表示装置
【課題】コントラスト比を向上させて、視認性を大きく向上させることができる表示装置を提供する。
【解決手段】第1偏光板1の偏向軸AX1と第2偏光板2の偏向軸AX2とが平行状態の場合には、バックライト3からの出射光Lが透過し、第1偏光板1の偏向軸AX1と第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交状態の場合には、バックライト3からの出射光Lはほぼ遮光される。但し、文字や目盛りは、1/2λ位相差板11で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライト3からの出射光Lは、第1偏光板1とは偏向方向が逆転する。このような作用において、バックライト3からの出射光が遮光されたときには、従来の擬似的な黒とは異なり、限りなく黒色に近い色で視認される。
【解決手段】第1偏光板1の偏向軸AX1と第2偏光板2の偏向軸AX2とが平行状態の場合には、バックライト3からの出射光Lが透過し、第1偏光板1の偏向軸AX1と第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交状態の場合には、バックライト3からの出射光Lはほぼ遮光される。但し、文字や目盛りは、1/2λ位相差板11で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライト3からの出射光Lは、第1偏光板1とは偏向方向が逆転する。このような作用において、バックライト3からの出射光が遮光されたときには、従来の擬似的な黒とは異なり、限りなく黒色に近い色で視認される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、偏光板と位相差板とを組み合わせることにより視認性を向上させた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置は、視認性を考慮して、昼間には白色文字盤に黒文字、夜間には黒色文字盤に白色文字を表示する、いわゆる白黒反転メータを実現するようにしている。図25は、この種の従来の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。図26は、この種の従来の表示装置の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【0003】
この種の表示装置は、例えば、図25に示すように、見返し93から露呈した白色の文字盤91に、指針92により指示される透過型の文字や目盛りが形成されている。
【0004】
昼間には、図25に示すように、文字や目盛りを黒く見せるために、文字や目盛りの外周を黒色で縁取るか、透過部にスモーク板を入れるようにしている。夜間には、周囲が暗くなるために、図26に示すように、白色の文字盤に対して照明を行わないことで文字盤を擬似的に黒色に見せ、文字や目盛りに対しては背面からの白色の照明を透過させることで白色に見せるようにしている。
【0005】
なお、偏光板を用いた表示装置に関する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】実開平6−885号公報
【特許文献2】特開平10−301103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、昼間には、強い外光が入射した場合、本来黒色に見せたい文字や目盛りの透過部から、背面の照明部が見えてしまう。例えば、白濁色の拡散板を使用しているときには、その色が見えてしまう。
【0007】
また、薄暮時には、バックライトを点灯した場合、完全に周囲が暗くなっていないため、文字盤の地色である白色が見えた状態になる。また、文字や目盛りもバックライトにより、白色が透過された状態になる。この結果、薄暮時には、文字や目盛りと文字盤とのコントラストが非常に低い状態になるため、文字や目盛りの視認性が低下してしまう。
【0008】
更に、夜間には、白色の文字盤を擬似的に黒色に見せているが、外光が入射したとき、図26の参照番号94で示すように、そこだけ、文字盤の地色である白色が見えた状態になる。このため、白色の文字や目盛りが見えにくくなるため、視認性が低下してしまう。
【0009】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、コントラスト比を向上させて、視認性を大きく向上させることができる表示装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の表示装置は、所定色で光輝する光源から構成されるバックライトと、前記バックライトの前面に配置され、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板と、前記バックライトと前記第1偏光板との間、又は、前記第1偏光板の前面に配置された第2偏光板と、前記第1偏光板の偏向軸と前記第2偏光板の偏向軸との関係を平行状態又は直交状態に変化させる偏光板制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが平行状態の場合には、バックライトからの出射光が透過し、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが直交状態の場合には、バックライトからの出射光はほぼ遮光される。但し、文字や目盛りは、1/2λ位相差板で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライトからの出射光は、第1偏光板とは偏向方向が逆転する。このような作用において、バックライトからの出射光が遮光されたときには、従来の擬似的な黒とは異なり、限りなく黒色に近い色で視認される。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の表示装置は、請求項1記載の表示装置において、前記第1偏光板は固定され、前記第2偏光板が前記偏光板制御手段により変化される、ことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板が固定され、第2偏光板が偏光板制御手段により変化されるので、偏光板の制御が容易になる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の表示装置は、請求項2記載の表示装置において、前記バックライトは白色で光輝する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、バックライトは白色で光輝するので、バックライトからの出射光の遮光時の限りなく黒色に近い色とのコントラスト比が最高になる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の表示装置は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、前記ホルダーの外周に形成されたウォームホイールと、を更に備え、前記偏光板制御手段は、駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達されてホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、最終段のウォームギアで減速を大きくすることができるため、他のギアによる減速を小さく、ギアの枚数を抑えることができる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の表示装置は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、前記ホルダーの外周に形成されたホルダーギアと、を更に備え、前記偏光板制御手段は、駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、ことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達されて、ホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、構成が簡単になるうえ、汎用のギアを流用できる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の表示装置は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、前記第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、前記第3偏光板の偏向軸を前記第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、第3偏光板の偏向軸を第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置するようにしているので、表示優先度及び強調等をつけることが可能になる。
