表示装置、及び、プログラム
【課題】 表示画面上の指位置の変化に応じた表示処理を行うにあたり、ユーザ間の個体差によらず操作性を向上させた表示装置を提供する。
【解決手段】 2つの指位置が取得されると、2つの指位置から操作枠の大きさが設定されて、表示画面に操作枠が表示される。そして、操作枠内で2つの指位置の移動があった場合(S220,S230)、操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動として変換し(S240)、表示処理を行う(S250)。操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動に変換する場合(S240)、操作枠を基準とした操作枠内における指位置の変化割合を、表示画面全体を基準とした表示画面全体における指位置の変化割合とする。
【解決手段】 2つの指位置が取得されると、2つの指位置から操作枠の大きさが設定されて、表示画面に操作枠が表示される。そして、操作枠内で2つの指位置の移動があった場合(S220,S230)、操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動として変換し(S240)、表示処理を行う(S250)。操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動に変換する場合(S240)、操作枠を基準とした操作枠内における指位置の変化割合を、表示画面全体を基準とした表示画面全体における指位置の変化割合とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばナビゲーション装置に採用される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置では、表示装置に地図を表示することで視覚を通じた案内を行っている。表示装置には液晶などが用いられるが、近年、液晶の大型化が進み、表示装置によって、十分な量の情報が利用者へ伝達可能となってきた。
【0003】
ところで、ナビゲーション装置には、表示装置の画面をタッチすることで入力操作を可能にするタッチパネルを実装するものが多い。このようなタッチパネルを採用すると、直感的な入力操作が可能となるため、ユーザの操作性の向上に寄与する。
【0004】
従来、タッチパネルを採用したナビゲーション装置として、タッチした2本の指をスライドさせることにより、表示画面の拡大縮小などを行う表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、画面にタッチした2本の指を近づけることで画面が縮小表示され、2本の指を遠ざけることで画面が拡大表示されるという具合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−216991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述したように表示画面が大型化する傾向にあるため、特許文献1に記載された発明では、十分な操作ができない虞がある。
例えば、親指と人差指とでタッチする場合、親指と人差指とを拡げられる間隔に限界があり、大型の表示画面で指を近づける方向へスライドさせ画面を縮小表示させようとしても、表示画面全体の大きさに対して指の移動量が小さいため、十分に縮小されないといった事態が起こり得る。すなわち、表示画面が大型化されるほど、表示画面の操作が困難になる。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示画面上の指位置の変化に応じた表示処理を行うにあたり、表示画面の大きさによらず操作性を向上させた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示装置は、指位置検出手段が、表示手段の表示画面上における利用者の指位置を検出する。指位置検出手段は、例えばタッチパネルなどで構成される。もちろん、表示画面上の指位置が検出されればよく、必ずしもタッチされなくてもよい。したがって、タッチパネルに代え近接センサによって構成してもよい。
【0009】
このとき、表示処理実行手段により、指位置の変化が取得され、当該指位置の変化に応じた表示画面における表示処理が実行される。
【0010】
ここで、指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、表示処理実行手段は、当該検出された2つの指位置に基づき、操作枠を表示する。この操作枠は、表示画面よりも小さくかつ当該表示画面に相似形状となっている。ここで「2つの指位置が同時に検出」とあるが、一方の指位置が最初に検出され、それに続いて他方の指位置が検出されるような場合を含む。
【0011】
操作枠が表示されると、表示処理実行手段によって、操作枠内における指位置の変化が
表示画面全体における指位置の変化に変換され、表示画面全体における表示処理が実行される。
【0012】
つまり、相似形状の操作枠を表示させることで、この相似形状の操作枠を表示画面全体と見立てて、操作しようというのである。これにより、たとえ表示画面全体が大きな面積を有するものであっても十分な操作が可能となる。
【0013】
なお、操作枠を「相似形状」としたのは、表示画面の縦横比を同じにすることで操作性を向上させようとするものである。したがって、厳密な意味での相似形状を要求するものではない。
【0014】
ところで、操作枠内における指位置の変化を表示画面全体における指位置の変化に変換する場合、操作枠を基準とした操作枠内における指位置の変化割合を、表示画面全体を基準とした表示画面全体における指位置の変化割合とするとよい。このようにすれば、操作枠基準の操作が表示画面基準の操作となるため、操作性を一層向上させることができる。
【0015】
操作枠の大きさに関しては、例えば、検出された2つの指位置間の距離が対角線の長さとなるように操作枠の大きさを決定することが考えられる。2つの指位置間の距離を対角線とすれば、操作枠の縦横の長さは当該距離よりも小さくなるため、操作性の向上が図られる。
【0016】
また例えば、検出された2つの指位置が含まれる最小の大きさとなるように操作枠の大きさを決定することが考えられる。このとき、2つの指位置を含むように操作枠を表示すれば、例えばタッチパネルの場合、表示画面から指を離すことなく操作を行うことができる。ここで「2つの指位置を含む」には、操作枠上に指位置が検出される場合を含む。
【0017】
また例えば、検出された2つの指位置に加え、過去に表示した操作枠の大きさに基づき、操作枠の大きさを決定することが考えられる。この場合、過去に表示した操作枠の大きさも用いられるため、操作枠が妥当な大きさに決定される。これにより、操作性を一層向上させることができる。
【0018】
操作枠の表示位置に関しては、例えば上述したように2つの指位置が含まれる位置とすることが例示される。ただし、表示画面の例えば中央付近に表示すると、操作に際し表示画面が見にくくなる虞がある。そこで、表示画面の周縁部に操作枠を表示するようにしてもよい。このようにすれば、操作する指等で表示画面が隠れてしまうことが少なくなり、この点で、操作性を向上させることができる。
【0019】
ところで、表示画面に複数の分割表示領域を設定することが考えられる。例えば、ナビゲーション装置で言えば、左右に2つの分割表示領域を設定し、左側の分割表示領域に地図を表示しつつ、右側の分割表示領域に交差点の拡大図を表示するという具合である。
【0020】
そこで、表示処理実行手段が、表示画面に複数の分割表示領域を設定することを前提として、1つの分割表示領域内において指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき当該1つの分割表示領域よりも小さくかつ当該1つの分割表示領域に相似形状の操作枠を表示するようにしてもよい。この場合、表示処理実行手段は、当該操作枠内における指位置の変化を1つの分割表示領域全体における指位置の変化に変換して、1つの分割表示領域全体における表示処理を実行する。このようにすれば、表示画面に複数の分割表示領域が設定されている場合においても、操作対象となる分割表示領域に対して適切な操作枠を表示することができる。
