説明

被覆された発光性物質の製造方法

本発明は、発光粒子および好ましくは広い範囲で透明な金属、遷移金属、または半金属の酸化物被覆を含む被覆された発光物質粒子、ならびにその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被覆された蛍光体粒子ならびにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、蛍光体の調製は、下流の高温プロセスを必要とする。この操作において、特に、蛍光体マトリックス中に存在する結晶の欠陥が、蛍光体の性能に重要なマトリックスの結晶品質を最大限に高めるために修復される。しかしながら、高温プロセスは、このプロセスが蛍光体の融点の少なくとも2/3の温度で行われた場合、必然的に蛍光体粒子の焼結をもたらす。焼結は、蛍光体粉末の好ましくない粒子モホロジーおよび粒径分布をもたらし、これは続くプロセスステップにおいて、エネルギー投入(粉砕)によって一次粒子に戻す必要がある。エネルギー投入は、例えば色中心などの表面結晶損傷をもたらし、これは蛍光体の効率を悪くする。
【0003】
驚くべきことに、高温プロセス中の蛍光体粒子の焼結は、湿式化学法によって、粒子間のスペーサーとして働き、このように焼結プロセスのための拡散バリアとして機能する小粒子で蛍光体表面を被覆することによって、回避することができる。
【0004】
本発明による溶液の利点は、蛍光体粒子の粒径分布が高温プロセスによって変化せず、また蛍光体粒子を損傷する下流の複雑な粉砕プロセスを必要としないことにある。高温プロセスで形成するいずれの凝集物も、高エネルギーの投入なしに、本発明による溶液を使用した場合、極めて容易に解凝集することができる。
【0005】
EP-1560 274には、蛍光体のための金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物被覆が開示され、ここで被覆は、CVD法によって蛍光体に施されている。
EP-1121 397
B1には、蛍光体のための本質的に透明な金属酸窒化物の被覆が開示され、ここで被覆は、CVD法によって蛍光体に施され、この方法により蛍光粒子を湿度から保護することを目的としている。
【0006】
EP-0 455
401 B2には、カプセル化エレクトロルミネッセンス蛍光体が記載され、各粒子は、実質的に透明で、コヒレーントな金属酸化物被覆によって完全にカプセル化された硫化亜鉛ベースの蛍光体を有する。ここでも、被覆は、CVD法によって行われ、コヒーレントな被覆のみが形成される。
CVD法は技術的におよび装置の観点から極めて複雑である:プロセスを通して極めて高純度の(不活性)ガス雰囲気を必要とし、ガス流は、被覆される材料に個々のガス流の均一な供給が行われるように設計されなければならない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、発光粒子と、金属、遷移金属または半金属の酸化物被覆とを含む被覆された蛍光体粒子であって、蛍光体前駆体を得るための、少なくとも2種の出発材料と少なくとも1種のドーパントとの湿式化学法による混合、および後続する焼成、ならびに湿式化学法による金属、遷移金属または半金属の酸化物での被覆、および後続する焼成によって得ることができる前記被覆された蛍光体粒子に関する。
【0008】
金属、遷移金属または半金属被覆は、好ましくは実質的に透明であり、すなわち、用いられる各変換蛍光体の励起スペクトルおよび発光スペクトルの両方に対して90%〜100%の透過性を確保しなければならない。一方、本発明による被覆の透過性は、励起および発光波長に対応しない全ての波長に対して90%〜100%より小さくてもよい。
【0009】
蛍光体の調製、例えばYAG:Ceは、少なくとも2つの一連の焼成ステップを必要とする。:
1.温度T>150℃での空気中での焼成
2.温度T>800℃、好ましくは800〜1750℃の間での還元雰囲気中での焼成
【0010】
第一の焼成中、一次粒子の弱い凝集しか起こらない。したがって、所望の粒径分布(目標画分)への粉砕および分類は、このステップ後に極めて低いエネルギーのみの投入で行うことができる。
この前焼成(pre-calcined)された蛍光体粒子の目標画分を、実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物(例えば酸化アルミニウムなど)で、対応する不揮発性の塩および/または有機金属化合物の水溶液または非水溶液を撹拌反応器に添加する湿式化学法によって被覆する。これは、好ましくは蛍光体粒子上に金属、遷移金属または半金属の酸化物の小さい島を堆積させることによって行う(図1参照)。
【0011】
被覆された蛍光体粒子の表面はこうして好ましくはポーラスとなり、焼結プロセスのためのバリア作用を生じる。従来技術で言及したコヒーレント被覆と比較すると、ポーラス被覆は、それのみがスペーサーの形成を可能とするという利点を有する。後者は、複数の蛍光体粒子間での蛍光体表面の直接接触を妨げることによって、高温プロセス中の焼結に対抗する。蛍光体表面の焼結はこれにより排除される。蛍光体粒子のポーラス被覆の表面は、単に互いに焼結することが可能であるにすぎない。しかしながら、これらの凝集は、接触領域が極めて小さいため、ゆるくしか結合していない。これらの凝集は、こうして蛍光体特性に影響することなく極めて容易に分離することができる。
