説明

表示装置及び表示方法

【課題】各色成分をストライプ配列した場合であっても、画像の位置ずれを認識しにくくできる表示装置及び表示方法を提供すること。
【解決手段】入力部70から入力された表示データを表示データ変換部80において変換してから信号ドライバ30に入力する。青色成分の階調データについては、その階調データに対応する輝度とその階調データに対応した座標の右隣に隣接する座標に対応した階調データに対応する輝度との平均輝度での表示がなされるように階調データの変換を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示画素が行方向及び列方向に配列されるとともに前記各表示画素が互いに異なる色成分に対応した複数のサブ画素を有し、互いに等しい色成分に対応した前記サブ画素が前記列方向に沿って連続するように配置されている表示装置及びその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置等の表示装置においては、赤、緑、青の3色の光を適宜混色させることによってカラー表示を行っている。このようなカラー表示を表示装置の表示画素毎に行えるようにするための提案として、表示画素毎に、赤色成分に対応したサブ画素と、緑色成分に対応したサブ画素と、青色成分に対応したサブ画素とを、例えば行方向に配列し、各色成分に対応した画像を空間分割的に表示する提案が各種なされている。このような表示装置では、列方向に隣接する表示画素間で、互いに同じ色成分に対応するサブ画素が隣接するように配置されるストライプ配列が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−18008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したような表示装置では、赤色成分に対応したサブ画素と、緑色成分に対応したサブ画素と、青色成分に対応したサブ画素は、当該表示装置の表示領域において異なる座標上に配置されている。そして、所定の表示画素において、赤色成分、緑色成分、青色成分のうちの何れか1つのみに対応する色の表示を行う際には、表示画素における3つのサブ画素のうちの1つのサブ画素でのみ高い輝度が得られるように表示が行われ、残りの2つのサブ画素では低い輝度となるように表示が行われる。このため、上述したようなストライプ配列の場合、例えば、列方向に延伸する直線であって、当該直線の色が行毎に赤色、緑色、青色の順に繰り返し異なっているような直線を表示させるときには、当該直線がジグザグに表示されてしまうという問題があった。即ち、表示させたい画像に対して、実際に表示される画像で位置ずれが生じてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、各色成分をストライプ配列した場合であっても、画像の位置ずれを認識しにくくする表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の表示装置は、複数の表示画素が行方向及び列方向に配列されるとともに前記各表示画素が互いに異なる色成分に対応した複数のサブ画素を有し、互いに等しい色成分に対応した前記サブ画素が前記列方向に沿って連続するように配置されている表示装置であって、所定の色成分の階調データを前記表示画素に対応した座標毎に取得する階調データ取得部と、前記階調データ取得部により取得された所定の色成分の階調データを、前記所定の色成分に対応したサブ画素の当該表示画素での配置位置側で且つ前記行方向に隣接した座標での前記所定の色成分の階調データに基づいて変換する階調データ変換部と、前記階調データ変換部により変換された階調データに対応する表示信号を、当該座標に対応するとともに前記所定の色成分に対応したサブ画素に供給するデータ供給部と、を具備することを特徴とする。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の表示方法は、複数の表示画素が行方向及び列方向に配列されるとともに前記各表示画素が互いに異なる色成分に対応した複数のサブ画素を有し、互いに等しい色成分に対応した前記サブ画素が前記列方向に沿って連続するように配置されている表示装置の表示方法であって、所定の色成分の階調データを前記表示画素に対応した座標毎に取得する階調データ取得ステップと、前記階調データ取得ステップにより取得された所定の色成分の階調データを、前記所定の色成分に対応したサブ画素の当該表示画素での配置位置側で且つ前記行方向に隣接した座標での前記所定の色成分の階調データに基づいて変換する階調データ変換ステップと、前記階調データ変換部により変換された階調データに対応する表示信号を、当該座標に対応するとともに前記所定の色成分に対応したサブ画素に供給するデータ供給ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、各色成分をストライプ配列した場合であっても、画像の位置ずれを認識しにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置の構成を示す図である。図1に示す液晶表示装置は、表示パネル10と、走査ドライバ20と、信号ドライバ30と、コモン信号生成回路40と、タイミングジェネレータ50と、電源回路60と、入力部70と、表示データ変換部80とを有している。
