説明

裏紙自動判別装置

【課題】裏紙の印刷面を判別し、印刷していない面を自動でそろえ、安価に実現可能な構成による裏紙自動判別装置を提供することを目的とする。
【解決手段】紙押え手段2a、2bと、第1の紙送り手段6aと、印字判定手段3a、3bと、ガイド手段9a、9bと、第2の紙送り手段6bと、ガイド制御手段10a、10bと、用紙反転通路4bと、用紙蓄積手段8とからなる筐体において、印字判定手段3aからの制御信号によりガイド手段9a、9bの位置を変えてガイド手段9a、9b上の用紙を下から支持するか下に落とすかの制御する事により、用紙の印刷していない面を自動的に揃え上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏紙自動判別装置に関し、特に、裏紙の印刷面を判別し、印刷していない面を自動でそろえ、安価に実現可能な構成による裏紙自動判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真装置は用紙に簡単に明瞭な印刷を行える事から色々な分野で使用されている。しかしながら、電子写真装置に簡単に印字できる事により近年用紙の使用量が急増し、世界的に森林資源の枯渇、排紙の増加による廃棄物問題を生じさせている。この為、色々な分野でペーパーレス化が進められているが、依然として紙による出力の需要は多く、用紙の有効利用が切に望まれてきている。
【0003】
本発明はプリンタ、コピー機、ファクシミリ等の特定の装置にしか適用できないわけではないが、説明の為、一例としてプリンタを例にとって、以下述べていく。
【0004】
用紙の有効利用を行う為、用紙の印字されていない裏面を使用する、即ち、一般的に“裏紙”と呼ばれている用紙を使用する事により用紙の使用量を半分近く迄削減できる。又、近年企業の環境問題に対する社会的責任として取得する企業が増えているISO14001の認定を受ける際にも必要となる為、多くの官公庁及び企業が裏紙の使用を行っている。
【0005】
しかしながら、裏紙を使用する場合、プリンタの裏紙トレイに通常はユーザーが裏紙の印字されていない面を確認して裏紙を裏紙トレイに置く。その場合、裏表をどの方向に置けば良いかはプリンタのメーカーによりまちまちであり、又、間違いを防ぐ為の用紙の裏表の表示は見やすいとは言えない状況にあり、印字されている面に重複して印字してしまう事がしばしば起こる。重複して印字してしまった場合、トナーやインクの無駄や用紙を正しくセットして再度印字を行う等資源や業務時間の無駄を生じさせ、裏紙の使用を促進される際の大きな障害となっていた。
【0006】
上記の様な問題点に対して、従来例としては特許文献1に記載された様にプリンタで裏紙を用いて印字する場合に印字しようとする面に印字されていたら印字せず用紙を排出する方法や、特許文献2に記載された様に裏紙を用いて印字する場合に印字しようとする面に印字されていたら印字せず裏紙用トレイに蓄積する方法や、特許文献3に記載された裏紙を用いて印字する場合に印字しようとする面に印字されて、その逆方向が印字されていなかったら本体の内部で用紙を反転させて裏紙の印字されていない面に印字するという方法が開示されている。
【特許文献1】特開平7−137406号公報
【特許文献2】特開2001−324899号公報
【特許文献3】特開2004−163629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の従来例においては裏紙をセットする方向の裏表を間違えた場合、プリントされず全ての裏紙が排出される為、実用的では無い。又、印字面を片面しか判定していない為、両面印字されていた場合に間違って既に印字されている面に印字されてしまう。次に、特許文献2に記載の従来例おいては裏紙専用のトレイが必要であるのと、これも印字面を片面しか判定していない為、両面印字されていた場合に間違って既に印字されている面に印字されてしまう。最後の特許文献3に記載の従来例おいては上記の従来例の欠点を克服すべく用紙の裏表の両方を印字されているかどうか判断し、両面印刷なら排紙し、裏紙の印字されていない面が逆なら機械の内部で用紙の裏表を反転させて裏紙の印字されていない面に印字する様にしているが、いかんせん、上記の2つの特許文献記載の従来例と同じく、裏紙をセットする方向の裏表を間違えた場合、機器の内部で全ての用紙を反転させる必要が生じ、印字する枚数が多い場合、印刷時間が通常よりかなりかかってしまう問題と機械の中に専用の機構や回路が必要であり、全世界で既に出回っているプリンタやコピー機には適用できないという問題を生じる。
