説明

蛍光X線分析装置及び蛍光X線分析方法

【課題】雰囲気調整用のガスとして複数種類のガスを利用可能な蛍光X線分析装置及び蛍光X線分析方法を提供する。
【解決手段】蛍光X線分析装置は、X線管(X線照射部)51からの一次X線とX線検出器(検出部)52が検出する蛍光X線とが通過する測定室(内部空間)31内を特定のガスの雰囲気にした上で蛍光X線分析を行う。測定室31へガスを供給する配管1の途中に、ヘリウム用圧力調整器21と窒素用圧力調整器22とを並列に備え、各圧力調整器は、ガスの種類に応じた圧力に調整してあり、ガスを測定室31へ供給する際には、ガスの経路を、ガスの種類に対応する圧力調整器を通過するように切換弁(経路切換手段)26で切り換える。配管1の殆どの部分を共通に使用しながら、雰囲気調整用のガスとして複数種類のガスを使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光X線分析装置に関し、より詳しくはヘリウム等の特定のガスの雰囲気中で測定を行う蛍光X線分析装置及び蛍光X線分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光X線分析は、一次X線を試料に照射し、試料から発生する蛍光X線を検出し、蛍光X線のスペクトルから試料に含有される元素の定性分析又は定量分析を行う分析手法である。蛍光X線分析を行う蛍光X線分析装置は、一次X線を発生させるX線管、半導体検出素子又は比例計数管等を用いたX線検出器、X線検出器が検出したX線の波長分布又はエネルギー分布を分析する分析器等から構成される。蛍光X線分析を行う際は、X線管が発生した一次X線を試料へ照射し、一次X線を照射された試料から発生する蛍光X線をX線検出器で検出し、検出した蛍光X線のスペクトルを分析器で分析する。特許文献1には、液体又は粉末の試料の蛍光X線分析を行う蛍光X線分析装置が記載されている。
【0003】
蛍光X線分析において試料中の軽元素の分析を行おうとする場合、軽元素からの蛍光X線が空気中で吸収され易く、また軽元素の蛍光X線スペクトルに空気中の元素からの蛍光X線のスペクトルが重畳するので、精度良く分析を行うことが困難である。そこで、従来の蛍光X線分析装置では、軽元素の蛍光X線分析を行うために、X線管及びX線検出器等が設けられた測定室内の空気をヘリウムガスで置換し、ヘリウムガスの雰囲気中で一次X線の試料への照射及び蛍光X線の検出が行われていた。ヘリウムガスの雰囲気中ではX線の吸収が少なく、また軽元素の蛍光X線スペクトルに重畳するX線スペクトルが発生し難いので、ヘリウムガスの雰囲気中で一次X線の照射及び蛍光X線の検出を行うことにより、軽元素の蛍光X線分析を精度良く行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−127028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、軽元素の蛍光X線分析を行う場合は、ヘリウムガスの雰囲気中で一次X線の照射及び蛍光X線の検出を行うことが一般的である。但し、ヘリウムガスは高価であり、またヘリウムガスを供給するための設備は限られているので、より安価で供給が容易なガスを用いることで、より手軽に軽元素の蛍光X線分析を行いたいというニーズがある。例えば、窒素ガスはヘリウムガスよりも安価であり、また窒素ガスを供給する設備は広範に普及しているので、ヘリウムガスに替えて窒素ガスを用いることにより、より手軽に軽元素の蛍光X線分析を行うことができる。実際、窒素ガスの雰囲気中で一次X線の照射及び蛍光X線の検出を行った場合は、ヘリウムガスを用いた場合に比べて劣るものの、十分な精度で軽元素の蛍光X線分析を行うことができる。
【0006】
しかしながら、ヘリウムガスと窒素ガス等の他のガスとでは、粘度が異なるので、同一の条件でガスを供給したとしても、ガスの単位時間当たり流量が異なる。例えば、窒素ガスはヘリウムガスよりも粘度が大きいので、同一の口径の配管を用いて同一の圧力で供給した場合は、窒素ガスの単位時間当たり流量はより少なくなる。ガスの単位時間当たり流量が少ない場合、空気を十分に置換することができないので、精度良く蛍光X線分析を行うことはできない。従って、蛍光X線分析装置の測定室内へガスを供給するための配管等のガス供給機構を一旦設けてしまうと、設けたガス供給機構に対応した特定のガスのみが利用可能となる。このため、従来の蛍光X線分析装置では、雰囲気調整用のガスとして、複数のガスを用いることができないという問題があった。例えば、試料又は必要な精度に応じてガスを使い分けることができない。ヘリウムガス供給用のガス供給機構と窒素ガス供給用のガス供給機構とを個別に設ける等、複数のガス供給機構を蛍光X線分析装置に設けた場合は、複数のガスを用いることができるものの、蛍光X線分析装置の構成が複雑となってコストが上昇するという問題がある。