説明

表示装置

【課題】 この発明は、RGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、高周波成分を含む白映像を表示する際に、解像度を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 RGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に高周波成分を含む白映像が表示される領域か否かを判定する判定手段、ならびに上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の自発光型ディスプレイを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ELディスプレイ等の自発光型ディスプレイは、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を有しており、用途が広がっている。ただし、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの用途においては、更なる低消費電力化への要求が高い。
【0003】
白発光材料にR,G,Bのカラーフィルタが張りつけられているRGB方式の有機ELディスプレイが既に開発されている。RGB方式の有機ELディスプレイでは、RGB単位画素毎に有機EL素子を含んでいる。RGB方式の有機ELディスプレイでは、カラーフィルタを光が通過する際に光の一部がカラーフィルタに吸収されるため、光利用効率が悪くなっている。この光利用効率の低さが消費電力の低下を妨げている。
【0004】
そこで、本出願人は、1画素がRGBWの4つの単位画素から構成されており、RGB単位画素には色フィルタが設けられ、W単位画素には色フィルタが設けられていないRGBW方式の有機ELディスプレイ(自発光型ディスプレイ)の信号処理回路であって、低消費電力化が図れる有機ELディスプレイの信号処理回路を既に開発して出願している。RGBW方式の有機ELディスプレイではRGBW単位画素毎に有機EL素子を含んでいる。
【0005】
本出願人が既に開発した自発光型ディスプレイの信号処理回路について説明する。本出願人が既に開発した自発光型ディスプレイの信号処理回路は、白発光材料にカラーフィルタが張りつけられている有機ELディスプレイのような自発光型ディスプレイを対象としている。このように自発光型ディスプレイにおいて、図1に示すように、1画素を4つの単位画素で構成し、そのうちの3つの単位画素に3原色、たとえば、R(赤),G(緑),B(青)を表示するためのカラーフィルタを配置している。残りの1つの単位画素を、カラーフィルタを配置していない白(W)表示専用としている。
【0006】
このようなRGBW配列では、白表示専用の単位画素は、カラーフィルタが存在していないため、光の利用効率は非常に高い。したがって、例えば、白100%を表示するときには、RGB表示用の単位画素を発光させて白100%を表示するのではなく、白表示専用の単位画素を発光させて白100%を表示させれば、大幅な低消費電力化が図れる。
【0007】
しかしながら、実際には、白発光材料によって得られる白の色度は、目標とする白の色度となっていない場合が多く、白表示専用の単位画素の白発光に対して、RGB表示用の単位画素の発光を付加する必要がある。
【0008】
そこで、白発光材料によって得られる白の色度が目標とする白の色度と異なる場合に、RGB入力信号を、当該入力信号に対応する輝度および色度が同一でかつ低消費電力化が図れるRGBW信号に変換するための信号処理の手法を開発した。
【0009】
〔1〕表示装置の構成の説明
図2は、表示装置の構成を示している。
RGB−RGBW信号変換回路1には、デジタルのRGB入力信号が入力される。RGB−RGBW信号変換回路1は、RGB入力信号をRGBW信号に変換する。RGB−RGBW信号変換回路1によって得られたRGBW信号は、D/A変換回路2によってアナログのRGBW信号に変換される。D/A変換回路2によって得られたRGBW信号は、1画素がRGBWの4つの単位画素で構成された有機ELディスプレイ3に送られる。
【0010】
〔2〕RGB−RGBW信号変換の基本的な考え方の説明
図3に示すような、RGB入力信号を想定する。なお、説明の便宜上、RGB入力信号には、予めガンマ補正がかけられていないものとする。また、RGBのみで目標の白の輝度および色度を実現するようなRGB輝度がRGBの白側リファレンス輝度(D/A変換回路2のRGBに対する白側リファレンス電圧)として予め設定されているものとする。なお、Wの白側リファレンス輝度は、Wのみ表示したときに目標輝度(後述する図9のステップS4で決定されるWの輝度)となるように調整される。
【0011】
この例では、RGB入力信号値は、8ビットで表され、R=200,G=100,B=170であるとする。RGB入力信号値の最小値は100であるので、RGB入力信号値を、図4に示すように、それらの最小値(min(RGB))と、図5に示すように、残りの値(入力信号−min(RGB))とに分解する。図4の場合、RGB入力信号値が全て100の場合の目標の白Wt (100)と等価となっている。
【0012】
RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値が図6に示すような信号値(77,0,204,255)であるとすると、RGB入力信号値が全て100の場合の目標の白Wt (100)を実現するためのRGBWの信号値は図7に示すようになる。なお、白発光材料によって得られる白の色度が目標とする白の色度に近づくほど、目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値におけるW以外のRGB値は小さくなる。
【0013】
図6に示すような信号値については、目標白を実現するためのRGB輝度値およびRGBW輝度値から求めることができる。RGB入力信号値が全て255の場合の目標白を実現するためのRGBW信号値を(R1,G1,B1,W1)とする。目標白の輝度および色度を実現するためのRGB輝度値を(LR1,LG1,LB1)、目標白の輝度および色度を実現するためのRGBW輝度値を(LR2,LG2,LB2,LW2)とすると、RGB入力信号値が全て255の場合の目標白を実現するためのRGBW信号値は、(R1=255×LR2/LR1,G1=255×LG2/LG1,B1=255×LB2/LB1,W1=255)となる。特に、Wに関しては、RGBW表示系のみでしか定義できないので、一意に255となる。なお、目標白の輝度および色度を実現するためのRGB輝度値およびRGBW輝度値の求め方については後述する。
【0014】
図7のR,G,B,Wは、次式(1)によって求められる。
【0015】
R=77×100/255=30
G=0×100/255=0
B=204×100/255=80
W=255×100/255=100 …(1)
【0016】
そこで、図4のRGB値を、図7のRGBW値と置き換える。したがって、図3に示すRGB値は、図5のRGB値と図7のRGBW値とを加算することにより、図8に示すRGBW値に変換される。
【0017】
図8のR,G,B,Wは、次式(2)によって求められる。
【0018】
R=100+30=130
G=0+0=0
B=70+80=150
W=0+100=100 …(2)
【0019】
RGBの白側リファレンス輝度(目標白の輝度および色度を実現するためのRGB輝度値)、目標白の輝度および色度を表現するためのRGBWの輝度値、ならびにRGB入力信号値が全て255の場合の目標白を実現するためのRGBW信号値は、予めパネル調整処理によって求められている。
【0020】
〔3〕第1のRGB−RGBW信号変換処理についての説明
【0021】
図9は、パネル調整処理手順を示している。
【0022】
