説明

複合光学素子の製造方法及びその製造装置

【課題】光学基材の外径公差が光学芯誤差に与える影響を小さくするとともに、簡易な動作で偏芯調整を行う。
【解決手段】複合光学素子は第1の光学基材11と第2の光学基材12の2枚の光学基材が紫外線硬化型樹脂14を介して接合されたものであり、その製造装置1は、第1の光学基材11、12を夫々着脱可能に保持する下保持具16及び上保持具18と、第1の光学基材11、12の外周の両方に同時に当接させて、前記2枚の光学基材の芯だしを行う芯だし具19とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の光学基材の間に樹脂によるレンズ層を有する複合光学素子の製造方法及びその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子の製造において、光学面を形成する際、光学面の精度を出すためには、金型間、基材間の位置精度を確保することが重要である。これを解決する方法として、例えば、特許文献1のように、上下一対の成形型と、成形型を摺動可能に保持する胴型(スリーブ型)を使うことにより、成形型同士の位置を合わせて光学素子を製造する方法が知られている。
また、複合光学素子の製造方法として、例えば、特許文献2のように、光学基材の外周をチャッキングすることで、金型と光学基材の光軸を合わせる方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−231933号公報
【特許文献2】特開平3−184813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法を複合光学素子に用いる場合、複合光学素子製造の為には少なくとも一方は金型ではなく、光学基材を用いなければならない。従って、複合光学素子を、成形型を摺動可能に保持する胴型を用いて成形しようとする場合、胴型はその内径が決まっているため、光学基材の外径公差によっては、胴型内に光学基材が収まりきらなかったり、胴型内に収まった光学基材同士を重ねる際に、光軸に垂直方向のズレが発生してしまったりする。このため、光学基材の外形公差分が成形品の光学芯誤差に影響を及ぼしてしまう。
また、特許文献2では、光学基材の外周のチャッキングと、金型の位置調整を独立した状態で偏芯調整を行っている。この場合、それぞれの芯だしが独立して行われることで、装置構成及び偏芯調整が複雑になってしまう。
【0005】
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、光学基材の外径公差が光学芯誤差に与える影響を小さくするとともに、簡易な動作で偏芯調整を行うことが可能な複合光学素子の製造方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、2枚の光学基材が樹脂を介して接合された複合光学素子の製造方法であって、2枚の光学基材を夫々対向して保持する工程と、前記2枚の光学基材の少なくとも一方の貼り合わせ面に樹脂を供給する工程と、前記2枚の光学基材の間隔を所望の距離に規制して前記樹脂を押延する工程と、少なくとも1つの芯だし部材を前記2枚の光学基材の両方の外周に当接させて、前記2枚の光学基材の芯だしを行う工程と、前記2枚の光学基材間に挟まれた前記樹脂を硬化させる工程と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、1枚の光学基材に光学面を有する樹脂を有する複合光学素子の製造方法であって、1枚の光学基材を保持する工程と、前記1枚の光学基材の貼り合わせ面又はこれに対向する金型成形面に樹脂を供給する工程と、前記1枚の光学基材と前記金型成形面との間隔を所望の距離に規制して前記樹脂を押延する工程と、少なくとも1つの芯だし部材を前記金型外周及び1枚の光学基材の外周に当接させて、前記2枚の光学基材の芯だしを行う工程と、前記光学基材と前記金型間に挟まれた樹脂を硬化させる工程と、を有することを特徴とする。
好ましくは、前記芯だし部材は先端に向かって厚みが薄くなる形状の斜面を有しており、前記外径中心を一致させる工程では、前記光学基材の外周の縁に、前記芯だし部材の斜面を当接させるようにする。
【0008】
さらに、本発明は、2枚の光学基材が樹脂を介して接合された複合光学素子の製造装置であって、2枚の光学基材を夫々対向して保持する第1と第2の保持部材と、前記第1と第2の保持部材の間隔を所望の距離に規制する間隔規制部材と、前記2枚の光学基材の外周の両方に当接して芯だしを行う芯だし部材と、前記樹脂を硬化する効果手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、1枚の光学基材上に光学面を有する樹脂を有する複合光学素子の製造装置であって、前記樹脂上に光学面を転写する金型と、1枚の光学基材を夫々対向して保持する保持部材と、前記保持部材と前記金型の間隔を所望の距離に規制する間隔規制部材と、前記1枚の光学基材と前記金型の外周の両方に同時に当接して芯だしを行う芯だし部材と、前記樹脂を硬化する硬化手段と、を有することを特徴とする。
