説明

表示装置

【課題】吸湿による有機層の劣化に起因して経時的な安定性が低下するのを防止しつつ、線欠陥が生じてしまった際に容易に修理することの可能な表示装置を提供する。
【解決手段】有機絶縁膜12Bの表示領域11A側の部分と、有機絶縁膜12Bの周縁領域11C側の部分とが溝12Dによって空間分離されている。第2電極17と接続された補助配線14において、溝12Dとの対向領域のうち少なくとも電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの交差領域に、開口14Bが形成されている。補助配線22のうち、電源線50Aおよび走査線40Aとの対向部分を補助配線22の延在方向から挟み込む部分には、基板11側に窪んだクランク17−1が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイに代わる表示装置として、有機発光素子を用いた有機ELディスプレイが実用化されている。有機ELディスプレイは、自発光型であるので、液晶などに比較して視野角が広く、また、高精細度の高速ビデオ信号に対しても十分な応答性を有するものと考えられている。
【0003】
ところが、有機ELディスプレイでは、吸湿によって有機発光素子の有機層の劣化が生じ易く、有機発光素子の発光輝度が低下したり、発光が不安定になったりするなど、経時的な安定性が低いという問題があった。
【0004】
そのため、従来から、対面ガラスを用いて有機発光素子を封止することにより、水分が有機発光素子内に侵入するのを防止する試みがなされている。しかし、有機発光素子を駆動する駆動トランジスタを覆うと共に、駆動トランジスタによって生じる段差を平坦化するために用いられている平坦化絶縁膜には、有機材料からなる有機絶縁膜が含まれているので、この有機絶縁膜を通して水分がパネル内に侵入してしまう。したがって、対面ガラスを用いた場合であっても、水分が有機発光素子内に侵入するのを十分に防ぐことができないという問題があった。
【0005】
そこで、例えば特許文献1では、有機絶縁膜をパネルの表示領域とその外周領域とに分離する分離溝を有機絶縁膜に設けることにより、有機絶縁膜を通して水分が外周領域から表示領域に侵入するのを防止する方策が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−54111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、有機絶縁膜に上記分離溝を設けた際に、この分離溝の底部に、有機発光素子のカソード電極の面内電位分布を均一化するカソード補助電極や、有機発光素子のカソード電極が設けられたり、さらに、外周領域に設けられたダミー画素の電源線や走査線、信号線等がフローティングにならないようにするために、これらにカソード電圧を印加する接続線が設けられたりすることがある。しかし、この分離溝の下方には駆動トランジスタに接続された電源線、走査線および信号線などが引き出されており、これらの配線が上記したカソード補助電極、カソード電極または接続線と分離溝の下方において交差している。そのため、製造過程で導電性の異物が混入し、駆動トランジスタに接続された電源線、走査線または信号線と、上記したカソード補助電極、カソード電極または接続線とが互いに短絡した場合には、短絡した電源線、走査線または信号線の電圧がカソード電圧となり、短絡した電源線、走査線または信号線に接続された有機発光素子に所望の電圧を印加することができなくなる。その結果、短絡した電源線、走査線または信号線に接続された有機発光素子を含む画素が全て滅点となり、線欠陥が生じてしまうという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸湿による有機層の劣化に起因して経時的な安定性が低下するのを防止しつつ、線欠陥が生じてしまった際に容易に修理することの可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置はパネル部を備えたものである。このパネル部には、表示領域内に複数の駆動トランジスタが形成されており、これら複数の駆動トランジスタを覆うと共に駆動トランジスタ側とは反対側の表面に平坦面を含む平坦化絶縁膜が形成されている。この平坦化絶縁膜には有機絶縁膜が含まれており、この有機絶縁膜には、表示領域のうち周縁領域側の端縁と駆動回路との間に、表示領域を囲む環状の第1開口が形成されている。このパネル部には、また、複数の駆動トランジスタに接続されると共に表示領域内にマトリクス状に配置された複数の有機発光素子を含む積層構造部と、複数の駆動トランジスタに接続されると共に表示領域から当該表示領域の周縁領域に延在する複数の配線とがそれぞれ形成されており、さらに、複数の配線に接続された駆動回路が周縁領域に形成されている。上記積層構造部は、駆動トランジスタに接続された第1電極と、第1開口内に形成された環状の第1補助配線と、第1電極に対して絶縁性を保って形成された第2補助配線と、分離絶縁膜と、発光層を含む有機層と、第2電極とを有している。ここで、第2補助配線は、第1電極との対向領域に第2開口を有すると共に、第1開口との対向領域のうち少なくとも複数の配線との交差領域に第3開口を有している。分離絶縁膜は、第1電極を露出させる第4開口と、第2補助配線のうち第2開口の近傍を露出させる第5開口とを有している。有機層は、少なくとも第1電極のうち第4開口内の露出面を覆っており、第2電極は、少なくとも有機層を覆うと共に、第2補助配線のうち第5開口内の露出面を覆っている。
【0010】
