説明

表示装置

【課題】円形または楕円形などの非矩形状の表示領域を有する表示装置において、表示領域の外形が滑らかで、表示品位の優れた表示装置を提供すること
【解決手段】本発明にかかる表示装置は、非矩形状の表示領域1と、表示領域1を囲う額縁領域2と、表示領域1に配列された複数の絵素5と、絵素5に設けられた複数色の有効表示領域4と、を備え、表示領域1の境界部分(表示エリア端3)に位置する絵素5に設けられた複数色の有効表示領域4のそれぞれは、一つの絵素5において開口率が同じで、かつ複数色の有効表示領域4の各色が並ぶ第1方向(横方向)と垂直な第2方向(縦方向)における中心線6が第1方向に隣接する絵素5に設けられた有効表示領域4の中心線6の延長線上に位置するよう形成されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に詳しくは非矩形状の表示領域を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置を搭載した様々なタイプの機器が広く普及している。デザイン性やユーザーの嗜好に合わせたファッション性がこれらの機器に求められるのに伴って、機器の形状はこれに合わせたものとなってきている。
【0003】
このようなトレンドに対応して、表示装置の表示エリアにも工夫が凝らされることがある。表示エリアは矩形形状のものが一般的であるが、円形や楕円形など非矩形状にしたものが知られている。
【0004】
表示装置では、通常、画素がマトリクス状に配置される。そのため、表示エリアが円形状や楕円形状などの表示装置では、表示エリアの境界部分に位置する画素が円弧状に遮光されることとなる。このとき、一つの絵素に含まれる各色の画素の開口率が不均等となるように遮光されるので、表示エリア端にある絵素の色バランスが崩れてしまう。これにより、表示エリア端で色づきが生じ、表示品位を低下させている。
【0005】
上記問題を解決するための技術がいくつか開示されている。図7は、特許文献1に開示された従来技術1に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。図7では、楕円形状を有する表示領域1の右上部分近傍の端部が示されている。従って、図7中、表示エリア端3を介して左下側に表示領域1、右上側に額縁領域2が示されている。従来技術1では、図7に示すように、額縁領域2に遮光される画素が属する絵素5において、各色の画素開口率が均一となるよう、カラーフィルタ基板のブラックマトリクス線幅を調整している。これにより、額縁領域2に遮光される画素を有することで各色の有効表示領域4R、4G、4Bの画素開口率が不均等となる絵素5内での色バランスが安定する。よって、表示エリア端3で色づきが生じることを防止することができる。
【0006】
一方、図8は、従来技術2に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。図8では、図7と同様、楕円形状を有する表示領域1の右上部分近傍の端部が示されている。従って、図8中、表示エリア端3を介して左下側に表示領域1、右上側に額縁領域2が示されている。従来技術2では、図8に示すように、額縁領域2に遮光される画素が属する絵素5の全画素を非点灯としている。これにより、額縁領域2に遮光される画素を有することで各色の有効表示領域4R、4G、4Bの画素開口率が不均等となる絵素5は、表示が行われなくなる。よって、表示エリア端3で色づきが生じることを防止することができる。
【特許文献1】特開2006−276580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、有効表示領域4の面積を上下2分割する線を中心線6とすると、従来技術1では、額縁領域2に遮光されるレベルによって、図7中横方向に隣接する絵素5の中心線6の位置が異なってしまう。そのため、横方向の直線表示をした場合に、一直線とならずに表示領域1の端部で線が曲がってしまう。一方、従来技術2では、横方向に配列された絵素5の中心線6は一直線となるため、横方向の直線表示をした際に表示領域1の端部で線が曲がることはない。しかしながら、額縁領域2に遮光される画素が属する絵素5は全て非点灯絵素としているため、表示領域1の外形を滑らかな楕円形状または円形形状とすることができない。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、円形または楕円形などの非矩形状の表示領域を有する表示装置において、表示領域の外形が滑らかで、表示品位の優れた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる表示装置は、非矩形状の表示領域と、前記表示領域を囲う額縁領域と、前記表示領域に配列された複数の絵素と、前記絵素に設けられた複数色の有効表示領域と、を備え、前記表示領域の境界部分に位置する前記絵素に設けられた前記複数色の有効表示領域のそれぞれは、1つの前記絵素において開口率が同じで、かつ前記複数色の有効表示領域の各色が並ぶ第1方向と垂直な第2方向における中心線が前記第1方向に隣接する前記絵素に設けられた前記有効表示領域の前記中心線の延長線上に位置するよう形成されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、円形または楕円形などの非矩形状の表示領域を有する表示装置において、表示領域の外形が滑らかで、表示品位の優れた表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略されている。
【0012】
実施の形態1.
