説明

製袋充填包装機のジッパ貼付装置

【課題】 ジッパ付き袋内への切断屑の混入を防止し、且つ、その品質の高いジッパ付き袋の製造が可能な製袋充填包装機のジッパ貼付装置を提供する。
【解決手段】 ジッパ貼付装置は、ウエブ経路12に設けられ、フィルムウエブWを上方に導く上昇経路部分12aと、この上昇経路部分12aに沿うフィルムウエブWに対し、ジッパストリップからジッパGを切り出して供給するストリップフィーダ44と、上昇経路部分12aを挟んで配置されたヒートシールバー114及びバー受台116を備えたヒートシーラ112とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品が充填されたジッパ付きの袋を製造する製袋充填包装機に係わり、より詳しくは、袋を形成するためのフィルムウエブにジッパを貼り付けるジッパ貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のジッパ貼付装置は、ジッパを形成するための長尺なジッパストリップを切断して所定の長さのジッパを形成し、この後、形成したジッパをフィルムウエブ上に繰り出し、フィルムウエブにヒートシールして貼り付ける(特許文献1)。
ジッパが貼り付けられたフィルムウエブは、この後、製袋充填包装機の充填チューブに向けて搬送され、製品を充填した袋の製造に使用される。
【特許文献1】特開平10-296884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1のジッパ貼付装置は、水平に搬送されるフィルムウエブ上に切断形成したジッパを移送するため、この際、ジッパに切断屑が付着していると、切断屑がフィルタウエブ上に落下する虞がある。この場合、落下した切断屑は製造された袋内に製品とともに混入し、その製品が不良品となってしまう。
また、特許文献1のジッパ貼付装置の場合、フィルムウエブがヒートシーラの直上を通過するため、フィルタウエブはヒートシーラからの輻射熱を受け、フィルムウエブに伸びや歪みが生起され易い。このような伸びや歪みは製品外面の模様を変形させたり、ジッパ貼付位置を正規の位置から外し、製品品質を低下させてしまう。
【0004】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは製品内への切断屑の混入や皺の発生を防止でき、製品品質の向上を図ることができる製袋充填包装機のジッパ貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するため、本発明の製袋充填包装機のジッパ貼付装置は、包装機の充填チューブに向けてフィルムウエブを搬送するウエブ経路に設けられ、ウエブ経路の一部にフィルムウエブが上方に向かう上昇経路部分を形成する方向変更ガイドと、上昇経路部分に沿ったフィルムウエブの一側縁側に終端を有し、フランジが両側にそれぞれ付けられたジッパストリップをその幅方向が上下となる姿勢で上昇経路部分に向けて送出するストリップ経路と、このストリップ経路の終端から上昇経路部分におけるフィルムウエブの他側縁側に向け、前記ジッパストリップを水平なジッパ経路に沿って繰り出すストリップフィーダと、ストリップ経路の終端近傍にて、ジッパ経路を水平方向に挟んで配置された切断刃及び刃受台を有し、ストリップフィーダにより繰り出されたジッパストリップを切断し、所定長さのジッパを形成するカッタユニットと、上昇経路部分に沿ったフィルムウエブをその表裏側から水平方向に挟んで配置された可動シールバー及びバー受台を有し、ジッパの上側フランジを前記フィルムウエブにヒートシールするヒートシーラと
を備えている(請求項1)。
【0006】
上述したジッパ貼付装置によれば、ストリップフィーダが水平なジッパ経路に沿いジッパストリップを繰り出すと、カッタユニットが繰り出されたジッパストリップを切断し、所定長さのジッパを形成する。この後、ジッパはストリップフィーダによりウエブ経路の上昇経路部分まで移送される。
上昇経路部分に沿ったフィルムウエブに対して、ジッパが所定位置に位置付けられると、ヒートシーラの可動シールバー及びバー受台はフィルムウエブにジッパの上側フランジを重ね合わせるべく、これらを共に挟み付け、フィルムウエブにジッパを貼り付ける。
【0007】