【0012】
金属、遷移金属または半金属の酸化物のさらなる利点は、適切に選択された場合に、蛍光体と混晶を形成せず、プロセスを通して拡散バリアの安定性を生じさせることにある。被覆に用いる実質的に透明な酸化物は、好ましくは酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化ケイ素またはこれらの組み合わせである。特に好ましくは酸化アルミニウムを用いる。
例えば、被覆材料として酸化アルミニウムの使用において、還元高温処理中、Al亜酸化物の形成によって、酸化アルミニウム粒子の表面上で場合によっては暗く呈色することがある。蒸気雰囲気中、600から800℃での粉末の処理によるAlを得るためのAl亜酸化物の選択的酸化が、その後高温プロセス後に可能である。
【0013】
用語「ポロシティまたはポーラス」は、材料表面上の開口している平均的な孔隙を意味する。本発明による被覆された蛍光体表面は好ましくは、好ましくはメソポーラスまたはマクロポーラスであり、ここで「メソポーラス」は2〜50nmの間の開口している孔隙を表し、「マクロポーラス」は孔隙サイズ>50nmを表す。
【0014】
さらに、これらのポーラス被覆は、単層の屈折率のさらなる減少の可能性を提供する。
本発明による蛍光体の粒径は、50nm〜30μmの間であり、好ましくは1μm〜20μmの間である。
本発明による金属、遷移金属または半金属の酸化物被覆の厚みは、10〜150nmの間である。金属、遷移金属または半金属の酸化物被覆の一次粒子の粒径は、5〜100nmの間である。
【0015】
以下の化合物は、本発明による蛍光体粒子のための材料として特に適しているものである:
(Y,Gd,Lu,Sc,Sm,Tb,Th,Ir,Sb,Bi)(Al,Ga)12:Ce(Pr有りまたは無し)、YSiON:Ce、YSi:Ce、GdSi:Ce、(Y,Gd,Tb,Lu)Al5−xSi12−x:Ce、BaMgAl1017:Eu(Mn有りまたは無し)、SrAl:Eu、SrAl1425:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、SrSiAl:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu、CaAlSiN:Eu、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、第III族窒化物、酸化物、各場合において、これら単独、またはこれらと、1種もしくは2種以上の活性剤イオン、例えばCe、Eu、Mn、Cr、Tbおよび/またはBiなどとの混合物。
【0016】
本発明は、さらに以下のステップ:
a.少なくとも2種の出発材料と少なくとも1種のドーパントとを湿式化学法によって混合することおよび温度T>150℃での混合物の熱処理による、前焼成された蛍光体前駆体懸濁液の調製
b.高温での湿式化学法における、実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物により、前焼成された蛍光体前駆体懸濁液の被覆および温度T>800℃での後続する焼成
c.対応する金属または半金属の酸化物を得るための、温度T<800℃での、任意で追加の亜酸化物の選択的酸化
により特徴付けられる、実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物で被覆された蛍光体粒子の製造方法に関する。
【0017】
蛍光体の調製のための出発材料は、上記のとおりベース材料(例えばアルミニウム、イットリウムおよびセリウムの塩溶液)および少なくとも1種のドーパント、好ましくはユーロピウムまたはセリウム、ならびに任意にさらにGd−、Lu−、Sc−、Sm−、Tb−、Pr−および/またはGa−含有材料からなる。
【0018】
適した出発物質は、無機および/または有機液体中に溶解および/または懸濁された、無機および/または有機物質、例えば金属、半金属、遷移金属および/または希土類金属の硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコラート、アセタート、オキサラート、ハロゲン化物、硫酸塩、有機金属化合物、水酸化物および/または酸化物である。好ましいのは、必要な化学量論比において対応する元素を含む、混合硝酸塩溶液、塩化物または水酸化物溶液の使用である。
【0019】
概して湿式化学調製は、従来の固相拡散(混合および焼成)法よりも、得られる材料が、本発明による蛍光体から調製する粒子の化学量論組成、粒径および粒子のモーホロジーに関して極めて著しい均一性を有するという利点を有する。
【0020】
例えば硝酸イットリウム、硝酸アルミニウムおよび硝酸セリウム溶液の混合物からなる蛍光体の水性前駆体(蛍光体前駆体)の湿式化学的前処理のために、以下の既知の方法が好ましい:
・NHHCO溶液での共沈(例えばJander, Blasius
Lehrbuch der analyt. u. praep. anorg. Chem. [Textbook of Analyt. and Prep.