始めに、図1を用いて、本実施の形態に係る表示装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る液晶表示装置の断面図である。本実施の形態に係る表示装置は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を有するアクティブマトリクス型液晶表示装置を例として説明するが、TFT以外のスイッチング素子を用いてもよい。また、パッシブマトリクス型液晶表示装置とすることも可能である。なお、本発明は液晶表示装置に限られるものはない。すなわち、液晶や粒子や液体等の表示材料によって表示が行われる表示装置であれば、適用可能である。
【0013】
図1において、本実施の形態に係る液晶表示装置は、アレイ基板10と対向基板20とが互いに対向して配置されている。そして、これら両基板を貼り合わせるシール材34との間の空間に液晶30を封入した構成を有する。本実施の形態に係る液晶表示装置では、円形や楕円形など非矩形状の表示領域が形成されている。シール材34はこの表示領域を囲うように形成されている。シール材34の形状は、表示領域の形状に沿った形状とすることができるが、例えば枠状など表示領域の形状とは別の形状でもよい。
【0014】
アレイ基板10は、基板11の上に表示領域を形成する画素電極16、走査信号線(不図示)、及び映像信号線(不図示)がそれぞれ絶縁膜15を介して形成されている。複数の走査信号線(ゲート配線)は平行に設けられている。同様に、複数の映像信号線(ソース配線)は平行に設けられている。走査信号線と映像信号線とは、互いに交差するように形成されている。走査信号線と映像信号線とは交差している。隣接する走査信号線と映像信号線とで囲まれた領域が画素となる。従って、画素がマトリクス状に配列される。この画素の略全域に画素電極16が形成されている。以下、走査信号線と映像信号線とによって規定される領域を画素と呼ぶこととする。
【0015】
走査信号線と映像信号線との交差点近傍には、スイッチング素子であるTFT14が形成される。TFT14はアレイ基板10上にアレイ状に配列されている。TFT14は、映像信号線と同じ層で形成されたドレイン電極及びソース電極を備えている。ソース電極とドレイン電極とは、半導体層を介して接続されている。このTFT14を介して、映像信号線と画素電極16とが接続される。したがって、走査信号によってTFT14をオン状態にすることによって、映像信号線から画素電極16に表示信号が供給される。本実施の形態では、例えば、ボトムゲート型TFT14を用いることができる。
【0016】
画素電極16上には、液晶30を配向させるための配向膜19が積層されている。基板11の外側には偏光板31が貼着されている。また、アレイ基板10上には、TFT14に供給する信号を外部から受け入れる端子37を有している。
【0017】
対向基板20は、基板21のアレイ基板10と対向する面に、顔料あるいはクロム等の金属から成り光を遮光するブラックマトリクス(BM)22が形成されている。そして、ブラックマトリクス22に設けられた開口部を埋めるように顔料あるいは染料からなる着色層23が形成されている。着色層23は例えばR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタである。さらにブラックマトリクス22および着色層23を覆うように、対向電極24が対向基板20の略全面に形成されている。対向電極24は、アレイ基板10の画素電極16との間に電界を生じさせ、液晶30を駆動する。また、対向基板20の液晶30と接する面には、液晶30を配向させるための配向膜29が積層されている。なお、基板21の外側には偏光板32が貼着されている。
【0018】
アレイ基板10と対向基板20は、シール材34を介して貼り合わされている。基板11、21としては、ガラス基板、石英ガラス等の透明な絶縁基板を用いることができる。シール材34は、例えば光硬化性及び熱硬化性のアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂、または紫外線硬化性の樹脂を用いることができる。また、本実施の形態に係る液晶表示装置は、駆動信号を発生させる制御基板35、制御基板35を端子37に電気的に接続するFFC(Flexible Flat Cable)36、光源となるバックライトユニット(不図示)等を備えている。
【0019】
このような液晶表示装置では、制御基板35から電気信号が入力されると、画素電極16及び対向電極24に駆動電圧が加わる。そして、駆動電圧に合わせて液晶30の分子の方向が変化する。バックライトユニットの発する光がアレイ基板10、液晶30、及び対向基板20を介して外部へ透過または遮断されることにより、液晶表示装置に映像等が表示される。すなわち、画素ごとに駆動電圧を変えることによって、所望の画像を表示することができる。なお、本明細書中では、走査信号線と映像信号線とによって規定される画素のうち、実際に表示に寄与可能な領域を有効表示領域と呼ぶこととする。従って、液晶表示装置では、明表示をしたときに、ブラックマトリクス22等によって遮光されないでバックライトユニットの光が実際に外部へ透過される領域が有効表示領域となる。
【0020】
