説明

表示装置

【課題】表示部の向きが変更されたとしてもユーザ操作を必要とすることなく表示画像の表示方向を変更可能である表示装置を提供する。
【解決手段】表示手段に画像を表示する際に、センサ手段により検知された長手方向や短手方向に基づいて表示手段が縦置き状態であるか横置き状態であるかを判定し、判定結果に基づいて表示画像の表示方向、つまり上下の向きや左右の向きを決定する表示方向判定手段を備える。また、表示方向判定手段により決定された表示方向において画像の全部分が表示画面に表示可能であるか、つまり表示する画像の縦方向画素数及び横方向画素数が表示画面の縦方向画素数及び横方向画素数を超過しないかを判定し、表示不可である、つまり一方或いは両方の画素数が超過する場合に、画像に縮小加工等を施して表示サイズを変更して表示を行う画像加工手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像データを表示する電子式写真立て(以下、「電子式フォトフレーム」という)に利用される表示装置に関するものであり、特に表示画面の角度を変更可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル等を用いた薄型の表示装置が広く普及している。このような薄型表示装置は、軽量且つ設置スペースが小さいためその設置場所や表示角度、例えば縦置きや横置き等をユーザが適宜変更できるという利点を持っている。
【0003】
上記のような薄型表示装置の一つとして、電子式フォトフレームが実用化されている。電子式フォトフレームは、デジタルカメラ等の撮影装置で撮像した画像を、従来の銀塩写真の様に気軽に鑑賞できることを目的とした表示装置である。電子式フォトフレームは、例えばSD(Secure Digital)メモリカードのような外部記録媒体や、LAN(Local Area Network)等のネットワークを経由して画像データを取り込み、表示することが可能である。
【0004】
上記のような電子式フォトフレームは小型で持ち運びが容易であるため、常に同一の環境下で使用される可能性が低い。例えばユーザが、表示部の縦横の向きを変更したり、寝室等の比較的照度の低い場所へ移動させて使用したりすること等が想定される。このような変化が生じた場合、ユーザは電子式フォトフレームの設定変更、例えば表示画像の上下向きの変更等を手動で行わなければならなかった。
【0005】
上記に関連して特許文献1においては、スタンドアロンで使用する電子式フォトフレームであり、記憶媒体からデータを読み込む手段を備え、ユーザがデジタルカメラ等で撮像して記録媒体に蓄積した画像データの展開及び表示が可能な電子式フォトフレームが開示されている。
【0006】
また特許文献2においては、本体に対して回転自在に支持され、表示画像の表示方向に対応して自動的に回転する表示部を備えた電子式フォトフレームが開示されている。この電子式フォトフレームは、表示部そのものを表示画像に合わせて回転させるため、向きが異なる画像に対して縮小処理を行うことなく、常に全画面に表示する。
【特許文献1】特開平9−308558号公報
【特許文献2】特開2000−293111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の電子式フォトフレームによれば、デジタルカメラで撮像した画像データを、外部記録媒体や各種ケーブル等を経由して一旦パソコンに取り込む必要がない。従ってパソコンを保持しないユーザや、パソコンの扱いに不慣れなユーザであっても、撮像した画像を容易且つ迅速に鑑賞することができる。また特許文献2の電子式フォトフレームによれば、画像の向きにあわせて電子式フォトフレームの向きを手動で変更する必要がなく、また斜め写真も違和感なく表示することができる。
【0008】
しかしながら上記文献1に開示されている電子式フォトフレームは、表示部の向きに関係無く同一方向に画像を表示している。従って、電子式フォトフレームが縦置き状態(=表示部の長手方向が設置面に対して略垂直である状態)から横置き状態(=表示部の短手方向が設置面に対して略垂直である状態)へ向きが変わった場合に、表示画像が90度回転した状態となり正常表示できないという問題があった。
【0009】
また特許文献2の電子式フォトフレームは、表示画像が縦長サイズか横長サイズかにより表示部の向きを自動的に変えるため、画像サイズの判別処理や駆動機構が複雑となり、装置サイズ及びコストの面で不利という問題があった。また、表示部の向きにあわせて表示画像の内容を変更する機能については、開示も示唆もなされていなかった。