目標の白Wt の輝度LWtおよび色度座標(xWt,yWt )を設定する(ステップS1)。
【0023】
次に、有機ELディスプレイ3のRGBWの色度を測定する(ステップS2)。例えば、Rの色度を測定する場合には、有機ELディスプレイ3のR表示用の単位画素のみを発光させて、その色度を光学測定器によって測定する。測定されたRGBWの色度座標を、それぞれ(xR ,yR ),(xG ,yG ),(xB ,yB ),(xW ,yW )とする。
【0024】
次に、RGBによるホワイトバランス(WB)調整時のRGBの輝度値を算出する(ステップS3)。つまり、RGBの3色によって、目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )を表現する際のRGBの輝度値LR (上記LR1に相当する),LG (上記LG1に相当する),LB (上記LB1に相当する)を算出する。この輝度値LR ,LG ,LB は、次式(3)から求められる。
【0025】
【数1】

【0026】
ただし、zR =1−xR −yR 、zG =1−xG −yG 、zB =1−xB −yB 、zWt=1−xWt−yWtである。
【0027】
次に、RGBWによるホワイトバランス(WB)調整時のRGBWの輝度値を算出する(ステップS4)。つまり、RGBWの4色によって、目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )を表現する際のRGBWの輝度値LR (上記LR2に相当する),LG (上記LG2に相当する),LB (上記LB2に相当する),LW (上記LW2に相当する)を算出する。
【0028】
RGBWの色度座標(xR ,yR ),(xG ,yG ),(xB ,yB ),(xW ,yW )と、目標の白Wt の色度座標(xWt,yWt )とが、図10に示すような関係にあるとすると、目標の白Wt の色度を、RBWの3色のみによって表現することが可能である。RBWの3色によって、目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )を表現する際のRBWの輝度値LR (上記LR2に相当),LB (上記LB2に相当),LW (上記LW2に相当)は、次式(4)から求められる。この場合、上記LG2に相当するLG は0である。
【0029】
【数2】

【0030】
ただし、zR =1−xR −yR 、zW =1−xW −yW 、zB =1−xB −yB 、zWt=1−xWt−yWtである。
【0031】
次に、上記ステップS3の算出結果を用いて、RGBWの白側リファレンス輝度を算出する(ステップS5)。
【0032】
RGB入力信号値が8ビットで表される場合、RGBの白側リファレンス輝度は、RGB信号として(255,255,255)を入力したときに、発光輝度および発光色が目標の白Wt の輝度LWtおよび色度(xWt,yWt )となるように調整される。つまり、RGB信号として(255,255,255)を入力したときに、RGBの輝度がそれぞれ上記ステップS3で算出した輝度値LR ,LG ,LB となるように、RGBの白側リファレンス輝度が調整される。このようにRGBの白側リファレンス輝度が調整されると、入力RGB信号が同値の場合、発光色は必ず目標の白の色度となる。なお、Wの白側リファレンス輝度は、Wのみ表示したときに目標輝度(図9のステップS4で決定されたWの輝度値LW )となるように調整される。
【0033】
なお、RGB入力信号値が全て255の場合の目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値は、パネル調整処理のステップS3で算出された輝度値LR (上記LR1に相当する),LG (上記LG1に相当する),LB (上記LB1に相当する)と、上記ステップS4で算出された輝度値LR (上記LR2に相当する),LG (上記LG2に相当する),LB (上記LB2に相当する),LW (上記LW2に相当する)から予め算出される。
【0034】
図11は、RGB入力信号をRGBW信号に変換するための信号変換処理の手順を示している。
【0035】
まず、RGB入力信号中の最小値(min(RGB))を決定する(ステップS11)。図3の例では、min(RGB)=100となる。
【0036】
次に、各RGB入力信号からmin(RGB)を減算する(ステップS12)。図3の例では、図5に示すように、RGBに対する減算結果は、それぞれ100,0,70となる。
【0037】
次に、min(RGB)を、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGBW信号に変換する(ステップS13)。目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値が、図6で示すような信号値であるとすると、図3の例では、min(RGB)に対応するRGBW信号の信号値は図7に示すようなる。
【0038】
次に、上記ステップS12で算出した減算値{RGB−min(RGB)}に上記ステップS13で求められたRGBW信号の信号値を加算することにより、RGB入力信号に対応するRGBW信号を算出する(ステップS14)。図3の例では、RGB入力信号に対応するRGBW信号は図8に示すようになる。
【0039】
〔4〕第2のRGB−RGBW信号変換処理の説明
【0040】
目標の白の色度をRBWの3色のみによって表現することが可能な場合においてRGB入力信号の中の最小値がG信号である場合には、図11のステップS11〜ステップS14の処理(RGB−RGBW変換ルーチン)によって、RGB信号の1つの信号(G信号)が0となるRGBW信号が得られる。
【0041】
同様に、目標の白の色度をRGWの3色のみによって表現することが可能な場合においてRGB入力信号の中の最小値がB信号である場合にも、図11のステップS11〜ステップS14の処理(RGB−RGBW変換ルーチン)によって、RGB信号の1つの信号(B信号)が0となるRGBW信号が得られる。また、目標の白の色度をGBWの3色のみによって表現することが可能な場合においてRGB入力信号の中の最小値がR信号である場合にも、図11のステップS11〜ステップS14の処理(RGB−RGBW変換ルーチン)によって、RGB信号の1つの信号(R信号)が0となるRGBW信号が得られる。
【0042】
しかしながら、目標の白の色度をRBWの3色のみによって表現することが可能な場合においてRGB入力信号の中の最小値がG信号以外の色の信号である場合、目標の白の色度をRGWの3色のみによって表現することが可能な場合においてRGB入力信号の中の最小値がB信号以外の色の信号である場合、および目標の白の色度をGBWの3色のみによって表現することが可能な場合においてRGB入力信号の中の最小値がR信号以外の色の信号である場合には、図11のステップS11〜ステップS14の処理(RGB−RGBW変換ルーチン)を1回行うだけでは、得られたRGBW信号におけるRGB信号中の1つの信号が0とならない。
【0043】
つまり、条件によっては、RGB−RGBW変換ルーチンを1回行うだけでは、得られたRGBW信号におけるRGB信号中の1つの信号が0とならない。
【0044】
RGBW信号におけるRGB信号中の1つの信号が0となるように、RGB入力信号をRGBW信号に変換した方が、W信号の大きさが大きくなり、発光効率が高くなり、低消費電力化が図れる。
【0045】
そこで、第2のRGB−RGBW信号変換処理では、条件にかかわらず、RGB信号中の1つの信号が0となるようなRGBW信号が得られる信号変換方法を提案する。
【0046】
図12は、RGB入力信号をRGBW信号に変換するための第2のRGB−RGBW信号変換処理の手順を示している。
【0047】
RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値が図6で示すような信号値であるとする。
