説明

表示装置及び表示方法、並びにプログラム

【課題】バックライト照明の消灯時にも視認性及び表示品位を維持することができる表示装置及び表示方法、並びにプログラムを提供する。
【解決手段】表示装置15は、液晶パネル表示素子9と、バックライト照明11と、システム制御回路1とを備える。システム制御回路1は、バックライト照明11の点灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるときは、バックライト照明11の点灯中に画像表示するための第1の表示データを生成する。また、システム制御回路1は、バックライト照明11の消灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるときは、バックライト照明11の消灯中に画像表示するための第2の表示データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示方法、並びにプログラムに関し、特に、バックライト照明型の液晶表示素子に対する表示機能を用いた表示装置及び表示方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示装置における他発光型の液晶表示素子として、バックライト照明を光源とする透過型と、外光を光源とする反射型と、バックライト照明及び外光の両方を光源とする半透過型とが知られている。透過型の液晶表示素子では、バックライト照明の輝度が表示視認性に大きく影響するが、反射型又は半透過型の液晶表示素子では、外光を光源としているのでバックライト照明が無い状態でも外光がある程度明るければ表示視認性を確保することができる。
【0003】
また、液晶表示素子は、ブラウン管に比べて非常に軽量かつ薄型であるため、デジタルカメラ、PDA等の携帯型家電機器の表示装置として使用されることが多い。尚、このような携帯型家電機器では、電池を使用しているので連続使用時間が限られている。特に、バックライト照明の消費電力は大きい。そこで、最低限の表示視認性を確保できる場合にはバックライト光源を消灯することで消費電力を低減し、連続使用時間を改善する技術が行われている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、近年の液晶表示素子の大型、高細、フルカラー化により液晶表示素子に表示される表示データも個性的になり、多階調色、使用文字数の増加、色付きアイコン表示等、多彩な表現が多くなってきている。
【特許文献1】特開平11−119322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、バックライト照明の点灯時にも消灯時にも同じ多彩な表現の表示データを表示している。半透過型及び反射型の液晶表示素子では、バックライト照明の消灯時にも外光により輝度や色彩度をある程度確保できるものの、バックライト照明を消灯すると輝度及び色彩度が低下し、表示データの再現性は低くなる。
【0006】
そのため、バックライト照明の消灯時に、色つきアイコン表示等の多彩な表現の表示データを液晶表示素子に表示した場合には、表示データの視認性及び表示品位が低下する。
【0007】
本発明の目的は、バックライト照明の消灯時にも視認性及び表示品位を維持することができる表示装置及び表示方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の表示装置は、表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置において、前記照明手段の状態を制御する制御手段と、前記照明手段の状態に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明の表示方法は、表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置の表示方法において、前記照明手段の状態を制御する制御ステップと、前記照明手段の状態に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成する生成ステップとを備えることを特徴とする。
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明のプログラムは、表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置で実行されるコンピュータ読み取り可能なプログラムにおいて、前記照明手段の状態を制御する制御モジュールと、前記照明手段の状態に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成する生成モジュールとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、照明手段の状態を制御し、照明手段の状態におうじて基づいて液晶表示手段に表示する表示データを生成するので、バックライト照明の消灯時にも視認性及び表示品位を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、表示装置15は、システム制御回路1、電源スイッチ2、電源ユニット3、電池4、操作部材5、タイマー制御部6、画像表示処理部7、液晶駆動回路8、及び液晶パネル表示素子9を備える。また、表示装置15は、照明輝度変更回路10、バックライト照明11、RAM制御回路12、RAM13、及び不揮発性メモリ14を備える。
【0015】
システム制御回路1は、中央処理プロセッサにより構成され、表示装置15全体を制御する。電源スイッチ2は、表示装置15の電源投入/遮断を切り替える。電源ユニット3は、表示装置15全体に供給する各種電源を生成する。また、電源ユニット3は、供給先のブロックに応じて、システム制御回路15から独立して電源投入制御が可能である。即ち、電源ユニット3は、常時動作する必要が無いブロックには適切に電源制御することにより、省電力制御が可能である。
【0016】
表示装置15は、携帯型を想定しており、電池4としては、アルカリ電池等の一次電池や、ニッケル水素充電池等を使用することが可能である。システム制御回路15は、電源ユニット3より電池4の電池残量を検出し、電池の交換時期を液晶パネル表示素子9に表示する。
【0017】
操作部材5は、表示装置15を操作するための各種の操作部材である。操作部材5には、表示装置15の動作状態を切り替えるモード設定ダイアル、詳細な設定を選択可能なメニューを表示させるメニューボタン、及びメニュー表示中に画面内の各項目の選択/取消を行うための選択操作キーが含まれる。また、操作部材5には、決定ボタン、取消ボタン、及び強制的にスリープモードに移行するためのスリープボタン等も含まれる。
【0018】
タイマー制御部6は、時計機能、カレンダー機能、タイマーカウンター機能、及びアラーム機能を有し、スリープモードへの移行時間や、アラーム通知等のシステム管理に使用される。
【0019】