本発明の表示装置では、平坦化絶縁膜に含まれる有機絶縁膜において、表示領域のうち周縁領域側の端縁と駆動回路との間に、表示領域を囲む環状の第1開口が形成されている。これにより、有機絶縁膜は第1開口によって表示領域側と周縁領域側とに分離されているので、有機絶縁膜の周縁領域に水分が侵入した場合であっても、有機絶縁膜を通して水分が周縁領域から表示領域に侵入するのを防止することができる。また、第5開口を介して第2電極と接続された第2補助配線において、有機絶縁膜に形成された環状の第1開口との対向領域のうち少なくとも、複数の駆動トランジスタに接続されると共に表示領域から当該表示領域の周縁領域に延在する複数の配線との交差領域に、第3開口が形成されている。これにより、第1開口内に形成された環状の第1補助配線のうち少なくとも複数の配線との交差領域上には、第2補助配線が存在していないので、例えば製造過程で導電性の異物が混入するなどして、第1補助配線と配線とが互いに短絡した場合には、第1補助配線のうち、短絡した配線との対向部分を当該第1補助配線の延在方向から挟み込む部分に対して例えばレーザなどを照射することにより、第1補助配線のうち短絡した配線との対向部分を、第1補助配線のその他の部分から絶縁分離することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置によれば、有機絶縁膜に第1開口を設けることにより、有機絶縁膜を通して水分が周縁領域から表示領域に侵入するのを防止するようにしたので、吸湿による有機層の劣化に起因して経時的な安定性が低下するのを防止することができる。また、第1開口内に形成された環状の第1補助配線のうち少なくとも複数の配線との交差領域に第3開口を設けることにより、その交差領域上に第2補助配線が存在しないようにしたので、第1補助配線と配線とが互いに短絡して線欠陥が生じてしまった際に容易に修理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る有機発光素子10R,10G,10Bを用いた表示装置の構成を表したものである。この表示装置は、極薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられるものであり、例えば、ガラス,シリコン(Si)ウェハあるいは樹脂などよりなる基板11の上に、複数の有機発光素子10R,10G,10Bがマトリクス状に配置されてなる表示領域11Aが形成されると共に、この表示領域11Aの周辺に、映像表示用のドライバである信号線駆動回路30、走査線駆動回路40および電源線駆動回路50が形成されたパネル部1を備えたものである。
【0014】
表示領域11A内には、図2に例示したような画素駆動回路60が形成されている。この画素駆動回路60は、後述する第1電極13の下層に形成され、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、その間のキャパシタ(保持容量)Csと、電源線50Aとグラウンド(GND)との間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機発光素子10R(または10G,10B)とを有するアクティブ型の駆動回路である。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により形成され、その構成は例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガー構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
【0015】
画素駆動回路60において、列方向には信号線30Aが複数配置され、行方向には走査線40Aが複数配置されている。各信号線30Aと各走査線40Aとの交差点が、有機発光素子10R,10G,10Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線30Aは、信号線駆動回路30に接続され、この信号線駆動回路30から信号線30Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線40Aは走査線駆動回路40に接続され、この走査線駆動回路40から走査線40Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
【0016】
また、表示領域11Aには、赤色の光を発生する有機発光素子10Rと、緑色の光を発生する有機発光素子10Gと、青色の光を発生する有機発光素子10Bとが、順に全体としてマトリクス状に形成されている。なお、隣り合う有機発光素子10R,10G,10Bの組み合わせが一つの画素(ピクセル)10を構成している。
【0017】
図3は、パネル部1の上面構成を表したものである。図4は、図3のA−A矢視方向の断面構成、具体的には、有機発光素子10R,10G,10Bのそれぞれに共通する断面構成を表したものである。図5は、図4の第1電極13(後述)と同一面内における平面構成を模式的に表したものである。なお、図4は、図5のA−A矢視方向の断面図に対応している。基板11上には、上述した画素駆動回路60の駆動トランジスタTr1と、平坦化絶縁膜12とが基板11側から順に積層されており、有機発光素子10R,10G,10Bは、それぞれ、この平坦化絶縁膜12のうち画素駆動回路60とは反対側の表面に形成された平坦面12S上の積層構造部2内に形成されている。
【0018】
