説明

表示装置、操作端末、および認証システム

【課題】外部装置と接続したとき、外部装置から認証情報を取得し、該取得した認証情報を自装置の表示部に表示する。
【解決手段】データ表示装置100は、認証を必要とするサービスを提供する認証サーバ400にアクセスするためのクライアント装置300に接続されたデータ読取装置200に着脱可能であって、表示部160と、自装置とデータ読取装置200とが接続されているとき、認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報をクライアント装置300から取得するコマンド処理部145と、上記取得した認証表示情報に従って、上記認証情報を表示部160に表示させるデータ表示制御部141とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証処理に用いられる認証情報を外部から取得して表示する表示装置、および、表示装置に認証情報を提供する操作端末等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、FTTH(Fiber To The Home)などのインターネットアクセス網の普及に伴い、PC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)などのクライアントからインターネット上のサーバにアクセスし、該サーバにて提供される各種サービスを利用するユーザが増加している。インターネット上のサーバにて提供される各種サービスとは、例えば、映像コンテンツ等のVOD(Video On Demand)サービスや、銀行が提供するネットバンキングサービスなどが挙げられる。
【0003】
このようなサービスでは、ユーザからの不正なアクセスを防止する仕組みが設けられているのが一般的である。例えば、認証サーバにて、所定の認証情報(パスワードや暗証番号など)を用いたユーザ認証を行なう仕組みが設けられていることが多い。
【0004】
この場合、通常、ユーザはクライアントにて認証情報を入力する。ここで、ユーザが、クライアントに認証情報を入力する方法としては、例えば、クライアントに表示された入力画面にて認証情報を直接入力する方法や、認証情報を予め記憶させたICカードなどの情報記憶装置をクライアントに接続し、情報記憶装置から認証情報を読み出す方法などが考えられる。また、表示部を備えるICカードであれば、予めICカードに記憶させた認証情報を該表示部に表示させることによって、ユーザに認証情報を知らせることができるので、ユーザはクライアントに認証情報を入力することができる。
【0005】
なお、表示部を備えたICカードにデータを表示する技術として、特許文献1および2に開示されている技術がある。特許文献1では、各サービスモードに対応するサービス種別を示す識別データを記憶部に記憶するとともに、ユーザに選択されたサービス種別を示す識別データを記憶部から取り出して液晶パネルに表示する技術が開示されている。また、特許文献2では、データを表示するための複数の表示装置、および、各表示装置に対応させた切り替えボタンを設けるとともに、使用状況に応じてICチップに登録されたデータを切り替えて表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−172818号公報(公開日:平成12年6月23日)
【特許文献2】特開2004−13368号公報(公開日:平成16年1月15日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、認証情報には、いわゆるワンタイムパスワードのように、認証の都度、認証サーバによって新たに発行されるものがある。この場合、ユーザは、予め認証情報を知り得ることはできないので、認証時に認証サーバにて発行される認証情報を、ユーザに通知する必要がある。ユーザに認証情報を通知する方法としては、例えば、認証サーバからクライアントに認証情報を送信し、クライアントの画面に認証情報を表示させることによって、ユーザに視認させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では、例えば、背後にいる他のユーザに、クライアントの画面を閲覧される可能性があるため、悪意あるユーザに認証情報を窃取される危険性があるという問題がある。
【0008】
そこで、他のユーザが閲覧しにくい表示装置(例えば、表示部を備えたICカード)に認証情報を表示させることによって、他のユーザに認証情報を窃取されないようにしたいというニーズがある。しかしながら、このような技術については、特許文献1および2などには開示されていない。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部装置と接続したとき、外部装置から認証情報を取得し、該取得した認証情報を自装置の表示部に表示する表示装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る表示装置は、認証を必要とするサービスを提供するサービス提供装置にアクセスするための操作端末に着脱可能な、表示部を備えた表示装置であって、自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知する接続検知手段と、上記接続検知手段が、自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知したとき、上記認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を上記操作端末に要求して取得する認証表示情報取得手段と、上記認証表示情報取得手段が取得した上記認証表示情報に従って、上記認証情報を上記表示部に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、表示装置は、自装置と操作端末とが接続されていることを検知する。そして、自装置と操作端末とが接続されていることを検知したとき、認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を操作端末に要求して取得する。そして、上記取得した認証表示情報に従って、認証情報を表示部に表示させる。
【0012】
よって、表示装置と操作端末とを接続したとき、表示装置は、操作端末から認証情報を取得し、該取得した認証情報を表示部に表示させることができる。具体例を挙げれば、表示装置が、表示部を備えるICカードであり、操作端末が、ICカードを装着可能なカードリーダが接続されたPC等である場合、ICカードである表示装置を、カードリーダに接続(装着)することによって、PC等から認証情報を取得し、該取得した認証情報をICカードの表示部に表示させることができる。
【0013】
ここで、ICカードの表示部の表示領域は、一般的に、PC等が備える表示画面の表示領域より小さいものであり、また、ICカードを装着するカードリーダはユーザの手元にあることが多い。そのため、ICカードの表示部に表示した認証情報を他のユーザに閲覧される可能性は、PC等の表示画面に認証情報を表示する場合と比べて、低くなる。
【0014】
したがって、他のユーザが認証情報を窃取(盗み見)しにくいことから、他のユーザに認証情報を窃取される危険性を抑えつつ、認証を行なうユーザに認証情報を通知することができるという効果を奏する。
【0015】
さらに、本発明に係る表示装置は、上記認証表示情報は、上記表示部にて上記認証情報を表示する表示領域を指定する表示領域情報を含むものであって、
上記表示制御手段は、上記表示領域情報により指定された表示領域に、上記認証情報を表示させる構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、さらに、認証表示情報は、上記表示部にて認証情報を表示する表示領域を指定する表示領域情報を含むものである。そして、表示領域情報にて指定された表示領域に、認証情報を表示させる。
【0017】
よって、表示領域情報にて指定された表示領域に認証情報を表示させるので、表示領域情報にて指定された表示領域以外の表示領域には、認証情報以外の情報を表示させることができる。さらに、表示部が、いわゆる画素メモリ内蔵液晶表示装置(つまり、画素毎に設けられたデジタルメモリ素子の出力電圧を保持することによって、データ信号線および走査信号線への信号を停止しても画像を表示し続けることができる表示装置)である場合、表示領域情報にて指定された表示領域以外の表示領域に表示されている画像を表示し続けたまま、表示領域情報にて指定された表示領域に認証情報を表示させることができる。
【0018】
したがって、表示部に、認証情報を表示させるとともに、認証情報以外の情報を表示させることができるという効果を奏する。
【0019】
さらに、本発明に係る表示装置は、上記表示部の表示面を構成する画素の画素値を保持する画素値保持手段をさらに備え、上記認証表示情報は、さらに、上記画素値保持手段が保持している画素値を反転させることによって上記認証情報を上記表示部に表示させるための、画素値を反転させる画素を指定する情報を含むものであって、上記表示制御手段は、上記認証表示情報により指定された画素について、上記画素値保持手段が保持している画素値を反転させて、上記認証情報を上記表示部に表示させる構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、さらに、表示部の表示面を構成する画素の画素値を保持する。そして、認証表示情報は、さらに、上記保持している画素値を反転させることによって認証情報を表示部に表示させるための、画素値を反転させる画素を指定する情報を含んでいる。そして、上記認証表示情報により指定された画素について、上記保持している画素値を反転させて、認証情報を表示部に表示させる。
【0021】
よって、認証表示情報は、認証情報そのものを表示するための情報ではなく、表示部に現在表示されている画像のうち、どの画素の画素値を反転させるかを示す情報である。そして、上記認証表示情報に従って、表示部に現在表示されている画像のうち、指定された画素値を反転させることによって、認証情報を表示部に表示させることができる。
【0022】
したがって、悪意あるユーザに認証表示情報が窃取された場合であっても、当該ユーザは認証表示情報のみから認証情報を知り得ることができないので、認証情報が漏洩する危険性を抑えることができ、セキュリティのレベルを高めることができるという効果を奏する。
【0023】
さらに、本発明に係る表示装置は、自装置の識別情報を記憶する装置識別情報記憶部をさらに備え、上記認証表示情報取得手段は、上記装置識別情報記憶部から読み出した上記識別情報を、上記操作端末に送信することによって上記認証表示情報を上記操作端末に要求するとともに、上記要求に対する応答として、上記識別情報に対応する上記認証情報を表示させるための上記認証表示情報を、上記操作端末から取得する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、さらに、自装置の識別情報を記憶する。そして、識別情報を、操作端末に送信することによって認証表示情報を操作端末に要求するとともに、該要求に対する応答として、識別情報に対応する認証表示情報を、操作端末から取得する。
【0025】
よって、表示装置の識別情報に対応する認証情報を、表示部に表示させることができる。
【0026】
したがって、表示装置毎に異なる認証情報を、表示装置のユーザに提示することができるので、表示装置を使用するユーザが固定されている場合は、他の表示装置を使用するユーザに認証情報が漏洩する危険性を抑えることができ、セキュリティのレベルを高めることができるという効果を奏する。
【0027】
さらに、本発明に係る表示装置は、上記取得した認証表示情報が、上記操作端末に上記送信した識別情報を暗号鍵として暗号化されているとき、上記認証表示情報取得手段は、上記取得した認証表示情報を、上記識別情報を復号鍵として復号化する構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、認証表示情報が、操作端末に送信した識別情報を暗号鍵として暗号化されているとき、操作端末から取得した認証表示情報を、識別情報を復号鍵として復号化する。
【0029】
よって、認証表示情報は、操作端末から表示装置に送信される際は暗号化され、また、表示装置にて表示部に認証情報を表示する際は復号化される。
【0030】
したがって、認証表示情報が操作端末から表示装置に送信されている間に、悪意あるユーザによって認証表示情報が窃取された場合であっても、認証表示情報は暗号化されているため、認証情報が漏洩する危険性を抑えることができ、セキュリティのレベルを高めることができるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明に係る操作端末は、表示部を備えた表示装置が着脱可能であり、認証を必要とするサービスを提供するサービス提供装置にアクセスするための操作端末であって、上記表示装置からの要求に応じて、上記認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を、上記表示装置に送信する認証表示情報送信手段を備えることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、表示装置からの要求に応じて、認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を、表示装置に送信する。
【0033】
よって、表示装置が操作端末と接続したときに、表示装置から要求があった場合、認証表示情報を、表示装置に送信することができる。具体例を挙げれば、表示装置が、表示部を備えたICカードであり、操作端末が、ICカードを装着可能なカードリーダが接続されたPCである場合、ICカードである表示装置を、カードリーダに接続(装着)したときに、ICカードから要求があれば、認証情報をICカードに送信することができる。
【0034】
ここで、ICカードの表示部の表示領域は、一般的に、PC等が備える表示画面の表示領域より小さいものであり、また、ICカードを装着するカードリーダはユーザの手元にあることが多い。そのため、ICカードの表示部に表示した認証情報を他のユーザに閲覧される可能性は、PC等の表示画面に認証情報を表示する場合と比べて、低くなる。
【0035】
したがって、他のユーザが認証情報を窃取(盗み見)しにくいことから、他のユーザに認証情報を窃取される危険性を抑えつつ、認証を行なうユーザに認証情報を通知することができるという効果を奏する。
【0036】
さらに、本発明に係る操作端末は、上記認証表示情報送信手段は、さらに、上記表示部にて上記認証情報を表示する表示領域を指定する情報を含む上記認証表示情報を生成するとともに、該生成した上記認証表示情報を上記表示装置に送信する構成としてもよい。
【0037】
上記の構成によれば、さらに、表示装置の表示部にて認証情報を表示する表示領域を指定する情報を含む認証表示情報を生成するとともに、該生成した認証表示情報を送信する。
【0038】
よって、表示装置の表示部のうち、認証表示情報により指定された表示領域に認証情報を表示させることができる。そのため、該指定された表示領域以外の表示領域には、認証情報以外の情報を表示させることができる。さらに、表示装置の表示部が、いわゆる画素メモリ内蔵液晶表示装置(つまり、画素毎に設けられたデジタルメモリ素子の出力電圧を保持することによって、データ信号線および走査信号線への信号を停止しても画像を表示し続けることができる表示装置)である場合、指定された表示領域以外の表示領域に表示されている画像を表示し続けたまま、指定された表示領域に認証情報を表示させることができる。
【0039】
したがって、表示装置の表示部に、認証情報を表示させるとともに、認証情報以外の情報を表示させることができるという効果を奏する。
【0040】
さらに、本発明に係る操作端末は、上記認証表示情報送信手段は、さらに、上記表示部の表示面を構成する画素の画素値を反転させる画素を指定する情報を含む上記認証表示情報を生成するとともに、該生成した上記認証表示情報を上記表示装置に送信する構成としてもよい。
【0041】
上記の構成によれば、さらに、上記表示部の表示面を構成する画素の画素値を反転させる画素を指定する情報を含む認証表示情報を生成するとともに、該生成した認証表示情報を送信する。
【0042】
よって、認証情報そのものを表示するための情報ではなく、表示部に現在表示されている画像のうち、どの画素の画素値を反転させれば、認証情報を表示させることができるかが示された情報が、表示装置に送信される。そして、表示装置は、認証表示情報に従って、表示装置の表示部に現在表示されている画像のうち、指定された画素値を反転させることによって、認証情報を表示部に表示させることができる。
【0043】
したがって、悪意あるユーザに認証表示情報が窃取された場合であっても、当該ユーザは認証表示情報のみから認証情報を知り得ることができないので、認証情報が漏洩する危険性を抑えることができるという効果を奏する。
【0044】
さらに、本発明に係る操作端末は、上記表示装置から、上記表示装置の識別情報を受信する装置識別情報受信手段をさらに備え、上記認証表示情報送信手段は、上記受信した識別情報に対応する上記認証情報を表示するための上記認証表示情報を、上記表示装置に送信する構成としてもよい。
【0045】
上記の構成によれば、さらに、表示装置の識別情報を受信する。そして、該受信した識別情報に対応する認証情報を表示するための認証表示情報を、表示装置に送信する。
