表示パネルおよびその製造方法
【課題】製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできるカラー表示パネルを実現する。
【解決手段】画素電極は、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とからなるR色用の画素電極150Rと、第1の透明導電膜151からなるG色用の画素電極150Gと、第2の透明導電膜152からなるB色用の画素電極150Bとによって構成される。画素電極の形成の際、まずTFT付き基板101上に第1の透明導電膜151が形成され、R色およびG色に対応する部分のみが残るよう第1の透明導電膜151にパターニングおよびエッチングが施される。次に、TFT付き基板101上に第2の透明導電膜152が形成され、R色およびB色に対応する部分のみが残るよう第2の透明導電膜152にパターニングおよびエッチングが施される。
【解決手段】画素電極は、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とからなるR色用の画素電極150Rと、第1の透明導電膜151からなるG色用の画素電極150Gと、第2の透明導電膜152からなるB色用の画素電極150Bとによって構成される。画素電極の形成の際、まずTFT付き基板101上に第1の透明導電膜151が形成され、R色およびG色に対応する部分のみが残るよう第1の透明導電膜151にパターニングおよびエッチングが施される。次に、TFT付き基板101上に第2の透明導電膜152が形成され、R色およびB色に対応する部分のみが残るよう第2の透明導電膜152にパターニングおよびエッチングが施される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルおよびその製造方法に関し、より詳しくは、表示パネルを構成するアレイ基板の構造および当該構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来の一般的な液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。この液晶パネルは、1対のガラス基板であるアレイ基板600とカラーフィルタ基板700とから構成されている。アレイ基板600は、液晶を駆動するためのTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)がガラス基板上にマトリクス状に形成された状態の基板(以下、「TFT付き基板」という。)601と、TFT付き基板601上に形成された画素電極650と、液晶分子を一定方向に配列させるためにTFT付き基板601および画素電極650上に形成された配向膜660とによって構成されている。画素電極650は、ITO(indium tin oxide:酸化インジウムスズ)膜などの透明導電膜によって実現されている。カラーフィルタ基板700は、ガラス基板710と、ガラス基板710上に形成されたR色(赤色),G色(緑色),およびB色(青色)の着色層720R,720G,および720Bと、光漏れを防ぐためにそれら着色層間に設けられたブラックマトリクス(不図示)と、着色層上に保護膜(不図示)等を介して形成された透明導電膜730と、液晶分子を一定方向に配列させるために透明導電膜730上に形成された配向膜740とによって構成されている。
【0003】
図10に示した構成において、画素電極650を構成する透明導電膜の膜厚は一定となっている。すなわち、カラーフィルタ基板700のR色,G色,およびB色の着色層720R,720G,および720Bにそれぞれ対応するようにR色用,G色用,およびB色用の画素電極650がアレイ基板600に設けられているが、それら全ての色用の画素電極650についての透明導電膜の膜厚は等しくなっている。このため、カラーフィルタの各色について、必ずしも好適な光学特性は得られていない。
【0004】
そこで、特開2008−9214号公報には、画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を図11に示すように色毎に異ならせた表示装置の発明が開示されている。図11から把握されるように、アレイ基板800に設けられたR色用の画素電極850R,G色用の画素電極850R,およびB色用の画素電極850Bをそれぞれ構成する透明導電膜の膜厚は互いに異なっている。このような構成とすることによって、「透明導電膜を光が透過する際の透過率の差に起因する色度差を低減し、高忠実な色再現性を有する画像表示が得られる」とされている。なお、この表示装置の製造方法に関しては、上述のように色毎に透明導電膜の膜厚を異ならせるために、インクジェット法が採用されている。すなわち、透明導電膜の膜厚は、インクジェットノズルから吐出されるインクの塗布量によって制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−9214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、基板への透明導電膜の形成(堆積)に関し、上記特開2008−9214号公報に開示された表示装置ではインクジェット法が採用されているが、一般にはスパッタ法が採用されることが多い。そのスパッタ法を用いて上述のような膜厚の異なる3種類の透明導電膜の基板への形成を行う場合、フォトリソグラフィ法(フォトリソグラフィ技術)を用いた一連の処理(基板上への膜の形成,レジスト塗布,露光,現像,エッチング,レジスト剥離など)が3回繰り返されることとなる。これについて、図12および図13を参照しつつ、以下に説明する。
【0007】
図12は、スパッタ法を用いて膜厚の異なる3種類の透明導電膜を基板に形成すると仮定したときの画素電極の形成手順を示すフローチャートである。まず、TFT付き基板801上に、スパッタ法によって、R色用の画素電極850Rを構成すべき第1の透明導電膜851を形成する(ステップS900)。次に、図13(a)に示すように、R色用の画素電極850Rが形成されるべき領域がマスクされるようレジスト膜890をパターニングする(ステップS902)。更に、エッチングによって第1の透明導電膜851の不要な部分を除去する(ステップS904)。その後、レジスト膜890を剥離する(ステップS906)。これにより、図13(b)に示すように、TFT付き基板801上の領域のうちR色用の画素電極850Rが形成されるべき領域にのみ第1の透明導電膜851が堆積された状態となる。
【0008】
次に、TFT付き基板801および第1の透明導電膜851上に、スパッタ法によって、R色用およびG色用の画素電極850R,850Gを構成すべき第2の透明導電膜852を形成する(ステップS908)。なお、第2の透明導電膜852の材料については、第1の透明導電膜851の材料と同じである。次に、図13(c)に示すように、R色用およびG色用の画素電極850R,850Gが形成されるべき領域がマスクされるようレジスト膜890をパターニングする(ステップS910)。更に、エッチングによって第2の透明導電膜852の不要な部分を除去する(ステップS912)。その後、レジスト膜890を剥離する(ステップS914)。これにより、図13(d)に示すように、TFT付き基板801上の領域のうちR色用の画素電極850Rが形成されるべき領域には第1の透明導電膜851と第2の透明導電膜852とが堆積され、G色用の画素電極850Gが形成されるべき領域には第2の透明導電膜852が堆積された状態となる。
【0009】
次に、TFT付き基板801および第2の透明導電膜852上に、スパッタ法によって、R色用,G色用,およびB色用の画素電極850R,850G,および850Bを構成すべき第3の透明導電膜853を形成する(ステップS916)。なお、第3の透明導電膜853の材料については、第1の透明導電膜851および第2の透明導電膜852の材料と同じである。次に、図13(e)に示すように、R色用,G色用,およびB色用の画素電極850R,850G,および850Bが形成されるべき領域がマスクされるようレジスト膜890をパターニングする(ステップS918)。更に、エッチングによって第3の透明導電膜853の不要な部分を除去する(ステップS920)。その後、レジスト膜を剥離する(ステップS922)。これにより、図13(f)に示すように、TFT付き基板801上の領域のうちR色用の画素電極850Rが形成されるべき領域には第1の透明導電膜851と第2の透明導電膜852と第3の透明導電膜853とが堆積され、G色用の画素電極850Gが形成されるべき領域には第2の透明導電膜852と第3の透明導電膜853とが堆積され、B色用の画素電極850Bが形成されるべき領域には第3の透明導電膜853が堆積された状態となる。
【0010】
以上のように、画素電極を構成すべき透明導電膜として膜厚の異なる3種類の透明導電膜を従来技術を用いて基板に形成するためには、フォトリソグラフィ法を用いた一連の処理が3回繰り返されなければならない。このため、図10に示した従来の一般的な構成の液晶パネルと比較して、製造工程が大幅に増加する。
【0011】
そこで本発明は、製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできるカラー表示パネルを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルであって、
前記画素電極は、前記第1の色の着色層に対応するように設けられ、互いに異なる材料からなる第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された第1の色用の画素電極と、前記第2の色の着色層に対応するように設けられ、前記第1の透明導電膜からなる第2の色用の画素電極と、前記第3の色の着色層に対応するように設けられ、前記第2の透明導電膜からなる第3の色用の画素電極とを含むことを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第1の色用の画素電極を構成する第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とは、前記第1の基板の一部を構成する母基板上に前記第1の透明導電膜、前記第2の透明導電膜の順で積層され、