好ましくは、前記芯だし部材は、先端に向かって厚みが薄くなる形状の斜面を有している。
好ましくは、前記間隔規制部材と前記芯だし部材とを同一の部材で兼用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光学基材の外径に影響されず、簡易な動作で偏芯調整を行うことが可能な複合光学素子の製造方法及びその製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態の複合光学素子の製造装置の断面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】貼り合わせる2枚の光学基材の断面図である。
【図4】本実施の形態の貼り合わせ方法のフローチャートである。
【図5】光学基材を保持した状態の断面図である。
【図6】同上の平面図である。
【図7】一対の光学基材を対向して保持した状態の断面図である。
【図8】紫外線硬化型樹脂を押延した状態の断面図である。
【図9】光学基材と光学基材の外径中心を一致させた状態の断面図である。
【図10】紫外線硬化型樹脂を硬化させた後、複合光学素子を取り出した状態の断面図である。
【図11】製造された複合光学素子の断面図である。
【図12】第2の実施の形態の複合光学素子の製造装置の断面図である。
【図13】同上の平面図である。
【図14】本実施の形態の貼り合わせ方法のフローチャートである。
【図15】一対の光学基材を対向して保持した状態の断面図である。
【図16】紫外線硬化型樹脂を押延した状態の断面図である。
【図17】光学基材と光学基材の外径中心を一致させた状態の断面図である。
【図18】同上の部分拡大図である。
【図19】紫外線硬化型樹脂を硬化させた後、複合光学素子を取り出した状態の断面図である。
【図20】第3の実施の形態の複合光学素子の製造装置の断面図である。
【図21】同上の平面図である。
【図22】貼り合わせる光学基材の断面図である。
【図23】本実施の形態での貼り合わせ方法のフローチャートである。
【図24】光学基材に対し金型を対向して保持した状態の断面図である。
【図25】紫外線硬化型樹脂を押延した状態の断面図である。
【図26】光学基材と金型の外径中心を一致させた状態の断面図である。
【図27】紫外線硬化型樹脂を硬化させた後、複合光学素子を取り出した状態の断面図である。
【図28】複合光学素子の離型方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
(製造装置の構成)
【0013】
図1は、本実施の形態の複合光学素子の製造装置1の断面図、図2は、その平面図である。
複合光学素子の製造装置1は、第1の光学基材11と第2の光学基材12とが、樹脂(本実施の形態では紫外線硬化型樹脂14)を介して接合された複合光学素子10を製造する装置である。
この製造装置1は、第1と第2の光学基材11、12を夫々着脱可能に保持する第1と第2の保持部材としての下保持具16及び上保持具18、この下保持具16及び上保持具18の間隔を所望の距離に規制する間隔規制部材としての高さ規制具17、第1と第2の光学基材11、12の両外周に略同時に当接することで、芯出しを行う芯だし部材としての3個の芯だし具19、及び紫外線硬化型樹脂14を硬化する硬化手段としての紫外線ランプ15を有している。
【0014】
下保持具16は、段付き円筒状をなしている。この下保持具16は、軸方向の下半分が大径筒状の基台部16Aと上半分が小径筒状の先端部16Bとを有している。基台部16Aと先端部16Bの境界は、段差となって平坦面16aに形成されている。この平坦面16aは、例えば鏡面に仕上げられている。
この下保持具16は、先端部16Bの先端面により、第1の光学基材11の光学面(反貼り合わせ面11b)側の面を支持する。この下保持具16は、不図示の真空吸着装置を有し、その真空圧で第1の光学基材11を吸引保持する。
【0015】
上保持具18は、下保持具16と略同様の段付き円筒状をなしている。この上保持具18は、軸方向の下半分が大径筒状の基台部18Aと上半分が小径筒状の先端部18Bとを有している。基台部18Aと先端部18Bの境界は、段差となって平坦面18aに形成されている。この平坦面18aは、例えば鏡面に仕上げられている。
この上保持具18は、先端部18Bの先端面で第2の光学基材12の光学面(反貼り合わせ面12b)側の面を支持する。この上保持具18は、不図示の真空吸着装置を有し、その真空圧で第2の光学基材12を吸引保持する。
【0016】
高さ規制具17は、下保持具16と上保持具18の光軸O−O方向の間隔を所望の距離に規制するためのものである。この高さ規制具17は、略円筒状をなしている。この高さ規制具17は、その内径が光学基材の径よりも大きくなっており、下保持具16の平坦面16aに載置される。この高さ規制具17の両端面は、例えば鏡面に仕上げられていて、その両端面で下保持具16と上保持具18を当接支持する。
