説明

血中脂質健康のための栄養補助食品組成物

本発明は、1又はそれ以上の食品用油脂又はオイル中に拡散されたポリコサノールとしての血中脂質の健康有効量の1又はそれ以上の長鎖(C24−C36)第1アルコールを含む、ヒト又は動物の栄養補助食品組成物であって、前記アルコールの粒子の大きさが実質的に10ミクロン未満である、前記組成物である。前記組成物(ナノコサノール(商標))は、血中脂質健康を有効かつ簡便にサポートする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(0001)本願は、2006年2月7日に先に出願された仮出願第60/771,003号出願に基づき、その全体が、参照することにより本明細書に組み込まれる。
(0002)本発明は、栄養補助食品及びさらに具体的には、脂肪酸アルコールを含有する当該補助食品の製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
(0003)コレステロールの効果は、何年にもわたって研究されてきた。研究例が、その全体が、参照することにより本明細書に組み込まれる以下の文献に見出される。
(0004)Albert, CM., K Oh, W Whang, JE Manson,CU Chae, MJ Stampfer, WC Willett and FB Hu. 2005. Dietary α-linolenic acid intake and risk of sudden cardiac death and coronary heart disaese. Circulation 112: 3232-3238.
(0005)Castano, G, R Mas, M Arruzazabala et al . 1999. Effects of policcosanol and pravastatin on lipid profile, platelet aggregation and endothelemia in older hyperecholesterolemic patients. Int J Clin Pharm Res. 4: 105.
(0006)Gershkovich, P, A Hoffman. 2005. Uptake of lipophilic drugs by plasma derived isolated chylomicron: Linteral corelation with intestinal lymphatic bioavailability. Eur J Pharm Sci. 26: 394- 404.
(0007)Law, MR, NJ Wald and SG Thompson. 1994. By houw much and how quickly does reduction in serum cholesterol concentration lower risk of ischaemic heart disease? BMJ 308: 367-372.
(0008)Lusis, AJ. 2000. Atherosclerosis. Nature. 407: 233-241.
(0009)Mantzioris, E., LG Cleland, RA Gibson, MA Neumann, M Demasi and MJ James. 2000. Biochmical effects of a diet containing foods enriched with n-3 fatty acids. Am J Clin Nutr 72: 42-48.
(0010)Mas R. 2000. polycosanol. Drugs Future. 25: 569-586.
(0011)Oh, SY, J Ryeu, C Hsieh and DE Bell. 1991. Eggs enriched in ω-3 fatty acids and alterations in lipid concentrations in plasma and lipoproteins and in blood pressure. Am J Clin Nutr. 54: 689-695.
(0012)Rang, HP, MM Dale and JM Ritter. 1999. Pharmacology. 4th ed. Churchill Livingstone, London. 830.
(0013)Simopoulos, AP. 1999. Essential fatty acids in health and chronic disesase. Am J Clin Nutr 70 (suppl) : 560S-9S.
(0014)Taylor, JC, L Rapport and GB Lockwood. 2003. octacosano in human health. Nutrition. 19: 192-195.
(0015)Zhao, G, TD Etherton, KR Martin, SG West, PJ Gilles and PM Kris-Etherton. 2004. Dietary α-linolenic acid reduces inflammatory and lipid cardiovascular risk factors in hypercholesterolemic men and women. J Nutr 134: 2991-2997.
