説明

表示装置、表示方法、及び表示プログラム

【課題】所望の時間が経過した時点に関する情報を、直感的且つ容易な操作に基づいてディスプレイに表示させることができる、表示装置、表示方法、及び表示プログラムを提供すること。
【解決手段】表示装置1は、所定時点に関する情報を表示するディスプレイ11と、タッチパネル12と、タッチパネル12に接触した利用者の指の位置を検出する検出部21と、タッチパネル12に利用者の指が接触している間に検出部21により検出された当該利用者の指の位置に基づき、タッチパネル12上での利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、ディスプレイ11に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報をディスプレイ11に表示させる表示制御部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設定した時刻における自車の位置を確認できるようにした地図表示装置が用いられている。例えば、未来の時刻が設定された場合、移動の平均速度から求めた予測走行距離だけ、予め設定された経路上を移動した地点の地図を表示部に表示させる、地図表示装置が提案されている。この地図表示装置では、BackボタンやForeボタンを介した操作に基づき、所定時間単位で設定時刻が変更され、当該設定時刻の変更に対応して、地図がスクロールされる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−196923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の如き従来の装置は、BackボタンやForeボタンを介した操作により、所定時間単位単位で設定時刻を変更するものであったため、現在時刻と設定時刻との差が大きい場合にはボタン操作を繰り返さなければならず、操作が煩雑になる場合があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所望の時間が経過した時点に関する情報を、直感的且つ容易な操作に基づいてディスプレイに表示させることができる、表示装置、表示方法、及び表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の表示装置は、所定時点に関する情報を表示する表示手段と、タッチパネルと、前記タッチパネルに接触した利用者の指の位置を検出する検出手段と、前記タッチパネルに前記利用者の指が接触している間に前記検出手段により検出された当該利用者の指の位置に基づき、当該タッチパネル上での当該利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、前記表示手段に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報を当該表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載の表示装置は、請求項1に記載の表示装置において、前記表示手段は、所定時点での車両位置を示す車両記号を含む地図を表示し、前記表示制御手段は、前記車両記号の表示位置に対応する位置を起点として前記利用者の指が前記タッチパネル上を移動した場合、当該車両記号が示す前記車両位置に対応する時点から前記特定した遷移時間が経過した時点での、当該車両の予測位置を示す車両記号を含む地図を前記表示手段に表示させる。
【0008】
また、請求項3に記載の表示装置は、請求項1又は2に記載の表示装置において、前記表示手段は、施設の位置及び属性を示す施設記号を含む地図を表示し、前記表示制御手段は、前記施設記号の表示位置に対応する位置を起点として前記利用者の指が前記タッチパネル上を移動した場合、当該施設記号が示す前記施設の位置に対応する時点から前記特定した遷移時間が経過した時点に対応する位置の近傍に存在する施設であって、前記起点に表示されていた前記施設記号が示す属性と同一属性の施設に対応する前記施設記号を含む地図を前記表示手段に表示させる。
【0009】
また、請求項4に記載の表示方法は、所定時点に関する情報を表示手段に表示させる表示ステップと、タッチパネルに接触した利用者の指の位置を検出する検出ステップと、前記タッチパネルに前記利用者の指が接触している間に前記検出ステップで検出された当該利用者の指の位置に基づき、当該タッチパネル上での当該利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、前記表示手段に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報を当該表示手段に表示させる表示制御ステップと、を含む。
【0010】