【0009】
表示パネル10は、一対の基板間に液晶を挟持しているとともに、図2に示すように、表示領域にカラー表示可能な複数の表示画素が行方向及び列方向に配列されている。各表示画素は、赤色成分に対応したサブ画素(以下、R画素)と、緑色成分に対応したサブ画素(以下、G画素)と、青色成分に対応したサブ画素(以下、B画素)とから構成されている。また、各表示画素では、行方向に沿って、所定の側からR画素、G画素、B画素の順に配列するように、3つのサブ画素が配置されている。即ち、R画素とB画素との間にG画素を挟むように、行方向に沿って、3つのサブ画素が配置されている。また、列方向に隣接する表示画素間では、互いに等しい色成分に対応したサブ画素が隣接するように配置されている。即ち、前記表示パネル10は、列方向に等しい色成分のサブ画素が連続配列される、所謂、ストライプ配列となるように、各表示画素または各サブ画素が配置されている。
【0010】
なお、表示パネル10は、一対の基板のうちの一方の基板上に、行方向に延伸するように配設された複数の走査ラインと、列方向に延伸するように配設された複数の信号ラインとが形成されているとともに、走査ラインと信号ラインとの交点毎に上述したサブ画素が1つ対応するように画素電極が形成されている。各画素電極は当該画素電極に対応した薄膜トランジスタ(TFT)を介して当該行に対応する走査ライン及び当該列に対応する信号ラインに接続されている。また、他方の基板上には、各サブ画素間で等しい電位に設定される共通電極が各画素電極に対向するように形成されているとともに、サブ画素毎に当該サブ画素に対応した色成分のカラーフィルタが形成されている。
【0011】
図3は、1つのサブ画素の等価回路を示す図である。図3に示す走査ラインGにはTFT11のゲート電極が接続され、信号ラインSにはTFT11のドレイン電極が接続されている。さらに、TFT11のソース電極には画素電極が接続されている。そして、画素電極と対向するように共通電極が配され、画素電極と共通電極との間に液晶が充填(挟持)されている。さらに、このようにして構成される液晶容量CLcdには蓄積容量Ccsが並列接続されている。このような構成において、画素電極と共通電極との間に電圧が印加されると、この電圧に応じて画素電極と共通電極との間に充填された液晶の配向状態が変化して液晶層中における光の透過率が変化する。これにより、図3に示すサブ画素の背面に配置された図示しない光源からの光の透過状態が変化してサブ画素毎の表示が行われる。そして、各サブ画素は、カラーフィルタによって、赤色、緑色、青色のうちで対応した色成分の光のみを透過させる。表示パネル10は、このような空間分割された3種のサブ画素からの光を混色させることによって各表示画素においてカラー表示が可能なように構成されている。
【0012】
走査ドライバ20は、表示パネル10における各走査ラインGが接続されるものであり、例えばタイミングジェネレータ50から出力される垂直制御信号Vsigや、水平制御信号Hsigに基づいて、各走査ラインに各TFT11を行毎に所定期間だけオン状態にする走査信号を出力する。
【0013】
信号ドライバ30は、表示パネル10における各信号ラインSが接続されるものであり、入力部70を介して外部から入力されて詳細は後述する表示データ変換部80によって変換された赤色、緑色、青色の各色成分に対応した階調データを例えばタイミングジェネレータ50から出力される水平制御信号Hsigに基づいて1行分の表示画素単位で取り込み、この取り込んだ各階調データに対応する表示信号Vsを生成して、それぞれを対応する信号ラインSに供給する。また、信号ドライバ30は、フレームの開始とともにタイミングジェネレータ50から入力される極性反転制御信号Polに応じて表示信号Vsの電圧レベルをある中心電圧を中心として反転させる。即ち、信号ドライバ30は、1画面分の表示データに対応した表示信号を表示パネル10に供給する毎に液晶に印加される電圧の極性が反転するように表示信号Vsの電圧レベルを切り換えるように構成されている。
【0014】
コモン信号生成回路40は、共通電極に接続されるものであり、フレームの開始とともにタイミングジェネレータ50から入力される極性反転制御信号Polに対応させて、電源回路60によって供給される2種類の共通電圧VcomH、VcomLを交互に選択することでコモン信号Vcomを生成して共通電極に供給する。
