説明

装飾材及びその製造方法

【課題】 表現の細かさ、線のシャープさが不十分であるという問題、タイルカーペットの場合、柄の連続性が得られない、柄のずれが生じる、最終的なパイルの風合いが不十分という問題の少なくとも一を緩和し、好ましくは実質的に解消する装飾材を提供する。
【解決手段】 化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材であって、前記繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維が少なくとも部分的に熱変形された装飾材である。前記繊維が、パイルを形成していることが好ましい。更に、前記繊維は基布に設けられ、前記繊維が設けられた基布の面と反対の面に、バッキング材が形成された上述の装飾材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カーペット、マット、壁装材、上張り材(例えば、椅子及びソファー等の上張り材)、テーブルクロス、タペストリー、カーテン、天井材、及び車の内装材(例えば、トランクルーム、天井、ドア、及び床面等の内張材)等の装飾材、及びそのような装飾材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾材は、様々なものを装飾するために、種々のものが製造され、また、使用されている。装飾材には、色・柄を付与されたものや、表面に凹凸が設けられたもの等が知られている。ここで、本明細書において「装飾材」とは、例えば、カーペット、マット、壁装材、上張り材(例えば、椅子及びソファー等の上張り材)、テーブルクロス、タペストリー、カーテン、天井材、及び車の内装材(例えば、トランクルーム、天井、ドア、及び床面等の内張材)等の様々なものを装飾するために使用されるものをいう。
【0003】
従来既知の装飾材では、色・柄のみが付与されているものが知られている。また、パイル(例えば、カットパイル及びループパイル等)を有するカーペットの場合、凹凸を付与するために、パイルの長さが調節されたものや、パイルがプレス加工されたものが知られている。そのため、表現の細かさや、線のシャープさが不十分であるという問題、タイルカーペットの場合、柄の連続性が得られない、柄のずれが生ずる、最終的なパイルの風合いが不十分である等の問題があった。これらの問題点は、パイルを有するカーペットの場合、ベースとなる基布に糸を植え付けることで、パイルを形成し、その際に凹凸を付与するので、その後に行う、例えば、バッキング工程、染色工程等の種々の製造工程によって柄の連続性が得られない等の問題を生じ得るものと考えられる。
【0004】
一方、コンピューターに模様を記憶させ、画像処理し、コンピューターグラフィックスのパルス信号を加工用ヒーターに伝えてヒーターを熱可塑性繊維製布帛に押圧して凹凸模様を布帛に形成する、凹凸模様のある布帛の製造方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、加熱されたヒーターを直接布帛に押し当てて、溶融させて凹部を形成するので、溶融した熱可塑性樹脂がヒーターに付着し、その付着物が焼け焦げる等の問題を生じ、頻繁にヒーターの押圧部を掃除することが必要であった。このヒーターの掃除は、生産性の効率及び労力的負担が大きいという問題があった。ヒーターを押圧して凹部を設ける場合、凹部の幅によっては、ヒーターを使い分ける必要があり、設備投資が必要になる等の経済的、労力的、生産効率等の問題があった。
【0005】
また、例えば、塩酸グアニジンと弱酸のアルカリ金属塩を含有するか、又は酢酸グアニジンを含有する合成系繊維材料の抜蝕剤を用いる合成系繊維材料の抜蝕加工方法及びその加工方法を用いて製造された合成系繊維材料が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法では、深い凹部を形成するためには、時間がかかり、生産効率が悪いという問題がある。また、この方法では、抜蝕剤の調整、製品切り替え後の後処理(洗浄作業等)が煩雑であり、使用する染料もアルカリに耐え得るものを使用することが必要であるから、使用可能な染料が制約されるという問題もあった。
【0006】
【特許文献1】特開平5−179567号公報
【特許文献2】特開2001−89971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためなされたものであり、表現の細かさが不十分であるという問題や、線のシャープさが不十分であるという問題、タイルカーペットの場合、柄の連続性が得られないという問題、柄のずれが生じるという問題、最終的なパイルの風合いが不十分であるという問題の少なくとも一を緩和し、好ましくは実質的に解消する装飾材を提供することを目的とする。
更に、溶融した熱可塑性樹脂がヒーターに付着し、その付着物が焼け焦げる等の問題、頻繁にヒーターの押圧部を掃除することが必要であり、生産性の効率及び労力的負担が大きいという問題、抜蝕剤の調整が煩雑であるという問題、製品切り替え後の後処理(洗浄作業等)が煩雑であるという問題の少なくとも一を緩和し、好ましくは実質的に解消する装飾材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維を少なくとも部分的に熱変形させることで、上述の問題を解決することができることに着目して、本発明を完成することに至ったものである。
