説明

表面汚染検査装置およびその検査方法

【課題】本発明は、移動させながら被測定物の放射線汚染の有無を効率的かつ自動的に判断し、被測定物の汚染測定を臨機応変に高い信頼性を保って精度よく能率的に測定可能としたものである。
【解決手段】本発明に係る表面汚染検査装置は、被測定物をコンベア上で移動させながら被測定物からの放出放射線量を測定するものである。この表面汚染検査装置10は、被測定物11の移動に応じて測定部位を変えながら放出放射線量を測定する放射線検出手段23と、この放射線検出手段23からの測定値の上昇傾向を監視する監視判定手段20と、この監視判定手段20で測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止させるようにコンベア駆動用モータを制御するモータ速度制御手段18とを有し、監視判定手段20で前記測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは停止制御して被測定物11からの放出放射線量を測定し、被測定物の汚染の有無を判断するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物をコンベアに搭載し、連続移動させながら被測定物の汚染検査を行なう放射線検査技術に係り、特に、移動中の被測定物を放射線検出手段により測定し、汚染検査を行なう表面汚染検査装置およびその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の表面汚染検査装置として、原子力施設等の放射線管理区域から搬出される物品等の被測定物をコンベアに搭載し、連続移動させながら汚染測定を行なう搬出モニタ装置がある。
【0003】
この搬出モニタ装置では、最近の放射線管理区域から持ち出される物品等の被測定物に対する放射線管理強化から、放射線検出感度を向上させることが要求されている。
【0004】
この放射線検出感度を向上させるために、特開平6−148334号公報(特許文献1参照)および特開平6−64714号公報(特許文献2参照)に記載したように、バックグラウンドレベルの変動に応じて最適な汚染計数時間を自動的に設定したり、被測定物の搬送速度を調整して汚染検査の作業性を向上させた放射線モニタがある。
【特許文献1】特開平6−148334号公報
【特許文献2】特開平6−64714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の放射線モニタに用いられる表面汚染検査装置において、被測定物の放射線検出感度を向上させ、高い検出感度を得るには、コンベアの速度を落とす必要があり、コンベア速度を落とすと測定時間が長くなり、被測定物の汚染測定に長時間を要する問題がある。
【0006】
また、高い放射線検出感度を得るために、バックグラウンド放射線レベルの影響を下げるために、鉛遮蔽物を追設することも考えられるが、鉛遮蔽物の追加は装置重量増を招き、設置が容易でない。
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、移動させながら被測定物の放射線汚染の有無を効率的かつ自動的に判断し、被測定物の汚染測定を臨機応変に高い信頼性を保って精度よく能率的に測定可能な表面汚染検査装置およびその検査方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、被測定物の放射線汚染測定中に、放射線計数率の上昇傾向により汚染の有無を判断し、上昇傾向時に被測定物を精密にかつ念入りに検査可能な能率的で合理的な表面汚染検査装置およびその検査方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表面汚染検査装置は、上述した課題を解決するために、被測定物をコンベア上で移動させながら被測定物からの放出放射線量を測定する表面汚染検査装置において、前記被測定物の移動に応じて測定部位を変えながら放出放射線量を測定する放射線検出手段と、この放射線検出手段からの測定値の上昇傾向を監視する監視判定手段と、この監視判定手段で測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止させるようにコンベア駆動用モータを制御するモータ速度制御手段とを有し、前記監視判定手段で前記測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止制御し、被測定物からの放出放射線量を測定して被測定物の汚染の有無を判断するように設定したものである。
【0010】
