説明

表面検査装置及び検査方法

【課題】極めて簡易な構成で被検査体の表面状態を高精度に検査することのできる表面検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】本発明は、表面検査装置及び検査方法に関するものであり、被検査体(F)の検査部に接するように検査光(L)を投光する投光器(94)と、前記検査部を通過した前記検査光(L)を受光する第1受光器(96a、96b)と、前記検査部によって散乱された前記検査光(L)を受光する第2受光器(100)と、前記第1受光器(96a、96b)によって受光した前記検査光(L)の光量に従い、前記検査部に対する前記検査光(L)の投光位置を調整する位置調整機構(54)と、前記第2受光器(100)によって受光した前記検査光(L)の光量に従い、前記検査部の表面状態を判定する判定部(130)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の表面状態を検査する表面検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
写真フイルム、印画紙、磁気記録材料、フラットパネルディスプレイ用保護フイルム、位相差フイルム等は、高い品質を確保するため、表面状態を厳密に管理する必要がある。例えば、これらの材料の製造過程において、支持体に薬品塗布や蒸着等の処理を施す際、支持体の表面に異物が付着していたり、製造欠陥による突起状の欠陥部分が有ると、製造された材料を商品として出荷できないだけでなく、歩留まりの低下により、商品のコストが上昇してしまう。
【0003】
このような異物や欠陥部分を検出する従来技術として、例えば、特許文献1に開示された装置では、図8に示すように、巻回された糸巻体2の外周部近傍にレーザ光源4から出力されたレーザビームLを照射し、糸巻体2の欠陥部分である毛羽6によって散乱されたレーザビームLを受光器8により検出するように構成している。
【0004】
また、特許文献2に開示された装置では、図9に示すように、ロール体10に巻き架けられたフイルム12の表面近傍にレーザ光源14から出力されたレーザビームLを照射し、フイルム12の表面の異物16を通過したレーザビームLを受光器18によって検出するように構成している。
【0005】
さらに、特許文献3、4に開示された装置では、図10に示すように、ロール体20に巻き架けられたフイルム22の表面近傍にレーザ光源24からレーザビームLを照射し、大サイズの異物26を通過したレーザビームLを第1受光器28によって検出する一方、小サイズの異物26により散乱されたレーザビームLを第2受光器30によって検出するように構成している。
【0006】
【特許文献1】特開昭58−76571号公報
【特許文献2】特開平7−229850号公報
【特許文献3】特開2008−107131号公報
【特許文献4】特開2008−107132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この場合、特許文献1に開示された装置では、糸巻体2の外周部に対するレーザビームLの光軸の位置(距離W)を厳密に調整しておかないと、レーザビームLが糸巻体2によって散乱され、受光器8により検出されることがあるため、毛羽6と糸巻体2とを区別することができなくなってしまう。このような不具合を回避するため、距離Wを大きく設定すると、微細な毛羽6を検出することができない。また、距離Wは、環境温度や糸巻体2の張力により変動するため、検出可能な毛羽6の大きさも一定に定まらない。
【0008】
また、特許文献2に開示された装置では、異物16によるレーザビームLの光量低下を検出することで、異物16を検出するようにしているが、特に微細な異物16の場合には、光量低下も極めて小さいため、確実に異物16を検出できないおそれがある。
【0009】
さらに、特許文献3、4に開示された装置では、大サイズの異物26であれば、第1受光器28または第2受光器30のいずれでも検出することができるが、小サイズの異物26の場合、特許文献1の場合と同様に、フイルム22の表面からレーザビームLの光軸までの距離を厳密に調整しておかないと、異物26とフイルム22とを区別することができなくなってしまう。
【0010】
本発明は、前記の不具合を解消するためになされたものであって、極めて簡易な構成で被検査体の表面状態を高精度に検査することのできる表面検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の表面検査装置は、被検査体の検査部に接するように検査光を投光する投光器と、
前記検査部を通過した前記検査光を受光する第1受光器と、
前記検査部によって散乱された前記検査光を受光する第2受光器と、
前記第1受光器によって受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部に対する前記検査光の投光位置を調整する位置調整機構と、
前記第2受光器によって受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部の表面状態を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の表面検査方法は、被検体の検査部を通過した検査光を第1受光器により受光するステップと、
