説明

製袋包装機

【課題】部品の劣化を防ぐことができる製袋包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機100は、縦シール機構2と、第1フィルム検知センサ51と、制御部29とを備える。縦シール機構2は、ホーン21と、アンビル22と、超音波発信器24とを有する。縦シール機構2は、プルダウンベルト機構23によって搬送された筒状フィルムFmをホーン21およびアンビル22で挟み、筒状フィルムFmに超音波振動を与えて筒状フィルムFmをシールする。第1フィルム検知センサ51は、超音波発信器24がホーン21に伝える超音波振動の状態の変化に基づいて、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知する。制御部29は、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていないと第1フィルム検知センサ51が検知した場合に、超音波発信器24を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2001−233309号公報)に開示されているように、フィルム状の包材から袋を成形し、菓子などの被包装物を袋に充填する製袋包装機として、超音波シール装置を備える製袋包装機が用いられている。超音波シール装置は、熱可塑性の包材に微細な超音波振動を与えて包材を溶融させ、包材を加圧してシールする。一般的に、超音波シール装置は、ホーンおよびアンビルと呼ばれる2つの金属部品で包材を挟み、超音波発振器がホーンに伝える超音波振動によって包材をシールする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ホーンおよびアンビルが包材を挟んでいない状態で、ホーンに超音波振動が伝えられた場合、ホーンの先端面と接触しているアンビルは、ホーンの超音波振動を直接的に受けてしまう。これにより、ホーンおよびアンビルが劣化するおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、部品の劣化を防ぐことができる製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る製袋包装機は、搬送部と、シール部と、第1検知部と、制御部とを備える。搬送部は、筒状の包材を搬送する。シール部は、ホーンと、アンビルと、超音波ユニットとを有する。超音波ユニットは、ホーンに連結され、ホーンに超音波振動を伝える。シール部は、搬送部によって搬送された包材をホーンおよびアンビルで挟み、包材に超音波振動を与えて包材をシールする。第1検知部は、超音波ユニットがホーンに伝える超音波振動の状態の変化に基づいて、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれているか否かを検知する。制御部は、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていないと第1検知部が検知した場合に、超音波ユニットを停止する。
【0006】
本発明に係る製袋包装機は、ホーンおよびアンビルによって挟まれた包材に、超音波振動および圧力を与えることで、包材をシールする超音波シール機構を有する。この製袋包装機は、超音波ユニットがホーンに伝える超音波振動の状態の変化に基づいて、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれているか否かを検知する第1検知部を備える。この第1検知部は、例えば、超音波ユニットがホーンに伝える超音波振動の周波数に関する超音波ユニットの出力値をリアルタイムに監視する。第1検知部は、超音波ユニットの周波数の出力値の変動に基づいて、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれているか否かを検知する。例えば、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていない場合、超音波ユニットの周波数の出力値は大きく変動する。この場合、第1検知部は、超音波ユニットの周波数の出力値の変動を検出して、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていないことを検知する。そして、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていない場合にホーンが超音波振動すると、ホーンの先端面と接触しているアンビルは、ホーンの超音波振動を直接的に受ける。これにより、ホーンおよびアンビルが劣化するおそれがある。本発明に係る製袋包装機は、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていないことを第1検知部が検知した場合に、制御部は、超音波ユニットの運転を停止して、ホーンの超音波振動を停止させる。従って、本発明に係る製袋包装機は、部品の劣化を防ぐことができる。
【0007】
また、本発明に係る製袋包装機では、制御部は、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていないと第1検知部が検知した場合に、さらに、搬送部による包材の搬送を停止することが好ましい。この態様では、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていない場合に、制御部は、超音波ユニットの運転を停止するだけでなく、包材の搬送も停止する。
【0008】
