説明

表示装置及びこれの駆動方法

【課題】表示装置及びこれの駆動方法を提供する。
【解決手段】表示装置及びこれの駆動方法において、複数のゲートラインと複数のデータラインとが交差する領域に形成された複数の画素を駆動するために、データラインに映像データに対応するデータ電圧を提供し、ゲートラインにゲート信号を順次に提供する。ゲート信号は、スキャン期間の間、データラインのデータ電圧が対応する画素に提供されるようにゲートオン電圧を維持して、非スキャン期間の間は共通電圧に同期して、第1電圧レベルと第2電圧レベルとの間をスイングする。したがって、ライン反転駆動時にゲートラインに接続された薄膜トランジスタへのストレスを減少させることができ、その結果、薄膜トランジスタの信頼性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より詳細には、表示装置及びこれの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、移動通信端末機、デジタルカメラ、携帯用コンピュータ、モニタ、TVなど多様な電子機器は、映像を表示するための映像表示装置を含む。映像表示装置には、様々な種類の表示装置が使われるが、フラットパネル形状を有するフラットパネル表示装置が主に使われ、フラットパネル表示装置のうちでも特に液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)が広く使われている。
【0003】
このような液晶表示装置(LCD)は、液晶(Liquid Crystal)を利用して映像を表示するフラットパネル表示装置の一つで、他のフラットパネル表示装置に比べて、薄い、軽い、低い駆動電圧、及び低い消費電力を有する長所があり、産業全般にかけて広範囲に使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許第0666119号公報
【特許文献2】韓国特許公開第2007−067969号公報
【特許文献3】特開2007−212916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、薄膜トランジスタの信頼性を向上させる表示装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、前記の表示装置を駆動するために使用される方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明による表示装置は、複数のゲートラインと複数のデータラインとが交差する領域に形成された複数の画素を具備して、映像を表示する表示部と、複数のデータラインに映像データに対応するデータ電圧を提供するソースドライバと、ゲートラインにゲート信号を順次に提供するゲートドライバと、を含む。
【0008】
ここで、ゲート信号は、スキャン期間の間、データラインのデータ電圧が対応する画素に提供されるようにゲートオン電圧を維持し、非スキャン期間の間、第1電圧レベルと第2電圧レベルとの間をスイングする。
【0009】
本発明による表示装置の駆動方法は、複数のデータラインに映像データに対応するデータ電圧を提供し、複数のゲートラインにゲート信号を順次に提供し、ゲート信号に応答してデータ電圧に対応する映像を表示すること、を含む。
【0010】
ここで、ゲート信号は、スキャン期間の間、データラインのデータ電圧が対応する画素に提供されるようにゲートオン電圧を維持して、非スキャン期間の間、第1電圧レベルと第2電圧レベルとの間をスイングする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による表示装置及びこれの駆動方法によると、ライン反転駆動時において、共通電圧に同期して非スキャン期間の間、第1電圧レベルと第2電圧レベルとの間をスイングするゲート信号をゲートラインに提供することによって、ゲートラインに接続された薄膜トランジスタに印加されるストレスを減少させることができ、その結果、薄膜トランジスタの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る液晶表示装置を示すブロック図である。
【図2】ライン反転方式で動作する液晶表示装置及び共通電圧の位相を示した図面である。
【図3】ゲートドライバから出力されるゲート信号を示した図面である。
【図4】図3に示した複数のステージのうち、奇数番目のステージの回路図である。
【図5】図4に示したステージの入/出力波形図である。
【図6】図3に示した複数のステージのうち、偶数番目のステージの回路図である。
【図7】図6に示したステージの入/出力波形図である。
【図8】連続する2フレームで、第1及び第2ゲート信号を示した波形図である。