前記第1受光器により受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部に対する前記検査光の投光位置を調整するステップと、
投光位置の調整された前記検査光の前記検査部による散乱光を第2受光器により受光するステップと、
前記第2受光器により受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部の表面状態を判定するステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の表面検査装置及び検査方法では、被検査体の検査部を通過した検査光の光量を検出し、その光量に従って検査光の投光位置を調整した後、検査部からの散乱光に基づいて検査部の表面状態を検査することにより、微細な異物や突起状の欠陥部分を、極めて簡易な構成で確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、検査ロール48(ロール体)を介して、凸状に湾曲された状態で搬送されるフイルムFの表面状態を検査する本実施形態の表面検査装置50の構成図である。
【0015】
表面検査装置50は、フイルムFの表面状態を検査する検査ユニット52(ユニット)と、検査ユニット52を矢印θ方向に傾動させるとともに、矢印Z方向に昇降させることにより、フイルムFに対する位置調整を行う位置調整機構54とを備える。
【0016】
位置調整機構54は、図示しない固定部に固定されるブラケット56に対して、ガイドバー58a、58bを介して矢印Z方向に昇降可能に連結される板体60を有する。ブラケット56には、板体62を介して昇降モータ64が固定される。昇降モータ64の駆動軸66に装着されるプーリ68は、ベルト70を介してプーリ72に連結される。一方、板体60には、雌ねじ部材74が固定されており、この雌ねじ部材74に螺合するボールねじ76にプーリ72が装着される。従って、昇降モータ64が駆動されることにより、ベルト70を介してボールねじ76が回転し、ボールねじ76が螺合する雌ねじ部材74を介して板体60が矢印Z方向に昇降する。
【0017】
検査ユニット52を構成するハウジング78の上面部のうち、検査ロール48の長手方向に沿った一端部側及び他端部側には、ブラケット80a及び80bが固定される。一方のブラケット80aには、板体60に固定されるブラケット82aが支軸83により軸支される。また、他方のブラケット80bには、板体60に固定された支軸84を介してブラケット82bが軸支される。支軸84は、ブラケット82bに形成された長孔86に挿入される。ブラケット82bは、支軸84から検査ロール48の長手方向に離間するように延在する係合部88を有する。係合部88には、板体60の端部に固定されたブラケット90を介して、矢印方向に伸縮するリニアアクチュエータ92が係合する。従って、リニアアクチュエータ92が矢印方向に伸縮することにより、係合部88を介してブラケット82bが矢印θ方向に回動し、検査ユニット52がブラケット80aの支軸83を中心として矢印θ方向に傾動する。
【0018】
図2は、検査ユニット52のハウジング78に収納される検査光学系の構成図である。
【0019】
検査光学系は、レーザビームL(検査光)をフイルムFの凸状に湾曲する検査部に接するように投光する投光器94と、検査部を通過したレーザビームLを受光する2つの位置調整用受光器96a、96b(第1受光器)と、検査部の異物98(図3、図4)によって散乱されたレーザビームLを受光する異物検出用受光器100(第2受光器)とを備え、ハウジング78内に相対的な位置関係が固定された状態で収納される。位置調整用受光器96a、96bは、図3に示すように、レーザビームLの走査範囲において、検査ロール48の長手方向の両端部側に配設される。なお、異物98には、フイルムFに付着した塵埃や、フイルムFの突起状の欠陥部分が含まれるものとする。
【0020】
投光器94は、レーザビームLを出力するレーザ発振器102と、レーザビームLのビーム径を調整するレンズ104と、レーザビームLの光路を変えるミラー106と、レーザビームLを検査ロール48の長手方向に偏向するポリゴンミラー108(走査部)と、レーザビームLのフイルムF上での走査速度を調整するfθレンズ等からなる走査レンズ110(走査部)と、レーザビームLの光路を変え、フイルムFの検査部を介して位置調整用受光器96a、96bの方向に導くミラー112とを備える。
【0021】
異物検出用受光器100は、光軸がフイルムFに対するレーザビームLの走査面と直交する方向に配設される2組のシリンドリカルレンズ114a、114bと、シリンドリカルレンズ114a、114b間の焦点位置に配設され、レーザビームLの走査方向に延在するスリット115を有するスリット部材116と、レーザビームLの走査方向に延在する光散乱帯118が外周部に形成され、シリンドリカルレンズ114bにより集光されたレーザビームLが導入される集光ロッド120と、集光ロッド120の端部に装着され、レーザビームLを電気信号に変換するフォトマルチプライア等の光電変換部122(受光部)とを備える。なお、光電変換部122は、集光ロッド120の両端部に装着してもよい。異物検出用受光器100は、シリンドリカルレンズ114aの焦点位置が、投光器94によるレーザビームLの走査面上となるように設定される。
