説明

蛍光X線分析方法

【課題】簡単な前処理だけで固体試料に含まれる元素の高感度な定性分析又は高精度な定量分析を可能とする蛍光X線分析方法を提供する。
【解決手段】粉末試料等の固体試料を秤量し、秤量した固体試料を酸等の液体に溶解して溶液化し、溶液中の固体試料の濃度を調整した溶液化試料の蛍光X線分析を行い、検量線を用いて溶液化試料中の分析対象の元素の濃度を求め、固体試料中の分析対象の元素の濃度に換算する。溶液中で固体試料が希釈されることにより、固体試料の主成分又は母材の影響が低下し、ガラスビード法と同様の効果で高精度に元素の定量を行うことができる。また溶液中に完全には溶解しない元素についても、沈殿物を分散させた溶液、濾過した沈殿物又は溶液中に沈降した沈殿物の蛍光X線分析を行うことにより、簡易的に分析することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体試料を前処理して蛍光X線分析を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光X線分析とは、物質にX線を照射した場合に物質から放射される蛍光X線を測定し、物質中に含まれる元素を定性又は定量分析する方法である。蛍光X線分析では、固体又は液体のいずれの試料も分析可能であり、また特定の前処理を行うことなく分析を行うことができるので、試料の非破壊分析が可能である。しかしながら、試料が非破壊の状態では、適切な標準試料を用意することが困難であったり、あるいは分析対象の元素が試料中で偏析していたりするので、化学分析等の他の方法に比べて蛍光X線分析による元素の定量精度が劣るという問題がある。そこで、試料を粉末にする前処理を行ってから蛍光X線分析を行うことがある。特許文献1及び特許文献2には、元素分析の対象となる物質を粉末試料にしてから分析を行う技術が開示されている。粉末試料は、測定用のセルに封入するか、又は加圧加工してペレット化することにより、蛍光X線分析の試料として利用することが可能である。また粉末試料を融剤と混合し、その混合物を高温で溶融してガラス状に形成した試料を分析するガラスビード法が用いられることもある。
【特許文献1】特開2002−277359号公報
【特許文献2】特開2003−114178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
セルに封入又はペレット化した粉末試料の蛍光X線分析を行う場合でも、試料中に含まれる主成分又は母材の影響により、夫々の元素の定量精度が悪くなる場合がある。図4は、試料中の分析対象の元素の濃度と蛍光X線の強度との関係を示す検量線の例を示す特性図である。図中の横軸は試料中に含まれる分析対象の元素の濃度を%で示し、縦軸は試料が放射する蛍光X線の強度をcps(カウント毎秒)で示す。蛍光X線の強度は元素の濃度の増大に対して飽和傾向を示しており、元素の濃度が変化したときの蛍光X線の強度の変化は、元素の濃度が大きくなるほど小さくなり、特に試料中に高濃度に含まれる主成分を定量する際には、蛍光X線の強度変化に基づく定量精度が悪化することがわかる。そして、蛍光X線分析の結果には主成分又は母材の影響が大きく現れ、更に試料に含まれる添加物又は分析対象の元素以外の成分による定量誤差が大きい。
【0004】
一方、ガラスビード法を用いる蛍光X線分析では、試料に含まれる成分がガラス中に分散されるので、試料に含まれる主成分又は母材の影響が相対的に低下し、元素の定量精度が向上する。しかしながら、ガラスビード試料を作成するためには特別な処理設備が必要となり、処理にも手間がかかるという問題がある。またガラスビード試料に含まれる元素を定量するために必要な標準試料が限られるという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ガラスビード法とは異なる方法で試料を希釈することにより、特別な設備を必要とすることなく、簡単な前処理だけで粉末試料等の固体試料に含まれる元素の高感度な定性分析又は高精度な定量分析を可能とする蛍光X線分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る蛍光X線分析方法は、固体試料の蛍光X線分析を行う方法において、固体試料を所定の液体に溶解させた溶液を生成し、生成した溶液の蛍光X線分析を行うことを特徴とする。