【0046】
よって、表示装置の識別情報に対応する認証情報を、表示装置の表示部に表示させることができる。
【0047】
したがって、表示装置毎に異なる認証情報を、表示装置のユーザに提示することができるので、表示装置を使用するユーザが固定されている場合は、他の表示装置を使用するユーザに認証情報が漏洩する危険性を抑えることができ、セキュリティのレベルを高めることができるという効果を奏する。
【0048】
さらに、本発明に係る操作端末は、上記認証表示情報送信手段は、上記受信した識別情報を暗号鍵として、上記認証表示情報を暗号化するとともに、該暗号化した上記認証表示情報を、上記表示装置に送信する構成としてもよい。
【0049】
上記の構成によれば、さらに、表示装置から受信した識別情報を暗号鍵として、認証表示情報を暗号化するとともに、該暗号化した認証表示情報を、表示装置に送信する。
【0050】
よって、認証表示情報は、操作端末から表示装置に送信される際は暗号化される。
【0051】
したがって、認証表示情報が操作端末から表示装置に送信されている間に、悪意あるユーザによって認証表示情報が窃取された場合であっても、認証表示情報は暗号化されているため、認証情報が漏洩する危険性を抑えることができ、セキュリティのレベルを高めることができるという効果を奏する。
【0052】
なお、表示装置から受信した識別情報を暗号鍵としているので、上記暗号化された認証表示情報を受信した表示装置は、自装置の識別情報を復号鍵として認証表示情報を復号化することができる。
【0053】
また、本発明に係る認証システムは、上記表示装置と、上記操作端末とを含むことを特徴としている。
【0054】
上記の構成によれば、表示装置は、自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知する。そして、自装置と操作端末とが接続されていることを検知したとき、認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を操作端末に要求して取得する。そして、上記取得した認証表示情報に従って、認証情報を表示部に表示させる。一方、操作端末は、表示装置からの要求に応じて、認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を、表示装置に送信する。
【0055】
よって、表示装置と操作端末とを接続したとき、表示装置は、操作端末から認証情報を取得し、該取得した認証情報を表示部に表示させることができる。具体例を挙げれば、表示装置が、表示部を備えたICカードであり、操作端末が、カードリーダが接続されたPC等である場合、ICカードである表示装置を、カードリーダに接続(装着)することによって、PC等から認証情報を取得し、該取得した認証情報をICカードの表示部に表示させることができる。
【0056】
したがって、認証情報を操作端末に表示させる代わりに、表示装置の表示部に表示するので、他のユーザに認証情報を窃取(盗み見)される危険性を抑えつつ、認証を行なうユーザに認証情報を通知することができるという効果を奏する。
【0057】
なお、上記表示装置および上記操作端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記表示装置および上記操作端末をコンピュータにて実現させる上記表示装置および上記操作端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0058】
以上のように、本発明に係る表示装置は、認証を必要とするサービスを提供するサービス提供装置にアクセスするための操作端末に着脱可能な、表示部を備えた表示装置であって、自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知する接続検知手段と、上記接続検知手段が、自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知したとき、上記認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を上記操作端末に要求して取得する認証表示情報取得手段と、上記認証表示情報取得手段が取得した上記認証表示情報に従って、上記認証情報を上記表示部に表示させる表示制御手段とを備えている。
【0059】
よって、表示装置と操作端末とを接続したとき、表示装置は、操作端末から認証情報を取得し、該取得した認証情報を表示部に表示させることができる。具体例を挙げれば、表示装置が、表示部を備えるICカードであり、操作端末が、ICカードを装着可能なカードリーダが接続されたPC等である場合、ICカードである表示装置を、カードリーダに接続(装着)することによって、PC等から認証情報を取得し、該取得した認証情報をICカードの表示部に表示させることができる。
【0060】
ここで、ICカードの表示部の表示領域は、一般的に、PC等が備える表示画面の表示領域より小さいものであり、また、ICカードを装着するカードリーダはユーザの手元にあることが多い。そのため、ICカードの表示部に表示した認証情報を他のユーザに閲覧される可能性は、PC等の表示画面に認証情報を表示する場合と比べて、低くなる。
【0061】
したがって、他のユーザが認証情報を窃取(盗み見)しにくいことから、他のユーザに認証情報を窃取される危険性を抑えつつ、認証を行なうユーザに認証情報を通知することができるという効果を奏する。
【0062】
また、本発明に係る操作端末は、表示部を備えた表示装置が着脱可能であり、認証を必要とするサービスを提供するサービス提供装置にアクセスするための操作端末であって、上記表示装置からの要求に応じて、上記認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を、上記表示装置に送信する認証表示情報送信手段を備えている。
【0063】
よって、表示装置が操作端末と接続したときに、表示装置から要求があった場合、認証表示情報を、表示装置に送信することができる。具体例を挙げれば、表示装置が、表示部を備えたICカードであり、操作端末が、ICカードを装着可能なカードリーダが接続されたPCである場合、ICカードである表示装置を、カードリーダに接続(装着)したときに、ICカードから要求があれば、認証情報をICカードに送信することができる。
【0064】
ここで、上述したように、ICカードの表示部に表示した認証情報を他のユーザに閲覧される可能性は、PC等の表示画面に認証情報を表示する場合と比べて、低くなる。
【0065】
したがって、他のユーザが認証情報を窃取(盗み見)しにくいことから、他のユーザに認証情報を窃取される危険性を抑えつつ、認証を行なうユーザに認証情報を通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータ表示装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したデータ表示装置が備える画素メモリ内蔵液晶パネルの構成例を示す回路図である。
【図3】図2に示した画素メモリ内蔵液晶パネルにおける、走査信号線に走査信号が入力されることによって、データ信号線に入力されたデータ信号がデジタルメモリ素子にラッチされたときの、走査信号と、デジタルメモリ素子の出力電圧との関係を示す図である。
【図4】図4(a)は、図2に示した画素メモリ内蔵液晶パネルが備えるデジタルメモリ素子の出力電圧と、液晶セルに印加される電圧との関係の一例を示す図である。図4(b)は、図2に示した画素メモリ内蔵液晶パネルが備えるデジタルメモリ素子の出力電圧と、液晶セルに印加される電圧との関係の他の一例を示す図である。
【図5】図1に示したデータ表示装置を含む認証システムの構成例を示す模式図である。
【図6】図1に示したデータ表示装置の一例を示す模式図である。
【図7】図5に示した認証システムにて、ユーザが認証を行なう際の処理の流れの概要を示すシーケンス図である。
【図8】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドと、通信コマンドの「コマンド種別」フィールドに格納される値(ビット列)との対応関係を示す説明図である。
【図9】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種であるID送信コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図10】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種である書換要求コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図11】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種である書換失敗コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図12】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種である書換成功コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図13】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種であるスルー表示切替コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図14】図14(a)は、図5に示した認証システムにおいて、クライアント装置から、データ表示装置の制御部を介さずに、直接、データ表示装置の表示部に出力されるデータのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。図14(b)は、図5に示した認証システムにおいて、クライアント装置から、データ表示装置の制御部を介さずに、直接、データ表示装置の表示部に出力されるデータのフレーム構造の他の一例を模式的に示す図である。図14(c)は、図5に示した認証システムにおいて、クライアント装置から、データ表示装置の制御部を介さずに、直接、データ表示装置の表示部に出力されるデータのフレーム構造の他の一例を模式的に示す図である。
【図15】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種である復号表示コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図16】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの1種である復号表示/反転コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るクライアント装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図18】図5に示した認証システムにおいて、データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンドの送受信例の概略を示すシーケンス図である。
【図19】図1に示したデータ表示装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図19に示した処理のうちの記憶部書換処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】図19に示した処理のうちの復号表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】図19に示した処理のうちのスルー表示切替処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】図17に示したクライアント装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】図23に示した処理のうちの記憶部書換指示処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】図23に示した処理のうちの表示部更新処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】図23に示した処理のうちの復号表示データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】図23に示した処理のうちのスルー表示データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】図1に示したデータ表示装置が備える画素メモリ内蔵液晶パネルの他の構成例を示す回路図である。
【図29】図29(a)は、図28に示した画素メモリ内蔵液晶パネルに、最終的に表示させる画像を示す模式図である。図29(b)は、図28に示し画素メモリ内蔵液晶パネルに現在表示されている画像を示す模式図である。図29(c)は、図29(b)に示す画像が画素メモリ内蔵液晶パネルに表示されている状態において、最終的に、図29(a)に示す画像を画素メモリ内蔵液晶パネルに表示するために、メモリデータ反転モードで、画素メモリ内蔵液晶パネルに出力するデータを示す模式図である。図29(d)は、図29(a)で示した画素の値を2値で示した模式図である。図29(e)は、図29(b)で示した画素の値を2値で示した模式図である。図29(f)は、図29(c)で示した画素の値を2値で示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明の一実施形態について図1から図29に基づいて説明すると以下の通りである。
【0068】
本実施の形態に係るデータ表示装置(表示装置)100は、概略的に言えば、低消費電力で画像を表示し続けることができる画素メモリ内蔵液晶パネル(表示面)161(図2参照)を備えており、データ読取装置200(図5参照)と通信可能に接続されている場合、データ読取装置200から受信したデータに基づいて、画素メモリ内蔵液晶パネル161に画像を表示する装置である。
【0069】
なお、本実施の形態では、データ表示装置100を、画素メモリ内蔵液晶パネル161を備えたICカードに適用するケースを例に挙げて説明する。そして、ICカードとしてのデータ表示装置100を含む認証システム1000(図5参照)において認証を行なうために、データ表示装置100の画素メモリ内蔵液晶パネル161に、認証で用いる認証情報(パスワードなど)を表示するケースを例に挙げて説明する。
【0070】
(画素メモリ内蔵液晶パネルの構成)
画素メモリ内蔵液晶パネル161は、画素毎に設けられたデジタルメモリ素子の出力電圧を保持することによって、データ信号線および走査信号線への信号を停止しても、画像を表示し続けることができる液晶パネルである。
【0071】
図2を参照しながら、画素メモリ内蔵液晶パネル161の構成例について説明する。図2は、画素メモリ内蔵液晶パネル161の構成例を示す回路図である。
【0072】
画素メモリ内蔵液晶パネル161は、同図に示すように、画素毎に、画素部スイッチ素子(MOS FET)611と、デジタルメモリ素子(インバータ回路)612および613と、液晶セル(液晶容量)614と、付加回路(エクスクルーシブNOR回路)615とを備えている。なお、デジタルメモリ素子612および613を総称して、デジタルメモリ素子(画素値保持手段)618と称する。
【0073】
さらに、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、同図に示すように、各画素の液晶セル614を交流で駆動させるための交流駆動用クロック616および共通電極端子(COM)617を備えている。
【0074】
そして、画素部スイッチ素子611のゲート端子は、走査信号線x(i=1、2、…、n;nは正の整数を示す)に接続されており、また、画素部スイッチ素子611のソース端子は、データ信号線y(i=1、2、…、m;mは正の整数を示す)に接続されている。
【0075】
上記構成により、走査信号線xに走査信号が入力されることによって、データ信号線yに入力されるデータ信号が、デジタルメモリ素子618にラッチされるとともに、該ラッチされたデータ信号(画素値)が、付加回路615を介して、液晶セル614に書き込まれる。
【0076】
そして、デジタルメモリ素子618へ入力される信号が変化しない間は、デジタルメモリ素子618の出力電圧は、前の状態を保持するようになっている。したがって、データ信号線yおよび走査信号線xへの信号の入力を停止しても、デジタルメモリ素子618の出力電圧は保持されるので、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、画像を表示し続けることができる。
【0077】
なお、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、走査信号を入力する走査信号線を指定することによって、該指定した走査信号線が接続している画素群にのみ、画像を表示させることも可能であるし、また、データ信号を入力するデータ信号線を指定することによって、該指定したデータ信号線が接続している画素群にのみ、画像を表示させることも可能である。
【0078】
次に、図3を参照しながら、走査信号線xに走査信号が入力されることによって、データ信号線yに入力されたデータ信号がデジタルメモリ素子618にラッチされたときの、走査信号とデジタルメモリ素子618の出力電圧EP1との関係について説明する。