ストリップフィーダは、ジッパストリップの下側フランジを把持し且つジッパ経路に沿って往復動可能なグリッパと、ジッパ経路に沿って延び、グリッパの把持位置よりも上側の下側フランジの部位を通過させる案内溝を有し、且つ、ジッパストリップを下側から保持するジッパガイドとを含むことができる(請求項2)。
ジッパストリップの先端がグリッパに把持され、そして、グリッパの移動に伴い、ジッパストリップがジッパ経路に沿って繰り出されるとき、ジッパストリップはグリッパによる把持位置よりも上側となる下側フランジの部位がジッパガイドの案内溝に進入した状態で、ジッパガイドに保持される。従って、この後、カッタユニットによるジッパストリップの切断によりジッパが形成されても、このジッパはジッパガイド上に保持され、ジッパ経路から脱落することがない。
【0008】
更に、ジッパ貼付装置は、ストリップ経路の終端とカッタユニットとの間に設けられたクランパを更に備え、このクランパはカッタユニットによるジッパストリップの切断に先立ち、ジッパストリップを挟持する(請求項3)。
カッタユニットによる切断時、ジッパストリップがクランパにより挟持されていれば、ジッパストリップの切断端に位置ずれを生じさせることがない。
【0009】
この場合、カッタユニットは、切断刃及び刃受台を互いに接離させて前記ジッパ経路を開閉し、前記ジッパ経路を開いたときには前記切断刃は前記刃受台との間に前記グリッパの通過を許容する駆動手段と、切断刃によるジッパストリップの切断に先立ち、刃受台との間にてジッパストリップを挟持し、且つ、切断刃の突出を許容した挟持パッドとを更に含んでいるのが好ましい(請求項4)。
【0010】
この場合、切断刃は、挟持パッドと刃受台との間にジッパストリップを予め挟持した状態で、ジッパストリップを切断し、そして、切断後、切断刃及び刃受台は互いに離間され、グリッパは切断刃と刃受台との間を通過して復動し、ジッパストリップの切断端を把持する。
前述した方向変更ガイドは、フィルムウエブの搬送を水平方向から鉛直方向に変更するL字状のウエブガイドプレートと、このウエブガイドプレートの上方に配置されたガイドローラとを含み(請求項5)、これらウエブガイドプレートとガイドローラとの間にてウエブ経路の上昇経路部分が形成される。
【0011】
この場合、ヒートシーラの可動シールバーは、ジッパ経路との間にてウエブガイドプレートを挟むように配置され、そして、ウエブガイドプレートは可動シールバーの通過を許容するスロットを有している(請求項6)。
可動シールバーはウエブガイドプレートのスロットを通じてジッパ経路側に突出し、バー受台との間にてフィルムウエブ及びジッパの上側フランジを挟み込む。
【0012】
また、ジッパガイドは、ウエブガイドプレートに近接して配置された固定ガイド部材と、ヒートシーラのバー受台の下面に一体的に取付けられ、固定ガイド部材との間にて案内溝を形成する可動ガイド部材と、可動ガイド部材をバー受台とともに上下方向に回動させる回動機構とを含んでいるのが望ましい(請求項7)。
回動機構は可動ガイド部材及びバー受台を共に上方に回動させることで、これらをジッパ経路から退避させ、ジッパガイドの案内溝を大きく開き、上昇経路部分の周辺に配置されたストリップフィーダ、カッタユニット及びヒートシーラに対するアクセスが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1のジッパ貼付装置は、ウエブ経路の上昇経路部分に沿うフィルムウエブに対してジッパを貼り付けるから、ジッパの切断形成により生じた切断屑がジッパから落下しても、切断屑をフィルムウエブに付着させることはなく、また、ヒートシーラの可動シールバー及びバー受台を上昇経路部分に沿うフィルムウエブを挟むようにして配置してあるから、可動シールバーからの輻射熱は主にフィルムウエブに沿って上昇し、輻射熱がフィルムウエブに伸びや歪みを生じさせることはない。
【0014】
従って、フィルムウエブから製造された製品内への切断屑の混入が確実に防止され、また、製品外面の模様の変形やジッパ貼付位置のずれをも確実に防止され、製品品質の向上を図ることができる。
請求項2〜4の貼付装置は、ジッパガイドの存在によりジッパの正確な貼り付けを可能にし、そして、クランパや挟持パッドの存在により、ジッパストリップからのジッパの正確な切り出しを可能にし、また、カッタユニットの存在に拘わらず、ジッパストリップの切断端をグリッパにより把持可能となる。
【0015】