【0008】
上記の従来例を鑑み、本発明の裏紙自動判別装置は用紙の裏表の両方を印字されているかどうか判断し、両面印刷なら排紙し、裏紙の印字されていない面が同じ方向を向く様に統一する装置を安価に実現できる為に、できるだけ可動部を無くす様に工夫した。
【0009】
よって、本発明は、裏紙の印刷面を判別し、印刷していない面を自動でそろえ、安価に実現可能な構成による裏紙自動判別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の裏紙自動判別装置は、用紙を押さえる紙押え手段と、回転運動により前記紙押え手段により押えられた用紙を送る第1の紙送り手段と、非接触で送られた用紙の印字の有無を判定する印字判定手段と、送られた用紙を下から支持可能なガイド手段と、回転運動により前記ガイド手段上の用紙を送る第2の紙送り手段と、前記ガイド手段上の用紙の紙送り進行方向に位置し送られている用紙を反転させ前記ガイド手段の下側に反転させた用紙を導く用紙反転通路と、前記ガイド手段の位置を変えて該ガイド手段上の用紙を下から支持するか下に落とすかの制御するガイド制御手段と、前記ガイド手段の下に位置し選別した用紙を蓄える用紙蓄積手段とからなる筐体において、前記印字判定手段からの制御信号により前記ガイド手段の位置を変えて該ガイド手段上の用紙を下から支持するか下に落とすかの制御する事により、用紙の印刷していない面を自動的に揃える事を特徴とする。
【0011】
さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記印字判定手段からの制御信号により前記第2の紙送り手段を逆回転させることにより、当該逆回転による用紙の進行方向に設けられた用紙排出口から不要な用紙を排出可能とすることを特徴とする。さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記用紙反転通路の一部に用紙排出口と、該用紙排出口を開閉する開閉制御手段とを設け、前記印字判定手段からの制御信号により、前記開閉制御手段を制御し、前記用紙排出口の開口時には不要な用紙を排出可能とし、前記用紙排出口の閉口時には前記用紙反転通路としての機能を果たすことを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記用紙蓄積手段には、他の電子写真装置に装着されている用紙を供給するトレイを用いることを特徴とする。さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記紙押え手段は開閉式の蓋に装着されていることを特徴とする。さらに本発明の裏紙自動判別装置は、紙送りを補助するためのモーターにより駆動しない補助ローラを有し、前記第1の紙送り手段及び前記第2の紙送り手段はモーターにより駆動するローラであることを特徴とする。さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記印字判定手段に反射型フォトセンサを使用すること特徴とする。さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記ガイド制御手段にロータリーソレノイドを使用することを特徴とする。さらに本発明の裏紙自動判別装置は、前記開閉制御手段にソレノイドを使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、裏紙自動判別装置において、安価に実現可能な構成により、裏紙の印刷面を判別し、印刷していない面を自動でそろえることを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明は、安価に実現できる様にできるだけ可動部を無くす様に工夫した。図1〜3は本発明の裏紙自動判別装置の実施例1の一形態を示す各図面である。
