説明

補助電極ラインを備えた有機電界発光素子及びその製造方法

【課題】有機膜内の残留ガス成分を除去して、アウトガス(Out-gassing)現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止し、製品の信頼性を向上させる有機電界発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、有機電界発光素子に補助電極ラインを形成することで、第2電極のIRドロップ(IR drop)を防止し、複数のパターン及びトレンチ(Trench)を具備するように前記補助電極ラインを形成することによって、前記補助電極ラインと第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させ、キュアリング(Curing)時に熱伝逹を最適化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光素子及びその製造方法に関し、より詳細には、有機電界発光素子に補助電極ラインを形成することで、第2電極のIRドロップ(IR drop)を防止し、複数のパターン及びトレンチ(Trench)を具備するように前記補助電極ラインを形成することによって、前記補助電極ラインと第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させ、キュアリング(Curing)時に熱伝逹を最適化することによって、有機膜内の残留ガス成分を除去して、アウトガス(Out-gassing)現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止し、製品の信頼性を向上させる有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示素子(Flat Panel Display Device)のうち有機電界発光素子(Organic Electroluminescence Display Device)は、自発光であり、視野角が広く、応答速度が速く、厚みが薄く、製作コストが低く、コントラスト(Contrast)が高いなどの特性を有することから、今後の次世代平板表示素子として注目されている。
【0003】
通常、有機電界発光素子は、アノード電極とカソード電極との間に有機発光層を含み、アノード電極から供給される正孔と、カソード電極から供給される電子とが有機発光層内で結合して、正孔−電子対である励起子を形成し、さらに前記励起子が底状態に戻りながら発生するエネルギーにより発光するようになる。
【0004】
一般的に、有機電界発光素子は、マトリクス形態で配置されたN×M個の画素を駆動する方式によって、パッシブマトリクス(Passive matrix)方式とアクティブマトリクス(Active matrix)方式とに分けられる。前記パッシブマトリクス方式は、アノード電極とカソード電極とを直交するように形成し、ラインを選択して駆動する。一方、アクティブマトリクス方式は、表示領域が各画素毎に薄膜トランジスタとキャパシタを各画素電極に接続し、キャパシタ容量により電圧を維持する駆動方式である。
【0005】
前記アクティブマトリクス有機電界発光素子は、各単位画素が基本的にスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ、キャパシタ及びEL素子を具備し、前記駆動トランジスタ及びキャパシタには、電源供給ラインから共通電源(Vdd)が提供され、前記電源供給ラインは、駆動トランジスタを介してEL素子に流れる電流を制御する役目をする。また、補助電極ラインは、補助電源供給ラインであって、第2電極に電源を供給して、ソース/ドレイン間の電圧と第2電極に電位差を形成させて、電流を流れるようにする。
【0006】
図1は、従来のアクティブ型有機電界発光素子及びその製造方法を示す断面図である。
【0007】
図1を参照すれば、従来のアクティブ型有機電界発光素子は、パネル領域aと配線領域bを有する基板100上にバッファ層105が形成されている。前記パネル領域aのバッファ層105の上部には、ソース/ドレイン領域110c、110a及びチャンネル領域110bを含む半導体層110がパターニングされて形成されている。
【0008】
次いで、前記半導体層110の上部全体にわたってゲート絶縁膜120が形成されていて、前記パネル領域aのゲート絶縁膜120上に、前記チャンネル領域110bに対応するようにゲート電極130が形成されている。前記ゲート電極130上部の基板の全面にわたって絶縁膜140が形成されていて、前記パネル領域aの絶縁膜140内に形成されているコンタクトホール(Contact Hole)141を介して前記半導体層110のソース/ドレイン領域110c、110aとソース/ドレイン電極145とが連結されている。これにより、前記半導体層110、ゲート130及びソース/ドレイン電極145からなる薄膜トランジスタが形成される。この際、前記配線領域bにも、前記ソース/ドレイン電極145物質と同じ物質からなる第1導電性パターン147が形成されていて、前記第1導電性パターン147は、補助電極ラインとなる。
【0009】
次いで、前記ソース/ドレイン電極145及び第1導電性パターン147の上部の基板の全面にわたってパッシベーション膜及び平坦化膜のような絶縁膜150が形成されていて、前記配線領域bの第1導電性パターン147の上部に形成された絶縁膜150は、エッチングにより除去されている。
【0010】
前記パネル領域aの絶縁膜150の上部に、前記ソース/ドレイン電極145のいずれか1つを露出させるビアホール155が形成されていて、前記ビアホール155を介して前記ソース/ドレイン電極145に当接し、且つ絶縁膜150上に延長するように第1電極170がパターニングされて形成されている。
【0011】
次いで、配線領域bを除いた第1電極170及び絶縁膜150の上部に開口部を有する画素定義膜175がさらに形成されている。次いで、前記パネル領域aの開口部内に露出した第1電極170上に、少なくとも有機発光層を含む有機膜層180がパターン化されて形成されていて、基板の全面にわたって前記有機膜層180の上部に第2電極190が形成されている。前記配線領域bの第2電極190は、第1導電性パターン147を電気的に連結させる。
【0012】
前記第1導電性パターン147は、前記パネル領域aのソース/ドレイン電極145物質と同じ物質からなるが、従来のように、前記第1導電性パターン147の線幅が広い場合、前記第1導電性パターン147の材料であるタングステンモリブデン(MoW)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)などが有する初期物性の特性である熱容量がシリコン窒化膜(SiNx)より高くて、その差によりタングステンモリブデン(MoW)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)などはシリコン窒化膜(SiNx)への熱伝逹性が悪い。これにより、有機膜のキュアリング時に、領域別にリフロー(Reflow)が良好に行われず、領域別にキュアリング効果が異なり、キュアリング後、領域によって有機膜の厚みが異なる。また有機膜内の残留ガス成分により有機発光層へのアウトガス現象が生じ、よって、有機発光層の劣化による画素収縮現象が発生するという問題点を抱いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、有機電界発光素子に補助電極ラインを形成することで、第2電極のIRドロップ(IR