請求項5,6の貼付装置は、L字状のウエブガイドプレートとガイドローラとの組合せよりウエブ経路中に上昇経路部分を容易に設けることができ、そして、ウエブガイドプレートは可動シールバーからフィルムウエブに伝達する輻射熱の低減に役立つ。
請求項7の貼付装置は、ジッパガイドの可動ガイド部材及びヒートシーラのバー受台が共に上下方向に回動可能であるから、フィルムウエブの幅に拘わらず、ジッパ経路のメンテナンスを容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は縦形製袋充填包装機を概略的に示す。
包装機はウエブロールWRを備え、このウエブロールWRからは充填チューブ10までウエブ経路12が延びている。ウエブ経路12は多数のガイドローラからなり、その途中にバキューム型のバッファ14が配置されている。このバッファ14はフィルムウエブWの張力を安定させる。
【0017】
更に、ウエブ経路12にはバッファ14の下流にジッパ貼付装置18が配置され、このジッパ貼付装置18はフィルムウエブWの搬送方向に所定の間隔、つまり、製造すべきジッパ付き袋の長さに応じた間隔を存してフィルムウエブWにジッパを貼り付ける。
ウエブ経路12の終端、即ち、充填チューブ10の上部にはフォーマ20が取付けられており、このフォーマ20はフィルムウエブWが通過する際、フィルムウエブWを充填チューブ10の回りに筒状に成形する。この後、フィルムウエブWは充填チューブ10に沿ってフィルムフィーダ(図示しない)より下方に引き出され、この際、互いに重ね合わされたフィルムウエブWの両側縁は縦シーラ(図示しない)により接着され、フィルムウエブWはフィルム筒に成形される。
【0018】
充填チューブ10から下方に引き下ろされたフィルム筒は、横シーラ22により横シールを経て切断され、また、フィルム筒内には充填チューブ10を通じて、例えば粉粒状の物品が充填される。この充填のため、充填チューブ10内にはオーガ(図示しない)が配置され、そして、充填チューブ10の上端には物品のためのホッパ24が備えられている。
【0019】
フィルム筒に対する物品の充填と横シール・切断は交互に実施され、この結果、物品を充填した個々のジッパ付き袋Pが製造される。
図2に示されるようにジッパ付き袋Pはその上端部にジッパGを備え、このジッパGはフィルム筒が横シールされると同時に、フィルム筒の内面に本付けされる。
図3を参照すれば、前述したジッパ貼付装置18が拡大して示されている。
【0020】
ジッパ貼付装置18は、ウエブ経路12に配置した方向変更ガイド、即ち、L字状のウエブガイドプレート26と、このウエブガイドプレート26の上方に配置されたガイドローラ28とを備え、これらウエブガイドプレート26及びガイドローラ28は互いに協働し、ウエブ経路12に上昇経路部分12aを形成する。
従って、ウエブガイドプレート26に向けて水平に搬送されるフィルムウエブWはウエブガイドプレート26を通過する際、鉛直方向でみて上方に向けられ、そして、上昇経路部分12aに沿い上昇した後、ガイドローラ28を通過し、充填チューブ10に向けて導かれる。
【0021】
フィルムウエブWの側方、つまり、上昇経路部分12aに沿うフィルムウエブWの一側縁側には、ジッパストリップのストリップ経路が配置されており、このストリップ経路はその終端に図4に示されるような一対の反転ローラ30を有する。これら反転ローラ30はウエブガイドプレート26(図4には図示されていない)から所定の間隔を存して配置され、水平面内にて互いに逆向きに回転される。
【0022】
一対の反転ローラ30間にはジッパストリップGSが挟み込まれており、このジッパストリップはストリップロール(図示しない)からガイドローラ31を介して繰り出されている。ストリップロールから繰り出されるジッパストリップGSはその表裏面が上下方向を向いた状態にあるが、一対の反転ローラ30を通過した後、ジッパストリップGSの表裏面は鉛直となる。つまり、ジッパストリップGSが一対の反転ローラ30間を通過する際、ジッパテープGSは90°捻られることなる。なお、ストリップロールが一対の反転ローラ30と同一の高さレベルにて水平姿勢に配置されていれば、ジッパストリップGSは反転ローラ30にて捻られることなく、反転ローラ30間を通過することができる。
【0023】
図5はジッパストリップGSを詳細に示す。
ジッパストリップGSは2枚のストリップ材からなり、これらストリップ材は互いに噛み合う条体Gf,Gmと、フランジから形成されている。一方のストリップ材はその条体Gfの両側にフランジFu,Fdを有し、他方のストップ材はその条体Gmの片側のみにフランジFdを有する。