【0010】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、デジタルカメラ等で撮像した画像データを表示する電子式フォトフレームに用いられる表示装置であって、表示部の向きが変更されたとしてもユーザ操作を必要とすることなく表示画像の表示方向を変更可能であるとともに、周囲の照度が変化したとしてもユーザ操作を必要とすることなく表示部の発光量を調整可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の表示装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段が備える画像表示面の長手方向及び/或いは短手方向を判定するセンサ手段とを備えた表示装置において、前記センサ手段により検知された前記長手方向及び/或いは前記短手方向に基づいて、前記表示手段に表示する画像の表示方向を決定する表示方向判定手段を備えたことを特徴としている。
【0012】
この構成によると、本発明の表示装置は、画像を表示する表示手段と、表示手段が画像を表示するための液晶パネル等の画像表示面の長手方向や短手方向を判定するセンサ手段とを備えている。また表示手段に画像を表示する際に、センサ手段により検知された長手方向や短手方向に基づいて表示手段が縦置き状態であるか横置き状態であるかを判定し、判定結果に基づいて表示画像の表示方向、つまり上下の向きや左右の向きを決定する表示方向判定手段を備えている。
【0013】
上記目的を達成するために本発明の表示装置は、前記表示方向判定手段により決定された表示方向において画像の全部分が前記表示手段に表示可能であるかを判定し、全部分の表示が不可である場合に画像の表示サイズを変更する画像加工手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
この構成によると、本発明の表示装置は、表示方向判定手段により決定された表示方向において画像の全部分が表示画面に表示可能であるか、つまり表示する画像の縦方向画素数及び横方向画素数が表示画面の縦方向画素数及び横方向画素数を超過しないかを判定し、表示不可である、つまり一方或いは両方の画素数が超過する場合に、画像に縮小加工等を施して表示サイズを変更して表示を行う画像加工手段を備えている。
【0015】
上記目的を達成するために本発明の表示装置は、前記センサ手段が、前記表示手段の表面に押下可能に設けられた突起部と、前記突起部の押下を検知する押下検知部とを備え、前記突起部及び前記押下検知部を用いて前記表示手段が備える画像表示面の長手方向及び/或いは短手方向を判定することを特徴としている。
【0016】
この構成によると、本発明の表示装置は、表示手段の表面、例えば左右側面や上下面に押下可能に設けられた突起部、例えば押下型スイッチ等を備えている。また、突起部が押下されたことを検知する押下検知部を備えている。センサ手段は、突起部及び押下検知部を用いて表示手段の接地面を検知することにより、画像表示面の長手方向や短手方向を判定する。判定結果は表示方向判定手段に与えられ、表示画像の表示方向を決定するのに用いられる。
【0017】
上記目的を達成するために本発明の表示装置は、前記センサ手段が、加速度センサ及び/或いは角速度センサを用いて前記表示装置の回動を検知する回動検知部と、前記回動検知部の検知結果に基づいて前記表示手段の回動方向及び回動角度を判定する回動判定部とを備え、前記回動検知部及び前記回動判定部を用いて前記表示手段が備える画像表示面の長手方向及び/或いは短手方向を判定することを特徴としている。
【0018】
この構成によると、本発明の表示装置は、加速度センサや角速度センサにより表示装置の回動を検知する回動検知部を備えている。また、回動検知部の検知結果に基づいて表示手段の回動方向及び回動角度を判定する回動判定部を備えている。センサ手段は、回動検知部及び回動判定部を用いて、表示手段の回動後における画像表示面の長手方向や短手方向を判定する。判定結果は表示方向判定手段に与えられ、表示画像の表示方向を決定するのに用いられる。
【0019】
上記目的を達成するために本発明の表示装置は、前記表示手段の発光量を調整する発光量調整手段と、照度を検知する照度検知手段と、照度に応じて調整すべき前記表示手段の発光量を示した調整用情報を記録した記録手段と、前記照度検知手段により検知された照度と前記調整用情報とに基づいて、前記発光量調整手段に対して発光量を指示する発光量指示手段とを備えたことを特徴としている。