【0079】
図3は、走査信号線xに走査信号が入力されることによって、データ信号線yに入力されたデータ信号がデジタルメモリ素子618にラッチされたときの、走査信号と、デジタルメモリ素子618の出力電圧EP1との関係を示す図である。
【0080】
データ信号線yにHighレベル(V)のデータ信号が入力されている状態において、走査信号線xにLowレベル(0)の走査信号が入力されると、デジタルメモリ素子618の出力電圧がHighレベルとなる。そして、走査信号がHighレベルに変化するタイミングで、デジタルメモリ素子618の出力電圧はHighレベルに固定される。そして、次に走査信号がLowレベルになるまで、デジタルメモリ素子618の出力電圧は保持される。
【0081】
このように、デジタルメモリ素子618は、走査信号線xの走査信号がLowレベルになるまで、前の出力電圧を保持する。
【0082】
次に、図4(a)および(b)を参照しながら、デジタルメモリ素子618の出力電圧と、液晶セル614に印加される電圧との関係について説明する。図4(a)および(b)は、いずれも、デジタルメモリ素子618の出力電圧と、液晶セル614に印加される電圧との関係の一例を示す図である。
【0083】
デジタルメモリ素子の出力電圧がHighレベルのとき,交流駆動用クロック616の出力電圧EP2に対して、反転した出力電圧EP3が、付加回路615の出力電圧として得られる。したがって、液晶セル614には、交流駆動用クロック616の出力電圧EP2と付加回路615の出力電圧EP3との差分である電圧EP4が印加される(図4(a)参照)。
【0084】
一方、デジタルメモリ素子618の出力がLowレベルのとき,交流駆動用クロック616の出力電圧EP2と同相の電圧EP5が、付加回路615の出力電圧として得られる。この場合、交流駆動用クロック616の出力電圧EP2と付加回路615の出力電圧EP3との差分であるEP6は、常にLowレベルとなる(図4(b)参照)。したがって、液晶セル614には、電圧が印加されない。
【0085】
以上のように、画素メモリ内蔵液晶パネル161では、データを静止画像として継続して表示する場合、画素部スイッチ素子611、並びに、デジタルメモリ素子618をスイッチングさせる必要がない。そのため、画素メモリ内蔵液晶パネル161では、低消費電力化を実現することができる。
【0086】
(データ表示装置を含む認証システムの構成例)
次に、図5を参照しながら、認証システム1000の構成例について説明する。図5は、認証システム1000の構成例を示す模式図である。
【0087】
同図に示すとおり、認証システム1000は、データ表示装置100、データ読取装置200、クライアント装置300、および、認証サーバ(サービス提供装置)400を含んでいる。
【0088】
クライアント装置300と認証サーバ400とは、一般的に知られている通信ネットワーク500を介して通信可能に接続される。また、クライアント装置300とデータ読取装置200とは、一般的に知られている通信ケーブル(USB等)を介して通信可能に接続される。また、データ表示装置100は、データ読取装置200に着脱可能な構成になっており、データ表示装置100をデータ読取装置200に接続(装着)することにより、データ表示装置100とデータ読取装置200とは相互に通信等を行なうことができる。その結果、データ表示装置100とクライアント装置300とは、データ読取装置200を介して、相互に通信することができる。
【0089】
なお、本実施の形態では、データ表示装置100とクライアント装置300とは、後述する通信コマンドを用いて相互に通信する。ただし、クライアント装置300から、データ表示装置100の制御部140を介さずに、直接、データ表示装置100の表示部160に出力するデータについては、通信コマンドを用いずに、該データのみを送信する。これらの詳細については、後述する。
【0090】
次に、データ表示装置100、データ読取装置200、クライアント装置300、および、認証サーバ400のぞれぞれの概要を説明する。
【0091】
データ表示装置100は、上述したようにICカードであり、データ読取装置200に着脱可能な構成になっている。データ表示装置100は、一般的に知られているICカードが備える機能を具備する他、画素メモリ内蔵液晶パネル161を備える表示部160、データ読取装置200との接続端子である端子部170等を備えている。表示部160は、自装置に記憶しているユーザの氏名や、認証サーバ400が生成した認証情報等を表示する。データ表示装置100の詳細な構成については後述する。
【0092】
次に、データ読取装置200は、一般的に知られているカードリーダを想定しており、少なくとも、一般的に知られているICカードが備える機能を具備する。
【0093】
次に、認証サーバ400は、認証を必要とするサービスを提供するとともに、認証情報を用いて上記認証に関する処理を行なうサーバ装置である。認証サーバ400は、認証情報を所定情報に基づいて生成し、該生成した認証情報をクライアント装置300に送信する。ここで、上記所定情報とは、データ表示装置100の識別情報(具体的には、データ表示装置100を一意に識別可能なID)である。つまり、認証情報は、データ表示装置100毎に、一意に生成されるものである。
【0094】
なお、本実施の形態では、認証サーバ400が生成する認証情報は、いわゆるワンタイムパスワード(以下、単にパスワードと表記する)を想定している。すなわち、認証サーバ400は、例えば時刻によって値が変わる認証情報を生成する。ただし、認証情報は、ワンタイムパスワードに限定されるものではなく、認証に用いることができる情報であればどのような情報であってもよい。
【0095】
また、認証サーバ400は、ユーザがクライアント装置300にて入力した認証情報を、クライアント装置300から受信し、該受信した認証情報が正しいか否かを調べる。具体的には、クライアント装置300から受信した認証情報と、自装置で生成した認証情報とのマッチングを行なう。そして、上記受信した認証情報が正しい場合は、認証後に行なわれる各処理(具体的には、Webページの提供等)を実行する。なお、上記受信した認証情報が正しくない場合は、認証情報の再入力をユーザに求めてもよいし、認証処理を中止してもよい。
【0096】
次に、クライアント装置300は、ユーザが使用する、PC、PDAなどの情報処理装置であり、認証サーバ400にて提供されるサービスをユーザが利用するために、認証サーバ400にアクセスするための装置である。
【0097】
クライアント装置300は、認証に用いられる認証情報を認証サーバ400から取得する。そして、クライアント装置300は、認証サーバ400から認証情報を受信すると、該受信した認証情報を、(1)クライアント装置300の表示部に表示するか、または、(2)データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信し、データ表示装置100の表示部160に表示させる。ここで、上記(1)および上記(2)のいずれにするかは、データ表示装置100が表示部を有するか否かを示す情報に基づいて判定する。これについては、後述で詳細に述べる。
【0098】
そして、クライアント装置300は、ユーザからの認証情報の入力を受け付け、該受け付けた認証情報を認証サーバ400に送信する。
【0099】
なお、認証サーバ400に、データ表示装置100の識別情報に基づいて認証情報を生成させるために、クライアント装置300は、データ読取装置200を介してデータ表示装置100からデータ表示装置100のIDを取得し、該取得したデータ表示装置100のIDを認証サーバ400に送信する。
【0100】
クライアント装置300の詳細な構成については後述する。
【0101】
なお、上述した認証システム1000は、一般的な構成例とするために、カードリーダとしてのデータ読取装置200と、PC等としてのクライアント装置300とをそれぞれ含む構成としたが、この構成に限定されるものではない。データ読取装置200およびクライアント装置300を含む代わりに、データ読取装置200とクライアント装置300とを一体とした装置(以下、データ読取/クライアント装置)を含む構成としてもよい。この場合、データ読取/クライアント装置は、データ読取装置200およびクライアント装置300の機能を具備している。そして、データ表示装置100は、データ読取/クライアント装置に着脱可能な構成となっており、データ表示装置100が、データ読取/クライアント装置に接続(装着)されているとき、データ表示装置100は、端子部170を介して、データ読取/クライアント装置と相互に通信等を行なう。
【0102】
また、特許請求の範囲の記載では、データ読取装置200とクライアント装置300とが接続されているとき、データ読取装置200とクライアント装置300とを1つの装置とみなして、「操作端末」と表記している。
【0103】
(発明の要旨)
データ表示装置100は、データ表示装置100は、データ読取装置200に接続されている場合、データ読取装置200から受信するデータに基づいて、表示部160に画像を表示する。具体的には、認証サーバ400にて生成される認証情報を表示するためのデータを、クライアント装置300およびデータ読取装置200を介して受信し、該受信したデータに基づいて、表示部160に認証情報を表示する。
【0104】
一方、データ読取装置200に接続されていない場合、データ表示装置100は、自装置に予め記憶されている情報に基づいて、表示部160に画像を表示する。例えば、データ表示装置100を所有するユーザのユーザ情報(例えば、氏名、住所、所属部署名、顔写真など)が予め自装置に記憶されている場合、該ユーザ情報を表示部160に表示する。
【0105】
また、クライアント装置300は、データ表示装置100の表示部160に認証情報を表示するためのデータを送信する場合、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成する全てのライン(後述する)に画像を表示するためのデータを送信するのではなく、認証情報を表示する対象となる1または複数のラインに画像を表示するためのデータ(以下、ラインデータとも表記する)(認証表示情報)を送信する。ラインデータは、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、認証情報の表示対象となるライン(表示領域)を指定するとともに、各ラインに表示するデータを含んだものである。そして、データ表示装置100は、ラインデータに基づいて、表示部160に認証情報を表示する。つまり、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、ラインデータに指定された各ラインにデータを出力することによって、表示部160に認証情報を表示する。
【0106】
なお、本実施の形態において、「ライン」とは、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成する走査信号線xに接続される画素群で構成される行のそれぞれを意味するものとする。
【0107】
さらに、クライアント装置300の指示によって、データ表示装置100の表示部160に画像が現在表示されている場合において、クライアント装置300からデータ表示装置100に認証情報を表示させるとき、クライアント装置300は、上記現在表示させている画像と、上記表示させる認証情報との差分画像を表示部160に出力するためのラインデータを、データ表示装置100に送信する。そして、データ表示装置100は、上記差分画像を出力するためのラインデータに基づいて、表示部160に表示する画像を更新する。
【0108】
さらに、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成する画素毎のうち、指定した画素に設けられたデジタルメモリ素子が現在保持している電圧(画素値)を反転させたものを、当該デジタルメモリ素子の出力電圧とすることによって、データ表示装置100に認証情報を表示させるようにしてもよい。この場合、出力電圧を反転させるデジタルメモリ素子を含む画素に対してデータを出力するためのラインデータを、データ表示装置100に送信する。以下では、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成する画素毎のうち、指定した画素に設けられたデジタルメモリ素子が現在保持している電圧を反転させたものを、当該デジタルメモリ素子の出力電圧とすることによって表示部160に画像を表示するモードを、「メモリデータ反転モード」とも称する。
【0109】
メモリデータ反転モードにおいて、当該データ信号線に接続されたデジタルメモリ素子がHighレベルの電圧を保持している場合(つまり、画素値が1の場合)、データ信号線にHighレベルのデータ信号が入力されると、該デジタルメモリ素子の出力電位が反転してLowレベルになる(つまり、画素値が反転して0になる)。一方、デジタルメモリ素子がLowレベルの電圧を保持している場合(つまり、画素値が0の場合)、データ信号線にHighレベルのデータ信号が入力されると、該デジタルメモリ素子の出力電位が反転してHighレベルになる(つまり、画素値が反転して1になる)。なお、メモリデータ反転モードを実現する画素メモリ内蔵液晶パネル161の回路図の構成例については、図28を用いて後述する。
【0110】
また、クライアント装置300からデータ表示装置100に送信するデータに対して、一般的に知られている方法によって、暗号化処理を施してもよい。この場合、データ表示装置100は、クライアント装置300から受信したデータに対して復号化処理を施し、該復号化処理後のデータに基づいて、表示部160に画像を表示する。
【0111】
(データ表示装置の概観)
次に、図6を参照しながら、データ表示装置100の概観の一例について説明する。図6(a)は、データ表示装置100の概観の一例を示す模式図である。同図に示すように、データ表示装置100は、筐体の表面に、表示部160、端子部170、および自装置の各部に電力を供給する電源部190(太陽電池)を有している。各部の詳細については後述する。なお、同図では、表示部160に、ユーザの氏名を表示している。
【0112】
次に、図6(b)は、データ読取装置200に接続(装着)された場合における、データ表示装置100の概観の一例を示す模式図である。同図に示すように、データ読取装置200に接続(装着)された状態においても、ユーザは、表示部160を視認可能である。なお、同図では、表示部160に、ユーザの氏名に代えて、認証情報(ABCDEFG)を表示している。
【0113】
(認証システムにて認証を行なう際の処理の流れ)
次に、図7を参照しながら、ユーザが、認証システム1000にて認証を行なう際の処理の流れの概要を説明する。なお、ここでは、処理の流れの概要のみを説明し、各処理の詳細については後述する。図7は、認証システム1000にて、ユーザが認証を行なう際の処理の流れの概要を示すシーケンス図である。なお、ここでは、ユーザは、認証情報をデータ表示装置100の表示部160に表示させるために、データ表示装置100をデータ読取装置200に接続(装着)したものとする。
【0114】
データ表示装置100は、データ読取装置200に接続されると、データ表示装置100のID、および、データ表示装置100が表示部160を有する旨を含む通信コマンドを、データ読取装置200を介してクライアント装置300に送信する(ステップ(以下、Sと表記)11)。
【0115】
続いて、クライアント装置300は、上記通信コマンドを受信すると、該受信した通信コマンドに含まれるIDを認証サーバ400に送信するとともに、データ表示装置100が表示部160を有する旨を自装置に記憶する(S13)。
【0116】
続いて、認証サーバ400は、クライアント装置300から受信したIDに基づいて認証情報を生成し、該生成した認証情報をクライアント装置300に送信する(S15)。
【0117】
続いて、クライアント装置300は、データ表示装置100が表示部160を有することを記憶しているので、認証サーバ400から認証情報を受信すると、上記受信した認証情報をデータ表示装置100の表示部160に表示させる処理を行なう。具体的には、上記受信した認証情報を表示するためのラインデータを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に向けて送信する(S17)。
【0118】
なお、ステップS17にて送信するラインデータは、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、認証情報を表示する対象となる1または複数のラインに画像を表示するためのラインデータである。
【0119】
さらに、クライアント装置300の指示よりデータ表示装置100の画素メモリ内蔵液晶パネル161に現在画像が表示されている場合は、ステップS17にて送信するラインデータは、画素メモリ内蔵液晶パネル161に現在表示させている画像と、画素メモリ内蔵液晶パネル161に今回表示させる認証情報の画像との差分画像を表示するためのラインデータとなる。
【0120】
さらに、メモリデータ反転モードにて、データ表示装置100に認証情報を表示させる場合、ステップS17にて送信するラインデータは、画素メモリ内蔵液晶パネル161において、出力電圧を反転させるデジタルメモリ素子を含む画素に対してデータを出力するためのラインデータとなる。
