説明

装置をスケジューリングするシステムおよび方法

【課題】装置の不揮発性メモリに保存されたジョブ、さらに機密にしておきたいデータを消去するために、装置をスケジューリングする方法を提供する。
【解決手段】上書き動作の開始に関する少なくとも1つのパラメータを受け付ける方法と、この少なくとも1つのパラメータに基づき時間的な開始点を決定する方法が含まれる。さらに、時間的な開始点を保存する方法と、この時間的な開始点とタイマが合致するとそれに対応して上書き動作を開始する方法とが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置に対する上書き動作をスケジューリングするシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の多くのコピー機、プリンタ、または他の再生および印刷機器は、磁気および光学式の記憶媒体などの不揮発性メモリ(NVM)を含み、不揮発性メモリには、装置および/またはユーザが装置が使用するジョブを保存できるようにする、または、保存されたジョブを使用するように指示される取り外し可能なディスクシステム、ハードドライブ、および記憶媒体装置が含まれる。高いセキュリティが必要な場所(軍事施設など)では、装置の不揮発性メモリに保存されたジョブは、ジョブが完了するとすぐにアクセス不可にする必要がある場合が多い。さらに、セキュリティが低い場所であっても、さまざまな理由で個人用または機密にしておきたいデータを消去することを所望することが多い。
【0003】
1と0のパターンまたはそれらのランダムな組み合わせによって書き込むことは、データが復元されないことを保証するセキュリティが確保された方法であることは、合意されるであろう。しかしながら、政府機関と他の顧客では、ジョブまたはタスクが完了した場合に不揮発性メモリの該当箇所を上書きできる回数に関する要件は違っており、このため製品の設計や実装に困難が生じる。
【0004】
さまざまなセキュリティ環境のなかで使用できる不揮発性メモリを備えた複合機に対する1つの解決策が特許文献1に記載されており、この発明は本願と同一の出願人であるゼロックスコーポレイションによるものであるが、本願に引用して援用する。記述されている複合機では、上書きするパターンのタイプおよびパターンの繰り返し回数を顧客がプログラムできるようになっている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,731,447号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記解決策にも難点および短所がある。例えば、上書き動作はプログラムされた動作を完了するのに長い時間を要する場合があり、その間複合機は使用できなくなる。さらに、上書き動作は該当する複合機において開始する必要がある。顧客は場所によって、セキュリティが確保された施設に点在する多くの複合機を所有する場合がある。したがって、本発明の課題は、複合機の使用可能時間を伸ばし、上書き動作を開始する効率を高める解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、全般的に装置のスケジューリング方法に関する。この方法には、上書き動作の開始に関する少なくとも1つのパラメータを受け付けることと、この少なくとも1つのパラメータに基づき時間的な開始点を決定することとが含まれる。さらに、時間的な開始点を保存する方法と、この時間的な開始点とタイマが合致するとそれに対応して上書き動作を開始する方法が含まれる。
【0008】
本発明の他の実施形態は、全般的に装置の上書き動作をスケジューリングするシステムに関する。このシステムは、装置の機能を実行するように構成されたプロセッサと、データを保存するように構成された記憶媒体と、プロセッサとのインタフェースとを含む。さらにシステムは、記憶媒体に対する上書き動作を開始するプロセッサにより実行されるように構成されたオンデマンドモジュールも含む。オンデマンドモジュールは、オンデマンドモジュールへのアクセスを可能にする第1ユーザインタフェースを表示し、かつ、上書き動作の開始点を決定する少なくとも1つのパラメータを受け付ける第2ユーザインタフェースを表示するように構成する。オンデマンドモジュールは、この少なくとも1つのパラメータに基づき上書き動作を実行するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複合機の使用可能時間を伸ばし、上書き動作を開始する効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態のさまざまな特徴をより完全に説明するために、添付の図面と関連させながら、下記に実施形態の詳細を示す。
【0011】
実施形態は、全般的にユーザが指定した時間に装置の動作を自動的に起動できるようにするシステムおよび方法に関する。特に、装置で実行されるオンデマンドモジュールに関し、装置に対する既存の動作(例えば、上書き動作)を起動する開始時刻、日付、および周期をユーザがプログラムできるように、オンデマンドモジュールを構成してもよい。