(0016) コレステロールは生体の必須成分であり、細胞膜で用いられる。しかしながら、過度のレベルでは、冠状静脈性心臓病をもたらしうる高コレステロール血症及びアテローム性動脈硬化を引き起こしうる。コレステロールは、高−、低−、中程度−及び超低−密度のリポタンパク質;カイロミクロンレマント(remants)及びカイロミクロン;経由で輸送される。高密度リポタンパク質が高レベルである場合は、コレステロールを末梢組織から肝臓へ輸送して、コレステロールホメオスタシスを維持するため、望ましい。しかしながら、主要な輸送メカニズムは、コレステロールを血漿へ移動させて、細胞膜へ組み込む低密度リポタンパク質である。しかしながら、低密度リポタンパク質が増加すると、摂取結合メカニズムが干渉されうる。
【0003】
(0017) アトルバスタチン(atorvastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、プラバスタチン(pravastatin)及びシンバスタチン(simvastatin)等のスタチン系の薬剤は、コレステロール関連の病気に罹患している患者に投与される場合がある。当該薬剤は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素を競合的に阻害して、コレステロール合成を低減させる。スタチンの副作用としては、筋炎、頭痛、発汗、血管性浮腫、胃腸への作用及び肝機能の変化があげられる。加えて、当該薬剤は、腎不全の患者や肝機能障害の人々には用いられるべきではない(Taylor et al. 2003)。
【0004】
(0018) 食餌脂肪酸摂取は、多くの健康要因に影響を与え得るが、より興味深いのは、n−3(オメガ−3)脂肪酸である。これらの必須脂肪酸はとしては、α−リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)があげられる。様々な研究により、n−3脂肪酸が、正常な生育や発達に必須であることが示されてきた。それらはまた、冠状静脈性心臓病、高血圧、糖尿病及び他の炎症並びに自己免疫障害の予防及び治療に重要な機能を果たしうる(Simopoulos 1999)。ALAはある植物性油(アマニ、クランベリー種子、キャノーラ及びチーア)に存在するが、EPA及びDHAは、魚類、魚類油及び藻類産物中に見出される。
【0005】
(0019) エスニック食群では、血小板のリン脂質におけるn−6のn−3に対する比率が高い場合は、心臓血管系疾患による致死率が高まる原因になりうる。当該比率が高い場合はまた、アテローム性動脈硬化が主要な合併症である2型糖尿病の割合が高まる(Weber, 1991)。n−3脂肪酸の標的レベルを獲得することは、ALA、EPA及びDHAが不足し、かつ、n-6リノレン酸過多である、現代の先進西洋諸国の食餌では困難である。ALA及びEPAの標的組織濃度は、ALAの消費と合致しうる(Mantzioris et al. 2000)。n−3脂肪酸摂取による主要な心臓血管の利点は、血管壁の血液凝固を軽減し、心室性不整脈を軽減しうることである(Zhao et al.(2004))。いくつかの研究では、心臓血管疾患におけるn−3摂取と有利な効果の用量反応関係が見出されている。いくつかの研究では、ALA摂取と突然心臓死との間に反比例の関係が示されている(Albert et al. (2005))。
【0006】
(0020) ポリコサノールは長鎖(C24−C36)脂肪族第1アルコールの混合物として定義され、一般的には、サトウキビの糖、米ぬか、蜜ろう、小麦又はソルガム由来である。本グループの主要なアルコールは、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール及びトリアコンタノールである。
【0007】
(0021) ポリコサノールは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAの酵素発現のダウンレギュレートを介したコレステロール生合成を阻害することによりコレステロールレベルを下げることができる(Menendez et al . 1994, McCarty 2002)。Hernandezらの研究(1992)によれば、対象が1日当たり20mgのポリコサノールを4週間摂取すると、血清中のコレステロールレベルが低下することが見出された。HDLのレベルが高まることによるLDLレベルにおける著しい減少がまた注目された。Castanoら(1999)による他の二重盲検無作為研究ランダムでは、老齢の高コレステロール血症患者における脂質プロファイルでのポリコサノール及び プラバスタチンの効果が調査された。ポリコサノールは、HDLレベルを高めることが見出されたが、また、LDLレベルを下げること及びLDL:HDLの比率を下げることに関してプラバスタチンよりも効果的であったことも見出された。
【0008】
(0022) ポリコサノールはまた、脂質及びタンパク質部分において、リポタンパク質を過酸化から保護しうる(Menendez et al. 1999)。LDLの酸化はアテローム性動脈硬化の発症に欠かせない過程であると考えられているため、これは重要な効果である。
【0009】
