)の併用投与は、動物モデルにより、優れた効果(85〜97%tumor reduction、P values<0.01)を立証した(非特許文献5)。
【0006】
FAKはインテグリン(integrin)細胞膜蛋白質の信号に関与する。外部の様々な刺激に反応してインテグリン受容体が互いにクラスタリング(clustering)し、それによってインテグリンの細胞内ドメイン(cytoplasmic tail)は、細胞骨格(cytoskeleton)及び信号伝達蛋白質と結合する。FAKのFERM(F for 4.1 protein、E for ezrin、R for radixin and M for moesin)ドメインとFAT(Focal Adhesion Targeting)ドメインは独立してインテグリンの細胞内ドメインと結合してFAKを局所接着点に位置させる。局所接着点の近くに集まったFAKは、Y397残基に分子内(intra−molecular)あるいは分子間(inter−molecular)のリン酸化が誘導されて活性化される。
【0007】
FAKのリン酸化されたY397残基にSrcキナーゼのSH2ドメインが結合してFAK/Src complexを形成する。FAKに結合されたSrcキナーゼは、FAKの様々なチロシン残基(Y407、Y576/577、Y861、Y925)にさらなるリン酸化を行う。また、FAK/Src complexは、様々な信号伝達蛋白質(P130Cas、Grb2、PI3K、Grb7)と結合してリン酸化を行う。正常細胞であれば、FAKを経由した信号伝達は厳しく統制される。しかし、腫瘍化した細胞であれば、FAKは過剰発現して活性化され、悪性腫瘍の様々な特徴を引き起こす。FAKは癌細胞の増殖を促進して浸潤を増加させ、癌細胞の移動を増加させる。また、FAKは癌細胞の死滅を抑制し、血管新生を増加させるという報告がある。
【0008】
FAKは、インテグリン(integrin)だけでなく、EGFR(epidermal growth factor receptor)及びPDGFR(platelet derived growth factor receptor)のような様々な成長因子受容体の標的蛋白質である。このような受容体の過剰発現あるいは活性受容体の発現は、正常細胞を腫瘍細胞に転換させる。FAKはこのような受容体の腫瘍関連信号伝達に関与する重要なリン酸化酵素である。FAKのN−terminal FERMドメインは、EGFRと結合し、EGF(epidermal growth factor)因子による細胞移動にFAKのC−terminalドメインが関与するという報告がある。このような事実により、FAKがN−terminal FERMドメインを介して外部のEGFR受容体の信号を認知し、FAKのC−terminal FATドメインを介して外部のインテグリンの信号を認知して細胞外部の信号を統合する役割を行うことが分かる。
【0009】
FAKを様々な方法で阻害することにより、細胞の死滅が誘導される。FAKによる細胞の生存は、主にPI−3キナーゼ(Phosphoinositide−3 kinase)により行われる。FAKのリン酸化されたY397は、PI−3キナーゼと結合して第2の信号物質のPI(3,4,5)P3及びPI(3,4)P2を合成し、これらはPKB(protein kinase B;AKT)を細胞膜に位置させてPDK(3’−phosphoinositide−dependent kinase)によりリン酸化する。活性化されたPKBは、様々な細胞死滅蛋白質(p21WAF、FKHR、Bad、GSK3)を不活性化させて細胞死滅を抑制する。また、他の生存信号はp130CasのSH3ドメインをFAKのプロリンリッチ(Proline−rich)モチーフに結合させてp130Casの様々なチロシン残基にFAK/Srcによるリン酸化を誘導することにより、Rasを活性化させる。
【0010】
FAKと細胞周期の関係は、FAKのY925にリン酸化が誘導されると、Grb2(Growth factor receptor−bound protein 2)が結合されてRas/Erkの経路が活性化されることで説明される。FAKの過剰発現は、細胞周期のG1段階からS段階に転換が促進され、FAKの抑制蛋白質のFRNK(FAK Related Non−Kinase)の発現は、Cyclin D1の発現を阻害し、Cdk阻害剤のp21の発現を誘導して細胞周期の進行を阻害する。しかしながら、Cyclin D1を過剰発現すると、FRNKによる細胞周期の抑制が克服される。
【0011】
FAKの唯一の亜型であるプロリンリッチチロシンキナーゼ2(proline−rich tyrosine kinase 2;PYK2)は、神経細胞に最も多く分布するが、最近、小細胞肺癌(非特許文献6)、前立腺癌(非特許文献7)、肝細胞癌(非特許文献8)、神経膠腫(非特許文献9)などの抗癌剤開発の分子標的として価値が確認されている。
【0012】
FAKのドメイン構成(domain organization)は4つの領域を含む。
【0013】
1)FERM(band 4.1 protein、ezrin、radixin、moesin)ドメイン;インテグリン受容体(Integrin receptor)、血小板由来増殖因子受容体(platelet−derived growth factor receptor;PDGFr)及び上皮細胞増殖因子受容体(epidermal growth factor receptor;EGFr)などと作用するアミノ末端ドメイン(amino−terminal domain)であって、キナーゼドメイン(kinase domain)と直接相互作用してキナーゼ活性(kinase activity)を阻害する。
【0014】
2)キナーゼドメイン
3)3つのプロリンリッチ(Proline−rich;PR)領域
4)カルボキシ末端(carboxyl−terminal)に位置したFAT(focal adhesion targeting)ドメイン;paxillin、talin、p190RhoGEF、a RhoA−specific GDP/GTP exchangeなどと作用する。
【0015】
FAKの選択的スプライシング(alternative splicing)のFRNK(FAK−related non−kinase domain)はPR1、PR2、及びFATドメインで構成されており、FAKの拮抗調節因子として作用する。
【0016】
FAKが活性化されるためには、FERMとキナーゼドメインの連結部位に位置したY397の自己リン酸化が必要である。リン酸化されたY397にSrcキナーゼが結合してY576/577を順次リン酸化させ、それによって、Y925がリン酸化されると、Grb2を介してFAKの信号伝達体系が作動する。現在開発中のFAK阻害剤は、キナーゼドメインのATP結合部位を攻撃してY397の自己リン酸化を阻害するメカニズムを有する。Y397の自己リン酸化阻害程度は動物モデルを用いた効能試験に重要な尺度(biomarker)として使用されている。
【0017】
低分子FAK阻害剤の開発状況は次の通りである。現在まで約26個のFAK阻害剤の先導物質が導き出されたが、ファイザー(Pfizer)のPF−562271化合物だけ唯一に臨床第1相で開発が進行中である。PF−562271は、ATP−competitive FAK(IC50=1.5nM)とhomology Pyk2(13nM)の阻害剤として線維芽細胞、上皮細胞、及び癌細胞のFAK Y397 siteに自己リン酸化(autophosphorylation)を阻害する。また、大部分の癌細胞の移動を阻害するが、正常細胞の成長には影響を及ぼさない。前立腺癌PC−3、乳癌BT−474、colon LoVo、肺癌NCI−H460、神経膠芽細胞腫U−87MG、及びすい臓癌BxPC−3などの人間癌異種移植in vivo実験(25〜100mg/kg p.o.)であまり毒性は認められず、42〜90%の腫瘍成長抑制または腫瘍退行が観察された。
【0018】
血管内皮細胞成長因子受容体(Vascular Endothelial Growth Factors Receptors、VEGFR)は受容体チロシンキナーゼ(Receptor Tyrosine Kinase、RTK)であって、新生血管生成(angiogenesis)のための重要な調節因子である。血管、リンパ管の発生と恒常性の維持に関与し、神経細胞にも重要な効果を奏する。VEGFは、低酸素状態及びTGF、インターロイキン、PDGFなどの細胞成長因子の刺激により血管内皮細胞、造血細胞、基質(stromal)細胞で主に生成される。VEGFは、VEGF受容体(VEGFR)−1、−2、−3に結合し、それぞれのVEGFイソフォーム(isoform)は、特定の受容体に結合して受容体の同形あるいは異形接合体の形成を誘導した後、それぞれの信号伝達体系を活性化させる。VEGFRの信号的特異性は、ニューロピリン(neuropilin)、硫酸化ヘパラン(heparan sulfate)、インテグリン、カドヘリン(cadherin)などの共同受容体により微細に調節される。
【0019】
VEGFの生物学的機能は、typeIII RTK、VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(KDR/Flk−1)、VEGFR−3(Flt−4)により媒介される。VEGFRは、Fms、Kit、PDGFRと密接に関連している。それぞれのVEGFは特定の受容体に結合するが、VEGF−AはVEGFR−1、−2、及び受容体ヘテロ重合体と結合する反面、VEGF−CはVEGF−2、−3と結合する。また、PIGFとVEGF−BはVEGFR−1と排他的に相互作用し、VEGF−EはただVEGFR−2と相互作用する。VEGF−F variantはVEGFR−1あるいは−2と相互作用する。VEGF−A、−B、PIGFは血管形成に優先的に必要であり、VEGF−C、−Dはリンパ管形成に必要である。新生血管は腫瘍に栄養分と酸素を供給し、癌細胞移転の通路を提供するため、その増殖と移転に必須である。血管形成は、正常状態であれば、生体内で血管生成促進物質と血管生成抑制物質の相互調節によりバランスを取るが、癌細胞のようにそのバランスが壊れた場合は、血管内皮細胞に最も大きい影響を及ぼす成長因子(VEGF)によりその受容体のVEGFRが活性化される。様々な作用機序の中、低分子合成物質を用いた、これらVEGFの受容体チロシンキナーゼを抑制する阻害剤に対する多様な研究開発が行われており、大部分は固形癌(solid tumor)に共通に使われる可能性があり、癌細胞だけで活性化した新生血管の形成を抑制するため、比較的に副作用が少なく、効果的な薬効を期待できる長所がある。
【0020】
Tie2は受容体チロシンキナーゼの一種であるが、新生血管の生成と血管配置(vasculature)と関連が深い。Tie2のドメイン構造は、あらゆる脊椎動物に非常に高く保存されている(非特許文献10)。Tie2のリガンドはアンジオポイエチン(angiopoietins、Ang)である。Ang2はTie2の自己リン酸化を誘発することがなく、Ang1が誘発するTie2の活性化を妨げる。内皮細胞でAng2によるTie2の活性化はPI3K−Aktの活性化を誘発する(非特許文献11)。Tie2の主な信号伝達体系のマイトジェン活性化蛋白質キナーゼ(mitogen−activated protein kinase、MAPK)信号伝達経路で、アダプター蛋白質のGRB2と蛋白質チロシンホスファターゼのSHP2はTie2受容体チロシンキナーゼの自己リン酸化による二量体化過程で重要な役割をする。Ang/Tie2と血管内皮細胞成長因子(VEGF)の信号伝達経路は癌細胞の新生血管の生成に重要な役割をする。Tie2は血管内皮細胞に発現するが、特に、癌細胞が浸潤する位置で発現が極大化される。Tie2の過剰発現は乳癌(非特許文献12)で確認され、それと共に子宮癌、肝臓癌、脳癌などでも観察された。
【0021】
現在、発表文献によれば、チエノ[3,2−d]ピリミジン構造を母体とする様々な化合物が合成された。しかし、本発明のようにチエノ[3,2−d]ピリミジン母核の2−及び7−の位置に同時に特定の置換体が置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物は文献に発表されたことのない新規な化合物に該当する。さらに、2−及び7−の位置に特定の置換体が置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物に対する様々な蛋白質キナーゼの阻害活性を確認して腫瘍治療及び予防剤として使用する可能性を例示した文献は現在まで発表されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Manning et al、Science、2002、298、1912
【非特許文献2】Cancer Invest.2008、26(2)、145
【非特許文献3】Cancer Res.2007、67(22)、10976
【非特許文献4】Proc Am Assoc Cancer Res、2006、47、Abst 5072
【非特許文献5】Cancer Res.2007、67(22)、10976
【非特許文献6】Oncogene.2008、27(12)、1737
【非特許文献7】Oncogene.2007、26(54)、7552
【非特許文献8】Br J Cancer.2007、97(1)、50
【非特許文献9】Neoplasia.2005、7(5)、435
【非特許文献10】Lyons et al.、1998
【非特許文献11】Jones et al.、1999
【非特許文献12】Peters et al.、1998
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、チエノ[3,2−d]ピリミジン母核の2−及び7−の位置に特定の置換体を有する、新規な2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン母核の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、前記新規な2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物またはその薬学的に許容可能な塩を有効性分として含有する非正常細胞成長疾患の予防及び治療用薬学的組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、下記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、その薬学的に許される塩、水和物及び溶媒化物から選択された化合物をその特徴とする。
【0026】
【化1】