また、請求項5に記載の表示プログラムは、請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の表示装置、請求項4に記載の表示方法、及び請求項5に記載の表示プログラムによれば、表示制御手段は、タッチパネルに利用者の指が接触している間に検出手段により検出された当該利用者の指の位置に基づき、タッチパネル上での利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、表示手段に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報を表示手段に表示させるので、表示手段に表示されている情報に対応する時点から所望の時間が経過した時点に関する情報を、直感的且つ容易な操作に基づいて表示手段に表示させることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の表示装置によれば、表示制御手段は、車両記号の表示位置に対応する位置を起点として利用者の指がタッチパネル上を移動した場合、車両記号が示す車両位置に対応する時点から特定した遷移時間が経過した時点での、車両の予測位置を示す車両記号を含む地図を表示手段に表示させるので、表示手段に表示されている車両記号が示す車両位置に対応する時点から所望の時間が経過した時点での車両の予測位置を示す車両記号を含む地図を、直感的且つ容易な操作に基づいて表示手段に表示させることができる。
【0013】
また、請求項3に記載の表示装置によれば、表示制御手段は、施設記号の表示位置に対応する位置を起点として利用者の指がタッチパネル上を移動した場合、当該施設記号が示す施設の位置に対応する時点から特定した遷移時間が経過した時点に対応する位置の近傍に存在する施設であって、起点に表示されていた施設記号が示す属性と同一属性の施設に対応する施設記号を含む地図を表示手段に表示させるので、表示手段に表示されている施設記号が示す施設の位置に対応する時点から所望の時間が経過した時点に対応する位置の近傍に存在する、所望の施設を示す施設記号を含む地図を、直感的且つ容易な操作に基づいて表示手段に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る表示装置を例示するブロック図である。
【図2】表示対象テーブルに格納されている情報を例示した表である。
【図3】表示制御処理のフローチャートである。
【図4】利用者の指の移動方向と遷移時間との対応関係を例示した図である。
【図5】ディスプレイに表示される情報を例示した図であり、図5(a)はフリック操作が行われる前の状態を示す図、図5(b)はフリック操作に応じてディスプレイに表示されている情報がスクロールされた状態を示す図である。
【図6】ディスプレイに表示される情報を例示した図であり、図6(a)はフリック操作が行われる前の状態を示す図、図6(b)はフリック操作に応じてディスプレイに表示されている情報がスクロールされた状態を示す図である。
【図7】ディスプレイに表示される情報を例示した図であり、図7(a)はフリック操作が行われる前の状態を示す図、図7(b)はフリック操作に応じてディスプレイに表示されている情報がスクロールされた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る表示装置、表示方法、及び表示プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下の説明では、カーナビゲーションシステムの一部として表示装置が車両に搭載されているものとする。
【0016】
(構成)
最初に、実施の形態に係る表示装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置を例示するブロック図である。図1に示すように、表示装置1は、タッチパネルモニタ10、制御部20、及びデータ記録部30を備えている。
【0017】
(構成−タッチパネルモニタ)
タッチパネルモニタ10は、ディスプレイ11、及びタッチパネル12を備えている。ディスプレイ11は、制御部20の制御に基づいて所定時点に関する情報を表示する表示手段である。例えばディスプレイ11は、所定時点での車両位置を示す車両記号(以下、必要に応じて「自車アイコン」)を含む地図や、施設の位置及び属性を示す施設記号(以下、必要に応じて「施設アイコン」)を含む地図、あるいは、施設アイコンと自車アイコンとを含む地図等を表示する。なお、このディスプレイ11の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0018】
タッチパネル12は、利用者の指等で押圧されることにより、ディスプレイ11に表示されている画像を移動させるための操作入力等を含む各種操作を受け付ける入力手段である。このタッチパネル12は、透明又は半透明状に形成され、ディスプレイ11の前面において当該ディスプレイ11の表示面と重畳するように設けられている。このタッチパネル12としては、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパネルを使用することができる。