(0023) ポリコキャノールは、スタチン類よりも副作用が低いかもしれず、HDLコレステロールレベルを高めるかもしれず、コスト源につながりうる(Taylor et al . 2003)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(0024) ポリコサノールに関する一つの問題は、溶解性が劣り、腸管での吸収が困難であることである。[H]−オクタコサノールを用いたヒトの研究では、総放射能の多く(81−91%)が糞便中に排泄され、総放射能わずか1.2%が尿中で見出された(Mas, 2000)。
【0011】
(0025) ポリコサノール等の溶解性が劣る化合物の粒子の大きさをミクロン又はサブミクロン範囲で小さくすると、吸収性が改善されて生体適合性が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(0026)ヒト又は動物の栄養補助食品組成物は、1又はそれ以上の食品用油脂又はオイル中に拡散されたポリコサノールとしての血中脂質の健康有効量の1又はそれ以上の長鎖(C24−C36)第1アルコールを含み、前記アルコールの粒子の大きさが実質的に10ミクロン未満である。
【0013】
(0027)アルコールの粒子の大きさは、実質的に 0.2ミクロンより大きく、実質的に5.0ミクロン未満であってよい。当該アルコールは、少なくともオクタコサノール、トリアコンタノール及びヘキサコサノールの1から選択できる。当該アルコールは、米ぬか、蜜ろう、サトウキビの糖、ソルガム又は小麦を含む天然源から得ることができる。
【0014】
(0028)他の側面では、当該食品用油脂又はオイルは以下の:
(a)多価不飽和脂肪酸重量パーセントが25%未満でない;
(b)オメガ−3脂肪酸重量パーセントが10%未満でない;
(c)スクアレン重量パーセントが2.5%未満でない;及び
(d)トコフェノール及びトコトリエノール量の合計の割合が850ppm未満でない
の少なくとも1を含有する。
【0015】
(0029)食品用油脂又はオイルとしては、クランベリー種子油、アマランス種子油、魚類及び海洋/藻類油、ベニバナ油、ヒマワリ種子油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、アマニ油、亜麻油、大麻油、ルリジサ油、月見草油、キーア油及びハイビスカス油の少なくとも1があげられる。
【0016】
(0030) 他の側面では、ポリコサノールは、油脂又はオイルの重量の約0.1%から油脂又はオイルの重量の約6.0%で含まれる。ポリコサノールはまた、油脂又はオイルの重量の約0.5%から油脂又はオイルの重量の約5.0%で含まれうるか又は、油脂又はオイルの重量の約1.0%から油脂又はオイルの重量の約5.0%で含まれうる。
【0017】
(0031) 本発明の組成物は、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、カロテノイド、トコフェノール、トコトリエノール、フィトステロール、ポリフェノール、ポリサッカライド及びビオフラボノイドを含む、生物学的に活性な抽出物及び化合物から形成される。
【0018】
(0032) 組成物のためのベシクルは、エマルジョン、溶液、分散物、クリーム、錠剤、カプセル及び粉体でありうる。組成物を運ぶためのベヒクルは、食料、飼料又は飲料でありうる。
【0019】
(0033) 方法の側面もまた示される。
【発明の効果】
【0020】
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(0034) 異なる態様はまた、以下に、好ましい実施態様を示す添付の図面を参照してより詳細に記載される。多くの異なる形態が記載され、また、記載された実施態様は、ここに示した実施態様に制限されるように解釈されるべきではない。むしろ、本実施態様は、本開示が詳細かつ完全であり、かつ、当業者に十分に伝達されるように提供される。
【0022】
(0035) 天然栄養補助食品産業は、世界的に3000億ドルの市場に相当する。多くの天然植物原料及び抽出物は数千年間、人間により健康目的で用いられてきた。世界のある地域では、宗教的、文化的、安全の、価格及び示される効能のために、天然健康産物が化学的及び医薬的産物よりも好まれる。
【0023】
(0036) ヒトの血中脂質健康を補助するような使用の歴史がある植物性産物には、例えば、サトウキビの糖ワックス、米ぬか及び他の穀物性ワックス及び 蜜ろうなどの植物性ワックスから得られたある脂質アルコールがある。これらのうち最も重要なものは、長鎖(C24−C36)第1アルコール、オクタコサノール、トリアコンタノール及びヘキサコサノールである。
【0024】
(0037) 上記のように、ポリコサノールは、血中脂質健康に多くの有益な効果があることが知られている。当該有益な効果としては、コレステロールレベルを下げること、低密度リポタンパク質(LDL)を減少させること、高密度リポタンパク質(HDL)を高めること及び血中トリグリセリドを減少させることがあげられる。
【0025】