画像表示処理部7は、RAM13に割り当てられた画像表示用領域に格納された表示データを、液晶駆動回路8へ表示可能なデータ形式に変換するための演算処理回路であり、水平/垂直同期信号、ドットクロック信号を出力する。また、画像表示処理部7は、表示データの輝度信号に対してゲイン補正を行うコントラスト変更機能、表示データの画素に対する誤差拡散演算処理、及びディザ演算処理後に量子化処理を行う色階調変更機能を有する。さらに、画像表示処理部7は、文字やアイコンを背景画像データと任意な位置に合成表示させるスプライト機能、文字やアイコンを任意の大きさする拡大/縮小機能、及び文字やアイコンの色を任意に変更可能な色パレット変更機能を有する。
【0020】
液晶駆動回路8は、画像表示処理部7より入力された信号に基づいて、液晶表示パネル素子9に対して駆動するためのRGB独立出力信号、駆動タイミング信号、電源を生成し供給する。また、液晶駆動回路8は、システム制御回路1の通信設定により、画像表示処理部7の表示データに対して、マトリクス変換テーブル、ピクチャー補正、ブライト補正、コントラスト補正、γ補正、左右上下反転表示制御、及び表示位置調整等を行う。
【0021】
液晶表示パネル素子9は、薄膜トランジスタアクティブマトリクス駆動方式を用いる。また、液晶表示パネル素子9は、照明方式として透過方式、半透過方式、又は反射方式等を用いる。
【0022】
照明輝度変更回路10は、バックライト照明11の照明輝度を段階的に調整する。即ち、照明輝度変更回路10は、システム制御回路1からの電圧駆動及びPWM駆動等により、バックライト照明11の発光体に流す電流を制限することで、照明輝度をリニアに変更する。
【0023】
バックライト照明11は、液晶パネル表示素子9の背面に固定されており、LEDや蛍光管等により構成される。また、バックライト照明11は、液晶パネル表示素子9の背面から投光し、液晶パネル表示素子9の各画素に印加された電圧に応じて光透過率が変化し、RGBカラーフィルターを通過することで、色再現が可能である。
【0024】
RAM制御回路12は、システム制御回路1、画像表示処理部7、及びRAM13の間のデータ転送制御を行う。また、RAM制御回路12は、高速転送可能なようにダイレクトメモリアクセスコントロール機能を有し、画像表示処理部7にシステム制御回路1を介すことなく直接表示データを転送することができる。
【0025】
RAM13は、高速性揮発性メモリであり、システム制御回路1のプログラムスタック領域、ステータス記憶領域、演算用領域、ワーク用領域、及び画像表示データ用領域が確保されている。また、本発明における第1表示データ、第2表示データを生成する際の一時作業用として割り当てる場合もある。
【0026】
不揮発性メモリ14は、フラッシュメモリ等の電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリにより構成される。また、不揮発性メモリ14には、表示装置15のメニュー設定情報、及び制御プログラムが格納されている。また、不揮発性メモリ14には、文字フォントデータや、アイコンデータ、メニュー項目、メニュー背景、及び色パレット情報等の表示画像データを構成するために必要なデータが格納されている。なお、後述する図2又は図3の処理をシステム制御回路1に実行させるためのプログラムは、不揮発性メモリ14に格納されている。
【0027】
図2は、図1におけるシステム制御回路1により実行される液晶表示制御処理のフローチャートである。
【0028】
図2において、システム制御回路1は、本処理に移行する際の操作部材5の状態、及びタイマー制御部6のスリープモードの状態を取得する。これらの状態に基づいて、バックライト照明11の点灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるか否かを判別する(ステップS1)。この判別の結果、バックライト照明11の点灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるときは、ステップS2に進む。一方、バックライト照明11の点灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求がないときは、ステップS7に進む。
【0029】
ステップS2では、システム制御回路1は、バックライト照明11の点灯中に画像表示するための第1の表示データを生成する。第1の表示データは、不揮発性メモリ14に予め用意された表示データに基づいて生成される。
【0030】
次に、システム制御回路1は、ステップS2で生成された第1の表示データをRAM13の画像表示用領域に転送する(ステップS3)。
【0031】
次に、システム制御回路1は、画像表示処理設定を行う(ステップS4)。即ち、システム制御回路1は、画像表示処理部7のレジスタ設定を行い、液晶駆動回路8に対して表示データ信号の出力を開始する。
【0032】
次に、システム制御回路1は、通信により液晶駆動回路8に対して液晶パネル表示素子9の駆動開始命令を送出して液晶パネル表示素子9の駆動を開始させる(ステップS5)。液晶駆動回路8は、システム制御回路1から駆動開始命令を受信してから所定の出力安定期間経過後、液晶パネル表示素子9に駆動信号の出力を開始する。
【0033】
次に、システム制御回路1は、照明輝度変更部10に対して適切な輝度を設定してバックライト照明11を点灯させ(ステップS6)、本処理を終了する。これにより、液晶パネル表示素子9には、第1の表示データによる表示が行われる。
【0034】
ステップS7では、ステップS1で取得した状態に基づいて、バックライト照明11の消灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるか否かを判別する。この判別の結果、バックライト照明11の消灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるときは、ステップS8に進む。一方、バックライト照明11の消灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求がないときは、液晶パネル表示素子9への表示停止要求であると判断し、ステップS13に進む。
【0035】
ステップS8では、システム制御回路1は、バックライト照明11の消灯中に画像表示するための第2の表示データを生成する。第2の表示データは、第1の表示データ及び不揮発性メモリ14に予め用意された変換情報に基づいて、画像表示処理部7の文字アイコン色パレット変更機能、コントラスト変更機能、色階調変更機能、文字アイコンの拡大機能等により生成される。
【0036】
次に、システム制御回路1は、ステップS8で生成された第2の表示データをRAM13の画像表示用領域に転送する(ステップS9)。
【0037】
次に、システム制御回路1は、画像表示処理設定を行う(ステップS10)。即ち、システム制御回路1は、画像表示処理部7のレジスタ設定を行い、液晶駆動回路8に対して表示データ信号の出力を開始する。
【0038】
次に、システム制御回路1は、通信により液晶駆動回路8に対して液晶パネル表示素子9の駆動開始命令を送出して液晶パネル表示素子9の駆動を開始させる(ステップS11)。液晶駆動回路8は、システム制御回路1から駆動開始命令を受信してから所定の出力安定期間経過後、液晶パネル表示素子9に駆動信号の出力を開始する。
【0039】