【0020】
この構成によると、本発明の表示装置は、表示手段が備えるバックライト等の発光量を調整する発光量調整手段と、受光素子等を用いて表示装置周辺の照度を検知する照度検知手段とを備えている。また、検知照度に応じて表示手段の発光量を調整するため、検知照度と発光量とを関連付けた調整用情報を記録手段に記録している。前記照度検知手段により照度変化が検知されると、発光量指示手段が、調整用情報を参照して変化後の照度に好適な発光量を判別する。そして判別した発光量となるように、発光量変更指示を発光量調整手段へ与える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、表示手段に画像を表示する際に、センサ手段により表示手段が縦置き状態であるか横置き状態であるかを判定し、判定結果に基づいて表示画像の表示方向を決定する。このため、ユーザは表示装置の向きにあわせて画像表示方向の指定等の設定操作を行う必要がなく、自動的に表示方向を切り替えて適切な向きで画像を表示できるため、利便性が向上する。
【0022】
また本発明によれば、画像が表示手段の表示サイズを超えるために画像の一部を表示不可である場合に、画像の表示サイズを変更する加工処理を行った後に表示を行う画像加工手段を備えている。このため、例えば表示装置が横置きの状態において縦長の画像を表示しようとした際に、縦長画像の上端や下端が切れてしまうのを防止することができるため、より好適な状態で画像を表示することができる。
【0023】
また本発明によれば、表示手段の表面に設けられた突起部と、突起部の押下検知部とを用いて表示手段の接地面、つまり下方向を検知し、画像表示面の長手方向や短手方向を判定する。このため、表示装置の縦置き状態/横置き状態を容易且つ確実に判別し、設置状態に応じて好適な向き及びサイズで画像表示を行うことが可能である。
【0024】
また本発明によれば、加速度センサや角速度センサを備える回動検知部と、回動検知部の検知結果に基づいて表示手段の回動方向及び回動角度を判定する回動判定部とを備えている。センサ手段は、回動検知部及び回動判定部を用いて、表示手段の回動後における画像表示面の長手方向や短手方向を判定する。このため、表示装置の縦置き状態/横置き状態を容易且つ確実に判別し、設置状態に応じて好適な向き及びサイズで画像表示を行うことが可能である。
【0025】
また本発明によれば、検知照度と発光量とを関連付けた調整用情報を記録手段に記録している。前記照度検知手段により検知される照度に変化が生じると、発光量指示手段が、調整用情報を参照して変化後の照度に最適な発光量となるように、発光量変更指示を発光量調整手段へ与える。このため、例えば表示装置の設置場所変更や時刻の変化等が生じた際に、ユーザが手動で発光量の調整を行う必要がない。従ってユーザは常に最適な明るさで画像を閲覧できるとともに、無駄な消費電力の削減も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0027】
[実施の形態1]
〈1−1.内部構成について〉
図2は、本発明の第一の実施形態に係る電子式フォトフレーム1(=表示装置)の内部構成示すブロック図である。電子式フォトフレーム1は少なくとも、制御部11、フラッシュメモリ12(=記録手段)、操作部13、表示部14(=表示手段)、バックライト15(=発光量調整手段)、照度センサ16(=照度検知手段)、音声回路17、スピーカ18、通信I/F(Interface)部19、通信制御部20、電源部21、メモリスロット22、スイッチ23(=突起部)を含むように構成されている。またメモリスロット22に対して外部記録媒体であるメモリカード90を着脱可能である。
【0028】
制御部11は、電子式フォトフレーム1における画像表示処理を実施するための各装置を制御する。これにより、フラッシュメモリ12に記録されている画像や、外部より入力した画像の表示処理を統括制御する。制御部11は、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部11は、各装置(例えばバックライト15等)の制御やデータの計算、加工処理等を行う中枢部分となっている。なお、制御部11が備える各機能部(図1に示す発光量指示部11a〜画像加工処理部11d)の詳細については後述する。
【0029】