【0009】
即ち、本発明は、一の要旨において、新たな装飾材を提供し、それは、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材であって、前記繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維が少なくとも部分的に熱変形された装飾材である。
【0010】
本発明の一の態様において、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせが、パイルを形成している上述の装飾材を提供する。
本発明の他の態様において、前記繊維は基布に設けられ、前記繊維が設けられた基布の面と反対の面に、バッキング材が形成された上述の装飾材を提供する。
本発明の好ましい態様において、前記繊維の熱変形されていない部分が、更に着色されている上述の装飾材を提供する。
【0011】
更に、本発明は、他の要旨において、新たな装飾材の製造方法を提供し、それは、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材の製造方法であって、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する工程、及び
温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの所定部分を選択的に非接触的に加熱する工程
を含んで成る装飾材の製造方法である。
【0012】
本発明の別の態様において、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせが、パイルを形成している上述の製造方法を提供する。
本発明の好ましい態様において、温度上昇抑制手段が、水を主成分とする液状物である上述の製造方法を提供する。
更に、本発明の他の好ましい態様において、水を主成分とする液状物が、少なくとも一の染料を含んで成る上述の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の装飾材は、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材であって、前記繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維が少なくとも部分的に熱変形された装飾材であるから、表現の細かさが不十分であるという問題や、線のシャープさが不十分であるという問題、タイルカーペットの場合、柄の連続性が得られないという問題、柄のずれが生じるという問題、最終的なパイルの風合いが不十分であるという問題の少なくとも一を緩和し、好ましくは実質的に解消することができる。
【0014】
更に、本発明の装飾材は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせは、パイルを形成しているので、パイルの熱変形の程度に応じて、種々の装飾材となり得る。例えば、パイルの先端部分のみを熱変形させた場合、パイルの先端部分が粒状である装飾材となり得、パイルを溶融させながら全体的な形状を残した場合、より丸みのある柔らかな外観を有する装飾材となり得、また、加熱されたパイルの形状がパイルとして認識することができなくなった場合、熱変形部と非熱変形部の対比により、より立体感のある装飾材となり得る。
【0015】
本発明の装飾材の製造方法は、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材の製造方法であって、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する工程、及び
温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの所定部分を選択的に非接触的に加熱する工程
を含んで成る装飾材の製造方法であるから、溶融した熱可塑性樹脂がヒーターに付着し、その付着物が焼け焦げる等の問題、頻繁にヒーターの押圧部を掃除することが必要であり、生産性の効率及び労力的負担が大きいという問題、抜蝕剤の調整が煩雑であるという問題、製品切り替え後の後処理(洗浄作業等)が煩雑であるという問題の少なくとも一を緩和し、好ましくは実質的に解消する装飾材の製造方法を提供することができる。
【0016】
更に、本発明の製造方法は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせが、パイルを形成しているので、パイルを熱変形させる程度に応じて、種々の装飾材を製造することができる。例えば、パイルの先端部分のみを熱変形させた場合、パイルの先端部分が粒状である装飾材を製造することができ、パイルを溶融させながらパイルの全体的な形状を残した場合、より丸みのある柔らかな外観を有する装飾材を製造することができ、また、加熱されたパイルの形状がパイルとして認識することができなくなった場合、熱変形部と非熱変形部の対比により、より立体感のある装飾材を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、新たな装飾材を提供し、それは、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材であって、前記繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維が少なくとも部分的に熱変形された装飾材である。
