説明

製袋充填包装機および製袋充填包装方法

【課題】口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された自立袋を製造する。
【解決手段】製袋充填包装機は、内袋を形成する内袋フィルム2と、内袋を覆う外袋フィルム1とを互いに重ねた状態で下方に送りつつ製袋して製品を充填する。製袋充填包装機は、製袋ガイド11及び折り込みガイド14を通って搬送されたフィルム1,2の折り込み部を熱シールするボトムシール機構30と、筒状に製袋された内袋フィルムの両側端部に口栓形成部を形成するカッタを備え、かつ内袋フィルム2の両側端部を熱シールする内袋トップシール機構20と、筒状に製袋された外袋フィルム1の両側端部を熱シールする外袋トップシール機構40と、を備えている。これらのシール機構の下方には、フィルム1,2を横方向に熱シールする側シール機構50設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品が充填された自立袋を製造する製袋充填包装機および製袋充填包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図17に示すように、内部に充填された製品を放出するための栓部材1102を備えた自立袋1101が知られている。自立袋1101は、収容部1103の外周部の3辺に封止部1104が形成され、その1辺を成す上部の封止部1104に栓部材1102が挟み込まれた構成となっている。このような自立袋には、ジュース、果肉入りジュース、ゼリー等の飲食品や、経腸栄養剤等の医薬品等の流動性を有する製品が収容される。
【0003】
栓部材1102は、例えばねじ部を備えた着脱自在のキャップ1102aを備えている。したがって、自立袋1101からキャップ1102aを取り外すことによって、栓部材1102に口をつけて自立袋1101内の製品を吸い出すことができる。
【0004】
この種の自立袋は、例えば特許文献1に示されている。
【特許文献1】特開2006−240651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した栓部材を備えた自立袋は、収容部を形成するフィルム部材とは別に栓部材を用意する必要があるため、材料費が嵩むことに加え、製造工程が複雑化して製造コストが高くなるという課題がある。
【0006】
また、上述した栓部材を備えた自立袋は、1回の使用で使い切る量の製品を収容する大きさ(いわゆる、飲み切りサイズ)に形成されているのが一般的である。そのため、1回の使用で自立袋内の製品が消費されると、自立袋は直ぐに廃棄されることとなる。栓部材は通常はプラスチック樹脂で構成され、この飲み切りサイズの例では、1つの栓部材を形成するためには3袋分のフィルム部材を形成することが可能な量の樹脂が必要である。したがって、飲み切りサイズの自立袋に樹脂製の栓部材を備えることは、環境に与える負担が大きいと言える。
【0007】
さらに、キャップが着脱自在な栓部材は構造が複雑でコストが高くなるため、1回の使用で廃棄されてしまう自立袋にそのような栓部材を設けていることも、自立袋のコストが高くなる一因となっている。
【0008】
そこで本発明は、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された自立袋を製造することができる製袋充填包装機および製袋充填包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の製袋充填包装機は、製品が充填される内袋を形成する長尺シート状の内袋フィルムと、前記内袋に形成される口栓を少なくとも覆う長尺シート状の外袋フィルムとを互いに重ねた状態で下方に送りつつ製袋して製品を充填する製袋充填包装機であって、製品を投入するために鉛直方向に配設された投入パイプと、前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを筒状に製袋する製袋ガイドと、前記筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムのうちの少なくとも前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、少なくとも前記内袋フィルムに2つの山部を形成する折り込みガイドと、前記内袋フィルムの両側端部を、前記内袋の前記口栓を形成する形状に切断して口栓形成部を形成する切断部と、前記折り込みガイドにより少なくとも前記内袋フィルムに形成された2つの山部をそれぞれ前記フィルムの長手方向に沿って熱シールするボトムシール機構と、前記筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムの各々の互いに重ね合わされた両側端部を前記フィルムの長手方向に沿って熱シールするトップシール機構と、前記投入パイプの下方に配置され、前記ボトムシール機構及び前記トップシール機構により熱シールされた前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを横方向に熱シールし、この熱シールされた部分を切断する側シール機構と、を有する。
【0010】
上記本発明の製袋充填包装機によれば、外袋フィルム及び内袋フィルムが製袋ガイドによって筒状にされ、少なくとも内袋フィルムは折り込みガイドによって内側に折り込まれて2つの山部が形成される。少なくとも内袋フィルムに形成されたそれらの山部はボトムシール機構によって熱シールされ、自立袋のボトムシール部が形成される。内袋フィルムの重ね合わされた両側端部には、この製袋充填包装機によって製造される自立袋の口栓となる口栓形成部が切断部によって形成されるとともに、その両側端部は内袋トップシール機構によって熱シールされ、自立袋の内袋トップシール部が形成される。さらに、外袋フィルムの重ね合わされた両側端部は外袋トップシール機構によって熱シールされ、自立袋の外袋トップシール部が形成される。内袋フィルム内に投入パイプから製品が投入された後に、側シール機構によって外袋フィルム及び内袋フィルムが横方向に熱シールされて自立袋の側シール部が形成され、この熱シールされた部分が切断される。上記本発明の製袋充填包装機はこのようにして、口栓を有する内袋と、その口栓を少なくとも覆う外袋とを有する自立袋を製造する。
【0011】
上記本発明の製袋充填包装機によって製造される自立袋はフィルム部材のみによって構成されるため、樹脂等によって構成された別部材の口栓を備えた従来の構成に比べて、環境に与える負担が小さく、かつコストを低減することが可能である。また、口栓は外袋を切り取るまで外袋に覆われて清潔な状態が保たれているため、口栓に口を直接付けて自立袋の中身を飲んだり食べたりすることができる。あるいは、口栓をコップ等の容器内に挿入した状態で中身を抽出することで、抽出途中に中身が容器からこぼれないように中身を容器に移すことも可能である。
【0012】
前記トップシール機構は、前記切断部を備え、前記筒状に製袋された前記内袋フィルムの両側端部に前記口栓形成部を形成するとともに、前記口栓形成部が形成された前記内袋フィルムの両側端部を熱シールする内袋トップシール機構と、前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を熱シールする外袋トップシール機構と、を別個に備えている構成としてもよい。
【0013】
あるいは、前記切断部は、前記製袋ガイドに送られる前の前記内袋フィルムの両側端部に前記口栓形成部を形成することが可能な位置に配置されており、前記トップシール機構は、前記口栓形成部が形成された前記内袋フィルムの両側端部を熱シールする内袋トップシール機構と、前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を熱シールする外袋トップシール機構とを一体的に備えている構成としてもよい。
【0014】
また、前記外袋フィルムの幅は前記内袋フィルムの幅よりも広く、前記内袋フィルムを前記外袋フィルムの幅方向の中央に位置合わせさせた状態で下方に送り、前記折り込みガイドは、前記製袋ガイドによって筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、重ね合わされた状態の前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムに前記2つの山部を形成するように構成されていてもよい。
【0015】
