説明

表面変性された酸化亜鉛

18±5m/gのBET表面積および0.1〜5.0質量%のC含量を有する表面変性された酸化亜鉛は、酸化亜鉛に表面変性剤を噴霧するかまたはこの表面変性剤を蒸気の形で添加し、次にこの混合物を熱処理することによって製造される。この表面変性された酸化亜鉛は、化粧品の製造に使用されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面変性された酸化亜鉛、その製造法および該酸化亜鉛の使用に関する。
【0002】
太陽スペクトルの一部分は、約290〜3000nmの範囲を有する電磁エネルギーの波長を有する。この範囲は、異なる領域に分割されることができ、即ち次の通りである:
1.紫外領域(290〜400nm)、
2.可視領域(400〜760nm)および
3.近赤外領域(760nm超)。
【0003】
更に、紫外領域は、UVA帯、UVB帯およびUVC帯と呼称される3つの帯に任意に分割された。
【0004】
UVB帯は、290nmから320nmに拡がっている。このUVB帯は、日焼け反応の原理的な原因であり、皮内での黒硬化反応を刺激するのに最も効果的である。人工源、例えば殺菌灯ならびに高圧水銀アーク灯および低圧水銀アーク灯からの200〜290nmの範囲内の放射線に遭遇することができるけれども、太陽からのUVC放射線(200〜290nm)は、地球の表面に到達しない。しかし、本発明の目的のためには、UVC放射線からの保護は、即ちUVA放射線およびUVB放射線によってもたらされた危険とは異なり、一般に主要な関心事ではない。320から400nmに拡がるUVA帯は、黒硬化反応をも生じうる。また、UVA放射線は、日焼けの原因ともなりうるが、しかし、この日焼けをおこすUVA放射線の能力は、UVB放射線の能力よりも劣る。
【0005】
しかし、UVA放射線の照射線量は、増加している。これは、大抵の日焼け止め剤が作用的にUVB放射線のみを遮断するという事実による。上記したように、UVB放射線は、黒硬化反応および日焼け反応を引き起こすUVA放射線よりも能力を有している。それ故に、ヒトは、UVB放射線を遮断する日焼け止め剤を使用する場合には、長時間直射日光の中に留まる傾向にある。それというのも、直射日光による黒硬化反応/日焼けの直接的な作用は、明らかでないからである。問題は、UVA放射線がなお皮膚に浸透し、直ちには、明らかな作用を引き起こさないにも拘わらず、長期に亘る損傷を引き起こすことである。近年、UVA放射線は、UVB放射線と同様に皮膚に有害であることが十分に記録された。実際に、最近のデータによれば、前記波長を有する日射は、皮膚癌の主要な原因であることが解明されており、この場合この皮膚癌は、現在、年々歳々全ての新しい癌腫の30〜40%を占めている。米国だけでも、今年、500000種の新しいケースの皮膚癌が報告されており、その数は、将来も上昇し続けることが予想される。UVA放射線は、UVB放射線によって損傷を受けた細胞を修復する酵素を抑制することによって皮膚癌を促進することが示された。また、UVA放射線は、UVB放射線よりも皮膚内に深く浸透し、血管内に変化を引き起こし、皮膚の早期老化をもたらし、こうしてUVB放射線によって生じた損傷をさらに増大させる(例えば、Hurwitz, Sidney, "The Sun and Sunscreen Protection: Recommendations for Children" Dermatol. Surg. Oncol; 14:6 (June 1988) P 657)。
【0006】
従って、任意の日焼け止め剤の目的は、最少の副作用でUVA放射線およびUVB放射線の双方からの使用者を保護することである。この目的は、現在入手可能な日焼け止め剤製品を使用した場合、十分には達成されていない。
【0007】
日焼け止め剤製品は、2つの大きなカテゴリー、即ち
1.局所的日焼け止め剤および
2.経口日焼け止め剤にグループ分けすることができる。
【0008】
本発明は、局所的日焼け止め剤に焦点を合わせ、この局所的日焼け止め剤をさらに2つの二次的カテゴリー、即ち
1.化学的日焼け止め剤および
2.物理的日焼け止め剤に区別することにする。
【0009】
化学的日焼け止め剤は、1つ以上のUV化学薬品の約3〜約26%を含有する。薄膜として、即ち約10〜15μmの厚さで皮膚の表面に適用される場合、前記化学薬品は、表皮細胞へのUV放射線の浸透力を減少させるために、充填剤として作用する。
【0010】
前記の日焼け止め剤は、典型的にはクリーム剤、オイル剤、ローション剤、アルコール剤またはゲルビヒクル剤の形で使用されており、これらの剤は、通常無色である。それというのも、これらの剤は、任意の可視光線吸収性化学薬品を含有していないからである。
【0011】
最も広く使用された化学的日焼け止め剤は、例えばパラ−アミノ安息香酸(PABA)、PABAエステル(グリセリルPABA)、アミルジメチルPABAおよびオクチルジメチルPABA)、ベンゾフェノン(オキシベンゾンおよびスルイソベンゾン)、シンナメート(オクチルメトキシシンナメートおよびシノキセート)、サリチラート(ホモメチルサリチラート)およびアントラニラートを含有する。
【0012】
今日まで、21を超えるかかる化学薬品が全米食料医薬品局(the United States Food and Drug Administration)によって日焼けから皮膚を保護する際の”安全で作用的な”薬剤として承認された(例えば、Pathak, Madhu, "Sunscreens: Topical and Systemic Approaches for Protection of Human Skin Against Harmful Effects of Solar Radiation", Continuing Medical Educationシリーズ, J. Am. Acad. Dermat., 7:3(1982年9月)285頁、291頁参照)。