前記第1の透明導電膜は、前記第2の透明導電膜よりも耐エッチング性が高いことを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、非晶質の酸化インジウムスズからなることを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第2の発明において、
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、酸化インジウム亜鉛からなることを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第1の発明において、
前記第1の透明導電膜の膜厚と前記第2の透明導電膜の膜厚とが異なることを特徴とする。
【0019】
第8の発明は、透明導電膜からなり表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルの製造方法であって、
前記第1の基板の一部を構成する母基板上に第1の透明導電膜を堆積させる第1工程と、
前記第1工程で前記母基板上に堆積された第1の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第2の色の着色層に対応する部分のみが前記母基板上に残るように、フォトリソグラフィ法により前記第1の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第2工程と、
前記第1の透明導電膜を覆うように前記母基板上に前記第1の透明導電膜とは異なる材料からなる第2の透明導電膜を堆積させる第3工程と、
前記第3工程で前記母基板上に堆積された第2の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第3の色の着色層に対応する部分のみが残るように、フォトリソグラフィ法により前記第2の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第4工程と
を含むことを特徴とする。
【0020】
第9の発明は、第8の発明において、
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜よりも耐エッチング性の低い第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0021】
第10の発明は、第9の発明において、
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0022】
第11の発明は、第10の発明において、
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0023】
第12の発明は、第9の発明において、
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として酸化インジウム亜鉛からなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0024】
第13の発明は、第12の発明において、
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0025】
第14の発明は、第8の発明において、
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜とは膜厚の異なる第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
上記第1の発明によれば、表示パネルの第1の基板に形成される画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を、色毎(典型的にはRGBの色毎)に異ならせることができる。このため、透明導電膜の膜厚を色毎に適当な大きさ(厚さ)にすることによって、色毎に透過率や色度の調整が施される。これにより、色毎に好適な光学特性を得ることが可能となる。また、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜には、互いに異なる材料が用いられている。このため、第1の基板の製造工程において、第1の透明導電膜および第2の透明導電膜の一方をエッチングする際に他方がエッチングされないようにすることができる。これにより、フォトリソグラフィ法による一連の処理を2回繰り返すだけで、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された膜からなる画素電極,第1の透明導電膜からなる画素電極,および第2の透明導電膜からなる画素電極という3種類の画素電極を形成することが可能となる。以上より、製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできる表示パネルが実現される。
【0027】
上記第2の発明によれば、第1の基板の製造工程において母基板上に第1の透明導電膜,第2の透明導電膜の順序で導電膜が積層され、かつ、第1の透明導電膜には第2の透明導電膜よりも耐エッチング性が高い材料が用いられる。このため、第1の基板の製造工程において第2の透明導電膜をエッチングする際に、適当なエッチング液を用いることによって、先に母基板上に形成された第1の透明導電膜がエッチングされることを確実に防止することができる。
【0028】
上記第3から第6の発明によれば、上記第2の発明と同様、第1の基板の製造工程において第2の透明導電膜をエッチングする際に、適当なエッチング液を用いることによって、先に母基板上に形成された第1の透明導電膜がエッチングされることを確実に防止することができる。
【0029】
上記第7の発明によれば、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とは異なる膜厚にされる。第1の色用の画素電極は第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された膜からなり、第2の色用の画素電極は第1の透明導電膜からなり、第3の色用の画素電極は第2の透明導電膜からなるので、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが異なる膜厚にされることにより、第1,第2,および第3の色用の画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を確実に互いに異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【図2】上記第1の実施形態に係る液晶パネルの詳細構成を示す断面図である。
【図3】上記第1の実施形態におけるアレイ基板の製造方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】上記第1の実施形態におけるアレイ基板の製造方法について説明するための図である。
【図5】上記第1の実施形態におけるアレイ基板の製造方法について説明するための図である。
【図6】上記第1の実施形態における画素電極の形成手順を示すフローチャートである。
【図7】上記第1の実施形態における画素電極の形成手順について説明するための図である。
【図8】透明導電膜の膜厚と透過率(Y値)との関係を示す図である。
【図9】様々な膜厚の透明導電膜を用いて白色表示を行った際に得られた色度を示す図である。
【図10】従来の一般的な液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【図11】特開2008−9214号公報に開示された液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【図12】スパッタ法を用いて膜厚の異なる3種類の透明導電膜を基板に形成すると仮定したときの画素電極の形成手順を示すフローチャートである。
【図13】スパッタ法を用いて膜厚の異なる3種類の透明導電膜を基板に形成することについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0032】
<1.液晶パネルの概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。この液晶パネルは、1対のガラス基板であるアレイ基板100とカラーフィルタ基板200とから構成されている。アレイ基板100とカラーフィルタ基板200とは、液晶300を挟持するようにして、互いに対向するように配置されている。
【0033】
アレイ基板100は、液晶を駆動するためのTFTがガラス基板上にマトリクス状に形成された状態の基板(TFT付き基板)101と、TFT付き基板101上に積層された第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とからなるR色用の画素電極150Rと、TFT付き基板101上に形成された第1の透明導電膜151からなるG色用の画素電極150Gと、TFT付き基板101上に形成された第2の透明導電膜152からなるB色用の画素電極150Bと、液晶分子を一定方向に配列させるためにTFT付き基板101および画素電極150R,150G,および150B上に形成された配向膜160とによって構成されている。第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とについては、互いにエッチング特性の異なる2種類の透明導電膜が用いられる。なお、本実施形態においては、具体的には、第1の透明導電膜151には多結晶ITOからなる膜が採用され、第2の透明導電膜152にはアモルファス(非晶質)ITOからなる膜が採用されている。
【0034】
カラーフィルタ基板200は、ガラス基板210と、ガラス基板210上に形成されたR色,G色,およびB色の着色層220R,220G,および220Bと、光漏れを防ぐためにそれら着色層間に設けられたブラックマトリクス(不図示)と、着色層上に保護膜(不図示)等を介して形成された透明導電膜230と、液晶分子を一定方向に配列させるために透明導電膜230上に形成された配向膜240とによって構成されている。
【0035】
