説明

表示端末装置及びプログラム

【課題】表示画面内にその大きさに相当するサイズの表示エリアが表示されている場合でも、その表示エリアの端部を見易い位置に変更できるようにする。
【解決手段】カーソルを表示エリアARの右下隅部に向かって移動させると、カーソルは「5」のボタンに接近するようになる。このように指示ボタンBTの近傍までカルーソルを移動したときには、表示エリアARの各端部において、カーソルが位置している側の端部が表示画面DPの中央部分に向かうように、表示エリアARの全体をシフト表示(縮小表示)させると共に、表示エリアAR内の表示内容を同一の縮小率で縮小表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示画面を有する表示端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面上でのポインティング技術としては、タッチパネルを用いた入力操作時に選択項目が指で隠されるのを防ぐために、タッチ位置からずれた位置に矢印(ポインタ)を表示させるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。また、マウスカーソルが画面よりはみ出してしまって、カーソル位置が分からなくなってしまうことを防ぐために、マウスカーソルが画面からはみ出さないようにした技術が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−51908号公報
【特許文献2】特開2000−250686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1、2においては、誤操作を防止する上で有効なものであるが、表示画面の端部(隅部を含む)にある選択項目をタッチしようとした場合や表示画面の端部にカーソルが表示されているような場合に、その端部での表示内容は見づらくなって、カーソルを見逃すこともあり、また、表示エリアの端部に位置している表示操作子(操作ボタン)を指でタッチしようとしても、操作しづらく、誤操作を招くなどの問題が残る。特に、表示画面内にその大きさに相当するサイズの表示エリア(例えば、ウインドウ)が画面の全体に表示されているような場合には、この表示エリアの端部は表示画面の端部と同等となるため、更に、表示エリアの端部での表示内容は見づらくなり、操作もしづらくなってしまう。
【0004】
この発明の課題は、表示画面内にその大きさに相当するサイズの表示エリアが表示されている場合でも、その表示エリアの端部を見易く、操作し易い位置に変更できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、表示画面を有する表示端末装置であって、前記表示画面内でその大きさに相当するサイズの表示エリアを表示する表示手段と、所定操作が行われたか否かを判別する操作判別手段と、この操作判別手段によって所定操作が行われたと判別された際に、前記表示エリアの端部が前記表示画面の中央部分に向かうように前記表示エリアをシフト表示する表示制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に従属する発明として、前記操作判別手段は、前記表示画面内の所定の表示位置へのポイント指示操作が行われたか否かに基づいて前記所定操作が行われたか否かを判別する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0007】
請求項2に従属する発明として、前記表示画面内の所定の表示位置は、前記表示エリアの端部の位置であり、前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部で前記ポイント指示操作に応答して、当該端部が前記表示画面の中央部分に向かうように前記表示エリアをシフト表示する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項3に従属する発明として、前記表示画面上でのタッチ位置を検出する検出手段を更に備え、前記操作判別手段は、前記検出手段によってタッチ位置が検出された際に、前記ポイント指示操作が行われたと判別する、請求項4記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項4に従属する発明として、前記検出手段によってタッチ位置が検出されてから当該タッチが解除された際に、前記表示制御手段は、前記表示エリアのシフト表示を解除して元の表示状態に復帰させる、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項3に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部に対して前記ポイント指示操作が行われた際に、前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部に対して前記ポイント指示操作が行われた際に、その端部を前記表示画面の中央部分に向かう方向にシフト表示する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項6に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、前記表示エリアとその表示内容を縮小変更する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項7に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記表示エリアを縮小変更する際に、この表示エリアの端部とその中央部との縮小率を変えて縮小変更する、ようにしたことを特徴とする請求項8記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項6に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、前記表示エリア内の表示内容をそのままの大きさで当該表示エリアの全体をスライドする、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項3に従属する発明として、前記表示エリア内に表示される表示内容には操作子を含み、前記表示エリアの端部で前記ポイント指示操作が行われた際に、そのポイント位置の近傍に前記操作子が表示されているか否かを判別する表示判別手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記表示判別手段によってポイント位置の近傍に操作子が表示されていると判別された際にシフト表示を行う、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項3に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部に対する前記ポイント指示操作が所定時間継続した際にシフト表示を行う、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項3に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記シフト表示を行ったのち、前記ポイント指示操作が前記表示エリアの端部から外れた場合に元の表示状態に戻す、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項1に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、前記表示エリア全体の各端部が前記表示画面の中央部分に向かうように表示エリアの全体を縮小変更する、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項3あるいは請求項12に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記表示エリア内の表示内容も含めてシフト表示する際に、前記ポイント指示操作によるポイント位置と前記表示内容との相対的な位置関係を保持したままの状態で前記表示エリアをシフト表示する、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項1に従属する発明として、前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、そのシフト開始から終了までの過程で前記表示エリアを変化させる動的表示を行う、ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0020】
また、上述した課題を解決するために請求項16記載の発明は、表示画面内でその大きさに相当するサイズの表示エリアを表示する機能と、所定操作が行われたか否かを判別する機能と、前記所定操作が行われたと判別された際に、前記表示エリアの端部が前記表示画面の中央部分に向かうように、少なくとも当該端部をシフト表示する機能と、を実現させるためのプログラムを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、表示画面内にその大きさに相当するサイズの表示エリアが表示されている場合でも、その表示エリアの端部を見易く、操作し易い位置に変更することができ、当該端部の見易さや操作性を向上させることが可能となるなど、実用性に富んだものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜図10を参照して本発明の実施形態を説明する。
この実施形態は、表示端末装置として携帯電話装置に適用した場合を例示したもので、図1は、この携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図である。
この携帯電話装置は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能に取り付けられた折り畳み自在なもので、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)などが備えられている。
【0023】
CPU1は、記憶部2内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置の全体動作を制御する中核的な中央演算処理装置である。記憶部2は、内部メモリであり、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納され、また、そのデータ領域には、後述する指示ボタンテーブルIB、カーソル位置メモリCMなどが設けられている。記録メディア3は、着脱自在な可搬型メモリ(外部メモリ)で、例えば、SDカード、ICカードなどによって構成され、撮影画像などを保存する。メモリ4は、ワーク領域を有する内部メモリであり、必要に応じてメモリ4内の各種のデータは、記憶部2にセーブされる。
【0024】
電話通信部5は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能(音声電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局(図示せず)との間でデータの送受信を行う電話通信手段で、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部6を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部6から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0025】