【図9】図1に示したゲートオフ電圧発生器において、第2及び第3ゲートオフ電圧を生成する回路を示した図面である。
【図10】図9に示した第2及び第3ゲートオフ電圧を示した波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的な思想を容易に実施することができるように本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
本発明によるライン反転駆動する液晶表示装置は、共通電圧に同期してゲートオフ電圧をゲートラインに提供する。これで、液晶表示装置の薄膜トランジスタのストレスを低減することが可能になる。
【0015】
図1は、本発明に係る液晶表示装置100を示す図面である。
【0016】
図1を参照すると、液晶表示装置100は、表示部110、タイミングコントローラ120、ソースドライバ130、ゲートオフ電圧発生器140、及びゲートドライバ150を含む。
【0017】
表示部110は、二つの基板の間に介在された液晶層からなる液晶表示パネル(図示せず)を具備して映像を表示する。二つの基板のうち、何れか一つの基板には、複数のデータラインD1〜Dn及び複数のゲートラインG1〜Gmが具備される。複数のデータラインD1〜Dn及び複数のゲートラインG1〜Gmは、互いに絶縁して交差する。ここで、各交差領域には単位画素が存在する。各単位画素は、図1に示したように薄膜トランジスタTFT、液晶キャパシタCLC、及び蓄積キャパシタCSTから構成される。
【0018】
薄膜トランジスタTFTは、対応するゲートラインに接続されたゲート電極及び対応するデータラインに接続されたソース電極を有する。薄膜トランジスタTFTは、ゲートラインから伝えられたゲート信号に応答して、ソースドライバ130からデータ電圧を受信する。液晶キャパシタCLCは、薄膜トランジスタTFTのドレイン(ndata)に接続された画素電極と、共通電圧Vcomを受信して、画素電極と向き合う共通電極との間に接続されるため、データ電圧によって液晶の透過率が制御されて、その結果、望みの階調を有する映像が表示される。
【0019】
蓄積キャパシタCSTは、薄膜トランジスタTFTのドレイン(ndata)及び蓄積電極の間に接続される。ここで蓄積電極は、別途のストレージライン(図示せず)を通じて、各単位画素別に同一電圧が提供されるように具備されてもよい。
【0020】
タイミングコントローラ120は、外部からデジタル形態の映像データ信号R、G、B、制御信号CSを受信する。タイミングコントローラ120は、制御信号CSを受信すると、ソースドライバ130及びゲートドライバ150を駆動するために必要な制御信号(例えば、水平同期信号Hsync、水平クロック信号HCLK、垂直開始信号STV、STVB、クロック信号CLK、及びクロックバー信号CLKB)を出力する。
【0021】
ソースドライバ130は、水平同期信号Hsync及び水平クロック信号HCLKに同期して、タイミングコントローラ120から映像データR、G、Bを受信する。ソースドライバ130は、タイミングコントローラ120から一つのゲートラインに対応する映像データR、G、Bを受信して、n個のデータ電圧を生成して、n個のデータラインD1〜Dnに出力する。
【0022】
ここで、タイミングコントローラ120は、反転信号RSVを生成してソースドライバ130に供給する。反転信号RSVは、データ電圧の極性を決定する信号である。本発明の一例において、反転信号RSVによって、データ電圧の極性は、一水平ライン単位で反転される。また、データ電圧の極性によって共通電圧Vcomの極性が変わるので、共通電圧Vcomの極性も一水平ライン単位で反転される。
【0023】
図2は、ライン反転方式で動作する液晶表示装置及び共通電圧の位相を示した図面である。
【0024】
図2を参照すると、ライン反転方式で動作する場合、一つのゲートラインをスキャンする毎に共通電圧Vcomの極性が反転する。例えば、N番目のフレームの場合、奇数番目のゲートラインG1、G3に接続された画素には、負極性のデータが供給され、偶数番目のゲートラインG2、G4に接続された画素には、正極性のデータが供給される。ここで、画素に正極性のデータが供給される場合は、共通電圧Vcomは負極性を有し、画素に負極性のデータが供給される場合は、共通電圧Vcomは正極性を有する。
【0025】
次に、N+1番目のフレームで、奇数番目のゲートラインG1、G3及び偶数番目のゲートラインG2、G4の極性が反転する。この際、共通電圧Vcomの極性も反転する。
【0026】
再び、図1を参照すると、ゲートオフ電圧発生器140は、第1乃至第3ゲートオフ電圧VOFF、VOFF1、VOFF2を生成する。ここで、第1乃至第3ゲートオフ電圧VOFF、VOFF1、VOFF2は、画素データを維持するために使われて、ゲートドライバ150に提供される。
【0027】