また、本発明に係る表面汚染検査方法は、上述した課題を解決するために、被測定物をコンベア上で移動させながら被測定物からの放出放射線量を測定する表面汚染検査方法において、前記被測定物の移動に応じて測定部位を変えながら被測定物からの放出放射線量を測定するステップと、測定される被測定物からの測定信号の上昇傾向を監視するステップと、上記測定信号の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止させるようにモータ制御するステップとを有し、前記被測定物から測定信号の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止制御させて被測定物からの放出放射線量を測定し、被測定物の汚染の有無を判断する方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表面汚染検査装置およびその検査方法においては、物品等の被測定物の移動に応じ測定部位を変えながら放出放射線量を測定する放射線検出手段からの測定値の上昇傾向を監視し、この上昇傾向が認められる場合、コンベア速度を減速あるいは停止させて精密測定し、被測定物の汚染の有無の判断を正確かつ効率的に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る表面汚染検査装置およびその検査方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1および図2は、本発明に係る表面汚染検査装置の第1実施形態を示す平面図および側断面図である。この表面汚染検査装置10は、放射線管理区域から搬出される物品や部材等の被測定物11をコンベア12に搭載し連続移動させながら放射線汚染検査を行なう物品搬出モニタ装置に適用され、被測定物11の表面汚染測定装置として用いられる。
【0014】
表面汚染検査装置10は、原子力施設等の放射線管理区域から被測定物を搬出する物品搬送路13に設けられる被測定物搬出用のコンベア12を有する。このコンベア12には駆動ローラ14と従動ローラ15との間に可撓性を有する無端状のコンベアベルト16が巻き掛けられ、このコンベアベルト16上に被測定物11が載置されて搬送される。
【0015】
コンベア12の駆動ローラ14は、モータ速度制御手段としてのモータ速度制御器18により加減速(可変)制御される駆動モータ19により回転駆動され、この駆動モータ19のモータ駆動によりコンベアベルト16の搬送速度が制御される。モータ速度制御器18は、監視判定手段である処理制御表示装置20からの制御信号により作動制御される。駆動モータ19は、例えば可逆回転可能なモータが用いられる。
【0016】
処理制御表示装置20には、放射線検出手段として対をなす放射線検出器23(23a,23b)が接続されている。放射線検出器23は、コンベアベルト16上を搬送される被測定物11を撓むように上下に対をなして設置される。放射線検出器23で検出された放射線検出信号は、処理制御表示装置20に入力されて信号処理され、その処理結果は処理制御表示装置20の表示部に放射線計数率値の表示等が行なわれる。
【0017】
また、コンベアベルト16上を搬送される被測定物11は、位置検出センサ25,26により、被測定物11の通過の有無が検出される。位置検出センサ25,26は、例えば光透過型検出センサが用いられるが、反射型検出センサであってもよく、コンベアベルト16の長手方向に所定の間隔をおいて配設される。位置検出センサ25,26は、例えば放射線検出器23a,23bの入口側と出口側にそれぞれ配置される。
【0018】
コンベアベルト16は可撓性を有する帯状ベルトあるいはチェーンで形成し、被測定物11を載置する部分を金鋼状に形成してもよい。また、コンベアベルト16は、複数本、例えば左右両脇に狭幅の帯状ベルトを巻き掛けることにより形成し、両帯状ベルト間に支持ワイヤを通したり、また、両帯状ベルトに小ローラを複数個配置し、小ローラ上に金網状トレイを載せたものであってもよい。コンベアベルト16に金網状トレイを備えることで、下方設置の放射線検出器23で、被測定物11の下面から透過力の弱い放射線を放出する被測定物11の場合にも、表面汚染の有無を正確に検出することができる。
【0019】
図1および図2に示された表面汚染検査装置10の作動により、コンベア12上を被測定物11が搬送される。測定開始用の位置検出センサ25の位置に被測定物11の先端が到達すると、被測定物11の表面汚染、すなわち放出放射線量の測定が開始され、各放射線検出器23a,23bから測定信号が出力される。
【0020】
また、測定終了用の位置検出センサ26の位置を被測定物11の後端が通過すると表面汚染検査装置10による放射線測定が終了する。
【0021】
この表面汚染検査装置10は、被測定物11の一部あるいは全部が、位置検出センサ23a,23b間で区画される測定エリアに存在する間、放射線測定が行なわれ、測定エリアを外れると、放射線測定は中断せしめられる。
【0022】
一方、測定開始用の位置検出センサ23aが被測定物11を検出し、測定が開始されると、コンベア12の速度は所定値に初期設定され、コンベアベルト16が走行駆動される。ここに、所定値とは、表面汚染検出装置10による測定開始前のバックグラウンド計数率(BG値)ではなく、放射線の検出感度算出式を表示する次の検出限界式を用いて算出した数値をいう。
【0023】
検出感度算出式による検出限界Aは、
