説明

補剛桁およびその製作方法

【課題】アルミニウム合金製の補剛桁を製作する際に、溶接線を少なくしてその製作作業を容易にし得るとともに、軽量化を図り得る補剛桁を提供する。
【解決手段】上フランジ部2と下フランジ部3との間にウエブ部4が配置されてなるI型の補剛桁1であって、アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部2とウエブ部4の一部とが一体成形された2個のT型端部材6A,6Bと、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部4の一側面に水平補剛材5が一体成形された2個の中間部材7A,7Bとから構成するとともに、これらT型端部材6A,6Bと中間部材7A,7Bとのウエブ部4,4同士および上下に隣接する中間部材7A,7Bのウエブ部4,4同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金製の補剛桁およびその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鋼製橋梁などの桁材(所謂、橋桁)は鋼板が溶接されて製作されており、道路橋のような大規模なものになると、その重量が非常に大きくなり、したがってその支持構造および設置作業についても、大掛かりなものにならざるを得なかった。また、鋼材は耐腐食のための塗装が定期的に必要となり、そのコストは大きなものとなる。
【0003】
最近、その重量、設置作業および塗装メンテナンスの軽減化を図るために、歩道橋などに鋼板の替わりにアルミニウム合金が用いられている。
このように、道路橋等の大型の桁材をアルミニウム合金を用いて製作しようとすると、鋼板を用いた製作方法に準拠することが考えられる。
【0004】
例えば、背が高いI型桁を製作する場合には、図10に示すように、上下フランジ板51,52の間にウエブ板53を配置し、そして互いの接続箇所を両側からすみ肉溶接にて接合することになる。
【0005】
一般に、単純支持されたI型桁に荷重が加わると鉛直方向に撓み、曲げモーメントが生じることで、ウエブ板の上側に圧縮力が作用するとともに下側には引張力が作用する。また、せん断力が生じることでウエブ板全体(高さ方向の中央部、また、支点寄りのところで大きい)に斜め45度の方向の圧縮力(荷重点と支点を結ぶ向き)と引張力(荷重点と支点を結ぶ向きと直角の方向)が作用する。
【0006】
ところで、従来の補剛桁では、図11に示すように、曲げモーメントによるウエブ上側部分の桁長手方向の座屈に対処するために、水平補剛桁54がすみ肉溶接によりウエブ板53の上部に取り付けられており、また、水平補剛材54と下フランジ板52との間のウエブ板53においては、補強のない部分が広く、主に、この部分の斜め方向のせん断座屈に対処するために、垂直補剛材55がすみ肉溶接により所定間隔でもって密に配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−294628
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したように、鋼製の補剛桁に準拠してアルミニウム合金製のものを製作しようとすると、水平補剛材に加えて垂直補剛材も所定間隔おきに設けることになり、溶接線が長くなってしまう。したがって、アルミニウム合金製の補剛桁を製作する際に、溶接熱による影響を大きく受けて歪が大きくなってしまうとともに製作作業についても非常に面倒となり、さらに溶接熱による強度低下を補うために板厚が厚くなり重量化してしまうという問題が生じる。
【0008】
そこで、上記課題を解決するため、本発明は、アルミニウム合金製の補剛桁を製作する際に、溶接線を少なくしてその製作作業を容易にし得るとともに、軽量化を図り得る補剛桁およびその製作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の補剛桁は、上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とから構成するとともに、
少なくとも上記T型端部材と中間部材とのウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合したものである。
【0010】
また、本発明の他の補剛桁は、上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とから構成するとともに、
上記T型端部材と中間部材とのウエブ部同士および上下に隣接する中間部材のウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合したものである。
【0011】
また、上記各補剛桁における複数の中間部材の断面形状を同一にしたものである。
また、上記各補剛桁におけるウエブ部の側面に配置される複数の補剛材を、上フランジ部と下フランジ部との間に均等間隔でもって配置したものである。
【0012】
さらに、本発明の補剛桁の製作方法は、上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁の製作方法であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とを製造し、
