説明

表示装置

【課題】照度検出回路を有する表示装置を提供する。
【解決手段】照度検出回路を有する表示装置であって、前記照度検出回路は、外光照度に応じて光電流が変化するホトセンサと、前記ホトセンサに前記光電流が流れることにより電荷が放電されるコンデンサと、前記コンデンサの電圧が入力されて動作する反転回路と、出力が前記コンデンサの一端に接続され、前記反転回路の出力信号レベルに応じて前記コンデンサを充電するスイッチとを備え、前記反転回路の前記出力信号レベルに応じて前記コンデンサの他端の電圧レベルを変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置および表示装置に係り、特に、液晶表示パネルの周囲の明るさ(外光照度)に応じて自動的に、バックライトの輝度を制御するようにした液晶表示装置、および、照度検出回路を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置は、外光がない暗黒の状態で使用されることは希であり、液晶表示パネルに何らかの外光、例えば、自然光や室内照明灯の光が照射された状態で使用される。そこで、液晶表示パネルの周囲の明るさ(即ち、外光照度)を測定して、バックライトの輝度を制御することが、下記特許文献1、2に記載されている。
下記特許文献1では、周囲が明るい場合には、見やすくするために、バックライトの輝度を上げ、逆に、周囲が暗い場合には、液晶表示パネルは暗くても充分見えるので、消費電力を抑えるために、バックライトの輝度を低くすることが記載されている。
また、下記特許文献3では、ホトセンサで測定した照度を周波数に変換する照度−周波数変換回路が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−21821号公報
【0004】
【特許文献2】特開2002−72992号公報
【0005】
【特許文献3】特開平5−164609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の特許文献1には、外光照度を正確に検出するために、外光照度検出時に、バックライトを消灯してバックライト光の影響を取り除くことが記載されている。しかしながら、引用文献1に記載されている方法では、外光照度検出期間は一定であり、外光照度が低い時には検出精度が低下する恐れがある。
また、前述の特許文献1、2には、ホトセンサを液晶表示パネルと異なる場所に設けていることが記載されている。この方法では、ホトセンサの個別部品を必要とするため、小型、薄型化の障害となる恐れがある。
前述の特許文献3には、ホトセンサで測定した照度を周波数に変換する照度−周波数変換回路にシュミットインバータを使用することが記載されている。照度−周波数変換係数はこのシュミットインバータの高低2つのスレッショルド電圧に依存するので、センサ回路を低温ポリシリコンの薄膜トランジスタ(TFT)で実現した場合、周波数変換精度が低下する恐れがある。
【0007】
また、前述の特許文献3には、出力周波数が容量(C)に反比例することが記述されている。しかし、容量(C)にはホトセンサ容量、配線容量などの寄生容量が並列に接続されるため、精度が低下する恐れがある。
さらに、低温ポリシリコンで実現するホトセンサは大きなサイズとなるので、寄生容量も大きくなり、出力周波数は寄生容量に依存するので、ばらつきが大きくなる恐れがある。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、液晶表示パネルの周囲の外光強度を測定してバックライトの輝度を制御する液晶表示装置において、外光照度が低い時でも検出精度を向上させることが可能となる技術を提供することにある。
本発明の第2の目的は、照度検出回路を有する表示装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)液晶表示パネルと、バックライトと、ホトセンサと、前記ホトセンサを用いて前記液晶表示パネルの周囲の外光照度を測定するホトセンサ回路と、前記バックライトと前記ホトセンサ回路とを制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、周期的に前記バックライトを消灯させるとともに、前記液晶表示パネルの周囲の外光照度の測定を開始する制御信号を前記ホトセンサ回路に周期的に出力し、前記ホトセンサ回路から入力される前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度に応じて、前記バックライトの輝度を制御し、前記ホトセンサ回路は、前記制御信号に基づき、前記バックライトの消灯期間内の照度測定期間内に、前記液晶表示パネルの周囲の前記外光照度を測定し、当該測定した前記外光照度を前記制御回路に出力する液晶表示装置であって、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度に応じて、前記照度測定期間を可変する。
【0009】
(2)(1)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度に応じて、前記照度測定期間と前記バックライトの消灯期間とを可変する。
(3)(1)または(2)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度が大きいときに、前記照度測定期間を短くし、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度が小さいときに、前記照度測定期間を長くする。
(4)(1)または(2)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度が大きいときに、前記バックライトの消灯期間を短くし、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度が小さいときに、前記バックライトの消灯期間を長くする。
(5)(1)または(2)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度が大きいときに、前記バックライトの点灯期間を長くし、前記ホトセンサ回路で測定した前記外光照度が小さいときに、前記バックライトの点灯期間を短くする。