操作部7は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、数値キー、文字キーのほか、カーソルキー、カーソル位置でクリック操作(指示操作)を行うクリックキーなどが設けられており、CPU1は、操作部7からの入力信号に応じた処理を実行する。表示部8は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、待受画像などを表示するもので、この表示画面の全域には透明タッチパネルが積層配置されていて、各種の指示ボタン(タッチ操作ボタン)をタッチ操作可能となっている。
【0026】
図2は、表示画面DP内にその大きさに相当するサイズの表示エリアARを出力させた状態を示した図である。
この表示画面DPは、その全体が縦長の矩形をなしており、上述した操作部筐体と表示部筐体との折り畳みを開いた状態においては露出して視認可能となるメイン画面である。なお、表示画面DPは、物理的な画面に限らず、例えば、親ウインドウなどの論理的な画面であってもよい。表示エリアARは、表示画面DPに出力されたウインドウ領域(論理的な画面)を示し、表示画面DPの最大限の大きさ(表示画面DPの大きさに相当するサイズ)を有し、その所定の位置には各種の指示ボタン(タッチ操作ボタン)BTが配置されている。なお、表示画面DPが親ウインドウであれば、表示エリアARは、親ウインドウ内に表示される子ウインドウであってもよい。
【0027】
このように表示画面DPの最大限の大きさで表示エリアARが表示(出力)されている状態において、所定の操作が行われると、CPU1は、一定の条件下で表示エリアARの端部が表示画面DPの中央部分に向かうように表示エリアARの全体をシフト表示させるようにしている。ここで、“所定操作”とは、ポイント指示操作(カーソル操作やタッチ操作)であり、表示エリアARの端部にカーソルを移動させた際に、その近傍に指示ボタンBTが配置されていることを条件に、表示エリアARをシフト表示させるようにしている。
【0028】
また、表示エリアARの端部をタッチ操作した際に、そのタッチが所定時間(例えば、1秒)以上継続していることを条件に、表示エリアARをシフト表示させるようにしている。ここで、“シフト表示”とは、表示エリアARを縮小することによってその端部を表示画面DPの中央部分に向かうように移動させる縮小表示(圧縮表示)を意味しているほか、表示エリアARの全体をスライド移動することによってその端部を表示画面DPの中央部分に向かうように移動させたりスライド移動表示させたりすることを意味している。また、“表示エリアARの端部”とは、矩形の各辺部(周辺部)のいずれかの辺部分を意味し、例えば、表示エリアARの縁から所定幅(例えば、表示エリア横幅・縦幅の1/6程度)離れた位置までが表示エリアARの端部となる。なお、“表示画面DPの中央部分”とは、その中心部あるいは端部以外の部分であってもよい。
【0029】
図3は、指示ボタンテーブルIBを説明するための図である。
指示ボタンテーブルIBは、表示エリアAR内に配置表示された各種の指示ボタンBTに対応付けてその配置位置を示す表示座標を記憶するもので、「指示ボタンコード」、「表示座標」の各項目を有している。この「表示座標」は、表示画面DP上に展開されている平面座標系の座標値であり、表示画面DP内において、表示エリアARの配置位置が変更されると、その変更に応じて各種の指示ボタンBTの「表示座標」が変更される。
【0030】
次に、この実施形態における携帯電話装置の動作概念を図4〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施形態特有の動作を実行することもできる。
なお、図4〜図6は、携帯電話装置の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図4〜図6のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0031】
図4〜図6は、ユーザ操作や割り込み表示指示に応答して実行開始される表示処理を示したフローチャートである。
先ず、CPU1は、表示画面DP内でその最大限の大きさ(表示画面DPの大きさに相当するサイズ)で表示エリアARを出力させると共に(ステップS1)、最大化表示されている表示エリアAR内に納まるように、テキストや画像データなどの表示内容を出力させる(ステップS2)。そして、この表示エリアAR内の各指示ボタンBTの座標位置を特定し、指示ボタンBT毎にその「表示座標」を指示ボタンテーブルIBに記憶させると共に(ステップS3)、表示エリアARの中央位置にカーソルを表示させる(ステップS4)。
【0032】
このような表示状態において、カーソル移動操作が行われると(ステップS5でYES)、カーソル移動に応じてカーソル位置メモリCMの内容を更新したのち(ステップS6)、そのカーソル位置は表示エリアARの端部か否かを調べる(ステップS7)。なお、カーソル位置メモリCMは、表示画面DP上の現在のカーソル位置を記憶するもので、その値はカーソル移動に応じて更新される。いま、表示エリアARの端部以外にカーソルが移動されたときには(ステップS7でNO)、上述のステップS5に戻るが、表示エリアARのいずれかの端部にカーソルが移動されたときには(ステップS7でYES)、カーソルの近傍に指示ボタンBTが配置表示されているかを調べる(ステップS8)。例えば、カーソル位置と指示ボタンBTの表示位置との間が近ければ、カーソルの近傍に指示ボタンBTが配置されていると判断するが、近傍でなければ(ステップS8でNO)、上述のステップS5に戻る。