【0015】
タイミングジェネレータ50は、入力部70から入力される垂直同期信号に基づいて上述したような垂直制御信号Vsigや、極性反転制御信号Polを生成するとともに、入力部70から入力される水平同期信号に基づいて水平制御信号Hsigを生成し、生成した各制御信号をそれぞれ供給する。
【0016】
電源回路60は、走査ドライバ20、信号ドライバ30、コモン信号生成回路40における各種駆動電圧を生成して供給する。この電源回路60は、電源電圧Vccを昇圧する昇圧回路等を備えて構成されている。
【0017】
入力部70には、外部から表示データ(各色成分に対応した階調データ)、垂直同期信号、水平同期信号等からなる映像データが入力され、入力された表示データを表示データ変換部80へ、入力された垂直及び水平同期信号をタイミングジェネレータ50へ、それぞれ出力する。表示データ変換部80は、入力部70から入力された表示データの変換を行う。この表示データ変換部80の動作の詳細については後述する。
【0018】
次に、図1のような構成を有する表示装置の動作について説明する。
映像データが入力部70に供給されると、当該映像データに含まれる垂直同期信号及び水平同期信号を入力部70からタイミングジェネレータ50に供給する。タイミングジェネレータ50は、入力部70から供給される垂直同期信号に基づいて極性反転制御信号Pol及び垂直制御信号Vsigを生成する。そして、タイミングジェネレータ50によって生成された垂直制御信号Vsigは走査ドライバ20及び信号ドライバ30に出力され、極性反転制御信号Polは信号ドライバ30、コモン信号生成回路40、及び電源回路60に出力される。また、タイミングジェネレータ50は、入力部70から供給される水平同期信号に基づいて水平制御信号Hsigを生成する。そして、タイミングジェネレータ50によって生成された水平制御信号Hsigは走査ドライバ20及び信号ドライバ30に出力される。
【0019】
走査ドライバ20に垂直制御信号Vsigが入力されると、走査ドライバ20は当該フレームにおける走査ラインの走査を開始する。また、信号ドライバ30に垂直制御信号Vsigが入力されると、信号ドライバ30は当該フレームにおける表示データに対応した表示信号の信号ラインへの供給を開始する。
【0020】
各フレームにおいて走査ドライバ20は、1行分のTFT11毎に各TFT11をオン状態とするために、水平制御信号Hsigに同期させて、最前段の走査ラインから最後段の走査ラインまで順に、走査ラインに出力する走査信号の電圧レベルを所定の期間だけゲートオフ電圧VGLからゲートオン電圧VGHに切り換える。
【0021】
ここで、映像データに含まれる表示データは、入力部70から表示データ変換部80に供給される。表示データ変換部80は入力部70から供給された表示データに対して所定の変換を行って信号ドライバ30に出力する。そして、信号ドライバ30は、走査ドライバ20が走査信号によってTFT11をオン状態にするサブ画素に対応した変換後の表示データに基づく表示信号Vsを信号ラインSに供給する。
【0022】
コモン信号生成回路40は、互いに異なる電圧レベルの共通電圧VcomLとVcomHとを、タイミングジェネレータ50から供給される極性反転制御信号Polに対応させて切り換えることにより交互に共通電極に印加する。ここで、コモン信号生成回路40は、正極期間(Vs>Vcomとする期間)ではVcomLを供給し、負極期間(Vs<Vcomとする期間)ではVcomHを供給する。即ち、コモン信号生成回路40は、コモン信号Vcomの振幅中心電圧に対して正極側の電圧レベルであるVcomHを、液晶に印加される電圧が負極性になる表示信号を信号ドライバ30が信号ラインに供給する期間である負極期間に出力する。また、コモン信号生成回路40は、負極側の電圧レベルであるVcomLを、液晶に印加される電圧が正極性になる表示信号を信号ドライバ30が信号ラインに供給する期間である正極期間に出力する。
【0023】
そして、各サブ画素においては、対応するTFT11に走査信号としてゲートオン電圧VGHが供給された際にオン状態になったTFT11を介して信号ラインSから画素電極に表示信号Vsが印加されるととともに、その後、走査信号としてゲートオフ電圧VGLが供給されることにより画素電極に表示信号Vsが画素電極電位Vs’として保持される。これにより、画素電極電位Vs’とコモン信号Vcomとの差に応じた電圧が液晶に印加されるとともに、この電圧に応じて液晶の配向状態が変化して液晶層中における光の透過率が変化し、当該サブ画素での輝度表示(階調表示)が行われる。
【0024】