また、本発明に係る製袋包装機は、第2検知部をさらに備えることが好ましい。第2検知部は、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれているか否かを検知する。この態様では、制御部は、さらに、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれていないと第2検知部が検知した場合に、超音波ユニットを停止し、かつ、包材の搬送を停止する。この態様では、製袋包装機は、超音波ユニットの周波数の出力値を監視してホーンおよびアンビルによって包材が挟まれているか否かを検知する第1検知部だけでなく、ホーンおよびアンビルによって包材が挟まれているか否かを検知する他の検知機構である第2検知部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る製袋包装機は、部品の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る製袋包装機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る製袋包装機の縦シール機構の外観図である。
【図3】本発明の実施形態に係る縦シール機構のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
(1)製袋包装機の構成
本発明の実施形態に係る製袋包装機100の概略構成図を図1に示す。製袋包装機100は、ポテトチップスなどの被包装物を筒状に成形したフィルムで覆い、フィルムを縦方向および横方向にシールして、被包装物が入った袋を製造する機械である。
【0013】
製袋包装機100は、図1に示すように、主として、包材である熱可塑性のフィルムFを供給するフィルム供給部(図示せず)と、フィルム供給部からシート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する成形機構1と、筒状に成形されたフィルムF(以下、「筒状フィルムFm」と呼ぶ。)の重なり部分Foを縦方向にシールする縦シール機構2と、筒状フィルムFmを横方向にシールする横シール機構3とを有している。
【0014】
(1−1)成形機構
成形機構1は、チューブ11と、フォーマー12とを有している。チューブ11は、上下端が開口している円筒形状の部材である。チューブ11の上端の開口部には、被包装物が投入される。本実施形態では、被包装物の例として、ポテトチップスCを用いる。フォーマー12は、チューブ11を取り囲むように配置されている。フォーマー12は、フィルム供給部から送られたシート状のフィルムFが、フォーマー12とチューブ11との間を通るときに筒状フィルムFmに成形されるような形状を有している。筒状フィルムFmは、フィルムFの水平方向の両端部が互いに重なっている重なり部分Foを有する。筒状フィルムFmの重なり部分Foは、チューブ11の長手方向に延びるように形成される。チューブ11およびフォーマー12は、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0015】
また、図1に示されるように、製袋包装機100の正面から見てチューブ11の左側および右側には、プルダウンベルト機構23が設けられている。プルダウンベルト機構23は、チューブ11に巻き付いた筒状フィルムFmを吸着して下方に搬送する。
【0016】
(1−2)縦シール機構
縦シール機構2は、プルダウンベルト機構23によって下方に搬送される筒状フィルムFmの重なり部分Foに、超音波振動および圧力を与えて縦方向にシールする機構である。縦シール機構2の外観図を図2に示す。縦シール機構2は、ホーン21とアンビル22とを有している。ホーン21は、超音波振動子21aおよびエアシリンダ21bに連結される金属部材である。超音波振動子21aは、例えば、電極間に圧電セラミックスが挿入された素子であり、電圧をかけることで圧電セラミックスが振動して超音波を発生させる。圧電セラミックスは、酸化チタンや酸化バリウムなどの高純度粉体を高温で焼き固め、分極処理を施した多結晶体セラミックスである。エアシリンダ21bは、内部に供給された圧縮空気のエネルギーを、エアシリンダ21bの長手方向の直動運動に変換する筒状の機械である。アンビル22は、チューブ11の外周面に取り付けられ、ホーン21の先端面と対向して配置される金属部材である。
【0017】
ホーン21は、超音波振動子21aが発振した超音波が伝えられることにより、超音波振動を引き起こす。ホーン21は、エアシリンダ21bの内部の空気圧に応じて、アンビル22に向かって進退する。ホーン21は、アンビル22と共に筒状フィルムFmを挟んだ状態で、自身の超音波振動によって筒状フィルムFmを加熱して溶融させ、筒状フィルムFmをアンビル22に向かって押し付けることで加圧する。これにより、筒状フィルムFmの重なり部分Foが溶着してシールされる。
【0018】
縦シール機構2のブロック構成図を図3に示す。縦シール機構2は、ホーン21と、超音波振動子21aと、エアシリンダ21bと、アンビル22と、超音波発信器24と、電空レギュレータ25と、第1フィルム検知センサ51と、第2フィルム検知センサ52と、制御部29と、から構成される。次に、上述した、ホーン21、超音波振動子21a、エアシリンダ21bおよびアンビル22以外の構成要素について説明する。
【0019】
超音波発信器24は、超音波振動子21aを超音波振動させて、ホーン21に超音波振動を伝えるユニットである。超音波発信器24は、超音波振動の周波数や振幅などの、超音波振動の状態を制御することができる。超音波発信器24は、超音波振動子21aに印加する電流および電圧の位相差をゼロにする回路を用いて、ホーン21に伝えられる超音波振動の周波数を自動的に共振周波数に合わせる。