【0027】
(式中、
Aは窒素、酸素、及び硫黄原子から選択されたヘテロ原子が1〜4個含まれた5〜14原子で構成されたヘテロアリール基であり、
は水素原子、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルカルボニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、アミノC−Cアルコキシ基、モノ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、ジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、置換または非置換のヘテロ環基、または置換または非置換のフェニル基であり、
Lは存在しないか、または−NH−、または−N(C−Cアルキル)−であり、
Bはフェニル基、または窒素、酸素、及び硫黄原子から選択されたヘテロ原子が1〜4個含まれた5〜14原子で構成された単一環または接合環のヘテロアリール基であり、
は水素原子、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、−(CH−R、−C(O)OR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−SONR、または−NRSOであり、
nは0、1、2または3の整数であり、
は水素原子、C−Cアルキル、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基、または置換または非置換のヘテロ環基であり、
は水素原子、またはC−Cアルキル基であり、
及びRは同一または異なるもので、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、または置換または非置換のフェニル基であり、
前記置換されたフェニル基はハロゲン原子、C−Cハロアルキル基、カルボン酸基、及びC−Cアルコキシカルボニル基から選択された置換基が置換されたフェニル基であり、
前記置換されたヘテロ環基はC−Cアルキル基及びC−Cヒドロキシアルキル基から選択された置換基が置換されたモルホリノ基、ピペリジニル基、またはピペラジニル基である。)
【発明の効果】
【0028】
本発明が特徴とする前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、その薬学的に許される塩、水和物及び溶媒化物から選択された化合物は、ALK、Aurora A、EphA1、FAK、Flt3、Fms、Itk、KDR、Kit、Met、Ret、Src、Syk、Tie2、TrkBから選択された蛋白質キナーゼの活性を阻害する能力に優れるため、非正常的な細胞成長により誘発される疾患の予防及び治療剤として有効である。
【0029】
本発明による化合物から予防及び治療される非正常細胞成長疾患は胃癌、肺癌、肝臓癌、大腸癌、小腸癌、すい臓癌、脳癌、骨癌、黒色腫、乳癌、硬化性腺腫、子宮癌、子宮頸部癌、頭頸部癌、食道癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腎臓癌、肉腫、前立腺癌、尿道癌、膀胱癌、白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群のような血液癌、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫のようなリンパ腫、または繊維腺腫などから選択された各種腫瘍疾患が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明による前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物の薬学的に許容可能な塩は当該技術分野で通常的な方法により製造される。薬学的に許された塩は人体に毒性が低く、親化合物の生物学的活性と物理化学的性質に悪影響を与えないものである。薬学的に許された塩は薬学的に使用可能な遊離酸と化学式(1)の塩基化合物の酸付加塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩など)とアルカリ土金属塩(カルシウム塩など)、有機塩と化学式(1)のカルボン酸の有機塩基付加塩、及びアミノ酸付加塩で構成される。薬学的に許された塩の製造に用いられる遊離酸は、無機酸と有機酸に分けられる。無機酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、臭素酸などがある。有機酸は、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、タルタル酸、サリチル酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、エンボン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などがある。有機塩基付加塩の製造に用いられる有機塩基は、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどがある。アミノ酸付加塩の製造に用いられるアミノ酸は、アラニン、グリシンなどの天然アミノ酸がある。
【0031】
本発明による前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物は、前記薬学的に許された塩と共にあらゆる水和物及び溶媒化物も含む。水和物及び溶媒化物は、前記化学式(1)で表記される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物をメタノール、エタノール、アセトン、1,4−ジオキサンなどの水と混合される溶媒に溶かした後、遊離酸または遊離塩基を加えて結晶化するか、または再結晶化することができる。その場合、溶媒化物(特に水和物)が形成される。したがって、本発明の化合物として凍結乾燥などの方法で製造可能な多様な量の水含有化合物以外に、水和物を始めとする化学量論的溶媒化物も含む。
【0032】
本発明による化合物を定義するために用いられた置換基に対して詳細に説明する。
【0033】
本発明において、「ハロゲン原子」はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を意味する。
【0034】
本発明において、「アルキル基」はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、シクロペンチル、シクロブチルメチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチルなどを含む1〜6個の炭素原子を有する脂肪族飽和炭化水素基を意味する。
【0035】
本発明において、「ハロアルキル基」はトリフルオロメチル基のように1つ以上のハロゲン原子により水素原子が置換されたアルキル基を意味する。
【0036】
本発明において、「アルコキシ基」はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシを含む、C−Cのアルキル基から選択された置換体により水素原子が置換されたヒドロキシ基を意味する。
【0037】
本発明において、「ヘテロアリール基」はピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ジベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ジベンゾチオフェニル、ナフチリジル、ベンズイソチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、フタラジニル、キナゾリニルなどを含み、ヘテロ原子を1つ以上含む単一環、二環、または三環芳香族ヘテロ炭化水素基を意味する。
【0038】
本発明において、「ヘテロ環基」はモルホリニル基、ピペリジン基、ピペラジニル基、N−保護されたピペラジニル基などを含み、ヘテロ原子を1つ以上含むヘテロ炭化水素環基を意味する。
【0039】
本発明による前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物において、好ましくは前記Aはチオフェニル、チアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ナフチリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、及びジヒドロキナゾリニルから選択されたヘテロアリール基であり、前記Rは水素原子、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、C−Cアルキル基、C−Cアルキルカルボニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、アミノC−Cアルコキシ基、モノ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、ジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、モルホリノ基、ピペラジニル基、4−(C−Cアルキル)ピペラジニル基、4−(C−Cヒドロキシアルキル)ピペラジニル基、または置換または非置換のフェニル基であり、前記Lは存在しないか、または−NH−、または−N(C−Cアルキル)−であり、前記Bはフェニル基、またはキノリニル基であり、前記Rは水素原子、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、−(CH−R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−SONR、または−NRSOであり、前記nは0、1、2または3の整数であり、前記Rは水素原子、1,1−ジオキシドイソチアゾリジニル基、モルホリノ基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、または4−(C−Cアルキル)ピペラジニル基であり、前記Rは水素原子、またはC−Cアルキル基であり、前記R及びRは同一または異なるもので、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、または置換または非置換のフェニル基であり、前記置換されたフェニル基はハロゲン原子、C−Cハロアルキル基、カルボン酸基、及びC−Cアルコキシカルボニル基から選択された置換基が置換されたフェニル基を示す化合物である。
【0040】
本発明による前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物において、特に好ましくは前記Aはピリジニル基であり、前記Rはメチル基、エチル基、モルホリノ基、ジメチルアミノエトキシ基、4−エチルピペラジニル基、または4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニル基であり、前記Lは存在せず、前記Bはフェニル基またはキノリニル基であり、前記Rは水素原子、−NHSOCH、または−C(O)NH−シクロプロピル基を示す化合物である。
【0041】
以上、説明したような前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物をより具体的に例示する。
【0042】
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(1H−テトラゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(4−フェニルチアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(ピラジン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(3H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(5,7−ジメチル−1,8−ナフチリジン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
エチル3−(5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)ベンゾエート、
エチル4−(5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)ベンゾエート、
エチル5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ニコチネート、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−(4−ヒドロキシエチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(5−アセチルチオフェン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
7−(4−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリジン−2−アミン、
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
7−(4−(モルホリノメチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド、
N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(6−メチルピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンカルボキシアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)アセトアミド、
N−(3−(2−(1H−テトラゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)イソプロピルカルボキシアミド、
4−クロロ−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)エタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド、
1−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)ウレア、
1−シクロヘキシル−3−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)ウレア、
1−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレア、
N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド、
N−メチル−N−(3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−メチル−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン、
−メチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン、
7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)−N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩。
【0043】
一方、本発明は、前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物の製造方法にその特徴があるが、その代表的な製造方法は下記反応式1の通りである。
【0044】
下記反応式1による製造方法は、2段階の結合反応により前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物を製造する。
【0045】
【化2】