Inorg. Chem.] 2002を参照)
・クエン酸およびエチレングリコールの溶液を用いるPecchini法(例えばAnnual Review of Materials Research Vol. 36: 2006, 281-331を参照)
・尿素を用いる燃焼法
・水溶液または有機塩溶液(出発物質)の噴霧乾燥
・水溶液または有機塩溶液(出発物質)の噴霧熱分解
【0021】
本発明に従い特に好ましい上記共沈において、NHHCO溶液を、例えば対応する蛍光体出発材料の硝酸塩溶液に加え、蛍光体前駆体の生成をもたらす。
Pecchini法において、クエン酸およびエチレングリコールからなる沈殿試薬を、例えば上記対応する蛍光体出発物質の前述の硝酸塩溶液に、室温にて加え、混合物を続いて加熱する。粘性が上昇する結果、蛍光体前駆体が生成する。
【0022】
既知の燃焼方法において、対応する蛍光体出発物質の前述の硝酸塩溶液を、例えば水に溶解し、次に還流下で沸騰させ、尿素で処理し、この結果、蛍光体前駆体がゆっくりと生成する。
噴霧熱分解は、エアゾール方法の1つであり、これは、種々の方法で加熱した反応空間(反応器)中に溶液、懸濁液または分散体を噴霧し、固体粒子を形成し、沈殿させることにより特徴づけられる。<200℃の高温ガス温度を用いる噴霧乾燥とは対照的に、高温プロセスとしてのスプレー熱分解において、溶媒の蒸発に加えて、用いる出発物質(たとえば塩類)の熱分解および物質(例えば酸化物、混合酸化物)の再生成がさらに発生する。
前述の5つの方法の変法は、WO
2007/004488(Merck)中に詳細に記載されており、これを、参照によりこの全範囲において本出願の文脈中に包含する。
【0023】
本発明の蛍光体を、以下による種々の湿式化学的方法により調製することができる。
1)構成成分を均一に沈殿させ、次に溶媒を分離し、続いて単一段階の、または多段階の熱後処理を施し、ここでこれらの段階の1つを還元雰囲気中で行ってもよい、
2)例えば噴霧プロセスの補助により、混合物を微細に分割し、溶媒を除去し、続いて単一段階の、または多段階の熱後処理を施し、ここでこれらの段階の1つを還元雰囲気中で行ってもよい、あるいは、
3)例えば噴霧プロセスの補助により、混合物を微細に分割し、溶媒を熱分解との関連において除去し、続いて単一段階の、または多段階の熱後処理を施し、ここでこれらの段階の1つを還元雰囲気中で行ってもよい、
4)その後湿式化学法1〜3を用いて得られた蛍光体を被覆する。
【0024】
蛍光体の湿式化学的調製を、好ましくは沈殿および/またはゾル−ゲル法により行う。
前述の熱後処理において、焼成を、還元条件下(例えば一酸化炭素、フォーミングガス、純粋な水素または少なくとも真空であるかもしくは酸素欠乏雰囲気を用いる)で少なくとも部分的に行うのが、好ましい。
一般的に、固体拡散方法によって本発明の蛍光体を調製することも可能であるが、これは、すでに述べた欠点を生じる。
【0025】
前述の方法により、蛍光体粒子のすべての所望の外形、例えば球状粒子、薄片または構造化された材料およびセラミックスを作製するのが可能になる。
加えて、本発明の蛍光体を、約250nm〜560nm、好ましくは430nm〜約500nmに及ぶ広範囲にわたり、励起させることができる。したがって、これらの蛍光体は、UVまたはLEDなどの青色発光一次光源、または従来の放電ランプ(例えばHgをベースとする)による励起に適している。
【0026】
本発明はさらに、発光極大が380nm〜530nm、好ましくは430nm〜約500nm、特に好ましくは440〜480nmの範囲内にある少なくとも1つの一次光源を有する照明ユニットに関し、ここで一次放射は、本発明による被覆蛍光体によってより長い波長の放射へと部分的に、または完全に変換される。この照明ユニットは、好ましくは白色光を発光するか、または特定の色点(カラーオンデマンド原理)を有する光を発光する。
【0027】
本発明の照明ユニットの好ましい態様において、光源は、ルミネッセンス性の窒化インジウムアルミニウムガリウム、特に式InGaAlNで表され、式中0≦i、0≦j、0≦k、およびi+j+k=1であるものである。このタイプの光源の可能な形態は、当業者に既知である。これらは、種々の構造を有する発光LEDチップであり得る。
本発明による照明ユニットの他の好ましい態様において、光源は、ZnO、TCO(透明伝導性酸化物)、ZnSeまたはSiCをベースとするルミネッセンス配置または有機発光層(OLED)をベースとする配置である。
【0028】
本発明による照明ユニットの他の好ましい態様において、光源は、エレクトロルミネッセンスおよび/またはフォトルミネッセンスを示す光源である。光源はさらにまた、プラズマまたは放電源であってもよい。
【0029】
本発明による蛍光体を、樹脂(例えばエポキシもしくはシリコーン樹脂)中に分散させるか、または好適な大きさの比率の場合には、一次光源上に直接配置するかまたは、用途に依存して、これから遠隔に配置することができる(後者の配置はまた、「遠隔蛍光体技術(remote
phosphor technology)」をも含む)。遠隔蛍光体技術の利点は、当業者に知られており、例えば以下の刊行物において明らかにされている: Japanese
Journ. of Appl. Phys. 第44巻、No. 21
(2005), L649-L651。