drop)を防止し、複数のパターン及びトレンチ(Trench)を具備するように前記補助電極ラインを形成することによって、前記補助電極ラインと第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させ、キュアリング(Curing)時に熱伝逹を最適化することによって、有機膜内の残留ガス成分を除去して、アウトガス(Out-gassing)現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止し、製品の信頼性を向上させる有機電界発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明の一態様に係る有機電界発光素子は、パネル領域及び配線領域を有する基板;前記基板上のパネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に複数のパターンで形成されている第1導電性パターン;前記第1導電性パターンの上部に形成されていて、少なくとも第1導電性パターンが露出するように形成されている絶縁膜;前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極、及び前記配線領域の第1導電性パターン上に複数のパターンで形成されている第2導電性パターン;前記パネル領域の第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層;及び基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の他の態様に係る有機電界発光素子は、パネル領域及び配線領域を有する基板;前記基板上のパネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に形成されていて、トレンチを有する第1導電性パターン;前記第1導電性パターンの上部に形成されていて、少なくとも第1導電性パターンが露出するように形成されている絶縁膜;前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極;前記パネル領域の第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層;及び基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のさらに他の様態に係る有機電界発光素子は、パネル領域及び配線領域を有する基板;前記基板上のパネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に複数のパターンで形成される第1導電性パターン;前記第1導電性パターンの上部が少なくとも露出するように形成されている絶縁膜;前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極、及び前記配線領域の絶縁膜内に第1導電性パターンに接するように複数のパターンで形成される第2導電性パターン;前記パネル領域の第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層;及び基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のさらに他の態様に係る有機電界発光素子は、パネル領域及び配線領域を有する基板;前記基板上の前記パネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に形成されていて、トレンチを有する第1導電性パターン;前記第1導電性パターンの上部に形成されていて、少なくとも第1導電性パターンの上部を露出させる絶縁膜;前記ソース/ドレイン電極の上部に形成され、第1導電性パターンの上部には、エッチングにより除去されて形成されている絶縁膜;前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極;前記第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層;及び基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、有機電界発光素子に補助電極ラインを形成することで、第2電極のIRドロップ(IR drop)を防止し、複数のパターン及びトレンチ(Trench)を具備するように前記補助電極ラインを形成することによって、前記補助電極ラインと第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させ、キュアリング(Curing)時に熱伝逹を最適化することによって、有機膜内の残留ガス成分を除去して、アウトガス(Out-gassing)現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止し、製品の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0020】
図2は、本発明の第1実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【0021】
図2を参照すれば、本発明の第1実施形態による有機電界発光素子は、パネル領域aと配線領域bを有する基板300の全面にわたってシリコン窒化膜、シリコン酸化膜又はこれらの二重層からなるバッファ層305が形成される。前記バッファ層305上のパネル領域aに、多結晶シリコンまたは非晶質シリコンで膜を形成した後、パターニングして、ソース/ドレイン領域310c、310a及びチャンネル領域310bを含む半導体層310が形成される。好ましくは、前記半導体層310は、多結晶シリコンで形成される。
【0022】
次いで、前記半導体層310を含む基板の上部全体にわたってゲート絶縁膜320が形成される。前記ゲート絶縁膜320は、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜またはこれらの二重層で形成されることができる。
【0023】
次いで、前記パネル領域aのゲート絶縁膜320上に、ゲート金属物質を蒸着した後、パターニングして、半導体層310の所定領域に対応するゲート330が形成される。
【0024】
次いで、マスクを用いてn型またはp型不純物のいずれか1つを半導体層310にイオン注入して、前記半導体層310にソース/ドレイン領域310c、310a及び前記ソース/ドレイン領域310c、310aの間に介在されたチャンネル領域310bが定義される。
【0025】
次いで、前記ゲート330を含む基板の上部全体にわたってシリコン酸化膜、シリコン窒化膜またはこれらの二重層からなる層間絶縁膜340が形成され、前記パネル領域aの層間絶縁膜340内に、前記ソース/ドレイン領域310c、310aを露出させるコンタクトホール341を形成する。
【0026】
次いで、前記パネル領域aには、コンタクトホール341を含む層間絶縁膜340上に金属物質を蒸着した後、パターニングして、コンタクトホール341を介して前記半導体層310のソース/ドレイン領域310c、310aに各々コンタクトするソース/ドレイン電極345が形成され、配線領域bには、前記金属物質をエッチングして、凹凸構造の第1導電性パターン347が形成される。この際、前記第1導電性パターン347は、前記ソース/ドレイン電極345の物質と同じ物質からなる。前記ソース/ドレイン電極345は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステンシリサイド(WSi)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選ばれる1種で形成される。
【0027】
前記第1導電性パターン347は、複数のパターンで形成され、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmである。前記線幅が1μm以下なら、第2電極のIRドロップが発生する可能性があり、前記線幅が750μm以上なら、キュアリング時、リフローが良好に行われず、有機膜が厚く形成され、有機膜内の残留ガス成分により有機発光層へのアウトガス現象が発生する可能性がある。
【0028】
前記スペースは、5μm以上として、現在の有機EL用装備許容範囲で最小線幅を維持しなければならないし、350μm以下とすればIRドロップに影響を与えない。
【0029】
前記補助電極ラインの一部を形成する第1導電性パターン347は、前記ソース/ドレイン電極345の物質の材料であるモリブデン(Mo)及びタングステン(W)が有する初期物性の特性である熱容量がシリコン窒化膜(SiNx)より高くて、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などはシリコン窒化膜(SiNx)への熱伝逹性が悪い。これにより、有機膜のキュアリング時、領域別にリフローが良好に行われず、領域別にキュアリング効果が異なり、キュアリング後、領域によって有機膜の厚みが異なるので、線幅を低減し、第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させ、熱伝逹を最適化するために、複数のパターンで形成する。従って、段差が小さい均一な厚みの有機膜を形成できるだけでなく、有機膜内の残留ガス成分を除去して、有機発光層内へのアウトガス現象を防止することができ、有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止することができる。