【0033】
図7(1)は、カーソル(太い矢印)を表示エリアARの右下隅部(端部)に向かって移動させている状態を示した図である。この場合、表示エリアARの下端部には、各種の指示ボタンBTが配置表示されていると共に、その右下隅部には、指示ボタンBTとして「5」のボタンが配置表示されているので、カーソルを表示エリアARの右下隅部に向かって移動させると、カーソルは「5」のボタンに接近するようになる。このように指示ボタンBTの近傍までカルーソルを移動したときには、カーソルの近傍に指示ボタンBTが配置表示されていると判断されるので(ステップS8でYES)、次のステップS9に移り、表示エリアARの各端部においてカーソルが位置している側の端部が表示画面DPの中央部分に向かうように、表示エリアARの全体をシフト表示(縮小表示)させたのち(ステップS9)、表示エリアAR内の表示内容を同一の縮小率で縮小表示させる(ステップS10)。なお、このシフト表示時の縮小率は予め決められた値であるが、ユーザ操作によって任意に設定するようにしてもよい。
【0034】
図7(2)は、シフト表示(縮小表示)後の表示画面DPを示した図であり、この表示画面DPの左上隅部を基準位置として固定した状態において、表示エリアARの下端部と右端部とを示画面DPの中央部分に向かうように縮小表示(圧縮表示)させた場合である。この場合、カーソル位置の近傍である表示エリアARの右下隅部を非圧縮とし、カーソルから遠ざかるほど、高圧縮となるようにしている。また、表示エリアARをシフト表示(縮小表示)する際に、そのシフト開始から終了までの過程において当該表示エリアARを変化させる動的表示を行うようにしている。例えば、図7(1)の表示状態から図7(2)の表示状態に一瞬にして変化するのではなく、その変化過程が視認可能となるように徐々にその大きさを変化させるようにしている。
【0035】
なお、図7(2)は、カーソルを表示エリアARの右下隅部に向かって移動させた際のシフト表示(縮小表示)を例示したが、他の端部にカーソルを移動した場合も同様なシフト表示(縮小表示)が行われる。すなわち、図8(1)は、表示画面DPの左上隅部にカーソルを移動させた場合で、表示エリアARの各端部のうち、カーソルが位置している側の端部(左上隅部)、つまり、表示エリアARの上端部と左端部が表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示(縮小表示)される。
【0036】
図8(2)は、表示画面DPの下端部にカーソルを移動させた場合で、表示エリアARの各端部のうち、カーソル位置側の端部(下端部)が表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示(縮小表示)される。すなわち、図8(1)に示すように、ポイント指定された位置が表示エリアARの隅部であれば、この隅部を構成する2辺の端部を均等にシフト表示させるが、図8(2)に示すように、ポイント指定された位置が隅部以外の端部であれば、その辺の端部のみをシフト表示させる。
【0037】
このような縮小表示を行ったのち、CPU1は、表示エリアAR内の各指示ボタンBTの「表示座標」を更新して指示ボタンテーブルIBに記憶させる(ステップS11)。そして、表示エリアARをシフト表示したことを示すシフトフラグ(図示せず)をセットしたのち(ステップS12)、シフト表示後からの経過時間をカウントする計時動作を開始する(ステップS13)。その後、ステップS5に戻り、カーソル操作の有無を調べたり、クリック操作(指示操作)の有無を調べたり(図5のステップS14)、表示画面DP上でのタッチ操作の有無を調べたりするが(ステップS19)、いずれの操作も行われなければ(ステップS19でNO)、上述したシフトフラグのセット有無を調べ(ステップS20)、それがリセットされていれば(ステップS20でNO)、図4のステップS5に戻って操作待ち状態となる。
【0038】
また、上述のようなシフト表示(縮小表示)によってシフトフラグがセットされている場合には(ステップS20でNO)、上述の計時動作によって計数されたカウント値を参照し、シフト表示を行ってから5秒経過したかを調べ(ステップS21)、5秒の経過前であれば、図4のステップS5に戻り、操作待ち状態となる。一方、表示エリアARがシフト表示されている状態でクリック操作が行われたときには(図5のステップS14でYES)、カーソル位置は指示ボタンBTの位置かを調べ(ステップS15)、その他の位置でクリック操作が行われたときには、このシフト表示を解除するために図4のステップS1に戻って元の表示状態に復帰させる。
【0039】
指示ボタンBTの位置でクリック操作が行われたときには(ステップS15でYES)、その指示ボタンBTは表示エリアARの縮小を指示する縮小ボタンRB(図9参照)であるかを調べるが(ステップS16)、縮小ボタンRB以外の指示ボタンBTがクリック操作されたときには、その指示ボタンBTに対応付けられている表示内容を読み出したのち(ステップS18)、図4のステップS1に戻り、元の表示状態に復帰させる。この場合、図8(3)に示すように、表示エリアARの右下隅部に配置表示されている「5」のボタンにカーソルが位置している状態において、このボタン上でクリック操作が行われると、当該カーソルを表示エリアARの右下隅部から中央部分に移動させたのち、元の表示状態に復帰させるようにしている(図8(4)参照)。
【0040】