【0020】
電空レギュレータ25は、空気源(図示せず)から供給される空気を、電磁弁25aを介してエアシリンダ21bに送り込み、エアシリンダ21bの内部の空気圧を制御する装置である。すなわち、電空レギュレータ25は、ホーン21およびアンビル22に挟まれた筒状フィルムFmに与える圧力を制御することができる。
【0021】
第1フィルム検知センサ51は、超音波発信器24に接続され、超音波発信器24がホーン21に伝える超音波振動の状態に関する超音波発信器24の出力値をリアルタイムに監視するユニットである。本実施形態において、超音波振動の状態は、例として、超音波振動の周波数を表す。第1フィルム検知センサ51は、後述するように、超音波発信器24の周波数の出力値の変動に基づいて、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知する。
【0022】
第2フィルム検知センサ52は、プルダウンベルト機構23によって下方に搬送される筒状フィルムFmを検知するユニットである。第2フィルム検知センサ52は、ホーン21およびアンビル22の高さ位置よりも下方の高さ位置であって、かつ、チューブ11の外周面の近傍に取り付けられる。本実施形態では、第2フィルム検知センサ52の例として、光電センサを用いる。光電センサは、可視光線や赤外線などの光を、検出対象である筒状フィルムFmに向かって発射し、筒状フィルムFmから反射した光の光量の変化を検出することで、筒状フィルムFmを検知する非接触型のセンサである。
【0023】
制御部29は、プルダウンベルト機構23、超音波発信器24、電空レギュレータ25、第1フィルム検知センサ51および第2フィルム検知センサ52の動作を制御するコンピュータである。制御部29は、第1フィルム検知センサ51または第2フィルム検知センサ52が筒状フィルムFmを検知しなかった場合に、超音波発信器24の運転を停止してホーン21の超音波振動を停止させ、かつ、プルダウンベルト機構23による筒状フィルムFmの搬送を停止する。
【0024】
(1−3)横シール機構
横シール機構3は、成形機構1および縦シール機構2の下方に配置されている。横シール機構3は、ヒータを内蔵する一対のシールジョー31を有している。一対のシールジョー31は、それぞれ、製袋包装機100の正面から見て筒状フィルムFmの前側および後側に配置されている。一対のシールジョー31は、それぞれ、前後対称の略D字状の軌跡を描くように旋回する。一対のシールジョー31は、旋回の途中で、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFmを挟み、袋Bの上下の端部となる筒状フィルムFmの部分に圧力および熱を加えてシールする。
【0025】
シールジョー31の一方の内部には、カッター(図示せず)が内蔵されている。このカッターは、シールジョー31によって横シールされた部分の高さ方向の中心位置において、袋Bと後続の筒状フィルムFmとを切り離す。
【0026】
(2)製袋包装機の動作
被包装物であるポテトチップスCは、製袋包装機100の上方に設けられた計量機(図示せず)によって所定の量だけ計量され、成形機構1のチューブ11の内部に投入される。フィルムFは、フィルム供給部からシート状で送られてきて、成形機構1によって筒状に成形される。成形された筒状フィルムFmは、縦シール機構2によって、プルダウンベルト機構23によって下方に搬送されながら、縦方向にシールされる。
【0027】
縦シール機構2では、超音波発信器24によってホーン21が超音波振動を引き起こす。ホーン21とアンビル22との間に挟まれている筒状フィルムFmの重なり部分Foは、ホーン21から超音波振動のエネルギーを受けて加熱される。加熱されて溶融した筒状フィルムFmの重なり部分Foは、ホーン21およびアンビル22に挟まれることによって加圧される。これにより、筒状フィルムFmの重なり部分Foは、溶着してシールされる。制御部29は、筒状フィルムFmを縦方向にシールする過程において、下方に搬送される筒状フィルムFmの速度に関するプルダウンベルト機構23の出力値、ホーン21に伝えられる超音波振動の周波数に関する超音波発信器24の出力値、および、エアシリンダ21bの内部の空気圧に関する電空レギュレータ25の出力値を制御する。
【0028】
筒状フィルムFmは、縦シール機構2によって縦方向にシールされた後、横シール機構3によって、袋Bの上下の端部となる部分が横方向にシールされる。最初に、袋Bの下端部となる部分が横シールされ、チューブ11内のポテトチップスCが筒状フィルムFmの内部に投入される。次に、袋Bの上端部となる部分が横シールされ、シールジョー31に内蔵されるカッターによって、横シール部分の高さ方向の中心位置が切断される。これにより、袋Bが、後続の筒状フィルムFmから切り離される。
【0029】
(3)フィルム検知機構の動作
縦シール機構2が筒状フィルムFmを超音波シールする際に、第1フィルム検知センサ51および第2フィルム検知センサ52が、筒状フィルムFmを検知する動作について説明する。本実施形態において、第2フィルム検知センサ52は、メインのフィルム検知機構であり、第1フィルム検知センサ52は、第2フィルム検知センサ52をバックアップする役割を持つフィルム検知機構である。
【0030】