次に、システム制御回路1は、照明輝度変更部10に対してバックライト照明11を消灯する設定を実行してバックライト照明11を消灯させ(ステップS12)、本処理を終了する。これにより、液晶パネル表示素子9には、第2の表示データによる表示が行われる。
【0040】
ステップS13では、システム制御回路1は、照明輝度変更部10に対してバックライト照明11を消灯する設定を実行してバックライト照明11を消灯させる。
【0041】
次に、システム制御回路1は、通信により液晶駆動回路8に対して液晶パネル表示素子9の駆動停止命令を送出して液晶パネル表示素子9の駆動を停止させる(ステップS14)。液晶駆動回路8は、システム制御回路1から駆動停止命令を受信後、直ちに液晶パネル表示素子9への駆動信号の出力を停止する。
【0042】
次に、システム制御回路1は、画像表示処理設定を解除し(ステップS15)、本処理を終了する。即ち、システム制御回路1は、画像表示処理部7のレジスタ設定を行い、液晶駆動回路8に対する表示データ信号の出力を停止する。これにより、液晶パネル表示素子9には何も表示されなくなる。
【0043】
図2の処理によれば、バックライト照明11の消灯モードでの液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるときは(ステップS7でYES)、システム制御回路1は、バックライト照明11の消灯中に画像表示するための第2の表示データを生成する。これにより、バックライト照明11の消灯時にも視認性及び表示品位を維持することができる。
【0044】
図3は、図2の液晶表示制御処理の変形例のフローチャートである。
【0045】
本処理では、バックライト照明11の輝度の段階変更に応じた表示データを生成する。
【0046】
図3において、システム制御回路1は、本処理に移行する際の操作部材5の状態を取得する。この状態に基づいて、液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるか否かを判別する(ステップS20)。
【0047】
この判別の結果、液晶パネル表示素子9への表示開始要求があるときは、ステップS21に進む。一方、液晶パネル表示素子9への表示停止要求があるときは、ステップS27に進む。
【0048】
ステップS21では、システム制御回路1は、メニュー設定等で任意に設定、又は自動的に設定された照明輝度設定情報に基づいて、照明輝度変更回路10に対して適切な輝度を設定し、バックライト照明11の輝度を設定する。尚、照明輝度設定情報は、最低値の設定状態を消灯としてもよい。
【0049】
次に、ステップS21で設定された輝度に応じた表示データを生成する(ステップS22)。即ち、システム制御回路1は、不揮発性メモリ14に予め用意された輝度→表示データ変換情報により、画像表示処理部7の文字アイコン色パレット変更機能、コントラスト変更機能、色階調変更機能、文字アイコンの拡大機能等により表示データを生成する。
【0050】
次に、システム制御回路1は、ステップS22で生成された表示データをRAM13の画像表示用領域に転送する(ステップS23)。
【0051】
次に、システム制御回路1は、画像表示設定を行う(ステップS24)。即ち、システム制御回路1は、画像表示処理部7のレジスタ設定を行い、液晶駆動回路8に対して表示データ信号の出力を開始する。
【0052】
次に、システム制御回路1は、通信により液晶駆動回路8に対して液晶パネル表示素子9の駆動開始命令を送出して液晶パネル表示素子9の駆動を開始させる(ステップS25)。液晶駆動回路8は、システム制御回路1から駆動開始命令を受信してから所定の出力安定期間経過後、液晶パネル表示素子9に駆動信号の出力を開始する。
【0053】
次に、システム制御回路1は、照明輝度変更部10に対して設定された輝度でバックライト照明11を点灯させ(ステップS26)、本処理を終了する。これにより、液晶パネル表示素子9には、バックライト照明11の輝度に応じた表示データによる表示が行われる。
【0054】
ステップS27では、システム制御回路1は、照明輝度変更部10に対してバックライト照明11を消灯する設定を実行してバックライト照明11を消灯させる。
【0055】
次に、システム制御回路1は、通信により液晶駆動回路8に対して液晶パネル表示素子9の駆動停止命令を送出して液晶パネル表示素子9の駆動を停止させる(ステップS28)。液晶駆動回路8は、システム制御回路1から駆動停止命令を受信後、直ちに液晶パネル表示素子9への駆動信号の出力を停止する。
【0056】
次に、システム制御回路1は、画像表示処理設定を解除し(ステップS29)、本処理を終了する。即ち、システム制御回路1は、画像表示処理部7のレジスタ設定を行い、液晶駆動回路8に対する表示データ信号の出力を停止する。これにより、液晶パネル表示素子9には何も表示されなくなる。
【0057】
図3の処理によれば、設定された輝度に応じた表示データを生成する(ステップS22)ので、バックライト照明11の消灯時にも視認性及び表示品位を維持することができる。
【0058】
尚、本実施の形態に係る表示装置15は、電子撮像装置等の表示装置として用いられてもよい。
【0059】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る表示装置を有する電子撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0060】
図4において、電子撮像装置100には、レンズユニット200、及びストロボユニット300が接続されている。
【0061】
レンズユニット200は、レンズ用インターフェース201、レンズマウント202、レンズ制御回路203、レンズ210、及び絞り211を備える。
【0062】
ストロボユニット300は、アクセサリシュー接続部301、及びストロボ発光制御回路302を備える。
【0063】
電子撮像装置100は、レンズ用インターフェース101、レンズマウント102、アクセサリシュー111、システム制御回路120、撮像素子121、A/D変換部122、画像処理回路123、メモリ制御回路124、及び液晶パネル表示部125を備える。
【0064】
また、電子撮像装置100は、バックライト照明126、メモリ127、外部着脱メモリ部128、不揮発性メモリ129、電源回路130、再生スイッチ131、メニュースイッチ132、モードダイアル133、及びレリーズスイッチ134を備える。
【0065】
さらに、電子撮像装置100は、各種操作部材135、電源スイッチ136、カメラ制御回路140、シャッター制御部141、測光部142、測距部143、及びシャッター144を備える。
【0066】
撮像素子121は、レンズ210、絞り211、レンズマウント205,105、及びシャッター144を介して結像された被写体の光学像を電気信号に変換する。A/D変換部122は、撮像素子121から出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。変換されたディジタル信号は、メモリ制御回路124及びシステム制御回路120により制御され、メモリ127に格納される。
【0067】