【0019】
(構成−制御部)
制御部20は、表示装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係る表示プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して表示装置1にインストールされることで、制御部20の各部を実質的に構成する。
【0020】
この制御部20は、機能概念的に、検出部21、及び表示制御部22を備えている。検出部21は、タッチパネル12に接触した利用者の指の位置を検出する検出手段である。表示制御部22は、所定の時点に関する情報をディスプレイ11に表示させる表示制御手段である。これらの制御部20の各部によって実行される処理の詳細については後述する。
【0021】
(構成−データ記録部)
データ記録部30は、表示装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0022】
このデータ記録部30は、地図情報データベース31(以下、データベースをDBと略記する)、及び表示対象テーブル32を備えている。
【0023】
地図情報DB31は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、対象地物データ(交差点、一時停止線、踏切、カーブ、ETC料金所、高速出口等)、施設データ(各施設の位置、各施設の種別等)、地形データ、地図をディスプレイ11に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0024】
表示対象テーブル32は、ディスプレイ11に表示させる対象となる情報を特定する表示対象情報を格納する表示対象情報格納手段である。図2は、表示対象テーブル32に格納されている情報を例示した表である。この図2に示すように、表示対象テーブル32には、項目「起点」及び「表示対象」に対応する情報が、相互に関連付けて格納されている。この内、項目「起点」に対応して格納される情報は、タッチパネル12を介してフリック操作が行われた場合における当該フリック操作の起点の種別を特定する情報である(図2では、例えば「自車アイコン」等)。項目「表示対象」に対応して格納される情報は、ディスプレイ11に表示させる対象となる情報を特定する表示対象情報である(図2では、例えば「遷移時間経過時点での車両の予測位置アイコン」等)。
【0025】
(処理−表示制御処理)
次に、このように構成された表示装置1によって実行される表示制御処理について説明する。図3は表示制御処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この表示制御処理は、例えば、表示装置1に電源が投入され、ディスプレイ11に地図が表示された場合に起動される。
【0026】
図3に示すように、表示制御処理が開始されると、表示制御部22は、タッチパネル12に利用者の指が接触している間に検出部21により検出された利用者の指の位置(以下、必要に応じて「指位置」)に基づき、タッチパネル12上を指ではらう操作(いわゆるフリック操作)が行われたか否かを判定する(SA1)。例えば、タッチパネル12に利用者の指が接触し、その後当該利用者の指がタッチパネル12から離れたことが検出部21により検出された場合であって、当該利用者の指がタッチパネル12から離れる直前の速度が所定値以上の場合(例えば、検出部21により最後に指位置が検出される所定時間前に検出部21により検出された指位置から、検出部21により最後に検出された指位置までの距離を、当該所定時間で除算した値が所定値以上の場合)に、表示制御部22はフリック操作が行われたと判定する。
【0027】
その結果、フリック操作が行われていない場合(SA1、No)、表示制御部22は、フリック操作が行われるまでSA1の処理を繰り返す。一方、フリック操作が行われた場合(SA1、Yes)、表示制御部22は、タッチパネル12に利用者の指が接触している間に検出部21により検出された指位置に基づき、当該フリック操作の起点の位置を特定する(SA2)。具体的には、表示制御部22は、利用者の指がタッチパネル12に接触したことが検出部21によって最初に検出された位置をフリック操作の起点の位置として特定する。
【0028】
続いて表示制御部22は、タッチパネル12に利用者の指が接触している間に検出部21により検出された指位置に基づき、タッチパネル12上での当該利用者の指の移動方向を特定する(SA3)。具体的には、表示制御部22は、利用者の指がタッチパネル12から離れる直前の当該利用者の指の移動方向(例えば、検出部21により最後に指位置が検出される所定時間前に検出部21により検出された指位置から、検出部21により最後に検出された指位置までの方向)を、タッチパネル12上での利用者の指の移動方向として特定する。
【0029】