【0021】
このような分割表示領域全体を操作する場合、表示画面における1つの分割表示領域外の位置に操作枠を表示するとよい。つまり、操作対象となる分割表示領域とは別の領域に操作枠を表示するのである。このようにすれば、操作する指等で操作対象となる分割表示領域が隠れてしまうことが少なくなる。また、操作対象となっている分割表示領域以外の領域は、その時点では使用されていない可能性が高く、このような領域に操作枠を表示することで表示領域の有効活用を図ることができる。
【0022】
以上は、表示装置の発明として説明してきたが、プログラムの発明として実現することもできる。すなわち、上記表示装置の指位置検出手段及び表示処理実行手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。このようなプログラムを実行することによって、上記表示装置と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】操作枠表示処理を示すフローチャートである。
【図3】操作枠設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】操作枠設定及び表示に対する理解を深めるための説明図である。
【図5】操作枠内操作処理を示すフローチャートである。
【図6】ベクトル取得変換処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】ベクトル変換に対する理解を深めるための説明図である。
【図8】地図範囲の変更を示す説明図である。
【図9】別形態の操作枠設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】別形態の操作枠設定に対する理解を深めるための説明図である。
【図11】別形態の操作枠の表示位置を示す説明図である。
【図12】操作枠補正処理を示すフローチャートである。
【図13】分割表示領域が設定された場合の操作枠設定を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、一実施形態としてのナビゲーション装置を図面に基づいて説明する。
図1は、ナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置は、制御部10を中心に構成されており、この制御部10には、入力部20、地図データ記憶部30、現在位置算出部40、通信部50、スピーカ60、及び、描画部70が接続されている。
【0025】
制御部10は、通常のコンピュータとして構成されている。制御部10の内部には、CPU、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御部10により、ナビゲーション装置全体が制御される。
【0026】
入力部20は、操作スイッチ21と、タッチパネル22とを備えている。この入力部20は、利用者がシステムに対する指示を行うためのものであり、操作スイッチ21を介した操作入力と、タッチパネル22を介したタッチ入力とが可能となっている。操作スイッチ21は、例えば通常の押しボタン式スイッチ等で構成される。一方、タッチパネル22はディスプレイ71と一体になり、タッチ入力があると、制御部10は、表示画面に応じた処理を実行する。
【0027】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、本形態ではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図データを記憶している。
【0028】
地図データには、施設に関する施設情報が含まれる。具体的には施設を特定するIDと関連付けられて記憶されているPOI(Point Of Interest )情報が記憶されている。POI情報には、施設ID、住所、種別(ジャンル)を示すデータなどが含まれる。
【0029】
現在位置算出部40は、車両の現在位置を算出するものである。例えば、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System )受信機等を有している。これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。
【0030】
通信部50は、外部との情報通信を行うための構成である。外部のセンタ装置(不図示)との通信を行うことで、センタ装置から種々の情報を取得する。また、スピーカ60は音声を出力するものであり、例えば経路の案内等を音声で行う場合に使用される。
【0031】
描画部70には、ディスプレイ71が接続されている。ディスプレイ71は、液晶などを用いて構成されるカラーディスプレイ装置である。かかる構成により、制御部10は、描画部70を介し、ディスプレイ71に、地図や情報を表示する。
【0032】
このような構成の下、本形態では、入力部20のタッチパネル22にて、ディスプレイ71の表示画面上の指位置を検出する。これにより、制御部10は、表示画面上での指位置の変化を取得し、当該指位置の変化に応じた表示処理を実行する。ここで特に本形態では、2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき、表示画面よりも小さくかつ当該表示画面に相似形状の操作枠を表示する。
【0033】
図2のフローチャートに基づき、操作枠表示処理を説明する。この操作枠表示処理は、操作枠が表示されていないときに繰り返し実行されるものである。
最初のS100において、指位置を取得する。ここでは、タッチパネル22からの信号に基づき、画面上の座標値として指位置を取得する。
【0034】
次のS110では、2つの指位置が取得されたか否かを判断する。ここでは、2つの指位置が同時に取得されたか否かを判断する。現実的には、同時に表示画面にタッチしようとしても、2つの指によるタッチは、時間的に前後することが考えられる。そこで、1つの指位置のみが取得された場合、又は、1つの指位置も取得されなかった場合、S110で否定判断される(S110:NO)。このときは、S100からの処理が繰り返される。その後、一方の指位置が取得されるとともに他方の指位置が取得されると、S110にて肯定判断される。ここで2つの指位置が取得されたと判断された場合(S110:YES)、S120へ移行する。
【0035】
S120では、操作枠設定処理を実行する。この処理は、矩形状の操作枠の大きさを決定するものである。この操作枠設定処理では、2つの指位置間の距離を対角線とするような操作枠が設定される。
【0036】
そこで、次に図3及び図4を用い、操作枠設定処理の詳細を説明する。ここでは、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が取得されたものとして説明する。なお、以下、矩形状の表示画面が横長であることを前提とし、表示画面を規定する辺のうち横方向に延びる辺をAとし、これに対応する操作枠の辺を「長辺a」という。また、表示画面を規定する辺のうち縦方向に延びる辺をBとし、これに対応する操作枠の辺を「短辺b」という。また、適宜、記号Gを用い表示画面を「表示画面G」と記述し、記号Sを用い操作枠を「操作枠S」と記述する。
【0037】
最初のS121では、2つの指位置間の距離dを算出する。図4(a)に示す如くである。このとき、図4(b)に示すように、表示画面Gと操作枠Sとが相似形状となっていることから、対角線の傾きは、いずれもθで表わされる。
【0038】
したがって、S122では、操作枠の長辺aを「d・cosθ」として算出する。次のS123では、操作枠の短辺bを「d・sinθ」として算出する。その後、操作枠設定処理を終了する。
【0039】
このようにして操作枠の大きさを決定すると、図2中のS130で、操作枠をディスプレイ71の表示画面に表示する。本形態では、図4(c)に示すように、2つの指位置に基づき、当該指位置の近傍に操作枠Sを表示する。なお、操作枠Sは、所定時間だけ表示されるものとする。
【0040】
操作枠が表示されているとき、この操作枠をあたかも表示画面全体と見立てた操作が可能となる。この操作を実現するのが、図5に示す操作枠内操作処理である。