(6)(1)ないし(5)の何れかにおいて、前記ホトセンサ回路は、前記測定した前記外光照度に応じて、第1電圧レベルのパルス幅が異なるパルス信号を出力する。
【0010】
(7)(6)において、前記ホトセンサ回路は、前記測定した前記外光照度が大きいときに、前記第1電圧レベルのパルス幅が短いパルス信号を、前記測定した前記外光照度が小さいときに、前記第1電圧レベルのパルス幅が長いパルス信号を出力する。
(8)(6)または(7)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅が短いときに、前記照度測定期間を短くし、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅が長いときに、前記照度測定期間を長くする。
(9)(6)または(7)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅が短いときに、前記バックライトの消灯期間を短くし、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅が長いときに、前記バックライトの消灯期間を長くする。
【0011】
(10)(6)または(7)において、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅が短いときに、前記バックライトの点灯期間を長くし、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅が長いときに、前記バックライトの点灯期間を短くする。
(11)(6)または(7)において、Tp1、Tp2(Tp1>Tp2)を、それぞれ第1または第2の前記第1電圧レベルのパルス幅、TB1、TB2、TB3(TB1<TB2<TB3)を、それぞれ第1ないし第3のバックライトの点灯期間とするとき、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp>Tp1の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB1(TB=TB1)に、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp1≧Tp>Tp2の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB2(TB=TB2)に、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp2≧Tpの場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB3(TB=TB3)とする。
【0012】
(12)(6)または(7)において、Tp1、Tp2(Tp1>Tp2)を、それぞれ第1または第2の前記第1電圧レベルのパルス幅、TB1、TB2、TB3(TB1<TB2<TB3)を、それぞれ第1ないし第3のバックライトの点灯期間とするとき、前記制御回路は、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB1で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp>Tp1の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB1(TB=TB1)に、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB1で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp≦Tp1の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB2(TB=TB2)に、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB2で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp>Tp1の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB1(TB=TB1)に、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB2で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp1≧Tp>Tp2の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB2(TB=TB2)に、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB2で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp2>Tpの場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB3(TB=TB3)に、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB3で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp2>Tpの場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB3(TB=TB3)に、前記外光照度を測定した時点でのバックライトの点灯期間がTB3で、前記ホトセンサ回路から入力される前記第1電圧レベルのパルス幅Tpが、Tp≧Tp2の場合に、前記バックライトの点灯期間TBをTB2(TB=TB2)とする。
【0013】
(13)(1)ないし(12)の何れかにおいて、前記制御回路は、前記ホトセンサ回路から入力されるパルス信号の前記第1電圧レベルのパルス幅に応じて、前記バックライトの輝度を制御する。
(14)(1)ないし(13)の何れかにおいて、前記ホトセンサの暗電流を補正する暗電流補正用トランジスタを有する。
(15)(1)ないし(14)の何れかにおいて、前記ホトセンサを複数有し、前記外光照度を測定する際に、前記複数のホトセンサの中から所定数のホトセンサを選択することにより、照度検出感度を切り替える。