この高さ規制具17は、その中心に向かって略120°間隔で形成された所定幅の3個の溝17aを有している。この溝17aに、各芯だし具19が摺動自在に挿入されて保持される。
【0017】
3個の芯だし具19は、夫々細長い角部材からなる本体部19aを有している。この本体部19aは、光軸O−Oを中心として放射状に配置されている。これら3個の本体部19aが、チャッキング機構により、その移動タイミングや移動量が略同時かつ均等に行われるようになっている。本体部19aは、その先端面119aが例えば鏡面に仕上げられている。本実施の形態では、これら各先端面119aが、光軸O−Oを中心とする円(光学基材の側面)に略同時に当接(本実施の形態では点接触)して、円板状の光学基材を位置決めするようになっている。
ここで、各先端面119aが、第1と第2の光学基材11、12の外周に略同時に当接して、第1と第2の光学基材11、12の外径中心を一致させる。なお、本実施の形態では芯だし具は3個となっているが、3本以上でもよく、当接することでチャッキングが均等に行われるようになっていればよい。
【0018】
なお、下保持具16と上保持具18の昇降移動、及び3個の芯だし具19の進退移動等は、不図示のモータ等を駆動して自動で行うことができる。
こうして、第1と第2の光学基材11、12を芯だしした後、紫外線ランプ15により紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂14を硬化する。
【0019】
(光学基材の形状)
図3は、貼り合わせる2枚の光学基材の断面図である。
図3において、第1の光学基材11は凹メニスカス形状を有している。この第1の光学基材11は、貼り合わせ面11aと反貼り合わせ面11bとを有している。
貼り合わせ面11aは、その近似曲率半径R1がR1=13.6mmの非球面形状を有している。なお、この貼り合わせ面11aは非球面形状に限らない。例えば、球面形状であってもよい(他の実施の形態においてもそれは同様である)。
また、反貼り合わせ面11bは、その近似曲率半径R2がR2=24.1mmの非球面形状を有している。なお、この反貼り合わせ面11bも非球面形状に限らない。例えば、球面形状であってもよい(他の実施の形態においてもそれは同様である)。
ここで、「貼り合わせ面」とは、後述するエネルギー硬化型樹脂(本実施の形態では、紫外線硬化型樹脂)と接触する側の光学基材の面のことであり、「反貼り合わせ面」とは、貼り合わせ面と光学基材を挟んで対向する光学面のことである。本実施例では、光学面が貼り合わせ面及び反貼り合わせ面となっているが、貼り合わせ面は光学面でなくても良く、樹脂と接触する面であれば良い。
第1の光学基材11は、中心肉厚t1がt1=3mm、外径D1がD1=25.2mmのプラスチック成形レンズである。
【0020】
第1の光学基材11の貼り合わせ面側の面は、光学有効径D0の貼り合わせ面11aと、その外側に配置される光軸O−Oと垂直な面内に形成された輪帯状の平坦面11cと、から形成されている。ただし、この平坦面11cは、平面に限らず、例えば曲面であってもよい。これらの点は、後述する各実施の形態においても同様である。また、平坦面11cを持たない光学基材を用いても良い。
本実施の形態では、第1の光学基材11として、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂(ゼオネックス480R:日本ゼオン(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
【0021】
次に、第2の光学基材12は凸メニスカス形状を有している。この第2の光学基材12は、貼り合わせ面12aと反貼り合わせ面12bとを有している。
貼り合わせ面12aは、その近似曲率半径R3がR3=15.1mmの非球面形状を有している。なお、この貼り合わせ面12aは非球面形状に限らない。例えば、球面形状であってもよい(他の実施の形態においてもそれは同様である)。
また、反貼り合わせ面12bは、その近似曲率半径R4がR4=56.5mmの非球面形状を有している。なお、この反貼り合わせ面12bも非球面形状に限らない。例えば、球面形状であってもよい(他の実施の形態においてもそれは同様である)。
この第2の光学基材12は、中心肉厚t2がt2=4mm、外径D2がD2=25.2mmのプラスチック成形レンズである。
【0022】
この第2の光学基材12の貼り合わせ面側の面は、光学有効径D0の貼り合わせ面12aと、その外側に配置される光軸O−Oと垂直方向の輪帯状の平坦面12cと、から形成されている。ただし、平坦面12cは、平面に限らず、例えば曲面であってもよい。これらの点は、後述する各実施の形態においても同様である。また、平坦面12cを持たない光学基材を用いても良い。
本実施の形態では、第2の光学基材12として、PC(ポリカーボネート)樹脂(ユピゼータEP5000:三菱ガス化学(株)社製)の熱可塑性樹脂を用いた。
なお、第1の光学基材11及び第2の光学基材12において、その貼り合わせ面は、プラズマ放電による親水処理を行った後、シランカップリング剤で処理する。こうして、第1の光学基材11及び第2の光学基材12は、紫外線硬化型樹脂14との密着性を向上させている。なお、この処理は後述する各実施の形態においても同様に行っている。