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡易な構成で、雰囲気調整用のガスとして複数種類のガスを利用可能な蛍光X線分析装置及び蛍光X線分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蛍光X線分析装置は、一次X線を試料に照射するX線照射部と、一次X線の照射によって試料から発生する蛍光X線を検出する検出部と、前記X線照射部から発生した一次X線が試料へ照射されるまでに通過する空間、及び試料から発生した蛍光X線が前記検出部へ入射するまでに通過する空間を少なくとも含む内部空間を、特定のガスの雰囲気にした上で蛍光X線分析を行う蛍光X線分析装置において、前記内部空間へガスを供給するための配管と、該配管の途中に並列に設けてある複数の圧力調整器と、該複数の圧力調整器を通過する経路の中から、前記内部空間へ供給するガスの経路を択一的に切り換える経路切換手段とを備え、前記複数の圧力調整器の夫々は、前記内部空間へ供給するガスの圧力を、複数種類のガスの夫々に応じた圧力に調整するように構成してあることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、一次X線及び蛍光X線が通過する空間を含む内部空間を特定のガスの雰囲気にして蛍光X線分析を行う蛍光X線分析装置は、内部空間へガスを供給する配管の途中に、複数の圧力調整器を並列に備え、各圧力調整器は、ガスの圧力を、複数種類のガスの夫々に応じた圧力に調整してあり、ガスの経路がいずれの圧力調整器を通過するのかを切り換えることができる。ガスの種類に応じて、ガスが通過する圧力調整器を切り換えることにより、ガスの種類に応じた圧力でガスを内部空間へ供給することが可能となる。
【0010】
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記複数の圧力調整器の夫々は、前記配管を通して前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量が、ガスの種類によらない予め定められた共通の流量になるように構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、蛍光X線分析装置の各圧力調整器は、ガスの種類に応じて、内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量がガスの種類によらない共通の流量になるように圧力を設定してある。これにより、いずれのガスを使用した場合でも、同一の単位時間当たり流量で内部空間へガスが供給されることになる。
【0012】
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、予め定められた二通りの流量のいずれかに調節する流量調節手段を更に備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る蛍光X線分析装置は、前記配管は、流れるガスの単位時間当たり流量が互いに異なる二通りの分岐管に分岐しており、該二通りの分岐管は共に前記内部空間に繋がっており、前記流量調節手段は、前記二通りの分岐管の内でガスの単位時間当たり流量が相対的に大流量である分岐管の閉鎖及び開放を行う開閉弁であることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る蛍光X線分析方法は、本発明に係る蛍光X線分析装置を用いて試料の蛍光X線分析を行う方法において、前記経路切換手段に、前記内部空間へ供給するガスの種類に対応する圧力調整器をガスが通過するように、ガスの経路を切り換えさせ、前記流量調節手段に、前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、前記二通りの流量の内で大流量の方の流量に調節させ、前記内部空間へのガスの供給を所定時間継続した後に、前記流量調節手段に、前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、前記二段階の流量の内で小流量の方の流量に調節させ、前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、前記二段階の流量の内で小流量の方の流量に調節した後に、蛍光X線分析を開始することを特徴とする。
【0015】
本発明においては、蛍光X線分析装置の内部空間へガスを供給する配管は、単位時間当たり流量が異なる二通りの分岐管に分岐し、分岐管は共に内部空間に繋がっており、流量がより大流量である方の分岐管を開閉弁で開閉することにより、内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を二段階に調節する。蛍光X線分析を実行する際には、大流量でガスを内部空間へ供給し、ガスの流量を小流量に調節した後で、蛍光X線分析を開始する。最初に大流量でガスを内部空間へ供給することにより、迅速にまた確実に内部空間内の空気がガスで置換される。空気がガスで置換された後は、ガスの単位時間当たり流量を小さくしたとしても、ガスの雰囲気は保たれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、粘性が互いに異なるので供給のために必要な圧力が互いに異なる複数種類のガスを、同一の配管を用いて蛍光X線分析装置の内部空間へ供給することが可能となる。従って、内部空間の雰囲気を調整するためのガスとして複数種類のガスを使用することが可能となり、試料又は必要な精度に応じてガスを使い分けることが可能となる。また複数種類のガスのいずれを使用した場合でも、圧力調整器を除いて配管の殆どの部分を共通に使用することができるので、蛍光X線分析装置のコストの上昇を最小限に抑制することができる。