【数1】

【0024】
で表わされる。ここに、単位(cps)はカウント/secのことを表わす。
【0025】
次に、本発明に係る表面汚染検査装置10の作用を説明する。
【0026】
この表面汚染検査装置10は、コンベア12のコンベアベルト16上を搬送される物品等の被測定物11の移動に伴ない、被測定物11がコンベア12の測定エリアに入ると、被測定物11の移動に応じ、放射線検出器23(23a,23b)が、被測定物11の測定部位を相対的に変えながら被測定物11からの放出放射線量を測定し、その測定信号(測定値)を監視判定手段としての処理制御表示装置20に出力する。
【0027】
被測定物11の放出放射線量を測定する放射線検出器23(23a,23b)からの測定信号(放射線計数率値信号)を処理制御表示装置20に入力させると、処理制御表示装置20は、放射線検出器23(23a,23b)からの測定信号(放射線計数率値信号)の上昇傾向を監視し、その上昇傾向が認められる場合には、モータ速度制御器18に制御信号を出力し、このモータ速度制御器18で駆動モータ19のモータ駆動を減速あるいは停止させるようにモータ制御する。
【0028】
この駆動モータ19のモータ制御により、コンベア12のコンベアベルト16はコンベア速度が低下(減速)せしめられ、このコンベア速度を低下させた状態でコンベア12上の被測定物11からの放出放射線量を放射線検出器23で時間をかけて精密測定し、放射線汚染の有無および程度が処理制御表示装置20により判断され、その表示部に表示されるようになっている。
【0029】
表面汚染検査装置10では、被測定物11の表面汚染測定中に、放射線検出器23(23a,23b)からの測定信号(測定値:放射線計数率値信号)が上昇傾向を示したとき、この上昇傾向を処理制御表示装置20が監視し、測定信号の上昇傾向が所要値を超えると、モータ速度制御器18を作動制御し、駆動モータ19を減速制御あるいは停止させる。
【0030】
この駆動モータ19の減速・停止制御により、コンベア12はコンベア速度を減速あるいは停止せしめられる。コンベア12のコンベア速度の減速あるいは切換制御または停止により、コンベア12は図3に示すように、通常測定モード運転(例えばコンベア速度が20mm/secを超え200mm/sec程度、好ましくは80mm/secに制御)から汚染測定モード運転(例えば、コンベア速度が0〜20mm/sec、好ましくは20mm/secに制御)に入り、汚染測定モード運転で放射線測定精度の高い時間をかけた精密測定が安定的に行なわれる。
【0031】
図3は、表面汚染検査装置10による測定動作を模式的に表わしたタイムチャートである。
【0032】
[通常測定モード]
このタイムチャートから理解できるように、コンベア12上を搬送される被測定物11は、通常測定モードで測定が開始される。通常測定モードでは、コンベア速度vが速く、誤警報が発信される確率が高い信頼度ファクタkが低い状態での汚染測定となる。図3における符号Pは通常測定モード時における計測データであり、この計測データPから通常モード運転時にはデータのバラツキが大きく、信頼性が低いことがわかる。また、符号Qは汚染測定モード時における計測データであり、この計測データQから汚染測定モード時のデータバラツキが小さく、信頼性が高いことを示している。
【0033】
表面汚染検査装置10による通常測定モード運転では、例えば信頼度ファクタk=1.5、検出限界A=0.8に設定すると、測定時間Tsは5秒、コンベア速度vは80mm/secとなる。被測定物11の放射線測定を高速で行なうことができる。
【0034】
[汚染測定モード]
通常運転モードで測定された放射線検出器23からの測定信号(放射線計数率値信号)に上昇傾向が認められると、この上昇傾向を処理制御表示装置20で自動的に判断処理する。処理制御表示装置20が被測定物11に汚染可能性有りと判断した場合、コンベア速度vは遅いが、信頼度kの高い汚染測定モードに運転が切り換えられる。
【0035】
この汚染測定モードでは、例えば、信頼度ファクタk=3(3σ)とし、検出限界A=0.8に設定すると、測定時間Tsは約20秒で、コンベア速度vは20mm/secとなる。この汚染測定モードで表面汚染検査装置10を運転させることにより、被測定物11の放射線汚染の有無・程度を高精度に効率よく時間をかけて精密測定することができる。
【0036】
[放射線検出器からの測定信号が上昇傾向を示すか否かの判断]
放射線検出器23からの測定信号(放射線計数率値信号)が上昇傾向を示すか否かを判定する手法は、放射線検出器23での前回の測定値より今回の測定値の方が上廻り、この上廻る測定結果がN回(N≧2)継続する場合に、図5(A)および(B)に示すように、測定信号(放射線計数率値信号)が上昇傾向にあると判断する。
【0037】
この計数率上昇傾向の判断とは別に、図5(B)に示す判定手法で放射線検出器23からの測定信号が上昇傾向にあることを判断することもできる。図5(B)に示す判定手法は、放射線計数率が予め定めた予報設定値に達し、この予報設定値に達した状態がN回(N≧2)継続する場合に、計数率上昇傾向にあると判断する。