S200及びS210では、図2中のS100及びS110と同様、指位置を取得し、2つの指位置が取得されたか否かを判断する。
【0041】
S210にて2つの指位置が取得されたと判断された場合(S210:YES)、S220へ移行する。一方、2つの指位置が取得されていないと判断された場合(S210:NO)、以降の処理を実行せず、操作枠内操作処理を終了する。
【0042】
S220では、2つの指位置がともに、操作枠内にあるか否かを判断する。ここで操作枠内にあると判断された場合(S220:YES)、S230へ移行する。一方、操作枠内にないと判断された場合(S220:NO)、以降の処理を実行せず、操作枠内操作処理を終了する。
【0043】
S230では、指位置が移動したか否かを判断する。ここで指位置が移動したと判断された場合(S230:YES)、S240へ移行する。一方、指位置が移動していないと判断された場合(S230:NO)、以降の処理を実行せず、操作枠内操作処理を終了する。
【0044】
S240では、ベクトル取得変換処理を実行する。この処理は、操作枠内における指位置の移動を、表示画面全体における指位置の移動として把握するためのものである。
ここで、図6のフローチャート及び図7の説明図に基づき、ベクトル取得変換処理を説明しておく。
【0045】
例えば図7(a)に示すように、操作枠S内において、2つの指位置が近接するように移動した場合を考える。本形態では、ナビゲーション装置において地図の縮尺変更をする場合を想定し、ここでは、地図の縮小を行う場合を例に挙げて説明する。
【0046】
図7(a)では、一方の指位置が開始点S1から終了点S2まで移動しており、他方の指位置が開始点S3から終了点S4まで移動している。以下では、開始点S1から終了点S2へ移動する一方の指位置の移動を例に挙げて説明する。
【0047】
図7(b)は、便宜上、操作枠Sを拡大して示したものである。ここで、開始点S1から終了点S2へ向かうベクトルを「Ms*」で示した。このベクトルを以下、便宜「移動ベクトル」という。この操作枠S内における指位置の移動を、表示画面全体における指位置の移動として変換することを考える。図7(c)に示す如くである。ここでは、変換後の指位置の移動を、開始点G1から終了点G2への移動として示した。また、開始点G1から終了点G2へ向かうベクトルを「Mg*」で示した。
【0048】
このとき、操作枠Sと表示画面Gとは相似形状となっているため、移動ベクトルの変換は、次の式1で示される。
Mg*=(A/a)×Ms* ・・・式1
【0049】
さらに、指位置移動の開始点S1を開始点G1へ変換するため、図7(b)に示すように、操作枠Sの左下コーナーに基準点S0を設定し、この基準点S0から開始点S1へ向かうベクトルを「Ks*」とする。このベクトルを以下、便宜「基準ベクトル」という。このとき、移動ベクトルの変換と同様、表示画面Gの左下コーナーの基準点G0から開始点G1へ向かうベクトル「Kg*」は、次の式2で示される。
Kg*=(A/a)×Ks* ・・・式2
【0050】
この流れを図6のフローチャートで説明すると、最初のS241では、移動ベクトルを取得する。この処理は、図7(b)中のベクトルMs*を取得するものである。次のS242では、基準ベクトルを取得する。この処理は、図7(b)中のベクトルKs*を取得するものである。
【0051】
続くS243では、移動ベクトルを変換する。この処理は、上記式1にてベクトルMg*を算出するものである。次のS244では、基準ベクトルを変換する。この処理は、上記式2にてベクトルKg*を算出するものである。
【0052】
なお、このような計算方法は一例であるが、このような計算方法を用いることにより、操作枠内における指位置の移動を、表示画面全体における指位置の移動として把握することができる。
【0053】
図5に戻り、S250では、表示処理を実行する。上述した例で説明すれば、図8(a)に示すような操作枠S内の指位置の移動が、図8(c)に二点鎖線で示すような指位置の移動として把握され、これにより、表示画面G全体における表示処理が実行される。図8(c)では、図8(a)における操作枠S内の範囲S’に対応する領域G’に、表示画面G全体の地図範囲(図8(b)に示す地図範囲)が収まるように地図縮尺が変更された様子を示している。
【0054】
以上詳述したように、本形態では、2つの指位置が取得されると(図2中のS100,S110:YES)、2つの指位置から操作枠の大きさが設定されて(S120)、操作枠が表示される(S130)。そして、操作枠内で2つの指位置の移動があった場合(図5中のS220:YES,S230:YES)、操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動として変換し(S240)、表示処理を行う(S250)。これにより、たとえ表示画面全体が大きな面積を有するものであっても十分な操作が可能となる。また、2つの指位置から操作枠の大きさが設定されるため、ユーザ間の個体差によらず操作性を向上させることができる。
【0055】
また、本形態では、操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動に変換する場合(図5中のS240)、操作枠を基準とした操作枠内における指位置の変化割合を、表示画面全体を基準とした表示画面全体における指位置の変化割合としている(図6及び図7参照)。具体的には、図8(a)における操作枠Sを範囲S’に変化させるために必要な操作枠S内における指位置の相対的な移動量を、図8(b)及び(c)に示したように、表示画面G全体の地図範囲を領域G’に収めるために必要な表示画面G全体における仮想的な指位置の相対的な移動量とみなして表示画面G全体における地図縮尺が変更される。これにより、操作枠基準の操作が表示画面基準の操作となるため、操作性を一層向上させることができる。
【0056】
さらにまた、本形態では、検出された2つの指位置間の距離が対角線の長さとなるように操作枠の大きさを決定している(図3及び図4(a),(b)参照)。これにより、操作枠の長辺a及び短辺bが2つの指位置間の距離よりも小さくなる。つまり、検出された2つの指位置が指の届く最大距離であるとすれば、この距離を対角線とする操作枠は、その利用者にとって縦にも横にも指が届くものとなり、操作枠の端から端まで指が届くという意味で、操作性の向上が図られる。
【0057】
さらに、上述のように、利用者の指の届く範囲で最大限の大きさの操作枠を表示することは、操作枠内の指の操作を精度よく検出するための分解能を高める観点からも有効である。
【0058】
また、本形態では、表示画面中、検出された2つの指位置に近い位置に操作枠を表示するようにした(図4(c)参照)。これにより、操作枠に対する迅速な操作が可能となり、この点でも、操作性を向上させることができる。
【0059】
2本の指の開き具合には、男性と女性といった性差、大人と子供といった年齢差、あるいは、人それぞれの個人差がある。そのため、ある利用者には操作し易いインターフェースを開発しても、別のユーザには操作し難いという問題が生じる。この点、本形態では、このような個体差に合わせた操作枠を設定することで、利用者の操作性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明は、上述した形態に何ら限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施できる。
【0061】
(イ)上記形態では、2つの指位置間の距離が対角線となるよう操作枠の大きさを設定していたが、2つの指位置が含まれる最小の大きさとなるように操作枠の大きさを設定するようにしてもよい。
【0062】
これについて、図9のフローチャート及び図10の説明図に基づき説明する。ここでも、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が取得されたものとする。
最初のS300では、2つの指位置の横方向の距離DXを算出する。この処理は、|x2−x1|を計算するものである。続くS310では、2つの指位置の縦方向の距離DYを算出する。この処理は、|y2−y1|を計算するものである。
【0063】