あるいは、前記外袋フィルムは、前記切断部によって前記内袋フィルムの両側端部に形成された前記口栓を形成する部分を少なくとも覆う幅をそれぞれが有する2つの長尺シート状のフィルムからなり、一方の該フィルムを前記内袋フィルムの一方の側端部に形成された前記口栓形成部を覆うように前記内袋フィルムに対して位置合わせさせ、かつ他方の該フィルムを前記内袋フィルムの他方の側端部に形成された前記口栓形成部を覆うように前記内袋フィルムに対して位置合わせさせた状態で、前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを下方に送り、前記折り込みガイドは、前記製袋ガイドによって筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムのうちの前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、前記内袋フィルムのみに前記2つの山部を形成するように構成されていてもよい。
【0016】
さらに、前記製袋ガイドに送られる前の前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを殺菌液中に浸漬させて前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを殺菌する殺菌部と、前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムに付着した前記殺菌液を乾燥させて前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを前記製袋ガイドに送る乾燥部とを有するフィルム殺菌装置を備えていてもよい。
【0017】
また、本発明の製袋充填包装方法は、製品が充填される内袋を形成する長尺シート状の内袋フィルムと、前記内袋に形成される口栓を少なくとも覆う長尺シート状の外袋フィルムとを、互いに重ねた状態で筒状に製袋して下方に送る工程と、筒状に製袋された少なくとも前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、この折り込みによって形成された2つの山部を前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、前記内袋フィルムの両側端部を前記内袋の前記口栓を形成する形状に切断して、前記内袋フィルムの両側端部に口栓形成部を形成する工程と、前記筒状に製袋された前記内袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、前記両側端部および2つの山部の先端部が熱シールされた内袋フィルム内に製品を投入する工程と、前記製品が投入された前記内袋フィルムと、該内袋フィルムの少なくとも前記口栓を覆う前記外袋フィルムとを横方向に熱シールし、この熱シールされた部分を切断する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された自立袋を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1Aは本発明の第1の実施形態に係る製袋充填包装機の概略構成を示す斜視図であり、図1Bは図1Aに示した製袋充填包装機の正面図である。また、図2は図1A等に示す製袋充填包装機によって製造される自立袋を示す図である。
【0021】
本実施形態の製袋充填包装機は、図2(a)に示すように口栓62aを有する内袋62とその内袋62を内部に収容した外袋61とで構成される自立袋60を製袋しつつ、鉛直方向に延びる投入パイプ12(図1参照)から投入される充填物を自立袋60の内袋62内に充填するものである。
【0022】
図2(a)を参照すると、自立袋60の底部には外袋61及び内袋62に共通するボトムシール部63が形成され、自立袋60の両側には外袋61及び内袋62に共通する側シール部66が形成されている。内袋62の上部には内袋62の上縁と口栓62aとを構成する内袋トップシール部64が形成されている。さらに、外袋61の上部には外袋61の上縁を構成する外袋トップシール部65が形成されている。
【0023】
まず、本実施形態の製袋充填包装機の全体の概略構成について説明する。
【0024】
図1A及び図1Bを参照すると、製袋充填包装機には、外袋フィルム1が巻かれたフィルム供給ローラと、外装フィルム1よりも幅が狭い内袋フィルム2が巻かれたフィルム供給ローラとが設置される。製袋充填包装機は、これらのフィルム供給ローラから引き出されたフィルムを、外袋フィルム1の上に内袋フィルム2を重ね合わせた状態でフィルム搬送方向の下流側に供給するガイドローラ10を備えている。外袋フィルム1と内袋フィルム2とは、内袋フィルム2が外袋フィルム1の中央領域に重ね合わされるように互いに位置合わせされている。
【0025】
なお、図には示されていないが、上記のように位置合わせがなされた状態で重ね合わされた2枚のフィルム1,2に位置ずれが生じないように、これらのフィルム1,2を互いに仮止めするための点シールを施す点シール機構が備えられていてもよい。この点シール機構は、例えば2つのガイドローラ10の間に設置することができる。仮止め用の点シールは、その後の工程で本シールが施される領域に施すことが好ましい。本例では、2枚のフィルム1,2の中央領域に対してボトムシールが施されるので、点シールは2枚のフィルム1,2の中央に施すことが好ましい。
【0026】
ガイドローラ10のフィルム搬送方向下流側には、これらのフィルム1,2を、内袋フィルム2を外袋フィルム1が覆い、かつ内袋フィルム2の両側端部が重ね合わせられるとともに、外袋フィルム1の両側端部が重ね合わせられるように折り込む製袋ガイド11が配置されている。
【0027】
製袋ガイド11のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド11によって折り込まれたフィルム1,2の自立袋60の底面となる部分を内側に折り込むための折り込みガイド14と、重ね合わされた内袋フィルム2の両側端部を互いに密着させる第1の押さえローラ13とが設けられている。内袋フィルム2は、これらの製袋ガイド11と第1の押さえローラ13とによって筒状に形成される。
【0028】
また、製袋ガイド11のフィルム搬送方向下流側には、筒状に形成された内袋フィルム2内に製品を投入するための投入パイプ12が配置されている。製品は、例えば、ジュース、果肉入りジュース、ゼリー等の飲食品や経腸栄養剤等の医薬品などの流動性を有するものである。
【0029】
折り込みガイド14及び第1の押さえローラ13のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド11と折り込みガイド14によって折り込まれたフィルム1,2をその長手方向に沿って熱シールするボトムシール機構30が配置されている。ボトムシール機構30は、自立袋60全体のボトムシール部63(図2(a)参照)を形成する。さらに、ボトムシール機構30に対向する位置には、重ね合わされた内袋フィルム2の両側端部に口栓62a(図2(a)参照)となる部分である口栓形成部を形成するようにその両側端部を所定の形状にカットするとともに、その両側端部を内袋フィルム2の長手方向に沿って熱シールする内袋トップシール機構20が配置されている。内袋トップシール機構20は、口栓62aを備えた内袋62の内袋トップシール部64(図2(a)参照)を形成する。
【0030】
これらのシール機構20,30のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド11によって折り込まれた外袋フィルム1の両側端部を互いに密着させる第2の押さえローラ16が配置され、第2の押さえローラ16のさらに下流側には、外袋フィルム1の両側端部をその長手方向に沿って熱シールする外袋トップシール機構40が配置されている。外袋トップシール機構40は、外袋61の外袋トップシール部65(図2(a)参照)を形成する。
【0031】
なお、図1Bに示されているように、シール機構20,30のフィルム搬送方向下流側には、フィルム1,2を挟みながら回転し、フィルム1,2を搬送方向下流側に送る送りローラ17が設けられている(図1Aでは図の簡略化のために送りローラ17の図示を省略している)。
【0032】
送りローラ17のフィルム搬送方向下流側には、フィルム1,2を間において対向配置され、送りローラ17の回転に同期して回転させられる1対のシゴキローラ15が設けられている。シゴキローラ15は、フィルム1,2を全幅にわたって挟み込むことによって、内袋フィルム2内に投入された製品を分割するものであり、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能である。シゴキローラ15は、フィルム1,2を挟んだ状態で回転することにより、送りローラ17とともにフィルム1,2を搬送方向下流側に搬送する。