駆動トランジスタTr1は、平坦化絶縁膜12に設けられた接続孔12Cを介して第1電極13(後述)に電気的に接続されている。平坦化絶縁膜12は、画素駆動回路60が形成された基板11の表面を平坦化するためのものであり、無機絶縁膜12Aおよび有機絶縁膜12Bを基板11側から順に積層してなる積層構造を有している。無機絶縁膜12Aは、後述するように、例えば無機絶縁膜12A−1,12A−2を基板11側から順に重ね合わせた構造となっている(図7参照)。また、平坦化絶縁膜12は、表示領域11Aのうち、表示領域11Aの周縁領域11C側の端縁(端縁11B)と、信号線駆動回路30、走査線駆動回路40および電源線駆動回路50との間に、表示領域11Aを囲む環状の溝12D(第1開口)を有している(図3参照)。この溝12Dは、平坦化絶縁膜12の平坦面12側から有機絶縁膜12Bおよび無機絶縁膜12A−2を貫通する深さを有している(図7参照)。この平坦化絶縁膜12には、微細な接続孔12Cや溝12Dが形成されるので、無機絶縁膜12Aおよび有機絶縁膜12Bはパターン精度の良い材料により形成されていることが好ましい。無機絶縁膜12Aの構成材料としては、例えば酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)などが挙げられる。また、有機絶縁膜12Bの構成材料としては、例えば、ポリイミドなどが挙げられる。
【0019】
有機発光素子10R,10G,10Bは、陽極としての第1電極13、有機層16および陰極としての第2電極17が基板11側から順に積層された構成を有している。図4に例示したように、第1電極13と同一面内において、第1電極13の周囲には、第1電極13を取り囲む補助配線14(第2補助配線)が形成されている。この補助配線14は、第1電極13との対向領域に開口14A(第2開口)を有しており、第1電極13と所定の間隙を介して配置されている。そのため、補助配線14は、第1電極13に対して絶縁性を保っている。なお、この補助配線14は、後述するように、平坦化絶縁膜12の溝12Dとの対向領域のうち少なくとも電源線50A、走査線40Aおよび信号線30A(複数の配線)との交差領域に開口14B(第3開口)を有している(図7参照)。さらに、第1電極13の周囲には分離絶縁膜15が形成されている。この分離絶縁膜15は、第1電極13を露出させる開口15A(第4開口)と、補助配線14のうち開口14Aの近傍を露出させる開口15B(第5開口)とを有している。有機層16は、少なくとも第1電極13のうち開口15A内の露出面を覆っており、第2電極17は、少なくとも有機層16を覆うと共に補助配線14のうち開口15B内の露出面を覆っている。なお、図3には、有機層16が第1電極13のうち開口15A内の露出面と、分離絶縁膜15の一部を覆い、第2電極17が有機層16と、補助配線14のうち開口15B内の露出面と、分離絶縁膜15のうち有機層16で覆われていない部分とを覆っている(つまり、第2電極17は有機発光素子10R,10G,10Bのうち基板11とは反対側の表面全体に渡って形成されている)場合が例示されている。
【0020】
ところで、有機発光素子10R,10G,10Bにおいて、第1電極13は反射層としての機能を有する一方、第2電極17が半透過性反射層としての機能を有しており、これら第1電極13と第2電極17とにより、有機層16に含まれる発光層16C(後述)において発生した光を共振させる共振器構造が構成されている。
【0021】
すなわち、この有機発光素子10R,10G,10Bは、第1電極13の有機層16側の端面と、第2電極17の有機層16側の端面とが一対の反射鏡を構成し、発光層16Cで発生した光をこの一対の反射鏡で共振させて第2電極17側から取り出す共振器構造を有している。これにより、発光層16Cで発生した光が多重干渉を起こし、共振器構造が一種の狭帯域フィルタとして作用することにより、取り出される光のスペクトルの半値幅が減少し、色純度を向上させることができる。また、封止用基板20側から入射した外光に対しては多重干渉により減衰させることができ、後述するカラーフィルタ52、または位相差板および偏光板(図示せず)との組合せにより有機発光素子10R,10G,10Bにおける外光の反射率を極めて小さくすることができる。
【0022】
第1電極13は、上述したように反射層としての機能も兼ねており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。第1電極13は、例えば、クロム(Cr)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タングステン(W)あるいは銀(Ag)などの金属元素の単体または合金により構成されており、その積層方向の厚さ(以下、単に厚さと言う)が、例えば100nm以上1000nm以下となっている。
【0023】
補助配線14は、第2電極17の面内電位分布を均一化するために設けられたものである。この補助配線14は、上述したように第1電極13と同一面内に形成されていることから、第1電極13と同一材料により構成されていることが好ましい。このようにした場合には、補助配線14を第1電極13と同一工程で形成可能となるので、製造工程を簡略化することができる。
【0024】
分離絶縁膜15は、第1電極13と第2電極17との絶縁性を確保するとともに、発光層16Cにおける発光領域を正確に所望の形状にするためのものであり、例えば感光性樹脂により構成されている。分離絶縁膜15には、発光領域に対応して開口15Aが設けられている。なお、有機層16および第2電極17は、第1電極13上だけでなく分離絶縁膜15上にも連続して設けられているが、発光が生じるのは発光層16Cのうち第1電極13に近接する部分だけである。
【0025】
有機層16は、例えば、第1電極13の側から順に、正孔注入層16A、正孔輸送層16B、発光層16Cおよび電子輸送層16Dを積層してなる積層構造を有している。なお、有機層16は、必要に応じて、上で例示した層以外の層を含んでいてもよいし、正孔輸送層16Bおよび電子輸送層16Dをなくしてもよい。また、有機層16は、有機発光素子10R,10G,10Bの発光色によってそれぞれ異なる構成を有していてもよい。
【0026】
正孔注入層16Aは、正孔注入効率を高めるためのものである。正孔輸送層16Bは、発光層16Cへの正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層16Cは、第1電極13と第2電極17との間に発生する電界によって電子と正孔との再結合を起こさせ、光を発生させるためものである。電子輸送層16Dは、発光層16Cへの電子輸送効率を高めるためのものである。なお、電子輸送層16Dと第2電極17との間には、LiF,LiOなどよりなる電子注入層(図示せず)を設けてもよい。