【0046】
(式中、A、B、R及びRはそれぞれ上述した通りである。)
第1の結合反応では、前記化学式(2)で表される7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジンと前記化学式(3)で表されるボロン酸化合物を鈴木カップリング(Suzuki coupling)反応またはバックワルドアミン化反応(Buckwald amination)により、C−7位置にB群が導入された前記化学式(4)で表される化合物を製造する。
【0047】
第2の結合反応では、前記化学式(4)で表される化合物と前記化学式(5)で表されるアミン化合物をバックワルドアミン化反応(Buckwald amination)により、本発明が目的とする前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物を製造する。
【0048】
前記反応式1による製造方法で行われる鈴木カップリング(Suzuki coupling)反応及びバックワルドアミン化反応は、金属化合物としてPd(dba)、Pd(OAc)、PdCl(PPh、Pd(PPhなどを用いることができる。リガンドとしてXantphos(Cas number:161265−03−8)、Davephos(Cas number:213697−53−1)、Johnphos(Cas number:224311−51−7)、X−phos(Cas number:564483−18−7)、tert−Butyl Xphos(Cas 564483−19−8)などを用いることができる。そして、塩基としてアルカリ金属またはアルカリ土金属の炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、アルコキシドなどを用いることができ、具体的にはKCO、CsCO、NaCO、KPO、NaOt−Bu、KOt−Buなどを用いることができる。
【0049】
前記結合反応では反応溶媒としてテトラヒドロフラン、ジオキサン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルスルホキシド、2−ブタノール、2−ペンタノールなどが含まれる通常の有機溶媒を用いることができる。反応温度は50℃〜200℃の範囲であり、好ましくは80℃〜150℃の範囲を維持する。
【0050】
前記反応式1で原料物質とする、前記化学式(2)で表される7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジンは、下記反応式2による製造方法により製造することができる。
【0051】
【化3】

【0052】
前記反応式2によれば、前記化学式(2)で表される7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジンは、下記5段階の製造過程により行われる。
【0053】
第1段階の製造過程は、シアン酸ナトリウム(NaOCN)試薬を用いて前記化学式(6)で表されるメチル3−アミノチオフェン−2−カルボン酸のアミノ群とエステル群との間の環化反応によりピリミジン−2,4−ジオン骨格を生成する段階である。
【0054】
第2段階の製造過程は、前記化学式(7)で表されるチエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオンのC−7位置にブロモ群を導入する段階である。第2段階の製造過程は酢酸の存在下で臭素試薬を用いて高温(110℃)で行うことができる。
【0055】
第3段階の製造過程は、前記化学式(8)で表される7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオンのピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオン環を2,4−ジクロロピリミジン環に変換する段階である。第3段階の製造過程は、N、N−ジメチルアニリンの存在下でオキシ塩化リン(POCl)を用いて高温(150℃)で行うことができる。
【0056】
第4段階の製造過程は、前記化学式(9)で表される7−ブロモ−2,4−ジクロロチエノ[3,2−d]ピリミジンのC−4位置にあるクロロ群の離脱とN3−C4結合を還元する段階である。第4段階の製造過程は、エタノール/テトラヒドロフラン(THF)溶媒下で水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を用いて行うことができる。
【0057】
最後に、第5段階の製造過程は、前記化学式(10)で表される7−ブロモ−2−クロロ−3,4−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジンのN3−C4結合を酸化する段階である。第5段階の製造過程は、酸化剤のクロラニル(CHLORANIL;2,3,5,6−テトラクロロ−P−ベンゾキノン)を用いてベンゼン溶媒下で還流撹拌して行うことができる。
【0058】
一方、本発明による前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、薬学的に許されるその塩、その溶媒化物、その水和物は、様々な蛋白質キナーゼ、例えばKDR、ALK、Aurora A、Kit、Src、EphA1、Flt3、Fms、Itk、Met、Ret、Syk、Tie2、TrkBに対する優れた抑制活性を示すため、本発明は、非正常的な細胞成長により誘発される疾患の予防剤または治療剤として使用することができる。非正常的な細胞成長により誘発される疾患の例は、胃癌、肺癌、肝臓癌、大腸癌、小腸癌、すい臓癌、脳癌、骨癌、黒色腫、乳癌、硬化性腺腫、子宮癌、子宮頸部癌、頭頸部癌、食道癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腎臓癌、肉腫、前立腺癌、尿道癌、膀胱癌、白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群のような血液癌、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫のようなリンパ腫、または繊維腺腫などの各種腫瘍疾患が含まれる。
【0059】
したがって、本発明は、前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、薬学的に許されるその塩、その溶媒化物、その水和物を有効性分として含む薬剤組成物と、非正常的な細胞成長により誘発される各種腫瘍疾患の予防及び治療剤を特徴とする。
【0060】
本発明の薬剤組成物は、前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、薬学的に許されるその塩、その溶媒化物、その水和物を有効性分として含有し、通常の無毒性薬剤学的に許容可能な担体、補強剤、及び賦形剤などを添加して薬剤学的分野で通常的な製剤、例えば錠剤、カプセル剤、トローチ剤、液剤、懸濁剤などの経口投与用製剤または非経口投与用製剤として製剤化することができる。
【0061】
本発明の薬剤組成物に用いられる賦形剤としては、甘味剤、結合剤、溶解剤、溶解補助剤、湿潤剤、乳化剤、等張化剤、吸着剤、崩壊剤、酸化防止剤、防腐剤、滑択剤、充填剤、芳香剤などが含まれる。例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシン、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステリン、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、寒天、水、エタノール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、オレンジエッセンス、イチゴエッセンス、バニラ香などが挙げられる。
【0062】
また、本発明による化合物の人体に対する投与容量は、患者の年齢、体重、性別、投与形態、健康状態、及び疾患程度に応じて異なり、体重が70kgの成人患者を基準とした時、一般的に0.01〜1,000mg/日であり、医師または薬剤師の判断により一定時間間隔で1日1回〜数回の分割投与をしてもよい。
【0063】
上述したように、本発明は、下記実施例、製剤例、及び実験例に基づいて詳しく説明するが、下記の実施例、製剤例、及び実験例は本発明を例示するだけで、本発明の範囲がこれらにより限定されることはない。
【実施例】
【0064】
実施例1:N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
下記の構造式で表される実施例1の化合物は下記のように10段階の合成過程により製造することができる。
【0065】
【化4】

【0066】
段階1:チエノ[3,2−d]ピリジン−2,4(1H、3H)−ジオン
【0067】
【化5】

【0068】
シアン化ナトリウム(5.0g、77.0mmol)を水(15.0mL)に溶かした溶液にメチル3−アミノチオフェン−2−カルボキシレート(6.05g、38.4mmol)を50%の氷酢酸と水の混合溶液(90mL)に溶かしてゆっくり滴加した。5時間の間、室温で撹拌した後、白色の沈殿物を濾過して得た。白色の固体を2.0Nの水酸化ナトリウム(90.0mL)溶液に溶かした。この混合溶液を0℃まで温度を下げて酢酸を用いて酸性化した。白色の固体が生成されると、これを濾過してその固体を乾燥して目的物のチエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオン(5.2g、81%収率)を得た。
【0069】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ11.33(bs、2H)、8.10(d、J=5.2Hz、1H)、8.10(d、J=5.2Hz、1H)、MS m/z:168.94[M+1]。
【0070】
段階2:7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオン
【0071】
【化6】

【0072】
チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオン(5.0g、29.5mmol)を氷酢酸(200mL)に溶かした溶液に臭素(4.55mL、89.0mmol)を添加した。反応混合溶液を110℃で30時間撹拌した後、室温で冷やして氷水(400mL)にゆっくり添加した。生成された固体を濾過して水で複数回洗って乾燥し、7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオン(6.5g、90%収率)を得た。
【0073】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ11.54(s、1H)、11.42(s、1H)、8.24(s、1H)、MS m/z:247.34、249.32[M+1]。
【0074】
段階3:7−ブロモ−2,4−ジクロロチエノ[3,2−d]ピリミジン
【0075】
【化7】

【0076】
7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2,4(1H、3H)−ジオン(6.6g、26.7mmol)に塩化ホスホリル(24.6mL、267mmol)を添加した後、N、N−ジエチルアニリン(17.1mL、106.8mmol)をゆっくり添加した。反応混合溶液を150℃で5時間撹拌した。この混合溶液を室温で冷やした後、氷水(300mL)にゆっくり添加した。生成された固体を氷水で洗って乾燥し、7−ブロモ−2,4−ジクロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(6.2g、82%収率)を得た。
【0077】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.40(s、1H)、MS m/z:282.96、284.96、286.96[M+1]
段階4:7−ブロモ−2−クロロ−3,4−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジン
【0078】
【化8】

【0079】
7−ブロモ−2,4−ジクロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(1000mg、3.54mmol)をテトラヒドロフラン−エタノール(1/1、30mL)に溶かした後、水素化ホウ素ナトリウム(670mg、17.74mmol)を複数回分けて添加した。反応混合溶液を室温に1時間撹拌した。この混合溶液に水を入れて反応を終了し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を塩水で洗って硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。得られた7−ブロモ−2−クロロ−3,4−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジン(720mg、81%収率)を精製せずに使用した。
【0080】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.38(s、1H)、7.49(s、1H)、4.78(s、2H)、MS m/z:252.87、252.89[M+1]。
【0081】
段階5:7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン
【0082】
【化9】

【0083】
7−ブロモ−2−クロロ−3,4−ジヒドロチエノ[3,2−d]ピリミジン(750mg、3.0mmol)とクロラニル(740mg、3.0mmol)をベンゼン(30mL)に溶かして3時間還流して撹拌した。反応物を室温で冷やした後、ベンゼン(30mL)で希釈した。この混合溶液を0.5N水酸化ナトリウム(30mL)溶液と水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。この化合物をクロマトグラフィ法(10%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して白い固体の目標化合物(630mg、85%収率)を得た。
【0084】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.55(s、1H)、8.81(s、1H)、MS m/z:248.87、250.87[M+1]。
【0085】
段階6:3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゼンアミン
【0086】
【化10】