なお、本実施形態においては、R色用,G色用,およびB色用の画素電極150R,150G,および150Bによってそれぞれ第1の色用,第2の色用,および第3の色用の画素電極が実現されている。また、R色,G色,およびB色の着色層220R,220G,および220Bによってそれぞれ第1,第2,および第3の色の着色層が実現されている。さらに、TFT付き基板101によって母基板が実現されている。
【0036】
<2.アレイ基板の詳細構成>
次に、アレイ基板100の詳細構成について説明する。図2は、本実施形態における液晶パネルの詳細構成を示す断面図である。図2に示すように、ガラス基板110上にベースコート膜120が形成され、そのベースコート膜120上に半導体層130が形成されている。半導体層130は、チャネル領域130C,ソース領域130S,およびドレイン領域130Dを有している。そして、ベースコート膜120と半導体層130とを覆うようにゲート絶縁膜122が形成され、そのゲート絶縁膜122上にゲート電極140が形成されている。更に、ゲート絶縁膜122とゲート電極140とを覆うように層間膜124が形成され、その層間膜124上に有機絶縁膜126が形成されている。また、層間膜124には、半導体層130のソース領域130Sおよびドレイン領域130Dにそれぞれ到達するコンタクトホール170S,170Dが形成されている。そして、層間膜124上にはソース電極142およびドレイン電極144が形成され、それらソース電極142およびドレイン電極144はそれぞれコンタクトホール170S,170Dを介してソース領域130Sおよびドレイン領域130Dに接続されている。
【0037】
有機絶縁膜126上には、画素電極が形成されている。詳しくは、有機絶縁膜126上において、カラーフィルタ基板200のR色の着色層220R,G色の着色層220G,およびB色の着色層220Bとそれぞれ対向する位置に、R色用の画素電極150R,G色用の画素電極150G,およびB色用の画素電極150Bが形成されている。R色用の画素電極150Rについては、有機絶縁膜126上に積層された第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とによって実現されている。G色用の画素電極150Gについては、有機絶縁膜126上に形成された第1の透明導電膜151によって実現されている。B色用の画素電極150Bについては、有機絶縁膜126上に形成された第2の透明導電膜152によって実現されている。なお、有機絶縁膜126にはコンタクトホール172が設けられており、画素電極150R,150G,および150Bはコンタクトホール172を介してドレイン電極144に接続されている。また、画素電極150R,150G,および150B上には、液晶分子を一定方向に配列させるための配向膜160が形成されている。
【0038】
<3.製造方法>
図3〜図7を参照しつつ、本実施形態におけるアレイ基板100の製造方法について説明する。図3は、アレイ基板100の製造方法の手順を示すフローチャートである。まず、図4(a)に示すように、洗浄後のガラス基板110上に、例えばプラズマCVD法によってベースコート膜120を形成する(ステップS10)。ベースコート膜120としては、シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(SiN),シリコン酸窒化膜(SiNO),又はこれらの複合膜などを採用することができる。
【0039】
次に、ベースコート膜120上に半導体層130を形成する(ステップS12)。これについては、例えば、PECVD法によってアモルファスシリコン(a−Si)層をベースコート膜120上に形成した後、加熱処理によってそのアモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン(p−Si)層を形成する。そして、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによってポリシリコン層の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図4(b)に示すように、ポリシリコン層が所望の形状に成形され、半導体層130が形成される。
【0040】
次に、図4(c)に示すように、ベースコート膜120および半導体層130上に、例えばプラズマCVD法によってゲート絶縁膜122を形成する(ステップS14)。ゲート絶縁膜122としては、シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(SiN),シリコン酸窒化膜(SiNO),又はこれらの複合膜などを採用することができる。
【0041】
次に、ゲート絶縁膜122上にゲート電極140を形成する(ステップS16)。これについては、まず、スパッタ法によって、クロム(Cr),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),チタン(Ti),アルミニウム(Al)などを材料とする金属膜をゲート絶縁膜122上に形成する。そして、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによって金属膜の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図4(d)に示すように、金属膜が所望の形状に成形され、ゲート電極140が形成される。
【0042】
次に、図4(e)に示すように、半導体層130のソース領域およびドレイン領域となるべき部分にゲート絶縁膜122を介して不純物を注入する(ステップS18)。これについては、例えばイオンドーピング法による燐イオンの注入が行われる。これにより、ソース領域およびドレイン領域が半導体層130に形成される。
【0043】
次に、図4(f)に示すように、ゲート絶縁膜122およびゲート電極140上に、例えばプラズマCVD法によって層間膜124を形成する(ステップS20)。層間膜124としては、シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(SiN),シリコン酸窒化膜(SiNO),又はこれらの複合膜などを採用することができる。
【0044】
次に、ソース電極142およびドレイン電極144の形成を行う(ステップS22)。これについては、まず、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。そして、層間膜124およびゲート絶縁膜122のエッチングを行うことによりコンタクトホール170S,170Dを形成する。その後、コンタクトホール170S,170Dの内部および層間膜124上に導電膜を堆積させ、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによって導電膜の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図5(a)に示すように、ソース電極142およびドレイン電極144が形成される。
【0045】
次に、図5(b)に示すように、層間膜124,ソース電極142,およびドレイン電極144上に、例えばスピンコーティング法を用いてアクリル樹脂を成膜することによって、有機絶縁膜126を形成する(ステップS24)。
【0046】
次に、ドレイン電極144と有機絶縁膜126上に形成される画素電極とを接続するためのコンタクトホール172を形成する(ステップS26)。これについては、まず、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによって有機絶縁膜126の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図5(c)に示すように、コンタクトホール172が形成される。
【0047】
次に、有機絶縁膜126上に画素電極を形成する(ステップS28)。これについては、図6および図7を参照しつつ説明する。図6は、本実施形態における画素電極の形成手順を示すフローチャートである。
【0048】
まず、TFT付き基板101上に、スパッタ法によって、R色用およびG色用の画素電極150R,150Gを構成すべき第1の透明導電膜151を形成する(ステップS281)。第1の透明導電膜151には、上述のように、多結晶ITOからなる膜が採用される。次に、図7(a)に示すように、R色用およびG色用の画素電極150R,150Gが形成されるべき領域がマスクされるようフォトリソグラフィ法によってレジスト膜190をパターニングする(ステップS282)。更に、エッチングによって第1の透明導電膜151の不要な部分を除去する(ステップS283)。このとき、例えば王水系の強酸のウェットエッチング液を用いたウェットエッチングが行われる。その後、レジスト膜190を剥離する(ステップS284)。これにより、図7(b)に示すように、TFT付き基板101上の領域のうちR色用およびG色用の画素電極150R,150Gが形成されるべき領域に第1の透明導電膜151が堆積された状態となる。
【0049】
次に、TFT付き基板101および第1の透明導電膜151上に、スパッタ法によって、R色およびB色の画素電極150R,150Bを構成すべき第2の透明導電膜152を形成する(ステップS285)。第2の透明導電膜152には、上述のように、アモルファスITOからなる膜が採用される。なお、ステップS285では、第2の透明導電膜152の膜厚と既にTFT付き基板101上に堆積されている第1の透明導電膜151の膜厚とは、異なる厚さにされる。次に、図7(c)に示すように、R色用およびB色用の画素電極150R,150Bが形成されるべき領域がマスクされるようフォトリソグラフィ法によってレジスト膜190をパターニングする(ステップS286)。更に、エッチングによって第2の透明導電膜152の不要な部分を除去する(ステップS287)。このとき、例えばHCl+HNO3などのウェットエッチング液を用いたウェットエッチングが行われる。その後、レジスト膜190を剥離する(ステップS288)。これにより、図7(d)に示すように、TFT付き基板101上の領域のうちR色用の画素電極150Rが形成されるべき領域には第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とが堆積され、G色用の画素電極150Gが形成されるべき領域には第1の透明導電膜151が堆積され、B色用の画素電極150Bが形成されるべき領域には第2の透明導電膜152が堆積された状態となる。
【0050】