次のS320では、横方向の距離DXが縦方向の距離DYよりも大きいか否かを判断する。ここでDX>DYであると判断された場合(S320:YES)、S330にて操作枠の長辺aに距離DXを採用し、S340にて距離DXに比率(B/A)を乗じて短辺bを算出し、その後、操作枠設定処理を終了する。一方DX≦DYであると判断された場合(S320:NO)、S350にて操作枠の短辺bに距離DYを採用し、S360にて距離DYに比率(A/B)を乗じて長辺aを算出し、その後、操作枠設定処理を終了する。
【0064】
つまり、図10(a)に示すように、距離DXが距離DYに比べて大きくなるような場合、距離DXで長辺aを規定することにより、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が含まれるような最小の操作枠Sが設定される。一方、図10(b)に示すように、距離DXが距離DYに比べて小さくなるような場合、距離DYで短辺bを規定することにより、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が含まれるような最小の操作枠Sが設定される。
【0065】
この場合、2つの指位置を含むように操作枠を表示すれば、表示画面から指を離すことなく操作を行うことができるという点で有利である。なお、ここでは操作枠の枠上に指位置が来ることになる。したがって、指位置が枠の内側に来るように、操作枠の長辺a及び短辺bに所定値、例えば各辺の長さの所定割合(例えば5%)分の長さを加えて一回り大きな操作枠を設定するようにしてもよい。
【0066】
(ロ)上記形態では、検出された指位置の近傍に操作枠を表示していた(図4(c)参照)。これに対し、検出された指位置と関係なく、表示画面Gの周縁部に操作枠Sを表示するようにしてもよい。図11に示す如くである。このようにすれば、操作する指などで表示画面が隠れてしまうことが少なくなり、操作性を向上させることができる。なお、図11では表示画面Gの周縁に接触するように操作枠Sを配置しているが、周縁との間に僅かな隙間を作るように配置する場合も「周縁部への配置」に含むものとする。
【0067】
(ハ)検出された2つの指位置に加え、過去に表示した操作枠の大きさに基づき、操作枠の大きさを決定するようにしてもよい。具体的には、上述した操作枠設定処理(図3及び図9参照)の後に、図12に示すような操作枠補正処理を実行する。
【0068】
最初のS400では、前回の長辺a’を読み出す。続くS410では、今回の長辺aと前回の長辺a’との平均を今回の長辺aとする。次にS420では、長辺aに比率(B/A)を乗じて短辺bを算出する。続いてS430で今回の長辺aを記憶し、操作枠補正処理を終了する。
【0069】
このようにすれば、操作枠が妥当な大きさに決定される。その結果、操作性を一層向上させることができる。なお、ここでは平均を取るようにしたが、過去の操作枠の大きさをどのように用いてもよい。例えば、2つの指位置だけに基づいて決定された操作枠があまりにも小さくなった場合など、過去の操作枠の大きさから妥当な大きさに戻すような処理であってもよい。
【0070】
(ニ)上記形態は、表示画面全体に対する操作を操作枠を用いて行うものであった。これに対し、表示画面の表示領域が分割されているような場合がある。例えば、ナビゲーション装置で言えば、横長の画面が左右に分割され、一方に2次元の詳細な地図が表示され、他方に交差点を立体的に示す拡大図が表示されるという具合である。
【0071】
このような分割表示領域が設定される場合、1つの分割表示領域を上述した表示画面と同様に考えて、当該1つの分割表示領域を操作するための操作枠を表示するようにしてもよい。つまり、この操作枠は、分割表示領域よりも小さくかつ当該分割表示領域と相似形状をなす。
【0072】
具体的には、図13に示すように、表示画面Gに2つの分割表示領域SP1,SP2が設定された場合、例えば1つの分割表示領域SP1で2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が検出された場合に、1つの分割表示領域SP1に相似形状となるような操作枠Sを設定表示する。ここでは、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)の距離d’を対角線とする相似枠Sを表示している。分割表示領域SP1は横辺X、縦辺Yとなっており、この分割表示領域SP1に相似形状の横辺x,縦辺yの相似枠Sを設定する。
【0073】
このようにすれば、分割表示領域に対しても、上記同様の操作性を実現することができる。
なお、このとき、1つの分割表示領域外の位置に操作枠を表示するとよい。この点、図13では、別の分割表示領域SP2内に操作枠Sを表示している。このようにすれば、操作枠S内の操作によって分割表示領域SP1が隠れてしまうことが少なくなり、操作性の向上を図ることができる。
【0074】
(ホ)上記形態は、入力部20にタッチパネル22を有する構成とし、表示画面への指の接触を検知するものであった。しかしながら、本発明の技術思想は、表示画面上での位置特定を前提とするものである。したがって、タッチパネル22に代え、表示画面への指の近接度合いを測る近接センサなどを用いて構成してもよい。近接センサは、例えば低消費電力測距センサなどとして具現化され、表示画面の上下や左右に取り付けられて光又は電波を送受する。
【0075】
(ヘ)上記実施形態は発明をナビゲーション装置に適用したものであったが、本発明は、表示装置の画面操作に関するものであり、表示装置を備えるパーソナル端末などに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0076】
10・・・制御部
20・・・入力部
21・・・操作スイッチ
22・・・タッチパネル
30・・・地図データ記憶部
40・・・現在位置算出部
50・・・通信部
60・・・スピーカ
70・・・描画部
71・・・ディスプレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばナビゲーション装置に採用される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置では、表示装置に地図を表示することで視覚を通じた案内を行っている。表示装置には液晶などが用いられるが、近年、液晶の大型化が進み、表示装置によって、十分な量の情報が利用者へ伝達可能となってきた。
【0003】
ところで、ナビゲーション装置には、表示装置の画面をタッチすることで入力操作を可能にするタッチパネルを実装するものが多い。このようなタッチパネルを採用すると、直感的な入力操作が可能となるため、ユーザの操作性の向上に寄与する。
【0004】
従来、タッチパネルを採用したナビゲーション装置として、タッチした2本の指をスライドさせることにより、表示画面の拡大縮小などを行う表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、画面にタッチした2本の指を近づけることで画面が縮小表示され、2本の指を遠ざけることで画面が拡大表示されるという具合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−216991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述したように表示画面が大型化する傾向にあるため、特許文献1に記載された発明では、十分な操作ができない虞がある。
例えば、親指と人差指とでタッチする場合、親指と人差指とを拡げられる間隔に限界があり、大型の表示画面で指を近づける方向へスライドさせ画面を縮小表示させようとしても、表示画面全体の大きさに対して指の移動量が小さいため、十分に縮小されないといった事態が起こり得る。すなわち、表示画面が大型化されるほど、表示画面の操作が困難になる。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示画面上の指位置の変化に応じた表示処理を行うにあたり、表示画面の大きさによらず操作性を向上させた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示装置は、指位置検出手段が、表示手段の表示画面上における利用者の指位置を検出する。指位置検出手段は、例えばタッチパネルなどで構成される。もちろん、表示画面上の指位置が検出されればよく、必ずしもタッチされなくてもよい。したがって、タッチパネルに代え近接センサによって構成してもよい。