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の表示装置は、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置において、多眼メータに適用され、前記第1偏光板、前記第2偏光板及び前記第3偏光板は、前記多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられている、ことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、第1偏光板、第2偏光板及び第3偏光板は、多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられているので、コンビネーションメータにおいて、視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが平行状態の場合には、バックライトからの出射光が透過し、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが直交状態の場合には、バックライトからの出射光はほぼ遮光される。但し、文字や目盛りは、1/2λ位相差板で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライトからの出射光は、第1偏光板とは偏向方向が逆転する。このような作用において、バックライトからの出射光が遮光されたときには、従来の擬似的な黒とは異なり、限りなく黒色に近い色で視認される。したがって、平行状態又は直交状態のいずれにおいてもコントラスト比が向上し、視認性が大きく向上する。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板が固定され、第2偏光板が偏光板制御手段により変化される。したがって、平行状態又は直交状態のいずれにおいてもコントラスト比が向上し、視認性が向上するという効果に加えて、偏光板の制御が容易になるという効果が付加される。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、バックライトは白色で光輝するので、バックライトからの出射光の遮光時の限りなく黒色に近い色とのコントラスト比が最高になる。したがって、視認性がより向上する。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達されてホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、最終段のウォームギアで減速を大きくすることができるため、他のギアによる減速を小さく、ギアの枚数を抑えることができる。したがって、構成が簡易になるという効果が付加される。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達されて、ホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、構成が簡単になるうえ、汎用のギアを流用できる。したがって、コスト面で有利になるという効果が付加される。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、第3偏光板の偏向軸を第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置するようにしている。したがって、クロノグラフ調のメータ装置が実現できるようになり、表示優先度及び強調等をつけることが可能になる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、第1偏光板、第2偏光板及び第3偏光板は、多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられている。したがって、現在最も普及しているコンビネーションメータにおいて、視認性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。図2は、本発明の実施形態の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【0032】
本発明の表示装置も、基本的に、昼間には白色文字盤に黒文字、夜間には黒色文字盤に白色文字を表示する、いわゆる白黒反転メータを実現するようにしている。実施形態の表示装置は、例えば、図1に示すように、黒色の見返し30から露呈した白色の文字盤10に、指針20により指示される透過型の文字や目盛りを形成している。なお、ここでいう文字には、数字も含まれるものとする。
【0033】
この理由を補足すると、昼間には、周囲が明るく、ときには、強い外光が表示装置内に入射することがある。強い外光が入射したときでも、文字や目盛りの視認性を確保するために、文字や目盛りを黒色とし、外光入射時でもコントラストを大きくしている。また、昼間に常時所定のコントラストを確保するために、文字盤は白色とする。よって、昼間には、白色文字盤に黒文字が視認されるようにする。
【0034】
夜間には、周囲が暗く、表示装置内も暗くなるため、コントラストを大きくとるためには、文字や目盛りは白色であることが好ましい。また、昼間ほどでないにしても、強い外光が入射したとき、文字盤が黒色であれば、コントラストを確保することが可能になる。よって、夜間には、黒色文字盤に白色文字が視認されるようにする。
【0035】
更に、本発明の表示装置では、上記コントラストをより明確に視認させるために、以下のような原理を利用する。図3(A)及び図3(B)は、本発明の表示装置の原理を説明するための図である。図4(A)及び図4(B)は、本発明の表示装置による表示イメージを示す図である。
【0036】
図3(A)に示すように、本発明の表示装置では、第1偏光板1及び第2偏光板2を含んで構成される。特に、第1偏光板1には、1/2λ位相差板11で構成される文字や目盛りが貼り付けられて構成されている。1/2λ位相差板11は、文字や目盛りの形状にカットされ、例えば、両面テープや粘着剤、接着剤等で第1偏光板1に貼り付けられている。第1偏光板1の偏向軸AX1は固定されており、第2偏光板2の偏向軸AX2は、図中、矢印Rで示すように、偏向軸AX1と平行する状態と偏向軸AX1と直交する状態の間で、回転可能である。
【0037】
そして、偏向軸AX2が偏向軸AX1と平行の場合には、バックライト3からの出射光Lを透過し、偏向軸AX2が偏向軸AX1と直交する場合には、バックライト3からの出射光Lをほぼ遮光する。また、1/2λ位相差板は、延伸軸を偏向軸から45゜傾けた位置に合わせることで、偏向方向を変えることができる(例えば、P偏向をS偏向に変えることができる)。本発明では、これらの原理を用いる。
【0038】
なお、文字や目盛りの形状にカットして1/2λ位相差板11を構成して第1偏光板1に貼り付ける替わりに、図3(B)に示すように、第1偏光板1と同形状の円盤シート上の1/2λ位相差板11′を第1偏光板1に貼り付けるようにしてもよい。この1/2λ位相差板11′では、文字や目盛りの形状がくり抜かれて構成される。なお、図3(A)及び図3(B)のいずれにおいても、要するに、文字や目盛りの偏向方向と盤面の偏向方向とが逆転すればよい。図3(B)においては図示しないが、第2偏光板2及びバックライト3は図3(A)と同様である。
【0039】
図3に図4(A)及び図4(B)を加えて、より具体的に説明すると、図3(A)において、第1偏光板1の偏向軸AX1と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが平行の場合、バックライト3からの出射光Lは透過する。偏光板の材質、種類にも依存するが、例えば、透過率は約32%程度である。ここで、文字や目盛りは、1/2λ位相差板で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライト3からの出射光Lは、偏向方向が逆転し、この文字や目盛りだけほぼ遮光される。偏光板の材質、種類にも依存するが、例えば、透過率は0.1〜1%程度である。したがって、このときには、図4(A)に示すように、バックライト3の色が透過された文字盤10(第1偏光板1及び第2偏光板2から構成される)に黒色の文字や目盛りが表示される。なお、この黒色は、正確には、完全な黒ではないが、両偏光板を直交させたときの限りなく黒色に近い色であり、以降この色を単に黒色とよぶ。
【0040】
これに対して、図3(A)において、第1偏光板1の偏向軸AX1と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交する場合、バックライト3からの出射光Lは文字や目盛りを透過し、文字盤10で遮光される。したがって、このときには、図4(B)に示すように、黒色の文字盤10にバックライト3の色が透過された文字や目盛りが表示される。
【0041】
例えば、白色のバックライト3を使用すれば、第1偏光板1と第2偏光板2との偏向軸の関係を変化させる(平行又は直交させる)ことにより、白黒反転の文字盤を実現できる。
【0042】
なお、図3(A)の替わりに、図3(B)の構成を用いる場合には、上記図4(A)及び図4(B)の状態が逆転する。すなわち、第1偏光板1の偏向軸AX1と第2偏光板2の偏向軸AX2とが平行の場合、図4(B)に示すような状態になり、第1偏光板1の偏向軸AX1と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交する場合、図4(A)に示すような状態になる。
【0043】
