説明

表示装置、表示方法および電子機器

【課題】メモリの記憶容量を低く抑えることができる表示装置を得る。
【解決手段】表示部と、1フレーム分未満の映像情報を一時記憶するメモリと、メモリに記憶された映像情報に基づいて表示部を駆動する駆動部と、駆動部と連動して、所定の処理を行う処理部とを備える。この表示装置では、メモリに一時記憶された1フレーム分未満の映像情報に基づいて表示駆動が行われるとともに、その表示駆動と連動して、所定の処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像を表示する表示装置、およびそのような表示装置に用いられる表示方法、ならびにそのような表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置は、様々な電子機器に搭載されている。表示装置は、画質や消費電力などの観点から、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機EL表示装置などの様々な種類のものが開発されており、それらの特性に応じて、据置型のテレビジョン装置の他、携帯電話、携帯型情報端末など、様々な電子機器に適用されている。
【0003】
表示装置には、一般にフレームメモリと呼ばれるメモリが搭載される。このフレームメモリは、表示装置の外部のホストから供給される映像信号を、1フレーム分一時記憶するものである。これにより、表示装置では、表示装置の外部のホストから、そのホストにより定められたタイミングで供給される映像信号に基づいて、表示装置内で生成された、その映像信号と独立したタイミングで表示動作ができるようになっている。
【0004】
ところで、近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を表示パネル上に装着し、あるいはタッチパネルと表示パネルとを一体化し、その表示パネルに各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。このようなタッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0005】
タッチパネルの方式としては、光学式、抵抗式、静電容量式などいくつかの方式が存在する。例えば、特許文献1には、静電容量式のタッチパネルにおいて、表示パネルにもともと備えられている表示用の共通電極を、一対のタッチセンサ用電極のうちの一方として兼用し、他方の電極(タッチ検出電極)をこの共通電極と交差するように配置した、いわゆるインセルタイプのタッチ検出機能付き表示装置が提案されている。このタッチ検出機能付き表示装置では、表示動作の1水平期間ごとに反転する交流駆動信号が共通電極に印加され、共通電極とタッチ検出電極との間の静電容量を介してタッチ検出電極に伝わる。そして、そのタッチ検出電極から出力される検出信号に基づいてタッチが検出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−258182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、表示装置の解像度はより高くなってきている。このことは、タッチ検出機能を有する表示装置でも同様である。これに伴い、フレームメモリは、記憶容量の大きいものが必要となっている。しかしながら、メモリは、一般に、記憶容量が大きくなるほど高価になるため、表示装置のコストが増大してしまうおそれがある。
【0008】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、メモリの記憶容量を低く抑えることができる表示装置、表示方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の表示装置は、表示部と、メモリと、駆動部と、処理部とを備えている。メモリは、1フレーム分未満の映像情報を一時記憶するものである。駆動部は、メモリに記憶された映像情報に基づいて表示部を駆動するものである。処理部は、駆動部と連動して、所定の処理を行うものである。
【0010】
本開示の表示方法は、1フレーム分未満の映像情報をメモリに一時記憶し、メモリに記憶された映像情報に基づいて表示部を駆動し、表示部の駆動と連動して、所定の処理を行うものである。
【0011】
本開示の電子機器は、上記表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0012】
本開示の表示装置、表示方法、および電子機器では、メモリに一時記憶された映像情報に基づいて表示駆動が行われるとともに、その表示駆動と連動して、所定の処理が行われる。その際、メモリには、1フレーム分未満の映像情報が一時記憶され、その映像情報に基づいて表示駆動が行われる。
【発明の効果】
【0013】
本開示の表示装置、表示方法、および電子機器によれば、1フレーム分未満の映像情報をメモリに一時記憶するようにしたので、メモリの記憶容量を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図2】本開示の表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図3】本開示の表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本開示の実施の形態に係る表示パネルの一構成例を表すブロック図である。
【図5】図4に示した選択スイッチ部の一構成例を表すブロック図である。
【図6】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図7】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける画素配列を表す回路図である。
【図8】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスにおける駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図9】図4に示した表示パネルにおけるタッチ検出走査の一例を表す模式図である。
【図10】図4に示した表示パネルの一動作例を表す模式図である。
【図11】図4に示した表示パネルの一動作例を表すタイミング図である。
【図12】図4に示した表示パネルの表示動作の一例を表すタイミング図である。
【図13】図4に示した表示パネルのタッチ検出動作の一例を表すタイミング図である。
【図14】図4に示した表示パネルにおけるメモリ書き込みおよび表示駆動のタイミングを表す模式図である。
【図15】図4に示した表示パネルにおけるメモリ書き込みおよび表示駆動のタイミングを表す模式図である。
【図16】図4に示した表示パネルのタッチ検出動作の他の一例を表すタイミング図である。
【図17】比較例に係る表示パネルのタッチ検出動作の一例を表すタイミング図である。
【図18】実施の形態の変形例に係る表示パネルの一動作例を表す模式図である。
【図19】実施の形態の他の変形例に係る表示パネルの一動作例を表す模式図である。
【図20】実施の形態の他の変形例に係る表示パネルの一動作例を表す模式図である。
【図21】実施の形態の他の変形例に係る表示パネルにおけるタッチ検出走査の一例を表す模式図である。
【図22】実施の形態を適用した表示パネルのうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。
【図23】変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.実施の形態
3.適用例
【0016】
<1.静電容量式タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本開示の表示パネルにおけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量式のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数十kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する交流駆動信号VcomACに相当するものである。