【0030】
以上のように、前記半導体層310、ゲート電極330及びソース/ドレイン電極345で薄膜トランジスタを形成する。
【0031】
次いで、前記パネル領域aの前記薄膜トランジスタの上部及び配線領域bの前記第1導電性パターン347上に絶縁膜350が形成される。前記絶縁膜350は、パッシベーション膜及び/または平坦化膜を含んで形成される。前記パッシベーション膜は、上部の汚染から前記薄膜トランジスタを保護するために形成され、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜またはこれらの二重層からなる。前記平坦化膜は、アクリル樹脂(Acryl Resin)、ベンゾシクロブテン(Benzo Cyclo Butene;BCB)、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリアミド(polyamide;PA)またはフェノール樹脂のような有機物質から選択される1種で形成される。次いで、前記絶縁膜350は、硬化のためにキュアリングされる。
【0032】
前記パネル領域aの絶縁膜は、最小限の領域を除いてフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により分離して形成され、この際、配線領域bの絶縁膜350は、少なくとも第1導電性パターン347の上部を露出させるようにエッチングされる。前記パネル領域a及び第1導電性パターン347の上部の絶縁膜を除去することによって、後続工程の有機膜層蒸着後、前記有機絶縁膜から有機発光層内へのアウトガス現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止することができる。
【0033】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給ラインVdd及びデータラインVdataは同時に形成され、データライン、電源供給ライン及び補助電極の両端にリンクホール(Link Hole)を介して連結される。
【0034】
次いで、パネル領域aの絶縁膜350内に前記ソース電極/ドレイン電極345のいずれか1つを露出させるビアホール355が形成される。
【0035】
次いで、前記ビアホール355を介して前記ソース/ドレイン電極345に当接するように第1電極370が形成される。前記第1電極370は、アノード電極である場合には、仕事関数が高いITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)からなる透明電極であるか、下部層にアルミニウムまたはアルミニウム合金などのような高反射率の特性を有する金属からなる反射膜を含む透明電極であってもよい。前記第1電極は、カソード電極である場合には、仕事関数が低い導電性の金属で、Mg、Ca、Al、Ag及びこれらの合金よりなる群から選ばれた1つの物質からなる厚膜の反射電極であるか、薄膜の反射電極であってもよい。
【0036】
次いで、前記第1電極370の形成時、配線領域bの第1導電性パターン347の上部に、第2導電性パターン371が複数のパターンで形成されることで、補助電極ライン373が形成される。前記第2導電性パターン371は、前記第1電極370の物質と同じ物質からなり、前記第1導電性パターン347を電気的に連結させる。前記複数のパターンで形成された第2導電性パターン371は、後続工程で形成される第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させることによって、有機膜のキュアリング時に熱伝逹を最適化させることができる。また、前記第2導電性パターン371の形成は、前記パネル領域aに形成されている第1電極370のパターニング時に、エッチャント(Etchant)や現像により配線領域bの第1導電性パターン347が露出することを防止し、配線損傷を防止する。
【0037】
次いで、前記パネル領域aの第1電極370の上部に有機物を積層した後、エッチングにより開口部を有する画素定義膜375をさらに形成することができる。前記画素定義膜375は、有機系で、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB)またはフェノール樹脂よりなる群から選ばれる1種で形成される。
【0038】
次いで、前記パネル領域aの開口部内に露出した第1電極370上に、少なくとも有機発光層を含む有機膜層380が形成される。前記有機膜層380は、前記有機発光層以外にも正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層の中から1つ以上の層をさらに含むことができる。
【0039】
次いで、前記有機膜層380を含む基板の上部全体にわたって第2電極390が形成される。前記第2電極390は、第1電極370がアノード電極であって、透明電極であるか、反射膜を含む透明電極である場合には、仕事関数が低い導電性の金属で、Mg、Ca、Al、Ag及びこれらの合金よりなる群から選ばれた1つの物質からなる反射電極で形成され、前記第1電極370がカソード電極である場合には、ITOまたはIZOのような透明電極で形成される。
【0040】
以下、本発明の第1実施形態による前記有機電界発光素子の製造方法を説明する。
【0041】
図2を参照すれば、前記製造方法は、ガラス、プラスチックまたは石英などのような基板300を提供する。前記基板は、パネル領域aと配線領域bを有する。次いで、前記基板300上にシリコン窒化膜、シリコン酸化膜又はこれらの二重層からなるバッファ層305を形成する。
【0042】
前記バッファ層は、プラズマ化学気相蒸着法(PECVD;Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)または低圧化学気相蒸着法(LPCVD;Low-Pressure Chemical Vapor Deposition)などのような方式を用いて形成する。
【0043】
前記バッファ層305上の前記パネル領域aに、ソース/ドレイン領域310c、310a及びチャンネル領域310bを有する半導体層310を形成する。
【0044】
前記半導体層310は、非晶質シリコンを化学気相蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)方式を用いて蒸着した後、結晶化法を用いてポリシリコン膜で結晶化させた後、パターニングして形成する。前記CVD方式には、PECVD、LPCVDのような化学的気相蒸着法を利用することができる。この際、前記非晶質シリコンをPECVD方式で行う場合には、シリコン膜の蒸着後、熱処理により脱水素処理して、水素の濃度を低減する工程を遂行する。
【0045】
また、前記非晶質シリコン膜の結晶化法は、RTA(Rapid Thermal Annealing)工程、MIC法(Metal Induced Crystallization)、MILC法(Metal Induced Lateral Crystallization)、SPC法(Solid Phase Crystallization)、ELA法(Excimer Laser Crystallization)またはSLS法(Sequential Lateral Solidification)の中からいずれか1つ以上を利用できる。
【0046】
次いで、基板の全面にわたって前記半導体層310の上部にゲート絶縁膜320を形成する。前記ゲート絶縁膜320は、PECVDまたはLPCVDのような方式を用いて積層する。
【0047】
次いで、前記パネル領域aのゲート絶縁膜320上にゲート形成物質を蒸着した後、パターニングして、半導体層310の所定領域に対応するゲート電極330を形成する。前記ゲート電極330は、ポリシリコン膜で形成する場合、非晶質シリコンを用いて前記半導体層310の形成方法と同様に形成し、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステンシリサイド(WSi)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選ばれる1つで形成する場合、LPCVDまたはPECVD方式により蒸着後、パターニングして形成する。
【0048】
次いで、マスクを用いて前記半導体層310に不純物を注入することによって、前記半導体層にソース/ドレイン領域310c、310aを形成すると同時に、前記ソース/ドレイン領域310c、310aの間に介在されたチャンネル領域310bを定義する。
【0049】