なお、本表示装置を車載する場合、偏向サングラス対策も必要となる。偏向サングラスの偏向軸と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交した場合、文字盤上の表示が全く見えなくなってしまう。これを防ぐために、偏向軸AX2がいかなる状態においても、偏向サングラスの偏向軸と直交しないようにすることが必要である。通常、偏向サングラスの偏向軸は、文字盤面と垂直方向であるため、偏向軸が直交しないように、第1偏光板1の偏向軸を、45゜又は135゜になるように設定することが好ましい。
【0044】
上記原理を利用した本発明の表示装置によると、従来のような擬似的な黒色ではなく、限りなく黒に近い黒色が視認される。このため、明確なコントラストで視認されるようになる。上記構成の表示装置において、背面のバックライト3から照明を行った場合、透過部位の透過率は約32%となり、遮光部位の透過率は約1%となるので、コントラスト比は約32:1となる。なお、外光が入射したときの、表面反射率を5%程度に想定すると、現実的なコントラスト比は約37:6となるので、これに備えて、表面にARコート等の無反射処理を施すことが好ましい。
【0045】
続いて、図5〜図8を用いて、本表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す。図5〜図8はそれぞれ、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。なお、図5〜図8は側断面図に相当する。
【0046】
上述したように、本発明の表示装置では、偏向軸AX2を変化させるため、第2偏光板2を回転させる必要があるが、第1偏光板1と第2偏光板2との前後関係は、上記原理からして問題とはならない。また、文字や目盛りを構成する1/2λ位相差板11が貼り付けられていない方の偏光板である、第2偏光板2を回転させるようにする。
【0047】
これらを前提とすると、図5及び図6に示すように、第1偏光板1と第2偏光板2との前後関係(図中、上方を前とする)は、任意である。また、図7及び図8に示すように、任意の前後関係で設置された第1偏光板1と第2偏光板2との間に、指針20を配置するようにしてもよい。参照番号3はバックライトを示す、参照番号40は指針を回転させるためのモータを示す。
【0048】
図5〜図8において、バックライト3を常時白色点灯させておけば、コントラスト比の良好な、昼間には白色文字盤+黒色文字、夜間には黒色文字盤+白色文字の表示が実現できる。また、夜間に、白色文字がまぶし過ぎる場合に備えて、昼間のバックライト輝度よりも減光できるようにしておくことが好ましい。また、同様に、昼間に、白色文字盤がまぶし過ぎる場合に備えて、バックライト輝度を減光できるようにしておくことが好ましい。更に、バックライトが暗すぎる場合に備えて、増光もできるようにしておくと、より好ましい。なお、第2偏光板2の回転は、ランプ類の点灯/消灯操作に同期させて行うようにするとよい。以降の実施形態においても同様である。
【0049】
続いて、図9〜図15を用いて、本表示装置を、車載メータに組み込んだ場合のより詳細な実施形態を示す。図9は、本発明の実施形態の表示装置に係る第1偏光板の構成を示す正面図である。図10(A)及び図10(B)はそれぞれ、本発明の実施形態の表示装置に係る第2偏光板の構成を示す正面図及び斜視図である。図11は、本発明の実施形態の表示装置に係る偏光板駆動機構を示す斜視図である。図12は、本発明の実施形態の表示装置に係る他の偏光板駆動機構を示す斜視図である。図13は、図12に示した実施形態を拡張した実施形態を示す正面図である。図14は、図11に示したタイプの偏光板駆動機構を車載メータ内に組み込んだ場合の構成を示す分解斜視図である。図15は、図14の車載メータの側断面図である。
【0050】
図9に示すように、第1偏光板1は、1/2λ位相差板11で構成される文字や目盛りが貼り付けられて構成されている。1/2λ位相差板11は、図3(A)で説明したように、文字(数字も含む)や目盛りの形状にカットされ、例えば、両面テープや粘着剤、接着剤等で貼り付けられている。勿論、図3(B)で説明したように、文字や目盛りの形状をくり抜いて構成してもよい。
【0051】
また、図10(A)及び図10(B)に示すように、第2偏光板2は、リング状のホルダー21で保持するようにする。これは、第2偏光板2は回転させる必要があるが、第2偏光板2自体にギアやストッパ等を形成するのが難しいためのである。そこで、リング状のホルダー21にギアやストッパ等を形成して、ホルダー21ごと第2偏光板2を回転させるようにする。
【0052】
このように構成された第1偏光板1及び第2偏光板2は、図11に示すような、ウォームギア51を利用した偏光板駆動機構として具現化される。ここでは、図11に示すように、例えば、速度計及び回転計に対応する2眼メータを想定している。図9及び図10を用いて説明したような構成の第1偏光板1及び第2偏光板2が組み合わされ、図11に示すように、指針20が取り付けられている。
【0053】
図11において、モータ53による動力は、かさ歯車を持つ連結シャフト52を介して、メインシャフト51に伝達される。このとき、必要であれば減速される。メインシャフト51上にはウォームギア51gを設置し、ホルダー21をウォームホイールとなるようにギアを形成する。このような構成により、モータ53による動力で、第2偏光板2を回転させることが可能になる。この機構を用いると、最終段のウォームギアで減速を大きくすることができるため、他のギアによる減速を小さく、ギアの枚数を抑えることができる。
【0054】
2眼メータであるので、メインシャフト51上には、ウォームギアが2箇所配置されており、2眼メータに対応する同等構成の2つの第2偏光板2が同期して回転されるようになっている。回転速度を同期させるために、ウォームホイールを構成する2つのホルダー21や関連モジュールは共通化されている。1つのモータで同じメインシャフトにより、ウォームギアを動かすようにしているので、同期に関して問題が発生することはない。なお、2眼メータのみならず、これより多い多眼メータも同様の機構が適用可能である。
【0055】
また、第1偏光板1及び第2偏光板2は、図12に示すような、平歯車を利用した偏光板駆動機構として具現化してもよい。図11において、モータ56による動力は、ギア54a、連結シャフト55、ギア54bを介して、ホルダー21に伝達される。モータ56による動力は、ギア54a等により減速し、適切な回転数及びトルクが得られるようにする。ホルダー21の外周には、ギア54b(請求項の出力ギアに対応)に対応するギア(請求項のホルダーギアに対応)が形成されている。この構成を用いると、構成が簡単になるうえ、汎用のギアを流用できるので、コスト面で有利になる。
【0056】
2眼メータに対応させる場合には、図13に示すように、図12で示した連結シャフト55からの動力を、ギア54b及び54b′によって分配することで、2眼メータに対応する同等構成の2つの第2偏光板2を同期して回転させることが可能になる。図13では、センターでモータ動力を分配しているが、ギアの場合には配置の自由度が比較的高いため、各ギアの位置は変更可能である。なお、2眼メータのみならず、これより多い多眼メータも同様の機構が適用可能である。また、ウォームホイールや平歯車を利用したタイプの駆動機構以外の駆動機構であってもよい。
【0057】
上記図11に示したウォームギアタイプの偏光板駆動機構は、図14及び図15に示すように、車載メータ内に組み込むことができる。図14及び図15において、基板41には、第2偏光板2を回転させるためのモータ59(図14では不図示)等が搭載されている。また、基板42には、指針20を回転させるためのモータ40(図14では不図示)、バックライトとなる光源32(例えば、LED)及びこの光源32からの出射光を導光する導光板31等が搭載されている。
【0058】
モータ59による動力は、連結シャフト58、メインシャフト57を介して、ホルダー21に伝達される。ホルダー21は第2偏光板2を保持し、その上には第1偏光板1が重積されている。更にこの上には、見返し30が取り付けられ、モータ40の回転軸には指針20の軸が挿通されている。いうまでもなく、第2偏光板2はホルダー21と共に回転するが、第1偏光板1は回転しないように固定されている。なお、図示しないが、他眼に対応する構成も同等となる。また、歯車駆動タイプも、駆動系の構成が図14及び図15と替わるだけで、基本構成はここで示した構成と同等になる。
【0059】
更に続いて、図16〜図23を用いて、本表示装置を、車載メータに組み込んだ場合のより他の実施形態を示す。図16は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の他の実施形態を示す正面図である。図17は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す正面図である。図18は、図17の実施形態の表示装置の側断面図である。図19は、図17の実施形態の作用を説明するための図である。図20は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。図21は、図20の実施形態の作用を説明するための図である。図22は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。図23(A)、図23(B)及び図23(C)は、図22の実施形態の作用を説明するための図である。図24は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【0060】