【0048】
まず、RGB入力信号中の最小値(min(RGB))を決定する(ステップS21)。図13に示すように、RGB入力信号値が、R=200,G=170,B=100であるとすると、図15に示すように、min(RGB)=100となる。
【0049】
次に、各RGB入力信号からmin(RGB)を減算する(ステップS22)。図13の例では、図14に示すように、RGBに対する減算結果は、それぞれ100,70,0となる。つまり、RGB入力信号は、図14のRGB信号値と、図15のRGB信号値とに分解される。
【0050】
次に、min(RGB)を、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGBW信号に変換する(ステップS23)。目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値が、図6で示すような信号値であるとすると、図13の例では、min(RGB)に対応するRGBW信号の信号値は図16(図7と同じ)に示すようなる。
【0051】
次に、上記ステップS22で求められた減算値{RGB−min(RGB)}に上記ステップS23で求められたRGBW信号の信号値を加算することにより、RGB入力信号に対応するRGBW信号を算出する(ステップS24)。図13の例では、RGB入力信号に対応するRGBW信号は図17に示すようになる。
【0052】
図17のR,G,B,Wは、次式(5)によって求められる。
【0053】
R=100+30=130
G=70+0=70
B=0+80=80
W=0+100=100 …(5)
【0054】
次に、得られたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0であるか否かを判別する(ステップS25)。得られたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0である場合には、信号変換処理を終了する。つまり、上記ステップS24で得られたRGBW信号がRGBW出力信号となる。
【0055】
得られたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0でない場合には、得られたRGBW信号を入力RGBW信号と見做して、上記ステップS21〜S24で行った処理(RGB−RGBW変換ルーチン)と同様な処理を再度行う。
【0056】
つまり、RGBW信号におけるRGB信号の最小値が0でない場合には、図18に示すように、得られたRGBW信号をR1 1 1 1 入力信号とする。そして、R1 1 1 入力信号中の最小値(min(R1 1 1 ))を決定する(ステップS26)。図18に示すように、R1 1 1 1 入力信号が、R=130,G=70,B=80,W=100であるとすると、図20に示すように、min(R1 1 1 )=70となる。
【0057】
次に、各R1 1 1 入力信号からmin(R1 1 1 )を減算する(ステップS27)。図18の例では、図19に示すように、RGBに対する減算結果は、それぞれ60、0、10となる。つまり、R1 1 1 入力信号は、図19のR1 1 1 信号値と、図20のR1 1 1 信号値とに分解される。
【0058】
次に、min(R1 1 1 )を、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGBW信号に変換する(ステップS28)。目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値が、図6で示すような信号値であるとすると、図20の例では、min(R1 1 1 )に対応するRGBW信号の信号値は図21に示すようなる。
【0059】
図21のR,G,B,Wは、次式(6)によって求められる。
【0060】
R=77×70/255=21
G=0×70/255=0
B=204×70/255=56
W=255×70/255=70 …(6)
【0061】
次に、上記ステップS27で算出された減算値{R1 1 1 −min(R1 1 1 )}に上記ステップS28で求められたRGBW信号中のRGB信号値を加算することによりRGB信号を求めるとともに、R1 1 1 1 入力信号中のW1 に上記ステップS28で求められたRGBW信号中のW信号値を加算することによりW信号を求める(ステップS29)。このようにしてRGBW信号が得られる。
【0062】
上記の例では、RGBW信号は図22に示すようになる。図22のR,G,B,Wは、次式(7)によって求められる。
【0063】
R=60+21=81
G=0+0=0
B=10+56=66
W=100+70=170 …(7)
【0064】
次に、上記ステップS29で求められたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0であるか否かを判別する(ステップS30)。得られたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0である場合には、信号変換処理を終了する。
【0065】
得られたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0でない場合には、上記ステップS26に戻る。つまり、得られたRGBW信号におけるRGB信号の最小値が0となるまで、RGB−RGBW変換ルーチンが繰り返し行われる。
〔5〕第3のRGB−RGBW信号変換処理の説明
【0066】
上記第1のRGB−RGBW信号変換処理で説明したように、条件によっては、min(RGB)を減算することによって0にした信号が、その後のmin(RGB)からRGBW信号への変換によって、1以上の値を持つことがある。このような場合には、上記第2のRGB−RGBW信号変換処理で説明したように、RGB−RGBW変換ルーチンが繰り返し行われる。
【0067】
第3のRGB−RGBW信号変換処理では、RGB−RGBW変換ルーチンを1回実行することによって、条件にかかわらず、RGB信号のうちの少なくとも1つが0となるRGBW信号が得られる信号変換方法を提案する。
【0068】
RGB信号中の1つの信号に着目して、信号変換の過程について説明する。着目している信号を常にmin(RGB)として取り扱うようにし、またmin(RGB)のRGBW信号への変換によって、当該信号に当該変換後のW信号の0.8割程度がフィードバックされてくると仮定すると、着目している信号は、たとえば、初期値を50とすると、次式(8)に示すように、RGB−RGBW変換ルーチンの実行回数に応じて変化する。
【0069】
50→40→32→25.6→20.5→16.4→13.1…→0 …(8)
【0070】
この場合、W信号は、上記式(8)の全ての数値を加算した値となり、初項50、公比0.8の無限等比級数の和として求めることができる。−1<公比<1の場合には、無限等比級数の和は、次式(9)のように簡略することができる。
【0071】
無限等比級数の和=初項/(1−公比) …(9)
【0072】
したがって、無限等比級数が上記式(8)で表される場合には、無限等比級数の和は、50/(1−0.8)=250となる。
【0073】
実際の系では、RGB信号毎に上記のような無限等比級数の和を算出し、そのうちの最小のものをmin(RGB)として、RGB−RGBW変換ルーチンを1回実行する。この結果、得られたRGBW信号におけるRGB信号のうちの1つが0となり、他の2つが0以上の値となる。
【0074】
RGB入力信号値が、R=255,G=255,B=50の場合を例にとって説明する。
【0075】
RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBW信号の信号値が図6に示すような場合を想定すると、min(RGB)のRGBW信号への変換による、RGB信号のフィードバック率は0.3(=図6のR/図6のW=77/255),0(=図6のG/図6のW),0.8(=図6のB/図6のW=204/255)となる。