【0018】
本発明において「化学繊維」とは、一般に化学繊維とされるものであって、目的とする装飾材を製造することができるものであれば、特に制限されるものではない。
そのような化学繊維として、下記のものを例示することができる:ポリアミド系繊維(例えば、ナイロン)、ポリエステル系繊維(例えば、ポリエステル)、ポリアクリロニトリル系繊維(例えば、アクリル)、ポリビニルアルコール系繊維(例えば、ビニロン)、ポリプロピレン系繊維(例えば、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル系繊維(例えば、ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン系繊維(例えば、ポリエチレン)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(例えば、ビニリデン)、ポリウレタン系繊維(例えば、ポリウレタン)、セルロース系繊維(例えば、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート及びトリアセテート)、タンパク質系繊維(例えば、プロミックス)及びそれらを二以上混合した繊維等。
化学繊維として、ナイロン、レーヨン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びそれらを二以上混合した繊維が好ましい。
【0019】
更に、本発明において「天然繊維」とは、一般に天然繊維とされるものであって、目的とする装飾材を製造することができるものであれば、特に制限されるものではない。そのような天然繊維として、例えば、毛(例えば、羊毛及びカシミヤ等)及び絹等の動物繊維、綿、麻、マニラ麻、サイザル麻及びい草等の植物繊維、及びそれらを二以上混合した繊維等を例示することができるが、天然繊維として、毛、絹、綿、麻及びそれらを二以上混合した繊維が好ましい。
【0020】
また、本発明において、化学繊維と天然繊維の組み合わせを用いることができる。ここで「組み合わせ」には、化学繊維と天然繊維がランダムに存在する組み合わせも、化学繊維のブロックと天然繊維のブロックが存在する組み合わせも含まれ、組み合わせの形態及び組み合わせの割合等は、適宜選択することができ、本発明が目的とする装飾材が得られる限り、特に制限されるものではない。
【0021】
また、これらの繊維の糸は、適宜選択することができ、目的とする装飾材を製造することができるものであれば、特に制限されるものではない。そのような繊維の糸として、フィラメント糸及びステープル糸等を例示することができる。
【0022】
本明細書における「非接触的に加熱」とは、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせと接触しないで、その繊維を加熱することができる加熱方法を用いて加熱することを意味し、一般的に非接触的な加熱方法とされる加熱方法であって、少なくとも部分的に繊維を熱変形させることで目的とする装飾材を製造することができる加熱方法を用いる加熱であれば、特に制限されるものではない。そのような「非接触的な加熱」として、例えば、ヒーターを用いる加熱、バーナーによる加熱、高周波電磁波を用いる加熱及び熱風による加熱等を例示することができる。
このような非接触的な加熱は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせが、熱変形する温度で行われる。その加熱温度は、使用する化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに応じて、適宜選択することができる。
【0023】
そのような非接触的に加熱する条件は、使用する非接触的な加熱方法と化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの熱的な性質に応じて、適宜選択することができる。例えば、ヒーターを用いる加熱方法を用いる場合、ヒーターの加熱する能力(強さ)、ヒーターと装飾材の表面との距離、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの熱により変形する温度、目的とする装飾材の熱変形部分の変形の大きさ等を考慮して適宜選択することができる。更に、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせがパイルを形成している場合、カットパイルであるかループパイルであるかを考慮することができる。パイルの長さを考慮することができる。また、繊維の糸が、紡績糸であるかフィラメント糸であるかを考慮することができる。ループパイルよりカットパイルの方が、フィラメント糸より紡績糸の方が、また、パイルが長いより短い方が熱変形し易い傾向にある。必要に応じて、生産性、熱効率、コスト等を考慮して適宜選択することができることはいうまでもない。
【0024】