図16に示すように、本発明の表示装置は、車載メータ(コンビネーションメータ)の速度計や回転計に適用可能である。また、上述したように、駆動機構が省スペース化されて、車載メータのセンター付近にはシャフト以外の部品がないため、このセンター付近にLCD等のディスプレイ70を配置することが可能となる。更に、本発明の表示装置は、図16に示すように、指針20が指示する文字盤10の他にゲージ10gにも適用可能である。このため、本発明の表示装置は、クロノグラフ調の車載メータにも適用可能となる。勿論、図16に示すように、ゲージ10gとディスプレイ70とを組み合わせてもよい。
【0061】
また、図16の実施形態を拡張して、図17及び図18に示すように、クロノグラフ調で、ゲージ10aの第1偏光板1a(文字や目盛りが形成されている、回転しない方の偏光板)の偏向軸を、文字盤10を構成する第1偏光板1の偏向軸AX1と90゜ずらした状態で設置する。第1偏光板1aは、請求項の第3偏光板に対応する。ゲージ10aは、図18に示すように、指針20、第1偏光板1及びバックライト3より小型の指針20a、第1偏光板1a及びバックライト3a、モータ40aを含んで構成されている。第1偏光板1aにもまた、文字や目盛りを構成する1/2λ位相差板11aが貼り付けられている。但し、第2偏光板2は、第1偏光板1及び第1偏光板1aに共用される。
【0062】
このような構成において、図19(A)及び図19(B)に示すように、ゲージ10aと文字盤10とが白黒反転されたままで、昼間及び夜間の白黒反転が行われる。これは、第1偏光板1及び第1偏光板1aのそれぞれの偏向軸の状態が反転するためである。このようにすることにより、表示優先度及び強調等をつけることが可能になる。なお、ゲージ10aを文字盤10の外に配置してもよいし、2眼を超える多眼メータにも適用可能である。
【0063】
また、図16の実施形態を拡張して、図20、図21(A)及び図21(B)に示すように、クロノグラフ調で、ゲージ10bを、第1偏光板1及び第2偏光板2の偏向軸が平行状態のときのみ、すなわち、文字盤面が透過状態のときのみ、見せるようにしてもよい。このために、ゲージ10bは、通常メータと同等で小型の指針20b、ゲージ盤1b及びバックライト3b、モータ40bを含んで構成されている。通常メータと同等であるので、ゲージ盤1bの色は自由である。このようにすることにより、ゲージ10bの表示/非表示を、文字盤10の白黒反転と合わせて行うことができる。なお、図20の実施形態も2眼を超える多眼メータに適用可能である。
【0064】
また、図22に示すように、文字や目盛りを構成する1/2λ位相差板11が貼り付けられた第1偏光板1と第2偏光板2との間に指針20を配置するようにしてもよい。このような構成にすることにより、図23(A)、図23(B)及び図23(C)に示すように、第2偏光板2の状態に左右されずに、文字や目盛りは、常に、第1偏光板1を通した状態で見えるようになる。特に、指針20で指示されている部位は、指針20の色が透過して見え、その部位だけ文字や目盛りも色が変化して見える。文字や目盛りと指針20とが離れているため、立体感を演出することが可能となる。また、今までとは、一風変わった表現も可能となる。
【0065】
更に、本発明の表示装置は、図24に示すような車載メータ(ブラックフェースメータ)にも適用可能である。すなわち、ブラックフェースメータでは、表示のコントラストを上げるため、また、メータの指針や文字盤上の文字や目盛りを見せないようにするため、表ガラスにスモーク板を使用している。しかしながら、メータ照明の高輝度化が難しいため、透過率を下げるのには限界がある。そのため、外光が入射すると、指針及び文字や目盛り等が見えてしまう。特に、停車時に表示照明がオフされた場合に、指針及び文字や目盛り等が見えてしまうと、非常に見栄えが悪い。
【0066】
これを解決するために、図24に示すように、指針20n、文字や目盛りが形成された文字盤30n、モータ40nを含んで構成される通常のメータnの前面に、第1偏光板1及び第2偏光板2を取り付ける。そして、第1偏光板1及び第2偏光板2の偏向軸を直交させることで、指針及び文字や目盛り等をほぼ完全に見えなくすることができる。また、走行中には、第1偏光板1又は第2偏光板2のどちらかを回転させることで、第1偏光板1及び第2偏光板2の偏向軸を平行状態にする。偏光板は、スモーク板と同様に、透過率を下げる働きがあるため、見え方はブラックフェースメータと同様になる。
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、コントラスト比を向上させて、視認性を大きく向上させることができる表示装置を提供することができる。
【0068】
なお、本発明の表示装置は、車載メータのみならず、他のメータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、本発明の表示装置の原理を説明するための図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、本発明の表示装置による表示イメージを示す図である。
【図5】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態の表示装置に係る第1偏光板の構成を示す正面図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)はそれぞれ、本発明の実施形態の表示装置に係る第2偏光板の構成を示す正面図及び斜視図である。
【図11】本発明の実施形態の表示装置に係る偏光板駆動機構を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態の表示装置に係る他の偏光板駆動機構を示す斜視図である。
【図13】図12に示した実施形態を拡張した実施形態を示す正面図である。
【図14】図11に示したタイプの偏光板駆動機構を車載メータ内に組み込んだ場合の構成を示す分解斜視図である。
【図15】図14の車載メータの側断面図である。
【図16】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の他の実施形態を示す正面図である。
【図17】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す正面図である。
【図18】図17の実施形態の表示装置の側断面図である。
【図19】図17の実施形態の作用を説明するための図である。
【図20】本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【図21】図20の実施形態の作用を説明するための図である。
【図22】本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【図23】図23(A)、図23(B)及び図23(C)は、図22の実施形態の作用を説明するための図である。
【図24】本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【図25】この種の従来の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。
【図26】この種の従来の表示装置の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 第1偏光板
2 第2偏光板
3 バックライト
10 文字盤
11 1/2λ位相差板
20 指針
30 見返し
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、偏光板と位相差板とを組み合わせることにより視認性を向上させた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置は、視認性を考慮して、昼間には白色文字盤に黒文字、夜間には黒色文字盤に白色文字を表示する、いわゆる白黒反転メータを実現するようにしている。図25は、この種の従来の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。図26は、この種の従来の表示装置の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【0003】
この種の表示装置は、例えば、図25に示すように、見返し93から露呈した白色の文字盤91に、指針92により指示される透過型の文字や目盛りが形成されている。
【0004】
昼間には、図25に示すように、文字や目盛りを黒く見せるために、文字や目盛りの外周を黒色で縁取るか、透過部にスモーク板を入れるようにしている。夜間には、周囲が暗くなるために、図26に示すように、白色の文字盤に対して照明を行わないことで文字盤を擬似的に黒色に見せ、文字や目盛りに対しては背面からの白色の照明を透過させることで白色に見せるようにしている。
【0005】
なお、偏光板を用いた表示装置に関する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】実開平6−885号公報