【0017】
また本発明にあっては、いずれのガスを使用した場合でも、同一の単位時間当たり流量で蛍光X線分析装置の内部空間へガスが供給されるので、雰囲気調整用のガスの種類を変更したとしてもガスの流量が変動することはなく、いずれのガスを使用する場合でも安定して蛍光X線分析を実行することが可能となる。
【0018】
また本発明にあっては、最初に大流量でガスを内部空間へ供給することにより、確実に内部空間内の空気がガスで置換され、またガスの流量を小流量に調節してから蛍光X線分析を実行することにより、蛍光X線分析の精度を向上させると共に、雰囲気調整用のガスの消費量を抑制することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る蛍光X線分析装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の蛍光X線分析方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】蛍光X線分析を行う際のヘリウムガスの流れを示す模式図である。
【図4】蛍光X線分析を行う際の窒素ガスの流れを示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る蛍光X線分析装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る蛍光X線分析装置の構成を示すブロック図である。蛍光X線分析装置は、X線を遮蔽する材料で箱状に形成された筐体3を備え、筐体3の内部には、空洞状の測定室31が形成されている。筐体3の上面の一部には、測定室31に繋がる貫通孔34が形成されており、また蛍光X線分析装置は、貫通孔34を含む筐体3上面の少なくとも一部を覆う蓋部43を備えている。蓋部43と筐体3の上面との間には、試料を保持する試料セル41を配置するための空間である試料室44が形成されている。また蓋部43は、試料セル41を試料室44へ出し入れするために、筐体3に対して開閉可能な構成となっている。
【0021】
試料セル41は、粉末又は液体等の流動状の試料を保持するためのセルであり、カップ状の形状に形成されている。またカップ状に形成された試料セル41の開口部の口径は、筐体3に形成された貫通孔34の径以上の大きさに形成されている。蛍光X線分析の対象となる試料はカップ状の試料セル41内に充填され、更に試料セル41の開口部は、X線を透過させるポリエステルシート等のX線透過膜42で封止される。試料セル41は、X線透過膜42で封止された開口部を下側にして、筐体3の上面の内で貫通孔34が形成された位置に配置される。試料セル41が配置されることにより、貫通孔34は塞がれることになる。
【0022】
また蛍光X線分析装置は、測定室31内に、一次X線を放射するX線管(X線照射部)51とX線検出器(検出部)52とを備えている。X線管51は、貫通孔34へ向けて一次X線を照射する位置に配置されている。蛍光X線分析を行う際には、貫通孔34の位置には試料セル41が配置されているので、X線管51から発生した一次X線はX線透過膜42を透過して試料セル41内の試料に照射される。一次X線を照射された試料セル41内の試料は、蛍光X線を発生させ、蛍光X線はX線透過膜42を透過して測定室31内に放射される。X線検出器52は、試料セル41内の試料から発生した蛍光X線を検出する位置に配置されている。X線管51が照射する一次X線及びX線検出器52が検出する蛍光X線が通過する経路は、図1中に破線矢印で示している。図1中に示すように、X線管51から一次X線が試料へ照射されるまでに通過する空間、及び試料から発生した蛍光X線がX線検出器52へ入射するまでに通過する空間は、測定室31に含まれる。従って、測定室31は、本発明における内部空間に対応する。
【0023】