【0121】
なお、クライアント装置300は、ステップS17にてラインデータを送信するにあたり、暗号化処理を施してもよい。この場合、ステップS13にて取得したデータ表示装置100のIDを暗号鍵として用いるものとする。
【0122】
続いて、データ表示装置100は、データ読取装置200を介してクライアント装置300からラインデータを受信すると、該受信したラインデータに基づいて、表示部160に認証情報を表示する(S19)。なお、データ表示装置100は、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、認証情報を表示する対象となるラインのみを書き換える。
【0123】
なお、メモリデータ反転モードにて、データ表示装置100に認証情報を表示させる場合、表示部160に、メモリデータ反転モードをONにする旨の信号を出力する。これについては、図28を用いて後述する。
【0124】
また、データ表示装置100は、ステップS17にて暗号化処理が施されたラインデータを受信したときは、自装置のIDを復号鍵として、復号化処理を行なうものとする。
【0125】
その後、クライアント装置300は、データ表示装置100の表示部160を閲覧することによって認証情報を知り得たユーザから、認証情報の入力を受け付け、該入力された認証情報を認証サーバ400に送信する(S21)。
【0126】
最後に、認証サーバ400は、クライアント装置300から認証情報を受信すると、該受信した認証情報と、ステップS15にて生成した認証情報とのマッチングを行なうことによって、認証処理を実行する(S23)。
【0127】
以上の流れにより、ユーザは、認証システム1000にて認証を行なうことができる。
【0128】
なお、表示部を有さないICカードを用いて認証処理を行なう場合について、説明を補足する。該ICカードは、表示部を有さない点を除けば、データ表示装置100と同等の機能を具備するものとする。そして、ステップS11で送信される通信コマンドには、上記ICカードが表示部を有さない旨が含まれるものとする。そして、クライアント装置300は、ステップS13にて、上記ICカードが表示部を有さない旨を自装置に記憶するものとする。そして、クライアント装置300は、ステップS17にて、上記ICカードにラインデータを送信せず、クライアント装置300の表示部に認証情報を表示するものとする。したがって、この場合、ユーザは、クライアント装置300の表示部を閲覧することによって認証情報を知り得ることとなる。
【0129】
(データ表示装置とクライアント装置との間でやりとりされる通信コマンド)
次に、図8〜図16を参照しながら、データ表示装置100とクライアント装置300との間でやりとりされる通信コマンドについて説明する。
【0130】
後述するように通信コマンドは7種類存在するが、各通信コマンドは、少なくとも「スタート(S)」フィールド、および、「コマンド種別」フィールドを含むフレーム構造となっている。「スタート」フィールドは、通信コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。また、「コマンド種別」フィールドは、通信コマンドの種別を示す値を格納するためのフィールドである。
【0131】
図8を参照しながら、通信コマンドの種別と、「コマンド種別」フィールドに格納される値(ビット列)との対応関係について説明する。図8は、通信コマンドの種別と、「コマンド種別」フィールドに格納される値(ビット列)との対応関係を示す説明図である。同図に示すように、通信コマンドは7種類存在する。
【0132】
1つ目は、データ表示装置100からクライアント装置300に対して、データ表示装置100のIDを送信する際に用いられる通信コマンド(以下、ID送信コマンドと表記する)である。
【0133】
2つ目は、クライアント装置300からデータ表示装置100に対して、データ表示装置100の表示データ記憶部132を書き換える(更新する)要求を送信する際に用いられる通信コマンド(以下、書換要求コマンドと表記する)である。
【0134】
3つ目は、データ表示装置100からクライアント装置300に対して、データ表示装置100の表示データ記憶部132の書き換え(更新)が失敗した旨を送信する際に用いられる通信コマンド(以下、書換失敗コマンドと表記する)である。
【0135】
4つ目は、データ表示装置100からクライアント装置300に対して、データ表示装置100の表示データ記憶部132の書き換え(更新)が成功した旨を送信する際に用いられる通信コマンド(以下、書換成功コマンドと表記する)である。
【0136】
5つ目は、クライアント装置300からデータ表示装置100に対して、後述するスルー表示モードに切り替える要求を送信する際に用いられる通信コマンド(以下、スルー表示切替コマンドと表記する)である。
【0137】
6つ目は、クライアント装置300からデータ表示装置100に対して、後述する復号表示モードで表示部160にデータを出力する要求を送信する際に用いられる通信コマンド(以下、復号表示コマンドと表記する)である。
【0138】
7つ目は、クライアント装置300からデータ読取装置200に対して、復号表示モード、かつ、メモリデータ反転モードで、表示部160にデータを出力する要求を送信する際に用いられる通信コマンド(以下、復号表示/反転コマンドと表記する)である。
【0139】
そして、同図に示すように、「コマンド種別」フィールドに格納される値は、ID送信コマンドの場合は“0000000”、書換要求コマンドの場合は“1111000”、書換失敗コマンドの場合は“0101000”、書換成功コマンドの場合は“0111000”、スルー表示切替コマンドの場合は“1000100”、復号表示コマンドの場合は“1001000”、復号表示/反転コマンドの場合は“1001001”である。
【0140】
ここで、スルー表示モードおよび復号表示モードについて説明する。
【0141】
スルー表示モードとは、データ表示装置100において、クライアント装置300から受信するデータを、制御部140を介さずに、直接、表示部160に出力するモードである。よって、この場合、表示切替部180(後述する)が、表示部160へのデータの出力元を、端子部170に設定しておく必要がある。
【0142】
復号表示モードとは、データ表示装置100において、クライアント装置300から受信するデータを、制御部140にて復号化処理を施した上で、表示部160へ出力するモードである。よって、この場合、表示切替部180が、表示部160へのデータの出力元を、制御部140に設定しておく必要がある。
【0143】
次に、上述した7種類の通信コマンドのそれぞれのフレーム構造について説明する。
【0144】
まず、図9を参照しながら、ID送信コマンドのフレーム構造について説明する。図9は、通信コマンドの1種であるID送信コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0145】
同図に示すように、ID送信コマンドは、「スタート」、「コマンド種別」、「表示部有無」、および「ID」の各フィールドを含んでいる。
【0146】
「表示部有無」フィールドは、データ表示装置100が表示部を有するか否かを示すフィールドである。データ表示装置100が表示部を有する場合は“1”、データ表示装置100が表示部を有さない場合は“0”が格納される。
【0147】
「ID」フィールドは、データ表示装置100のIDを格納するフィールドである。
【0148】
次に、図10を参照しながら、書換要求コマンドのフレーム構造について説明する。図10は、通信コマンドの1種である書換要求コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0149】
同図に示すように、書換要求コマンドは、「スタート」、「コマンド種別」、「表示部有無」、「データ長」、および「データ」の各フィールドを含んでいる。
【0150】
「表示部有無」フィールドは、データ表示装置100が表示部を有するか否かを示すフィールドであるが、書換要求コマンドの場合、常に、データ表示装置100が表示部を有することを示す“1”が格納される。
【0151】
「データ長」フィールドは、「データ」フィールドに格納する値の長さを示すフィールドである。
【0152】
「データ」フィールドは、データ表示装置100の表示データ記憶部132に記憶させるデータそのものを格納する。
【0153】
次に、図11および図12を参照しながら、書換失敗コマンドおよび書換成功コマンドのフレーム構造について説明する。図11は、書換失敗コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。また、図12は、書換成功コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0154】
図11および図12に示すように、書換失敗コマンドおよび書換成功コマンドは、「スタート」、「コマンド種別」、および「Don’t care」の各フィールドを含んでいる。「Don’t care」フィールドは、どのような値が指定されていてもよい。
【0155】
次に、図13を参照しながら、スルー表示切替コマンドのフレーム構造について説明する。図13は、スルー表示切替コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0156】
同図に示すように、スルー表示切替コマンドは、「スタート」、「コマンド種別」、および「表示部有無」の各フィールドを含んでいる。
【0157】
「表示部有無」フィールドは、データ表示装置100が表示部を有するか否かを示すフィールドであるが、スルー表示切替コマンドの場合、常に、データ表示装置100が表示部を有することを示す“1”が格納される。
【0158】
ここで、図14(a)〜14(c)を参照しながら、スルー表示モード時にクライアント装置300から、データ表示装置100の制御部140を介さずに、直接、表示部160に出力されるデータ(以下、スルー表示データと表記する)のフレーム構造について説明する。
【0159】
スルー表示データのフレーム構造は、データ表示装置100の表示部160にデータを出力させる際のモードに応じて、2種類存在する。ここで、データ表示装置100の表示部160にデータを出力させる際のモードとは、ライン書換モードおよび表示更新モードである。
【0160】
ライン書換モードとは、表示部160の画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、指定したラインにデータを出力する(指定したラインのデータを書き換える)モードである。また、表示更新モードとは、表示部160の画素メモリ内蔵液晶パネル161の表示を更新する指示を与えるモードである。
【0161】
まず、図14(a)は、ライン書換モードを指定する場合における、スルー表示データのフレーム構造を模式的に示す図である。この場合、スルー表示データは、「モード種別」、「コモン反転指定」、「コモン反転」、「ラインアドレス」、「ラインデータ」、および「ダミー」の各フィールドを含んでいる。
【0162】
「モード種別」フィールドは、ライン書換モードであることを示す値“1000”を格納するためのフィールドである。
【0163】
次に、「コモン反転指定」フィールドは、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成する共通電極端子(COM)617の電圧の極性を、「コモン反転」フィールドに指定された値に従って決定するか、または、データ表示装置100の制御部140にて生成される値に従って決定するかを指定するためのフィールドである。「コモン反転」フィールドの値に従って決定する場合は“0”、データ表示装置100の制御部140にて生成される値に従って決定する場合は“1”が格納される。
【0164】
次に、「コモン反転」フィールドは、共通電極端子(COM)617の電圧の極性を指定するフィールドである。反転させる場合は“1”、反転させない場合は“0”が格納される。
【0165】
次に、「ラインアドレス」フィールドは、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、「ラインデータ」フィールドに格納されるラインデータを表示する対象となるラインを指定するフィールドである。なお、「ラインアドレス」フィールドの長さは10ビットであり、例えば、“1000000000”は画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインの1本目を表し、“0100000000”は、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインの2本目を表し、“0010111110”は、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインの500本目を表す。
【0166】
「ラインデータ」フィールドは、「ラインアドレス」フィールドにて指定されたラインに表示するためのデータを格納するフィールドである。なお、「ラインデータ」フィールドの長さは、1ラインのドット数/8ビットとなる。
【0167】
「ダミー」フィールドは、必要に応じて適宜値が指定されるフィールドである。
【0168】
なお、図14(b)を参照しながら、ライン書換モードで複数のラインを書き換える場合における、スルー表示データのフレーム構造について説明する。図14(b)は、ライン書換モードにて複数ラインを書き換える場合における、スルー表示データのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0169】
同図に示すように、ライン書換モードで複数のラインを書き換える場合、「ラインアドレス」フィールドおよび「ラインデータ」フィールドの組を、書き換えるラインの数だけ繰り返し設けるようにする。
【0170】
次に、図14(c)は、表示更新モードを指定する場合における、スルー表示データのフレーム構造を模式的に示す図である。同図に示すように、この場合、スルー表示データは、「モード種別」、「コモン反転指定」、および「コモン反転」の各フィールドを含んでいる。
【0171】
「モード種別」フィールドは、表示更新モードであることを示す値“0000”を格納するためのフィールドである。
【0172】
「コモン反転指定」および「コモン反転」の各フィールドは、ライン書換モードにおける「コモン反転指定」および「コモン反転」の各フィールドと同じであるので、説明を省略する。
【0173】
次に、図15を参照しながら、復号表示コマンドのフレーム構造について説明する。図15は、復号表示コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0174】
同図に示すように、復号表示コマンドは、「スタート」、「コマンド種別」、「表示部有無」、「データ長」、および「データ」の各フィールドを含んでいる。
【0175】
「表示部有無」フィールドは、データ表示装置100が表示部を有するか否かを示すフィールドであるが、復号表示コマンドの場合、常に、データ表示装置100が表示部を有することを示す“1”が格納される。
【0176】
「データ長」フィールドは、「データ」フィールドに格納する値の長さを示すフィールドである。
【0177】
「データ」フィールドは、スルー表示データと同じフォーマットのデータに対して暗号化処理を施したデータが格納される。なお、暗号鍵は、上述したように、データ表示装置100のIDである。
【0178】
次に、図16を参照しながら、復号表示/反転コマンドのフレーム構造について説明する。図16は、復号表示/反転コマンドのフレーム構造を模式的に示す図である。
【0179】
同図に示すように、復号表示/反転コマンドは、「スタート」、「コマンド種別」、「表示部有無」、「データ長」、および「データ」の各フィールドを含んでいる。「コマンド種別」以外の各フィールドは、復号表示コマンドの各フィールドと同じである。
【0180】
(データ表示装置の詳細な構成)
次に、図1を参照しながら、データ表示装置100の要部構成について説明する。図1は、データ表示装置100の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、データ表示装置100は、記憶部130、制御部140、表示部160、端子部170、表示切替部180、および電源部190を備えている。
【0181】
記憶部130は、制御部140が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データ等を記憶するものである。記憶部130は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0182】
記憶部130は、特に、ID記憶部(装置識別情報記憶部)131、および表示データ記憶部132を含んでいる。
【0183】
ID記憶部131は、データ表示装置100を識別する情報(具体的には、データ表示装置100のID)を読み出し可能に記憶するものである。また、表示データ記憶部132は、表示部160に表示させるデータ(例えば、データ表示装置100のユーザの氏名、住所、所属部署名、顔写真など)を読み出し可能に記憶するものである。
【0184】