【0017】
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0018】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0019】
<2.実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、実施の形態に係る表示パネルの一構成例を表すものである。この表示パネル1は、液晶表示パネルと静電容量式のタッチパネルとを一体化した、いわゆるインセルタイプの表示装置である。
【0020】
この表示パネル1は、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、選択スイッチ部14と、駆動電極ドライバ16と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出部40とを備えている。
【0021】
制御部11は、ホスト機器により供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ16、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0022】
制御部11は、映像信号Vdispの映像情報を一時記憶するメモリ19を有している。メモリ19の記憶容量は、この例では、1フレーム分の映像情報の1/10のデータ量に対応するものである。すなわち、例えば、垂直方向の表示解像度が1280ピクセルである場合には、メモリ19は、128ライン分の映像情報を記憶するようになっている。
【0023】
メモリ19は、ホスト機器により供給された映像信号Vdispの映像情報を、同様にホスト機器により供給された垂直同期信号Vsyncおよび水平同期信号Hsyncに同期して書き込む。そして、メモリ19は、表示パネル1の内部クロックに同期して、書き込みよりも速い速度により、記憶された映像情報を読み出すようになっている。具体的には、メモリ19は、1フレーム分の映像情報のうちの1/10のデータを1水平ラインずつ順に書き込み、その後に、同様に次の1/10のデータを、1水平ラインずつ順に、前の1/10のデータを上書きしながら書き込む。そして、メモリ19は、書き込まれたデータを、そのデータが上書きされることにより消去される前に、書き込みよりも速い速度で1水平ラインずつ順に読み出す。そして、表示パネル1では、後述するように、表示画面を垂直方向に10等分した部分表示領域RDごとに、この読み出されたデータに基づく表示が行われるようになっている。
【0024】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、後述するように、走査信号線GCLを介して、走査信号Vscanを画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
【0025】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される映像信号および制御信号に基づいて、画素信号Vsigを生成し出力するものである。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、1水平ライン分の映像信号から、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の複数(この例では3つ)のサブ画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重した画素信号Vsigを生成し、選択スイッチ部14に供給するようになっている。また、ソースドライバ13は、画素信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)を生成し、画素信号Vsigとともに選択スイッチ部14に供給する機能も有している。なお、この多重化は、ソースドライバ13と選択スイッチ部14との間の配線数を少なくするために行われるものである。
【0026】
選択スイッチ部14は、ソースドライバ13から供給された画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて、画素信号Vsigに時分割多重された画素信号Vpixを分離し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20に供給するものである。
【0027】
図5は、選択スイッチ部14の一構成例を表すものである。選択スイッチ部14は、複数のスイッチグループ17を有する。各スイッチグループ17は、この例では、3つのスイッチSWR,SWG,SWBを有しており、それぞれの一端は互いに接続されソースドライバ13から画素信号Vsigが供給され、他端はタッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の画素信号線SGLを介して、画素Pixに係る3つのサブ画素SPix(R,G,B)にそれぞれ接続されている。この3つのスイッチSWR,SWG,SWBは、ソースドライバ13から供給されたスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)によってそれぞれオンオフ制御されるようになっている。この構成により、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号Vselに応じてこの3つのスイッチSWR,SWG,SWBを時分割的に順次切り替えてオン状態にすることにより、多重化された画素信号Vsigから画素信号Vpix(VpixR,VpixG,VpixB)を分離するように機能する。そして、選択スイッチ部14は、これらの画素信号Vpixを、3つのサブ画素SPixにそれぞれ供給するようになっている。
【0028】
駆動電極ドライバ16は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ16は、後述するように、表示期間Pdにおいて、駆動電極COMLに対して直流駆動信号VcomDCを印加する。また、駆動電極ドライバ16は、後述するように、タッチ検出期間Ptにおいて、タッチ検出動作の対象となる駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomACを印加し、それ以外の駆動電極COMLに対して直流駆動信号VcomDCを印加する。その際、駆動電極ドライバ16は、所定の数の駆動電極COMLからなるブロック(後述する部分検出領域RT)ごとに駆動電極COMLを駆動する。また、駆動電極ドライバ16は、後述するように、交流駆動信号VcomACの周波数を変化させることができるように構成されている。
【0029】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。その際、液晶表示デバイス20は、表示画面を垂直方向に10等分した部分表示領域RDごとに、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うようになっている。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量式タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ16から供給される交流駆動信号VcomACに従って順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0030】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40はLPF(Low Pass Filter)部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを有している。LPF部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過フィルタである。LPF部42の入力端子のそれぞれと接地との間には、直流電位(例えば0V)を与えるための抵抗Rが接続されている。A/D変換部43は、交流駆動信号VcomACに同期したタイミングで、LPF部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、これらの回路が同期して動作するように制御する機能を有している。