なお、液晶に印加された電圧は次の表示信号Vsの印加時まで(即ち、次のフレームにおいてTFT11が再びオン状態となるまで)、補助容量Ccsに蓄積された電荷によって保持される。
【0025】
以下、表示データ変換部80による表示データの変換について詳述する。上述したように、本実施形態においては表示画素毎の空間分割的なカラー表示が可能である。そして、これに伴って表示データも、各表示画素に対応した座標毎に、R画素の表示に係る階調データ(以下、Rデータ)と、G画素の表示に係る階調データ(以下、Gデータ)と、B画素の表示に係る階調データ(以下、Bデータ)とから構成されている。
【0026】
なお、信号ドライバ30に供給される階調データ、即ち各階調レベルDとサブ画素での表示輝度L(D)との関係は、以下の関係式、即ち(数1)によって予め設定されているものとする。
(数1)
L(D)=(D/Dmax)γ×L(Dmax)
ここで、例えば、階調データを8ビットのデータとした場合には、D=0,1,・・・,255であり、Dmax=255であり、L(Dmax)は階調データが最大値の255であるときの輝度である。また、γは階調データにおける各階調レベルDとサブ画素での表示輝度L(D)との関係を示す係数であり、人間の視感度に基づくと大凡2.2に設定されていることが好ましい。
【0027】
そして、このような関係式に従った輝度が各サブ画素で得られるように、さらに、各階調データDに対応した表示信号Vs(画素電極電位Vs’)が信号ドライバ30に予め設定されているものとする。
【0028】
本実施形態においては、入力部70からの表示データを表示データ変換部80において以下のように変換した後、変換によって新たに生成した表示データを信号ドライバ30に供給する。そして、信号ドライバ30はこの新たな表示データに対応した表示信号Vsを信号ラインSに供給する。
【0029】
(数2)
D'(i,j)=D(i,j)
(数3)
D'(i,j)=D(i,j)
(数4)
D'(i,j)=Dmax[{(D(i,j)/Dmax)γ}/2+{(D(i,j+1)/Dmax)γ}/2]1/γ
ここで、D(i,j)は変換前のRデータを示し、D'(i,j)は変換後のRデータを示している。また、D(i,j)は変換前のGデータを示し、D'(i,j)は変換後のGデータを示している。また、D(i,j)は変換前のBデータを示し、D'(i,j)は変換後のBデータを示している。さらに、(i,j)はi行j列目の表示画素に対応したサブ画素に入力される階調データであることを示している。
【0030】
(数2)、(数3)に示すように、表示データ変換部80は、RデータとGデータについては入力部70から入力された階調データをそのまま信号ドライバ30に供給する。
【0031】
また、(数4)に示すように、Bデータについては、入力部70から入力される所定の座標(i,j)に対するオリジナルデータとしてのBデータとこの所定の座標(i,j)の右側の座標(i,j+1)に対するオリジナルデータとしてのBデータとに基づいて、所定の座標(i,j)の表示画素に対応する新たなBデータを導出し、信号ドライバ30に供給する。
【0032】
即ち、所定の座標(i,j)に対するオリジナルデータとしてのBデータにより得られる輝度と、この所定の座標(i,j)の右側の座標(i,j+1)に対するオリジナルデータとしてのBデータにより得られる輝度との平均輝度が得られる階調データを導出し、当該導出した新たなBデータを座標(i,j)でのBデータとして信号ドライバ30に供給する。なお、表示領域の右端における表示画素に対応するB画素については、その右側には表示画素が存在しないため、以下の何れかの処理を行う。
(1) 入力部70から入力されたBデータをそのまま信号ドライバ30に供給する
(2) 入力部70から入力されたBデータに対応した輝度とBデータ=0(最小の階調レベル)に対応した輝度との平均輝度が得られる階調データを信号ドライバ30に供給する
(3) Bデータ=0に対応した表示とする
以下、上述した本実施形態の手法の具体例をデータ変換しない場合と比較しながら説明する。なお、表示パネル10は、図2に示した画素配列を有するものとする。