次に少なくとも上記T型端部材および中間部材のウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合する方法である。
【0013】
また、本発明の他の補剛桁の製作方法は、上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁の製作方法であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とを製造し、
次に上記T型端部材および中間部材のウエブ部同士並びに上下に配置された中間部材のウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合する方法である。
【発明の効果】
【0014】
上記の各構成によると、アルミニウム合金により補剛桁を製作する際に、フランジ部とウエブ部との接続部を含むT型端部材、およびウエブ部と水平補剛材との接続部を含む中間部材を、それぞれ押出成形にて製造することにより、例えば最大圧縮力および最大引張力が作用する端部材での溶接による入熱を無くして材料の強度低下を防止することができ、したがって水平補剛材を圧縮力が作用する側に偏って配置する必要がないので、すなわち複数の水平補剛材を補剛桁の全高において均等間隔で配置することにより、当該補剛桁の斜め方向での座屈に対する抵抗が増加するため(せん断や曲げに対する強度が高まる)、通常、必要とされる垂直補剛材を省略することができるとともに強度低下を補うための板厚の増加を避けることができ、より一層の製作の容易化および重量の軽減化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る補剛桁およびその製作方法を、図面に基づき説明する。
【0016】
この補剛桁は、例えば橋梁の桁材として用いられるもので、大型のI型桁材のウエブ部の側面に、水平補剛材が所定間隔でもって複数本設けられたものであり、また軽量化を図るためにアルミニウム合金製にされたものである。
【0017】
図1および図2に示すように、この補剛桁1の構成を具体的に説明すると、上フランジ部2と下フランジ部3との間にウエブ部4が配置されるとともに、このウエブ部4の一方の側面に複数本、例えば2本の水平補剛材5が設けられたものである。また、上フランジ部2と下フランジ部3との間に配置される水平補剛材5の位置は、これら両フランジ部2,3間の高さHに対して均等間隔でもって配置されている。具体的に言うと、フランジ部2,3および水平補剛材5の各厚さ中心でもって等間隔となるようにされている。なお、上フランジ部2、下フランジ部3および水平補剛材5は板状に形成されている。
【0018】
そして、この補剛桁1の製作にあたっては、図3に示すように、上フランジ部2とウエブ部4の一部とが一体成形された2個のT型端部材6(6A,6B)と、これら上下のT型端部材6A,6B間に配置されるとともにそれぞれ所定高さhの中間ウエブ部4の一側面に水平補剛材5が突出して一体成形された2個の中間部材7(7A,7B)とに分割して製作され、しかもこれらの材料としてアルミニウム合金が用いられている。
【0019】
すなわち、これらT型端部材6A,6Bおよび中間部材7A,7Bは、アルミニウムの押出成形により製造され、これら押出成形により製造された上下2個のT型端部材6A,6B同士間に2個の中間部材7A,7Bが上下位置で且つフランジ部2,3と平行に配置されるとともに、摩擦攪拌接合方法により互いに接合されたものである。なお、図面上、Wは摩擦攪拌接合方法による接合部を示しており、また接合部を明瞭化するために、丸く膨らんだように図示したが、実際は、フランジ部の厚さに略一致されている。
【0020】
ところで、この摩擦攪拌接合方法は、中心に突起のある硬質の丸棒を回転させて接合部に進入させ、その摩擦熱を接合部材に与えるとともに攪拌して接合させる方法であり、溶接時の余分な入熱を防止し得るとともに溶接時のシールドガスなどの供給および前処理作業などを必要とせず、したがって簡単な作業でしかも熱歪の発生を極力低減化し得る方法である。
【0021】
以下、上記補剛桁1の製作方法を、図4に基づき、より具体的に説明する。なお、部材番号については新たに付して説明する。
まず、フランジ部11にウエブ部12の一部が一体に設けられてなるT型端部材13および所定高さhの中間ウエブ部14の一方の側面に水平補剛材15が一体に突設されてなる中間部材16を、アルミニウムの押出成形により、それぞれ2個ずつ製造する。
【0022】
次に、上側のT型端部材13(13A)のウエブ部12の下端縁と上側の中間部材16(16A)の中間ウエブ部14の上端縁とを、および下側のT型端部材13(13B)のウエブ部12の上端縁と下側の中間部材16(16B)の中間ウエブ部14の下端縁とを、それぞれ摩擦攪拌接合方法により接合する。
【0023】
次に、上側の中間部材16(16A)の中間ウエブ部14の下端縁と下側の中間部材16(16B)の中間ウエブ部14の上端縁とを、やはり摩擦攪拌接合方法により接合する。
【0024】
この接合作業により、アルミニウム合金製の補剛桁を、従来の鋼製の補剛桁の場合に比べて、非常に少ない接合線でもってしかも少ない入熱量でもって、簡単に製作することができる。
【0025】
