表示装置、表示方法、および表示プログラム
【課題】2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せること。
【解決手段】制御部は、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御し(S102,122)ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し(S104,112)当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御し(S114,125)当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し(S124,132)当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御する(S134,105)。第1,2の映像は、両眼視差に基づいて立体視を可能とする右,左眼用の映像である。
【解決手段】制御部は、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御し(S102,122)ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し(S104,112)当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御し(S114,125)当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し(S124,132)当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御する(S134,105)。第1,2の映像は、両眼視差に基づいて立体視を可能とする右,左眼用の映像である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、および表示プログラムに関し、特に、立体視を可能とする光学系を有する表示装置、表示方法、および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像表示分野においては、立体的に映像を知覚させる立体映像表示装置が実用化されつつある。
【0003】
立体映像表示装置は、人がその映像を見たときに立体的に知覚することができる映像表示装置である。人間が物を見たときに立体的に知覚する要素としては、輻輳、両眼視差、運動視差、および調節があると言われている。
【0004】
輻輳とは、物を見るときに左右の眼球が内向きに向く運動である。脳は、眼に輻輳角を与える筋肉の緊張を認識することで、立体感を得る。
【0005】
両眼視差とは、注視点を観察している時の両眼に投影される網膜上像のずれ(いわゆる視差)である。脳はこの視差を立体感として知覚する。
【0006】
運動視差とは、視点の位置の変化につれて変化する、奥行きごとの見え方の変化量である。脳は、変化量、つまり物の見え方が変化することで立体感を得る。
【0007】
調節とは、見ている物の距離に応じて水晶体の厚みを変化させることである。脳は、調節のための筋肉の緊張を認識することで、立体感を得るものである。
【0008】
これらの立体視を促す知覚作用を利用した従来の立体映像装置は、(1)2眼式、(2)多眼式、(3)体積表示式、および(4)空間像再生式の4種類に大別できる。これらの方式の特徴を、以下に簡単に述べる。
【0009】
(1)2眼式とは、主に輻輳と両眼視差とを用いた方式である。左眼で見たときの映像と右眼で見たときの映像とを用意して、観測者の左眼には左眼用映像を、右眼には右眼用映像を独立提示する。独立提示する方法は複数の方法が提案されている。
【0010】
よく知られている方法としては、左右像を分離するためのメガネを用意する方法が挙げられる。具体的には、左眼用映像を赤、右眼用映像を青で表示し、左右のレンズの色が各々、青および赤であるメガネを通して見るアナグリフ式、および、左眼用映像を表示している時と右眼用映像を表示している時とで、メガネ側で時分割シャッタを用いて左右映像を観測者に独立提示する方法がある。
【0011】
最近では、左眼用と右眼用とで映像の偏光方向を変えて表示し、メガネ側で左右映像を分離する偏光フィルタを用いて左右映像を観測者に独立提示する方法がある。この方法では用いられるメガネを軽量化できるため観測者への負担を抑えることができる。
【0012】
メガネを使用しない方法としては、表示画像をパララックスバリアまたはレンチキュラレンズを利用して左右像に分離する方式がある。
【0013】
(2)多眼式とは、視点を2眼式の2点以外にも準備する方法である。すなわち、複数の視点からの2次元画像を、パララックスバリアまたはレンチキュラレンズを利用して、観察方向に対して左眼用映像と右眼用映像とを独立して提示する方法である。この方式によると、輻輳と両眼視差とに加えて、観察位置の移動に伴い視点数の数だけ左右眼画像が切り替わって観測者に投影されるので、運動視差を与えることができる。
【0014】
(3)体積表示式は、奥行き方向に複数の表示面を用意する、または表示面を回転させる等で奥行き方向にも表示面を用意し、奥行きに応じた位置に像を表示するものである。この方式によると、輻輳と両眼視差とに加えて、調節が可能となる。
【0015】
(4)空間像再生式は、被写体からの光線の方向を制御することで立体的に再生する方式である。すなわち、一定間隔で並んだ視点からの画像を合成した特殊画像を表示し、その画像からの光線の方向を多方向に制御することで、実物に近い光線を再生する方式である。この方式によると、実際に物体を見るのと同じ効果が得られ、輻輳、両眼視差、運動視差、および調節のいずれの効果も得られる。この方式を利用した立体映像方法には、光線再生法およびホログラフィがある。
【0016】
裸眼で立体視が可能な方式を採用した立体映像表示装置として、左右眼用の映像を分離するために、たとえば液晶パネルのような空間光変調器に左右眼用の映像を交互に表示させ、それと同期させてバックライトから発生する指向性のある光の向きを左右の眼に交互に変えることで、左眼用の映像を左眼に、右眼用の映像を右眼に表示させることで立体視させる立体映像表示装置がある。
【0017】
以上の立体映像表示装置のうちの、特に裸眼で立体視が可能であり、左右眼画像を時分割で切り替えることで観測者に立体視させる2眼式の立体画像表示装置について、図12を用いて説明する。図12における表示画像とは、画像表示装置に表示されている画像を指す。以降の、図12においても同様である。
【0018】
左右眼用の映像を分離するために、たとえば液晶パネルのような透過型の表示装置では、図12に示すように、第1の期間は左眼へ表示する左眼画像を表示し、次の第2の期間は右眼に表示する右眼画像を表示する。そして、当該表示装置では、第1の期間の表示と第2の期間の表示とを交互に行なう。
【0019】
一方、当該表示装置では、左眼画像を表示する第1の期間には観測者の左眼に配光可能な光源を点灯する。右眼画像を表示する第2の期間には、観測者の右眼に配光可能な光源を点灯し、上記の左眼に配光可能な光源は消灯する。上記の光源は指向性があり、観測者の片眼にだけ配光することが可能である。
【0020】
図12においては、上述の表示装置における表示する画像の制御と光源の点灯の制御とのタイミングを示している。このように、当該表示装置では、左右眼画像の時分割表示とバックライトの配光制御とを連携して実行する。これにより、観測者は、左眼で左眼画像を見るとともに、右眼で右眼画像を見る。そのため、観測者は裸眼で立体視することができる。
【0021】
たとえば、特許文献1は、裸眼で立体視可能な2眼式の立体画像表示装置を開示している。当該表示装置は、液晶パネルでの左眼画像の表示と右眼画像の表示との切り替えと同期して、複数の開口の位置を切り替える。これにより、指向性を有する光線を観測者の左右の眼へ割り振り、左右眼用の映像を分離させている。
【0022】
また、多眼方式および光線再生法は、観測者の片眼分にまで立体像を観察できる範囲を絞ることで、立体像の運動視差切り替えの滑らかさを向上させることができる。その場合、時分割で左眼画像と右眼画像とを切り替え、それと同期させてバックライトから発生する指向性のある光の向きを左右の眼の向きに交互に変えることで、左眼画像および右眼画像を、それぞれ、観測者の左眼および右眼に見せる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平8−334730号公報
【特許文献2】特開2006−10935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
以上のように左眼画像と右眼画像を交互に表示させることで観測者に裸眼立体視させる方式では、液晶パネルの走査時に左目画像と右目画像が混在しており、混在している状態でバックライトを点灯すると、左眼画像と右眼画像の画像が十分に分離せず、左眼画像と右眼画像の両方が観測者の片方の眼に同時に表示され、観測者は正常に立体視できない場合がある。
【0025】
図13は、その一例を示した図であり、表示する画像の制御と光源の点灯の制御との流れを示している。走査時に右眼画像と左眼画像が混在している様子を説明する。左眼画像から右眼画像に切り替わる場合を考える。
【0026】
図14は、表示パネルの走査が途中まで進んだ状態を示しており、例えば画面の上半分の領域である第1の表示領域は右眼画像に書き換えられているが、画面の下半分である第2の表示領域は左眼画像となる。この状態で右眼光源が点灯すると、領域2の左眼画像が右眼に入り、2重映りとなる。2眼式の立体画像表示装置では正常な立体視ができず、映像の品質が著しく低下するという問題が生じる。
【0027】
特許文献2は、上下方向に領域が分割され、左右に照射方向を切り替え可能なバックライトを、走査に同期させて点灯することでクロストークを低減させるバックライトである。特許文献2の技術を、2眼式の裸眼立体画像表示装置に応用すると、立体視可能な観測者の位置は、画面中央付近に限られてしまう。
【0028】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示装置、表示方法、および表示プログラムを提供することである。
【0029】
この発明の他の目的は、左眼用映像および右眼用映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示装置、表示方法、および表示プログラムを提供することである。
【0030】
この発明のさらに他の目的は、左眼および右眼に独立して映像を見せることがより広い範囲で可能な表示装置、表示方法、および表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、表示装置は、各部を制御する制御部と、制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、制御部によって光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える。
【0032】
表示部の表示領域は、所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する所定数の部分領域からなる。
【0033】
光源部は、所定数の部分領域ごとに、表示領域の面の縦軸に対して平行で表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が表示領域の面の横軸に略平行である映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、所定方向は、人が特定の位置にいるときに、人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0034】
制御部は、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御し、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御し、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し、当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御する。
【0035】
この発明に従えば、表示装置によって、或る部分領域において、第1の映像に更新されたときに、映像を見る人の右眼に、第1の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第1の映像に更新され、右眼に、第1の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第2の映像への更新が開始されるときに、第1の映像が見えないようにされ、第2の映像に更新されたときに、左眼に、第2の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第2の映像に更新され、左眼に第2の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第1の映像への更新が開始されるときに、第2の映像が見えないようにされる。
【0036】
このように、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示装置を提供することができる。
【0037】
好ましくは、所定方向は、さらに、特定の位置を含む人の複数の所定の位置ごとの、右眼方向と左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0038】
制御部は、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、人がいる位置に応じた右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、人がいる位置に応じた左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御する。
【0039】
この発明に従えば、表示装置によって、複数の所定の位置ごとに、或る部分領域において、第1の映像に更新されたときに、所定の位置にいる映像を見る人の右眼に、第1の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第1の映像に更新され、右眼に、第1の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第2の映像への更新が開始されるときに、第1の映像が見えないようにされ、第2の映像に更新されたときに、所定の位置にいる人の左眼に、第2の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第2の映像に更新され、左眼に第2の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第1の映像への更新が開始されるときに、第2の映像が見えないようにされる。
【0040】
このように、特定の位置だけでなく複数の所定の位置においても、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。その結果、左眼および右眼に独立して映像を見せることがより広い範囲でできる。
【0041】
好ましくは、第1の映像および第2の映像は、それぞれ、両眼視差に基づいて立体視を可能とする右眼用および左眼用の映像である。
【0042】
この発明に従えば、表示装置によって、或る部分領域において、右眼用映像に更新されたときに、映像を見る人の右眼に、右眼用映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、右眼用映像に更新され、右眼に、右眼用映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、左眼用映像への更新が開始されるときに、右眼用映像が見えないようにされ、左眼用映像に更新されたときに、左眼に、左眼用映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、左眼用映像に更新され、左眼に左眼用映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、右眼用映像への更新が開始されるときに、左眼用映像が見えないようにされる。
【0043】
このように、左眼用映像および右眼用映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。
【0044】
好ましくは、光源部は、光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、光源部は、組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する所定方向に向ける第1の光線方向制御部を含む。
【0045】
この発明に従えば、複数の所定方向に照射する単位光源部を表示領域の横軸方向に順番に複数組並べることができる。このため、表示領域の横軸方向に均一に、映像を独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。
【0046】
さらに好ましくは、光源素子は、導光体の部分領域の縦軸方向の一端から光を入射する。
【0047】
この発明に従えば、導光体を表示領域の横軸方向に高密度で並べることができる。このため、表示領域の横軸方向に、より均一に、映像を独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。
【0048】
好ましくは、第1の映像および第2の映像は、それぞれ、同じ観察物を一定の視点間隔の視点から観察して得られる画像であり、光源部は、光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、光源部は、組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する所定方向に近付く方向に向ける第1の光線方向制御部と、表示部に表示される第1の映像から照射される光および第2の映像から照射される光の方向を制御し、観察物からの光線を再生する第2の光線方向制御部とを含む。
【0049】
この発明に従えば、第1の光線方向制御部によって右眼に第1の映像が、左眼に第2の映像が見えるように光線を制御し、当該表示領域を透過した当該光線を第2の光線方向制御部によって多方向に屈折させることで光線の方向を多方向に制御し、光線再生法に基づいた実物に近い光線を再生する方式で、映像を表示することができる。このように、観察物から得られた光を、光線再生法に基づいた実物に近い再生することで、映像を見る人に対して、輻輳、両眼視差、調節のいずれも自然に物を見ている状態と同等に与えることができる。