(16)(1)ないし(15)の何れかにおいて、前記液晶表示パネルは、それぞれ薄膜トランジスタを有する複数の画素を備え、前記ホトセンサと前記ホトセンサ回路とは、前記各画素の薄膜トランジスタが形成される基板と同一の基板上に形成される。
(17)(1)ないし(16)の何れかにおいて、前記ホトセンサは、液晶表示パネルの表示部の周辺のダミー画素部に配置される。
(18)(1)ないし(17)の何れかにおいて、前記制御回路は、半導体チップ内に形成された回路である。
【0014】
(19)照度検出回路を有する表示装置であって、前記照度検出回路は、外光照度に応じて光電流が変化するホトセンサと、前記ホトセンサに前記光電流が流れることにより電荷が放電されるコンデンサと、前記コンデンサの電圧が入力されて動作する反転回路と、出力が前記コンデンサの一端に接続され、前記反転回路の出力信号レベルに応じて前記コンデンサを充電するスイッチとを備え、前記反転回路の前記出力信号レベルに応じて前記コンデンサの他端の電圧レベルを変化させる。
(20)(19)において、前記反転回路の前記出力信号レベルが高いときに、前記スイッチをオンするとともに、前記コンデンサの前記他端の前記電圧レベルを第1の電圧にし、前記反転回路の前記出力信号レベルが低いときに、前記スイッチをオフするとともに、前記コンデンサの前記他端の前記電圧レベルを第2の電圧にする。
(21)(20)において、前記第1の電圧は前記第2の電圧よりも低い。
(22)(19)ないし(21)の何れかにおいて、前記第2の電圧は、基準電圧である。
(23)(19)ないし(22)の何れかにおいて、前記反転回路の入力に前記第2のコンデンサを接続する。
【0015】
(24)照度検出回路を有する表示装置であって、前記照度検出回路は、外光照度に応じて光電流が変化するホトセンサと、前記ホトセンサに前記光電流が流れることにより電荷が放電されるコンデンサと、前記コンデンサの電圧が所定の電圧以上の時に、第1の端子に入力されるクロックを出力する第1のトランジスタとを備える。
(25)(24)において、前記第1の端子は前記第1のトランジスタのソース電極側の端子であり、前記出力は前記第1のトランジスタのドレイン電極から出力され、前記コンデンサは前記第1のトランジスタのゲート電極と前記ドレイン電極間に接続される。
(26)(24)または(25)において、前記クロックとは異なる第2のクロックによって、前記出力を接地電位に接続する第2のトランジスタを有する。
(27)(19)ないし(26)の何れかにおいて、前記ホトセンサの暗電流を補正する暗電流補正用トランジスタを有する。
(28)(19)ないし(27)の何れかにおいて、前記ホトセンサにカスケード接続される第2のトランジスタを有し、前記コンデンサの電荷は、前記第2のトランジスタを経由して、前記ホトセンサにより放電される。
(29)(19)ないし(28)の何れかにおいて、前記照度検出回路は、前記表示装置を構成する画素または周辺回路が形成された基板に一体的に形成されている。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、液晶表示パネルの周囲の外光強度を測定してバックライトの輝度を制御する液晶表示装置において、外光照度が低い時でも検出精度を向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、照度検出回路を有する表示装置において、外光照度が低い時でも検出精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すホトセンサの一例の断面構造を示す図である。
【図3】図1に示すホトセンサの他の例の断面構造を示す図である。
【図4】図1に示すホトセンサ回路の入出力信号とバックライトの制御信号のタイミングチャートを示す図である。
【図5】図1に示すバックライトの一例を示す図である。
【図6−1】図1に示すホトセンサ回路の一例の回路構成を示す回路図である。
【図6−2】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図6−3】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図6−4】図6−3に示すホトセンサ回路の断面構造を示す図である。
【図6−5】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図6−6】図6−5に示すホトセンサ回路の変形例の回路構成を示す回路図である。
【図7】図6−1に示すホトセンサ回路のタイミングチャートを示す図である。
【図8】本発明の実施例1のバックライト制御の一例のフローチャートを示す。
【図9】本発明の実施例1のホトセンサ回路の出力パルス幅Tpが変化したときの動作タイミングの一例を示す図である。
【図10】図1に示すホトセンサ回路の出力パルス幅Tpと外光照度Eの関係を示すグラフである。
【図11】図8に示すフローチャートで得られる外光照度Eと、バックライトオン期間TBの関係を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例1のバックライト制御の他の例のフローチャートを示す図である。
【図13】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図14】図13に示すホトセンサ回路のタイミングチャートを示す図である。
【図15】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図16】図15に示すホトセンサ回路のタイミングチャートを示す図である。
【図17−1】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図17−2】図1に示すホトセンサ回路の一例の回路構成を示す回路図である。
【図17−3】図17−2に示すホトセンサ回路のタイミングチャートを示す図である。
【図17−4】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図18】図1に示すホトセンサ回路の他の例の回路構成を示す回路図である。