【0009】
このとき、表示処理実行手段により、指位置の変化が取得され、当該指位置の変化に応じた表示画面における表示処理が実行される。
【0010】
ここで、指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、表示処理実行手段は、当該検出された2つの指位置に基づき、操作枠を表示する。この操作枠は、表示画面よりも小さくかつ当該表示画面に相似形状となっている。ここで「2つの指位置が同時に検出」とあるが、一方の指位置が最初に検出され、それに続いて他方の指位置が検出されるような場合を含む。
【0011】
操作枠が表示されると、表示処理実行手段によって、操作枠内における指位置の変化が
表示画面全体における指位置の変化に変換され、表示画面全体における表示処理が実行される。
【0012】
つまり、相似形状の操作枠を表示させることで、この相似形状の操作枠を表示画面全体と見立てて、操作しようというのである。これにより、たとえ表示画面全体が大きな面積を有するものであっても十分な操作が可能となる。
【0013】
なお、操作枠を「相似形状」としたのは、表示画面の縦横比を同じにすることで操作性を向上させようとするものである。したがって、厳密な意味での相似形状を要求するものではない。
【0014】
ところで、操作枠内における指位置の変化を表示画面全体における指位置の変化に変換する場合、操作枠を基準とした操作枠内における指位置の変化割合を、表示画面全体を基準とした表示画面全体における指位置の変化割合とするとよい。このようにすれば、操作枠基準の操作が表示画面基準の操作となるため、操作性を一層向上させることができる。
【0015】
操作枠の大きさに関しては、例えば、検出された2つの指位置間の距離が対角線の長さとなるように操作枠の大きさを決定することが考えられる。2つの指位置間の距離を対角線とすれば、操作枠の縦横の長さは当該距離よりも小さくなるため、操作性の向上が図られる。
【0016】
また例えば、検出された2つの指位置が含まれる最小の大きさとなるように操作枠の大きさを決定することが考えられる。このとき、2つの指位置を含むように操作枠を表示すれば、例えばタッチパネルの場合、表示画面から指を離すことなく操作を行うことができる。ここで「2つの指位置を含む」には、操作枠上に指位置が検出される場合を含む。
【0017】
また例えば、検出された2つの指位置に加え、過去に表示した操作枠の大きさに基づき、操作枠の大きさを決定することが考えられる。この場合、過去に表示した操作枠の大きさも用いられるため、操作枠が妥当な大きさに決定される。これにより、操作性を一層向上させることができる。
【0018】
操作枠の表示位置に関しては、例えば上述したように2つの指位置が含まれる位置とすることが例示される。ただし、表示画面の例えば中央付近に表示すると、操作に際し表示画面が見にくくなる虞がある。そこで、表示画面の周縁部に操作枠を表示するようにしてもよい。このようにすれば、操作する指等で表示画面が隠れてしまうことが少なくなり、この点で、操作性を向上させることができる。
【0019】
ところで、表示画面に複数の分割表示領域を設定することが考えられる。例えば、ナビゲーション装置で言えば、左右に2つの分割表示領域を設定し、左側の分割表示領域に地図を表示しつつ、右側の分割表示領域に交差点の拡大図を表示するという具合である。
【0020】
そこで、表示処理実行手段が、表示画面に複数の分割表示領域を設定することを前提として、1つの分割表示領域内において指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき当該1つの分割表示領域よりも小さくかつ当該1つの分割表示領域に相似形状の操作枠を表示するようにしてもよい。この場合、表示処理実行手段は、当該操作枠内における指位置の変化を1つの分割表示領域全体における指位置の変化に変換して、1つの分割表示領域全体における表示処理を実行する。このようにすれば、表示画面に複数の分割表示領域が設定されている場合においても、操作対象となる分割表示領域に対して適切な操作枠を表示することができる。
【0021】
このような分割表示領域全体を操作する場合、表示画面における1つの分割表示領域外の位置に操作枠を表示するとよい。つまり、操作対象となる分割表示領域とは別の領域に操作枠を表示するのである。このようにすれば、操作する指等で操作対象となる分割表示領域が隠れてしまうことが少なくなる。また、操作対象となっている分割表示領域以外の領域は、その時点では使用されていない可能性が高く、このような領域に操作枠を表示することで表示領域の有効活用を図ることができる。
【0022】
以上は、表示装置の発明として説明してきたが、プログラムの発明として実現することもできる。すなわち、上記表示装置の指位置検出手段及び表示処理実行手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。このようなプログラムを実行することによって、上記表示装置と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】操作枠表示処理を示すフローチャートである。
【図3】操作枠設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】操作枠設定及び表示に対する理解を深めるための説明図である。
【図5】操作枠内操作処理を示すフローチャートである。
【図6】ベクトル取得変換処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】ベクトル変換に対する理解を深めるための説明図である。
【図8】地図範囲の変更を示す説明図である。
【図9】別形態の操作枠設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】別形態の操作枠設定に対する理解を深めるための説明図である。
【図11】別形態の操作枠の表示位置を示す説明図である。
【図12】操作枠補正処理を示すフローチャートである。
【図13】分割表示領域が設定された場合の操作枠設定を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、一実施形態としてのナビゲーション装置を図面に基づいて説明する。
図1は、ナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置は、制御部10を中心に構成されており、この制御部10には、入力部20、地図データ記憶部30、現在位置算出部40、通信部50、スピーカ60、及び、描画部70が接続されている。
【0025】
制御部10は、通常のコンピュータとして構成されている。制御部10の内部には、CPU、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御部10により、ナビゲーション装置全体が制御される。
【0026】
入力部20は、操作スイッチ21と、タッチパネル22とを備えている。この入力部20は、利用者がシステムに対する指示を行うためのものであり、操作スイッチ21を介した操作入力と、タッチパネル22を介したタッチ入力とが可能となっている。操作スイッチ21は、例えば通常の押しボタン式スイッチ等で構成される。一方、タッチパネル22はディスプレイ71と一体になり、タッチ入力があると、制御部10は、表示画面に応じた処理を実行する。
【0027】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、本形態ではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図データを記憶している。
【0028】
地図データには、施設に関する施設情報が含まれる。具体的には施設を特定するIDと関連付けられて記憶されているPOI(Point Of Interest )情報が記憶されている。POI情報には、施設ID、住所、種別(ジャンル)を示すデータなどが含まれる。