フラッシュメモリ12は、電子式フォトフレーム1が保持する各種データを一時的に記録する媒体である。フラッシュメモリ12は、例えば制御部11によって各種情報処理が行われる際の処理データや、表示部14に表示するための画像データ、音声メッセージ或いは文字メッセージを出力するためのメッセージデータ、電話番号やメールアドレス等の個人データ等を記録する役割を持つ。また、検知照度に応じて表示手段の発光量を調整するため、検知照度と発光量とを関連付けた調整用情報を記録している。
【0030】
操作部13は、ユーザが電子式フォトフレーム1に対して、画像の切り替え指示やユーザ情報の入力指示等の各種指示を行うためのものである。操作部13により入力された指示は制御部11により受け付けられ、指示の内容に基づいて各種制御処理が行われる。操作部13は複数の操作ボタン等から構成されるが、例えば表示部14がタッチパネルである場合は、表示部14を介してユーザ操作を受け付けることも可能である。
【0031】
表示部14は、液晶パネル及びドライバ等からなるLCD(Liquid Crystal Display)モジュールであり、その背後にバックライト15を備えている。バックライト15は液晶パネルの裏側に配置されている発光装置である。バックライト15は、例えば光源に冷陰極管を用いるエッジライト方式や、蛍光ランプを液晶パネルの背面に並べる直下型方式のものを用いる。このバックライト15の光源の発光量は、後述する発光量指示部11aにより指示される。
【0032】
照度センサ16は、例えば光学フィルタを内蔵したフォトトランジスタ等を用いて、電子式フォトフレーム1の周囲に存在する白熱電球や蛍光灯、太陽光といった各種発光源の明るさを検出する。検出された明るさに関する情報は、後述する発光量指示部11aに与えられる。
【0033】
音声回路17は、制御部11より与えられた音声信号のD/A変換及び増幅を行い、スピーカ18より出力する。この際、アンプのゲインを調整することにより、出力音量の変更を行うことが可能である。
【0034】
通信I/F部19は、電子式フォトフレーム1を通信ネットワークと接続するための物理的なインタフェースである。通信I/F部は例えば、IEEE802.3規格に準拠した有線LANに接続するためのLANケーブルコネクタや、IEEE802.11規格に準拠した無線LANに接続するための無線アンテナ等を備えている。また、画像データを入力するための入力インタフェースとして、シリアルケーブル接続用ソケットや、赤外線通信用の赤外線素子(IrDA)を備える形態でもよい。
【0035】
通信制御部20は、通信I/F部19により接続された外部装置、例えばメールサーバや携帯電話等と相互通信を行うための通信制御を行う。これにより、電子メールの送受信を行ったり、外部の携帯電話で撮像された画像の受信等を実施することが可能である。また通信I/F部19が無線アンテナを備える場合、無線通信網を介する無線通信の制御を行う役割も持つ。
【0036】
電源部21は、外部電源(不図示)より電力の供給を受け、電子式フォトフレーム1の各部に対して電源電圧を与える。電源部21は、外部電源より電力供給を受けるための電源コードを接続する接続端子(図5に示す電源コード接続端子21a)を備えている。この接続端子は、電子式フォトフレーム1の背面側等に設けられている。
【0037】
或いは電源部21は、電源として乾電池或いは二次電池を使用することにより、外部電源から切り離された状態で電子式フォトフレーム1の駆動を可能とする形態であってもよい。二次電池としては例えば、充電式アルカリ電池やリチウムイオンバッテリ等を用いることが可能である。
【0038】
メモリスロット22は、SDメモリカード90等の外部記録媒体を接続して情報の伝送を行うインタフェースである。SDメモリカード90には例えば、デジタルカメラで撮影した静止画や動画が記録されている。メモリスロット22は制御部11からの指示により、これらのデータをフラッシュメモリ12にコピーする。これにより、外部から入力した画像を表示部14により表示することができる。
【0039】
スイッチ23は、電子式フォトフレーム1の上面、下面、左右側面に設けられたスイッチであり、例えば図3に示すような突起部を備えた押下型のスイッチである。接地面となる下面に設けられたスイッチ23は電子式フォトフレーム1の自重により押下され、ON状態となる。また、上面及び左右側面に設けられたスイッチ23は押下が行われないためOFF状態となる。このように各スイッチ23のON/OFFに基づき、接地面となって面を判別することができる。これにより、電子式フォトフレーム1が縦置き状態であるか、或いは横置き状態であるかを判別し、表示部14の上下方向を判別することができる。