【0013】
しかし、最近、医学的専門家によって、前記日焼け止め剤の化学的構成成分が実際に不活性であるのかどうか、また、このような日焼け止め剤を繰り返し使用することで前記化学薬品の重大な経皮的吸収を生じうるのではないかという疑問が生じた。化学的日焼け止め剤は、比較的高い濃度(即ち、26%まで)で局所的に適用されるので、接触および光接触感作ならびに過敏症、即ち光アレルギー性反応が起こりうる(Drumgoogle他, "Sunscreening Agent Interlerance: Contact and Photocontact Sensitization and Contact Urticania" J. Am. Acad. Dermatol., 1990:22, 1068頁参照)。
【0014】
他面、物理的日焼け止め剤は、生理学的に不活性の日焼け止め剤、即ち典型的にクリーム剤またはローション剤中に懸濁された、UV吸収性化合物の粒子を有する。この目的のためにしばしば利用される材料は、カオリン、タルクおよび2つの金属酸化物、即ち二酸化チタンおよび酸化亜鉛を含む。後者の二酸化チタンおよび酸化亜鉛の2つの化合物は、上記の炎症反応とは関連しない。
【0015】
しかし、物理的日焼け止め剤は、典型的に煩雑であり、閉塞性である。更に、この物理的日焼け止め剤は、付加的に皮膚の表面上に可視的に着色された(例えば、白色の)層を形成し、この場合この層は、日焼けからの保護に必要とされる多くの要件に対して化粧術的に受け入れることができないものである。これは、多数のかかる個々人に前記製品の使用を先行させる原因となる。前記組成物の色は、前記材料が形成される粒子の光学的性質に帰因しうる。この性質は、少なくとも部分的に前記粒子の寸法に依存し、この場合この粒子は、マイクロメートルの十分の一で測定された、直径の極めて”標準的な”範囲を有する(即ち、約0.7〜0.7μよりも大きい程度)。
【0016】
付加的に、現在入手可能な物理的日焼け止め剤は、使用者の身体から簡単には洗浄除去されない。その代わりに、この物理的日焼け止め剤は、典型的には日射の熱で融解され、こうして偶発的に使用者の衣服に染みを付けるかまたはさもなければ使用者の衣服を変色させる。更に、物理的日焼け止め剤は、比較的に厚手に被膜(20〜50μm)として塗布されるので、この製品の使用は、あせも、汗腺の炎症によって引き起こされる皮膚疾病および毛嚢炎、毛嚢の炎症を含めて望ましくない皮膚の状態をも促進しうる。そういうものとして、前記の物理的日焼け止め剤製品は、主に若い人を含めてイメージを意識する様々な人達から化粧術的に受け入れることができないと考えられている。
【0017】
不運なことに、この同じグループは、殆んどの場合に日射からの保護を必要とする厳密な個体群である。
【0018】
18歳よりも先に日焼け止め剤を適当に使用することは、皮膚癌の80%を阻止するであろうことが述べられた(例えば、Taylor他, "Photoaging/Photodamage and Photoprotection" 22 J. Am. Acad. Dermatol., 9 (1990))。
【0019】
前記の”局所的な”公知技術水準の物理的日焼け止め剤の1つの変法において、二酸化チタンを含有する一定の商業的な日焼け止め剤製品は、金属酸化物の”超微粉砕された”かまたは”大きな表面積の”粒子として公知であるものと一緒に形成されている。
【0020】
この場合、”超微粉砕された”の用語は、特殊な粒径を意味するものではないことに注目すべきである。むしろ、この用語は、大きな表面積を有する小さな粒子を記載するために使用されているにすぎない。前記の日焼け止め剤製品中に利用された二酸化チタン粒子は、上記の”標準の”粒径(約0.7〜0.9μよりも大きい位のものを測定する)よりも小さい程度の直径(即ち、約0.01μを測定する)を有する。
【0021】
しかし、この材料を使用することの1つの欠点は、二酸化チタンが多くのUV線も吸収しないし、例えば酸化亜鉛のように多量の可視光線を透過しないことにあり、この場合この酸化亜鉛は、本明細書中で出願人によって利用されている(例えば、Brown, Harvey E., Zink Oxide: Properties and Applicants, 第11〜12頁、図2〜図4(1976)参照)。
【0022】
従って、超微粉砕された二酸化チタン粒子の使用は、生じる製品をよりいっそう平滑にし、殆んど閉塞性でないにも拘わらず、前記材料の使用で直面した主な欠点、即ち日焼け止め剤としての超微粉砕された二酸化チタン粒子の比較的に低い有効性を(ZnOとは対照的に)未然に防ぐ訳ではない。
【0023】
また、二酸化チタンをベースとする製品は、本発明による酸化亜鉛で形成された製品よりも不透明であり、この場合これは、二酸化チタン材料の結晶構造が光の可視光線に対して部分的にのみ透明になるという事実に基づき、こうして一般に化粧的使用には受け入れることができない。
【0024】
ゴム工業において極めて特殊化された使用のために酸化亜鉛の超微粉砕された粒子を形成させることは、公知であったけれでも、この粒子は、痕跡の金属、例えば鉛、水銀、砒素およびカドミウムの実質的な量(即ち、約200ppmよりも大きい)を含有する。前記材料に晒されることによって引き起こされる人の健康に対する潜在的な危険は、十分に記録されている。
【0025】
従って、前記レベルの痕跡の金属を含有するこのような酸化亜鉛粒子は、人の皮膚に対する局所的な適用にとって受け入れることができない。
【0026】
それ故に、過剰の日射に晒されたことによる有害な作用の大きな公共的意識性は、公衆の生活および/または余暇の活動によって任意の実質的な量の照射に晒されることにより引き起こされるような上記の欠点を含まない改善された日焼け止め剤材料の要求と関連して公衆によって日焼け止め剤製品の使用が増加された結果として生じる。