【0024】
ジッパストリップGSが一対の反転ローラ30間を通過したとき、ジッパストリップGSはその両フランジFdを下側に向け且つフランジFuを上側に向けた姿勢で、反転ローラ30間から通過する。
一方、図4に示されるように反転ローラ30の直前方にはクランパ32が配置されている。このクランパ32は固定パッド34及び可動パッド36を有し、この固定パッド34はホルダ部材38を介して装置フレーム側に取付けられている。固定パッド34には反転ローラ30間から送出されたジッパストリップGSが摺接し、そして、可動パッド36は固定パッド34からジッパストリップGSを挟んで水平方向に離間し、クランプシリンダ40にホルダ42を介して取付けられている。図6から明らかなように、可動パッド36は一対備えられ、互いに上下方向に離間している。
【0025】
従って、クランプシリンダ40が伸縮されると、可動パッド36は固定パッド34に対して接離(開閉)し、これにより、固定パッド34との間にてジッパストリップGSを解放可能に挟持することができる。この際、クランパ32は、ジッパストリップGSの条体Gf,Gmを避けてジッパストリップGSを挟持し、ジッパストッパGSの安定したクランプが保証される。
【0026】
図3に示されるように、前述したウエブガイドプレート26の下方にはストリップフィーダ44が配置されており、このストリップフィーダ44は可動グリッパ46と、この可動グリッパ46を作動させる円筒状の駆動ユニット48とを有する。可動グリッパ46は、ジッパストリップGSを挟んで離間した一対のグリップ爪50を有し、これらグリップ爪50が駆動ユニット48により開閉される。
【0027】
図7(a),(b)に駆動ユニット48はホルダ52を介してフィードステージ54に取付けられている。このフィードステージ54は前述したウエブガイドプレート26の幅方向に沿って水平に延び、その内部にフィードスクリュー(図示しない)を内蔵する。このフィードスクリューはその往復キャリア56を介してホルダ52に連結される一方、その一端にモータ58が取付けられている。従って、モータ58が正逆方向に回転されると、駆動ユニット48、つまり、可動グリッパ46がウエブガイドプレート26の幅方向に往復動する。
【0028】
可動グリッパ46の往復動範囲は、前述したクランパ32近傍(図4参照)の始端位置から上昇経路部分12aに沿うフィルムウエブWの他側縁を越えた終端位置に亘り、使用されるフィルムウエブWの最大幅に応じて設定される。
従って、可動グリッパ46がその往復動範囲の始端位置に位置付けられ、そして、可動グリッパ46が閉じられると、可動グリッパ46は、閉状態にあるクランパ32から突出したジッパストリップGSを把持することができ、この際、そのグリップ爪50間にジッパストリップGSの下側フランジFdが挟み付けられる。
【0029】
この後、クランパ32が開かれ、そして、可動グリッパ46がジッパストリップGSを把持した状態で、往復動範囲の終端位置に向けて移動されると、この移動に伴い、ジッパストリップGSはストリップ経路の終端から、即ち、一対の反転ローラ30間からウエブガイドプレート26に沿って水平方向に繰出される。従って、繰り出されたジッパストリップGSは、ウエブガイドプレート26との間にて上昇経路部分12aのフィルムウエブWを挟むように位置付けられる。
【0030】
図3に示されるようにウエブガイドプレート26の直下にはジッパガイド60が配置されており、このジッパガイド60はウエブガイドプレート26に沿って水平に延びている。図4からに示されるようにジッパガイド60は前述したクランパ32との間に所定の距離を存して位置付けられた一端を有する。ジッパガイド60は、固定ガイド部材62と可動ガイド部材64とからなり、これら固定及び可動ガイド部材62,64は互いに協働してウエブガイドプレート26と平行な案内溝66を形成する。
【0031】
前述したようにジッパストリップGSが繰り出されるとき、ジッパストリップGSの下側フランジFdは案内溝66内に進入し、この案内溝66を通過する。しかしながら、図8から明らかなように案内溝66の幅は、ジッパストリップGSの最大厚み、つまり、互いに噛み合っている条体Gf,Gmの厚みよりも狭く、ジッパストリップGSは固定及びガイド部材62,64により下側から支えられた状態で繰り出されることになる。