次に表示制御部22は、SA3で当該表示制御部22が特定したタッチパネル12上での利用者の指の移動方向に対応する遷移時間を特定する(SA4)。ここで「遷移時間」とは、ディスプレイ11に表示されていた情報に対応する時刻と、フリック操作に基づいて表示制御部22がディスプレイ11に表示させるべき情報に対応する時刻との間の時間を意味する。
【0030】
図4は、利用者の指の移動方向と遷移時間との対応関係を例示した図である。この図4に示すように、表示制御部22は、ディスプレイ11に表示されている情報(例えばディスプレイ11に表示されている文字)を基準とした場合における上方向(例えばディスプレイ11に表示されている文字の下から上に向かう方向)を第1方向とした場合において、利用者の指の移動方向が第1方向を中心とする±45°の範囲内である場合、遷移時間が60分であると特定する。また、利用者の指の移動方向が、タッチパネル12面内において第1方向から略90度時計回りに回転させた第2方向を中心とする±45°の範囲内である場合、遷移時間が15分であると特定する。また、利用者の指の移動方向が、タッチパネル12面内において第1方向から略180度時計回りに回転させた第3方向を中心とする±45°の範囲内である場合、遷移時間が30分であると特定する。また、利用者の指の移動方向が、タッチパネル12面内において第1方向から略270度時計回りに回転させた第4方向を中心とする±45°の範囲内である場合、遷移時間が45分であると特定する。
【0031】
次に表示制御部22は、SA2で当該表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置と、SA4で当該表示制御部22が特定した遷移時間とに基づき、ディスプレイ11に表示させる対象となる情報を特定し、当該特定した情報がディスプレイ11に表示されるまで、当該ディスプレイ11に表示されている情報をスクロールさせる(SA5)。
【0032】
具体的には、表示制御部22は、SA2で当該表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置に対応する表示対象情報を表示対象テーブル32から取得し、当該取得した表示対象情報と、SA4で当該表示制御部22が特定した遷移時間とに基づき、ディスプレイ11に表示させる対象となる情報を特定し、当該特定した情報がディスプレイ11に表示されるまで、当該ディスプレイ11に表示されている情報をスクロールさせる。
【0033】
図5はディスプレイ11に表示される情報を例示した図であり、図5(a)はフリック操作が行われる前の状態を示す図、図5(b)はフリック操作に応じてディスプレイ11に表示されている情報がスクロールされた状態を示す図である。例えば図5(a)に示すように、SA2で表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置が通常地図(図5(a)における左側の地図)における自車アイコン11aの表示位置に対応する位置(本実施の形態では自車アイコン11aの表示位置と同じ位置)である場合、図2の表示対象テーブル32によれば、表示制御部22は対応する表示対象情報として「遷移時間経過時点での車両の予測位置アイコン」を取得する。この場合、表示制御部22は、フリック操作の起点となった自車アイコン11aが示す車両位置に対応する時点(すなわち、自車アイコン11aに対応する位置に車両が存在する時点)から、SA4で特定した遷移時間が経過した時点での、当該車両の予測位置を特定する。例えば、経路探索手段(図示省略)により公知の経路探索手法を用いて走行経路が探索されており、当該走行経路上の地点に対応する位置に表示されている自車アイコン11aの表示位置がフリック操作の起点の位置として特定された場合、表示制御部22は、車両の平均走行速度や渋滞情報等に基づき、車両が走行経路を遷移時間走行した場合における予測到達位置を、「車両の予測位置」として特定する。また、走行経路が探索されていない場合であっても、フリック操作の起点の位置となった自車アイコン11aの表示位置が高速道路のように分岐が少ない道路上の地点に対応する位置である場合には、表示制御部22は、車両の平均走行速度や渋滞情報等に基づき、車両が当該道路を道なりに遷移時間走行した場合における予測到達位置を、「車両の予測位置」として特定する。そして、表示制御部22は、特定した車両の予測位置を示す自車アイコン11aを含む地図がディスプレイ11に表示されるまで、当該ディスプレイ11に表示されている情報をスクロールさせる。例えば図5(a)に示すように、利用者の指の移動方向(図5(a)で矢印で示した方向)が第1方向(図5(a)における上方向)を中心とする±45°の範囲内である場合、図3のSA4において表示制御部22は遷移時間が60分であると特定し、図5(b)に示すように、自車アイコン11aが示す車両位置に対応する時点から60分が経過した時点での、当該車両の予測位置を示す自車アイコン11aを含む地図がディスプレイ11に表示されるように、通常地図をスクロールさせる。この場合、表示制御部22は、通常地図のスクロールに合わせて、高速道路地図(図5(a)及び(b)における右側の地図)もスクロールさせる。