【0030】
他の態様において、被覆された蛍光体と一次光源との間の照明ユニットの光学的結合が光伝導性の配置により達成されるのが好ましい。これにより、一次光源が、中心の位置に設置され、光伝導性装置、例えば光伝導ファイバーにより蛍光体に光学的に結合されるのが可能になる。このようにして、照明の希望に整合し、単に1種、または種々の蛍光体からなり、光スクリーンおよび光伝導体を形成するように配置することができ、一次光源に結合するランプを、達成することができる。このようにして、さらなる電気的配線を伴わずに、代わりに単に光伝導体を配置することにより、強力な一次光源を、電気的設置に好ましい位置に位置させること、および光伝導体に結合される蛍光体を含むランプを、任意の所望の位置において設置することが可能である。
【0031】
本発明はさらに、発光ダイオードからの青色または近UV発光を部分的に、または完全に変換するための、本発明の蛍光体の使用に関する。
【0032】
本発明の蛍光体を、さらに、好ましくは、青色または近UV発光を可視白色放射に変換するために用いる。本発明の蛍光体を、さらに、好ましくは、「カラーオンデマンド」概念によって一次放射を特定の色点に変換するために用いる。
【0033】
本発明はさらに、本発明の蛍光体を、エレクトロルミネッセント材料、例えばエレクトロルミネッセントフィルム(また発光フィルムまたは光フィルムとしても知られている)において用いることに関し、ここで、例えば、硫化亜鉛またはMn2+、CuもしくはAgがドープされている硫化亜鉛をエミッタとして用い、これは黄緑色領域において発光する。エレクトロルミネッセントフィルムの適用の領域は、例えば広告、液晶ディスプレイスクリーン(LCディスプレイ)におけるディスプレイ背面照射および薄膜トランジスタ(TFT)ディスプレイ、自己照射車両ナンバープレート、床面の図形(破砕耐性かつ滑り止め積層体と組み合わせて)、例えば自動車、列車、船舶および航空機におけるディスプレイおよび/または制御素子において、またはまた屋内電気器具、庭設備、測定機器またはスポーツおよびレジャー用の設備である。
【0034】
以下の例は、本発明を例示することを意図する。しかし、これらは、いかなる方法によっても限定的であると考慮するべきではない。組成物中で用いることができるすべての化合物または成分は、既知であり、商業的に入手できるか、または既知の方法により合成することができる。例中に示す温度は、常に℃で示す。さらに、明細書においても、また例においても共に、組成物中の成分の添加量は、常に合計100%に加えられることは、言うまでもない。示す百分率のデータは、常に所定の関連において考慮しなければならない。しかし、これらは通常、常に示す部分量の重量または合計量に関する。
【0035】

例1:アルミナ被覆YAG:Ceの調製
塩化アルミニウム六水和物410.423g(1.70mol)、塩化イットリウム六水和物300.140g(0.98mol)および塩化セリウム六水和物10.850g(0.03mol)を脱イオン水800mlに溶解する。この溶液を、新しく調製した脱イオン水2l中炭酸水素アンモニウム1075.2gの溶液に、撹拌しながら1.5時間にわたって滴加する。混合物をその後さらに30分間撹拌する。沈殿物をろ過し、120℃で乾燥する。その後、材料を空気雰囲気中、4時間にわたり1000℃で前焼成する。
【0036】
前焼成したYAG:Ce50gを、加熱マントルを備えたガラス反応器中の脱イオン水950gに懸濁する。溶液kgあたりAlCl6HO98.7gを含む水溶液600gを、撹拌しながら80℃で2.5時間にわたって懸濁液に計量して加える(metered into)。この添加の間、pHを水酸化ナトリウム溶液の計量添加(metered
addition)により、6.5に一定に保つ。計量添加が完了したところで、混合物をさらに1時間80℃で撹拌し、その後室温まで冷却し蛍光体をろ過し、水で洗浄し、乾燥する。最終的に乾燥した蛍光体を30分間750℃で焼成し、最後に50μふるいでふるいわける。
【0037】
生成物をその後さらなる処理、すなわち20%H雰囲気中1700℃での高温焼成に移す。その後得られる材料が灰色(アルミニウム亜酸化物の生成、上記参照)を示す場合、温度600℃〜800℃のオーブン内で、不飽和蒸気雰囲気中、2時間にわたって処理する。
【0038】
例2:二酸化ジルコニウム被覆YAG:Ceの調製
塩化アルミニウム六水和物410.423g(1.70mol)、塩化イットリウム六水和物300.140g(0.98mol)および塩化セリウム六水和物10.850g(0.03mol)を脱イオン水800mlに溶解する。この溶液を、新しく調製した脱イオン水2l中炭酸水素アンモニウム1075.2gの溶液に、撹拌しながら1.5時間にわたって滴加する。混合物をその後さらに30分間撹拌する。沈殿物をろ過し、120℃で乾燥する。その後、材料を空気雰囲気中、4時間にわたり1000℃で前焼成する。
【0039】
前焼成したYAG:Ce蛍光体100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後オキシ塩化ジルコニウム溶液(ZrOCl溶液)10重量%を、2ml/分の添加速度(metered