液晶表示装置の動作モードは、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、強誘電性液晶モード等を用いることができる。また、対向基板20に設けた対向電極24をアレイ基板10側に配置し、画素電極16との間で液晶30に対して横方向に電界をかけるIPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード等の横電界方式の液晶表示装置であってもよい。また、本発明は、透過型だけに限らず、反射型や、透過型と反射型の両用の半透過型の液晶表示装置にも適用できる。
【0021】
次に、本実施の形態に係る表示領域の構成について、図2を用いて詳細に説明する。図2は、実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。図2には、図1の上側から液晶表示装置を見たときの表示領域の端部が示されている。なお、説明の便宜上のため、図2では、全ての有効表示領域を明表示させた場合が記載されている。
【0022】
本実施の形態に係る液晶表示装置には、円形や楕円形など非矩形状の表示領域(表示エリア)1が設けられている。そして、この非矩形状の表示領域1を囲むように、額縁領域2が設けられている。額縁領域2では、対向基板20上に形成されたブラックマトリクス22などによって光源からの光が遮光されている。図2では、楕円形の表示領域1の右上部分近傍の端部が示されている。従って、図2中、左下側に表示領域1、右上側に額縁領域2が示されている。すなわち、曲線状の表示エリア端3の内側に表示領域1、外側に額縁領域2がそれぞれ設けられている。
【0023】
表示領域1には、複数の有効表示領域4がマトリクス状に配列されている。図2では、R、G、Bからなる有効表示領域4R、4G、4Bが設けられている。例えば、対向基板20上に形成されたブラックマトリクス22の開口部が有効表示領域4となる。よって、Rの着色層23の設けられた開口部が有効表示領域4R、またGの着色層23の設けられた開口部が有効表示領域4G、そしてBの着色層23の設けられた開口部が有効表示領域4Bとなる。有効表示領域4R、4G、4Bはストライプ状に配列されている。従って、図2中、同じ色の有効表示領域4が縦方向に隣接して配置されている。そして、有効表示領域4の各色が図2中横方向に並んで配置される。異なる色の有効表示領域4R、4G、4Bは、図2中横方向に繰り返し配列されている。
【0024】
これらの有効表示領域4R、4G、4Bによって、絵素5が構成される。すなわち、1つの絵素5には、有効表示領域4R、4G、4Bがそれぞれ1つずつ設けられている。このように、1組のRGBの有効表示領域4からなる表示の基本単位が絵素5となる。従って、複数の絵素5が表示領域1にマトリクス配列されている。また、画素のうち実際に表示に寄与可能な領域が有効表示領域4であるので、有効表示領域4は画素内に配設される。ここでは、1つの画素に占める有効表示領域4の割合が、1つの絵素5において各色均等となるように設けられている。以下、1つの画素に占める有効表示領域4の割合を画素開口率と呼ぶ。すなわち、1つの絵素5に含まれるRGBの有効表示領域4R、4G、4Bの画素開口率が均等となるように設けられている。
【0025】
ここで、表示領域1の境界部分に位置する絵素5、すなわち表示エリア端3に隣接する絵素5について、図3〜図5を用いて詳細に説明する。図3は、実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端3に配置された通常絵素5aを示す拡大図である。図4は、実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端3に配置された開口率調整絵素5bを示す拡大図である。また、図5は、実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端3に配置された非点灯絵素5cを示す拡大図である。
【0026】
本実施の形態の表示領域1は非矩形状であるため、この表示領域1の境界部分に位置する絵素5では、その絵素5を構成する画素の一部が額縁領域2とオーバーラップしてしまうところがある。そこで、本実施の形態では、画素と額縁領域2がオーバーラップするレベルに応じて、表示領域1の境界部分に位置する絵素5に、通常絵素5a、開口率調整絵素5b、非点灯絵素5cのいずれかが選択されている。
【0027】
通常絵素5aには、図2及び図3に示すように、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5に設けられた有効表示領域4と同じ形状の有効表示領域4aが設けられている。すなわち、通常絵素5aは、表示領域1の最外周以外の絵素5と同程度の画素開口率を有する。従って、1つの通常絵素5aに含まれる各色の有効表示領域4aR、4aG、4aBの画素開口率は、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5に含まれる有効表示領域4R、4G、4Bと同様に均等となる。この通常絵素5aは、表示領域1の境界部分に位置する絵素5のうち、その絵素5に属するいずれの画素も額縁領域2とオーバーラップされていない絵素に設けられている。