この非接触的な加熱は、「化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの所定部分について選択的に行われる。「所定部分」は、繊維を熱変形させることで装飾材に付与しようとする模様に応じて、適宜選択することができる。尚、ここで模様には、単に熱変形により付与される装飾材の表面上の模様に加え、熱変形によって凹部が形成されて立体的に形成された凹凸も含まれる。
【0025】
従って、本発明に係る装飾材は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせが非接触的に加熱されて、熱変形された部分を有する。この非接触的に加熱されて、熱変形された部分は、押圧されながら(即ち接触的に)加熱されて形成された部分や、薬品を用いる抜蝕加工を用いて形成された部分を意味するものではない。このような本発明の装飾材の「熱変形部分」は、非接触的に加熱されて、熱変形することで形成されるので、自然な風合いを有し、化学繊維の場合、好ましくは溶融し収縮し得、より好ましくはきめ細かく自然に溶けてつながった状態になり得る。このような形成される熱変形部分の形態は、目的とする装飾材に応じて、適宜選択することができるものである。
【0026】
上述の「装飾材」は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせが、パイルを形成していることが好ましい。ここで、「パイル」とは、一般に「パイル」とされるものであればよく、本発明が目的とする装飾材を得ることができる限り、特に制限されるものではない。そのような「パイル」として、例えば、カットパイル及びループパイル等を例示することができる。
パイルは、常套の方法を用いて、例えば基布に形成することができ、本発明が目的とする装飾材を得ることができる限り、パイルの形成方法は、特に制限されるものではない。
熱可塑性樹脂の繊維がパイルを形成していることにより、パイルの熱変形の程度に応じて、種々の装飾材となり得る。例えば、パイルの先端部分のみが熱変形した場合、パイルの先端部分が粒状である装飾材となり得、パイルが溶融しながら全体的な形状が残った場合、より丸みのある柔らかな外観を有する装飾材となり得、また、パイルが溶融部においてパイルとして認められなくなった場合、連続した凹部として認められる模様が形成された装飾材となり得る。この場合、当該溶融部と、非溶融部のカットパイルとの対比により、当該装飾材は、より明瞭な立体感を有し得る。
パイルの長さは、適宜選択することができるが、例えば、3〜20mmを例示することができる。
【0027】
上述の装飾材は、前記繊維は基布に設けられ、前記繊維が設けられた基布の面と反対の面に、バッキング材が形成されたことが好ましい。
ここで「バッキング材」とは、通常、装飾材のバッキング材として用いられる材料であればよく、本発明の目的の装飾材を得ることができる材料であれば、特に制限されるものではない。
バッキング材として、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、ビチューメン、NBR(ニトリルゴム)、EVA(エチレン−酢酸ビニル)及びPUR(ポリウレタンゴム)等を例示することができる。
これらのバッキング材は、常套の方法を用いて、前記繊維が設けられた基布の面と反対の面に形成することができる。その方法は、本発明の装飾材を得ることができる方法であれば、特に制限されるものではない。
【0028】
本明細書における「基布」とは、一般に「基布」とされるものであって、目的とする装飾材を製造することができるものであれば、特に制限されるものではない。そのような「基布」として、例えば、ポリエステル不織布、ポリプロピレン織り基布、ポリエステル織り基布等を例示することができる。
【0029】
上述の装飾材は、熱変形されていない部分が、更に着色されていることが好ましい。
ここで「着色」とは、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの繊維に、何らかの色を付すること又は何らかの色を除去することをいい、「色」には、通常、「色」とされるものが含まれ、例えば、有彩色、無彩色、金属色等が含まれる。
【0030】
尚、本発明の装飾材は、その他のものを有してよい。そのようなその他のものとして、装飾材が、通常有するものが含まれる。例えば、タイルカーペットの場合、寸法安定化を目的としてバッキング材の中に挿入して設けられるガラス不織布等の寸法安定化材等を例示することができる。
【0031】
更に、本発明は、新たな装飾材の製造方法を提供し、それは、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材の製造方法であって、
(A)化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する工程、及び
(B)温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの所定部分を選択的に非接触的に加熱する工程
を含んで成る装飾材の製造方法である。
【0032】
即ち、本発明に係る製造方法は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材の製造方法であって、
(A)工程、及び(B)工程
の少なくとも二つの工程を含んで成る製造方法である。
【0033】