以上のようにして、図1や図2に示したようにRGBの色毎に異なる膜厚(R色用の画素電極150Rについては、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とを合わせた状態での膜厚)の透明導電膜からなる画素電極を有するアレイ基板100が作製される。
【0051】
なお、本実施形態においては、上記ステップS281によって第1工程が実現され、上記ステップS282,S283によって第2工程が実現され、上記ステップS285によって第3工程が実現され、上記ステップS286,S287によって第4工程が実現されている。
【0052】
<4.効果>
本実施形態によれば、アレイ基板100に画素電極として形成される透明導電膜の膜厚が、RGBの色毎に異なる大きさ(厚さ)となる。ところで、透明導電膜の膜厚と透過率(Y値)との関係は、図8に示すようなものとなっている。図8より、透明導電膜の膜厚に応じて透過率が変化することが把握される。また、様々な膜厚の透明導電膜を用いて白色表示を行った際に得られた色度(CIE1931表色系における色度)は、図9に示すようなものとなっている。図9より、透明導電膜の膜厚に応じて人が感じる色が異なることが把握される。この点、本実施形態においてはRGBの色毎に透明導電膜の膜厚が異なる大きさとなっているので、RGBの色毎に透過率や色度の調整が施される。すなわち、RGBの各色用の画素電極150R,150G,および150Bを構成する透明導電膜の膜厚を適当な大きさにすることによって、RGBの色毎に好適な光学特性を得ることが可能となる。
【0053】
また、本実施形態によれば、画素電極を構成する透明導電膜には、互いに材料の異なる2種類の透明導電膜(第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152)が用いられている。具体的には、第1の透明導電膜151には多結晶ITOが採用され、第2の透明導電膜152にはアモルファスITOが採用されている。アモルファスITOに比べて多結晶ITOは耐エッチング性に優れているため、アレイ基板100の製造工程においてTFT付き基板101上に第1の透明導電膜151,第2の透明導電膜152の順序でそれらを積層することによって、第2の透明導電膜152のエッチングの際に第1の透明導電膜151がエッチングされないようにすることができる。このため、フォトリソグラフィ法による一連の処理を2回繰り返すだけで、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とが積層された膜からなる画素電極,第1の透明導電膜151からなる画素電極,および第2の透明導電膜152からなる画素電極という3種類の画素電極を形成することができる。ここで、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152との膜厚を異ならせることにより、それら3種類の画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を互いに異ならせることが可能となる。これにより、フォトリソグラフィ法による一連の処理を2回繰り返すだけで、互いに異なる膜厚の透明導電膜からなる3種類の画素電極を有するアレイ基板100が実現される。
【0054】
以上より、製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできるカラー表示装置が実現される。
【0055】
<5.変形例>
<5.1 第1の変形例>
本変形例においては、第1の透明導電膜151には、TFT付き基板101上にアモルファスITO膜として形成された後に加熱処理によって結晶化された多結晶ITO膜が採用され、第2の透明導電膜152には、上記実施形態と同様、アモルファスITO膜が採用される。本変形例においては、第1の透明導電膜151を形成する際(図6のステップS281)、まず、スパッタ法によって、TFT付き基板101上にアモルファスITO膜を形成する。次に、TFT付き基板101上のアモルファスITO膜に加熱処理(熱アニール処理)を施す。これにより、アモルファスITO膜は多結晶化され多結晶ITO膜となる。
【0056】
<5.2 第2の変形例>
本変形例においては、第1の透明導電膜151には、上記実施形態と同様、多結晶ITO膜が採用され、第2の透明導電膜152には、IZO(indium zinc oxide:酸化インジウム亜鉛)膜(「IZO」は登録商標)が採用される。なお、本変形例においては、第2の透明導電膜152にエッチングが施される際、例えば蓚酸水溶液などの弱酸のウェットエッチング液を用いたウェットエッチングが行われる。
【0057】
<5.3 第3の変形例>
本変形例においては、第1の透明導電膜151には、上記第1の変形例と同様、TFT付き基板101上にアモルファスITO膜として形成された後に加熱処理によって結晶化された多結晶ITO膜が採用され、第2の透明導電膜152には、上記第2の変形例と同様、IZO膜が採用される。
【0058】
<6.その他>
上記実施形態および上記各変形例においては、R色用の画素電極150Rは第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152によって構成され、G色用の画素電極150Gは第1の透明導電膜151によって構成され、B色用の画素電極150Bは第2の透明導電膜152によって構成されているが、本発明はこれに限定されない。いずれの色用の画素電極が第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152によって構成されていても良い。この場合、残りの一方の色用の画素電極が第1の透明導電膜151によって構成され、残りの他方の色用の画素電極が第2の透明導電膜152によって構成されていれば良い。
【0059】
また、第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152として採用する材料の組み合わせは、上記実施形態および上記各変形例に示したものに限定されない。第1の透明導電膜151として採用する材料の耐エッチング性が第2の透明導電膜152として採用する材料の耐エッチング性よりも優れていれば、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
100…アレイ基板
101…TFT付き基板
110,210…ガラス基板
120…ベースコート膜
122…ゲート絶縁膜
124…層間膜
126…有機絶縁膜
130…半導体層
140…ゲート電極
142…ソース電極
144…ドレイン電極
150R,150G,150B…画素電極
151…第1の透明導電膜
152…第2の透明導電膜
160,240…配向膜
170D,170S,172…コンタクトホール
200…カラーフィルタ基板
220R,220G,220B…着色層
230…透明導電膜
300…液晶
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルおよびその製造方法に関し、より詳しくは、表示パネルを構成するアレイ基板の構造および当該構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来の一般的な液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。この液晶パネルは、1対のガラス基板であるアレイ基板600とカラーフィルタ基板700とから構成されている。アレイ基板600は、液晶を駆動するためのTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)がガラス基板上にマトリクス状に形成された状態の基板(以下、「TFT付き基板」という。)601と、TFT付き基板601上に形成された画素電極650と、液晶分子を一定方向に配列させるためにTFT付き基板601および画素電極650上に形成された配向膜660とによって構成されている。画素電極650は、ITO(indium tin oxide:酸化インジウムスズ)膜などの透明導電膜によって実現されている。カラーフィルタ基板700は、ガラス基板710と、ガラス基板710上に形成されたR色(赤色),G色(緑色),およびB色(青色)の着色層720R,720G,および720Bと、光漏れを防ぐためにそれら着色層間に設けられたブラックマトリクス(不図示)と、着色層上に保護膜(不図示)等を介して形成された透明導電膜730と、液晶分子を一定方向に配列させるために透明導電膜730上に形成された配向膜740とによって構成されている。
【0003】
図10に示した構成において、画素電極650を構成する透明導電膜の膜厚は一定となっている。すなわち、カラーフィルタ基板700のR色,G色,およびB色の着色層720R,720G,および720Bにそれぞれ対応するようにR色用,G色用,およびB色用の画素電極650がアレイ基板600に設けられているが、それら全ての色用の画素電極650についての透明導電膜の膜厚は等しくなっている。このため、カラーフィルタの各色について、必ずしも好適な光学特性は得られていない。
【0004】
そこで、特開2008−9214号公報には、画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を図11に示すように色毎に異ならせた表示装置の発明が開示されている。図11から把握されるように、アレイ基板800に設けられたR色用の画素電極850R,G色用の画素電極850R,およびB色用の画素電極850Bをそれぞれ構成する透明導電膜の膜厚は互いに異なっている。このような構成とすることによって、「透明導電膜を光が透過する際の透過率の差に起因する色度差を低減し、高忠実な色再現性を有する画像表示が得られる」とされている。なお、この表示装置の製造方法に関しては、上述のように色毎に透明導電膜の膜厚を異ならせるために、インクジェット法が採用されている。すなわち、透明導電膜の膜厚は、インクジェットノズルから吐出されるインクの塗布量によって制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−9214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、基板への透明導電膜の形成(堆積)に関し、上記特開2008−9214号公報に開示された表示装置ではインクジェット法が採用されているが、一般にはスパッタ法が採用されることが多い。そのスパッタ法を用いて上述のような膜厚の異なる3種類の透明導電膜の基板への形成を行う場合、フォトリソグラフィ法(フォトリソグラフィ技術)を用いた一連の処理(基板上への膜の形成,レジスト塗布,露光,現像,エッチング,レジスト剥離など)が3回繰り返されることとなる。これについて、図12および図13を参照しつつ、以下に説明する。