【0012】
他の実施形態では、オンデマンドモジュールをネットワークを介してアクセスできるように構成することもできる。より具体的には、装置をネットワークアクセス可能にし、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)またはHTTP(ハイパテキスト転送プロトコル)プロトコルを使用してリモートユーザがアクセスできるようにしてもよい。装置には、リモートユーザが見ることができる装置を示すグラフィカルネットワーク表示(すなわちアイコン)があってもよい。ユーザは、装置のアイコンを選択して、オンデマンドモジュールにアクセスすることができる。リモートユーザに認証情報を問い合わせるように、オンデマンドモジュールを構成してもよい。リモートユーザが正しい認証情報を提供した場合は、オンデマンドモジュールによってユーザインタフェースを提供し、動作を起動する時間をユーザが指定してプログラムする情報を受け付けることもできる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム100を例として示す。
【0014】
図1に示すように、システム100は、サーバ105、装置110A〜D、およびネットワーク115を含む。サーバ105は、装置110A〜Dを管理するように構成してもよい。特に、サーバ105により、システム管理者がSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)またはHTTP(ハイパテキスト転送プロトコル)プロトコルを使用して、トラフィックフローを管理し、装置を診断し、装置110A〜Dにユーザを追加または削除し、また、他の同様な管理業務ができるようにしてもよい。サーバ105は、Xerox Device Manager、CentreWareTM Webや他の同様なネットワーク管理ツールなどのネットワーク管理ソフトウェアを実装または実行してもよい。
【0015】
装置110は、ネットワークに接続されたファックス、コピー機、プリンタ、スキャナ、またはこれらの組み合わせ(すなわち複合機)であってもよい。装置110A〜Cは、不揮発性メモリ(「NVM」、図示せず)を備えて動作するように構成してもよい。この場合、装置110Dには不揮発性メモリを含めない。不揮発性メモリは、磁気または光学式の記憶媒体であってもよく、不揮発性メモリには、装置および/またはユーザが装置が使用するジョブを保存できるようにする、または、保存されたジョブを使用するように指示される取り外し可能なディスクシステム、ハードドライブ、および他の記憶媒体装置が含まれる。また装置110A〜Cには、他のプログラム可能な機能と共に、米国特許第6,731,447に記述されている上書き動作を組み込むこともでき、この発明は本願と同一の出願人であるゼロックスコーポレイションによるものであるが、本願に引用して援用する。
【0016】
装置110A〜Dは、ネットワーク115を介して、サーバ105と通信するように構成することもできる。ネットワーク115は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、またはそれらの組み合わせとして実装してもよい。ネットワーク115は、部分的にまたは完全にセキュリティを確保することができる。ネットワーク115は、IEEE 802.3X、IEEE 802.11X、トークンリング、または他の同様なネットワークプロトコルを使用して実装してもよい。
【0017】
他の実施形態では、装置110A〜Cは、それらの装置のオンデマンドモジュール120を不揮発性メモリによって実行するように構成することもできる。オンデマンドモジュール120は、装置に対する既存の動作(例えば、上書き動作)を起動する開始時刻、日付、および周期をユーザがプログラムできるように構成してもよい。
【0018】
さらに他の実施形態では、サーバ105は、サーバアクセスモジュール125を介してオンデマンドモジュール120にアクセスするように構成してもよい。サーバアクセスモジュール125は、SNMPなどのプロトコルを使用して装置110A〜Dにアクセスするように構成することもできる。各装置110には、サーバ105のユーザがXerox Device Managerなどのネットワーク管理ソフトウェアを使用して見ることができる各装置110を示すグラフィカルネットワーク表示(すなわちアイコン)があってもよい。ユーザは、装置のアイコンを選択することにより、選択した装置110A〜Dのオンデマンドモジュール120にアクセスすることができる。リモートユーザに認証情報を問い合わせるように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。リモートユーザが正しい認証情報を提供した場合は、オンデマンドモジュール120によってユーザインタフェースを提供し、動作を起動する時間をユーザが指定してプログラムする情報を受け付けることができる。
【0019】