【0034】
また、図6はディスプレイ11に表示される情報を例示した図であり、図6(a)はフリック操作が行われる前の状態を示す図、図6(b)はフリック操作に応じてディスプレイ11に表示されている情報がスクロールされた状態を示す図である。例えば図6(a)に示すように、SA2で表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置が通常地図(図6(a)に示した地図)における施設アイコン11bの表示位置に対応する位置(本実施の形態では施設アイコン11bの表示位置と同じ位置)である場合、図2の表示対象テーブル32によれば、表示制御部22は対応する表示対象情報として「平均車速にて遷移時間走行後の位置近傍に存在する同一属性施設」を取得する。この場合、表示制御部22は、フリック操作の起点となった施設アイコン11bが示す施設の位置に対応する時点(すなわち、施設アイコン11bに対応する位置から車両が走行開始すると仮定した場合の走行開始時点)から、SA4で特定した遷移時間が経過した時点に対応する位置(すなわち、施設アイコン11bに対応する位置から任意の道路を所定の平均車速(例えば40km/h等)にて遷移時間走行した場合の予測到達位置)を特定し、当該特定した位置の近傍に存在する施設であって、フリック操作の起点に表示されていた施設アイコン11bが示す属性と同一属性の施設を地図情報DB31を参照して特定する。そして、当該特定した施設に対応する施設アイコン11bを含む地図がディスプレイ11に表示されるまで、当該ディスプレイ11に表示されている情報をスクロールさせる。例えば図6(a)に示すように、SA2で表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置がガソリンスタンドを示す施設アイコン11bの表示位置であり、利用者の指の移動方向(図6(a)で矢印で示した方向)が第2方向(図6(a)における右方向)を中心とする±45°の範囲内である場合、図3のSA4において表示制御部22は遷移時間が15分であると特定し、図6(b)に示すように、フリック操作の起点となった施設アイコン11bに対応するガソリンスタンドから任意の道路を所定の平均車速にて15分走行した場合の予測到達位置の近傍に存在するガソリンスタンドの施設アイコン11bを含む地図がディスプレイ11に表示されるように、通常地図をスクロールさせる。
【0035】
また、図7はディスプレイ11に表示される情報を例示した図であり、図7(a)はフリック操作が行われる前の状態を示す図、図7(b)はフリック操作に応じてディスプレイ11に表示されている情報がスクロールされた状態を示す図である。例えば図7(a)に示すように、ディスプレイ11の表示が2画面表示となっており、高速道路に関する高速情報を表示する高速道路地図(図7(a)における右側の地図)において高速施設(例えばサービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、インターチェンジ、料金所等)を示す施設アイコン11cの表示位置に対応する位置(本実施の形態では施設アイコン11cの表示位置と同じ位置)がフリック操作の起点の位置として特定された場合、図2の表示対象テーブル32によれば、表示制御部22は対応する表示対象情報として「平均車速にて遷移時間走行後の位置近傍に存在する同一属性施設」を取得する。この場合、表示制御部22は、フリック操作の起点となった施設アイコン11cが示す施設の位置に対応する時点(すなわち、施設アイコン11cに対応する位置から車両が走行開始すると仮定した場合の走行開始時点)から、SA4で特定した遷移時間が経過した時点に対応する位置(すなわち、施設アイコン11cに対応する位置から道路を道なりに所定の平均車速(例えば80km/h等)にて遷移時間走行した場合の予測到達位置)の近傍に存在する施設であって、フリック操作の起点に表示されていた施設アイコン11cが示す属性と同一属性の施設を地図情報DB31を参照して特定する。そして、当該特定した施設に対応する施設アイコン11cを含む高速道路地図がディスプレイ11に表示されるまで、当該ディスプレイ11に表示されている情報をスクロールさせる。例えば図7(a)に示すように、SA2で表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置が、高速道路地図においてサービスエリアを示す施設アイコン11cの表示位置であり、利用者の指の移動方向(図7(a)で矢印で示した方向)が第3方向(図7(a)における下方向)を中心とする±45°の範囲内である場合、図3のSA4において表示制御部22は遷移時間が30分であると特定し、図7(b)に示すように、フリック操作の起点となった施設アイコン11cに対応するサービスエリアから道路を道なりに所定の平均車速にて30分走行した場合の予測到達位置の近傍に存在するサービスエリアの施設アイコン11cを含む高速道路地図がディスプレイ11に表示されるように、高速道路地図をスクロールさせる。