なお、上記の説明においては、水平補剛材を2本配置したが、3本以上配置してもよい。勿論、この場合、中間ウエブ部の一側面に水平補剛材が突設された中間部材が3個以上製造されることになる。
【0026】
また、上記の説明においては、T型端部材と中間部材とを接合した後、上下で隣接する中間部材同士を接合したが、先に、中間部材同士を接合しておき、次にこれら接合された中間部材の上下にT型端部材を接合するようにしてもよい。
【0027】
上述したように、大型の補剛桁を軽量なアルミニウム合金製にするとともに、その製作にあたっては、押出成形により製造されたフランジ部とウエブ部との接続部が一体化されたT型端部材と、同じく押出成形により製造されたウエブ部と水平補剛材との接続部が一体化された中間部材とを、それぞれのウエブ部の対向端縁同士を介して接合したので、接合線を少なくすることができ、しかもその接合に際しては摩擦攪拌接合方法を用いたので、接合部で発生する熱量も少なくなり、熱歪の発生を極力抑えて強度低下を防止することができ、したがってアルミニウム合金にとっては有利になるとともに、強度低下に対する肉厚の増加を抑えることができる。
【0028】
すなわち、アルミニウム合金により補剛桁を製作する際に、フランジ部とウエブ部との接続部を含むT型端部材、およびウエブ部と水平補剛材との接続部を含む中間部材を、それぞれ押出成形により製造することにより、例えば最大圧縮力および最大引張力が作用する端部材での溶接による入熱を無くして材料の強度低下を防止することができ、したがって水平補剛材を圧縮力が作用する側に偏って配置する必要がないので、複数の水平補剛材を補剛桁の全高(例えば、上下フランジ部の中心間高さ、またはウエブ部の全高)において均等間隔で配置することができ、しかもこの水平補剛材を均等間隔でもって配置することにより、当該補剛桁の斜め方向での座屈(せん断座屈)に対する抵抗が増加するため、通常、必要とされる垂直補剛材を省略することができ(水平補剛材だけでよい)、より一層の製作の容易化および重量の軽減化を図ることができる。
【0029】
ここで、本発明に係る補剛桁およびその製作方法により得られる効果について、詳細に述べておく。
上述したように、従来の補剛桁では、せん断座屈に対する抵抗を大きくするのに、垂直補剛材を設けたが、本発明に係る補剛桁では、垂直補剛材ではなく、水平補剛材をウエブ部の下側にも配置して複数の水平補剛材とすることで対処しようとするものである。すなわち、せん断力はウエブ部の各部分に対して水平方向と垂直方向とに同じ大きさで作用するものであり、力学的には、せん断力については、従来の補剛桁では垂直方向で抵抗するのに対し、本発明の補剛桁では水平方向で抵抗するものである。
【0030】
ところで、荷重が過大となり、せん断座屈が発生した場合、従来の補剛桁では、図5(c)および(d)に示すように、水平補剛桁54と垂直補剛桁55とで区切られたウエブ部の各部分においては、斜め方向のせん断座屈波形S2,S3が現われる。一方、図5(a)および(b)に示すように、本発明の補剛桁に現われるせん断座屈波形S1は、水平補剛材5,5同士の間隔が狭いために、従来型のせん断座屈波形、特にウエブ板の下部に現われるせん断座屈波形S3に比べると、波長が小さいものとなる。なお、図5の(a)および(c)は補剛桁の正面図、(b)および(d)は側面図である。
【0031】
一般に、棒や平板は波長の大きい波形(波の数が少ない波形)で座屈しやすいことから、本発明の構成のように、せん断座屈波形の波長が小さくなることは、せん断座屈に対して、より強度が高くなっていることを示している。
【0032】
また、本発明の構成により、複数の水平補剛材を等間隔または等間隔状に配置することは、曲げモーメントに対する抵抗の度合いである断面2次モーメントを大きくすることにもになり、すなわち曲げモーメントによる座屈に対しても有効である。
【0033】
また、本発明の構成のように、アルミニウム合金により補剛桁を製作する際に、フランジ部とウエブ部との接続部を含むT型端部材、およびウエブ部と水平補剛材との接続部を含む中間部材を、それぞれ押出成形により製造することにより、例えば最大圧縮力および最大引張力が作用する端部材での溶接による入熱を無くして部材の歪みおよび材料の強度低下を防止することができ、さらに端部材と中間部材との接合に、摩擦攪拌接合方法を用いることにより、溶接による入熱を無くして桁全体の歪みおよび接合部の強度低下を防止することができる。
【0034】
すなわち、せん断や曲げに対する強度を高めることができ、しかも押出成形(押出し材)と摩擦攪拌接合方法とを用いることで、強度低下を補うための板厚の増加を避けることができるので、従来例の補剛桁に比べて、材料を薄肉化でき、したがって全体の軽量化を図ることができる。
【0035】
また、従来例に係る補剛桁の製作においては、フランジ板とウエブ板、垂直補剛材とこの垂直補剛材に分断された形の水平補剛材を、それぞれすみ肉溶接により接合することにより行われるため、溶接作業に時間がかかる。
【0036】
これに対し、本発明の補剛桁の製作方法によれば、基本的には、押出し材の製造およびその押出し材の桁長手方向のみへの摩擦攪拌接合方法を用いた接合であり、また垂直補剛材も省略されており、より、一層の製作の容易化を図ることができる。
【0037】