【0029】
現在位置算出部40は、車両の現在位置を算出するものである。例えば、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System )受信機等を有している。これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。
【0030】
通信部50は、外部との情報通信を行うための構成である。外部のセンタ装置(不図示)との通信を行うことで、センタ装置から種々の情報を取得する。また、スピーカ60は音声を出力するものであり、例えば経路の案内等を音声で行う場合に使用される。
【0031】
描画部70には、ディスプレイ71が接続されている。ディスプレイ71は、液晶などを用いて構成されるカラーディスプレイ装置である。かかる構成により、制御部10は、描画部70を介し、ディスプレイ71に、地図や情報を表示する。
【0032】
このような構成の下、本形態では、入力部20のタッチパネル22にて、ディスプレイ71の表示画面上の指位置を検出する。これにより、制御部10は、表示画面上での指位置の変化を取得し、当該指位置の変化に応じた表示処理を実行する。ここで特に本形態では、2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき、表示画面よりも小さくかつ当該表示画面に相似形状の操作枠を表示する。
【0033】
図2のフローチャートに基づき、操作枠表示処理を説明する。この操作枠表示処理は、操作枠が表示されていないときに繰り返し実行されるものである。
最初のS100において、指位置を取得する。ここでは、タッチパネル22からの信号に基づき、画面上の座標値として指位置を取得する。
【0034】
次のS110では、2つの指位置が取得されたか否かを判断する。ここでは、2つの指位置が同時に取得されたか否かを判断する。現実的には、同時に表示画面にタッチしようとしても、2つの指によるタッチは、時間的に前後することが考えられる。そこで、1つの指位置のみが取得された場合、又は、1つの指位置も取得されなかった場合、S110で否定判断される(S110:NO)。このときは、S100からの処理が繰り返される。その後、一方の指位置が取得されるとともに他方の指位置が取得されると、S110にて肯定判断される。ここで2つの指位置が取得されたと判断された場合(S110:YES)、S120へ移行する。
【0035】
S120では、操作枠設定処理を実行する。この処理は、矩形状の操作枠の大きさを決定するものである。この操作枠設定処理では、2つの指位置間の距離を対角線とするような操作枠が設定される。
【0036】
そこで、次に図3及び図4を用い、操作枠設定処理の詳細を説明する。ここでは、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が取得されたものとして説明する。なお、以下、矩形状の表示画面が横長であることを前提とし、表示画面を規定する辺のうち横方向に延びる辺をAとし、これに対応する操作枠の辺を「長辺a」という。また、表示画面を規定する辺のうち縦方向に延びる辺をBとし、これに対応する操作枠の辺を「短辺b」という。また、適宜、記号Gを用い表示画面を「表示画面G」と記述し、記号Sを用い操作枠を「操作枠S」と記述する。
【0037】
最初のS121では、2つの指位置間の距離dを算出する。図4(a)に示す如くである。このとき、図4(b)に示すように、表示画面Gと操作枠Sとが相似形状となっていることから、対角線の傾きは、いずれもθで表わされる。
【0038】
したがって、S122では、操作枠の長辺aを「d・cosθ」として算出する。次のS123では、操作枠の短辺bを「d・sinθ」として算出する。その後、操作枠設定処理を終了する。
【0039】
このようにして操作枠の大きさを決定すると、図2中のS130で、操作枠をディスプレイ71の表示画面に表示する。本形態では、図4(c)に示すように、2つの指位置に基づき、当該指位置の近傍に操作枠Sを表示する。なお、操作枠Sは、所定時間だけ表示されるものとする。
【0040】
操作枠が表示されているとき、この操作枠をあたかも表示画面全体と見立てた操作が可能となる。この操作を実現するのが、図5に示す操作枠内操作処理である。
S200及びS210では、図2中のS100及びS110と同様、指位置を取得し、2つの指位置が取得されたか否かを判断する。
【0041】
S210にて2つの指位置が取得されたと判断された場合(S210:YES)、S220へ移行する。一方、2つの指位置が取得されていないと判断された場合(S210:NO)、以降の処理を実行せず、操作枠内操作処理を終了する。
【0042】
S220では、2つの指位置がともに、操作枠内にあるか否かを判断する。ここで操作枠内にあると判断された場合(S220:YES)、S230へ移行する。一方、操作枠内にないと判断された場合(S220:NO)、以降の処理を実行せず、操作枠内操作処理を終了する。
【0043】
S230では、指位置が移動したか否かを判断する。ここで指位置が移動したと判断された場合(S230:YES)、S240へ移行する。一方、指位置が移動していないと判断された場合(S230:NO)、以降の処理を実行せず、操作枠内操作処理を終了する。
【0044】
S240では、ベクトル取得変換処理を実行する。この処理は、操作枠内における指位置の移動を、表示画面全体における指位置の移動として把握するためのものである。
ここで、図6のフローチャート及び図7の説明図に基づき、ベクトル取得変換処理を説明しておく。
【0045】
例えば図7(a)に示すように、操作枠S内において、2つの指位置が近接するように移動した場合を考える。本形態では、ナビゲーション装置において地図の縮尺変更をする場合を想定し、ここでは、地図の縮小を行う場合を例に挙げて説明する。
【0046】
図7(a)では、一方の指位置が開始点S1から終了点S2まで移動しており、他方の指位置が開始点S3から終了点S4まで移動している。以下では、開始点S1から終了点S2へ移動する一方の指位置の移動を例に挙げて説明する。
【0047】
図7(b)は、便宜上、操作枠Sを拡大して示したものである。ここで、開始点S1から終了点S2へ向かうベクトルを「Ms*」で示した。このベクトルを以下、便宜「移動ベクトル」という。この操作枠S内における指位置の移動を、表示画面全体における指位置の移動として変換することを考える。図7(c)に示す如くである。ここでは、変換後の指位置の移動を、開始点G1から終了点G2への移動として示した。また、開始点G1から終了点G2へ向かうベクトルを「Mg*」で示した。
【0048】
このとき、操作枠Sと表示画面Gとは相似形状となっているため、移動ベクトルの変換は、次の式1で示される。
Mg*=(A/a)×Ms* ・・・式1
【0049】
さらに、指位置移動の開始点S1を開始点G1へ変換するため、図7(b)に示すように、操作枠Sの左下コーナーに基準点S0を設定し、この基準点S0から開始点S1へ向かうベクトルを「Ks*」とする。このベクトルを以下、便宜「基準ベクトル」という。このとき、移動ベクトルの変換と同様、表示画面Gの左下コーナーの基準点G0から開始点G1へ向かうベクトル「Kg*」は、次の式2で示される。
Kg*=(A/a)×Ks* ・・・式2
【0050】
この流れを図6のフローチャートで説明すると、最初のS241では、移動ベクトルを取得する。この処理は、図7(b)中のベクトルMs*を取得するものである。次のS242では、基準ベクトルを取得する。この処理は、図7(b)中のベクトルKs*を取得するものである。
【0051】
続くS243では、移動ベクトルを変換する。この処理は、上記式1にてベクトルMg*を算出するものである。次のS244では、基準ベクトルを変換する。この処理は、上記式2にてベクトルKg*を算出するものである。
【0052】
なお、このような計算方法は一例であるが、このような計算方法を用いることにより、操作枠内における指位置の移動を、表示画面全体における指位置の移動として把握することができる。
【0053】