【0076】
R,G,Bに対応する無限等比級数の和をΣR,ΣG,ΣBとすると、ΣR,ΣG,ΣBは、次式(10)のようになる。
【0077】
ΣR=255/(1−0.3)=364
ΣG=255/(1−0)=255
ΣB=50/(1−0.8)=250 …(10)
【0078】
最小値は250となるので、250をRGB入力信号値から減算すると、その減算結果は、次式(11)のようになる。
【0079】
R=255−250=5
G=255−250=5
B=50−250=−200 …(11)
【0080】
一方、min(RGB)(=250)をRGBW信号に変換すると、次式(12)のようになる。
【0081】
R=250×0.3=75
G=255×0=0
B=50×0.8=200
W=250 …(12)
【0082】
したがって、RGBW出力信号は、次式(13)のようになる。
【0083】
R=5+75=80
G=5+0=5
B=−200+200=0
W=250 …(13)
【0084】
図23は、RGB入力信号をRGBW信号に変換するための第3のRGB−RGBW信号変換処理の手順を示している。
【0085】
RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGB信号のフィードバック率を算出する(ステップS41)。目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値が、図6で示すような信号値であるとすると、RGB信号のフィードバック率は、0.3(=77/255),0,0.8(=204/255)となる。
【0086】
次に、RGB入力信号毎に、RGB入力信号値を初項とし、上記ステップS41で算出したフィードバック率を公比とする無限等比級数の和ΣR,ΣG,ΣBを算出する(ステップS42)。
【0087】
次に、RGB入力信号毎に算出された無限等比級数の和ΣR,ΣG,ΣBのうちの最小値を、min(RGB)として、RGB入力信号から減算する(ステップS43)。
【0088】
次に、min(RGB)を、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGBW信号に変換する(ステップS44)。
【0089】
次に、上記ステップS43で求められた減算値{RGB−min(RGB)}に上記ステップS44で求められたRGBW信号の信号値を加算することにより、RGB入力信号に対応するRGBW信号を求める(ステップS45)。
【特許文献1】特開平11−295717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0090】
図23で示した第3のRGB−RGBW信号変換処理では、min(RGB)の100%をRGBW信号に変換している。つまり、RGB−RGBW変換率(W使用率)は、常に100%であった。
【0091】
RGBW方式の自発光型ディスプレイの画素配列を図24に示すような画素配列(ストライプ配列)であるとし、白発光材料によって得られる白の色度が目標とする白の色度に非常に近いと仮定する。このような画素配列のRGBW方式の自発光型ディスプレイに、高周波成分を含む映像、エッジ部を含む映像または高周波成分を含む白映像(例えば、白文字)を表示する場合に、図25に示すようにW単位画素のみを使用すると、連続性のない解像度が低下した映像となる。
【0092】
本願出願人は、このように場合に、RGB−RGBW変換率(W使用率)を100%より低い値にすると、図26に示すように、W単位画素のみならず、RGB単位画素も発光させることができ、解像度が向上することを着想した。
【0093】
また、本願出願人は、RGB−RGBW変換率(W使用率)が100%であり、高周波成分を含む映像、エッジ部を含む映像または高周波成分を含む白映像を表示する際に、白単位画素以外のRGB画素も若干発光している場合にも、RGB−RGBW変換率(W使用率)を低下させることによって解像度を向上させることができることを着想した。
【0094】
この発明は、RGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、高周波成分を含む白映像を表示する際に、解像度を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0095】
請求項1に記載の発明は、RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に高周波成分を含む映像が表示される領域か否かを判定する判定手段、ならびに上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0096】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記制御手段は、上記判定手段によって高周波成分を含む映像が表示されると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、高周波成分を含む映像が表示されないと判定された単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする。
【0097】
請求項3に記載の発明は、RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎にエッジ部か否かを判定する判定手段、ならびに上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0098】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、上記制御手段は、上記判定手段によってエッジ部であると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、エッジ部であると判定されなかった単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする。
【0099】
請求項5に記載の発明は、RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に高周波成分を含む白映像が表示される領域か否かを判定する判定手段、ならびに上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0100】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、上記制御手段は、上記判定手段によって高周波成分を含む白映像が表示されると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、高周波成分を含む白映像が表示されないと判定された単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする。
【0101】
請求項7に記載の発明は、RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に表示色を判定するとともにエッジ部であるか否かを判定する判定手段、ならびに上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0102】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、上記判定手段は、単位領域毎にRGB入力信号の全てが所定の閾値より大きくかつエッジ部であるという条件を満たしているか否かを判定するものであり、上記制御手段は、上記判定手段によってRGB入力信号の全てが所定の閾値より大きくかつエッジ部であるという条件を満たしていると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、その条件を満たしていないと判定された単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする。