〈1−2.機能部の構成について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電子式フォトフレーム1の画像表示処理及び調光処理を実施するための各機能部の関係を、図1の機能ブロック図を用いながら説明する。
【0040】
図1に示すように本発明の発光量調整処理及び報知処理は少なくとも、制御部11が備える発光量指示部11a(=発光量指示手段)、押下検知部11b(=センサ手段の一構成要素)、表示方向判定部11c(=表示方向判定手段)、及び画像加工処理部11d(=画像加工手段)と、フラッシュメモリ12と、表示部14と、照度センサ16と、スイッチ23とにより実現される。
【0041】
発光量指示部11aは、照度センサ16の照度検知結果に基づき、バックライト15に対する発光量の指示を行う。具体的には例えば、照度センサ16により検知される照度が低下するのに応じて発光量を増加させる。照度と発光量との関係を示す調整用情報は、例えば図8に示すようなグラフデータとして、予めフラッシュメモリ12に記録されている。
【0042】
図8は、X軸が、照度センサ16が検出する検出照度を示している。またY軸が、発光量指示部11aがバックライト15に対して指示する発光指示量を示している。図8の例では、検出照度が所定値を上回るまでは発光指示量が一定であるが、所定値を超えると検出照度の増加に応じて発光指示量が減少している。このため、検出照度が大きい、つまり表示部14を閲覧するのに十分に明るい環境では発光量を減少させ、消費電力を削減することができる。逆に暗い環境では、発光量を増加させることにより画像の閲覧を補助することができる。
【0043】
なお、照度と発光量との関係を示す調整用情報は図8に示すものに限定されるものではない。例えば、照度を所定の範囲毎に区切ることにより段階分けし、各段階の照度と発光指示量を関連付けた表データ等を用いる形態でもよい。
【0044】
押下検知部11bは、スイッチ23が含む各スイッチのON/OFF状態の変化が検知された際に、各スイッチから送られてくる押下検知結果に基づいて、電子式フォトフレーム1の現在の上下左右方向の向きを判定する。例えばユーザにより電子式フォトフレーム1の向きが変えられた際に、回動によりONとなったスイッチを含む面が接地面であると判定する。そして接地面となった面とその他の面との位置関係から、現在の電子式フォトフレーム1の縦置き/横置きを判別するとともに、何れの面が上面となっているかを判別する。判別結果は表示方向判定部11cに与えられる。
【0045】
表示方向判定部11cは、押下検知部11bより与えられた各種検知結果と、表示部14に表示する画像の画素数とから、表示画像に対する加工処理の必要有無を判定する。加工が不要である場合、フラッシュメモリ12から読み出した表示用画像データのみを画像加工処理部11dへ与える。加工処理が必要である場合、表示用画像データと加工処理の種別、例えば回転処理、縮小処理、伸長処理等を画像加工処理部11dへ指示する。
【0046】
例えば、押下検知部11により横置き状態であることが通知され、且つフラッシュメモリ12から読み出し表示用画像データが縦長の画像であったとする。具体例を挙げると、表示部14が横置き状態であるため表示可能画素が縦600画素、横800画素であり、且つ表示用画像データが縦800画素、横600画素であったとする。この場合、表示用画像データの縦の画素が600画素となるように画像を縮小加工する必要がある。またこの際、縦横比率が変化しないことが望ましいため、横方向の画素を450画素となるように縮小加工を行う必要がある。
【0047】
表示方向判定部11cは上記に示した縮小加工の実施指示を、画像加工処理部11dへ与える。画像加工処理部11dは、表示方向判定部11cから与えられた指示に基づき、画像データを縮小加工したのち画像信号に変換して表示部14に与える。なお、画像加工処理部11dが画像加工処理に用いる加工変換方式は特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
〈1−3.電子式フォトフレームの外観について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電子式フォトフレーム1の外観を、図3の正面図、図4の上面図、図5の背面図、及び図6の正面図を用いながら説明する。