また、縮小ボタンRBがクリック操作されたときには(ステップS16でYES)、表示エリアARの各端部が表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示(縮小表示)させる(ステップS17)。図9は、縮小ボタンRBのクリック操作に応答して、表示エリアARの各端部を均等に縮小させたシフト表示の状態を示した図で、表示エリアARの各端部が表示画面DPの中央部分に向かうように均等に移動することによって表示エリアARの全体が縮小表示される。なお、図示の例では、縮小ボタンRBを表示エリアARの右上隅部に配置した場合である。このような縮小表示を行ったのちは、図4のステップS10に移り、表示エリアAR内の表示内容を同一の縮小率で縮小表示させる。以下、上述のステップS11〜S13を実行したのち、操作待ち状態となる(ステップS5)。
【0041】
一方、タッチ操作が行われたときには(ステップS19でYES)、図6のフローに移り、タッチ位置を取得したのち(ステップS23)、このタッチ位置は指示ボタンBTの位置かを調べ(ステップS24)、指示ボタンBTの位置であれば、この指示ボタンBTに対応する表示内容を読み出したのち(ステップS25)、図4のステップS1に戻り、元の表示状態に復帰させる。また、タッチ位置が指示ボタンBTの位置でなければ(ステップS24でNO)、タッチ位置は表示エリアARの端部であるかを調べ(ステップS26)、端部以外の位置がタッチされたときには(ステップS26でNO)、そのタッチ位置にカーソルを移動表示させたのち(ステップS32)、図4のステップS1に戻る。
【0042】
また、表示エリアARの端部がタッチされたときには(ステップS26でYES)、そのタッチ操作は特殊操作、つまり、所定時間(例えば、1秒間)継続したタッチ操作であるかを調べ(ステップS27)、特殊なタッチ操作でなければ、図4のステップS5に戻り、操作待ち状態となる。いま、特殊なタッチ操作であれば(ステップS27でYES)、表示エリアARの各端部のうち、タッチされた位置側の端部が表示画面DPの中央部分に向かうように当該端部をシフト表示(スライド移動表示)させる(ステップS28)。
【0043】
図10は、シフト表示(スライド移動表示)の状態を示した図で、表示エリアAR及びその表示内容の大きさを変えずに、そのままの大きさで表示エリアARの全体をスライドすることによってシフト表示させた状態を示した図である。
図示の例では、表示エリアARの右下隅部をタッチした場合を示し、このタッチ操作に応答して表示エリアARの全体を斜め左上方向にスライド移動させた場合である。なお、この移動量は予め決められた値であるが、ユーザ操作によって任意に設定するようにしてもよい。
【0044】
このようなシフト表示(スライド移動表示)を行ったのち、表示エリアAR内の各指示ボタンBTの「表示座標」を更新して指示ボタンテーブルIBに記憶させる(ステップS29)。そして、表示エリアARをシフト表示したことを示すシフトフラグをセットしたのち(ステップS30)、シフト表示後からの経過時間をカウントする計時動作を開始する(ステップS31)。その後、図4のステップS5に戻る。なお、表示エリアARの端部をタッチしている状態からそのタッチ位置が端部から外れたときには(ステップS26でNO)、そのタッチ位置にカーソルを移動させたのち(ステップS32)、図4のステップS1に戻り、元の表示状態に復帰させる。
【0045】
他方、上述のようなシフト表示(縮小表示/スライド移動表示)を行ってから5秒が経過したときには(図5のステップS21)、上述のシフトフラグをリセットしたのち(ステップS22)、図4のステップS1に戻り、表示エリアのシフト表示を解除して、元の表示状態に復帰させる。なお、シフト表示の解除する際にも上述したように表示エリアARを変化させる動的表示を行うようにしてもよい。例えば、図7(3)の表示状態から図7(4)の表示状態に一瞬にして変化するのではなく、その変化過程が視認可能となるように徐々にその大きさを変化させるようにしてもよい。
【0046】
以上のように、この実施形態においてCPU1は、表示画面DP内でその大きさに相当するサイズの表示エリアARが表示されている状態において、所定操作が行われた際に、表示エリアARの端部が表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示するようにしたので、その端部を見易く、操作し易い位置に変更することができ、その端部に対するポイント指示も容易となり、実用性に富んだものとなる。特に、実装上や物理的に表示画面のサイズが制約される携帯電話装置にあっては、見易さと操作性を大幅に向上させることが可能となる。
【0047】
表示画面DP内の所定の表示位置へのポイント指示操作(カーソル操作やタッチ操作)が行われたか否かに基づいて所定操作が行われたか否かを判別するようにしたので、必要に応じてシフト表示を行うことができる。
【0048】
表示画面DP内の所定の表示位置は、表示エリアARの端部の位置であり、表示エリアARの端部へのポイント指示操作で当該端部を表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示するようにしたので、表示エリアARの各端部のうち、所望する端部をシフト表示させることができる。
【0049】
ポイント指示操作は、表示画面DP上でのタッチ操作であり、所望する位置でのタッチ操作でシフト表示を行わせることができる。
【0050】
タッチ位置が検出されてから当該タッチが解除された際に、表示エリアARのシフト表示を解除して元の表示状態に復帰させるようにしたので、特別な操作を行ことなく、元の表示状態に復帰させることができる。
【0051】
表示エリアARの端部に対してポイント指示操作が行われた際に、その端部を表示画面DPの中央部分に向かう方向にシフト表示するようにしたので、例えば、ポイント指定された位置が表示エリアARの隅部であれば、この隅部を構成する2辺の端部を均等にシフト表示させ、ポイント指定された位置が隅部以外の端部であれば、その辺の端部のみをシフト表示させることができる。