前記不純物は、n型またはp型不純物のいずれか1つであり、n型不純物は、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)などから選ばれる1種で形成し、p型不純物は、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などから選択される1種で形成する。
【0050】
次いで、基板の全面にわたって前記ゲート330の上部に層間絶縁膜340を形成する。前記層間絶縁膜340は、PECVDまたはLPCVDのような方式を用いて積層する。
【0051】
次いで、前記パネル領域aの層間絶縁膜340内に、前記半導体層310のソース/ドレイン領域310c、310aを各々露出させるコンタクトホール341を形成する。
【0052】
次いで、前記パネル領域aには、コンタクトホール341を含む層間絶縁膜340上に金属物質を蒸着した後、パターニングして、コンタクトホール341を介して前記半導体層310のソース/ドレイン領域310c、310aに各々コンタクトするソース/ドレイン電極345を形成し、配線領域bには、前記金属物質をエッチングして複数のパターンで第1導電性パターン347を形成する。この際、前記第1導電性パターン347は、前記ソース/ドレイン電極345の物質と同じ物質からなる。前記ソース/ドレイン電極345は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステンシリサイド(WSi)及びモルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選ばれる1種で形成する。
【0053】
前記第1導電性パターン347は、複数のパターンで形成し、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmで形成する。
【0054】
前記補助電極ライン373の一部を形成する第1導電性パターン347は、前記ソース/ドレイン電極345の物質の材料であるモリブデン(Mo)及びタングステン(W)が有する初期物性の特性である熱容量がシリコン窒化膜(SiNx)より高くて、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などはシリコン窒化膜(SiNx)への熱伝逹性が悪い。これにより、有機膜のキュアリング時、領域別にリフローが良好に行われず、領域別にキュアリング効果が異なり、キュアリング後、領域によって有機膜の厚みが異なり、有機膜内に残留ガス成分が存在するので、キュアリング時、リフロー効果を極大化するために、線幅を低減し、複数のパターンで形成する。
【0055】
以上のように、前記半導体層310、ゲート電極330及びソース/ドレイン電極345は、薄膜トランジスタを形成する。
【0056】
前記パネル領域aの前記薄膜トランジスタの上部及び配線領域bの前記第1導電性パターン347上に絶縁膜350を形成する。前記絶縁膜350は、パッシベーション膜及び/または平坦化膜を含んで形成する。前記パッシベーション膜は、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜またはこれらの二重層からなる。前記平坦化膜は、アクリル樹脂(Acryl Resin)、ベンゾシクロブテン(Benzo Cyclo Butene;BCB)、ポリイミド(polyimide;PI)、ポリアミド(polyamide;PA)またはフェノール樹脂のような有機物質の中から選ばれる1種で形成し、スピンコート方式により積層後、前記絶縁膜350を硬化させるためにキュアリングする。
【0057】
前記パネル領域aの絶縁膜は、前記パネル領域a及び配線領域bの最小限の領域を除いてフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により分離して形成する。この際、配線領域bの絶縁膜350は、少なくとも第1導電性パターン347の上部を露出させるようにエッチングする。前記パネル領域aの絶縁膜の分離及び第1導電性パターン347の上部の絶縁膜を除去することによって、後続工程の有機膜層蒸着後、前記有機絶縁膜から有機発光層内へのアウトガス現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止できる。
【0058】
図3は、有機電界発光素子の各層によるキュアリング後の絶縁膜の厚みを示すグラフである。
【0059】
図3を参照すれば、補助電極ライン、画素部及びデータラインVdataの現像(Develop)後、絶縁膜の厚みは、画素部、補助電極ライン、データラインの順に小さい。しかし、前記現像した膜をキュアリング後、絶縁膜の厚みを測定すれば、画素部、データライン、補助電極ラインの順にキュアリングが容易に行われ、補助電極ライン部がキュアリングは良好に行われないことを確認することができる。
【0060】
図4は、補助電極ライン及びデータラインの材料及び線幅によるキュアリング後の絶縁膜の厚みを示すグラフである。
【0061】
図4を参照すれば、線幅が750μmである補助電極ラインの第1導電性パターンと、線幅が6μmであるデータラインとを比較した結果、現像後の有機絶縁膜PC459の厚みは、両者共にいずれも1.8μm乃至1.85μmであり、有意差が認められなかった。
【0062】
しかし、シリコン窒化膜(SiNx)/ガラス(glass)でキュアリングを実施した結果、線幅が750μmである補助電極ラインの第1導電性パターンの絶縁膜は、厚みが0.13μm減少し、線幅が6μmであるデータラインの絶縁膜は、厚みが0.3μm減少した。また、シリコン窒化膜(SiNx)/タングステンモリブデン(MoW)でキュアリングを実施した結果、線幅が750μmである補助電極ラインの第1導電性パターンの絶縁膜は、厚みが0.16μm減少し、線幅が6μmであるデータラインの絶縁膜は、厚みが0.1μm減少した。また、タングステンモリブデン(MoW)/ガラス(glass)でキュアリングを実施した結果、線幅が750μmである補助電極ラインの第1導電性パターンの絶縁膜は、厚みが減少せず、線幅が6μmであるデータラインの絶縁膜の厚みは、0.05μm減少した。これにより、補助電極ラインの第1導電性パターンの線幅を小さくしてキュアリングを実施する場合、キュアリング能力が向上することが確認できた。
【0063】
表1及び図5は、第1導電性パターン物質の物性の特性値を示し、表2及び図6は、第1導電性パターン物質の温度による熱容量を示すのである。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【0066】
前記表1及び図5は、第1導電性パターンの材料に使われる物性の特性値として、シリコン窒化膜(SiNx)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)の熱伝導度は、有意差が認められないが、アルミニウム(Al)は、前記シリコン窒化膜(SiNx)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)に比べて0.2cal/cm*s程度高いことが分かる。しかし、熱容量においては、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)がアルミニウムAlやシリコン窒化膜(SiNx)に比べて高い値を有することが分かる。
【0067】
また、表2及び図6を参照すれば、シリコン窒化膜(SiNx)、1400cal、260℃を基準にした時、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びアルミニウム(Al)の熱容量がシリコン窒化膜(SiNx)より高くて、その差によりモリブデン(Mo)、タングステンW及びアルミニウム(Al)はシリコン窒化膜(SiNx)への熱伝逹性が悪いため、有機膜のキュアリング時、リフローが良好に行われないことがわかる。これにより、前記第1導電性パターン347は、凹凸構造を有するように形成することが好ましく、キュアリング時、リフローを極大化するために、線幅は1μm乃至750μm、スペースは、5μm乃至350μmにして複数のパターンで形成する。
【0068】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給ラインVdd及びデータラインVdataを同時に形成して、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結する。
【0069】
