説明

製品の外皮凍結/冷却/ディープフリージング処理のための方法および設備

製品が、振動支持体およびその支持体上に配置される低温液体のフィルムの使用により処理容器(1)の中の製品の少なくとも1つの表面上で製品を凍結するために凍結表面と接触して配置される、製品(2)すなわち、食品の全体的または部分的凍結のための方法であって、実施される以下の手段、すなわち、低温液体を容器に供給するために手段(4、12)が与えられ、前記手段が比例バルブ(12)を含み、データの獲得および処理のための手段(11)が備えられ、前記ユニットがプローブにより提供される温度情報を受信することが可能であり、必要であれば、比例バルブの開放率にたいして対応する方式で作動することが可能である方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、製品、特に食品の低温処理(cryogenic treatment)のための方法および設備の分野に関し、当該処理は、特に外皮凍結(製品の表面の一部または全部のディープフリージング)、冷却またはディープフリージング処理である。
【0002】
食品は、通常、冷却トンネル中で凍結され、そこでは冷却は機械的手段によりなされる。
【0003】
凍結されるべきそれらの食品はしばしば粘着性であり、それらが搬送される冷却トンネルのコンベアベルトに付着し、したがって、メンテナンスと衛生の問題を提起する。
【0004】
さらに、それらの製品は、あまりコンパクトではなく、容易に変形し得るものであり、それにより、それらが取り扱われるときにその意図される形態を喪失する。例えば、これは、取り扱いが極端に難しい野菜コロッケについてそうである。
【0005】
文献EP−A−505222において、本出願人は、食品の凍結の方法のための新規な概念を提案し、それによれば製品を振動支持体及び液化ガスの使用に由来する凍結表面と接触させるものであり、凍結表面は支持体上に配置された液化ガスフィルムからなるものである。
【0006】
この先行技術によれば、製品は、フィルムの厚さが極めて薄くても、それが極めて粘着性であってさえ、支持体にまったく粘着せず、そのような処理された製品は、加熱効果により液化ガスフィルムの表面上に浮上し、一般的に、支持体への粘着のリスクを回避するようにこのフィルム上で裏返る傾向が強いように思える。
【0007】
典型的には、この系は、以下の方式で稼動する。多量の液体窒素が容器に注入され、その容器は、例えば、わずかに上方に勾配を有する形状を有する。あふれ出た液体は、製品とともに装置から流出する。次いで、窒素は、デバイスの出口に位置するグリルにより製品から分離する。この方式で回収された窒素は、リサイクルされる。それは、容器の中に集められ、次いで、ピストンポンプによりポンプ輸送され、処理容器に回収される。
【0008】
窒素のレベルは、液体窒素レベルを測定するプローブにより駆動されるバルブのために容器の中で実質的に一定に維持される。
【0009】
したがって、窒素は、半分閉じられた回路の中を流れ、製品と接触しての蒸発によってのみ回路から流出する。この窒素の損失は、容器の供給により連続的に補われる。製品は、1回だけ容器を通過する。
【0010】
この先行技術の系は、以下を含む多数の利点を有することが強調されるべきである。
【0011】
−液体窒素のレベルは安定である。
【0012】
−製品の処理が均一である。
【0013】
−処理の強度が容器の勾配を変えることにより調節され得る。
【0014】
−処理時間が振動の振幅を変えることにより調節され得る。
【0015】
−原理が単純であり、使用が簡単であり、調節するのが容易である。
【0016】
−容器への窒素の実質的な注入(注入速度=ポンピング速度)が、製品のきわめて有効な処理を可能とする。
【0017】
にもかかわらず、本出願人は、このたび、特に以下の側面に関して、この系が改善され得ることを実現した。
【0018】
−系の重大要素を代表するポンプの存在に関して、ある種の欠陥が見出された。このポンプは、無視し得ない量の圧縮された空気を消費し、処理される製品のスループットがきわめて大きいとき、ポンピング能力により系の全冷却能力を制限する。