【0007】
図12は、スパッタ法を用いて膜厚の異なる3種類の透明導電膜を基板に形成すると仮定したときの画素電極の形成手順を示すフローチャートである。まず、TFT付き基板801上に、スパッタ法によって、R色用の画素電極850Rを構成すべき第1の透明導電膜851を形成する(ステップS900)。次に、図13(a)に示すように、R色用の画素電極850Rが形成されるべき領域がマスクされるようレジスト膜890をパターニングする(ステップS902)。更に、エッチングによって第1の透明導電膜851の不要な部分を除去する(ステップS904)。その後、レジスト膜890を剥離する(ステップS906)。これにより、図13(b)に示すように、TFT付き基板801上の領域のうちR色用の画素電極850Rが形成されるべき領域にのみ第1の透明導電膜851が堆積された状態となる。
【0008】
次に、TFT付き基板801および第1の透明導電膜851上に、スパッタ法によって、R色用およびG色用の画素電極850R,850Gを構成すべき第2の透明導電膜852を形成する(ステップS908)。なお、第2の透明導電膜852の材料については、第1の透明導電膜851の材料と同じである。次に、図13(c)に示すように、R色用およびG色用の画素電極850R,850Gが形成されるべき領域がマスクされるようレジスト膜890をパターニングする(ステップS910)。更に、エッチングによって第2の透明導電膜852の不要な部分を除去する(ステップS912)。その後、レジスト膜890を剥離する(ステップS914)。これにより、図13(d)に示すように、TFT付き基板801上の領域のうちR色用の画素電極850Rが形成されるべき領域には第1の透明導電膜851と第2の透明導電膜852とが堆積され、G色用の画素電極850Gが形成されるべき領域には第2の透明導電膜852が堆積された状態となる。
【0009】
次に、TFT付き基板801および第2の透明導電膜852上に、スパッタ法によって、R色用,G色用,およびB色用の画素電極850R,850G,および850Bを構成すべき第3の透明導電膜853を形成する(ステップS916)。なお、第3の透明導電膜853の材料については、第1の透明導電膜851および第2の透明導電膜852の材料と同じである。次に、図13(e)に示すように、R色用,G色用,およびB色用の画素電極850R,850G,および850Bが形成されるべき領域がマスクされるようレジスト膜890をパターニングする(ステップS918)。更に、エッチングによって第3の透明導電膜853の不要な部分を除去する(ステップS920)。その後、レジスト膜を剥離する(ステップS922)。これにより、図13(f)に示すように、TFT付き基板801上の領域のうちR色用の画素電極850Rが形成されるべき領域には第1の透明導電膜851と第2の透明導電膜852と第3の透明導電膜853とが堆積され、G色用の画素電極850Gが形成されるべき領域には第2の透明導電膜852と第3の透明導電膜853とが堆積され、B色用の画素電極850Bが形成されるべき領域には第3の透明導電膜853が堆積された状態となる。
【0010】
以上のように、画素電極を構成すべき透明導電膜として膜厚の異なる3種類の透明導電膜を従来技術を用いて基板に形成するためには、フォトリソグラフィ法を用いた一連の処理が3回繰り返されなければならない。このため、図10に示した従来の一般的な構成の液晶パネルと比較して、製造工程が大幅に増加する。
【0011】
そこで本発明は、製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできるカラー表示パネルを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルであって、
前記画素電極は、前記第1の色の着色層に対応するように設けられ、互いに異なる材料からなる第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された第1の色用の画素電極と、前記第2の色の着色層に対応するように設けられ、前記第1の透明導電膜からなる第2の色用の画素電極と、前記第3の色の着色層に対応するように設けられ、前記第2の透明導電膜からなる第3の色用の画素電極とを含むことを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第1の色用の画素電極を構成する第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とは、前記第1の基板の一部を構成する母基板上に前記第1の透明導電膜、前記第2の透明導電膜の順で積層され、
前記第1の透明導電膜は、前記第2の透明導電膜よりも耐エッチング性が高いことを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、非晶質の酸化インジウムスズからなることを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第2の発明において、
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、酸化インジウム亜鉛からなることを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第1の発明において、
前記第1の透明導電膜の膜厚と前記第2の透明導電膜の膜厚とが異なることを特徴とする。
【0019】
第8の発明は、透明導電膜からなり表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルの製造方法であって、
前記第1の基板の一部を構成する母基板上に第1の透明導電膜を堆積させる第1工程と、
前記第1工程で前記母基板上に堆積された第1の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第2の色の着色層に対応する部分のみが前記母基板上に残るように、フォトリソグラフィ法により前記第1の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第2工程と、
前記第1の透明導電膜を覆うように前記母基板上に前記第1の透明導電膜とは異なる材料からなる第2の透明導電膜を堆積させる第3工程と、
前記第3工程で前記母基板上に堆積された第2の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第3の色の着色層に対応する部分のみが残るように、フォトリソグラフィ法により前記第2の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第4工程と
を含むことを特徴とする。
【0020】
第9の発明は、第8の発明において、
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜よりも耐エッチング性の低い第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0021】
第10の発明は、第9の発明において、
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0022】
第11の発明は、第10の発明において、
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0023】
第12の発明は、第9の発明において、
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として酸化インジウム亜鉛からなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0024】
第13の発明は、第12の発明において、
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【0025】
第14の発明は、第8の発明において、
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜とは膜厚の異なる第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
上記第1の発明によれば、表示パネルの第1の基板に形成される画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を、色毎(典型的にはRGBの色毎)に異ならせることができる。このため、透明導電膜の膜厚を色毎に適当な大きさ(厚さ)にすることによって、色毎に透過率や色度の調整が施される。これにより、色毎に好適な光学特性を得ることが可能となる。また、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜には、互いに異なる材料が用いられている。このため、第1の基板の製造工程において、第1の透明導電膜および第2の透明導電膜の一方をエッチングする際に他方がエッチングされないようにすることができる。これにより、フォトリソグラフィ法による一連の処理を2回繰り返すだけで、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された膜からなる画素電極,第1の透明導電膜からなる画素電極,および第2の透明導電膜からなる画素電極という3種類の画素電極を形成することが可能となる。以上より、製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできる表示パネルが実現される。
【0027】
上記第2の発明によれば、第1の基板の製造工程において母基板上に第1の透明導電膜,第2の透明導電膜の順序で導電膜が積層され、かつ、第1の透明導電膜には第2の透明導電膜よりも耐エッチング性が高い材料が用いられる。このため、第1の基板の製造工程において第2の透明導電膜をエッチングする際に、適当なエッチング液を用いることによって、先に母基板上に形成された第1の透明導電膜がエッチングされることを確実に防止することができる。