次に、制御部140について説明する。制御部140は、データ表示装置100が備える各部の動作を制御するものである。制御部140は、記憶部130に記憶されている各種プログラムを読み出して、所定の演算処理を行なうことによって、データ表示装置100の各部を制御し、データ表示装置100が備える各種機能を実現するものである。制御部140の詳細な構成については後述する。
【0185】
次に、表示部160について説明する。表示部160は、いわゆる画素メモリ内蔵液晶表示装置であり、画素メモリ内蔵液晶パネル161、および画素メモリ内蔵液晶パネル161を駆動するための周辺回路を含んで構成される。周辺回路とは、例えば、走査信号線xおよびデータ信号線yに入力する信号を制御するための制御回路などである。
【0186】
次に、端子部170について説明する。端子部170は、データ表示装置100とデータ読取装置200とを接続する接続端子である。データ表示装置100とデータ読取装置200とが接続されているとき、データ表示装置100とデータ読取装置200との間では、少なくとも次に示す信号線が、端子部170を介して接続される。すなわち、(1)データ読取装置200からデータ表示装置100に電力を供給する電力信号線、(2)データ読取装置200からデータ表示装置100の記憶部130へのデータの書き込みを制御する書込信号線(以下、WRと表記する)、および、(3)データ表示装置100とデータ読取装置200と間でデータをやりとりするためのデータ信号線、である。
【0187】
なお、以下では、上記電力信号線にてデータ読取装置200からデータ表示装置100に供給される電力を、電力Vcc2とも表記する。
【0188】
また、書込信号線WRの電位がHigh(H)レベルのとき、データ読取装置200からデータ表示装置100の記憶部130へのデータの書き込みが可能である。一方、書込信号線WRの電位がLow(L)レベルのとき、データ読取装置200からデータ表示装置100の記憶部130へのデータの書き込みはできない。
【0189】
また、データ信号線を用いたデータ伝送は、双方向伝送であっても片方向伝送であってもよいし、また、シリアル伝送であってもパラレル伝送であってもよい。
【0190】
また、書込信号線WRの電位は、データ表示装置100とデータ読取装置200とが接続されていないとき、Lowレベルとなるものとする。また、データ表示装置100とデータ読取装置200とが接続されている場合は、クライアント装置300からの指示に応じて、書込信号線WRの電位はLowレベル、および、Highレベルのいずれかとなる。この場合、書込信号線WRの電位がLowレベルとなるのは、スルー表示モードでデータ表示装置100の表示部160に直接データを出力するときである。
【0191】
次に、表示切替部180について説明する。表示切替部180は、制御部140の表示切替指示部143(後述する)からの指示に応じて、表示部160へのデータの出力元を、制御部140および端子部170のいずれか一方に設定する(切り替える)ものである。
【0192】
具体的には、表示部160へのデータの出力元を制御部140にする場合、制御部140から表示部160へのデータの出力が可能になり、かつ、端子部170から表示部160へのデータの出力が不可能になるように、接続を切り替える。
【0193】
また、表示部160へのデータの出力元を端子部170にする場合、制御部140から表示部160へのデータの出力が不可能になり、かつ、端子部170から表示部160に直接データの出力が可能になるように、接続を切り替える。この場合、クライアント装置300から送信されるデータは、制御部140を介さずに、直接、表示部160に出力されることとなる。
【0194】
なお、以下では、「表示部160へのデータの出力元を、制御部140に設定する」ことを、「表示切替部180の接続先を制御部140に設定する」とも表記する。同様に、「表示部160へのデータの出力元を、端子部170に設定する」ことを、「表示切替部180の接続先を端子部170に設定する」とも表記する。
【0195】
次に、電源部190について説明する。電源部190は、データ読取装置200に接続されていないとき(すなわち、データ表示装置100が単独で動作するとき)に、データ表示装置100の各部に電力を供給するものである。電源部190が供給する電力を、以下では、電力Vcc1とも表記する。なお、ここでは、電源部190は、いわゆる太陽電池を想定している。
【0196】
次に、制御部140について詳細に説明する。制御部140は、データ表示制御部(表示制御手段)141、電源検知部(接続検知手段)142、表示切替指示部143、表示データ読出部144、およびコマンド処理部(認証表示情報取得手段)145を含んでいる。
【0197】
まず、データ表示制御部141について説明する。データ表示制御部141は、表示部160へのデータの出力を制御するものであり、特に、表示データ読出部144およびコマンド処理部145からの指示に従って、表示部160にデータを出力することによって、表示部160に画像を表示させる制御を行なうものである。なお、データ表示制御部141から表示部160には、各種信号線を介して、データ信号および各種制御信号が入力される。
【0198】
また、コマンド処理部145から、メモリデータ反転モードをONに設定する旨が指示された場合、データ表示制御部141は、表示部160に対して、メモリデータ反転モードをONに設定する旨の信号を出力する。具体的には、図28を用いて後述するメモリデータ反転モードバッファ61にHighレベルの電圧を印加する。
【0199】
一方、コマンド処理部145から、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨が指示された場合、データ表示制御部141は、表示部160に対して、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨の信号を出力する。具体的には、メモリデータ反転モードバッファ61にLowレベルの電圧を印加する。
【0200】
また、データ表示制御部141は、電力Vcc2が供給されていない場合、電力Vcc1による表示処理を行なう旨を表示部160に指示する。
【0201】
次に、電源検知部142は、電源部190から、データ表示装置100の消費電力以上の電力Vcc1が供給されているか否かを調べる。そして、電力Vcc1が自装置の消費電力以上であった場合、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる旨を、表示切替指示部143に指示するとともに、表示データ読出部144にその旨を通知する。
【0202】
さらに、電源検知部142は、端子部170を介して、電力Vcc2が供給されているか否かを調べる。そして、電力Vcc2が供給されている場合、コマンド処理部145にその旨を通知する。なお、端子部170を介して、電力Vcc2が供給されるのは、データ表示装置100がデータ読取装置200に接続(装着)されているときである。したがって、電力Vcc2が供給されていることを検知した場合、データ表示装置100がデータ読取装置200に接続(装着)されていることを検知したこととなる。
【0203】
次に、表示切替指示部143について説明する。表示切替指示部143は、電源検知部142およびコマンド処理部145からの指示に応じて、表示切替部180の接続先を制御部140および端子部170のいずれかに設定させる指示を、表示切替部180に与える。
【0204】
また、表示切替指示部143は、書込信号線WRの電位がHighレベルであることを検知したとき、表示切替部180に、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる指示を与える。一方、書込信号線WRの電位がLowレベルであることを検知したとき、表示切替部180に、表示切替部180の接続先を端子部170に設定させる指示を与える。
【0205】
次に、表示データ読出部144について説明する。表示データ読出部144は、電源検知部142からの通知があったとき、表示データ記憶部132に記憶されているデータを読み出す。そして、該読み出したデータを、表示部160に出力させる指示を、データ表示制御部141に対して行なう。したがって、データ読取装置200に接続されていないとき(すなわち、データ表示装置100が単独で動作しているとき)、表示データ記憶部132に記憶されているデータが、表示部160に表示されることとなる。
【0206】
なお、このとき、電源検知部142によって、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる旨が、表示切替指示部143に指示されているので、データ表示制御部141から表示部160に、表示データ記憶部132から読み出したデータを出力することができる状態にある。
【0207】
次に、コマンド処理部145について説明する。コマンド処理部145は、概略的に言えば、データ読取装置200を介してクライアント装置300との間でやりとりする通信コマンドを処理するものである。コマンド処理部145は、クライアント装置300から、データ読取装置200を介して、書換要求コマンド、スルー表示切替コマンド、復号表示コマンド、および復号表示/反転コマンドを受信し、該受信した通信コマンドに応じた処理を行なう。また、データ読取装置200を介して、クライアント装置300に、ID送信コマンド、書換成功コマンド、および書換失敗コマンドを送信する。
【0208】
以下で、コマンド処理部145が、各通信コマンドを送受信する際に行なう処理について、説明する。
【0209】
なお、クライアント装置300に対してID送信コマンドを送信するにあたり、コマンド処理部145が行なう処理を、以下では「ID送信処理」とも表記する。
【0210】
また、クライアント装置300から書換要求コマンドを受信した際に、コマンド処理部145が行なう処理を、以下では「記憶部書換処理」とも表記する。
【0211】
また、クライアント装置300から復号表示コマンドおよび復号表示/反転コマンドのいずれかを受信した際に、コマンド処理部145およびデータ表示制御部141が行なう処理を、以下では「復号表示処理」とも表記する。
【0212】
また、クライアント装置300からスルー表示切替コマンドを受信した際に、コマンド処理部145が行なう処理を、以下では「スルー表示切替処理」とも表記する。
【0213】
まず、ID送信処理について説明する。コマンド処理部145は、電力Vcc2が供給されている旨が、電源検知部142から通知された場合、ID送信コマンドを生成し、該生成したID送信コマンドをクライアント装置300に向けて送信する。なお、コマンド処理部145は、ID記憶部131からデータ表示装置100のIDを読み出し、該読み出したIDを、上記生成するID送信コマンドの「ID」フィールドに格納する。
【0214】
なお、ID送信コマンドを送信すると、クライアント装置300から、データ表示装置100のIDに対応する認証情報を表示するためのラインデータを受信することができるため、ID送信コマンドは、認証情報を表示するためのラインデータの取得を要求するコマンドということもできる。
【0215】
次に、記憶部書換処理について説明する。クライアント装置300から書換要求コマンドを受信したとき、コマンド処理部145は、まず、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる旨を、表示切替指示部143に指示する。なお、書換要求コマンドであることは、「コマンド種別」フィールドを参照することによって判定することができる。
【0216】
そして、書換要求コマンドの「表示部有無」フィールドの値(以下、表示部有無情報とも表記する)が“1”である場合、書換要求コマンドの「データ」フィールドに格納されているデータの整合性を検査する(例えば、CRC(cyclic redundancy checksum)検査などを行なう)。そして、上記検査の結果、整合性が有るときは、書換要求コマンドの「データ」フィールドに格納されているデータを表示データ記憶部132に格納するとともに、書換成功コマンドをクライアント装置300に向けて送信する。
【0217】
一方、上記検査の結果、整合性が無いときは、表示データ記憶部132を書き換えずに(更新せずに)、書換失敗コマンドをクライアント装置300に向けて送信する。
【0218】
次に、復号表示処理について説明する。クライアント装置300から復号表示コマンドおよび復号表示/反転コマンドのいずれかを受信したとき、コマンド処理部145は、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる旨を、表示切替指示部143に指示する。なお、復号表示コマンドおよび復号表示/反転コマンドであることは、「コマンド種別」フィールドを参照することによって判定することができる。
【0219】
そして、コマンド処理部145は、「表示部有無」フィールドの値を調べ、「表示部有無」フィールドの値が“1”である場合、「データ」フィールドを、データ表示装置100のIDを復号鍵として復号化処理を施す。その後、該復号化処理後のデータに基づいて、表示部160にデータを出力させる指示を、データ表示制御部141に対して行なう。なお、データ表示制御部141は、上記復号化処理後のデータに基づいて、表示部160にデータを出力させる。
【0220】
また、コマンド処理部145は、復号表示コマンドを受信しているときは、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨を、データ表示制御部141に指示する。一方、復号表示/反転コマンドを受信しているときは、メモリデータ反転モードをONに設定する旨を、データ表示制御部141に指示する。
【0221】
次に、スルー表示切替処理について説明する。クライアント装置300からスルー表示切替コマンドを受信したとき、コマンド処理部145は、まず、スルー表示切替コマンドの「表示部有無」フィールドの値を調べ、「表示部有無」フィールドの値が“0”である場合、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる旨を、表示切替指示部143に指示する。
【0222】
一方、「表示部有無」フィールドの値が“1”である場合、表示切替部180の接続先を端子部170に設定させる旨を、表示切替指示部143に指示する。また、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨を、データ表示制御部141に指示する。
【0223】
なお、スルー表示切替コマンドであることは、「コマンド種別」フィールドを参照することによって判定することができる。
【0224】
(クライアント装置の詳細な構成)
次に、図17を参照しながら、クライアント装置300の要部構成について説明する。図17は、クライアント装置300の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、クライアント装置300は、記憶部330、制御部340、表示部360、操作部370、装置通信部380、およびネットワーク通信部390を備えている。
【0225】
記憶部330は、制御部340が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データ等を記憶するものである。記憶部330は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0226】
記憶部330は、特に、データ表示装置情報記憶部331、認証情報記憶部332、およびパターン画像記憶部333を含んでいる。
【0227】
データ表示装置情報記憶部331は、データ表示装置100からデータ読取装置200を介して受信したID送信コマンドに含まれる「表示部有無」フィールドの値、および、該ID送信コマンドに含まれる「ID」フィールドに格納されているデータ表示装置100のIDを記憶するものである。
【0228】
認証情報記憶部332は、認証サーバ400から受信した認証情報を記憶するものである。
【0229】
パターン画像記憶部333は、メモリデータ反転モードでデータ表示装置100の表示部160にデータを出力する前に、データ表示装置100の表示部160に表示させるパターン画像を記憶するものである。パターン画像は、例えば、白および黒のストライプ状の模様を表す画像などが挙げられる。なお、図29(b)に示す画像が、パターン画像の一例である。
【0230】
次に、制御部340について説明する。制御部340は、クライアント装置300が備える各部の動作を制御するものである。制御部340は、記憶部330に記憶されている各種プログラムを読み出して、所定の演算処理を行なうことによって、クライアント装置300の各部を制御し、クライアント装置300が備える各種機能を実現するものである。制御部340の詳細な構成については後述する。
【0231】
次に、表示部360について説明する。表示部360は、制御部340の指示に基づいて画像を表示する表示装置である。例えば、LC(Liquid Crystal)表示パネルやEL(Electro Luminescence)表示パネル、CRT(cathode-ray tube)表示装置等を表示部360として適用することができる。
【0232】
次に、操作部370について説明する。操作部370は、クライアント装置300のユーザの入力操作を受け付け、該入力操作に応じた入力信号を制御部340に送信する。操作部370は、例えば、リモコン、マウス、キーボード、スイッチ、タッチパネルなどの入力デバイスで構成される。
【0233】