ここで、「化学繊維」、「天然繊維」、「組み合わせ」、「装飾材」、「所定部分」、「非接触的に加熱」については、上述した通りである。
【0034】
本発明に係る製造方法において、(A)工程では、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する。
ここで「温度上昇抑制手段」とは、(B)工程で加熱される化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに付与して、その加熱しない部分、即ち、熱変形を生じさせない部分の温度上昇を抑制するための手段として機能するものであれば、特に制限されるものではない。そのような「温度上昇抑制手段」として、例えば、水を主成分とする液状物、遮蔽板、有機溶媒(揮発性のものを除く)等の各種溶媒として用いられるもの及び油等の、熱を吸収する材料、熱を遮蔽する材料及び熱を反射する材料等を例示することができる。
そのような温度上昇抑制手段として、水を主成分とする液状物が好ましい。
【0035】
ここで「水」とは、一般的に「水」と呼ばれるものであって、本発明の製造方法に使用することができるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、イオン交換水、蒸留水、水道水等の水を用いることができ、本発明の装飾材を得ることができる限り、適宜、他のもの、例えば、溶媒、油及び樹脂等を含んでいてもよい。
【0036】
「水を主成分とする液状物」とは、例えば、染料、のり及び増粘剤等を含んでよい水を略50重量%以上含む液状物をいい、水のみであってよい。「水を主成分とする液状物」は、非接触的に加熱された場合、液状物の温度上昇と蒸発によって熱をうばうことができるので、それが付与された繊維の温度上昇を抑制することができる。水の蒸発潜熱は比較的大きく、安全面及びコスト面からも、水を主成分とする液状物は好ましい。
【0037】
染料の存在により、熱変形を生じさせない部分を、熱変形させる部分を形成すると同時に着色することができるので、水を主成分とする液状物は、少なくとも一の染料を含んで成ることが好ましい。
ここで、「染料」とは、通常、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの着色に用いられているものであって、本発明が目的とする製造方法に使用することができるものであれば、特に制限されるものではない。
【0038】
(A)工程において「付与する」とは、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに対して、上述の「温度上昇抑制手段」の温度上昇抑制作用を、発揮させることをいい、「温度上昇抑制手段」を、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに「付与する」ために、各々の「温度上昇抑制手段」に応じて、適宜適切な方法が用いられる。
【0039】
例えば、「温度上昇抑制手段」が、水を主成分とする液状物の場合、水を主成分とする液状物を、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに含ませることで、「付与する」ことができる。「繊維に含ませること」は、通常、水を主成分とする液状物を繊維に含ませるために用いられている方法であって、本発明が目的とする製造方法に用いることができる方法であれば、特に制限されるものではない。そのような方法として、例えば、ジェット噴射、ジェットプリント及びスクリーンプリント等の方法を例示することができる。
【0040】
例えば、「温度上昇抑制手段」が、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを、非接触的な加熱手段から発せされる熱から遮蔽する遮蔽板の場合、遮蔽板を、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせと、(B)工程で用いられる非接触的な加熱手段との間に配置することで、「付与する」ことができる。「配置すること」は、通常、遮蔽板を配置するために用いられている方法であって、本発明が目的とする製造方法に用いることができる方法であれば、特に制限されるものではない。
【0041】
尚、本発明に係る製造方法において、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせは、パイルを形成していることが、熱変形部と非熱変形部の相違がより明白になり、より立体感のある装飾材を製造することができるので好ましい。
【0042】
本発明に係る製造方法は、(A)工程の後、(A)工程で温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを、非接触的に加熱する工程(B)を有する。
「非接触的に加熱」は、上述した「非接触的な加熱」であってよく、同様の非接触的な加熱方法を使用して、上述の繊維を加熱することができる。
そのような非接触的な加熱は、上述の温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに対して、適切に選択され得るものである。
【0043】