(0038) 血中脂質健康を高めるためにポリコサノールを用いることは難しい点がいくつかあることが経験されてきた。例えば、当該脂質アルコールは液体担体中では溶解性が低く、水溶性担体中では完全に不溶性である。これにより、消化管におけるポリコサノールの有用性は著しく低減する。哺乳動物の食餌における正常な脂質及び油の消化は、胆汁塩及びリン脂質の乳化により達成され、その後、腸壁を通して結果物であるカイロミクロンが直接吸収される。一般的なカイロミクロンのサイズは0.5ミクロンから2ミクロンである。
【0026】
(0039) 現代の乳化技術(ナノテクノロジー)により、液体担体中に分散された粒子の大きさを1ミクロンにすることが可能である。上記のように、多くの異なる物理的な乳化技術が適用できる。
【0027】
(0040) 本願発明の非限定な例によれば、これらの1又はそれ以上の技術は、許容される油担体(ナノコサノール(商標))内にポリコサノール粒子のサイズが実質的に10ミクロン未満の範囲のサイズである栄養補助食品組成物を作製するのに用いられる。組成物は、例えば、ポリソルベート、レシチン、加水分解性レシチン、モノ−及びジ−グリセリド並びにアシル化モノ−及びジ−グリセリド等の食品用乳化剤の使用を含んでもよい。乳化剤が存在すると、粒子が静電引力下で付着する傾向が妨げられる。当該組成物は、保存時に消化性(digestability)及び安定性が増すという利点がある。
【0028】
(0041) 1の側面では、組成物は、有益な血中脂質特性がある油担体の選択を含む。当該脂質及び油としては、多価不飽和脂肪酸、オメガ−3脂肪酸、スクアレン、フィトステロール、トコフェノール及びトコトリエノールがあげられる。一般的な脂質及び油としては、例えば、魚類油、サメ肝油、クランベリー種子油、アマランス種子油、ヒマワリ種子油、アマニ油、キーア油及び月見草種子油があげられる。
【0029】
(0042) 他の側面では、当該組成物は、ポリコサノール及び有益な脂質担体のバランスのとれた摂取に最適化する。担体油とポリコサノール適する比率を選択することにより、ポリコサノール及び有益な脂質担体が許容される単位および日用量で都合よく投与して好ましく摂取されるように組成物を産生することができる。
【0030】
(0043) ナノコサノール(商標)等の組成物は、血中脂質健康を促進及び補助するように用いられる。当該組成物の1日摂取量は、好ましい用量範囲では、ポリコサノール及び脂質担体の所望の毎日の摂取で対象に供され、その結果、血中脂質プロファイルが改良される。これには、例えば、低いコレステロール、低いトリグリセリド、低い低密度リポタンパク質(LDL)及びより高い高密度リポタンパク質(HDL)があげられる。
【0031】
(0044) 本発明の1の側面によれば、栄養補助食品組成物は、溶解性が悪いポリコサノールが食品用油又は脂肪中に分散され、組成物中のポリコサノール粒子サイズが実質的に10ミクロン未満であり、かつ、好ましくは、約0.2ミクロン〜約5.0ミクロンの範囲であるように開示される(ナノコサノール(商標))。
【0032】
(0045) 本発明の他の側面によれば、組成物からのポリコサノール生体の吸収及び利用は、固体及び錠剤で投与されるポリコサノールの吸収及び利用に比較して実質的に促進される。組成物のポリコサノール分散物は、保存中でも安定で、脂質担体から分離することはない。
【0033】
(0046) 組成物中に用いられる開示された脂質担体は、血中脂質健康に有益な効果があることが知られている油及び/又は脂肪の群から選択されてもよい。当該有益な脂質は、例えば、1又はそれ以上の多価不飽和脂肪酸、フィトステロール、オメガ−3脂肪酸、スクアレン、トコフェノール及びトコトリエノールを含んでもよい。
【0034】
(0047) 組成物のポリコサノールの濃度は、ポリコサノール及び有益な脂質担体の1日摂取量を最適化する。ポリコサノールの好ましい1日摂取量は約20−30mgであってもよい。有益な脂質の好ましい1日摂取量は、しかしながら、成人1日あたり約500mg〜5,000mg程度に高い場合もある。開示された組成物中のポリコサノールの重量は、有益な脂質の重量パーセントが約0.3%〜有益な脂質の重量パーセントが約5.0%である。当該開示された組成物により、有益な脂質とポリコサノールの比率を約333:1〜約20:1の範囲にすることができる。この比率は、1日当たり約25mgのポリコサノール摂取が常に有益な脂質の1日あたり約500mg〜1日あたり約5,000mgの組合わせであることを確実にする。当該開示された組成物により、単一の製剤でポリコサノール及び有益な脂質の好ましい日用量が送達される。
【0035】
(0048) 当業者であれば、液体栄養補助食品の約500mg〜約5,000mgの日用量は、カプセル中で約500mg〜約1,000mgで都合よく送達されうることを理解するであろう。例えば、400mgのカプセルを毎日2つずつ摂取する場合、有益な脂質中のポリコサノールの分散物の3%は、800mgの有益な脂質と共に1日当たり24mgのポリコサノールを都合よく供給できる。
【0036】
(0049) 当業者であれば、カプセル又は液体中の当該組成物が、例えば、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、カロテノイド、トコフェノール、トコトリエノール、フィトステロール、脂質アルコール、ポリサッカライド及びビオフラボノイドを含む他の生物学的に活性な抽出物及び化合物で都合よく補充されることを理解するであろう。