【図19】本発明の実施例2の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例3の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例の液晶表示装置は、液晶表示パネル10と、制御回路20と、バックライト30とで構成される。
液晶表示パネル10は、表示部100と、ゲート回路200と、ドレイン回路300と、ホトセンサ400と、ホトセンサ回路500とを有する。
制御回路20は、ゲート回路200に制御信号201を、および、ドレイン回路300に制御信号301を、並びに、ホトセンサ回路500に入力信号501を出力する。さらに、制御回路20は、バックライト30に制御信号31を出力する。そして、制御回路20には、ホトセンサ回路500からの出力信号502が入力される。
【0019】
図2は、図1に示すホトセンサ400の一例の断面構造を示す図である。
液晶表示パネルは、薄膜トランジスタ(TFT)、画素電極等が形成されるTFT基板610と、カラーフィルタ等が形成されるCF基板(対向基板)630と、TFT基板610とCF基板630との間に挟持される液晶620を有する。
ホトセンサ614は、TFT基板610上に配置される。また、バックライト30は、TFT基板610の下側に配置される。
外光710は、CF基板630の方向から入射し、バックライト光720は、TFT基板610の方向から入射する。
ホトセンサ614は、薄膜トランジスタのダイオード接続構造、所謂、寄生ホトダイオードまたはPIN構造のホトダイオードである。
この構造のホトセンサ614は、図4に示すタイミングチャートでホトセンサ回路500とバックライト30を駆動することで、外光710の照度をバックライト光720の影響を受けずに正確に検出することができる。
【0020】
図3は、図1に示すホトセンサ400の他の例の断面構造を示す図である。
図2に示す断面構造と異なる点は、TFT基板610に遮光膜612を追加した点である。この構造とすることで、ホトセンサ614は外光710の照度をバックライト光720の影響を受けずに正確に検出することができる。このため、この構造のホトセンサ614は、図4に示すタイミングチャートでホトセンサ回路500とバックライト30を駆動する方法以外に、電圧振幅でバックライト30の輝度を制御する方法などにも適用できる。
なお、本実施例では、制御回路20は、液晶パネル適用製品のセット基板に設け、ドレイン回路300は、TFT基板上にCOG(Chip on Glass)実装された半導体チップ内に形成され、ゲート回路200と、ホトセンサ400と、ホトセンサ回路500とは、表示部100の各画素の薄膜トランジスタが形成される基板と同一の基板上に形成される(一体的に形成される)。
【0021】
図4は、図1に示すホトセンサ回路500の入出力信号とバックライト30の制御信号のタイミングチャートを示す図である。
図4において、信号VBLはバックライト30の制御信号31、信号PCNTは、ホトセンサ回路500の入力信号501、信号POUTは、ホトセンサ回路500の出力信号502である。
信号VBLは、周期がTCで、オフ期間がTBoffで、オン期間がTB、オン期間の電圧がVBの信号である。
信号PCNTは、ホトセンサ回路500の照度検出期間Tmを示す信号であり、照度検出期間Tmは、オフ期間TBoffより小さい。
信号POUTは、ホトセンサ回路500の出力信号であり、期間Tpは、後述の図8で説明するが、照度に反比例する。
【0022】
図5は、図1に示すバックライト30の一例を示す図である。
バックライト30は、発光ダイオード(LED)、トランジスタ32、抵抗(Rb)で構成され、発光ダイオード(LED)は、端子に印加されるVBの電圧でスイッチング制御される。
図6−1は、図1に示すホトセンサ回路500の一例の回路構成を示す回路図である。
図6−1に示すホトセンサ回路500は、ホトセンサ411、容量(C1,C2)、P型MOS(以下、PMOSという)トランジスタ512、NANDゲート511、インバータ(513,514)とで構成される。
図6−1に示すホトセンサ回路は、NANDゲート511、PMOSトランジスタ512、インバータ513による負帰還ループと、NANDゲート511、容量(C2)、インバータ513による正帰還ループで構成される。
ホトセンサ411は、薄膜トランジスタの寄生ホトダイオードであり、外光照度に応じて、薄膜トランジスタのソースドレイン間に光電流(ip1)が流れる。
【0023】
図7は、図6−1に示すホトセンサ回路タイミングチャートを示す図である。
入力信号(PCNT)と、出力信号(POUT)に加えて、内部のノード#1、#2、#3の電圧V(#1)、V(#2)、V(#3)の電圧も示す。
入力信号(PCNT)が、”Lowレベル(以下、Lという。)”のとき、ノード#1は”Highレベル(以下、Hという。)”、ノード#2はGND、ノード#3は”H”、出力(POUT)は”L”となる。
時刻t1で、入力信号(PCNT)が”H”になると、ノード#1は”L”となり、PMOSトランジスタ512がオンする。このため、時刻t1を超えると、PMOSトランジスタ512のオン抵抗で、ノード#2の電圧V(#2)は急速に上昇する。
時刻t2で、ノード#2の電圧V(#2)が、インバータ513のしきい値電圧(VT)を超えると、ノード#3が”L”、ノード#1が”H”となり、PMOSトランジスタ512がオフ状態となる。
このとき、ノード#2の電圧V(#2)は、ノード#1のHレベル、容量(C2)により、VHの電圧までステップ的に増加する。この後、容量(C1,C2)の電荷を、ホトセンサ411の電流(ip1)で放電するので、V(#2)は減少する。
時刻t3で、ノード#2の電圧V(#2)が、インバータ513のしきい値電圧VTより低下すると、ノード#3が”H”、ノード#1が”L”となり、PMOSトランジスタ512がオン状態となる。このとき、ノード#2の電圧V(#2)は、ノード#1のLレベル電圧、容量(C2)により、VLの電圧までステップ的に減少する。この後、PMOSトランジスタ512のオン抵抗で、電圧V(#2)は急速に上昇する。
以後、時刻t2〜時刻t4の動作を繰り返すことでホトセンサ411の光電流(ip1)に対応した出力が得られる。
【0024】
本動作で、ノード#2の電圧V(#2)の最大電圧VHと、最低電圧VLは、下記(1)、(2)式で表される。
VH=VT+C2/(C1+C2)×VDD ・・・・ (1)