【0050】
さらに好ましくは、光源素子は、半導体発光素子である。この発明に従えば、汎用的であるので、製造コストを抑えることができる。
【0051】
この発明の他の局面によれば、表示方法は、各部を制御する制御部と、制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、制御部によって光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって映像を表示する方法である。
【0052】
表示部の表示領域は、所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する所定数の部分領域からなる。
【0053】
光源部は、所定数の部分領域ごとに、表示領域の面の縦軸に対して平行で表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が表示領域の面の横軸に略平行である映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、所定方向は、人が特定の位置にいるときに、人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0054】
表示方法は、制御部が、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップとを含む。
【0055】
この発明に従えば、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示方法を提供することができる。
【0056】
この発明のさらに他の局面によれば、表示プログラムは、各部を制御する制御部と、
制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、制御部によって光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって実行されるプログラムである。
【0057】
表示部の表示領域は、所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する所定数の部分領域からなる。
【0058】
光源部は、所定数の部分領域ごとに、表示領域の面の縦軸に対して平行で表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が表示領域の面の横軸に略平行である映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、所定方向は、人が特定の位置にいるときに、人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0059】
表示プログラムは、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップとを制御部に実行させる。
【0060】
この発明に従えば、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施の形態にかかる2眼式の立体画像表示装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるバックライト部の単位光源部の詳細な構成の具体例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる光源の詳細な構成の具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるバックライト部での配光の原理を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる観測者の眼に光が配光される様子を模式的に表わした図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる複数のブロックの単位光源部を点灯した場合を示した図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態にかかる立体画像表示装置での表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態にかかる光線再生式の立体画像表示装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態にかかる立体画像表示装置での表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図12】従来の2眼式の立体画像表示装置での、左眼用の光源と右眼用の光源との点灯が切替わるタイミングと、左眼画像の表示と右眼画像の表示が切替わるタイミングとを示すタイミングチャートである。
【図13】従来の2眼式の立体画像表示装置での、左眼用の光源と右眼用の光源との点灯が切替わるタイミングと、左眼画像の表示と右眼画像の表示が切替わるタイミングとをより詳細に示すタイミングチャートである。
【図14】従来の2眼式の立体画像表示装置での、表示領域の走査の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0063】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる2眼式の立体画像表示装置(以下、単に「表示装置」という)100Aの構成の具体例を示すブロック図である。図1を参照して、表示装置100Aは、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)などを含んだ制御部10と、表示パネル20と、バックライト部30と、記憶部40とを含む。
【0064】
記憶部40は、制御部10に含まれるCPUにおいて実行されるプログラムなどを記憶する。さらに、記憶部40は画像記憶部41を含み、表示パネル20で表示するための画像データとして、右眼用の画像データと左眼用の画像データとを記憶する。
【0065】
右眼用の画像と左眼用の画像とは、左右の眼の位置を視点位置として同じ観察物を観察して得られる2つの画像であって、視差を含んだ画像である。すなわち、右眼画像は、観察物を右眼位置から見た画像であり、左眼画像は、同じ観察物を同じ観測者の左眼位置から見た画像に相当する。
【0066】
制御部10は、画像制御部14、光源制御部15、およびタイミング制御部16を含む。これらは、制御部10に含まれるCPUが、記憶部40に記憶されるプログラムを読み出して実行することで制御部10に形成される。
【0067】
表示パネル20は、画像を表示するためのパネルであり、画素単位で画像データを表示可能である。バックライト部30は、表示パネル20の背面、すなわち表示パネル20を挟んで観測者から遠い側に配設され、表示パネル20に背面から光を照射する。表示パネル20は、背面に位置するバックライト部30からのバックライト光により画像データを表示可能な透過型パネルであり、たとえば液晶パネルである。
【0068】
画像制御部14は、画像記憶部41に記憶されている画像データを読み出して表示パネル20に表示させるための表示制御を実行する。
【0069】
バックライト部30は、複数の光源を含む単位光源部31A,31Bを複数含む光源部32と、配光用レンズアレイ33とを含む。光源制御部15は、各光源を点灯または消灯させるための点灯制御を実行する。光源は、光源制御部15によって点灯制御され、光を照射する。
【0070】
配光用レンズアレイ33は、光源部32と表示パネル20との間に配設される。この配置により、光源部32の光源から照射された光は配光用レンズアレイ33を通って、表示パネル20に照射される。
【0071】
配光用レンズアレイ33は、断面が弓形の柱状の凸レンズが複数連続してなるレンチキュラレンズで構成されるものとする。配光用レンズアレイ33は、レンチキュラレンズに替えてマイクロレンズアレイで構成されてもよい。この構成により、配光用レンズアレイ33は、光源から入射された光の方向を屈折させ平行光にし、観測者の眼へ入射させる。
【0072】
タイミング制御部16は、画像制御部14での表示制御と、光源制御部15での点灯制御との、タイミングを制御する。
【0073】
図2は、第1の実施の形態にかかるバックライト部30の単位光源部31の詳細な構成の具体例を示す斜視図である。図2を参照して、単位光源部31は、1ブロック分の光源311〜315を備えている。
【0074】
線状光源である単位光源部31に含まれる各光源311〜315は、好適には、配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズから、レンチキュラレンズの焦点距離だけ隔たれる。各光源311〜315の長手方向がレンチキュラレンズの主軸の方向と平行になるよう配設される。配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズの1つの凸レンズ部分に、1組の線状光源である光源311〜315が、レンチキュラレンズの幅方向に並べて配設され、レンチキュラレンズの1つの凸レンズ部分に対応した複数の光源311〜315を、1ブロックの単位光源部31と称する。
【0075】
図3は、第1の実施の形態にかかる光源311〜315の詳細な構成の具体例を示す図である。ここでは、光源311〜315のうち光源311を例として説明する。
【0076】
図3を参照して、光源311は、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)321A,321Bと、LED321A,321Bからの光を受け独立に点灯制御可能な導光路311A,311Bとを含む線状光源である。導光路311A,311Bは、光源の長手方向に並べて配設され、光源311の主要部を構成する。好適には、導光路311A,311Bから出射される照明光同士の境界にムラができないよう、密着して配設されるか、位置調整され配設される。
【0077】
LED321A,321Bは、光源311の長手方向の両端に配設され、それぞれ導光路311A,311Bに対して光を入射させる。図3(A)を参照して、LED321Aを点灯すると、導光路311Aが点灯する。図3(B)を参照して、LED321Bを点灯すると、導光路311Bが点灯する。図3(C)を参照して、LED321A,321Bを同時に点灯すると、導光路311A,311Bで主要部が構成される光源311の長手方向全体が点灯する。導光路311A,311Bは、一体であっても別体であっても良い。
【0078】
図2に戻って、本実施の形態においては、表示パネル20の表示領域は、表示パネル20の縦軸方向に上から下に走査される。
【0079】
走査とは、画像を画素に分解し、それぞれの画素の階調を順次に電気信号に変換すること、および、逆に、電気信号を画素の階調に変換し、画素を合成して画像を組立てることであり、ここでは、後者の意味である。
【0080】
本実施の形態における液晶パネル20では、表示領域が走査されることによって、左上の画素から始まり、表示領域の横軸方向の走査線に沿って左端から右端に達するごとに次の走査線に進み、右下の画素に達する順番で、光源部32からの光の各画素における透過度合が、画素ごとに所定周期ごとに更新される。
【0081】
表示領域は、1画面分の画素の更新において、前半に更新される第1の表示領域と、後半に更新される第2の表示領域とに分けられる。つまり、本実施の形態においては、第1の表示領域は、表示パネル20の表示領域の上半分の表示領域、第2の表示領域は、下半分の表示領域である。
【0082】
なお、本実施の形態における画素の更新の順番は、長方形の表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域とに分けたときに、それぞれの形状が長方形になるような順番であれば、他の順番であってもよく、右下の画素から左上の画素に至る順番であってもよいし、走査線は、横軸方向に限定されず、縦軸方向であってもよい。
【0083】
図3で説明した光源311がLED321A,321Bと導光路311A,311Bとを含むのと同様、光源312〜315は、それぞれ、LED322A〜325A,322B〜325Bと、導光路312A〜315A,312B〜315Bとを含む。
【0084】
光源311〜315の表示パネル20の表示領域における上側方向の導光路311A〜315Aから照射された光は、配光用レンズアレイ33を透過して、第1の表示領域に照射される。たとえば、図2においては、導光路314Aから照射された光が第1の表示領域に照射されている様子が示されている。
【0085】
また、光源311〜315の表示パネル20の表示領域における下側方向の導光路311B〜315Bから照射された光は、配光用レンズアレイ33を透過して、第2の表示領域に照射される。たとえば、図2においては、導光路312Bから照射された光が第2の表示領域に照射されている様子が示されている。
【0086】
図4は、第1の実施の形態にかかるバックライト部30での配光の原理を説明する図である。図4を参照して、光源311〜315から出射した光は、配光用レンズアレイ33のレンチキュラレンズを透過後、レンチキュラレンズの光軸に対してそれぞれ角度θ1,θ2,・・・,θ5だけ傾いた方向に出射される。
【0087】
線状光源である光源311〜315は、レンチキュラレンズの対応する凸レンズの焦点距離付近に配設されるため、出射される各光源311〜315からの光線は、略平行となる。同様に、光源素子である各LED321A〜325A,321B〜325Bからの光線も略平行となる。
【0088】
配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズの対応する凸レンズによって屈折された光源311〜315からの光は、非常に強い指向性を有する。すなわち、光源311〜315から照射され、配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズの対応する凸レンズによって光軸に対してそれぞれ角度θ1〜θ5の方向に出射された各光は、各観測位置で、略平行に進行し、観測者の眼の位置で、連続した領域A1〜A5を照射する。
【0089】
なお、隣り合う領域同士は、重なり合っていても良い。また、レンチキュラレンズを透過後の光線は、必ずしも平行光である必要はなく、観測者の眼に対して指向性があれば良い。拡散光になる場合は、領域A1〜A5の幅は、観測位置で、観測位置において観測者の片眼にのみ入射する幅であれば良い。また、収束光となる場合は、領域A1〜A5の幅は、観測位置で、観測者の眼の幅以上の幅であれば良い。
【0090】
次に、観測者の左右の眼に対して指向性光線が入射される様子を、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる観測者の眼に光が配光される様子を模式的に表わした図である。
【0091】
図5(A)は、配光用レンズアレイ33のレンチキュラレンズの中央に位置する凸レンズ33Cの正面に観測者がいる場合を表した図である。この場合、観測者の右眼は領域A4に、左眼は領域A2にあるため、右眼光源は光源314、左眼光源は光源312となる。
【0092】
つまり、光源314を点灯すると、光は、凸レンズ33Cによって、角度θ4の方向に屈折されて、凸レンズ33Cに対して光源314と反対の側に位置する観測者の右眼に配光される。
【0093】
同様に、光源312から照射されて、凸レンズ33Cによって、光軸に対して角度θ2に屈折されて出射された光は、略平行に進行し、観測者の左眼に配光される。
【0094】
図5(B)は、凸レンズ33Cの光軸の凸レンズ33C側から見て左側に観測者がいる場合を表した図である。この場合、観測者の右眼は領域A5、左眼は領域A3にあるため、右眼光源は光源315、左眼光源は光源313となる。
【0095】
つまり、光源315を点灯すると、観測者の右眼に、光源313を点灯すると、観測者の左眼に、光線が配光される。
【0096】
図5(C)は、凸レンズ33Cの光軸の凸レンズ33C側から見て右側に観測者がいる場合を表した図である。この場合、観測者の右眼は領域A3、左眼は領域A1にあるため、右眼光源は光源313、左眼光源は光源311となる。
【0097】
つまり、光源311を点灯すると、観測者の左眼に、光源313を点灯すると、観測者の右眼に、光線が入射する。
【0098】
以上の図5(A)〜(C)で説明したように、表示装置100Aは、指向性光線を3箇所で観測可能である。つまり、立体視可能な観測者の領域は、3つに分けられる。なお、本実施の形態においては、1ブロックの単位光源部31に含まれる光源311〜315は、5つとしたが、単位光源部31に含まれる光源の個数を増やすことで、立体視可能な領域を増やすことができる。
【0099】
図6は、第1の実施の形態にかかる複数のブロックの単位光源部を点灯した場合を示した図である。図6を参照して、凸レンズ33C以外の配光用レンズアレイ33のレンチキュラレンズの凸レンズ33A,33B,33D,33Eと、それに対応する1ブロックの単位光源部31A,31B,31D,31Eとのそれぞれの組合せでも、図5で説明した配光の原理は同様である。
【0100】
この原理に従って、凸レンズ33Cとそれに対応する1ブロックの単位光源部31Cが照射する領域A1〜A5と同じ領域をそれぞれ照射するように、凸レンズ33C以外の凸レンズ33A,33B,33D,33Eとそれに対応する単位光源部31A,31B,31D,31Eとのそれぞれの組合せにおけるθ1〜θ5が位置調整される。
【0101】
このため、図5(A)で説明した位置に観測者がいる場合、図6(A)に示すように、単位光源部31Cの右から2番目の光源314から照射された光が、観測者の右眼に入射されるのと同様、単位光源部31A,31B,31D,31Eそれぞれの右から2番目の光源から照射された光が、観測者の右眼に入射される。
【0102】
同様に、図6(B)に示すように、単位光源部31Cの左から2番目の光源312から照射された光が、観測者の左眼に入射されるのと同様、単位光源部31A,31B,31D,31Eそれぞれの左から2番目の光源から照射された光が、観測者の左眼に入射される。
【0103】
これにより、表示パネル20に右眼用画像が表示されているときに、図6(A)で示すように、それぞれの単位光源部31A〜31Eの右から2番目の光源が光を照射するように制御すると、右眼用画像が観測者の右眼に入射される。
【0104】
また、表示パネル20に左眼用画像が表示されれているときに、図6(B)で示すように、それぞれの単位光源部31A〜31Eの左から2番目の光源が光を照射するように制御すると、左眼用画像が観測者の左眼に入射される。