第1ゲートオフ電圧VOFFは、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2よりも低い電圧レベルを有する。第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2は、フレーム周期の2倍の周期の間、第1レベルVH及び第2レベルVLの間をスイングする。ここで、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2は、互いに反転した位相を有する。
【0028】
一方、ゲートドライバ150は、垂直開始信号STVに応答して動作を始めるシフトレジスタを含む。シフトレジスタは、複数のステージGD1〜GDmを含む。各ステージGD1〜GDmは、第1及び第2クロック信号CLK、CLKBに応答して、ゲートオン電圧VONレベルを有するゲート信号を順次に出力する。
【0029】
図3は、ゲートドライバ150から出力されるゲート信号を示した図面である。
【0030】
図3に示したように、各ステージGD1〜GDmから順次に出力されるゲート信号GS1〜GSmの各々は、1フレーム(1Frame)のうち、水平スキャン期間tの間、ゲートオン電圧VONレベルを有して、残りの期間(以下、非スキャン期間)では、オフ電圧レベルを有する。
【0031】
ゲート信号GS1〜GSmの各々が非スキャン期間で、オフ電圧レベルを有するため、ゲートドライバ150は、第1乃至第3ゲートオフ電圧VOFF、VOFF1、VOFF2を受信する。第1ゲートオフ電圧VOFFは、各ステージGD1〜GDmのノードを安定化させるために使われ、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2は、各ステージGD1〜GDmから出力されるゲート信号GS1〜GSmの各々のオフ電圧レベルを変化させるために使われる。
【0032】
本発明の一例において、各ステージGD1〜GDmは、第1及び第2クロック信号CLK、CLKBに同期して、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2を交互に出力するように具備される。ここで、共通電圧Vcomは、第1及び第2クロック信号CLK、CLKBに同期してスイングするため、ゲートラインG1〜Gmに各々提供されるゲート信号GS1〜GSmは、各々共通電圧Vcomと同一である位相を有し、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2にスイングすることができる。ゲート信号GS1〜GSmの各々が非スキャン期間で、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2にスイングする動作は、以後、図4乃至図8を参照して具体的に説明する。
【0033】
一方、本発明の一実施形態において、ゲートドライバ150は、表示部110が具備されたガラス基板上に薄膜工程を通じて形成されてもよい。
【0034】
非スキャン期間の間、ゲートラインには、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2の間で、共通電圧と同一な位相でスイングするゲート信号が印加される。したがって、画素の薄膜トランジスタTFTのドレイン(ndata)及びゲートラインの間で、データを維持するための最小の電圧が維持されることができる。これによって、本発明では、非スキャン期間の間、薄膜トランジスタTFTのストレスを減少させることができる。
【0035】
図4は、図3に示した複数のステージのうち、奇数番目のステージの回路図であり、図5は、図4に示したステージの入/出力波形図である。ここで、複数の奇数番目のステージの各々は、互いに同一である回路構成を有するので、図4では、最初ステージ(以下、第1ステージと称する)の回路図を一例に説明し、残りのステージに対する説明は省略する。
【0036】
図4を参照すると、第1ステージGD1は、第1乃至第7MOSトランジスタM1〜M7、第1乃至第3キャパシタCline、Cb、Ccを含む。
【0037】
第1MOSトランジスタM1は、第1クロック信号CLKを受信するソース及びゲートラインGkにゲート信号GSkを出力するドレインを含む。第2MOSトランジスタM2は、ゲート信号GSk−1、或いは垂直開始信号STVが入力されるソース、第1ノードN1に接続されたドレイン、及び前記ソースに接続されたゲートを含む。第3MOSトランジスタM3は、第1ノードN1に接続されたドレイン、第1ゲートオフ電圧VOFFに接続されたソース、及びゲート信号GSk+1が入力されるゲートを含む。第4MOSトランジスタM4は、ゲートラインGkにゲート信号GSkを出力するドレイン、第3ゲートオフ電圧VOFF2が提供されるソース、及び第2クロック信号CLKBが入力されるゲートを含む。第5MOSトランジスタM5は、ゲートラインGkにゲート信号GSkを出力するドレイン、第2ゲートオフ電圧VOFF1が提供されるソース、第2ノードN2に接続されたゲートを含む。第6MOSトランジスタM6は、第2ノードN2に接続されたドレイン、第1ゲートオフ電圧VOFFが提供されるソース、及び第1ノードN1に接続されたゲートを含む。第7MOSトランジスタM7は、第1ノードN1に接続されたドレイン、第1ゲートオフ電圧VOFFが提供されるソース、及び第2ノードN2に接続されたソースを含む。