【特許文献2】特開平10−301103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、昼間には、強い外光が入射した場合、本来黒色に見せたい文字や目盛りの透過部から、背面の照明部が見えてしまう。例えば、白濁色の拡散板を使用しているときには、その色が見えてしまう。
【0007】
また、薄暮時には、バックライトを点灯した場合、完全に周囲が暗くなっていないため、文字盤の地色である白色が見えた状態になる。また、文字や目盛りもバックライトにより、白色が透過された状態になる。この結果、薄暮時には、文字や目盛りと文字盤とのコントラストが非常に低い状態になるため、文字や目盛りの視認性が低下してしまう。
【0008】
更に、夜間には、白色の文字盤を擬似的に黒色に見せているが、外光が入射したとき、図26の参照番号94で示すように、そこだけ、文字盤の地色である白色が見えた状態になる。このため、白色の文字や目盛りが見えにくくなるため、視認性が低下してしまう。
【0009】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、コントラスト比を向上させて、視認性を大きく向上させることができる表示装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の表示装置は、所定色で光輝する光源から構成されるバックライトと、前記バックライトの前面に配置され、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板と、前記バックライトと前記第1偏光板との間、又は、前記第1偏光板の前面に配置された第2偏光板と、前記第1偏光板の偏向軸と前記第2偏光板の偏向軸との関係を平行状態又は直交状態に変化させる偏光板制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが平行状態の場合には、バックライトからの出射光が透過し、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが直交状態の場合には、バックライトからの出射光はほぼ遮光される。但し、文字や目盛りは、1/2λ位相差板で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライトからの出射光は、第1偏光板とは偏向方向が逆転する。このような作用において、バックライトからの出射光が遮光されたときには、従来の擬似的な黒とは異なり、限りなく黒色に近い色で視認される。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の表示装置は、請求項1記載の表示装置において、前記第1偏光板は固定され、前記第2偏光板が前記偏光板制御手段により変化される、ことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板が固定され、第2偏光板が偏光板制御手段により変化されるので、偏光板の制御が容易になる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の表示装置は、請求項2記載の表示装置において、前記バックライトは白色で光輝する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、バックライトは白色で光輝するので、バックライトからの出射光の遮光時の限りなく黒色に近い色とのコントラスト比が最高になる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の表示装置は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、前記ホルダーの外周に形成されたウォームホイールと、を更に備え、前記偏光板制御手段は、駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達されてホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、最終段のウォームギアで減速を大きくすることができるため、他のギアによる減速を小さく、ギアの枚数を抑えることができる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の表示装置は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、前記ホルダーの外周に形成されたホルダーギアと、を更に備え、前記偏光板制御手段は、駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、ことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達されて、ホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、構成が簡単になるうえ、汎用のギアを流用できる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の表示装置は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、前記第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、前記第3偏光板の偏向軸を前記第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、第3偏光板の偏向軸を第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置するようにしているので、表示優先度及び強調等をつけることが可能になる。
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の表示装置は、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置において、多眼メータに適用され、前記第1偏光板、前記第2偏光板及び前記第3偏光板は、前記多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられている、ことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、第1偏光板、第2偏光板及び第3偏光板は、多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられているので、コンビネーションメータにおいて、視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが平行状態の場合には、バックライトからの出射光が透過し、第1偏光板の偏向軸と第2偏光板の偏向軸とが直交状態の場合には、バックライトからの出射光はほぼ遮光される。但し、文字や目盛りは、1/2λ位相差板で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライトからの出射光は、第1偏光板とは偏向方向が逆転する。このような作用において、バックライトからの出射光が遮光されたときには、従来の擬似的な黒とは異なり、限りなく黒色に近い色で視認される。したがって、平行状態又は直交状態のいずれにおいてもコントラスト比が向上し、視認性が大きく向上する。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板が固定され、第2偏光板が偏光板制御手段により変化される。したがって、平行状態又は直交状態のいずれにおいてもコントラスト比が向上し、視認性が向上するという効果に加えて、偏光板の制御が容易になるという効果が付加される。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、バックライトは白色で光輝するので、バックライトからの出射光の遮光時の限りなく黒色に近い色とのコントラスト比が最高になる。したがって、視認性がより向上する。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達されてホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、最終段のウォームギアで減速を大きくすることができるため、他のギアによる減速を小さく、ギアの枚数を抑えることができる。したがって、構成が簡易になるという効果が付加される。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、駆動源としてのモータからの駆動力が、ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達されて、ホルダーが回転される。そして、このホルダーの回転に伴って第2偏光板が回転される。このような機構を用いると、構成が簡単になるうえ、汎用のギアを流用できる。したがって、コスト面で有利になるという効果が付加される。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、第3偏光板の偏向軸を第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置するようにしている。したがって、クロノグラフ調のメータ装置が実現できるようになり、表示優先度及び強調等をつけることが可能になる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、第1偏光板、第2偏光板及び第3偏光板は、多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられている。したがって、現在最も普及しているコンビネーションメータにおいて、視認性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。図2は、本発明の実施形態の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【0032】