【0033】
さらに、シゴキローラ15のフィルム搬送方向下流側には、フィルム1,2を横方向(水平方向)に熱シールして自立袋60の側シール部66(図2(a)参照)を形成するとともに、フィルム1,2をその側シール部66で横方向(水平方向)に切断する側シール機構50が配置されている。
【0034】
次に、上述した製袋ガイド11及び折り込みガイド14、内袋トップシール機構20、ボトムシール機構30、外袋トップシール機構40および側シール機構50について詳しく説明する。
【0035】
(1)製袋ガイド及び折り込みガイド
製袋ガイド11は、図1Aに示すように、上辺の長さが下辺の長さよりも長いが外袋フィルム1の幅よりも小さく、かつ、2つの斜辺の角度が互いに等しい台形板で構成されており、鉛直方向に対して斜めに配置されている。
【0036】
ガイドローラ10を経由して重ね合わされた状態のフィルム1,2は、送りローラ17(図1B参照)の駆動により製袋ガイド11の上面に密着しながら下方に送られる。これにより、フィルム1,2には図3(a)に示すように2つの稜部3が形成され、これら稜部3の間の領域が、自立袋の底面となる。
【0037】
折り込みガイド14は、製袋ガイド11の下辺部の下方に、フィルム1,2に形成された2つの稜部3の間の領域をさらに内側に折り込むために配置されている。折り込みガイド14は、フィルム1,2の搬送方向、すなわち縦型充填包装機の上方から下方に向かうにつれて、フィルム1,2の搬送中心線に近づく斜面部14aを有している。製袋ガイド11によって2つの稜部3が形成されたフィルム1,2がさらに下方に搬送されていくと、フィルム1,2の2つの稜部3の間の領域が折り込みガイド14の斜面部14aに沿って内側にV字型に折り込まれる。これにより、フィルム1,2に2つの山部4とその間の谷部5とが形成される(図3(b)参照)。
【0038】
(2)内袋トップシール機構
図4は図1A等に示した内袋トップシール機構を示す図であり、同図(a)はその上面図、同図(b)はその正面図である。また、図5は、図4に示した内袋トップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【0039】
図4に示すように、内袋トップシール機構20は、互いにロッド23aを対向させてフレームに固定された2つのシリンダ23と、各シリンダ23のロッド23aにそれぞれ固定された支持部材22に互いの加圧面を加圧可能に対向させて支持された2つのシールバー21,24とを有し、各シールバー21,24の間を、製袋ガイド11(図1A等参照)で折り込まれた内袋フィルム2の開放端部が通過可能な構成となっている。
【0040】
各シールバー21,24には、それぞれ電熱ヒータ等の加熱手段(不図示)が内蔵されている。これら加熱手段でシールバー21,24を加熱しつつ、各シリンダ23を同時に駆動して各シールバー21,24を前進させることで、内袋フィルム2の開放端部が熱シールされる。
【0041】
ここで、各シールバー21,24の加圧面は、図5に示すように、斜線を施した領域に周囲よりも高くなった凸部21a,24aを有している。これらの凸部21a,24aは、内袋に形成される口栓62a(図2参照)に対応した形状を有している。シールバー21,24の加圧面がフィルム2を加圧する際は、この凸部21a,24aがフィルム2に当接する。なお、シールバー21,24の凸部21a,24aの鉛直方向における長さはフィルム2の送りピッチよりも大きくなっており、凸部21a,24aの上下端部では、内袋トップシール部64が自立袋60の側シール部66(図2参照)とオーバーラップするようになっている。
【0042】
また、各シールバー21,24には凸部21a,24aに沿った溝部21b,24bが形成され、一方のシールバー24の溝部24b内にはカッタ24cが進退可能に保持されている。カッタ24cは、2つのシールバー21,24によってフィルム2が挟持されているときに他方のシールバー21の溝部21bへ進入するように突出し、これによりフィルム2を凸部21a,24aに沿った形状に切断する。このように、内袋トップシール機構20は、内袋フィルム2の両側端部を内袋62の口栓62aを形成する形状に切断する切断部としてのカッタ24cを備えている。
【0043】
このように、内袋トップシール機構20は、内袋フィルム2の解放端を口栓62aを備えた形状に熱シールするとともに、その周囲の余分な部分を切断することにより、口栓62aを備えた内袋トップシール部64(図2参照)を形成する。
【0044】
(3)ボトムシール機構
図6は図1A等に示したボトムシール機構を示す図であり、同図(a)はその上面図、同図(b)はその正面図である。また、図7は図6に示したボトムシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【0045】
図6に示すように、ボトムシール機構30は、製袋充填包装機のフレームに取り付けられており、互いにロッド33aを対向させてフレーム10aに固定された2つのシリンダ33と、各シリンダ33のロッド33aにそれぞれ固定された支持部材32に互いの加圧面を対向させて支持された2つのシールバー31と、フレーム10aに支持されて先端部を各底シールバーの間に進入させて配置された受け板34とを有する。各シールバー31と受け板34との距離は、シリンダ33のロッド33aを前進させることによってシールバー31が受け板34に加圧されるように設定されている。
【0046】
上述の製袋ガイド11(図1A等参照)によって折り込まれたフィルム1,2は、2つの山部4の間に受け板34を進入させた状態で送られる。各シールバー31には、それぞれ電熱ヒータ等の加熱手段(不図示)が内蔵されている。これら加熱手段で各シールバー31を加熱しつつ、各シリンダ33を同時に駆動して各シールバー31を前進させることで、フィルム1,2の、受け板34とシールバー31とで挟まれた部位、すなわち2つの山部4が同時に熱シールされる。
【0047】
ここで、各シールバー31の加圧面は、図7に示すように斜線を施した領域に周囲よりも高くなった凸部31aを有し、底シールバー31の加圧面がフィルム1,2を加圧する際は、この凸部31aがフィルム1,2に当接する。
【0048】
この凸部31aの形状によって、自立袋60のボトムシール部63(図2参照)、すなわち自立袋として立たせることができるようにするためのリブの形状が決定される。本実施形態では、ボトムシール部63は熱シールされる領域と製品が充填される領域との境界が凹曲線を形成し、かつ、側シール機構50で熱シールされる部位との境界が曲線で繋がるような形状となっている。また、凸部31aの鉛直方向における長さLは、フィルム1の送りピッチPよりも大きくなっており、凸部31aの上下端部では、ボトムシール部63が自立袋60の側シール部66(図2参照)の両端部でオーバーラップするようになっている。
【0049】
また、凸部31aには、フィルム1,2の熱シールの際にフィルムを加圧しない、凸部31aに囲まれた凹部31bが形成されているとともに、凸部31aは、フィルム1,2に形成された谷部5の領域を加圧しない位置に設けられている。
【0050】
以上の構成により、底シール機構30でフィルム1,2を熱シールする際、フィルム1,2は、シールバー31の凹部31bに対応する領域、及び谷部5の領域では熱シールされない。したがって、これらの領域が、熱シールした際に発生する気泡の逃げ(空気溜り)となり、熱シールされた領域に気泡が残留しなくなるので、見た目にもきれいな良好な熱シールが行える。
【0051】
(4)外袋トップシール機構
外袋トップシール機構40も、図4に示した内袋トップシール機構20と同様に、互いにロッドを対向させてフレームに固定された2つのシリンダと、各シリンダのロッドにそれぞれ固定された支持部材に互いの加圧面を加圧可能に対向させて支持された2つのシールバー41(図8参照)とを有し、各シールバー41の間を、製袋ガイド11(図1A等参照)で折り込まれた外袋フィルム1の開放端部が通過可能な構成となっている。なお、外袋トップシール機構40のシールバー41以外の構成は図4に示した内袋トップシール機構20と同様であるため、それらの構成の図示は省略する。
【0052】