【0022】
図5は、表面検査装置50の制御回路ブロック図である。
【0023】
表面検査装置50は、投光器94を制御して、レーザ発振器102から出力されるレーザビームLの走査制御を行う走査制御部124と、位置調整用受光器96a、96bによって受光したレーザビームLの光量に基づき、検査ユニット52の位置調整量を算出するユニット位置調整量算出部126と、算出された位置調整量に従い、昇降モータ64及びリニアアクチュエータ92を制御するユニット駆動制御部128と、異物検出用受光器100によって受光したレーザビームLの光量に基づき、異物98の有無の判定処理を行う異物判定処理部130(判定部)と、異物98の有無の判定結果を表示するモニタ132と、判定結果を必要に応じて音声にて通知するスピーカ134と、異物判定処理部130により異物98が有ると判定されたとき、フイルムF上での異物98の位置情報を記憶する異物位置情報記憶部136とを備える。なお、異物判定処理部130は、走査制御部124によるレーザビームLのフイルムF上での走査位置と、検査ロール48を駆動制御するロール駆動制御部138によるフイルムFの搬送位置とに従って異物98の位置情報を算出する。
【0024】
本実施形態の表面検査装置50は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作につき図6のフローチャートに従って説明する。
【0025】
検査ロール48に巻装されたフイルムFに対して、表面検査装置50を図1に示す状態に設置した後、走査制御部124により投光器94が駆動され、レーザビームLが出力される(ステップS1)。
【0026】
レーザ発振器102から出力されたレーザビームLは、レンズ104によってビーム径が調整された後、ミラー106を介してポリゴンミラー108に入射する。ポリゴンミラー108は、入射したレーザビームLを反射偏向し、走査レンズ110及びミラー112を介して位置調整用受光器96a、96bに導く。
【0027】
位置調整用受光器96a、96bは、入射したレーザビームLを受光し、光信号を電気信号に変換してユニット位置調整量算出部126に供給する。電気信号としての光量情報を受信したユニット位置調整量算出部126は(ステップS2)、位置調整用受光器96a、96bが受光したレーザビームLの光量を所定の光量とすることのできる検査ユニット52の位置調整量を算出してユニット駆動制御部128に供給し、検査ユニット52の位置調整を行う(ステップS3)。
【0028】
ユニット位置調整量算出部126は、好ましくは、各位置調整用受光器96a、96bによって検出したレーザビームLの光量が、フイルムFが存在しないときの光量の50〜80%となるように、位置調整量を算出する。レーザビームLは、光強度分布がガウス分布であり、フイルムFの表面の異物98による散乱光が最も強くなるのは、レーザビームLの光軸上に異物98が存在するときである。従って、レーザビームLの光軸は、異物98の分だけフイルムFの表面から上部に設定することが望ましい。すなわち、位置調整用受光器96a、96bにより検出されるレーザビームLの光量は、フイルムFが存在しないときの光量の50%以上に設定することが望ましい。また、微小な異物98を検出するため、レーザビームLは、フイルムFに接していなければならない。しかも、必要な光量からなる散乱光を異物検出用受光器100に導くためには、実用上、20%以上のレーザビームLがフイルムFによって蹴られることが望ましい。この結果、位置調整用受光器96a、96bにより検出されるレーザビームLは、フイルムFが存在しないときの光量の50〜80%となるように、位置調整量を算出することが望ましい。
【0029】
そこで、ユニット駆動制御部128は、先ず、リニアアクチュエータ92を駆動し、ブラケット82bの係合部88を介して、検査ユニット52のハウジング78をブラケット80aの支軸83を中心として図1に示す矢印θ方向に傾動させる。検査ユニット52が所定量傾動し、位置調整用受光器96a、96bによって受光した各レーザビームLの光量が等しくなった時点で、リニアアクチュエータ92の動作を停止させる。このとき、位置調整用受光器96aに向かうレーザビームLの光軸とフイルムFの表面との距離、及び、位置調整用受光器96bに向かうレーザビームLの光軸とフイルムF表面との距離がそれぞれ等しくなる。従って、レーザビームLをフイルムFの表面に沿って走査させたとき、レーザビームLがフイルムFの表面から一定の距離を保持した状態で移動することなる。
【0030】
次いで、ユニット駆動制御部128は、昇降モータ64を駆動し、板体60を介して検査ユニット52のハウジング78を矢印Z方向に昇降させる。昇降モータ64の駆動軸66の回転は、プーリ68、ベルト70及びプーリ72を介してボールねじ76に伝達され、ボールねじ76の回転が雌ねじ部材74を介して板体60を昇降させることにより、検査ユニット52が矢印Z方向に昇降する。そこで、位置調整用受光器96a、96bによって受光したレーザビームLの光量が、検査ロール48及びフイルムFが存在しないときの光量の50〜80%となった時点で、昇降モータ64の動作を停止させることにより、レーザビームLとフイルムFの表面との距離が所望の距離に調整される。