【0103】
請求項9に記載の発明は、RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に色の濃さを判定するとともに高周波成分を判定する判定手段、ならびに上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0104】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、上記判定手段は、RGB入力信号をRin,Gin,Bin とすると、単位領域毎に|Rin −Gin |、|Gin −Bin |および|Bin −Rin |のうちの最大値を色の濃さとして算出する手段、ならびに単位領域毎に、RGB−RGBW変換率を100%と仮定した場合にRGB−RGBW変換によって得られるW信号を算出し、算出したW信号に含まれる高周波成分を算出する手段を備えており、上記制御手段は、判定手段によって単位領域毎に算出された色の濃さおよび高周波成分に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御するものであることを特徴とする。
【0105】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、上記制御手段は、判定手段によって算出された色の濃さが小さいほど、かつ判定手段によって算出された高周波成分が大きいほど、RGB−RGBW変換率が小さくなるように、RGB−RGBW変換率を制御するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0106】
この発明によれば、RGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、高周波成分を含む白映像を表示する際に、解像度を向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0107】
以下、図面を参照して、この発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0108】
〔1〕RGB−RGBW変換回路についての説明
まず、実施例1で用いられるRGB−RGBW変換回路について説明する。実施例1で用いられるRGB−RGBW変換回路は、図23を用いて説明した第3のRGB−RGBW変換処理とほぼ同様な処理によってRGB信号をRGBW信号に変換する。ただし、W使用率(RGB−RGBW変換率)を制御できるようにした点が異なっている。
【0109】
図27は、実施例1で用いられるRGB−RGBW変換回路によるRGB−RGBW信号変換処理の手順を示している。
【0110】
まず、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGB信号のフィードバック率を算出する(ステップS51)。目標白Wt (255)を実現するためのRGBW信号値が、図6で示すような信号値であるとすると、RGB信号のフィードバック率は、0.3(=77/255),0,0.8(=204/255)となる。
【0111】
次に、RGB入力信号毎に、RGB入力信号値を初項とし、上記ステップS51で算出したフィードバック率を公比とする無限等比級数の和ΣR,ΣG,ΣBを算出する(ステップS52)。
【0112】
次に、RGB入力信号毎に算出された無限等比級数の和ΣR,ΣG,ΣBのうちの最小値をmin(RGB)とし、設定されたW使用率をαとして、RGB入力信号からα×min(RGB)を減算する(ステップS53)。
【0113】
次に、α×min(RGB)を、RGB入力信号値が全て255の場合の目標の白Wt (255)を表現するためのRGBWの信号値を用いて、RGBW信号に変換する(ステップS54)。
【0114】
次に、上記ステップS53で求められた減算値{RGB−α×min(RGB)}に上記ステップS54で求められたRGBW信号の信号値を加算することにより、RGB入力信号に対応するRGBW信号を求める(ステップS55)。
【0115】
〔2〕表示装置の構成の説明
図28は、表示装置の構成を示している。
【0116】
デジタルのRGB信号Rin,Gin,Bin は、W使用率決定部20に送られるとともに、ラインメモリ(LM)11、12、13を介してRGB−RGBW信号変換回路1に送られる。W使用率決定部20は、RGB信号Rin,Gin,Bin に基づいて画素毎にW使用率αを決定し、算出したW使用率αをRGB−RGBW信号変換回路1に与える。
【0117】
RGB−RGBW信号変換回路1は、W使用率決定部20によって与えられる画素毎のW使用率αを用いて、RGB信号Rin,Gin,Bin を画素単位でRGBW信号Rout,Gout,Bout,Wout に変換する。RGB−RGBW信号変換回路1によって得られたRGBW信号Rout,Gout,Bout,Wout は、D/A変換回路2によってアナログのRGBW信号に変換される。D/A変換回路2によって得られたRGBW信号は、1画素がRGBWの4つの単位画素で構成された有機ELディスプレイ3に送られる。
【0118】
RGB信号Rin,Gin,Bin の垂直同期信号Vsync および水平同期信号Hsync は、W使用率決定部20およびタイミング生成回路4に送られる。タイミング生成回路4は、タイミング信号を生成して、D/A変換回路2および有機ELディスプレイ3に送る。
【0119】
図29は、W使用率決定部20の構成を示している。
【0120】
W使用率決定部20は、RGB信号Rin,Gin,Bin に基づいて、画素毎に、当該画素に対応する映像が高周波成分を含む白映像であるか否かを判別し、高周波成分を含む白映像でない場合には、当該画素に対応するW使用率αをWGain1(例えば、100%)に設定し、高周波成分を含む白映像である場合には、当該画素に対応するW使用率αをWGain1より低いWGain2(例えば、70%)に設定する。
【0121】
実施例1では、RGB信号Rin,Gin,Bin の全てが所定の閾値βより大きい画素であって、かつエッジ部の画素を、高周波成分を含む白映像が表示される画素であると判定するようにしている。
【0122】
RGB信号Rin,Gin,Bin は信号比較部(表示色判定手段)30に送られる。信号比較部30には、所定の閾値βが設定されている。信号比較部30は、画素毎に、RGB信号Rin,Gin,Bin の全てが所定の閾値βより大きいという条件を満たしているか否かを判別し、この条件を満たしていれば比較結果信号”1”を出力し、この条件を満たしていなければ比較結果信号”0”を出力する。
【0123】
信号比較部30から出力される比較結果信号は、エッジ検出部50に送られるととともに、1水平期間分遅延させるための第1のLM(ラインメモリ)41に送られる。第1のLM(ラインメモリ)41に保持された比較結果信号は、1水平期間分遅延せしめられた後、エッジ検出部50に送られるととともに、1水平期間分遅延させるための第2のLM(ラインメモリ)42に送られる。第2のLM(ラインメモリ)42に保持された比較結果信号は、1水平期間分遅延せしめられた後、エッジ検出部50に送られる。
【0124】
エッジ検出部50は、1画素期間分遅延させるための第1〜第6のフリップフロップ(FF)51〜56およびエッジ判定部57を備えている。
【0125】