例えば、繊維に水を主成分とする液状物を含ませることで、繊維に温度上昇抑制手段が付与されている場合、非接触的な加熱方法として、例えば、ヒーターを用いる加熱、バーナーによる加熱、高周波電磁波を用いる加熱及び熱風による加熱等を用いて、非接触的に加熱することができる。
また、例えば、遮蔽板を配置することで、繊維に温度上昇抑制手段が付されている場合、非接触的な加熱方法として、例えば、ヒーターを用いる加熱、バーナーによる加熱、高周波電磁波を用いる加熱及び熱風による加熱等を用いて、非接触的に加熱することができる。
【0044】
(B)工程の加熱時間及び加熱温度等の加熱条件は、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの繊維の性質(例えば、熱変形温度、熱分解温度、融点、軟化点等の熱的性質)、用いる温度上昇抑制手段、非間接的な加熱方法、形成される熱変形部分の形態等により、適宜選択されるものである。
【0045】
本発明に係る製造方法は、上述の(A)工程と(B)工程を含んで成る製造方法であるが、装飾材を製造するために通常用いられる種々の工程を更に含んでよい。そのような製造工程として、一般的に、例えば、印刷工程及び染色工程等を例示でき、カーペットの製造に関して、タフト工程、バッキング・シャーリング工程、タイルカーペット・バッキング工程、タイルカーペット・プリント工程、ニードリング工程、車の内装材の場合、ニードリング工程、壁装材の場合、印刷工程、発泡エンボス工程及び接着工程、カーテンの場合、染色工程、製織工程及び整理工程等を例示することができる。これらの工程については、例えば、カーペットハンドブック編集委員会編集、「カーペットハンドブック」、日本カーペット協会、平成3年12月25日発行及び社団法人日本インテリアファブリックス協会調査・人材育成委員会編集、「ウォールカバリング」、社団法人日本インテリアファブリックス協会、平成16年5月発行等の参考文献を参照することができる。この引用により、これらの参考文献の内容は、本明細書の内容をなす。
【0046】
更に、上述の(A)工程と(B)工程は、装飾材を製造するための上述の工程のいずれかに含まれていてもよいし、上述の工程を終了した後に、別途行われてもよいし、既に製造された装飾材について、独立して行われてもよい。目的とする装飾材に対応して、適宜上述の工程を組み合わせて、また、上述の工程を選択して、更に上述の工程に(A)工程と(B)工程を組み込んで使用することができる。
【0047】
例えば、本発明の(A)工程と(B)工程を、常套のタイルカーペット・プリント工程に組み込むことで、本発明の製造方法を行うことができる。
図1は、本発明の製造方法を組み込んだ、タイルカーペット・プリント工程を模式的に示す。このタイルカーペット・プリント工程は、投入位置決め10、ジェットプリント20、スチーマー30、水洗・脱水40、撥水撥油50、乾燥機60、冷却70、検査80を有する。更に、ジェットプリント20とスチーマー30の間にヒーター100を有する。タイルカーペット200が、投入位置決め10から検査80の間を移動することで、本発明の製造方法を組み込んだタイルカーペット・プリント工程が行われる。
【0048】
まず、投入位置決め10で、タイルカーペット200が、このタイルカーペット・プリント工程に入れられる。ジェットプリント20で、染料含有水溶液を用いて、投入されたタイルカーペット200にジェットプリントが行われる。このジェットプリント20によって、タイルカーペット200の繊維に、染料含有水溶液(即ち、水を主成分とする液状物)が付与されて、本発明の(A)工程を行うことができる。上述の水を主成分とする液状物が付与されたタイルカーペット200を、ヒーター100を用いて加熱することで、本発明の(B)工程を行うことができる。加熱条件は、実際に使用するタイルカーペット200の繊維、水を主成分とする液状物の量、ヒーター100の加熱性能の高さ、ヒーター100とカーペット200との間の距離、形成される熱変形部分の形態等に応じて、適宜選択することができる。
熱変形部分が形成されたタイルカーペット200は、スチーマー30にすすみ、以下通常のタイルカーペット・プリント工程により処理される。
尚、この方法では、水を主成分とする液状物が付与されていない部分が、熱変形部分を形成し、水を主成分とする液状物が付与されている部分が非熱変形部分となる。従って、水を主成分とする液状物が付与されている非熱変形部分は、染料により、染色されることとなる。
【0049】
本発明に係る製造方法では、化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの繊維が、新たな原料(即ち、バージン原料)から紡糸されたものであっても、既に使用されたもの(即ち、リサイクルされたもの)であっても、目的とする装飾材を得ることができるものであれば特に制限されるものではない。
【0050】
本発明の製造方法は、目的とする装飾材を得ることができる限り、本発明の製造方法の用い方は特に制限されるものではない。例えば、新たな装飾材を製造する製造工程の途中に本発明の製造方法を用いて、熱変形部分が形成された装飾材を製造してもよく、既に製造された装飾材であるが未使用の装飾材に本発明の製造方法を用いて、熱変形部分が形成された装飾材を製造してもよく、また、既に使用されリサイクルされた装飾材に本発明の製造方法を用いて、熱変形部分が形成された装飾材を製造してもよく、いずれの態様であっても、熱変形部分を含む装飾材を得るために本発明の製造方法を用いてもよい。