X線管51の一次X線を放射する放射口には、図示しない開閉可能なシャッターが設けられている。X線管51は、一次X線の出力を安定させるために、常時X線を発生させる構成となっており、シャッターが開放されることにより、X線管51は一次X線を測定室31内へ放射する。X線検出器52は、検出素子として比例計数管を用いた構成となっており、比例計数管に入射した蛍光X線のエネルギーに比例した電気信号を出力する。なお、X線検出器52は、検出素子として、半導体検出素子等の比例計数管以外の検出素子を用いた形態であってもよい。X線検出器52には、出力した電気信号を分析する分析部53が接続されている。分析部53は、X線検出器52が出力した電気信号を受け付け、蛍光X線のエネルギーに対応する各電気信号の強度及びその数をカウントし、蛍光X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち蛍光X線のスペクトルを取得する処理を行う。なお、分析部53は、取得した蛍光X線のスペクトルに基づいて、蛍光X線を発生した元素の定性分析又は定量分析を更に行う形態であってもよい。X線管51及び分析部53には、X線管51及び分析部53の動作を制御する制御部54が接続されている。また制御部54には、使用者の操作により各種の指示を入力されるキーボード又はタッチパネル等の入力部55と、分析結果を出力するディスプレイ又はプリンタ等の出力部56とが接続されている。
【0024】
本発明の蛍光X線分析装置は、測定室31内の空気を2種類のガスで置換することができる構成となっている。本実施の形態においては、ヘリウムガスと窒素ガスとを雰囲気調整用のガスとして使用する形態を示す。筐体3には、ヘリウムガス又は窒素ガスであるガスを測定室31へ供給するための供給口32が形成されており、また筐体3の蓋部43に覆われる部分には、測定室31から試料室44へガスを流入させるための流入口33が形成されている。筐体3外から供給口32を通ってガスが測定室31へ供給され、また流入口33を通ってガスが測定室31から試料室44へ流入することにより、測定室31及び試料室44内の空気はガスで置換され、ガスの雰囲気となる。筐体3及び蓋部43には、空気が流出するための図示しない流出口が形成されている。なお、筐体3及び蓋部43は、空気が流出することができる隙間を有する構成とすることにより、特段の流出口を設けていない形態であってもよい。
【0025】
供給口32には、ヘリウムガス又は窒素ガスのガス供給源6に繋がった配管1が連結されている。ガス供給源6は、ガスボンベ、ガスの発生器又はガスの供給管等である。配管1を介して、ヘリウムガス又は窒素ガスが測定室31へ供給される。配管1の途中には、開閉弁25が設けられており、開閉弁25は、開閉することでガス供給源6からのガスの供給の開始及び停止を行う。開閉弁25の下流側で、配管1は分岐管11及び分岐管12に分岐している。分岐管11の途中には、ヘリウム用圧力調整器21が設けられており、分岐管12の途中には、窒素用圧力調整器22が設けられている。
【0026】
分岐管11は、雰囲気調整用のガスとしてヘリウムガスを使用する場合にヘリウムガスを通過させる管であり、分岐管12は、雰囲気調整用のガスとして窒素ガスを使用する場合に窒素ガスを通過させる管である。ヘリウム用圧力調整器21は、ヘリウムガスに対して予め定められた特定の圧力にヘリウムガスの圧力を調整するように設定されており、また窒素用圧力調整器22は、窒素ガスに対して予め定められた特定の圧力に窒素ガスの圧力を調整するように予め設定されている。具体的には、ヘリウム用圧力調整器21及び窒素用圧力調整器22は、測定室31及び試料室44へ供給するヘリウムガス及び窒素ガスの単位時間当たり流量が同一になるように設定されている。窒素ガスはヘリウムガスよりも粘性が大きいので、ヘリウムガス及び窒素ガスの単位時間当たり流量を同一にするためには、窒素ガスの圧力をより大きくする必要がある。例えば、ヘリウム用圧力調整器21は圧力を20kPaに設定してあり、窒素用圧力調整器22は圧力を80kPaに設定してある。
【0027】
分岐管11及び分岐管12は、切換弁26を介して合流している。切換弁26は、分岐管11及び分岐管12のいずれか一方を閉鎖し、他方を開放する機能を有し、分岐管11及び分岐管12のいずれを開放するのかを切り換えることが可能である。雰囲気調整用のガスとしてヘリウムガスを使用する場合は、切換弁26は分岐管11を開放して分岐管12を閉鎖し、雰囲気調整用のガスとして窒素ガスを使用する場合は、切換弁26は分岐管12を開放して分岐管11を閉鎖する。このようにして、切換弁26は、本発明における経路切換手段として機能する。
【0028】
また切換弁26の下流側で、配管1は分岐管13及び分岐管14に分岐している。分岐管13の途中には、流量調節用開閉弁27及び大流量用キャピラリ23が設けられており、分岐管14の途中には、小流量用キャピラリ24が設けられている。大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24は、一定の圧力のガスが一定の単位時間当たり流量で通過するように寸法及び形状が調整されている管であり、分岐管13及び分岐管14を通過するガスの単位時間当たり流量を規定する。大流量用キャピラリ23は、小流量用キャピラリ24よりも大きい単位時間当たり流量でガスが流れるように形成されている。このため、分岐管13を流れるガスの流量は分岐管14よりも大流量となる。