次いで、パネル領域aの絶縁膜350内に前記ソース電極/ドレイン電極345のいずれか1つを露出させるビアホール355を形成する。
【0070】
次いで、前記ビアホール355を介して露出したソース/ドレイン電極345に当接し、且つ前記絶縁膜350上に延長した第1電極370を形成する。前記第1電極370は、スパッタリング(Sputtering)またはイオンプレーティング(Ion Plating)のような方法で形成する。好ましくは、第1電極370は、通常のスパッタリング方法で形成する。前記第1電極370は、蒸着後、フォト工程で形成されたフォトレジスト(PR)層のパターンを利用したエッチング工程によりパターニングされる。
【0071】
次いで、前記配線領域bの第1導電性パターン347の上部に第2導電性パターン371を複数のパターンで形成することによって、補助電極ライン373を形成する。前記第2導電性パターン371は、前記第1導電性パターン371を電気的に連結させ、前記第1電極370の物質と同じ物質である。前記第2導電性パターン371は、後続工程で形成される第2電極との接触面積を小さくして、熱抵抗を減少させ、熱伝逹を最適化するために、複数のパターンで形成する。また、前記第2導電性パターン371の形成は、前記パネル領域aに形成されている第1電極370のパターニング時に、エッチャントや現像により配線領域bの第1導電性パターン347が露出することを防止し、配線損傷を防止する。
【0072】
次いで、前記パネル領域aの第1電極370の上部に有機物を積層後、エッチングにより開口部を有する画素定義膜375をさらに形成することができる。前記画素定義膜375は、有機系で、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB)またはフェノール樹脂よりなる群から選ばれる1種で形成され、スピンコート方式で積層される。
【0073】
次いで、前記パネル領域aの開口部内に露出した第1電極370上に少なくとも有機発光層を含む有機膜層380を形成する。前記有機膜層380は、真空蒸着、スピンコート、インクジェットプリント、レーザ熱転写法(LITI;Laser Induced Thermal Imaging)などの方法で積層する。好ましくは、スピンコート方式により積層する。また、前記有機膜層380をパターニングすることは、レーザ熱転写法、シャドウマスクを用いた真空蒸着法などを使用して具現できる。
【0074】
前記有機発光層としては、低分子物質または高分子物質のいずれも可能である。前記低分子物質は、アルミニウムキノリノール錯体(Alq)、アントラセン(Anthracene)、シクロペンタジエン(Cyclopentadiene)、BeBq、Almq、ZnPBO、Balq、DPVBi、BSA−2及び2PSPよりなる群から選ばれる1種で形成する。前記高分子物質は、ポリフェニレン(PPP;polyphenylene)及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV;polyp-phenylenevinylene)及びその誘導体、及びポリチオフェン(PT;polythiophene)及びその誘導体よりなる群から選ばれる1種で形成する。
【0075】
次いで、基板の全面にわたって前記有機膜層380の上部に第2電極390を形成する。前記第2電極390は、真空蒸着法で形成する。
前記第2電極390まで形成された基板を上部基板と封止することによって、有機電界発光素子を完成する。
【0076】
図7は、本発明の第2実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【0077】
図7を参照すれば、本発明の第2実施形態による有機電界発光素子は、パネル領域a及び配線領域bを有する基板300上に層間絶縁膜340が形成される工程までは、前記第1実施形態と同様の構造で形成される。
【0078】
次いで、前記パネル領域aには、コンタクトホール341を含む層間絶縁膜340上に金属物質を蒸着した後、パターニングして、コンタクトホール341を介して前記半導体層310のソース/ドレイン領域310c、310aと各々コンタクトするソース/ドレイン電極345が形成され、配線領域bには、前記金属物質をエッチングして、トレンチを有する第1導電性パターン347が形成される。この際、前記第1導電性パターン347は、前記ソース/ドレイン電極345の物質と同じ物質からなる。
【0079】
前記第1導電性パターン347は、第1実施形態の複数のパターン構造とは異なって、トレンチを有し、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmである。
【0080】
前記トレンチを有する第1導電性パターン347は、線幅を低減することによって、キュアリング時、リフロー特性が優秀である。
【0081】
次いで、前記パネル領域aの前記薄膜トランジスタの上部及び前記第1導電性パターン347上に絶縁膜350が形成される。前記絶縁膜350は、パッシベーション膜及び/または平坦化膜を含んで形成される。次いで、前記絶縁膜350を硬化させるために、キュアリングする。前記パネル領域aの絶縁膜は、最小限の空間を除いてフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により分離して形成される。この際、配線領域bの第1導電性パターン347の上部の絶縁膜350は、エッチングにより除去される。前記第1導電性パターン347の上部の絶縁膜を除去することによって、後続工程の有機膜層蒸着後、前記有機絶縁膜から有機発光層内へのアウトガス現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止できる。
【0082】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給ラインVdd及びデータラインVdataが同時に形成され、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結される。
【0083】
次いで、パネル領域aの絶縁膜350内に前記ソース電極/ドレイン電極345のいずれか1つを露出させるビアホール355が形成される。
【0084】
次いで、前記ビアホール355を介して前記ソース/ドレイン電極345に当接し、且つ絶縁膜350上に延長する第1電極370を形成する。
【0085】
次いで、前記パネル領域aの第1電極370の上部に有機物を積層後、エッチングにより開口部を有する画素定義膜375をさらに形成できる。
【0086】
次いで、前記パネル領域aの開口部内に露出した第1電極370上に、少なくとも有機発光層を含む有機膜層380を形成する。
【0087】
次いで、基板の全面にわたって前記有機膜層380の上部に第2電極390を形成する。この際、配線領域bの第1導電性パターン347は、第2電極390と直接接触して電気的に連結され、第1実施形態におけるような補助電極ライン373となる。
【0088】
図7を参照して本発明の第2実施形態による有機電界発光素子の製造方法を説明する。
【0089】
図7を参照すれば、層間絶縁膜340を形成する工程までは、前記第1実施形態の製造方法と同様である。
【0090】
次いで、前記層間絶縁膜340上に基板の全面にわたってソース/ドレイン電極345を積層する。前記パネル領域aのソース/ドレイン電極345をエッチングしてパターニングすると同時に、前記配線領域bに前記ソース/ドレイン電極345の物質をエッチングして、トレンチを有する第1導電性パターン347を形成する。
【0091】
前記トレンチを有する第1導電性パターン347は、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmである。
【0092】
以上のように、前記半導体層310、ゲート電極330及びソース/ドレイン電極345は薄膜トランジスタを形成する。
【0093】
前記パネル領域aの前記薄膜トランジスタの上部及び配線領域bの前記第1導電性パターン347上に絶縁膜350を形成する。前記絶縁膜350は、パッシベーション膜及び/または平坦化膜を含んで形成する。次いで、前記絶縁膜350を硬化させるために、キュアリングする。前記パネル領域aの絶縁膜は、最小限の領域を除いてフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により分離して形成する。この際、配線領域bの第1導電性パターン347の上部の絶縁膜350は、エッチングにより除去する。前記第1導電性パターン347の上部の絶縁膜を除去することによって、後続工程の有機膜層蒸着後、前記有機絶縁膜から有機発光層内へのアウトガス現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止できる。