【0038】
第1キャパシタCbは、第1ノードN1及びゲート信号GSkが出力されるゲートラインGkの間に接続される。第2キャパシタCcは、第1MOSトランジスタM1のソース及び第2ノードN2の間に接続される。第3キャパシタ(CLine)は、ゲートラインGk及び共通電圧Vcom端子の間に接続される。
【0039】
図4及び図5を参照すると、第1ゲートオフ電圧VOFFは、第1ノードN1及び第2ノードN2の安定化を行うために利用される。第1ゲートオフ電圧VOFFは、第1電圧レベルVLに維持される。
【0040】
第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2は、第1及び第2クロック信号CLK、CLKBに応答して、ゲートラインGkに出力されるゲート信号のオフ電圧レベルを変化させるために利用される。具体的に、第1ステージGD1は、第1クロック信号CLKに応答して第2ゲートオフ電圧VOFF1をゲートラインGkに出力して、第2クロック信号CLKBに応答して第3ゲートオフ電圧VOFF2をゲートラインGkに出力する。ここで、第2ゲートオフ電圧VOFF1は、共通電圧Vcom(図示せず)に同期して、第1電圧レベルVL及び第2電圧レベルVHにスイングし、第3ゲートオフ電圧VOFF2は、第2ゲートオフ電圧VOFF1の反転状態にスイングする。すなわち、第2ゲートオフ電圧VOFF1が第1電圧レベルVLを有する場合、第3ゲートオフ電圧VOFF2は、第2電圧レベルVHを有する。本発明の一例において、第2電圧レベルVHは、第1電圧レベルVLより高く、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2の電圧レベルは、1フレーム単位で変化する。
【0041】
以下に、図4に示した第1ステージGD1の駆動における第1ゲート信号GS1の出力状態を表す表を示す。
【表1】



【0042】
以下、表1を参照して第1ステージGD1の動作を説明する。
【0043】
垂直開始信号STVによって第2MOSトランジスタM2がオンすると、第1ノードN1は、ハイレベルになり、第2ノードN2は、ローレベルになる。この際、第1クロック信号CLKがハイレベルである場合、ハイレベルの第1クロック信号CLKによって第1MOSトランジスタM1がオンされる。その結果、第1ステージGD1は、ハイレベルの第1クロック信号CLKを第1ゲート信号GS1として出力する。したがって、ハイレベルの第1クロック信号CLKは、第1ゲート信号GS1のゲートオン電圧VONとして使われる。
【0044】
第1ノードN1がハイレベルであり、第1クロック信号CLKがローレベルである場合、ハイレベルの第1ノードN1によって第1及び第6MOSトランジスタM1、M6がオンされる。第2キャパシタCcのカップリング効果によって、第1ステージGD1は、第1ゲート信号GS1として第1ゲートオフ電圧VOFFを出力する。したがって、第1ゲート信号GS1は、第1電圧レベルVLを有する。
【0045】
一方、第1ノードN1がローレベルであり、第1クロック信号CLKがハイレベルであり、第2クロック信号CLKBがローレベルである場合、第2キャパシタCcのカップリング効果によって、第2ノードN2はハイレベルになる。したがって、第5MOSトランジスタM5がオンする。その結果、第1ステージGD1は、第2ゲートオフ電圧VOFF1を第1ゲート信号GS1として出力する。この際、第1ゲート信号GS1は第1電圧レベルVLを有する。
【0046】
第1ノードN1がローレベルであり、第1クロック信号CLKがローレベルであり、第2クロック信号CLKBがハイレベルである場合、ハイレベルの第2クロック信号CLKBによって、第4MOSトランジスタM4はオンする。その結果、第1ステージGD1は、第3ゲートオフ電圧VOFF2を第1ゲート信号GS1として出力する。この際、第1ゲート信号GS1は、第2電圧レベルVHを有する。
【0047】
図6は、図3に示した複数のステージのうち、偶数番目のステージの回路図であり、図7は、図6に示したステージの入/出力波形図である。ここで、複数の偶数番目のステージの各々は、互いに同一な回路構成を有するので、図4では、2番目のステージ(以下、第2ステージ)の回路図を一例に説明し、残りステージに対する説明は省略する。