ヘリウム用圧力調整器21及び窒素用圧力調整器22は、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24の寸法及び形状に応じて、ヘリウムガス及び窒素ガスのいずれが流れる場合でも、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24を流れるガスの単位時間当たり流量が同一になるように、ガスの圧力が予め設定されている。例えば、大流量用キャピラリ23はガスの単位時間当たり流量が0.9L/分になるように形成され、小流量用キャピラリ24はガスの単位時間当たり流量が0.1L/分になるように形成されている。実際には、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24での単位時間当たり流量が特定の値になるように、ヘリウム用圧力調整器21及び窒素用圧力調整器22での圧力設定が調節される。
【0029】
流量調節用開閉弁27は、開閉することで分岐管13の開放及び閉鎖を行う。分岐管13及び分岐管14は合流し、分岐管13及び分岐管14が合流した配管1が供給口32に連結している。流量調節用開閉弁27が分岐管13を開放した場合は、ガスは分岐管13及び分岐管14の両方を通過して供給口32から測定室31へ供給される。この場合、測定室31へ供給されるガスの単位時間当たり流量は、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24により規定される単位時間当たり流量の合計となる。流量調節用開閉弁27が分岐管13を閉鎖した場合は、ガスは分岐管14のみを通過して測定室31へ供給される。この場合、測定室31へ供給されるガスの単位時間当たり流量は、小流量用キャピラリ24により規定される単位時間当たり流量となり、流量調節用開閉弁27が分岐管13を開放した場合に比べて小流量となる。このようにして、流量調節用開閉弁27は、開閉によってガスの単位時間当たり流量を二通りの流量のいずれかに調節することができ、本発明における流量調節手段として機能する。
【0030】
開閉弁25、切換弁26及び流量調節用開閉弁27は、電磁弁であり、制御部54によって動作を制御される構成となっている。また配管1には、図示しないリリーフバルブ、流量計及び圧力計が適宜設けられている。
【0031】
次に、以上の構成でなる蛍光X線分析装置を用いた本発明の蛍光X線分析方法を説明する。図2は、本発明の蛍光X線分析方法の手順を示すフローチャートである。図3は蛍光X線分析を行う際のヘリウムガスの流れを示す模式図であり、図3中には、ガスの流れを太線の矢印で示す。蛍光X線分析を行う際には、まず、使用者は、試料セル41に試料を充填し、試料セル41の開口部をX線透過膜42で封止する。使用者は、次に、蓋部43を開け、筐体3の貫通孔34の位置に、X線透過膜42で封止した開口部を下側にして試料セル41を載置し、蓋部43を閉じる。蛍光X線分析装置は、蓋部43が閉じたか否かを検出する図示しないセンサを備えており、蓋部43が閉じていない状態では、X線管51の放射口のシャッターを閉鎖することにより、蛍光X線分析の開始を禁止する構成となっている。蓋部43を閉じた状態では、シャッターが開放され、X線管51からの一次X線が測定室31内に放射される。
【0032】
試料セル41が載置されて蓋部43が閉じられた蛍光X線分析装置は、使用者が入力部55を操作することにより、測定室31及び試料室44内の雰囲気を調整するために使用するガスの種類の設定を入力部55で受け付ける(S1)。制御部54は、次に、受け付けたガスの種類の設定に応じて、ガスの種類に対応する圧力調整器が設けられた分岐管を開放するように切換弁26を切り換える(S2)。例えば、ガスの種類としてヘリウムガスの設定を受け付け、制御部54は、分岐管11を開放して分岐管12を閉鎖するように切換弁26を切り換える。図3(a)は、ヘリウムガスを使用する場合におけるステップS2での状態を示す。切換弁26は、分岐管11を開放して分岐管12を閉鎖しており、またこの段階では、開閉弁25は閉鎖されている。なお、予めガスの種類に合わせて切換弁26が切り換えられている場合は、ステップS1及びS2は省略してもよい。
【0033】
蛍光X線分析装置は、次に、使用者が入力部55を操作することにより、分析開始の指示を入力部55で受け付け(S3)、制御部54は、開閉弁25及び流量調節用開閉弁27を開放させる(S4)。なお、流量調節用開閉弁27は、分析開始前に予め開放してあってもよい。図3(b)は、ステップS4を実行した時点での状態を示す。開閉弁25が開放されることにより、ヘリウムガスがガス供給源6から配管1を通って測定室31へ供給される。切換弁26によって分岐管12が閉鎖されて分岐管11が開放されているので、ヘリウムガスは分岐管11を通過する。ヘリウムガスが分岐管11を通る際に、ヘリウムガスの圧力は、ヘリウム用圧力調整器21によって予め定められた圧力に調整される。また流量調節用開閉弁27が開放されているので、ヘリウムガスは分岐管13及び分岐管14の両方を通過する。ヘリウムガスは、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24の両方を通るので、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24によって規定される流量を合計した単位時間当たり流量で測定室31へ供給される。大流量のヘリウムガスが測定室31内へ供給され、更に試料室44内へ供給されるので、測定室31及び試料室44内の空気は速やかにヘリウムガスで置換され、測定室31はヘリウムガスの雰囲気となる。