【0028】
上記第3から第6の発明によれば、上記第2の発明と同様、第1の基板の製造工程において第2の透明導電膜をエッチングする際に、適当なエッチング液を用いることによって、先に母基板上に形成された第1の透明導電膜がエッチングされることを確実に防止することができる。
【0029】
上記第7の発明によれば、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とは異なる膜厚にされる。第1の色用の画素電極は第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された膜からなり、第2の色用の画素電極は第1の透明導電膜からなり、第3の色用の画素電極は第2の透明導電膜からなるので、第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが異なる膜厚にされることにより、第1,第2,および第3の色用の画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を確実に互いに異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【図2】上記第1の実施形態に係る液晶パネルの詳細構成を示す断面図である。
【図3】上記第1の実施形態におけるアレイ基板の製造方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】上記第1の実施形態におけるアレイ基板の製造方法について説明するための図である。
【図5】上記第1の実施形態におけるアレイ基板の製造方法について説明するための図である。
【図6】上記第1の実施形態における画素電極の形成手順を示すフローチャートである。
【図7】上記第1の実施形態における画素電極の形成手順について説明するための図である。
【図8】透明導電膜の膜厚と透過率(Y値)との関係を示す図である。
【図9】様々な膜厚の透明導電膜を用いて白色表示を行った際に得られた色度を示す図である。
【図10】従来の一般的な液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【図11】特開2008−9214号公報に開示された液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。
【図12】スパッタ法を用いて膜厚の異なる3種類の透明導電膜を基板に形成すると仮定したときの画素電極の形成手順を示すフローチャートである。
【図13】スパッタ法を用いて膜厚の異なる3種類の透明導電膜を基板に形成することについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0032】
<1.液晶パネルの概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す要部断面図である。この液晶パネルは、1対のガラス基板であるアレイ基板100とカラーフィルタ基板200とから構成されている。アレイ基板100とカラーフィルタ基板200とは、液晶300を挟持するようにして、互いに対向するように配置されている。
【0033】
アレイ基板100は、液晶を駆動するためのTFTがガラス基板上にマトリクス状に形成された状態の基板(TFT付き基板)101と、TFT付き基板101上に積層された第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とからなるR色用の画素電極150Rと、TFT付き基板101上に形成された第1の透明導電膜151からなるG色用の画素電極150Gと、TFT付き基板101上に形成された第2の透明導電膜152からなるB色用の画素電極150Bと、液晶分子を一定方向に配列させるためにTFT付き基板101および画素電極150R,150G,および150B上に形成された配向膜160とによって構成されている。第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とについては、互いにエッチング特性の異なる2種類の透明導電膜が用いられる。なお、本実施形態においては、具体的には、第1の透明導電膜151には多結晶ITOからなる膜が採用され、第2の透明導電膜152にはアモルファス(非晶質)ITOからなる膜が採用されている。
【0034】
カラーフィルタ基板200は、ガラス基板210と、ガラス基板210上に形成されたR色,G色,およびB色の着色層220R,220G,および220Bと、光漏れを防ぐためにそれら着色層間に設けられたブラックマトリクス(不図示)と、着色層上に保護膜(不図示)等を介して形成された透明導電膜230と、液晶分子を一定方向に配列させるために透明導電膜230上に形成された配向膜240とによって構成されている。
【0035】
なお、本実施形態においては、R色用,G色用,およびB色用の画素電極150R,150G,および150Bによってそれぞれ第1の色用,第2の色用,および第3の色用の画素電極が実現されている。また、R色,G色,およびB色の着色層220R,220G,および220Bによってそれぞれ第1,第2,および第3の色の着色層が実現されている。さらに、TFT付き基板101によって母基板が実現されている。
【0036】
<2.アレイ基板の詳細構成>
次に、アレイ基板100の詳細構成について説明する。図2は、本実施形態における液晶パネルの詳細構成を示す断面図である。図2に示すように、ガラス基板110上にベースコート膜120が形成され、そのベースコート膜120上に半導体層130が形成されている。半導体層130は、チャネル領域130C,ソース領域130S,およびドレイン領域130Dを有している。そして、ベースコート膜120と半導体層130とを覆うようにゲート絶縁膜122が形成され、そのゲート絶縁膜122上にゲート電極140が形成されている。更に、ゲート絶縁膜122とゲート電極140とを覆うように層間膜124が形成され、その層間膜124上に有機絶縁膜126が形成されている。また、層間膜124には、半導体層130のソース領域130Sおよびドレイン領域130Dにそれぞれ到達するコンタクトホール170S,170Dが形成されている。そして、層間膜124上にはソース電極142およびドレイン電極144が形成され、それらソース電極142およびドレイン電極144はそれぞれコンタクトホール170S,170Dを介してソース領域130Sおよびドレイン領域130Dに接続されている。
【0037】
有機絶縁膜126上には、画素電極が形成されている。詳しくは、有機絶縁膜126上において、カラーフィルタ基板200のR色の着色層220R,G色の着色層220G,およびB色の着色層220Bとそれぞれ対向する位置に、R色用の画素電極150R,G色用の画素電極150G,およびB色用の画素電極150Bが形成されている。R色用の画素電極150Rについては、有機絶縁膜126上に積層された第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とによって実現されている。G色用の画素電極150Gについては、有機絶縁膜126上に形成された第1の透明導電膜151によって実現されている。B色用の画素電極150Bについては、有機絶縁膜126上に形成された第2の透明導電膜152によって実現されている。なお、有機絶縁膜126にはコンタクトホール172が設けられており、画素電極150R,150G,および150Bはコンタクトホール172を介してドレイン電極144に接続されている。また、画素電極150R,150G,および150B上には、液晶分子を一定方向に配列させるための配向膜160が形成されている。
【0038】
<3.製造方法>
図3〜図7を参照しつつ、本実施形態におけるアレイ基板100の製造方法について説明する。図3は、アレイ基板100の製造方法の手順を示すフローチャートである。まず、図4(a)に示すように、洗浄後のガラス基板110上に、例えばプラズマCVD法によってベースコート膜120を形成する(ステップS10)。ベースコート膜120としては、シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(SiN),シリコン酸窒化膜(SiNO),又はこれらの複合膜などを採用することができる。
【0039】
次に、ベースコート膜120上に半導体層130を形成する(ステップS12)。これについては、例えば、PECVD法によってアモルファスシリコン(a−Si)層をベースコート膜120上に形成した後、加熱処理によってそのアモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン(p−Si)層を形成する。そして、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによってポリシリコン層の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図4(b)に示すように、ポリシリコン層が所望の形状に成形され、半導体層130が形成される。
【0040】
次に、図4(c)に示すように、ベースコート膜120および半導体層130上に、例えばプラズマCVD法によってゲート絶縁膜122を形成する(ステップS14)。ゲート絶縁膜122としては、シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(SiN),シリコン酸窒化膜(SiNO),又はこれらの複合膜などを採用することができる。
【0041】
次に、ゲート絶縁膜122上にゲート電極140を形成する(ステップS16)。これについては、まず、スパッタ法によって、クロム(Cr),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),チタン(Ti),アルミニウム(Al)などを材料とする金属膜をゲート絶縁膜122上に形成する。そして、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによって金属膜の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図4(d)に示すように、金属膜が所望の形状に成形され、ゲート電極140が形成される。
