説明

表示装置およびその製造方法

【課題】タッチセンサを一体化した表示装置で透明電極の不可視化を達成する。
【解決手段】複数の画素電極22は、駆動電極と対向して行列配置され、複数の検出電極44も駆動電極と対向して配置されている。複数の検出電極44は、画素電極22の自然数倍のピッチで分離配置されている。複数の検出電極44は、それぞれが駆動電極と容量結合している。この配置では検出電極の配置ピッチが画素電極ピッチと適合するため、表示装置全体で透明電極パターンの不可視化が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが指等で触れることにより情報入力が可能な静電容量式のタッチセンサ(接触検出装置)の機能をもつ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、接触検出装置は、検出面に対しユーザの指やペン等が接触し、あるいは、近接したことを検出する装置である。
【0003】
いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置が知られている。タッチパネルは、表示パネルに重ねて形成し、表示面に画像として各種のボタンを表示させることにより、通常のボタンの代わりとして情報入力を可能とする。この技術を小型のモバイル機器に適用すると、ディスプレイとボタンの配置の共用化が可能で画面の大型化、あるいは、操作部の省スペース化や部品点数の削減という大きなメリットをもたらす。
【0004】
このように“タッチパネル”というとき、一般には、表示装置と組み合わされるパネル状の接触検出装置を指す。
しかしながら、タッチパネルを液晶パネルに設けると、液晶モジュールの全体の厚さが厚くなる。そこで、例えば特許文献1には、薄型化に適した構造の、静電容量型タッチパネル付き液晶表示素子が提案されている。
【0005】
静電容量式のタッチセンサは、駆動電極と、当該複数の駆動電極の各々と静電容量を形成する複数の検出電極と、を有する。駆動電極は分割される場合とされない場合がある。また、駆動電極が分割される場合、分割方向が検出電極と直交して設けられる場合がある。その場合、駆動電極と検出電極の一方を“X(方向)電極”、他方を“Y(方向)電極”と呼ぶことがある。
【0006】
ところで、例えば特許文献2には、検出電極をパターニングした際に透明電極を人の目に視認されないようにパターン間に非導通の透明電極を配置したタッチパネル構造が提案されている。
【0007】
タッチパネル単体で特許文献2に記載のように不可視化のための工夫を行うと、ある程度、透明電極のパターンが視認できなくできる。その一方、液晶側でも画素ごとに若干の透過率の差がある場合でも、その差は問題がないレベルであり、不可視化対策が十分になされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−9750号公報
【特許文献2】特開2008−129708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、透明電極パターンの不可視化対策がされたタッチパネルを、同じく不可視化対策がされた液晶表示パネルに対し外付けで貼り合わせると、透明電極パターンが、貼り合わせ前より目立つことがある。
この現象は、タッチパネル(接触検出装置)を液晶表示パネルなどの表示装置に重ねると、画素間の微妙な透過率の違いが、接触検出装置における透明電極の繰り返しパターンと干渉して、干渉縞のような人の目に視認できる周期になることが原因と考えられる。
この大きな周期の透明電極のパターンを打ち消すには、そのために透明電極を配置した基板が必要となるため、表示装置の厚みが増え、工程増につながる。
【0010】
本発明は、表示パネル内に、タッチセンサの機能を持たせるための検出電極等を一体に形成した構成においても、透明電極パターンの不可視化を達成可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に関わる表示装置は、基板、複数の画素電極、表示機能層、駆動電極、複数の検出電極を有する。
前記複数の画素電極は、前記基板と平行な面状に行列配置されている。
前記表示機能層は、前記画素電極に供給される画像信号に基づいて画像表示機能を発揮する。
前記駆動電極は、前記複数の画素電極と対向する。
前記複数の検出電極は、前記駆動電極と対向する面状に配置され、配置面内の一方向において前記画素電極の配置ピッチの自然数倍のピッチで分離配置され、それぞれが前記駆動電極と容量結合する。
【0012】
当該表示装置では、望ましくは、検出電極配列内の検出電極間に浮遊電極が配置され、検出電極の配置ピッチ、浮遊電極の配置ピッチ、および、検出電極と浮遊電極との配置ピッチが、前記画素電極の配置ピッチの自然数倍となっている。
【0013】
ところで、画素電極の配置ピッチが画素ピッチであり、その大きさは、表示装置の寸法、画像表示の解像度、微細加工技術による限界等で予め決められている。一方、複数の検出電極のピッチは、表示側とは余り関係がない物体検出の観点から決められる。つまり、被検出物の大きさの検出解像度、必要な検出信号レベル等から決められる。一般に、検出電極の配置ピッチは、画素ピッチのように余り小さいと検出線間の寄生容量が大きくなり、指や導電性の物体などが近づいても静電容量の変化が小さくなる。また、検出電極の配線ピッチが余りに大きい場合には、物体検出の解像度が落ちる。