【0027】
前記問題を回避させるために、皮膚を紫外線から遮蔽するための局所的な配合物は、公知であり、この場合この配合物は、次のものを含有する:実質的に無色の皮膚科学的に相容性の液体担持剤;酸化亜鉛の微粉砕された粒子、この場合この粒子は、約0.2μm未満の平均粒径を有し、次のものを含有する:
鉛 20ppm未満;
砒素 3ppm未満;
カドミウム 15ppm未満;および
水銀 1ppm、
この場合、前記粒子は、実質的に無色の皮膚科学的に相容性の液体担持剤中に実質的に均一に分散されており、実質的に可視的に透明の局所的日焼け止め剤配合物を形成し、この場合前記粒子は、皮膚を遮蔽するのに効果的な量で担持剤中に分散されており、前記皮膚上に実質的に透明な局所的日焼け止め剤配合物は、UVA放射線およびUVB放射線の有害作用からの保護のために適用される。
【0028】
酸化亜鉛は、アルカリ性溶液、アルカリ性液およびアルカリ性ガスならびに酸性溶液、酸性液および酸性ガスとの広範囲な反応性を示す反応性材料である。幾つかの用途において、酸化亜鉛の反応性の性質は、例えば塗料への適用において望ましく、顔料の反応性は、ポリマー被膜への付着を結果として生じる。多くの用途において、非反応性の形の酸化亜鉛を有すること、即ち分子上に存在する活性部位を除去するかまたは利用できない活性部位を形成させることが著しく望ましい。
【0029】
Harvey Brownは、彼の著作Zink Oxide Properties and Applications (International Lead Zinc Research Organization)中で酸化亜鉛が酸、酸塩およびアルカリ材料を含めて広範囲の材料との水中での高度な反応性を示すことを述べている。多くの生じる化合物は、水溶液中での酸化亜鉛によって構成された種々の種のために複合体構造を有する。更に、Brownは、オキシ塩化亜鉛、燐酸亜鉛、珪酸亜鉛および種々の他の材料が水性媒体中で形成されうることを述べている。
【0030】
酸化亜鉛上の反応性基の有用性の1つの基準は、酸化亜鉛の使用と関連したpHの変化である。
【0031】
反応性部位を含有する酸化亜鉛は、水性生成物のpHを増加しうる。幾つかの場合において、この増加は、7の初期のpHから8.7のpHであることができる。この増加は、反応性基の存在の1つの基準であるだけでなく、配合物中では著しく望ましいことではない。
【0032】
それ故に、顔料の性質を有するが、しかし、未処理の酸化亜鉛中で見出された反応性を欠いた酸化亜鉛を製造することが極めて望ましい。
【0033】
酸化亜鉛が使用された1つの範囲は、日焼け止め剤製品における範囲である。この日焼け止め剤製品は、日射から皮膚を保護する。
【0034】
日射の有害な作用から皮膚を保護するために使用される伝統的な材料は、有機日焼け止め剤である。この有機日焼け止め剤は、パラアミノ安息香酸および紫外線を吸収する他の材料を含む。最近の研究で紫外線は、皮膚の老化における主要なファクターであることが指摘された。この結果、メイキャップのように浜辺での使用のために特に意図されたわけではない、製品中への日焼け止め剤の配合を生じた。付加的に、皮膚に対する高レベルの保護を提供するという関心事が増加した。
【0035】
所謂SPF系は、日射の有害な影響から皮膚を保護する点で効果的である種々の材料を評価するために開発された。よりいっそう高いSPF値の探求の結果、よりいっそう高レベルの有機日焼け止め剤の使用が生じた。前記材料は、高濃度で刺激を与える傾向を有し、細菌類に対して有効な有機材料を増加させる影響を有する。この結果、細菌類の崩壊から高レベルの有機日焼け止め剤を保護するためのよりいっそう多くの防腐剤が必要になる。高レベルの防腐剤は、よりいっそう高い刺激レベルを生じ、この場合この刺激レベルは、細菌類によって崩壊される刺激緩和剤の配合によって対処されうる。
【0036】
無機日焼け止め剤、例えば酸化亜鉛の使用は、細菌類によって攻撃を受けない有機日焼け止め剤の使用についての良好な方法である。しかし、この有機日焼け止め剤の使用は、幾つかの他の固有の問題を有する。特に、前記材料は、上記の反応性の問題点のために、安定した生成物中に簡単には配合されない。酸化亜鉛は、多くの完成された配合物中で凝集する傾向にあり、配合物中で有効性を失い、受け入れることができない美的結果、最も通常は、白色化および粘度の変化をまねく。付加的に、酸化亜鉛は、配合物のpHを約8.5に上昇させる傾向にあり、この場合このpHは、多くのスキンケア配合物にとって高すぎる。前記配合物は、6〜7のpHで利用される傾向にある。酸化亜鉛は、前記問題のために利用が制限されている。
【0037】
1つの問題解決の取り組み方として、Siltech社の特許保護されたトリ(オクチルドデシル)シトレートのような有機油中で酸化亜鉛は、予め分散された。分散液は、かなり安定性ではあるけれども、油と酸化亜鉛との間では反応が存在しないので、コーティングは、永続的なものではない。また、油は、皮膚上で酸化亜鉛の均一性を破壊する。
【0038】
伝統的には、分散助剤が配合物中に添加され、被膜上で破壊作用を最少化する。この分散助剤は、燐酸エステルおよびレシチンを含む。この分散助剤も表面処理の不安定な性質を蒙っており、粒子と油との解離を生じる。これは、酸化亜鉛が可塑性化粧品または粘着性化粧品の製造の場合のように極めて機械的または熱的な応力に晒される場合に殊に明らかである。
【0039】
特殊な珪素化合物を制御された条件下で反応させ、分散状態を維持しかつ配合物中での化学的不安定性にあまり貢献しない、表面処理された安定な酸化亜鉛を製造することによって酸化亜鉛の不足分を克服することは、公知である。
【0040】
米国特許第5486631号明細書の記載によれば、酸化亜鉛を疎水化するための高度に効果的な系として次の構造式:
【0041】
【化1】