【0019】
−さらに、その系は、小さな粉末状の製品についての問題も提起する。これは、製品のサイズがグリルの穴のサイズより小さくなり得るためであり、そうなると、それは窒素とともに閉じた回路の中を流れ、このことは、明らかに衛生の観点では不満足なことである。
【0020】
それゆえ、上記欠陥は、ポンプの存在と本質的に関連していると考えられ得る。
【0021】
この文脈において、本発明の目的は、このポンプを除去し、処理後の製品の温度を一定にし得るデバイスによりそのポンプを置換し、そして、窒素をリサイクルせずに処理容器中の窒素のレベルを一定にすることを可能とする操作条件を提供することである。
【0022】
この目的のために、本発明は、製品の少なくとも1つの表面において製品を凍結するために、製品を、振動支持体および前記支持体上に配置される低温液体のフィルムの使用から生じる凍結表面を有する処理容器(1)接触させることにより、製品(2)、特に食品の全体的または部分的凍結のための方法であって、以下の工程:
−前記処理容器からの製品の出口の直前で前記処理容器内に位置し、位置する場所の温度を測定し得る加熱された温度プローブ(10)を設ける工程、
−比例バルブ(12)を有する、前記容器に低温液体を供給するための手段(4、12)を設ける工程、
−前記プローブにより提供される温度情報を受信し得、前記比例バルブの開放率に対して必要であれば作用し得るデータ獲得および処理ユニット(11)を設ける工程
を使用することを特徴とする方法に関する。
【0023】
本発明による方法は、さらに、以下の特性の1以上を有しうる。
【0024】
−振動支持体はわずかに上昇する末端を有するわずかに下向きの勾配を有し、それは、したがって、ある程度の量の低温液体を含み得るものであり、前記温度プローブは、実質的に、低温液体が蓄積する場所に位置する。
【0025】
−振動支持体は、上方の勾配を有する。製品が上方に進行するとき製品に同伴される低温液体の一部または全部をろ過し得るグリルがこの場合には、振動支持体の表面の一部または全部の上に有利に配置される。
【0026】
−さらに、以下の温度調節機構が用いられる。
【0027】
i)処理後に製品の温度を測定し得る製品温度プローブが、処理容器の出口で製品の通過路に備えられている。
【0028】
j)データ獲得および処理ユニットが設置され、それは、前記製品温度プローブにより提供される温度情報を受信し得るものであり、必要であれば、支持体の勾配を変化させるための手段および/または支持体の振動周波数を変化させるための手段および/または前記比例バルブの開放率に対して作動し得る。
【0029】
−以下の安全性調節機構がさらに用いられる。
【0030】
a)安全性温度プローブが容器からの製品の出口のわずかに前の処理容器の中に設置され、配置される場所で温度を測定し得る。
【0031】
b)前記容器に低温液体を供給するための手段はオン/オフバルブ(安全性バルブ)を有する。
【0032】
c)前記安全性温度プローブにより提供される温度情報を受信し得るものであり、必要であれば、前記オン/オフ(安全性)バルブを開閉するために、作動し得るデータ獲得および処理ユニットが設置される。
【0033】
−低温液体は液体窒素である。
【0034】
本発明は、また、低温液体のフィルムを受容することが可能な振動支持体を備える処理容器を含む製品、特に食品の全体的または部分的凍結のための設備であって、
−容器からの製品の出口の直前の処理容器の中に位置し、位置する場所で温度を測定し得る加熱された温度プローブ、
−比例バルブを有する、容器に低温液体を供給するための手段、
−前記プローブにより提供される温度情報を受信し得るものであり、前記比例バルブの開放率に対して必要であれば対処するデータ獲得および処理ユニット
を含むことを特徴とする設備に関する。
【0035】
本発明による設備は、さらに、1以上の以下の特徴を有しうる。
【0036】
−振動支持体は、わずかに上昇する末端を有するわずかに下向きの勾配を有し、したがって、それは、ある程度の量の低温液体を含み得るものであり、前記温度プローブは、実質的に低温液体が蓄積する位置に配置される。
【0037】