他の実施形態では、サーバアクセスモジュール125は、HTTPなどのプロトコルを使用して装置110A〜Dにアクセスするように構成してもよい。SNMPを使用した実施形態と同様、各装置110には、サーバ105のユーザがCentreWebTM Webなどのネットワーク管理ソフトウェアを使用して見ることができる、各装置110を示すグラフィカルネットワーク表示(すなわちアイコン)があってもよい。ユーザは、装置のアイコンを選択して、選択した装置110A〜Dのオンデマンドモジュール120にアクセスすることができる。リモートユーザに認証情報を問い合わせるように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。リモートユーザが正しい認証情報を提供した場合は、オンデマンドモジュール120によって、図4B〜Dに示すようなユーザインタフェースを提供し、動作を起動する時間をユーザが指定してプログラムする情報を受け付けることができる。
【0020】
システム100における複合機(MFD)110Aを、例として図2に示す。図2に示すように、複合機110Aは、スキャナ、プリンタ、コピー機、または他の装置であり、磁気または光学式の記憶媒体などの不揮発性メモリ(NVM)210を備え、装置110Aはそこにデータを保存し、および/または装置はそこからデータファイルに保存されているデータを読むことができる。実施形態によっては、装置110は、そのデータを使用して、ワープロ文書などを紙のハードコピーなどとして出力することができる。
【0021】
装置110Aは、ユーザインタフェース205を含む。ユーザインタフェース205は、装置110Aの動作に関連したパラメータおよび/または操作説明を表示するように構成された液晶ディスプレイ(LCD)であってもよい。例えば、ユーザインタフェース205は、当業者には周知であるようなコピー枚数、コピーのソート方法、コピーの縮小または拡大などをユーザが入力できるようなフィールドを表示する。
【0022】
ユーザインタフェース205は、実施形態によっては、図3に示すようなセキュリティ消去インタフェースを表示するように構成してもよい。図3に示すように、セキュリティ消去インタフェース300は、装置110Aの不揮発性メモリ210に対する上書き動作に関するパラメータを設定できるように構成することができる。より具体的には、上書き動作は、1、0のパターン、またはそれらのランダムな組み合わせにより不揮発性メモリ210に保存されたデータを上書きする。上書き動作のパラメータは、セキュリティ消去インタフェース300によって設定することができる。つまり、セキュリティ消去インタフェース300には、上書き回数フィールド305、パターンフィールド310、繰り返しフィールド315、および自動開始フィールド320が含まれる。
【0023】
上書き回数フィールド305は、上書き動作を行なう回数を示すパラメータにすることができる。より具体的には、ユーザはスクロールボタン307を使用して、1ずつ増加または減少させて、このフィールド305の値を設定する。上書き回数フィールドの値は、1〜10の範囲にすることができる。これにより、オンデマンドモジュール120は、このフィールド305に設定された値に応じて、上書き動作を起動するように構成することができる。実施形態によっては、上書き回数の最大値を増加または減少してもよい。
【0024】
パターンフィールド310は、不揮発性メモリ210上の既存のデータを、上書き動作により何のデータで上書きするかを示すパラメータにすることができる。より具体的には、スクロールボタン312を使用して、パターンフィールド310において、「すべて1」、「すべて0」、「ランダム」、または「テーブル」の値をユーザがスクロールできるようにしてもよい。「すべて1」を選択すると、不揮発性メモリ210上の既存のデータは、すべて1により上書きされることを示す。「すべて0」を選択すると、不揮発性メモリ210の既存のデータは、すべて0により上書きされることを示す。「ランダム」を選択すると、不揮発性メモリ210上の既存のデータは、1と0のランダムな組み合わせにより上書きされることを示す。その後でオンデマンドモジュール120により、フィールド310で選択された値を使用して上書きを実行してもよい。
【0025】
「テーブル」を選択すると、システム管理者が装置110A用に上書きパターンのテーブルを設定することを示す。繰り返しフィールド315は、上書き動作により不揮発性メモリ210上の既存データに上書きパターンのテーブルを書き込む回数を示す。
【0026】
自動開始フィールド320は、選択した時間に上書き動作が起動または実行されるようにユーザが上書き動作をプログラムできるようにするパラメータにすることができる。より具体的には、ユーザはスクロールボタン322を使用して、「する」または「しない」をスクロールできる。自動開始フィールド320を「しない」にユーザが設定した場合は、ユーザが保存ボタン330を選択するとすぐに、上書き回数フィールド305、パターンフィールド310、および繰り返しフィールド315に設定された値に従って、上書き動作を開始してもよい。自動開始フィールド320を「する」にユーザが設定した場合は、ユーザが保存ボタン330を選択したときに、図4に示すユーザインタフェースを生成するようにオンデマンドモジュール120を構成してもよい。ユーザがキャンセルボタン325を選択した場合は、ユーザインタフェース205はデフォルト画面に戻ってもよい。