本発明の表示装置も、基本的に、昼間には白色文字盤に黒文字、夜間には黒色文字盤に白色文字を表示する、いわゆる白黒反転メータを実現するようにしている。実施形態の表示装置は、例えば、図1に示すように、黒色の見返し30から露呈した白色の文字盤10に、指針20により指示される透過型の文字や目盛りを形成している。なお、ここでいう文字には、数字も含まれるものとする。
【0033】
この理由を補足すると、昼間には、周囲が明るく、ときには、強い外光が表示装置内に入射することがある。強い外光が入射したときでも、文字や目盛りの視認性を確保するために、文字や目盛りを黒色とし、外光入射時でもコントラストを大きくしている。また、昼間に常時所定のコントラストを確保するために、文字盤は白色とする。よって、昼間には、白色文字盤に黒文字が視認されるようにする。
【0034】
夜間には、周囲が暗く、表示装置内も暗くなるため、コントラストを大きくとるためには、文字や目盛りは白色であることが好ましい。また、昼間ほどでないにしても、強い外光が入射したとき、文字盤が黒色であれば、コントラストを確保することが可能になる。よって、夜間には、黒色文字盤に白色文字が視認されるようにする。
【0035】
更に、本発明の表示装置では、上記コントラストをより明確に視認させるために、以下のような原理を利用する。図3(A)及び図3(B)は、本発明の表示装置の原理を説明するための図である。図4(A)及び図4(B)は、本発明の表示装置による表示イメージを示す図である。
【0036】
図3(A)に示すように、本発明の表示装置では、第1偏光板1及び第2偏光板2を含んで構成される。特に、第1偏光板1には、1/2λ位相差板11で構成される文字や目盛りが貼り付けられて構成されている。1/2λ位相差板11は、文字や目盛りの形状にカットされ、例えば、両面テープや粘着剤、接着剤等で第1偏光板1に貼り付けられている。第1偏光板1の偏向軸AX1は固定されており、第2偏光板2の偏向軸AX2は、図中、矢印Rで示すように、偏向軸AX1と平行する状態と偏向軸AX1と直交する状態の間で、回転可能である。
【0037】
そして、偏向軸AX2が偏向軸AX1と平行の場合には、バックライト3からの出射光Lを透過し、偏向軸AX2が偏向軸AX1と直交する場合には、バックライト3からの出射光Lをほぼ遮光する。また、1/2λ位相差板は、延伸軸を偏向軸から45゜傾けた位置に合わせることで、偏向方向を変えることができる(例えば、P偏向をS偏向に変えることができる)。本発明では、これらの原理を用いる。
【0038】
なお、文字や目盛りの形状にカットして1/2λ位相差板11を構成して第1偏光板1に貼り付ける替わりに、図3(B)に示すように、第1偏光板1と同形状の円盤シート上の1/2λ位相差板11′を第1偏光板1に貼り付けるようにしてもよい。この1/2λ位相差板11′では、文字や目盛りの形状がくり抜かれて構成される。なお、図3(A)及び図3(B)のいずれにおいても、要するに、文字や目盛りの偏向方向と盤面の偏向方向とが逆転すればよい。図3(B)においては図示しないが、第2偏光板2及びバックライト3は図3(A)と同様である。
【0039】
図3に図4(A)及び図4(B)を加えて、より具体的に説明すると、図3(A)において、第1偏光板1の偏向軸AX1と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが平行の場合、バックライト3からの出射光Lは透過する。偏光板の材質、種類にも依存するが、例えば、透過率は約32%程度である。ここで、文字や目盛りは、1/2λ位相差板で構成されているので、文字や目盛りに入射したバックライト3からの出射光Lは、偏向方向が逆転し、この文字や目盛りだけほぼ遮光される。偏光板の材質、種類にも依存するが、例えば、透過率は0.1〜1%程度である。したがって、このときには、図4(A)に示すように、バックライト3の色が透過された文字盤10(第1偏光板1及び第2偏光板2から構成される)に黒色の文字や目盛りが表示される。なお、この黒色は、正確には、完全な黒ではないが、両偏光板を直交させたときの限りなく黒色に近い色であり、以降この色を単に黒色とよぶ。
【0040】
これに対して、図3(A)において、第1偏光板1の偏向軸AX1と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交する場合、バックライト3からの出射光Lは文字や目盛りを透過し、文字盤10で遮光される。したがって、このときには、図4(B)に示すように、黒色の文字盤10にバックライト3の色が透過された文字や目盛りが表示される。
【0041】
例えば、白色のバックライト3を使用すれば、第1偏光板1と第2偏光板2との偏向軸の関係を変化させる(平行又は直交させる)ことにより、白黒反転の文字盤を実現できる。
【0042】
なお、図3(A)の替わりに、図3(B)の構成を用いる場合には、上記図4(A)及び図4(B)の状態が逆転する。すなわち、第1偏光板1の偏向軸AX1と第2偏光板2の偏向軸AX2とが平行の場合、図4(B)に示すような状態になり、第1偏光板1の偏向軸AX1と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交する場合、図4(A)に示すような状態になる。
【0043】
なお、本表示装置を車載する場合、偏向サングラス対策も必要となる。偏向サングラスの偏向軸と、第2偏光板2の偏向軸AX2とが直交した場合、文字盤上の表示が全く見えなくなってしまう。これを防ぐために、偏向軸AX2がいかなる状態においても、偏向サングラスの偏向軸と直交しないようにすることが必要である。通常、偏向サングラスの偏向軸は、文字盤面と垂直方向であるため、偏向軸が直交しないように、第1偏光板1の偏向軸を、45゜又は135゜になるように設定することが好ましい。
【0044】
上記原理を利用した本発明の表示装置によると、従来のような擬似的な黒色ではなく、限りなく黒に近い黒色が視認される。このため、明確なコントラストで視認されるようになる。上記構成の表示装置において、背面のバックライト3から照明を行った場合、透過部位の透過率は約32%となり、遮光部位の透過率は約1%となるので、コントラスト比は約32:1となる。なお、外光が入射したときの、表面反射率を5%程度に想定すると、現実的なコントラスト比は約37:6となるので、これに備えて、表面にARコート等の無反射処理を施すことが好ましい。
【0045】
続いて、図5〜図8を用いて、本表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す。図5〜図8はそれぞれ、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。なお、図5〜図8は側断面図に相当する。
【0046】
上述したように、本発明の表示装置では、偏向軸AX2を変化させるため、第2偏光板2を回転させる必要があるが、第1偏光板1と第2偏光板2との前後関係は、上記原理からして問題とはならない。また、文字や目盛りを構成する1/2λ位相差板11が貼り付けられていない方の偏光板である、第2偏光板2を回転させるようにする。
【0047】
これらを前提とすると、図5及び図6に示すように、第1偏光板1と第2偏光板2との前後関係(図中、上方を前とする)は、任意である。また、図7及び図8に示すように、任意の前後関係で設置された第1偏光板1と第2偏光板2との間に、指針20を配置するようにしてもよい。参照番号3はバックライトを示す、参照番号40は指針を回転させるためのモータを示す。
【0048】
図5〜図8において、バックライト3を常時白色点灯させておけば、コントラスト比の良好な、昼間には白色文字盤+黒色文字、夜間には黒色文字盤+白色文字の表示が実現できる。また、夜間に、白色文字がまぶし過ぎる場合に備えて、昼間のバックライト輝度よりも減光できるようにしておくことが好ましい。また、同様に、昼間に、白色文字盤がまぶし過ぎる場合に備えて、バックライト輝度を減光できるようにしておくことが好ましい。更に、バックライトが暗すぎる場合に備えて、増光もできるようにしておくと、より好ましい。なお、第2偏光板2の回転は、ランプ類の点灯/消灯操作に同期させて行うようにするとよい。以降の実施形態においても同様である。
【0049】