各シールバー41には、それぞれ電熱ヒータ等の加熱手段(不図示)が内蔵されている。これら加熱手段でシールバー41を加熱しつつ、各シリンダを同時に駆動して各シールバー41を前進させることで、外袋フィルム1の開放端部が熱シールされる。
【0053】
図8は外袋トップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【0054】
各シールバー41の加圧面は、図8に示すように、斜線を施した領域に周囲よりも高くなった凸部41aを有している。シールバー41の加圧面がフィルム1を加圧する際は、この凸部41aがフィルム1に当接する。なお、シールバー41の凸部41aの鉛直方向における長さはフィルム1の送りピッチよりも大きくなっており、凸部41aの上下端部では、外袋トップシール部65が自立袋60の側シール部66(図2参照)とオーバーラップするようになっている。
【0055】
(5)側シール機構
側シール機構50も、図4に示した内袋トップシール機構20と同様に、互いにロッドを対向させてフレームに固定された2つのシリンダと、各シリンダのロッドにそれぞれ固定された支持部材に互いの加圧面を加圧可能に対向させて支持された2つのシールバー51,52(図9参照)とを有し、各シールバー51,52の間を、製袋ガイド11(図1A等参照)で折り込まれたフィルム1,2が通過可能な構成となっている。なお、側シール機構50のシールバー51,52以外の構成は図4に示した内袋トップシール機構20と同様であるため、それらの構成の図示は省略する。
【0056】
各シールバー51,52には、それぞれ電熱ヒータ等の加熱手段(不図示)が内蔵されている。これら加熱手段でシールバー51,52を加熱しつつ、各シリンダを同時に駆動して各シールバー51,52を前進させることで、フィルム1,2が横方向(水平方向)に熱シールされ、これによりフィルム1,2は袋状となる。
【0057】
図9は側トップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【0058】
各シールバー51,52の加圧面は、図9に示すように、斜線を施した領域に周囲よりも高くなった凸部51a,52aを有している。シールバー51,52の加圧面がフィルム1,2を加圧する際は、この凸部51a,52aがフィルム1,2に当接する。これらの凸部51a,52aの長さは、筒状のフィルム1,2を扁平にしたときの横幅よりも長くなっている。したがって、シールバー51,52の加圧面をなす凸部51a,52aは、フィルム1,2をその横幅全体にわたって熱シールすることが可能である。
【0059】
また、各シールバー51,52の凸部51a,52aの中央部には、凸部51a,52aの長手方向に延びた溝部51b,52bが形成されている。さらに、一方のシールバー52の溝部52b内にはカッタ52cが進退可能に保持されている。カッタ52cは、2つのシールバー21,24によってフィルム1,2を熱シールした後に他方のシールバー21の溝部21bへ進入するように突出し、これによりフィルム1,2を横方向(水平方向)に切断して自立袋60をフィルム1,2から切り分ける。
【0060】
このように、側シール機構50は、フィルム1,2を横方向に熱シールするとともに、その熱シール部を横方向に切断することにより、自立袋60の側シール部66(図2参照)を形成する。
【0061】
次に、上述した製袋充填包装機による充填包装動作について、図1A、図1B及び図10を参照して説明する。
【0062】
図1A及び図1Bを参照すると、まず、シゴキローラ15及び側シール機構50を開いた状態で、投入パイプ12から内袋フィルム2内に製品を投入しつつ、送りローラ17を回転させてフィルム1,2を下方に送る。この際、フィルム1,2には既に、製袋ガイド11及び折り込みガイド14によって折り込みが形成されているとともに、ボトムシール機構30、内袋トップシール機構20及び外袋トップシール機構40によって所定の部位に熱シールがなされている。
【0063】
そして、フィルム1,2が所定量だけ送られたら、シゴキローラ15を閉じ、シゴキローラ15によって内袋フィルム2内の製品を分割する。
【0064】
この状態で更に送りローラ17及びシゴキローラ15を回転させてフィルム1,2を下方に送ると、図10(a)に示すように、フィルム1,2には製品が存在しない空充填部が形成される。
【0065】
空充填部が側シール機構50の間まで送られたら、すなわち前回の動作から一袋分の送りピッチPだけフィルム1,2が送られたら、フィルム1,2の送りを停止し、側シール機構50のシリンダ(不図示)を突出させてシールバー51,52(図9参照)同士を接近させていく。すると、図10(b)に示すように、シールバー51,52が閉じられ、これらによってフィルム1,2の空充填部が加圧される。シールバー51,52が閉じられたら、これらのシールバーに内蔵されている加熱手段を駆動して空充填部を横方向に熱シールする。この熱シールが終了したら、一方のシールバー52に備えられたカッタ52cを前進させ、フィルム1,2の熱シールされた部分を切断する。
【0066】
熱シールされた部分が切断されたら各シリンダを後退させてシールバー51,52を互いに離間させ、得られた包装袋を落下させる(図10(c)参照)。そして、シゴキローラ15を開き、次回分の製品を投入パイプ12から落下させる。
【0067】
上述のようにして得られた包装体は、図2(a)に示すように、ボトムシール機構30(図1A等参照)で熱シールされたボトムシール部63を底にして安定して立たせることができる自立袋60となる。この自立袋60は外袋61と内袋62との二重構造になっており、自立袋60はフィルム部材のみによって構成されている。したがって、本実施形態による自立袋60は、樹脂等によって構成された別部材の口栓を備えた従来の構成に比べて、環境に与える負担が小さく、かつコストを低減することができる。
【0068】
自立袋60の中身を取り出す際には、まず、外袋61の上側部分を切り取って内袋62の口栓62aを露出させる(図2(b)参照)。そして、口栓62aの先端部を切り取ることによって、製品が充填されている内袋62が開封される。口栓62aは外袋61を切り取るまで外袋61に覆われて清潔な状態が保たれているため、口栓62aに口を直接付けて自立袋60の中身を飲んだり食べたりすることができる。あるいは、細長く形成された口栓62aをコップ等の容器内に挿入した状態で中身を抽出することで、抽出途中に中身が容器からこぼれないように中身を容器に移すことも可能である。
【0069】
このように、本実施形態の自立袋の製袋充填包装機によれば、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された自立袋を製造することができる。
【0070】
[第2の実施形態]
図11は本発明の第2の実施形態に係る製袋充填包装機の概略構成を示す斜視図である。図12は図11に示す製袋充填包装機によって製造される自立袋を示す図である。
【0071】
本実施形態の製袋充填包装機は、図12(a)に示すように、口栓152aを有する内袋152とその内袋152を内部に収容した外袋151とで構成される自立袋150を製袋しつつ、鉛直方向に延びる投入パイプ112(図11参照)から投入される製品を自立袋150の内袋152内に充填するものである。
【0072】
図12(a)を参照すると、本実施形態の自立袋150は、内袋トップシール部154が外袋151にイージーピールが可能な状態にシールされた状態になっている。本実施形態の自立袋150の構成は、その点を除いて、第1の実施形態で説明した自立袋60と同じである。すなわち、自立袋150の底部には外袋151及び内袋152に共通するボトムシール部153が形成され、自立袋150の両側には外袋151及び内袋152に共通する側シール部156が形成されている。内袋152の上部には内袋152の上縁と口栓152aとを構成する内袋トップシール部154が形成されている。さらに、外袋151の上部には外袋151の上縁を構成する外袋トップシール部155が形成されている。
【0073】
まず、本実施形態の製袋充填包装機の全体の概略構成について説明する。
【0074】
製袋充填包装機には、イージーピール性を有するフィルムである外袋フィルム101が巻かれたフィルム供給ローラと、イージーピール性を有さない通常のフィルム(例えばポリエチレンフィルム)であり外装フィルム101よりも幅が狭い内袋フィルム102が巻かれたフィルム供給ローラとが設置される。製袋充填包装機は、これらのフィルム供給ローラから引き出されたフィルムを、外袋フィルム101の上に内袋フィルム102を重ね合わせた状態でフィルム搬送方向の下流側に供給するガイドローラ110を備えている。外袋フィルム101と内袋フィルム102とは、内袋フィルム102が外袋フィルム101上の中央領域に重ね合わされるように互いに位置合わせされている。