【0027】
さまざまな実施形態に応じたスケジューリングユーザインタフェースを、図4A〜Dに複数示す。図4Aは、オンデマンドモジュール120に実装されるユーザインタフェース205用のスケジューリングインタフェース400を例として示す。
【0028】
図4Aに示すように、スケジューリングインタフェース400は、時間フィールド405、日付フィールド410、および周期フィールド415を含むことができる。時間フィールド405は、上書き動作を起動する開始時間を示すパラメータにすることができる。スクロールボタン407を使用して、ユーザが開始時間を選択するようにしてもよい。実施形態によっては、時間フィールド405のデフォルト値は、現在の時間とすることができる。時間は、サーバ105によってSNMPを使用して提供してもよいし、装置110Aに内部クロックを備えてもよい。
【0029】
日付フィールド410は、上書き動作を起動する未来の日付を示すパラメータにすることができる。スクロールボタン412を使用して、ユーザが開始日を選択するようにしてもよい。実施形態によっては、日付フィールドのデフォルト値は、現在の日付とすることができる。時間フィールド405と同様、サーバ105によってカレンダを提供してもよいし、装置110Aに内部カレンダを備えてもよい。
【0030】
周期フィールド415は、上書き動作を起動する周期を示すパラメータにすることができる。より具体的には、スクロールボタン417を使用して、「日単位」、「週単位」、または「月単位」をユーザがスクロールするようにしてもよい。「日単位」をユーザが選択した場合は、時間フィールド405に設定された値に従って上書き動作を起動するようにオンデマンドモジュール120を構成してもよい。「週単位」をユーザが選択した場合は、日付フィールド410に設定された値に従った曜日に上書き動作を起動するようにオンデマンドモジュール120を構成してもよい。「月単位」をユーザが選択した場合は、日付フィールド410に設定された値に従った日に上書き動作を起動するようにオンデマンドモジュール120を構成してもよい。
【0031】
上記のフィールド(405、410、415)に設定された値は、ユーザが保存ボタン425を選択したときにオンデマンドモジュール120に保存することもできる。一方、ユーザがキャンセルボタン420を選択した場合は、オンデマンドモジュール120は、セキュリティ消去インタフェース300に戻ることができる。
【0032】
HTTPプロトコルを使用したオンデマンドモジュール120用の月単位スケジューリングインタフェース450を図4Bに示す。図4Bに示すように、このユーザインタフェース450は、プロパティボックスおよびスケジュールイメージ上書きボックス454を含む。プロパティボックスは、上書きをマニュアルによって行なうかまたはスケジューリングするか、ユーザが選択できるように構成することができる。月単位スケジュールイメージ上書きボックス454は、上書き動作の周期および時間をユーザが選択できるように構成してもよい。より具体的には、無効化フィールドまたはスケジュール上書きフィールドをそれぞれクリックすることで、スケジューリングによる上書きを無効化または有効化することができる。
【0033】
スケジュールイメージ上書きボックス454は、スケジューリングによる上書きの周期をユーザが選択するための周期フィールド452も含む。より具体的には、このフィールドの値は、「月単位」、「週単位」、「日単位」とすることができる。スクロールボタンを使用して、これらの値をユーザがスクロールできるようにしてもよい。ユーザインタフェース450では、周期フィールド452に、「月単位」の値が設定されている。周期フィールド452において「週単位」が選択された場合は、図4Cに示すようなユーザインタフェース470を表示してもよく、周期フィールド452において「日単位」が選択された場合は、図4Dに示すようなユーザインタフェース480を表示してもよい。
【0034】
図4Bに戻ると、月単位スケジュール上書きボックス454は、月の28日を表示するカレンダフィールド456を含むことができる。ユーザは、スケジューリングによる上書きを毎月実行する日を選択することができる。時間フィールド458、分フィールド460、および午前/午後フィールド462を使用して、ユーザは時間も指定することができる。設定した開始日時は、「保存」ボタン466を選択して保存することもできるし、「キャンセル」ボタン468を選択してデフォルト画面に戻ることもできる。
【0035】
HTTPプロトコルを使用したオンデマンドモジュール120用の週単位スケジューリングインタフェース470を、図4Cに例として示す。図4Cは図4Bと類似しており、簡潔にするため、図4Cにおける共通の機能に関する説明は省略する。共通機能に関する説明は、図4Bにおけるこれらの共通の機能に関する説明により提供されるものとする。
【0036】