−振動支持体は、上方の傾きを有する。この場合、製品が上方に向かうとき製品に同伴される低温液体の一部または全部をろ過し得るグリルは、振動支持体の表面の一部または全部の上に有益に配置される。
【0038】
その設備はさらに、以下を含む。
【0039】
i)処理容器の出口で製品の通過の際に配置され、処理後、製品の温度を測定し得る製品温度プローブ。
【0040】
j)前記製品温度プローブにより提供される温度情報を受信し得るものであり、必要であれば、支持体の傾きを変化させるために手段に対して、および/または支持体の振動周波数を変化させるための手段に対して、および/または前記比例バルブの開放率に対して作用し得るデータ獲得および処理ユニット。
【0041】
−前記容器に低温液体を供給するための手段は、オン/オフ安全弁を有し、設備はさらに以下を含む。
【0042】
a)容器からの製品の出口のわずか前方の処理容器の中に位置し、配置される場所で温度を測定し得る安全性温度プローブ。
【0043】
b)前記安全温度プローブにより提供される温度情報を受信し得、必要であれば、前記オン/オフバルブを開閉するように作用し得るデータ獲得および処理ユニット。
【0044】
他の特性および利点は、単に例として与えられ、添付の図面を参照する以下の記載から明らかになるであろう。
【0045】
図1は、本明細書の記載においてすでに言及された文献EP−A−505222により例示される先行技術による振動支持体を有する冷凍設備の模式図を表す。
【0046】
この模式図は、凍結された製品2および取り入れ手段4を介して液体窒素を供給される容器1(その振動手段は、明確さを保つために表現されていない)を示す。
【0047】
この態様については、容器は、上方傾き状況にある。
【0048】
低温液体はこぼれて、製品とともに装置から流出する。次いで、窒素は、グリルシステム5により製品から分離される。
【0049】
図からわかるように、この方法で回収された窒素は、以下の様式でリサイクルされる(ループ3)。窒素は、レザーバ(4)の中に集められ、次いで、ピストンポンプによりポンプ輸送され、このようにして処理容器(返還パイプ6)に戻る。
【0050】
窒素のレベルは、液体窒素レベルを測定するプローブ8により駆動されるバルブ7のためにレザーバの中で実質的に一定に維持される。
【0051】
要約すると、
−窒素は半分閉ざされた回路の中を流れる。窒素は、製品と接触するときの蒸発によってのみ回路を出て行く。この窒素の損失は、新鮮な低温液体(9)をレザーバに供給することにより連続的に補われる。
【0052】
−製品は、1回だけ容器を通過する。
【0053】
図2は、今度は、これから詳細に記載される本発明の態様を例示する。
【0054】
ここで、処理容器1は、わずかに下向きの傾きで設定され、少量の低温液体を含有するようにわずかに上向きで終端する。
【0055】
温度プローブ10は、処理容器の中の、製品出口のわずかに前方の、液体窒素が蓄積し、レベルが安定する位置に、実質的に配置される。
【0056】
容器中の窒素のレベルが上昇するとき、このプローブにより読み取られる温度は低下し、このことは、比例バルブ12(「プロセスバルブ」と称され得る)の開放およびそれによる新鮮な液体窒素(10)の取り込みの減少(調節装置11を介する)の効果を有する。窒素供給が減少するので、レベルは再び減少し、安定化する。
【0057】
同様に、もし液体窒素レベルの減少が観察されるならば、プローブ10により読み取られる温度は上昇し、このことは、バルブ12の開放率を増加させる効果を有する。窒素の注入が多くなるので、窒素レベルは、再び上昇し、安定化する。
【0058】
すなわち、先行技術の設備における窒素床は、閉回路リサイクルポンプを用いて溢れ出すことにより制御されていたけれども、ここでは、窒素床は、装置の消費がどうであれ、機械への窒素注入の量を連続的に適合させることにより動的に制御される。
【0059】