【0007】
第2発明に係る蛍光X線分析方法は、固体試料の蛍光X線分析を行う方法において、固体試料を秤量し、秤量した固体試料を所定の液体に溶解させて溶液を生成し、生成した溶液中の固体試料の濃度を特定の濃度に調整した溶液化試料を生成し、生成した溶液化試料の蛍光X線分析を行うことを特徴とする。
【0008】
第3発明に係る蛍光X線分析方法は、前記溶液に沈殿物が含まれる場合に、濾過により前記沈殿物を除去することを特徴とする。
【0009】
第4発明に係る蛍光X線分析方法は、前記溶液に沈殿物が含まれる場合に、前記沈殿物を前記溶液中に分散させることを特徴とする。
【0010】
第5発明に係る蛍光X線分析方法は、固体試料の蛍光X線分析を行う方法において、固体試料を所定の液体に溶解させた溶液を生成し、生成した溶液内に発生した沈殿物の蛍光X線分析を行うことを特徴とする。
【0011】
第6発明に係る蛍光X線分析方法は、前記所定の液体は酸であることを特徴とする。
【0012】
第1及び第2発明においては、固体試料の蛍光X線分析を行う際に、固体試料を所定の液体に溶解して溶液化し、濃度を調整した溶液化試料の蛍光X線分析を行う。溶液中で固体試料が希釈されることにより、蛍光X線分析の結果に対する固体試料の主成分又は母材の影響が低下し、更に固体試料に含まれる添加物又は分析対象の元素以外の成分による影響が相対的に低下する。
【0013】
第3発明においては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、沈殿物を濾過してから溶液化試料の蛍光X線分析を行うことにより、分析対象の元素が沈殿物に含まれていない場合に、蛍光X線分析の結果に対する分析対象の元素以外の成分による影響を低下させることができる。
【0014】
第4発明においては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、分散剤を用いるか、超音波を照射するか、又はそれらを組み合わせる等の方法により沈殿物を溶液中に分散させ、沈殿物が分散した溶液化試料の蛍光X線分析を行うことによって、分析対象の元素が沈殿物に含まれている場合でも、固体試料の主成分又は母材の影響が低下した蛍光X線分析を簡易的に行うことができる。
【0015】
第5発明においては、固体試料を溶解した溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、溶液から濾過により除去した沈殿物、又は溶液中で沈降した沈殿物の蛍光X線分析を行うことにより、分析対象の元素が沈殿物に含まれている場合でも、固体試料の主成分又は母材の影響が低下した蛍光X線分析を簡易的に行うことができる。
【0016】
第6発明においては、固体試料を酸に溶解させて溶液化することにより、特に金属元素を含む粉末試料又は固形試料を容易に溶液化することができる。
【発明の効果】
【0017】
第1及び第2発明にあっては、溶液化試料中で固体試料が希釈されることにより、蛍光X線分析の結果に対する固体試料の主成分又は母材の影響が低下し、更に固体試料に含まれる添加物又は分析対象の元素以外の成分による影響が相対的に低下し、定性分析の感度、及び元素の濃度に対する蛍光X線強度の直線性が向上する。特別な処理設備を必要とせずに、固体試料を溶液化する簡易的な前処理を行うことで、ガラスビード法とほぼ同様の効果で固体試料中に含まれる元素の定量を行うことができる。また標準試料として豊富な溶液試料を利用することができるので、標準試料が限定されるガラスビード法に比べて、より多くの種類の固体試料に対して蛍光X線分析を行うことが可能となり、元素の定量精度を向上させることができる。
【0018】
第3発明にあっては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、沈殿物を濾過してから溶液化試料の蛍光X線分析を行うことにより、溶液中に溶解する元素を高精度で定量することが可能となる。
【0019】