【0023】
(貼り合わせ方法)
次に、貼り合わせ方法について説明する。
図4は、本実施の形態の貼り合わせ方法のフローチャートである。また、図5は、第1の光学基材11を保持した状態の断面図で、前述した図1に対応し、図6は、その平面図で前述した図2に対応する。また、図7は、第1の光学基材11に対し第2の光学基材12を対向して保持した状態の断面図、図8は、紫外線硬化型樹脂14を押延した状態の断面図、図9は、第1の光学基材11と第2の光学基材12の外径中心を一致させた状態の断面図、図10は、紫外線硬化型樹脂14を硬化させた後、複合光学素子10を取り出した状態の断面図、図11は、製造された複合光学素子10の断面図である。
【0024】
図5及び図6において、第1の光学基材11の反貼り合わせ面11b側の面を下保持具16により支持し、真空吸着により吸引する(図4のS1)。なお、真空吸着した状態で、第1の光学基材11の平坦面11cを、例えばトントンと叩けば、第1の光学基材11は下保持具16に対して微小移動することができる(他の実施の形態においてもそれは同様である)。
次いで、不図示のシリンジ(樹脂供給手段)を用いて、第1の光学基材11の貼り合わせ面11aに紫外線硬化型樹脂14を所望量吐出する(図4のS2)。
【0025】
また、下保持具16の平坦面16a上に、円筒状の高さ規制具17を載置する。次いで、この高さ規制具17に形成された3個の溝17aに、夫々芯だし具19を摺動自在に挿入して保持する。
一方、同様にして、図7に示すように、第2の光学基材12の反貼り合わせ面12b側の面を上保持具18により支持し、真空吸着により吸引する。なお、前述の第1の光学基材11と同様の方法で、第2の光学基材12は上保持具18に対して微小移動することができる(他の実施の形態においてもそれは同様である)。こうして、第1の光学基材11と第2の光学基材12を対向して保持する(図4のS1)。
【0026】
次いで、上保持具18に保持された第2の光学基材12を、第1の光学基材11に接近移動させる。このとき、第2の光学基材12の貼り合わせ面12aにより紫外線硬化型樹脂14を押延する(図4のS3)。
さらに、図8に示すように、上保持具18の平坦面18aが高さ規制具17の上端面に当接するまで、上保持具18を第1の光学基材11に向けて接近移動させる。このとき、下保持具16と高さ規制具17、及び上保持具18が相互に当てついた時点で、紫外線硬化型樹脂14の中心樹脂厚が設計値となるように、それぞれの高さが設計されている。
さらに、紫外線硬化型樹脂14の吐出量は、第1の光学基材11と第2の光学基材12により挟持された樹脂層が所望の厚さになったとき、少なくとも、その樹脂径が光学有効径D0以上となるような量とされている。
【0027】
次に、図9(及び図6)に示すように、3個の芯だし具19の各先端面119aが、第1の光学基材11及び第2の光学基材12の外周に略同時に当接するまで、3個の芯だし具19を中心に向けて前進させる。このように、第1と第2の光学基材11、12に対し、3個の芯だし具19を同時にチャッキングすることで、芯だしを行い、第1と第2の光学基材11、12の外径中心を合わせる。
芯だし具19の先端面119aは、光軸O−Oに平行な面に形成されている。3個の芯だし具19の各先端面119aが、第1と第2の光学基材11、12の両外周に略同時に当てついた時点で、第1と第2の光学基材11、12の外径中心が一致するように位置決めされている(図4のS4)。
このため、芯だし具19の当接による外径中心合わせは、芯だし具19の先端面119aの加工精度に依存している。なお、第1の光学基材11及び第2の光学基材12が円形ではなく、例えば4角形の場合は、4方向から4個の芯だし具19によって当接すればよい。
【0028】
次いで、この位置決め状態を保持したまま、下方から第1の光学基材11を通して紫外線ランプ15により紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂14を硬化させる(図4のS5)。
このときの紫外線の照度は、20±2mW/cmのほぼ均一な照度分布をもつ紫外線を60秒照射する。
【0029】
次に、図10に示すように、紫外線硬化型樹脂14を硬化させた後、芯だし具19の本体部19aを水平に後退させ、次に、上保持具18及び第2の光学基材12を上昇させる。次いで、真空吸着を解除して上保持具18から複合光学素子10を離す。この複合光学素子10は、第1の光学基材11と第2の光学基材12との間に紫外線硬化型樹脂14からなるレンズ層を有する。
図11に示すように、製造された複合光学素子10は、樹脂層の中心樹脂厚が0.6mm、光学有効径D0(φ17.8mm)における樹脂層の樹脂厚は0.19mmであった。このときの偏芯精度は、光軸と平行方向(シフト)で15μm、垂直方向の傾き(チルト)は1.5min以下であった。
【0030】