【0094】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給ラインVdd及びデータラインVdataを同時に形成して、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結する。
【0095】
次いで、パネル領域aの絶縁膜350内に前記ソース電極/ドレイン電極345のいずれか1つを露出させるビアホール355を形成する。
【0096】
次いで、前記ビアホール355を介して前記露出したソース/ドレイン電極345に当接し、且つ前記絶縁膜350上に延長した第1電極370を形成する。
【0097】
次いで、前記パネル領域aの第1電極370の上部に有機物を積層後、エッチングにより開口部を有する画素定義膜375をさらに形成できる。
【0098】
次いで、有機膜層380の形成工程から基板の全面にわたって第2電極390を形成する工程までは、第1実施形態と同様である。この際、第1導電性パターン347は、第2電極に直接接触し、単独で補助電極ライン373を形成する。
【0099】
図8は、本発明の第3実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【0100】
図8を参照すれば、本発明の第3実施形態による有機電界発光素子は、パネル領域aと配線領域bを有する基板300の上部全面にわたってゲート絶縁膜320が形成される工程までは、前記第1、2実施形態と同様の構造で形成される。
【0101】
次いで、前記パネル領域aのゲート絶縁膜320上にゲート電極330が形成される。この際、前記ゲート絶縁膜320の配線領域bにゲート電極330の物質からなる第1導電性パターン347が複数のパターンで形成される。前記第1導電性パターン347は、前記実施形態1と同様の方法で形成される。
【0102】
前記複数のパターンで形成された第1導電性パターン347は、線幅を低減することによって、キュアリング時、リフロー特性が優秀である。
【0103】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給ラインVdd及びデータラインVdataを同時に形成して、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結する。
【0104】
次いで、前記ゲート330及び第1導電性パターン347の上部に層間絶縁膜340が形成される。
【0105】
前記層間絶縁膜340の上部にソース/ドレイン電極345が形成される構造は、前記第1、2実施形態と同様である。
【0106】
次いで、前記パネル領域aの薄膜トランジスタ及び配線領域bの第1導電性パターン347の上部に絶縁膜350が形成される。次いで、前記絶縁膜350を硬化させるために、キュアリングする。前記パネル領域aの薄膜トランジスタの上部には、絶縁膜350が最小限の領域を除いてフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により分離して形成され、この際、前記配線領域bの絶縁膜は、前記第1導電性パターン347の上部の一部を除いてエッチングにより除去する。前記第1導電性パターン347の上部の絶縁膜を除去することによって、後続工程の有機膜層蒸着後、前記有機絶縁膜から有機発光層内へのアウトガス現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止できる。
【0107】
次いで、第1電極370が形成される工程から第2電極390が形成される工程は、前記第1実施形態と同様である。
【0108】
図8を参照して本発明の第3実施形態による有機電界発光素子の製造方法を説明す
る。
【0109】
図8を参照すれば、基板300上にゲート絶縁膜320が形成される工程までは、前記第1及び第2実施形態の製造方法と同様である。
【0110】
次いで、前記パネル領域aのゲート絶縁膜320上にゲート電極330を形成する。この際、前記ゲート絶縁膜320の配線領域bにゲート電極330の物質と同じ物質からなる第1導電性パターン347を複数のパターンで形成する。前記第1導電性パターン347は、前記実施形態1と同様の方法で形成される。前記複数のパターンで形成された第1導電性パターン347は、線幅を低減することによって、キュアリング時、リフロー特性が優秀である。
【0111】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給Vddライン及びデータVdataラインを同時に形成して、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結する。
【0112】
次いで、前記ゲート330及び第1導電性パターン347の上部に層間絶縁膜340を形成する。前記層間絶縁膜340の上部にソース/ドレイン電極345を形成する方法は、前記第1及び第2実施形態と同様である。
【0113】
次いで、前記パネル領域aの薄膜トランジスタ及び配線領域bの第1導電性パターン347の上部に絶縁膜350が形成される。次いで、前記絶縁膜350を硬化させるために、キュアリングする。前記パネル領域aの薄膜トランジスタの上部には、絶縁膜350が最小限の領域を除いてフォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により分離して形成され、この際、前記配線領域bの絶縁膜は、前記第1導電性パターン347の上部の一部を除いてエッチングにより除去する。前記第1導電性パターン347の上部の絶縁膜を除去することによって、後続工程の有機膜層蒸着後、前記有機絶縁膜から有機発光層内へのアウトガス現象に起因した有機発光層の劣化による画素収縮現象を防止できる。
【0114】
次いで、第1電極370を形成する工程から第2電極390を形成する工程は、前記第1、第2実施形態と同様である。
【0115】
図9は、本発明の第4実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【0116】
図9を参照すれば、本発明の第4実施形態による有機電界発光素子は、パネル領域aと配線領域bを有する基板300上にゲート絶縁膜320が形成される工程までは、前記第1、第2及び第3実施形態と同様の構造で形成される。
【0117】
次いで、前記パネル領域aのゲート絶縁膜320上にゲート電極330がパターニングされて形成される。この際、前記ゲート絶縁膜320の配線領域bに、ゲート電極330の物質からなり、トレンチを有する第1導電性パターン347が形成される。前記第1導電性パターン347は、前記第2実施形態と同様の方法で形成される。
【0118】
前記第1導電性パターン347は、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmとなるように形成され、線幅を低減することによって、キュアリング時、リフロー特性が優秀である。
【0119】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給Vddライン及びデータVdataラインが同時に形成され、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結される。
【0120】
次いで、前記ゲート330及び第1導電性パターン347の上部に層間絶縁膜340が形成される。
【0121】
前記層間絶縁膜340の上部にソース/ドレイン電極345及び絶縁膜350が形成される構造は、前記第3実施形態と同様である。
【0122】
次いで、前記パネル領域aの絶縁膜350内にビアホール355により前記ソース/ドレイン電極345に当接し、且つ絶縁膜350上に延長する第1電極370が形成される。
【0123】
次いで、前記第1電極370上に画素定義膜375が形成される工程から第2電極390が形成される工程は、前記第2実施形態と同様である。
【0124】
図9を参照して本発明の第4実施形態による有機電界発光素子の製造方法を説明する。
【0125】
図9を参照すれば、基板300上にゲート絶縁膜320が形成される工程までは、前記第1、第2及び第3実施形態の製造方法と同様である。
【0126】
次いで、前記パネル領域aのゲート絶縁膜320上にゲート330をパターニングして形成する。この際、前記ゲート絶縁膜320の配線領域bにゲート電極330の物質からなり、トレンチを有する第1導電性パターン347を形成する。前記第1導電性パターン347は、前記第2実施形態と同様の方法で形成する。