本発明によれば、温度プローブは、「加熱された」タイプのものである。これは、本出願人により行われた研究が、この状況では従来のプローブを用いることは賢明でないことを示したためである。実際、低温液体のレベルが上昇し、プローブに触れるとき、プローブは、典型的には、例えば、−200℃近くの温度を確認するであろう。液体レベルが再び減少するとき、プローブは、最初に極めて低温のガス相により取り囲まれたままとなり(その温度は−200℃近くである)、このことは、プローブが低温液体フィルムに触れる状況と触れない状況との間のきわめてわずかの差異を確認する(それゆえ報告する)ことを意味する。
【0060】
したがって、プローブを連続的に加熱する利点がある。
【0061】
そのような加熱されたプローブの典型的な態様が以下に記載されるが、具体的には、温度測定の分野の多数の供給者により販売される「ダブル Pt100」タイプのプローブである。
【0062】
当該プローブは、以下から構成されている。
【0063】
−以下の方式で機能する白金抵抗体を有する温度プローブ。抵抗は、温度により変化する。抵抗は、例えば、0℃で100オームである。抵抗は、温度が増加するとき増加する。同様に、抵抗は、温度が減少するとき減少する(例えば、100℃で138.51オームで、−100℃で60.26オームである)。この抵抗体に接続された装置は、抵抗値を測定し、変換表を用いてそれから温度を推定し得る。
【0064】
−白金抵抗体を有する第2の温度プローブが同じ方式で用いられ得るものであり、このようにして第1のプローブにより測定された温度をチェックすることを可能とする。
【0065】
−第1の白金抵抗体に取り付けられた2本の接続ワイヤと、第2の白金抵抗体に取り付けられた2本の接続ワイヤ。
【0066】
−このアセンブリの周りのステンレス鋼保護体:2つの末端で栓をされ、接続ワイヤを通過させるステンレス鋼管。
【0067】
−白金抵抗体温度プローブとステンレス鋼保護体との間の熱連絡材料。
【0068】
そのような「ダブルPt100」プローブのこれまでの使用は、以下のようなものである。
【0069】
白金抵抗体の抵抗値は、温度に従って変化する。温度が増加するとき抵抗も増加する。同様に、温度が減少するとき抵抗が減少する(例えば、100℃で138.51オームかつ−100℃で60.26オーム)。
【0070】
第1の白金抵抗体は、抵抗の値を測定し、変換表を用いることによりそこから温度を推論する装置に接続される。第2の白金抵抗体温度プローブも同じ方式で用いられ、このようにして第1のプローブにより測定される温度をチェックすることを可能とする。
【0071】
本発明によれば、このプローブは、以下の様式で、「加熱されたプローブ」とすることにより別の方式で利用される。
【0072】
第1の白金抵抗体は、5ボルトの電圧を連続的に供給される。それゆえ、それは、温度(周囲温度に依存して+10から+80℃)にしたがって変化するわずかな加熱を引き起こす、温度に従う可変的電力(0℃で0.25ワット)を散逸させる。
【0073】
第2の白金抵抗体は、温度の計算と表示を行う抵抗測定装置に接続されることによりこれまでどおり用いられる。それゆえ、このように測定される温度は、電力を散逸させる他の白金抵抗体により影響を受ける。
【0074】
このとき、デバイスは、例えば、液体窒素のような低温液体のレベルに近接して機能する準備ができている。
【0075】
プローブが液体と接触することなく液体窒素の上に位置するとき、ガスの周囲温度は、−196℃に極めて近く、しかし、第1の白金抵抗体の電力散逸をもって、プローブアセンブリの温度、したがって測定される温度は、約−130℃である。
【0076】
プローブアセンブリが液体窒素との接触に至るとき、プローブと液体との熱移動は、プローブがガス状媒体中に位置するときよりはるかに大きくなる。このとき温度は、急速に減少し、−196℃に接近する。
【0077】
それゆえ、このデバイスは、液体窒素レベルがこの2重温度プローブの上下のいずれかに存在するかどうかを決定することをきわめて容易にする。もし測定された温度が−180℃未満であるならば、このことは、プローブと液体との間に接触が存在することを意味し、しかし、もし測定された温度が−180℃を上回るならば、このことは、プローブと液体との間の接触が存在しないことを意味する。
【0078】