第2フィルム検知センサ52は、ホーン21およびアンビル22の高さ位置よりも下方の高さ位置において、チューブ11に巻きついて下方に搬送される筒状フィルムFmが存在するか否かを検知する。光電センサである第2フィルム検知センサ52は、チューブ11に向かって赤外線などの光を発射して、反射した光を受信する。筒状フィルムFmがチューブ11に巻かれていない場合にチューブ11に反射した光と、筒状フィルムFmがチューブ11に巻かれている場合に筒状フィルムFmに反射した光との間には、光量などの物理的性質に差異が存在する。第2フィルム検知センサ52は、チューブ11に向かって発射した光の反射光を受信して、筒状フィルムFmが存在するか否かを検知する。そして、第2フィルム検知センサ52が筒状フィルムFmを検知しなかった場合に、制御部29は、超音波発信器24およびプルダウンベルト機構23を停止する制御を行う。
【0031】
第1フィルム検知センサ51は、ホーン21およびアンビル22によって挟まれている筒状フィルムFmが存在するか否かを検知する。第1フィルム検知センサ51は、第2フィルム検知センサ52が故障している場合や正常に動作していない場合に備えるためのバックアップ的なユニットである。第1フィルム検知センサ51は、超音波発信器24の周波数の出力値をリアルタイムに監視して、この出力値の変動を検出する。
【0032】
ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれている場合、ホーン21の超音波振動エネルギーの大半は筒状フィルムFmに吸収される。筒状フィルムFmに吸収されなかった分の超音波振動エネルギーは、ホーン21の超音波振動の周波数に影響を及ぼす。しかし、超音波発信器24は、ホーン21の超音波振動の周波数を安定に保つように、周波数の出力値を制御しようとする。ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれている場合、ホーン21の超音波振動の周波数に影響を及ぼす超音波振動エネルギーは小さいので、超音波発信器24の周波数の出力値は変動しにくい。
【0033】
一方、フィルムFの損傷や蛇行などによって、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていない場合、ホーン21の先端面がアンビル22に接触している状態で、または、ホーン21の先端面がアンビル22の極めて近傍に位置している状態で、ホーン21が超音波振動する。そのため、アンビル22は、ホーン21の超音波振動エネルギーを直接的に受ける。アンビル22は、チューブ11に固定されている金属部材であり、ホーン21の超音波振動を停止させるように作用する。従って、ホーン21の超音波振動に対するアンビル22の抵抗によって、ホーン21の超音波振動の周波数は低下する。これにより、超音波発信器24の周波数の出力値が大きく変動する。
【0034】
本実施形態では、第1フィルム検知センサ51は、超音波発信器24の周波数の出力値の変動の大きさに応じて、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを判定する。具体的には、超音波発信器24の周波数の出力値の変動の大きさが所定の値より大きい場合、第1フィルム検知センサ51は、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていないと判定する。この場合、制御部29は、超音波発信器24およびプルダウンベルト機構23を停止する制御を行う。
【0035】
(4)製袋包装機の特徴
(4−1)
本実施形態では、第1フィルム検知センサ51は、筒状フィルムFmを縦シールするプロセスにおいて、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知することができる。フィルムFの損傷や蛇行などによって、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていない場合、アンビル22は、ホーン21の超音波振動によってホーン21の先端面と繰り返し衝突する。これにより、ホーン21およびアンビル22は、強度などが低下して劣化しやすくなる。本実施形態では、第1フィルム検知センサ51が、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていないことを検知した場合、制御部29が、超音波発信器24を停止するので、ホーン21およびアンビル22が互いに衝突することを防ぐことができる。従って、本実施形態に係る製袋包装機100は、部品の劣化を防ぐことができる。
【0036】
(4−2)
本実施形態に係る製袋包装機100は、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知するユニットとして、第1フィルム検知センサ51および第2フィルム検知センサ52の2つのユニットを備える。光電センサである第2フィルム検知センサ52は、筒状フィルムFmを検知する中心的なユニットである。一方、第1フィルム検知センサ51は、筒状フィルムFmを検知する補助的なユニットであり、第2フィルム検知センサ52のバックアップユニットである。本実施形態では、第2フィルム検知センサ52が故障などにより正常に動作しなくなった場合でも、第1フィルム検知センサ51が、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知する。従って、本実施形態に係る製袋包装機100は、フィルム検知機構を1つのみ備える製袋包装機に比べて、筒状フィルムFmの検知に関する信頼性が高い。
【0037】
(4−3)