信号比較部30からエッジ検出部50に入力された比較結果信号は、エッジ判定部57にそのまま送られるとともに、第1のFF51に送られる。第1のFF51に保持された比較結果信号は、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、エッジ判定部57送られるとともに第2のFF52に送られる。第2のFF52に保持された比較結果信号は、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、エッジ判定部57に送られる。
【0126】
第1のLM(ラインメモリ)41からエッジ検出部50に入力された比較結果信号は、エッジ判定部57に送られるとともに、第3のFF53に送られる。第3のFF53に保持された比較結果信号は、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、エッジ判定部57に送られるとともに第4のFF54に送られる。第4のFF54に保持された比較結果信号は、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、エッジ判定部57に送られる。
【0127】
第2のLM42からエッジ検出部50に入力された比較結果信号は、エッジ判定部57に送られるとともに第5のFF55に送られる。第5のFF55に保持された比較結果信号は、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、エッジ判定部57に送られるとともに第6のFF56に送られる。第6のFF56に保持された比較結果信号は、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、エッジ判定部57に送られる。
【0128】
これにより、エッジ判定部57には、図30に示すように、3(水平方向)×3(垂直方向)の9画素a〜iに対応する比較結果信号が入力する。エッジ判定部57は、中央の画素eを注目画素として、3×3の9画素に対応する比較結果信号に基づいて、注目画素がエッジ部分にあるか否かを判定する。
【0129】
次の(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たす場合には、注目画素がエッジ部分にないと判定し、それらの条件を全て満たさない場合には注目画素がエッジ部分にあると判定する。
【0130】
(1)注目画素に対応する比較結果信号が”0”であること(図31(a)参照)
(2)注目画素およびその周辺8画素に対応する比較結果信号が全て”1”であること(図31(b)参照)
(3)注目画素に対応する比較結果信号が”1”であり、かつ周辺8画素のうち、その4隅の画素のうちの1つのみの比較結果信号が”0”であること(図31(c)参照)
【0131】
エッジ判定部57は、注目画素がエッジ部分にあると判定した場合には、判定結果信号”1”を出力し、注目画素がエッジ部分にないと判定した場合には、判定結果信号”0”を出力する。
【0132】
エッジ判定部57から出力される判定結果信号は、セレクタ60に選択制御信号として送られる。セレクタ60には、WGain1(例えば、100%)と、WGain2(例えば、70%)とが入力している。セレクタ60は、”0”の判定結果信号が送られてきたときには、当該注目画素に対応するW使用率αとしてWGain1を選択してRGB−RGBW信号変換回路1に設定し、”1”の判定結果信号が送られてきたときには、当該注目画素に対応するW使用率αとしてWGain2を選択してRGB−RGBW信号変換回路1に設定する。
【0133】
この結果、RGB−RGBW信号変換回路1では、高周波成分を含む白映像以外の画素に対しては、WGain1(例えば、100%)をW使用率αとしてRGB−RGBW信号変換処理が行われ、高周波成分を含む白映像の画素に対しては、WGain1より低いWGain2(例えば、70%)をW使用率αとしてRGB−RGBW信号変換処理が行なわれる。したがって、高周波成分を含む白映像を表示する際に、解像度が向上する。
【実施例2】
【0134】
実施例2で用いられるRGB−RGBW信号変換回路は、実施例1で用いられるRGB−RGBW信号変換回路と同じである。つまり、実施例2で用いられるRGB−RGBW信号変換回路としては、図27で示した手順によってRGB−RGBW信号変換処理を行なうものが用いられる。
【0135】
表示装置の全体的な構成は、図28に示した構成と同じであるが、W使用率決定部20の構成が、実施例1と異なっている。
【0136】
図32は、W使用率決定部20の構成を示している。
【0137】
W使用率決定部20は、RGB信号Rin,Gin,Bin に基づいて、画素毎に、白に近い色か否かを示す色の濃さと、W使用率を100%であると仮定した場合のW信号の高周波成分とを算出し、算出された色の濃さと高周波成分とに基づいて、W使用率αを算出する。
【0138】
つまり、色の濃さが薄い(白に近い色)ほど、また高周波成分が大きいほど、W使用率αが小さくなるように、W使用率αを算出する。これは、色の濃さが薄くかつ高周波成分が大きいほど、高周波成分を含む白映像である可能性が高くなるからである。
【0139】
RGB信号Rin,Gin,Bin は、W信号算出部90に送られるとともに、ラインメモリ(LM)71、72、73を介して色の濃さ判定部80に送られる。
【0140】
色の濃さ判定部80は、画素毎に色の濃さを算出するものであり、FF(フリップフロップ)81、82、83、減算器84、85、86および最大値検出部87を備えている。
【0141】
LM71、72、73に保持されたRGB信号Rin,Gin,Bin は、それぞれ1水平期間分遅延せしめられた後、FF81、82、83に送られる。減算器84では、FF(フリップフロップ)81から出力される信号Rin と、FF(フリップフロップ)82から出力される信号Gin との差の絶対値|Rin −Gin |が算出され、その算出結果が最大値検出部87に送られる。減算器85では、FF(フリップフロップ)82から出力される信号Gin と、FF(フリップフロップ)83から出力される信号Bin との差の絶対値|Gin −Bin |が算出され、その算出結果が最大値検出部87に送られる。減算器86では、FF(フリップフロップ)83から出力される信号Bin と、FF(フリップフロップ)81から出力される信号Rin との差の絶対値|Bin −Rin |が算出され、その算出結果が最大値検出部87に送られる。
【0142】
最大値検出部87では、画素毎に減算器84、85、86から送られてくる減算結果(|Rin −Gin |,|Gin −Bin |,|Bin −Rin |)のうちの最大値を色の濃さとして算出する。つまり、色の濃さは、次式(14)で表される。
【0143】
色の濃さ=Max (|Rin −Gin |,|Gin −Bin |,|Bin −Rin |)…(14)
【0144】
最大値検出部87によって画素毎に算出された色の濃さは、W使用率算出部120に送られる。
【0145】
W信号算出部90は、画素毎にW使用率が100%であると仮定した場合のRGB−RGBW信号変換後のW信号を算出する。図27のステップS51と同様な方法で算出されるRGBのフィードバック率をRf,Gf,Bfとすると、W使用率が100%であると仮定した場合のRGB−RGBW変換後のW信号Wsigは、次式(15)で表される。
【0146】
Wsig=Min {Rin /(1−Rf),Gin /(1−Gf),Bin /(1−Bf)}…(15)
【0147】
W信号算出部90は、乗算器91、92、93および最小値検出部94を備えている。乗算器91は、信号Rin に、1/(1−Rf)を乗算し、その乗算結果を最小値検出部94に送る。乗算器92は、信号Gin に、1/(1−Gf)を乗算し、その乗算結果を最小値検出部94に送る。乗算器93は、信号Bin に、1/(1−Bf)を乗算し、その乗算結果を最小値検出部94に送る。
【0148】
最小値検出部94は、画素毎に乗算器91、92、93から送られてくる乗算結果のうちの最小値を、W使用率が100%であると仮定した場合のRGB−RGBW変換後のW信号Wsigとして算出する。