【0127】
前記第1導電性パターン347は、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmとなるように形成され、キュアリング時、リフロー特性が優秀である。
【0128】
前記第1導電性パターン347の形成時、電源供給Vddライン及びデータVdataラインを同時に形成し、データライン、電源供給ライン及び補助電極ラインの両端にリンクホールを介して連結する。
【0129】
次いで、前記ゲート330及び第1導電性パターン347の上部に層間絶縁膜340を形成する。
【0130】
前記層間絶縁膜340の上部にソース/ドレイン電極345及び絶縁膜350を形成する方法は、前記第3実施形態と同様である。
【0131】
次いで、前記パネル領域aの絶縁膜350内のビアホール355により前記ソース/ドレイン電極345に当接し、且つ絶縁膜350上に延長する第1電極370を形成する。
【0132】
次いで、前記第1電極370上に画素定義膜375が形成される工程から第2電極390が形成される工程は、前記第2実施形態と同様である。
【0133】
本発明では、説明の便宜のために、トップゲート(Top gate)型を採用する薄膜トランジスタを備えた有機電界発光素子を例にして説明したが、これに限らず、ボトムゲート(Bottom gate)型を採用する薄膜トランジスタを備えた有機電界発光素子にも適用可能である。
【0134】
以上において説明した本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であるので、上述した実施形態及び添付された図面に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】従来のアクティブ型有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【図3】有機電界発光素子の膜によるキュアリング後の有機膜の厚みを比較したグラフである。
【図4】本発明の材料及び線幅によるキュアリング後の有機膜の厚みを比較したグラフである。
【図5】本発明の第1導電性パターン物性の特性分を示すグラフである。
【図6】本発明の第1導電性パターン物性の温度による熱容量を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態による有機電界発光素子の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0136】
300 基板
310 半導体層
320 ゲート絶縁膜
330 ゲート
340 絶縁膜
341 コンタクトホール
345 ソース/ドレイン電極
347 第1導電性パターン
350 絶縁膜
355 ビアホール
370 第1電極
371 第2導電性パターン
373 補助電極ライン
380 有機膜層
390 第2電極
a パネル領域
b 配線領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル領域及び配線領域を有する基板と、
前記基板上のパネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に複数のパターンで形成されている第1導電性パターンと、
前記第1導電性パターンの上部に形成されていて、少なくとも第1導電性パターンが露出するように形成されている絶縁膜と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極、及び前記配線領域の第1導電性パターン上に複数のパターンで形成されている第2導電性パターンと、
前記パネル領域の第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
前記第1導電性パターンは、前記ソース/ドレイン電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記ソース/ドレイン電極は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
前記第2導電性パターンは、第1電極物質と同じ物質であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
パネル領域及び配線領域を有する基板と、
前記基板上のパネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に形成されていて、トレンチを有する第1導電性パターンと、
前記第1導電性パターンの上部に形成されていて、少なくとも第1導電性パターンが露出するように形成されている絶縁膜と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極と、
前記パネル領域の第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項7】
前記第1導電性パターンは、前記ソース/ドレイン電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
前記ソース/ドレイン電極は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子。
【請求項10】
パネル領域及び配線領域を有する基板と、
前記基板上のパネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に複数のパターンで形成される第1導電性パターンと、
前記第1導電性パターンの上部が少なくとも露出するように形成されている絶縁膜と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極、及び前記配線領域の絶縁膜内に第1導電性パターンに接するように複数のパターンで形成される第2導電性パターンと、
前記パネル領域の第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項11】
前記第1導電性パターンは、前記ゲート電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
【請求項12】
前記ゲート電極物質は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項11に記載の有機電界発光素子。
【請求項13】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
【請求項14】
パネル領域及び配線領域を有する基板と、
前記基板上の前記パネル領域に形成されていて、半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタ、及び前記配線領域に形成されていて、トレンチを有する第1導電性パターンと、
前記第1導電性パターンの上部に形成されていて、少なくとも第1導電性パターンの上部を露出させる絶縁膜と、
前記ソース/ドレイン電極の上部に形成され、第1導電性パターンの上部に、エッチングにより除去されて形成されている絶縁膜と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように形成されている第1電極と、
前記第1電極の上部にパターニングされて形成されていて、少なくとも有機発光層を含む有機膜層と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に形成されている第2電極と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項15】
前記第1導電性パターンは、前記ゲート電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
前記ゲート電極物質は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項15に記載の有機電界発光素子。
【請求項17】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
【請求項18】
パネル領域及び配線領域を有する基板を提供する段階と、
前記基板上のパネル領域に半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成し、且つ前記配線領域に複数のパターンで第1導電性パターンを形成する段階と、