【0105】
ここで、単位光源部と凸レンズとの組合せは、表示パネル20の横方向の幅の全域に亘って光を照射可能なように設けられる。つまり、図6においては、5組の単位光源部と凸レンズとの組合せが設けられているが、実際は、表示パネル20の横方向の幅に応じた数の単位光源部と凸レンズとの組合せが設けられる。
【0106】
図7は、第1の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。図7のフローチャートに示される制御は、制御部10に含まれるCPUが記憶部40に記憶されるプログラムを読み出して実行することによって実現される制御であって、指定された画像を表示する際に行なわれる制御である。
【0107】
なお、図1で説明したタイミング制御部16は、図7のフローチャートで示されるプログラムが実行されることで制御部10に形成される。
【0108】
ここでは、図5(A)で説明した位置に観測者がいる場合、つまり、右眼光源が光源314、左眼光源が312である場合の制御を説明する。
【0109】
図7を参照して、右眼画像を表示するタイミングに達すると、ステップS101で、制御部10のCPUは、制御部10に内蔵するタイマでの計時を開始する。そして、ステップS102で、CPUは、表示パネル20の表示を右眼画像データに基づいた表示に更新するための制御信号を画像制御部14に対して出力する。画像制御部14は、この制御信号に従って、表示パネル20における右眼画像への更新を開始する。
【0110】
ステップS103で、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマを監視し、時間t1が経過したか否かを判断する。ここで、本実施の形態において、時間t1は、表示パネル20の表示領域のうち第1の表示領域において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間である。
【0111】
時間t1が経過したと判断した場合(ステップS103でYESと判断した場合)、ステップS104で、CPUは、第1の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324A(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS104の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Aを点灯することで、光源314の導光路314Aを点灯する。
【0112】
次いで、ステップS105で、CPUは、第2の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322B(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS105の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Bを消灯することで、光源312の導光路312Bを消灯する。
【0113】
ステップS111では、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマを監視し、時間t2が経過したか否かを判断する。ここで、本実施の形態において、時間t2は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間である。
【0114】
時間t2が経過したと判断した場合(ステップS111でYESと判断した場合)、ステップS112で、CPUは、第2の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324B(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS112の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Bを点灯することで、光源314の導光路314Bを点灯する。
【0115】
ステップS113では、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマを監視し、時間t3が経過したか否かを判断する。ここで、本実施の形態において、時間t3は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから次の画像の更新を開始するまでの時間、つまり、画像の更新周期である。
【0116】
時間t3が経過したと判断した場合(ステップS113でYESと判断した場合)、ステップS114で、CPUは、第1の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324A(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS114の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Aを消灯することで、光源314の導光路314Aを消灯する。
【0117】
次いで、ステップS115で、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマをリセットする。
【0118】
次に、ステップS121で、制御部10のCPUは、制御部10に内蔵するタイマでの計時を開始する。そして、ステップS122で、CPUは、表示表示パネル20の表示を左眼画像データに基づいた表示に更新するための制御信号を画像制御部14に対して出力する。画像制御部14は、この制御信号に従って、表示パネル20における左眼画像への更新を開始する。
【0119】
ステップS123で、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマを監視し、ステップS103で説明した時間t1が経過したか否かを判断する。
【0120】
時間t1が経過したと判断した場合(ステップS123でYESと判断した場合)、ステップS124で、CPUは、第1の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322A(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS124の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Aを点灯することで、光源312の導光路312Aを点灯する。
【0121】
次いで、ステップS125で、CPUは、第2の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324B(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS125の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Bを消灯することで、光源314の導光路314Bを消灯する。
【0122】
ステップS131では、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマを監視し、ステップS111で説明した時間t2が経過したか否かを判断する。
【0123】
時間t2が経過したと判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステップS132で、CPUは、第2の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322B(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS132の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Bを点灯することで、光源312の導光路312Bを点灯する。
【0124】
ステップS133では、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマを監視し、ステップS113で説明した時間t3が経過したか否かを判断する。ここで、時間t3は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから次の画像の更新を開始するまでの時間、つまり、画像の更新周期である。
【0125】
時間t3が経過したと判断した場合(ステップS133でYESと判断した場合)、ステップS134で、CPUは、第1の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322A(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS134の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Aを消灯することで、光源312の導光路312Aを消灯する。
【0126】
次いで、ステップS135で、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマをリセットする。
【0127】
このように、ステップS101からステップS115までの処理が実行されることによって、右眼画像の更新が開始され、表示領域全体のうち第1の表示領域の右眼画像への更新が終了すると、第1の表示領域の右眼光源が点灯されるとともに、第2の表示領域の左眼光源が消灯され、表示領域全体の右眼画像への更新が終了すると、第2の表示領域の右眼光源が点灯され、第1の表示領域の左眼画像への更新が開始される前に、第1の表示領域の右眼光源が消灯される。
【0128】
また、ステップS121からステップS135までの処理が実行されることによって、左眼画像の更新が開始され、表示領域全体のうち第1の表示領域の左眼画像への更新が終了すると、第1の表示領域の左眼光源が点灯されるとともに、第2の表示領域の右眼光源が消灯され、表示領域全体の左眼画像への更新が終了すると、第2の表示領域の左眼光源が点灯され、第1の表示領域の右眼画像への更新が開始される前に、第1の表示領域の左眼光源が消灯される。
【0129】
そして、ステップS101からステップS115までの処理およびステップS121からステップS135までの処理が繰返されることで、右眼画像および左眼画像が表示パネル20に交互に形成される。
【0130】
図8は、第1の実施の形態にかかる立体画像表示装置100Aでの表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。図8を参照して、図7のステップS101およびステップS102の処理が実行されることにより、期間I−1に入ったときに、第1の表示領域の右眼画像への更新のための走査が開始される。この期間I−1においては、前の期間から継続して、第2の表示領域に左眼画像が形成されており、当該第2の表示領域に左眼光源が照射されている。
【0131】
これにより、期間I−1には、観測者は、第2の表示領域に更新済みの左眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0132】
次に、右眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t1が経過して期間I−2に入ったときに、右眼画像への更新のための走査が、第1の表示領域で終了して、第2の表示領域に及ぶ。また、このときに、図7のステップS104およびステップS105の処理が実行されることにより、第1の表示領域の右眼光源の点灯が開始され、第2の表示領域の左眼光源が消灯される。
【0133】
これにより、期間I−2には、観測者は、第1の表示領域に更新済みの右眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0134】
次いで、右眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t2が経過して期間I−3に入ったときに、右眼画像への更新のための走査が、第2の表示領域で終了する。また、このときに、図7のステップS112の処理が実行されることにより、第2の表示領域の右眼光源の点灯が開始される。
【0135】
これにより、期間I−3には、観測者は、第1の表示領域および第2の表示領域に更新済みの右眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0136】
そして、右眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t3が経過して期間II−1に入る前に、図7のステップS114の処理が実行されることにより、第1の表示領域の右眼光源が消灯される。この後に、図7のステップS121およびステップS122の処理が実行されることにより、期間II−1に入ったときに、第1の表示領域の左眼画像への更新のための走査が開始される。この期間II−1においては、前の期間から継続して、第2の表示領域に右眼画像が形成されており、当該第2の表示領域に右眼光源が照射されている。
【0137】
これにより、期間II−1には、観測者は、第2の表示領域に更新済みの右眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0138】
次に、左眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t1が経過して期間II−2に入ったときに、左眼画像への更新のための走査が、第1の表示領域で終了して、第2の表示領域に及ぶ。また、このときに、図7のステップS124およびステップS125の処理が実行されることにより、第1の表示領域の左眼光源の点灯が開始され、第2の表示領域の右眼光源が消灯される。
【0139】
これにより、期間II−2には、観測者は、第1の表示領域に更新済みの左眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0140】
次いで、左眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t2が経過して期間II−3に入ったときに、左眼画像への更新のための走査が、第2の表示領域で終了する。また、このときに、図7のステップS132の処理が実行されることにより、第2の表示領域の左眼光源の点灯が開始される。
【0141】
これにより、期間II−3には、観測者は、第1の表示領域および第2の表示領域に更新済みの左眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0142】
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態にかかる光線再生式の立体画像表示装置100Bの構成の具体例を示すブロック図である。図9を参照して、表示装置100Bは、図1に示された表示装置100Aの構成に加えて、立体視用レンズアレイ60を含む。
【0143】
立体視用レンズアレイ60は、表示パネル20の前面、すなわち観測者側に配設される。この配置により、表示パネル20から照射された光は、立体視用レンズアレイ60を通って、観測者側に照射される。
【0144】
立体視用レンズアレイ60は、本実施の形態においては、レンチキュラレンズで構成されるものとする。しかし、これに限定されず、立体視用レンズアレイ60は、レンチキュラレンズに替えてマイクロレンズアレイで構成されてもよい。
【0145】
この構成により、立体視用レンズアレイ60は、表示パネル20から入射された光の方向を屈折させることによって、観察物から得られた光と同様の光を再生することで、観測者に対して、輻輳、両眼視差、調節の何れもが自然に物を見ている状態と同等となるように、画像を見せることができる。
【0146】
第2の実施の形態にかかる記憶部40に含まれる画像記憶部41には、一定の視点間隔の異なる視点位置から同じ観察物を観察して得られる、光線再生法による立体映像を再生に必要な右眼画像データと左眼画像データとが複数記憶される。
【0147】
つまり、観測者の片眼分にまで立体像を観察できる範囲を絞ることで滑らかな運動視差を得ることができる。また、左眼画像と右眼画像とを時分割で切り替え、それと同期させてバックライトから発生する指向性のある光の向きを左右の眼の方向に交互に変えることで、両眼に対して光線再生法による立体像を表示することができる。
【0148】
図10は、第2の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。図10のフローチャートに示される制御は、第1の実施の形態の図7のフローチャートに示される制御と同様である。つまり、図10のステップS201からステップS235までの処理は、それぞれ、図7のステップS101からステップS135までの処理と同じである。このため、重複する説明は繰返さない。
【0149】
図11は、第2の実施の形態にかかる立体画像表示装置100Bでの表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。図11のタイミングチャートは、第1の実施の形態の図8のタイミングチャートと同様である。このため、重複する説明は繰返さない。
【0150】
以上説明したように、第1の実施の形態の表示装置100Aおよび第2の実施の形態の表示装置100Bによれば、次のような効果が奏される。
【0151】
従来の技術では、表示領域によっては、右眼光源が点灯している時に、表示パネルに形成される画像が左眼画像となったり、左眼光源が点灯している時に、表示パネルに形成される画像が右眼画像となったりすることで、立体視が正常に行なわれなかったり、また、図12の例のように、右眼画像から左眼画像に更新するときに、右眼画像と左眼画像とが、図14に示されるように混在して表示されたり、二重映りによって画質が低下したりすることがある。
【0152】
第1の実施の形態の図8および第2の実施の形態の図11で示したタイミングでの制御では、第1の表示領域が走査中である場合は、第1の表示領域に対応する右眼光源および左眼光源を消灯する。また、第2の表示領域が走査中である場合は、第2の表示領域に対応する右眼光源および左眼光源を消灯する。
【0153】
また、各表示領域で、右眼光源を点灯する直前には、各表示領域に左眼画像が形成されていない状態にすることができる。また、各表示領域で、左眼光源を点灯する直前には、各表示領域に右眼画像が形成されていない状態にすることができる。
【0154】
このように、第1の実施の形態の図8および第2の実施の形態の図11で示したタイミングで制御することで、観測者が右眼で右眼画像を見ることが可能な期間と、左眼で左眼画像を見ることが可能な期間とを分離して表示させることができる。また、走査中の混在した画像を観測者に見せないようにすることができる。このため、正常な立体視が可能となる。また、二重映りによって画質が低下することを防止することができる。