【0032】
上述したジッパガイド60、即ち、案内溝66はジッパストリップGSのためのジッパ経路を形成し、ジッパストリップGSの安定した繰出しを保証する。
一方、図4に示されているようにジッパガイド60の一端とクランパ32との間にはカッタユニット68が配置されており、このカッタユニット68は、ジッパ経路を挟んでジッパガイド60の固定ガイド部材62側に位置した刃受台70と、可動ガイド部材64側に位置した切断モジュール72とからなり、これら刃受台70及び切断モジュール72のそれぞれは、図9に示されるようにブラケット74,76を介して駆動シリンダ78の一対の作動脚80,82にそれぞれ取付けられている。駆動シリンダ78は一対の作動脚80,82を互いに接離する方向に作動させることができ、これにより、刃受台70及び切断モジュール72もまた互いに接離し、刃受台70及び切断モジュール72間にジッパ経路上のジッパストリップGSを挟み付けることができる。
【0033】
図9から明らかなように刃受台70はジッパ経路に沿った横溝84を有し、この横溝84は挟み込まれたジッパストリップGSの条体Gf,Gmを受け入れることができる。また、図4に示されているように刃受台70には切断モジュール72から突出する切断刃を逃がすための逃がし溝86もまた形成されており、逃がし溝86は横溝84と交差して延びている。
【0034】
図10は前述した切断モジュール72を拡大して示す。
切断モジュール72はカッタ台88を有し、このカッタ台88が前述したブラケット76を介して駆動シリンダ78の作動脚82に取付けられている。カッタ台88には切断刃90が取付けられ、切断刃90はカッタ台88から刃受台70に向けて突出している。尚、図10中、参照符号92はカッタ台88とブラケット76とを連結する螺子を示す。
【0035】
一方、カッタ台88にはパッドリテーナ94が取付けられており、このパッドリテーナ94はカッタ台88との間にて挟持パッド96を切断刃90の突出方向に摺動自在に保持している。挟持パッド96は図10でみて断面コ字形をなし、切断刃90の突出方向に離間した両端98,100を有する。
パッドリテーナ94は挟持パッド96の一端98と対向する折曲部102を有し、この折曲部102と挟持パッド96の一端98との間に圧縮コイルばね104が架け渡されている。この圧縮コイルばね104は挟持パッド96を切断刃90の突出方向に押圧付勢し、図示の状態では、挟持パッド96の一端98はカッタ台88に押付けられている。
【0036】
一方、挟持パッド96の他端100には切断刃90の刃先を受け入れた貫通孔106が形成され、この貫通孔106から切断刃90が突出可能である。更に、他端100は刃受台70側の表面が弾性材108により形成されている。
上述したカッタユニット68によれば、駆動シリンダ78の作動に伴い、刃受台70及び切断モジュール72が互いに近接する方向に移動すると、刃受台70と切断モジュール72における挟持パッド96の他端100との間にてジッパストリップGSが挟持される。この際、挟持パッド96の他端100はその表面が弾性材108により形成され、また、刃受台70には前述した横溝84が形成されているので、ジッパストリップGSは損傷を受けることなく安定して挟持される。
【0037】
この後、刃受台70と切断モジュール72とが近接する方向に更に移動されると、切断モジュール72側ではその圧縮コイルばね104の収縮を伴い、切断刃90が挟持パッド96の貫通孔106から突出してジッパストリップGSを切断し、刃受台70の逃がし溝86内に侵入する。
上述したジッパストリップGSの切断は、可動グリッパ46によるジッパストリップGSの繰出し後、その繰出しを停止し且つクランパ32を閉じた状態で実施される。これにより、ジッパストリップGSからフィルムウエブWの幅に応じた所定長さのジッパGが切り出される。
【0038】
切断時、ジッパストリップGSは刃受台70と挟持パッド96との間にて挟持された状態にあるから、ジッパストリップGSの切断を正確に行うことができる。
また、切り出されたジッパGは前述したジッパガイド60により保持されているので、ジッパGがジッパ経路から脱落することはない。
この後、可動グリッパ46がその繰出し方向に移動されると、この移動に伴い、ジッパGはジッパガイド60に案内されながら上昇経路部分12aに沿うフィルムウエブWに対して所定の供給位置に位置付けられる。
【0039】