【0014】
上記構成では、複数の検出電極に人の指や導電性のペンなどの物体が近接すると、その箇所の検出電極の静電容量が、外部容量の結合に起因して変化する。外部容量の結合は、静電容量を形成する検出電極の誘起電圧を変化させ、その変化により、検出電極の先に接続されている検出回路にて物体の存在判定を行なう。
【0015】
本発明では、第1に、検出電極の配置階層全体で、電極ピッチを画素ピッチに適合させるため、望ましくは、画素電極間に浮遊電極が形成されている。このとき画素電極間、浮遊電極間、画素電極と浮遊電極間のすべてで画素ピッチとの適合がされている。具体的に画素ピッチとの適合は、適合対象の電極ピッチを画素ピッチの自然数倍とすることで達成している。
このため表示装置全体として、画素間の微妙な透過率の違いが干渉縞のように大きな周期の透過率の違いに変換されることがない。
【0016】
ここで、画素電極間、浮遊電極間、画素電極と浮遊電極間のすべてで画素ピッチとの適合がされているため、表示装置全体で透過率が均一化されている。このような透過率の均一化を図ると、画素ピッチが多少ばらついても電極の不可視化への影響はない。例えば、このようなばらつきは、それが画素ピッチ以下のゆらぎなら、不可視化への影響はない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示装置全体で透明電極パターンの不可視化を達成した表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1〜第4の実施の形態に関わるタッチセンサ部の動作を説明するための等価回路図と概略断面図である。
【図2】図1に示すタッチセンサ部に指が接触または接近した場合の、同等価回路図と同概略断面図である。
【図3】実施形態に関わるタッチセンサ部の入出力波形を示す図である。
【図4】第1〜第4の実施の形態に関わる表示装置のタッチ検出のための電極パターンと、その駆動回路との接続を示す平面図と概略断面図である。
【図5】第1〜第4の実施の形態に関わる表示装置の画素回路の等価回路図である。
【図6】第1の実施の形態に関わる、画素電極形成後の液晶表示部の拡大平面図である。
【図7】第1の実施の形態に関わる、対向電極形成後の液晶表示部の拡大平面図である。
【図8】第1の実施の形態に関わる、検出(駆動)電極形成後の液晶表示部の拡大平面図である。
【図9】第2の実施の形態に関わる液晶表示部が浮遊電極を有する場合の拡大平面図である。
【図10】図9と異なる配置の浮遊電極と検出電極を示す拡大平面図である。
【図11】色配置との関係を付加した、図9に対応する平面図である。
【図12】色配置との関係を付加した、図10に対応する平面図である。
【図13】第3の実施の形態に関わる縦スリット付きの検出電極を示す平面図である。
【図14】第3の実施の形態に関わる横(またはドット状)スリット付きの検出電極を示す平面図である。
【図15】変形例の構成例を示す概略断面構造図である。
【図16】変形例の他の構成例を示す概略断面構造図である。
【図17】変形例の他の構成例を示す概略断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を、表示装置が液晶表示装置である場合を例として図面を参照して説明する。
以下、次の順で説明を行う。
1.第1の実施の形態:駆動電極と検出電極の双方が画素ピッチに適合
2.第2の実施の形態:浮遊電極の配置と形状による検出電極との類似性向上
3.第3の実施の形態:検出電極のスリットによる浮遊電極との類似性向上
4.変形例:特に断面構造に関する変形
【0020】
以下の実施の形態では、いわゆるタッチセンサの機能を表示パネルに一体化して形成した、タッチセンサ付き液晶表示装置を例とする。
【0021】
<1.第1の実施の形態>
タッチセンサの検出電極(表示面側で指等が近接する電極)よりパネル内部に設けられ、検出のための静電容量を検出電極との間に形成するもう片方の電極を、駆動電極という。駆動電極は、タッチセンサ専用の駆動電極であってもよいが、より薄型化のために望ましい構成として、ここでは駆動電極は、タッチセンサの走査駆動と、画像表示装置の、いわゆるVCOM駆動とを同時に行う兼用電極である。
この場合を例として、以下、図面を用いて本実施の形態を説明する。なお、単に駆動電極というと、どちらの駆動かが紛らわしいため、ここでは対向電極と呼ぶ。
【0022】
センサ検出精度は駆動電極と検出電極の数に比例するが、検出電極とは別にセンサ出力線を設けると配線の数が膨大になる。したがって、検出電極をセンサ出力線としても機能させるために、複数の駆動電極の1つを交流駆動し、その交流駆動の動作対象を、所定間隔をおいて一定ピッチで並ぶ複数の駆動電極の配列内でシフトする駆動法が望ましい。この駆動電極の動作対象をシフトする方向を、以下、走査方向と呼ぶ。走査方向が本発明の“他方向”に対応し、複数の検出電極の分離配置方向が“一方向”に該当する。
【0023】
この交流駆動の対象を走査方向(他方向)に走査する手法では、走査に追従して検出電極の電位変化を観察すると、電位変化があった走査時の位置から被検出物のタッチパネル面への接触または近接が検出できる。