【0052】
シフト表示を行う際に、表示エリアARとその表示内容を縮小変更するようにしたので、シフト表示後においても表示エリアARの全体内容を視認することができる。
【0053】
表示エリアARを縮小変更する際に、この表示エリアARの端部とその中央部との縮小率を変えて縮小変更するようにしたので、例えば、カーソル位置の近傍である表示エリアARの右下隅部を非圧縮とし、カーソルから遠ざかるほど、高圧縮となるように部位毎にその縮小率を異なるようにすることができる。
【0054】
シフト表示を行う際に、表示エリアAR内の表示内容をそのままの大きさで当該表示エリアARの全体をスライドするようにしたので、シフト表示後においても表示内容を元の大きさで視認することができる。
【0055】
表示エリアARの端部でポイント指示操作が行われた際に、そのポイント位置の近傍に指示ボタンBTが表示されていれば、シフト表示を行うようにしたので、シフト表示後、指示ボタンBTを素早く確実に操作することができる。
【0056】
表示画面DPの端部に対するポイント指示操作(タッチ操作)が所定時間継続した場合に、シフト表示を行うようにしたので、操作時間に応じてシフト表示を制御することができる。
【0057】
シフト表示を行ったのち、ポイント指示操作(タッチ操作)が表示エリアARの端部から外れた場合に元の表示状態に戻すようにしたので、シフト表示の解除を容易に行うことができる。
【0058】
縮小ボタンRBの操作に応じたシフト表示時に、表示エリアAR全体の各端部が表示画面DPの中央部分に向かうように表示エリアの全体を縮小変更するようにしたので、表示エリアARの全体バランスを崩すことなく、その全体内容を視認することができる。
【0059】
表示エリアARの表示内容も含めてシフト表示する際に、ポイント指示操作によるポイント位置と表示内容との相対的な位置関係を保持したままの状態で表示エリアARをシフト表示するようにしたので、シフト表示によってポイント位置が崩れることはなく、正確なポイント指示を実現することが可能となる。
【0060】
シフト表示を行う際に、そのシフト開始から終了までの過程で表示エリアARを動的表示するようにしたので、シフト表示による変化であることをユーザに知らせることができる。
【0061】
なお、上述した実施形態においては、シフト表示として、表示エリアARの縮小表示あるいはスライド移動表示を例示したが、表示エリアARを複数の分割エリアに分け、この表示エリアARの各端部のうち、ポイント指示された端部を含む分割エリアを他の分割エリアの上に重ね合わせて表示するシフト表示であってもよい。この場合、表示エリアARの端部が表示画面DPの中央部分に向かうように重ね合わせ表示すればよい。
【0062】
その他、表示端末装置としては、携帯電話装置に限らず、例えば、PDA(個人用の携帯情報端末)、PC(パーソナルコンピュータ)などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】表示端末装置として適用した携帯電話装置の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】表示画面DP内にその大きさに相当するサイズの表示エリアARを出力させた状態を示した図。
【図3】指示ボタンテーブルIBを説明するための図。
【図4】ユーザ操作や割り込み表示指示に応答して実行開始される表示処理を示したフローチャート。
【図5】図4の動作に続くフローチャート。
【図6】図5の動作に続くフローチャート。
【図7】(1)〜(4)は、表示画面DP内でその大きさに相当するサイズの表示エリアARが表示されている状態から表示エリアARがシフト表示された状態に移行したのち、このシフト表示の状態が解除されて元の状態に復帰するまでの過程を示した表示状態図。
【図8】(1)は、表示画面DPの左上隅部にカーソルが位置している場合で、表示エリアARの上端部と左端部が表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示(縮小表示)されることを示した図、(2)は、表示画面DPの下端部にカーソルが位置している場合で、表示エリアARの下端部が表示画面DPの中央部分に向かうようにシフト表示(縮小表示)されることを示した図。
【図9】縮小ボタンRBのクリック操作に応答して、表示エリアARの各端部を均等に縮小させたシフト表示状態を示した図。
【図10】シフト表示(スライド移動表示)の状態を示した図で、表示エリアARの大きさ及びその表示内容を変えずに、そのままの大きさで表示エリアARの全体をスライドすることによってシフト表示した状態を示した図。
【符号の説明】
【0064】
1 CPU
2 記憶部
7 操作部
8 表示部
DP 表示画面
AR 表示エリア
BT 指示ボタン
RB 縮小ボタン
IB 指示ボタンテーブル
CM カーソル位置メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示端末装置であって、
前記表示画面内でその大きさに相当するサイズの表示エリアを表示する表示手段と、
所定操作が行われたか否かを判別する操作判別手段と、
この操作判別手段によって所定操作が行われたと判別された際に、前記表示エリアの端部が前記表示画面の中央部分に向かうように前記表示エリアをシフト表示する表示制御手段と、
を具備したことを特徴とする表示端末装置。
【請求項2】
前記操作判別手段は、前記表示画面内の所定の表示位置へのポイント指示操作が行われたか否かに基づいて前記所定操作が行われたか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の表示端末装置。