従って、可動グリッパ46の往復動及びカッタユニット68の切断動作が繰り返されることで、ジッパストリップGSから個々のジッパGを切り出し、そして、切り出したジッパGを前記供給位置に順次供給することができる。
切り出されたジッパGが前記供給位置に向けて移送される際、ジッパストリップGSの切断により生じた切断屑がジッパGから落下するとしても、落下した切断屑がフィルムウエブWに付着することはない。つまり、ジッパGが供給されるフィルムウエブWの部位は上昇経路部分12aに沿い実質的に鉛直に延びているから、落下した切断屑がそのフィルムウエブWに付着することはない。
【0040】
なお、ジッパGから落下した切断屑は、ストリップフィーダ44のフィードステージ54に受け止められ、ジッパ貼付装置18の下方に位置する上流側のフィルムウエブWに落下することもない。また、必要なら、ジッパ貼付装置18とその下方のウエブ経路12との間に切断屑の回収カバーを設けるようにしてもよい。
上述したようにフィルムウエブWに切断屑が付着することはないので、フィルムウエブWから製造されたジッパ付き袋P内に切断屑が混入することはなく、その品質を保証することができる。
【0041】
なお、可動グリッパ46がクランパ32側に向けて復動する際、カッタユニット68の刃受台70と切断モジュール72とは可動グリッパ46の通過を許容する距離だけ互いに離間しており、可動グリッパ46の復動を妨げることはない。
また、可動グリッパ46の復動後、可動グリッパ46はその繰出しを繰り返すため、ジッパストリップGSの切断端を把持することになるが、この際、ジッパストリップGSはクランパ32により挟持されたままとなっているので、その切断後、ジッパストリップGSの切断端はジッパ経路から外れることなく保持されている。従って、可動グリッパ46はジッパストリップGSの切断端を確実に把持することができ、ジッパストリップGSの繰出しは安定して実施される。
【0042】
一方、フィルムウエブWに対してジッパGの位置決めをなすため、図11に示されるように、ジッパガイド60の可動ガイド部材64には光学式の到達センサ110が内蔵され、この到達センサ110はジッパGの先端を検出したとき、検出信号を出力し、この時点で、可動グリッパ46の往動が停止されることになる。
ジッパGが前記供給位置に位置付けられたとき、図11に示されるようにジッパGはヒートシーラ112内に進入した状態にある。より詳しくは、ヒートシーラ112は、上昇経路部分12aに沿うフィルムウエブWの表裏方向に離間したヒートシールバー114と、バー受台116とを備え、この実施例の場合、ヒートシールバー114はジッパGとの間にて、ウエブガイドプレート26及びフィルムウエブWを挟んで配置されている。ヒートシールバー114は、前述したジッパ経路に沿ってジッパGの長さに対応した長さだけ延び、その下端部がウエブガイドプレート26に向けて突出した形状を有する。
【0043】
ヒートシールバー114はヒータブロック118に取付けられており、このヒータブロック118は図12(a)に示されるようにホルダ120を介して駆動シリンダ122に取付けられている。駆動シリンダ122はその伸縮動作により、ヒートシールバー114及びヒータブロック118をバー受台116に対して接離させる。
図11から明らかなように、ウエブガイドプレート26はジッパ経路の長手方向に長尺なスロット124を有しており、ヒートシールバー114はバー受台116に向けて前進する際、スロット124を通じてウエブガイドプレート26から突出し、バー受台116との間にて、フィルムウエブW及びジッパGの上側フランジFuを挟み込むことができる。
【0044】
この結果、ジッパGはその上側フランジFuがフィルムウエブWにヒートシールされることで、フィルムウエブWに貼り付けられる。
バー受台116はその先端面に耐熱性を有したパッド126を有しており、ヒートシールバー114との間にジッパGを損傷することなく挟み込むことができる。
ジッパGの貼り付け後、フィルムウエブWは包装機側のフィルムフィーダの作動に伴い、充填チューブ10に向けて搬送され、フィルムウエブWに対するジッパGの貼り付けが繰り返される。また、フィルムウエブWの搬送に伴い、貼り付けられたジッパGの下側フランジFdは前述したジッパガイド60の案内溝66から抜け出すことになる。
【0045】