次に、装置通信部380について説明する。装置通信部380は、データ読取装置200との通信を行なうものである。装置通信部380は、USBやイーサネット(登録商標)などの通信ケーブルが接続可能に構成されており、該通信ケーブルを介してデータ読取装置200との通信を行なう。
【0234】
次に、ネットワーク通信部390は、通信ネットワーク500を介して認証サーバ400との通信を行なうものである。ネットワーク通信部390は、通信ネットワーク500と接続可能に構成されており、図示していないが、ネットワーク通信部390と通信ネットワーク500との間には、LAN(Local Area Network)やルータ等の通信を行なうために必要な構成が適宜設けられている。
【0235】
次に、制御部340について詳細に説明する。制御部340は、認証情報処理部342、記憶部書換指示処理部343、表示データ送信処理部(認証表示情報送信手段)344、および表示装置情報受信処理部(装置識別情報受信手段)345を含んでいる。
【0236】
認証情報処理部342について説明する。認証情報処理部342は、概略的に言えば、認証サーバ400から認証情報を取得するとともに、ユーザから入力された認証情報を認証サーバ400に送信するものである。
【0237】
具体的には、認証情報処理部342は、データ表示装置情報記憶部331に記憶されているデータ表示装置100のIDを読み出し、該読み出したIDを、ネットワーク通信部390を介して認証サーバ400に送信する。そして、その応答として、ネットワーク通信部390を介して認証サーバ400から認証情報を受信し、該受信した認証情報を認証情報記憶部332に格納する。
【0238】
そして、認証情報処理部342は、上記受信した認証情報を、クライアント装置300の表示部360に表示するか、または、データ表示装置100の表示部160に表示するかを決定する。該決定にあたり、認証情報処理部342は、データ表示装置情報記憶部331に記憶されている表示部有無情報を読み出し、該読み出した表示部有無情報が“0”であれば、クライアント装置300の表示部360に表示すると決定し、該読み出した表示部有無情報が“1”であれば、データ表示装置100の表示部160に表示すると決定する。
【0239】
そして、認証情報処理部342は、認証情報を表示部360に表示すると決定した場合、認証情報を表示部360に出力する。
【0240】
また、認証情報処理部342は、認証情報をデータ表示装置100の表示部160に表示すると決定した場合、認証情報をデータ表示装置100に送信する指示を、表示データ送信処理部344に与える。
【0241】
また、認証情報処理部342は、クライアント装置300のユーザに対して、認証情報の入力を求めるために、認証情報の入力を受け付けるテキストボックスなどのGUIを表示した認証情報入力画面を表示部360に表示させる。なお、ユーザは、クライアント装置300の表示部360およびデータ表示装置100の表示部160のいずれかを閲覧することによって知り得た認証情報を、認証情報入力画面にて入力する。また、ユーザからの入力は、操作部370を介して受け付ける。
【0242】
そして、認証情報処理部342は、認証情報入力画面にて認証情報の入力を受け付けたとき(認証情報入力画面に設けた所定のボタンが押下されたとき等)、該入力された認証情報を認証サーバ400に送信する。
【0243】
次に、記憶部書換指示処理部343について説明する。記憶部書換指示処理部343は、ユーザの指示等のトリガに応じて、データ表示装置100の表示データ記憶部132に記憶させる情報の書き換え(更新)を指示する処理を行なう。なお、記憶部書換指示処理部343が行なう処理を、記憶部書換指示処理とも称する。
【0244】
そのために、記憶部書換指示処理部343は、まず、書込信号線WRの電位をHighレベルにする指示をデータ読取装置200に与え、データ読取装置200からデータ表示装置100の記憶部130へのデータの書き込みが可能な状態とする。
【0245】
続いて、記憶部書換指示処理部343は、書換要求コマンドを生成し、該生成した書換要求コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。なお、このとき、データ表示装置100の表示データ記憶部132に記憶させる情報を、書換要求コマンドの「データ」フィールドに格納する。
【0246】
そして、書換要求コマンドを送信した応答として、クライアント装置300から書換失敗コマンドを受信した場合は、再度、上記生成した書換要求コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。一方、書換要求コマンドを送信した応答として、クライアント装置300から書換成功コマンドを受信した場合は、記憶部書換指示処理を終了する。
【0247】
なお、データ表示装置100の表示データ記憶部132に記憶させる情報は、ユーザからの入力を受け付けるテキストボックスなどのGUIを含む、情報入力画面を表示部360に表示し、該情報入力画面にてユーザに入力させることを想定しているが、この入力方法に限定されるものではない。
【0248】
次に、表示データ送信処理部344について説明する。表示データ送信処理部344は、主に、データ読取装置200を介してクライアント装置300に、復号表示コマンド、復号表示/反転コマンド、スルー表示切替コマンド、およびスルー表示データを送信するものである。
【0249】
まず、認証情報処理部342から、認証情報をデータ表示装置100に送信する指示が与えられた場合において、データ表示装置100の表示部160に復号表示モードで認証情報を出力させる場合は、表示データ送信処理部344は、復号表示コマンドを生成するとともに、該生成した復号表示コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。
【0250】
なお、復号表示モード、かつ、メモリデータ反転モードにて、データ表示装置100の表示部160に認証情報を出力させる場合であれば、表示データ送信処理部344は、復号表示/反転コマンドを生成するとともに、該生成した復号表示/反転コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。
【0251】
また、上記生成する復号表示コマンド、および、復号表示/反転コマンドの「モード種別」フィールドには、ライン書換モードを指定する。そして、「データ」フィールドには、認証情報を表示する対象となるラインに出力するデータを、ライン毎に格納する。なお、データ表示装置100の表示部160に画像が表示されている状態のときは、表示部160に現在表示されている画像と、表示部160に今回表示させる認証情報の画像との差分画像を表示するためラインデータを「データ」フィールドに格納するとともに、「データ」フィールドに対して暗号化処理を施す。なお、暗号鍵は、データ表示装置情報記憶部331から読み出した、データ表示装置100のIDである。
【0252】
なお、クライアント装置300からの指示で、データ表示装置100の表示部160にどのような画像を表示させたかについては、記憶部330に記憶されているものとする。
【0253】
また、データ表示装置100の表示部160に画像が表示されていない状態のときに、表示部160にメモリデータ反転モードでデータを出力する場合は、パターン画像記憶部333に記憶されているパターン画像を、予め、表示部160に表示させる。この場合、表示データ送信処理部344は、まず、スルー表示切替コマンドを生成するとともに、該生成したスルー表示切替コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。そして、スルー表示切替コマンドを送信した後、表示データ送信処理部344は、書込信号線WRの電位をLowレベルにする指示をデータ読取装置200に与えるとともに、パターン画像を表示する対象となるラインに出力するためのラインデータを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。
【0254】
なお、復号表示コマンドおよび復号表示/反転コマンドを送信する前に、表示データ送信処理部344は、書込信号線WRの電位をHighレベルにする指示をデータ読取装置200に与え、データ読取装置200からデータ表示装置100の制御部140へのデータの送信が可能な状態とする。
【0255】
また、復号表示モードでデータ表示装置100の表示部160に認証情報を出力させるか、または、スルー表示モードでデータ表示装置100の表示部160に認証情報を出力させるかについては、クライアント装置300の記憶部330に予め設定されているものとする。同様に、メモリデータ反転モードで出力させるか否かについても、クライアント装置300の記憶部330に予め設定されているものとする。なお、これらの設定は、ユーザにより変更できるようになっていてもよい。
【0256】
なお、復号表示コマンド、および、復号表示/反転コマンドを送信するにあたり、表示データ送信処理部344が行なう処理を、復号表示データ送信処理とも表記する。
【0257】
次に、認証情報処理部342から、認証情報をデータ表示装置100に送信する指示が与えられた場合において、データ表示装置100の表示部160にスルー表示モードで認証情報を出力させる場合は、表示データ送信処理部344は、まず、スルー表示切替コマンドを生成するとともに、該生成したスルー表示切替コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。そして、スルー表示切替コマンドを送信した後、表示データ送信処理部344は、書込信号線WRの電位をLowレベルにする指示をデータ読取装置200に与えるとともに、認証情報を表示する対象となるラインに出力するためのラインデータを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する。
【0258】
なお、データ表示装置100の表示部160にスルー表示モードで出力させるにあたり、表示データ送信処理部344が行なう処理を、スルー表示データ送信処理とも表記する。
【0259】
また、表示データ送信処理部344は、データ表示装置100の表示部160の表示を更新するために、所定トリガに応じて、書込信号線WRの電位をLowレベルにする指示をデータ読取装置200に与えるとともに、表示部160に画像を表示させるためのラインデータを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する処理(以下、表示部更新処理とも表記する)を行なうものとする。
【0260】
次に、表示装置情報受信処理部345について説明する。表示装置情報受信処理部345は、データ表示装置100からデータ読取装置200を介して、クライアント装置300からID送信コマンドを受信すると、ID送信コマンドの「ID」フィールドに含まれるIDを、認証サーバ400に送信するとともに、IDおよび「表示部有無」フィールドの値を、データ表示装置情報記憶部331に格納する。
【0261】
(通信コマンドの送受信例)
次に、図18を参照しながら、通信コマンドの送受信例の概略について説明する。図18は、通信コマンドの送受信例の概略を示すシーケンス図である。
【0262】
まず、同図において、フローF1では、ID送信コマンドを送受信する様子を示している。データ表示装置100をデータ読取装置200に接続(装着)したときに、データ表示装置100からID送信コマンドを送信する(S51)。なお、クライアント装置300では、ID送信コマンドを受信し、ID送信コマンドの「ID」フィールドに含まれるIDを、認証サーバ400に送信する(S53)。
【0263】
次に、フローF2では、クライアント装置300が行なう記憶部書換指示処理において書換要求コマンドを送信するとともに、データ表示装置100が行なう記憶部書換処理において書換失敗コマンドおよび書換成功コマンドを送信する様子を示している。クライアント装置300は、書換要求コマンドを送信する前に、まず、書込信号線WRの電位をHighレベルにする指示をデータ読取装置200に与え、データ読取装置200からデータ表示装置100の記憶部130へのデータの書き込みが可能な状態とする(S61)。なお、データ表示装置100では、書込信号線WRの電位がHighレベルであることを検知すると、表示切替部180の接続先を制御部140に設定する(S63)。
【0264】
続いて、クライアント装置300は、書換要求コマンドを送信する(S62)。書換要求コマンドを受信したデータ表示装置100は、データの整合性を検査し、整合性が無いときは、書換失敗コマンドを送信する(S67)。なお、クライアント装置300は書換失敗コマンドを受信すると、再度、書換要求コマンドを送信する。一方、整合性があるときは、データ表示装置100は、書換成功コマンドを送信するとともに、記憶部130を書き換える(更新する)(S69)。
【0265】
次に、フローF3では、クライアント装置300が行なう復号表示データ送信処理において復号表示コマンドを送信する様子を示している。まず、クライアント装置300は、書込信号線WRの電位をHighレベルにする指示をデータ読取装置200に与え、データ読取装置200からデータ表示装置100の制御部140へのデータの送信が可能な状態とする(S71)。なお、データ表示装置100では、書込信号線WRの電位がHighレベルであることを検知すると、表示切替部180の接続先を制御部140に設定する(S73)。そして、クライアント装置300は、復号表示コマンドを送信する(S75)。復号表示コマンドを受信したデータ表示装置100は、復号表示コマンドの「データ」フィールドを、データ表示装置100のIDを復号鍵として復号化処理を施し、該復号化処理後のデータに基づいて、表示部160にデータを出力させる(S77)。なお、銃器復号表示コマンドの「表示部有無」フィールドの値は“1”であるものとする。
【0266】
次に、フローF4では、クライアント装置300が行なうスルー表示データ送信処理においてスルー表示切替コマンドを送信した後、表示部160に表示させる表示用のデータを送信する様子を示している。まず、クライアント装置300は、スルー表示切替コマンドを送信する(S81)。スルー表示切替コマンドを受信したデータ表示装置100は、表示切替部180の接続先を端子部170に設定させる(S83)。なお、上記スルー表示切替コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“1”であるものとする。
【0267】
続いて、クライアント装置300は、書込信号線WRの電位をLowレベルにする指示をデータ読取装置200に与え、データ読取装置200からデータ表示装置100の表示部160に、制御部140を介さずにデータの出力可能な状態とする(S85)。その後、クライアント装置300が、表示部160に表示させる表示用のデータを送信すると(S87)、データ表示装置100の表示部160に、上記表示用のデータが出力される(S89)。
【0268】
(データ表示装置における処理の流れ)
次に、図19〜図22を参照しながら、データ表示装置100における処理の流れについて説明する。図19は、データ表示装置100における処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、データ表示装置100は、データ読取装置200に接続されておらず、かつ、リセットされた状態から開始するものとする。
【0269】
まず、表示データ読出部144が、電源部190から電力が供給される電力(Vcc1)が、自装置の消費電力以上である旨が、電源検知部142から通知されたとき、表示データ記憶部132に記憶されているデータを読み出す(S101)。続いて、電源検知部142が、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる旨を、表示切替指示部143に指示すると、表示切替指示部143は、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる(S103)。そして、上記読み出したデータを、表示部160に出力させる指示を、データ表示制御部141に対して行ない、表示部160に表示させる(S105)。
【0270】
ところで、電源検知部142は、端子部170を介して電力Vcc2が供給されているか否かを調べており(S107)、電力Vcc2が供給されていない場合(S107にてNO)、電源部190から供給される電力Vcc1による表示処理を、表示部160に行なわせる(S109)。なお、ステップS109では、データ表示制御部141から表示部160に対して表示処理を行なう旨を指示するのみであり、表示部160に対して表示用のデータの送信は行なわない。
【0271】
一方、電力Vcc2が供給されている場合(S107にてYES)(つまり、データ読取装置200と接続されている場合)、コマンド処理部145が、ID記憶部131からIDを読み出し(S111)、該読み出したIDを含むID送信コマンドを、クライアント装置300に向けて送信する(S113)。
【0272】
次に、表示切替指示部143が、書込信号線WRの電位がLowレベルであることを検知すると(S115にてYES)、クライアント装置300からスルー表示モードで表示部160に直接データを出力できるようにするため、表示切替部180の接続先を端子部170に設定させる(S117)。
【0273】
そして、電力Vcc2が供給されている場合は(S119にてYES)、ステップS115に戻る。一方、電力Vcc2が供給されていない場合は(S119にてNO)、ステップS109に移る。