rate)で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、30%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=3.5に一定に保つ。添加が完了したところで、被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄する。最終的に乾燥した蛍光体を750℃で30分間焼成し、20μmふるいでふりわける。
その後、生成物をさらなる処理、第2高温焼成ステップに移す。
【0040】
例3:二酸化チタン被覆YAG:Ceの調製
塩化アルミニウム六水和物410.423g(1.70mol)、塩化イットリウム六水和物300.140g(0.98mol)および塩化セリウム六水和物10.850g(0.03mol)を脱イオン水800mlに溶解する。この溶液を、新しく調製した脱イオン水2l中炭酸水素アンモニウム1075.2gの溶液に、撹拌しながら1.5時間にわたって滴加する。混合物をその後さらに30分間撹拌する。沈殿物をろ過し、120℃で乾燥する。その後、材料を空気雰囲気中、4時間にわたり1000℃で前焼成する。
【0041】
このYAG:Ce100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後オキシ塩化チタン溶液(TiOCl溶液)30重量%を、2ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、30%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=2.2に一定に保つ。添加が完了したところで、懸濁液をpH=5.0に調整し、被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄する。最終的に乾燥した蛍光体を800℃で30分間焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0042】
生成物をその後さらなる処理、すなわち酸化または保護ガス雰囲気における高温焼成に移す。高温焼成後、灰色のその後得られる材料が灰色呈色の場合(チタン亜酸化物の生成)、高温(600℃〜800℃)の蒸気中で2時間処理し、灰色呈色を消失させ、二酸化チタンを形成する。
【0043】
例4:酸化亜鉛被覆YAG:Ceの調製
塩化アルミニウム六水和物410.423g(1.70mol)、塩化イットリウム六水和物300.140g(0.98mol)および塩化セリウム六水和物10.850g(0.03mol)を脱イオン水800mlに溶解する。この溶液を、新しく調製した脱イオン水2l中炭酸水素アンモニウム1075.2gの溶液に、撹拌しながら1.5時間にわたって滴加する。混合物をその後さらに30分間撹拌する。沈殿物をろ過し、120℃で乾燥する。その後、材料を空気雰囲気中、4時間にわたり1000℃で前焼成する。
【0044】
このYAG:Ce蛍光体100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後塩化亜鉛溶液(ZnCl溶液)−脱イオン水400gに、塩化亜鉛22.7gを塩化アルミニウム六水和物1.0gと共に溶解したもの−を、5ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。
【0045】
この操作の間、懸濁液のpHを、15%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=8.0に一定に保つ。添加が完了した時に、10%HCl溶液の添加によって、懸濁液をpH=5に調整する。その後被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄し、続いて乾燥する。その後、材料を500℃で焼成し、20μmふるいでふりわける。
その後、生成物をさらなる処理、すなわち20%H雰囲気中1700℃での高温焼成に移す。
【0046】
例5:酸化アルミニウム被覆(Ca,Sr,Ba)SiN:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu50gを加熱マントルを備えたガラス反応器中の脱イオン水950gに懸濁する。溶液kgあたりAlCl6HO98.7gを含む水溶液600gを、撹拌しながら80℃で2.5時間にわたって懸濁液に計量して加える。この添加の間、pHを水酸化ナトリウム溶液の計量添加により、6.5に一定に保つ。計量添加が完了したところで、混合物をさらに1時間80℃で撹拌し、その後室温まで冷却し蛍光体をろ過し、水で洗浄し、乾燥する。最終的に乾燥した蛍光体を30分間750℃で焼成し、最後に50μふるいでふるいわける。
【0047】
例6:酸化アルミニウム被覆(Ca,Sr,Ba)Si:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)Si50gを加熱マントルを備えたガラス反応器中の脱イオン水950gに懸濁する。溶液kgあたりAlCl6HO98.7gを含む水溶液600gを、撹拌しながら80℃で2.5時間にわたって懸濁液に計量して加える。この添加の間、pHを水酸化ナトリウム溶液の計量添加により、6.5に一定に保つ。計量添加が完了したところで、混合物をさらに1時間80℃で撹拌し、その後室温まで冷却し蛍光体をろ過し、水で洗浄し、乾燥する。最終的に乾燥した蛍光体を30分間750℃で焼成し、最後に50μふるいでふるいわける。