【0037】
(0050) 開示された栄養補助食品組成物(ナノコサノール(商標))は、血中脂質健康の補助におけるポリコサノールの投与のための新規で、改良された、さらに有効な粒子である。それは、正常及び高コレステロール血症の対象の血清コレステロールレベルを下げるのに有効である。
【0038】
(0051) 以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0039】
(0052) クランベリー(Vaccinium macrocarpon)種子の超臨界CO抽出物、アマランス(Amaranthus hypochondriacus)種子及び米(Oryza satlva)ぬかワックスを、商業用の150リットルの抽出単位で個別に製造した。加熱した容器で、米ぬかワックス抽出物を含有するポリコサノールを、クランベリー及びアマランス種子油の抽出物の混合物に65℃で溶解した。周囲温度に冷却した後、大豆レシチンを混合した。この結果物である製剤を米ぬかワックスの安定な分散物を得るために、高圧均一単位で処理した。ホモジナイザーは、せん断及びキャビテーションが高速になるように設計される。光学顕微鏡を用いて、平均粒子サイズを測定した。分散物の組成は以下のようである:
【0040】
【表1】

【実施例2】
【0041】
(0053) 実施例1のナノコサノール製剤を第3者製造者により、標準ゼラチンソフトカプセルにカプセル化した。ソフトカプセルは、690mg微量充填重量で、かつ、各々10mgのポリコサノール、21mgのスクアレン、91mgのn−3脂肪酸(アルファ−リノレン酸)、3.0mgのフィトステロール、489μgのトコトリエノール及び344μgのトコフェノールを含有した。
【実施例3】
【0042】
(0054) 実施例2で製造されたナノコサノール(商標)ソフトカプセルを、11人の対象に、概ね3ヶ月間にわたって投与した。研究は、非プラセボのコントロール非盲検試験で、かつ、正常及び血清コレステロールのレベルが徐々に上昇するボランティアを用いた。開始点の個々のコレステロールレベルは、約140〜約258のレベルの範囲であった。用量は、1日あたり1200mgのクランベリー及びアマランス種子油を50:50の混合物と共に1日あたり20mgのポリコサノールをもたらす、1日あたり2×600mgカプセルであった。ポリコサノールに加えて、ナノコサノール(商標)製剤は、トコフェノール、トコトリエノール、オメガ−6及びオメガ−3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸及びスクアレンをもたらす。
【0043】
(0055) 対象の血液試料は、個別のクリニックで、0(基礎)、30、60及び90日目に採取した。血液試料は、公認の独立した研究室で血中脂質を調べた。
(0056) 測定された変数は、トリグリセリド、コレステロール、LDLコレステロール及びHDLコレステロールである。
【0044】
(0057) 全てのデータを、対照及び変数の基礎レベルからの差(変化)として表した。1の対象からは90日目の血液試料が完全ではなかったので、観察した総数は32であった(11、11、10)。分析は、全ての3つの期間を組合わせたデータをもとにした。血中脂質の変数の平均変化は以下のとおりである:
【0045】
【表2】

【0046】
(0058) 5.96%のコレステロール減少は、LDL/HDL率及びコレステロール/HDL率のように31DFの片側t−検定を用いた5%レベルでの確率では有意であった。他の血中脂質の減少は5%レベルではそれほど著しくなかったが、6回のうち1回〜8回のうち1回の確率で偶然に起こる。
【0047】
(0059) 共分散分析は、基礎変数レベルでの変数変化の線形回帰を評価して用いられる。最も変化しやすい期間内にプールされた回帰係数及び総回帰係数は共にネガティブであり、1%レベル(1及び30DF)で極めて有意であり、実質的に同一であった。
【0048】
(0060) 評価した回帰方程式を用いて、「一般的な高四分位」がもたらす変数換算の評価は、変数ごとに算出した。これらを以下に示す:
【0049】
【表3】

【0050】
(0061)結果のデータから、ナノコサノール(商標)処理では、わずかに増加が見られたHDLを除いて、全ての血中脂質変数が基礎レベル以上に有意かつほとんど有意に減少した結果がみられた。ナノコサノール(商標)は明らかかつ確実に、血中脂質健康の著しい改善に関与していた。これは、総コレステロール及び重要なLDL/HDL及びコレステロール/HDL率で最も顕著に立証される。試料数が多ければ、共に所望の治療効果である、トリグリセリド及びLDLの減少並びにHDLの増加もまた有意に確認されるようである。
【0051】
(0062) 回帰分析から、血中脂質値の減少が基礎レベルの機能であることもまた明らかである。これらの結果から、血清コレステロール値が極めて上昇した群の対象にとって、ナノコサノール(商標)はそれを約15%−20%減少させる可能性があることも示唆される。
【0052】