【0075】
なお、図には示されていないが、本実施形態の包装機は内袋フィルム102を外袋フィルム101に重ね合わせるまでの間に内袋フィルム102にカット加工を施す内袋カット機構が備えられている。内袋カット機構は、内袋フィルム102の両側部をカットして後に口栓152aとなる口栓形成部を形成する切断部である。この内袋カット機構は、図4及び図5を参照して説明した第1の実施形態の包装機における内袋トップシール機構20と同様に構成することができる。ただし、内袋トップシール機構20は内袋のカットに加えて熱シールを行うためにシールバー21,24に加熱手段と凸部21a,24aとが設けられていたが、本実施形態の内袋カット機構は熱シール機能が不要であるため、内袋カット機構のシールバーには少なくとも加熱手段は備えられていない。
【0076】
また、同じく図には示されていないが、上記のように位置合わせがなされた状態で重ね合わされた2枚のフィルム101,102に位置ずれが生じないように、これらのフィルム101,102を互いに仮止めするためのシールを施すシール機構が備えられていてもよい。このシール機構は、内袋フィルム102を外袋フィルム101に重ね合わせる2つのガイドローラ110の間に設置することができる。仮止め用のシールは、その後の工程で本シールが施される領域に施すことが好ましい。本例では、2枚のフィルム101,102の側シールが施される領域に仮止め用シールが施される。
【0077】
ガイドローラ110のフィルム搬送方向下流側には、これらのフィルム101,102を、内袋フィルム102を外袋フィルム101が覆い、かつ内袋フィルム102の両側端部が重ね合わせられるとともに、外袋フィルム101の両側端部が重ね合わせられるように筒状に折り込む製袋ガイド111が配置されている。
【0078】
また、筒状に形成された内袋フィルム102内に製品を投入するための投入パイプ112が設けられている。投入パイプ112は、製袋ガイド111に形成された開口を通って筒状の内袋フィルム102内に延びている。製品は、例えば、ジュース、果肉入りジュース、ゼリー等の飲食品や経腸栄養剤等の医薬品などの流動性を有するものである。なお、本実施形態では、製袋ガイド111に形成された開口を通して、固形物等の他の製品を内袋フィルム102内に投入することも可能である。
【0079】
製袋ガイド111のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド111によって筒状に折り込まれたフィルム101,102の自立袋150の底面となる部分を内側に折り込むための折り込みガイド114が設けられている。さらに、折り込みガイド114のフィルム搬送方向下流側には、折り込まれた各フィルム101,102の両側端部を互いに密着させる第1の押さえローラ113と、フィルム101,102の折り込みガイド114に折り込まれた部分を密着させる第2の押さえローラ116とが配置されている。
【0080】
これらの押さえローラ113,116のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド111と折り込みガイド114によって折り込まれたフィルム101,102をその長手方向に沿って熱シールするボトムシール機構130が配置されている。ボトムシール機構130は、自立袋150全体のボトムシール部153(図12(a)参照)を形成する。さらに、ボトムシール機構130に対向する位置には、折り込まれた外袋フィルム101及び内袋フィルム102の各々の両側端部をフィルムの長手方向に沿って熱シールするトップシール機構120が配置されている。トップシール機構120は、内袋152の口栓152aを有する内袋トップシール部154と、外袋151の外袋トップシール部155(図12(a)参照)を形成する。
【0081】
なお、図には示されていないが、シール機構120,130のフィルム搬送方向下流側には、フィルム101,102を挟みながら回転し、フィルム101,102を搬送方向下流側に送る送りローラが設けられている(図11では図の簡略化のために送りローラの図示を省略している)。
【0082】
送りローラのフィルム搬送方向下流側には、フィルム101,102を間において対向配置され、送りローラの回転に同期して回転させられる1対のシゴキローラ115が設けられている。シゴキローラ115は、フィルム101,102を全幅にわたって挟み込むことによって、内袋フィルム102内に投入された製品を分割するものであり、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能である。シゴキローラ115は、フィルム101,102を挟んだ状態で回転することにより、送りローラとともにフィルム101,102を搬送方向下流側に搬送する。
【0083】
さらに、シゴキローラ115のフィルム搬送方向下流側には、フィルム101,102を横方向(水平方向)に熱シールして自立袋150の側シール部156(図12(a)参照)を形成するとともに、フィルム101,102をその側シール部256に沿って横方向(水平方向)に切断する側シール機構140が配置されている。
【0084】
次に、上述したトップシール機構120について詳しく説明する。
【0085】
トップシール機構120は、図4に示した第1の実施形態における内袋トップシール機構20と同様に、互いにロッドを対向させてフレームに固定された2つのシリンダと、各シリンダのロッドにそれぞれ固定された支持部材に互いの加圧面を加圧可能に対向させて支持された2つのシールバー121(図13参照)とを有し、各シールバー121の間を、製袋ガイド111(図11参照)で折り込まれた外袋フィルム101が通過可能な構成となっている。なお、外袋トップシール機構120のシールバー121以外の構成は図4に示した内袋トップシール機構20と同様であるため、それらの構成の図示は省略する。
【0086】
図13を参照すると、各シールバー121には、それぞれ電熱ヒータ等の加熱手段(不図示)が内蔵されている。各シールバー121には、内袋152の内袋トップシール部154を形成する第1の凸部121aと、外袋151の内袋トップシール部155を形成する第2の凸部121bとが形成されている。これら加熱手段でシールバー121を加熱しつつ、各シリンダを同時に駆動して各シールバー121を前進させることで、外袋フィルム101の開放端部および内袋フィルム102の開放端部が熱シールされる。
【0087】
本実施形態におけるトップシール機構120は、内袋フィルム102を覆う外袋フィルム101をその外側からシールする構成になっている。そのため、シールバー121の第1の凸部121aによって熱シールされる部分では、内袋フィルム102に内袋トップシール部155が形成されるとともに、外袋フィルム101の内袋トップシール部155に当接する部分が内袋フィルム102に熱シールされる。しかしながら、外袋フィルム101は上述したようにイージーピール性を有しているため、袋を開封する際には外袋フィルム101を内袋フィルム102から容易に剥がすことが可能である。
【0088】
なお、本実施形態における折り込みガイド114、ボトムシール機構130、側シール機構140はそれぞれ第1の実施形態で説明したものと同じ構成を有しているので、ここではそれらに関する詳しい説明は省略する。また、本実施形態の製袋充填包装機による充填包装動作も第1の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0089】
図12(a)に示すように、本実施形態の製袋充填包装機によって得られる自立袋150も、ボトムシール機構130(図11参照)で熱シールされたボトムシール部153を底にして安定して立たせることが可能である。この自立袋150も外袋151と内袋152との二重構造になっており、自立袋150はフィルム部材のみによって構成されている。したがって、本実施形態による自立袋150も、樹脂等によって構成された別部材の口栓を備えた従来の構成に比べて、環境に与える負担が小さく、かつコストを低減することができる。
【0090】