【請求項3】
前記表示画面内の所定の表示位置は、前記表示エリアの端部の位置であり、
前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部で前記ポイント指示操作に応答して、当該端部が前記表示画面の中央部分に向かうように前記表示エリアをシフト表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の表示端末装置。
【請求項4】
前記表示画面上でのタッチ位置を検出する検出手段を更に備え、
前記操作判別手段は、前記検出手段によってタッチ位置が検出された際に、前記ポイント指示操作が行われたと判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の表示端末装置。
【請求項5】
前記検出手段によってタッチ位置が検出されてから当該タッチが解除された際に、前記表示制御手段は、前記表示エリアのシフト表示を解除して元の表示状態に復帰させる、
ようにしたことを特徴とする請求項4記載の表示端末装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部に対して前記ポイント指示操作が行われた際に、その端部を前記表示画面の中央部分に向かう方向にシフト表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の表示端末装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、前記表示エリアとその表示内容を縮小変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の表示端末装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記表示エリアを縮小変更する際に、この表示エリアの端部とその中央部との縮小率を変えて縮小変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の表示端末装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、前記表示エリア内の表示内容をそのままの大きさで当該表示エリアの全体をスライドする、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の表示端末装置。
【請求項10】
前記表示エリア内に表示される表示内容には操作子を含み、前記表示エリアの端部で前記ポイント指示操作が行われた際に、そのポイント位置の近傍に前記操作子が表示されているか否かを判別する表示判別手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記表示判別手段によってポイント位置の近傍に操作子が表示されていると判別された際にシフト表示を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の表示端末装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記表示エリアの端部に対する前記ポイント指示操作が所定時間継続した際にシフト表示を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の表示端末装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記シフト表示を行ったのち、前記ポイント指示操作が前記表示エリアの端部から外れた場合に元の表示状態に戻す、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の表示端末装置。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、前記表示エリア全体の各端部が前記表示画面の中央部分に向かうように表示エリアの全体を縮小変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の表示端末装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記表示エリア内の表示内容も含めてシフト表示する際に、前記ポイント指示操作によるポイント位置と前記表示内容との相対的な位置関係を保持したままの状態で前記表示エリアをシフト表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項3あるいは請求項13記載の表示端末装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記シフト表示を行う際に、そのシフト開始から終了までの過程で前記表示エリアを変化させる動的表示を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の表示端末装置。
【請求項16】
コンピュータに対して、
表示画面内でその大きさに相当するサイズの表示エリアを表示する機能と、
所定操作が行われたか否かを判別する機能と、
前記所定操作が行われたと判別された際に、前記表示エリアの端部が前記表示画面の中央部分に向かうように前記表示エリアをシフト表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−33413(P2010−33413A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196251(P2008−196251)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】