図4Cに示すように、週単位インタフェース470では周期フィールド452は「週単位」に設定されている。カレンダフィールド456は、一週間の曜日を表示し、ユーザが選択できるように構成してもよい。時間フィールド458、分フィールド460、および午前/午後フィールド462を使用して、ユーザは時間も指定することができる。設定した開始する曜日および時間は、「保存」ボタン466を選択して保存することもできるし、「キャンセル」ボタン468を選択してデフォルト画面に戻ることもできる。
【0037】
HTTPプロトコルを使用したオンデマンドモジュール120用の日単位スケジューリングインタフェース480を、図4Dに例として示す。図4Dは、図4BおよびCと類似しており、簡潔にするため、図4Dにおける共通の機能に関する説明は省略する。共通機能に関する説明は、図4BおよびCにおけるこれらの共通の機能に関する説明により提供されるものとする。
【0038】
図4Dに示すように、日単位インタフェース480では、周期フィールド452は「日単位」に設定されている。スケジューリングによる上書きは毎日行なわれるので、日単位インタフェース480では、カレンダフィールド456は省略されている。代わりに、時間フィールド458、分フィールド460、および午前/午後フィールド462を使用して、ユーザは時間を設定することができる。設定した開始時間は、「保存」ボタン466を選択して保存することもできるし、「キャンセル」ボタン468を選択してデフォルト画面に戻ることもできる。
【0039】
このように、図3および図4A〜Dに関連して説明したフィールドに設定された値に応じて、上書き動作を実行したり、上書き動作をスケジューリングしたりするように、オンデマンドモジュール120を構成することができる。より具体的には、ユーザは指定した時間に、毎日、毎週、または毎月上書き動作をスケジューリングすることができる。または、一回の上書き動作を、指定した日時にスケジューリングすることもできる。
【0040】
さらに他の実施形態に係るオンラインモジュール120により実行されるフローチャート500を、図5に例として示す。
【0041】
図5に示すように、ステップ505ではオンデマンドモジュール120は、アイドル状態であってもよい。オンデマンドモジュール120は、装置110Aの起動時にアクティブにすることができる。
【0042】
ステップ510において、オンデマンドモジュール120は、上書き動作のスケジューリングの開始を検出することができる。より具体的には、ユーザがユーザインタフェース205をセキュリティ消去インタフェース300に切り替えたことをオンデマンドモジュール120が検出するように構成することができる。
【0043】
ステップ515では、ユーザによる入力を待機するようにオンデマンドモジュール120を構成してもよい。より具体的には、オンデマンドモジュール120は、ユーザが図3のフィールドに値を設定し、保存ボタン330を選択するまで待機することができる。
【0044】
ユーザがキャンセルボタン325を選択したことをオンデマンドモジュール120が検出した場合は、オンデマンドモジュール120は、ステップ505のアイドル状態に戻ることができる。一方、ユーザが保存ボタン330を選択したとオンデマンドモジュール120がステップ520において判断した場合は、自動スケジュールフィールド320が「する」に設定されているかどうか判断するように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。値が「しない」に設定されている場合は、図3を参照して説明したように、フィールド(305、310、および/または315)に設定された値に従って、ステップ525において上書き動作を開始するように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。
【0045】
または、ステップ520において自動開始フィールド320が「する」に設定されている場合は、スケジューリングインタフェース400を表示するようにオンデマンドモジュール120を構成してもよい。オンデマンドモジュール120は、ステップ530においてユーザからの入力を待機するように構成することもできる。より具体的には、オンデマンドモジュール120はユーザが図4のフィールドに値を設定し、保存ボタン466を選択するまで待機することができる。
【0046】
ユーザがステップ535においてキャンセルボタン420を選択した場合は、オンデマンドモジュール120は、スケジューリングインタフェース400のフィールドに設定された値を廃棄し、セキュリティ消去インタフェース300へ戻ることができる。
【0047】
ユーザがステップ535において保存ボタン425を選択した場合は、オンデマンドモジュール120は、スケジューリングインタフェース400のフィールドに設定された値を保存し、ステップ540において時間的な開始点を算出することができる。この時間的な開始点は、スケジュールによる上書き動作の開始時間、日付、および周期の値を含むことができる。その後時間的な開始点は、ステップ545においてオンデマンドモジュール120により保存される。
【0048】