【0048】
図3は電子式フォトフレーム1を前面から見た前面図、図4は電子式フォトフレーム1を上面から見た上面図である。図3及び図4に示すように電子式フォトフレーム1の前面は、表示部14を含む。またその上面に、メモリスロット22を含む。さらにその上下左右面に、スイッチ23を含む。図3及び図4においては、電子式フォトフレーム1上面のスイッチ23a、正面右側面のスイッチ23b、及び正面左側面のスイッチ23cしか示していないが、下面にも図示しないスイッチ23dが備えられている。
【0049】
図5は、電子式フォトフレーム1の背面に備えられた各装置部の一例を示したブロック図である。図5に示すように電子式フォトフレーム1の背面は、通信I/F部19が備えるLANコネクタ19a、電源部21が備える電源コード接続端子21a、及び支持用脚部24を備えている。LANコネクタ19aはLANケーブルを接続することにより、電子式フォトフレーム1をネットワークに接続するための端子である。電源コード接続端子21aは電源コード(不図示)を取り付けて商用電源から電力の供給を受けるためのものである。
【0050】
支持用脚部24は、電子式フォトフレーム1に回動自在に設けられ、電子式フォトフレーム1を背後から指示するための部材である。支持用脚部24は、電子式フォトフレーム1の表面の傾斜を急にしたり、又は緩やかにしたり、適宜調節可能な構成をしている。また支持用脚部24は回動することにより、電子式フォトフレーム1上下左右の向きを変更することが可能である。
【0051】
また図6は、図3の状態の電子式フォトフレーム1を正面から見た右側へ90度回転させて設置した場合の正面図である。この場合、図3において上面に位置していたメモリスロット22及びスイッチ23aが、右側面に位置するようになっている。また、図3において右側面に位置していたスイッチ23bが下面に位置することにより、スイッチ23bが押下された状態となっている。この押下状態を押下検知部11bが検知することにより、スイッチ23bが設けられた面が接地面となっていることが判別される。
〈1−4.回動検出処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る電子式フォトフレーム1の回動検出処理を、図1〜図6のブロック図と図7のフロー図とを用いながら説明する。
【0052】
図7は、本発明に係る回動検出処理の処理フローを示したフローチャートである。本処理は、電子式フォトフレーム1の電源が起動している状態において、任意のタイミングで開始可能である。
【0053】
本処理の開始後、押下検知部11bはステップS110において、スイッチ23のON/OFF状態の変化、つまり電子式フォトフレーム1の回動を検知したかどうかの判定を行う。検知されなかった場合、ステップS110に再び移行する。
【0054】
回動が検知された場合、押下検知部11bはステップS120において、回動後の電子式フォトフレーム1の接地方向を、スイッチ23のON/OFF状態に基づいて判別する。これにより、現在の電子式フォトフレーム1の縦置き/横置き状態と、表示部14の上下方向を取得する。取得した情報は、表示方向判定部11cに送られる。
【0055】
表示方向判定部11cはステップS130において、押下検知部11bより与えられた情報と、表示する画像の画素数とから、現在の電子式フォトフレーム1の状態において画像の縮小加工を行わずに画面内に表示できるかどうかの判定を行う。表示可能である場合、後述するステップS150に移行する。画像の一部が表示不可である場合、表示用画像の全てを表示するために必要な加工処理の種別を判定し、判定結果に基づいた加工処理指示を画像加工処理部11dへ与える。
【0056】
この指示を受けた画像加工処理部11dはステップS140において、与えられた指示に基づき表示用画像データの加工処理を行う。そしてステップS150において、加工した画像データを画像信号に変換して表示部14に与えることにより画像の表示を行い、本処理を終了する。
【0057】
以上に説明した本実施形態によれば、表示部14に画像を表示する際に、スイッチ23や押下検知部11bにより電子式フォトフレーム1が縦置き状態であるか横置き状態であるかを判定し、判定結果に基づいて表示画像の表示方向を決定する。このためユーザは、電子式フォトフレーム1の向きにあわせて画像表示方向の変更等の設定操作を行うことなく、適切な向きで画像を閲覧できる。
【0058】