【0048】
図6を参照すると、第2ステージGD2は、図4に示した第1ステージGD1と比較すると、第1クロック信号CLKと第2クロック信号CLKBの入力位置が互いに変更されて、第2ゲートオフ電圧と第3ゲートオフ電圧の入力位置が互いに変更されることを除いて、残りの構成は同一である。
【表2】



【0049】
表2を参照して、第2ステージGD2の動作を説明する。
【0050】
第1ゲート信号GS1によって、第2MOSトランジスタM2がオンすると、第1ノードN1’は、ハイレベルになり、第2ノードN2は、ローレベルになる。この際、第2クロック信号CLKBがハイレベルになると、ハイレベルの第2クロック信号CLKBによって、第1MOSトランジスタM1’がオンする。その結果、第2ステージGD2は、ハイレベルの第2クロック信号CLKBを第2ゲート信号GS2として出力する。したがって、ハイレベルの第2クロック信号CLKBは、第2ゲート信号GS2のゲートオン電圧VONとして使われる。
【0051】
第1ノードN1’がハイレベルであり、第2クロック信号CLKBがローレベルである場合、ハイレベルの第1ノードN1’によって、第1及び第6MOSトランジスタM1’、M6’がオンする。第2キャパシタCc’のカップリング効果によって、第2ステージGD2は、第2ゲート信号GS2として第1ゲートオフ電圧VOFFを出力する。したがって、第2ゲート信号GS2は、第1電圧レベルVLを有する。
【0052】
一方、第1ノードN1’がローレベルであり、第2クロック信号CLKBがハイレベルであり、第1クロック信号CLKがローレベルである場合、第2キャパシタCc’のカップリング効果によって、第2ノードN2は、ハイレベルになる。したがって、第5MOSトランジスタM5’がオンする。その結果、第2ステージGD2は、第3ゲートオフ電圧VOFF2を第2ゲート信号GS2として出力する。この際、第2ゲート信号GS2は、第1電圧レベルVLを有する。
【0053】
第1ノードN1’がローレベルであり、第2クロック信号CLKBがローレベルであり、第1クロック信号CLKがハイレベルである場合、ハイレベルの第1クロック信号CLKによって、第4MOSトランジスタM4’がオンする。その結果、第2ステージGD2は、第2ゲートオフ電圧VOFF1を第2ゲート信号GS2として出力する。この際、第2ゲート信号GS2は、第2電圧レベルVHを有する。
【0054】
図8は、連続する2フレームにおいて、第1及び第2ゲート信号を示した波形図である。図8を参照すると、N番目フレームにおいて、最初のゲートラインG1(図2に示す)に接続された画素には、共通電圧Vcomに対して負極性を有するデータVdataが印加され、2番目ゲートラインG2(図2に示す)に接続された画素には、共通電圧Vcomに対して正極性を有するデータVdataが印加される。次に、N+1番目フレームにおいて、最初のゲートラインG1に接続された画素には、共通電圧Vcomに対して正極性を有するデータVdataが印加され、2番目ゲートラインG2に接続された画素には、共通電圧Vcomに対して負極性を有するデータVdataが印加される。
【0055】
第1及び第2ゲート信号GS1、GS2は、1フレームのうち、ゲートオン電圧VONレベルを有する水平スキャン期間tを除外して、残りの非スキャン期間の間、共通電圧Vcomに同期して、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2を交互に出力する。
【0056】
また、本発明の液晶表示装置100において、各フレームには、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKBがない期間が存在する。
【0057】
図8に示したように、各フレームのブランク期間で、第1及び第2ゲート信号GS1、GS2の各々は、第1電圧レベルVLを維持する。第1及び第2ゲート信号GS1、GS2の各々は、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKBによって、第1電圧レベルVL、または第2電圧レベルVHを有してもよい。
【0058】
ブランク期間のうち、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKBがない期間で、第1及び第2ゲート信号GS1、GS2の各々は、第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2のうち、最後に出力された電圧の電圧レベルを維持する。
【0059】
しかし、第2クロック信号CLKBがハイレベルで終了する場合には、第1クロック信号CLKがもう一度出力される。これにより、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKBがない期間で、第1及び第2ゲート信号GS1、GS2は、第1電圧レベルVLを維持することができる。