図5に戻り、S250では、表示処理を実行する。上述した例で説明すれば、図8(a)に示すような操作枠S内の指位置の移動が、図8(c)に二点鎖線で示すような指位置の移動として把握され、これにより、表示画面G全体における表示処理が実行される。図8(c)では、図8(a)における操作枠S内の範囲S’に対応する領域G’に、表示画面G全体の地図範囲(図8(b)に示す地図範囲)が収まるように地図縮尺が変更された様子を示している。
【0054】
以上詳述したように、本形態では、2つの指位置が取得されると(図2中のS100,S110:YES)、2つの指位置から操作枠の大きさが設定されて(S120)、操作枠が表示される(S130)。そして、操作枠内で2つの指位置の移動があった場合(図5中のS220:YES,S230:YES)、操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動として変換し(S240)、表示処理を行う(S250)。これにより、たとえ表示画面全体が大きな面積を有するものであっても十分な操作が可能となる。また、2つの指位置から操作枠の大きさが設定されるため、ユーザ間の個体差によらず操作性を向上させることができる。
【0055】
また、本形態では、操作枠内における指位置の移動を表示画面全体における指位置の移動に変換する場合(図5中のS240)、操作枠を基準とした操作枠内における指位置の変化割合を、表示画面全体を基準とした表示画面全体における指位置の変化割合としている(図6及び図7参照)。具体的には、図8(a)における操作枠Sを範囲S’に変化させるために必要な操作枠S内における指位置の相対的な移動量を、図8(b)及び(c)に示したように、表示画面G全体の地図範囲を領域G’に収めるために必要な表示画面G全体における仮想的な指位置の相対的な移動量とみなして表示画面G全体における地図縮尺が変更される。これにより、操作枠基準の操作が表示画面基準の操作となるため、操作性を一層向上させることができる。
【0056】
さらにまた、本形態では、検出された2つの指位置間の距離が対角線の長さとなるように操作枠の大きさを決定している(図3及び図4(a),(b)参照)。これにより、操作枠の長辺a及び短辺bが2つの指位置間の距離よりも小さくなる。つまり、検出された2つの指位置が指の届く最大距離であるとすれば、この距離を対角線とする操作枠は、その利用者にとって縦にも横にも指が届くものとなり、操作枠の端から端まで指が届くという意味で、操作性の向上が図られる。
【0057】
さらに、上述のように、利用者の指の届く範囲で最大限の大きさの操作枠を表示することは、操作枠内の指の操作を精度よく検出するための分解能を高める観点からも有効である。
【0058】
また、本形態では、表示画面中、検出された2つの指位置に近い位置に操作枠を表示するようにした(図4(c)参照)。これにより、操作枠に対する迅速な操作が可能となり、この点でも、操作性を向上させることができる。
【0059】
2本の指の開き具合には、男性と女性といった性差、大人と子供といった年齢差、あるいは、人それぞれの個人差がある。そのため、ある利用者には操作し易いインターフェースを開発しても、別のユーザには操作し難いという問題が生じる。この点、本形態では、このような個体差に合わせた操作枠を設定することで、利用者の操作性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明は、上述した形態に何ら限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施できる。
【0061】
(イ)上記形態では、2つの指位置間の距離が対角線となるよう操作枠の大きさを設定していたが、2つの指位置が含まれる最小の大きさとなるように操作枠の大きさを設定するようにしてもよい。
【0062】
これについて、図9のフローチャート及び図10の説明図に基づき説明する。ここでも、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が取得されたものとする。
最初のS300では、2つの指位置の横方向の距離DXを算出する。この処理は、|x2−x1|を計算するものである。続くS310では、2つの指位置の縦方向の距離DYを算出する。この処理は、|y2−y1|を計算するものである。
【0063】
次のS320では、横方向の距離DXが縦方向の距離DYよりも大きいか否かを判断する。ここでDX>DYであると判断された場合(S320:YES)、S330にて操作枠の長辺aに距離DXを採用し、S340にて距離DXに比率(B/A)を乗じて短辺bを算出し、その後、操作枠設定処理を終了する。一方DX≦DYであると判断された場合(S320:NO)、S350にて操作枠の短辺bに距離DYを採用し、S360にて距離DYに比率(A/B)を乗じて長辺aを算出し、その後、操作枠設定処理を終了する。
【0064】
つまり、図10(a)に示すように、距離DXが距離DYに比べて大きくなるような場合、距離DXで長辺aを規定することにより、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が含まれるような最小の操作枠Sが設定される。一方、図10(b)に示すように、距離DXが距離DYに比べて小さくなるような場合、距離DYで短辺bを規定することにより、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が含まれるような最小の操作枠Sが設定される。
【0065】
この場合、2つの指位置を含むように操作枠を表示すれば、表示画面から指を離すことなく操作を行うことができるという点で有利である。なお、ここでは操作枠の枠上に指位置が来ることになる。したがって、指位置が枠の内側に来るように、操作枠の長辺a及び短辺bに所定値、例えば各辺の長さの所定割合(例えば5%)分の長さを加えて一回り大きな操作枠を設定するようにしてもよい。
【0066】
(ロ)上記形態では、検出された指位置の近傍に操作枠を表示していた(図4(c)参照)。これに対し、検出された指位置と関係なく、表示画面Gの周縁部に操作枠Sを表示するようにしてもよい。図11に示す如くである。このようにすれば、操作する指などで表示画面が隠れてしまうことが少なくなり、操作性を向上させることができる。なお、図11では表示画面Gの周縁に接触するように操作枠Sを配置しているが、周縁との間に僅かな隙間を作るように配置する場合も「周縁部への配置」に含むものとする。
【0067】
(ハ)検出された2つの指位置に加え、過去に表示した操作枠の大きさに基づき、操作枠の大きさを決定するようにしてもよい。具体的には、上述した操作枠設定処理(図3及び図9参照)の後に、図12に示すような操作枠補正処理を実行する。
【0068】
最初のS400では、前回の長辺a’を読み出す。続くS410では、今回の長辺aと前回の長辺a’との平均を今回の長辺aとする。次にS420では、長辺aに比率(B/A)を乗じて短辺bを算出する。続いてS430で今回の長辺aを記憶し、操作枠補正処理を終了する。
【0069】
このようにすれば、操作枠が妥当な大きさに決定される。その結果、操作性を一層向上させることができる。なお、ここでは平均を取るようにしたが、過去の操作枠の大きさをどのように用いてもよい。例えば、2つの指位置だけに基づいて決定された操作枠があまりにも小さくなった場合など、過去の操作枠の大きさから妥当な大きさに戻すような処理であってもよい。
【0070】
(ニ)上記形態は、表示画面全体に対する操作を操作枠を用いて行うものであった。これに対し、表示画面の表示領域が分割されているような場合がある。例えば、ナビゲーション装置で言えば、横長の画面が左右に分割され、一方に2次元の詳細な地図が表示され、他方に交差点を立体的に示す拡大図が表示されるという具合である。
【0071】
このような分割表示領域が設定される場合、1つの分割表示領域を上述した表示画面と同様に考えて、当該1つの分割表示領域を操作するための操作枠を表示するようにしてもよい。つまり、この操作枠は、分割表示領域よりも小さくかつ当該分割表示領域と相似形状をなす。
【0072】