【0048】
例7:酸化ジルコニウム被覆(Ca,Sr,Ba)SiN:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後オキシ塩化ジルコニウム溶液(ZrOCl溶液)10重量%を、2ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、30%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=3.5に一定に保つ。添加が完了したところで、被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄する。最終的に乾燥した蛍光体を750℃で30分間焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0049】
例8:酸化ジルコニウム被覆(Ca,Sr,Ba)Si:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後オキシ塩化ジルコニウム溶液(ZrOCl溶液)10重量%を、2ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、30%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=3.5に一定に保つ。添加が完了したところで、被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄する。最後に乾燥した蛍光体を750℃で30分間焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0050】
例9:二酸化チタン被覆(Ca,Sr,Ba)SiN:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後オキシ塩化チタン溶液(TiOCl溶液)30重量%を、2ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、30%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=2.2に一定に保つ。添加が完了したところで、懸濁液をpH=5.0に調整し、被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄する。最終的に乾燥した蛍光体を800℃で30分間焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0051】
例10:酸化チタン被覆(Ca,Sr,Ba)Si:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後オキシ塩化チタン溶液(TiOCl溶液)30重量%を、2ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、30%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=2.2に一定に保つ。添加が完了したところで、懸濁液をpH=5.0に調整し、被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄する。最終的に乾燥した蛍光体を800℃で30分間焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0052】
例11:酸化亜鉛被覆(Ca,Sr,Ba)SiN:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後塩化亜鉛溶液(ZnCl溶液)−脱イオン水400gに、塩化亜鉛22.7gを塩化アルミニウム六水和物1.0gと共に溶解したもの−を、5ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、15%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=8.0に一定に保つ。添加が完了したところで、10%HCl溶液の添加によって、懸濁液をpH=5に調整する。その後被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄し、続いて乾燥する。その後、材料を500℃で焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0053】
例12:酸化亜鉛被覆(Ca,Sr,Ba)Si:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu100gを、脱イオン水2lに懸濁させ、本懸濁液を1000rpmで撹拌する。続いて該懸濁液をサーモスタットにより75℃の温度にする。その後塩化亜鉛溶液(ZnCl溶液)−脱イオン水400gに、塩化亜鉛22.7gを塩化アルミニウム六水和物1.0gと共に溶解したもの−を、5ml/分の添加速度で、最初に導入した懸濁液に計量して加える。この操作の間、懸濁液のpHを、15%水酸化ナトリウム溶液による逆滴定によって、pH=8.0に一定に保つ。添加が完了したところで、10%HCl溶液の添加によって、懸濁液をpH=5に調整する。その後被覆された蛍光体をろ過し、塩がなくなるまで脱イオン水で洗浄し、続いて乾燥する。その後、材料を500℃で焼成し、20μmふるいでふりわける。