【0155】
また、画像を形成するタイミングおよび光源を点灯するタイミングが多少ずれた場合であっても、左眼画像を右眼に見せたり、右眼画像を左眼に見せたりしないようにできる。たとえば、画像を形成するタイミングが多少遅れたり、光源を点灯するタイミングが多少早まった場合であっても、右眼にはほぼ更新が終了した右眼画像を見せ、左眼にはほぼ更新が終了した左眼画像を見せることとなる。
【0156】
さらに、表示領域全体での画像の更新が完了してから光源を点灯する場合と比較して、光源を点灯する時間を長くすることができるので、より低消費電力で画面を明るくすることができる。
【0157】
また、LED321A,321Bは、光源311の長手方向の両端に配設され、それぞれ、導光路311A,311Bに対して長手方向から光を入射しているため、表示パネル20の水平方向に密接して並べることが可能である。よって、表示パネル20の水平方向に並べた光源を選択して点灯でき、右眼光源および左眼光源を観測者の水平方向の位置に応じて変更できるので、観測者の水平方向の位置に応じて光線の出射方向を制御することが可能となる。
【0158】
また、観測者の位置に応じて照明する領域を変更可能であるので、滑らかな運動視差を得るために立体視可能な領域を片目分にまで狭くしても、左右眼に対し交互に左右画像を表示するとともに、観測者の位置に応じて配光制御することで、広い領域で立体視可能となる。
【0159】
裸眼立体視可能な2眼式の立体映像表示装置では、一般的に立体視可能な領域が狭い。また、特許文献2のような従来の構成では、独立に制御可能な複数の光源を水平方向に配設し難く、観測者の水平方向の位置に応じて光線の出射方向を制御することが難しい。しかし、本実施の形態では、立体視可能な領域を拡大することが可能となる。
【0160】
また、表示パネル20の水平方向に対する観測者の位置に応じて配光制御可能であるので、立体視可能な領域を拡大することができる。
【0161】
次に上述した実施の形態の変形例を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、観測者の位置を特定するための手段を特に設けなかった。しかし、これに限定されず、表示装置100A,100Bに観測者の位置を検出する検出手段を設けるようにしてもよい。検出手段には、たとえば、観測者を撮影するカメラと、カメラによって撮影された観測者の画像から両眼の位置を検出する両眼検知手段とが含まれる。これによって、観測者の両眼の位置に応じた単位光源部31の光源を右眼光源および左眼光源として決めることが可能となる。
【0162】
また、観測者が自分の位置を表示装置100A,100Bに入力することで、観測者の位置を特定するようにしてもよい。
【0163】
(2) 前述した実施の形態においては、左眼画像および右眼画像として、両眼視差に基づいて立体視を可能とするもの、または、同じ観察物を一定の視点間隔の視点から観察して得られる画像を表示パネル20に形成するようにした。しかし、これに限定されず、左眼画像および右眼画像としては、同じ画像であってもよいし、両方の画像が合成されることによって1つの画像になるような2つの画像であってもよい。
【0164】
(3) 前述した実施の形態においては、表示パネル20は、液晶パネルであることとした。しかし、これに限定されず、制御部10によってバックライト部30からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部であれば他のものであってもよい。
【0165】
(4) 前述した実施の形態のおいては、光源の光を発生する部分が半導体光源であるLEDであることとした。しかし、これに限定されず、光を発生するものであれば、他のもの、たとえば、レーザダイオードであってもよい。
【0166】
(5) 前述した実施の形態においては、表示パネル20の表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域に分けるようにして、それぞれの表示領域にそれぞれの光源から独立に光が照射されるようにした。しかし、これに限定されず、表示領域を2以上の領域に分けるようにしてもよい。ただし、多く分けるほど、光源の点灯制御が複雑になるので、表示領域は少なく分けることが好ましい。
【0167】
(6) 前述した実施の形態においては、画素の更新は、走査線を1つ飛ばしでなく順次走査するプログレッシブ方式で行なわれるようにした。この場合は、画像の更新は、右眼画像、左眼画像、右眼画像、・・・の順で行なわれるようにした。
【0168】
しかし、これに限定されず、画素の更新を上から順に奇数番目の走査線を下まで走査した後、偶数番目の走査線を走査するインタレース方式で行なわれるようにしてもよい。この場合、画像の更新は、右眼画像の奇数ライン、右眼画像の偶数ライン、左眼画像の奇数ライン、左眼画像の偶数ライン、右眼画像の奇数ライン、・・・の順で行なわれるようにしてもよいし、右眼画像の奇数ライン、左眼画像の奇数ライン、右眼画像の偶数ライン、左眼画像の偶数ライン、右眼画像の奇数ライン、・・・の順で行なわれるようにしてもよい。
【0169】
(7) 前述した実施の形態においては、時間t1は、表示パネル20の表示領域のうち第1の表示領域において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間とした。しかし、これに限定されず、時間t1は、表示パネル20の表示領域のうち第1の表示領域において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間以上であり、時間t2未満であれば、他の時間であってもよい。
【0170】
(8) 前述した実施の形態においては、時間t2は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間とした。しかし、これに限定されず、時間t2は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間以上であり、時間t3未満であれば、他の時間であってもよい。
【0171】
(9) 前述した実施の形態においては、図7のステップS103およびステップS105、ならびに、ステップS123およびステップS125で説明したように、第2の表示領域の左眼光源および右眼光源の消灯制御をするのが、時間t1経過の直後であることとした。しかし、これに限定されず、時間t1経過の直前であってもよい。
【0172】
つまり、前述した実施の形態においては、第2の表示領域への光源が消灯される直前に、第2の表示領域における画像の更新が開始されるようにしたが、第2の表示領域への光源が消灯された直後に、第2の表示領域における画像の更新が開始されるようにしてもよい。これにより、更新中の画像をより見せ難くすることができる。
【0173】
(10) 前述した実施の形態においては、図7のステップS113およびステップS114、ならびに、ステップS133およびステップS134で説明したように、第1の表示領域の右眼光源および左眼光源の消灯制御をするのが、時間t3経過の直後であることとした。しかし、これに限定されず、時間t3経過の直前であってもよい。
【0174】
つまり、前述した実施の形態においては、第1の表示領域への光源が消灯される直前に、第1の表示領域における画像の更新が開始されるようにしたが、第1の表示領域への光源が消灯された直後に、第1の表示領域における画像の更新が開始されるようにしてもよい。これにより、更新中の画像を観測者に、より見せ難くすることができる。
【0175】
(11) 前述した実施の形態においては、第1の表示領域および第2の表示領域の画像の更新が連続的に行なわれるようにした。しかし、これに限定されず、第1の表示領域の画像の更新が終了した後に、第2の表示領域への光源の消灯制御をして、その後に、第2の表示領域の画像の更新を開始するようにしてもよい。また、第2の表示領域の画像の更新が終了した後に、第1の表示領域への光源の消灯制御をして、その後に、第1の表示領域の画像の更新を開始するようにしてもよい。これにより、更新中の画像を観測者に、より見せ難くすることができる。
【0176】
(12) 本発明は、立体映像表示装置100A,100Bの発明、立体映像表示装置100A,100Bで実行される表示方法の発明、立体映像表示装置100A,100Bで実行される表示プログラムの発明、および、当該表示プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体の発明として捉えることができる。
【0177】
コンピュータ読取可能な記録媒体としては、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク、MO(Magneto Optical disk)、MD(MiniDisc)等の光磁気ディスク、ICカード、光カード等のメモリカード、あるいは、マスクROM,EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrionically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等の半導体メモリを含めた、固定的にプログラムを担持する記録媒体であってもよいし、ネットワークからプログラムがダウンロードされるように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0178】
(13) また、本発明にかかる表示プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0179】
(14) また、本発明にかかるプログラムは、他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には、上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0180】
(15) 提供されるプログラム製品は、ハードディスクまたはメモリなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0181】
(16) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0182】
10 制御部、14 画像制御部、15 光源制御部、16 タイミング制御部、20 表示パネル、30 バックライト部、31,31A〜31E 単位光源部、32 光源部、33 配光用レンズアレイ、33A〜33E 凸レンズ、40 記憶部、41 画像記憶部、60 立体視用レンズアレイ、100A,100B 立体画像表示装置、311〜315 光源、311A〜315A,311B〜315B 導光路、321A〜315A,321B〜325B LED。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、および表示プログラムに関し、特に、立体視を可能とする光学系を有する表示装置、表示方法、および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像表示分野においては、立体的に映像を知覚させる立体映像表示装置が実用化されつつある。
【0003】
立体映像表示装置は、人がその映像を見たときに立体的に知覚することができる映像表示装置である。人間が物を見たときに立体的に知覚する要素としては、輻輳、両眼視差、運動視差、および調節があると言われている。
【0004】
輻輳とは、物を見るときに左右の眼球が内向きに向く運動である。脳は、眼に輻輳角を与える筋肉の緊張を認識することで、立体感を得る。
【0005】
両眼視差とは、注視点を観察している時の両眼に投影される網膜上像のずれ(いわゆる視差)である。脳はこの視差を立体感として知覚する。
【0006】
運動視差とは、視点の位置の変化につれて変化する、奥行きごとの見え方の変化量である。脳は、変化量、つまり物の見え方が変化することで立体感を得る。
【0007】
調節とは、見ている物の距離に応じて水晶体の厚みを変化させることである。脳は、調節のための筋肉の緊張を認識することで、立体感を得るものである。
【0008】
これらの立体視を促す知覚作用を利用した従来の立体映像装置は、(1)2眼式、(2)多眼式、(3)体積表示式、および(4)空間像再生式の4種類に大別できる。これらの方式の特徴を、以下に簡単に述べる。
【0009】
(1)2眼式とは、主に輻輳と両眼視差とを用いた方式である。左眼で見たときの映像と右眼で見たときの映像とを用意して、観測者の左眼には左眼用映像を、右眼には右眼用映像を独立提示する。独立提示する方法は複数の方法が提案されている。
【0010】
よく知られている方法としては、左右像を分離するためのメガネを用意する方法が挙げられる。具体的には、左眼用映像を赤、右眼用映像を青で表示し、左右のレンズの色が各々、青および赤であるメガネを通して見るアナグリフ式、および、左眼用映像を表示している時と右眼用映像を表示している時とで、メガネ側で時分割シャッタを用いて左右映像を観測者に独立提示する方法がある。
【0011】
最近では、左眼用と右眼用とで映像の偏光方向を変えて表示し、メガネ側で左右映像を分離する偏光フィルタを用いて左右映像を観測者に独立提示する方法がある。この方法では用いられるメガネを軽量化できるため観測者への負担を抑えることができる。
【0012】
メガネを使用しない方法としては、表示画像をパララックスバリアまたはレンチキュラレンズを利用して左右像に分離する方式がある。
【0013】
(2)多眼式とは、視点を2眼式の2点以外にも準備する方法である。すなわち、複数の視点からの2次元画像を、パララックスバリアまたはレンチキュラレンズを利用して、観察方向に対して左眼用映像と右眼用映像とを独立して提示する方法である。この方式によると、輻輳と両眼視差とに加えて、観察位置の移動に伴い視点数の数だけ左右眼画像が切り替わって観測者に投影されるので、運動視差を与えることができる。
【0014】
(3)体積表示式は、奥行き方向に複数の表示面を用意する、または表示面を回転させる等で奥行き方向にも表示面を用意し、奥行きに応じた位置に像を表示するものである。この方式によると、輻輳と両眼視差とに加えて、調節が可能となる。
【0015】
(4)空間像再生式は、被写体からの光線の方向を制御することで立体的に再生する方式である。すなわち、一定間隔で並んだ視点からの画像を合成した特殊画像を表示し、その画像からの光線の方向を多方向に制御することで、実物に近い光線を再生する方式である。この方式によると、実際に物体を見るのと同じ効果が得られ、輻輳、両眼視差、運動視差、および調節のいずれの効果も得られる。この方式を利用した立体映像方法には、光線再生法およびホログラフィがある。
【0016】
裸眼で立体視が可能な方式を採用した立体映像表示装置として、左右眼用の映像を分離するために、たとえば液晶パネルのような空間光変調器に左右眼用の映像を交互に表示させ、それと同期させてバックライトから発生する指向性のある光の向きを左右の眼に交互に変えることで、左眼用の映像を左眼に、右眼用の映像を右眼に表示させることで立体視させる立体映像表示装置がある。
【0017】
以上の立体映像表示装置のうちの、特に裸眼で立体視が可能であり、左右眼画像を時分割で切り替えることで観測者に立体視させる2眼式の立体画像表示装置について、図12を用いて説明する。図12における表示画像とは、画像表示装置に表示されている画像を指す。以降の、図12においても同様である。
【0018】
左右眼用の映像を分離するために、たとえば液晶パネルのような透過型の表示装置では、図12に示すように、第1の期間は左眼へ表示する左眼画像を表示し、次の第2の期間は右眼に表示する右眼画像を表示する。そして、当該表示装置では、第1の期間の表示と第2の期間の表示とを交互に行なう。
【0019】
一方、当該表示装置では、左眼画像を表示する第1の期間には観測者の左眼に配光可能な光源を点灯する。右眼画像を表示する第2の期間には、観測者の右眼に配光可能な光源を点灯し、上記の左眼に配光可能な光源は消灯する。上記の光源は指向性があり、観測者の片眼にだけ配光することが可能である。
【0020】
図12においては、上述の表示装置における表示する画像の制御と光源の点灯の制御とのタイミングを示している。このように、当該表示装置では、左右眼画像の時分割表示とバックライトの配光制御とを連携して実行する。これにより、観測者は、左眼で左眼画像を見るとともに、右眼で右眼画像を見る。そのため、観測者は裸眼で立体視することができる。
【0021】
たとえば、特許文献1は、裸眼で立体視可能な2眼式の立体画像表示装置を開示している。当該表示装置は、液晶パネルでの左眼画像の表示と右眼画像の表示との切り替えと同期して、複数の開口の位置を切り替える。これにより、指向性を有する光線を観測者の左右の眼へ割り振り、左右眼用の映像を分離させている。
【0022】
また、多眼方式および光線再生法は、観測者の片眼分にまで立体像を観察できる範囲を絞ることで、立体像の運動視差切り替えの滑らかさを向上させることができる。その場合、時分割で左眼画像と右眼画像とを切り替え、それと同期させてバックライトから発生する指向性のある光の向きを左右の眼の向きに交互に変えることで、左眼画像および右眼画像を、それぞれ、観測者の左眼および右眼に見せる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平8−334730号公報
【特許文献2】特開2006−10935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
以上のように左眼画像と右眼画像を交互に表示させることで観測者に裸眼立体視させる方式では、液晶パネルの走査時に左目画像と右目画像が混在しており、混在している状態でバックライトを点灯すると、左眼画像と右眼画像の画像が十分に分離せず、左眼画像と右眼画像の両方が観測者の片方の眼に同時に表示され、観測者は正常に立体視できない場合がある。
【0025】
図13は、その一例を示した図であり、表示する画像の制御と光源の点灯の制御との流れを示している。走査時に右眼画像と左眼画像が混在している様子を説明する。左眼画像から右眼画像に切り替わる場合を考える。
【0026】
図14は、表示パネルの走査が途中まで進んだ状態を示しており、例えば画面の上半分の領域である第1の表示領域は右眼画像に書き換えられているが、画面の下半分である第2の表示領域は左眼画像となる。この状態で右眼光源が点灯すると、領域2の左眼画像が右眼に入り、2重映りとなる。2眼式の立体画像表示装置では正常な立体視ができず、映像の品質が著しく低下するという問題が生じる。
【0027】