【0060】
図9は、図1に示したゲートオフ電圧発生器において、第2及び第3ゲートオフ電圧を生成する回路を示した図面であり、図10は、図9に示した第2及び第3ゲートオフ電圧を示した波形図である。
【0061】
図9を参照すると、ゲートオフ電圧発生器140は、ハイオフ電圧VOFF_H及びローオフ電圧VOFF_Lを生成する第1生成器141及び第1生成器141からハイオフ電圧VOFF_H及びローオフ電圧VOFF_Lを受信して第2及び第3ゲートオフ電圧VOFF1、VOFF2を生成する第2生成器143を含む。
【0062】
第1生成器141は、3.3Vの駆動電圧VCC及びクロック信号CLKを受信して、互いに異なる電圧レベルを有するハイオフ電圧VOFF_H及びローオフ電圧VOFF_Lを生成する。ここで、ローオフ電圧VOFF_Lは、図8に示した第1電圧レベルVLを有する電圧であり、ハイオフ電圧VOFF_Hは、図8に示した第2電圧レベルVHを有する電圧である。
【0063】
第2生成器143は、フリップフロップ143a、第2ゲートオフ電圧生成部143b、及び第3ゲートオフ電圧生成部143cからなる。
【0064】
フリップフロップ143aは、垂直開始信号STVを受信して、垂直開始信号STVがロー状態に転換される時点で、第1及び第2端子Q、/Qを通じて出力される信号の状態を変更する。
【0065】
図10に示したように、垂直開始信号STVがロー状態に転換される際、第1端子Qには、ハイ信号が出力され、第2端子/Qには、ロー信号が出力され、次の週期で垂直開始信号STVがロー状態に転換される際は、第1端子Qには、ロー信号が出力され、第2端子/Qには、ハイ信号が出力される。
【0066】
第2ゲートオフ電圧生成部143bは、フリップフロップ143aの第1端子Qに接続され、第3ゲートオフ電圧生成部143cは、フリップフロップ143aの第2端子/Qに接続される。第2及び第3ゲートオフ電圧生成部143b、143cは、互いに同一な構成を有する。
【0067】
したがって、ここでは第2ゲートオフ電圧生成部143bの構成及び動作を説明し、第3ゲートオフ電圧生成部143cについての具体的な説明は省略する。
【0068】
第2ゲートオフ電圧生成部143bは、第1及び第2トランジスタT1、T2、第1乃至第5抵抗R1〜R5、第1及び第2ダイオードD1、D2からなる。
【0069】
第1トランジスタT1は、第1端子Qから出力されるハイ信号に応答してオンして駆動電圧VCCを出力し、第2トランジスタT2は、駆動電圧VCCに応答してオンしてローオフ電圧VOFF_Lを出力する。第1ダイオードD1が導通状態になり、ローオフ電圧VOFF_Lが第2ゲートオフ電圧生成部143bの出力端子を通じて出力される。
【0070】
その後、第1端子Qから出力されるロー信号に応答して、第1及び第2トランジスタT1、T2はオフする。この際、第2ダイオードD2が道通状態になって、ハイオフ電圧VOFF_Hが第2ゲートオフ電圧生成部143bの出力端子を通じて出力される。したがって、第2ゲートオフ電圧生成部143bは、垂直開始信号STVに基づいて、2フレーム周期にハイオフ電圧VOFF_Hとローオフ電圧VOFF_Lとの間をスイングする第2ゲートオフ電圧VOFF1を生成することができる。
【0071】
一方、上述の動作と同一である動作を通じて、第3ゲートオフ電圧生成部143cは、2フレーム周期にハイオフ電圧VOFF_Hとローオフ電圧VOFF_Lの間をスイングし、第2ゲートオフ電圧VOFF1と反転した位相を有する第3ゲートオフ電圧VOFF2を生成することができる。
【0072】
以上、本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態に関して説明したが、本発明は本発明の範囲から逸脱しない限度内で多様に変形することができる。したがって、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されず、特許請求範囲のみでなく、この発明の特許請求範囲と均等なものによっても決まらなければならない。
【符号の説明】
【0073】
100 液晶表示装置
110 表示部
120 タイミングコントローラ
130 ソースドライバ
140 ゲートオフ電圧発生器
150 ゲートドライバ
GD1〜GDm ステージ
G1〜Gm ゲートライン
D1〜Dn データライン
GS1〜GSm ゲート信号
STV 垂直開始信号
N1、N2 第1及び第2ノード
VOFF、VOFF1、VOFF2 第1乃至第3ゲートオフ電圧
VON ゲートオン電圧


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲートラインと複数のデータラインとが交差する領域に形成された複数の画素を具備して映像を表示する表示部と、