【0031】
以上のようにして、検査ユニット52と、フイルムFの検査部との位置関係が調整された後、異物検出用受光器100を用いて、フイルムFの検査部により散乱されたレーザビームLの検出を行う。
【0032】
フイルムFの検査部に異物98が存在する場合、異物98によって散乱されたレーザビームLは、シリンドリカルレンズ114a、スリット部材116及びシリンドリカルレンズ114bを介して集光ロッド120に導かれる。この場合、シリンドリカルレンズ114aの焦点位置がフイルムFの検査部近傍に設定されているため、異物98によって散乱されたレーザビームLは、シリンドリカルレンズ114aによって集光された後、スリット部材116のスリット115を介してシリンドリカルレンズ114bから集光ロッド120に導入されるが、異物98以外のフイルムFの表面によって反射されたレーザビームLは、シリンドリカルレンズ114aによって集光されることがなく、あるいは、スリット部材116によって蹴られるため、集光ロッド120に導入されることはない。従って、集光ロッド120には、異物98によって散乱されたレーザビームLのみが導入される。
【0033】
集光ロッド120に導入された異物98による散乱光であるレーザビームLは、光散乱帯118によって散乱反射された後、集光ロッド120の端部に装着されている光電変換部122に入射して電気信号に変換され、異物判定処理部130に供給される(ステップS4)。電気信号としての光量情報を受信した異物判定処理部130は、その光量を異物判定基準として設定した閾値と比較することにより、異物98の有無判定処理を行う(ステップS5)。この場合、集光ロッド120に導入される散乱光は、異物98のみからの散乱光であるため、フイルムFを異物98として誤検出することなく、異物98のみを検出することができる。
【0034】
異物判定処理部130により異物有りと判定されたとき(ステップS6)、異物判定処理部130は、モニタ132を介してフイルムFに異物98が有ることを表示するとともに、スピーカ134を駆動して音声等により異物98が有ることを作業者に通知する(ステップS7)。
【0035】
また、異物判定処理部130は、異物98が有ると判定した時点でのレーザビームLの走査位置情報を走査制御部124から取得するとともに、ロール駆動制御部138からフイルムFの搬送方向に対する位置情報を取得し、これらの位置情報を異物位置情報として異物位置情報記憶部136に記憶させる(ステップS8)。なお、異物位置情報記憶部136に記憶された異物位置情報は、表面検査が終了したフイルムFとともに次の工程に供給し、例えば、異物98の有るフイルムFの一部を削除する等、適切な処置を施すことができる。この結果、例えば、異物98を見逃し、フイルムFに対して無駄な後工程での処理を施してしまう、といった不具合を回避することができる。
【0036】
以上の処理は、検査ロール48を回転させ、フイルムFを搬送させながら表面検査が終了するまで連続的に行われる(ステップS9)。
【0037】
この場合、フイルムFの表面に対する検査ユニット52の位置を位置調整機構54により調整しながら表面検査を行うことができる。従って、検査ロール48の芯振れや、搬送されるフイルムFの厚さの変化がある場合であっても、レーザビームLとフイルムFの表面との距離が常に一定に維持されるため、異物98の有無を常時確実に判定することができる。
【0038】
また、表面検査装置50は、表面状態の検査が必要なフイルムFの所定部位に設置し、位置調整用受光器96a、96bによって受光したレーザビームLの光量に基づき、位置調整機構54により位置調整を行いながら異物98の有無判定を行うことができる。従って、表面検査装置50の設置が容易であり、且つ、極めて簡易な構成で異物98の有無を確実に判定することができる。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0040】
例えば、図7は、図1に示す位置調整機構54に代えて、ゴリオメータ140及びパンタグラフ142を組み合わせてなる位置調整機構144を用いて検査ユニット52の傾動及び昇降を行うようにした機構を示す。ゴリオメータ140は、検査ユニット52のハウジング78に固定され、検査ロール48の長手方向に湾曲する凸状湾曲面145を有する部材146と、凸状湾曲面145に係合する凹状湾曲面148を有する部材150とを有し、摘み152を回動させることにより、部材146を部材150に対して矢印θ方向に傾動可能に構成される。パンタグラフ142は、部材150に固定される板体154と、伸縮アーム156a、156bを介して板体154に連結される板体158とを有し、摘み160を回動させることにより、伸縮アーム156a、156b間を連結する連結バー162a、162bに螺合するねじ部材164を介して、板体154を矢印Z方向に昇降可能に構成される。作業者は、摘み152及び160を調整することで、フイルムFの検査部に対する検査ユニット52の位置を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態の表面検査装置の構成図である。