画像処理回路123は、ディジタル信号のデータ又はメモリ制御回路124からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路123は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路も備えており、メモリ127に格納された画像を読み込んで圧縮処理又は伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ127に書き込む。さらに、画像処理回路123は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。さらに、画像処理回路123は、輝度信号に対してゲイン補正を行うコントラスト変更機能、画素に対して誤差拡散演算処理や、ディザ演算処理後、量子化処理を行う色階調変更機能を有する。さらに、画像処理回路123は、文字や、アイコンを背景画像データと任意な位置に合成表示させるスプライト機能、文字やアイコンを任意の大きさする拡大/縮小機能、文字やアイコンの色を任意に変更可能な、色パレット変更機能を有する。
【0068】
メモリ制御回路124は、A/D変換部122、画像処理回路123、液晶パネル表示部125、外部着脱メモリ128、及びメモリ127間のデータの送受を制御する。A/D変換部122のデータが画像処理回路123、メモリ制御回路124を介して、又はA/D変換部122のデータが直接メモリ制御回路124を介して、メモリ127に書き込まれる。
【0069】
液晶パネル表示部125は、メモリ127の表示データ用格納領域へ書き込まれた、ニュー画面、または外部着脱メモリ部128に格納された画像ファイルを表示する。
【0070】
バックライト照明126は、液晶パネル表示部125に対する背面照射である。バックライト照明126の光源素子としては、LED、有機EL、蛍光管等がある。バックライト照明126は、システム制御回路120の指示により任意に点灯又は消灯することが可能であり、消灯にした場合には電子撮像装置100の電力消費を大幅に低減することができる。また、バックライト照明126は、システム制御回路120により、電圧駆動方式又はPWM駆動方式のいずれかにより光源素子の通電電流を制限することで、輝度を調整する調光機能を有する。
【0071】
メモリ127は、撮影した静止画像、再生用表示のための画像を格納する。メモリ127は、所定枚数の静止画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。尚、メモリ127は、システム制御回路120の作業領域、表示データ変換の際の作業領域としても使用することができる。
【0072】
外部着脱メモリ部128は、コンパクトフラッシュ(登録商標)やSDカードといった記録媒体に画像ファイル記録や読出を行う。
【0073】
不揮発性メモリ129は、電気的に消去・記録可能であり、例えばフラッシュメモリやEEPROM等が用いられる。また、不揮発性メモリ129には、撮影状態の保存や、電子撮像装置100を制御するプログラムが格納されている。
【0074】
電源回路130は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。また、電源回路130は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路120の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、各ブロック部へ供給する。
【0075】
システム制御回路120は、電子撮像装置100の動作状態に伴い、不要なブロックへの電源供給を停止することで、省電力へのパワーマネージメント制御を行っている。例えば、システム制御回路120は、画像再生表示やメニュー画面表示の場合カメラ制御ブロックは動作不要のため、カメラ制御回路140、測光部142、測距部143、撮像素子121、レンズユニット200、ストロボユニット300への供給電源を遮断する。
【0076】
シャッター制御部141は、絞り211を制御するレンズ制御回路203と連携しながら、測光部142からの測光情報に基づいてシャッター144を制御する。
【0077】
測光部142は、AE(自動露出)処理を行う。測光部142は、レンズ210に入射した光線を、絞り211、レンズマウント202及び102、不図示の測光用レンズを介して、測光部142に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定することができる。また、測光部142は、ストロボユニット200と連携することによりEF(フラッシュ調光)処理機能も有するものである。また、ストロボユニット200は、AF補助光の投光機能、及びフラッシュ調光機能を有する。
【0078】
測距部143は、AF(オートフォーカス)処理を行う。測距部143は、レンズ210に入射した光線を、絞り211、レンズマウント202及び102、不図示の測距用ミラーを介して、測距部143に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定する。また、電子撮像装置100は、測距部143及び測光部142を専用に備える構成であるので、測距部143及び測光部142を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行う。
【0079】
カメラ制御回路140は、シャッター制御部141、測光部142、測距部143との送受通信によりカメラとしての一連の動作を制御する。また、カメラ制御回路140は、レンズユニット200、ストロボユニット300を制御する。
【0080】
システム制御回路120は、電子撮像装置100全体を制御する。操作部材131,132,133,134,135,136は、システム制御回路120の各種の動作指示を入力するために用いられる。これらの操作部材は、スイッチ、ダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数又は複数の組み合わせで構成される。
【0081】
再生スイッチ131は、液晶表示パネル部125に所定の画像データを表示する再生表示モード操作に用いる。外部着脱メモリ部128に格納された画像ファイルを再生表示する場合は、必ずこの再生スイッチ131により操作する必要がある。また、すでに再生表示モードで、この再生スイッチ131の操作が行われた場合には、再生表示モードから撮影モードへの切り替えができる。
【0082】
メニュースイッチ132は、液晶表示パネル部125に各種項目一覧を表示するのに用いる。この各種項目一覧の表示内容としては、撮影に関する状態設定、記録媒体のフォーマット、時計の設定、現像パラメータ設定、及びユーザー機能設定(カスタム機能の設定)がある。
【0083】
モードダイアル133は、各機能撮影モードを切り替え設定するのに用いられる。各機能撮影モードは、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等である。
【0084】