さらに他の実施形態に係るオンデマンドモジュール120により実行されるフローチャート600を、図6に例として示す。
【0049】
図6に示すように、オンデマンドモジュール120は、ステップ605においてタイマをチェックするように構成してもよい。より具体的には、装置がクロックおよび/またはカレンダを保持してもよい。または、オンデマンドモジュール120は、時間および/または日付を要求することもできる。
【0050】
ステップ610において、タイマの値が時間的な開始点の値と合致するかまたは超えているかチェックするように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。タイマが時間的な開始点に合致しない場合は、ステップ620において待機状態に入るように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。この待機状態は、次にタイマの値を要求する前の遅延となる。待機状態の時間の長さは、ユーザが指定することもできる。
【0051】
または、タイマの値が時間的な開始点と合致するまたはそれを超える場合は、セキュリティ消去インタフェース300でユーザが選択した値による指定に基づき上書き動作を実行するように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。
【0052】
図1に示したサーバ105により実行されるネットワークインタフェース700の他の例を図7に示す。図7に示すネットワークインタフェース700は、一般的な概略図であり、ネットワーク要素を追加したり、既存の要素を削除または修正したりできることは、当業者であれば簡単に理解できるであろう。
【0053】
ネットワークインタフェース700は、図7に示すような装置110A〜Dを示すグラフィックを含むこともできる。アイコン705A,Bは、それぞれ装置110AとBを示し、複合機であってもよい。先に説明したように、複合機は、スキャナ、コピー機、プリンタ、およびファックスの組み合わせでもよい。アイコン705Cは、高速レーザプリンタとして装置110Cを示す。アイコン705Dは、他のプリンタとして装置110Dを示す。
【0054】
さまざまな実施形態に従って、システム管理者(または他のリモートユーザ)は、マウスなどの入力装置によりアイコン705Aを選択してもよい。アイコン705Aが選択された場合は、ユーザインタフェースを表示して、ユーザに認証情報の入力を要求することができる。認証情報は、ユーザ名および暗証番号、パスワード、または他の同様なセキュリティトークンでもよい。認証情報が正しいことが確認された場合はセキュリティ消去インタフェース300を表示するように、オンデマンドモジュール120を構成してもよい。スケジューリングインタフェース400は、前述したとおり、セキュリティ消去インタフェース300から起動できる。したがって、リモートユーザは一箇所からすべての装置にアクセスし、上書き動作をスケジューリングしたり開始することができる。
【0055】
実施形態によっては、コンピュータプログラムとして実行することができる。コンピュータプログラムは、アクティブであっても非アクティブであってもよく、さまざまな形式で備えることができる。例えば、コンピュータプログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能コード、または他の形式(ファームウェアプログラムまたはハードウェア記述言語(HDL))によるプログラム命令からなるソフトウェアプログラムであってもよい。これらはすべて、圧縮形式または非圧縮形式で、コンピュータ可読媒体(記憶装置および信号を含む)により実装することができる。コンピュータ可読記憶装置は、例として従来のコンピュータシステムRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能でプログラム可能なROM)、EEPROM(電気的に消去可能でプログラム可能なROM)、および磁気または光学式のディスクまたはテープを含む。典型的なコンピュータ可読信号は、キャリアを使用して変調されている場合もいない場合もあり、本発明のホストコンピュータシステムまたは本発明を作動するコンピュータシステムがアクセスできるように構成されている。この信号には、インターネットや他のネットワークを介してダウンロードされた信号も含まれる。これらの具体的な例には、コンピュータプログラムである実行可能ソフトウエアプログラムのCD−ROMまたはインターネットのダウンロードによる配布が含まれる。ある意味では、インターネット自体も抽象的な本質としては、コンピュータ可読媒体である。一般的なコンピュータネットワークも同様である。
【0056】