〔式中、Meは、メチルであり;
Rは、1〜10個の炭素原子を有するアルキルであり;
R′は、メチルまたはエチルであり;
aは、4〜12の範囲内の整数である〕に当てはまる珪素化合物が使用される。
【0042】
酸亜鉛および結果として生じた酸化亜鉛を疎水化するための公知方法は、疎水化剤が酸化亜鉛の表面上に重合された被覆を生じるという欠点を示す。
【0043】
本発明の1つの目的は、公知の疎水性酸化亜鉛の欠点を克服することである。
【0044】
本発明は、次の物理化学的特性データ:
BET表面積:18±5m/g、
C含量: 0.1〜5.0質量%
を有することを特徴とする表面変性された酸化亜鉛を提供する。
【0045】
更に、本発明による表面変性された酸化亜鉛は、0.1〜0.2%の乾燥減量および0.8〜1.4の強熱減量を有することができる。
【0046】
本発明による表面変性された酸化亜鉛は、好ましくは表面上に定義された分子群を有する。
【0047】
また、本発明は、酸化亜鉛に、場合によっては水での噴霧後に室温で表面変性剤を噴霧し、次にこの混合物を50〜400℃の温度で1〜6時間に亘って熱処理することを特徴とする、本発明による表面変性された酸化亜鉛の製造法を提供する。
【0048】
また、本発明による表面変性された酸化亜鉛は、酸化亜鉛を、場合によっては水での噴霧後に蒸気の形の表面変性剤で処理し、次にこの混合物を50〜800℃の温度で0.5〜6時間に亘って熱処理することによって製造されることができる。
【0049】
熱処理は、例えば窒素のような保護ガス下で実施されてよい。
【0050】
表面変性は連続的に、又はバッチ式に、噴霧装置を備えた加熱可能なミキサー及び乾燥器中で実施されてよい。適当な装置は、例えばプローシェアミキサーまたはプレート、流動床または流動床乾燥機であることができる。
【0051】
任意の望ましい酸化亜鉛は、親水性酸化亜鉛として使用されることができる。例えば、WO 92/13517の記載から公知の酸化亜鉛は、使用されることができる。早期の出願のドイツ連邦共和国特許第10212680号明細書に記載された酸化亜鉛は、有利に使用されることができる。
【0052】
この酸化亜鉛は、異方性の一次粒子の凝集体の形であり、この凝集体が50〜300nmの平均直径を示すことによって特徴付けられている、10〜200m/gのBET表面積を有するナノ程度の熱分解法により製造された酸化亜鉛粉末である。
【0053】
一次粒子は、明らかにもはやそれ以上破壊されることができない、高い分解能のTEM画像で最小の粒子である。幾つかの一次粒子は、接触点で集合して凝集体を形成することができる。この凝集体は、分散装置を用いて再び破壊することが不可能であるかまたは極めて困難である。幾つかの凝集体は、緩く一緒に結合して凝集体を形成させることができ、それによってこの方法は、適当な分散によって再び逆転させることができる。
【0054】
異方性の用語は、原子の配置が3本の空間軸線に沿って異なっていることを意味する。異方性の一次粒子は、例えば針状、結節状または小板状の形状である一次粒子を含む。例えば、立方体状または球状の配置は、等方性である。
【0055】
熱分解法は、燃料ガス、好ましくは水素および酸素の反応によって生じた焔内で気相中で金属または非金属またはその化合物の焔内酸化による酸化物の形成に言及される。高度に分散性の非多孔質の一次粒子は、最初に形成され、この一次粒子は、反応の連続時に合体して凝集体を形成し、この凝集体は、さらに集合して凝集塊を形成することができる。
【0056】
特殊な実施態様において、凝集体は、結節状の一次粒子と針状の一次粒子との混合物を有することができ、それによって結節状の一次粒子と針状の一次粒子との比は、99:1〜1:99であることができる。
【0057】
結節状の一次粒子は、有利に10〜50nmの平均粒径を示し、針状の一次粒子は、有利に100nm〜2000nmの長さおよび10nm〜100nmの幅を示す。
【0058】
粉末中の凝集体は、0.5未満の形状関数F(円形)によって定義された、大きな異方性構造を示すことができる。変数F(円形)は、完全な円形からの凝集体のずれを示す。
【0059】
完全に円形の対象F(円形)は、1に等しい。この値がよりっそう低くなると、完全な円形からさらに離れた構造の対象となる。パラメーターは、ASTM3849−89の記載により定義されている。