【0036】
なお、SA2で表示制御部22が特定したフリック操作の起点の位置が、自車アイコン11a、施設アイコン11b、又は高速情報を表示する画面において高速施設を示す施設アイコン11cの何れにも該当しない場合(例えば、地図上において自車アイコン11aや施設アイコン11b及び11cが存在しない位置がフリック操作の起点となった場合)、図2の表示対象テーブル32によれば、表示制御部22は対応する表示対象情報として「通常のフリックスクロール」を取得する。この場合、表示制御部22は、例えば、検出部21により最後に指位置が検出される所定時間前に検出部21により検出された指位置から、検出部21により最後に検出された指位置までの距離に基づき、利用者の指の速度ベクトルを特定し、当該速度ベクトルに基づいたベクトルで地図をスクロールさせる。
【0037】
図3に戻り、SA5の処理の後、表示制御部22は、表示制御処理を終了させる旨の指示が入力されたか否かを判定する(SA6)。例えば、地図のスクロールを行う前の画面(例えば現在位置表示画面等)に戻る旨の指示入力がタッチパネル12を介して受け付けられた場合や、地図とは異なる画面(例えばメニュー画面等)を表示させる旨の指示入力がタッチパネル12を介して受け付けられた場合、表示制御部22は表示制御処理を終了させる旨の指示が入力されたと判定する。
【0038】
その結果、表示制御処理を終了させる旨の指示が入力されていない場合(SA6、No)、表示制御部22はSA1に戻る。以降、SA6において表示制御処理を終了させる旨の指示が入力されたと判定されるまで、SA1からSA6の処理を繰り返す。一方、表示制御処理を終了させる旨の指示が入力された場合(SA6、Yes)、制御部20は表示制御処理を終了する。
【0039】
(効果)
このように本実施の形態によれば、表示制御部22は、タッチパネル12に利用者の指が接触している間に検出部21により検出された当該利用者の指の位置に基づき、タッチパネル12上での利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、ディスプレイ11に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報をディスプレイ11に表示させるので、ディスプレイ11に表示されている情報に対応する時点から所望の時間が経過した時点に関する情報を、直感的且つ容易な操作に基づいてディスプレイ11に表示させることができる。
【0040】
また、表示制御部22は、自車アイコン11aの表示位置に対応する位置を起点として利用者の指がタッチパネル12上を移動した場合、自車アイコン11aが示す車両位置に対応する時点から特定した遷移時間が経過した時点での、車両の予測位置を示す自車アイコン11aを含む地図をディスプレイ11に表示させるので、ディスプレイ11に表示されている自車アイコン11aが示す車両位置に対応する時点から所望の時間が経過した時点での車両の予測位置を示す自車アイコン11aを含む地図を、直感的且つ容易な操作に基づいてディスプレイ11に表示させることができる。
【0041】
また、表示制御部22は、施設アイコン11b又は11cの表示位置に対応する位置を起点として利用者の指がタッチパネル12上を移動した場合、当該施設アイコン11b又は11cが示す施設の位置に対応する時点から特定した遷移時間が経過した時点に対応する位置の近傍に存在する施設であって、起点に表示されていた施設アイコン11b又は11cが示す属性と同一属性の施設に対応する施設アイコン11b又は11cを含む地図をディスプレイ11に表示させるので、ディスプレイ11に表示されている施設アイコン11b又は11cが示す施設の位置に対応する時点から所望の時間が経過した時点に対応する位置の近傍に存在する、所望の施設を示す施設アイコン11b又は11cを含む地図を、直感的且つ容易な操作に基づいてディスプレイ11に表示させることができる。
【0042】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0043】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0044】
(タッチパネルについて)
上述の実施の形態では、タッチパネル12が、ディスプレイ11の前面において当該ディスプレイ11の表示面と重畳するように設けられていると説明したが、タッチパネル12をディスプレイ11の前面とは異なる場所に設置してもよい。この場合、例えばタッチパネル12における利用者の指の接触位置に対応するカーソルをディスプレイ11に表示させ、ディスプレイ11におけるカーソルの位置に基づき、フリック操作の有無の判定(図3のSA1)、フリック操作の起点の特定(図3のSA2)、タッチパネル12上での利用者の指の移動方向の特定(図3のSA3)を行うようにしてもよい。