【0087】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(3.645g、14.61mmol)をジオキサン(44mL)に溶かした後、2.0N炭酸ナトリウム(22mL、43.83mmol)と3−アミノフェニルボロン酸(2g、14.61mmol)を添加した。この混合溶液に窒素を10分間流し、Pd(PPh)Cl(615mg、0.88mmol)とt−ButylXphos(558mg、mmol)を入れた。反応混合溶液を90℃で6時間撹拌した後、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテートで希釈して塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(20%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して目標化合物(2.8g、73%収率)を得た。
【0088】
H NMR(400MHz、CDCl)δ9.14(s、1H)、8.10(s、1H)、7.31(s、1H)、7.27(d、J=6.4Hz、2H)、6.74(m、1H)、3.85(br、2H)、MS m/z:262.04、264.03[M+1]。
【0089】
段階7:N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0090】
【化11】

【0091】
3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゼンアミン(800mg、3.06mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶かした後、メタンスルホニルクロリド(0.27mL、3.37mmol)とトリエチルアミン(0.85mL、6.13mmol)を添加した。この混合溶液を2時間撹拌した後、エチルアセテートで希釈して塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(10%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して目標化合物(950mg、91%収率)を得た。
【0092】
H NMR(400MHz、CDCl)δ9.19(s、1H)、8.23(s、1H)、7.94(t、1H)、7.71(dt、1H)、7.49(t、1H)、7.22(m、1H)、6.64(s、1H)、3.17(s、3H)、MS m/z:340.02、342.00[M+1]。
【0093】
段階8:1−エチル−4−(5−ニトロピリジン−2−イル)ピペラジン
【0094】
【化12】

【0095】
2−クロロ−5−ニトロピリジン(800mg、5.05mmol)をジオキサン(20mL)に溶かした後、1−エチルピペラジン(1.7g、15.15mmol)とN、N−ジイソプロピルエチルアミン(927L、5.05mmol)を添加した。反応混合溶液を70℃で1日間撹拌した。この反応溶液を室温で冷やした後、エチルアセテートで希釈して塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。目標化合物(1.05g、87%収率)を精製せずに次の反応に使用した。
【0096】
MS m/z:237.51[M+1]。
【0097】
段階9:6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン
【0098】
【化13】

【0099】
1−エチル−4−(5−ニトロピリジン−2−イル)ピペラジン(3.09g、13.8mmol)をメタノール(69mL)に溶かした後、10%Pd/C(300mg)を添加した。水素気体を満たした風船圧力下で室温で1日間撹拌した。この反応混合溶液をセライトで濾過して濃縮した。目標化合物(2.4g、89%収率)を精製せずに次の反応に使用した。
【0100】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.59(d、J=2.8Hz、1H)、6.89(dd、J=2.8Hz、J=8.8Hz、1H)、6.63(d、J=7.2Hz、1H)、4.54(s、2H)、3.18(m、4H)、2.42(m、4H)、2.32(q、2H)、1.01(t、3H)、MS m/z:207.44[M+1]。
【0101】
段階10:N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0102】
【化14】

【0103】
N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(20mg、0.059mmol)をジオキサン(1mL)に溶かした後、炭酸セシウム(58mg、0.18mmol)と6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン(18mg、0.088mmol)を添加した。反応混合物に10分間窒素気体を流した後、Pd(OAc)(1mg、0.1mmol)とXantphos(4mg、0.12mmol)を添加した。反応混合物を120℃で6時間撹拌した後、セライトで濾過した。濾過液をエチルアセテートで希釈して塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して目標化合物(16mg、53%収率)を得た。
【0104】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.82(s、1H)、9.58(s、1H)、9.23(s、1H)、8.55(m、1H)、8.48(s、1H)、8.17(dd、J=2.4Hz、J=8.9Hz、1H)、7.78(s、1H)、7.76(d、J=7.8Hz、1H)、7.46(t、1H)、7.29(dd、J=1.1Hz、J=8.4Hz、1H)、7.00(d、J=9.2Hz、1H)、4.33(m、2H)、3.21(m、2H)、3.10(m、6H)、3.05(s、3H)、1.25(t、3H)、MS m/z:510.60[M+1]。
【0105】
実施例2〜18
下記の化学反応式のように、前記実施例1の製造過程の段階7で合成されたN−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミドと様々なアミン化合物との間のバックワルドアミン化反応(Buckwald amination)により、該当する実施例2〜18の目標化合物を合成することができる。バックワルドアミン化反応の製造方法は実施例1の製造過程の段階10と同一である。
【0106】
【化15】

【0107】
実施例2:N−(3−(2−(1H−テトラゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0108】
【化16】

【0109】
MS m/z:389.48[M+1]。
【0110】
実施例3:N−(3−(2−(6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0111】
【化17】

【0112】
MS m/z:472.54[M+1]。
【0113】
実施例4:N−(3−(2−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0114】
【化18】

【0115】
MS m/z:432.45[M+1]。
【0116】
実施例5:N−(3−(2−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0117】
【化19】

【0118】
MS m/z:481.54[M+1]。
【0119】
実施例6:N−(3−(2−(4−フェニルチアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0120】
【化20】

【0121】
MS m/z:480.46[M+1]。
【0122】
実施例7:N−(3−(2−(ピラジン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0123】
【化21】

【0124】
MS m/z:399.58[M+1]。
【0125】
実施例8:N−(3−(2−(3H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0126】
【化22】

【0127】
MS m/z:437.61[M+1]。
【0128】
実施例9:N−(3−(2−(5,7−ジメチル−1,8−ナフチリジン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0129】
【化23】

【0130】
MS m/z:477.65[M+1]。
【0131】
実施例10:N−(3−(2−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0132】
【化24】

【0133】
H NMR(DMSO−d)δ9.89(s、1H)、9.43(s、1H)、8.63(s、1H)、7.90(s、1H)、7.84(d、J=7.5Hz、1H)、7.73(s、1H)、7.56(m、3H)、7.36(d、J=8.1Hz、1H)、7.22(d、J=8.1Hz、1H)、3.06(s、3H)、2.44(s、3H)、MS m/z:468.72[M+1]
実施例11:N−(3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0134】
【化25】

【0135】
H NMR(DMSO−d)δ10.16(s、1H)、9.86(s、1H)、9.32(s、1H)、9.03(d、J=2.0Hz、1H)、8.54(s、1H)、8.39(dd、J=2.1Hz、J=8.6Hz、1H)、7.74(m、2H)、7.50(m、2H)、7.30(d、J=8.0Hz、1H)、3.05(s、3H)、2.54(s、3H)、MS m/z:412.46[M+1]。
【0136】
実施例12:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0137】
【化26】

【0138】
H NMR(DMSO−d)δ9.83(s、1H)、9.67(s、1H)、9.23(s、1H)、8.50(s、1H)、8.49(d、J=2.5Hz、1H)、8.24(d、J=9.2Hz、1H)、7.78(s、1H)、7.62(d、J=7.8Hz、1H)、7.47(t、1H)、7.26(m、1H)、7.08(m、1H)、3.74(m、4H)、3.45(m、4H)、3.03(s、3H)、MS m/z:483.53[M+1]。
【0139】
実施例13:N−(3−(2−(6−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0140】
【化27】

【0141】
H NMR(DMSO−d)δ9.84(s、1H)、9.73(s、1H)、9.24(s、1H)、8.59(m、1H)、8.49(s、1H)、8.24(dd、J=2.6Hz、J=8.9Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.74(d、J=7.6Hz、1H)、7.41(t、1H)、7.30(m、1H)、6.86(d、J=9.8Hz、1H)、4.56(m、2H)、3.52(m、2H)、3.05(s、3H)、2.86(s、6H)、MS m/z:485.55[M+1]。
【0142】
実施例14:エチル3−(5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)ベンゾエート
【0143】
【化28】

【0144】
MS m/z:546.68[M+1]。
【0145】
実施例15:エチル4−(5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)ベンゾエート
【0146】
【化29】

【0147】
MS m/z:546.71[M+1]。
【0148】
実施例16:エチル5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ニコチネート
【0149】
【化30】

【0150】
MS m/z:470.71[M+1]。
【0151】
実施例17:N−(3−(2−(6−モルホリノピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0152】
【化31】

【0153】
MS m/z:484.04[M+1]。
【0154】
実施例18:N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0155】
【化32】

【0156】
MS m/z:511.07[M+1]。
【0157】
実施例19:N−(3−(2−(6−(4−ヒドロキシエチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
下記の構造式で表される実施例19の化合物は下記のように4段階の合成過程により製造することができる。
【0158】
【化33】

【0159】
段階1:7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0160】
【化34】

【0161】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(1.0g、4.03mmol)を2.0Mアンモニアイソプロパノール(10mL)に溶かし、密閉容器で100℃で48時間撹拌した。反応物を室温で冷やして濃縮した。クロマトグラフィ法(50%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して茶色の固体化合物(560mg、60%収率)を得た。
【0162】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.95(s、1H)、8.36(s、1H)、6.89(s、2H)、MS m/z:230.26、232.26[M+1]。
【0163】
段階2:7−(3−アミノフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0164】
【化35】

【0165】
7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(200mg、0.87mmol)と3−アミノフェニルボロン酸(120mg、0.87mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法で7−(3−アミノフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(160mg、75%収率)を得た。
【0166】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.96(s、1H)、8.20(s、1H)、7.64(m、2H)、7.07(m、2H)、6.56(s、2H)、5.04(s、2H)、MS m/z:243.30[M+1]。
【0167】
段階3:N−(3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0168】
【化36】

【0169】
7−(3−アミノフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(160mg、0.66mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階7の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホニルアミド(182mg、86%収率)を得た。
【0170】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.00(s、1H)、8.36(s、1H)、7.78(s、1H)、7.74(d、1H)、7.71(m、1H)、7.40(t、1H)、7.15(m、1H)、6.56(s、2H)、3.05(s、3H)、MS m/z:320.99[M+1]。
【0171】
段階4:N−(3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0172】
【化37】