【0149】
最小値検出部94によって画素毎に算出される信号Wsigは、高周波成分検出部110に送られるととともに、1水平期間分遅延させるための第1のLM(ラインメモリ)101に送られる。第1のLM(ラインメモリ)101に保持された信号Wsigは、1水平期間分遅延せしめられた後、高周波成分検出部110に送られるととともに、1水平期間分遅延させるための第2のLM(ラインメモリ)102に送られる。第2のLM(ラインメモリ)102に保持された信号Wsigは、1水平期間分遅延せしめられた後、高周波成分検出部110に送られる。
【0150】
高周波成分検出部110は、1画素期間分遅延させるための第1〜第4のフリップフロップ(FF)111〜114、水平方向のハイパスフィルタ(H−HPF)115および垂直方向のハイパスフィルタ(V−HPF)116を備えている。
【0151】
最小値検出部94から高周波成分検出部110に入力された信号Wsigは、第1のFF111に送られる。第1のFF111に保持された信号Wsigは、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、V−HPF116に送られる。
【0152】
第1のLM(ラインメモリ)101から高周波成分抽出部110に入力された信号Wsigは、H−HPF115に送られるとともに、第2のFF112に送られる。第2のFF112に保持された信号Wsigは、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、H−HPF115、V−HPF116および第3のFF113に送られる。第3のFF113に保持された信号Wsigは、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、H−HPF115に送られる。
【0153】
第2のLM(ラインメモリ)102から高周波成分抽出部110に入力された信号Wsigは、第4のFF114に送られる。第4のFF114に保持された信号Wsigは、1画素期間分遅延せしめられた後に出力され、V−HPF116に送られる。
【0154】
つまり、V−HPF116には、連続する3つの水平ラインの垂直方向の3画素に対応する信号Wsigが送られ、H−HPF115には、各水平ラインの水平方向に連続する3画素に対応する信号Wsigが送られる。
【0155】
V−HPF116は、入力される垂直方向の3画素に対応する信号Wsigを、図33に示すフィルタ係数を用いてフィルタリングすることにより、それらの3画素のうちの中央の注目画素の垂直方向の高周波成分を算出する。
【0156】
H−HPF115は、入力される水平方向の3画素に対応する信号Wsigを、図34に示すフィルタ係数を用いてフィルタリングすることにより、それらの3画素のうちの中央の注目画素の水平方向の高周波成分を算出する。
【0157】
V−HPF116によって算出された注目画素の垂直方向の高周波成分およびH−HPF115によって算出された注目画素の水平方向の高周波成分は、W使用率算出部120に送られる。
【0158】
W使用率算出部120は、注目画素に対する垂直方向の高周波成分、水平方向の高周波成分および色の濃さとに基づいて、垂直方向の高周波成分および水平方向の高周波成分が大きいほど、かつ色の濃さが薄いほど、W使用率αが小さくなるように、W使用率αを算出する。
【0159】
例えば、注目画素に対する垂直方向の高周波成分をHv、水平方向の高周波成分をHh、色の濃さをIとして、判定値Xを次式(16)により算出する。
【0160】
X=Hv・Hh/I …(16)
【0161】
そして、予め設定された判定値Xに対応するW使用率αの関係を表すテーブルに基づいて、算出された判定値Xに対応するW使用率αを算出する。図35は、判定値Xに対応するW使用率αの関係を表すテーブルの内容をグラフで表したものである。
【0162】
なお、判定値Xを次式(17)により算出してもよい。
【0163】
X=(Hv+Hh)/I …(16)
【0164】
W使用率算出部120によって算出されたW使用率αは、RGB−RGBW信号変換回路1に与えられる。なお、判定値Xを所定の閾値と比較し、判定値Xが閾値以下の場合には、W使用率αをWGain1(例えば、100%)に設定し、判定値Xが閾値より大きい場合には、W使用率αをWGain1より小さなWGain2(例えば、70%)に設定するようにしてもよい。
【0165】
第2実施例において、色の個さ判定部80を省略してもよい。この場合には、V−HPF116によって算出された注目画素の垂直方向の高周波成分およびH−HPF115によって算出された注目画素の水平方向の高周波成分に基づいて、W使用率αが制御される。
【0166】
なお、RGB入力信号Rin,Gin,Bin に基づいて、画素毎に高周波成分を含む映像が表示される領域か否かを判定し、この判定結果に基づいてRGB−RGBW信号変換回路1によってRGB入力信号Rin,Gin,Bin をRGBW信号に変換する際のW使用率αを画素毎に制御するようにしてもよい。この場合には、高周波成分を含む映像が表示されると判定された画素に対するW使用率αは、高周波成分を含む映像が表示されないと判定された画素に対して用いられるW使用率αよりも低い値に設定される。
【0167】
また、RGB入力信号Rin,Gin,Bin に基づいて、画素毎にエッジ部か否かを判定し、この判定結果に基づいてRGB−RGBW信号変換回路1によってRGB入力信号Rin,Gin,Bin をRGBW信号に変換する際のW使用率αを画素毎に制御するようにしてもよい。この場合には、エッジ部であると判定された画素に対するW使用率αは、エッジ部でないと判定された画素に対して用いられるW使用率αよりも低い値に設定される。
【0168】
上記実施例では、図24〜図26に示すようなストライプ配列のパネルの他、デルタ配列のパネルにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】1画素がR,G,B,Wの4つの単位で構成されている例を示す模式図である。
【図2】表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】RGB入力信号の一例を示す模式図である。
【図4】min(RGB)を示す模式図である。
【図5】入力信号−min(RGB)を示す模式図である。
【図6】Wt (255)を表現するためのRGBWの信号比を示す模式図てある。
【図7】Wt (100)を実現するためのRGBWの信号比を示す模式図てある。
【図8】図5のRGB値と図7のRGBW値とを加算することにより、求められたRGBW値を示す模式図である。
【図9】パネル調整処理手順を示すフローチャートである。
【図10】RGBWの色度座標(xR ,yR ),(xG ,yG ),(xB ,yB ),(xW ,yW )と、目標の白Wt の色度座標(xWt,yWt )とを示す模式図である。
【図11】RGB入力信号をRGBW信号に変換するための信号変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】RGB入力信号をRGBW信号に変換するための信号変換処理の他の例を示すフローチャートである。
【図13】RGB入力信号の一例を示す模式図である。
【図14】RGB入力信号−min(RGB)を示す模式図である。
【図15】min(RGB)を示す模式図である。
【図16】min(RGB)に対応するRGBW信号を示す模式図である。
【図17】図14のRGB値と図16のRGBW値とを加算することにより、求められたRGBW値を示す模式図である。
【図18】得られたRGBW信号をR1 1 1 1 入力信号とした場合の、R1 1 1 1 入力信号を示す模式図である。
【図19】R1 1 1 入力信号−min(R1 1 1 )を示す模式図である。
【図20】min(R1 1 1 )を示す模式図である。