【0031】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0032】
図6は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0033】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、駆動電極COMLと、画素電極22とを有している。TFT基板21は、各種電極や配線、薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などが形成される回路基板として機能するものである。TFT基板21は例えばガラスにより構成されるものである。TFT基板21の上には、駆動電極COMLが形成される。駆動電極COMLは、複数の画素Pix(後述)に共通の電圧を供給するための電極である。この駆動電極COMLは、液晶表示動作のための共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出動作のための駆動電極としても機能するものである。駆動電極COMLの上には絶縁層23が形成され、その上に画素電極22が形成される。画素電極22は、画素信号Vpixを供給するための電極を供給するための電極であり、透光性を有するものである。駆動電極COMLおよび画素電極22は、例えばITO(Indium Tin Oxide)により構成される。
【0034】
対向基板3は、ガラス基板31と、カラーフィルタ32と、タッチ検出電極TDLとを有している。カラーフィルタ32は、ガラス基板31の一方の面に形成されている。このカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。また、ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出電極TDLが形成されている。タッチ検出電極TDLは、例えばITOにより構成され、透光性を有する電極である。このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0035】
液晶層6は、表示機能層として機能するものであり、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。この電界は、駆動電極COMLの電圧と画素電極22の電圧との電位差により形成される。液晶層6には、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶が用いられる。
【0036】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0037】
図7は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。各画素Pixは、3つのサブ画素SPixにより構成される。この3つのサブ画素SPixは、図6に示したカラーフィルタ32の3色(RGB)にそれぞれ対応するように配置されている。サブ画素SPixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0038】
サブ画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、サブ画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、選択スイッチ部14と接続され、選択スイッチ部14より画素信号Vpixが供給される。
【0039】
さらに、サブ画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ16と接続され、駆動電極ドライバ16より駆動信号Vcom(直流駆動信号VcomDC)が供給される。
【0040】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13および選択スイッチ部14が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
【0041】
図8は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、画素基板2に設けられた駆動電極COML、および対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する帯状の電極パターンを有している。タッチ検出動作を行う際は、後述するように、各電極パターンには、所定の数の駆動電極COMLからなるブロック(後述する部分検出領域RT)ごとに交流駆動信号VcomACが順次供給され、時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びる帯状の電極パターンを有している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のLPF部42の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0042】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ16が駆動電極COMLに対して交流駆動信号VcomACを印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。図8に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0043】
図9は、タッチ検出走査を模式的に表すものである。図9では、タッチ検出面が10個の部分検出領域RT1〜RT10により構成される場合の、各部分検出領域RT1〜RT10に対する交流駆動信号VcomACの供給動作を示している。部分検出領域RTは、例えば、操作するユーザの指の大きさに対応する幅(例えば5mm程度)に設定される。駆動電極ドライバ16は、駆動電極COMLに対して、部分検出領域RTごとに交流駆動信号VcomACを印加する。斜線部は、交流駆動信号VcomACが供給された部分検出領域RTを示しており、その他の部分検出領域RTには、直流駆動信号VcomDCが供給されるようになっている。駆動電極ドライバ16は、図9に示したように、タッチ検出動作の対象となる部分検出領域RTを順次選択して、その部分検出領域RTに属する駆動電極COMLに交流駆動信号VcomACを印加することにより、全ての部分検出領域RTにわたって走査する。なお、この例では、説明の便宜上、部分検出領域RTの個数を10個としているが、これに限定されるものではない。
【0044】
ここで、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、本開示における「表示部」の一具体例に対応する。ゲートドライバ12、ソースドライバ13および駆動電極ドライバ16は、本開示における「駆動部」の一具体例に対応する。タッチ検出部40は、本開示における「処理部」の一具体例に対応する。
【0045】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示パネル1の動作および作用について説明する。
【0046】
(全体動作概要)
まず、図4を参照して、表示パネル1の全体動作概要を説明する。制御部11は、ホスト機器より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ16、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。また、制御部11のメモリ19は、ホスト機器により供給された映像信号Vdispを、同様にホスト機器により供給された垂直同期信号Vsyncおよび水平同期信号Hsyncに同期して書き込むとともに、その書き込まれたデータを、表示パネル1の内部クロックに同期して、書き込みよりも速い速度で読み出す。