【図2】表面検査装置の検査ユニットのハウジングに収納される検査光学系の構成図である。
【図3】検査光学系を構成する位置調整用受光器の配置説明図である。
【図4】検査光学系を構成する異物検出用受光器及びレーザビームの光路の説明図である。
【図5】表面検査装置の制御回路ブロック図である。
【図6】本実施形態の表面検査装置の動作フローチャートである。
【図7】表面検査装置を構成する位置調整機構の他の実施形態の説明図である。
【図8】従来技術の説明図である。
【図9】従来技術の説明図である。
【図10】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
【0042】
48…検査ロール
50…表面検査装置
52…検査ユニット
54、144…位置調整機構
94…投光器
96a、96b…位置調整用受光器
98…異物
100…異物検出用受光器
102…レーザ発振器
122…光電変換部
124…走査制御部
126…ユニット位置調整量算出部
130…異物判定処理部
132…モニタ
134…スピーカ
136…異物位置情報記憶部
140…ゴリオメータ
142…パンタグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体の検査部に接するように検査光を投光する投光器と、
前記検査部を通過した前記検査光を受光する第1受光器と、
前記検査部によって散乱された前記検査光を受光する第2受光器と、
前記第1受光器によって受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部に対する前記検査光の投光位置を調整する位置調整機構と、
前記第2受光器によって受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部の表面状態を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記投光器は、前記検査部に沿って前記検査光を走査する走査部を有することを特徴とする表面検査装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記判定部は、前記検査部の表面状態を、前記走査部による前記検査光の走査位置毎に判定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、
前記投光器は、前記検査光を前記検査部で合焦させるように設定されることを特徴とする表面検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、
前記第2受光器は、前記検査部によって散乱された前記検査光を集光する集光レンズと、前記集光レンズの焦点位置に配設されるスリット部材と、前記スリット部材を通過した前記検査光を受光する受光部とを備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、
前記第1受光器は、前記検査部を通過した前記検査光を異なる位置で受光する少なくとも2つの受光器からなることを特徴とする表面検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、
前記位置調整機構は、前記受光器毎に前記検査部に対する前記検査光の投光位置を調整することを特徴とする表面検査装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、
前記投光器、前記第1受光器及び前記第2受光器は、相対的な位置関係が固定されたユニットにより構成されることを特徴とする表面検査装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置において、
前記被検査体は、ロール体を介して搬送されるウエブであり、前記検査部は、前記ロール体に巻き架けられた前記ウエブの凸状に湾曲する部分であることを特徴とする表面検査装置。
【請求項10】
被検体の検査部を通過した検査光を第1受光器により受光するステップと、
前記第1受光器により受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部に対する前記検査光の投光位置を調整するステップと、
投光位置の調整された前記検査光の前記検査部による散乱光を第2受光器により受光するステップと、
前記第2受光器により受光した前記検査光の光量に従い、前記検査部の表面状態を判定するステップと、
を有することを特徴とする表面検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−112935(P2010−112935A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288105(P2008−288105)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】