ところで、上記実施の形態においては、T型端部材と水平補剛材が設けられた2個の中間部材とを接合したものとして説明したが、例えば図6に示すように、T型端部材6に中間部材7が摩擦攪拌接合方法Wにより接合されてなる結合部材8,8の中間部材7,7同士を、例えば長方形状の添板21を介して、ボルト・ナット(リベットまたはMIG溶接などの溶接)22により、接合したものであってもよい。この構成に係る補剛桁は、当該補剛桁が大型化した場合、分割して搬送する必要上、現地で接合することにより、製作し得るようにしたものである。
【0038】
また、上記実施の形態においては、ウエブ部の一方の側面にだけ、水平補剛材を設けるように説明したが、例えば図7に示すように、ウエブ部4の両側に水平補剛材5を突設してもよい。
【0039】
また、上記実施の形態においては、水平補剛材5を板状として説明したが、例えば図8に示すように、その断面がL字形状(かぎ状)の水平補剛材5′であってもよく、また図9に示すように、その断面が角形の中に中空部が形成された水平補剛材5″であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態に係る補剛桁の正面図である。
【図2】同補剛桁の側面図である。
【図3】同補剛桁の斜視図である。
【図4】同補剛桁の製作手順を説明する分解斜視図である。
【図5】本発明の補剛桁と従来例の補剛桁におけるせん断座屈波形の比較を示す図で、(a)は本発明の正面図、(b)は本発明の側面図、(c)は従来例の正面図、(d)は従来例の側面図である。
【図6】同補剛桁の変形例を示す正面図である。
【図7】同補剛桁の変形例を示す正面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る補剛桁の正面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る補剛桁の正面図である。
【図10】従来例を説明するためのI型桁の正面図である。
【図11】従来例に係る補剛桁の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 補剛桁
2 上フランジ部
3 下フランジ部
4 ウエブ部
5 水平補剛材
5′ 水平補剛材
5″ 水平補剛材
6 T型端部材
7 中間部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とから構成するとともに、
少なくとも上記T型端部材と中間部材とのウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合してなることを特徴とする補剛桁。
【請求項2】
上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とから構成するとともに、
上記T型端部材と中間部材とのウエブ部同士および上下に隣接する中間部材のウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合してなることを特徴とする補剛桁。
【請求項3】
複数の中間部材の断面形状を同一にしたことを特徴とする請求項1または2に記載の補剛桁。
【請求項4】
ウエブ部の側面に配置される複数の補剛材を、上フランジ部と下フランジ部との間に均等間隔でもって配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の補剛桁。
【請求項5】
上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁の製作方法であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とを製造し、
次に少なくとも上記T型端部材および中間部材のウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合することを特徴とする補剛桁の製作方法。
【請求項6】
上フランジ部と下フランジ部との間にウエブ部が配置されてなるI型の補剛桁の製作方法であって、
アルミニウム合金の押出成形によりフランジ部とウエブ部の一部とが一体成形された2個のT型端部材と、これら両T型端部材間に配置されて且つアルミニウム合金の押出成形により所定高さの中間ウエブ部の少なくとも一側面に水平補剛材が一体成形された複数の中間部材とを製造し、
次に上記T型端部材および中間部材のウエブ部同士並びに上下に配置された中間部材のウエブ部同士を、それぞれ摩擦攪拌接合方法を用いて接合することを特徴とする補剛桁の製作方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−37577(P2006−37577A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220990(P2004−220990)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年1月29日 大阪大学 阪大フロンティア研究機構主催の「第1回 アルミニウム合金構造物実現のためのシンポジウム」において文書をもって発表
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【出願人】(598157638)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】