第4発明にあっては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、沈殿物を溶液中に分散させてから溶液化試料の蛍光X線分析を行うことにより、溶液中に完全には溶解しない元素についても、溶液中に分散させることで簡易的に定量することが可能となる。
【0020】
第5発明にあっては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、濾過により溶液から除去した沈殿物、又は溶液中で沈降させて濃縮した沈殿物の蛍光X線分析を行うことにより、溶液中に完全には溶解しない元素について、簡易的に濃縮して高感度で定性分析を行うことができる。
【0021】
第6発明にあっては、固体試料を酸に溶解させて溶液化することにより、金属元素を含む粉末試料は酸に溶解しやすいので、特に金属元素を含む粉末試料又は固形試料について高精度に元素を定量することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
本発明は、固体試料中に含まれる特定の元素の濃度を定量するために、固体試料を前処理して蛍光X線分析を行う方法であり、特に、固体試料として粉末試料を対象とし、分析対象の元素として金属元素を対象とする。図1は、分析対象の元素が含まれる固体試料を処理して蛍光X線分析を行う本発明の方法の手順を説明する説明図である。まず固体試料を秤量する。例えば、0.5g等の所定量の粉末試料を電子天秤で秤量する。
【0023】
次に、秤量した固体試料を硝酸と塩酸との混合液に溶解して酸分解することにより、固体試料を溶解して溶液を生成する。なお、酸として硫酸又はフッ化水素酸等のその他の酸を用いてもよい。酸分解を行うことにより、特に、金属元素を含む粉末試料を溶液化することができる。また、加圧容器内に固体試料と酸とを投入して加熱する加圧酸分解を行うことにより、固体試料を溶液化しても良い。加圧酸分解を行う場合は、難溶性の物質を溶解させることができる。なお、固体試料が有機溶媒等の酸以外の液体に溶解する物質である場合は、酸以外の液体を用いて溶液を生成しても良い。
【0024】
生成した溶液にSiO2 又はAl23 等の難溶性の沈殿物が含まれており、また沈殿物に分析対象の元素が含まれていない場合は、生成した溶液をフィルタで濾過し、沈殿物を除去する。溶液化により生成した溶液に難溶性の沈殿物が含まれており、また沈殿物に分析対象の元素が含まれている場合は、界面活性剤等の分散剤を溶液に添加して攪拌するか、超音波を溶液に照射するか、又はそれらを組み合わせることにより、簡易的に沈殿物を溶液中に均一に分散させる。
【0025】
次に、沈殿が生じなかった溶液、沈殿物を除去した溶液、又は沈殿物を分散させた溶液中に含まれる固体試料の濃度を希釈によって特定の濃度に調整して、固体試料の濃度が確定した溶液化試料を生成する。例えば、容量50mLのメスフラスコに溶液を投入し、更に純水又は希酸溶液を加えて50mLに定容することによって、最初に秤量した固体試料の濃度が確定する。そして、濃度を調整した際の希釈の履歴を記録する。
【0026】
次に、生成した溶液化試料を所定の容量の溶液セルに分取し、溶液セルに分取した溶液化試料の蛍光X線分析を行う。図2は、本発明で用いる蛍光X線分析装置2の模式図である。蛍光X線分析装置2は、試料に一次X線を照射するX線照射部21と、一次X線を照射された試料から放射される二次X線としての蛍光X線を検出する検出部22とを備えており、溶液化試料を満たした溶液セル1を装着して、蛍光X線分析を行う。図中に示した蛍光X線分析装置2は、試料の下方から一次X線を照射する構成であり、略直方体に形成された溶液セル1は、一次X線が照射される照射面11をX線が透過し易いポリエチレン又はポリプロピレン等の薄膜からなるX線透過膜で構成してある。溶液セル1に溶液化試料を分取して、図2に示す如く蛍光X線分析を行い、分析対象の元素に固有の蛍光X線の強度を検出部22で測定する。なお、蛍光X線分析装置2は、波長分散方式の装置でもエネルギー分散方式の装置でもよい。また蛍光X線分析装置2は、試料の下方から一次X線を照射する構成に限るものではなく、試料の上方又は側方等のいずれの方向から一次X線を照射する構成であってもよい。
【0027】