【0027】
第2電極17は、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金からなり、中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)により構成されていることが好ましい。第2電極17の厚さは、例えば5nm以上50nm以下となっている。
【0028】
また、本実施の形態において、有機発光素子10R,10G,10Bは、窒化ケイ素(SiNx )などの保護膜18により被覆され、更にこの保護膜18上に接着層19を間にしてガラスなどよりなる封止用基板20が全面にわたって貼り合わされることにより封止されている。
【0029】
接着層19は、例えば熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂により構成されている。
【0030】
封止用基板20は、有機発光素子10R,10G,10Bの第2電極17の側に位置しており、接着層19と共に有機発光素子10R,10G,10Bを封止するためのものである。この封止用基板20は、有機発光素子10R,10G,10Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。封止用基板20には、例えば、カラーフィルタ21が設けられており、有機発光素子10R,10G,10Bで発生した光を取り出すと共に、有機発光素子10R,10G,10B並びにその間の配線において反射された外光を吸収し、コントラストを改善するようになっている。
【0031】
図6は、図3の二点鎖線で囲まれた領域α、具体的には、表示領域11Aの周囲であって、かつ表示領域11Aの端縁11B近傍の領域の平面構成を表したものである。図7は図6の領域αにおけるA−A矢視方向の断面構成を、図8は図6の領域αにおけるB−B矢視方向の断面構成をそれぞれ表したものである。
【0032】
上述したように、平坦化絶縁膜12には環状の溝12Dが形成されており、平坦化絶縁膜12の表示領域11A側の部分と、平坦化絶縁膜12の周縁領域11C側の部分とが環状の溝12Dによって空間分離されている。また、この環状の溝12Dの下方、具体的には、溝12Dの底面と、基板11との間には、駆動トランジスタTr1に接続された電源線50Aや、駆動トランジスタTr2に接続された走査線40Aおよび信号線30Aが引き出されて(表示領域11Aから周縁領域11Cにかけて延在して形成されて)おり、基板11の法線方向から見て、これら電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aが、溝12Dと交差している。そして、その交差領域を含む領域には、補助配線14の開口14Bが設けられており、この領域では、溝12Dおよび開口14Bの深さの分だけ(つまり、補助配線14、無機絶縁膜12A−2および有機絶縁膜12Bの厚みの分だけ)、基板11と保護膜18との間に形成された積層構造部2の厚さが薄くなっている。
【0033】
なお、図6〜図8には、電源線50Aおよび走査線40Aが溝12Dと交差している箇所の上面構成および断面構成が例示されている。また、図6〜図8には、第2電極17が表示領域11A側から周縁領域11C側に渡って一面に形成されている、つまり、第2電極17が後述の補助配線22と接して形成されている場合が例示されているが、例えば、図9、図10、図11に示したように、開口14Bとの対向領域に開口17D(第6開口)を設け、第2電極17と補助配線22とを互いに絶縁分離するようにしてもよい。また、例えば、図12に示したように、表示領域11Aおよび周縁領域11Cのうち溝12Dで囲まれた領域内にだけ形成するようにしてもよい。
【0034】
さらに、この環状の溝12Dの内部(底面)には、溝12Dに沿って形成された環状の補助配線22(第1補助配線)が配置されている。この補助配線22は、周縁領域11Cに設けられたダミー画素の電源線や走査線、信号線等(いずれも図示せず)がフローティングにならないようにするために、これらにカソード電圧を印加するために設けられたものである。この補助配線22は、基板11の法線方向から見て、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aと交差しており、無機絶縁膜12A−1を介して絶縁分離されている。また、この補助配線22のうち、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの対向部分を補助配線22の延在方向から挟み込む部分には、基板11側に窪んだクランク17−1が設けられている。このクランク17−1は、溝12Dと開口14Bとが互いに重なり合う領域に設けられており、例えば、孤立配線17Aと、連結部17B,17Cとにより構成されている。ここで、孤立配線17Aは、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aと同一面内(同一層内)に形成されており、これら電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aに対して絶縁性を保っている。この孤立配線17Aは、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aの厚さと同一またはほぼ同一の厚さとなっており、補助配線22のうちクランク17−1以外の部分の厚さよりも十分に薄くなっている。また、連結部17Bは、補助配線22のうち、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの対向部分と、孤立配線17Aとを互いに接続するビアである。連結部17Cは、補助配線22のうち、補助配線14の開口14Bを補助配線22の延在方向から挟み込む部分と、孤立配線17Aとを互いに接続するビアである。なお、補助配線22は、クランク17−1を含め、同一材料で形成されていてもよいが、クランク17−1だけ、他の部分と異なる材料で形成されていてもよい。