本発明の適用は、駆動電極を他方向に分割して所定数ずつ駆動し、駆動対象をシフトする駆動方法に限定されるものでなない。しかし、薄型化のため望ましいため、以下の実施の形態では、主に当該駆動方法を前提とした説明を行う。
【0024】
[タッチ検出の基本構成と動作]
最初に、4つの実施形態に共通な事項として、図1〜図3を参照して、本実施形態の表示装置におけるタッチ検出の基本を説明する。
図1(A)と図2(A)は、タッチセンサ部の等価回路図、図1(B)と図2(B)は、タッチセンサ部の構造図(概略断面図)である。ここで図1は、被検出物としての指がセンサに近接していない場合、図2がセンサに近接または接触している場合をそれぞれ示す。
【0025】
図解するタッチセンサ部は、静電容量型タッチセンサであり、図1(B)および図2(B)に示すように容量素子からなる。具体的に、誘電体Dと、誘電体Dを挟んで対向配置する1対の電極、すなわち駆動電極E1および検出電極E2とから容量素子(静電容量)C1が形成されている。
図1(A)および図2(A)に示すように、容量素子C1は、駆動電極E1がACパルス信号Sgを発生する交流信号源Sに接続され、検出電極E2が電圧検出器DETに接続される。このとき検出電極E2は抵抗Rを介して接地されることで、DCレベルが電気的に固定される。
【0026】
交流信号源Sから駆動電極E1に所定の周波数、例えば数[kHz]〜数十[kHz]程度のACパルス信号Sgを印加する。このACパルス信号Sgの波形図を図3(B)に例示する。
すると検出電極E2に、図3(A)に示すような出力波形(検出信号Vdet)が現れる。
なお、詳細は後述するが、本発明の実施形態では、駆動電極E1が液晶駆動のための対向電極(画素電極に対向する、複数画素で共通の電極)に相当する。ここで対向電極は液晶駆動のため、いわゆるVcom反転駆動と称される交流駆動がなされる。よって、本発明の実施形態では、Vcom反転駆動のためのコモン駆動信号Vcomを、駆動電極E1をタッチセンサのために駆動するACパルス信号Sgとしても用いる。
【0027】
指を接触していない図1に示す状態では、容量素子C1の駆動電極E1が交流駆動され、その充放電にともなって検出電極E2に交流の検出信号Vdetが出現する。以下、このときの検出信号を「初期検出信号Vdet0」と表記する。検出電極E2側はDC接地されているが高周波的には接地されていないため交流の放電経路がなく、初期検出信号Vdet0のパルス波高値は比較的大きい。ただし、ACパルス信号Sgが立ち上がってから時間が経過すると、初期検出信号Vdet0のパルス波高値が損失のため徐々に低下している。図3(C)に、スケールとともに波形を拡大して示す。初期検出信号Vdet0のパルス波高値は、初期値の2.8[V]から高周波ロスによって僅かな時間の経過で0.5[V]ほど、低下している。
【0028】
この初期状態から、指が検出電極E2に接触、または、影響を及ぼす至近距離まで接近すると、図2(A)に示すように、検出電極E2に容量素子C2が接続された場合と等価な状態に回路状態が変化する。これは、高周波的に人体が、片側が接地された容量と等価になるからである。
この接触状態では、容量素子C1とC2を介した交流信号の放電経路が形成される。よって、容量素子C1とC2の充放電に伴って、容量素子C1,C2に、それぞれ交流電流I1,I2が流れる。そのため、初期検出信号Vdet0は、容量素子C1とC2の比等で決まる値に分圧され、パルス波高値が低下する。
【0029】
図3(A)および図3(C)に示す検出信号Vdet1は、この指が接触したときに検出電極E2に出現する検出信号である。図3(C)から、検出信号の低下量は0.5[V]〜0.8[V]程度であることが分かる。
図1および図2に示す電圧検出器DETは、この検出信号の低下を、例えば閾値Vthを用いて検出することにより、指の接触を検出する。
【0030】
[表示装置の構成]
図4(A)〜図4(C)に、本実施形態に関わる表示装置の電極と、その駆動や検出のための回路の配置に特化した平面図を示す。また、図4(D)に、本実施形態に関わる表示装置の概略的な断面構造を示す。図4(D)は、例えば行方向(画素表示ライン方向)の6画素分の断面を表している。図5は、画素の等価回路図である。
図4に図解する表示装置は、「表示機能層」としての液晶層を備える液晶表示装置である。
【0031】
液晶表示装置は、前述したように、液晶層を挟んで対向する2つの電極のうち、複数の画素で共通な電極であり、画素ごとに階調表示のための信号電圧に対し基準電圧を付与するコモン駆動信号Vcomが印加される電極(対向電極)を有する。本発明の実施形態では、この対向電極をセンサ駆動のための電極としても用いる。
図4(D)では断面構造を見易くするために、この本発明の主要な構成である、対向電極、画素電極および検出電極についてはハッチングを付すが、それ以外の部分(基板、絶縁膜および機能膜等)についてはハッチングを省略している。このハッチングの省略は、これ以降の他の断面構造図においても同様である。
【0032】
液晶表示装置1は、図5に示す画素PIXがマトリクス配置されている。