上述の説明から明らかなように、ヒートシーラ112のヒートシールバー114が接離するフィルムウエブWの部位は、ウエブ経路12の上昇経路部分12aに沿って鉛直に延びているから、ヒートシールバー114からの輻射熱は主として上昇経路部分12aに沿って上方に逃がされ、しかも、フィルムウエブWへの輻射熱の伝達はウエブガイドプレート26により遮蔽される。
【0046】
それ故、ヒートシールバー114からの輻射熱に起因してフィルムウエブWに伸びや歪みが生じることはなく、この結果、フィルムウエブWがその外面に模様を有していても、このフィルムウエブWからジッパ付き袋Pが製造されたとき、その模様に変形が生じたり、また、そのジッパGの取付け位置にずれが生じるたりすることはなく、品質の高いジッパ付き袋Pを得ることができる。
【0047】
図11に示されるように、ジッパガイド60の可動ガイド部材64はバー受台116の下面に固定され、そして、バー受台116の後端部は図12(a),(b)に示されるように回動軸128に取付けられている。この回動軸128は水平に延び、装置フレームに一対の軸受130を介して回動自在に支持されている。回動軸128は装置フレームから突出する一端を有し、この一端に操作レバー132が取付けられている。操作レバー132の先端にはグリップハンドル134が取付けられ、このグリップハンドル134は差込み式にして装置フレームに掛止可能となっている。
【0048】
従って、装置フレームに対するグリップハンドル134の掛止を解除し、そして、グリップハンドル134及び操作レバー132を介して回動軸128を回動させれば、図11中、2点鎖線で示されるようにヒートシーラ112のバー受台116はその下面の可動ガイド部材64を伴って上方に回動し、ジッパ経路を大きく開くことができる。この結果、ジッパ経路内にて、万一、ジッパGの詰まりが生じても、この詰まりを速やかに解除できるばかりでなく、また、ジッパ経路周辺の到達センサ110等のメンテナンスもまた容易に行うことができる。
【0049】
なお、図13に示されているように、ジッパガイド60の固定ガイド部材62はウエブガイドプレート26の下側に取付けられ、そして、ウエブガイドプレート26は一対のブラケット136を介して前記ヒートシーラ112の駆動シリンダ122のための取付け台138ベースが取付けられている(図12参照)。
本発明は上述した一実施例に制約されるものでなく、ジッパ貼付装置18における個々の構成要素の具体的な配置や形状等は種々に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ジッパ貼付装置を備えた製袋充填包装機の概略図である。
【図2】図1の包装機により製造されたジッパ付き袋を示した図である。
【図3】図1のジッパ貼付装置の拡大図である。
【図4】ジッパストリップのストリップ経路の終端及びこの終端周辺のジッパ貼付装置の部位を示した平面図である。
【図5】ジッパストリップの一部を破断して示した斜視図である。
【図6】図4のクランパの側面図である。
【図7】ジッパストリップのためのストリップフィーダを示し、(a)はその平面図、(b)はその正面図を示す。
【図8】図4中、VIII-VIII線に沿うジッパガイドの断面図である。
【図9】図4のカッタユニットを示した側面図である。
【図10】図4の切断モジュールの拡大図である。
【図11】図3のウエブガイドプレート周辺を示した拡大図である。
【図12】ヒートシーラを示し、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【図13】ウエブガイドプレートに対し、ジッパガイドにおける固定ガイド部材の取付け状態を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
10 充填チューブ
12 ウエブ経路
12a 上昇経路部分
26 ウエブガイドプレート(方向変更ガイド)
28 ガイドローラ(方向変更ガイド)
31 ガイドローラ(ストリップ経路)
32 クランパ
44 ストリップフィーダ
46 可動グリッパ
60 ジッパガイド
62 固定ガイド部材
64 可動ガイド部材
68 カッタユニット
70 刃受台
72 切断モジュール
78 駆動シリンダ(駆動手段)
90 切断刃
96 挟持パッド
112 ヒートシーラ
114 ヒートシールバー
116 バー受台
124 スロット
128 回動軸(回動機構)
132 操作レバー(回動機構)
134 グリップハンドル(回動機構)
G ジッパ