本実施形態に係る製袋包装機100では、第1フィルム検知センサ51または第2フィルム検知センサ52が筒状フィルムFmを検知しなかった場合に、制御部29は、超音波発信器24およびプルダウンベルト機構23を停止する制御を行う。これにより、ホーン21の超音波振動、および、筒状フィルムFmの搬送が停止する。従って、本実施形態に係る製袋包装機100は、異常発生時において、製袋包装機100の運転動作を確実に停止することができる。
【0038】
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。次に、本実施形態に対する適用可能な変形例について説明する。
【0039】
(5−1)変形例A
本実施形態に係る製袋包装機100では、第1フィルム検知センサ51は、超音波発信器24の周波数の出力値をリアルタイムに監視して、この出力値の変動を検出することで、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知する。しかし、第1フィルム検知センサ51は、例えば、超音波発信器24の振幅の出力値をリアルタイムに監視してもよく、また、超音波振動の状態を表す他のパラメータの出力値をリアルタイムに監視してもよい。
【0040】
本変形例において、第1フィルム検知センサ51が、超音波発信器24の振幅の出力値をリアルタイムに監視する場合について説明する。フィルムFの損傷や蛇行などによって、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていない場合、上述したように、アンビル22は、ホーン21の超音波振動を停止させるように作用する。そして、ホーン21の超音波振動に対するアンビル22の抵抗によって、ホーン21の超音波振動の振幅は低下する。これにより、超音波発信器24の振幅の出力値が大きく変動する。この場合、第1フィルム検知センサ51は、超音波発信器24の振幅の出力値の変動を検出して、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmが挟まれていないことを検知する。従って、本変形例における製袋包装機においても、部品の劣化を防ぐことができる。
【0041】
(5−2)変形例B
本実施形態に係る製袋包装機100では、縦シール機構2は、筒状フィルムFmを検知するための第1フィルム検知センサ51を有するが、横シール機構3が、第1フィルム検知センサ51に相当するフィルム検知機構を有してもよい。本変形例において、横シール機構3は、超音波振動するシールジョー31が筒状フィルムFmを溶着させて横シールする超音波シール装置である。横シール機構3のフィルム検知機構は、本実施形態と同様に、超音波発信器の周波数などの出力値の変動を検出することによって、一対のシールジョー31によって筒状フィルムFmが挟まれているか否かを検知する。また、横シール機構3は、本実施形態の第2フィルム検知センサ52に相当する他のフィルム検知機構をさらに有してもよい。
【0042】
(5−3)変形例C
本実施形態に係る製袋包装機100では、第2フィルム検知センサ52として光電センサが用いられるが、他の種類のセンサが用いられてもよい。例えば、第2フィルム検知センサ52として超音波センサが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0043】
2 縦シール機構(シール部)
21 ホーン
22 アンビル
23 プルダウンベルト機構(搬送部)
24 超音波発信器(超音波発信ユニット)
29 制御部
51 第1フィルム検知センサ(第1検知部)
52 第2フィルム検知センサ(第2検知部)
100 製袋包装機
Fm 筒状フィルム(包材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2001−233309号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の包材を搬送する搬送部と、
ホーンと、アンビルと、前記ホーンに連結され前記ホーンに超音波振動を伝える超音波ユニットとを有し、前記搬送部によって搬送された前記包材を前記ホーンおよび前記アンビルで挟み、前記包材に超音波振動を与えて前記包材をシールするシール部と、
前記超音波ユニットが前記ホーンに伝える超音波振動の状態の変化に基づいて、前記ホーンおよび前記アンビルによって前記包材が挟まれているか否かを検知する第1検知部と、
前記ホーンおよび前記アンビルによって前記包材が挟まれていないと前記第1検知部が検知した場合に、前記超音波ユニットを停止する制御部と、
を備える、
製袋包装機。
【請求項2】
前記制御部は、前記ホーンおよび前記アンビルによって前記包材が挟まれていないと前記第1検知部が検知した場合に、さらに、前記搬送部による前記包材の搬送を停止する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記ホーンおよび前記アンビルによって前記包材が挟まれているか否かを検知する第2検知部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、前記ホーンおよび前記アンビルによって前記包材が挟まれていないと前記第2検知部が検知した場合に、前記超音波ユニットを停止し、かつ、前記搬送部による前記包材の搬送を停止する、
請求項1または2に記載の製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−254818(P2012−254818A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129907(P2011−129907)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】