【0035】
このような構成を備えた表示装置では、各画素に対して駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、各画素の有機発光素子10R,10G,10Bに駆動電流が注入されることにより、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、第1電極13と第2電極17との間で多重反射し、第2電極17、保護膜18、接着層19、カラーフィルタ21および封止用基板20を透過して取り出される。
【0036】
ところで、本実施の形態では、平坦化絶縁膜12に含まれる有機絶縁膜12Bにおいて、表示領域11Aのうち周縁領域11C側の端縁11Bと、信号線駆動回路30、走査線駆動回路40および電源線駆動回路50との間に、表示領域11Aを囲む環状の溝12Dが形成されている。これにより、有機絶縁膜12Bは溝12Dによって表示領域11A側と周縁領域11C側とに分離されているので、有機絶縁膜12の周縁領域11Cに水分が侵入した場合であっても、有機絶縁膜12を通して水分が周縁領域11Cから表示領域11Aに侵入するのを防止することができる。その結果、吸湿による有機層16の劣化に起因して経時的な安定性が低下するのを防止することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、分離絶縁膜15の開口15Bを介して第2電極17と接続された補助配線14において、有機絶縁膜12Bに形成された環状の溝12Dとの対向領域のうち少なくとも電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの交差領域に、開口14Bが形成されている。これにより、溝12D内に形成された環状の補助配線22のうち少なくとも電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの交差領域上には、補助配線22が存在していないので、例えば、図13〜15(第2電極17と補助配線22が互いに接続されている場合)や、図16〜18(第2電極17と補助配線22が互いに接続されている場合)に示したように、製造過程で導電性の異物Pが混入するなどして、電源線50A、走査線40Aまたは信号線30Aと、補助配線22とが互いに短絡した場合には、補助配線22のうち、短絡した配線との対向部分を補助配線22の延在方向から挟み込む部分(具体的にはクランク17−1の孤立配線17A。図13、15、16、18中の波状の破線部分)に対して例えばレーザなどを照射することにより、補助配線22のうち短絡した配線との対向部分を、補助配線22のその他の部分から絶縁分離することができる。このように、本実施の形態では、電源線50A、走査線40Aまたは信号線30Aと、補助配線22とが互いに短絡して線欠陥が生じてしまった際に容易に修理することができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る表示装置は、上記実施の形態の表示装置におけるクランク17−1の構造と、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aの配置を異ならせたものである。そこで、以下では、上記実施の形態との相違点について主に説明し、上記実施の形態との共通点については適宜省略するものとする。
【0039】
図19は、領域αの平面構成を表したものである。図20は図19の領域αにおけるA−A矢視方向の断面構成を、図21は図19の領域αにおけるB−B矢視方向の断面構成をそれぞれ表したものである。
【0040】
上記実施の形態と同様、平坦化絶縁膜12には環状の溝12Dが形成されており、平坦化絶縁膜12の表示領域11A側の部分と、平坦化絶縁膜12の周縁領域11B側の部分とが環状の溝12Dによって空間分離されている。また、この環状の溝12Dの側壁を貫通するようにして、駆動トランジスタTr1に接続された電源線50Aや、駆動トランジスタTr2に接続された走査線40Aおよび信号線30Aが引き出されて(表示領域11Aから周縁領域11Bにかけて延在して形成されて)おり、基板11の法線方向から見て、これら電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aが、溝12Dと交差している。また、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aは、無機絶縁膜12A−1上に形成されており、溝12Dの内部において、無機絶縁膜12A−1と共に露出している。そして、溝12Dと、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの交差領域を含む領域には、補助配線14の開口14Bが設けられており、この領域では、溝12Dおよび開口14Bの深さの分だけ(つまり、補助配線14、無機絶縁膜12A−2および有機絶縁膜12Bの厚みの分だけ)、基板11と保護膜18との間に形成された積層構造部2の厚さが薄くなっている。
【0041】
なお、図19〜図21には、電源線50Aおよび走査線40Aが溝12Dと交差している箇所の上面構成および断面構成が例示されている。また、図19〜図21には、第2電極17は、開口14Bとの対向領域に設けられた開口17Dによって、補助配線22と絶縁分離されている場合が例示されているが、例えば、溝12Dの底部に絶縁材料を充填し、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aを覆い、これらを覆った絶縁材料上に第2電極17を設けることにより、第2電極17と補助配線22とを互いに絶縁分離するようにしてもよい。また、例えば、図12に示したように、表示領域11Aおよび周縁領域11Bのうち溝12Dで囲まれた領域内にだけ形成するようにしてもよい。