特許文献2は、上下方向に領域が分割され、左右に照射方向を切り替え可能なバックライトを、走査に同期させて点灯することでクロストークを低減させるバックライトである。特許文献2の技術を、2眼式の裸眼立体画像表示装置に応用すると、立体視可能な観測者の位置は、画面中央付近に限られてしまう。
【0028】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示装置、表示方法、および表示プログラムを提供することである。
【0029】
この発明の他の目的は、左眼用映像および右眼用映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示装置、表示方法、および表示プログラムを提供することである。
【0030】
この発明のさらに他の目的は、左眼および右眼に独立して映像を見せることがより広い範囲で可能な表示装置、表示方法、および表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、表示装置は、各部を制御する制御部と、制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、制御部によって光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える。
【0032】
表示部の表示領域は、所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する所定数の部分領域からなる。
【0033】
光源部は、所定数の部分領域ごとに、表示領域の面の縦軸に対して平行で表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が表示領域の面の横軸に略平行である映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、所定方向は、人が特定の位置にいるときに、人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0034】
制御部は、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御し、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御し、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し、当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御する。
【0035】
この発明に従えば、表示装置によって、或る部分領域において、第1の映像に更新されたときに、映像を見る人の右眼に、第1の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第1の映像に更新され、右眼に、第1の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第2の映像への更新が開始されるときに、第1の映像が見えないようにされ、第2の映像に更新されたときに、左眼に、第2の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第2の映像に更新され、左眼に第2の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第1の映像への更新が開始されるときに、第2の映像が見えないようにされる。
【0036】
このように、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示装置を提供することができる。
【0037】
好ましくは、所定方向は、さらに、特定の位置を含む人の複数の所定の位置ごとの、右眼方向と左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0038】
制御部は、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、人がいる位置に応じた右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御し、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、人がいる位置に応じた左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御する。
【0039】
この発明に従えば、表示装置によって、複数の所定の位置ごとに、或る部分領域において、第1の映像に更新されたときに、所定の位置にいる映像を見る人の右眼に、第1の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第1の映像に更新され、右眼に、第1の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第2の映像への更新が開始されるときに、第1の映像が見えないようにされ、第2の映像に更新されたときに、所定の位置にいる人の左眼に、第2の映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、第2の映像に更新され、左眼に第2の映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、第1の映像への更新が開始されるときに、第2の映像が見えないようにされる。
【0040】
このように、特定の位置だけでなく複数の所定の位置においても、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。その結果、左眼および右眼に独立して映像を見せることがより広い範囲でできる。
【0041】
好ましくは、第1の映像および第2の映像は、それぞれ、両眼視差に基づいて立体視を可能とする右眼用および左眼用の映像である。
【0042】
この発明に従えば、表示装置によって、或る部分領域において、右眼用映像に更新されたときに、映像を見る人の右眼に、右眼用映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、右眼用映像に更新され、右眼に、右眼用映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、左眼用映像への更新が開始されるときに、右眼用映像が見えないようにされ、左眼用映像に更新されたときに、左眼に、左眼用映像が見えるようにされ、順次、他の部分領域においても、左眼用映像に更新され、左眼に左眼用映像が見えるようにされ、前述の或る部分領域において、右眼用映像への更新が開始されるときに、左眼用映像が見えないようにされる。
【0043】
このように、左眼用映像および右眼用映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。
【0044】
好ましくは、光源部は、光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、光源部は、組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する所定方向に向ける第1の光線方向制御部を含む。
【0045】
この発明に従えば、複数の所定方向に照射する単位光源部を表示領域の横軸方向に順番に複数組並べることができる。このため、表示領域の横軸方向に均一に、映像を独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。
【0046】
さらに好ましくは、光源素子は、導光体の部分領域の縦軸方向の一端から光を入射する。
【0047】
この発明に従えば、導光体を表示領域の横軸方向に高密度で並べることができる。このため、表示領域の横軸方向に、より均一に、映像を独立して左眼および右眼に正確に見せることができる。
【0048】
好ましくは、第1の映像および第2の映像は、それぞれ、同じ観察物を一定の視点間隔の視点から観察して得られる画像であり、光源部は、光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、光源部は、組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する所定方向に近付く方向に向ける第1の光線方向制御部と、表示部に表示される第1の映像から照射される光および第2の映像から照射される光の方向を制御し、観察物からの光線を再生する第2の光線方向制御部とを含む。
【0049】
この発明に従えば、第1の光線方向制御部によって右眼に第1の映像が、左眼に第2の映像が見えるように光線を制御し、当該表示領域を透過した当該光線を第2の光線方向制御部によって多方向に屈折させることで光線の方向を多方向に制御し、光線再生法に基づいた実物に近い光線を再生する方式で、映像を表示することができる。このように、観察物から得られた光を、光線再生法に基づいた実物に近い再生することで、映像を見る人に対して、輻輳、両眼視差、調節のいずれも自然に物を見ている状態と同等に与えることができる。
【0050】
さらに好ましくは、光源素子は、半導体発光素子である。この発明に従えば、汎用的であるので、製造コストを抑えることができる。
【0051】
この発明の他の局面によれば、表示方法は、各部を制御する制御部と、制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、制御部によって光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって映像を表示する方法である。
【0052】
表示部の表示領域は、所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する所定数の部分領域からなる。
【0053】
光源部は、所定数の部分領域ごとに、表示領域の面の縦軸に対して平行で表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が表示領域の面の横軸に略平行である映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、所定方向は、人が特定の位置にいるときに、人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0054】
表示方法は、制御部が、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップとを含む。
【0055】
この発明に従えば、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示方法を提供することができる。
【0056】
この発明のさらに他の局面によれば、表示プログラムは、各部を制御する制御部と、
制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、制御部によって光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって実行されるプログラムである。
【0057】
表示部の表示領域は、所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する所定数の部分領域からなる。
【0058】
光源部は、所定数の部分領域ごとに、表示領域の面の縦軸に対して平行で表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が表示領域の面の横軸に略平行である映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、所定方向は、人が特定の位置にいるときに、人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含む。
【0059】
表示プログラムは、第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、右眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップと、当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、左眼方向に、光を照射するよう光源部を制御するステップと、当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように光源部を制御するステップとを制御部に実行させる。
【0060】
この発明に従えば、2つの映像をそれぞれ独立して左眼および右眼に正確に見せることが可能な表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施の形態にかかる2眼式の立体画像表示装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるバックライト部の単位光源部の詳細な構成の具体例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる光源の詳細な構成の具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるバックライト部での配光の原理を説明する図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる観測者の眼に光が配光される様子を模式的に表わした図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる複数のブロックの単位光源部を点灯した場合を示した図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態にかかる立体画像表示装置での表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】第2の実施の形態にかかる光線再生式の立体画像表示装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態にかかる立体画像表示装置での表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図12】従来の2眼式の立体画像表示装置での、左眼用の光源と右眼用の光源との点灯が切替わるタイミングと、左眼画像の表示と右眼画像の表示が切替わるタイミングとを示すタイミングチャートである。
【図13】従来の2眼式の立体画像表示装置での、左眼用の光源と右眼用の光源との点灯が切替わるタイミングと、左眼画像の表示と右眼画像の表示が切替わるタイミングとをより詳細に示すタイミングチャートである。
【図14】従来の2眼式の立体画像表示装置での、表示領域の走査の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0063】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる2眼式の立体画像表示装置(以下、単に「表示装置」という)100Aの構成の具体例を示すブロック図である。図1を参照して、表示装置100Aは、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)などを含んだ制御部10と、表示パネル20と、バックライト部30と、記憶部40とを含む。
【0064】
記憶部40は、制御部10に含まれるCPUにおいて実行されるプログラムなどを記憶する。さらに、記憶部40は画像記憶部41を含み、表示パネル20で表示するための画像データとして、右眼用の画像データと左眼用の画像データとを記憶する。
【0065】
右眼用の画像と左眼用の画像とは、左右の眼の位置を視点位置として同じ観察物を観察して得られる2つの画像であって、視差を含んだ画像である。すなわち、右眼画像は、観察物を右眼位置から見た画像であり、左眼画像は、同じ観察物を同じ観測者の左眼位置から見た画像に相当する。
【0066】
制御部10は、画像制御部14、光源制御部15、およびタイミング制御部16を含む。これらは、制御部10に含まれるCPUが、記憶部40に記憶されるプログラムを読み出して実行することで制御部10に形成される。
【0067】
表示パネル20は、画像を表示するためのパネルであり、画素単位で画像データを表示可能である。バックライト部30は、表示パネル20の背面、すなわち表示パネル20を挟んで観測者から遠い側に配設され、表示パネル20に背面から光を照射する。表示パネル20は、背面に位置するバックライト部30からのバックライト光により画像データを表示可能な透過型パネルであり、たとえば液晶パネルである。
【0068】
画像制御部14は、画像記憶部41に記憶されている画像データを読み出して表示パネル20に表示させるための表示制御を実行する。
【0069】
バックライト部30は、複数の光源を含む単位光源部31A,31Bを複数含む光源部32と、配光用レンズアレイ33とを含む。光源制御部15は、各光源を点灯または消灯させるための点灯制御を実行する。光源は、光源制御部15によって点灯制御され、光を照射する。
【0070】
配光用レンズアレイ33は、光源部32と表示パネル20との間に配設される。この配置により、光源部32の光源から照射された光は配光用レンズアレイ33を通って、表示パネル20に照射される。
【0071】
配光用レンズアレイ33は、断面が弓形の柱状の凸レンズが複数連続してなるレンチキュラレンズで構成されるものとする。配光用レンズアレイ33は、レンチキュラレンズに替えてマイクロレンズアレイで構成されてもよい。この構成により、配光用レンズアレイ33は、光源から入射された光の方向を屈折させ平行光にし、観測者の眼へ入射させる。
【0072】
タイミング制御部16は、画像制御部14での表示制御と、光源制御部15での点灯制御との、タイミングを制御する。
【0073】
図2は、第1の実施の形態にかかるバックライト部30の単位光源部31の詳細な構成の具体例を示す斜視図である。図2を参照して、単位光源部31は、1ブロック分の光源311〜315を備えている。
【0074】
線状光源である単位光源部31に含まれる各光源311〜315は、好適には、配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズから、レンチキュラレンズの焦点距離だけ隔たれる。各光源311〜315の長手方向がレンチキュラレンズの主軸の方向と平行になるよう配設される。配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズの1つの凸レンズ部分に、1組の線状光源である光源311〜315が、レンチキュラレンズの幅方向に並べて配設され、レンチキュラレンズの1つの凸レンズ部分に対応した複数の光源311〜315を、1ブロックの単位光源部31と称する。