【0060】
粉末は、表面上で少なくとも40%のZn−OHおよび/またはZn−OH単位の形での脱着不可能な湿分として酸素濃度を示すことができる。この酸素濃度は、532〜533eVおよび534〜535eVで酸素信号のXPS分析(XPS=X線光電子分光法)によって測定される。
【0061】
粉末は、有利に310nmおよび360nmの波長で60%以下の透過率を示すことができる。
【0062】
1つの特殊な実施態様において、粉末の嵩密度は、40〜120g/lである。
【0063】
粉末の製造は、亜鉛粉末が4つの逐次的な反応帯域、蒸発帯域、核形成帯域、酸化帯域および急冷帯域中で酸化亜鉛粉末に変換され、
それによって蒸発帯域中で不活性ガス流によって蒸発帯域に運搬された亜鉛粉末が空気および/または酸素および燃料ガス、有利に水素の焔内で蒸発され、この場合反応パラメーターは、亜鉛の酸化が起こらないように選択され、
それによって核形成帯域中で亜鉛蒸気、焔内反応の反応生成物としての水蒸気および場合によっては過剰の燃料ガスから構成されている熱い反応混合物が蒸発帯域から到達し、亜鉛の沸点未満の温度に冷却されるかまたは不活性ガスにより冷却され、
それによって酸化帯域中で核形成帯域からの混合物が空気および/または酸素で酸化され、
それによって急冷帯域中で酸化混合物が冷却ガス(例えば、窒素、空気、アルゴン、二酸化炭素)の添加によって400℃未満の温度に冷却されることによって特徴付けられている。
【0064】
この方法は、蒸発帯域中で0.5〜0.99、有利に0.8〜0.95のλ値で表わされる、過剰量の燃料ガスが使用されるように実施されてよい。
【0065】
特殊な実施態様において、前記方法は、蒸発帯域中の温度が有利に920℃〜2000℃であるように実施されてよい。核形成帯域中で、温度は、有利に500℃〜900℃、特に有利に700℃〜800℃であることができる。
【0066】
更に、核形成帯域中での冷却速度は、
有利に100ケルビン/秒〜10000ケルビン/秒、特に有利に2000ケルビン/秒〜3000ケルビン/秒であることができ、
急冷帯域中で冷却速度は、有利に1000ケルビン/秒〜50000ケルビン/秒、特に有利に5000ケルビン/秒〜15000ケルビン/秒であることができる。
【0067】
蒸発帯域中での反応混合物の滞留時間は、
有利に0.1秒〜4秒、好ましくは0.5秒〜2秒であり、
核形成帯域中での反応混合物の滞留時間は、0.05秒〜1.00秒、好ましくは0.1秒〜0.2秒であり、
酸化帯域中での反応混合物の滞留時間は、5ミリ秒〜200ミリ秒、好ましくは10ミリ秒〜30ミリ秒であり、および
急冷帯域中での反応混合物の滞留時間は、0.05秒〜1.00秒、好ましくは0.1秒〜0.2秒である。
【0068】
また、前記方法は、空気および/または酸素および燃料ガスが蒸発帯域中での1つ以上の個所に供給されうるように実施されてもよい。
【0069】
酸化亜鉛粉末は、フィルター、サイクロン、洗浄器または他の適当な分離器によりガス流から分離されることができる。
【0070】
以下の化合物を表面変性剤として使用することができる:
a)(RO)Si(C2n+1)および(RO)Si(C2n−1)の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、ブチル−、
n=1〜20、
b)R’(RO)Si(C2n+1)およびR’(RO)Si(C2n−1)の型のオルガノシラン
R=アルキル、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、ブチル−、
R’=アルキル、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、ブチル−、
R’=シクロアルキル、
n=1〜20、
x+y=3、
x=1、2、
y=1、2、
c)XSi(C2n+1)及びXSi(C2n−1)の型のハロゲノ−オルガノシラン
X=Cl、Br、
n=1〜20、
d)X(R’)Si(C2n+1)およびX(R’)Si(C2n−1)の型のハロゲノ−オルガノシランX=Cl、Br、
R’=アルキル、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、ブチル−、