【0054】
例13:SiO被覆(Ca,Sr,Ba)SiN:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu50gを、すりガラス蓋、加熱マントルおよび環流冷却器を備えた2l反応器中のエタノール1リットルに懸濁する。水170g中、アンモニア水17g(25重量%のNH)の溶液を添加する。無水エタノール48g中のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)48gの溶液を、65℃で撹拌しながらゆっくりと滴加する(約1ml/分)。添加が完了したところで、懸濁液をさらに2時間撹拌し、室温にし、ろ過する。残渣をエタノールで洗浄し、乾燥し、続いて焼成し、ふるい分ける。
【0055】
例14:SiO被覆(Ca,Sr,Ba)Si:Euの調製
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu50gを、すりガラス蓋、加熱マントルおよび環流冷却器を備えた2l反応器中のエタノール1リットルに懸濁する。水170g中、アンモニア水17g(25重量%のNH)の溶液を添加する。無水エタノール48g中のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)48gの溶液を、65℃で撹拌しながらゆっくりと滴加する(約1ml/分)。添加が完了したところで、懸濁液をさらに2時間撹拌し、室温にし、ろ過する。残渣をエタノールで洗浄し、乾燥し、続いて焼成し、ふるい分ける。

【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明を実施例を参照して以下により詳細に説明する。
【図1】図1は、Al表面被覆のスペーサー挙動を示す。1は、前焼成YAG蛍光体粒子を示す。2は、Al被覆を示す。
【図2】図2は、Alスペーサーで被覆された粒子のSEM写真を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光粒子と、金属、遷移金属または半金属の酸化物被覆とを含む被覆された蛍光体粒子であって、蛍光体前駆体を得るための、少なくとも2種の出発材料と少なくとも1種のドーパントとの湿式化学法による混合および後続する焼成、ならびに湿式化学法による金属、遷移金属または半金属の酸化物での被覆および後続する焼成によって得ることができる、前記被覆された蛍光体粒子。
【請求項2】
被覆された蛍光体粒子の表面がポーラスであることを特徴とする、請求項1に記載の被覆された蛍光体粒子。
【請求項3】
各被覆された粒子が、以下の群
(Y,Gd,Lu,Sc,Sm,Tb)(Al,Ga)12:Ce(Pr有りまたは無し)、YSiON:Ce、YSi:Ce、GdSi:Ce、(Y,Gd,Tb,Lu)Al5−xSi12−x:Ce、BaMgAl1017:Eu(Mn有りまたは無し)、SrAl:Eu、SrAl1425:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、SrSiAl:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu、CaAlSiN:Eu、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、第III族窒化物、酸化物(各場合において、これら単独、またはこれらとCe、Eu、Mn、Cr、Tbおよび/またはBiなどの1種もしくは2種以上の活性剤イオンとの混合物)
から選択される少なくとも1種の発光化合物からなる発光粒子を含む、請求項1または2に記載の被覆された蛍光体粒子。
【請求項4】
金属、遷移金属または半金属の酸化物被覆が実質的に透明であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆された蛍光体粒子。
【請求項5】
以下のステップ:
a.少なくとも2種の出発材料と少なくとも1種のドーパントとを湿式化学法によって混合すること、および温度T>150℃で混合物を熱処理することによる、前焼成された蛍光体前駆体懸濁液の調製、
b.高温での湿式化学法における、実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物での前焼成された蛍光体前駆体懸濁液の被覆および温度T>800℃での後続する焼成、
c.対応する金属または半金属の酸化物を得るための、温度T<800℃での、任意で追加の亜酸化物の選択的酸化
により特徴付けられる、実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物で被覆された蛍光体粒子の製造方法。
【請求項6】
用いる実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素またはそれらの組み合わせのナノ粒子であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