【0173】
N−(3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(20mg、0.062mmol)と2−(4−(6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノール(16mg、0.062mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(18mg、53%収率)を得た。
【0174】
MS m/z:541.06[M+1]
実施例20:N−(3−(2−(3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0175】
【化38】

【0176】
7−ブロモ−3−メチルキナゾリン−4(3H)−オンを用いて前記実施例19の化合物製造の段階4の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−(3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミドを得た。
【0177】
MS m/z:479.00[M+1]。
【0178】
実施例21:N−(3−(2−(5−アセチルチオフェン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0179】
【化39】

【0180】
1−(5−ブロモチオフェン−2−イル)エタノンを用いて前記実施例19の化合物製造の段階4の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−(5−アセチルチオフェン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミドを得た。
【0181】
MS m/z:479.00[M+1]。
【0182】
実施例22:7−(4−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリジン−2−アミン
下記の構造式で表される実施例22の化合物は下記のように5段階の合成過程により製造することができる。
【0183】
【化40】

【0184】
段階1:エチル4−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゾエート
【0185】
【化41】

【0186】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(200mg、0.81mmol)と4−(エトキシカルボニル)フェニルボロン酸(157mg、0.81mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法でエチル4−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゾエート(185mg、72%収率)を得た。
【0187】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.56(s、1H)、8.98(s、1H)、8.17(d、J=8.3Hz、2H)、8.09(d、J=8.3Hz、2H)、4.35(q、2H)、1.24(t、3H)、MS m/z:319.49[M+1]。
【0188】
段階2:エチル4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゾエート
【0189】
【化42】

【0190】
エチル4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゾエート(180mg、0.57mmol)と6−モルホリノピリジン−3−アミン(152mg、0.81mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でエチル4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゾエート(160mg、61%収率)を得た。
【0191】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.50(s、1H)、9.20(s、1H)、8.73(s、1H)、8.51(d、1H)、8.25(d、2H)、8.03(d、2H)、7.98(d、1H)、6.87(d、1H)、4.34(q、2H)、3.72(m、4H)、3.38(m、4H)、1.35(t、3H)、MS m/z:462.07[M+1]。
【0192】
段階3:(4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタノール
【0193】
【化43】

【0194】
エチル4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゾエート(150mg、0.33mmol)を無水テトラヒドロフラン(1.5mL)に溶かし、リチウムアルミニウム水素化物2.0Mテトラヒドロフラン(0.25mL、0.50mmol)溶液を0℃でゆっくり添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応が終了すると、エチルe-teru(2.0mL)で希釈した。水を非常にゆっくり添加して、残ったリチウムアルミニウム水素化物を除去した。この混合物に硫酸マグネシウムを入れた後、濾過して濃縮した。目標化合物(130mg、95%収率)を精製せずに次の反応に使用した。
【0195】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.49(s、1H)、9.17(s、1H)、8.51(s、1H)、8.09(s、1H)、8.06(d、2H)、7.42(d、2H)、6.87(d、1H)、6.83(d、1H)、5.24(t、1H)、4.56(d、2H)、3.73(m、4H)、3.37(m、4H)、MS m/z:420.05[M+1]
段階4:4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンジルメタンスルホネート
【0196】
【化44】

【0197】
(4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタノール(120mg、0.28mmol)を無水テトラヒドロフラン(2mL)に溶かし、メタンスルホニルクロリド(27μL、0.34mmol)とトリエチルアミン(0.80μL、0.57mmol)を添加した。反応混合物を4時間撹拌した後、エチルアセテートで希釈して塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(50%エチルアセテート/ヘキサン)で目標化合物(128mg、89%収率)を得た。
【0198】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.71(s、1H)、9.27(s、1H)、8.62(s、1H)、8.53(s、1H)、8.20(d、1H)、8.10(d、2H)、7.58(d、2H)、6.87(s、1H)、5.38(s、2H)、3.73(m、4H)、3.37(m、4H)、2.31(s、3H)、MS m/z:498.02[M+1]。
【0199】
段階5:7−(4−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0200】
【化45】

【0201】
4−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンジルメタンスルホネート(30mg、0.06mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶かした後、炭酸カリウム(17mg、0.12mmol)と1−エチルピペラジン(38μL、0.30mmol)を添加した。反応混合物を80℃で1日間撹拌し、エチルアセテートで希釈した後、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(5%メタノール/ジクロロメタン)で精製して目標化合物(22mg、70%収率)を得た。
【0202】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.48(s、1H)、9.17(s、1H)、8.51(s、2H)、8.05(d、1H)、8.01(d、2H)、7.38(d、2H)、6.82(d、1H)、3.71(m、4H)、3.48(s、2H)、3.38(m、4H)、2.43−2.30(m、10H)、0.98(t、3H)、MS m/z:516.20[M+1]。
【0203】
実施例23:N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0204】
【化46】

【0205】
ピペリジンを用いて前記実施例22の化合物製造の段階5の実験手続きと同じ方法でN−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンを得た。
【0206】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.47(s、1H)、9.16(s、1H)、8.51(d、1H)、8.50(s、1H)、8.04(d、1H)、8.00(d、2H)、7.38(d、2H)、6.82(d、1H)、3.71(m、4H)、3.47(s、2H)、3.37(m、4H)、2.35(m、4H)、1.49(m、4H)、1.39(m、2H)。MS m/z:487.16[M+1]。
【0207】
実施例24:7−(4−(モルホリノメチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0208】
【化47】

【0209】
モルホリンを用いて前記実施例22の化合物製造の段階5の実験手続きと同じ方法で7−(4−(モルホリノメチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンを得た。
【0210】
MS m/z:489.11[M+1]。
【0211】
実施例25:N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド
下記の構造式で表される実施例25の化合物は下記のように3段階の合成過程により製造することができる。
【0212】
【化48】

【0213】
段階1:3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)安息香酸
【0214】
【化49】

【0215】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(500mg、2.0mmol)と3−ボロノ安息香酸(332mg、2.0mmol)を実施例1の化合物製造の段階6と同じ方法で3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)安息香酸(380mg、65%収率)を得た。
【0216】
MS m/z:291.40[M+1]。
【0217】
段階2:3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−シクロプロピルベンズアミド
【0218】
【化50】

【0219】
3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)安息香酸(600mg、2.06mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶かし、シクロプロピルアミン(234mg、4.12mmol)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(589mg、3.09mmol)とヒドロキシベンゾトリアゾール(417mg、3.09mmol)とトリメチルアミン(574mL、4.12mmol)を添加した。反応混合物を室温で1日間撹拌した。エチルアセテートで希釈した後、塩化アンモニウム水溶液で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(20%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して目標化合物(580mg、85%収率)を得た。
【0220】
MS m/z:330.54[M+1]。
【0221】
段階3:N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド
【0222】
【化51】

【0223】
3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−シクロプロピルベンズアミド(30mg、0.09mmol)と6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン(28mg、0.14mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド(23mg、50%収率)を得た。
【0224】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.70(s、1H)、9.23(s、1H)、8.60(s、1H)、8.56(d、J=2.6Hz、1H)、8.52(d、J=4.2Hz、1H)、8.40(s、1H)、8.26(m、1H)、8.17(d、J=7.8Hz、1H)、7.83(d、J=7.8Hz、1H)、7.55(t、1H)、7.0(d、J=9.4Hz、1H)、4.31(m、2H)、3.61(m、2H)、3.20(m、2H)、3.14(m、4H)、2.90(m、1H)、1.25(t、3H)、0.72m、2H)、0.57(m、2H)、MS m/z:500.89[M+1]。
【0225】
実施例26:N−シクロプロピル−3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド
【0226】
【化52】

【0227】
6−メチルピリジン−3−アミンを用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−シクロプロピル−3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミドを製造した。
【0228】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.84(s、1H)、9.27(s、1H)、8.71(d、J=2.5Hz、1H)、8.61(s、1H)、8.51(d、J=4.0Hz、1H)、8.39(s、1H)、8.34(dd、J=2.3Hz、J=8.2Hz、1H)、8.16(d、J=7.7Hz、1H)、7.84(d、J=7.8Hz、1H)、7.58(t、1H)、7.13(d、J=8.4Hz、1H)、2.88(m、1H)、2.39(s、3H)、0.72(m、2H)、0.57(m、2H)、MS m/z:.66[M+1]。
【0229】
実施例27:N−シクロプロピル−3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド
【0230】
【化53】

【0231】
6−モルホリノピリジン−3−アミンを用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−シクロプロピル−3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミドを製造した。
【0232】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.54(s、1H)、9.20(s、1H)、8.57(s、1H)、8.48(d、J=4.4Hz、1H)、8.42(d、J=2.7Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.18(m、2H)、7.81(m、1H)、7.56(t、1H)、6.80(d、J=9.0Hz、1H)、3.72(m、4H)、3.38(m、4H)、2.89(m、1H)、0.72(m、2H)、0.57(m、2H)、MS m/z:473.87[M+1]。
【0233】
実施例28:N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド
下記の構造式で表される実施例28の化合物は下記のように3段階の合成過程により製造することができる。
【0234】
【化54】

【0235】
段階1:3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)安息香酸
【0236】
【化55】

【0237】
7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(1.2g、5.24mmol)と3−ボロノ安息香酸(870mg、5.24mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法で3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)安息香酸(800mg、56%収率)を得た。
【0238】
MS m/z:272.27[M+1]。
【0239】
段階2:3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−シクロプロピルベンズアミド
【0240】
【化56】

【0241】
3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)安息香酸(800mg、2.95mmol)を用いて前記実施例25の化合物製造の段階2の実験手続きと同じ方法で3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−シクロプロピルベンズアミド(850mg、93%収率)を得た。
【0242】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.57(s、1H)、8.15(s、1H)、7.84(m、2H)、7.55(t、1H)、7.20(m、1H)、2.88(m、1H)、0.72(m、2H)、0.58(m、2H)、MS m/z:311.37[M+1]。
【0243】
段階3:N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド
【0244】
【化57】