【0042】
次に、図4(e)に示すように、半導体層130のソース領域およびドレイン領域となるべき部分にゲート絶縁膜122を介して不純物を注入する(ステップS18)。これについては、例えばイオンドーピング法による燐イオンの注入が行われる。これにより、ソース領域およびドレイン領域が半導体層130に形成される。
【0043】
次に、図4(f)に示すように、ゲート絶縁膜122およびゲート電極140上に、例えばプラズマCVD法によって層間膜124を形成する(ステップS20)。層間膜124としては、シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(SiN),シリコン酸窒化膜(SiNO),又はこれらの複合膜などを採用することができる。
【0044】
次に、ソース電極142およびドレイン電極144の形成を行う(ステップS22)。これについては、まず、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。そして、層間膜124およびゲート絶縁膜122のエッチングを行うことによりコンタクトホール170S,170Dを形成する。その後、コンタクトホール170S,170Dの内部および層間膜124上に導電膜を堆積させ、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによって導電膜の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図5(a)に示すように、ソース電極142およびドレイン電極144が形成される。
【0045】
次に、図5(b)に示すように、層間膜124,ソース電極142,およびドレイン電極144上に、例えばスピンコーティング法を用いてアクリル樹脂を成膜することによって、有機絶縁膜126を形成する(ステップS24)。
【0046】
次に、ドレイン電極144と有機絶縁膜126上に形成される画素電極とを接続するためのコンタクトホール172を形成する(ステップS26)。これについては、まず、フォトリソグラフィ法によってレジスト膜を所定の形状にパターニングする。更に、エッチングによって有機絶縁膜126の不要な部分を除去した後、レジスト膜を剥離する。これにより、図5(c)に示すように、コンタクトホール172が形成される。
【0047】
次に、有機絶縁膜126上に画素電極を形成する(ステップS28)。これについては、図6および図7を参照しつつ説明する。図6は、本実施形態における画素電極の形成手順を示すフローチャートである。
【0048】
まず、TFT付き基板101上に、スパッタ法によって、R色用およびG色用の画素電極150R,150Gを構成すべき第1の透明導電膜151を形成する(ステップS281)。第1の透明導電膜151には、上述のように、多結晶ITOからなる膜が採用される。次に、図7(a)に示すように、R色用およびG色用の画素電極150R,150Gが形成されるべき領域がマスクされるようフォトリソグラフィ法によってレジスト膜190をパターニングする(ステップS282)。更に、エッチングによって第1の透明導電膜151の不要な部分を除去する(ステップS283)。このとき、例えば王水系の強酸のウェットエッチング液を用いたウェットエッチングが行われる。その後、レジスト膜190を剥離する(ステップS284)。これにより、図7(b)に示すように、TFT付き基板101上の領域のうちR色用およびG色用の画素電極150R,150Gが形成されるべき領域に第1の透明導電膜151が堆積された状態となる。
【0049】
次に、TFT付き基板101および第1の透明導電膜151上に、スパッタ法によって、R色およびB色の画素電極150R,150Bを構成すべき第2の透明導電膜152を形成する(ステップS285)。第2の透明導電膜152には、上述のように、アモルファスITOからなる膜が採用される。なお、ステップS285では、第2の透明導電膜152の膜厚と既にTFT付き基板101上に堆積されている第1の透明導電膜151の膜厚とは、異なる厚さにされる。次に、図7(c)に示すように、R色用およびB色用の画素電極150R,150Bが形成されるべき領域がマスクされるようフォトリソグラフィ法によってレジスト膜190をパターニングする(ステップS286)。更に、エッチングによって第2の透明導電膜152の不要な部分を除去する(ステップS287)。このとき、例えばHCl+HNO3などのウェットエッチング液を用いたウェットエッチングが行われる。その後、レジスト膜190を剥離する(ステップS288)。これにより、図7(d)に示すように、TFT付き基板101上の領域のうちR色用の画素電極150Rが形成されるべき領域には第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とが堆積され、G色用の画素電極150Gが形成されるべき領域には第1の透明導電膜151が堆積され、B色用の画素電極150Bが形成されるべき領域には第2の透明導電膜152が堆積された状態となる。
【0050】
以上のようにして、図1や図2に示したようにRGBの色毎に異なる膜厚(R色用の画素電極150Rについては、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とを合わせた状態での膜厚)の透明導電膜からなる画素電極を有するアレイ基板100が作製される。
【0051】
なお、本実施形態においては、上記ステップS281によって第1工程が実現され、上記ステップS282,S283によって第2工程が実現され、上記ステップS285によって第3工程が実現され、上記ステップS286,S287によって第4工程が実現されている。
【0052】
<4.効果>
本実施形態によれば、アレイ基板100に画素電極として形成される透明導電膜の膜厚が、RGBの色毎に異なる大きさ(厚さ)となる。ところで、透明導電膜の膜厚と透過率(Y値)との関係は、図8に示すようなものとなっている。図8より、透明導電膜の膜厚に応じて透過率が変化することが把握される。また、様々な膜厚の透明導電膜を用いて白色表示を行った際に得られた色度(CIE1931表色系における色度)は、図9に示すようなものとなっている。図9より、透明導電膜の膜厚に応じて人が感じる色が異なることが把握される。この点、本実施形態においてはRGBの色毎に透明導電膜の膜厚が異なる大きさとなっているので、RGBの色毎に透過率や色度の調整が施される。すなわち、RGBの各色用の画素電極150R,150G,および150Bを構成する透明導電膜の膜厚を適当な大きさにすることによって、RGBの色毎に好適な光学特性を得ることが可能となる。
【0053】
また、本実施形態によれば、画素電極を構成する透明導電膜には、互いに材料の異なる2種類の透明導電膜(第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152)が用いられている。具体的には、第1の透明導電膜151には多結晶ITOが採用され、第2の透明導電膜152にはアモルファスITOが採用されている。アモルファスITOに比べて多結晶ITOは耐エッチング性に優れているため、アレイ基板100の製造工程においてTFT付き基板101上に第1の透明導電膜151,第2の透明導電膜152の順序でそれらを積層することによって、第2の透明導電膜152のエッチングの際に第1の透明導電膜151がエッチングされないようにすることができる。このため、フォトリソグラフィ法による一連の処理を2回繰り返すだけで、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152とが積層された膜からなる画素電極,第1の透明導電膜151からなる画素電極,および第2の透明導電膜152からなる画素電極という3種類の画素電極を形成することができる。ここで、第1の透明導電膜151と第2の透明導電膜152との膜厚を異ならせることにより、それら3種類の画素電極を構成する透明導電膜の膜厚を互いに異ならせることが可能となる。これにより、フォトリソグラフィ法による一連の処理を2回繰り返すだけで、互いに異なる膜厚の透明導電膜からなる3種類の画素電極を有するアレイ基板100が実現される。
【0054】
以上より、製造工程を大幅に増加させることなく、カラーフィルタの色毎に好適な光学特性を得ることのできるカラー表示装置が実現される。
【0055】
<5.変形例>
<5.1 第1の変形例>
本変形例においては、第1の透明導電膜151には、TFT付き基板101上にアモルファスITO膜として形成された後に加熱処理によって結晶化された多結晶ITO膜が採用され、第2の透明導電膜152には、上記実施形態と同様、アモルファスITO膜が採用される。本変形例においては、第1の透明導電膜151を形成する際(図6のステップS281)、まず、スパッタ法によって、TFT付き基板101上にアモルファスITO膜を形成する。次に、TFT付き基板101上のアモルファスITO膜に加熱処理(熱アニール処理)を施す。これにより、アモルファスITO膜は多結晶化され多結晶ITO膜となる。
【0056】
<5.2 第2の変形例>
本変形例においては、第1の透明導電膜151には、上記実施形態と同様、多結晶ITO膜が採用され、第2の透明導電膜152には、IZO(indium zinc oxide:酸化インジウム亜鉛)膜(「IZO」は登録商標)が採用される。なお、本変形例においては、第2の透明導電膜152にエッチングが施される際、例えば蓚酸水溶液などの弱酸のウェットエッチング液を用いたウェットエッチングが行われる。
【0057】
<5.3 第3の変形例>
本変形例においては、第1の透明導電膜151には、上記第1の変形例と同様、TFT付き基板101上にアモルファスITO膜として形成された後に加熱処理によって結晶化された多結晶ITO膜が採用され、第2の透明導電膜152には、上記第2の変形例と同様、IZO膜が採用される。
【0058】
<6.その他>