レリーズスイッチ134は、レリーズボタンの操作途中(SW1)及び操作完了(SW2)で各々ONとなるスイッチである。レリーズスイッチ134は、操作途中状態ではAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュ調光)処理等の動作開始を指示する。また、レリーズスイッチ134は、操作完了で露光処理、現像処理、記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0085】
各種操作部材135は、各種スイッチからなる操作部である。各種操作部材135は、例えば、撮影モード、連写モード、セット、マクロ、ページ送り、ページ戻り、フラッシュ設定、メニュー移動+(プラス)、メニュー移動−(マイナス)、ホワイトバランス選択、撮影画質選択、露出補正等を操作部材を含む。また、各種操作部材135は、日付/時間設定、画像再生の拡大/縮小のズーム倍率を変更するズーム倍率+、ズーム倍率−、上下左右方向スイッチ、液晶パネル表示部125のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ等を含む。さらに、各種操作部材135は、クイックレビューON/OFFスイッチ、圧縮モードスイッチ、画像消去スイッチ、ワンショットAFモードとサーボAFモードとを設定することができるAFモード設定スイッチ等を含む。
【0086】
また、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチや十字キーを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0087】
電源スイッチ136は、電子撮像装置100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定するのに用いられる。また、電源スイッチ136は、電子撮像装置100に接続されたレンズユニット200、ストロボユニット300、記録媒体等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定にも用いられる。
【0088】
レンズマウント102,202は、電子撮像装置100をレンズユニット200と接続するためのインターフェースである。レンズ用インターフェース101,201は、電子撮像装置100をレンズユニット200と電気的に接続するコネクタであり、カメラ制御回路140により制御される。
【0089】
アクセサリシュー111、及びアクセサリシュー接続部301は、電子撮像装置100をストロボユニット300と接続するためのインターフェースである。
【0090】
レンズユニット200は、不図示の被写体の光学像をレンズ210から、絞り211、レンズマウント202及び102、シャッター144を介して導き、撮像素子121上に結像する。
【0091】
レンズ制御回路203は、レンズユニット200全体を制御する。レンズ制御回路203は、動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリやレンズユニット200固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値等を保持する不揮発メモリの機能を備える。また、レンズ制御回路203は、絞り211を制御したり、撮影レンズ210のフォーカシングを制御したり、撮影レンズ210のズーミングを制御する機能を備える。
【0092】
ストロボユニット300は、アクセサリシュー111に接続される。ストロボ発光制御回路302は、ストロボユニット300全体を制御し、不図示のキセノン菅等の発光部に対し、測光部142からの情報を元に、発光量や、発光タイミングを制御する。
【0093】
アクセサリシュー接続部301は、アクセサリシュー111内において、ストロボユニット300と電子撮像装置100とを電気的に接続するインターフェースである。
【0094】
図5及び図6は、図4におけるシステム制御回路120により実行される制御処理のフローチャートである。
【0095】
図5及び図6において、システム制御回路120は、電池交換等の電源投入により、所定の初期設定を行う(ステップS100)。即ち、カメラ制御回路140やシステム制御回路120は、フラグや制御変数等を初期化する。また、外部着脱メモリ部128により不図示の記録媒体(メモリカード等)が検出された場合は、メモリカード内のファイル情報の取得、割り込み処理の登録等の初期設定を行う。
【0096】
次に、システム制御回路120は、電源スイッチ136の設定位置を判断し、電源スイッチ136がONであるときは(ステップS101でYES)、ステップS102に進む。
【0097】
ステップS102では、システム制御回路120は、電源回路130内のDC/DCコンバータや、電池等により構成される不図示の電源の残量や動作情況を監視する電源管理システムを起動させる。
【0098】
次に、電子撮像装置100を起動させるのに十分な電池残量や電源回路130により供給される電圧があるか否かを判別する(ステップS103)。この判別の結果、十分な電池残量や電圧があるときは、ステップS104に進む。一方、十分な電池残量や電圧がないときは、システム制御回路120内のメモリにエラー情報フラグを設定し、ステップS127に進む。
【0099】
ステップS104では、カメラ制御回路140は、現在電子撮像装置100に装着されているレンズユニット200、ストロボユニット300等を検出し、各アクセサリに関する情報を取得し、初期設定を実行する。また、カメラ制御回路140は、システム制御回路120からモードダイアルの設定位置の情報や、不揮発性メモリ129に保存されている撮影モードに関する設定情報を取得する。さらに、カメラ制御回路140は、測光部142、測距部143、また検出された各アクセサリの設定情報から適切な撮影条件設定処理を行う。また、システム制御回路120は、ステップS104で設定された撮影条件の情報を表示データとして生成し、液晶表示パネル部125に対して表示処理を行う。また、メニューモード(ステップS119)で予め設定され不揮発性メモリ129に保存された輝度設定情報より、バックライト照明部126の輝度設定を行う。
【0100】
次に、システム制御回路120は、不図示のシステム制御回路内のタイマー機能の初期設定行う(ステップS105)。このタイマー機能により、ある一定期間電子撮像装置100に設定されている操作部材131,132,133,134,135,136のいずれも押下されていない場合に、電子撮像装置100の省電力待機処理(スリープモード)を実行する。
【0101】
次に、システム制御回路120は、電子撮像装置100を起動させるのに十分な電池残量があるか否かを判別する(ステップS111)。この判別の結果、十分な電池残量があるときは、ステップS112に進む。一方、十分な電池残量がないときは、システム制御回路120内のメモリにエラー情報フラグを設定し、ステップS127に進む。
【0102】
ステップS127では、エラー情報フラグの内容を判断し、液晶パネル表示部125を用いて画像や音声による所定の警告表示を行う。次に、電源スイッチ136の設定位置を判断し、電源スイッチ136がOFFであるときは(ステップS128でYES)、ステップS125に進む。
【0103】