【0034】
制御部54は、開閉弁25を開放してから、予め定めてある5秒等の所定時間が経過したか否かを判定する(S5)。所定時間がまだ経過していない場合は(S5:NO)、制御部54は、判定を続行する。開閉弁25を開放してから所定時間が経過した場合は(SS5:YES)、制御部54は、流量調節用開閉弁27を閉鎖する(S6)。図3(c)は、ステップS6を実行した時点での状態を示す。流量調節用開閉弁27を閉鎖することにより、ヘリウムガスは、分岐管13を通過できずに、分岐管14を通って測定室31へ供給される。ヘリウムガスは、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24の内で小流量用キャピラリ24のみを通るので、小流量用キャピラリ24によって規定される小流量の単位時間当たり流量で測定室31へ供給される。
【0035】
制御部54は、前述のステップS6で流量調節用開閉弁27を閉鎖することによりガスの単位時間当たり流量を小流量に調節した後に、X線検出器52での蛍光X線の検出及び分析部53での分析を開始することにより、蛍光X線分析を開始する(S7)。ヘリウムガスの雰囲気中で、X線管51は一次X線を試料に照射し、X線検出器52は試料からの蛍光X線を検出する。また分析部53は検出結果の分析を行う。制御部54は、次に、使用者の操作により分析終了の指示を入力部55で受け付けるか、又は予め定められた分析時間が経過する等による、蛍光X線分析を終了するためのタイミングを待ち受ける(S8)。終了のタイミングがまだこない場合は(S8:NO)、制御部54は、蛍光X線分析を続行する。終了のタイミングが来た場合は(S8:YES)、制御部54は、検出した蛍光X線のスペクトル等の分析結果を出力部56に出力させ(S9)、開閉弁25を閉鎖し(S10)、蛍光X線分析の処理を終了する。
【0036】
なお、図3に示した例では、雰囲気調整用のガスとしてヘリウムガスを使用した例を示したが、窒素ガスを使用した場合でも、同様の方法で蛍光X線分析を実行することが可能である。図4は、蛍光X線分析を行う際の窒素ガスの流れを示す模式図である。雰囲気調整用のガスとして窒素ガスを使用する場合は、ステップS1で入力部55はガスの種類として窒素ガスの設定を受け付け、ステップS2で、制御部54は、分岐管12を開放して分岐管11を閉鎖するように切換弁26を切り換える。図4(a)は、ステップS4を実行した時点での状態を示し、図4(b)は、ステップS6を実行した時点での状態を示す。窒素ガスは、分岐管12を通過し、窒素用圧力調整器22で予め定められた圧力に調整されて測定室31へ供給される。
【0037】
以上詳述した如く、本発明の蛍光X線分析装置は、測定室31へガスを供給する配管1の途中に、複数の圧力調整器を並列に備え、各圧力調整器は、ガスの圧力を、複数種類のガスの夫々に応じた圧力に調整してあり、ガスの経路がいずれの圧力調整器を通過するのかを切り換えることができる。ガスの種類に応じて、ガスが通過する圧力調整器を切り換えることにより、ガスの種類に応じた圧力でガスを測定室31へ供給することが可能となり、粘性が互いに異なるので供給のために必要な圧力が互いに異なる複数種類のガスを、同一の配管を用いて測定室31へ供給することが可能となる。従って、本発明の蛍光X線分析装置では、測定室31内の雰囲気を調整するためのガスとして複数種類のガスを使用することが可能となり、試料又は必要な精度に応じてガスを使い分けることが可能となる。また本発明においては、複数の圧力調整器を並列に備えることにより、簡易的な構成で複数種類のガスの使用を可能にする。複数種類のガスのいずれを使用した場合でも、圧力調整器を除いて配管1の殆どの部分を共通に使用することができるので、複数種類のガスを使用するための構成は最小限となり、蛍光X線分析装置のコストの上昇を最小限に抑制することができる。また本発明では、各圧力調整器は、配管の寸法及び形状並びにガスの種類に応じて、測定室31へ供給するガスの単位時間当たり流量がガスの種類によらない同一の流量になるように圧力を設定してある。これにより、いずれのガスを使用した場合でも、同一の単位時間当たり流量で測定室31へガスが供給されることになる。雰囲気調整用のガスの種類を変更したとしてもガスの流量が変動することはなく、いずれのガスを使用する場合でも安定して蛍光X線分析を実行することが可能となる。
【0038】