各画素PIXは、図5に示すように、画素のセレクト素子としての薄膜トランジスタ(TFT;thin film transistor、以下、TFT23と表記)と、液晶層6の等価容量C6と、保持容量(付加容量ともいう)Cxとを有する。液晶層6を表す等価容量C6の一方側の電極は、画素ごとに分離されてマトリクス配置された画素電極22であり、他方側の電極は複数の画素で共通な対向電極43である。
【0033】
TFT23のソースとドレインの一方に画素電極22が接続され、TFT23のソースとドレインの他方に信号線SIGが接続されている。信号線SIGは不図示の垂直駆動回路に接続され、信号電圧を持つ映像信号が信号線SIGに垂直駆動回路から供給される。
対向電極43には、コモン駆動信号Vcomが与えられる。コモン駆動信号Vcomは、中心電位を基準として正と負の電位を、1水平期間(1H)ごとに反転した信号である。
TFT23のゲートは行方向、即ち表示画面の横方向に並ぶ全ての画素PIXで電気的に共通化され、これにより走査線SCNが形成されている。走査線SCNは、不図示の垂直駆動回路から出力され、TFT23のゲートを開閉するためのゲートパルスが供給される。そのため走査線SCNはゲート線とも称させる。
【0034】
図5に示すように、保持容量Cxが等価容量C6と並列に接続されている。保持容量Cxは、等価容量C6では蓄積容量が不足し、TFT23のリーク電流などによって書き込み電位が低下するのを防止するために設けられている。また、保持容量Cxの追加はフリッカ防止や画面輝度の一様性向上にも役立っている。
【0035】
このような画素が配置された液晶表示装置1は、断面構造(図4(D))で見ると、断面に現れない箇所で図5に示すTFT23が形成され画素の駆動信号(信号電圧)が供給される基板(以下、駆動基板2という)と、駆動基板2に対向して配置された対向基板4と、駆動基板2と対向基板4との間に配置された液晶層6とを備えている。
【0036】
駆動基板2は、図5のTFT23が形成された回路基板としてのTFT基板21(基板ボディ部はガラス等からなる)と、このTFT基板21上にマトリクス配置された複数の画素電極22とを有する。
TFT基板21に、各画素電極22を駆動するための図示しない表示ドライバ(垂直駆動回路、水平駆動回路等)が形成されている。また、TFT基板21に、図5に示すTFT23、ならびに、信号線SIGおよび走査線SCN等の配線が形成されている。TFT基板21に、後述するタッチ検出動作を行う検出回路が形成されていてもよい。
【0037】
対向基板4は、ガラス基板41と、このガラス基板41の一方の面に形成されたカラーフィルタ42と、カラーフィルタ42の上(液晶層6側)に形成された対向電極43とを有する。カラーフィルタ42は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、画素PIX(画素電極22)ごとにR、G、Bの3色の1色が対応付けられている。なお、1色が対応付けられている画素をサブ画素といい、R、G、Bの3色のサブ画素を画素という場合があるが、ここではサブ画素も画素PIXと表記する。
対向電極43は、タッチ検出動作を行うタッチセンサの一部を構成するセンサ駆動電極としても兼用されるものであり、図1および図2における駆動電極E1に相当する。
【0038】
対向電極43は、コンタクト導電柱7によってTFT基板21と連結されている。このコンタクト導電柱7を介して、TFT基板21から対向電極43に交流パルス波形のコモン駆動信号Vcomが印加されるようになっている。このコモン駆動信号Vcomは、図1および図2の駆動信号源Sから供給されるACパルス信号Sgに相当する。
【0039】
ガラス基板41の他方の面(表示面側)には、検出電極44が形成され、さらに、検出電極44の上には、保護層45が形成されている。検出電極44は、タッチセンサの一部を構成するもので、図1および図2における検出電極E2に相当する。ガラス基板41に、後述するタッチ検出動作を行う検出回路が形成されていてもよい。
【0040】
液晶層6は、「表示機能層」として、印加される電界の状態に応じて厚さ方向(電極の対向方向)を通過する光を変調する。液晶層6は、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶材料が用いられる。
【0041】
なお、液晶層6と駆動基板2との間、および液晶層6と対向基板4との間には、それぞれ配向膜が配設される。また、駆動基板2の反表示面側(即ち背面側)と対向基板4の表示面側には、それぞれ偏光板が配置される。これらの光学機能層は、図4で図示を省略している。
【0042】
対向電極43は、図4(A)に示すように、画素配列の行または列、本例では列の方向(図の縦方向)に分割されている。この分割の方向は、表示駆動における画素ラインの走査方向、すなわち不図示の垂直駆動回路が走査線SCNを順次活性化していく方向と対応する。
対向電極43は、合計でn個に分割されている。よって、対向電極43_1,43_2,…,43_m,…,43_nは、行方向に長い帯状のパターンを有して面状配置され、当該面内で互いの離間距離をとって平行に敷き詰められている。
このn分割された対向電極43_1〜43_nの分割配置ピッチが、(サブ)画素ピッチ、あるいは、画素電極の配置ピッチの自然数倍に設定されている。