(0063) 当業者であれば、本発明の多くの改変及び他の実施態様は、上記の記載及び関連する図面中に存在する教唆の利益があることに想到するであろう。それゆえ、本発明が開示された特定の実施態様に限定されるべきでないこと、及び、実施態様は添付された請求の範囲の範囲内に含まれることを意図することが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又はそれ以上の食品用油脂又はオイル中に拡散されたポリコサノールとしての血中脂質の健康有効量の1又はそれ以上の長鎖(C24−C36)第1アルコールを含む、ヒト又は動物の栄養補助食品組成物であって、前記アルコールの粒子の大きさが実質的に10ミクロン未満である、前記組成物。
【請求項2】
アルコールの粒子の大きさが実質的に0.2ミクロンより大きく、かつ、実質的に5.0ミクロン未満である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
アルコールが、少なくともオクタコサノール、トリアコンタノール及びヘキサコサノールの1から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
アルコールが、米ぬか、蜜ろう、サトウキビの糖、ソルガム又は小麦を含む天然源から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
食品用油脂又はオイルが以下の少なくとも1を含有する、請求項1記載の組成物。
(a)重量パーセントが25%未満でない多価不飽和脂肪酸;
(b)重量パーセントが10%未満でないオメガ−3−脂肪酸;
(c)重量パーセントが2.5%未満でないスクアレン;及び
(d)重量パーセントが合計で850万分の1(850ppm)未満でないトコフェノール及びトコトリエノール
【請求項6】
食品用油脂又はオイルが、クランベリー種子油、アマランス種子油、魚類及び海洋/藻類油、ベニバナ油、ヒマワリ種子油、大豆油、キャノーラ油、オリーブ油、アマニ油、亜麻油、大麻油、ルリジサ油、月見草油、キーア油及びハイビスカス油の少なくとも1を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
ポリコサノールが、油脂又はオイルの重量パーセント約0.1%から油脂又はオイルの重量パーセント約6.0%含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
ポリコサノールが、油脂又はオイルの重量パーセント約0.5%から油脂又はオイルの重量パーセント約5.0%含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
ポリコサノールが、油脂又はオイルの重量パーセント約1.0%から油脂又はオイルの重量パーセント約5.0%を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
さらに、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質、カロテノイド、トコフェノール、トコトリエノール、フィトステロール、ポリフェノール、ポリサッカライド及びビオフラボノイドを含む、生物学的に活性な抽出物及び化合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
さらに、エマルジョン、 溶液、分散物、クリーム、錠剤、カプセル及び粉体等の送達ベヒクルを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
さらに、食料、飼料又は飲料を含む前記組成物を運搬するための送達ベヒクルを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
1又はそれ以上の食品用油脂又はオイル中に拡散されたポリコサノールとしての血中脂質の健康有効量の1又はそれ以上の長鎖(C24−C36)第1アルコールを含む、ヒト又は動物の栄養補助食品組成物を経口投与することによりヒト又は動物の対象中の健全な血中脂質レベルの維持のサポート、血清コレステロールレベルの軽減及び、高コレステロール症の治療のための方法であって、前記アルコールの粒子の大きさが実質的に10ミクロン未満である、前記方法。
【請求項14】
1日摂取量が体重キログラム1日当たりポリコサノール約0.125mgから体重キログラム1日当たりポリコサノール約0.750mg、好ましくは、体重キログラム1日当たりポリコサノール約0.3mgの範囲で摂取されるための量の組成物がヒト又は動物対象に投与される、請求項13記載の方法。

【公表番号】特表2009−525755(P2009−525755A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554314(P2008−554314)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/003278
【国際公開番号】WO2007/092509
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508159008)ユーエス・ニュートラシューティカルズ・エルエルシー・ディービーエイ・ヴァレンサ・インターナショナル (2)
【Fターム(参考)】