次に、蛍光X線分析装置2の検出部22で測定した蛍光X線の強度から、溶液化試料に含まれる分析対象の元素の濃度を求める。溶液化試料に含まれる分析対象の元素の濃度は、原子吸光分析又は誘導結合高周波プラズマ(ICP)分光分析等で用いる溶液の標準試料を用いて作成した検量線に基づいて求めることができる。
【0028】
図3は、分析対象の元素の濃度と蛍光X線の強度との関係を示す検量線の例を示す特性図である。図中の横軸は分析対象の元素の濃度をppmで示し、縦軸は試料が放射する蛍光X線の強度をcpsで示す。図中には、固体マトリックス中に分析対象の元素が含まれた試料の検量線を破線で示し、溶液中に分析対象の元素が含まれた試料の検量線を実線で示す。本発明で測定した溶液化試料中の分析対象の元素の濃度は、溶液中に分析対象の元素が含まれた試料の検量線を用いることで求めることができる。溶液化試料においては、溶液中で固体試料が希釈されてマトリックス濃度が低下しているので、蛍光X線分析の結果に対する固体試料の主成分又は母材の影響が低下する。図3に示した検量線は、図4に示した検量線に比べて、固体試料の主成分又は母材による吸収によって感度の低下等を生じさせるマトリックス効果の影響が低いので、分析対象の元素の濃度と蛍光X線の強度との関係がほぼ直線状の比例関係となっている。従って、溶液化試料中の濃度の範囲、特に低濃度の範囲では、どの濃度においても安定して分析対象の元素を定量することができる。
【0029】
本発明では、溶液化試料について測定した分析対象の元素に固有の蛍光X線の強度を、図3に示す如き検量線に当てはめることにより、溶液化試料に含まれる分析対象の元素の濃度を求める。図3に示す如く、低濃度の範囲では、同じ元素濃度でも固体試料よりも溶液試料の方がより強度の大きい蛍光X線が検出される。固体試料を溶液化し、溶液の標準試料を用いて作成した検量線を利用することにより、固体試料を直接に分析することに比べて、分析対象の元素を定量する精度を向上させることができる。なお、溶液化試料に分析対象の元素の標準試料を徐々に添加しながら蛍光X線分析を行い、標準試料の添加量と蛍光X線の強度との関係をプロットする標準添加法を用いることにより、溶液化試料中の分析対象の元素の濃度を求めてもよい。
【0030】
次に、溶液化試料に含まれる分析対象の元素の濃度を求めた後は、溶液に含まれる固体試料の濃度を調整する際に記録した希釈の履歴に基づいて、溶液化試料に含まれる分析対象の元素の濃度を、固体試料に含まれる分析対象の元素の濃度へ換算する。例えば、溶液に溶解させた固体試料の質量がa、固体試料を溶解した溶液の体積がbであって、溶液化試料の体積に対する分析対象の元素の質量の濃度がcである場合は、c×b/aの計算により、固体試料に含まれる分析対象の元素の濃度が求められる。溶液化試料に含まれる分析対象の元素の濃度を高精度で求めることができるので、固体試料に含まれる分析対象の元素の濃度をも高精度に求めることが可能となる。
【0031】
なお、固体試料を溶解した溶液から濾過により除去した沈殿物、又は溶液中で下方に沈降した沈殿物に対して一次X線を照射し、沈殿物から放射される蛍光X線を検出するX線蛍光分析を行ってもよい。例えば、難溶性の沈殿物を生じさせるPb等の元素を分析する場合では、生成した沈殿物を積極的に沈殿させることにより分析対象の元素を濃縮させ、蛍光X線分析によって特に高感度に分析対象の元素を定性することができる。このとき、図2に示す如き下方から試料に対して一次X線を照射する蛍光X線分析装置2を用いることにより、濾紙上に濾過された沈殿物又は溶液中で沈降した沈殿物にそのままの状態で直接に一次X線を照射し、蛍光X線分析を実行することが可能である。
【0032】
以上詳述した如く、本発明においては、固体試料の蛍光X線分析を行う際に、固体試料を酸により分解して溶液化し、濃度を調整した溶液化試料の蛍光X線分析を行う。溶液中で固体試料が希釈されることにより、蛍光X線分析の結果に対する固体試料の主成分又は母材の影響が相対的に低下し、元素の定性分析の感度、及び元素の濃度に対する蛍光X線強度の直線性が向上する。特別な処理設備が必要であり、また処理にも手間がかかるガラスビード法に比べて、本発明では、特別な処理設備を必要とせずに、固体試料を溶液化する簡易的な前処理を行うだけで、ガラスビード法と同様の効果が得られる。また本発明では、標準試料として豊富な溶液試料を利用することができるので、標準試料が限定されるガラスビード法に比べて、より多くの種類の固体試料に対して蛍光X線分析を行うことが可能となると共に、元素の定量精度を向上させることができる。