【0043】
なお、図4に示す符号“EU”はm(>2)本の対向電極の集合を有し、この単位で交流駆動が行われる。この単位を、交流駆動電極ユニットEUと呼ぶ。この交流駆動の単位を1画素ラインより大きくするのはタッチセンサの静電容量を大きくして検出感度上げるためである。その一方で、交流駆動電極ユニットEUを画素ピッチ単位の自然数倍でシフトさせて、シフトの不可視化を図ることができる。
【0044】
その一方、このように対向電極の交流駆動電極ユニットEUを単位とするVcom駆動において、そのシフト動作は、不図示の垂直駆動回路(書き込み駆動走査部)内に設けられた、「交流駆動走査部」としてのVcom駆動回路9により行われる。Vcom駆動回路9の動作は、「m本の対向電極の配線を同時にVcom交流駆動する交流信号源S(図1および図2参照)を列方向に移動して、選択する対向電極を1つずつ変えながら列方向に走査する動作」に等しいとみなせる。
【0045】
電極駆動のVcom駆動と、それによる駆動電極自身の不可視化は、望ましいが本発明で必須ではない。
本発明は、シフト駆動する、しないに拘らず、表示装置全体で透明電極の配置に起因したパターンの不可視化を図るための構成を提供する。
【0046】
[対向電極(駆動電極)の分離配置ピッチ]
最初に、検出電極の分離配置ピッチを、より詳しく説明する。
【0047】
図6は、画素電極22を形成した製造途中の表示部の拡大平面図である。
図6に図解する画素電極22を形成した段階における平面図では、行方向(x方向)の平行ストライプ状に配置された複数のゲート線(走査線SCN:図5参照)と、列方向(y方向)の平行ストライプ状に配置された複数の信号線SIGとが交差している。任意の2本の走査線SCNと任意の2本の信号線SIGに囲まれた矩形領域が(サブ)画素PIXを規定している。各画素PIXより僅かに小さい矩形孤立パターンに画素電極22が形成されている。このように複数の画素電極22は、行列状の平面配置となっている。
【0048】
図7は、図6のz方向上方に対向電極(駆動電極)43を形成した後の拡大平面図である。
図7に示すように、対向電極43は、走査線SCNと平行なx方向に長い配線として形成されている。
図7(A)では、2画素ピッチの幅で対向電極43が形成されている。また、図7(B)では、1画素ピッチの幅で対向電極43が形成されている。対向電極43は、画素ピッチの3以上の自然数倍のピッチでy方向に分離配置されてもよい。
【0049】
以上より、“駆動電極”としての複数の対向電極43が、他方向(ここではy方向)に画素ピッチの自然数倍のピッチで分離配置されていることが、本実施形態の特徴の一つである。
本来の対向電極は全画素共通であるが、図4に示すVcom駆動回路9が表示に必要な部分だけ対向電極を駆動すればよい。そのため、Vcom駆動回路9を構成する個々の交流信号源Sの駆動能力を小さくして、Vcom駆動回路9全体の駆動回路をコンパクトにできるという利点がある。
【0050】
図8は、図7のz方向上方に検出電極44をさらに配置した製造途中の表示部の拡大平面図である。なお、図8においては、画素との関係を見やすくするため、図7において配置した対向電極43は敢えて図示から省略している。
検出電極44は、検出電極44間の距離を短くして配線するほど高解像度の位置検出が可能となる。しかし、この距離が短すぎると、入力デバイスと検出電極との間の静電容量が小さくなってしまうため好ましくない。
【0051】
入力デバイスの大きさ、表示画素の大きさにもよるが、検出電極44のx方向の幅は、タッチセンサを入力デバイスとして想定する場合は、10〜2000[μm]程度が好ましい。導電ペンなど先端が細いものの場合は、検出電極44の幅は5〜500[μm]程度が好ましい。
上記した好ましい幅の範囲で検出電極44を画素サイズと同期して配置している。具体的に、図8(A)の例では、検出電極44のx方向の配置ピッチが、画素ピッチの3倍に設定されている。また、図8(B)の例では、検出電極44のx方向の幅が画素ピッチの約3倍となっている。図8(B)でx方向における検出電極44の配置ピッチは、画素ピッチの4倍以上の自然数倍とすることができる。
【0052】
以上は、検出電極44の配置ピッチの画素ピッチとの同期であるが、さらに望ましくは、検出電極44の配置を色周期に同期させるとよい。
例えば図8の例において、x方向にRGBのカラーフィルタ42の色領域が繰り返されている場合を考える。
その場合、図8(A)の例では、検出電極44のx方向の配置ピッチを、画素ピッチの3の倍数、即ち3画素ピッチ、6画素ピッチ、…、に設定する。また、図8(B)の例では、検出電極44のx方向の幅をおおよそ画素ピッチの3の倍数として、検出電極44同士の離間幅もおおよそ画素ピッチの3の倍数とする。
【0053】
これにより、図8(A)では特定色、例えば緑(G)に対応して検出電極44が配置される。また、図8(B)では検出電極44がRGBの3色領域をカバーする。
このように画素ピッチに同期し、かつ、検出電極44に対する色の配置を均一化することによって、より色の差により若干の透過率差の顕在化を防止する。
その結果、透明電極材料からなる画素電極22、対向電極43、検出電極44が全て画素ピッチに対応する。しかも、対向電極43と検出電極44との重なり具合が、特定の色の画素で異なることがない。