経験は、このデバイスは、単純であり、廉価であり、信頼性があり、容易に入手可能であり、メンテナンスを必要としないことを示す。さらに、それは、操作の間振動支持体により引き起こされる振動によく耐えるので、それは、このタイプの機械における低温液体レベルを測定し、調節するのにまったく適している。
【0079】
例示すれば、もし処理容器が処理される製品の大きなスループットを供給されるならば、多量の液体が蒸発し、このとき、バルブ12は、機械の出口で製品について一定温度を維持しながらこの要求にこたえるのに十分に開放されるであろう。もし機械がもはや製品を供給されないならば、逆に、バルブ12は、容器の中のレベルを維持するのに十分な量のみ配送するように開きが狭められるであろう(機械を冷却したままにしておく)。
【0080】
第2の注入の制御が行われることもまた、図2に示されていることであり、その目的は、注入される液体窒素の量を調節することではなく、系(プローブ13、調節装置14、オン/オフバルブ15)が変動するならば供給を止めることである。もし、上記の注入の調節が未知の理由のために変動するならば、そのために、液体窒素は、容器の勾配が変化する位置で装置の低い場所で蓄積する。このとき、プローブ13は、温度の低下による窒素レベルの異常な上昇を検出する。このレベルが許容される最大値(設定値)に達するとき、これは、液体が容器のエッジに達し得る前に安全弁15を介して系への窒素供給を停止し得る。このとき、オーバーフローの危険は、回避され得る。
【0081】
ここで再び、その状況の視点からは、安全プローブは、好ましくは、「加熱された」タイプのものである。
【0082】
このとき、弁15は、以下のロジックに従って作動する。
【0083】
−最大許容レベル未満のレベル→弁を開く。
【0084】
−最大許容レベル以上のレベル→弁を閉じる。
【0085】
図2は、ちょうど、下向きの傾き形状を例示する。傾きが変化する位置で、小さな「プール」が、典型的には、傾きの上流で、手段4の出口に面して、深さがほとんどゼロでありながら(窒素流出)、0.5cm近くの深さで作り出される(これは、程度の例示としてのみ与えられる)。
【0086】
次に、図3は、同一の構成要素、それゆえ、同じ参照番号を有する上方の傾きを有する位置にある容器を例示する。
【0087】
実際、図2の設備は、小さな製品(馬鈴薯粉末、すりつぶされたチーズなどのような)にとってはより適切であるけれども、下向きの傾きを有する処理容器の窒素レベルは、いくらかより大きな製品(角切りの鶏肉のような)のためには不十分であることがあり得る。
【0088】
容器をわずかに上向きの傾きで配向することは、製品の入り口側で容器の底部に窒素床を作り出すことを可能とする(典型的には、勾配の上流で2cm近くの深さ、一方、上向き勾配の末端の深さは0に近い)。
【0089】
このように作り出される「浴」効果のために、処理は、より強力となる。
【0090】
この上向き勾配状況において、振動支持体1の表面の一部または全部に渡ってグリル(図示せず)を提供することはきわめて有益であり、グリルは、製品が上方に向かうとき製品に同伴される低温液体の一部または全部をろ過し得るものであることに注意すべきである。このとき、この方式で「ろ過された」低温液体は、再び、上方の傾きの上流側に向かって下降する。
【0091】
図2または図3のいずれの場合でも、低温液体の損失は、きわめて少ない。
【0092】
要約すると、図2および3で例示される本発明の態様は、製品により受け取られる冷却(負の熱量)の量を一定に保ちながら、先行技術のポンプを省略することを可能とする。
【0093】
ここで説明される態様は、以下で、「レベル調節」と称される。
【0094】
図4および5は、製品の出口温度を測定するためのプローブもさらに用いる本発明の有利な態様(下向きおよび上向きの勾配の状況のそれぞれ)を例示する。
【0095】
実際、入力製品の初期温度が1日のある時間からの経過後に実質的に変化し得るある種のユーザーの現場については、図2および3で上述されたレベル調節が満足に実施されないことが見出され得る。本発明によれば、この場合に、以下に説明する、製品の出口温度に対して調節を追加して行うことは特に有利である。理解され得るように、この調節は、さらに、製品に適用される温度降下に適合することを可能とする。