また本発明においては、配管1は、大流量用キャピラリ23を有する分岐管13と小流量用キャピラリ24を有する分岐管14とに分岐し、最終的に合流して供給口32に連結している。蛍光X線分析装置は、流量調節用開閉弁27を用いて分岐管13の開閉を行うことにより、測定室31へ供給するガスの単位時間当たり流量を二段階に調節することが可能であり、蛍光X線分析を実行する際には、まず大流量でガスを測定室31へ供給し、ガスの流量を小流量に調節した後で、蛍光X線分析を開始する。まず最初に大流量でガスを測定室31へ供給することにより、迅速にまた確実に測定室31内の空気がガスで置換されるので、特に軽元素の蛍光X線分析において、蛍光X線分析の精度が向上する。一旦測定室31内の空気がガスで置換された後は、ガスの単位時間当たり流量を小さくしたとしても、ガスの雰囲気は保たれる。従って、ガスの流量を小流量の方に調節してから蛍光X線分析を開始し、小流量でガスを測定室31へ供給しながら蛍光X線分析を実行することにより、蛍光X線分析の精度を維持しながらも、雰囲気調整用のガスの消費量を抑制することができる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、供給口32を介してガスを測定室31へ供給し、流入口33を介して測定室31から試料室44へガスを供給する形態を示したが、これに限るものではなく、蛍光X線分析装置は、配管1から測定室31及び試料室44へ個別にガスを供給する構成であってもよい。また本実施の形態においては、大流量でガスを測定室31へ供給する際に、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24を通過したガスを供給する形態を示したが、これに限るものではなく、蛍光X線分析装置は、大流量でガスを測定室31へ供給する際には大流量用キャピラリ23のみを通過したガスを供給する構成であってもよい。
【0040】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る蛍光X線分析装置の構成を示すブロック図である。実施の形態2では、筐体3に形成された貫通孔34は、X線透過膜35によって封止されている。貫通孔34をX線透過膜35で封止することにより、試料セル41から試料がこぼれた場合でも、試料が測定室31内を汚染することを防止することができる。試料セル41を貫通孔34の位置に載置した状態では、貫通孔34を封止するX線透過膜35と試料セル41の開口部を封止するX線透過膜42との間に密閉空間37が生成される。本実施の形態においては、測定室31に加えて、この密閉空間37も本発明における内部空間に対応する。
【0041】
筐体3には、密閉空間37へガスを供給するための供給路36が形成されており、供給路36には、配管1が連結されている。配管1の途中で分岐した分岐管13及び分岐管14は合流し、配管1は、分岐管13及び分岐管14が合流した下流で更に分岐し、分岐した配管1の夫々が供給口32と供給路36とに連結している。流量調節用開閉弁27が開放している状態では、大流量用キャピラリ23及び小流量用キャピラリ24を通過したガスが、供給口32を介して大流量で測定室31へ供給されると共に、供給路36を介して大流量で密閉空間37へ供給される。また流量調節用開閉弁27が閉鎖している状態では、小流量用キャピラリ24を通過したガスのみが、供給口32を介して小流量で測定室31へ供給されると共に、供給路36を介して小流量で密閉空間37へ供給される。
【0042】
本実施の形態においては、試料室46内の空気をガスで置換する機能は蛍光X線分析装置にはない。蓋部45は、試料セル41を保護する機能、及び漏洩したX線を遮蔽する機能を有していれば良く、試料室46内の雰囲気を保つ密閉性は不要である。蛍光X線分析装置のその他の構成は、実施の形態1と同様であり、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0043】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の処理を実行することにより、雰囲気調整用のガスとして複数種類のガスを使用することが可能であり、また、測定室31及び密閉空間37へ供給するガスの単位時間当たり流量を二段階に調節することにより、蛍光X線分析の精度を維持しながらも、雰囲気調整用のガスの消費量を抑制することができる。更に、本実施の形態においては、測定室31及び密閉空間37へ個別にガスを供給することにより、一次X線及び蛍光X線が通過する空間内の空気を効率的に置換し、試料室44にもガスを供給する実施の形態1に比べて、雰囲気調整用のガスの消費量を抑制することが可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、測定室31及び密閉空間37へ個別にガスを供給する形態を示したが、これに限るものではなく、蛍光X線分析装置は、一旦測定室31へ供給したガスを、測定室31から密閉空間37へ供給する構成であってもよい。また以上の実施の形態1及び2においては、開閉弁25、切換弁26及び流量調節用開閉弁27は、電磁弁であり、制御部54により動作を制御される形態を示したが、これに限るものではなく、開閉弁25、切換弁26及び流量調節用開閉弁27は、使用者の手動により動作する形態であってもよい。