【0016】
図1〜3において筐体1は上側の上筐体1aとの下側の下筐体1bに別れ、本発明の裏紙自動判別装置の機構と回路全体を構成している。第1の紙抑え2aと, 第2の紙抑え2bは内部にバネ15を装着しこの部品の可動部17を押し下げてセットした裏紙14にバネにより圧力をかける。これにより、第1のサブローラー5aと第1のメインローラー6bで裏紙を送り易くする。
【0017】
3a(3a1〜3a8)は裏紙の上面の印字の有無を判別する上面用反射型フォトセンサである。3b(3b1〜3b8)は裏紙の下面の印字の有無を判別する下面用反射型フォトセンサである。4aは上筐体1aと下筐体1bの上下の筐体の間で裏紙が通る上下筐体用紙通路であり、円や楕円の弧等により形成されている。4bは必要に応じて裏紙の表裏を反転させる為の用紙反転用通路であり、円や楕円の弧等により形成されている。5a〜5fは裏紙を送る為に使用する第1〜第6のサブローラーである。6aは裏紙を送る為にモーターで回転させる上筐体1a用の第1のメインローラーであり、6bは裏紙を送る為にモーターで回転させる下筐体1b用の第2のメインローラーである。7aは上筐体からの用紙の出口となる上用紙出力口であり、7bは上筐体からの用紙の入力口である下用紙入力口であり、7cは不要な用紙を排紙する時に出力口となる下用紙排出口である。下用紙排出口7cは下用紙入力口7bのすぐ下に設けられて、第2のメインローラー6bの逆回転により用紙が送られてきた場合の紙送り進行先に位置し、第2のメインローラー6bの逆回転により用紙を下用紙排出口7cから排出される構成となっている。8は印刷面を揃えた裏紙を蓄積する裏紙入れである。9a、9bは下筐体1bで用紙を送る時のガイドとなる第1の用紙送り部とそのペアとなる第2の用紙送り部である。第1の用紙送り制御部10aと第2の用紙送り制御部10bは、通常は90度の角度を保っている第1の用紙送り部9aと第2の用紙送り部9bの角度を小さくして第3のサブローラー5cと第4のサブローラー5dの間を通ってきた用紙を下筐体下部の裏紙入れ8に落とす為の制御を行う。
【0018】
次に、図1〜3の各回路や機構部分の構造や動作の詳細について、図4(紙押え部)、図5〜7(反射型フォトセンサ),図8〜11(用紙送り制御部)を用いて説明していく。
【0019】
図1〜3において、ユーザーはまず同じサイズ、例えばA4(一番消費量が多い)の無選別の裏紙を裏紙自動判別装置の第1の紙抑え2aと第1の紙抑え2bを片方ずつ持ち上げて裏紙14を第1の紙抑え2aと第1の紙抑え2bの下に滑り込ませる。一番上の裏紙は図1〜3の上から見た面に印字されているものとする。
【0020】
図4は本発明の紙抑え部の詳細断面図である。第1の紙抑え2aと第1の紙抑え2bの内部は固定部16と可動部17に分かれている。固定部16上面と可動部17の下面に固定されたバネ15が入っていて、第1の紙抑え2aと第1の紙抑え2bの下の可動部17にて裏紙をその下の第1のサブローラー5aと第1のメインローラー6aに押し付ける。この時点でユーザーが動作開始ボタン(図示せず)を押す。その開始信号を受けて制御用マイコン(図示せず)がメインローラー(6a、6b)を動かすモーター(図示せず)を回転させ、メインローラー6aが図1の右方向に回転を開始する。
【0021】
一番下の裏紙が図1の右方向に送られていくと3a(3a1〜3a8)の上面用反射型フォトセンサを通過する。ここで、反射型フォトセンサというのは図5の断面図の様に赤色発光ダイオード等の発光部18から出た赤外線が物体の表面に反射した光をフォトトランジスタ等の受光部19で受け反射光の強弱を電圧の変化に変換して出力するセンサである。具体的な回路は図6に示す様に電源(Vcc)を電流制限用抵抗(R1,R2)を介して赤色発光ダイオードとフォトトランジスタに接続し、反射光に応じて出力電圧(Vout)が変化する。変化のグラフは図7に示す様に紙の表面の反射率に応じてVoutが変化していく(センサによりかならずしもグラフの様に正比例するとは限らない)。そこで、用紙の表面に何か印字されていた場合、反射率が白(100%)から下がる事を利用し、反射率があるしきい値(約10%程度の黒との間に設定する)以下だとVoutがしきい値電圧(Vh)以上となる事を制御用マイコンに伝達する。制御用マイコンはVoutがVh以上となる事により表面に印字されている事が分かる。