また、入力部70から表示データ変換部80に入力される表示データを各座標(i,j)に対応させて(D,D,D)として表した場合に、座標(1,1)=(0,0,0)、座標(1,2)=(0,0,0)、座標(1,3)=(0,0,0)、座標(1,4)=(0,0,0)、座標(1,5)=(0,0,0)、座標(1,6)=(0,0,0)、座標(2,1)=(0,0,0)、座標(2,2)=(0,0,0)、座標(2,3)=(255,0,0)、座標(2,4)=(255,0,0)、座標(2,5)=(0,0,0)、座標(2,6)=(0,0,0)、座標(3,1)=(0,0,0)、座標(3,2)=(0,0,0)、座標(3,3)=(0,255,0)、座標(3,4)=(0,255,0)、座標(3,5)=(0,0,0)、座標(3,6)=(0,0,0)、座標(4,1)=(0,0,0)、座標(4,2)=(0,0,0)、座標(4,3)=(0,0,255)、座標(4,4)=(0,0,255)、座標(4,5)=(0,0,0)、座標(4,6)=(0,0,0)、座標(5,1)=(0,0,0)、座標(5,2)=(0,0,0)、座標(5,3)=(0,0,0)、座標(5,4)=(0,0,0)、座標(5,5)=(0,0,0)、座標(5,6)=(0,0,0)、座標(6,1)=(0,0,0)、座標(6,2)=(0,0,0)、座標(6,3)=(0,0,0)、座標(6,4)=(0,0,0)、座標(6,5)=(0,0,0)、座標(6,6)=(0,0,0)のように、各座標に対して表示データが入力されるものとする。なお、iは行番号、jは列番号を示している。
【0033】
このような表示データが入力され、表示データ変換部80がデータ変換を一切実行しない場合には、図4に示すような表示がなされる。即ち、座標(2,3)、座標(2,4)、座標(3,3)、座標(3,4)、座標(4,3)及び座標(4,4)における表示画素で比較的高輝度表示が得られ、他の表示画素では比較的低輝度表示が得られる。そして、座標(2,3)及び座標(2,4)における表示画素では当該表示画素の左端に位置するR画素のみで高輝度表示が得られ、座標(3,3)及び座標(3,4)における表示画素では当該表示画素の中央に位置するG画素のみで高輝度表示が得られ、座標(4,3)及び座標(4,4)における表示画素では当該表示画素の右端に位置するB画素のみで高輝度表示が得られることとなる。従って、このような場合には、列方向において同じ位置にあるべき画像が傾いた画像として表示されることになり、画像の位置ずれが認識されやすいものとなってしまう。
【0034】
一方、表示データ変換部80が、Bデータに対して(数4)に従った変換を実行すると、各座標(i,j)に対する新たな表示データ(d',d',d')は、座標(1,1)=(0,0,0)、座標(1,2)=(0,0,0)、座標(1,3)=(0,0,0)、座標(1,4)=(0,0,0)、座標(1,5)=(0,0,0)、座標(1,6)=(0,0,0)、座標(2,1)=(0,0,0)、座標(2,2)=(0,0,0)、座標(2,3)=(255,0,0)、座標(2,4)=(255,0,0)、座標(2,5)=(0,0,0)、座標(2,6)=(0,0,0)、座標(3,1)=(0,0,0)、座標(3,2)=(0,0,0)、座標(3,3)=(0,255,0)、座標(3,4)=(0,255,0)、座標(3,5)=(0,0,0)、座標(3,6)=(0,0,0)、座標(4,1)=(0,0,0)、座標(4,2)=(0,0,186)、座標(4,3)=(0,0,255)、座標(4,4)=(0,0,186)、座標(4,5)=(0,0,0)、座標(4,6)=(0,0,0)、座標(5,1)=(0,0,0)、座標(5,2)=(0,0,0)、座標(5,3)=(0,0,0)、座標(5,4)=(0,0,0)、座標(5,5)=(0,0,0)、座標(5,6)=(0,0,0)、座標(6,1)=(0,0,0)、座標(6,2)=(0,0,0)、座標(6,3)=(0,0,0)、座標(6,4)=(0,0,0)、座標(6,5)=(0,0,0)、座標(6,6)=(0,0,0)となり、図5に示すような表示がなされる。即ち、表示データ変換部80がデータ変換を一切実行しない場合と比較すると、座標(4,2)の表示画素ではB画素の輝度が高くなるように表示されるととともに、座標(4,4)の表示画素におけるB画素の輝度が低くなるように表示される。このため、列方向において、青色成分からなる画像の中心位置が赤色成分からなる画像の中心位置に近づき、画像の位置ずれが認識しにくくなる。ただし、青色成分からなる画像を意図的にぼやけさせているため、青色成分からなる画像の解像度については低下する。しかしながら、可視光の短波長側(即ち青側)における視感度は低いので、この解像度の低下による実質的な画質への影響は小さい。
【0035】
なお、上述の実施形態では、各表示画素において、R画素、G画素、B画素が、左側から順に配列され、表示データ変換部80が、座標(i,j)におけるBデータに対してその右側の座標(i,j+1)に対応するBデータに基づいて変換する場合について説明したが、各表示画素において、R画素、G画素、B画素が、右側から順に配列され、表示データ変換部80が、座標(i,j)におけるBデータに対してその左側の座標(i,j−1)に対応するBデータに基づいて変換する構成としてもよい。即ち、各表示画素において、R画素、G画素、B画素が、右側から順に配列される場合には、(数5)に従ってBデータを変換する構成としてもよい。
【0036】
(数5)