続いて、図9〜図15を用いて、本表示装置を、車載メータに組み込んだ場合のより詳細な実施形態を示す。図9は、本発明の実施形態の表示装置に係る第1偏光板の構成を示す正面図である。図10(A)及び図10(B)はそれぞれ、本発明の実施形態の表示装置に係る第2偏光板の構成を示す正面図及び斜視図である。図11は、本発明の実施形態の表示装置に係る偏光板駆動機構を示す斜視図である。図12は、本発明の実施形態の表示装置に係る他の偏光板駆動機構を示す斜視図である。図13は、図12に示した実施形態を拡張した実施形態を示す正面図である。図14は、図11に示したタイプの偏光板駆動機構を車載メータ内に組み込んだ場合の構成を示す分解斜視図である。図15は、図14の車載メータの側断面図である。
【0050】
図9に示すように、第1偏光板1は、1/2λ位相差板11で構成される文字や目盛りが貼り付けられて構成されている。1/2λ位相差板11は、図3(A)で説明したように、文字(数字も含む)や目盛りの形状にカットされ、例えば、両面テープや粘着剤、接着剤等で貼り付けられている。勿論、図3(B)で説明したように、文字や目盛りの形状をくり抜いて構成してもよい。
【0051】
また、図10(A)及び図10(B)に示すように、第2偏光板2は、リング状のホルダー21で保持するようにする。これは、第2偏光板2は回転させる必要があるが、第2偏光板2自体にギアやストッパ等を形成するのが難しいためのである。そこで、リング状のホルダー21にギアやストッパ等を形成して、ホルダー21ごと第2偏光板2を回転させるようにする。
【0052】
このように構成された第1偏光板1及び第2偏光板2は、図11に示すような、ウォームギア51を利用した偏光板駆動機構として具現化される。ここでは、図11に示すように、例えば、速度計及び回転計に対応する2眼メータを想定している。図9及び図10を用いて説明したような構成の第1偏光板1及び第2偏光板2が組み合わされ、図11に示すように、指針20が取り付けられている。
【0053】
図11において、モータ53による動力は、かさ歯車を持つ連結シャフト52を介して、メインシャフト51に伝達される。このとき、必要であれば減速される。メインシャフト51上にはウォームギア51gを設置し、ホルダー21をウォームホイールとなるようにギアを形成する。このような構成により、モータ53による動力で、第2偏光板2を回転させることが可能になる。この機構を用いると、最終段のウォームギアで減速を大きくすることができるため、他のギアによる減速を小さく、ギアの枚数を抑えることができる。
【0054】
2眼メータであるので、メインシャフト51上には、ウォームギアが2箇所配置されており、2眼メータに対応する同等構成の2つの第2偏光板2が同期して回転されるようになっている。回転速度を同期させるために、ウォームホイールを構成する2つのホルダー21や関連モジュールは共通化されている。1つのモータで同じメインシャフトにより、ウォームギアを動かすようにしているので、同期に関して問題が発生することはない。なお、2眼メータのみならず、これより多い多眼メータも同様の機構が適用可能である。
【0055】
また、第1偏光板1及び第2偏光板2は、図12に示すような、平歯車を利用した偏光板駆動機構として具現化してもよい。図11において、モータ56による動力は、ギア54a、連結シャフト55、ギア54bを介して、ホルダー21に伝達される。モータ56による動力は、ギア54a等により減速し、適切な回転数及びトルクが得られるようにする。ホルダー21の外周には、ギア54b(請求項の出力ギアに対応)に対応するギア(請求項のホルダーギアに対応)が形成されている。この構成を用いると、構成が簡単になるうえ、汎用のギアを流用できるので、コスト面で有利になる。
【0056】
2眼メータに対応させる場合には、図13に示すように、図12で示した連結シャフト55からの動力を、ギア54b及び54b′によって分配することで、2眼メータに対応する同等構成の2つの第2偏光板2を同期して回転させることが可能になる。図13では、センターでモータ動力を分配しているが、ギアの場合には配置の自由度が比較的高いため、各ギアの位置は変更可能である。なお、2眼メータのみならず、これより多い多眼メータも同様の機構が適用可能である。また、ウォームホイールや平歯車を利用したタイプの駆動機構以外の駆動機構であってもよい。
【0057】
上記図11に示したウォームギアタイプの偏光板駆動機構は、図14及び図15に示すように、車載メータ内に組み込むことができる。図14及び図15において、基板41には、第2偏光板2を回転させるためのモータ59(図14では不図示)等が搭載されている。また、基板42には、指針20を回転させるためのモータ40(図14では不図示)、バックライトとなる光源32(例えば、LED)及びこの光源32からの出射光を導光する導光板31等が搭載されている。
【0058】
モータ59による動力は、連結シャフト58、メインシャフト57を介して、ホルダー21に伝達される。ホルダー21は第2偏光板2を保持し、その上には第1偏光板1が重積されている。更にこの上には、見返し30が取り付けられ、モータ40の回転軸には指針20の軸が挿通されている。いうまでもなく、第2偏光板2はホルダー21と共に回転するが、第1偏光板1は回転しないように固定されている。なお、図示しないが、他眼に対応する構成も同等となる。また、歯車駆動タイプも、駆動系の構成が図14及び図15と替わるだけで、基本構成はここで示した構成と同等になる。
【0059】
更に続いて、図16〜図23を用いて、本表示装置を、車載メータに組み込んだ場合のより他の実施形態を示す。図16は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の他の実施形態を示す正面図である。図17は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す正面図である。図18は、図17の実施形態の表示装置の側断面図である。図19は、図17の実施形態の作用を説明するための図である。図20は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。図21は、図20の実施形態の作用を説明するための図である。図22は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。図23(A)、図23(B)及び図23(C)は、図22の実施形態の作用を説明するための図である。図24は、本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【0060】
図16に示すように、本発明の表示装置は、車載メータ(コンビネーションメータ)の速度計や回転計に適用可能である。また、上述したように、駆動機構が省スペース化されて、車載メータのセンター付近にはシャフト以外の部品がないため、このセンター付近にLCD等のディスプレイ70を配置することが可能となる。更に、本発明の表示装置は、図16に示すように、指針20が指示する文字盤10の他にゲージ10gにも適用可能である。このため、本発明の表示装置は、クロノグラフ調の車載メータにも適用可能となる。勿論、図16に示すように、ゲージ10gとディスプレイ70とを組み合わせてもよい。
【0061】
また、図16の実施形態を拡張して、図17及び図18に示すように、クロノグラフ調で、ゲージ10aの第1偏光板1a(文字や目盛りが形成されている、回転しない方の偏光板)の偏向軸を、文字盤10を構成する第1偏光板1の偏向軸AX1と90゜ずらした状態で設置する。第1偏光板1aは、請求項の第3偏光板に対応する。ゲージ10aは、図18に示すように、指針20、第1偏光板1及びバックライト3より小型の指針20a、第1偏光板1a及びバックライト3a、モータ40aを含んで構成されている。第1偏光板1aにもまた、文字や目盛りを構成する1/2λ位相差板11aが貼り付けられている。但し、第2偏光板2は、第1偏光板1及び第1偏光板1aに共用される。
【0062】
このような構成において、図19(A)及び図19(B)に示すように、ゲージ10aと文字盤10とが白黒反転されたままで、昼間及び夜間の白黒反転が行われる。これは、第1偏光板1及び第1偏光板1aのそれぞれの偏向軸の状態が反転するためである。このようにすることにより、表示優先度及び強調等をつけることが可能になる。なお、ゲージ10aを文字盤10の外に配置してもよいし、2眼を超える多眼メータにも適用可能である。
【0063】
また、図16の実施形態を拡張して、図20、図21(A)及び図21(B)に示すように、クロノグラフ調で、ゲージ10bを、第1偏光板1及び第2偏光板2の偏向軸が平行状態のときのみ、すなわち、文字盤面が透過状態のときのみ、見せるようにしてもよい。このために、ゲージ10bは、通常メータと同等で小型の指針20b、ゲージ盤1b及びバックライト3b、モータ40bを含んで構成されている。通常メータと同等であるので、ゲージ盤1bの色は自由である。このようにすることにより、ゲージ10bの表示/非表示を、文字盤10の白黒反転と合わせて行うことができる。なお、図20の実施形態も2眼を超える多眼メータに適用可能である。
【0064】
また、図22に示すように、文字や目盛りを構成する1/2λ位相差板11が貼り付けられた第1偏光板1と第2偏光板2との間に指針20を配置するようにしてもよい。このような構成にすることにより、図23(A)、図23(B)及び図23(C)に示すように、第2偏光板2の状態に左右されずに、文字や目盛りは、常に、第1偏光板1を通した状態で見えるようになる。特に、指針20で指示されている部位は、指針20の色が透過して見え、その部位だけ文字や目盛りも色が変化して見える。文字や目盛りと指針20とが離れているため、立体感を演出することが可能となる。また、今までとは、一風変わった表現も可能となる。