具体的には、図13に示すように、表示画面Gに2つの分割表示領域SP1,SP2が設定された場合、例えば1つの分割表示領域SP1で2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)が検出された場合に、1つの分割表示領域SP1に相似形状となるような操作枠Sを設定表示する。ここでは、2つの指位置(x1,y1),(x2,y2)の距離d’を対角線とする相似枠Sを表示している。分割表示領域SP1は横辺X、縦辺Yとなっており、この分割表示領域SP1に相似形状の横辺x,縦辺yの相似枠Sを設定する。
【0073】
このようにすれば、分割表示領域に対しても、上記同様の操作性を実現することができる。
なお、このとき、1つの分割表示領域外の位置に操作枠を表示するとよい。この点、図13では、別の分割表示領域SP2内に操作枠Sを表示している。このようにすれば、操作枠S内の操作によって分割表示領域SP1が隠れてしまうことが少なくなり、操作性の向上を図ることができる。
【0074】
(ホ)上記形態は、入力部20にタッチパネル22を有する構成とし、表示画面への指の接触を検知するものであった。しかしながら、本発明の技術思想は、表示画面上での位置特定を前提とするものである。したがって、タッチパネル22に代え、表示画面への指の近接度合いを測る近接センサなどを用いて構成してもよい。近接センサは、例えば低消費電力測距センサなどとして具現化され、表示画面の上下や左右に取り付けられて光又は電波を送受する。
【0075】
(ヘ)上記実施形態は発明をナビゲーション装置に適用したものであったが、本発明は、表示装置の画面操作に関するものであり、表示装置を備えるパーソナル端末などに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0076】
10・・・制御部
20・・・入力部
21・・・操作スイッチ
22・・・タッチパネル
30・・・地図データ記憶部
40・・・現在位置算出部
50・・・通信部
60・・・スピーカ
70・・・描画部
71・・・ディスプレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示手段と、
前記表示画面上における利用者の指位置を検出する指位置検出手段と、
前記指位置の変化を取得し、当該指位置の変化に応じた前記表示画面における表示処理を実行する表示処理実行手段と、を備え、
前記表示処理実行手段は、前記指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき前記表示画面よりも小さくかつ当該表示画面に相似形状の操作枠を表示し、当該操作枠内における前記指位置の変化を前記表示画面全体における指位置の変化に変換して前記表示画面全体における表示処理を実行すること
を特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記操作枠を基準とした前記操作枠内における前記指位置の変化割合を、前記表示画面全体を基準とした前記表示画面全体における前記指位置の変化割合とすること
を特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記検出された2つの指位置間の距離が対角線の長さとなるように前記操作枠の大きさを決定すること
を特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記検出された2つの指位置が含まれる最小の大きさとなるように前記操作枠の大きさを決定することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記検出された2つの指位置に加え、過去に表示した前記操作枠の大きさに基づき、前記操作枠の大きさを決定することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記表示画面の周縁部に前記操作枠を表示すること
を特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記表示画面に複数の分割表示領域を設定し、1つの分割表示領域内において前記指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき当該1つの分割表示領域よりも小さくかつ当該1つの分割表示領域に相似形状の操作枠を表示し、当該操作枠内における前記指位置の変化を前記1つの分割表示領域全体における前記指位置の変化に変換して前記1つの分割表示領域全体における表示処理を実行することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記表示画面における前記1つの分割表示領域外の位置に前記操作枠を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の表示装置の前記指位置検出手段及び前記表示処理実行手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項1】
表示画面を有する表示手段と、
前記表示画面上における利用者の指位置を検出する指位置検出手段と、
前記指位置の変化を取得し、当該指位置の変化に応じた前記表示画面における表示処理を実行する表示処理実行手段と、を備え、
前記表示処理実行手段は、前記指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき前記表示画面よりも小さくかつ当該表示画面に相似形状の操作枠を表示し、当該操作枠内における前記指位置の変化を前記表示画面全体における指位置の変化に変換して前記表示画面全体における表示処理を実行すること
を特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記操作枠を基準とした前記操作枠内における前記指位置の変化割合を、前記表示画面全体を基準とした前記表示画面全体における前記指位置の変化割合とすること
を特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記検出された2つの指位置間の距離が対角線の長さとなるように前記操作枠の大きさを決定すること
を特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記検出された2つの指位置が含まれる最小の大きさとなるように前記操作枠の大きさを決定することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記検出された2つの指位置に加え、過去に表示した前記操作枠の大きさに基づき、前記操作枠の大きさを決定することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記表示画面の周縁部に前記操作枠を表示すること
を特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記表示画面に複数の分割表示領域を設定し、1つの分割表示領域内において前記指位置検出手段にて2つの指位置が同時に検出されると、当該検出された2つの指位置に基づき当該1つの分割表示領域よりも小さくかつ当該1つの分割表示領域に相似形状の操作枠を表示し、当該操作枠内における前記指位置の変化を前記1つの分割表示領域全体における前記指位置の変化に変換して前記1つの分割表示領域全体における表示処理を実行することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置において、
前記表示処理実行手段は、前記表示画面における前記1つの分割表示領域外の位置に前記操作枠を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の表示装置の前記指位置検出手段及び前記表示処理実行手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−215792(P2011−215792A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82233(P2010−82233)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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