【0054】
なお、画素電極22、対向電極43および検出電極44は、好ましくは透明電極材料から形成される。透明電極材料としてはITOやIZO、さらには有機導電膜からこれらの電極を形成してよい。
【0055】
<2.第2の実施の形態>
第1の実施の形態のように、検出電極44の間に何も透明電極材料の層がないと、色同士の間に透過率の差が生じることがある。本実施の形態では、その検出電極44間の透過率を、検出電極44自身の透過率に合わせるために浮遊電極を配置する。
【0056】
図9と図10は検出電極44の間に浮遊電極を配置した拡大平面図である。
図9および図10に示すように、色同士の透過率差を縮めるために、検出電極44の間に、浮遊電極46Aが配置されている。
本実施の形態における浮遊電極46Aは、図9(A)に示すように検出電極44と同様なライン形状としてもよい。あるいは、浮遊電極46は、図9(B)に示すように、ほぼ画素の大きさで区切られた矩形のタイル状配置としてもよい。
【0057】
よって、浮遊電極46は、x方向(一方向)とy方向(他方向)の少なくとも一方が画素ピッチの自然数倍に対応した配置ピッチであればよい。
検出電極44とのパターン類似性を考えれば、浮遊電極46は検出電極44と同じy方向のライン形状(図9(A))が望ましい。
しかし、その一方で、1つの浮遊電極46のサイズが大きいと浮遊容量が大きいため、検出電極44間のスペースにおける対向電極(駆動電極)43の電圧変化が被検出物側の外部容量側の容量変化として伝わりにくく、その結果、検出信号レベルが小さくなる場合もあり得る。
この不可視化のための検出電極44と浮遊電極46のパターンの類似性と、検出感度を上げるための最適な浮遊容量の大きさとはトレードオフの関係にあると考えられる。
そこで、以下の他の実施の形態に示されるように、本発明では、x方向とy方向が画素ピッチの自然数倍という要件を満たすならば、上記トレードオフの観点から、不可視化と高感度化のバランスがとれるように様々な浮遊容量の形状が許容される。
【0058】
前述した図8のパターンの場合(第1の実施の形態)、周期を100[μm]以下にしないと視認されてしまう。
これに対し、画素電極22の大きさの略自然数倍の浮遊電極46を設けることにより、検出電極と浮遊電極46が見分けできなくなり、周期が100[μm]以上となった場合でもパターンが見えづらくなる。
この時、検出電極と浮遊電極46の間距離は短ければ短いほど好ましい。表示画素のサイズ、開口率などにもよるが、この距離は1〜30[μm]程度が好ましく、さらに好ましくは1〜15[μm]程度が好ましい。さらに別の指標としては、有効面積の85%以上を検出電極と浮遊電極46で敷き詰めることが好ましい。
【0059】
図10が図9と異なる点は、画素電極22の配置に対してx方向に検出電極44と浮遊電極46の配置を1/2画素ずらしている。このようにしても画素ピッチの自然数倍に対応する配置ピッチであることに変わりなく、電極配置の規則性は変わらない。検出電極44と浮遊電極46の間の光が透過しやすい領域に光の透過率が低い信号線SIGが配置されると、光の利用効率が低下する。また、信号線SIG部分の透過率と、その他の部分の透過率の差が大きくなる。そこで、1/2画素シフトの配置を採用すると、光の利用効率と透過率の均一性向上の両方から望ましい場合がある。
【0060】
ここで検出電極44と浮遊電極46は、同一の透明電極材料を同一の工程、すなわちフォトリソグラフィ技術で形成する。図8の浮遊電極46がない場合に比べると、工程数の増加がない。
【0061】
上述した第1および第2の実施の形態によれば、画素電極22以外の透明電極である、対向電極43と検出電極44の双方が、信号線としての長い寸法のライン方向以外、つまり幅方向で画素ピッチの自然数倍の配置ピッチとなっている。
また、望ましくは、対向電極43と検出電極44の幅方向の電極ピッチが、特定の色においては対向電極43と検出電極44の双方が同じ重なり具合となるように規定されている。
特に第2の実施の形態では、常に色ごとに、対向電極43と検出電極44の関係が同じであり、色によっては対向電極43と浮遊電極46との関係が同じである。しかも、浮遊電極46はマクロ的には検出電極44と極力同じように見えるような形状と配置になっている。
【0062】
第1および第2の実施の形態によれば、このように対向電極(駆動電極)43と検出電極44の関係が画素ピッチの自然数倍であるため、その関係が周期的に変動していない。また、望ましくは各色同士、色と色間においても周期的な変動は極力抑制される。
その結果、画素間(特に色間)の微妙な透過率の差が人の目に認識しづらくなる。このような分離配置ピッチの最小値は、特に周期が100[μm]以下となることが好ましい。
【0063】
ここで第1および第2の実施の形態いずれにおいても、電極間分離領域をカラーフィルタの常に同一色上にするとよい。そのためには、少なくとも、検出電極44のx方向の配置ピッチを画素ピッチの3の倍数で規定するとよい。図8〜図10の何れの場合も、この要件を満たしている。
これにより、同一色での透過率低下の差をなくすことができる。
【0064】