【0042】
さらに、この環状の溝12Dの下方、具体的には、溝12Dの底面と基板11との間には、溝12Dに沿って形成された環状の補助配線22が配置されている。この補助配線22は、上記実施の形態と同様、周縁領域11Bに設けられたダミー画素の電源線や走査線、信号線等(いずれも図示せず)がフローティングにならないようにするために、これらにカソード電圧を印加するために設けられたものである。この補助配線22は、基板11の法線方向から見て、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aと交差しており、無機絶縁膜12A−1を介して絶縁分離されている。また、この補助配線22のうち、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの対向部分と、この対向部分を補助配線22の延在方向から挟み込む部分とには、基板11側に窪んだクランク17−1が設けられている。このクランク17−1は、溝12Dと開口14Bとが互いに重なり合う領域に設けられており、例えば、孤立配線17Aと、連結部17Cとにより構成されている。ここで、孤立配線17Aは、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aと同一面内(同一層内)に形成されており、これら電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aに対して絶縁性を保っている。この孤立配線17Aは、電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aの厚さと同一またはほぼ同一の厚さとなっており、補助配線22のうちクランク17−1以外の部分の厚さよりも十分に薄くなっている。また、連結部17Cは、補助配線22のうち、補助配線14の開口14Bを補助配線22の延在方向から挟み込む部分同士と、孤立配線17Aとを互いに接続するビアである。なお、補助配線22は、クランク17−1を含め、同一材料で形成されていてもよいが、クランク17−1だけ、他の部分と異なる材料で形成されていてもよい。
【0043】
ところで、本実施の形態では、上記実施の形態と同様、平坦化絶縁膜12に含まれる有機絶縁膜12Bにおいて、表示領域11Aのうち周縁領域11C側の端縁11Bと、信号線駆動回路30、走査線駆動回路40および電源線駆動回路50との間に、表示領域11Aを囲む環状の溝12Dが形成されている。これにより、有機絶縁膜12Bは溝12Dによって表示領域11A側と周縁領域11C側とに分離されているので、有機絶縁膜12の周縁領域11Cに水分が侵入した場合であっても、有機絶縁膜12を通して水分が周縁領域11Cから表示領域11Aに侵入するのを防止することができる。その結果、吸湿による有機層16の劣化に起因して経時的な安定性が低下するのを防止することができる。
【0044】
また、本実施の形態では、分離絶縁膜15の開口15Bを介して第2電極17と接続された補助配線14において、有機絶縁膜12Bに形成された環状の溝12Dとの対向領域のうち少なくとも電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの交差領域に、開口14Bが形成されている。これにより、溝12Dの下方に形成された環状の補助配線22のうち少なくとも電源線50A、走査線40Aおよび信号線30Aとの交差領域上には、補助配線22が存在していないので、例えば、図22〜24に示したように、製造過程で導電性の異物Pが混入するなどして、電源線50A、走査線40Aまたは信号線30Aと、補助配線22とが互いに短絡した場合には、補助配線22のうち、短絡した配線との対向部分を補助配線22の延在方向から挟み込む部分(具体的にはクランク17−1の孤立配線17Aのうちビア17Cに近接する両端部。図22、図24中の波状の破線部分)に対して例えばレーザなどを照射することにより、補助配線22のうち短絡した配線との対向部分を、補助配線22のその他の部分から絶縁分離することができる。このように、本実施の形態では、電源線50A、走査線40Aまたは信号線30Aと、補助配線22とが互いに短絡して線欠陥が生じてしまった際に容易に修理することができる。
【0045】
(モジュールおよび適用例)
以下、上述した第1ないし第2の実施の形態で説明した表示装置の適用例について説明する。上記各実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0046】
(モジュール)
上記各実施の形態の表示装置は、例えば、図25に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板11の一辺に、封止用基板20および接着層19から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路30、走査線駆動回路40および電源線駆動回路50の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0047】
(適用例1)
図26は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0048】
(適用例2)
図27は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0049】
(適用例3)
図28は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0050】