本実施の形態によれば、第1と第2の光学基材11,12を、下保持具16と上保持具18により夫々保持し、夫々の間隔を高さ規制具17で規制したまま、3個の芯だし具19が第1と第2の光学基材11,12の両外周に略同時に当接されて、芯だしを行うことで、外径中心を一致させ、光学基材の外径公差の影響を小さくしつつ、簡易な動作で偏芯調整を行うことができる。
また、簡易な手順により、第1と第2の光学基材11、12の外径と夫々の反貼り合わせ面11b、12bの光軸とのズレを高精度に抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、硬化する樹脂として紫外線硬化型樹脂14を用いたが、これに代えて熱硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂を用いることもできる。この場合は、硬化手段として、紫外線ランプ15に代えて加熱装置を用いることになる。
【0031】
[第2の実施の形態]
(製造装置の構成)
図12は、本実施の形態の複合光学素子の製造装置1の断面図、図13は、その平面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この製造装置1は、第1と第2の光学基材11、12を夫々着脱可能に保持する下保持具16及び上保持具18、この下保持具16及び上保持具18の間隔を所望の距離に規制するとともに、第1と第2の光学基材11、12の両外周に略同時に当接することで、芯出しを行う3個の芯だし具19、及び紫外線硬化型樹脂14を硬化する紫外線ランプ15を有している。
なお、本実施の形態では、下保持具16と上保持具18の形状(図15参照)は、第1の実施の形態と同一である。
【0032】
本実施の形態では、第1の実施の形態の間隔規制部材(17)と芯だし部材(19)とが一体になった、芯だし具19で兼用したものである。
この芯だし具19は、板状の本体部19aとその内側の爪部19bとで対をなし、この芯だし具19が3個設けられている(図13参照)。また、各爪部19bは、軸方向の内側中間部に先端(中心側)に向かって厚みが薄くなるような斜面119b、119b’を有している。
【0033】
この本体部19a及び爪部19bを有する3個の芯だし具19が、下保持具16の平坦面16a上に、120°間隔で放射状に摺動自在に配置されている。この3個の芯だし具19は、チャッキング機構により、その移動タイミングや移動量は略同時かつ均等に行われるようになっている。
そして、3個の爪部19bの先端が、第1と第2の光学基材11,12の夫々の対向する面の外周の縁に形成された面取り部11d、12dに略同時に嵌合されることで、芯だしが行われ、第1と第2の光学基材11,12の外径中心が一度に位置決めされるようになっている。
【0034】
(光学基材の形状)
貼り合わせる第1と第2の光学基材11,12は、その形状及び材質とも第1の実施の形態と略同一であるが、第1と第2の光学基材11,12の夫々の対向する面の外周の縁に、面取り部11d、12dが形成されている点が相違している。本実施例では、光学面が貼り合わせ面及び反貼り合わせ面となっているが、貼り合わせ面は光学面でなくても良く、樹脂と接触する面であれば良い。
【0035】
(貼り合わせ方法)
次に、貼り合わせ方法について説明する。
図14は、本実施の形態での貼り合わせ方法のフローチャートである。また、図15は、第1の光学基材11に対し第2の光学基材12を対向して保持した状態の断面図、図16は、紫外線硬化型樹脂14を押延した状態の断面図、図17は、第1の光学基材11と第2の光学基材12の外径中心を一致させた状態の断面図、図18は、その部分拡大図、図19は、紫外線硬化型樹脂14を硬化させた後、複合光学素子10を取り出した状態の断面図である。
【0036】
前述した図12において、第1の光学基材11の反貼り合わせ面11b側の面を下保持具16により支持し、真空吸着により吸引する(図14のS11)。
次いで、不図示のシリンジ(樹脂供給手段)を用いて、第1の光学基材11の貼り合わせ面11aに紫外線硬化型樹脂14を所望量吐出する(図14のS12)。
また、下保持具16の平坦面16a上に、3個の芯だし具19を摺動自在に配置する。
【0037】
一方、同様にして、図15に示すように、第2の光学基材12の反貼り合わせ面12b側の面を上保持具18により支持し、真空吸着により吸引する。こうして、第1の光学基材11と第2の光学基材12を対向して保持する(図14のS11)。
次いで、上保持具18に保持された第2の光学基材12を、第1の光学基材11に接近移動させる。このとき、第2の光学基材12の貼り合わせ面12aにより紫外線硬化型樹脂14を押延する(図14のS13)。
【0038】
さらに、図16に示すように、上保持具18の平坦面18aが、3個の芯だし具19の各本体部19aの上端面に当接するまで、第2の光学基材12を第1の光学基材11に接近移動させる。このとき、下保持具16と芯だし具19、及び上保持具18が当てついた時点で、紫外線硬化型樹脂14の中心樹脂厚が設計値となるように、それぞれの高さが設計されている。