D'(i,j)=Dmax[{(D(i,j)/Dmax)γ}/2+{(D(i,j−1)/Dmax)γ}/2]1/γ
また、上述の例では全ての表示画素をR画素、G画素、B画素の3つのサブ画素から構成しているが、図6に示すように、右端の表示画素についてはB画素を除去しておくようにしても良い。
【0037】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。例えば、上述した実施形態では表示装置が液晶表示装置である例について説明したが、必ずしも液晶表示装置に限定するものではない。即ち、1つの表示画素が例えばR画素、G画素、B画素の3つのサブ画素から構成され、且つこの表示画素が2次元に配列された表示パネルを有する各種の表示装置に本実施形態の手法を適用できる。
【0038】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の一例としての液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における表示パネルの画素配列について示した図である。
【図3】1つのサブ画素の等価回路を示す図である。
【図4】従来の手法を用いた場合に表示される画像の例を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態の手法を用いた場合に表示される画像の例を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示装置を備える表示装置の変形例を示した図である。
【符号の説明】
【0040】
10…表示パネル、20…走査ドライバ、30…信号ドライバ、40…コモン信号生成回路、50…タイミングジェネレータ、60…電源回路、70…入力部、80…表示データ変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示画素が行方向及び列方向に配列されるとともに前記各表示画素が互いに異なる色成分に対応した複数のサブ画素を有し、互いに等しい色成分に対応した前記サブ画素が前記列方向に沿って連続するように配置されている表示装置であって、
所定の色成分の階調データを前記表示画素に対応した座標毎に取得する階調データ取得部と、
前記階調データ取得部により取得された所定の色成分の階調データを、前記所定の色成分に対応したサブ画素の当該表示画素での配置位置側で且つ前記行方向に隣接した座標での前記所定の色成分の階調データに基づいて変換する階調データ変換部と、
前記階調データ変換部により変換された階調データに対応する表示信号を、当該座標に対応するとともに前記所定の色成分に対応したサブ画素に供給するデータ供給部と、
を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記各表示画素が、前記行方向の何れか一方の側から、赤色成分に対応したサブ画素、緑色成分に対応したサブ画素、青色成分に対応したサブ画素、の順に配置された3つのサブ画素を有し、
前記所定の色成分が前記青色成分であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記階調データ変換部は、対応するサブ画素での輝度が変換前の階調データに対応した輝度と前記隣接した階調データに対応した輝度との平均輝度になるように階調データを変換することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の表示画素が行方向及び列方向に配列されるとともに前記各表示画素が互いに異なる色成分に対応した複数のサブ画素を有し、互いに等しい色成分に対応した前記サブ画素が前記列方向に沿って連続するように配置されている表示装置の表示方法であって、
所定の色成分の階調データを前記表示画素に対応した座標毎に取得する階調データ取得ステップと、
前記階調データ取得ステップにより取得された所定の色成分の階調データを、前記所定の色成分に対応したサブ画素の当該表示画素での配置位置側で且つ前記行方向に隣接した座標での前記所定の色成分の階調データに基づいて変換する階調データ変換ステップと、
前記階調データ変換部により変換された階調データに対応する表示信号を、当該座標に対応するとともに前記所定の色成分に対応したサブ画素に供給するデータ供給ステップと、
を有することを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−97071(P2010−97071A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268893(P2008−268893)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】