VL=VT−C2/(C1+C2)×VDD ・・・・ (2)
また、時刻t2から時刻t3までの時間t23と、時刻t3から時刻t4までの時間t34は、PMOSトランジスタのオン電流(ion)と、ホトセンサ411の光電流(ip1)により、下記(3)、(4)式で表される。
t23=(C1+C2)×(VH−VT)/ip1
=C2×VDD/ip1 ・・・・ (3)
t34=(C1+C2)×(VT−VL)/ip1
=C2×VDD/ion ・・・・ (4)
前述の(3)式で示されるように、時間t23は光電流(ip1)に反比例する。ここで、ion>>ip1に選ぶことで、出力信号(POUT)の周波数(fout)は、下記(5)式で示されるように、光電流(ip1)に正比例する。
fout=ip1/(C2×VDD) ・・・・・ (5)
前述の(5)式から分かるように、出力信号(POUT)の周波数(fout)から、光電流(ip1)を検出できることがわかる。また、周波数(fout)は、容量(C1)に依存しないので、ノード#2に接続される寄生容量の影響を受けない。
【0025】
さらに、前述(1)、(2)式から、ノード#2の電圧V(#2)の最大電圧(VH)と最低電圧(VL)は、容量(C1)で制御できることがわかる。この容量(C1)により、ノード#2の電圧V(#2)を、0≦V(#2)≦VDDに設定する。
これは、ノード#2の電圧V(#2)が、VDD以上またはGND以下になると、PMOSトランジスタ512、またはホトセンサ411がオン状態となり、VHまたはVLの電圧が、前述の(1)、(2)式と異なり、出力周波数(fout)に誤差を生ずるためである。
以上説明したように、図6−1に示すホトセンサ回路500は、外光照度に応じて光電流(ip1)が変化するホトセンサ411と、ホトセンサ411に光電流(ip1)が流れることにより電荷が放電されるコンデンサ(C2)と、コンデンサ(C2)の電圧が入力されて動作する反転回路513と、出力がコンデンサ(C2)の一端に接続され、反転回路513の出力信号レベルに応じてコンデンサ(C2)を充電するスイッチ512とを備え、反転回路513の出力信号レベルに応じてコンデンサ(C2)の他端の電圧レベルを変化させている。そして、反転回路513の出力信号レベルが高いときに、スイッチ512をオンするとともに、コンデンサ(C2)の他端の電圧レベルを第1の電圧にし、反転回路513の出力信号レベルが低いときに、スイッチ512をオフするとともに、コンデンサ(C2)の他端の電圧レベルを第2の電圧にしている。ここで、第1の電圧が第2の電圧よりも低い。
【0026】
図6−2は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。
図6−1に示すホトセンサ回路500と異なる点は、PMOSトランジスタ533、N型MOS(以下、NMOSという)トランジスタ(534,535)、インバータ(515,516)を追加し、基準電圧(VREF)で容量(C2)を駆動する点である。
図6−2に示すホトセンサ回路500の出力周波数(fout)は、下記(6)式に示すように、基準電圧(VREF)に反比例する。
fout=ip1/(C2×VREF) ・・・・・ (6)
このように、図6−2に示すホトセンサ回路500では、出力周波数(fout)を、基準電圧(VREF)で制御できるので、基準電圧(VREF)によりセンサの特性ばらつきを調整することができる。
【0027】
図6−3は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。
図6−1に示すホトセンサ回路500と異なる点は、暗電流補正用の薄膜トランジスタ451を追加し、ホトセンサ411の暗電流を補正した点である。
図6−4は、図6−3に示すホトセンサ回路500の断面構造を示す図である。図3と異なるのは、暗電流補正用の薄膜トランジスタ616と、CF基板610の遮光膜632を追加した点である。暗電流補正用の薄膜トランジスタ616は、CF基板610に形成される遮光膜632の下に配置される。
ホトセンサ614は、薄膜トランジスタのダイオード接続構造の、いわゆる寄生ホトダイオードまたはPIN構造のホトダイオードである。暗電流補正用の薄膜トランジスタ616も、ホトセンサ614と同様に、薄膜トランジスタのダイオード接続構造の、いわゆる寄生ホトダイオードまたはPIN構造のホトダイオードである。
図6−3に示すホトセンサ回路500の出力周波数(fout)は、下記(7)式に示すように、光電流(ip1)と暗電流(idark)の差に比例する。
fout=(ip1−idark)/(C2×VDD) ・・・・・ (7)
暗電流補正用の薄膜トランジスタ616は、ホトセンサ614と同一構造をとるので、暗電流もほぼ等しい。この結果、前述の(7)式でホトセンサの暗電流を補正できるのでより高精度に照度を検出することが可能となる。
【0028】
図6−5は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。
図6−3に示すホトセンサ回路500と異なる点は、ホトセンサ411と暗電流補正用の薄膜トランジスタ451の配置である。
本実施例ではホトセンサ411と暗電流補正用のトランジスタ451を接地電位(GND)と負電源(VSS)との間に配置し、ホトセンサ411の光電流(ip1)を、ゲート接地のNMOSトランジスタ532を介して取り出す点である。
ゲート接地のNMOSトランジスタ532のソース電位は、(GND−Vth)の電位に固定されるので、この結果、ホトセンサ411に印加される電圧は、図6−3に示すホトセンサ回路500では、図6−1に示すホトセンサ回路500と同程度に変動するのに対し、図6−5に示すホトセンサ回路500では、ほぼ一定となる。このため、図6−5に示すホトセンサ回路500ではより高精度に照度を検出することが可能となる。なお、Vthは、NMOSトランジスタ532のしきい値電圧である。
図6−6は、図6−5に示すホトセンサ回路500の変形例の回路構成を示す回路図である。