【0047】
ゲートドライバ12は、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、画素信号Vpixが多重化された画素信号Vsigと、それに対応したスイッチ制御信号Vselを生成し、選択スイッチ部14に供給する。選択スイッチ部14は、画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて画素信号Vpixを分離生成し、その画素信号Vpixを、1水平ラインを構成する各画素Pixに供給する。駆動電極ドライバ16は、表示期間Pdにおいて、全ての駆動電極COMLに対して直流駆動信号VcomDCを印加する。また、駆動電極ドライバ16は、タッチ検出期間Ptにおいて、タッチ検出動作の対象となる部分検出領域RTに属する駆動電極COMLに対して、交流駆動信号VcomACを印加するとともに、その他の駆動電極COMLに対して直流駆動信号VcomDCを印加する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示期間Pdにおいて表示動作を行うとともに、タッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。
【0048】
タッチ検出部40は、タッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出面におけるタッチを検出する。具体的には、LPF部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出して出力する。A/D変換部43は、LPF部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出面におけるタッチの有無を検出する。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める。検出タイミング制御部46は、LPF部42、A/D変換部43、信号処理部44、座標抽出部45が同期して動作するように制御する。
【0049】
(詳細動作)
次に、いくつかの図を参照して、表示パネル1の動作を詳細に説明する。
【0050】
図10は、表示パネル1の1フレーム期間(1F)における動作を模式的に表すものである。この図10において、横軸は時間を示し、縦軸は表示画面の垂直方向における位置を示す。なお、この図10では、垂直ブランキング期間を省略している。
【0051】
図11は、表示パネル1の動作のタイミング図を表すものであり、(A)は垂直同期信号Vsyncの波形を示し、(B)は水平同期信号Hsyncの波形を示し、(C)はメモリ書き込みWMにより書き込まれた映像情報が表示される部分表示領域RDを示し、(D)は表示駆動DDの対象となる部分表示領域RDを示し、(E)はタッチ検出駆動DTの対象となる部分検出領域RTを示す。
【0052】
1フレーム期間(1F)には、この例では、10のタッチ検出期間Ptと、10の表示期間Pdとが、交互に配置される。そして、表示パネル10では、タッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出駆動DTが行われるとともに、表示期間Pdにおいて表示駆動DDが行われる。
【0053】
ここで、表示期間Pdは、本開示における「第1の期間」の一具体例に対応する。タッチ検出期間Ptは、本開示における「第2の期間」の一具体例に対応する。
【0054】
メモリ19は、ホスト機器から供給される映像信号Vdisp、垂直同期信号Vsync、および水平同期信号Hsyncに基づいて、1フレーム分の映像情報のうちの1/10のデータを1水平ラインずつ順に書き込む(メモリ書き込みWM)。そして、メモリ19は、続く1/10のデータを、1水平ラインずつ順に、前の1/10のデータを上書きしながら書き込む。また、メモリ19は、書き込まれたデータを、そのデータが上書きされることにより消去される前に、その書き込みよりも速い速度で1水平ラインずつ順に読み出す。そして、ゲートドライバ12およびソースドライバ13が、その読み出したデータに基づいて、液晶表示デバイス20の部分表示領域RDを線順次走査により駆動する(表示駆動DD)。
【0055】
表示パネル1では、このように、メモリ19が、その書き込みよりも速い速度で、書き込まれたデータを1水平ラインずつ順に読み出し、この読出データに基づいて表示駆動DDが行われる。すなわち、この表示駆動DDが行われる表示期間Pdの時間幅は、メモリ19が1フレーム分の映像情報のうちの1/10のデータを書き込む時間よりも短くなる。表示パネル1では、このように表示期間Pdを短くすることにより確保した時間(タッチ検出期間Pt)を利用して、部分検出領域RTごとに、タッチ検出駆動DTが行われる。
【0056】
タッチ検出駆動DTでは、図10に示したように、この例では、タッチ検出期間Ptごとに、2つの部分検出領域RTが駆動対象として順次選択される。すなわち、この例では、タッチ検出面におけるタッチ検出走査は、表示走査の2倍の走査速度で行われる。すなわち、表示パネル1は、表示走査を1回行う間に、タッチ検出走査を2回行うことができる。このように、表示パネル1では、タッチ検出走査を頻繁に行うことにより、外部近接物体によるタッチにすぐに応答することができ、タッチに対する応答特性を改善することができる。
【0057】
(表示動作およびタッチ検出動作)
次に、表示期間Pdにおける表示動作と、タッチ検出期間Ptにおけるタッチ検出動作を詳細に説明する。
【0058】
図12は、表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)はスイッチ制御信号Vselの波形を示し、(D)は画素信号Vpixの波形を示し、(E)は駆動信号Vcomの波形を示す。
【0059】
表示パネル1では、表示期間Pdにおいて、駆動電極ドライバ16が、全ての駆動電極COMLに対して直流駆動信号VcomDCを印加し(図12(E))、ゲートドライバ12が、走査信号線GCLに対して、1水平期間(1H)ごとに走査信号Vscanを順次印加することにより表示走査を行う。以下に、その詳細を説明する。
【0060】
タイミングt1において1水平期間(1H)が開始した後、ゲートドライバ12は、タイミングt2において、表示動作に係るn行目の走査信号線GCL(n)に対して、走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(図12(A))。これにより、ゲートドライバ12は、表示動作の対象となる1水平ラインを選択する。
【0061】
そして、ソースドライバ13が、画素信号Vsigとして、赤色のサブ画素SPixのための画素電圧VRを選択スイッチ部14に供給するとともに(図12(B))、その画素電圧VRを供給している期間において高レベルとなるスイッチ制御信号VselRを生成する(図12(C))。そして、選択スイッチ部14は、このスイッチ制御信号VselRが高レベルとなる期間においてスイッチSWRをオン状態にすることにより、ソースドライバ13から供給された画素電圧VRを画素信号Vsigから分離し、画素信号VpixRとして、画素信号線SGLを介して、赤色のサブ画素SPixに対して供給する(図12(D))。なお、スイッチSWRがオフ状態になった後には、この画素信号線SGLがフローティング状態になるために、この画素信号線SGLの電圧は保持される(図12(D))。
【0062】
同様に、ソースドライバ13は、緑色のサブ画素Spixのための画素電圧VGを、対応するスイッチ制御信号VselGとともに選択スイッチ部14に供給し(図12(B),(C))、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号VselGに基づいて、この画素電圧VGを画素信号Vsigから分離して、画素信号VpixGとして、画素信号線SGLを介して、緑色のサブ画素SPixに供給する(図12(D))。