【0022】
このしきい値は一概に決める事ができない為、印字されていると判定するレベルをユーザーがいくつか設定できる様にすべきであるが、予めいくつか決めておく他に、ユーザーが任意に設定ができる様にした方が製品化を考慮した時により実用的だと言える。又、3a1〜3a8の様に反射型フォトセンサが8個搭載されているのは、反射型フォトセンサは検出面積が1〜2平方cm程度なので複数のセンサが必要である事を示しただけで、実際に製品化する時に必要な個数を表しているのではない。なお、3b(3b1〜3b8)の下面用反射型フォトセンサの構造や動作は3a(3a1〜3a8)の上面用反射型フォトセンサと同じなので説明は省略する。
【0023】
次に、裏紙は上用紙出力口7aを出て、上下筐体用紙通路4aを通り、下用紙入力口7bから下筐体1bの中に入る。なお、実際に製品化する場合に、用紙の両面が印字されていた場合の裏紙は下用紙排出口7cから排出される為、上下筐体用紙通路4aは図3の側面図の様に側面から見て下用紙排出口7cが見える位置に配置する点を注意する必要が有る。下筐体1bの中に入った裏紙は第3のサブローラー5cと第4のサブローラー5dを通り図1で右方向に回転している第2のメインローラー6bへ送られる。
【0024】
図1の様に裏紙がこの付近を通る頃には上面用反射型フォトセンサ3a1〜3a8と下面用反射型フォトセンサ3b1〜3b8の16個の反射型フォトセンサによる裏紙の全ての領域のスキャンが終了して、その結果を受けた制御用マイコンが裏紙の表面と裏面の一部分でも印字しているかどうかの判別も終了している。
【0025】
上記の判別結果を受けて、間違って両面に印字された用紙が混入していた場合、即ち、上面用反射型フォトセンサ3aと下面用反射型フォトセンサ3bの反射型フォトセンサにより両面共印字されていると判定された場合、裏紙の端が下用紙入力口7bから入って、第3のサブローラー5c、第4のサブローラー5dを通っている途中で第2のメインローラー6bを左方向に逆回転させて、両面印刷されている裏紙を下用紙排出口7cから外に排出する。排出された両面印刷されている裏紙はユーザーが後で、シュレッダーにかけるなり、再生紙として使用するなり、しかるべき処理を行う。
【0026】
この処理が終わるまでは次の用紙を下用紙入力口7bに次の用紙を入れてはいけないのは言うまでも無いが、本発明はプリンタ内部で用紙を反転させたりする様な一刻を争う処理では無く、裏紙を使用する前に自動的に選別する為の装置である為、この処理でも十分実用になると考える。
【0027】
次に上面用反射型フォトセンサ3aにより印字されている、下面用反射型フォトセンサ3bにより印字されていないと判定された場合、第2のメインローラー6bはそのまま右方向に回転させて、裏紙は第1の用紙送り部9a, 第2の用紙送り部9bを通り、第5のサブローラー5e、第6のサブローラー5fと用紙反転用通路4bを通って、裏紙入れ8に印字していない面を下にして蓄えられる。
【0028】
なお、一番上の裏紙に印字されているなら気がつくが、複数枚の裏紙を処理している途中の裏紙で上面用反射型フォトセンサ3aにより印字されていない、下面用反射型フォトセンサ3bにより印字されていると判定された場合、裏紙入れ8に蓄える前に裏紙の表裏を先と比べて反転しなければならない。その手順を以下、説明していく。
【0029】