自立袋150の中身を取り出す際には、まず、外袋151の上側部分を切り取る(図12(b)参照)。そして、外袋151の側シール部156を剥がすとともに、外袋151の口栓152aにシールされている部分を口栓152aから剥してめくることにより、口栓152aが露出する(図12(c)参照)。最後に、口栓152aの先端部を切り取ることによって、製品が充填されている内袋152が開封される。本実施形態による自立袋150の口栓152aも、外袋151が切り取られるまで外袋151で覆われて清潔な状態が保たれているため、口栓152aに口を直接付けて自立袋150の中身を飲んだり食べたりすることができる。あるいは、細長く形成された口栓152aをコップ等の容器内に挿入した状態で中身を抽出することで、抽出途中に中身が容器からこぼれないように中身を容器に移すことも可能である。
【0091】
このように、本実施形態の自立袋の製袋充填包装機によれば、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された自立袋を製造することができる。
【0092】
[第3の実施形態]
図14は本発明の第3の実施形態に係る製袋充填包装機の概略構成を示す斜視図である。図15は図14に示す製袋充填包装機によって製造される自立袋を示す図である。
【0093】
本実施形態の製袋充填包装機は、図12(a)に示すように口栓252aを有する内袋252と、その内袋152の口栓252aを覆う外袋251とで構成される自立袋250を製袋しつつ、鉛直方向に延びる投入パイプ212(図14参照)から投入される製品を自立袋250の内袋252内に充填するものである。
【0094】
図15(a)を参照すると、本実施形態の自立袋250は、内袋252の上縁と口栓252aとを形成する内袋トップシール部254と、内袋252の底部を形成するボトムシール部253とが形成された内袋252と、内袋252の口栓252aを覆う外袋251とを有している。外袋251の上縁には外袋トップシール部255が形成されている。外袋251は内袋252の内袋トップシール部254にイージーピールが可能な状態にシールされている。
【0095】
まず、この製袋充填包装機の全体の概略構成について説明する。
【0096】
製袋充填包装機には、イージーピール性を有するフィルムである外袋フィルム201がそれぞれ巻かれた2つのフィルム供給ローラと、イージーピール性を有さない通常のフィルム(例えばポリエチレンフィルム)からなる内袋フィルム202が巻かれたフィルム供給ローラとが設置される。
【0097】
なお、図には示されていないが、本実施形態の包装機も第2の実施形態と同様に、内袋フィルム202を外袋フィルム201に重ね合わせるまでの間に内袋フィルム202にカット加工を施す内袋カット機構が備えられている。内袋カット機構は、内袋フィルム202の両側部をカットして後に口栓252aとなる口栓形成部を形成する切断部である。この内袋カット機構は、図4及び図5を参照して説明した第1の実施形態の包装機における内袋トップシール機構20と同様に構成することができる。ただし、内袋トップシール機構20は内袋のカットに加えて熱シールを行うためにシールバー21,24に加熱手段と凸部21a,24aとが設けられていたが、本実施形態の内袋カット機構は熱シール機能が不要であるため、内袋カット機構のシールバーには少なくとも加熱手段は備えられていない。
【0098】
製袋充填包装機は、これらのフィルム供給ローラから引き出されたフィルムを、外袋フィルム201の上に内袋フィルム202を重ね合わせた状態でフィルム搬送方向の下流側に供給するガイドローラ210を備えている。2つの外袋フィルム201のうちの一方の外袋フィルム201は内袋フィルム202の一方の側端部に形成された口栓形成部を覆うように内袋フィルム202に対して位置合わせされ、他方の外袋フィルム201は内袋フィルム202の他方の側端部に形成された口栓形成部を覆うように内袋フィルム202に対して位置合わせされる。したがって、外袋フィルム201と内袋フィルム202とは、内袋フィルム202が、間隔をおいて配置された2つの外袋フィルム201の間を跨ぐように位置合わせされる。
【0099】
また、同じく図には示されていないが、上記のように位置合わせがなされた状態で重ね合わされた外袋フィルム201と内袋フィルム202とに位置ずれが生じないように、これらのフィルム201,202を互いに仮止めするためのシールを施すシール機構が備えられている。このシール機構は、内袋フィルム202を外袋フィルム201に重ね合わせる2つのガイドローラ210の間に設置することができる。仮止め用のシールは、その後の工程で本シールが施される領域に施すことが好ましい。本例では、フィルム201,202の側シールが施される領域に仮止め用シールが施される。このように仮止め用シールを行うことにより、外袋フィルム201と内袋フィルム202とを一体的に搬送することが可能になる。
【0100】
ガイドローラ210のフィルム搬送方向下流側には、これらのフィルム201,202を、内袋フィルム202の両側端部が重ね合わせられ、かつ2枚の外袋フィルム201が内袋フィルム202の両側端部を外側から覆うようにして2枚の外袋フィルム201の両側端部が重ね合わせられるように折り込む製袋ガイド211が配置されている。これにより、内袋フィルム202は筒状に形成される。
【0101】
また、筒状に形成された内袋フィルム202内に製品を投入するための投入パイプ212が設けられている。投入パイプ212は、製袋ガイド211に形成された開口を通って筒状の内袋フィルム202内に延びている。製品は、例えば、ジュース、果肉入りジュース、ゼリー等の飲食品や経腸栄養剤等の医薬品などの流動性を有するものである。なお、本実施形態では、製袋ガイド211に形成された開口を通して、固形物等の他の製品を内袋フィルム202内に投入することも可能である。
【0102】
製袋ガイド211のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド211によって筒状に折り込まれた内袋フィルム202の底面となる部分を内側に折り込むための折り込みガイド214が設けられている。さらに、折り込みガイド214のフィルム搬送方向下流側には、折り込まれた各フィルム201,202の両側端部を互いに密着させる第1の押さえローラ213と、内袋フィルム202の折り込みガイド214に折り込まれた部分を密着させる第2の押さえローラ216とが配置されている。
【0103】
これらの押さえローラ213,216のフィルム搬送方向下流側には、製袋ガイド211と折り込みガイド214によって折り込まれた内袋フィルム202をその長手方向に沿って熱シールするボトムシール機構230が配置されている。ボトムシール機構230は、自立袋250のボトムシール部253(図15(a)参照)を形成する。さらに、ボトムシール機構230に対向する位置には、折り込まれた外袋フィルム201及び内袋フィルム202の各々の両側端部をフィルムの長手方向に沿って熱シールするトップシール機構220が配置されている。トップシール機構220は、内袋252の口栓252aを有する内袋トップシール部254と、外袋251の外袋トップシール部255(図15(a)参照)を形成する。
【0104】
なお、図には示されていないが、シール機構220,230のフィルム搬送方向下流側には、フィルム201,202を挟みながら回転し、フィルム201,202を搬送方向下流側に送る送りローラが設けられている(図14では図の簡略化のために送りローラの図示を省略している)。
【0105】
送りローラのフィルム搬送方向下流側には、フィルム201,202を間において対向配置され、送りローラの回転に同期して回転させられる1対のシゴキローラ215が設けられている。シゴキローラ215は、フィルム201,202を全幅にわたって挟み込むことによって、内袋フィルム202内に投入された充填物を分割するものであり、不図示の駆動機構によって、互いに離間する方向および互いに当接する方向に移動可能である。シゴキローラ215は、フィルム201,202を挟んだ状態で回転することにより、送りローラとともにフィルム201,202を搬送方向下流側に搬送する。
【0106】
さらに、シゴキローラ215のフィルム搬送方向下流側には、フィルム201,202を横方向(水平方向)に熱シールして自立袋250の側シール部256(図15(a)参照)を形成するとともに、フィルム201,202をその側シール部256に沿って横方向(水平方向)に切断する側シール機構240が配置されている。
【0107】
なお、本実施形態における折り込みガイド214、トップシール機構220、ボトムシール機構230、側シール機構240はそれぞれ第2の実施形態で説明したものと同じ構成を有しているので、ここではそれらに関する詳しい説明は省略する。また、本実施形態の製袋充填包装機による充填包装動作も第2の実施形態と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0108】