また、画像が表示部14の表示サイズを超える場合に画像の表示サイズを変更する加工処理を行ってから表示するため、例えば表示装置が横置きの状態でも縦長の画像を表示することが可能である。
【0059】
また、照度変化を検知した際に、図8のグラフ図に示すような調整用情報を用いて発光量変更指示を行うため、ユーザが手動で発光量の調整を行う必要がない。従ってユーザは常に最適な明るさで画像を閲覧できるとともに、無駄な消費電力の削減を図ることができる。
【0060】
[実施の形態2]
〈2−1.内部構成について〉
本発明の第二の実施形態に係る電子式フォトフレーム1は、図10に示すように実施の形態1の制御部11〜メモリスロット22に加えて、回動検知部25を備えている。
【0061】
回動検知部25は、電子式フォトフレーム1の回動を検知し、回動方向及び回動角度等を算出して後述する回動判定部11eに与える。回動検知部25は例えば、物体の加速度を検知する加速度センサや、物体の角速度を検知するジャイロセンサ(=角速度センサ)をその内部に備えており、これら複数のセンサを用いて回動の検知を行う。
〈2−2.機能部の構成について〉
本発明の第二の実施形態に係る電子式フォトフレーム1は、図9に示すように実施の形態1の発光量指示部11a、表示方向判定部11c、及び画像加工処理部11dに加えて、回動判定部11e(=センサ手段の一構成要素)を備えている。
【0062】
回動判定部11eは、回動検知部16により電子式フォトフレーム1の回動が検知された際に、加速度センサや角速度センサから送られてくる回動検知結果に基づいて、電子式フォトフレーム1の現在の上下左右方向の向きを判定する。例えばユーザにより電子式フォトフレーム1の向きが90度変更された場合、左右方向の角速度の差に基づき、ユーザが左右どちら側に90度回動したかを判定する。そして回動前の状態と回動後の状態とから、現在の電子式フォトフレーム1が縦置き状態/横置き状態の何れであり、何れの面が上面となっているかを判別する。判別結果は表示方向判定部11cに与えられる。
〈2−3.電子式フォトフレームの外観について〉
実施の形態1の図3〜図6からスイッチ23を除いたものと同内容であるため、ここでは説明を省略する。
〈2−4.回動検出処理について〉
実施の形態1の図7と、一部を除いて同内容である。異なる点としては、実施の形態1のステップS110〜ステップS120においてはスイッチ23及び押下検知部11bを用いて電子式フォトフレーム1の回動及び上下方向を判定しているが、本実施形態では回動検知部25及び回動判定部11eを用いて判定を行う。その他の処理については実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0063】
以上に説明した本実施形態によれば、表示部14に画像を表示する際に、回動検知部25と回動判定部11eとにより電子式フォトフレーム1が縦置き状態であるか横置き状態であるかを判定し、判定結果に基づいて表示画像の表示方向の決定と表示画像の加工処理とを行う。このためユーザは、電子式フォトフレーム1の向きにあわせて画像表示方向の変更等の設定操作を行うことなく、適切な向きで画像を閲覧できる。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0064】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0065】
(A)本実施形態では、照度に応じて発光量を調整しているが、検出照度に応じて画像の輝度、コントラスト、或いはホワイトバランス等の画質設定項目を変更する形態でもよい。具体的には、予め検出照度と画質設定項目とを関連付けた画質調整用情報がフラッシュメモリ12に記録されている。発光量指示部11aは検出照度と画質調整用情報とを用いて、画像加工処理部11dに対して上記画質設定の変更を指示する。これにより、視覚上の明るさを検出照度に応じて変化させることができる。
【0066】
(B)本実施形態では、本発明の表示方向切替処理を行う表示装置として電子式フォトフレーム1を例として説明しているが、表示部を備えたこれ以外の装置において本発明を用いる形態でもよい。例えば、カーナビ、ポータブルテレビ、PCモニタ等において用いる形態であってもよい。
【0067】
(C)本実施形態では、スイッチ23による回動検出及び回動検知部25による回動検出を個別の実施形態で説明しているが、この二つをあわせて実施する形態であってもよい。これにより、電子式フォトフレーム1の回動方向をより確実に判別することが可能である。