【0051】
更に、上述の化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材であって、前記繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維が少なくとも部分的に熱変形された装飾材は、
上述の化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する工程、及び
温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの所定部分を選択的に非接触的に加熱する工程
を含んで成る装飾材の製造方法を用いて製造することができる。
【0052】
また、本発明は、上述の化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材の製造方法であって、
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する工程、及び
温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維又はその組み合わせの所定部分を選択的に非接触的に加熱する工程
を含んで成る装飾材の製造方法を用いて製造された装飾材を提供する。
【0053】
以下、実施例及び比較例を説明することで、本発明を詳細に説明するが、これらの例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。
【実施例】
【0054】
化学繊維、天然繊維又はその組み合わせを有する装飾材として、下記のタイルカーペットを用いた。その製造例を下記に示す。
タイルカーペット1の製造
このタイルカーペットは、ベースとなる基布として、ポリエステル不織布(ユニチカ社製のマリックス(商品名))を用いた。
このベースとなる基布に、糸として、インビスタ社製のBCFナイロンを用いて、長さが7.0mmのカットパイルとなるようにレベルカットされたタフト原反を得た。
このタフト原反の裏面(カットパイルの形成されている面と反対の面)を、バッキング材としてポリ塩化ビニルと寸法安定化材としてガラス不織布(オリベスト社製のFAB030(商品名))を用いてバッキングし、500(タテ)×500(ヨコ)mmの長さに切断して、タイルカーペット1を製造した。
【0055】
タイルカーペット2の製造
このタイルカーペットは、ベースとなる基布として、ポリエステル不織布(ユニチカ社製のマリックス(商品名))を用いた。
このベースとなる基布に、糸として、インビスタ社製のBCFナイロンを用いて、長さが3.0mm、4.0mm及び5.0mmの三つの長さとなるリップルループの形状でループパイルを形成して、タフト原反を得た。
このタフト原反の裏面(パイルの形成されている面と反対の面)に、バッキング材としてポリ塩化ビニルと寸法安定化材としてガラス不織布(オリベスト社製のFAB030(商品名))を用いてバッキングし、500(タテ)×500(ヨコ)mmの長さに切断して、タイルカーペット2を製造した。
【0056】
タイルカーペット3の製造
このタイルカーペット3は、ループパイルの長さを、2.0mm、3.0mm及び4.0mmの三つの長さとなるようにした以外は、上述のタイルカーペット2と同様の方法で製造した。
【0057】
タイルカーペット4の製造
このタイルカーペット4は、長さが、3.0mmとなるレベルループの形状でループパイルを形成した以外は、上述のタイルカーペット2と同様の方法で製造した。
【0058】
タイルカーペット5の製造
このタイルカーペット5は、長さを4.0mmとなるようにした以外は、上述のタイルカーペット4と同様の方法で製造した。
【0059】
タイルカーペット6の製造
このタイルカーペットは、糸として、ユニチカ社製のナイロン綿を紡績して紡績糸にしたものを用いて、長さが5.0mmのカットパイルとなるようにレベルカットされた以外は、上述のタイルカーペット1と同様の方法で製造した。
【0060】
上述のタイルカーペットを表1にまとめて示した。
【表1】

【0061】
非接触的に加熱された熱変形部分を有する装飾材の製造
上述のカーペット1について、下記の条件で処理を行うことで、非接触的に加熱された熱変形部分を有する装飾材を製造した。
ジェットプリント用の染液(チバガイギー社製の染料(イルガランシリーズ(商品名))を水に溶解し0.1重量%の濃度に調整したもの)を、約1000cc/mの量となるように、カーペット1の熱変形部分を形成すべき部分以外の部分に、ジェットノズルから吹き付けて、カーペット1に染液の模様を形成した。即ち、熱変形部分を形成する部分には、染液を吹き付けなかったので染料の模様を形成しなかった。
次に、この模様を形成したカーペット1を、ヒーターを用いて加熱した。設置したヒーターの下方を、ベルトコンベヤを用いてカーペットを移動させることで連続的に加熱を行った。ヒーターの強さとヒーターとカーペットの距離を適宜調節しながら、ベルトコンベヤによるカーペットの移動速度を変えることで、ヒーターによるカーペットの加熱時間を種々変えて、染液吹き付け部と染液非吹き付け部が加熱により達する温度を調節した。加熱後の、カーペットを目視で観察した。結果を表2にまとめて示した。尚、表2に示した温度は、いずれもヒーターによる加熱によって達した、カーペット1の染液塗布部と染液非塗布部の温度を示した。