【0028】
開口率調整絵素5bは、図2及び図4に示すように、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5に設けられた有効表示領域4より小さい有効表示領域4bが設けられている。すなわち、開口率調整絵素5bは、表示領域1の最外周以外の絵素5より低い画素開口率を有している。換言すると、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5の有効表示領域4の一部分が非点灯となったものが有効表示領域4bであると言える。図2及び図4では、この非点灯の部分が点線で記されている。なお、図2では、額縁領域2の非点灯部分については記載が省略されている。非点灯の部分は、例えば、対向基板20上に形成されたブラックマトリクス22などによって光源からの光が遮光される。1つの開口率調整絵素5bに含まれる各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBは、同じ形状に形成されている。従って、1つの絵素5bに含まれる各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBの画素開口率は、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5に含まれる有効表示領域4R、4G、4Bと同様に均等となる。これにより、開口率調整絵素5bの色バランスが崩れることを防止できる。
【0029】
また、図4に示すように、有効表示領域4bは、中心線6を介して、各色の並ぶ第1方向(図中、横方向)と垂直であって同じ色の有効表示領域4が隣接して配置される第2方向(図中、縦方向)に対称となる形状に形成されている。なお、ここでいう中心線6とは、第1方向に対して平行な直線であって、有効表示領域4、4a、4bの重心を含む線を意味することとする。従って、有効表示領域4、4a、4bを同じ面積に分割する線が中心線6となる。1つの開口率調整絵素5bに含まれる各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBは、それぞれの中心線6が同じ位置にそろうように配置されている。そして、これら有効表示領域4bR、4bG、4bBの中心線6は、各色の並ぶ横方向に隣接する絵素5を構成する有効表示領域4の中心線6の延長線上に配置される。これにより、横方向の直線表示をした場合に開口率調整絵素5bにおいて線が曲がることを防止できる。
【0030】
一般的に、絵素サイズが人の認識可能な解像度に対してある程度細かい場合には、有効表示領域の形状に関わらず、有効表示領域の重心位置を中心とした光として認識される。このことから、横方向に配列された同列の有効表示領域4、4a、4bの中心線6を一直線上に揃えることで、表示上、概ね直線として認識される。さらに、有効表示領域4、4a、4bを中心線6に対して対称とすることで、更に直線としての視認性が向上する。この開口率調整絵素5bは、表示領域1の境界部分に位置する絵素5のうち、その絵素5に属する少なくともいずれかの画素が額縁領域2と重複し、かつ重複している部分が横方向に配列された同列の有効表示領域4、4a、4bの中心線6を超えていない絵素に設けられている。そのため、有効表示領域4bの形状は、1つの絵素5bに属する各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBのうち、最も額縁領域2とオーバーラップする色の有効表示領域4bを基準として設定されることが好ましい。
【0031】
例えば、図4に示すようにBの画素が最も額縁領域2と干渉する場合、Bの有効表示領域4bBを、額縁領域2と重複する上側の辺が表示エリア端3の形状に沿った形状、反対の下側の辺が中心線6で上下対照となる形状に形成する。そして、RGの有効表示領域4bR、4bGの形状をBの有効表示領域4bBと同一にする。このようにして、例えば図4に示すように、左側の辺から右側の辺にかけて縦方向の寸法が小さくなる台形形状の有効表示領域4bを開口率調整絵素5bに設ける。すなわち、左側の辺、右側の辺の少なくとも片方の長さが表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5に設けられた有効表示領域4よりも短い有効表示領域4bを形成する。有効表示領域4bの横幅は、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5に設けられた有効表示領域4と同一となる。
【0032】
非点灯絵素5cには、図2及び図5に示すように、有効表示領域4が設けられていない。すなわち、非点灯絵素5cの画素開口率はゼロとなる。換言すると、表示領域1の境界部分以外に位置する絵素5の有効表示領域4の全部が非点灯となったものである。図2及び図5では、この非点灯の部分が点線で記されている。なお、図2では、額縁領域2の非点灯部分については記載が省略されている。非点灯の部分は、例えば、対向基板20上に形成されたブラックマトリクス22などによって光源からの光が遮光される。そのため、非点灯絵素5cではブラックマトリクス22に画素開口部が形成されていない。よって、非点灯絵素5cは表示を行わない。この非点灯絵素5cは、表示領域1の境界部分に位置する絵素5のうち、その絵素5に属する少なくともいずれかの画素が横方向に配列された同列の有効表示領域4、4a、4bの中心線6を超えて額縁領域2に重複されている絵素に設けられている。これにより、非点灯絵素5cの色バランスが崩れることを防止できる。また、横方向の直線表示をした場合に非点灯絵素5cにおいて線が曲がることを防止できる。