【0245】
3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−シクロプロピルベンズアミド(20mg、0.064mmol)と2−(4−(6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノール(17mg、0.064mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド(16mg、47%収率)を得た。
【0246】
MS m/z:531.20[M+1]。
【0247】
実施例29:3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド
下記の構造式で表される実施例29の化合物は下記のように4段階の合成過程により製造することができる。
【0248】
【化58】

【0249】
段階1:3−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【0250】
【化59】

【0251】
メチルアミン塩酸塩(1057mg、15.65mmol)とトリエチルアミン(3.3mL、23.48mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした後、3−ブロモベンゼン−1−スルホニルクロリド(4.0g、15.65mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンで希釈した後、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。目標化合物(3.5g、90%収率)を精製せずに次の反応に使用した。
【0252】
MS m/z:250.32、252.30[M+1]。
【0253】
段階2:N−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド
【0254】
【化60】

【0255】
3−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド(1.6g、6.39mmol)を無水DMSO(21mL)に溶かし、酢酸カリウム(1.57g、15.99mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(1.63g、6.39mmol)を添加した。反応混合物に10分間窒素を吹き入れてPd(dppf)Cl(522mg、0.64mmol)を添加した。反応混合物を80℃で6時間撹拌し、エチルアセテートで希釈した後、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(10%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して目標化合物(1.65g、86%収率)を得た。
【0256】
MS m/z:298.52[M+1]。
【0257】
段階3:3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【0258】
【化61】

【0259】
7−ブロモチエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(200mg、0.87mmol)とN−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(260mg、0.87mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法で3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(180mg、64%収率)を得た。
【0260】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.03(s、1H)、8.58(s、1H)、8.43(s、1H)、8.36(d、1H)、7.77−7.54(m、3H)、6.58(s、2H)、2.40(s、3H)、MS m/z:321.05[M+1]。
【0261】
段階4:3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【0262】
【化62】

【0263】
3−(2−アミノチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(20mg、0.062mmol)と2−(4−(6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)エタノール(17mg、0.062mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法で3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド(18mg、53%収率)を得た。
【0264】
MS m/z:541.24[M+1]。
【0265】
実施例30:N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
下記の構造式で表される実施例30の化合物は下記のように2段階の合成過程により製造することができる。
【0266】
【化63】

【0267】
段階1:2−クロロ−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン
【0268】
【化64】

【0269】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(200mg、0.81mmol)とキノリン−3−イルボロン酸(140mg、0.81mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法で2−クロロ−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(140mg、58%収率)を得た。
【0270】
H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.63(s、1H)、9.48(s、1H)、9.14(s、1H)、8.96(s、1H)、8.10(m、1H)、7.85(t、1H)、7.69(m、1H)、2H)、MS m/z:298.46[M+1]。
【0271】
段階2:N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0272】
【化65】

【0273】
2−クロロ−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(30mg、0.10mmol)と6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン(31mg、0.15mmol)を用いて前記実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(32mg、67%収率)を得た。
【0274】
H NMR(DMSO−d)δ9.64(s、1H)、9.52(d、J=1.9Hz、1H)、9.38(s、1H)、9.27(s、1H)、8.96(s、1H)、8.74(m、1H)、8.11(m、2H)、7.98(dd、J=2.6Hz、J=9.0Hz、1H)、7.84(m、1H)、7.71(t、1H)、7.02(d、J=9.1Hz、1H)、4.38(m、2H)、3.64(m、2H)、3.20(m、2H)、3.07(m、4H)、1.27(t、3H)、MS m/z:468.80[M+1]。
【0275】
実施例31:N−(6−メチルピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0276】
【化66】

【0277】
6−メチルピリジン−3−アミンを用いて実施例30の化合物製造の段階2の実験手続きと同じ方法でN−(6−メチルピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンを製造した。
【0278】
H NMR(DMSO−d)δ9.86(s、1H)、9.51(d、J=1.9Hz、1H)、9.32(s、1H)、9.21(d、J=1.9Hz、1H)、8.93(s、1H)、8.89(d、J=2.5Hz、1H)、8.17(dd、J=2.5Hz、J=8.4Hz、1H)、8.09(m、2H)、7.84(m、1H)、7.70(t、1H)、7.17(d、J=8.4Hz、1H)、2.39(s、3H)、MS m/z:370.60[M+1]。
【0279】
実施例32:N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0280】
【化67】

【0281】
6−モルホリノピリジン−3−アミンを用いて実施例30の化合物製造の段階2の実験手続きと同じ方法でN−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンを製造した。
【0282】
MS m/z:441.76[M+1]。
【0283】
実施例33:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンカルボキシアミド
下記の構造式で表される実施例33の化合物は下記のように4段階の合成過程により製造することができる。
【0284】
【化68】

【0285】
段階1:2−クロロ−7−(3−ニトロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン
【0286】
【化69】

【0287】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(500mg、2.02mmol)及び3−ニトロフェニルボロン酸(337mg、2.02mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法で2−クロロ−7−(3−ニトロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(430mg、73%収率)を得た。
【0288】
MS m/z:292.03、294.04[M+1]。
【0289】
段階2:N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(3−ニトロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0290】
【化70】

【0291】
2−クロロ−7−(3−ニトロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(400mg、1.37mmol)と6−モルホリノピリジン−3−アミン(369mg、2.06mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(3−ニトロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(480mg、78%収率)を得た。
【0292】
H NMR(DMSO−d)δ9.68(s、1H)、9.15(s、1H)、8.93(s、1H)、8.81(s、1H)、8.49(d、1H)、8.43(d、1H)、8.23(d、1H)、8.08(d、1H)、7.86(t、1H)、6.78(d、1H)、3.70(m、4H)、3.38(m、4H)、MS m/z:435.08[M+1]。
【0293】
段階3:7−(3−アミノフェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0294】
【化71】

【0295】
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(3−ニトロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(476mg、1.10mmol)をエタノール(3.5mL)に溶かし、塩化スズ(II)二水和物(1238mg、5.48mmol)を添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。エタノールを減圧蒸留して除去し、アンモニア水をゆっくり添加してpH5を作った。黄色の沈殿物に炭酸ナトリウムをpH7に達するまで入れた。沈殿物を濾過する時にエチルアセテートで複数回洗った。濾過液を濃縮し、精製せずに使用できる目標化合物(338mg、76%)を得た。
【0296】
H NMR(DMSO−d)δ9.51(s、1H)、9.20(s、1H)、8.60(d、1H)、8.37(s、1H)、8.07(dd、1H)、7.35(s、1H)、7.16(d、1H)、7.12(d、1H)、6.84(d、1H)、6.60(d、1H)、5.09(s、2H)、3.72(m、4H)、3.35(m、4H)、MS m/z:405.09[M+1]。
【0297】
段階4:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンカルボキシアミド
【0298】
【化72】

【0299】
7−(3−アミノフェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(15mg、0.037mmol)とシクロプロパンカルボニルクロリド(5mg、0.044mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階7の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンカルボキシアミド(16mg、91%収率)を得た。
【0300】
H NMR(DMSO−d)δ10.30(s、1H)、9.51(s、1H)、9.18(s、1H)、8.68(s、1H)、8.41(s、1H)、8.02(m、2H)、7.66(d、1H)、7.57(d、1H)、7.41(d、1H)、6.85(d、1H)、3.70(m、4H)、3.38(m、4H)、2.19(m、1H)、0.96(m、2H)、0.80(m、2H)。MS m/z:473.09[M+1]。
【0301】
実施例34〜41
前記の実施例33の製造過程の段階2で合成された7−(3−アミノフェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンと様々なアシルクロリド化合物との間のアミド化反応により、該当する実施例34〜41の目標化合物を合成することができる。アミド化反応の実験手続きは実施例1の化合物製造の段階7と同一である。
【0302】
実施例34:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)アセトアミド
【0303】
【化73】

【0304】
H NMR(DMSO−d)δ10.02(s、1H)、9.51(s、1H)、9.18(s、1H)、8.51(s、1H)、8.41(s、1H)、8.13(m、2H)、7.66(d、1H)、7.59(d、1H)、7.41(d、1H)、6.76(d、1H)、3.70(m、4H)、3.38(m、4H)、2.07(s、3H)、MS m/z:447.06[M+1]。
【0305】
実施例35:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)イソプロピルカルボキシアミド
【0306】
【化74】

【0307】
MS m/z:475.09[M+1]。
【0308】
実施例36:4−クロロ−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0309】
【化75】

【0310】
MS m/z:611.12[M+1]。
【0311】
実施例37:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)エタンスルホンアミド
【0312】
【化76】

【0313】
H NMR(DMSO−d)δ9.88(br、1H)、9.51(s、1H)、9.22(s、1H)、8.47(m、2H)、8.17(d、1H)、7.78(m、2H)、7.45(t、1H)、7.21(d、1H)、6.87(d、1H)、3.71(m、4H)、3.38(m、4H)、3.14(m、2H)、1.19(m、3H)、MS m/z:497.04[M+1]。
【0314】
実施例38:N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド
【0315】
【化77】

【0316】
H NMR(DMSO−d)δ9.76(br、1H)、9.50(s、1H)、9.18(s、1H)、8.47(s、1H)、8.38(d、1H)、8.20(d、1H)、7.79(s、1H)、7.49(d、2H)、7.45(t、1H)、6.86(d、1H)、3.71(m、4H)、3.38(m、4H)、2.69(m、1H)、0.96(m、2H)、0.80(m、2H)、MS m/z:509.05[M+1]。
【0317】
実施例39:1−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)ウレア
【0318】
【化78】

【0319】
H NMR(DMSO−d)δ9.51(s、1H)、9.17(s、1H)、8.45(s、1H)、8.38(d、1H)、8.23(m、2H)、8.17(s、1H)、7.70(d、1H)、7.58(d、1H)、7.48(m、2H)、7.37(t、1H)、6.72(d、1H)、3.70(m、4H)、3.38(m、4H)、MS m/z:626.09[M+1]。
【0320】
実施例40:1−シクロヘキシル−3−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)ウレア
【0321】
【化79】

【0322】
MS m/z:530.20[M+1]
実施例41:1−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレア
【0323】
【化80】