【0063】
その後、同様に、ソースドライバ13は、青色のサブ画素Spixのための画素電圧VBを、対応するスイッチ制御信号VselBとともに選択スイッチ部14に供給し(図12(B),(C))、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号VselBに基づいて、この画素電圧VBを画素信号Vsigから分離して、画素信号VpixBとして、画素信号線SGLを介して、青色のサブ画素SPixに供給する(図12(D))。
【0064】
次に、ゲートドライバ12は、タイミングt3において、n行目の走査信号線GCLの走査信号Vscan(n)を高レベルから低レベルに変化させる(図12(A))。これにより、表示動作に係る1水平ラインのサブ画素Spixは、画素信号線SGLから電気的に切り離される。
【0065】
そして、タイミングt4において1水平期間(1H)が終了するとともに、新たな1水平期間(1H)が開始し、次の行(n+1行目)の表示駆動が行われる。
【0066】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、表示パネル1では、各表示期間Pdにおいて、線順次走査により、部分表示領域RDにおける表示動作が行われる。
【0067】
図13は、タッチ検出動作のタイミング図を表すものであり、(A)は駆動信号Vcomの波形を示し、(B)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0068】
駆動電極ドライバ14は、タッチ検出期間Ptにおいて、2つの部分検出領域RTk,RTk+1に対して、交流駆動信号VcomACを順次供給する(図13(A))。この交流駆動信号VcomACは、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図13(B))。A/D変換部43は、交流駆動信号VcomACに同期したサンプリングタイミングtsにおいて、タッチ検出信号Vdetが入力されたアナログLPF部42の出力信号をA/D変換する(図13(B))。
【0069】
これにより、表示パネル1では、各タッチ検出期間Ptにおいて、部分検出領域RTk,RTk+1におけるタッチ検出動作が行われる。
【0070】
(メモリ書き込みWMおよび表示駆動DDのタイミングについて)
次に、メモリ書き込みWMと表示駆動DDとのタイミングについて説明する。
【0071】
図14は、メモリ書き込みWMおよびメモリ読出(表示駆動DD)のタイミング図を表すものである。メモリ19は、1フレーム分の映像情報のうちの1/10のデータを1水平ラインずつ順に書き込む(メモリ書き込みWM)。そして、メモリ19は、書き込まれたデータを、そのデータが上書きされることにより消去される前に、1水平ラインずつ順に読み出す。そして、その読み出したデータに基づいて、表示駆動DDが行われる。すなわち、表示駆動DDは、メモリからのデータの読み出し(メモリ読み出し)に対応するものである。
【0072】
表示パネル1では、メモリ19に書き込まれたデータが上書きされることにより消去される前に、そのデータを安全に読み出すことができるように、メモリ書き込みWMとメモリ読み出し(表示駆動DD)のタイミングが設定されている。具体的には、例えば、部分P1の一番上の行のデータは、タイミングtw1において書き込まれた後、タイミングtw2において次のデータが書き込まれることにより消去されるため、そのデータのメモリ読み出し(表示駆動DD)のタイミングtr1は、タイミングtw1とタイミングtw2との間に設定される必要がある。また、例えば、部分P1の一番下の行のデータは、タイミングtw2において書き込まれた後、タイミングtw3において次のデータが書き込まれることにより消去されるため、そのデータのメモリ読み出し(表示駆動DD)のタイミングtr2は、タイミングtw2とタイミングtw3との間に設定される必要がある。
【0073】
動作のタイミングマージンを考慮すると、例えば、タイミングtr1は、タイミングtw1とタイミングtw2との中間付近に設定することが望ましく、同様に、タイミングtr2は、タイミングtw2とタイミングtw3との中間付近に設定することが望ましい。
【0074】
図15は、メモリ書き込みWMおよびメモリ読出(表示駆動DD)の他のタイミング図を表すものであり、(A)は表示駆動DDのタイミングが早い場合を示し、(B)は表示駆動DDのタイミングが遅い場合を示す。
【0075】
図15(A)に示したように、表示駆動DDのタイミングが早い場合には、例えば、部分P1の一番下の行のデータは、タイミングtw2において書き込まれた直後のタイミングtr2において読み出されるため、タイミングマージンが少なくなってしまう。一方、図15(B)に示したように、表示駆動DDのタイミングが遅い場合には、例えば、部分P2の一番上の行のデータは、タイミングtw2において次のデータが書き込まれる直前のタイミングtr1において読み出されるため、同様にタイミングマージンが少なくなってしまう。
【0076】
よって、メモリ書き込みWMおよび表示駆動DDのタイミングは、図14に示したように、タイミングtr1からタイミングtw2までの時間が、タイミングtw2からタイミングtr2までの時間とほぼ等しくなるように設定されることが望ましい。これにより、タイミングマージンを大きくすることができる。
【0077】
(タッチ検出動作の誤動作の防止について)
静電容量式のタッチパネルでは、インバータ蛍光灯やAM波、AC電源などに起因するノイズ(外乱ノイズ)がタッチパネルに伝播し、誤動作を引き起こす可能性がある。この誤動作は、タッチの有無に関する信号(タッチ信号)と外乱ノイズとを区別できないことに起因する。表示パネル1では、交流駆動信号VcomACの周波数を、表示駆動と独立して変化させることができるため、そのような誤動作を抑えることができる。以下に、詳細に説明する。
【0078】
図16(A),(B)は交流駆動信号VcomACの周波数が高い場合におけるタッチ検出動作のタイミング図を表すものであり、 図16(C),(D)は交流駆動信号VcomACの周波数が低い場合におけるタッチ検出動作のタイミング図を表すものである。図16において、(A),(C)は駆動信号Vcomの波形を示し、(B),(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0079】
表示パネル1では、図16(A),(C)に示したように、交流駆動信号VcomACの周波数を変化させるとともに、A/D変換部43におけるサンプリング周波数をも変化させる。これにより、外乱ノイズに起因するタッチ検出動作の誤動作のおそれを低減することができる。
【0080】
すなわち、外乱ノイズの周波数がサンプリング周波数fsの整数倍付近である場合において、その外乱ノイズがA/D変換部43においてA/D変換されると、その外乱ノイズは、周波数0の近傍にいわゆる折り返しノイズとして現れてしまう。これにより、周波数0の近傍のタッチ信号に、この折り返しノイズが混ざり合うため、タッチ信号とノイズ信号とを区別することができない。表示パネル1では、交流駆動信号VcomACの周波数と、A/D変換部43におけるサンプリング周波数とを変化させることができるため、外乱ノイズの影響を受けない条件を選択して、タッチ検出を行うことができる。
【0081】
表示パネル1では、メモリ19が、書き込まれた1フレーム分の映像情報のうちの1/10のデータを、その書き込みよりも速い速度で読み出することにより、表示期間Pdを短くして、タッチ検出期間Ptを確保している。そして、表示パネル1は、このようにして確保したタッチ検出期間Ptを有効に利用して、交流駆動信号VcomACの周波数を変化させることにより、タッチ検出動作の誤動作の防止を図っている。
【0082】
(比較例)
次に、比較例に係る表示パネル1Rと対比して、本実施の形態の効果を説明する。表示パネル1Rは、1水平期間(1H)において、表示動作およびタッチ検出動作の両方を行うものである。その他の構成は、本実施の形態(図4等)と同様である。