【0045】
また実施の形態1及び2においては、雰囲気調整用のガスとしてヘリウムガス及び窒素ガスを用いる形態を示したが、これに限るものではなく、本発明は、その他のガスを雰囲気調整用のガスとして使用する形態であってもよい。また実施の形態1及び2においては、配管1に2種類の圧力調整器を並列に設けることにより雰囲気調整用のガスとして2種類のガスを使用できる形態を示したが、これに限るものではなく、蛍光X線分析装置は、配管1に3種類以上の圧力調整器を並列に設けることにより雰囲気調整用のガスとして3種類以上のガスを使用できる形態であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 配管
11、12、13、14 分岐管
21 ヘリウム用圧力調整器
22 窒素用圧力調整器
23 大流量用キャピラリ
24 小流量用キャピラリ
25 開閉弁
26 切換弁(経路切換手段)
27 流量調節用開閉弁
31 測定室(内部空間)
35 X線透過膜
37 密閉空間(内部空間)
41 試料セル
42 X線透過膜
51 X線管(X線照射部)
52 X線検出器(検出部)
54 制御部
55 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次X線を試料に照射するX線照射部と、一次X線の照射によって試料から発生する蛍光X線を検出する検出部と、前記X線照射部から発生した一次X線が試料へ照射されるまでに通過する空間、及び試料から発生した蛍光X線が前記検出部へ入射するまでに通過する空間を少なくとも含む内部空間を、特定のガスの雰囲気にした上で蛍光X線分析を行う蛍光X線分析装置において、
前記内部空間へガスを供給するための配管と、
該配管の途中に並列に設けてある複数の圧力調整器と、
該複数の圧力調整器を通過する経路の中から、前記内部空間へ供給するガスの経路を択一的に切り換える経路切換手段とを備え、
前記複数の圧力調整器の夫々は、前記内部空間へ供給するガスの圧力を、複数種類のガスの夫々に応じた圧力に調整するように構成してあること
を特徴とする蛍光X線分析装置。
【請求項2】
前記複数の圧力調整器の夫々は、前記配管を通して前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量が、ガスの種類によらない予め定められた共通の流量になるように構成してあること
を特徴とする請求項1に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項3】
前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、予め定められた二通りの流量のいずれかに調節する流量調節手段を更に備えること
を特徴とする請求項2に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項4】
前記配管は、流れるガスの単位時間当たり流量が互いに異なる二通りの分岐管に分岐しており、
該二通りの分岐管は共に前記内部空間に繋がっており、
前記流量調節手段は、前記二通りの分岐管の内でガスの単位時間当たり流量が相対的に大流量である分岐管の閉鎖及び開放を行う開閉弁であること
を特徴とする請求項3に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の蛍光X線分析装置を用いて試料の蛍光X線分析を行う方法において、
前記経路切換手段に、前記内部空間へ供給するガスの種類に対応する圧力調整器をガスが通過するように、ガスの経路を切り換えさせ、
前記流量調節手段に、前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、前記二通りの流量の内で大流量の方の流量に調節させ、
前記内部空間へのガスの供給を所定時間継続した後に、前記流量調節手段に、前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、前記二段階の流量の内で小流量の方の流量に調節させ、
前記内部空間へ供給するガスの単位時間当たり流量を、前記二段階の流量の内で小流量の方の流量に調節した後に、蛍光X線分析を開始すること
を特徴とする蛍光X線分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−13028(P2011−13028A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155887(P2009−155887)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】