【0038】
放射線検出器23からの測定信号(放射線計数率値信号)が上昇傾向にあると処理制御表示装置20で自動的に判断されると、モータ速度制御器18に制御信号が出力され、このモータ速度制御器18により駆動モータ19のモータ駆動が減速あるいは停止制御される。この駆動モータ19のモータ駆動制御により、コンベア12のコンベア速度は通常の設定速度から減速あるいは停止制御される。このとき、コンベア12のコンベア速度は、図5(D)に表わされる速度設定式に従って制御される。
【0039】
コンベア12の速度設定式により、コンベア速度vは、
【数2】

【0040】
で表わされる。
【0041】
放射線検出器23(23a,23b)からの測定信号(放射線計数率値信号)の上昇傾向がさらに継続すると、図5(A)のフローチャートに示すように警報を発信したり、表面汚染検査装置10による測定が終了せしめられる。
【0042】
その際、表面汚染検査装置10から最終的な汚染警報は、信頼度ファクタkが高いk=3(3σ)の値に基づいて判断する。3σはガウス分布における偏差値の程度を示す。
【数3】

【0043】
信頼度ファクタkを低く設定すれば、安全サイド時に誤警報を発する確率は高くなるが、コンベア速度vを速く設定でき、処理効率を向上させて被測定物11の汚染状態を省時間で効率的に測定することができる。
【0044】
一方、放射線検出器(23a,23b)からの測定信号(放射線計数率値信号)の上昇傾向が認められた場合には、信頼度ファクタkを高くk=3(3σ)と設定し、より正確で精密な時間をかけた放射線測定を実施することができる。
【0045】
この被測定物11の表面汚染検査方法は、被測定物11をコンベア12上で移動させながら被測定物からの放出放射線量を検出し、測定する方法である。
【0046】
この表面汚染検査方法は、被測定物11の移動に応じて測定部位を変えながら被測定物11からの放出放射線量を測定するステップと、測定される被測定物11からの測定信号の上昇傾向を監視するステップと、測定信号の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは停止させるようにモータ制御するステップとを有し、被測定物11からの測定信号の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換制御または停止制御させて被測定物11からの放出放射線量を測定し、被測定物の汚染の有無や程度を判断する測定方法である。
【0047】
また、被測定物11の表面汚染検査装置10およびその検査方法においては、信頼度kを低く設定すれば安全サイドに誤警報を発する確率は高くなるが処理スピードは速くでき、放射線汚染の無いことを確認するために省時間で効率的な測定が実現できる。放射線検出器23からの測定信号に上昇傾向が認められた場合は信頼度kを高く(k=3)3σとし、時間をかけて信頼度の高いより正確な精密検査を安定的に行なうことができる。効率的かつ合理的な表面汚染検査方法を実現するもので商業上メリットは多大である。
【0048】
この表面汚染検査装置10およびその検査方法によると、被測定物11の汚染検査(放射線測定)を効率的かつ合理的に行なうことができ、効率的かつ合理的な汚染検査方法を実現することで商業上のメリットも大きい。
【0049】
次に、表面汚染検査装置の第2実施形態については図6を参照して説明する。
【0050】
図6は、本発明に係る表面汚染検査装置による第2実施形態を示すフローチャートであり、この表面汚染検査装置の装置構成は、図1および図2に示された表面汚染検査装置10と異ならないので、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
この表面汚染検査装置は、放射線検出器23で検出された測定信号(放射線検出信号、放射線計数率値信号)の上昇傾向が確認された場合、コンベア12を減速設定する。コンベア12を減速設定しても、さらに、放射線計数率の上昇傾向が継続する場合には、コンベア12を停止させるとともに、被測定物11の汚染検知から確定までの行き過ぎた時間(搬送時間)を算出し、コンベア12を逆転操作し、汚染検知地点(汚染が推定される区間)まで逆転させる。すなわち、コンベア12をその移動速度と遅れ時間で推定される汚染位置まで戻すように処理制御表示装置20から制御信号をモータ速度制御器18に出力する。
【0052】
このモータ速度制御器18により駆動モータ19のモータ駆動が制御されて逆回転せしめられてコンベア12を逆転操作し、汚染が推定される区間まで被測定物11(コンベア12)を戻した上で、被測定物11からの放出放射線量の再測定が行なわれたり、この再測定を含む被測定物11の放射線測定が継続される。
【0053】