さらに、紫外線硬化型樹脂14の吐出量は、第1の光学基材11と第2の光学基材12により挟持された樹脂層が所望の厚さになったとき、その樹脂径が少なくとも、光学有効径D0以上となるような量とされている。
【0039】
この状態で、3個の芯だし具19の本体部19a及び爪部19bを、第1の光学基材11及び第2の光学基材12の両外周に略同時に当接するまで中心に向けて前進させる。
本実施の形態では、図17及び図18に示すように、第1と第2の光学基材11,12の夫々の外周の縁に形成された面取り部11d、12dに、爪部19bの斜面119b、119b’を当接して嵌合する(図14のS14)。このように、面取り部11d、12dが、爪部19bの斜面119b、119b’と嵌合するように形成されているため、光学基材を傷つけることなく、爪部によるチャッキングを行うことができる。
【0040】
この場合、爪部19bの斜面119b、119bは、先端(中心)の方が薄くなるように傾斜しているので、3個の芯だし具19のチャッキング動作により、第1と第2の光学基材11、12には上下に押し付けられる方向の力が加わる。すなわち、第1の光学基材11は下保持具16の方向に押圧され、また、第2の光学基材12は上保持具18の方向に押圧される。このため、紫外線硬化型樹脂14が硬化収縮中の第1の光学基材11、12の浮き上がりを防止することができる。また、爪部によるチャッキングによって、光軸O−Oと垂直な方向のズレも抑制が行われるため、より精度の高い位置決めを行うことができる。
【0041】
次に、図17において、面取り部11d、12dに芯だし具19の爪部19bを当接したまま、下方から第1の光学基材11を通して紫外線ランプ15により紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂14を硬化させる(図14のS15)。
このときの紫外線の照度は、20±2mW/cmのほぼ均一な照度分布をもつ紫外線を60秒照射する。
【0042】
次に、図19に示すように、紫外線硬化型樹脂14を硬化させた後、3個の芯だし具19を水平に後退させ、上保持具18を上昇させる。その後、上保持具18による真空吸着を解除して複合光学素子10を離す。
この複合光学素子10は、樹脂層の中心樹脂厚が0.6mm、光学有効径(φ17.8mm)における樹脂層の樹脂厚は0.19mmであった。このときの偏芯精度は、光軸と平行方向(シフト)で15μm、垂直方向の傾き(チルト)は1.0min以下であった。
【0043】
本実施の形態によれば、簡易な手順により、第1と第2の光学基材11、12の外径と、夫々の反貼り合わせ面11b、12bの光軸とのズレを抑制して高精度な位置決めを行うことができる。また、第1の実施の形態に比べて1個の取付具を削減することができる(部品点数の削減)。
なお、上記実施の形態では、硬化する樹脂として紫外線硬化型樹脂14を用いたが、これに代えて熱硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂を用いることもできる。この場合は、硬化手段として、紫外線ランプ15に代えて加熱装置を用いることになる。
【0044】
[第3の実施の形態]
(製造装置の構成)
図20は、本実施の形態の複合光学素子の製造装置1の断面図、図21は、その平面図である。また、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この製造装置1は、第1の光学基材11を着脱可能に保持する保持部材としての下保持具16、この下保持具16に対向する金型31の成形面31a、下保持具16と金型31の成形面31aとの間隔を所望の距離に規制するとともに、第1の光学基材11と金型31の両外周に略同時に当接することで、芯出しを行う3個の芯だし具19、及び紫外線硬化型樹脂14を硬化する紫外線ランプ15を有している。
なお、本実施の形態では、下保持具16の形状(図20参照)は、第1の実施の形態と同一である。
【0045】
本実施の形態では、1枚の光学基材としての第1の光学基材11に紫外線硬化型樹脂14が接合された複合光学素子10の製造について説明する。
芯だし具19は、板状の本体部19aと爪部19bとで対をなし、この芯だし具19が3個設けられている(図21参照)。爪部19bは、上面が水平面129bで、下面が中心に向かって上方に傾斜する斜面129b’を有し、先端側は光軸O−Oと平行な鉛直面129b”に形成されている。
この3個の芯だし具19が、120°間隔で下保持具16の平坦面16a上に放射状に摺動自在に配置されている。この3個の芯だし具19は、チャッキング機構により、その移動タイミングや移動量は略同時かつ均等に行われるようになっている。
【0046】
金型31は、大径の基台部31Aと小径の円柱部31Bとを有している。そして、円柱部31Bの先端には非球面状の成型面31aが形成され、側面は平滑な円柱面31bに形成されている。
そして、各爪部19bの斜面129b’が、第1の光学基材11の金型と対向する面の外周の縁に当接し、かつ、各爪部19bの鉛直面129b”が金型31の円柱面31bに当接することが略同時に発生することで、第1の光学基材11と金型31の外径中心が位置決めされるようになっている。