R’=シクロアルキル、
n=1〜20、
e)X(R’)Si(C2n+1)及びX(R’)Si(C2n−1)の型のハロゲノ−オルガノシラン、
X=Cl、Br、
R’=アルキル、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、i−プロピル−、ブチル−、
R’=シクロアルキル、
n=1〜20、
f)(RO)Si(CH−R’Rの型のオルガノシラン
R=アルキル、例えばメチル−、エチル−、プロピル−、
m=0、1〜20、
R’=メチル−、アリール(例えば、−C、置換フェニル基)
−C、OCF−CHF−CF、−C13、−O−CF−CHF
−NH、−N、−SCN、−CH=CH、−NH−CH−CH−NH
−N−(CH−CH−NH)
−OOC(CH)C=CH
−OCH−CH(O)CH
−NH−CO−N−CO−(CH
−NH−COO−CH、−NH−COO−CH−CH、−NH−(CH)Si(OR)
−Sx−(CHSi(OR)
−SH、
−NR’R’’R’’’(R’=アルキル、アリール;R’’=H、アルキル、アリール;R’’’=H、アルキル、アリール、ベンジル、CNR’’’’R’’’’’、この場合R’’’’=H、アルキルおよびR’’’’’=H、アルキル)、
g)(R’’)(RO)Si(CH−R’の型のオルガノシラン
R’’=アルキル x+y=2、
=シクロアルキル x=1、2、
y=1、2、
m=0、1〜20、
R’=メチル、アリール(例えば、−C、置換フェニル基)、
、−OCF−CHF−CF、−C13、−O−CF−CHF
−NH、−N、−SCN、−CH=CH、−NH−CH−CH−NH
−N−(CH−CH−NH
−OOC(CH)C=CH
−OCH−CH(O)CH
−NH−CO−N−CO−(CH
−NH−COO−CH、−NH−COO−CH−CH、−NH−(CHSi(OR)
−SX−(CHSi(OR)
−SH、
−NR’R’’R’’’(R’=アルキル、アリール;R’’=H、アルキル、アリール;R’’’=H、アルキル、アリール、ベンジル、CNR’’’’R’’’’’、この場合R’’’’=H、アルキルおよびR’’’’’=H、アルキル)、
h)XSi(CH−R’の型のハロゲノ−オルガノシラン
X=Cl、Br、
m=0、1〜20、
R’=メチル−、アリール(例えば、−C、置換フェニル基)、
−C、OCF−CHF−CF、−C13、−O−CF−CHF
−NH、−N、−SCN、−CH=CH
−NH−CH−CH−NH
−N−(CH−CH−NH)
−OOC(CH)C=CH
−OCH−CH(O)CH
−NH−CO−N−CO−(CH
−NH−COO−CH、−NH−COO−CH−CH、−NH−(CH)Si(OR)
−Sx−(CHSi(OR)
−SH、
i)(R)XSi(CH−R’の型のオルガノシラン
X=Cl、Br、
R=アルキル、例えばメチル−、エチル−、プロピル−、
m=0、1〜20、
R’=メチル−、アリール(例えば、−C、置換フェニル基)、
、−OCF−CHF−CF、−C13、−O−CF−CHF
−NH、−N、−SCN、−CH=CH、−NH−CH−CH−NH
−N−(CH−CH−NH
−OOC(CH)C=CH
−OCH−CH(O)CH
−NH−CO−N−CO−(CH
−NH−COO−CH、−NH−COO−CH−CH、−NH−(CHSi(OR)、この場合Rは、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−、
−SX−(CHSi(OR)、この場合Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、−SH、
j)(R)XSi(CH−R’型のハロオルガノシラン
X=Cl、Br、
R=アルキル、
m=0.1〜20、
R’=メチル−、アリール(例えば−C、置換されたフェニル基)
−C、OCF−CHF−CF、−C13、−O−CF−CHF
−NH、−N、−SCN、−CH=CH、−NH−CH−CH−NH
−N−(CH−CH−NH
−OOC(CH)C=CH
−OCH−CH(O)CH
−NH−CO−N−CO−(CH
−NH−COO−CH、−NH−COO−CH−CH、−NH−(CHSi(OR)
−S−(CHSi(OR)
−SH、
k)
【0071】
【化2】