【0065】
更に、本発明の表示装置は、図24に示すような車載メータ(ブラックフェースメータ)にも適用可能である。すなわち、ブラックフェースメータでは、表示のコントラストを上げるため、また、メータの指針や文字盤上の文字や目盛りを見せないようにするため、表ガラスにスモーク板を使用している。しかしながら、メータ照明の高輝度化が難しいため、透過率を下げるのには限界がある。そのため、外光が入射すると、指針及び文字や目盛り等が見えてしまう。特に、停車時に表示照明がオフされた場合に、指針及び文字や目盛り等が見えてしまうと、非常に見栄えが悪い。
【0066】
これを解決するために、図24に示すように、指針20n、文字や目盛りが形成された文字盤30n、モータ40nを含んで構成される通常のメータnの前面に、第1偏光板1及び第2偏光板2を取り付ける。そして、第1偏光板1及び第2偏光板2の偏向軸を直交させることで、指針及び文字や目盛り等をほぼ完全に見えなくすることができる。また、走行中には、第1偏光板1又は第2偏光板2のどちらかを回転させることで、第1偏光板1及び第2偏光板2の偏向軸を平行状態にする。偏光板は、スモーク板と同様に、透過率を下げる働きがあるため、見え方はブラックフェースメータと同様になる。
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、コントラスト比を向上させて、視認性を大きく向上させることができる表示装置を提供することができる。
【0068】
なお、本発明の表示装置は、車載メータのみならず、他のメータにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、本発明の表示装置の原理を説明するための図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、本発明の表示装置による表示イメージを示す図である。
【図5】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態の表示装置に係る第1偏光板の構成を示す正面図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)はそれぞれ、本発明の実施形態の表示装置に係る第2偏光板の構成を示す正面図及び斜視図である。
【図11】本発明の実施形態の表示装置に係る偏光板駆動機構を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態の表示装置に係る他の偏光板駆動機構を示す斜視図である。
【図13】図12に示した実施形態を拡張した実施形態を示す正面図である。
【図14】図11に示したタイプの偏光板駆動機構を車載メータ内に組み込んだ場合の構成を示す分解斜視図である。
【図15】図14の車載メータの側断面図である。
【図16】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の他の実施形態を示す正面図である。
【図17】本発明の表示装置を車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す正面図である。
【図18】図17の実施形態の表示装置の側断面図である。
【図19】図17の実施形態の作用を説明するための図である。
【図20】本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【図21】図20の実施形態の作用を説明するための図である。
【図22】本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【図23】図23(A)、図23(B)及び図23(C)は、図22の実施形態の作用を説明するための図である。
【図24】本発明の表示装置を、車載メータに組み込んだ場合の更に他の実施形態を示す側断面図である。
【図25】この種の従来の表示装置の昼間の表示イメージを示す正面図である。
【図26】この種の従来の表示装置の夜間の表示イメージを示す正面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 第1偏光板
2 第2偏光板
3 バックライト
10 文字盤
11 1/2λ位相差板
20 指針
30 見返し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定色で光輝する光源から構成されるバックライトと、
前記バックライトの前面に配置され、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板と、
前記バックライトと前記第1偏光板との間、又は、前記第1偏光板の前面に配置された第2偏光板と、
前記第1偏光板の偏向軸と前記第2偏光板の偏向軸との関係を平行状態又は直交状態に変化させる偏光板制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置において、
前記第1偏光板は固定され、
前記第2偏光板が前記偏光板制御手段により変化される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2記載の表示装置において、
前記バックライトは白色で光輝する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、
前記ホルダーの外周に形成されたウォームホイールと、を更に備え、
前記偏光板制御手段は、
駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、
前記ホルダーの外周に形成されたホルダーギアと、を更に備え、
前記偏光板制御手段は、
駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、
前記第3偏光板の偏向軸を前記第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置において、
多眼メータに適用され、
前記第1偏光板、前記第2偏光板及び前記第3偏光板は、前記多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられている、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項1】
所定色で光輝する光源から構成されるバックライトと、
前記バックライトの前面に配置され、文字や目盛り等を構成する1/2λ位相差板が貼り付けられた第1偏光板と、
前記バックライトと前記第1偏光板との間、又は、前記第1偏光板の前面に配置された第2偏光板と、
前記第1偏光板の偏向軸と前記第2偏光板の偏向軸との関係を平行状態又は直交状態に変化させる偏光板制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置において、
前記第1偏光板は固定され、
前記第2偏光板が前記偏光板制御手段により変化される、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2記載の表示装置において、
前記バックライトは白色で光輝する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、
前記ホルダーの外周に形成されたウォームホイールと、を更に備え、
前記偏光板制御手段は、
駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ウォームホイールに対応するウォームギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第2偏光板を保持するリング状のホルダーと、
前記ホルダーの外周に形成されたホルダーギアと、を更に備え、
前記偏光板制御手段は、
駆動源としてのモータからの駆動力を、前記ホルダーギアに対応する出力ギアに伝達して、前記ホルダーを回転させる、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の表示装置において、
前記第1偏光板より小型の第3偏光板、を更に備え、
前記第3偏光板の偏向軸を前記第1偏光板の偏向軸に対して90゜ずらした状態で設置する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の表示装置において、
多眼メータに適用され、
前記第1偏光板、前記第2偏光板及び前記第3偏光板は、前記多眼メータに含まれる各メータに対応して複数組備えられている、
ことを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2006−105681(P2006−105681A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290308(P2004−290308)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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