【0033】
また本発明においては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合には、沈殿物を濾過してから溶液化試料の蛍光X線分析を行うことにより、溶液中に溶解する元素を高精度で定量することが可能となる。また本発明においては、溶液中に難溶性の沈殿物が発生した場合に、沈殿物を分散させた溶液、濾過により溶液から除去した沈殿物、又は溶液中で沈降させて濃縮した沈殿物の蛍光X線分析を行うことにより、溶液中に完全には溶解しない元素についても、簡易的に分析することが可能となる。更に本発明においては、固体試料を酸で分解して溶液化することにより、金属元素を含む粉末試料及び固形試料は酸に溶解しやすいので、金属元素を含む粉末試料又は固形試料について高精度に元素を定量することが可能となる。
【0034】
本発明の蛍光X線分析方法は、固体試料を溶液化する簡易的な前処理を行うだけで、ガラスビード法と同様の効果で固体試料に含まれる元素の定性又は定量分析を行うことができるので、製品又は廃棄物等の物質に含まれる有価物又は有害物を簡易的に分析する技術に適用することができる。即ち、本発明を用いることにより、製品又は廃棄物等の物質に含まれる有価物又は有害物の定性又は定量分析を低コストで行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】分析対象の元素が含まれる固体試料を処理して蛍光X線分析を行う本発明の方法の手順を説明する説明図である。
【図2】本発明で用いる蛍光X線分析装置の模式図である。
【図3】分析対象の元素の濃度と蛍光X線の強度との関係を示す検量線の例を示す特性図である。
【図4】試料中の分析対象の元素の濃度と蛍光X線の強度との関係を示す検量線の例を示す特性図である。
【符号の説明】
【0036】
1 溶液セル
2 蛍光X線分析装置
21 X線照射部
22 検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体試料の蛍光X線分析を行う方法において、
固体試料を所定の液体に溶解させた溶液を生成し、
生成した溶液の蛍光X線分析を行うこと
を特徴とする蛍光X線分析方法。
【請求項2】
固体試料の蛍光X線分析を行う方法において、
固体試料を秤量し、
秤量した固体試料を所定の液体に溶解させて溶液を生成し、
生成した溶液中の固体試料の濃度を特定の濃度に調整した溶液化試料を生成し、
生成した溶液化試料の蛍光X線分析を行うこと
を特徴とする蛍光X線分析方法。
【請求項3】
前記溶液に沈殿物が含まれる場合に、濾過により前記沈殿物を除去すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光X線分析方法。
【請求項4】
前記溶液に沈殿物が含まれる場合に、前記沈殿物を前記溶液中に分散させること
を特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光X線分析方法。
【請求項5】
固体試料の蛍光X線分析を行う方法において、
固体試料を所定の液体に溶解させた溶液を生成し、
生成した溶液内に発生した沈殿物の蛍光X線分析を行うこと
を特徴とする蛍光X線分析方法。
【請求項6】
前記所定の液体は酸であること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の蛍光X線分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−164546(P2008−164546A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356831(P2006−356831)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】