図8〜11に本発明の裏紙自動判別装置の主要な部分を構成する第1の用紙送り制御部10a、第2の用紙送り制御部10bの詳細図面を示す。第1の用紙送り部9aは図10の実線の様に第1の用紙送り部9aを90度の角度に保つ様にロータリーソレノイドを取り付けている。裏紙の裏表を反転させなければならない場合、図11のロータリーソレノイドに制御用マイコンより通電指令が送られる。この時ロータリーソレノイドのコイルに電流が流れプレートが引き寄せられる。プレートの下に接着しているハブ及びボールレースはプレート24と平行では無く斜めとなる様に取り付けられている為、ハブに固定されているシャフト22が回転する。ストッパ(図示せず)が設けられてる為、図10の例では一例としてシャフトが45度付近で止まる様になっている(図10の点線)(もちろん他の角度,例えば0度で止まる様にしても良い)。従って、シャフト22に固定されている第1の用紙送り部9aの角度も図10の点線の様に90度から45度に変化する。同時に第2の用紙送り部9bも第2の用紙送り制御部10bにより第1の用紙送り部9aと側面から見て左右対称となる角度に制御が行われる為、裏紙はそのまま下の裏紙入れ8に落ちる。次の裏紙が来る前に、マイコンはロータリーソレノイドの通電指令を解除すれば、ロータリーソレノイドの位置は元に戻り、シャフトに固定されている第1の用紙送り部9aの角度も図10の様に90度に戻る。
【0030】
以上の手順により用紙(裏紙)を反転して裏紙入れ8に格納できる事が分かる。
【0031】
最後に、下筐体1bの下側は裏紙入れがそのまま取り出せる様にサイドパネルが無いもしくはサイドパネルを開閉できる様になっていてユーザーが裏紙を取り出し易い様な構造となっている。裏紙の印字されていない面が揃っている為、ユーザーはそのままプリンタの裏紙用紙入れに入れても良いし、裏紙の表裏をさらに間違わない様に裏紙入れ8をプリンタの裏紙トレイと同じ構造にして、そのまま裏紙トレイに装着できる構造にすれば裏紙の裏表を間違う可能性は無くなるのでそちらの方がなお良いと言える。
【実施例2】
【0032】
次に図12〜15を用いて本発明の裏紙自動判別装置の実施例2の説明を行っていく。
本実施例2では、実施例1の用紙反転通路4bに用紙排出口26を設け、用紙排出口スライダ11と、用紙排出口制御部12とを設ける構成となっている。図12は本発明の実施例2の一形態を示す正面断面図である。
【0033】
すなわち、本実施例2では、図12〜15に示すように、実施例1の用紙反転通路4bの一部を開閉できる様にしたものである。フォトセンサから制御用マイコン経由で受け取った裏紙への印字の有無の情報を受け取った用紙排出口制御部12により用紙反転通路4bの一部に設けた用紙排出口スライダ11をスライドさせ用紙排出口26の開閉の制御を行う。
【0034】
以下、図12〜15を用いてその手法を説明していく。ここで、実施例1では16個の反射型フォトセンサ(3a、3b)が裏紙の全ての領域をスキャンし、その結果を受けた制御用マイコンが裏紙の表面と裏面の一部分でも印字しているかどうかの判別を行い、間違って両面を印字していた用紙が混入していた場合、裏紙の端が下用紙入力口7bから入って、第3のサブローラー5c、第4のサブローラー5dを通っている途中で第2のメインローラー6bを左方向に逆回転させて、両面印刷されている裏紙を外に排出していた。
【0035】
本実施例2では上記の第4のサブローラー5dまでの過程は同一であるが、第2のメインローラー6bはそのまま右方向に回転させ、マイコンからの両面印刷が行われているとの判別信号を用紙排出口制御部12が受けると、図15のソレノイドのプレートがコイルの方に引き付けられ、シャフトに固定された用紙排出口スライダ11がスライドして用紙反転用通路内4bに有り、通常は閉じている用紙排出口26を開く。この状態で紙が送られてくると図12で示される両面印刷されている用紙は用紙排出口26から外に排出される。すなわち用紙排出口26は、送られた用紙が、そのまま外に排出される位置に設けられている。両面印刷されている用紙が排出されている時、次の用紙は下筐体1bに入ってきているが、両面印刷されている用紙が排出され下筐体1bから完全に外へ出た時点で用紙排出口制御部12にて用紙排出口26を閉じる。なお、用紙排出口26を閉じるタイミングは用紙を排出する時間で管理しても良いし、用紙排出口26に物体の有無を非接触で感知するフォトセンサを取り付けても良い。この様にすれば次の用紙で印字されていない面が表面でも裏面でも図1の制御を行えば、裏紙の印字していない面を揃える事ができる。もちろん、次の用紙が両面印刷された場合でも、再度、用紙排出口を開けて用紙を排出すれば良い。