図15(a)に示すように、本実施形態の製袋充填包装機によって得られる自立袋250も、ボトムシール機構230(図14参照)で熱シールされたボトムシール部253を底にして安定して立たせることが可能である。なお、本実施形態の自立袋253は他の実施形態の自立袋とは異なり、外袋251と内袋252とが二重構造になっていない。本実施形態の自立袋250は、製品を収容する本体部が内袋252のみによって形成され、外袋251は内袋252の少なくとも口栓252aを覆うために設けられている。本実施形態の自立袋250もフィルム部材のみによって構成されており、樹脂等によって構成された別部材の口栓を備えた従来の構成に比べて、環境に与える負担が小さく、かつコストを低減することができる。
【0109】
自立袋250の中身を取り出す際には、まず、外袋251の非シール部251aを引っ張って、外袋251の側シール部256を剥すとともに、外袋251の口栓252aにシールされている部分を口栓152aから剥がし、外袋251を内袋252から取り外す(図15(b)参照)。これにより、内袋252の口栓252aが露出する。そして、口栓252aの先端部を切り取ることによって、製品が充填されている内袋252が開封される。本実施形態による自立袋250の口栓252aも、外袋251が取り外されるまで外袋251で覆われて清潔な状態が保たれているため、口栓252aに口を直接付けて自立袋250の中身を飲んだり食べたりすることができる。あるいは、細長く形成された口栓252aをコップ等の容器内に挿入した状態で中身を抽出することで、抽出途中に中身が容器からこぼれないように中身を容器に移すことも可能である。
【0110】
このように、本実施形態の自立袋の製袋充填包装機によれば、口栓を有し、かつフィルム部材のみによって構成された自立袋を製造することができる。
【0111】
[その他の実施形態]
図16は、上述した各実施形態の製袋充填包装機に供給されるフィルムを殺菌するフィルム殺菌装置を示す図である。
【0112】
図16に示すように、このフィルム殺菌装置300は、フィルム供給ローラから引き出されたフィルム301を殺菌液によって殺菌する殺菌部310と、殺菌部310を通って殺菌液で殺菌されたフィルム301を乾燥させた状態で製袋充填包装機の製袋ガイドへ送る乾燥部320とを有している。乾燥部320によって乾燥されたフィルム301は、上述した各実施形態の製袋充填包装機におけるガイドローラを経由して製袋ガイドへ送られる。
【0113】
殺菌部310は、殺菌液である過酸化水素水溶液で満たされた殺菌層311を有している。殺菌層311には、フィルム引き回しユニット312が殺菌層311に対して出し入れ自由に設けられている。フィルム引き回しユニット312は、互い違いに配置された複数のローラを有し、これらのローラにフィルム301を交互に掛け回すことで、フィルム301が蛇行状態に引き回される。
【0114】
過酸化水素水溶液で満たされた殺菌層311内にフィルム引き回しユニット312を設置した状態で製袋充填包装機を作動させると、フィルム301は過酸化水素水溶液中に浸漬されながら送られ、これによってフィルム301が殺菌される。
【0115】
乾燥部320は、フィルム301が殺菌部310を通過することによってフィルム301に付着した過酸化水素水溶液を、温風を吹き付けることなどによって乾燥させる。
【0116】
上述した各実施形態の製袋充填包装機にこのフィルム殺菌装置300を組み合わせ、殺菌されたフィルムを用いて充填包装を行うことにより、無菌状態の自立袋を製造することができる。自立袋を無菌状態とすることにより、製品の保存期間を長くすることができる、内容物に防腐剤等を添加する必要がないので防腐剤等が無添加の健康的な食品を提供することができる、等の利点を得ることができる。このように殺菌されたフィルムを用いて充填包装を行う際には、その内部に充填する内容物も殺菌された状態でフィルム内に投入されることが好ましい。
【0117】
なお、ここでは1つのフィルム301を供給する構成について説明したが、上述した各実施形態の製袋充填包装機では2つあるいは3つのフィルム供給ローラからフィルムが供給されるように構成されている。そのため、フィルム殺菌装置300は、それらのフィルムの数に合わせて複数の殺菌部310や乾燥部320を備えているか、殺菌装置310及び乾燥装置320がそれらのフィルムを共通して殺菌、乾燥できる構成になっており、製袋充填包装機に供給される全てのフィルムを殺菌するようになっている。
【0118】
また、空気中を浮遊する雑菌が、フィルム殺菌装置300によって殺菌されたフィルムに付着したり、投入パイプから筒状のフィルム内に投入された無菌状態の内容物に付着したりすることを防ぐために、フィルム殺菌装置300及び製袋充填包装機を仕切り壁によって囲んで無菌室を形成し、その無菌室内に無菌状態に清浄化された空気を送り込むことにより、無菌室内の気圧を周囲の大気圧よりも高くする構成を備えることが好ましい。これにより、無菌室内には空気中に浮遊する雑菌が入り込むことが無くなるため、無菌状態の自立袋をより確実に安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1A】本発明の第1の実施形態に係る製袋充填包装機の概略構成を示す斜視図である。
【図1B】図1Aに示した製袋充填包装機の正面図である。
【図2】図1Aに示す製袋充填包装機によって製造される自立袋を示す図である。
【図3】図(a)は図1A等に示す製袋ガイドを通過したフィルムの横断面図であり、図(b)は図1A等に示す折り込みガイドを通過したフィルムの横断面図である。
【図4】図1A等に示した内袋トップシール機構を示す図である。
【図5】図4に示した内袋トップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【図6】図1A等に示したボトムシール機構を示す図である。
【図7】図6に示したボトムシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【図8】外袋トップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【図9】側トップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【図10】図1A等に示した製袋充填包装機による充填包装動作を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る製袋充填包装機の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図11に示す製袋充填包装機によって製造される自立袋を示す図である。
【図13】図11に示したトップシール機構のシールバーの加圧面を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る製袋充填包装機の概略構成を示す斜視図である。
【図15】図14に示す製袋充填包装機によって製造される自立袋を示す図である。
【図16】製袋充填包装機に供給されるフィルムを殺菌するフィルム殺菌装置を示す図である。
【図17】従来の自立袋を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
1,101,201 外袋フィルム
2,102,202 内袋フィルム
10,110,210 ガイドローラ
11,111,211 製袋ガイド
12,112,212 投入パイプ
13,113,213 第1の押さえローラ
14,114,214 折り込みガイド
15,115,215 シゴキローラ
16,116,216 第2の押さえローラ
17 送りローラ
20 内袋トップシール機構
30,130,230 ボトムシール機構
40 外袋トップシール機構
50,140,240 側シール機構
60,150,250 自立袋
120,220 トップシール機構
300 フィルム殺菌装置
310 殺菌部
320 乾燥部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が充填される内袋を形成する長尺シート状の内袋フィルムと、前記内袋に形成される口栓を少なくとも覆う長尺シート状の外袋フィルムとを互いに重ねた状態で下方に送りつつ製袋して製品を充填する製袋充填包装機であって、
製品を投入するために鉛直方向に配設された投入パイプと、
前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを筒状に製袋する製袋ガイドと、