【0274】
一方、表示切替指示部143が、書込信号線WRの電位が、Highレベルであることを検知すると(S115にてNO)、コマンド処理部145が、クライアント装置300から通信コマンドを受信する(S121)。そして、上記受信した通信コマンドが、書換要求コマンドである場合(S123にてYES)、コマンド処理部145は、記憶部書換処理を行なう(S125)。記憶部書換処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0275】
また、ステップS121にて受信した通信コマンドが、復号表示コマンドまたは復号表示/反転コマンドである場合(S127にてYES)、コマンド処理部145は、復号表示処理を行なう(S129)。復号表示処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0276】
また、ステップS121にて受信した通信コマンドが、スルー表示切替コマンドである場合(S131にてYES)、コマンド処理部145は、スルー表示切替処理を行なう(S133)。スルー表示切替処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0277】
ステップS121にて受信した通信コマンドが、書換要求コマンド、復号表示コマンド、および、スルー表示切替コマンドのいずれでもない場合であって(S131にてNO)、電力Vcc2が引き続き供給されている場合(S135にてYES)、ステップS115に戻る。
【0278】
一方、電力Vcc2が供給されていない場合(S135にてNO)、ステップS101に戻る。
【0279】
(記憶部書換処理の流れ)
次に、図20を参照しながら、図19で示したステップS125における記憶部書換処理の流れについて説明する。図20は、記憶部書換処理の流れを示すフローチャートである。
【0280】
まず、コマンド処理部145は、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる(S211)。続いて、書換要求コマンドの「表示部有無」フィールドの値を調べる(S213)。そして、書換要求コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“1”である場合(S213にてYES)、書換要求コマンドの「データ」フィールドに格納されているデータの整合性を検査する(S215)。そして、整合性がある場合(S215にてYES)、コマンド処理部145は、書換要求コマンドの「データ」フィールドに格納されているデータを表示データ記憶部132に格納するとともに(S217)、書換成功コマンドをクライアント装置300に向けて送信し(S219)、記憶部書換処理を終了する(RETURN)。
【0281】
一方、整合性がある場合(S215にてNO)、コマンド処理部145は、表示データ記憶部132を書き換えずに(更新せずに)、書換失敗コマンドをクライアント装置300に向けて送信し(S221)、記憶部書換処理を終了する(RETURN)。
【0282】
なお、書換要求コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“0”である場合(S213にてNO)、記憶部書換処理を終了する(RETURN)。
【0283】
(復号表示処理の流れ)
次に、図21を参照しながら、図19で示したステップS129における復号表示処理の流れについて説明する。図21は、復号表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0284】
まず、コマンド処理部145は、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる(S311)。続いて、通信コマンドの「表示部有無」フィールドの値を調べる(S313)。そして、通信コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“1”である場合(S313にてYES)、通信コマンドの「データ」フィールドを、データ表示装置100のIDを復号鍵として、復号化処理を施す(S315)。
【0285】
続いて、復号表示/反転コマンドである場合(S317にてYES)、コマンド処理部145は、メモリデータ反転モードをONに設定する旨を、データ表示制御部141に指示する。そして、データ表示制御部141は、表示部160に対して、メモリデータ反転モードをONに設定する旨の信号を出力する(S319)。
【0286】
一方、復号表示コマンドである場合(S317にてNO)、コマンド処理部145は、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨を、データ表示制御部141に指示する。そして、データ表示制御部141は、表示部160に対して、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨の信号を出力する(S321)。
【0287】
その後、コマンド処理部145は、ステップS315にて復号化した後のデータに基づいて、表示部160にデータを出力させる指示を、データ表示制御部141に対して行なう。そして、データ表示制御部141は、上記復号化処理後のデータに基づいて、表示部160にデータを出力させ(S323)、復号表示処理が終了する(RETURN)。
【0288】
なお、通信コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“0”である場合(S313にてNO)、コマンド処理部145は、復号表示処理を終了する(RETURN)。
【0289】
(スルー表示切替処理の流れ)
次に、図22を参照しながら、図19で示したステップS133におけるスルー表示切替処理の流れについて説明する。図22は、スルー表示切替処理の流れを示すフローチャートである。
【0290】
まず、コマンド処理部145は、スルー表示切替コマンドの「表示部有無」フィールドの値を調べる(S411)。そして、スルー表示切替コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“1”である場合(S411にてYES)、コマンド処理部145は、表示切替部180の接続先を端子部170に設定させる(S413)。そして、コマンド処理部145は、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨を、データ表示制御部141に指示することによって、データ表示制御部141は、表示部160に対して、メモリデータ反転モードをOFFに設定する旨の信号を出力する(S415)。
【0291】
一方、スルー表示切替コマンドの「表示部有無」フィールドの値が“0”である場合(S411にてNO)、コマンド処理部145は、表示切替部180の接続先を制御部140に設定させ(S417)、スルー表示切替処理を終了する(RETURN)。なお、ステップS417にて表示切替部180の接続先を制御部140に設定させる理由は、クライアント装置300から送信されるデータを、直接、表示部160に出力しないようにするためである。
【0292】
(クライアント装置における処理の流れ)
次に、図23〜図27を参照しながら、クライアント装置300における主な処理の流れについて説明する。図23は、クライアント装置300における主な処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、データ表示装置100がデータ読取装置200と接続されており、クライアント装置300は、データ表示装置100からデータ読取装置200を介してID送信コマンドを受信済みであるものとする。そして、データ表示装置情報記憶部331には、データ表示装置100のID、および、表示部有無情報が格納されているものとする。
【0293】
まず、認証情報処理部342は、データ表示装置情報記憶部331に記憶されている表示部有無情報を読み出す(S501)。
【0294】
次に、データ表示装置100の表示データ記憶部132を更新する(書き換える)ことがユーザに指示されている場合(S503にてYES)、記憶部書換指示処理部343は、記憶部書換指示処理を行なう(S505)。記憶部書換指示処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0295】
一方、データ表示装置100の表示データ記憶部132を更新する(書き換える)ことがユーザに指示されておらず(S503にてNO)、かつ、認証サーバ400から認証情報を受信していない場合において(S507にてNO)、データ表示装置100の表示部160に表示する画像を更新する場合は(S509にてYES)、表示データ送信処理部344が、表示部更新処理を行なう(S511)。表示部更新送信処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0296】
一方、認証サーバ400から認証情報を受信した場合(S507にてYES)、当該受信した認証情報を、データ表示装置100の表示部160および表示部360のいずれかに表示する場合において(S513にてYES)、ステップS501にて読み出した表示部有無情報が“0”である(つまり、データ表示装置100が表示部を有していない)場合(S515にてNO)、認証情報処理部342は、クライアント装置300の表示部360に認証情報を出力する(S517)。なお、認証情報を、データ表示装置100の表示部160および表示部360のいずれかに表示するか否かについては、予め記憶部330に設定されているものとする。この設定は、ユーザにより変更できるようになっていてもよい。
【0297】
一方、ステップS501にて読み出した表示部有無情報が“1”である(つまり、データ表示装置100が表示部160を有している)場合は(S515にてYES)、認証情報処理部342は、認証情報をデータ表示装置100に送信する指示を、表示データ送信処理部344に与える。このとき、復号表示モードでデータ表示装置100に出力させる場合には(S519にてYES)、表示データ送信処理部344は、復号表示データ送信処理を行なう(S521)。復号表示データ送信処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0298】
また、復号表示モードではなく、スルー表示モードでデータ表示装置100に出力させる場合は(S519にてNO、S523にてYES)、表示データ送信処理部344は、スルー表示データ送信処理を行なう(S525)。スルー表示データ送信処理については、別のフローチャートを用いて後述する。
【0299】
そして、ユーザが、表示部360またはデータ表示装置100の表示部160を閲覧して認証情報を知り得た後、認証情報入力画面にて認証情報の入力を行ない(S527)、所定のボタンが押下する等して入力を確定した場合(S529にてYES)、認証情報処理部342は、該入力された認証情報を認証サーバ400に送信する(S531)。
【0300】
なお、データ表示装置100が、データ読取装置200から取り外されない間(S533にてNO)、ステップS503からステップS531までを繰り返す。
【0301】
また、S509にてNO、ステップS513にてNO、ステップS523にてNOである場合、ステップS533に遷移する。
【0302】
(記憶部書換指示処理の流れ)
次に、図24を参照しながら、図23で示したステップS505における記憶部書換指示処理の流れについて説明する。図24は、記憶部書換指示処理の流れを示すフローチャートである。
【0303】
まず、記憶部書換指示処理部343は、書込信号線WRの電位をHighレベルにする指示をデータ読取装置200に与え、データ読取装置200からデータ表示装置100の記憶部130へのデータの書き込みが可能な状態とする(S611)。
【0304】
続いて、記憶部書換指示処理部343は、書換要求コマンドを生成し、該生成した書換要求コマンドを、データ読取装置200を介してデータ表示装置100に送信する(S613)。
【0305】
そして、書換要求コマンドの応答として、データ表示装置100から書換失敗コマンドを受信した場合(S615にて“書換失敗コマンド”)、記憶部書換指示処理部343は、再度、書換要求コマンドを送信する(S613)。一方、データ表示装置100から書換成功コマンドを受信した場合(S615にて“書換成功コマンド”)、記憶部書換指示処理部343は処理を終了する(RETURN)。
【0306】
(表示部更新処理の流れ)
次に、図25を参照しながら、図23で示したステップS511における表示部更新処理の流れについて説明する。図25は、表示部更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0307】
まず、表示データ送信処理部344は、データ表示装置100の表示部160に画像を表示させるための表示用のデータを生成する(S711)。そして、書込信号線WRの電位をLowレベルにする指示をデータ読取装置200に与える(S713)。その後、表示データ送信処理部344は、ステップS711で生成した表示用のデータを、データ表示装置100に向けて送信し(S715)、処理を終了する(RETURN)。
【0308】
(復号表示データ送信処理の流れ)
次に、図26を参照しながら、図23で示したステップS521における復号表示データ送信処理の流れについて説明する。図26は、復号表示データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0309】
まず、表示データ送信処理部344は、データ表示装置100の表示部160に現在表示させている画像が有るか否かを調べる(S811)。そして、データ表示装置100の表示部160に現在表示させている画像が無い場合(S811にてNO)、データ表示装置100の表示部160に、メモリデータ反転モードで認証情報を出力させるか否かに応じて、後続の処理を切り替える(S813)。
【0310】
メモリデータ反転モードで認証情報を出力させない場合(S813にてNO)、表示データ送信処理部344は、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、認証情報を表示する対象となる1または複数のラインのみを書き換えるためのラインデータを生成する(S815)。
【0311】
一方、メモリデータ反転モードで認証情報を出力させる場合(S813にてYES)、表示データ送信処理部344は、データ表示装置100の表示部160に認証情報を表示させる前に、まず、データ表示装置100の表示部160にパターン画像を表示させるために、スルー表示切替コマンドをデータ表示装置100に送信するとともに、書込信号線WRの電位をLowレベルにする(S817)。その後、表示データ送信処理部344は、パターン画像をパターン画像記憶部333から読み出し、該読み出したパターン画像を表示するためのラインデータをデータ表示装置100に送信することによって、データ表示装置100の表示部160にパターン画像を表示させる(S819)。続いて、表示データ送信処理部344は、認証情報を表示する対象となる1または複数のラインに対して画像を表示するためのラインデータを生成する(S821)。このとき、メモリデータ反転モードで出力することを考慮したラインデータを生成する。なお、メモリデータ反転モードで画像を出力する例については、図29を用いて後述する。
【0312】
一方、データ表示装置100の表示部160に表示させている画像がある場合においても(S811にてYES)、表示データ送信処理部344は、データ表示装置100の表示部160に、メモリデータ反転モードで認証情報を出力させるか否かに応じて、後続の処理を切り替える(S823)。
【0313】
まず、メモリデータ反転モードで認証情報を出力させない場合(S823にてNO)、表示データ送信処理部344は、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、認証情報を表示する対象となる1または複数のラインを書き換えるためのラインデータを生成する(S825)。このとき、現在、データ表示装置100の表示部160に表示させている画像と、今回、表示させる認証情報の画像との差分画像を表示するためのラインデータを生成する。
【0314】
一方、メモリデータ反転モードで認証情報を出力させる場合(S823にてYES)、表示データ送信処理部344は、ステップS825で生成するラインデータと同じラインデータを、メモリデータ反転モードで出力することを考慮して生成する(S827)。
【0315】
そして、表示データ送信処理部344は、ステップS815、S812、S825、およびS827のいずれかにて生成されたラインデータを「データ」フィールドに含む通信コマンドを生成する(S829)。なお、ステップS815およびS825を経由している場合、「コマンド種別」フィールドには、「復号表示」を表す“1001000”を格納し、一方、ステップS821またはS827を経由している場合、「コマンド種別」フィールドには、「復号表示/反転」を表す“1001001”を格納する。そして、上記生成した通信コマンドの「データ」フィールドに対して暗号化処理を施す。
【0316】
続いて、表示データ送信処理部344は、書込信号線WRの電位をHighレベルにする指示をデータ読取装置200に与える(S831)。そして、上記生成した通信コマンドを、データ表示装置100に向けて送信し(S833)、処理を終了する(RETURN)。