【0033】
このように、本実施の形態では、表示エリア端3に隣接する絵素5に、通常絵素5a、開口率調整絵素5b、非点灯絵素5cのいずれかを設ける。すなわち、額縁領域2とオーバーラップする画素を有する絵素5は、各色の画素開口率が均等で中心線6が横方向に隣接する絵素5の中心線6と同じ位置にそろう開口率調整絵素5b、又は表示の行われない非点灯絵素5cとなる。よって、表示領域1の境界部分に位置する絵素5の各色の有効表示領域4のそれぞれは、1つの絵素5において開口率が同じで、かつ中心線6が横方向に隣接する絵素5に設けられた有効表示領域4の中心線6の延長線上に位置するように形成される。具体的には、対向基板20のブラックマトリクス22に形成された開口部の大きさが調整されている。これにより、表示エリア端にある絵素は表示エリア内の絵素と色バランスが均一になる。また、横方向に配列された絵素5の中心線6が一直線となる。よって、表示エリア端の絵素の色バランスが崩れて色づきが生じることを防止することができる。また、横方向の直線表示をした際に表示エリア端で線が曲がることを防止できる。従って、円形または楕円形などの非矩形状の表示領域を有する表示装置において、実際に表示がなされる事実上の表示領域の外形端を滑らかに維持しながら、表示品位を向上できる。
【0034】
その他の実施の形態.
なお、有効表示領域4bの形状は、上記の表示エリア端3の形状に沿った形状に限るものではなく、その他様々な形状を採用することが可能である。図6は、その他の実施の形態に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。図6には、図1の上側から液晶表示装置を見たときの表示領域の端部が示されている。説明の便宜上のため、図6では、全ての有効表示領域を明表示させた場合が記載されている。図6に示すように、例えば有効表示領域4bの形状を矩形状としてもよい。この場合も図2の場合と同様に、1つの絵素5bに含まれる各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBを、同じ形状に形成する。そして、1つの絵素5bに含まれる各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBの中心線6が、横方向に配列する絵素5の中心線6と同じ位置にそろって一直線となるように配置する。これにより、より簡便に設計することができる。
【0035】
また、上記説明では、有効表示領域4bの画素開口率を各色均等となるように形成したが、これに限定されるものではない。例えば、絵素5に含まれる各色の有効表示領域4の画素開口率があらかじめ所定の比率をもつように設計されている場合は、この比率を開口率調整絵素5bにも適用する。この場合も、横方向に配列する絵素5の中心線6が一直線となるよう、各色の有効表示領域4bR、4bG、4bBの形状や位置などを適宜調整する必要がある。
【0036】
なお、開口率調整絵素5bや非点灯絵素5cの非点灯の部分を対向基板20上に形成されたブラックマトリクス22によって遮光する場合について例示的に説明したが、これに限るものではない。アレイ基板10を構成する層によって非点灯の部分を遮光してもよい。あるいは、アレイ基板10に形成される画素電極16の形状を変更することにより、非点灯の部分を形成してもよい。すなわち、画素電極16自体を有効表示領域4の形に設計してもよい。これにより、画素電極16の配設されない部分を非点灯とすることができる。
【0037】
また、RGBからなる画素の配列は、ストライプ配列、モザイク(ダイアゴナル)配列、デルタ(トライアングル)配列から適宜選択可能である。なお、本実施の形態に係る表示装置は液晶表示装置を例として説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、有機ELや電子ペーパーなどの、液晶以外の表示材料を用いた表示装置であってもよい。
【0038】
なお、本明細書中において、表示領域の形状は、全ての有効表示領域を明表示した場合において、観察者により明表示される領域として認識される領域の形状とする。例えば一般的な矩形の液晶パネルの場合には、アレイ状に配置される画素における最外周に配置される画素の有効表示領域の外側の線を含む矩形形状に一致し、円形や楕円の場合には、全ての有効表示領域を囲い、最外周に配置される画素の有効表示領域の外側の線を滑らかに外挿した曲線に概ね一致する。また、上記説明の様に、表示領域の形状が曲線により構成される場合には、境界領域における画素の有効表示領域の形状によって、観察者により認識される形状は若干の幅を持つことから、本明細書中で表示領域が円形あるいは楕円であると記載した場合にも、正確な円形や楕円形状のみではなく、若干の歪みを持ったものを含むものとする。
【0039】