図11と図12に、このことをより明確にする例として、検出電極44が3画素ピッチのx方向幅を有し、かつ、12画素ピッチの配置ピッチを有する場合を示す。
図11では浮遊電極46同士の間の電極間分離領域、浮遊電極46と検出電極44との間の電極間分離領域に信号線SIGが配置されている。この点で図11は図9に類似する。
一方、図12では、図10と同様に所定の色、たとえば(B)の画素電極22のx方向中央付近を通って浮遊電極46同士、あるいは、浮遊電極46と検出電極44との間の電極間分離領域が配置されている。
【0065】
これにより光の利用効率が高く、しかも周期的なスジが見えにくくできる。例えば、特定の色領域に電極間分離領域が配置されることと、幾つかの同色の領域上には電極間分離領域が配置されないことが繰り返されると、電極間分離領域が配置される周期の大きな透過率の差が生じてしまう。人の目は100[μm]以上の透過率の差に敏感なので、このような周期の拡大によってy方向に長い周期的なスジが視認されてしまう。このスジ発生を防止するために、全ての特定色の上に必ず電極間分離領域を配置する必要がある。もしくは、スジ発生の部分を他の配線と重ねることによって、透過率のロスを低減することができる。
【0066】
<3.第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態では、検出電極間領域の透過率を浮遊電極46の配置によって検出電極44の透過率に近づける工夫であった。
しかし、前述したように浮遊電極46は検出感度を維持するために1つ1つを大きくできない制約がある場合も想定される。
そのような場合、検出電極44のパターンを浮遊電極46の配置パターンに類似させることが可能である。
【0067】
図13と図14に、その目的で決められた検出電極44のパターン例を示す。なお、図13と図14は、検出電極44を透明化すると見にくい図となるので検出電極44および浮遊電極46は透明化していないが、他の場合と同様に透明電極材料から形成されている。これにより見えなくなった下層側の構成は、図12と同じである。
【0068】
図13では、検出電極44を6画素ピッチの幅、12画素ピッチの配置として、そのx方向中央を通るy方向の短いライン状スリット47Vを設けている。これにより、検出電極44を一体として同電位とすることと、浮遊電極46とのパターンの類似性を上げることの両立が図られている。y方向(他方向)に複数のスリット47が一列に並ぶことにより、“擬似的な電極間分離領域”が形成されている。
ここでスリット47Vを含む擬似的な電極間分離領域と、スリットを含まない電極間分離領域とは同一色の色領域(本例ではB領域)と重なるように配置されている。この構成は必須ではないが、色との同期がとれるという意味で不可視化の完全を期すためには望ましい。
【0069】
この効果は、図14(A)や図14(B)のようにx方向スリットでも達成できる。この場合、検出電極44を色配置との関係で3画素幅としている。
図14(A)では、x方向(幅方向)に長いx方向スリット47Hを検出電極44に形成している。
図14(B)では、x方向スリットをドット状に分離している。配線の幅方向を横切る向きのスリットは電流経路を制限するため可能な限り抵抗値の低下を防止することと、全体で浮遊電極46の分離と類似させることの両立のためにはドット配置によるスリット形成も好ましい。
【0070】
<4.変形例>
以上の第1〜第3の実施の形態では、複数の検出電極が分離配置されている一方向と直交する他方向に、複数の駆動電極が分離配置されている場合を例とした。また、この例では、複数の駆動電極を分離配置し、かつ、その配置ピッチを画素電極の配置ピッチの自然数倍としている。そのため、第1〜第4の実施の形態では、タッチセンサの駆動電極と、液晶表示などの表示機能層の(共通電圧による)駆動とを、同一の駆動電極で行うことを可能としている。この構造および駆動方法は、タッチパネルを一体化した(液晶)表示装置の厚さを薄くできる利点があるため望ましい。
しかしながら、タッチパネルを表示パネルと一体化する場合でも、タッチセンサの駆動電極は、(液晶)表示のための駆動(共通)電極とは別の層として設けてもよい。この場合、タッチセンサの駆動電極は分離しないで、複数の画素電極と対向する1枚の電極として配置してもよい。ただし、複数の検出電極の各々と(タッチセンサの)駆動電極との間に静電容量が形成されるように、複数の検出電極と当該駆動電極との相対的に位置関係が決められる。
【0071】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)モードや、IPS(インプレーンスイッチング)モード等の横電界モードの液晶が好適に用いられる。
【0072】
図15〜図17は、横電界モード液晶表示装置の構造例を示す。
図4の構造は、画素電極22と対向電極43が液晶層6を介在して対面しており、この2つの電極間の印加電圧に応じて縦方向の電界を液晶層6に与えていた。
横電界モードでは、画素電極22と駆動電極(対向電極43)が駆動基板2側に配置される。
【0073】
図15の構造では、TFT基板21の正面側(表示面側)の面に対向電極43が配置され絶縁層24を介して、対向電極43と画素電極22が近接する。対向電極43は、表示ラインの向き(x方向)に長いライン状に配置され、画素電極22は、その向きに画素ごとに分離されている。