の型のシラザン、
R=アルキル、ビニル、アリール、
R′=アルキル、ビニル、アリール、
1)型D3、D4、D5の環状ポリシロキサン、この場合D3、D4およびD5は、型−O−Si(CH−の3、4または5個の単位を有する環状ポリシロキサンとして理解される。例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン=D4。
【0072】
【化3】

m)
【0073】
【化4】

の型のポリシロキサンまたはシリコーン油、この場合
m=0、1、2、3、・・・∞、
n=0、1、2、3、・・・∞、
u=0、1、2、3、・・・∞、
Y=CH、H、C2n+1
n=1〜20、
Y=Si(CH、Si(CHH、
Si(CHOH、Si(CH(OCH)、
Si(CH(C2n+1)、
n=1〜20、
R、=アルキル、例えばC2n+1、但しn=1〜20、アリール、例えばフェニル及び置換されたフェニル基、(CH−NH、H、
R’=アルキル、例えばC2n+1、但しn=1〜20、アリール、例えばフェニル−及び置換されたフェニル基、(CH−NH、H、
R’’=アルキル、例えばC2n+1、但しn=1〜20、アリール、例えばフェニル−及び置換されたフェニル基、(CH−NH、H、
R’’’=アルキル、例えばC2n+1(但しn=1〜20)、アリール、例えばフェニル及び置換されたフェニル基、(CH−NH、H。
【0074】
本発明による表面変性された酸化亜鉛は、化粧品の製造、殊に日焼け止め剤組成物の製造に使用されることができる。
【0075】
本発明による表面変性された酸化亜鉛は、次の利点を有する:本発明による表面変性された酸化亜鉛は、日焼け止め剤として使用した際に化粧成分との相乗効果を示す。
【0076】
実施例
分析方法
BET表面積は、DIN66131の記載により測定される。
【0077】
透過電子顕微鏡写真を、Hitachi透過電子顕微鏡、型H-75000-2を用いて得た。約500〜600個の凝集体を透過電子顕微鏡中のCCDカメラを用いて分析した。
【0078】
変数F(形状)は、最小の凝集体の直径と最大の凝集体の直径との比に等しい。変数F(円形)は、F(円形)=4n×平均表面積)/2(P)として計算され、この場合Pは、凝集体の円周である。
【0079】
変数F(形状)およびF(円形)は、完全な円の形状からの粒子の偏差を示す。F(形状)およびF(円形)は、完全な円形の対象については1である。この値がよりっそう低くなると、完全な円形からさらに離れた構造の対象となる。
【0080】
パラメーターは、ASTM3849−89の記載により定義されている。
【0081】
表面特性を、双方共に元来の状態でイオン衝撃(5keVのアルゴンイオン)による30分後の表面浸食後に大面積(1cm)のXPS分析(XPS=X線光電子分光法)によって測定する。酸素信号の微細構造を酸素についてガウス/ローレンツ曲線(Gaussian/Lorentzian curve analyses)によって測定する。
【0082】
1%の水溶液を透過測定のために使用する。分散を、Bandelin Elektronik社の超音波機器を用いて実施する。超音波処理時間は、1分間である。測定は、Perkin Elmer Lambda 2 UV/Vis分光計を用いて行なわれる。
【0083】
嵩密度をDIN−ISO 787/XIの記載により測定した。
【0084】
実施例
例1:
亜鉛粉末(250g/時間、粒径=5μm)を窒素流(1.5m/時間)により蒸発帯域中に運搬し、この蒸発帯域中で水素/空気火焔(水素:4.25m/時間、空気:8.40m/時間、λ=0.82)を燃焼させる。ここで亜鉛粉末を蒸発させる。次に、亜鉛蒸気、水素、窒素および水から構成されている反応混合物を窒素1m/時間の添加によって850℃の温度に冷却する。次に、酸化空気5m/時間および急冷空気34m/時間を添加し、それによって反応温度は、400℃未満の値に低下する。得られた酸化亜鉛粉末を濾過によってガス流から分離する。
【0085】
例2:
例1と同様に実施し、それによってパラメーターは、第1表中に示された値に変化する。
例3(比較例):
例1と同様に実施するが、しかし、過剰量の空気を用いて蒸発帯域中で酸素と比較する。パラメーターを第1表中に示された値に変える。
【0086】
例4(比較例):
例1と同様に実施するが、しかし、核形成帯域を用いない場合には、酸化帯域よりも先に温度は、亜鉛の沸点未満に低下しない。パラメーターを第1表中に示された値に変える。
【0087】
本例で得られた生成物の特性は、第2表中に示されている。
【0088】
画像分析の評価により、粒子の平均表面積、凝集体の寸法および形状ファクターF(円形)についての本発明による酸化亜鉛粉末と公知技術水準との明白な差が明らかになる。
【0089】
例1および2からの本発明による酸化亜鉛粉末のXPS分析を実施した。Zn−OH単位およびZn−OH単位の形での脱着不可能な湿分含量は55.5%(例1)および48.3%(例2)であることが見い出された。こうして、例えば、Nanophase Technologies社からのNanortek Zink Oxide製品においては、湿分は、著しく高い。
【0090】
図2は、本発明による粉末の透過電子顕微鏡写真を示す。結節状の凝集体および針状の凝集体の凝集塊を明らかに見ることができる。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
表面変性
表面変性のために、酸化亜鉛を最初にミキサー中に装入し、強力に攪拌しながら、場合によっては最初に水を噴霧し、次に表面変性剤を噴霧する。噴霧が終結した場合、後混合をさらに15〜30分間実施することができ、さらに熱処理を50〜400℃で1〜4時間実施することができる。
【0094】
使用された水を酸、例えば塩酸で7のpHから1のpHへ低下させて酸性にすることができる。使用されるシラン処理剤を溶剤中、例えばエタノール中に溶解することができる。
【0095】
【表3】

【0096】
【表4】

【0097】
使用例
ZnO(w.c.=コーティング=トリメトキシオクチルシラン)との組み合わせで、OC=オクトクリレン、OMC=エチルヘキシルメトキシシンナメート、PISA=フェニルベンズイミダゾールスルホン酸またはBEMT=ビス−エチルヘキシルオキシメトキシフェニルトリアジンとの相乗効果を示した本発明による配合物は、以下に記載されている。
【0098】
統計学的理由から、相乗効果と呼ぶことができるとしても、SPFは、個々の配合物の全SPFよりも高い2個の単位よりも大きいかまたはこれらの2個の単位に等しいものと推測される。
【0099】
SPF(日焼け止めファクター(sun protection factor))の測定を試験管内で検眼SPF290-s装置を用いて実施する。
【0100】
使用例1〜3
W/Oエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を油相(エチルヘキシルステアレートおよび鉱油)から引き算する。
第1の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するW/Oエマルジョン、
第2の標準処方物 OCを有するW/Oエマルジョン、
第3の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびOCを有するW/Oエマルジョン。
【0101】
【表5】