図6−5に示すホトセンサ回路500と異なる点は、ホトセンサ411と、暗電流補正用の薄膜トランジスタ451のそれぞれのゲート端子に、(VG1,VG2)の電圧を印加する点である。ダイオード接続の薄膜トランジスタの暗電流はしきい値電圧で変化する。しかしながら、図6−6に示すホトセンサ回路500では、ホトセンサ411と、暗電流補正用の薄膜トランジスタ451のゲート・ソース間電圧が負になるように、(VG1,VG2)の電圧を設定する。この結果、暗電流が低減するとともに、しきい値電圧による変動も低減するので、より高精度の照度を検出することが可能となる。
【0029】
図8に、本実施例のバックライト制御の一例のフローチャートを示す。
図8のTpは、ホトセンサ回路500の出力パルス幅であり、図7のタイミング図の時刻t2から時刻t3までの時間t23である。このTpの値により、バックライトのオン期間TBを設定するフローチャートである。
この例では、Tpを、Tp>Tp1、Tp1≧Tp>Tp2、Tp≦Tp2の3条件で、それぞれ、バックライトオン期間TBをTB1、TB2、TB3に設定する。
図9に、ホトセンサ回路500の出力パルス幅Tpが、Tp1≧Tp>Tp2からTp≦Tp2に変化したときの動作タイミングの一例を示す。
出力パルス幅Tpが、Tp1≧Tp>Tp2の条件では、バックライトオン期間TBはTB2、照度検出期間TmはTm2である。
このタイミングの動作で、出力パルス幅TpがTp≦Tp2に変化すると、照度検出期間TmはTm3に、バックライトオン期間TBはTB3に変化する。
このように、バックライトオン期間TBと、照度検出期間Tmは、出力パルス幅Tpの値によって変化する。
【0030】
図10に、図1に示すホトセンサ回路500の出力パルス幅Tpと外光照度Eの関係を示す。
Tpは、前述の(3)式で示したように、照度Eに反比例する。照度(E1,E2)に対応するホトセンサ回路500の出力パルス幅をそれぞれTp1、Tp2とする。
図11に、図8のフローチャートで得られる外光照度Eと、バックライトオン期間TBの関係を示す。
外光照度Eが、E<E1、E1≦E<E2、E≧E2の各条件でバックライトオン期間をそれぞれTB1、TB2、TB3の値を取る。
バックライトは、バックライトのオン期間TBが大きいほど明るくなる。このため、図8のフローチャートで、バックライトを制御することで、外光照度が低く、暗いところではバックライトを暗くし、明るいところではバックライトを明るくできるので、外光照度が変化しても見やすいディスプレイを実現できる。
【0031】
図12に、本実施例のバックライト制御の他の例のフローチャートを示す。図12のフローチャートでは、バックライトのオン期間TBの条件毎に、出力パルス幅Tpの判定と、バックライトオン期間TBの設定を行う方法である。
すなわち、図12のフローチャートでは、バックライトのオン期間TBを次のように制御する。
(1)TB=TB1のときは、TpとTp1の比較を行い、TBをTB1またはTB2に設定する。
(2)TB=TB2のときは、TpとTp1、Tp2の比較を行い、TBをTB2またはTB1、TB3に設定する。
(3)TB=TB3のときは、TpとTp2の比較を行い、TBをTB3またはTB2に設定する。
バックライトのオフ期間TBoffは、バックライトの制御信号の周期Tcと、バックライトのオン期間TBの差であるので、TBoffは、TB=TB1のときは長く、TB=TB3のときに短い。
この制御方法は、バックライトのオフ期間TBoffが長いときに、長い出力パルス幅Tp1の比較を、バックライトのオフ期間TBoffが短い時に、短い出力パルス幅Tp2の比較を行うことができるので、バックライトのオン期間TBを長くとることができる。
【0032】
図13は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。図6−1に示すホトセンサ回路500と異なる点は、2個のホトセンサ(421,422)と、NMOSトランジスタ520、PMOSトランジスタ512を用いている点である。
図14に、図13のホトセンサ回路のタイミングチャートを示す。
ノード#1の電圧V(#1)が”L”のとき、PMOSトランジスタ512がオンし、NMOSトランジスタ520がオフするので、容量(C1,C2)は、ホトセンサ422の光電流(ip2)で充電され、ノード#2の電圧(V#2)は増加する。
一方、ノード#1の電圧V(#1)が”H”のときは、PMOSトランジスタ512がオフし、NMOSトランジスタ520がオンするので、容量(C1,C2)は、ホトセンサ421の光電流(ip1)で放電され、ノード#2の電圧(V#2)は減少する。
図13の例では、ノード#1のV(#1)が”L”、および”H”の時間(tL,tH)は、それぞれ光電流(ip2,ip1)に反比例し、下記(8)、(9)式で表される。
tL=t12−t11
=C2×VDD/ip2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)
tH=t13−t12
=C2×VDD/ip1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)
したがって、図13に示す例の出力周波数foutは、下記(10)式で表される。
fout=ip1×ip2/(ip1+ip2)/(C2×VDD)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (10)
図13に示す例では、出力が”H”及び”L”の期間はともに光電流に反比例する関係となるので、その出力信号POUTの周波数foutから高精度に照度を検出できる。
【0033】
図15は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。
図15に示す例は、NMOS単チャネル回路で構成したものであり、ホトセンサ431と、NMOSトランジスタ(521,522)と、容量(C2)とで構成される。
図16に、図15に示すホトセンサ回路のタイミングチャートを示す。
入力信号PINは、ダイオード接続のNMOSトランジスタ522を介して、容量(C2)をVHの電圧に充電する。
クロック信号PCKは、時刻(t31,t32)のタイミングで入力される。このタイミングにおいて、ノード#4の電圧V(#4)が、NMOSトランジスタ521のしきい値電圧(Vth)よりも高い場合は、クロック信号PCKと同一タイミングのパルス信号(出力信号POUT)が出力され、ノード#4の電圧V(#4)が、NMOSトランジスタ521のしきい値電圧(Vth)よりも低い場合は、パルス信号は出力されない。