ステップS112では、システム制御回路120は、モードダイアル133の設定位置が変更されたか否かを判別する。この判別の結果、モードダイアル133の設定位置が変更された場合は、カメラ制御回路140へ現在の撮影条件を通知する。カメラ制御回路140が、通知された撮影モード情報から、撮影条件設定処理を実行し、液晶パネル表示部125に現在の撮影条件の表示更新を行い(ステップS113)、ステップS111に戻る。
【0104】
ステップS112の判別の結果、モードダイアル133の設定位置が変更されていないときは、ステップS114に進む。
【0105】
ステップS114では、システム制御回路120は、レリーズスイッチ134(SW1)が押下されたか否かを判別する。この判別の結果、レリーズスイッチ134(SW1)が押下されたときは、AF/AE、露光、現像、記録の一連のレリーズ処理を実行し(ステップS115)、ステップS111に戻る。
【0106】
ステップS114の判別の結果、レリーズスイッチ134(SW1)が押下されなかったときは、ステップS116に進む。
【0107】
ステップS116では、システム制御回路120は、再生スイッチ131が押下されたか否かを判別する。この判別の結果、再生スイッチ131が押下されたときは、再生モード処理により液晶表示パネル部125により撮影画像の再生表示を行い(ステップS117)、ステップS111に戻る。また、ステップS117の処理には、各種操作部材135により再生画像のページ送り/戻し、9画面同時表示(マルチ再生)、拡大表示、撮影条件表示(INFO再生)、撮影画像の消去等の処理も含まれる。
【0108】
ステップS116の判別の結果、再生スイッチ131が押下されなかったときは、ステップS118に進む。
【0109】
ステップS118では、システム制御回路120は、メニュースイッチ132が押下されたか否かを判別する。この判別の結果、メニュースイッチ132が押下されたときは、ステップS119に進む。
【0110】
ステップS119では、液晶パネル表示部125に各種カメラ撮影の補助設定や、記録媒体へのユーティリティ等の各種項目を表示し、各種操作部材135のさまざまな操作部材により選択・実行を行い(ステップS119)、ステップS111に戻る。メニューモードの設定項目としては、バックライト照明126に対する輝度設定項目やバックライト照明に応じた表示データ切替機能の有効/無効設定項目も含まれている。
【0111】
ステップS118の判別の結果、メニュースイッチ132が押下されていなかったときは、ステップS120に進む。
【0112】
ステップS120では、システム制御回路120は、各種操作部材135のいずれかのスイッチが押下されたか否かを判別する。この判別の結果、各種操作部材135のいずれかのスイッチが押下されたときは、各種操作部材に応じた処理を実行し(ステップS121)、ステップS111に戻る。
【0113】
ステップS120の判別の結果、各種操作部材135のいずれかのスイッチが押下されなかったときは、ステップS122に進む。
【0114】
ステップS122では、システム制御回路120は、ステップS105のタイマー機能の初期設定を行ってから所定時間が経過したか否かを判別する。この判別の結果、所定時間が経過したときは、後述する図7のスリープモード処理を実行し(ステップS123)、ステップS111に戻る。
【0115】
ステップS122の判別の結果、ステップS105のタイマー機能の初期設定を行ってから所定時間が経過していないときは、ステップS124に進む。なお、タイマー機能は前述のステップS113、ステップS115、ステップS117、ステップS119、又はステップS121のいずれかが実行された場合には、必ずクリアされる。
【0116】
ステップS124では、システム制御回路120は、電源スイッチ136の設定位置を判断し、電源スイッチ136がONであるか否かを判別する(ステップS101)。この判別の結果、電源スイッチ136がONであるときは、ステップS111に戻る。一方、電源スイッチ136がOFFであるときは、ステップS125に進む。
【0117】
ステップS125では、ステータス退避処理を行う。即ち、電子撮像装置100の終了処理を行うために、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、撮影モード等を不揮発性メモリ129や、システム制御回路120内のメモリ等に記録する。
【0118】
次に、電源回路130により液晶パネル表示部125、外部着脱メモリ128、レンズユニット200、ストロボユニット300を含む電子撮像装置100の各部不要な電源を遮断する。また、システム制御回路120は、動作状況を監視する電源管理システムを終了し(ステップS126)、ステップS101に戻る。
【0119】
図7は、図6のステップS123のスリープモード処理のフローチャートである。
【0120】
図7において、システム制御回路120は、ステップS104、ステップS113、ステップS117、ステップS119、又はステップS121のいずれかで生成された既存の表示データに対して、スリープモード用の表示データを生成する(ステップS131)。ここでは、不揮発性メモリ129に予め用意されたバックライト照明消灯モード用表示データ生成処理テーブルを参照し、メモリ127に格納された既存の表示データから、画像処理回路123に対して順次必要に応じた処理を実行する。処理後の表示データは、メモリ127に用意された表示データ生成用一時作業領域に格納される。処理を全て実行後、表示データは、メモリ制御回路124のより、メモリ127の一時作業領域から画像表示データ用格納領域へ転送される。また、輝度信号に対してゲイン補正を行うコントラスト変更処理、画素に対して誤差拡散演算処理、ディザ演算処理後、量子化処理を行う色階調変更処理等が行われる。また、文字やアイコンを任意の大きさに変更する拡大/縮小処理、文字やアイコンの色を任意に変更する色パレット変更処理等が行われる。
【0121】
次に、システム制御回路120は、画像処理回路123、液晶パネル表示部125に対して画像表示を開始するための画像表示処理設定を行う(ステップS132)。これにより、液晶表示パネル部125の表示パネル素子にステップS131で生成されたスリープモード用の表示データが出力される。
【0122】
次に、システム制御回路120は、バックライト照明部126を消灯する(ステップS133)。バックライト照明の消灯により大幅な消費電流の低減が可能となる。
【0123】
次に、システム制御回路120は、カメラ制御回路140に待機状態の命令を発行する。これにより、画像処理回路123、液晶パネル表示部125の画像表示処理、スリープモード解除となる操作部材131,132,133,134,又は135の各種スイッチ検出処理以外の処理を中断する。また、動作クロック周波数を低速に切り替え、低速動作モードに移行する(ステップS134)。これにより、システム制御回路120自体の消費電流を低減する。
【0124】
次に、システム制御回路120は、電源回路130の不要なブロックの電源供給を停止し(ステップS135)、ステップS136に進む。
【0125】