【0068】
(D)本実施形態では、下面を判定するための突起部としてスイッチ23を用いて説明しているが、圧力検知が可能なその他の部材、例えば圧力センサ等を用いて下面を判定する形態であってもよい。
【0069】
(E)本実施形態では、本発明の表示方向切替処理に関わる電子式フォトフレーム1の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】は、第一の実施形態に係る表示装置が備える機能部の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】は、第一の実施形態に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】は、第一の実施形態に係る表示装置の外観を示す前面図である。
【図4】は、第一の実施形態に係る表示装置の外観を示す上面図である。
【図5】は、第一の実施形態に係る表示装置の外観を示す背面図である。
【図6】は、第一の実施形態に係る表示装置の外観を示す前面図である。
【図7】は、本発明の表示方向切替処理の処理フローを示すフロー図である。
【図8】は、本発明の表示装置における検出照度と発光指示量との関係を示したグラフ図である。
【図9】は、第二の実施形態に係る表示装置が備える機能部の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】は、第二の実施形態に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
1 電子式フォトフレーム(表示装置)
11 制御部
11a 発光量指示部(発光量指示手段)
11b 押下検知部(センサ手段)
11c 表示方向判定部(表示方向判定手段)
11d 画像加工処理部(画像加工手段)
11e 回動判定部(センサ手段)
12 フラッシュメモリ(記録手段)
14 表示部(表示手段)
15 バックライト(発光量調整手段)
16 照度センサ(照度検知手段)
23 スイッチ(突起部、センサ手段)
25 回動検知部(センサ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段が備える画像表示面の長手方向及び/或いは短手方向を判定するセンサ手段と、を備えた表示装置において、
前記センサ手段により検知された前記長手方向及び/或いは前記短手方向に基づいて、前記表示手段に表示する画像の表示方向を決定する表示方向判定手段を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示方向判定手段により決定された表示方向において画像の全部分が前記表示手段に表示可能であるかを判定し、全部分の表示が不可である場合に画像の表示サイズを変更する画像加工手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記センサ手段が、前記表示手段の表面に押下可能に設けられた突起部と、前記突起部の押下を検知する押下検知部とを備え、前記突起部及び前記押下検知部を用いて前記表示手段が備える画像表示面の長手方向及び/或いは短手方向を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記センサ手段が、加速度センサ及び/或いは角速度センサを用いて前記表示装置の回動を検知する回動検知部と、前記回動検知部の検知結果に基づいて前記表示手段の回動方向及び回動角度を判定する回動判定部とを備え、前記回動検知部及び前記回動判定部を用いて前記表示手段が備える画像表示面の長手方向及び/或いは短手方向を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示手段の発光量を調整する発光量調整手段と、照度を検知する照度検知手段と、照度に応じて調整すべき前記表示手段の発光量を示した調整用情報を記録した記録手段と、前記照度検知手段により検知された照度と前記調整用情報とに基づいて、前記発光量調整手段に対して発光量を指示する発光量指示手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−204799(P2009−204799A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−45962(P2008−45962)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】