また、本実施の形態においては、表示領域について、円形または楕円形のものを用いて説明を行ったが、本願の効果は、表示領域が矩形の画素により完全に埋めることが出来ない形状である場合については同様の効果が得られることから、これらの形状に限定されず、非矩形の形状において、特に曲線により囲まれる形状のもの、多角形(5角形以上)のものなど、外形が垂直な2方向以外の接線方向を持つ線により囲まれる形状であれば良く、本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0040】
以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以上の実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を、本発明の範囲において、容易に変更、追加、変換することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施の形態1に係る液晶表示装置の断面図である。
【図2】実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。
【図3】実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端に配置された通常絵素を示す拡大図である。
【図4】実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端に配置された開口率調整絵素を示す拡大図である。
【図5】実施の形態1に係る液晶表示装置の表示エリア端に配置された非点灯絵素を示す拡大図である。
【図6】その他の実施の形態に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。
【図7】従来技術1に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。
【図8】従来技術2に係る液晶表示装置の表示エリア端部分の構成を模式的に示す上面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 表示領域、2 額縁領域、3 表示エリア端、
4、4R、4G、4B 有効表示領域、
4a、4aR、4aG、4aB 有効表示領域、
4b、4bR、4bG、4bB 有効表示領域、
5 絵素、5a 通常絵素、5b 開口率調整絵素、
5c 非点灯絵素、6 中心線、
10 アレイ基板、11 基板、14 TFT、
15 絶縁膜、16 画素電極、19 配向膜、
20 対向基板、21 基板、22 ブラックマトリクス、
23 着色層、24 対向電極、29 配向膜、
30 液晶、31、32 偏光板、34 シール材、
35 制御基板、36 FFC、37 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非矩形状の表示領域と、
前記表示領域を囲う額縁領域と、
前記表示領域に配列された複数の絵素と、
前記絵素に設けられた複数色の有効表示領域と、を備え、
前記表示領域の境界部分に位置する前記絵素に設けられた前記複数色の有効表示領域のそれぞれは、1つの前記絵素において開口率が同じで、かつ前記複数色の有効表示領域の各色が並ぶ第1方向と垂直な第2方向における中心線が前記第1方向に隣接する前記絵素に設けられた前記有効表示領域の前記中心線の延長線上に位置するよう形成されている表示装置。
【請求項2】
前記表示領域の境界部分に位置する前記絵素では、前記複数色の有効表示領域のそれぞれが、1つの前記絵素において同じ形状に形成されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示領域の境界部分に位置する前記絵素では、前記複数色の有効表示領域のそれぞれが、前記中心線で対称となる形状に形成されている請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数色の有効表示領域のうち少なくともいずれかが前記中心線を越えて前記額縁領域に遮光される前記絵素は、非点灯にされている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は、アレイ基板と対向基板との間に液晶が挟持された液晶表示装置である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記対向基板は、
基板上に形成され、開口部を有するブラックマトリクスと、
前記ブラックマトリクスの前記開口部に設けられた着色層と、を備え、
前記表示領域の境界部分に位置する前記絵素では、1つの前記絵素における前記複数色の有効表示領域の開口率が同じとなるよう、前記ブラックマトリクスの前記開口部の大きさが調整されている請求項5に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−300556(P2009−300556A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152454(P2008−152454)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】