上記実施形態および上記各変形例においては、R色用の画素電極150Rは第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152によって構成され、G色用の画素電極150Gは第1の透明導電膜151によって構成され、B色用の画素電極150Bは第2の透明導電膜152によって構成されているが、本発明はこれに限定されない。いずれの色用の画素電極が第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152によって構成されていても良い。この場合、残りの一方の色用の画素電極が第1の透明導電膜151によって構成され、残りの他方の色用の画素電極が第2の透明導電膜152によって構成されていれば良い。
【0059】
また、第1の透明導電膜151および第2の透明導電膜152として採用する材料の組み合わせは、上記実施形態および上記各変形例に示したものに限定されない。第1の透明導電膜151として採用する材料の耐エッチング性が第2の透明導電膜152として採用する材料の耐エッチング性よりも優れていれば、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
100…アレイ基板
101…TFT付き基板
110,210…ガラス基板
120…ベースコート膜
122…ゲート絶縁膜
124…層間膜
126…有機絶縁膜
130…半導体層
140…ゲート電極
142…ソース電極
144…ドレイン電極
150R,150G,150B…画素電極
151…第1の透明導電膜
152…第2の透明導電膜
160,240…配向膜
170D,170S,172…コンタクトホール
200…カラーフィルタ基板
220R,220G,220B…着色層
230…透明導電膜
300…液晶
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルであって、
前記画素電極は、前記第1の色の着色層に対応するように設けられ、互いに異なる材料からなる第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された第1の色用の画素電極と、前記第2の色の着色層に対応するように設けられ、前記第1の透明導電膜からなる第2の色用の画素電極と、前記第3の色の着色層に対応するように設けられ、前記第2の透明導電膜からなる第3の色用の画素電極とを含むことを特徴とする、表示パネル。
【請求項2】
前記第1の色用の画素電極を構成する第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とは、前記第1の基板の一部を構成する母基板上に前記第1の透明導電膜、前記第2の透明導電膜の順で積層され、
前記第1の透明導電膜は、前記第2の透明導電膜よりも耐エッチング性が高いことを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、非晶質の酸化インジウムスズからなることを特徴とする、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、酸化インジウム亜鉛からなることを特徴とする、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1の透明導電膜の膜厚と前記第2の透明導電膜の膜厚とが異なることを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
透明導電膜からなり表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルの製造方法であって、
前記第1の基板の一部を構成する母基板上に第1の透明導電膜を堆積させる第1工程と、
前記第1工程で前記母基板上に堆積された第1の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第2の色の着色層に対応する部分のみが前記母基板上に残るように、フォトリソグラフィ法により前記第1の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第2工程と、
前記第1の透明導電膜を覆うように前記母基板上に前記第1の透明導電膜とは異なる材料からなる第2の透明導電膜を堆積させる第3工程と、
前記第3工程で前記母基板上に堆積された第2の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第3の色の着色層に対応する部分のみが残るように、フォトリソグラフィ法により前記第2の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第4工程と
を含むことを特徴とする、製造方法。
【請求項9】
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜よりも耐エッチング性の低い第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として酸化インジウム亜鉛からなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜とは膜厚の異なる第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項1】
表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルであって、
前記画素電極は、前記第1の色の着色層に対応するように設けられ、互いに異なる材料からなる第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とが積層された第1の色用の画素電極と、前記第2の色の着色層に対応するように設けられ、前記第1の透明導電膜からなる第2の色用の画素電極と、前記第3の色の着色層に対応するように設けられ、前記第2の透明導電膜からなる第3の色用の画素電極とを含むことを特徴とする、表示パネル。
【請求項2】
前記第1の色用の画素電極を構成する第1の透明導電膜と第2の透明導電膜とは、前記第1の基板の一部を構成する母基板上に前記第1の透明導電膜、前記第2の透明導電膜の順で積層され、
前記第1の透明導電膜は、前記第2の透明導電膜よりも耐エッチング性が高いことを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、非晶質の酸化インジウムスズからなることを特徴とする、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする、請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1の透明導電膜は、多結晶の酸化インジウムスズからなり、
前記第2の透明導電膜は、酸化インジウム亜鉛からなることを特徴とする、請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1の透明導電膜は、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に、当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されたものであることを特徴とする、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1の透明導電膜の膜厚と前記第2の透明導電膜の膜厚とが異なることを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
透明導電膜からなり表示すべき画像に応じた電圧が印加される画素電極を有する第1の基板とカラー表示を行うために前記画素電極に対応するように設けられた第1の色の着色層、第2の色の着色層、および第3の色の着色層を有する第2の基板とからなる表示パネルの製造方法であって、
前記第1の基板の一部を構成する母基板上に第1の透明導電膜を堆積させる第1工程と、
前記第1工程で前記母基板上に堆積された第1の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第2の色の着色層に対応する部分のみが前記母基板上に残るように、フォトリソグラフィ法により前記第1の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第2工程と、
前記第1の透明導電膜を覆うように前記母基板上に前記第1の透明導電膜とは異なる材料からなる第2の透明導電膜を堆積させる第3工程と、
前記第3工程で前記母基板上に堆積された第2の透明導電膜のうち前記第1の色の着色層および前記第3の色の着色層に対応する部分のみが残るように、フォトリソグラフィ法により前記第2の透明導電膜にパターニングおよびエッチングを行う第4工程と
を含むことを特徴とする、製造方法。
【請求項9】
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜よりも耐エッチング性の低い第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1工程では、前記第1の透明導電膜として多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積され、
前記第3工程では、前記第2の透明導電膜として酸化インジウム亜鉛からなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1工程では、前記母基板上に非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が形成された後に当該非晶質の酸化インジウムスズからなる膜が加熱処理によって多結晶化されることによって、前記多結晶の酸化インジウムスズからなる膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第3工程では、前記第1の透明導電膜とは膜厚の異なる第2の透明導電膜が前記母基板上に堆積されることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−48246(P2011−48246A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198028(P2009−198028)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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