本発明を実施形態を例として参照して説明したが、当業者であれば、本発明の真の精神と範囲から逸脱することなく、記述された実施形態をさまざまに変更できるであろう。ここで使用した用語および表現は、説明のために記載されているにすぎず、限定が目的ではない。特に、例を用いて方法を説明したが、方法のステップは説明とは違った順序あるいは同時に実行することができる。当業者であれば、これらの変更または他の変更が、本発明の請求項およびその等価物により定義される精神と範囲の中で可能であることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの実施形態を例として示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る、図1のシステムにおける複合機を例として示す図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実装されるユーザインタフェースを、例として示す図である。
【図4A】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実装されるユーザインタフェースを、例として示す図である。
【図4B】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実装されるユーザインタフェースを、例として示す図である。
【図4C】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実装されるユーザインタフェースを、例として示す図である。
【図4D】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実行されるユーザインタフェースを、例として示す図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実行されるフローチャートを、例として示す図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る装置により実行されるフローチャートを、例として示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るさらに他のユーザインタフェースを示す図である。
【符号の説明】
【0058】
100 システム、110A〜D 装置、105 サーバ、115 ネットワーク、120 オンデマンドモジュール、125 サーバアクセスモジュール、205 ユーザインタフェース、210 不揮発性メモリ、300 セキュリティ消去インタフェース、400 スケジューリングユーザインタフェース、450 月単位スケジューリングインタフェース、470 週単位スケジューリングインタフェース、480 日単位スケジューリングインタフェース、705A〜D アイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に対する上書き動作をスケジューリングするシステムであって、
前記装置の機能を実行するように構成されたプロセッサと、
データを保存し、前記プロセッサとのインタフェースを持つように構成された記憶媒体と、
前記記憶媒体に対する上書き動作の開始を前記プロセッサによって実行されるように構成された上書きモジュールとを含むシステムであって、
前記上書きモジュールは、
前記上書きモジュールにアクセスするように構成された第1ユーザインタフェースを表示し、
前記上書き動作の前記開始を決定する少なくとも1つのパラメータを受け付けるように構成された第2ユーザインタフェースを表示し、
前記少なくとも1つのパラメータに従って前記上書き動作を実行するように構成され、
前記少なくとも1つのパラメータは、開始時間、開始日、および周期のいずれかの値であることを特徴とするシステム。
【請求項2】
日付と時間を提供するように構成されたタイマであって、時間的な開始点と前記タイマが合致すると前記上書き動作を開始するように前記上書きモジュールがさらに構成されているタイマと、
前記装置との通信チャネルおよびインタフェースを提供するように構成されたネットワークと、
前記ネットワークを介して前記装置にアクセスするように構成されたリモートコンピュータであって、前記装置のグラフィック画像表示によって前記装置と関連付けられているプロパティにアクセスすることを特徴とするリモートコンピュータと、
をさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記上書きモジュールは、前記上書き動作へのアクセスに使用する認証情報を要求し、かつ、前記認証情報を確認するようにさらに構成されている請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記上書きモジュールは、前記装置の前記グラフィック表示が選択されると、前記装置に関連付けられたプロパティ一覧を前記リモートコンピュータに表示し、前記プロパティ一覧内のプロパティが選択されると、認証情報を要求するように構成された請求項1、2、または3に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−334891(P2007−334891A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153582(P2007−153582)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】