【0036】
以上の様な制御を行えば、両面印刷されている用紙を排出する場合に第2のメインローラー6bを逆回転させなくて済む為、上筐体1aから裏紙を送る時に前の用紙と次の用紙の間隔を少ししか空けずに済む(少なくとも用紙1枚分間を空ける必要は無い)ので、裏紙の印字していない面を揃え、両面印字済みの紙を排出する処理を実施例1より高速に行う事が可能となる。
【実施例3】
【0037】
次に図16〜図18を用いて本発明の裏紙自動判別装置の実施例3の説明を行っていく。
【0038】
本実施例3は、図16〜18において実施例1における図1の上筐体1aの裏紙を入れる部分に上蓋13を設け第1の紙抑え2a、第2の紙抑え2bを上蓋に固定する。そして、本実施例3は、実施例2にも同様に適用できる構成となっている。
【0039】
その様にすれば図18に示す様に裏紙を本発明の裏紙自動判別装置に装着する場合にいちいち第1の紙抑え2a、第2の紙抑え2bに押し上げる必要が無くなり、使いかってが向上し、裏紙をより容易に装着できる。
【0040】
以上実施例1から3による本発明は裏紙を本装置にかける事によりプリンタやコピー機の裏紙トレイに入れる前に印字していない方向に裏紙の向きを揃える事で印字ミスを防ぐ事と、現在使用しているプリンタやコピー機に裏紙の自動判別を行う為の機能を一切追加せずに裏紙の印字していない面を揃える事ができる。さらに、一般的に出回っているローラー、反射型フォトセンサ、電磁石を利用したロータリーソレノイドやソレノイドを使用する事により、安価に本発明の機能を実現できる。そして上記実施例1から3は、プリンタを一例にあげて述べてきたが、本発明はプリンタ以外にコピー機、ファクシミリ等他の印字機器についても適用できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1の一形態を示す正面断面図である。
【図2】本発明の実施例1の一形態を示す上面図である。
【図3】本発明の実施例1の一形態を示す側面図である。
【図4】本発明の紙抑え部の詳細断面図である。
【図5】本発明の反射型フォトセンサ部の断面図である。
【図6】本発明の反射型フォトセンサ部の回路図である。
【図7】本発明の反射型フォトセンサ部の出力電圧の変化を表したグラフである。
【図8】本発明の用紙送り制御部の上面図である。
【図9】本発明の用紙送り制御部の正面図である。
【図10】本発明の用紙送り制御部の側面図である。
【図11】本発明の用紙送り制御部のロータリーソレノイドの断面図である。
【図12】本発明の実施例2の一形態を示す正面断面図である。
【図13】本発明の実施例2の用紙排出口制御部の正面図であり、(a)通常時、(b)両面印刷排出時、である。
【図14】本発明の実施例2の用紙排出口制御部の上面図である。
【図15】本発明の実施例2の用紙排出口制御部のソレノイドの断面図である。
【図16】本発明の実施例3の一形態を示す正面断面図である。
【図17】本発明の実施例3の一形態を示す上面図である。
【図18】本発明の実施例3の上蓋が開いた状態の示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 筐体
1a 上筐体
1b 下筐体
2a 第1の紙抑え
2b 第2の紙抑え
3a(3a1〜3a8) 上面用反射型フォトセンサ(第1上面用反射型フォトセンサ〜第8上面用反射型フォトセンサ)
3b(3b1〜3b8) 下面用反射型フォトセンサ(第1下面用反射型フォトセンサ〜第8下面用反射型フォトセンサ)
4a 上下筐体用紙通路
4b 用紙反転用通路
5a 第1のサブローラー
5b 第2のサブローラー
5c 第3のサブローラー
5d 第4のサブローラー
5e 第5のサブローラー
5f 第6のサブローラー
6a 第1のメインローラー
6b 第2のメインローラー
7a 上用紙出力口
7b 下用紙入力口
7c 下用紙排出口
8 裏紙入れ