ステップS136では、システム制御回路120は、スリープモード解除となるウェイクアップに設定された各種スイッチのいずれかが押下されたか否かを判別する。この判別の結果、ウェイクアップに設定された各種スイッチのいずれかが押下されたときは、ステップS138に進み、ウェイクアップ動作を順次実行させる。一方、ウェイクアップに設定された各種スイッチのいずれかが押下されていないときは、ステップS137に進む。
【0126】
ステップS137では、電池残量が十分か否かを判別し、電池残量が十分でないときは、システム制御回路120内のメモリにエラー情報フラグを設定し、ステップS127に進む。一方、電池残量が十分であるときは、ステップS136に戻る。
【0127】
ステップS138では、ステップS135で停止された各ブロックへの電源供給を再開する。次に、システム制御回路120は、カメラ制御回路140に動作状態の命令を発行し、動作クロック周波数を高速に切り替え、高速動作モードに移行し、所定の処理を再開させる(ステップS139)。
【0128】
ステップS140では、システム制御回路120は、ステップS131でメモリ127に格納されたバックライト照明消灯モードでの表示データに対して、バックライト照明126の点灯時の輝度に応じた標準モード用の表示データを生成する。標準モード用の表示データは、メモリ127の所定の画像表示用格納領域へ転送される。尚、ステップS131において、既存の表示データをメモリ127の表示データ保管領域を確保してもよい。これにより、標準モード用の表示データを生成することなく、表示データ保管領域から画像表示用格納領域へ転送処理を行うことで、処理時間を短縮することができる。
【0129】
次に、システム制御回路120は、画像処理回路123、液晶パネル表示部125に対して画像表示を開始するための画像表示処理設定を行う(ステップS141)。これにより、液晶表示パネル部125の表示パネル素子にステップS140で生成された標準モード用の表示データが出力される。
【0130】
次に、システム制御回路120は、バックライト照明部126に点灯処理を行い(ステップS142)、本処理を終了して、ステップS111に戻る。尚、バックライト照明126の点灯時の輝度は、スリープモード移行前に設定されている輝度となる。
【0131】
図7の処理によれば、スリープモード用の表示データを生成する(ステップS131)ので、バックライト照明126の消灯時にも視認性及び表示品位を維持することができる。
【0132】
図8は、図4の電子撮像装置100における撮影条件の表示データを示す図であり、(a)はバックライト照明126の点灯時を示し、(b)はバックライト照明126の消灯時を示す。
【0133】
図8(a)において、標準モード用の表示データ400は、図5のステップS104、又は図6のステップS113の撮影条件設定処理において、液晶パネル表示部125に表示される。
【0134】
表示データ400は、シャッター144や絞り211の設定情報401、撮影ISO感度情報402、電源部130により判断された電池残量情報403、記録画質、ホワイトバランス、赤目緩和機能等の設定情報404を含む。また、表示データ400は、露出を決めるための測光モード情報405と、カメラ制御回路140が測光部142から取得した情報を元に選択された測光モード条件により判断した露出計411、外部着脱メモリ部128に装着されたCFカード等の記録媒体への記録可能枚数情報406を含む。
【0135】
また、表示データ400は、現在の日付時刻情報407、ホワイトバランスブラケット撮影の設定情報408、ホワイトバランス演算時の参照パラメータの設定情報409、撮影後の撮影画像を液晶パネル表示部125に表示するための設定情報410を含む。
【0136】
表示データ400は、多階調色を使用しており、使用文字数も多く、豊富な表現の構成になっている。また、表示データ400は、文字と背景色との輝度に差が少なく、低コントラストであるためバックライト照明を消灯し表示を続けた場合、文字やアイコンが読み取りにくくなる。
【0137】
図8(b)において、スリープモード用の表示データ500は、電子撮像装置100のスリープモード動作である図7のスリープモード処理において、液晶パネル表示部125に表示される。
【0138】
表示データ500は、表示データ400と比較して、表示項目が大幅に削減された構成になっている。また、表示データ500では、シャッター144や絞り211の設定情報501、電池残量情報502、記録媒体への記録可能枚数503、ホワイトバランス設定情報504が拡大強調されている。
【0139】
さらに、表示データ500では、表示項目削減により、項目ごとの説明文字を加えることが可能になっている。項目ごとの説明文字は、例えば、表示モードダイアル133の設定情報である「MANUAL MODE」、記録媒体の種類を示す「CF-CARD」、ホワイトバランスを示すWB、電池残量を示す「BATTERY MARK」等である。また、表示データ500では、使用される色は2色であり、輝度の差は高くなっている。このような表示データ500によれば、バックライト照明126を消灯した場合であっても文字やアイコンは読み取りやすくなる。
【0140】
尚、本実施の形態では、表示装置15は、電池による電源供給を想定した構成となっているが、太陽光やその他自発性エネルギーを電源とした構成としても問題ない。
【0141】
また、本実施の形態では、表示装置15、又は電子撮像装置100は、不揮発性メモリにプログラムや、表示データを備えた構成を想定しているが、ハードディスクやDVD−ROM、CD−ROM等による構成としても問題ない。
【0142】
また、本実施の形態では、電子撮像装置100は、レンズ交換デジタルカメラを想定した構成となっているが、レンズ一体型のコンパクトディジタルカメラのような構成としても問題ない。
【0143】
また、記録媒体は、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等だけでなく、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD−RやCD−WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても問題無い。
【0144】
また、外部着脱メモリ29は、複数の任意の個数接続可能な構成であっても構わない。
【0145】
また、本実施の形態では、電子撮像装置100に記録媒体を装着する構成として説明したが、記録媒体は単数又は複数のいずれの組み合わせの構成であっても問題無い。
【0146】
また、本実施の形態では、カメラ制御回路140、システム制御回路120は、独立した回路構成としているが、システム制御回路120により上記カメラ制御手段を兼ね備えた構成であっても問題ない。
【0147】
また、本実施の形態では、バックライト照明126の消灯時の表示データは、システム制御回路120に予め用意された表示データの構成に基づき生成するとしている。しかし、メニューの設定項目により表示データの構成をユーザーが任意に選択することとしても問題ない。
【0148】
上記の実施の形態で説明した処理、機能等は、いずれもコンピュータ読み取り可能なプログラム等で実現することもできる。
【0149】