【0083】
図17は、表示パネル1Rにおける表示動作およびタッチ検出動作のタイミング図を表すものであり、(A)〜(D)は、水平期間(1H)の時間を短くした場合を示し、(E)〜(H)は、水平期間(1H)の時間を長くした場合を示す。図17において、(A),(E)は走査信号Vscanの波形を示し、(B),(F)は画素信号Vsigの波形を示し、(C),(G)は駆動信号Vcomの波形を示し、(D),(H)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0084】
本比較例に係る表示パネル1Rでは、1水平期間(1H)に、タッチ検出期間Ptと表示期間Pdとが設けられている。すなわち、この表示パネル1Rでは、1水平期間(1H)において、まずタッチ検出期間Ptにおいてタッチ検出動作を行い、続いて表示期間Pdにおいて表示動作を行う。
【0085】
本比較例に係るタッチ検出動作では、まず、駆動電極ドライバ14は、タッチ検出期間Ptにおいて、部分検出領域RTkに属する駆動電極COMLに対して、パルスPを印加する(図17(C),(G))。このパルスPは、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図17(D),(H))。A/D変換部43は、パルスPに同期したサンプリングタイミングtsにおいて、タッチ検出信号Vdetが入力されたアナログLPF部42の出力信号をA/D変換する(図17(D),(H))。これにより、表示パネル1は、部分検出領域RTkにおけるタッチ検出動作を行う。なお、表示動作は、本実施の形態に係る表示パネル1と同様である。
【0086】
本比較例に係る表示パネル1Rでは、図17に示したように、1水平期間(1H)の時間を変化させるとともに、それに同期して、A/D変換部43におけるサンプリングタイミングを変化させることにより、外乱ノイズに起因するタッチ検出動作の誤動作のおそれを低減することができる。しかしながら、この場合には、表示パネル1Rに対して映像信号が供給されるタイミングと、実際に表示するタイミングとが異なるため、フレームメモリが必要となってしまう。また、1水平期間(1H)の時間が変化するため、表示画質が低下するおそれがある。さらに、1水平期間(1H)の時間は、表示動作からの制約により、それほど大きく変化させることができないため、十分にタッチ検出動作の誤動作を低減できないおそれもある。
【0087】
一方、本実施の形態に係る表示パネル1では、部分表示領域RDごとに表示駆動を行うようにしたので、メモリ19の記憶容量を、その部分表示領域RDにおけるデータ量程度にまで小さくすることができる。
【0088】
また、表示パネル1では、タッチ検出期間Ptの時間、および表示期間Pdの時間を一定に維持したまま、タッチ検出期間Ptにおける交流駆動信号VcomACの周波数を変化させるようにしている。これにより、表示期間Pdにおける1水平期間(1H)の時間を一定に維持することができるため、表示画質が低下するおそれを低減することができる。また、表示パネル1では、表示動作からの制約を受けずに、交流駆動信号VcomACの周波数を容易に大きく変化させることができるため、本比較例に係る表示パネル1Rの場合と比べて、タッチ検出動作の誤動作を低減することができる。
【0089】
言い換えれば、本比較例に係る表示パネル1Rでは、タッチ検出期間Ptは、1水平期間(1H)内に設けられているため、この限られた短い時間の中で行うことができる動作は限られてしまう。言い換えれば、この表示パネル1Rでは、タッチ検出動作のための自由度が低くなってしまう。
【0090】
一方、本実施の形態に係る表示パネル1では、メモリ19が、書き込まれた1フレーム分の映像情報のうちの1/10のデータを、その書き込みよりも速い速度で読み出することにより、表示期間Pdを短くして、タッチ検出期間Ptを確保している。すなわち、表示パネル1では、タッチ検出動作のためのまとまった長い時間を確保できるため、タッチ検出動作の自由度を高めることができる。
【0091】
[効果]
以上のように本実施の形態では、部分表示領域ごとに表示駆動を行うようしたので、メモリの記憶容量を低く抑えることができる。
【0092】
また、本実施の形態では、メモリから、その書き込み速度よりも速い速度でデータを読み出すようにしたので、まとまった長い時間のタッチ検出期間を確保することができ、タッチ検出動作の自由度を高めることができる。
【0093】
また、本実施の形態では、このまとまった長い時間のタッチ検出期間において、交流駆動信号の周波数を変化させるようにしたので、表示動作への影響を与えることなく、タッチ検出動作の誤動作のおそれを低減することができる。
【0094】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、表示走査の2倍の速度でタッチ検出走査を行ったが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、2倍より遅い速度で行ってもよいし、2倍より早い速度で行ってもよい。図18に、表示走査の4倍の速度でタッチ検出走査を行う場合の例を表すものである。この例では、駆動電極ドライバ14は、タッチ検出期間Ptにおいて、4つの部分検出領域RTに対して、交流駆動信号VcomACを順次供給する。これにより、表示走査を1回行う間に、タッチ検出走査を4回行うことができる。
【0095】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、部分表示領域RTと部分検出領域RDは、ともに表示面・タッチ検出面を10分割したものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、部分表示領域RTの大きさと部分検出領域RDの大きさとは、互いに異なっていてもよい。図19に、部分検出領域RTの大きさを、部分表示領域RDの大きさの半分にした場合の例を表すものである。この例では、部分表示領域RTは、表示面を10分割したものであり、部分検出領域RDは、タッチ検出面を20分割したものである。
【0096】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、メモリ19は、1つの部分表示領域RDのデータを一時記憶したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数の部分表示領域RDのデータ量を一時記憶してもよい。図20は、2つの部分表示領域RDのデータを一時記憶する場合の例を表すものである。この場合でも、フレームメモリに比べて、メモリの記憶容量を低く抑えることができる。
【0097】
[変形例1−4]
上記実施の形態では、タッチ検出動作の際、所定の本数の駆動電極COMLからなる部分検出領域RTごとに駆動電極COMLを駆動し走査したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、所定の本数の駆動電極COMLを同時に駆動するとともに、その駆動する駆動電極COMLを1本ずつシフトすることにより走査してもよい。以下に、その詳細を説明する。
【0098】
図21は、本変形例に係るタッチ検出動作の一例を模式的に表すものである。本変形例に係る駆動電極ドライバ16Dは、所定の本数の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加する。具体的には、駆動電極ドライバ16Dは、所定の本数(この例では5本)の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加する(斜線部)。そして、駆動電極ドライバ16Dは、交流駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを1本ずつシフトすることによりタッチ検出走査を行う。なお、この例では、5本の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加したが、これに限定されるものではなく、これに代えて4本以下もしくは6本以上の駆動電極COMLに対して同時に交流駆動信号VcomACを印加してもよい。また、この例では交流駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを1本ずつシフトするようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、2以上の本数ずつシフトしてもよい。