9a 第1の用紙送り部
9b 第2の用紙送り部
10a 第1の用紙送り制御部
10b 第2の用紙送り制御部
11 用紙排出口スライダ
12 用紙排出口制御部
13 上蓋
14 裏紙
15 バネ
16 固定部
17 可動部
18 発光部
19 受光部
20 赤色発光ダイオード
21 フォトトランジスタ
22 シャフト
23 プレート
24 ハブ及びボールレース
25 コイル
26 用紙排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を押さえる紙押え手段と、回転運動により前記紙押え手段により押えられた用紙を送る第1の紙送り手段と、非接触で送られた用紙の印字の有無を判定する印字判定手段と、送られた用紙を下から支持可能なガイド手段と、回転運動により前記ガイド手段上の用紙を送る第2の紙送り手段と、前記ガイド手段上の用紙の紙送り進行方向に位置し送られている用紙を反転させ前記ガイド手段の下側に反転させた用紙を導く用紙反転通路と、前記ガイド手段の位置を変えて該ガイド手段上の用紙を下から支持するか下に落とすかの制御するガイド制御手段と、前記ガイド手段の下に位置し選別した用紙を蓄える用紙蓄積手段とからなる筐体において、
前記印字判定手段からの制御信号により前記ガイド手段の位置を変えて該ガイド手段上の用紙を下から支持するか下に落とすかの制御する事により、用紙の印刷していない面を自動的に揃える事を特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の裏紙自動判別装置において、前記印字判定手段からの制御信号により前記第2の紙送り手段を逆回転させることにより、当該逆回転による用紙の進行方向に設けられた用紙排出口から不要な用紙を排出可能とすることを特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項3】
請求項1に記載の裏紙自動判別装置において、前記用紙反転通路の一部に用紙排出口と、該用紙排出口を開閉する開閉制御手段とを設け、前記印字判定手段からの制御信号により、前記開閉制御手段を制御し、前記用紙排出口の開口時には不要な用紙を排出可能とし、前記用紙排出口の閉口時には前記用紙反転通路としての機能を果たすことを特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の裏紙自動判別装置において、前記用紙蓄積手段には、他の電子写真装置に装着されている用紙を供給するトレイを用いることを特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の裏紙自動判別装置において、前記紙押え手段は開閉式の蓋に装着されていることを特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の裏紙自動判別装置において、紙送りを補助するためのモーターにより駆動しない補助ローラを有し、前記第1の紙送り手段及び前記第2の紙送り手段はモーターにより駆動するローラであることを特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の裏紙自動判別装置において、前記印字判定手段に反射型フォトセンサを使用すること特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の裏紙自動判別装置において、前記ガイド制御手段にロータリーソレノイドを使用することを特徴とする裏紙自動判別装置。
【請求項9】
請求項3に記載の裏紙自動判別装置において、前記開閉制御手段にソレノイドを使用することを特徴とする裏紙自動判別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−174321(P2008−174321A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7143(P2007−7143)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】