【0075】
図3は、第1の実施の形態にかかる光源311〜315の詳細な構成の具体例を示す図である。ここでは、光源311〜315のうち光源311を例として説明する。
【0076】
図3を参照して、光源311は、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)321A,321Bと、LED321A,321Bからの光を受け独立に点灯制御可能な導光路311A,311Bとを含む線状光源である。導光路311A,311Bは、光源の長手方向に並べて配設され、光源311の主要部を構成する。好適には、導光路311A,311Bから出射される照明光同士の境界にムラができないよう、密着して配設されるか、位置調整され配設される。
【0077】
LED321A,321Bは、光源311の長手方向の両端に配設され、それぞれ導光路311A,311Bに対して光を入射させる。図3(A)を参照して、LED321Aを点灯すると、導光路311Aが点灯する。図3(B)を参照して、LED321Bを点灯すると、導光路311Bが点灯する。図3(C)を参照して、LED321A,321Bを同時に点灯すると、導光路311A,311Bで主要部が構成される光源311の長手方向全体が点灯する。導光路311A,311Bは、一体であっても別体であっても良い。
【0078】
図2に戻って、本実施の形態においては、表示パネル20の表示領域は、表示パネル20の縦軸方向に上から下に走査される。
【0079】
走査とは、画像を画素に分解し、それぞれの画素の階調を順次に電気信号に変換すること、および、逆に、電気信号を画素の階調に変換し、画素を合成して画像を組立てることであり、ここでは、後者の意味である。
【0080】
本実施の形態における液晶パネル20では、表示領域が走査されることによって、左上の画素から始まり、表示領域の横軸方向の走査線に沿って左端から右端に達するごとに次の走査線に進み、右下の画素に達する順番で、光源部32からの光の各画素における透過度合が、画素ごとに所定周期ごとに更新される。
【0081】
表示領域は、1画面分の画素の更新において、前半に更新される第1の表示領域と、後半に更新される第2の表示領域とに分けられる。つまり、本実施の形態においては、第1の表示領域は、表示パネル20の表示領域の上半分の表示領域、第2の表示領域は、下半分の表示領域である。
【0082】
なお、本実施の形態における画素の更新の順番は、長方形の表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域とに分けたときに、それぞれの形状が長方形になるような順番であれば、他の順番であってもよく、右下の画素から左上の画素に至る順番であってもよいし、走査線は、横軸方向に限定されず、縦軸方向であってもよい。
【0083】
図3で説明した光源311がLED321A,321Bと導光路311A,311Bとを含むのと同様、光源312〜315は、それぞれ、LED322A〜325A,322B〜325Bと、導光路312A〜315A,312B〜315Bとを含む。
【0084】
光源311〜315の表示パネル20の表示領域における上側方向の導光路311A〜315Aから照射された光は、配光用レンズアレイ33を透過して、第1の表示領域に照射される。たとえば、図2においては、導光路314Aから照射された光が第1の表示領域に照射されている様子が示されている。
【0085】
また、光源311〜315の表示パネル20の表示領域における下側方向の導光路311B〜315Bから照射された光は、配光用レンズアレイ33を透過して、第2の表示領域に照射される。たとえば、図2においては、導光路312Bから照射された光が第2の表示領域に照射されている様子が示されている。
【0086】
図4は、第1の実施の形態にかかるバックライト部30での配光の原理を説明する図である。図4を参照して、光源311〜315から出射した光は、配光用レンズアレイ33のレンチキュラレンズを透過後、レンチキュラレンズの光軸に対してそれぞれ角度θ1,θ2,・・・,θ5だけ傾いた方向に出射される。
【0087】
線状光源である光源311〜315は、レンチキュラレンズの対応する凸レンズの焦点距離付近に配設されるため、出射される各光源311〜315からの光線は、略平行となる。同様に、光源素子である各LED321A〜325A,321B〜325Bからの光線も略平行となる。
【0088】
配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズの対応する凸レンズによって屈折された光源311〜315からの光は、非常に強い指向性を有する。すなわち、光源311〜315から照射され、配光用レンズアレイ33を構成するレンチキュラレンズの対応する凸レンズによって光軸に対してそれぞれ角度θ1〜θ5の方向に出射された各光は、各観測位置で、略平行に進行し、観測者の眼の位置で、連続した領域A1〜A5を照射する。
【0089】
なお、隣り合う領域同士は、重なり合っていても良い。また、レンチキュラレンズを透過後の光線は、必ずしも平行光である必要はなく、観測者の眼に対して指向性があれば良い。拡散光になる場合は、領域A1〜A5の幅は、観測位置で、観測位置において観測者の片眼にのみ入射する幅であれば良い。また、収束光となる場合は、領域A1〜A5の幅は、観測位置で、観測者の眼の幅以上の幅であれば良い。
【0090】
次に、観測者の左右の眼に対して指向性光線が入射される様子を、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施の形態にかかる観測者の眼に光が配光される様子を模式的に表わした図である。
【0091】
図5(A)は、配光用レンズアレイ33のレンチキュラレンズの中央に位置する凸レンズ33Cの正面に観測者がいる場合を表した図である。この場合、観測者の右眼は領域A4に、左眼は領域A2にあるため、右眼光源は光源314、左眼光源は光源312となる。
【0092】
つまり、光源314を点灯すると、光は、凸レンズ33Cによって、角度θ4の方向に屈折されて、凸レンズ33Cに対して光源314と反対の側に位置する観測者の右眼に配光される。
【0093】
同様に、光源312から照射されて、凸レンズ33Cによって、光軸に対して角度θ2に屈折されて出射された光は、略平行に進行し、観測者の左眼に配光される。
【0094】
図5(B)は、凸レンズ33Cの光軸の凸レンズ33C側から見て左側に観測者がいる場合を表した図である。この場合、観測者の右眼は領域A5、左眼は領域A3にあるため、右眼光源は光源315、左眼光源は光源313となる。
【0095】
つまり、光源315を点灯すると、観測者の右眼に、光源313を点灯すると、観測者の左眼に、光線が配光される。
【0096】
図5(C)は、凸レンズ33Cの光軸の凸レンズ33C側から見て右側に観測者がいる場合を表した図である。この場合、観測者の右眼は領域A3、左眼は領域A1にあるため、右眼光源は光源313、左眼光源は光源311となる。
【0097】
つまり、光源311を点灯すると、観測者の左眼に、光源313を点灯すると、観測者の右眼に、光線が入射する。
【0098】
以上の図5(A)〜(C)で説明したように、表示装置100Aは、指向性光線を3箇所で観測可能である。つまり、立体視可能な観測者の領域は、3つに分けられる。なお、本実施の形態においては、1ブロックの単位光源部31に含まれる光源311〜315は、5つとしたが、単位光源部31に含まれる光源の個数を増やすことで、立体視可能な領域を増やすことができる。
【0099】
図6は、第1の実施の形態にかかる複数のブロックの単位光源部を点灯した場合を示した図である。図6を参照して、凸レンズ33C以外の配光用レンズアレイ33のレンチキュラレンズの凸レンズ33A,33B,33D,33Eと、それに対応する1ブロックの単位光源部31A,31B,31D,31Eとのそれぞれの組合せでも、図5で説明した配光の原理は同様である。
【0100】
この原理に従って、凸レンズ33Cとそれに対応する1ブロックの単位光源部31Cが照射する領域A1〜A5と同じ領域をそれぞれ照射するように、凸レンズ33C以外の凸レンズ33A,33B,33D,33Eとそれに対応する単位光源部31A,31B,31D,31Eとのそれぞれの組合せにおけるθ1〜θ5が位置調整される。
【0101】
このため、図5(A)で説明した位置に観測者がいる場合、図6(A)に示すように、単位光源部31Cの右から2番目の光源314から照射された光が、観測者の右眼に入射されるのと同様、単位光源部31A,31B,31D,31Eそれぞれの右から2番目の光源から照射された光が、観測者の右眼に入射される。
【0102】
同様に、図6(B)に示すように、単位光源部31Cの左から2番目の光源312から照射された光が、観測者の左眼に入射されるのと同様、単位光源部31A,31B,31D,31Eそれぞれの左から2番目の光源から照射された光が、観測者の左眼に入射される。
【0103】
これにより、表示パネル20に右眼用画像が表示されているときに、図6(A)で示すように、それぞれの単位光源部31A〜31Eの右から2番目の光源が光を照射するように制御すると、右眼用画像が観測者の右眼に入射される。
【0104】
また、表示パネル20に左眼用画像が表示されれているときに、図6(B)で示すように、それぞれの単位光源部31A〜31Eの左から2番目の光源が光を照射するように制御すると、左眼用画像が観測者の左眼に入射される。
【0105】
ここで、単位光源部と凸レンズとの組合せは、表示パネル20の横方向の幅の全域に亘って光を照射可能なように設けられる。つまり、図6においては、5組の単位光源部と凸レンズとの組合せが設けられているが、実際は、表示パネル20の横方向の幅に応じた数の単位光源部と凸レンズとの組合せが設けられる。
【0106】
図7は、第1の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。図7のフローチャートに示される制御は、制御部10に含まれるCPUが記憶部40に記憶されるプログラムを読み出して実行することによって実現される制御であって、指定された画像を表示する際に行なわれる制御である。
【0107】
なお、図1で説明したタイミング制御部16は、図7のフローチャートで示されるプログラムが実行されることで制御部10に形成される。
【0108】
ここでは、図5(A)で説明した位置に観測者がいる場合、つまり、右眼光源が光源314、左眼光源が312である場合の制御を説明する。
【0109】
図7を参照して、右眼画像を表示するタイミングに達すると、ステップS101で、制御部10のCPUは、制御部10に内蔵するタイマでの計時を開始する。そして、ステップS102で、CPUは、表示パネル20の表示を右眼画像データに基づいた表示に更新するための制御信号を画像制御部14に対して出力する。画像制御部14は、この制御信号に従って、表示パネル20における右眼画像への更新を開始する。
【0110】
ステップS103で、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマを監視し、時間t1が経過したか否かを判断する。ここで、本実施の形態において、時間t1は、表示パネル20の表示領域のうち第1の表示領域において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間である。
【0111】
時間t1が経過したと判断した場合(ステップS103でYESと判断した場合)、ステップS104で、CPUは、第1の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324A(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS104の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Aを点灯することで、光源314の導光路314Aを点灯する。
【0112】
次いで、ステップS105で、CPUは、第2の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322B(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS105の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Bを消灯することで、光源312の導光路312Bを消灯する。
【0113】
ステップS111では、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマを監視し、時間t2が経過したか否かを判断する。ここで、本実施の形態において、時間t2は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間である。
【0114】
時間t2が経過したと判断した場合(ステップS111でYESと判断した場合)、ステップS112で、CPUは、第2の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324B(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS112の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Bを点灯することで、光源314の導光路314Bを点灯する。
【0115】
ステップS113では、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマを監視し、時間t3が経過したか否かを判断する。ここで、本実施の形態において、時間t3は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから次の画像の更新を開始するまでの時間、つまり、画像の更新周期である。
【0116】
時間t3が経過したと判断した場合(ステップS113でYESと判断した場合)、ステップS114で、CPUは、第1の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324A(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS114の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Aを消灯することで、光源314の導光路314Aを消灯する。
【0117】
次いで、ステップS115で、CPUは、ステップS101でスタートしたタイマをリセットする。
【0118】
次に、ステップS121で、制御部10のCPUは、制御部10に内蔵するタイマでの計時を開始する。そして、ステップS122で、CPUは、表示表示パネル20の表示を左眼画像データに基づいた表示に更新するための制御信号を画像制御部14に対して出力する。画像制御部14は、この制御信号に従って、表示パネル20における左眼画像への更新を開始する。
【0119】
ステップS123で、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマを監視し、ステップS103で説明した時間t1が経過したか否かを判断する。
【0120】
時間t1が経過したと判断した場合(ステップS123でYESと判断した場合)、ステップS124で、CPUは、第1の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322A(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS124の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Aを点灯することで、光源312の導光路312Aを点灯する。
【0121】
次いで、ステップS125で、CPUは、第2の表示領域に対応する右眼光源(この例では、光源314のLED324B(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS125の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する右眼光源であるLED324Bを消灯することで、光源314の導光路314Bを消灯する。
【0122】
ステップS131では、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマを監視し、ステップS111で説明した時間t2が経過したか否かを判断する。
【0123】
時間t2が経過したと判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステップS132で、CPUは、第2の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322B(図2参照))を点灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS132の処理で出力された制御信号に従って、第2の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Bを点灯することで、光源312の導光路312Bを点灯する。
【0124】
ステップS133では、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマを監視し、ステップS113で説明した時間t3が経過したか否かを判断する。ここで、時間t3は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから次の画像の更新を開始するまでの時間、つまり、画像の更新周期である。
【0125】
時間t3が経過したと判断した場合(ステップS133でYESと判断した場合)、ステップS134で、CPUは、第1の表示領域に対応する左眼光源(この例では、光源312のLED322A(図2参照))を消灯させるための制御信号を光源制御部15に出力する。光源制御部15は、ステップS134の処理で出力された制御信号に従って、第1の表示領域に対応する左眼光源であるLED322Aを消灯することで、光源312の導光路312Aを消灯する。
【0126】
次いで、ステップS135で、CPUは、ステップS121でスタートしたタイマをリセットする。
【0127】
このように、ステップS101からステップS115までの処理が実行されることによって、右眼画像の更新が開始され、表示領域全体のうち第1の表示領域の右眼画像への更新が終了すると、第1の表示領域の右眼光源が点灯されるとともに、第2の表示領域の左眼光源が消灯され、表示領域全体の右眼画像への更新が終了すると、第2の表示領域の右眼光源が点灯され、第1の表示領域の左眼画像への更新が開始される前に、第1の表示領域の右眼光源が消灯される。