【0102】
使用例4〜7
O/Wエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を水相(水)から引き算する。イソステアリン酸を表面変性剤およびpH安定剤として実験的に使用する。
第4の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するO/Wエマルジョン、
第5の標準処方物 OCを有するO/Wエマルジョン、
第6の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびOCを有するO/Wエマルジョンおよび
第7の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)、OCおよびイソステアリン酸を有するO/Wエマルジョン。
【0103】
【表6】

【0104】
使用例8〜10
W/Oエマルジョンのための標準配合物をこれらの使用例中で使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を油相(エチルヘキシルステアレートおよび鉱油)から引き算する。
第8標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するW/Oエマルジョン、
第9の標準処方物 OMCを有するW/Oエマルジョン、
第10のZnO(コーティングを有する)およびOMCを有するW/Oエマルジョン。
【0105】
【表7】

【0106】
使用例11〜14
O/Wエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を水相(水)から引き算する。イソステアリン酸を表面変性剤およびpH安定剤として実験的に使用する。
第11の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するO/Wエマルジョン、第12の標準処方物 OMCを有するO/Wエマルジョン、
第13の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびOMCを有するO/Wエマルジョン、
第14の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)、OMCおよびイソステアリン酸を有するO/Wエマルジョン。
【0107】
【表8】

【0108】
使用例15〜17
W/Oエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を油相(エチルヘキシルステアレートおよび鉱油)から引き算する。
第15の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するW/O、
第16の標準処方物 PISAを有するW/Oエマルジョン、
第17の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびPISAを有するW/Oエマルジョン。
【0109】
【表9】

【0110】
使用例18〜21
O/Wエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を水相(水)から引き算する。イソステアリン酸を表面変性剤およびpH安定剤として実験的に使用する。
第18の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するO/Wエマルジョン、第19の標準処方物 PISAを有するO/Wエマルジョン、
第20の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびPISAを有するO/Wエマルジョン、
第21の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)、PISAおよびイソステアリン酸を有するO/Wエマルジョン。
【0111】
【表10】

【0112】
使用例22〜24
W/Oエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に配合する。酸化亜鉛の付加的な含量を油相(C12〜15アルキルベンゾエート)から引き算する。
第22の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するW/O、
第23の標準処方物 BEMTを有するW/Oエマルジョン、
第24の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびBEMTを有するW/Oエマルジョン。
【0113】
【表11】

【0114】
使用例25〜28
O/Wエマルジョンの標準処方物をこれらの使用例において使用する。ナノ程度の酸化亜鉛(コーティングを有する)を系の油相中に導入する。酸化亜鉛の付加的な含量を水相(水)から引き算する。イソステアリン酸を表面変性剤およびpH安定剤として実験的に使用する。
第25の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)を有するO/Wエマルジョン、第26の標準処方物 BEMTを有するO/Wエマルジョン、
第27の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)およびBEMTを有するO/Wエマルジョン、
第28の標準処方物 ZnO(コーティングを有する)、BEMTおよびイソステアリン酸を有するO/Wエマルジョン。
【0115】
【表12】

【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】処理工程ならびに流入する質量流および流出する質量流を有する本発明による方法を示すフローシート。
【図2】本発明による表面変性された酸化亜鉛粉末の粒子構造を示す透過電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
【0117】
I 蒸発帯域、 II 核形成帯域、 III 酸化帯域、 IV 急冷帯域、 A 酸化亜鉛粉末+不活性ガス、 B 亜鉛蒸気、水、(燃料ガス)、 C 亜鉛粒子、水、(不活性ガス、燃料ガス)、 D 酸化亜鉛粒子、水、(不活性ガス)、 a 燃料ガス、空気/O、 b 冷却ガス(不活性ガス)、 c 空気/O、 d 冷却ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面変性された酸化亜鉛において、該酸化亜鉛が次の物理化学的特性データ:
BET表面積:18±5m/g、
C含量0.5〜1.0質量%
を有することを特徴とする、表面変性された酸化亜鉛。
【請求項2】
請求項1記載の表面変性された酸化亜鉛を製造する方法において、酸化亜鉛に、場合によっては水での噴霧後に室温で表面変性剤を噴霧し、次にこの混合物を50〜400℃の温度で1〜6時間に亘って熱処理することを特徴とする、請求項1記載の表面変性された酸化亜鉛の製造法。
【請求項3】
請求項1記載の表面変性された酸化亜鉛を製造する方法において、酸化亜鉛を、場合によっては水での噴霧後に蒸気の形の表面変性剤で処理し、次にこの混合物を50〜800℃の温度で0.5〜6時間に亘って熱処理することを特徴とする、請求項1記載の表面変性された酸化亜鉛の製造法。
【請求項4】
化粧品、殊に日焼け止め剤組成物を製造するための請求項1記載の表面変性された酸化亜鉛の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−503373(P2007−503373A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524276(P2006−524276)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009023
【国際公開番号】WO2005/019347
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa AG
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】