【0324】
H NMR(DMSO−d)δ9.51(s、1H)、9.17(s、1H)、8.45(d、1H)、8.42(s、1H)、7.92(s、1H)、7.59(d、1H)、7.49(d、1H)、7.36(d、1H)、7.14(t、1H)、6.76(d、1H)、3.92(m、2H)、3.71(m、4H)、3.38(m、4H)、MS m/z:530.10[M+1]
実施例42:N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
下記の構造式で表される実施例42の化合物は下記のように2段階の合成過程により製造することができる。
【0325】
【化81】

【0326】
段階1:2−クロロ−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン
【0327】
【化82】

【0328】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(500mg、2.02mmol)と3−ニトロフェニルボロン酸(337mg、2.02mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階6の実験手続きと同じ方法で2−クロロ−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(430mg、73%収率)を得た。
【0329】
H NMR(400MHz、CDCl)δ9.19(s、1H)、8.06(s、1H)、7.78(m、1H)、7.61(m、2H)、7.25(m、1H)。
【0330】
段階2:N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0331】
【化83】

【0332】
2−クロロ−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(20mg、0.64mmol)と6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン(13mg、0.064mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(19mg、61%収率)を得た。
【0333】
MS m/z:485.12[M+1]。
【0334】
実施例43:N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0335】
【化84】

【0336】
6−モルホリノピリジン−3−アミンを用いて実施例42の化合物製造の段階2の実験手続きと同じ方法でN−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンを製造した。
【0337】
MS m/z:458.09[M+1]。
【0338】
実施例44:N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド
下記の構造式で表される実施例44の化合物は下記のように2段階の合成過程により製造することができる。
【0339】
【化85】

【0340】
段階1:N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド
【0341】
【化86】

【0342】
N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(200mg、0.59mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)に溶かし、水素化ナトリウム(36mg、0.89mmol)を0℃でゆっくり添加した。10分後にヨードメタン(100mg、0.71mmol)を反応混合物に入れてさらに1時間撹拌した。
【0343】
エチルアセテートで希釈した後、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した後、濃縮した。精製せずに目標化合物(195mg、94%収率)を得た。
【0344】
MS m/z:354.03[M+1]。
【0345】
段階2:N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド
【0346】
【化87】

【0347】
N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド(20mg、0.57mmol)と6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン(18mg、0.085mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド(19mg、64%収率)を得た。
【0348】
MS m/z:524.25[M+1]。
【0349】
実施例45:N−メチル−N−(3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0350】
【化88】

【0351】
6−メチルピリジン−3−アミンを用いて実施例44の化合物製造の段階2の実験手続きと同じ方法でN−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミドを製造した。
【0352】
MS m/z:426.11[M+1]。
【0353】
実施例46:N−メチル−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド
【0354】
【化89】

【0355】
6−モルホリノピリジン−3−アミンを用いて実施例44の化合物製造の段階2の実験手続きと同じ方法でN−メチル−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミドを製造した。
【0356】
MS m/z:497.18[M+1]。
【0357】
実施例47:N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン
下記の構造式で表される実施例47の化合物は下記のように2段階の合成過程により製造することができる。
【0358】
【化90】

【0359】
段階1:2−クロロ−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−アミン
【0360】
【化91】

【0361】
7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(200mg、0.81mmol)を2−ブタノール(4mL)に溶かし、炭酸カリウム(223mg、1.61mmol)と3,4,5−トリメトキシベンゼンアミン(110mg、0.81mmol)を添加した。反応混合物に10分間窒素を吹き入れ、Pd(dba)(50mg、0.048mmol)とXphos(35mg、0.073mmol)を入れた。反応混合物を80℃で2.5時間撹拌した後、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテートで希釈した後、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、セライトで濾過した後、濃縮した。クロマトグラフィ法(15%エチルアセテート/ヘキサン)で精製して目標化合物(120mg、43%収率)を得た。
【0362】
H NMR(300MHz、DMSO−d)δ9.42(s、1H)、8.33(s、1H)、7.85(s、1H)、6.65(s、2H)、3.76(s、6H)、3.60(s、3H)、MS m/z:352.45[M+1]。
【0363】
段階2:N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン
【0364】
【化92】

【0365】
2−クロロ−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−アミン(20mg、0.057mmol)と6−モルホリノピリジン−3−アミン(12mg、0.068mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン(21mg、74%収率)を得た。
【0366】
MS m/z:495.91[M+1]。
【0367】
実施例48:N−メチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン
下記の構造式で表される実施例48の化合物は下記のように2段階の合成過程により製造することができる。
【0368】
【化93】

【0369】
段階1:2−クロロ−N−メチル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−アミン
【0370】
【化94】

【0371】
2−クロロ−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−アミン(30mg、0.085mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶かした後、水素化ナトリウム(5.2mg、0.13mmol)を0℃で添加した。10分間撹拌した後、ヨードメタン(15mg、0.10mmol)を添加してさらに1時間撹拌した。エチルアセテートで希釈した後、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。精製せずに目標化合物(28mg、89%収率)を得た。
【0372】
MS m/z:366.05[M+1]。
【0373】
段階2:N−メチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン
【0374】
【化95】

【0375】
2−クロロ−N−メチル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−アミン(15mg、0.041mmol)と6−モルホリノピリジン−3−アミン(9mg、0.049mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法でN−メチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン(16mg、76%収率)を得た。
【0376】
MS m/z:509.16[M+1]。
【0377】
実施例49:7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)−N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
下記の構造式で表される実施例49の化合物は下記のように3段階の合成過程により製造することができる。
【0378】
【化96】

【0379】
段階1:3−クロロ−N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)プロパン−1−スルホンアミド
【0380】
【化97】

【0381】
3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンゼンアミン(200mg、0.76mmol)と3−クロロプロパン−1−スルホニルクロリド(145mg、0.84mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階7の実験手続きと同じ方法で3−クロロ−N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)プロパン−1−スルホンアミド(240mg、78%収率)を得た。
【0382】
MS m/z:402.26、404.27[M+1]
段階2:2−クロロ−7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン
【0383】
【化98】

【0384】
3−クロロ−N−(3−(2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)プロパン−1−スルホンアミド(200mg、0.50mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)に溶かし、水素化ナトリウム(24mg、0.60mmol)を0℃で添加した。4時間撹拌した後、エチルアセテートで希釈し、塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥してセライトで濾過した後、濃縮した。精製せずに目標化合物(130mg、72%収率)を得た。
【0385】
MS m/z:366.13[M+1]。
【0386】
段階3:7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)−N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン
【0387】
【化99】

【0388】
2−クロロ−7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン(20mg、0.55mmol)と6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−アミン(17mg、0.082mmol)を用いて実施例1の化合物製造の段階10の実験手続きと同じ方法で7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)−N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン(15mg、51%収率)を得た。
【0389】
MS m/z:536.96[M+1]。
【0390】
下記実施例は本発明の製造方法による前記化学式(1)で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法に対する一例である。本発明が下記の実施例により限定されることはない。
【0391】
実施例50:N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
【0392】
【化100】

【0393】
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド(300mg、0.589mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶かした後、ジオキサンに溶解されている4M塩化水素(147μL)を室温で添加した。30分後に発生した沈殿物を濾過し、室温で乾燥して目標化合物のN−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩(305mg)を得た。
【0394】
一方、本発明による前記化学式(1)で表される新規な化合物は、目的により様々な形態で製剤化が可能である。次は、本発明による前記化学式(1)で表される化合物を活性成分として含有した様々な製剤化方法を例示しているが、本発明がこれによって限定されることはない。
【0395】
[製剤例]
製剤例1:錠剤(直接加圧)
活性成分5.0mgをふるいでかけた後、ラクトース14.1mg、クロスポビドンUSNF0.8mg及びマグネシウムステアレート0.1mgを混合加圧して錠剤を作った。
【0396】
製剤例2:錠剤(湿式造粒)
活性成分5.0mgをふるいでかけた後、ラクトース16.0mgとデンプン4.0mgを混ぜた。ポリソルベート80 0.3mgを純粋な水に溶かした後、この溶液の適当量を添加して微粒化した。乾燥後に微粒をふるいでかけた後、コロイダルシリコンジオキシド2.7mg及びマグネシウムステアレート2.0mgと混ぜた。微粒を加圧して錠剤を作った。
【0397】
製剤例3:粉末とカプセル剤
活性成分5.0mgをふるいでかけた後、ラクトース14.8mg、ポリビニルピロリドン10.0mg、マグネシウムステアレート0.2mgと共に混ぜた。混合物を適当な装置を用いて固いNo.5ゼラチンカプセルに満たした。
【0398】
製剤例4:注射剤
活性成分として100mgを含有し、その他にもマンニトール180mg、NaHPO・12HO26mg及び蒸溜水2974mgを含有して注射剤を製造した。
【0399】
[実験例]
実験例1.FAKキナーゼ酵素活性測定:Ulight−LANCE Assay
full sequence FAK酵素は、Cell signaling社で購買(品目番号:7796)した。ULight−poly GT(Perkinelmer #TRF0100−D)とEu−anti−phospho−Tyr(PT66)(Perkinelmer #AD0068)とランス検出溶液(Lance detection buffer)(Perkinelmer #CR−97−100)はPerkinelmer社で購買した。
【0400】
キナーゼ溶液(50mM Tris−HCL pH7.5、10mM MgCl、1mM EGTA、2mM DTT、0.01%Tween−20)に、6nMに希釈したFAK酵素(2X)を、白色の384Optiplateに最終濃度3nMになるようにして5μL入れ、4Xで作られたULight−poly GTは最終濃度が100nMになるようにし、ATP(Sigma #A2383)は最終濃度が10μMになるようにしてそれぞれ2.5μLずつ入れ、12段階により順次希釈された化合物を0.5μL処理してよく振って60分間室温で反応させた。ランス検出溶液(Lance detection buffer)に、希釈されたエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA、最終濃度40mM)を5μL入れて5分間室温に放置し、反応を中断し、検出溶液に希釈した4X Eu−anti−phospho−Tyr(PT66)の選択的リン酸化抗体を最終濃度2nMにして5μL入れた後、室温で60分間反応させた。刺激波長320nm、放出波長665nmで時間経過による蛍光共鳴エネルギ移動(TR−FRET)を検出できるように調整した後、EnVisionマルチラベルリーダーで信号を測定した。
【0401】
本発明による前記化学式(1)で表される化合物のFAKキナーゼ阻害活性を示し、IC50の範囲は0.025μM〜20μMであった。本発明による代表化合物のFAKキナーゼ阻害活性は下記表1の通りである。
【0402】
【表1】