ここで、外光照度が高く、明るい状態では光電流(ip1)が大きいので、ノード#4のV(#4)の電圧が減少し、出力信号POUTとして、クロック信号PCKと同相のパルス信号は出力されない。
一方、外光照度が低く、暗い状態では光電流(ip1)が小さいので、ノード#4のV(#4)の電圧は保持されたままなので、出力信号POUTとして、クロック信号PCKと同相のパルス信号が出力される。
この出力信号POUTとして、クロック信号PCKと同相のパルス信号が出力されない条件は、下記(11)式で表される。
ip1>C2×(VH−2×Vth)/T31 ・・・・・・ (11)
ここで、VHは、入力信号PINの電圧、VthはNMOSトランジスタ(521,522)のしきい値電圧、T31は時刻t21と時刻t31との間の期間である。
前述の(11)式から、期間T31により、光電流(ip1)の大きさを検出できることがわかる。このように、図15に示す例では、NMOS単チャネル回路で光電流(ip1)を検出することができる。
【0034】
図17−1は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。図17−1に示すホトセンサ回路500と、図15に示すホトセンサ回路500とは、NMOSトランジスタ523とホトセンサ432の接続が異なっている。
図17−1に示すホトセンサ回路500では、容量(C2)の電荷を、ゲート接地のNMOSトランジスタ523を介して、ホトセンサ432の光電流(ip1)で放電する。この結果、ホトセンサ432の寄生容量が、ノード#4に接続されないので、ホトセンサ432の寄生容量による光電流検出感度の低下を防止することができる。
図17−2は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。図17−1に示すホトセンサ回路500と異なる点は、NMOSトランジスタ524を接続し、NMOSトランジスタ524をクロック(PCK2)で動作させ、出力(POUT)を接地電位に接続するようにした点である。
【0035】
図17−2に示すホトセンサ回路500のタイミング図を図17−3に示す。図16のタイミング図と異なるのは2相クロック(PCK1,PCK2)を入力し、出力(POUT)が、所定電圧値(VT1)以上となる持続時間(to)を検出信号としている点である。この結果、ホトセンサ432の寄生容量が、ノード#4に接続されないので、ホトセンサ432の寄生容量による光電流検出感度の低下を防止できる。さらに、出力(POUT)は、クロック(PCK2)により周期的に接地電位に接続されるので、明るい状態で、持続時間(to)が短い場合でも接地電位を安定に出力することが可能となる。
図17−4は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。図17−2に示すホトセンサ回路500と異なる点は、暗電流補正用の薄膜トランジスタ451を追加した点である。
図17−4に示すホトセンサ回路500では、図6−1に示すホトセンサ回路500と同様に、ホトセンサ411の暗電流を補正するので、より高精度に照度を検出することが可能となる。
なお、図15、図17−1、図17−2、図17−4に示すホトセンサ回路500において、NMOS単チャネル回路に代えて、PMOS単チャネル回路で構成することも可能である。
【0036】
図18は、図1に示すホトセンサ回路500の他の例の回路構成を示す回路図である。
図18に示すホトセンサ回路は、サイズの異なるホトセンサ(441,442,443)と、これらのホトセンサと直列に接続されるNMOSトランジスタ(446、447,448)とを有する点で、図6−1に示すホトセンサと異なっている。
NMOSトランジスタ(446、447,448)の各ゲート端子には、レンジ切替信号(RA1,RA2,RA3)が入力される。
図18に示す例では、レンジ切替信号で、ホトセンサ(441,442,443)を単独、または複数を選択することで、照度検出感度を切替ることができる。
【0037】
[実施例2]
図19は、本発明の実施例2の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例は、ホトセンサ回路500の入力信号501と、バックライト制御信号302をドレイン回路300から出力し、ホトセンサ回路500の出力信号502をドレイン回路300に入力するようにしたものである。
前述の実施例では、制御回路20は、液晶パネル適用製品のセット基板に設け、ドレイン回路300は、TFT基板上にCOG(Chip on Glass)実装された半導体チップ内に形成され、ゲート回路200と、ホトセンサ400と、ホトセンサ回路500とは、表示部100の各画素の薄膜トランジスタが形成される基板と同一の基板上に形成されている。
そのため、制御回路20と、液晶表示パネル10との間の信号線として、ホトセンサ回路500の入力信号501と出力信号502、さらにバックライト制御信号302のための信号線が必要となるが、本実施例により、制御回路20と、液晶表示パネル10との間の信号線数を削減でき、さらに、制御回路20の回路規模を削減することができる。
【0038】
[実施例3]
図20は、本発明の実施例3の液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施例は、ホトセンサ(401,402)を表示部100の左右に設けたものである。
ホトセンサは、照度検出感度を高めるため、数万μmのゲート幅のトランジスタを必要とする。このホトセンサを表示部の左右に設けることで、このホトセンサを実現するとともに、表示部周辺に設けることで、特別に外光取り込みの機構を設けることが不要となる。
以上説明したように、前述の各実施例によれば、液晶表示パネル10の周囲の外光照度を検出する時には、バックライト30を消灯するので、バックライト光の影響を完全に取り除くことができ、正確な外光照度を検出することが可能となる。
また、ホトセンサ回路500は、微弱な信号を、パルス幅または周波数に変換して出力するので、信号出力配線のノイズの影響を受けることがない。
また、制御回路20は、パルス幅または周波数を入力とするので、デジタル回路で構成することが可能である。
さらに、液晶表示パネル10の周囲の外光照度の検出期間は、外光照度が高いときに短く、外光照度が低いときには長くするので、検出精度を向上させることが可能となる。