【0099】
[変形例1−5]
上記実施の形態では、メモリ19の記憶容量は、1フレーム分の映像情報の1/10に対応するものとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、1フレーム分の映像情報の1/20に対応するものとしてもよいし、1フレーム分の映像情報の1/5に対応するものとしてもよい。
【0100】
[変形例1−6]
上記実施の形態では、表示動作の際、駆動電極ドライバ16は、駆動電極COMLに対して直流駆動信号VcomDCを印加したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、駆動電極COMLに交流駆動信号を印加する、いわゆるCOM反転駆動を行ってもよい。
【0101】
[変形例1−7]
上記実施の形態では、選択スイッチ部14を設け、ソースドライバ13から供給された画素信号Vsigから画素信号Vpixを分離して液晶表示デバイス20に供給したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、選択スイッチ部14を設けずに、ソースドライバ13が画素信号Vpixを直接液晶表示デバイス20に供給してもよい。
【0102】
<3.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した表示パネルの適用例について説明する。
【0103】
図22は、上記実施の形態等の表示パネルが適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係る表示パネルにより構成されている。
【0104】
上記実施の形態等の表示パネルは、このようなテレビジョン装置の他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、携帯型ゲーム機、あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の表示パネルは、映像を表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0105】
以上、実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0106】
例えば、上記実施の形態等では、FFSやIPS等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化したが、これに代えて、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化してもよい。このような液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイスを、図23に示したように構成可能である。図23は、本変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10Eの要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図6の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図6の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、対向基板3Bに形成されている。
【0107】
また、例えば、上記実施の形態等では、液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化したいわゆるインセルタイプとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば液晶表示デバイスの表面に静電容量式のタッチ検出デバイスを形成した、いわゆるオンセルタイプであってもよいし、タッチ検出デバイスを別体として設け、液晶表示デバイスの表面に搭載してもよい。これらのタッチ検出デバイスは、例えば、上記実施の形態の場合と同様に、タッチ検出用の駆動信号(交流駆動信号VcomAC)を印加する駆動電極と、その駆動電極との間に静電容量を形成するタッチ検出電極を備えるように構成することができる。このような表示パネルでも、例えば、液晶表示デバイスから、タッチ検出デバイスに表示駆動のノイズが伝搬する場合には、液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスを同期して動作させることが考えられる。この場合でも、上記実施の形態のように、交流駆動信号VcomACの周波数を変更することにより、外乱ノイズの影響を抑えることができる。
【0108】
また、例えば、上記実施の形態等では、タッチ検出デバイスは静電容量式としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば光学式であってもよいし、抵抗膜式であってもよい。
【0109】
また、例えば、上記実施の形態等では、表示素子は液晶素子としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばEL(Electro Luminescence)素子であってもよい。
【0110】
また、例えば、上記実施の形態等では、液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを組み合わせ、液晶表示デバイス20における表示動作と、タッチ検出デバイス30におけるタッチ検出動作とが互いに影響しないように、それぞれ別々の期間(表示期間Pdおよびタッチ検出期間Pt)に動作するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、液晶表示デバイス20と無線通信部とを組み合わせ、液晶表示デバイス20における表示動作と、無線通信部における無線通信動作とが互いに影響しないように、それぞれ別々の期間(表示期間Pdおよび無線通信期間)に動作するようにしてもよい。この場合でも、メモリ19から、その書き込み速度よりも速い速度でデータを読み出すことにより、まとまった長い時間の無線通信期間を確保することができ、無線通信の自由度を高めることができる。
【0111】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0112】
(1)表示部と、
1フレーム分未満の映像情報を一時記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された映像情報に基づいて前記表示部を駆動する駆動部と、
前記駆動部と連動して、所定の処理を行う処理部と
を備えた
表示装置。
【0113】
(2)前記駆動部は、前記表示部を、それぞれが2以上の表示ラインからなる複数の部分表示領域に区分して、その部分表示領域ごとに表示駆動を行い、
前記メモリは、所定数の前記部分表示領域に表示すべき映像情報を一時記憶する
前記(1)に記載の表示装置。
【0114】
(3)前記駆動部は、前記メモリへの書込速度よりも早い速度で前記メモリから映像情報を読み出して、第1の期間において前記部分表示領域に対する表示駆動を行い、
前記処理部は、前記第1の期間とは異なる第2の期間において、前記所定の処理を行う
前記(2)に記載の表示装置。
【0115】
(4)前記所定の処理は、外部近接物体を検出する処理である。
前記(3)に記載の表示装置。
【0116】
(5)前記表示部の表示面に沿ってタッチ検出領域が設定され、
前記処理部は、前記タッチ検出領域を複数の部分検出領域に区分して、その部分検出領域ごとにタッチ検出を行う
前記(4)に記載の表示装置。
【0117】
(6)前記表示部は、
複数の表示素子と
一方向に延在する複数のタッチ検出電極と