TFT基板21は、その画素電極22側を液晶層6に隣接させ、ガラス基板41にと貼り合わされている。液晶層6は不図示のスペーサで強度的に保たれている。
【0074】
符号“49”はガラスや透明性のフィルムなどの表示面側の基材を示す。この基材49の片側の面に検出電極44が形成されている。基材49に保持された検出電極44は、接着層48によってガラス基板41の反液晶側の面に固定されている。
一方、TFT基板21の背面には第1偏光板61が貼られ、これと偏光の向きが異なる第2偏光板62が、基材49の表示面側に貼られている。
第2偏光板62の表示面側に不図示の保護層が形成される。
【0075】
図16に示す構造では、カラーフィルタ42がガラス基板41の液晶側に予め形成されている。カラーフィルタ42は(サブ)画素ごとに異なる色領域が規則的に配置されている。
【0076】
図17に示す構造では、表示面側の積層構造が図16と異なる。
図16に示す構造では、検出電極44が基材49に予め形成されて、例えばロール状の部材として貼られるが、図17ではガラス基板41の表示面側に検出電極44を形成し、その上に第2偏光板62が貼られる。
【0077】
なお、接着層48がある図15や図16の構造では接着層48の屈折率を適切に選ぶことによって、より電極パターンの不可視化が達成できる。
図15〜図17以外の構造の液晶表示装置、さらには透明電極を用いる他の表示装置にも本発明の適用が可能である。また、液晶表示装置の場合、透過型、反射型、半透過型のいずれでもよい。第2偏光板62は直線偏光板に限らず円偏光板でもよい。
【0078】
以上のように、本発明の実施の形態および変形例によれば、表示装置全体で透明電極パターンの不可視化を達成した表示装置を提供することができる。
また、浮遊電極46を設ける場合は、検出電極44と同一の電極材料を同一工程でパターニングするため、不可視化を進めるために工程の増加がない。また、液晶表示装置1の厚さが浮遊電極46を設けることによって増加することもない。上述した実施の形態で明らかなように、浮遊電極46は必須ではなく、画素ピッチの自然数倍の配置ピッチで、対向電極43および検出電極44が分離されていることによって不可視化が達成できる。浮遊電極46を用いるとコストの増加なしに、よりハイレベルの不可視化が達成できる。
【符号の説明】
【0079】
1…液晶表示装置、2…駆動基板、22…画素電極、4…対向基板、42…カラーフィルタ、43…対向(駆動)電極、44…検出電極、46…浮遊電極、47…スリット、6…液晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列配置された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向する駆動電極と、
前記画素電極に供給される画像信号と、前記駆動電極に供給される電圧とに基づいて画像表示機能を発揮する表示機能層と、
前記駆動電極と対向して前記画素電極の配置ピッチの自然数倍のピッチで分離配置され、それぞれが前記駆動電極と容量結合する複数の検出電極と
を有する表示装置。
【請求項2】
前記画素電極が配置された第1基板と、
前記第1基板と対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に封入された前記表示機能層としての液晶層と、
を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の検出電極は第3基板に対して配置されており、
当該検出電極が配置された第3基板が、前記第1基板または前記第2基板の液晶層側の反対側の面に接着層を介して固定されている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
行列配置された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向する駆動電極と、
前記画素電極に供給される画像信号と、前記駆動電極に供給される電圧とに基づいて画像表示機能を発揮する表示機能層と、
画素サイズと同期して配置され、それぞれが前記駆動電極と容量結合する複数の検出電極と
を有する表示装置。
【請求項5】
行列配置された複数の画素電極と、
前記複数の画素電極と対向する駆動電極と、
前記駆動電極と対向して前記画素電極の配置ピッチの自然数倍のピッチで分離配置され、それぞれが前記駆動電極と容量結合する複数の検出電極と、
前記画素電極の配置ピッチの自然数倍のピッチで検出電極間に分離配置される浮遊電極と
を有する表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−138154(P2011−138154A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33054(P2011−33054)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2009−40728(P2009−40728)の分割
【原出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】