【0128】
また、ステップS121からステップS135までの処理が実行されることによって、左眼画像の更新が開始され、表示領域全体のうち第1の表示領域の左眼画像への更新が終了すると、第1の表示領域の左眼光源が点灯されるとともに、第2の表示領域の右眼光源が消灯され、表示領域全体の左眼画像への更新が終了すると、第2の表示領域の左眼光源が点灯され、第1の表示領域の右眼画像への更新が開始される前に、第1の表示領域の左眼光源が消灯される。
【0129】
そして、ステップS101からステップS115までの処理およびステップS121からステップS135までの処理が繰返されることで、右眼画像および左眼画像が表示パネル20に交互に形成される。
【0130】
図8は、第1の実施の形態にかかる立体画像表示装置100Aでの表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。図8を参照して、図7のステップS101およびステップS102の処理が実行されることにより、期間I−1に入ったときに、第1の表示領域の右眼画像への更新のための走査が開始される。この期間I−1においては、前の期間から継続して、第2の表示領域に左眼画像が形成されており、当該第2の表示領域に左眼光源が照射されている。
【0131】
これにより、期間I−1には、観測者は、第2の表示領域に更新済みの左眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0132】
次に、右眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t1が経過して期間I−2に入ったときに、右眼画像への更新のための走査が、第1の表示領域で終了して、第2の表示領域に及ぶ。また、このときに、図7のステップS104およびステップS105の処理が実行されることにより、第1の表示領域の右眼光源の点灯が開始され、第2の表示領域の左眼光源が消灯される。
【0133】
これにより、期間I−2には、観測者は、第1の表示領域に更新済みの右眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0134】
次いで、右眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t2が経過して期間I−3に入ったときに、右眼画像への更新のための走査が、第2の表示領域で終了する。また、このときに、図7のステップS112の処理が実行されることにより、第2の表示領域の右眼光源の点灯が開始される。
【0135】
これにより、期間I−3には、観測者は、第1の表示領域および第2の表示領域に更新済みの右眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0136】
そして、右眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t3が経過して期間II−1に入る前に、図7のステップS114の処理が実行されることにより、第1の表示領域の右眼光源が消灯される。この後に、図7のステップS121およびステップS122の処理が実行されることにより、期間II−1に入ったときに、第1の表示領域の左眼画像への更新のための走査が開始される。この期間II−1においては、前の期間から継続して、第2の表示領域に右眼画像が形成されており、当該第2の表示領域に右眼光源が照射されている。
【0137】
これにより、期間II−1には、観測者は、第2の表示領域に更新済みの右眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0138】
次に、左眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t1が経過して期間II−2に入ったときに、左眼画像への更新のための走査が、第1の表示領域で終了して、第2の表示領域に及ぶ。また、このときに、図7のステップS124およびステップS125の処理が実行されることにより、第1の表示領域の左眼光源の点灯が開始され、第2の表示領域の右眼光源が消灯される。
【0139】
これにより、期間II−2には、観測者は、第1の表示領域に更新済みの左眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0140】
次いで、左眼画像への更新のための走査が開始されてから時間t2が経過して期間II−3に入ったときに、左眼画像への更新のための走査が、第2の表示領域で終了する。また、このときに、図7のステップS132の処理が実行されることにより、第2の表示領域の左眼光源の点灯が開始される。
【0141】
これにより、期間II−3には、観測者は、第1の表示領域および第2の表示領域に更新済みの左眼画像が表示されているのを見ることになる。
【0142】
[第2の実施の形態]
図9は、第2の実施の形態にかかる光線再生式の立体画像表示装置100Bの構成の具体例を示すブロック図である。図9を参照して、表示装置100Bは、図1に示された表示装置100Aの構成に加えて、立体視用レンズアレイ60を含む。
【0143】
立体視用レンズアレイ60は、表示パネル20の前面、すなわち観測者側に配設される。この配置により、表示パネル20から照射された光は、立体視用レンズアレイ60を通って、観測者側に照射される。
【0144】
立体視用レンズアレイ60は、本実施の形態においては、レンチキュラレンズで構成されるものとする。しかし、これに限定されず、立体視用レンズアレイ60は、レンチキュラレンズに替えてマイクロレンズアレイで構成されてもよい。
【0145】
この構成により、立体視用レンズアレイ60は、表示パネル20から入射された光の方向を屈折させることによって、観察物から得られた光と同様の光を再生することで、観測者に対して、輻輳、両眼視差、調節の何れもが自然に物を見ている状態と同等となるように、画像を見せることができる。
【0146】
第2の実施の形態にかかる記憶部40に含まれる画像記憶部41には、一定の視点間隔の異なる視点位置から同じ観察物を観察して得られる、光線再生法による立体映像を再生に必要な右眼画像データと左眼画像データとが複数記憶される。
【0147】
つまり、観測者の片眼分にまで立体像を観察できる範囲を絞ることで滑らかな運動視差を得ることができる。また、左眼画像と右眼画像とを時分割で切り替え、それと同期させてバックライトから発生する指向性のある光の向きを左右の眼の方向に交互に変えることで、両眼に対して光線再生法による立体像を表示することができる。
【0148】
図10は、第2の実施の形態にかかる表示制御および点灯制御のタイミングの制御の流れを示すフローチャートである。図10のフローチャートに示される制御は、第1の実施の形態の図7のフローチャートに示される制御と同様である。つまり、図10のステップS201からステップS235までの処理は、それぞれ、図7のステップS101からステップS135までの処理と同じである。このため、重複する説明は繰返さない。
【0149】
図11は、第2の実施の形態にかかる立体画像表示装置100Bでの表示制御および点灯制御のタイミングを示すタイミングチャートである。図11のタイミングチャートは、第1の実施の形態の図8のタイミングチャートと同様である。このため、重複する説明は繰返さない。
【0150】
以上説明したように、第1の実施の形態の表示装置100Aおよび第2の実施の形態の表示装置100Bによれば、次のような効果が奏される。
【0151】
従来の技術では、表示領域によっては、右眼光源が点灯している時に、表示パネルに形成される画像が左眼画像となったり、左眼光源が点灯している時に、表示パネルに形成される画像が右眼画像となったりすることで、立体視が正常に行なわれなかったり、また、図12の例のように、右眼画像から左眼画像に更新するときに、右眼画像と左眼画像とが、図14に示されるように混在して表示されたり、二重映りによって画質が低下したりすることがある。
【0152】
第1の実施の形態の図8および第2の実施の形態の図11で示したタイミングでの制御では、第1の表示領域が走査中である場合は、第1の表示領域に対応する右眼光源および左眼光源を消灯する。また、第2の表示領域が走査中である場合は、第2の表示領域に対応する右眼光源および左眼光源を消灯する。
【0153】
また、各表示領域で、右眼光源を点灯する直前には、各表示領域に左眼画像が形成されていない状態にすることができる。また、各表示領域で、左眼光源を点灯する直前には、各表示領域に右眼画像が形成されていない状態にすることができる。
【0154】
このように、第1の実施の形態の図8および第2の実施の形態の図11で示したタイミングで制御することで、観測者が右眼で右眼画像を見ることが可能な期間と、左眼で左眼画像を見ることが可能な期間とを分離して表示させることができる。また、走査中の混在した画像を観測者に見せないようにすることができる。このため、正常な立体視が可能となる。また、二重映りによって画質が低下することを防止することができる。
【0155】
また、画像を形成するタイミングおよび光源を点灯するタイミングが多少ずれた場合であっても、左眼画像を右眼に見せたり、右眼画像を左眼に見せたりしないようにできる。たとえば、画像を形成するタイミングが多少遅れたり、光源を点灯するタイミングが多少早まった場合であっても、右眼にはほぼ更新が終了した右眼画像を見せ、左眼にはほぼ更新が終了した左眼画像を見せることとなる。
【0156】
さらに、表示領域全体での画像の更新が完了してから光源を点灯する場合と比較して、光源を点灯する時間を長くすることができるので、より低消費電力で画面を明るくすることができる。
【0157】
また、LED321A,321Bは、光源311の長手方向の両端に配設され、それぞれ、導光路311A,311Bに対して長手方向から光を入射しているため、表示パネル20の水平方向に密接して並べることが可能である。よって、表示パネル20の水平方向に並べた光源を選択して点灯でき、右眼光源および左眼光源を観測者の水平方向の位置に応じて変更できるので、観測者の水平方向の位置に応じて光線の出射方向を制御することが可能となる。
【0158】
また、観測者の位置に応じて照明する領域を変更可能であるので、滑らかな運動視差を得るために立体視可能な領域を片目分にまで狭くしても、左右眼に対し交互に左右画像を表示するとともに、観測者の位置に応じて配光制御することで、広い領域で立体視可能となる。
【0159】
裸眼立体視可能な2眼式の立体映像表示装置では、一般的に立体視可能な領域が狭い。また、特許文献2のような従来の構成では、独立に制御可能な複数の光源を水平方向に配設し難く、観測者の水平方向の位置に応じて光線の出射方向を制御することが難しい。しかし、本実施の形態では、立体視可能な領域を拡大することが可能となる。
【0160】
また、表示パネル20の水平方向に対する観測者の位置に応じて配光制御可能であるので、立体視可能な領域を拡大することができる。
【0161】
次に上述した実施の形態の変形例を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、観測者の位置を特定するための手段を特に設けなかった。しかし、これに限定されず、表示装置100A,100Bに観測者の位置を検出する検出手段を設けるようにしてもよい。検出手段には、たとえば、観測者を撮影するカメラと、カメラによって撮影された観測者の画像から両眼の位置を検出する両眼検知手段とが含まれる。これによって、観測者の両眼の位置に応じた単位光源部31の光源を右眼光源および左眼光源として決めることが可能となる。
【0162】
また、観測者が自分の位置を表示装置100A,100Bに入力することで、観測者の位置を特定するようにしてもよい。
【0163】
(2) 前述した実施の形態においては、左眼画像および右眼画像として、両眼視差に基づいて立体視を可能とするもの、または、同じ観察物を一定の視点間隔の視点から観察して得られる画像を表示パネル20に形成するようにした。しかし、これに限定されず、左眼画像および右眼画像としては、同じ画像であってもよいし、両方の画像が合成されることによって1つの画像になるような2つの画像であってもよい。
【0164】
(3) 前述した実施の形態においては、表示パネル20は、液晶パネルであることとした。しかし、これに限定されず、制御部10によってバックライト部30からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部であれば他のものであってもよい。
【0165】
(4) 前述した実施の形態のおいては、光源の光を発生する部分が半導体光源であるLEDであることとした。しかし、これに限定されず、光を発生するものであれば、他のもの、たとえば、レーザダイオードであってもよい。
【0166】
(5) 前述した実施の形態においては、表示パネル20の表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域に分けるようにして、それぞれの表示領域にそれぞれの光源から独立に光が照射されるようにした。しかし、これに限定されず、表示領域を2以上の領域に分けるようにしてもよい。ただし、多く分けるほど、光源の点灯制御が複雑になるので、表示領域は少なく分けることが好ましい。
【0167】
(6) 前述した実施の形態においては、画素の更新は、走査線を1つ飛ばしでなく順次走査するプログレッシブ方式で行なわれるようにした。この場合は、画像の更新は、右眼画像、左眼画像、右眼画像、・・・の順で行なわれるようにした。
【0168】
しかし、これに限定されず、画素の更新を上から順に奇数番目の走査線を下まで走査した後、偶数番目の走査線を走査するインタレース方式で行なわれるようにしてもよい。この場合、画像の更新は、右眼画像の奇数ライン、右眼画像の偶数ライン、左眼画像の奇数ライン、左眼画像の偶数ライン、右眼画像の奇数ライン、・・・の順で行なわれるようにしてもよいし、右眼画像の奇数ライン、左眼画像の奇数ライン、右眼画像の偶数ライン、左眼画像の偶数ライン、右眼画像の奇数ライン、・・・の順で行なわれるようにしてもよい。
【0169】
(7) 前述した実施の形態においては、時間t1は、表示パネル20の表示領域のうち第1の表示領域において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間とした。しかし、これに限定されず、時間t1は、表示パネル20の表示領域のうち第1の表示領域において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間以上であり、時間t2未満であれば、他の時間であってもよい。
【0170】
(8) 前述した実施の形態においては、時間t2は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間とした。しかし、これに限定されず、時間t2は、表示パネル20の表示領域全体において画像の更新を開始してから完了するまでに要する時間以上であり、時間t3未満であれば、他の時間であってもよい。
【0171】
(9) 前述した実施の形態においては、図7のステップS103およびステップS105、ならびに、ステップS123およびステップS125で説明したように、第2の表示領域の左眼光源および右眼光源の消灯制御をするのが、時間t1経過の直後であることとした。しかし、これに限定されず、時間t1経過の直前であってもよい。
【0172】
つまり、前述した実施の形態においては、第2の表示領域への光源が消灯される直前に、第2の表示領域における画像の更新が開始されるようにしたが、第2の表示領域への光源が消灯された直後に、第2の表示領域における画像の更新が開始されるようにしてもよい。これにより、更新中の画像をより見せ難くすることができる。
【0173】
(10) 前述した実施の形態においては、図7のステップS113およびステップS114、ならびに、ステップS133およびステップS134で説明したように、第1の表示領域の右眼光源および左眼光源の消灯制御をするのが、時間t3経過の直後であることとした。しかし、これに限定されず、時間t3経過の直前であってもよい。
【0174】
つまり、前述した実施の形態においては、第1の表示領域への光源が消灯される直前に、第1の表示領域における画像の更新が開始されるようにしたが、第1の表示領域への光源が消灯された直後に、第1の表示領域における画像の更新が開始されるようにしてもよい。これにより、更新中の画像を観測者に、より見せ難くすることができる。
【0175】
(11) 前述した実施の形態においては、第1の表示領域および第2の表示領域の画像の更新が連続的に行なわれるようにした。しかし、これに限定されず、第1の表示領域の画像の更新が終了した後に、第2の表示領域への光源の消灯制御をして、その後に、第2の表示領域の画像の更新を開始するようにしてもよい。また、第2の表示領域の画像の更新が終了した後に、第1の表示領域への光源の消灯制御をして、その後に、第1の表示領域の画像の更新を開始するようにしてもよい。これにより、更新中の画像を観測者に、より見せ難くすることができる。
【0176】
(12) 本発明は、立体映像表示装置100A,100Bの発明、立体映像表示装置100A,100Bで実行される表示方法の発明、立体映像表示装置100A,100Bで実行される表示プログラムの発明、および、当該表示プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体の発明として捉えることができる。
【0177】
コンピュータ読取可能な記録媒体としては、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク、MO(Magneto Optical disk)、MD(MiniDisc)等の光磁気ディスク、ICカード、光カード等のメモリカード、あるいは、マスクROM,EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrionically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等の半導体メモリを含めた、固定的にプログラムを担持する記録媒体であってもよいし、ネットワークからプログラムがダウンロードされるように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0178】
(13) また、本発明にかかる表示プログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0179】