【0317】
(スルー表示データ送信処理の流れ)
次に、図27を参照しながら、図23で示したステップS525におけるスルー表示データ送信処理の流れについて説明する。図27は、スルー表示データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0318】
まず、表示データ送信処理部344は、画素メモリ内蔵液晶パネル161を構成するラインのうち、認証情報を表示する対象となる1または複数のラインに画像を表示するためのラインデータを生成する(S911)。次に、データ表示装置100の表示部160にスルー表示モードで表示させるために、スルー表示切替コマンドを、データ表示装置100に向けて送信するとともに(S913)、書込信号線WRの電位をLowレベルにする指示をデータ読取装置200に与える(S915)。
【0319】
その後、表示データ送信処理部344は、ステップS911にて生成したラインデータを、データ表示装置100に向けて送信し(S917)、処理を終了する(RETURN)。
【0320】
(メモリデータ反転モードを実現する回路の構成例)
次に、図28を参照しながら、画素メモリ内蔵液晶パネル161の他の構成例について説明する。図28は、画素メモリ内蔵液晶パネル161の他の構成例を示す回路図である。
【0321】
同図に示す構成例は、図2に示した構成例とは異なる構成例である。特に、画素メモリ内蔵液晶パネル161内のデジタルメモリ素子の出力電位を反転させる制御を行なう構成を設けている。
【0322】
同図に示すように、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、互いに平行に配された複数のカラム側配線Cj(j=1,2,3,…,n;nは正の整数を示す)と、上記各カラム側配線Cjとそれぞれ略直交(交差)するように配された複数のロウ側配線Gi(i=1,2,3,…,m;mは正の整数を示す)と、上記各ロウ側配線Giとそれぞれ略直交(交差)するように配された複数のデータ配線Dj(j=1,2,3,…,n;nは正の整数を示す)とを有し、ロウ側配線Giとカラム側配線Cjとの交差部にそれぞれ画素Aij(i=1,2,3,…,m、j=1,2,3,…,n)が配置され、画素Aij毎に、それぞれ、TFT(薄膜トランジスタ)746,747と、デジタルメモリ素子(画素値保持手段)752と、電気光学素子としての有機EL(electro luminescence)素子749と、TFT748とを備えた構成である。なお、TFT748のソース電極は、電源735から予め定められた基準電位が印加される電源供給線741に接続されている。
【0323】
また、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、データドライバとしてのデータバッファ734と、該データバッファ734に接続されたデータ信号線739とを備え、データバッファ734からデータ信号線739を介して上記各データ配線Djに、上記各デジタルメモリ素子752を制御するためのデータ信号を入力するようになっている。
【0324】
また、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、アドレスバッファ733と該アドレスバッファ733に接続されたアドレス信号線736〜738とを備え、該アドレス信号線736〜738の一部であるアドレス信号線737と上記カラム側配線Cjとの間には、各カラム側配線Cjに接続され、各カラム側配線Cjを駆動するカラム・アドレス・デコーダ(カラムデコーダ)731が設けられている。
【0325】
一方、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、上記アドレス信号線736〜738における、上記アドレス信号線737以外の他のアドレス信号線738と上記ロウ側配線Giとの間には、各ロウ側配線Giに接続され、各ロウ側配線を駆動するロウ・アドレス・デコーダ(ロウデコーダ)732が設けられている。
【0326】
そして、画素メモリ内蔵液晶パネル161は、さらに、メモリデータ反転モードバッファ761と、メモリデータ反転モードバッファ761に接続された制御信号線762とを備えている。そして、メモリデータ反転モードバッファ761を介して制御信号線762に印加する電圧に応じて、スイッチ回路SW1を制御することが可能な構成になっている。具体的には、メモリデータ反転モードバッファ761にHighレベルの電圧を印加すると、データ信号線739と駆動用信号線763とが接続される(ショートされる)構成になっている。一方、メモリデータ反転モードバッファ761にLowレベルの電圧を印加すると、データ信号線739と駆動用信号線763とが開放される(オープンになる)構成になっている。なお、メモリデータ反転モードバッファ761を介して制御信号線762にHighレベルの電圧を印加した状態が、メモリデータ反転モードがONの状態であり、また、メモリデータ反転モードバッファ761を介して制御信号線762にLowレベルの電圧を印加した状態が、メモリデータ反転モードがOFFの状態である。
【0327】
そして、データ信号線739と駆動用信号線763とが接続されているとき(つまり、制御信号線762がHighレベルのとき)は、データ信号線739に印加される電圧によって、スイッチ回路SW2を駆動することが可能な構成になっている。具体的には、データ信号線739と駆動用信号線763とが接続されているとき、データ信号線739にHighレベルの電圧を印加すると、電圧インバータ回路753とTFT748とが接続される。したがって、この場合、デジタルメモリ素子752の出力電圧が反転されて、TFT748に印加される。
【0328】
一方、(1)データ信号線739と駆動用信号線763とが接続されていないとき(つまり、制御信号線762がLowレベルのとき)、または、(2)データ信号線739と駆動用信号線763とが接続されているとき(つまり、制御信号線762がHighレベルのとき)であって、かつ、データ信号線739にLowレベルの電圧が印加されているとき、電圧インバータ回路753とTFT748とは接続されない。したがって、この場合、デジタルメモリ素子752の出力電圧は反転されず、そのままTFT748に印加される。
【0329】
以上のように、制御信号線762にHighレベルの電圧を印加した状態で、データ信号線739にデータ信号を入力することによって、デジタルメモリ素子752の出力電圧を反転させて出力することができる。
【0330】
次に、表1を参照しながら、デジタルメモリ素子752が保持する電圧と、デジタルメモリ素子52からの出力電圧との関係について、メモリデータ反転モードがONであるか否かに分けて説明する。表1は、デジタルメモリ素子752が保持する電圧と、デジタルメモリ素子752の出力電圧との関係を示す表である。
【0331】
【表1】

【0332】
表1に示すように、メモリデータ反転モードのとき(ONのとき)、デジタルメモリ素子の出力電圧は、デジタルメモリ素子752が保持する電圧を反転した電圧となる。一方、メモリデータ反転モードでないとき(OFFのとき)、デジタルメモリ素子752の出力電圧は、デジタルメモリ素子が保持する電圧と同じである。
【0333】
次に、図29を参照しながら、メモリデータ反転モード時に、画素メモリ内蔵液晶パネル161に表示される画像の例について説明する。なお、ここでは、画素メモリ内蔵液晶パネル161のうちの、8×8画素(計64画素)のみを図示している。
【0334】
まず、図29(a)は、画素メモリ内蔵液晶パネル161に、最終的に表示させる画像を示す模式図である。同図に示すように、画素メモリ内蔵液晶パネル161には、最終的に、「2」という文字を表す画像を表示させるものとする。
【0335】
次に、図29(b)は、画素メモリ内蔵液晶パネル161に現在表示されている画像を示す模式図である。同図に示すように、画素メモリ内蔵液晶パネル161には、白および黒のストライプ状の模様の画像が表示されているものとする。なお、同図に示す画像は、パターン画像記憶部333に記憶されているパターン画像の一例である。
【0336】
次に、図29(c)は、図29(b)に示す画像が画素メモリ内蔵液晶パネル161に表示されている状態において、最終的に、図29(a)に示す画像を画素メモリ内蔵液晶パネル161に表示するために、メモリデータ反転モードで、画素メモリ内蔵液晶パネル161に出力するデータを示す模式図である。つまり、図29(b)に示す画像を表示している画素メモリ内蔵液晶パネル161に、メモリデータ反転モードで、図29(c)に示すデータを出力すると、図29(a)に示す画像が画素メモリ内蔵液晶パネル161に表示される。
【0337】
なお、図29(d)〜(f)は、それぞれ、図29(a)〜(c)で示した各画素の値を2値で示した模式図である。黒色の画素が「1」に対応し、白色の画素が「0」に対応する。
【0338】
図29(e)において「1」を出力している画素に対して、メモリデータ反転モードで「1」を出力すると、その結果、画素値は反転して「0」となり、また、図29(e)において「0」を出力している画素に対して、メモリデータ反転モードで「1」を出力すると、その結果、画素値は反転して「1」となる(図29(d)参照)。
【0339】
一方、図29(e)において「1」を出力している画素に対して、メモリデータ反転モードで「0」を出力すると、その結果、画素値は反転せず「1」のままとなり、また、図29(e)において「0」を出力している画素に対して、メモリデータ反転モードで「0」を出力すると、その結果、画素値は反転せず「0」のままとなる(図29(d)参照)。
【0340】
つまり、ある画素について、表示を反転させる場合は、当該画素に対して、メモリデータ反転モードで「1」を出力し、表示を反転させない場合は、メモリデータ反転モードで「0」を出力すればよい。
【0341】
以上のように、メモリデータ反転モードで、図29(a)に示した「2」という文字を表す画像を画素メモリ内蔵液晶パネル161に表示させる場合において、現在、図29(b)に示したストライプ模様の画像が画素メモリ内蔵液晶パネル161に表示されているときは、図29(c)に示したデータを画素メモリ内蔵液晶パネル161に出力すればよい。ここで、図29(c)に示すデータが、例えば、悪意あるユーザに窃取された場合であっても、図29(c)に示すデータのみから、最終的に「2」という文字を表す画像が表示されることはわからないため、セキュリティのレベルを向上させることができる。
【0342】
〔付記事項〕
最後に、データ表示装置100の制御部140、および、クライアント装置300の制御部340は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0343】
すなわち、データ表示装置100およびクライアント装置300は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ表示装置100およびクライアント装置300の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記データ表示装置100およびクライアント装置300に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0344】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0345】
また、データ表示装置100およびクライアント装置300を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0346】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0347】
本発明は、外部装置と接続可能であって、画像などの表示を行なう装置に適用できる。特に、カードリーダに装着可能な、表示部を備えたICカードに好適に適用できる。
【符号の説明】
【0348】
100 データ表示装置(表示装置)
131 ID記憶部(装置識別情報記憶部)
141 データ表示制御部(表示制御手段)
142 電源検知部(接続検知手段)
145 コマンド処理部(認証表示情報取得手段)
160 表示部
161 画素メモリ内蔵液晶パネル(表示面)
200 データ読取装置(操作端末の一部)
300 クライアント装置(操作端末の一部)
342 認証情報処理部
344 表示データ送信処理部(認証表示情報送信手段)
345 表示装置情報受信処理部(装置識別情報受信手段)
400 認証サーバ(サービス提供装置)
618 デジタルメモリ素子(画素値保持手段)
752 デジタルメモリ素子(画素値保持手段)
1000 認証システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証を必要とするサービスを提供するサービス提供装置にアクセスするための操作端末に着脱可能な、表示部を備えた表示装置であって、
自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知する接続検知手段と、
上記接続検知手段が、自装置と上記操作端末とが接続されていることを検知したとき、上記認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を上記操作端末に要求して取得する認証表示情報取得手段と、
上記認証表示情報取得手段が取得した上記認証表示情報に従って、上記認証情報を上記表示部に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記認証表示情報は、上記表示部にて上記認証情報を表示する表示領域を指定する表示領域情報を含むものであって、
上記表示制御手段は、上記表示領域情報により指定された表示領域に、上記認証情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記表示部の表示面を構成する画素の画素値を保持する画素値保持手段をさらに備え、
上記認証表示情報は、さらに、上記画素値保持手段が保持している画素値を反転させることによって上記認証情報を上記表示部に表示させるための、画素値を反転させる画素を指定する情報を含むものであって、
上記表示制御手段は、上記認証表示情報により指定された画素について、上記画素値保持手段が保持している画素値を反転させて、上記認証情報を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
自装置の識別情報を記憶する装置識別情報記憶部をさらに備え、
上記認証表示情報取得手段は、
上記装置識別情報記憶部から読み出した上記識別情報を、上記操作端末に送信することによって上記認証表示情報を上記操作端末に要求するとともに、
上記要求に対する応答として、上記識別情報に対応する上記認証情報を表示させるための上記認証表示情報を、上記操作端末から取得することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
上記取得した認証表示情報が、上記操作端末に上記送信した識別情報を暗号鍵として暗号化されているとき、上記認証表示情報取得手段は、上記取得した認証表示情報を、上記識別情報を復号鍵として復号化することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
表示部を備えた表示装置が着脱可能であり、認証を必要とするサービスを提供するサービス提供装置にアクセスするための操作端末であって、
上記表示装置からの要求に応じて、上記認証に用いられる認証情報を表示するための認証表示情報を、上記表示装置に送信する認証表示情報送信手段を備えることを特徴とする操作端末。
【請求項7】
上記認証表示情報送信手段は、さらに、上記表示部にて上記認証情報を表示する表示領域を指定する情報を含む上記認証表示情報を生成するとともに、該生成した上記認証表示情報を上記表示装置に送信することを特徴とする請求項6に記載の操作端末。
【請求項8】
上記認証表示情報送信手段は、さらに、上記表示部の表示面を構成する画素の画素値を反転させる画素を指定する情報を含む上記認証表示情報を生成するとともに、該生成した上記認証表示情報を上記表示装置に送信することを特徴とする請求項6または7に記載の操作端末。
【請求項9】
上記表示装置から、上記表示装置の識別情報を受信する装置識別情報受信手段をさらに備え、
上記認証表示情報送信手段は、上記受信した識別情報に対応する上記認証情報を表示するための上記認証表示情報を、上記表示装置に送信することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の操作端末。
【請求項10】
上記認証表示情報送信手段は、上記受信した識別情報を暗号鍵として、上記認証表示情報を暗号化するとともに、該暗号化した上記認証表示情報を、上記表示装置に送信することを特徴とする請求項9に記載の操作端末。
【請求項11】
請求項1に記載の表示装置と、請求項6に記載の操作端末とを含むことを特徴とする認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−257149(P2010−257149A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105578(P2009−105578)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】