(適用例4)
図29は、上記各実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0051】
(適用例5)
図30は、上記各実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0052】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0053】
例えば、本発明は、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などに限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、上記実施の形態においては、基板11の上に、第1電極13、有機層16および第2電極17を基板11の側から順で積層し、封止用基板20の側から光を取り出すようにした場合について説明したが、積層順序を逆にして、基板11の上に、第2電極17,有機層16および第1電極13を基板11の側から順に積層し、基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。
【0054】
また、例えば、上記実施の形態では、第1電極13を陽極、第2電極17を陰極とする場合について説明したが、陽極および陰極を逆にして、第1電極13を陰極、第2電極17を陽極としてもよい。さらに、第1電極13を陰極、第2電極17を陽極とすると共に、基板11の上に、第2電極17,有機層16および第1電極13を基板11の側から順に積層し、基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。
【0055】
また、上記実施の形態では、有機発光素子10R,10G,10Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、第1電極13と有機層16との間に、酸化クロム(III)(Cr2 3 ),ITO(Indium-Tin Oxide:インジウム(In)およびスズ(Sn)の酸化物混合膜)などからなる正孔注入用薄膜層を備えていてもよい。また、第1電極13を、例えば、誘電体多層膜とすることもできる。
【0056】
また、上記実施の形態では、第2電極17を半透過性反射層により構成した場合について説明したが、第2電極17を、半透過性反射層と透明電極とが第1電極13の側から順に積層された構造としてもよい。この透明電極は、半透過性反射層の電気抵抗を下げるためのものであり、発光層で発生した光に対して十分な透光性を有する導電性材料により構成されている。透明電極を構成する材料としては、例えば、ITOまたはインジウムと亜鉛(Zn)と酸素とを含む化合物が好ましい。室温で成膜しても良好な導電性を得ることができるからである。透明電極の厚みは、例えば30nm以上1000nm以下とすることができる。また、この場合、半透過性反射層を一方の端部とし、透明電極を挟んで半透過性電極に対向する位置に他方の端部を設け、透明電極を共振部とする共振器構造を形成するようにしてもよい。さらに、そのような共振器構造を設けた上で、有機発光素子10R,10G,10Bを保護膜18で覆うようにし、この保護膜18を、透明電極を構成する材料と同程度の屈折率を有する材料により構成すれば、保護膜18を共振部の一部とすることができ、好ましい。
【0057】
また、本発明は、第2電極17を透明電極により構成すると共に、この透明電極の有機層16と反対側の端面の反射率が大きくなるように構成し、第1電極13の発光層16C側の端面を第1端部、透明電極の有機層と反対側の端面を第2端部とした共振器構造を構成した場合についても適用することができる。例えば、透明電極を大気層に接触させ、透明電極と大気層との境界面の反射率を大きくして、この境界面を第2端部としてもよい。また、接着層との境界面での反射率を大きくして、この境界面を第2端部としてもよい。さらに、有機発光素子10R,10G,10Bを保護膜18で覆い、この保護膜18との境界面での反射率を大きくして、この境界面を第2端部としてもよい。
【0058】
また、上記各実施の形態では、アクティブマトリクス型の表示装置の場合について説明したが、本発明はパッシブマトリクス型の表示装置への適用も可能である。また、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記各実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路30や、走査線駆動回路40、電源線駆動回路50のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の構成図である。
【図2】画素駆動回路の一例を表す図である。
【図3】図1のパネル部の平面構成の一例を表す図である。
【図4】図1の有機発光素子の断面構成図である。
【図5】第1電極および補助配線の平面構成図である。
【図6】図3の領域αにおける平面構成の一例を表す図である。
【図7】図6の領域αのA−A矢視方向の断面構成図である。
【図8】図6の領域αのB−B矢視方向の断面構成図である。
【図9】図3の領域αにおける平面構成の他の例を表す図である。
【図10】図9の領域αのA−A矢視方向の断面構成図である。
【図11】図9の領域αのB−B矢視方向の断面構成図である。
【図12】図1の領域αの平面構成の他の例を表す図である。
【図13】図6の領域αに異物が混入したときの平面構成の一例を表す図である。
【図14】図13の領域αのA−A矢視方向の断面構成図である。
【図15】図13の領域αのB−B矢視方向の断面構成図である。
【図16】図9の領域αに異物が混入したときの平面構成の一例を表す図である。
【図17】図16の領域αのA−A矢視方向の断面構成図である。