(14) また、本発明にかかるプログラムは、他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には、上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0180】
(15) 提供されるプログラム製品は、ハードディスクまたはメモリなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0181】
(16) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0182】
10 制御部、14 画像制御部、15 光源制御部、16 タイミング制御部、20 表示パネル、30 バックライト部、31,31A〜31E 単位光源部、32 光源部、33 配光用レンズアレイ、33A〜33E 凸レンズ、40 記憶部、41 画像記憶部、60 立体視用レンズアレイ、100A,100B 立体画像表示装置、311〜315 光源、311A〜315A,311B〜315B 導光路、321A〜315A,321B〜325B LED。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部を制御する制御部と、
前記制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、
前記制御部によって前記光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の前記画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備え、
前記表示部の表示領域は、前記所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する前記所定数の部分領域からなり、
前記光源部は、
前記所定数の前記部分領域ごとに、前記表示領域の面の縦軸に対して平行で前記表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が前記表示領域の面の横軸に略平行である前記映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、前記所定方向は、前記人が特定の位置にいるときに、前記人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と前記人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記制御部は、
第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御し、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御し、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御し、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御し、
当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御する、表示装置。
【請求項2】
前記所定方向は、さらに、前記特定の位置を含む前記人の複数の所定の位置ごとの、前記右眼方向と前記左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記制御部は、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記人がいる前記位置に応じた前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御し、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記人がいる前記位置に応じた前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の映像および前記第2の映像は、それぞれ、両眼視差に基づいて立体視を可能とする右眼用および左眼用の映像である、請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源部は、
光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を前記部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、前記所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、前記部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、
前記光源部は、
前記組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する前記所定方向に向ける第1の光線方向制御部を含む、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記光源素子は、前記導光体の前記部分領域の縦軸方向の一端から光を入射する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の映像および前記第2の映像は、それぞれ、同じ観察物を一定の視点間隔の視点から観察して得られる画像であり、
前記光源部は、
光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を前記部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、前記所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、前記部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、
前記光源部は、
前記組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する前記所定方向に近付く方向に向ける第1の光線方向制御部と、
前記表示部に表示される前記第1の映像から照射される光および前記第2の映像から照射される光の方向を制御し、前記観察物からの光線を再生する第2の光線方向制御部とを含む、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記光源素子は、半導体発光素子である、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
各部を制御する制御部と、
前記制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、
前記制御部によって前記光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の前記画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって映像を表示する表示方法であって、
前記表示部の表示領域は、前記所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する前記所定数の部分領域からなり、
前記光源部は、
前記所定数の前記部分領域ごとに、前記表示領域の面の縦軸に対して平行で前記表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が前記表示領域の面の横軸に略平行である前記映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、前記所定方向は、前記人が特定の位置にいるときに、前記人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と前記人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記制御部が、
第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップとを含む、表示方法。
【請求項9】
各部を制御する制御部と、
前記制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、
前記制御部によって前記光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の前記画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって実行される表示プログラムであって、
前記表示部の表示領域は、前記所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する前記所定数の部分領域からなり、
前記光源部は、
前記所定数の前記部分領域ごとに、前記表示領域の面の縦軸に対して平行で前記表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が前記表示領域の面の横軸に略平行である前記映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、前記所定方向は、前記人が特定の位置にいるときに、前記人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と前記人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記表示プログラムは、
第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップとを前記制御部に実行させる、表示プログラム。
【請求項1】
各部を制御する制御部と、
前記制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、
前記制御部によって前記光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の前記画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備え、
前記表示部の表示領域は、前記所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する前記所定数の部分領域からなり、
前記光源部は、
前記所定数の前記部分領域ごとに、前記表示領域の面の縦軸に対して平行で前記表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が前記表示領域の面の横軸に略平行である前記映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、前記所定方向は、前記人が特定の位置にいるときに、前記人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と前記人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記制御部は、
第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御し、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御し、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御し、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御し、
当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御する、表示装置。
【請求項2】
前記所定方向は、さらに、前記特定の位置を含む前記人の複数の所定の位置ごとの、前記右眼方向と前記左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記制御部は、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記人がいる前記位置に応じた前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御し、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記人がいる前記位置に応じた前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の映像および前記第2の映像は、それぞれ、両眼視差に基づいて立体視を可能とする右眼用および左眼用の映像である、請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光源部は、
光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を前記部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、前記所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、前記部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、
前記光源部は、
前記組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する前記所定方向に向ける第1の光線方向制御部を含む、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記光源素子は、前記導光体の前記部分領域の縦軸方向の一端から光を入射する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の映像および前記第2の映像は、それぞれ、同じ観察物を一定の視点間隔の視点から観察して得られる画像であり、
前記光源部は、
光を発生する光源素子と、該光源素子から入射された光を前記部分領域の縦軸方向の幅で照射する導光体との、前記所定方向のそれぞれに対応する組合せからなる単位光源部を、部分領域の横軸方向の幅に光を照射可能なように、前記部分領域の横軸の方向に複数含むとともに、
前記光源部は、
前記組合せから照射された光の方向を当該組合せに対応する前記所定方向に近付く方向に向ける第1の光線方向制御部と、
前記表示部に表示される前記第1の映像から照射される光および前記第2の映像から照射される光の方向を制御し、前記観察物からの光線を再生する第2の光線方向制御部とを含む、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記光源素子は、半導体発光素子である、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
各部を制御する制御部と、
前記制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、
前記制御部によって前記光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の前記画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって映像を表示する表示方法であって、
前記表示部の表示領域は、前記所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する前記所定数の部分領域からなり、
前記光源部は、
前記所定数の前記部分領域ごとに、前記表示領域の面の縦軸に対して平行で前記表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が前記表示領域の面の横軸に略平行である前記映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、前記所定方向は、前記人が特定の位置にいるときに、前記人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と前記人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記制御部が、
第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップとを含む、表示方法。
【請求項9】
各部を制御する制御部と、
前記制御部によって制御されて、光を照射する光源部と、
前記制御部によって前記光源部からの光の透過度合が画素ごとに所定周期ごとに順次更新されることで複数の前記画素で構成される画像が時間的に連続する映像を表示する表示部とを備える表示装置によって実行される表示プログラムであって、
前記表示部の表示領域は、前記所定周期を所定数に分割した期間のそれぞれに更新される画素で構成される画像をそれぞれ表示する前記所定数の部分領域からなり、
前記光源部は、
前記所定数の前記部分領域ごとに、前記表示領域の面の縦軸に対して平行で前記表示領域の面に対してそれぞれ所定角度をなす複数の面にそれぞれ略平行な複数の所定方向に、両眼を結ぶ線が前記表示領域の面の横軸に略平行である前記映像を見る人の一方の眼には入射し易く他方の目には入射し難い指向性を有する光を選択的に照射可能であり、前記所定方向は、前記人が特定の位置にいるときに、前記人の右眼に入射し易く左眼に入射し難い右眼方向と前記人の右眼に入射し難く左眼に入射し易い左眼方向との組合せを構成する方向を含み、
前記表示プログラムは、
第1の映像の画素への更新と第2の映像の画素への更新とを交互に行なうように表示部を制御するステップと、
ある部分領域の第1の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記右眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第2の映像の画素の更新が終了したときに、当該部分領域に、前記左眼方向に、光を照射するよう前記光源部を制御するステップと、
当該部分領域の第1の映像の画素の更新が開始するときに、当該部分領域への光の照射を止めるように前記光源部を制御するステップとを前記制御部に実行させる、表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−243580(P2010−243580A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89095(P2009−89095)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]