前記第1導電性パターンの上部に少なくとも第1導電性パターンが露出するように絶縁膜を形成する段階と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレインに当接するように第1電極を形成し、且つ前記配線領域の第1導電性パターン上に複数のパターンで第2導電性パターンを形成する段階と、
前記パネル領域の第1電極の上部に少なくとも有機発光層を含む有機膜層を形成する段階と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に第2電極を形成する段階と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【請求項19】
前記第1導電性パターンは、前記ソース/ドレイン電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記ソース/ドレイン電極は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項19に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項21】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項22】
前記第2導電性パターンは、第1電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項23】
前記第1導電性パターンを形成する時、電源供給(Vdd)ライン及びデータ(Vdata)ラインを同時に形成することを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項24】
パネル領域及び配線領域を有する基板を提供する段階と、
前記基板上のパネル領域に半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成し、且つ前記配線領域にトレンチを有する第1導電性パターンを形成する段階と、
前記第1導電性パターンの上部に少なくとも第1導電性パターンが露出するように絶縁膜を形成する段階と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように第1電極を形成する段階と、
前記第1電極の上部に少なくとも有機発光層を含む有機膜層を形成する段階と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に第2電極を形成する段階と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【請求項25】
前記第1導電性パターンは、前記ソース/ドレイン電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項24に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項26】
前記ソース/ドレイン電極は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項25に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項27】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項24に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項28】
前記第1導電性パターンを形成する時、電源供給(Vdd)ライン及びデータ(Vdata)ラインを同時に形成することを特徴とする請求項24に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項29】
パネル領域及び配線領域を有する基板を提供する段階と、
前記基板上のパネル領域に半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成し、且つ前記配線領域に複数のパターンで第1導電性パターンを形成する段階と、
前記第1導電性パターンの上部に少なくとも第1導電性パターンが露出するように絶縁膜を形成する段階と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように第1電極を形成し、且つ前記配線領域の絶縁膜内に第1導電性パターンに当接するように複数のパターンで第2導電性パターンを形成する段階と、
前記パネル領域の第1電極の上部に少なくとも有機発光層を含む有機膜層を形成する段階と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に第2電極を形成する段階と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【請求項30】
前記第1導電性パターンは、前記ゲート電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項29に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項31】
前記ゲート電極物質は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項30に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項32】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項29に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項33】
前記第1導電性パターンを形成する時、電源供給(Vdd)ライン及びデータ(Vdata)ラインを同時に形成することを特徴とする請求項29に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項34】
パネル領域及び配線領域を有する基板を提供する段階と、
前記基板上の前記パネル領域に半導体層、ゲート電極及びソース/ドレイン電極を含む薄膜トランジスタを形成し、且つ前記配線領域にトレンチを有する第1導電性パターンを形成する段階と、
前記第1導電性パターンの上部に少なくとも第1導電性パターンの上部を露出させる絶縁膜を形成する段階と、
前記ソース/ドレイン電極の上部に形成され、第1導電性パターンの上部にエッチングにより除去されるように絶縁膜を形成する段階と、
前記絶縁膜内のビアホールを介して前記ソース/ドレイン電極に当接するように第1電極を形成する段階と、
前記第1電極の上部に少なくとも有機発光層を含む有機膜層を形成する段階と、
基板の全面にわたって前記有機膜層の上部に第2電極を形成する段階と、を備えることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
【請求項35】
前記第1導電性パターンは、前記ゲート電極物質と同じ物質からなることを特徴とする請求項34に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項36】
前記ゲート電極物質は、モリブデン(Mo)、タングステンモリブデン(MoW)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モルリブデニウムシリサイド(MoSi)及びタングステンシリサイド(WSi)よりなる群から選ばれた1種で形成されることを特徴とする請求項35に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項37】
前記第1導電性パターンは、線幅が1μm乃至750μm、スペースが5μm乃至350μmであることを特徴とする請求項34に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項38】
前記第1導電性パターンを形成する時、電源供給(Vdd)ライン及びデータ(Vdata)ラインを同時に形成することを特徴とする請求項34に記載の有機電界発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−156374(P2006−156374A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330564(P2005−330564)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】