GS ジッパストリップ
W フィルムウエブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムウエブを充填チューブの回りに円筒状に成形しながら縦シールして中空のウエブ筒に成形し、この後、前記ウエブ筒に対する横シール・切断と物品の充填とを交互に繰り返す製袋充填包装機において、
前記充填チューブに向けて前記フィルムウエブを搬送するウエブ経路に設けられ、前記ウエブ経路の一部に前記フィルムウエブが上方に向かう上昇経路部分を形成する方向変更ガイドと、
前記上昇経路部分に沿ったフィルムウエブの一側縁側に終端を有し、フランジが両側にそれぞれ付けられたジッパストリップをその幅方向が上下となる姿勢で前記上昇経路部分に向けて送出するストリップ経路と、
前記ストリップ経路の終端から前記上昇経路部分におけるフィルムウエブの他側縁側に向け、前記ジッパストリップを水平なジッパ経路に沿って繰り出すストリップフィーダと、
前記ストリップ経路の終端近傍にて、前記ジッパ経路を水平方向に挟んで配置された切断刃及び刃受台を有し、前記ストリップフィーダにより繰り出された前記ジッパストリップを切断し、所定長さのジッパを形成するカッタユニットと、
前記上昇経路部分に沿うフィルムウエブをその表裏側から水平方向に挟んで配置された可動シールバー及びバー受台を有し、前記ジッパの上側フランジを前記フィルムウエブにヒートシールするヒートシーラと
を具備したことを特徴とする製袋充填包装機のジッパ貼付装置。
【請求項2】
前記ストリップフィーダは、
前記ジッパストリップの下側フランジを把持し且つ前記ジッパ経路に沿って往復動可能なグリッパと、
前記ジッパ経路に沿って延び、前記グリッパの把持位置よりも上側の下側フランジの部位を通過させる案内溝を有し、且つ、前記ジッパストリップを下側から保持するジッパガイドと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製袋充填包装機のジッパ貼付装置。
【請求項3】
前記ストリップ経路の終端と前記カッタユニットとの間に設けられ、前記カッタユニットによる前記ジッパストリップの切断に先立ち、前記ジッパストリップを挟持するクランパを更に具備したことを特徴する請求項1又は2に記載の製袋充填包装機のジッパ貼付装置。
【請求項4】
前記カッタユニットは、
前記切断刃及び前記刃受台を互いに接離させて前記ジッパ経路を開閉し、前記ジッパ経路を開いたときには前記切断刃は前記刃受台との間に前記グリッパの通過を許容する駆動手段と、
前記切断刃による前記ジッパストリップの切断に先立ち前記刃受台との間にて前記ジッパストリップを挟持し、且つ、前記切断刃の突出を許容した挟持パッドと
を更に含むことを特徴する請求項2又は3に記載の製袋充填包装機のジッパ貼付装置。
【請求項5】
前記方向変更ガイドは、
フィルムウエブの搬送を水平方向から鉛直方向に変更するL字状のウエブガイドプレートと、
前記ウエブガイドプレートの上方に配置されたガイドローラと
を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の製袋充填包装機のジッパ貼付装置。
【請求項6】
前記ヒートシーラの前記可動シールバーは、前記ジッパ経路との間にて前記ウエブガイドプレートを挟むように配置され、
前記ウエブガイドプレートは前記可動シールバーの通過を許容するスロットを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の製袋充填包装機のジッパ貼付装置。
【請求項7】
前記ジッパガイドは、
前記ウエブガイドプレートに近接して配置された固定ガイド部材と、
前記ヒートシーラの前記バー受台の下面に一体的に取付けられ、前記固定ガイド部材との間にて前記案内溝を形成する可動ガイド部材と、
前記可動ガイド部材を前記バー受台とともに上下方向に回動させる回動機構と
を含むことを特徴とする請求項6に記載の製袋充填包装機のジッパ貼付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−264747(P2006−264747A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−87514(P2005−87514)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】