【図18】図16の領域αのB−B矢視方向の断面構成図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の領域αにおける平面構成の一例を表す図である。
【図20】図20の領域αのA−A矢視方向の断面構成図である。
【図21】図20の領域αのB−B矢視方向の断面構成図である。
【図22】図9の領域αに異物が混入したときの平面構成の一例を表す図である。
【図23】図22の領域αのA−A矢視方向の断面構成図である。
【図24】図22の領域αのB−B矢視方向の断面構成図である。
【図25】上記各実施の形態の表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図26】上記各実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図27】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図28】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図29】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図30】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【符号の説明】
【0060】
1…パネル部、2…積層構造部、10…画素、10R,10G,10B…有機発光素子、11…基板、11A…表示領域、11B…端縁、11C…周縁領域、12…平坦化絶縁膜、12A,12A−1,12A−2…無機絶縁膜、12B…有機絶縁膜、12C…接続孔、12D…溝、12S…平坦面、13…第1電極、14,22…補助配線、14A,14B,15A,15B,17D…開口、15…分離絶縁膜、15A,15B…開口、16…有機層、16−1,16A−1…端部、16A…正孔注入層、16B…正孔輸送層、16C…発光層、16D…電子輸送層、17…第2電極、17−1…クランク、17A…孤立配線、17B,17C…連結部、18…保護膜、19…接着層、20…封止用基板、21…カラーフィルタ、30…信号駆動回路、30A…信号線、40…走査線駆動回路、40A…走査線、50…電源線駆動回路、50A…電源線、60…画素駆動回路、α…領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域内に形成された複数の駆動トランジスタと、前記複数の駆動トランジスタを覆うと共に前記駆動トランジスタ側とは反対側の表面に平坦面を含む平坦化絶縁膜と、前記複数の駆動トランジスタに接続されると共に前記表示領域内にマトリクス状に配置された複数の有機発光素子を含む積層構造部と、前記複数の駆動トランジスタに接続されると共に前記表示領域から当該表示領域の周縁領域に延在する複数の配線と、前記複数の配線に接続されると共に前記周縁領域に形成された駆動回路とを有するパネル部を備え、
前記平坦化絶縁膜は、前記表示領域を囲む環状の第1開口が前記表示領域のうち前記周縁領域側の端縁と前記駆動回路との間に形成された有機絶縁膜を有し、
前記積層構造部は、前記駆動トランジスタに接続された第1電極と、前記第1開口内に形成された環状の第1補助配線と、前記第1電極との対向領域に第2開口を有すると共に前記第1開口との対向領域のうち少なくとも前記複数の配線との交差領域に第3開口を有し、かつ前記第1電極に対して絶縁性を保って形成された第2補助配線と、前記第1電極を露出させる第4開口および前記第2補助配線のうち前記第2開口の近傍を露出させる第5開口を有する分離絶縁膜と、少なくとも前記第1電極のうち前記第4開口内の露出面を覆うと共に発光層を含む有機層と、少なくとも前記有機層を覆うと共に前記第2補助配線のうち前記第5開口内の露出面を覆う第2電極とを有する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1補助配線のうち、前記複数の配線との対向部分を当該第1補助配線の延在方向から挟み込む部分は、当該第1補助配線の他の部分よりも薄くなっている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1補助配線のうち、前記複数の配線との対向部分を当該第1補助配線の延在方向から挟み込む部分は、前記複数の配線と同一面内に形成されると共に前記複数の配線に対して絶縁性を保って形成された孤立配線と、この孤立配線に接続された連結部とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1補助配線のうち、前記第3開口との対向部分は、当該第1補助配線の他の部分よりも薄くなっている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1補助配線のうち、前記第3開口との対向部分は、前記駆動トランジスタのゲート電極と同一面内に形成されると共にそのゲート電極に対して絶縁性を保って形成された孤立配線と、この孤立配線に接続された連結部とからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2電極は、前記第3開口との対向領域に第6開口を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2電極は、前記表示領域および前記周縁領域のうち前記第1開口で囲まれた領域内にだけ形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2009−237508(P2009−237508A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86971(P2008−86971)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】