この表面汚染検査装置では、被測定物11の放射線汚染範囲が狭い場合に有効であり、過去に遡って放射線汚染区間を見逃さない被測定物11の汚染検査を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る表面汚染検査装置の第1実施形態を示す概略的な平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う側断面図。
【図3】本発明に係る表面汚染検査装置による被測定物の汚染測定の概念を示すタイムチャート。
【図4】本発明に係る表面汚染検査装置を用いた被測定物の汚染測定における信頼度ファクタkによる切り換えの説明図(信頼度ファクタの高いk=3(3σ)設定時と信頼度ファクタの低いk=1.5(1.5σ)設定時におけるNET計数率分布を比較して示す説明図)。
【図5】(A)は本発明に係る表面汚染検査装置におけるコンベア速度制御を示すフローチャート、(B)および(C)は放射線検出手段からの測定信号(放射線計数率値信号)の上昇傾向を判定する手法をそれぞれ示す図、(D)は前記コンベア速度設定式を示す図。
【図6】本発明に係る表面汚染検査装置の第2実施形態を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0055】
1 表面汚染検査装置
11 被測定物
12 コンベア
13 物品搬送路
14 駆動ローラ
15 従動ローラ
16 コンベアベルト
18 モータ速度制御器(モータ速度制御手段)
19 駆動モータ
20 処理制御表示装置(監視判定手段)
23(23a,23b) 放射線検出器(放射線検出手段)
25 位置検出センサ
26 位置検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物をコンベア上で移動させながら被測定物からの放出放射線量を測定する表面汚染検査装置において、
前記被測定物の移動に応じて測定部位を変えながら放出放射線量を測定する放射線検出手段と、
この放射線検出手段からの測定値の上昇傾向を監視する監視判定手段と、
この監視判定手段で測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止させるようにコンベア駆動用モータを制御するモータ速度制御手段とを有し、
前記監視判定手段で前記測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止制御し、被測定物からの放出放射線量を測定して被測定物の汚染の有無を判断するように設定したことを特徴とする表面汚染検査装置。
【請求項2】
前記監視判定手段は、放射線検出手段からの測定値の上昇傾向を放射線計数率値の変化率で判定し、コンベア速度を可変または停止させる制御信号をモータ制御手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載の表面汚染検査装置。
【請求項3】
前記監視判定手段は、放射線検出手段からの測定値の上昇傾向を放射線計数率信号が所定の警報設定値を超えた回数で判定し、コンベア速度を可変または停止させる制御信号をモータ制御手段に出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載の表面汚染検査装置。
【請求項4】
前記監視判定手段は、放射線検出手段からの測定値の上昇傾向により可変制御されるコンベア速度を、所定の放射線検出感度を満足させる統計的確率の信頼度ファクタにより与えられる測定時間が得られる値に設定し、被測定物からの放射線量を継続測定することを特徴とする請求項1または2記載の表面汚染検査装置。
【請求項5】
前記監視判定手段は、放射線検出手段からの測定値の上昇傾向が認められた場合、コンベアをその移動速度と遅れ時間で推定される汚染位置まで戻すように、制御信号をモータ制御手段に出力し、被測定物の放射線測定を続行させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の表面汚染検査装置。
【請求項6】
被測定物をコンベア上で移動させながら被測定物からの放出放射線量を測定する表面汚染検査方法において、
前記被測定物の移動に応じて測定部位を変えながら被測定物からの放出放射線量を測定するステップと、
測定される被測定物からの測定値の上昇傾向を監視するステップと、
前記測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止させるようにモータ制御するステップとを有し、
前記被測定物から測定値の上昇傾向が認められるとき、コンベア速度を減速あるいは切換えまたは停止制御させて被測定物からの放出放射線量を測定し、被測定物の汚染の有無を判断することを特徴とする表面汚染検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−177883(P2006−177883A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373690(P2004−373690)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】