前記筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムのうちの少なくとも前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、少なくとも前記内袋フィルムに2つの山部を形成する折り込みガイドと、
前記内袋フィルムの両側端部を、前記内袋の前記口栓を形成する形状に切断して口栓形成部を形成する切断部と、
前記折り込みガイドにより少なくとも前記内袋フィルムに形成された2つの山部をそれぞれ前記フィルムの長手方向に沿って熱シールするボトムシール機構と、
前記筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムの各々の互いに重ね合わされた両側端部を前記フィルムの長手方向に沿って熱シールするトップシール機構と、
前記投入パイプの下方に配置され、前記ボトムシール機構及び前記トップシール機構により熱シールされた前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを横方向に熱シールし、この熱シールされた部分を切断する側シール機構と、
を有する製袋充填包装機。
【請求項2】
前記トップシール機構は、
前記切断部を備え、前記筒状に製袋された前記内袋フィルムの両側端部に前記口栓形成部を形成するとともに、前記口栓形成部が形成された前記内袋フィルムの両側端部を熱シールする内袋トップシール機構と、
前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を熱シールする外袋トップシール機構と、
を別個に備えている、請求項1に記載の製袋充填包装機。
【請求項3】
前記切断部は、前記製袋ガイドに送られる前の前記内袋フィルムの両側端部に前記口栓形成部を形成することが可能な位置に配置されており、
前記トップシール機構は、前記口栓形成部が形成された前記内袋フィルムの両側端部を熱シールする内袋トップシール機構と、前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を熱シールする外袋トップシール機構とを一体的に備えている、請求項1に記載の製袋充填包装機。
【請求項4】
前記外袋フィルムの幅は前記内袋フィルムの幅よりも広く、前記内袋フィルムを前記外袋フィルムの幅方向の中央に位置合わせさせた状態で下方に送り、
前記折り込みガイドは、前記製袋ガイドによって筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、重ね合わされた状態の前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムに前記2つの山部を形成する、請求項1から3のいずれか1項に記載の製袋充填包装機。
【請求項5】
前記外袋フィルムは、前記切断部によって前記内袋フィルムの両側端部に形成された前記口栓を形成する部分を少なくとも覆う幅をそれぞれが有する2つの長尺シート状のフィルムからなり、一方の該フィルムを前記内袋フィルムの一方の側端部に形成された前記口栓形成部を覆うように前記内袋フィルムに対して位置合わせさせ、かつ他方の該フィルムを前記内袋フィルムの他方の側端部に形成された前記口栓形成部を覆うように前記内袋フィルムに対して位置合わせさせた状態で、前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを下方に送り、
前記折り込みガイドは、前記製袋ガイドによって筒状に製袋された前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムのうちの前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、前記内袋フィルムのみに前記2つの山部を形成する、請求項3に記載の製袋充填包装機。
【請求項6】
前記製袋ガイドに送られる前の前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを殺菌液中に浸漬させて前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを殺菌する殺菌部と、前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムに付着した前記殺菌液を乾燥させて前記外袋フィルム及び前記内袋フィルムを前記製袋ガイドに送る乾燥部とを有するフィルム殺菌装置を備えている、請求項1から5のいずれか1項に記載の製袋充填包装機。
【請求項7】
製品が充填される内袋を形成する長尺シート状の内袋フィルムと、前記内袋に形成される口栓を少なくとも覆う長尺シート状の外袋フィルムとを、互いに重ねた状態で筒状に製袋して下方に送る工程と、
筒状に製袋された少なくとも前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込み、この折り込みによって形成された2つの山部を前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、
前記内袋フィルムの両側端部を前記内袋の前記口栓を形成する形状に切断して、前記内袋フィルムの両側端部に口栓形成部を形成する工程と、
前記筒状に製袋された前記内袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、
前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、
前記両側端部および2つの山部の先端部が熱シールされた内袋フィルム内に製品を投入する工程と、
前記製品が投入された前記内袋フィルムと、該内袋フィルムの少なくとも前記口栓を覆う前記外袋フィルムとを横方向に熱シールし、この熱シールされた部分を切断する工程と、
を有する製袋充填包装方法。
【請求項8】
前記内袋フィルムの両側端部に前記口栓形成部を形成する工程と、前記筒状に製袋された前記内袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程とを同時に行う、請求項7に記載の製袋充填包装方法。
【請求項9】
前記内袋フィルムの両側端部に前記口栓形成部を形成する工程を、筒状に製袋された少なくとも前記内袋フィルムの幅方向中央部を前記フィルムの長手方向に沿って内側に折り込む前に行い、
前記筒状に製袋された前記内袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程と、前記筒状に製袋された前記外袋フィルムの両側端部を重ね合わせた状態で前記フィルムの長手方向に沿って熱シールする工程とを同時に行う、請求項7に記載の製袋充填包装方法。
【請求項10】
前記外袋フィルムの幅は前記内袋フィルムの幅よりも広く、前記内袋フィルムを前記外袋フィルムの幅方向の中央に位置合わせさせた状態で、前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを下方に送ることを含む、請求項7から9のいずれか1項に記載の製袋充填包装方法。
【請求項11】
前記外袋フィルムは、前記内袋フィルムの両側端部に形成された前記口栓を形成する部分を少なくとも覆う幅をそれぞれが有する2つの長尺シート状のフィルムからなり、一方の該フィルムを前記内袋フィルムの一方の側端部に形成された前記口栓形成部を覆うように前記内袋フィルムに対して位置合わせさせ、かつ他方の該フィルムを前記内袋フィルムの他方の側端部に形成された前記口栓形成部を覆うように前記内袋フィルムに対して位置合わせさせた状態で、前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを下方に送ることを含む、請求項9に記載の製袋充填包装方法。
【請求項12】
前記製袋ガイドに送られる前の前記内袋フィルム及び前記外袋フィルムを殺菌する工程をさらに有する、請求項7から11のいずれか1項に記載の製袋充填包装方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−89792(P2010−89792A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258756(P2008−258756)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(596088093)オリヒロエンジニアリング株式会社 (15)
【Fターム(参考)】