この場合、上記の実施の形態で説明した処理、機能等は、システム又は装置に含まれるコンピュータ(CPU、MPU等でもよい)が上記のプログラム等を実行することによって実現されることになる。言い換えれば、上記のプログラム等が、システム又は装置に含まれるコンピュータに、上記の実施の形態で説明した処理、機能等を実行させることになる。また、この場合、上記のプログラム等は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体又はネットワークを介してシステム又は装置に含まれるコンピュータに提供されることになる。
【0150】
システム又は装置に含まれるコンピュータに上記のプログラム等を提供する記憶媒体には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、不揮発性メモリ等を用いることができる。
【0151】
また、上記のプログラム等は、その一部をコンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等を用いて構成してもよい。
【0152】
さらに、上記のプログラム等は、その一部をコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットで実行するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の実施の形態に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるシステム制御回路1により実行される液晶表示制御処理のフローチャートである。
【図3】図2の液晶表示制御処理の変形例のフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る表示装置を有する電子撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4におけるシステム制御回路120により実行される制御処理のフローチャートである。
【図6】図4におけるシステム制御回路120により実行される制御処理のフローチャートである。
【図7】図6のステップS123のスリープモード処理のフローチャートである。
【図8】図4の電子撮像装置100における撮影条件の表示データを示す図であり、(a)はバックライト照明126の点灯時を示し、(b)はバックライト照明126の消灯時を示す。
【符号の説明】
【0154】
1 システム制御回路
2 電源スイッチ
5 操作部材
6 タイマー制御部
7 画像表示処理部
8 液晶駆動回路
9 液晶パネル表示素子
10 照明輝度変更回路
11 バックライト照明
15 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置において、
前記照明手段の状態を制御する制御手段と、
前記照明手段の状態に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成する生成手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記照明手段の点灯時には第1の表示データを生成し、前記照明手段の消灯時には第2の表示データを生成することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記第1の表示データの色階調を変更することにより前記第2の表示データを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記第1の表示データのコントラストを変更することにより前記第2の表示データを生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記第1の表示データの色パレットを変更することにより前記第2の表示データを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記照明手段の輝度を多段階に変更し、前記生成手段は、前記照明手段の輝度に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置において、
前記照明手段の状態を制御する制御手段と、
前記照明手段の状態に応じて前記液晶表示手段に表示する表示データを変更する変更成手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記表示データの色階調を変更することを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記変更手段は、前記表示データのコントラストを変更することを特徴とする請求項7または8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記変更手段は、前記表示データの色パレットを変更することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記照明手段の輝度を多段階に変更し、前記変更手段は、前記照明手段の輝度に応じて前記液晶表示手段に表示する表示データを変更することを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項12】
表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置の表示方法において、
前記照明手段の状態を制御する制御ステップと、
前記照明手段の状態に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成する生成ステップとを備えることを特徴とする表示方法。
【請求項13】
表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置の表示方法において、
前記照明手段の状態を制御する制御ステップと、
前記照明手段の状態に応じて前記液晶表示手段に表示する表示データを変更する変更成ステップとを備えることを特徴とする表示方法。
【請求項14】
表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置で実行されるコンピュータ読み取り可能なプログラムにおいて、
前記照明手段の状態を制御する制御モジュールと、
前記照明手段の状態に基づいて前記液晶表示手段に表示する表示データを生成する生成モジュールとを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
表示データを表示する液晶表示手段と、前記液晶表示部を照明する照明手段とを備える表示装置で実行されるコンピュータ読み取り可能なプログラムにおいて、
前記照明手段の状態を制御する制御モジュールと、
前記照明手段の状態に応じて前記液晶表示手段に表示する表示データを変更する変更成モジュールとを備えることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−26546(P2008−26546A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198245(P2006−198245)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】