【0047】
(光学基材の形状)
図22は、本実施の形態で貼り合わせられる光学基材11の断面図である。
図22において、1枚の光学基材としての第1の光学基材11は、凹メニスカス形状を有している。この第1の光学基材11は、貼り合わせ面11aと反貼り合わせ面11bとを有している。本実施例では、光学面が貼り合わせ面及び反貼り合わせ面となっているが、貼り合わせ面は光学面でなくても良く、樹脂と接触する面であれば良い。
貼り合わせ面11aは、その近似曲率半径R1がR1=13.6mmの非球面形状を有している。
また、反貼り合わせ面11bは、その近似曲率半径R2がR2=24.1mmの非球面形状を有している。
【0048】
この第1の光学基材11は、中心肉厚t1がt1=4mm、外径D1がD1=25.2mmのガラス成形レンズである。なお、ガラスの代わりにプラスチックでもよい。
この第1の光学基材11の貼り合わせ面側の面は、光学有効径D0の貼り合わせ面11aと、その外側に配置される光軸O−Oと垂直方向の平坦面11cと、から形成されている。
【0049】
本実施の形態では、第1の光学基材11として、S−LAH53(オハラ(株)社製)のガラスを用いた。また、紫外線硬化型樹脂14の押延に用いる金型31は、成型面31aの近似曲率半径15.1mmの非球面形状をした凸形状である(図24参照)。この金型31の材質は、WC(タングステンカーバイト)である。
【0050】
(貼り合わせ方法)
次に、貼り合わせ方法について説明する。
図23は、本実施の形態での貼り合わせ方法のフローチャートである。また、図24は、第1の光学基材11に対し金型31を対向して保持した状態の断面図、図25は、紫外線硬化型樹脂14を押延した状態の断面図、図26は、第1の光学基材11と金型31の外径中心を一致させた状態の断面図、図27は、紫外線硬化型樹脂14を硬化させた後、複合光学素子10を取り出した状態の断面図、図28は、複合光学素子10の離型方法を示す図である。
前述した図20において、第1の光学基材11の反貼り合わせ面11b側の面を下保持具16により支持し、真空吸着により吸引保持する(図23のS21)。
【0051】
次いで、不図示のシリンジ(樹脂供給手段)を用いて、第1の光学基材11の貼り合わせ面11aに紫外線硬化型樹脂14を所望量吐出する(図23のS22)。
また、下保持具16の平坦面16a上に、3個の芯だし具19を摺動自在に載置する。
次いで、図24に示すように、第1の光学基材11の貼り合わせ面11aに対向するように金型31を配置する。
【0052】
こうして、図25に示すように、金型31の成型面31aを押し付けて紫外線硬化型樹脂14を押延する(図23のS23)。
さらに、図26に示すように、金型31の基台部31Aの下面が各芯だし具19の上端面に当接するまで、金型31を接近移動させる。このとき、下保持具16と芯だし具19、及び金型31が当てついた時点で、紫外線硬化型樹脂14の中心樹脂厚が設計値となるように、それぞれの高さが設計されている。
さらに、紫外線硬化型樹脂14の吐出量は、第1の光学基材11と金型31により挟持された樹脂層が所望の厚さになったとき、その樹脂径が少なくとも、光学有効径D0(図22参照)以上となるような量とされている。
【0053】
この状態で、3個の芯だし具19を第1の光学基材11及び金型31の円柱面31bに当接するまで前進させる。
このとき、3個の芯だし具19が略同時に前進し、その先端側の鉛直面129b”が金型31の円柱面31bに当接した時点で、第1の光学基材11は各芯だし具19の下面側の斜面129b’により下方(下保持具16側)に押し付けられるように加工されている。この3個の芯だし具19の押し付けにより、芯だしが行われ、金型31の円柱面31b及び第1の光学基材11の外径を基準として、金型31と第1の光学基材11の外径中心が一致する(図23のS24)。ここで、金型31の成型面が樹脂に転写されるため、第1の光学基材11と紫外線硬化型樹脂14の外径中心も一致することとなる。
【0054】
この状態を保持したまま、下方から第1の光学基材11を通して紫外線ランプ15により紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂14を硬化させる(図23のS25)。
このときの紫外線の照度は、20±2mW/cmのほぼ均一な照度分布をもつ紫外線を60秒照射する。
【0055】
次に、図27に示すように、紫外線硬化型樹脂14を硬化させた後、3個の芯だし具19を水平に後退させ、金型31を上昇させる。
なお、本実施の形態では、第1の光学基材11としてガラスを用いたが、これに限らず、例えば、プラスチックを用いてもよい。
ここで、図28に示すように、第1の光学基材11、金型31、及び紫外線硬化型樹脂14の複合体に対し、離型爪38を第1の光学基材11の平坦面11cに引っ掛けるとよい。次いで、金型31を上昇させることで、第1の光学基材11に紫外線硬化型樹脂14が接合された複合光学素子10を得ることができる。