【0045】
(表示制御処理について)
上述の実施の形態では、図3の表示制御処理において、利用者の指の移動方向が第1方向を中心とする±45°の範囲内である場合に遷移時間が60分であると特定し、利用者の指の移動方向が第2方向を中心とする±45°の範囲内である場合に遷移時間が15分であると特定し、利用者の指の移動方向が第3方向を中心とする±45°の範囲内である場合に遷移時間が30分であると特定し、利用者の指の移動方向が第4方向を中心とする±45°の範囲内である場合に遷移時間が45分であると特定する場合を例として説明したが、これとは異なる基準に基づき、タッチパネル12上での利用者の指の移動方向に対応する遷移時間を特定するようにしてもよい。例えば、ディスプレイ11に表示されている情報(例えばディスプレイ11に表示されている文字)を基準とした場合における上方向(例えばディスプレイ11に表示されている文字の下から上に向かう方向)を第1方向とした場合において、利用者の指の移動方向が第1方向を中心とする±60°の範囲内である場合、遷移時間が60分であると特定し、利用者の指の移動方向が、タッチパネル12面内において第1方向から略120度時計回りに回転させた第2方向を中心とする±60°の範囲内である場合、遷移時間が20分であると特定し、利用者の指の移動方向が、タッチパネル12面内において第1方向から略240度時計回りに回転させた第3方向を中心とする±60°の範囲内である場合、遷移時間が40分であると特定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 表示装置
10 タッチパネルモニタ
11 ディスプレイ
11a 自車アイコン
11b、11c 施設アイコン
12 タッチパネル
20 制御部
21 検出部
22 表示制御部
30 データ記録部
31 地図情報DB
32 表示対象テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定時点に関する情報を表示する表示手段と、
タッチパネルと、
前記タッチパネルに接触した利用者の指の位置を検出する検出手段と、
前記タッチパネルに前記利用者の指が接触している間に前記検出手段により検出された当該利用者の指の位置に基づき、当該タッチパネル上での当該利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、前記表示手段に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報を当該表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、所定時点での車両位置を示す車両記号を含む地図を表示し、
前記表示制御手段は、前記車両記号の表示位置に対応する位置を起点として前記利用者の指が前記タッチパネル上を移動した場合、当該車両記号が示す前記車両位置に対応する時点から前記特定した遷移時間が経過した時点での、当該車両の予測位置を示す車両記号を含む地図を前記表示手段に表示させる、
を備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、施設の位置及び属性を示す施設記号を含む地図を表示し、
前記表示制御手段は、前記施設記号の表示位置に対応する位置を起点として前記利用者の指が前記タッチパネル上を移動した場合、当該施設記号が示す前記施設の位置に対応する時点から前記特定した遷移時間が経過した時点に対応する位置の近傍に存在する施設であって、前記起点に表示されていた前記施設記号が示す属性と同一属性の施設に対応する前記施設記号を含む地図を前記表示手段に表示させる、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
所定時点に関する情報を表示手段に表示させる表示ステップと、
タッチパネルに接触した利用者の指の位置を検出する検出ステップと、
前記タッチパネルに前記利用者の指が接触している間に前記検出ステップで検出された当該利用者の指の位置に基づき、当該タッチパネル上での当該利用者の指の移動方向を特定し、当該特定した移動方向に対応する遷移時間を特定し、前記表示手段に表示されている情報に対応する時点から当該特定した遷移時間が経過した時点に関する情報を当該表示手段に表示させる表示制御ステップと、
を含む表示方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−207930(P2012−207930A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71571(P2011−71571)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】