【0062】
【表2】

【0063】
上述の、処理条件1で、上記カーペット1〜6を処理した。加熱後のカーペットを目視で観察した。結果を表3にまとめて示した。
【表3】

【0064】
パイルを有する上述の実施例の装飾材は、繊維の所定部分が選択的に非接触的に加熱されており、加熱されたパイルは、少なくとも部分的に熱変形していた。熱変形により、柄が表現されており、表現の細かさや線のシャープは、十分であった。また、タイルカーペットの柄の連続性が得られ、また、柄のずれは生じなかった。
【0065】
熱変形の程度は、カーペットNo.1〜6で異なっていた。
カーペットNo.1では、熱変形部分のパイルの先端部分のみが熱変形しているがパイル全体は熱変形していない状態にあった。パイルの先端部分のみが熱変形しているので、その溶融部分が粒状に認識できた。
カーペットNo.2〜5では、熱変形部分のパイルは、全体的な溶融は認められたが、その元のパイルの形状も認められた。その残ったパイルの形状が柔らかい感じの外観を、観者に与えていた。
カーペットNo.6では、パイルは、溶融部においてパイルの形状が認められず、その結果連続した凹部として認められる模様が形成された。当該溶融部と、非溶融部のカットパイルとの対比により、より明瞭な立体感が生じた。
このように、パイルの熱変形の程度に応じて、種々の熱変形部分を有するカーペットを得ることができた。
【0066】
尚、カーペットNo.2〜5は、カーペットNo.1よりパイルの長さが明らかに短いので、水を主成分とする液状物を含むことができる量がより少ないこと、パイルそのものの熱容量も少ないこと等から、カーペットNo.1より実質的に熱変形し易くなったと考えられる。
また、カーペットNo.6は、ナイロン紡績糸を用いていること、パイルがカットパイルであること等から、カーペットNo.2〜5より実質的に熱変形し易くなったと考えられる。
【0067】
実施例No.1〜6のカーペットの熱変形した部分は、熱変形した範囲で、いずれもパイルは溶融していた。熱変形の程度は、上述したように各々異なるが、いずれも溶融部分は、溶融部分の深さ、幅が複雑に変化して、微妙な形状の溶融部分を形成していた。熱変形により丸みを帯びること等によって、全体的に柔らかみのある外観を与えていた。これらの熱変形部分は、自然に溶融して調和しているような感覚を、観者に与えるものとなっていた。
【0068】
ヒーターを繊維に押圧して接触させて加熱する加熱方法で得られる部分や、薬品を用いる抜蝕加工で得られる部分は、人工的に形成した部分であるという感じを与える部分であり、本発明で形成される熱変形部分は、自然に熱変形して形成された部分であるという感を観者に与える点で、従来形成されてきた部分と異なるものとなっていた。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の製造方法を組み込んだ、タイルカーペット・プリント工程の模式図である。
【符号の説明】
【0070】
10 投入位置決め
20 ジェットプリント
30 スチーマー
40 水洗・脱水
50 撥水撥油
60 乾燥機
70 冷却
80 検査
100 ヒーター
200 タイルカーペット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学繊維、天然繊維、又はその組み合わせを有する装飾材であって、前記繊維の所定部分を選択的に非接触的に加熱して、前記繊維が少なくとも部分的に熱変形された装飾材。
【請求項2】
化学繊維、天然繊維、又はその組み合わせが、パイルを形成している請求項1に記載の装飾材。
【請求項3】
前記繊維は基布に設けられ、前記繊維が設けられた基布の面と反対の面に、バッキング材が形成された請求項1又は2に記載の装飾材。
【請求項4】
前記繊維の熱変形されていない部分が、更に着色されている請求項1〜3のいずれかに記載の装飾材。
【請求項5】
化学繊維、天然繊維、又はその組み合わせを有する装飾材の製造方法であって、
化学繊維、天然繊維、又はその組み合わせに、温度上昇抑制手段を付与する工程、及び
温度上昇抑制手段を付与された化学繊維、天然繊維、又はその組み合わせの所定部分を選択的に非接触的に加熱する工程
を含んで成る装飾材の製造方法。
【請求項6】
化学繊維、天然繊維、又はその組み合わせが、パイルを形成している請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
温度上昇抑制手段が、水を主成分とする液状物である請求項5又は6に記載の製造方法。
【請求項8】
水を主成分とする液状物が、少なくとも一の染料を含んで成る請求項7に記載の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−257586(P2006−257586A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77544(P2005−77544)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000222495)東リ株式会社 (94)
【出願人】(394009201)滋賀東リカーペット株式会社 (1)
【Fターム(参考)】