【0403】
実験例2.人体大腸癌細胞株のHT−29細胞株の増殖抑制活性測定
人体大腸癌細胞株のHT−29をDMEM培養液[10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(penicillin/streptomycin)含む]で5%のCO存在下で37℃で培養した。培養されたHT−29細胞株を0.05%トリプシン−0.02%EDTAで取って1つのウェル(well)当たり5×10個の細胞を96−ウェルプレートに入れた。
【0404】
細胞の生存能力を測定するために、次のようにMTT[3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2、5−diphenyltetrazolium bromide]活性検索法(CellTiter 96 Assay、Promega)を使用した。1つのウェル当たり15μLの染料を入れて2時間培養した後、停止液(stop solution)100μLを処理し、24時間後に吸光度を測定した。プレートしてから1日経過後に化合物を処理した。化合物処理時には10mMの原料溶液を用意し、ジメチルスルホキシド(DMSO)に1/3滅菌希釈し、12ポイントで順次希釈した実験用化合物プレートを用意して0.5μL添加した(最終濃度DMSO 0.5%)。EnVision2103を用いて590nm波長で測定し、IC50値はGraphPad Prism 4.0ソフトウェアを用いて計算した。
【0405】
本発明による前記化学式(1)で表される化合物は、人体大腸癌細胞株のHT−29増殖抑制能力を示し、GI50の範囲は0.1μM〜20μMであった。
【0406】
本発明による代表化合物の人体大腸癌細胞株であるHT−29増殖の阻害活性能力を下記表2に記載した。
【0407】
【表2】

【0408】
本発明による前記化学式(1)で表される代表化合物の様々なキナーゼ活性を阻害する能力は次の通りである。キナーゼ活性阻害の資料は、Millipore社のKinaseProfilerTMを用いて算出したが、下記表3は化合物の単一濃度(1μM)で、該当するキナーゼのキナーゼ活性を阻害する程度を%抑制率で表現した。
【0409】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0410】
以上、説明した通り、本発明による前記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物またはその薬剤学的に許容可能な塩は、蛋白質キナーゼに対する阻害活性を有するため、蛋白質キナーゼにより誘発される非正常細胞成長疾患、例えば、胃癌、肺癌、肝臓癌、大腸癌、小腸癌、すい臓癌、脳癌、骨癌、黒色腫、乳癌、硬化性腺腫、子宮癌、子宮頸部癌、頭頸部癌、食道癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腎臓癌、肉腫、前立腺癌、尿道癌、膀胱癌、白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群のような血液癌、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫のようなリンパ腫、または繊維腺腫からなる群から選択される腫瘍疾患の予防及び治療剤として有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物、その薬学的に許される塩、水和物及び溶媒化物から選択される化合物。
【化1】

(式中、Aは窒素、酸素、及び硫黄原子から選択されたヘテロ原子が1〜4個含まれた5〜14原子で構成されたヘテロアリール基であり、Rは水素原子、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cアルキルカルボニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、アミノC−Cアルコキシ基、モノ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、ジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、置換または非置換のヘテロ環基、または置換または非置換のフェニル基であり、Lは存在しないか、または−NH−、または−N(C−Cアルキル)−であり、Bはフェニル基、または窒素、酸素、及び硫黄原子から選択されたヘテロ原子が1〜4個含まれた5〜14原子で構成された単一環または接合環のヘテロアリール基であり、Rは水素原子、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、−(CH−R、−C(O)OR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−SONR、または−NRSOであり、nは0、1、2または3の整数であり、Rは水素原子、C−Cアルキル、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、メタンスルホニル基、フェニル基、または置換または非置換のヘテロ環基であり、Rは水素原子、またはC−Cアルキル基であり、R及びRは同一または異なるもので、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、または置換または非置換のフェニル基であり、前記置換されたフェニル基はハロゲン原子、C−Cハロアルキル基、カルボン酸基、及びC−Cアルコキシカルボニル基から選択された置換基が置換されたフェニル基であり、前記置換されたヘテロ環基はC−Cアルキル基及びC−Cヒドロキシアルキル基から選択された置換基が置換されたモルホリノ基、ピペリジニル基、またはピペラジニル基である。)
【請求項2】
前記Aは、チオフェニル、チアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ナフチリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、及びジヒドロキナゾリニルから選択されたヘテロアリール基であり、
前記Rは水素原子、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、C−Cアルキル基、C−Cアルキルカルボニル基、C−Cアルコキシカルボニル基、アミノC−Cアルコキシ基、モノ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、ジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルコキシ基、モルホリノ基、ピペラジニル基、4−(C−Cアルキル)ピペラジニル基、4−(C−Cヒドロキシアルキル)ピペラジニル基、または置換または非置換のフェニル基であり、
前記Lは存在しないか、または−NH−、または−N(C−Cアルキル)−であり、
前記Bはフェニル基、またはキノリニル基であり、
前記Rは水素原子、C−Cハロアルキル基、C−Cアルコキシ基、−(CH−R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−SONR、または−NRSOであり、
前記nは0、1、2または3の整数であり、
前記Rは水素原子、1,1−ジオキシドイソチアゾリジニル基、モルホリノ基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、または4−(C−Cアルキル)ピペラジニル基であり、
前記Rは水素原子、またはC−Cアルキル基であり、
前記R及びRは同一または異なるもので、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−Cハロアルキル基、または置換または非置換のフェニル基であり、
前記置換されたフェニル基はハロゲン原子、C−Cハロアルキル基、カルボン酸基、及びC−Cアルコキシカルボニル基から選択された置換基が置換されたフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記Aはピリジニル基であり、
前記Rはメチル基、エチル基、モルホリノ基、ジメチルアミノエトキシ基、4−エチルピペラジニル基、または4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニル基であり、
前記Lは存在せず、
前記Bはフェニル基またはキノリニル基であり、
前記Rは水素原子、−NHSOCH、または−C(O)NH−シクロプロピル基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(1H−テトラゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(4−フェニルチアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(ピラジン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(3H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(5,7−ジメチル−1,8−ナフチリジン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
エチル3−(5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)ベンゾエート、
エチル4−(5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ピリジン−2−イル)ベンゾエート、
エチル5−(7−(3−(メチルスルホンアミド)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イルアミノ)ニコチネート、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−(4−ヒドロキシエチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(3−メチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−7−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(5−アセチルチオフェン−2−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
7−(4−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリジン−2−アミン、
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
7−(4−(モルホリノメチル)フェニル)−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
N−シクロプロピル−3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)ベンズアミド、
3−(2−(6−(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル)−2−メチルピリミジン−4−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド、
N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(6−メチルピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(キノリン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンカルボキシアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)アセトアミド、
N−(3−(2−(1H−テトラゾール−5−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)イソプロピルカルボキシアミド、
4−クロロ−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)エタンスルホンアミド、
N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド、
1−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)ウレア、
1−シクロヘキシル−3−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)ウレア、
1−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)ウレア、
N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−7−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)−N−メチルメタンスルホンアミド、
N−メチル−N−(3−(2−(6−メチルピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−メチル−N−(3−(2−(6−モルホリノピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド、
−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン、
−メチル−N−(6−モルホリノピリジン−3−イル)−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2,7−ジアミン、
7−(3−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル)−N−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−アミン、または
N−(3−(2−(6−(4−エチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イルアミノ)チエノ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)フェニル)メタンスルホンアミド塩酸塩
からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1から4のうち何れか1項に記載の化合物が有効性分として含まれることを特徴とする薬学的組成物。
【請求項6】
ALK、Aurora A、EphA1、FAK、Flt3、Fms、Itk、KDR、Kit、Met、Ret、Src、Syk、Tie2、TrkBから選択された蛋白質キナーゼの阻害機構を用いて非正常細胞成長により誘発される疾患の予防及び治療に用いられることを特徴とする請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記非正常細胞の成長により誘発される疾患が胃癌、肺癌、肝臓癌、大腸癌、小腸癌、すい臓癌、脳癌、骨癌、黒色腫、乳癌、硬化性腺腫、子宮癌、子宮頸部癌、頭頸部癌、食道癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腎臓癌、肉腫、前立腺癌、尿道癌、膀胱癌、白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群のような血液癌、ホジキン病と非ホジキンリンパ腫のようなリンパ腫、または繊維腺腫からなる群から選択される腫瘍疾患の予防及び治療に用いられることを特徴とする請求項6に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
請求項1から4のうち何れか1項に記載の化合物が有効性分として含まれることを特徴とする腫瘍予防及び治療剤。
【請求項9】
下記化学式(2)で表される7−ブロモ−2−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジンと下記化学式(3)で表されるボロン酸化合物を鈴木カップリング(Suzuki coupling)反応またはバックワルドアミン化反応(Buckwald amination)により、C−7位置にB群が導入された下記化学式(4)で表される化合物を製造する過程と、
【化2】

(式中、A、B、R及びRはそれぞれ前記請求項1で定義した通りである。)
下記化学式(4)で表される化合物と前記化学式(5)で表されるアミン化合物をバックワルドアミン化反応(Buckwald amination)により、下記化学式(1)で表される2,7−置換されたチエノ[3,2−d]ピリミジン化合物を製造する過程と、
【化3】

(式中、A、B、R及びRはそれぞれ前記請求項1で定義した通りである。)
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項10】
前記鈴木カップリング(Suzuki coupling)反応またはバックワルドアミン化反応(Buckwald amination)は、Pd(dba)、Pd(OAc)、PdCl(PPh、及びPd(PPhから選択された金属化合物が存在する条件で行うことを特徴とする請求項9に記載の製造方法。

【公表番号】特表2013−508354(P2013−508354A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535115(P2012−535115)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007093
【国際公開番号】WO2011/049332
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(304039548)コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (36)
【Fターム(参考)】