【0096】
この状況において、「製品」の温度プローブは、容器の出口に存在する温度プローブより穏やかな環境に存在し、それゆえ、この「製品」温度は、従来型(加熱されていない)のものであり得る。
【0097】
図4は、凍結される製品2および取り入れ手段4を介して液体窒素を供給される容器1を示す。ここで、処理容器1は、わずかに下向きに設定され、少量の低温液体を含有するように末端でわずかに上昇している。
【0098】
本発明によれば、加熱された温度プローブ10は、製品出口のわずか前方で、実質的に液体窒素が蓄積し、レベルが安定する位置で処理容器の中に配置され、上述のように、バルブ12および調節装置11を介して系への新鮮な低温液体の再注入の量を調節することを可能とする。
【0099】
しかしながら、この態様はまた、プローブ20を介して処理後の製品の最終温度もモニターし、このモニターの結果に従い、容器1の勾配および/または振動周波数に対して適切なように作用(retroact)する(容器の勾配および/または振動周波数を変化させるためのユニット21および手段22を介して)。
【0100】
変形として(図示せず)、バルブ12の開放率に作用させることもまた可能である。
【0101】
したがって、その系は、入力速度の初期条件および初期温度に関係なく、一定温度の製品を獲得するようにその操作を適合させる。
【0102】
この態様は、以下で、「温度調節」と称される。
【0103】
例示のために、
−振動周波数に対する作用の場合には:もし系に再流入する製品が未知あるいは種々の理由のためにきわめて高温であるならば、そのときは、一定の温度降下をもたらす上記レベル調節は不十分であることがあり得、高温すぎる状態で出ていく製品をもたらす。
【0104】
このとき系は、容器を通る製品の移動時間を変化させるために振動周波数に働きかけ、振動周波数を減少させることにより本明細書で言及される例において、容器が経路に沿って低速で製品を攪拌することを可能とし、それゆえ、より長く液体窒素の中に製品を留置しておくことを可能とする(したがって、連続反復により所望の低温を達成する。)。
【0105】
−容器の勾配に対する作用の場合には:この場合、調節することは、製品が暴露される液体窒素の深さに影響する。
【0106】
さらに、製品が熱すぎる状態で系に再流入する例において、系は、この場合には、下向きの勾配を減少させ、またはさらに、ある種の場合には、まず、容器を通る製品の進行速度を低速化させ、次に低温液体床を作り出すために下向きの勾配を作り出し、要求にしたがってその深さを増大させる。
【0107】
処理時間はより長くなり、製品と液体の接触はこのとき、より完全かつ強力となり、このことは、連続反復により所望のレベルまで製品の最終温度を低下させることを可能とする。
【0108】
図2および3の文脈において上述されるセーフティーコントロール(13/14/15)は、図4および5の文脈において本明細書では記載されてこなかったけれども、それは、「レベル」および「温度」調節を補完するために同様に容易にかつきわめて有益に存在し得ることに注意すべきである。
【0109】
ここでは、本発明の利点(「レベル調節」は、任意に「温度調節」により補完される)は、以下のように記載され得る:
−ポンプが要らなくなり、窒素の再循環による交差汚染がなくなる、
−製品の流入速度および処理前のその温度がどうであれ、処理後の製品の温度は安定である、
−処理時間が、装置の勾配を変化させることにより調節され得る、
−粉末が処理され得る(これは、馬鈴薯粉末またはチョコレート粉末について有効になされる)、
−きわめて少数の機構しか存在しないので、装備を洗浄するのがきわめて簡単である、
−系の信頼性が極めて向上する。特に、ポンプの故障のリスクがなくなる。
【0110】
−リサイクル回路が存在しないので、窒素損失が最小となる。
【0111】
中位サイズの製品については、図5の態様を用いることが有益であり、これは、容器が上方勾配を有するという事実を別にしてすべての点で図4の態様と同一である。
【0112】