前記複数のデータラインに映像データに対応するデータ電圧を提供するソースドライバと、
前記ゲートラインにゲート信号を順次に提供するゲートドライバと、
を含み、
前記ゲート信号は、スキャン期間の間、前記データラインのデータ電圧が対応する画素に提供されるようにゲートオン電圧を維持し、非スキャン期間の間、第1電圧レベルと第2電圧レベルとを交互に有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、ライン反転方式で動作することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部には、一ライン単位で交互に正極性及び負極性を有する共通電圧が印加され、
前記ゲートドライバは、前記共通電圧に同期する第1及び第2クロック信号を受信し、前記ゲート信号は、前記非スキャン期間の間、前記共通電圧と同一な形状を有し、
前記第1電圧レベルは、前記第2電圧レベルより低いことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ゲートドライバは、前記表示部が定義される基板上に薄膜工程を通じて形成され、第1乃至第3ゲートオフ電圧を受信し、
前記第1ゲートオフ電圧は、前記第1電圧レベルに維持され、前記第2及び第3ゲートオフ電圧は、前記第1電圧レベルと前記第2電圧レベルとを交互に有し、前記第2及び第3ゲートオフ電圧は、互いに反転した位相を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2及び第3ゲートオフ電圧は、2フレームに対応する周期を有することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1乃至第3ゲートオフ電圧を生成して前記ゲートドライバに供給するゲートオフ電圧生成部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ゲートオフ電圧生成部は、
前記第1電圧レベルを有するローオフ電圧及び前記第2電圧レベルを有するハイオフ電圧を生成する第1生成器と、
前記ローオフ電圧及び前記ハイオフ電圧を受信して、制御信号に同期してn番目のフレーム(nは、1以上の自然数)において前記第1電圧レベルを有し、n+1番目のフレームにおいて前記第2電圧レベルを有する前記第2ゲートオフ電圧及び前記第2ゲートオフ電圧と反転した位相を有する前記第3ゲートオフ電圧を生成する第2生成器と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記制御信号は、前記ゲートドライバの駆動を開始する垂直開始信号を含み、
前記垂直開始信号がハイ状態からロー状態に転換するときに、前記第2及び第3ゲートオフ電圧の電圧レベルが変化することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ゲートドライバは、前記複数のゲートラインに一対一対応し、前記ゲート信号を出力する複数のステージを含み、
各ステージは、前記非スキャン期間の間、前記第1及び第2クロック信号に同期して前記第2及び第3ゲートオフ電圧を前記ゲート信号として交互に出力し、
互いに隣接する2フレームの間には、ブランク期間が存在し、前記ブランク期間内には、前記第1及び第2クロック信号が生成されない期間が含まれ、
前記第1及び第2クロック信号が生成されない期間の間、前記各ステージは、対応するゲートラインに前記第2及び第3ゲートオフ電圧のうち、前記第1電圧レベルを有する電圧を選択して出力することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数のステージのうち、奇数番目のステージは、前記第1クロック信号に応答して前記第2ゲートオフ電圧を対応する奇数番目のゲートラインに出力し、前記第2クロック信号に応答して前記第3ゲートオフ電圧を前記奇数番目のゲートラインに出力し、
偶数番目ステージは、前記第1クロック信号に応答して前記第2ゲートオフ電圧を対応する偶数番目のゲートラインに出力し、前記第2クロック信号に応答して前記第3ゲートオフ電圧を前記偶数番目のゲートラインに出力し、
前記第1クロック信号は、前記第2クロック信号と位相が反転した信号であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−61100(P2010−61100A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62300(P2009−62300)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】