【0039】
さらに、出力信号(POUT)の周波数(fout)は、容量(C2)と基準電圧(VREF)の積に反比例し、ホトセンサの寄生容量に依存しないので、出力信号(POUT)の周波数(fout)のばらつきを低減することが可能となる。
さらに、暗電流を補正するようにしたので、より低い照度の検出が可能となる。
さらに、ホトセンサにカスケード接続のトランジスタを追加することで、ホトセンサに印加される電圧変動を低減できるので、より直線性の優れた出力を得ることが可能となる。
このように、本実施例では、外光照度検出回路によりバックライト輝度を制御することで、視認性の優れたディスプレイを実現することが可能となる。
尚、前述した各実施例において、ゲート回路200に入力される制御信号201は、ドレイン回路300に内蔵された図示しない制御回路から出力されるようにしても良い。
また、制御回路20は、液晶表示パネルに接続されるフレキシブル回路基板に実装されていても良い。
また、制御回路20は、COG実装したドレイン回路300に内蔵されていても良く、あるいは、ドレイン回路300は、半導体チップで構成するのではなく、低温ポリシリコンなどを用いてTFT基板610上に一体的に形成しても良い。
【0040】
また、本実施例では、外光を表示部周辺から取り込むので、外光取り込みのためのフレーム加工が必要ではない。
また、バックライト制御をCOG実装したドレイン回路300で行うことで、制御回路20の負担を軽減すると共に、制御回路20から、液晶表示パネル10とバックライト30とに送出する制御信号の本数を削減することが可能となる。
また、本発明は、バックライトの輝度を制御するだけでなく、表示パネルの輝度の制御に適用することも可能である。例えば、暗いところでは表示階調を暗くすればよい。
また、本発明の照度検出回路は、液晶表示装置に限定されず、他の形式の表示装置に適用することも可能である。ここで、自発光タイプの表示装置の場合は、バックライトの輝度を制御する代わりに、表示パネルの発光輝度自体を制御する。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
10 液晶表示パネル
20 制御回路
30 バックライト
32 トランジスタ
100 表示部
200 ゲート回路
300 ドレイン回路
400,401,402,411,421,422,431,432,441,442,443,614 ホトセンサ
446,447,448,520,521,522,523,524,532,534,535 NMOSトランジスタ
451,616 暗電流補正用の薄膜トランジスタ
500 ホトセンサ回路
501 入力信号
502 出力信号
511 NANDゲート
512,533 PMOSトランジスタ
513,514,515,516 インバータ
610 TFT基板
612,632 遮光膜
620 液晶
630 CF基板
710 外光
720 バックライト光
LED 発光ダイオード
Rb 抵抗
ip1〜ip3 光電流
C1,C2 容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照度検出回路を有する表示装置であって、
前記照度検出回路は、外光照度に応じて光電流が変化するホトセンサと、
前記ホトセンサに前記光電流が流れることにより電荷が放電されるコンデンサと、
前記コンデンサの電圧が入力されて動作する反転回路と、
出力が前記コンデンサの一端に接続され、前記反転回路の出力信号レベルに応じて前記コンデンサを充電するスイッチとを備え、
前記反転回路の前記出力信号レベルに応じて前記コンデンサの他端の電圧レベルを変化させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記反転回路の前記出力信号レベルが高いときに、前記スイッチをオンするとともに、前記コンデンサの前記他端の前記電圧レベルを第1の電圧にし、
前記反転回路の前記出力信号レベルが低いときに、前記スイッチをオフするとともに、前記コンデンサの前記他端の前記電圧レベルを第2の電圧にすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の電圧は、前記第2の電圧よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の電圧は、基準電圧であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記反転回路の入力に前記第2のコンデンサを接続したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記ホトセンサの暗電流を補正する暗電流補正用トランジスタを有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ホトセンサにカスケード接続される第3のトランジスタを有し、
前記コンデンサの電荷は、前記第3のトランジスタを経由して、前記ホトセンサにより放電されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記照度検出回路は、前記表示装置を構成する画素または周辺回路が形成された基板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図6−6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図17−3】
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【図17−4】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−128628(P2011−128628A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1651(P2011−1651)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【分割の表示】特願2006−242624(P2006−242624)の分割
【原出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】