図22に示したように、この複合光学素子10は、樹脂層の中心樹脂厚が0.6mm、光学有効径D0(φ17.8mm)における樹脂層の樹脂厚は0.19mmであった。また、このときの偏芯精度は、光軸O−Oと平行方向(シフト)で10μm、垂直方向の傾き(チルト)は1.0min以下であった。
【0056】
本実施の形態によれば、簡易な手順により第1の光学基材11と紫外線硬化型樹脂14との光軸のズレ(偏芯精度)を高精度に抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、硬化する樹脂として紫外線硬化型樹脂14を用いたが、これに代えて熱硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂を用いることもできる。この場合は、硬化手段として、紫外線ランプ15に代えて加熱装置を用いることになる。
【符号の説明】
【0057】
10 複合光学素子
11 第1の光学基材
11a 貼り合わせ面
11b 反貼り合わせ面
11c 平坦面
11d 面取り部
12 第2の光学基材
12a 貼り合わせ面
12b 反貼り合わせ面
12c 平坦面
12d 面取り部
14 紫外線硬化型樹脂
15 紫外線ランプ
16 下保持具
16A 基台部
16B 先端部
16a 平坦面
17 高さ規制具
17a 溝
18 上保持具
18A 基台部
18B 先端部
18a 平坦面
19 芯だし具
19a 本体部
119a 先端面
19b 爪部
119b 斜面
119b’斜面
129b 水平面
129b’斜面
129b”鉛直面
31 金型
31A 基台部
31B 円柱部
31a 成型面
31b 円柱面
38 離型爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の光学基材が樹脂を介して接合された複合光学素子の製造方法であって、
2枚の光学基材を夫々対向して保持する工程と、
前記2枚の光学基材の少なくとも一方の貼り合わせ面に樹脂を供給する工程と、
前記2枚の光学基材の間隔を所望の距離に規制して前記樹脂を押延する工程と、
少なくとも1つの芯だし部材を前記2枚の光学基材の両方の外周に当接させて、前記2枚の光学基材の芯だしを行う工程と、
前記2枚の光学基材間に挟まれた前記樹脂を硬化させる工程と、
を有することを特徴とする複合光学素子の製造方法。
【請求項2】
1枚の光学基材に光学面を有する樹脂を有する複合光学素子の製造方法であって、
1枚の光学基材を保持する工程と、
前記1枚の光学基材の貼り合わせ面又はこれに対向する金型成形面に樹脂を供給する工程と、
前記1枚の光学基材と前記金型成形面との間隔を所望の距離に規制して前記樹脂を押延する工程と、
少なくとも1つの芯だし部材を前記金型外周及び1枚の光学基材の外周に当接させて、前記2枚の光学基材の芯だしを行う工程と、
前記光学基材と前記金型間に挟まれた樹脂を硬化させる工程と、を有する
ことを特徴とする複合光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記芯だし部材は先端に向かって厚みが薄くなる形状の斜面を有しており、
前記外径中心を一致させる工程では、前記光学基材の外周の縁に、前記芯だし部材の斜面を当接させることを特徴とする請求項1または2に記載の複合光学素子の製造方法。
【請求項4】
2枚の光学基材が樹脂を介して接合された複合光学素子の製造装置であって、
2枚の光学基材を夫々対向して保持する第1と第2の保持部材と、
前記第1と第2の保持部材の間隔を所望の距離に規制する間隔規制部材と、
前記2枚の光学基材の外周の両方に当接して芯だしを行う芯だし部材と、
前記樹脂を硬化する硬化手段と、
を有することを特徴とする複合光学素子の製造装置。
【請求項5】
1枚の光学基材上に光学面を有する樹脂を有する複合光学素子の製造装置であって、
前記樹脂上に光学面を転写する金型と、
1枚の光学基材を夫々対向して保持する保持部材と、
前記保持部材と前記金型の間隔を所望の距離に規制する間隔規制部材と、
前記1枚の光学基材と前記金型の外周の両方に同時に当接して芯だしを行う芯だし部材と、
前記樹脂を硬化する効果手段と、
を有することを特徴とする複合光学素子の製造装置。
【請求項6】
前記芯だし部材は、先端に向かって厚みが薄くなる形状の斜面を有する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の複合光学素子の製造方法。
【請求項7】
前記間隔規制部材と前記芯だし部材とを同一の部材で兼用した
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の複合光学素子の製造装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−175087(P2011−175087A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38926(P2010−38926)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】