【図21】min(R1 1 1 )に対応するRGBW信号を示す模式図である。
【図22】図19のR1 1 1 値と図21のR1 1 1 1 値とを加算することにより、求められたRGBW値を示す模式図である。
【図23】RGB入力信号をRGBW信号に変換するための信号変換処理のさらに他の例を示すフローチャートである。
【図24】RGBW方式の自発光型ディスプレイの画素配列の一例を示す模式図である。
【図25】図24に示すような画素配列の自発光型ディスプレイに、高周波成分を含む白映像(例えば、白文字)を表示する場合に、W単位画素のみを使用した場合の表示例を示す模式図である。
【図26】図25と同様な入力映像に対して、RGB−RGBW変換率(W使用率)を100%より低い値に設定して、RGB−RGBW信号変換を行なった場合の表示例を示す模式図である。
【図27】実施例1で用いられるRGB−RGBW変換回路による信号変換処理の手順を示すフローチャートである。
【図28】実施例1による表示装置の構成を示すブロック図である。
【図29】実施例1によるW使用率決定部20の構成を示すブロック図である。
【図30】注目画素を中心とする3(水平方向)×3(垂直方向)の9画素を示す模式図である。
【図31】注目画素がエッジ部分にないと判定される場合の例を示す模式図である。
【図32】実施例2によるW使用率決定部20の構成を示すブロック図である。
【図33】V−HPF116で使用されるフィルタ係数を示す模式図である。
【図34】H−HPF115で使用されるフィルタ係数を示す模式図である。
【図35】W使用率算出部120で使用されるテーブルの内容を表すグラフである。
【符号の説明】
【0170】
1 RGB−RGBW信号変換回路
2 D/A変換回路
3 有機ELディスプレイ
20 W使用率決定部
30 信号比較部(表示色判定手段)
50 エッジ検出部
57 エッジ判定部
60 セレクタ
80 色の濃さ判定部
90 W信号算出部
110 高周波成分検出部
120 W使用率算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、
RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、
上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に高周波成分を含む映像が表示される領域か否かを判定する判定手段、ならびに
上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記判定手段によって高周波成分を含む映像が表示されると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、高周波成分を含む映像が表示されないと判定された単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、
RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、
上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎にエッジ部か否かを判定する判定手段、ならびに
上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記判定手段によってエッジ部であると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、エッジ部であると判定されなかった単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、
RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、
上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に高周波成分を含む白映像が表示される領域か否かを判定する判定手段、ならびに
上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
上記制御手段は、上記判定手段によって高周波成分を含む白映像が表示されると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、高周波成分を含む白映像が表示されないと判定された単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、
RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、
上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に表示色を判定するとともにエッジ部であるか否かを判定する判定手段、ならびに
上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
上記判定手段は、単位領域毎にRGB入力信号の全てが所定の閾値より大きくかつエッジ部であるという条件を満たしているか否かを判定するものであり、上記制御手段は、上記判定手段によってRGB入力信号の全てが所定の閾値より大きくかつエッジ部であるという条件を満たしていると判定された単位領域については、RGB−RGBW変換率を、その条件を満たしていないと判定された単位領域に対して用いられるRGB−RGBW変換率よりも低い値に設定することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
RGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGB−RGBW変換回路によって得られたRGBW信号に基づいて映像を表示するRGBW方式の自発光型ディスプレイを備えた表示装置において、
RGB−RGBW変換率が可変のRGB−RGBW変換回路、
上記RGB−RGBW変換回路に入力されるRGB入力信号に基づいて、所定単位領域毎に色の濃さを判定するとともに高周波成分を判定する判定手段、ならびに
上記判定手段による単位領域毎の判定結果に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御する制御手段、
を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
上記判定手段は、RGB入力信号をRin,Gin,Bin とすると、単位領域毎に|Rin −Gin |、|Gin −Bin |および|Bin −Rin |のうちの最大値を色の濃さとして算出する手段、ならびに単位領域毎に、RGB−RGBW変換率を100%と仮定した場合にRGB−RGBW変換によって得られるW信号を算出し、算出したW信号に含まれる高周波成分を算出する手段を備えており、上記制御手段は、判定手段によって単位領域毎に算出された色の濃さおよび高周波成分に基づいて、上記RGB−RGBW変換回路によって上記RGB入力信号をRGBW信号に変換する際のRGB−RGBW変換率を単位領域毎に制御するものであることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
上記制御手段は、判定手段によって算出された色の濃さが小さいほど、かつ判定手段によって算出された高周波成分が大きいほど、RGB−RGBW変換率が小さくなるように、RGB−RGBW変換率を制御するものであることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−308685(P2006−308685A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128468(P2005−128468)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】