前記タッチ検出電極の延在方向と交差する方向に延在する複数の駆動電極と
を有し、
前記駆動部は、前記駆動電極に対して、表示駆動信号およびタッチ検出駆動信号を選択的に印加する
前記(5)に記載の表示装置。
【0118】
(7)前記部分検出領域は、所定本数の前記駆動電極に対応する領域であり、
前記駆動部は、前記第2の期間において、前記部分検出領域ごとに、前記駆動電極に対してタッチ検出駆動信号を印加し、
前記タッチ検出部は、前記タッチ検出駆動信号に同期したタイミングで、前記タッチ検出電極から出力される検出信号をサンプリングする
前記(6)に記載の表示装置。
【0119】
(8)前記駆動部は、前記タッチ検出駆動信号の周波数を選択的に切り換える
前記(6)または(7)に記載の表示装置。
【0120】
(9)各部分検出領域の大きさは、各部分表示領域の大きさと対応している
前記(6)から(8)のいずれかに記載の表示装置。
【0121】
(10)前記処理部は、外部近接物体の近接もしくは接触に基づく、駆動電極とタッチ検出電極との間の静電容量の変化を利用して、前記外部近接物体を検出する
前記(6)から(9)のいずれかに記載の表示装置。
【0122】
(11)複数の駆動電極と、
前記駆動電極との間に静電容量が形成される複数のタッチ検出電極と
を備えた
前記(4)または(5)に記載の表示装置。
【0123】
(12)1フレーム分未満の映像情報をメモリに一時記憶し、前記メモリに記憶された映像情報に基づいて表示部を駆動し、前記表示部の駆動と連動して、所定の処理を行う
表示方法。
【0124】
(13)表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
表示部と、
1フレーム分未満の映像情報を一時記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された映像情報に基づいて前記表示部を駆動する駆動部と、
前記駆動部と連動して、所定の処理を行う処理部と
を有する
電子機器。
【符号の説明】
【0125】
1…表示パネル、2,2B…画素基板、3,3B…対向基板、6,6B…液晶層、10…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…制御部、12…ゲートドライバ、13…ソースドライバ、14…選択スイッチ部、16…駆動電極ドライバ、17…スイッチグループ、19…メモリ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、23…絶縁層、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、35…偏光板、40…タッチ検出部、42…LPF部、43…A/D変換部、44…信号処理部、45…座標抽出部、46…検出タイミング制御部、DD…表示駆動、DT…タッチ検出駆動、GCL…走査信号線、Hsync…水平同期信号、LC…液晶素子、Out…出力信号、Pd…表示期間、Pt…タッチ検出期間、SGL…画素信号線、SWR,SWG,SWB…スイッチ、Tr…TFT素子、ts…サンプリングタイミング、Pix…画素、RD…部分表示領域、RT…部分検出領域、SPix…サブ画素、TDL…タッチ検出電極、Vcom…駆動信号、VcomAC…交流駆動信号、VcomDC…直流駆動信号、Vdet…タッチ検出信号、Vdisp…映像信号、Vpix,VpixR,VpixG,VpixB,Vsig…画素信号、Vscan…走査信号、Vsel, VselR,VselG,VselB…スイッチ制御信号、Vsync…垂直同期信号、WM…メモリ書き込み。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
1フレーム分未満の映像情報を一時記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された映像情報に基づいて前記表示部を駆動する駆動部と、
前記駆動部と連動して、所定の処理を行う処理部と
を備えた
表示装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記表示部を、それぞれが2以上の表示ラインからなる複数の部分表示領域に区分して、その部分表示領域ごとに表示駆動を行い、
前記メモリは、所定数の前記部分表示領域に表示すべき映像情報を一時記憶する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記メモリへの書込速度よりも早い速度で前記メモリから映像情報を読み出して、第1の期間において前記部分表示領域に対する表示駆動を行い、
前記処理部は、前記第1の期間とは異なる第2の期間において、前記所定の処理を行う
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記所定の処理は、外部近接物体を検出する処理である。
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示部の表示面に沿ってタッチ検出領域が設定され、
前記処理部は、前記タッチ検出領域を複数の部分検出領域に区分して、その部分検出領域ごとにタッチ検出を行う
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、
複数の表示素子と
一方向に延在する複数のタッチ検出電極と
前記タッチ検出電極の延在方向と交差する方向に延在する複数の駆動電極と
を有し、
前記駆動部は、前記駆動電極に対して、表示駆動信号およびタッチ検出駆動信号を選択的に印加する
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記部分検出領域は、所定本数の前記駆動電極に対応する領域であり、
前記駆動部は、前記第2の期間において、前記部分検出領域ごとに、前記駆動電極に対してタッチ検出駆動信号を印加し、
前記タッチ検出部は、前記タッチ検出駆動信号に同期したタイミングで、前記タッチ検出電極から出力される検出信号をサンプリングする
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動部は、前記タッチ検出駆動信号の周波数を選択的に切り換える
請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
各部分検出領域の大きさは、各部分表示領域の大きさと対応している
請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
前記処理部は、外部近接物体の近接もしくは接触に基づく、前記駆動電極と前記タッチ検出電極との間の静電容量の変化を利用して、前記外部近接物体を検出する
請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
複数の駆動電極と、
前記駆動電極との間に静電容量が形成される複数のタッチ検出電極と
を備えた
請求項4に記載の表示装置。
【請求項12】
1フレーム分未満の映像情報をメモリに一時記憶し、前記メモリに記憶された映像情報に基づいて表示部を駆動し、前記表示部の駆動と連動して、所定の処理を行う
表示方法。
【請求項13】
表示装置と、
前記表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示装置は、
表示部と、
1フレーム分未満の映像情報を一時記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された映像情報に基づいて前記表示部を駆動する駆動部と、
前記駆動部と連動して、所定の処理を行う処理部と
を有する
電子機器。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−76795(P2013−76795A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215862(P2011−215862)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】