用いる実質的に透明な金属、遷移金属または半金属の酸化物が、酸化アルミニウムのナノ粒子であることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
蛍光体前駆体を、有機および/または無機金属、半金属、遷移金属および/または希土類金属の塩から、ゾル−ゲル法および/または沈殿法による湿式化学法によって調製することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
蛍光体前駆体の湿式化学調製が、以下の5方法:
・NHHCO溶液での共沈
・クエン酸およびエチレングリコールの溶液を用いるPecchini法
・尿素を用いる燃焼法
・分散させた出発物質の噴霧乾燥
・分散させた出発物質の噴霧熱分解
から選択されることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
蛍光体前駆体の湿式化学法を、NHHCO溶液での共沈によって行うことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
不揮発性の塩および/または有機金属化合物の水溶液または非水溶液の添加により、少なくとも1種の金属、遷移金属または半金属の酸化物で被覆を行うことを特徴とする、請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
出発物質およびドーパントが、金属、半金属、遷移金属および/または希土類金属の硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、カルボン酸塩、アルコラート、アセタート、オキサラート、ハロゲン化物、硫酸塩、有機金属化合物、水酸化物および/または酸化物などの無機および/または有機物質であり、無機および/または有機液体中に溶解および/または懸濁されていることを特徴とする、請求項5〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
蛍光体粒子が、少なくとも1種の以下の蛍光体材料:
(Y,Gd,Lu,Sc,Sm,Tb,Th,Ir,Sb,Bi)(Al,Ga)12:Ce(Pr有りまたは無し)、YSiON:Ce、YSi:Ce、GdSi:Ce、(Y,Gd,Tb,Lu)Al5−xSi12−x:Ce、BaMgAl1017:Eu(Mn有りまたは無し)、SrAl:Eu、SrAl1425:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、SrSiAl:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba)SiN:Eu、CaAlSiN:Eu、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジウム酸塩、第III族窒化物、酸化物(各場合において、これら単独、またはこれらとCe、Eu、Mn、Cr、Tbおよび/またはBiなどの1種もしくは2種以上の活性剤イオンとのこれらの混合物)
からなることを特徴とする、請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
発光極大が380nm〜530nm、好ましくは430nm〜500nmの範囲内にある少なくとも1つの一次光源を有し、ここでこの放射が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆蛍光体粒子によって、より長い波長の放射へと部分的にまたは完全に変換される、照明ユニット。
【請求項15】
光源が、特に式InGaAlNで表され、式中0≦i、0≦j、0≦k、およびi+j+k=1であるルミネッセンス性の窒化インジウムアルミニウムガリウムであることを特徴とする、請求項14に記載の照明ユニット。
【請求項16】
光源が、ZnO、TCO(透明伝導性酸化物)、ZnSeまたはSiCをベースとするルミネッセンス化合物であることを特徴とする、請求項14に記載の照明ユニット。
【請求項17】
光源が、有機発光層をベースとする材料であることを特徴とする、請求項14に記載の照明ユニット。
【請求項18】
光源が、エレクトロルミネッセンスおよび/またはフォトルミネッセンスを示す光源であることを特徴とする、請求項14に記載の照明ユニット。
【請求項19】
光源が、プラズマまたは放電源であることを特徴とする、請求項14に記載の照明ユニット。
【請求項20】
発光ダイオードからの青色または近UV発光を部分的に、または完全に変換するための請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆された蛍光体粒子の使用。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−505266(P2012−505266A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532460(P2010−532460)
【出願日】平成20年10月11日(2008.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008608
【国際公開番号】WO2009/059677
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】