本発明は、液体窒素について特に上述されてきたけれども、他の低温液体も、いずれの場合でも本発明の範囲から逸脱することなく考察され得る。
【0113】
同様に、本発明が特に関係する食品以外にも、融点が周囲温度に近い脂質物体またはワックスのような工業製品を処理することもまた可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】先行技術による振動支持体を有する冷却設備の模式図である。
【図2】本発明による振動支持体を有する冷却設備の模式図である。(傾きが下向きの状況)
【図3】本発明による振動支持体を有する冷却設備の模式図である。(傾きが上向きの状況)
【図4】本発明による振動支持体を有する冷却設備の別態様の模式図である。(傾きが下向きの状況)
【図5】本発明による振動支持体を有する冷却設備の別態様の模式図である。
【符号の説明】
【0115】
1…容器、2…製品、3…ループ、4…取り入れ手段、5…グリル、6…リターンパイプ、7,15…バルブ、8,10,13,20…プローブ、9…低温液体、11,14…調節装置、12…比例バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の少なくとも1つの表面において製品を凍結するために、製品を、振動支持体および前記支持体上に配置される低温液体のフィルムの使用から生じる凍結表面を有する処理容器(1)接触させることにより、製品(2)、特に食品の全体的または部分的凍結のための方法であって、以下の工程:
−前記処理容器からの製品の出口の直前で前記処理容器内に位置し、位置する場所の温度を測定し得る加熱された温度プローブ(10)を設ける工程、
−比例バルブ(12)を有する、前記容器に低温液体を供給するための手段(4、12)を設ける工程、
−前記プローブにより提供される温度情報を受信し得、前記比例バルブの開放率に対して必要であれば作用し得るデータ獲得および処理ユニット(11)を設ける工程
を使用することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記振動支持体が、低温液体を収容し得るわずかに上昇する末端を有するわずかに下向きの勾配を有し、前記温度プローブが、低温液体が蓄積する位置に実質的に位置することを特徴とする請求項1記載の凍結方法。
【請求項3】
前記振動支持体が、上方の勾配を有することを特徴とする請求項1記載の凍結方法。
【請求項4】
製品が上方に進行するとき製品に同伴される低温液体の一部または全部をろ過し得るグリルが前記振動支持体の表面の一部または全部に対して配置されることを特徴とする請求項3記載の凍結方法。
【請求項5】
−処理後に製品の温度を測定し得る製品温度プローブ(20)を、処理容器の出口の製品の通過路の中にさらに設け、
−前記製品温度プローブにより提供される温度情報を受信し得、必要であれば、支持体の勾配を変化させる手段に対して、および/または支持体の振動周波数を変化させるための手段に対して、および/または前記比例バルブの開放率に対して作用し得るデータ獲得および処理ユニット(21)を設ける
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の凍結方法。
【請求項6】
−配置される場所で温度を測定し得る安全温度プローブ(13)を、容器からの製品の出口のわずかに前の処理容器の中に設け、
−容器に低温液体を供給するための前記手段がオン/オフバルブ(15)を有し、
−前記安全性温度プローブにより提供される温度情報を受信し得、必要であれば、前記オン/オフバルブを開閉するために作用し得るデータ獲得および処理ユニット(14)を設けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の凍結方法。
【請求項7】
前記安全性温度プローブが、加熱されたプローブであることを特徴とする請求項6記載の凍結方法。
【請求項8】
低温液体が、液体窒素であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の凍結方法。
【請求項9】
前記加熱された温度プローブまたは安全プローブが、2重抵抗体を有するいわゆる2重プローブであって、以下の:
−2つの抵抗体の一方が抵抗の値を測定し、変換表を用いてそれから温度を推定する装置に接続され、
−2つの抵抗体の他方がその中で加熱を引き起こすために電圧を連続的に加えられること
という方式で用いられるものであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の凍結方法。
【請求項10】
−容器からの製品の出口の直前の処理容器の中に位置し、配置される場所で温度を測定し得る加熱された温度プローブ(10)、
−比例バルブ(12)を有する、低温液体を容器に供給するための手段(4、12)、
−前記プローブにより提供される温度情報を受信し得、必要であれば、前記比例バルブの開放率に対して作用し得るデータ獲得および処理ユニット(11)
を備えることを特徴とする低温液体のフィルムを受容することが可能な振動支持体を備える処理容器(1)を備える、製品、特に食品の全体的または部分的凍結のための設備。
【請求項11】
前記振動支持体が、低温液体を含み得るわずかに上昇する末端を有するわずかに下向きの勾配を有し、前記温度プローブが低温液体が蓄積する位置に実質的に配置されることを特徴とする請求項10記載の凍結設備。
【請求項12】
前記振動支持体が上方の勾配を有することを特徴とする請求項10記載の凍結設備。
【請求項13】
上方に進行するとき製品に同伴される低温液体の一部または全部をろ過し得るグリルが振動支持体の表面の一部または全部に対して配置されることを特徴とする請求項12記載の凍結設備。
【請求項14】
−処理容器の出口の製品の通路に位置し、処理後に製品の温度を測定し得る製品温度プローブ(20)、
−前記製品温度プローブにより提供される温度情報を受信し得、必要であれば、支持体の傾きを変化させる手段に対して、および/または支持体の振動周波数を変化させるための手段に対して、および/または前記比例バルブの開放率に対して対処し得るデータ獲得および処理ユニット(21)
をさらに備えることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項記載の凍結設備。
【請求項15】
低温液体を容器に供給するための前記手段がオン/オフバルブ(15)を有し、さらに、
−容器からの製品の出口の直前で処理容器の中に配置され、配置される場所で温度を測定し得る安全性温度プローブ(13)、
−前記安全性温度プローブにより提供される温度情報を受信し得るものであり、必要であれば、前記オン/オフバルブを開閉するために対処し得るデータ獲得および処理ユニット(14)
を備えることを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1項記載の凍結設備。
【請求項16】
前記安全性温度プローブが加熱されたプローブであることを特徴とする請求項15記載の凍結設備。
【請求項17】
前記加熱された温度プローブまたは安全プローブが、2重抵抗体を有するいわゆる2重プローブであって、以下:
−2つの抵抗体の一方が抵抗の値を測定する道具に接続され、変換表を用いることによりそこから温度を推定し、
−2つの抵抗体の他方が電圧源を供給し、その中で加熱を引き起こすために電圧源に連続的に接続されること
という方式で用いられるものであることを特徴とする請求項10ないし16のいずれか1項記載の凍結設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−522309(P2006−522309A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505862(P2006−505862)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050125
【国際公開番号】WO2004/092668
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・ア・ディレクトワール・エ・コンセイユ・ドゥ・スールベイランス・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】